(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】実装システム及び実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2022567914
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2020045569
(87)【国際公開番号】W WO2022123642
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻山 岳史
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065010(JP,A)
【文献】特開2005-183412(JP,A)
【文献】国際公開第2014/207807(WO,A1)
【文献】特開2017-092130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品が保持された保持部材から部品を供給する部品供給部と、
前記部品供給部から前記部品を採取する採取部材を装着する実装部と、
前記保持部材に保持された前記部品上面高さを測定する測定部と、
前記測定部が測定した部品上面高さよりも大きい押し込み量で前記採取部材を昇降させる昇降機構と
、
前記部品の種別が所定の部品種別であるときに前記測定部に前記保持部材にある前記部品の高さを測定させ、測定した前記部品の高さに応じて前記実装部の採取高さを前記昇降機構が調整するオフセット値を設定する制御部と、を備え
、
前記制御部は、前記保持部材の種別を取得し、前記保持部材の種別が寸法精度のより高い所定種別であるときには、より狭いオフセット範囲を用いて前記オフセット値を設定する、実装システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記部品が所定サイズ以上であるときに前記測定部に前記部品の高さを測定させて前記オフセット値を設定する、請求項
1に記載の実装システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記測定部が測定した前記部品の高さが所定の許容範囲外であるときには、前記許容範囲内に前記オフセット値を設定する
ものとし、
前記制御部は、前記測定部が測定した前記部品の高さが所定の許容範囲の上限値を超えているときにはこの上限値をオフセット値に設定するか、前記測定部が測定した前記部品の高さが所定の許容範囲の下限値を下回るときにはこの下限値をオフセット値に設定するか、前記測定部が測定した前記部品の高さが所定の許容範囲外であるときには前記許容範囲内の任意値をオフセット値に設定するか、のいずれかによって前記オフセット値を設定する、請求項
1又は2に記載の実装システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記オフセット値が指定されているときには、該オフセット値の変更を実行しない、請求項
1~
3のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項5】
前記制御部は、設定した前記オフセット値を用いた採取高さで前記実装部に前記保持部材から前記部品を採取させる、請求項
1~
4のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項6】
前記制御部は、設定した前記オフセット値を用いて実行した部品の採取処理において所定の許容採取精度を下回るときには、設定した前記オフセット値をリセットする、請求項
1~
5のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項7】
複数の部品が保持された保持部材から部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部から前記部品を採取する採取部材を装着する実装部と、前記保持部材に保持された前記部品上面高さを測定する測定部と、を備える実装装置に用いられる実装方法であって、
前記部品の種別が所定の部品種別であるときに前記測定部によって測定された前記保持部材にある前記部品の高さに応じて前記実装部の採取高さを調整するオフセット値を設定する設定ステップ
、を含
み、
前記設定ステップでは、前記保持部材の種別を取得し、前記保持部材の種別が寸法精度のより高い所定種別であるときには、より狭いオフセット範囲を用いて前記オフセット値を設定する、実装方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の実装方法であって、
前記設定ステップで設定されたオフセット値と前記設定ステップで設定される前の前記オフセット値とを表示する表示ステップ、を含む実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、実装システム及び実装方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装装置としては、高さを含む実装条件を用いて部品を保持あるいは装着された電子部品の位置情報を特定し、複数の特定された位置情報を用いて実装条件ごとの電子部品の位置のばらつきを特定し、特定されたばらつきを用いて、電子部品の新しい実装条件を特定するものが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この装置では、部品の保持及び装着時の部品に位置ずれに応じて、吸着ノズルの高さを変更するなどして部品の保持や装着の精度を向上することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、吸着ノズルの高さを変更して部品の保持や装着の精度を高めるとしているが、まだ十分でなく、部品の採取を更に精度よく実行することが求められていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、部品の採取をより精度よく実行することができる実装システム及び実装方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の実装システムは、
複数の部品が保持された保持部材から部品を供給する部品供給部と、
前記部品供給部から前記部品を採取する採取部材を装着する実装部と、
前記保持部材に保持された前記部品上面高さを測定する測定部と、
前記測定部が測定した部品上面高さよりも大きい押し込み量で前記採取部材を昇降させる昇降機構と、
を備えたものである。
【0008】
この実装システムでは、保持部材に保持された部品上面高さを測定し、測定した部品上面高さよりも大きい押し込み量で、部品供給部から部品を採取する採取部材を昇降させる。実装システムにおいて、例えば、部品の種別によっては、部品の寸法精度や保持部材の部品を保持した部分のクリアランスが比較的大きく、採取部材によって部品を採取する際に採取精度に影響が出ることがある。この実装システムでは、測定した部品上面高さよりも大きい押し込み量で採取部材を昇降させるため、部品の採取をより精度よく実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実装部20及び部品供給部14の一例を示す説明図。
【
図3】記憶部33に記憶された情報の一例を示す説明図。
【
図4】実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図5】オフセット設定処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図6】保持部材16に応じたオフセット値の許容範囲の説明図。
【
図7】オフセット値表示画面60の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本開示の一例である実装システム10の概略説明図である。
図2は、実装部20及び部品供給部14の一例を示す説明図である。
図3は、記憶部33に記憶された実装条件情報34及びオフセット情報35の一例を示す説明図である。実装システム10は、例えば、処理対象物としての基板Sに部品Pを実装処理する実装装置11が基板Sの搬送方向に配列された生産ラインとして構成されている。ここでは、処理対象物を基板Sとして説明するが、部品Pを実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。この実装システム10は、
図1に示すように、実装装置11や、管理装置40などを含んで構成されている。なお、
図1には、実装装置11を1台のみ示した。また、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、
図1、2に示した通りとする。
【0011】
実装装置11は、
図1に示すように、基板処理部12と、部品供給部14と、部品撮像部18と、実装部20と、制御部31と、操作パネル36とを備えている。基板処理部12は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。基板処理部12は、
図1の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡された1対のコンベアベルトを2つ有している。基板Sはこのコンベアベルトにより搬送される。
【0012】
部品供給部14は、実装部20へ部品Pを供給するユニットである。この部品供給部14は、部品を保持した保持部材16(テープ部材)を巻き付けたリールを装着したフィーダ15を複数備えている。保持部材16には、等間隔に収容空間としての保持部17が形成されており、この保持部17に部品Pが保持されている。また、この部品供給部14は、部品Pを複数配列して載置する保持部材16B(トレイ)を有するトレイユニットを備えている。
【0013】
部品撮像部18は、実装ヘッド22に採取され保持された1以上の部品Pの画像を下方から撮像する装置である。部品撮像部18は、部品Pを採取した実装ヘッド22が部品撮像部18の上方を通過する際、部品Pの画像を撮像し、撮像画像を制御部31へ出力する。制御部31は、この撮像画像を用いて、部品Pが正常に採取されたかを検出することができる。
【0014】
実装部20は、部品Pを部品供給部14から採取し、基板処理部12に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部20は、ヘッド移動部21と、実装ヘッド22と、ノズル23とを備えている。また、実装部20は、昇降機構24と、測定部25とを備えている。ヘッド移動部21は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド22は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部21によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド22は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド22の下面には、1以上のノズル23が取り外し可能に装着されている。ノズル23は、負圧を利用して部品Pを採取する採取部材である。なお、部品Pを採取する採取部材は、ノズル23のほか部品Pを機械的に把持するメカニカルチャックなどとしてもよい。
【0015】
昇降機構24は、
図2に示すように、ノズル23が装着されたシリンダの鍔部に係合してノズル23を上下方向へ昇降する装置である。昇降機構24は、ボールネジ機構としてもよいし、リニアモータとしてもよい。この昇降機構24は、ノズル23を最も下降させた際に、ノズル23の先端の位置を上下方向に微調整することができる。測定部25は、部品供給部14の保持部材16に保持された部品Pの上面高さHを測定するものである。測定部25は、
図2に示すように、実装ヘッド22の下面側に配設されている。この測定部25は、例えば、レーザ光を照射した反射光を検知して部品Pの上面までの距離を測定するものとしてもよい。
【0016】
制御部31は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種データを記憶する記憶部33などを備えている。この制御部31は、基板処理部12、部品供給部14、操作パネル36及び実装部20へ制御信号を出力し、実装部20や部品供給部14、操作パネル36及び実装部20からの信号を入力する。記憶部33には、実装条件情報34やオフセット情報35などが記憶されている。実装条件情報34は、部品Pを基板Sへ実装する配置順や、部品Pの識別情報(ID)、部品の種別の情報、基板Sへの配置位置(XY座標)などを含む情報である。オフセット情報35は、部品Pを保持部材16から採取する際に部品Pの基準高さHbからのノズル23の押し込み量を示すオフセット値を含む情報である。このオフセット情報35には、保持部材16のID、保持部材16の種別の情報、保持された部品PのID、部品Pの種別の情報、オフセット値のほか、部品Pを採取した際の成功率である採取率の情報が保持部材16に対応付けられて含まれている。実装装置11では、部品Pの種別、例えば、角チップやミニモールドなどにおいて、所定より大きいサイズの部品Pでは、その寸法精度や保持部材16の保持部17のクリアランスCが比較的大きくなることがある。
図2に示すように、例えば、部品Paでは、基準高さHbよりも上面位置が低く、より大きなクリアランスCaを示す。部品Pでは、同様に、基準高さHbよりも上面位置が高いものもあることから、実装装置11では、上限値Faから下限値Fbの間をオフセット値を設定する許容範囲としてのオフセット範囲Fとしている。このオフセット範囲Fは、オフセット値を設定可能な部品Pの上面高さHの許容範囲として規定することができる。上限値Faは、例えば、基準高さHbから上方に部品Pの厚さtの1割や2割の値としてもよい。下限値Fbは、例えば、基準高さHbから下方に部品Pの厚さtの2割や3割の値としてもよい。このオフセット情報35には、オフセット値として、作業者が入力して指定した指定値と、制御部31がオフセット設定処理で設定した設定値のいずれかが含まれている。保持部材の種別は、上述したように、部品Pの上面高さHへの影響を見積もるためにオフセット情報35に記憶されている。
【0017】
操作パネル36は、作業者と情報をやりとりするユニットであり、画面を表示する表示部37と作業者が操作する操作部38とを有している。
【0018】
管理装置40は、実装システム10の各装置の情報を管理するコンピュータである。管理装置40は、
図1に示すように、制御部41と、記憶部43と、表示部47と、入力装置48とを備えている。制御部41は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。記憶部43は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶する装置である。記憶部43には、実装条件情報34と同様の実装条件情報44や、オフセット情報35と同様のオフセット情報45などが記憶されている。表示部47は、各種情報を表示する液晶画面である。入力装置48は、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等を含む。
【0019】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、特に、オフセット値を設定すると共に実装処理を行う処理について説明する。
図4は、制御部31のCPU32で実行される実装処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部33に記憶され、作業者の指示により実行される。このルーチンを実行すると、CPU32は、実装条件情報34を読み出して取得し(S100)、オフセット設定処理を実行する(S110)。
【0020】
図5は、制御部31のCPU32で実行されるオフセット設定処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部33に記憶され、実装処理ルーチンのS110で実行される。このルーチンを実行すると、CPU32は、記憶部33からオフセット情報35を読み出して取得し(S200)、実装処理を実行する部品Pの中に所定の部品種別の部品があるか否かを判定する(S210)。この所定の部品種別は、例えば、ノズル23などの採取部材によって部品Pを採取する際に採取精度に影響が出るような種別に経験的に定められるものとしてもよい。また、この所定の部品種別は、所定サイズ以上の部品としてもよい。この「所定サイズ」とは、例えば、保持部材16や部品自体のクリアランスCが他の部品Pに比して比較的大きく、ノズル23などの採取部材によって部品Pを採取する際に影響が出るようなサイズに経験的に定められるものとしてもよい。このような部品種別としては、サイズが比較的ラフに製造されている、大きな角チップ部品やミニモールド部品などとしてもよい。この部品種別は、例えば、実装部20で採取させた際に、正常に採取できた採取率が所定の閾値以下である、採取率の低い部品種別を経験的に求め、この部品種別に定めるものとしてもよい。即ち、この所定の部品種別は、オフセット値を適宜調整する必要がある部品種別としてもよい。実装処理を実行する部品Pの中に所定の部品種別の部品Pがない場合、CPU32は、そのままこのルーチンを終了し、実装処理ルーチンのS120以降の処理を実行する。
【0021】
一方、S210で、実装処理を実行する部品Pの中に所定の部品種別の部品Pがある場合、CPU32は、該当する部品Pを抽出し、その中からオフセット値を設定する処理対象の部品Pを設定する(S220)。次に、CPU32は、設定された部品Pにオフセット値が既に指定されているか否かをオフセット情報35の記憶内容に基づいて判定する(S230)。オフセット値が指定済みであるときには、CPU32は、オフセット設定処理を省略しS310以降の処理を実行する。作業者は、経験的に採取率の低い部品Pがある場合に、オフセット値を指定する場合がある。CPU32は、この場合、指定されたオフセット値を優先させるのである。
【0022】
一方、S230で、オフセット値が指定されていないときには、CPU32は、部品Pの高さ測定処理を実行する(S240)。この処理では、CPU32は、部品Pの上方に測定部25を移動させ、測定部25に部品Pの上面までの距離を測定させる(
図2参照)。CPU32は、この測定結果を用いて、部品Pの上面高さHを求め、基準高さHbとの差分値を求めることができる。次に、CPU32は、高さ測定した部品Pが保持される保持部材16の種別の寸法精度が低いか高いかをオフセット情報35に基づいて調べる(S250)。寸法精度の高い保持部材16の種別としては、例えば、紙部材などが挙げられる。また、寸法精度の低い保持部材16の種別としては、例えば、エンボス加工された樹脂部材などが挙げられる。
【0023】
部品Pが寸法精度の低い保持部材16aに保持されているときには、CPU32は、それに合わせた第1の許容範囲である第1オフセット範囲F1を設定し、測定した上面高さHがこの第1許容範囲内であるか否かを判定する(S260)。
図6は、保持部材16に応じたオフセット値の許容範囲の説明図であり、
図6Aが寸法精度の低い保持部材16aの説明図、
図6Bが寸法精度の高い保持部材16bの説明図である。第1オフセット範囲F1は、上限値Fa1と下限値Fb1との間の範囲(例えば、基準高さHbに対して+0.1mm~-0.3mmなど)に設定されている。測定した上面高さHが第1許容範囲内でないとき、即ち、測定した上面高さHが第1許容範囲外であるときには、CPU32は、測定値の信頼性を加味して、第1許容範囲内にオフセット値を設定する(S270)。CPU32は、測定した上面高さHが上限値Fa1を超えているときにはこの上限値Fa1をオフセット値に設定し、測定した上面高さHが下限値Fb1を下回るときにはこの下限値Fb1をオフセット値に設定する。こうすれば、CPU32は、オフセット値を常識的な範囲内に設定することができる。一方、S260で測定した上面高さHが第1許容範囲内であるときには、CPU32は、測定値に基づくオフセット値を設定する(S300)。CPU32は、測定した上面高さHに所定のマージンを加えた位置にノズル23の先端が来るようなオフセット値を設定する。
【0024】
一方、S250で、部品Pが寸法精度の高い保持部材16bに保持されているときには、CPU32は、それに合わせた第2の許容範囲である第2オフセット範囲F2を設定し、測定した上面高さHがこの第2許容範囲内であるか否かを判定する(S280)。第2オフセット範囲F2は、上限値Fa2と下限値Fb2との間の範囲に設定されている。また、この第2オフセット範囲F2は、第1オフセット範囲F1に比してより狭い範囲に設定されている(例えば、基準高さHbに対して+0.1mm~-0.2mmなど)。上限値Fa2の絶対値は、上限値Fa1の絶対値以下であり、下限値Fb2の絶対値は、下限値Fb1の絶対値よりも小さく設定されている。寸法精度が高い保持部材16bに保持された部品Pの高さは、それに応じてクリアランスのずれ幅が小さくなるため、より小さなオフセット範囲を設定することができる。測定した上面高さHが第2許容範囲内でないとき、即ち、測定した上面高さHが第2許容範囲外であるときには、CPU32は、測定値の信頼性を加味して、第2許容範囲内にオフセット値を設定する(S290)。CPU32は、例えば、測定した上面高さHが上限値Fa2を超えているときにはこの上限値Fa2をオフセット値に設定し、測定した上面高さHが下限値Fb2を下回るときにはこの下限値Fb2をオフセット値に設定する。こうすれば、CPU32は、オフセット値を常識的な範囲内に設定することができる。一方、S280で測定した上面高さHが第2許容範囲内であるときには、CPU32は、測定値に基づくオフセット値を設定する(S300)。CPU32は、測定した上面高さHに所定のマージンを加えた位置にノズル23の先端が来るようなオフセット値を設定する。CPU32は、測定部が測定した部品Pの上面高さHよりも大きい押し込み量となる値、例えば、0.1mm~0.3mmや、0.1mm~0.2mmのうち、いずれかの値にオフセット値を設定することができる。
【0025】
S270、S290及びS300のあと、CPU32は、次の処理対象の部品Pがあるか否かを判定し(S310)、次の処理対象の部品Pがあるときには、S220以降の処理を実行する。即ち、CPU32は、次の所定の部品種別の部品Pを設定し、オフセット値が指定済みでなければ、部品Pの上面の高さを測定し、オフセット値を設定する処理を繰り返し実行する。一方、S310で次の処理対象の部品がないときには、CPU32は、設定したオフセット値を表示出力させ(S320)、このルーチンを終了する。
【0026】
図7は、操作パネル36の表示部37に表示される、オフセット値表示画面60の一例を示す説明図である。オフセット値表示画面60には、カーソル61と、オフセット値表示欄62と、戻るキー63とが含まれている。カーソル61は、修正する欄などを選択する際に使用される。オフセット値表示欄62は、オフセット情報35に含まれるオフセット値が表示される。オフセット値表示欄62には、今回オフセット値が設定された保持部材16のIDと、保持されている部品PのID、部品種別、保持部材16の種別及び設定前後のオフセット値などが含まれる。確認キー63は、設定された値を確認したあと、この画面を閉じる際に押下されるキーである。このオフセット値表示画面60により、作業者は、変更されたオフセット値を確認することができる。なお、オフセット値表示画面60は、実装システム10のいずれかの装置で表示出力すればよく、表示部37のほか、管理装置40の表示部47に表示させてもよい。
【0027】
実装処理ルーチンのS110でオフセット設定処理を終了すると、CPU32は、基板Sを搬送及び固定させ(S120)、オフセット値を用い、実装条件情報34の配置順に基づいて部品Pをノズル23に採取させる(S130)。CPU32は、部品Pに対応するオフセット値を用いて、部品Pの上面高さHよりも大きい押込み量(例えば、0.1mm~0.3mmや、0.1mm~0.2mmなど)となる位置にノズル23を下降及び上昇させる。このとき、オフセット情報35には、適切なオフセット値が指定又は設定されているため、実装部20は、より精度を高めて部品Pを採取することができる。例えば、従来、大型の角チップやミニモールド部品など、採取率が低い部品Pに対しては、作業者が経験的にオフセット値を変更してこの採取率を高めることがあった。この実装装置11では、採取しにくい部品Pのオフセット値を自動で設定するため、作業者の経験に頼ることなく、部品Pの採取をより確実に行うことができるのである。
【0028】
S130のあと、CPU32は、採取した部品Pを移動させ、基板Sの所定位置へ配置させる(S140)。部品Pの移動において、CPU32は、実装ヘッド22に採取されている部品Pを部品撮像部18に撮像させ、部品Pが適切に採取されたかを検出する。CPU32は、この検出結果を記憶部33に記憶する。部品Pを基板Sに配置させると、CPU32は、基板Sへ配置すべき次の部品Pがあるか否かを実装条件情報34に基づいて判定する(S150)。次の部品Pがあるときには、CPU32は、S130以降の処理を実行する。即ち、部品Pに対応するオフセット値を用いて部品Pを採取し、基板Sへ配置する処理を繰り返し行う。
【0029】
一方、S150で次の部品Pがないときには、CPU32は、この基板Sへの部品Pの配置が終わったものとして、この基板Sに配置した各部品Pの採取率を算出し、オフセット情報35に反映させる(S160)。CPU32は、部品Pの採取ができなかったものを採取失敗としてもよいし、部品Pの採取時にずれ量が閾値を超えているものを採取失敗として集計してもよい。採取率は、採取成功数/全採取数のように求められる。続いて、CPU32は、採取率が所定の許容精度を下回る部品Pがあるか否かを判定し(S170)、採取率が所定の許容精度を下回る部品Pがあるときには、該当する部品Pのオフセット値(指定値又は設定値)をリセットして初期値に設定する(S180)。所定の許容精度は、例えば、他の一般的な部品の採取率に合わせ、基板Sの歩留まりなどから経験的に求めたもの(例えば、0.995や0.9995など)としてもよい。
【0030】
S180のあと、または、S170で採取率が所定の許容精度を下回る部品Pがないときには、CPU32は、基板Sの生産が完了したか否かを判定する(S190)。基板Sの生産が完了していないときには、CPU32は、次の基板Sがあるものとし、S120以降の処理を実行する。即ち、実装済みの基板Sを排出し、次の基板Sを搬送、固定し、オフセット値を用いて部品Pを採取、配置する処理を繰り返し実行する。一方、S190で、生産完了したときには、CPU32は、このルーチンを終了する。
【0031】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の部品供給部14が本開示の部品供給部に相当し、実装部20が実装部に相当し、測定部25が測定部に相当し、昇降機構24が昇降機構に相当し、制御部31が制御部に相当し、保持部材16が保持部材に相当し、ノズル23が採取部材に相当する。なお、本実施形態では、制御部31の動作を説明することにより本開示の実装方法の一例も明らかにしている。
【0032】
以上説明した本実施形態の実装システム10は、保持部材16に保持された部品Pの上面高さHを測定し、測定した部品上面高さHよりも大きい押し込み量で、部品供給部14から部品Pを採取する採取部材としてのノズル23を昇降させる。実装システム10において、例えば、部品Pの種別によっては、部品Pの寸法精度や保持部材16の部品Pを保持した部分のクリアランスが比較的大きく、採取部材によって部品Pを採取する際に採取精度に影響が出ることがある。この実装システム10では、測定した部品Pの上面高さHよりも大きい押し込み量で採取部材を昇降させるため、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。また、実装システム10では、部品Pの種別が所定の部品種別であるときに測定部25に保持部材16にある部品Pの上面高さHを測定させ、測定した部品Pの上面高さHに応じて実装部20の採取高さを昇降機構24が調整するオフセット値を設定する。この実装システムでは、特定の部品種別において、部品Pの上面高さHを測定してオフセット値を定めるため、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。このとき、制御部31は、取得した部品Pの種別が所定の部品種別でないときには、測定部25による測定及びオフセット値の設定を実行しない。この制御部31では、処理を制限することによって、より処理の効率化を図ることができる。
【0033】
また、制御部31は、部品Pが所定サイズ以上であるときに測定部25に部品Pの上面高さHを測定させてオフセット値を設定する。実装システム10において、例えば、部品Pが所定サイズ以上である場合に、部品Pの寸法精度がラフであり、ノズル23などの採取部材によって部品Pを採取する際に影響が出ることがある。この実装システム10では、特定のサイズ以上の部品Pにおいて、部品Pの上面高さHを測定してオフセット値を定めるため、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。このとき、制御部31は、部品Pが所定サイズ未満であるときには、測定部25による測定及びオフセット値の設定を実行しないものとする。この実装システム10では、処理を制限することによって、より処理の効率化を図ることができる。
【0034】
更に、制御部31は、保持部材16の種別をも取得し、取得した保持部材16の種別が寸法精度のより高い所定種別であるときには、より狭いオフセット範囲を用いてオフセット値を設定する。この実装システム10では、保持部材16の種別に応じてより適正なオフセット値を設定することができる。また、制御部31は、測定部25が測定した部品Pの上面高さHが所定の許容範囲外であるときには、許容範囲内にオフセット値を設定する。この実装システム10では、許容範囲内のオフセット値を設定することによって、より適正な部品Pの採取処理を実行することができ、部品Pの採取精度をより向上することができる。更にまた、制御部31は、オフセット値が指定されているときには、このオフセット値の変更を実行しない。この実装システム10では、既にオフセット値が指定されているときには、その指定値を優先して部品Pの採取を行うことができる。また、制御部31は、オフセット値が指定されているときには、測定部25による測定を実行しない。この実装システム10では、既にオフセット値が指定されているときには、処理をより簡素にすることができる。
【0035】
更にまた、制御部31は、設定したオフセット値を用いた採取高さで実装部20に保持部材16から部品Pを採取させる。この実装システム10では、設定したオフセット値を用いて、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。また、制御部31は、設定したオフセット値を用いて実行した部品Pの採取処理において、部品Pの採取率が所定の許容採取精度を下回るときには、設定したオフセット値をリセットする。この実装システム10では、設定したオフセット値をリセットすることによって、部品の採取精度の低下をより抑制することができる。そしてまた、制御部31は、オフセット設定処理ルーチンで設定される前後のオフセット値をオフセット値表示画面60により表示するため、オフセット値を作業者が確認することができる。
【0036】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、部品Pが所定の部品種別であるとき、例えば、部品Pが所定サイズ以上であるときや、角チップやミニモールドなどのときに部品Pの上面高さHを測定するものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、制御部31は、部品種別にかかわらず、保持部材16に保持された部品Pの上面高さHを測定部25で測定し、測定部25が測定した部品Pの上面高さHよりも大きい押し込み量で採取部材を昇降機構24に昇降させるものとしてもよい。この実装システム10では、部品Pの上面高さHを測定して、それに合わせた押込み量で採取部材を昇降するから、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。また、制御部31は、角チップやミニモールド以外の部品において、上面高さHの測定及びオフセット値の設定を行ってもよい。
【0038】
上述した実施形態では、保持部材の種別の寸法精度に応じてオフセット範囲Fを変更するものとしたが、特にこれに限定されず。この処理を省略してもよい。この実装システム10では、処理をより簡略化することができる。
【0039】
上述した実施形態では、測定部25が測定した部品Pの上面高さHが所定の許容範囲の上限値Faを超えたときに上限値Faをオフセット値に設定し、下限値Fbを下回るときに下限値Fbをオフセット値に設定するものとしたが、特にこれに限定されず、許容範囲内の任意の値をオフセット値に設定してもよい。この実装システム10によっても、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。あるいは、上述した実施形態では、測定部25が測定した部品Pの上面高さHが所定の許容範囲外であるときに、この許容範囲内にオフセット値を設定するものとしたが、特にこれに限定されず、この処理を省略してもよい。この実装システム10では、測定部25による測定値を信頼して用いることにより、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。
【0040】
上述した実施形態では、オフセット情報35のオフセット値が指定されているときには、オフセット値の変更を実行しないものとしたが、特にこれに限定されず、オフセット値が設定されていても、部品Pの上面高さHを測定してオフセット値を設定してもよい。この実装システム10では、測定値を優先することによって、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。
【0041】
上述した実施形態では、オフセット値を用いて実行した部品Pの採取処理で得られた採取率が、所定の許容採取精度を下回るときには設定したオフセット値をリセットするものとしたが、特にこれに限定されず、オフセット値のリセットを省略してもよい。このとき、制御部31は、表示部37に警告を表示させ、オフセット値の妥当性が不明であり、採取率の低い部品Pが存在することを作業者へ報知してもよい。
【0042】
上述した実施形態では、設定したオフセット値をオフセット値表示画面60として表示出力させるものとしたが、特にこれに限定されず、このオフセット値表示画面60の表示出力を省略してもよい。この実装システム10では、処理の簡略化を図ることができる。また、制御部31は、設定前後のオフセット値を表示するものとしたが、特にこれに限定されず、オフセット値が設定された保持部材16のIDを報知したり、設定後のオフセット値のみを作業者へ報知するものとしてもよい。この実装システム10では、作業者は、どの保持部材16のオフセット値が変更されたかを認識することができる。
【0043】
上述した実施形態では、フィーダ15に装着されたテープ部材である保持部材16に保持された部品Pの上面高さHを測定し、この部品Pのオフセット値を設定するものとしたが、部品Pを保持した保持部材であれば、特にこれに限定されない。例えば、制御部31は、トレイユニットのトレイである保持部材16Bに保持された部品Pの上面高さHを測定し、この部品Pのオフセット値を設定するものとしてもよい。この実装システム10においても、オフセット値を用いて、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。
【0044】
上述した実施形態では、実装装置11の制御部31が、オフセット値を設定するものとして説明したが、実装システム10の装置が行うものとすれば、特にこれに限定されず、例えば、管理装置40の制御部41がオフセット値を設定するものとしてもよい。このとき、制御部41は、部品Pの上面高さHの測定指令を実装装置11へ出力し、測定結果などを実装装置11から取得するものとしてもよい。この実装システム10においても、上述した実施形態と同様に、部品Pの採取をより精度よく実行することができる。
【0045】
上述した実施形態では、本開示の実装システムを実装装置11として説明したが、特にこれに限定されず、実装方法としてもよいし、この実装方法をコンピュータが実行するプログラムとしてもよい。
【0046】
ここで、本開示の実装システムや実装方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の実装システムは、前記部品の種別が所定の部品種別であるときに前記測定部に前記保持部材にある前記部品の高さを測定させ、測定した前記部品の高さに応じて前記実装部の採取高さを前記昇降機構が調整するオフセット値を設定する制御部、を備えたものとしてもよい。この実装システムでは、部品の種別が所定の部品種別であるときに、測定部が測定した、保持部材にある部品の高さに応じて実装部の採取高さを調整するオフセット値を設定する。この実装システムでは、特定の部品種別において、部品の高さを測定してオフセット値を定めるため、部品の採取をより精度よく実行することができる。このとき、前記制御部は、取得した前記部品種別が前記所定の部品種別でないときには、前記測定部による測定及び前記オフセット値の設定を実行しないものとしてもよい。この実装システム10では、処理を制限することによって、より処理の効率化を図ることができる。ここで、「所定の部品種別」とは、例えば、採取部材によって部品を採取する際に採取精度に影響が出るような種別に経験的に定められるものとしてもよい。このような部品種別としては、例えば、角チップ部品やミニモールド部品などが挙げられる。
【0047】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、前記部品が所定サイズ以上であるときに前記測定部に前記部品の高さを測定させて前記オフセット値を設定するものとしてもよい。実装システムにおいて、例えば、部品が所定サイズ以上である場合に、部品の寸法精度がラフであり、採取部材によって部品を採取する際に影響が出ることがある。この実装システムでは、特定の部品サイズ以上の部品において、部品の高さを測定してオフセット値を定めるため、部品の採取をより精度よく実行することができる。このとき、前記制御部は、前記部品が前記所定サイズ未満であるときには、前記測定部による測定及び前記オフセット値の設定を実行しないものとしてもよい。この実装システムでは、処理を制限することによって、より処理の効率化を図ることができる。ここで「所定サイズ」とは、例えば、保持部材や部品自体のクリアランスが他の部品に比して比較的大きく、採取部材によって部品を採取する際に影響が出るようなサイズに経験的に定められるものとしてもよい。
【0048】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、前記保持部材の種別をも取得し、取得した前記保持部材の種別が寸法精度のより高い所定種別であるときには、より狭いオフセット範囲を用いて前記オフセット値を設定するものとしてもよい。この実装システムでは、保持部材の種別に応じてより適正なオフセット値を設定することができる。ここで、寸法精度がより高い保持部材の種別としては、例えば紙部材などが挙げられる。
【0049】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、前記測定部が測定した前記部品の高さが所定の許容範囲外であるときには、前記許容範囲内に前記オフセット値を設定するものとしてもよい。この実装システムでは、許容範囲内のオフセット値を設定することによって、より適正な部品の採取処理を実行することができ、部品の採取精度をより向上することができる。
【0050】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、前記オフセット値が指定されているときには、該オフセット値の変更を実行しないものとしてもよい。この実装システムでは、既にオフセット値が指定されているときには、その指定値を優先して部品の採取を行うことができる。このとき、前記制御部は、前記オフセット値が指定されているときには、前記測定部による測定を実行しないものとしてもよい。また、前記オフセット値は、作業者によって指定されるものとしてもよい。
【0051】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、設定した前記オフセット値を用いた採取高さで前記実装部に前記保持部材から前記部品を採取させるものとしてもよい。この実装システムでは、設定したオフセット値を用いて、部品の採取をより精度よく実行することができる。
【0052】
本開示の実装システムにおいて、前記制御部は、設定した前記オフセット値を用いて実行した部品の採取処理において所定の許容採取精度を下回るときには、設定した前記オフセット値をリセットするものとしてもよい。この実装システムでは、設定したオフセット値をリセットすることによって、部品の採取精度の低下をより抑制することができる。
【0053】
本開示の実装方法は、
複数の部品が保持された保持部材から部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部から前記部品を採取する採取部材を装着する実装部と、前記保持部材に保持された前記部品上面高さを測定する測定部と、を備える実装装置に用いられる実装方法であって、
前記部品の種別が所定の部品種別であるときに前記測定部によって測定された前記保持部材にある前記部品の高さに応じて前記実装部の採取高さを調整するオフセット値を設定する設定ステップ、
を含むものである。
【0054】
この実装方法では、上述した実装システムと同様に、部品の高さを測定してオフセット値を定めるため、部品の採取をより精度よく実行することができる。なお、この実装方法において、上述した実装システムのいずれかの態様を採用してもよいし、上述した実装システムのいずれかの機能を発現するステップを含むものとしてもよい。
【0055】
本開示の実装方法は、前記設定ステップで設定されたオフセット値と前記設定ステップで設定される前の前記オフセット値とを表示する表示ステップ、を含むものとしてもよい。この実装方法では、オフセット値を作業者が確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示の実装システム及び実装方法は、例えば、電子部品の実装分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 実装システム、11 実装装置、12 基板処理部、14 部品供給部、15 フィーダ、16,16a,16b,16B 保持部材、17 保持部、18 部品撮像部、20 実装部、21 ヘッド移動部、22 実装ヘッド、23 ノズル、24 昇降機構、25 測定部、31 制御部、32 CPU、33 記憶部、34 実装条件情報、35 オフセット情報、36 操作パネル、37 表示部、38 操作部、40 管理装置、41 制御部、42 CPU、43 記憶部、44 実装条件情報、45 オフセット情報、47 表示部、48 入力装置、60 オフセット値表示画面、61 カーソル、62 オフセット値表示欄、63 確認キー、C,Ca クリアランス、F オフセット範囲、F1 第1オフセット範囲、F2 第2オフセット範囲、Fa,Fa1,Fa2 上限値、Fb,Fb1,Fb2 下限値、H 上面高さ、Hb 基準高さ、P,Pa 部品、S 基板、t 厚さ。