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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】密封装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/18 20060101AFI20241114BHJP
   F16J 15/3232 20160101ALI20241114BHJP
   F16F 9/36 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F16J15/18 A
F16J15/3232 101
F16F9/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022563633
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2021038199
(87)【国際公開番号】W WO2022107516
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2020191514
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 達也
(72)【発明者】
【氏名】山口 優
(72)【発明者】
【氏名】稀代 昌道
(72)【発明者】
【氏名】山内 寿晃
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-218817(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0316119(US,A1)
【文献】特開2010-223282(JP,A)
【文献】特開2000-346202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/00-9/58
F16J 15/3204-15/3236
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、
前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、
前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングのそれぞれと接触するアウターシールと、を備え、
記シールハウジングは、前記アウターシールに接触する接触面に凹部を有し、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に前記アウターシールが組み込まれた状態で、前記凹部内に、前記アウターシールの一部が食い込んでいる、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項2】
軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、
前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、
前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングのそれぞれと接触するアウターシールと、を備え、
前記アウターシールは、前記シールハウジングに接触する接触面に凹部を有し、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に前記アウターシールが組み込まれた状態で、前記凹部は変形して前記凹部は前記シールハウジングに押し付けられている、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項3】
軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、
前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、
前記軸線と交差する径方向において、前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングと接触するアウターシールと、を備え、
前記アウターシールは、前記シールハウジングまたは前記インナーシールとの接触面に、凹部または凸部である第1部分を有し、
前記シールハウジングまたは前記インナーシールは、前記第1部分に嵌合する、凹部または凸部である第2部分を有し、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に前記アウターシールが組み込まれた状態で、前記径方向において、前記第1部分と前記第2部分とは密接し、前記インナーシールと前記アウターシールとは密接し、前記アウターシールと前記シールハウジングとは密接している、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項4】
軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、
前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、
前記軸線と交差する径方向において、前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングと接触するアウターシールと、を備え、
前記アウターシールは、前記シールハウジングおよび前記インナーシールとの各接触面に、凹部または凸部である第1部分を有し、
前記シールハウジングおよび前記インナーシールのそれぞれは、前記第1部分に嵌合する、凹部または凸部である第2部分を有し、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に前記アウターシールが組み込まれた状態で、前記径方向において、前記第1部分と前記第2部分とは密接し、前記インナーシールと前記アウターシールとは密接し、前記アウターシールと前記シールハウジングとは密接している、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項5】
軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、
前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、
前記軸線と交差する径方向において、前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングと接触するアウターシールと、を備え、
前記アウターシールは、前記軸線方向に沿って突出する凸部である第1部分を有し、
前記シリンダーと前記ロッドとの間に前記アウターシールが組み込まれた状態で、前記径方向において、前記第1部分前記シールハウジングと前記インナーシールによって挟み込まれている、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項6】
前記凹部は、周方向に沿って形成された溝である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項7】
前記ロッドを支持するロッドガイドをさらに備え、
前記軸線方向において、前記ロッドガイドと前記アウターシールとの間には、隙間が存在している、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の密閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の振動を抑制するための単筒式のショックアブソーバーが知られている。かかるショックアブソーバーは、一般的に、シリンダーと、シリンダーに摺動自在に挿入されるピストンと、ピストンに連結されるロッドと、シリンダーに保持される環状部材と、環状部材とロッドとの間をシールするシール部材と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-226424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のシール部材は、例えば、ショックアブソーバーの組み立て時に環状部材から部分的または全体的に離れてしまう(浮き上がってしまう)場合ある。また、例えば、シール部材が2部材で構成される場合、図4に示すように、当該2部材の間に隙間が形成されてしまう場合がある。この結果、シール部材によるシール性が低下してしまう。このため、シール性の低下を抑制し、本来のシール性を維持することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る密封装置は、軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間をシールする密封装置であって、前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングのそれぞれと接触するアウターシールと、を備え、前記アウターシールおよび前記シールハウジングのうち、一方は、他方に接触する接触面を有し、当該接触面が凹部を有する。
【0006】
また、本発明の一態様に係る密封装置は、軸線に沿って延びる空間を有するシリンダーと前記空間に挿入されるロッドとの間の空間をシールする密封装置であって、前記シリンダーと前記ロッドとの間に配置されるシールハウジングと、前記ロッドと前記シールハウジングとの間に配置され、前記ロッドに接触するインナーシールと、前記インナーシールと前記シールハウジングとの間に配置され、前記インナーシールおよび前記シールハウジングのそれぞれと接触するアウターシールと、を備え、前記アウターシールは、前記シールハウジングおよび前記インナーシールで構成される構造体に接触する接触面を有し、当該接触面は、凹部または凸部である第1部分を有し、前記構造体は、前記第1部分に嵌合する第2部分を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、密封装置による本来のシール性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の密封装置を有するショックアブソーバーの断面図である。
図2図1に示す密封装置を示す図である。
図3図1に示す密封装置を示す図である。
図4】参考例の密封装置が有するアウターシールの状態を説明するための図である。
図5】第2実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図6】第3実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図7】第4実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図8】第5実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図9】第6実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図10】第7実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図11】第8実施形態の密封装置の一部を示す図である。
図12】第9実施形態の密封装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、以下の形態に限られない。
【0010】
1.第1実施形態
1A.ショックアブソーバー100
図1は、第1実施形態の密封装置8を有するショックアブソーバー100の断面図である。なお、以下では、任意の地点から図中の上方に向かう方向を「Z1方向」といい、任意の地点から図中の下方に向かう方向を「Z2方向」または「下方」という。また、Z1方向およびZ2方向のそれぞれは、後述の軸線AXに沿った方向である。
【0011】
図1に示すショックアブソーバー100は、振動等の衝撃を減衰させる伸縮式のダンパーである。ショックアブソーバー100は、例えば、自動車等の車両に用いられる。ショックアブソーバー100は、減衰力を発生させることにより車両の振動を抑制する。
【0012】
図1に示すショックアブソーバー100は、単筒式である。ショックアブソーバー100は、シリンダー1と、ピストン2と、フリーピストン3と、ロッド4と、ロッドガイド5と、密封装置8と、を備える。
【0013】
シリンダー1は、例えば有底円筒状の金属製の部材である。シリンダー1は、軸線AXに沿って延びる空間を有する。ピストン2は、シリンダー1内に配置され、シリンダー1に対して摺動可能である。ピストン2は、例えば円盤状をなす。ピストン2は、ロッド4に接続される。また、フリーピストン3は、シリンダー1内に配置され、シリンダー1に対して摺動可能である。フリーピストン3は、例えば円盤状をなす。
【0014】
ピストン2およびフリーピストン3によって、シリンダー1内の空間は、2つの油室S1およびS2と、気室S3とに区分(分割)される。油室S1と油室S2とは、ピストン2によって区分(分割)される。油室S2と気室S3とは、フリーピストン3によって区分(分割)される。
【0015】
油室S1および油室S2のそれぞれには、作動油が充填されている。なお、図示はしないが、ピストン2は、油室S1および油室S2を互いに連通させる連通路を有する。当該連通路には、減衰力発生要素である減衰バルブが配置される。当該減衰バルブは、油室S1と油室S2との差圧に応じて、当該連通路を開閉する。連通路を通って油室S1と油室S2との間を通過する作動油の抵抗により、減衰力が発生する。また、気室S3には、高圧のガスが充填される。ピストン2の移動に伴って油室S2内の作動油から受ける圧力の変化に応じて、フリーピストン3は移動する。
【0016】
ロッド4は、金属製の棒状の部材であり、軸線AXに沿って延びる。ロッド4のZ1方向での端はシリンダー1から露出し、ロッド4のZ2方向での端はシリンダー1内に配置される。ロッド4のZ2方向での端は、ピストン2に接続される。ピストン2の移動に伴って、ロッド4は、軸線AXに沿って移動する。ピストン2がシリンダー1の内部で往復動することで、シリンダー1から露出するロッド4の部分の長さが変化する。
【0017】
ロッドガイド5は、シリンダー1の内部領域のZ1方向での端近傍に配置される。ロッドガイド5は、ロッド4を摺動可能に支持する。詳細な図示はしないが、ロッドガイド5は、ブッシュとロッドガイドとを有する。ブッシュは、金属製の円環状の軸受である。当該ロッドガイドは、ブッシュを保持する金属製の環状の部材である。
【0018】
密封装置8は、シリンダー1の内部領域のZ1方向での端とロッドガイド5との間に配置される。密封装置8は、シリンダー1の内周面とロッド4の外周面との間をシールする。なお、密封装置に8については後で詳述する。
【0019】
以上のようなショックアブソーバー100では、例えば、シリンダー1およびロッド4のうち、一方は、車両が有する車体に固定される。また、他方は、車両が有するサスペンションに固定される。
【0020】
1B.密封装置8
図2および図3のそれぞれは、図1に示す密封装置8を示す図である。図2に示すように、密封装置8は、金属環84と、ダストリップ85と、外周リップ86と、シールハウジング81と、インナーシール82と、アウターシール83と、を有する。シールハウジング81とインナーシール82とで構造体80が構成される。なお、インナーシール82およびアウターシール83は、シールハウジング81とロッド4との間を密封するシール部材を構成する。
【0021】
図2では、密封装置8をシリンダー1とロッド4との間に組み立てた状態が示される。図3では、ダストリップ85、インナーシール82およびアウターシール83の自然状態における形状が示される。なお、後述する図6~12についても、図3と同様に自然状態が図示される。
【0022】
金属環84は、ロッド4とシリンダー1との間に配置される金属製の円環状の部材である。
【0023】
ダストリップ85は、ゴム材料等の弾性体で構成されており、金属環84の外周よりも内周に近い部位に架橋接着される。なお、ダストリップ85の一部は、金属環84の内周面に架橋接着される。また、図3に示すように、ダストリップ85のリップ端851は、ロッド4の外周面に対する締め代を有している。図2に示すように、ダストリップ85の内側にロッド4が挿入されることにより、リップ端851はロッド4に摺接する。ダストリップ85によって、シリンダー1内への埃および塵等の異物の侵入が防止される。
【0024】
外周リップ86は、ゴム材料等の弾性体で構成されており、金属環84の内周よりも外周に近い部位に架橋接着される。外周リップ86のリップ端861は、シリンダー1内に挿入されることにより、シリンダー1に摺接する。
【0025】
シールハウジング81は、ロッド4とシリンダー1との間に配置される金属製の円環状の部材である。シールハウジング81は、インナーシール82およびアウターシール83を保持する。シールハウジング81が有する内周面810は、複数の段差を有する。具体的には、内周面810は、第1円筒面8101、第2円筒面8102、第3円筒面8103、第1底面8104および第2底面8105を有する。
【0026】
第1円筒面8101、第2円筒面8102および第3円筒面8103のそれぞれは、周方向での全域にわたり軸線AXに沿って延びる面である。第1底面8104および第2底面8105のそれぞれは、周方向での全域にわたり径方向に沿って延びる面である。第1円筒面8101、第2円筒面8102および第3円筒面8103のそれぞれの内径は、小さいほうから大きいほうへ、第1円筒面8101、第2円筒面8102、第3円筒面8103の順である。第1底面8104は、第1円筒面8101と第2円筒面8102を接続する。第2底面8105は、第2円筒面8102と第3円筒面8103とを接続する。
【0027】
また、シールハウジング81とロッド4との間には、第1空間C1と第2空間C2とが形成される。第1空間C1は、第2空間C2に対してZ1方向に位置する。第1空間C1の外径は、第2空間C2の外径よりも小さい。別の見方をすると、第1空間C1におけるシールハウジング81とロッド4との間の距離は、第2空間C2におけるシールハウジング81とロッド4との間の距離よりも小さい。また、第1空間C1には、インナーシール82の一部が配置される。第2空間C2には、インナーシール82の残部およびアウターシール83が配置される。また、アウターシール83とロッドガイド5との間には、隙間C0が存在する。隙間C0には、作動油が入り込む。
【0028】
また、シールハウジング81は、アウターシール83に接触する接触面を有し、当該接触面が凹部811を有する。具体的には、凹部811は、シールハウジング81の内周面810に形成される。より具体的には、凹部811は、内周面810の第3円筒面8103に形成された窪みである。凹部811は、周方向に沿って延びる。凹部811は、横断面視での形状が三角形の溝である。凹部811内の横断面視での軸線AXに沿った幅は、シリンダー1からロッド4に向かって大きくなる。
【0029】
インナーシール82は、ロッド4の径方向に沿って延びる部分と、軸線AXに沿って延びる部分と、を有する。図3に示すように、インナーシール82は、ロッド4の外周面に対する締め代を有している。インナーシール82は、第1空間C1においてシールハウジング81とロッド4との間でこれらに押圧された状態で保持される。また、インナーシール82は、第2空間C2においてアウターシール83とロッド4との間でこれらに押圧された状態で保持される。また、インナーシール82のZ1方向の移動は、シールハウジング81によって規制されており、インナーシール82は、隙間C0に入り込んだ作動油の油圧によりZ1方向に押圧される。また、インナーシール82は、フッ素ゴムまたはニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)等の弾性材により形成される。
【0030】
アウターシール83は、インナーシール82とシールハウジング81との間に配置され、これらに接触する。アウターシール83は、インナーシール82とシールハウジング81との間に圧入されている。よって、図2に示すように、アウターシール83が組み立てられた状態で、アウターシール83の内周縁がZ2方向に僅かに変位している。また、アウターシール83は、ニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)等の弾性材により形成される。
【0031】
図4は、参考例の密封装置8xが有するアウターシール83の状態を説明するための図である。参考例の密封装置8xが有するシールハウジング81xは、図2および図3に示す凹部811を有さない。
【0032】
ここで、密封装置8xにロッド4を組み込む際、ロッド4によってインナーシール82が軸線AXから径方向に離れる方向に押されることで、インナーシール82は隙間C0に向かって逃げようとする。この結果、アウターシール83がインナーシール82に押されることにより、図4に示すようにアウターシール83がインナーシール82から部分的に離れてしまう場合がある。この場合、インナーシール82とロッド4との接触が不安定となり、インナーシール82のロッド4への押し付け力が低下してしまう。よって、インナーシール82による本来のシール性能が得られず、この結果、作動油の漏れが発生するおそれがある。
【0033】
そこで、本実施形態の密封装置8では、かかる問題を解決するために、図2および図3に示すように、シールハウジング81に凹部811が設けられている。シールハウジング81がアウターシール83に接触する接触面を有し、当該接触面が凹部811を有することで、密封装置8をロッド4に組み込む際、図2に示すように、インナーシール82に押されたアウターシール83の一部は、シールハウジング81の凹部811に食い込むように変形する。凹部811は、インナーシール82に押されたアウターシール83が逃げる逃げ部として機能する。したがって、インナーシール82からアウターシール83が部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82によるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8による本来のシール性を維持することができる。
【0034】
2.第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0035】
図5は、第2実施形態の密封装置8Aの一部を示す図である。以下では、第2実施形態の密封装置8Aについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0036】
図5に示す密封装置8Aが有するアウターシール83Aは、シールハウジング81Aに接触する接触面を有し、当該接触面が凹部831を有する。具体的には、凹部831は、アウターシール83Aの外周面に形成された窪みである。凹部831は、周方向に沿って延びる。凹部831は、横断面視での形状が三角形の溝である。凹部831の横断面視での軸線AXに沿った幅は、ロッド4からシリンダー1に向かって大きくなる。なお、構造体80Aが有するシールハウジング81Aは、第1実施形態の凹部811を有さない。
【0037】
アウターシール83Aがシールハウジング81Aに接触する接触面を有し、当該接触面が凹部831を有するため、図示はしないが、密封装置8Aをロッド4に組み込む際、インナーシール82に押されたアウターシール83Aは、シールハウジング81Aの内周面に押しつけられることにより変形する。当該変形により、凹部831は変形し、シールハウジング81Aの内周面に押し付けられる。したがって、インナーシール82からアウターシール83Aが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82によるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Aによる本来のシール性を維持することができる。
【0038】
3.第3実施形態
第3実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0039】
図6は、第3実施形態の密封装置8Bの一部を示す図である。以下では、第3実施形態の密封装置8Bについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0040】
図6に示す密封装置8Bの構造体80Bが有するシールハウジング81Bは、凹部で構成される第2部分812を有する。第2部分812は、第1実施形態の凹部811と同様の構成である。ここで、シールハウジング81Bがアウターシール83Bの外周面に接触する接触面を有しており、第2部分812は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分812は、第3円筒面8103に形成される。第2部分812は、周方向に沿って延びる。第2部分812は、横断面視での形状が三角形の溝である。
【0041】
アウターシール83Bは、凸部で構成される第1部分832を有する。第1部分832は、第2部分812に嵌合する。ここで、アウターシール83Bが第3円筒面8103に接触する接触面を有しており、第1部分832は、当該接触面に形成される。第1部分832は、周方向に沿って延びる。第1部分832は、横断面視での形状が三角形の突起である。
【0042】
前述のように、シールハウジング81Bは第2部分812を有し、アウターシール83Bは、第2部分812に嵌合する第1部分832を有する。このため、密封装置8Bをロッド4に組み込む際、アウターシール83Bが構造体80Bから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82からアウターシール83Bが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82によるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Bによる本来のシール性を維持することができる。
【0043】
4.第4実施形態
第4実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0044】
図7は、第4実施形態の密封装置8Cの一部を示す図である。以下では、第実施形態の密封装置8Cについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0045】
図7に示す密封装置8Cの構造体80Cが有するシールハウジング81Cは、凸部で構成される第2部分813を有する。ここで、シールハウジング81Cは、アウターシール83Cの外周面に接触する接触面を有しており、第2部分813は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分813は、第3円筒面8103に形成される。第2部分813は、周方向に沿って延びる。第2部分813は、横断面視での形状が三角形の突起である。
【0046】
アウターシール83Cは、凹部で構成される第1部分833を有する。第1部分833は、第2部分813に嵌合する。ここで、アウターシール83Cは、第3円筒面8103に接触する接触面を有しており、第1部分833は、当該接触面に形成される。第1部分833は、周方向に沿って延びる。第1部分833は、横断面視での形状が三角形の溝である。
【0047】
前述のように、シールハウジング81Cは第2部分813を有し、アウターシール83Cは、第2部分813に嵌合する第1部分833を有する。このため、密封装置8Cをロッド4に組み込む際、アウターシール83Cが構造体80Cから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82からアウターシール83Cが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82によるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Cによる本来のシール性を維持することができる。
【0048】
5.第5実施形態
第5実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0049】
図8は、第5実施形態の密封装置8Dの一部を示す図である。以下では、第5実施形態の密封装置8Dについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0050】
図8に示す密封装置8Dの構造体80Dが有するシールハウジング81Dは、複数の凹部および複数の凸部で構成される第2部分814を有する。ここで、シールハウジング81Dは、アウターシール83Dの外周面に接触する接触面を有しており、第2部分814は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分814は、第3円筒面8103に形成される。第2部分814は、周方向に沿って延びる。
【0051】
インナーシール82Dは、複数の凹部および複数の凸部で構成される第2部分821を有する。ここで、インナーシール82Dは、アウターシール83Dの内周面に接触する接触面を有しており、第2部分821は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分821は、インナーシール82Dの外周面に形成される。第2部分821は、周方向に沿って延びる。
【0052】
アウターシール83Dは、2つの第1部分834および835を有する。第1部分834および835のそれぞれは、複数の凹部および複数の凸部で構成される。第1部分834は第2部分814に嵌合し、第1部分835は第2部分821に嵌合する。ここで、アウターシール83Dは、第3円筒面8103に接触する接触面を有しており、第1部分834は、当該接触面に形成される。具体的には、第1部分834は、アウターシール83Dの外周面に形成される。ここで、アウターシール83Dは、インナーシール82Dに接触する接触面を有しており、第1部分835は、当該接触面に形成される。具体的には、第1部分835は、アウターシール83Dの内周面に形成される。また、第1部分834および835のそれぞれは、周方向に沿って延びる。
【0053】
前述のように、シールハウジング81Dが第2部分814を有し、インナーシール82Dが第2部分821を有する。そして、アウターシール83Dは、第2部分814に嵌合する第1部分834と、第2部分821に嵌合する第1部分835とを有する。このため、密封装置8Dをロッド4に組み込む際、アウターシール83Dが構造体80Dから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82Dからアウターシール83Dが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82Dによるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Dによる本来のシール性を維持することができる。
【0054】
また、アウターシール83Dは、2つの第1部分834および835を有する。このため、いずれか1つを有する場合に比べ、インナーシール82Dからアウターシール83Dが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。
【0055】
6.第6実施形態
第6実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0056】
図9は、第6実施形態の密封装置8Eの一部を示す図である。以下では、第6実施形態の密封装置8Eについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0057】
図9に示す密封装置8Eの構造体80Eが有するインナーシール82Eは、凸部で構成される第2部分822を有する。ここで、インナーシール82Eは、アウターシール83Eの内周面に接触する接触面を有しており、第2部分822は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分822は、インナーシール82Eの外周面に形成される。第2部分822は、周方向に沿って延びる。第2部分822は、横断面視での形状が四角形の突起である。なお、シールハウジング81Eは、第1実施形態の凹部811を有さない。
【0058】
アウターシール83Eは、凹部で構成される第1部分836を有する。第1部分836は、第2部分822に嵌合する。ここで、アウターシール83Eは、インナーシール82Eに接触する接触面を有しており、第1部分836は、当該接触面に形成される。具体的には、第1部分836は、アウターシール83Eの内周面に形成される。第1部分836は、周方向に沿って延びる。第1部分836は、横断面視での形状が四角形の溝である。
【0059】
前述のように、インナーシール82Eは第2部分822を有し、アウターシール83Eは、第2部分822に嵌合する第1部分836を有する。このため、密封装置8Eをロッド4に組み込む際、アウターシール83Eがインナーシール82Eから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82Eからアウターシール83Eが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82Eによるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Eによる本来のシール性を維持することができる。
【0060】
特に、インナーシール82Eとアウターシール83Eが、第1部分836と第2部分822とによって嵌合していることで、インナーシール82Eとアウターシール83Eとを一体化することができる。よって、インナーシール82Eからアウターシール83Eが部分的または全体的に離れるのを効果的に抑制することができる。
【0061】
7.第7実施形態
第7実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0062】
図10は、第7実施形態の密封装置8Fの一部を示す図である。以下では、第実施形態の密封装置8Fについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0063】
図10に示す密封装置8Fの構造体80Fが有するインナーシール82Fは、凹部で構成される第2部分823を有する。ここで、インナーシール82Fは、アウターシール83Fの内周面に接触する接触面を有しており、第2部分823は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分823は、インナーシール82Fの外周面に形成される。第2部分823は、周方向に沿って延びる。第2部分823は、横断面視での形状が四角形の溝である。なお、シールハウジング81Fは、第1実施形態の凹部811を有さない。
【0064】
アウターシール83Fは、凸部で構成される第1部分837を有する。第1部分837は、第2部分823に嵌合する。ここで、アウターシール83Fは、インナーシール82Fの外周面に接触する接触面を有しており、第1部分837は、当該接触面に形成される。具体的には、第1部分837は、アウターシール83Fの内周面に形成される。第1部分837は、周方向に沿って延びる。第1部分837は、横断面視での形状が四角形の突起である。
【0065】
前述のように、インナーシール82Fは第2部分823を有し、アウターシール83Fは、第2部分823に嵌合する第1部分837を有する。このため、密封装置8Fをロッド4に組み込む際、アウターシール83Fがインナーシール82Fから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82Fからアウターシール83Fが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82Fによるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Fによる本来のシール性を維持することができる。
【0066】
特に、インナーシール82Fとアウターシール83Fが、第1部分837と第2部分823とによって嵌合していることで、インナーシール82Fとアウターシール83Fとを一体化することができる。よって、インナーシール82Fからアウターシール83Fが部分的または全体的に離れるのを効果的に抑制することができる。
【0067】
8.第8実施形態
第8実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0068】
図11は、第8実施形態の密封装置8Gの一部を示す図である。以下では、第8実施形態の密封装置8Gについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0069】
図11に示す密封装置8Gの構造体80Gが有するインナーシール82Gは、第2部分824を有する。第2部分824は、凸部である。ここで、インナーシール82Gは、アウターシール83Gの内周面に接触する接触面を有しており、第2部分824は、当該接触面に形成される。具体的には、第2部分824は、インナーシール82Gの外周面に形成される。第2部分824は、周方向に沿って延びる。なお、シールハウジング81Gは、第1実施形態の凹部811を有さない。
【0070】
アウターシール83Gは、第1部分838を有する。第1部分838は、凹部である。第1部分838は、第2部分824に嵌合する。ここで、アウターシール83Gは、インナーシール82Gの外周面に接触する接触面を有しており、第1部分838は、当該接触面に形成される。具体的には、第1部分838は、アウターシール83Gの内周面に形成される。第1部分838は、周方向に沿って延びる。
【0071】
なお、第2部分824は凹部および凸部で構成される段差であり、第1部分838は凹部および凸部で構成される段差であると捉えてもよい。また、第2部分824は凹部であり、第1部分838は凸部であると捉えてもよい。
【0072】
前述のように、インナーシール82Gは第2部分824を有し、アウターシール83Gは、第2部分824に嵌合する第1部分838を有する。このため、密封装置8Gをロッド4に組み込む際、アウターシール83Gがインナーシール82Gから抜け難くなる。それゆえ、インナーシール82Gからアウターシール83Gが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82Gによるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Gによる本来のシール性を維持することができる。
【0073】
特に、インナーシール82Gとアウターシール83Gが、第1部分838と第2部分824とによって嵌合していることで、インナーシール82Gとアウターシール83Gとを一体化することができる。よって、インナーシール82Gからアウターシール83Gが部分的または全体的に離れるのを効果的に抑制することができる。
【0074】
9.第9実施形態
第9実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0075】
図12は、第9実施形態の密封装置8Hの一部を示す図である。以下では、第実施形態の密封装置8Hについて、第1実施形態の密封装置8との相違点を説明し、同様の事項は適宜省略する。
【0076】
図12に示す密封装置8Hの構造体80Hは、第2部分801を有する。第2部分801は、構造体80Hが有する凹部である。第2部分801は、シールハウジング81Hとインナーシール82Hとの間に設けられる。ここで、構造体80Hは、アウターシール83Hに接触する接触面を有しており、第2部分801は、当該接触面に形成される。第2部分801は、周方向に沿って延びる。
【0077】
アウターシール83Hは、第1部分839を有する。第1部分839は、凸部で構成される。第1部分839は、第2部分801に嵌合する。ここで、アウターシール83Hは、構造体80Hに接触する接触面を有しており、第1部分839は、当該接触面に形成される。第1部分839は、周方向に沿って延びる。
【0078】
前述のように、構造体80Hは、第2部分801を有し、アウターシール83Hは、第2部分801に嵌合する第1部分839を有する。このため、密封装置8Hをロッド4に組み込む際、アウターシール83Hが構造体80Hから抜け難くなる。それゆえ、構造体80Hからアウターシール83Hが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。よって、インナーシール82Hからアウターシール83Hが部分的または全体的に離れるのを抑制することができる。したがって、インナーシール82Hによるシール性の低下が抑制される。このため、密封装置8Hによる本来のシール性を維持することができる。
【0079】
特に、第2部分801がシールハウジング81Hとインナーシール82Hとの間に設けられており、当該第2部分801に第1部分839が嵌合している。このため、シールハウジング81Hとインナーシール82Hとによって、第1部分839が挟み込まれている。よって、構造体80Hからアウターシール83Hが部分的または全体的に離れるのを効果的に抑制することができる。
【0080】
以上、好適な各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。また、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
【0081】
なお、本発明の密封装置は、ショックアブソーバー以外の他の伸縮機構、例えばガスステーに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…シリンダー、2…ピストン、3…フリーピストン、4…ロッド、5…ロッドガイド、8…密封装置、72…環状部材、71…ダストリップ、80…構造体、81…シールハウジング、82…インナーシール、83…アウターシール、84…金属環、85…ダストリップ、86…外周リップ、811…凹部、832…第1部分、812…第2部分、8101…第1円筒面、8102…第2円筒面、8103…第3円筒面、8104…第1底面、8105…第2底面、AX…軸線、C0…隙間、C1…第1空間、C2…第2空間、S1…油室、S2…油室、S3…気室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12