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特許7588155移動無線システムのためのアンテナ構成、積重ねアンテナシステム、およびアンテナ構成と積重ねアンテナシステムとを備える移動無線アンテナ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】移動無線システムのためのアンテナ構成、積重ねアンテナシステム、およびアンテナ構成と積重ねアンテナシステムとを備える移動無線アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20241114BHJP
   H01Q 5/30 20150101ALI20241114BHJP
   H01Q 5/40 20150101ALI20241114BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20241114BHJP
   H01Q 19/18 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
H01Q5/30
H01Q5/40
H01Q21/08
H01Q19/18
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022563915
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2020061250
(87)【国際公開番号】W WO2021213653
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】マートル, アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ヒューブナー, マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】エベレル, ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ハルト, ベンジャミン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-510229(JP,A)
【文献】特表2012-519990(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0312362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0114168(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0201537(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
H01Q 5/30
H01Q 5/40
H01Q 21/08
H01Q 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動無線システムのためのアンテナ構成(1)であって、
- アンテナ本体(3)と放射器構成(4)とを備えるアンテナ(2)が提供され、前記放射器構成(4)が前記アンテナ本体(3)の上側(3a)において構成され、
- アンテナホルダー(10)と導電性ベースプレート(15)とが提供され、前記アンテナホルダー(10)がベース部(11)を備え、前記ベース部(11)の上側(11a)が前記アンテナ本体(3)の下側(3b)の方を向き、前記ベース部(11)の下側(11b)が前記導電性ベースプレート(15)の方を向き、
- 前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の支持部分(7)のみが前記ベース部(11)上に載り、それにより、前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の別の部分(8)と前記ベース部(11)との間に受容空間(20)が形成され、
- 少なくとも、前記アンテナホルダー(10)の前記ベース部(11)が非導電性であり、それにより、前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の前記別の部分(8)が、前記受容空間(20)を介して前記導電性ベースプレート(15)に容量結合される
ことを特徴とする、アンテナ構成(1)。
【請求項2】
- 前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)が、前記アンテナホルダー(10)の前記ベース部(11)の方へ突出する領域(7)を有し、それにより、前記ベース部(11)上に載る前記支持部分(7)を形成し、または、
- 前記ベース部(11)が、前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の方へ突出する領域(14)を備え、前記アンテナ本体(3)の前記支持部分(7)のみが、前記ベース部(11)のこの突出領域(14)上に載る
ことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項3】
- 前記導電性ベースプレート(15)の40%、50%、60%、70%、80%超または90%超は、前記受容空間(20)の下の領域において開口がない、あるいは
- 前記導電性ベースプレート(15)は、前記受容空間(20)の下の前記領域において開口が完全にない
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項4】
- インレイ(30)が、前記受容空間(20)において構成され、前記インレイ(30)が誘電体材料からなるかまたは前記誘電体材料を備える、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項5】
- 前記インレイ(30)が非対称形状を有し、したがって、前記インレイ(30)が、所定の角度位置においてのみ前記受容空間(20)に挿入され得る、かつ/または、
- 前記インレイ(30)の形状が、前記受容空間(20)の形状に対応する
ことを特徴とする、請求項4に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項6】
- 前記受容空間(20)がさらに、エッジ領域(21)によって囲まれ、前記エッジ領域(21)が前記ベース部(11)から突出する
ことを特徴とする、請求項4または5に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項7】
- 前記インレイ(30)の色が、前記インレイ(30)の誘電率に対応する
ことを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項8】
- 前記インレイ(30)が、前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の前記突出する領域(7)の形状に対応するか、または前記ベース部(11)の前記突出領域(14)に対応する凹部(31)を備える
ことを特徴とする、請求項4が請求項2を引用する場合における請求項4から7のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項9】
- 前記インレイ(30)が、接続ウェブ(32)を介して前記アンテナホルダー(10)とともに1つの部片で形成され、
- 前記接続ウェブ(32)は、前記インレイ(30)が取り外され得るように分離可能である
ことを特徴とする、請求項4から8のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項10】
- 前記アンテナホルダー(10)が、前記アンテナホルダー(10)の前記ベース部(11)から前記アンテナ本体(3)に沿って延びる保持セクション(12)を備え、
- 前記アンテナホルダー(10)の前記保持セクション(12)が、前記アンテナ本体(3)の前記上側(3a)の下で終わり、
- 前記保持セクション(12)が固定手段(13)を備え、前記固定手段(13)が、前記アンテナホルダー(10)内の位置に前記アンテナ本体(3)を保持するために、前記アンテナ(3)本体と接触している
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項11】
- 前記アンテナ(2)の前記アンテナ本体(3)が、前記アンテナ本体(3)の異なる側面上に構成された少なくとも2つの平衡スロット(6)を備え、
- 前記少なくとも2つの平衡スロット(6)が、前記アンテナ本体(3)の前記上側(3a)から前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)の方へ延び、前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)からある距離をおいて終わり、
- 前記アンテナホルダー(10)の前記保持セクション(12)の前記固定手段(13)が、前記平衡スロット(6)のそれぞれにおいて係合する
ことを特徴とする、請求項10に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項12】
- 前記アンテナホルダー(10)の前記保持セクション(12)が、前記ベース部(11)の領域において開口を備え、それにより、前記インレイ(30)が前記アンテナホルダー(10)の外側から可視である
ことを特徴とする、請求項10が請求項4から8のいずれか一項を引用する場合における請求項10または11に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項13】
- 前記放射器構成(4)の放射器平面(43)と前記アンテナ本体(3)の前記下側(3b)との間に構成される、少なくとも1つの導電性部分的環状フレーム(44)が提供され、前記少なくとも1つの導電性部分的環状フレーム(44)が開口を有し、前記開口を通って前記アンテナ本体(3)が延び、
- 前記少なくとも1つの導電性部分的環状フレーム(44)が前記放射器平面(43)に平行に整合される
ことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)。
【請求項14】
積重ねアンテナシステム(50)であって、請求項1から13のいずれか一項に記載のアンテナ構成(1)を備え、前記アンテナ構成(1)が、第1の周波数範囲およびさらなるアンテナ構成(60)において動作するように設定され、前記さらなるアンテナ構成(60)が、前記第1の周波数範囲の下にある第2の周波数範囲において動作するように設定され、
- 反射器(61)が提供され、
- 前記さらなるアンテナ構成(60)が、前記反射器(61)上に構成され、少なくとも4つの放射器エレメント(63)が漏斗状に前記反射器(61)から離れて延びる放射器構造(62)を備え、
- ソケット構成(64)が前記さらなるアンテナ構成(60)内に構成され、前記ソケット構成(64)が支持表面(65)を備え、
- 前記アンテナ構成(1)が、前記さらなるアンテナ構成(60)の前記ソケット構成(64)の前記支持表面(65)上に構成される
ことを特徴とする、積重ねアンテナシステム(50)。
【請求項15】
- 前記アンテナ構成(1)の導電性ベースプレート(15)が、前記ソケット構成(64)の前記支持表面(65)によって形成される、あるいは、
- 前記アンテナ構成(1)の前記導電性ベースプレート(15)が、前記ソケット構成(64)の前記支持表面(65)の上に構成され、前記ソケット構成(64)の前記支持表面(65)に直流接続または容量接続される
ことを特徴とする、請求項14に記載の積重ねアンテナシステム。
【請求項16】
移動無線アンテナ(70)であって、請求項1から13のいずれか一項に記載の複数のアンテナ構成(1)と、請求項14または15に記載の複数の積重ねアンテナシステム(50)とを備え、
- 前記複数のアンテナ構成(1)および前記複数の積重ねアンテナシステム(50)が、交互に、前記移動無線アンテナ(70)の縦軸に沿って反射器(61)の第1の側面上に構成され、
- 少なくとも1つの位相シフトデバイス(71)が提供され、前記反射器(61)の第2の側面上に構成され、
- レードーム構成(72)が提供され、前記レードーム構成(72)が、前記移動無線アンテナ(70)を閉じる
ことを特徴とする、移動無線アンテナ(70)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動無線システムのためのアンテナ構成、積重ねアンテナシステム(stacked antenna system)、およびアンテナ構成と積重ねアンテナシステムとを備える移動無線アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナ構成が、DE103 16 564 A1に示されている。アンテナ構成は、放射器とアンテナ本体とを有するアンテナを備える。アンテナ本体は、非導電性であるペデスタル構成上に取り付けられる。ペデスタル構成は、反射器上に取り付けられる。したがって、アンテナは、反射器に容量結合(capacitively couple)される。これは、再生されるのが厳しく、経時的に変化し得る、2つの金属表面間の電気的接触が必要とされないので、電気的特性値が明確に再生可能であることを可能にする。
【0003】
米国特許出願第2012/127054(A1)号は、放射平面が上に取り付けられるベースを備える少なくとも1つの放射エレメントと、アンテナの機械的構造の少なくとも1つのコンポーネントとを備える、パネルアンテナのコンポーネントをアセンブルするためのデバイスを示す。デバイスは、放射コンポーネントと協働する第1の固定手段を備える中心領域と、アンテナの機械的構造の縦方向エッジと協働する第2の固定手段を備える横方向領域と、第1の固定手段と第2の固定手段との間のフレキシブル連結の第3の手段を備える中間領域とを備える、誘電体部材を備える。
【0004】
米国特許出願第2019/312362(A1)は、少なくとも1つのダイポール型放出器構成をもつアンテナアレイを示し、少なくとも1つのダイポール型放出器構成は、互いに垂直である2つの偏波平面上で送信および/または受信する放出器半部の2つのペアを備える。放出器半部は、反射器からある距離をおいて放出器平面上に構成され得るかまたは構成され、前記反射器に平行に延びている。2つの導電性部分的環状フレームが提供され、それらのフレームは、互いからある距離をおいて放出器平面と反射器との間に配設され、少なくとも2つの導電性部分的環状フレームは、1つの開口を規定する。少なくとも2つの部分的環状フレームは、放出器平面に平行に方向付けされる。2つの部分的環状フレームの各々は、部分的環状フレームの幅全体を通って延びる少なくとも1つの空隙を備え、したがって、各部分的環状フレームは、少なくとも2つの端を備える。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、アンテナアレイにおいて使用され得る移動無線システムのためのアンテナ構成の製造プロセスを簡略化することにおいて見られる。
【0006】
本目的は、請求項1に記載の移動無線システムのためのアンテナ構成によって、および請求項14に記載の積重ねアンテナシステムによって、および請求項16に記載の移動無線アンテナによって解決される。請求項2から13は、アンテナ構成のさらなる実施形態について説明する。請求項15は、積重ねアンテナシステムの別の実施形態について説明する。
【0007】
本発明による移動無線システムのためのアンテナ構成は、アンテナとアンテナホルダーとを備える。アンテナは、アンテナ本体と放射器構成とベースプレートとを備える。放射器構成は、アンテナ本体の上側において構成される。好ましくは、放射器構成およびアンテナ本体は、1つの部片から作られる。さらに好ましくは、アンテナ本体ならびに放射器構成は、たとえばアルミニウムのような導電性材料を備えるかまたは導電性材料からなる。さらに好ましくは、アンテナは、鋳造プロセスにおいて作られ得る。アンテナホルダーは、下側および上側を有するベース部を備える。ベース部の下側は、たとえば反射器であり得る導電性ベースプレートの方を向く。ベース部の上側は、アンテナ本体の下側の方を向く。アンテナ本体の下側は支持部分を備える。アンテナ本体は、ただ、その支持部分で、アンテナホルダーのベース部上に載り、したがって、アンテナ本体の下側の別の部分とベース部との間に受容空間(receiving space)が形成される。少なくとも、アンテナホルダーの底部は、非導電性である。好ましくは、アンテナホルダー全体が非導電性であり、より好ましくは、アンテナホルダー全体がプラスチック材料から作られる。したがって、アンテナ本体の下側の別の部分は、受容空間を介してベースプレートに容量結合される。そのような受容空間を使用することによって、容量結合が調節され得ることは、極めて有益である。アンテナ本体の下側の別の部分が導電性ベースプレートからどのくらい遠く離間されるかに応じて、容量結合は変えられ得る。同じことが、受容空間が他の材料で充填された場合に当てはまる。したがって、同じアンテナ構成が、異なる適用例のために使用され得る。
【0008】
さらなる実施形態では、アンテナ本体の下側は、アンテナホルダーのベース部の方へ突出する領域を有する。それにより、この突出領域は、アンテナホルダーのベース部上に載る支持部分を形成する。代替として、ベース部は、アンテナ本体の下側の方へ突出する領域を備え得る。その結果、アンテナ本体の支持部分のみが、ベース部のこの突出領域上に載る。
【0009】
容量結合を増加させるために、本発明のさらなる実施形態は、ベースプレートの60%、70%、80%超または90%超が、受容空間の下の領域において開口がないことを提案する。代替として、ベースプレートはまた、受容空間の下の領域において開口が完全にないことがある。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態では、インレイが使用され、受容空間中に配置される。インレイは、誘電体材料からなるかまたは誘電体材料を備える。そのようなインレイの使用は、インレイがアンテナ構成の要件に一致するようなやり方で、インレイが選定され得るので、極めて有益である。複数のアンテナ構成がアンテナアレイを形成するために軸に沿って整合されると、反射器への個々のアンテナ構成の結合は、好ましくは、すべてのアンテナ構成について同じであるとは限らない。その結合は、アンテナアレイにおけるアンテナ構成の位置に応じて変化する。インレイを、異なる誘電体材料を有する別のインレイと置き換えることによって、アンテナ構成全体は、基本的に同じままであり得る。したがって、1つのアンテナおよび1つのアンテナホルダーのみが使用される。これは、製造プロセスが単純に保たれ得ることを可能にする。
【0011】
本発明の別の実施形態では、インレイは、非対称形状を有する。その結果、インレイは、所定の角度位置においてのみ受容空間に挿入され得る。これは、製造中に誤りが起きる可能性を低減する。追加または代替として、インレイの形状は、受容空間の形状に対応する。これは、インレイがいつでも所定の位置にとどまることを保証する。したがって、アンテナ構成の電気的特性は、経時的に変化しないことになる。
【0012】
インレイの正確な整合をさらに支持するために、本発明の別の実施形態は、受容空間がエッジ領域によって囲まれることを提案する。このエッジ領域は、底部からアンテナ本体の方へ突出する。このエッジ領域の高さは、好ましくは、10mm、8mm、6mm、4mm、2mm未満または1mm未満であるが、好ましくは、0.5mm、1mmよりも高いまたは2mmよりも高い。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態では、インレイの色が、インレイの誘電率に対応する。したがって、技術者は正しいインレイが受容空間に挿入されているかどうかを直ちに確かめることができるので、製造プロセス中の誤りが大幅に低減される。
【0014】
他の好ましい実施形態では、アンテナホルダーは、保持セクションを備える。保持セクションは、アンテナホルダーのベース部からアンテナ本体に沿って延びる。保持セクションおよびベース部は、好ましくは、1つの部片で形成される。アンテナホルダーの保持セクションは、アンテナ本体の上端の下で終わる。保持セクションは、固定手段をさらに備える。これらの固定手段は、アンテナ本体と接触しており、それにより、アンテナ本体を前記アンテナホルダー内の所定の位置に保持する。好ましくは、アンテナのアンテナ本体は、アンテナ本体の異なる側面上に構成された少なくとも2つの平衡スロット(balancing slot)を備える。少なくとも2つの平衡スロットは、アンテナ本体の上端からアンテナ本体の下端の方へ延びる。それらのスロットは、次いで、アンテナ本体の下端からある距離をおいて終わる。アンテナホルダーの保持セクションの固定手段は、それぞれの平衡スロットにおいて係合する。アンテナ本体は、好ましくは、中空である。
【0015】
好ましい実施形態では、アンテナホルダーの保持セクションは、ベース部の領域において開口を備える。その結果、受容空間は、アンテナホルダーの外側から見られ得る。これは、インレイもアンテナホルダーの外側から可視であることを可能にする。したがって、インレイが受容空間に挿入されたかどうかと、適用可能な場合、インレイの色に応じて、正しいインレイ(正確な誘電率)が受容空間内に配置されたかどうかとが、容易に検証され得る。
【0016】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの導電性(部分的)環状フレーム(circumferential frame)が、提供される。この環状フレームは、放射器構成の放射器平面とアンテナ本体の下端との間に構成される。少なくとも1つの導電性部分的環状フレームは、開口を有し、開口を通ってアンテナ本体が延びる。環状フレームは、放射器平面に平行に整合される。好ましくは、導電性部分的環状フレームは、アンテナ本体または放射器構成への直流接続(galvanic connection)がない。より好ましくは、環状フレームは、他のエレメントに電気的に接続されない。なお一層好ましくは、環状フレームは、開口を備えるセクションを有し、それにより、第1の端部および第2の端部を形成する。両方の端部は、互いに対向している。この環状フレームは、帯域幅が増加されることを可能にする。
【0017】
本発明による積重ねアンテナシステムは、前に説明されたアンテナ構成を備える。積重ねアンテナシステムは、さらなるアンテナ構成をも備える。前に説明されたアンテナ構成は、第1の周波数範囲において動作可能であり、さらなるアンテナ構成は、第2の周波数範囲において動作可能である。第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲よりも低い。積重ねアンテナシステムは、反射器をも備える。さらなるアンテナ構成は、反射器上に構成される。さらなるアンテナ構成はまた、漏斗状に反射器から離れて延びる少なくとも4つの放射器エレメントをもつ放射器構造を備える。ソケット構成が、さらなるアンテナ構成内に構成され、それにより、支持表面を形成する。アンテナ構成は、その支持表面上に構成される。これは、積重ねアンテナシステムのコンパクトな構築を可能にする。第1の周波数範囲は、好ましくは、1428MHzから2690MHzの間であり、第2の周波数範囲は、好ましくは、698MHzから960MHzの間である。
【0018】
好ましい実施形態では、アンテナ構成の導電性ベースプレートは、ソケット構成の支持表面によって形成される。代替として、アンテナ構成の導電性ベースプレートは、ソケット構成の支持表面の上に構成され、ソケット構成の支持表面に直流結合または容量結合される。
【0019】
本発明の一態様による移動無線アンテナは、複数のアンテナ構成と複数の積重ねアンテナシステムとを備える。複数のアンテナ構成および複数の積重ねアンテナシステムは、代替として、移動無線アンテナの縦軸に沿って反射器の第1の側面上に構成される。少なくとも1つの位相シフトデバイスが提供され、反射器の第2の側面上に構成される。より多くのコンポーネント、特に増幅器のようなアクティブコンポーネント(たとえば受信された移動通信信号を増幅するための低雑音増幅器)も、反射器の第2の側面上に構成されることが可能であり得る。レードーム構成が提供され、好ましくは、すべて反射器上に取り付けられる、複数のアンテナ構成と複数の積重ねアンテナシステムとをもつ移動無線アンテナならびに位相シフトデバイスを閉じる。
【0020】
本発明の異なる実施形態が、例として、および図面を参照しながら、以下で説明される。同じエレメントは、同じ参照符号で提供される。図は、以下を詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるアンテナ構成の立体図である。
図2A図1のアンテナ構成を通る縦断面図である。
図2B図1のアンテナ構成を通る縦断面図である。
図3A図1のアンテナ構成のアンテナホルダーの上面図である。
図3B】インレイの立体図である。
図3C】アンテナホルダーのベース部のサイズとインレイとのサイズとの可視化の図である。
図4A】本発明によるアンテナ構成の別の実施形態の立体図である。
図4B図4Aのアンテナ構成を通る縦断面図である。
図4C図4Aのアンテナ構成のアンテナホルダーの上面図である。
図5A】本発明による積重ねアンテナシステムの立体図である。
図5B図5Aの積重ねアンテナシステムを通る縦断面図である。
図6】本発明による移動無線アンテナの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明によるアンテナ構成1の第1の実施形態について説明する図1図2A図2B図3A図3Bおよび図3Cへの参照が行われる。アンテナ構成1は、移動無線システムのために使用され、特に、タワー上に取り付けられた移動無線アンテナ内で使用される。アンテナ構成1は、アンテナ本体3と放射器構成4とを有するアンテナ2を備える。放射器構成4は、アンテナ本体3の上側3aに位置する。放射器構成4およびアンテナ本体3は、好ましくは、単一の部片から作られる。アンテナ2は、好ましくは、ダイポールの形態のものである。より好ましくは、アンテナ2は、ベクトルダイポール、クロスダイポールまたはクワッドダイポールの形態のものである。図1内に、給電ネットワーク(給電ケーブル)は示されていない。
【0023】
さらに、アンテナホルダー10が示されており、アンテナホルダー10はベース部11を備える。ベース部11の上側11aは、アンテナ本体3の下側3bに向けられる。ベース部11の下側11bは、導電性ベースプレート15に向けられる。
【0024】
ベースプレート15は、アンテナホルダー10を固定するための開口を有する。好ましくは、アンテナホルダー10をベースプレート15に固定するために、ねじ接続、リベット接続またははんだ接続は使用されない。より好ましくは、アンテナホルダー10をベースプレート15に固定するために、スナップ式接続の形態の固定手段18が使用される。
【0025】
アンテナホルダー10は、好ましくは、プラスチックのような非導電性材料から作られる。
【0026】
アンテナ本体3は、好ましくは、給電延長部5を備え、給電延長部5は、基本的に、アンテナ本体3の下側3bのある部分から延び、アンテナホルダー10における開口16を通って、およびベースプレート15の開口16’を通って到達する中空円筒である。好ましくは、(2つの偏波のために)2つの給電延長部5がある。それぞれの給電ケーブルは、それらの給電延長部5を通って、およびアンテナ本体3を通って放射器構成4まで供給される。給電ケーブルは、放射器構成4のそれぞれの部分にはんだ付けされ得る。しかしながら、容量結合も使用され得る。好ましくは、反射器の下側における給電ケーブルのために、ストレインリリーフが使用される。
【0027】
図2A図2Bでは、アンテナホルダー10が、ベース部11から延びる保持セクション12を備えることが示されている。保持セクション12は、アンテナ1の縦軸に沿って延びている。保持セクション12は、好ましくは、部分的に環状であり、少なくともアンテナ本体3の一部分を囲む。より好ましくは、保持セクション12は、アンテナ本体3の上端3aの下で終わる。保持セクション12は固定手段13を備え、前記固定手段13は、前記アンテナ本体3と接触させられ得る。その結果、前記アンテナ本体3は、前記アンテナホルダー12内の所定の位置に配置される。
【0028】
それらの固定手段13は、好ましくは、開口をアンテナ本体3と係合させるスナップ式接続の形態のものであり得る。好ましくは、アンテナ1のアンテナ本体3は、少なくとも2つの平衡スロット6を備え、それらの各々はアンテナ本体3の異なる側面上に構成される。好ましくは、アンテナ本体4の4つの側面の各々について1つの平衡スロット6(合計4つの平衡スロット6)がある。平衡スロット6は、アンテナ本体3の上端3aからアンテナ本体3の下端3bの方へ延びる。アンテナホルダー10の保持セクション12の固定手段13は、それぞれの平衡スロット6において係合する。
【0029】
保持セクション12は、その周辺領域に沿って完全に閉じられ得る。好ましくは、上述の図に示されているように、保持セクション12は、いくつかの開口を備える。
【0030】
アンテナ2がアンテナホルダー10中に配置された後、アンテナ本体3の下側3cの支持部分7のみがベース部11上に載る。したがって、アンテナ本体3の下側3cの別の部分8とベース部11との間に受容空間20が形成される。受容空間20によって、容量結合が、アンテナ本体3との間に、したがってアンテナ2と導電性ベースプレート15との間に確立される。
【0031】
アンテナ2は、好ましくは、ただ、容量結合を使用することによってベースプレート15に結合される。アンテナ2は、好ましくは、直流接続を使用することによってベースプレート15に結合されない。
【0032】
図2Aおよび図2Bに示されているように、アンテナ本体3の下側3cは、アンテナホルダー10のベース部11の方へ突出する領域7を有する。この領域7は支持部分7を形成し、支持部分7は、次いでベース部11上に載る。
【0033】
もちろん、これは、ベース部11が、アンテナ本体3の下側3cの方へ突出する領域14を備え(図3A参照)、アンテナ本体3の支持部分7のみが、ベース部11のこの突出領域14上に載る場合でもあり得る。
【0034】
アンテナ本体3の下側3cの別の部分8とベースプレート15との間の容量結合を増加させるために、ベースプレート15の60%、70%、80%超または90%超は、受容空間20の下の領域において開口がない。代替として、ベースプレート15は、受容空間20の下の領域において開口が完全にないことも可能であろう。
【0035】
アンテナ2とベースプレート15との間の容量結合を増加させるために、インレイ30が、受容空間20において構成される。インレイ30は誘電体材料を備える。誘電率は、好ましくは、2から10の間である。誘電率は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8よりも高く、好ましくは、9よりも高いが、好ましくは、11、10、9、8、7、6、5、4よりも低く、好ましくは、3よりも低い。インレイ30は、好ましくは、1つの部片から作られる。
【0036】
好ましくは、インレイ30は、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm未満または0.5mm未満の厚さを有する。しかしながら、インレイ30の厚さは、好ましくは、0.2mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mmよりも高いまたは9mmよりも高い。より好ましくは、インレイは0.8mmの厚さを有する。
【0037】
インレイ30は、アンテナ2がアンテナホルダー10に挿入される前に、受容空間20に挿入される。
【0038】
好ましくは、受容空間20の40%、50%、60%、70%、80%超または90%超が、インレイ30で充填される。より好ましくは、受容空間20は、インレイ30で完全に充填される。
【0039】
示されているインレイ30は、開口がない。しかしながら、インレイ30も、1つまたは複数の開口を備え得る。1つまたは複数の開口は、さらに好ましくは、ロッドのような1つまたは複数のカウンターパートエレメント、またはアンテナホルダー10のベース部11から延びる突出部と係合し得る。したがって、インレイ30は、その場合、アンテナホルダー10のベース部11に固定される。
【0040】
インレイ30はまた、はんだ付けに好適な誘電体材料から作られ得る。アンテナホルダー10のベース部11上にホイルを配置することは、再生するのが厳しいので、インレイ30はホイルでない。
【0041】
図2Bは、インレイ30が、好ましくは、アンテナ本体3の下側3cの別の部分8と、ならびにアンテナホルダー10のベース部11の上側11aと接触することを示す。
【0042】
アンテナホルダー10の保持セクション12は、好ましくは、ベース部11の領域において開口を備え、したがって、インレイ30はアンテナホルダー10の外側から可視である。インレイ30の一部分が開口内に構成されること、または、インレイ30の一部分が開口を通って延びることさえも可能である。
【0043】
インレイ30の色が、好ましくは、インレイ30の誘電率に対応する。
【0044】
次に図3Aを参照すると、受容空間20はエッジ領域21によって囲まれ、エッジ領域21は底部11からアンテナ2の方へ突出することが見られ得る。エッジ領域21は、保持セクション12であり得る。好ましくは、そうではなく、したがって、エッジ領域21は保持セクション12のほかに構成される。エッジ領域21の一部分が保持セクション11でもあり、エッジ領域21の別の部分が、保持セクション11から離間されることもあり得る。アンテナホルダー10およびエッジ領域は、好ましくは、1つの部片で作られる。
【0045】
図3A内で、ベース部11は、アンテナ本体3の下側3cの方へ突出する領域14を備える。この領域14は、基本的に、ベース部11の中央に位置する。この領域14は、好ましくは、環状であるか少なくとも部分的に環状である断面を有する。受容空間20は、その領域14とエッジ領域21または保持セクション12との間に位置する。これは、受容空間20が、アンテナ本体3の下側3cの方へ突出する領域14から外側に延びることを意味する。
【0046】
受容空間20は非対称形状のものであり、これは、インレイ30も非対称形状のものであることを意味する。したがって、インレイ30は、所定の角度位置においてのみ受容空間20に挿入され得る。より好ましくは、インレイ30の形状は、受容空間20の形状に(十分に)対応する。受容空間20は、対称形状のものでもあり得、インレイ30は、たとえば、円形断面を有するディスク状であり得る。
【0047】
ベース部11も、開口16を有する。そのような開口16’が、ベースプレート15においても見つけられ得る。開口16、16’は、互いの上に構成される。アンテナ本体3の給電延長部5は(使用される場合)、これらの開口16、16’を通って延びる。
【0048】
受容空間20が丸いエッジ部を有することも見られ得る。
【0049】
同じことが、好ましくは、図3Bに示されているインレイ30についても当てはまる。インレイ30も、受容空間20の丸いエッジ部に対応する丸いエッジ部を有する。インレイ30は、好ましくは、ベース部10の突出領域14の形状に対応する凹部31を備える。凹部31は、アンテナ本体3の下側3cの突出領域7にも対応し得る。好ましくは、インレイ30は、接続ウェブ32をも備える。その場合、インレイ30は、さらに好ましくは、アンテナホルダー10とともに、特にベース部10の保持セクション12とともにまたは突出領域14とともに、1つの部片で形成される。接続ウェブ32は、必要な場合にインレイ30が取り外され得るように分離可能であり、それにより、アンテナ2とベースプレート15との間の容量結合を変える。
【0050】
図3Cは、アンテナホルダー10のベース部11のサイズと、アンテナホルダー10における開口16のサイズと、インレイ30のサイズとを可視化する。インレイ30は、好ましくは、アンテナホルダー10のベース部11の領域の20%、25%、30%、35%超または40%超をカバーする。インレイ30は、好ましくは、アンテナホルダー10のベース部11の領域の70%、65%、60%、55%未満または50%未満をカバーする。図3Cに示されている実施形態では、インレイ30は、開口16の領域がアンテナホルダー10のベース部11の領域の部分でもある場合、アンテナホルダー10のベース部11の領域のほぼ32%をカバーする。両方の開口16の領域は、好ましくは、アンテナホルダー10のベース部11の総面積のほぼ25%をカバーする。アンテナホルダー10のベース部11の領域全体(外部境界)は、好ましくは、500mm、550mm、600mmよりも大きいまたは650mmよりも大きい。アンテナホルダー10のベース部11の領域(外部境界)は、さらに好ましくは、750mm、700mm、650mm、600mmよりも小さいまたは550mmよりも小さい。インレイ30の断面図のサイズは、好ましくは、100mm、150mm、200mmよりも大きいまたは250mmよりも大きい。インレイ30の断面図のサイズは、好ましくは、300mm、250mm、200mmよりも小さいまたは150mmよりも小さい。
【0051】
再び図2Bを参照すると、ベース部11が、好ましくはベース部11の中心にある、ペデスタル構成17を有することも示されている。このペデスタル構成17は、アンテナ本体3の下側3cの中央の凹部9において係合する。
【0052】
アンテナホルダー10の固定手段18も示されており、固定手段18は、(好ましくは、スナップ式接続を使用することによって)アンテナホルダー10をベースプレート15に固定するために使用される。
【0053】
図4A図4Bおよび図4Cは、本発明によるアンテナ構成1の別の実施形態を示す。前に説明されたアンテナ構成1に加えて、別の保持構造40が説明される。保持構造40は、アンテナホルダー10の部分である。好ましくは、保持構造40およびアンテナホルダー10は、単一の部片から作られる。保持構造40は、接続アーム41と保持表面42とを備える。接続アーム41は離間され、接続アーム41の第1の端が、アンテナホルダー10に接続されるかまたはアタッチされる。好ましくは、接続アーム41の第1の端は、ベース部11に近いアンテナホルダー10の領域にアタッチされるかまたは接続されるかまたは形成される。接続アーム41は、好ましくは、外側に、したがってアンテナホルダー10から離れて延びる。接続アーム41は、したがって、アンテナ2の縦軸から離れて延びる。
【0054】
接続アーム41は、好ましくは、それらの第2の端において、保持構造40を使用して互いに接続される。保持構造40は、好ましくは、リングの形態を有し、さらに好ましくは、すべての接続アーム41にアタッチされる。保持構造40は、少なくとも1つの導電性環状フレーム44を保持するために使用され得る表面42を有する。導電性の少なくとも部分的環状フレーム44は、放射器構成4の放射器平面43とアンテナ本体3の下端3bとの間に構成される。最小1つの導電性環状フレーム44は、開口を有し、開口を通ってアンテナ本体3が延びる。最小1つの導電性環状フレーム44は、放射器平面43と平行に整合される。
【0055】
アンテナ2の縦方向において互いから離間される、2つまたは3つの導電性環状フレーム44が使用されることも可能であり得る。2つまたはそれ以上の導電性環状フレーム44が使用される場合、それらフレームは互いに直流接続されない。好ましくは、フレーム44のいずれも、他の物体に直流接続されない。
【0056】
保持構造40の表面42は、導電性部分的環状フレーム44を確実に固定するための、好ましくはスナップ式接続の形態の、固定手段45をも有する。
【0057】
図4Cは、アンテナ2なしのアンテナ構成1の別の実施形態を示す。
【0058】
好ましくは、アンテナホルダー10は、スナップ式接続を使用することのみによってベースプレート15上に取り付けられ得る。ねじ、リベットまたははんだ継手が、使用される必要がない。さらに、アンテナ2は、スナップ式接続によってのみ、アンテナホルダー10にアタッチされる。さらに好ましくは、ねじ、リベットまたははんだ継手は、使用されない。
【0059】
より好ましくは、導電性環状フレーム44も、スナップ式接続によって保持構造40に接続されるにすぎない。その場合も、ねじ接続、リベットまたははんだ継手は、使用されない。
【0060】
図5Aおよび図5Bは、本発明による積重ねアンテナシステム50を示す。積重ねアンテナシステム50は、前に説明されたアンテナ構成1を備える。アンテナ構成1は、「高周波数」範囲と呼ばれることもある第1の周波数範囲(すなわち1428~2690MHz)において動作するように設定される。さらに、さらなるアンテナ構成60が示されている。さらなるアンテナ構成60は、第2の周波数範囲(すなわち698~960MHz)において動作するように設定される。第2の周波数範囲は、「低周波数」範囲と呼ばれることもある。それは、第1の周波数範囲が第2の周波数範囲の上に位置することを意味する。好ましくは、両方の周波数範囲は重複しない。
【0061】
図5Bに関して、反射器61が積重ねアンテナシステム50内に提供されることが見られ得る。さらなるアンテナ構成60は、反射器61上に構成される。これは、好ましくは、スナップ式接続を使用することによって行われる。したがって、さらなるアンテナ構成60は、好ましくは、反射器61にはんだ付けおよび/または螺合されない。さらなるアンテナ構成60は、少なくとも4つの放射器エレメント63をもつ放射器構造62を備える。それらの放射器エレメント63は、漏斗状に反射器61から離れて延びる。少なくとも4つの放射器エレメント63は、好ましくは、それらのベース部において互いに接続され、ベース部は反射器61上に構成される。少なくとも4つの放射器エレメント63は、反射器に直流結合されるかまたは反射器に容量結合される。4つの放射器エレメント63は、導電性であり、好ましくは、1つの部片から作られる。
【0062】
さらなるアンテナ構成60は、好ましくは導電性材料から作られる、ソケット構成64を備える。より好ましくは、ソケット構成64および少なくとも4つの放射器エレメント63は、単一の部片から作られる。ソケット構成64は、4つの放射器エレメント63によって取り囲まれる領域内に構成される。ソケット構成64は、支持表面65を備える。アンテナ構成1は、次いで、ソケット構成64の支持表面65上に構成される。図5Bでは、ベースプレート15が支持表面65の上に構成されることが見られ得る。ベースプレート15は、支持表面65に直流接続または容量接続され得る。それにより、アンテナホルダー10は、ベースプレート15に固定されるだけでなく、ソケット構成64にも固定される。これは、スナップ式接続を使用することによって行われ得る。
【0063】
アンテナ構成1の導電性ベースプレート15が、ソケット構成64の支持表面65によって形成されることも、可能であり得る。
【0064】
さらなるアンテナ構成60は、反射器61を通って到達した給電延長部67をも備えることができる。
【0065】
また見られ得るように、アンテナ2の放射器構成4は、さらなるアンテナ構成60の放射器エレメント63の上に位置する。しかしながら、これは、必ずしもそうである必要があるとは限らない。アンテナ2の放射器構成4は、さらなるアンテナ構成60の放射器エレメント63とのフラッシュ端に至ることもあり得る。アンテナ2の放射器構成4は、さらなるアンテナ構成60の放射器エレメント63によって囲まれた領域内で終わることもあり得る。図5Bの実施形態に関して、導電性環状フレーム44は、放射器エレメント63の端とほぼ同じ平面にある。
【0066】
ベースプレート15は、矩形または正方形形態のものであり得る。しかしながら、それは、図5Aに示されているように十字の形態のものでもあり得る。さらに、端部の各々は、好ましくは、T字形である。それらは、少なくとも部分的にメアンダ形でもあり得る。
【0067】
しかしながら、これは、必ずしもそうである必要があるとは限らない。ベースプレート15は、環状断面をも備え得る。
【0068】
図5A内に、導電性部分的環状フレーム44が示されている。しかしながら、導電性部分的環状フレーム44はオプションにすぎない。
【0069】
2つの近隣する放射器エレメント63間のスロット66が、少なくとも部分的にメアンダ形であり得る。スロット66はまた、直線に沿って延びているかまたは平面にあり得る。
【0070】
図6は、本発明による移動無線アンテナ70について説明する。移動無線アンテナ70は、前に説明された複数のアンテナ構成1と複数の積重ねアンテナシステム50とを備える。複数のアンテナ構成1および複数の積重ねアンテナシステム50は、交互に、移動無線アンテナ70の縦軸に沿って反射器61の第1の側面上に構成される。反射体61の第2の側面上に、たとえば、位相シフトデバイス71が構成される。レードーム構成72が、移動無線アンテナ70全体を囲む。
【0071】
2つのアンテナ構成1間の間隔は、好ましくは、第1の周波数範囲の中間周波数の波長に等しい。2つの積重ねアンテナシステム50間の間隔は、好ましくは、第2の周波数範囲の中間周波数の波長に等しい。
【0072】
移動無線アンテナ70の中央に構成されるアンテナ構成1および/または積重ねアンテナシステム50は、好ましくは、インレイ30がない。
【0073】
最外アンテナ構成1は、ベースプレート15に直流結合されたアンテナ2を備え、ベースプレート15は、その場合、反射器61である。そのような結合は、たとえば、給電延長部5をベースプレート15にはんだ付けすることによって達成され得る。
【0074】
追加または代替として、同じことが、最外積重ねアンテナシステム50についても当てはまる。アンテナ構成1、および積重ねアンテナシステム50内のさらなるアンテナ構成60も、その場合、反射器61に直流接続され得る。
【0075】
最外アンテナ構成1と中心におけるアンテナ構成1との間に構成されるアンテナ構成1は、好ましくは、インレイ30を備える。同じことが、最外積重ねアンテナシステム50と中心において構成される積重ねアンテナシステム50との間に構成される積重ねアンテナシステム50についても当てはまる。
【0076】
アンテナ構成1のアンテナ2は、1つまたは2つの偏波における電磁信号を受信および/または送信するように設定される。好ましくは、アンテナ2は、2つの線形、円または楕円偏波において送信および/または受信する。同じことが、さらなるアンテナ構成60についても当てはまる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6