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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】タグ付きコンテナ追跡
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064595
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2021068285の分割
【原出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2023098993
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】62/508,145
(32)【優先日】2017-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520314700
【氏名又は名称】アムヴァック ホンコン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィントミュート,エリック ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ライス,リチャード エル.
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス,ケント
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,ジョン ジェイ.
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-235460(JP,A)
【文献】特開2009-133769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0067129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を実行する少なくとも1つのコンピュータプロセッサにより実行される方法であって、
(A)第1のコンテナを第1の製品で充填するステップ と、
(B)前記第1の製品を表すデータを第1のタグに記憶するステップであって、前記第1のタグは、(A)で前記第1のコンテナを前記第1の製品で充填したユーザの識別を表すユーザ識別データを前記第1のタグに記憶することを含む電子メモリおよび信号を無線で送受信する手段を含むステップと、
(C)前記第1のコンテナから前記第1の製品の少なくとも幾分かを分配した後、前記分配に基づいてデータを記憶するステップであって、
(C)(1)少なくとも、前記第1の製品の前記少なくとも幾分かの分配中、
複数の地理的位置と、
前記複数の地理的位置のそれぞれに関して、その地理的位置における前記第1のコンテナから分配された前記第1の製品の対応する量と、を繰り返し検出することと、
(C)(2)前記複数の地理的位置のそれぞれに関して、実散布製品データを記憶して、前記複数の地理的位置で分布された前記第1の製品の実散布量を含む実散布マップを生成することと、を含み、前記実散布製品データは、前記複数の地理的位置を表すデータと、前記複数の地理的位置のそれぞれで分布された前記第1の製品の前記対応する量を表すデータと、前記第1のコンテナの前記識別を表すデータと、前記第1の製品の前記識別を表すデータと、を含むステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1のコンテナは密閉配送コンテナを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号を無線で送受信する手段はRFIDタグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(B)は、前記第1のコンテナの現行ユーザの識別を表す現行ユーザ識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(B)は、前記第1のコンテナの識別を表すコンテナ識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(B)は、前記第1の製品の識別を表す製品識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(B)は、前記第1のコンテナに含まれる前記第1の製品の量を表すデータを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(C)は、
● タグリーダで、前記第1のタグからのデータを読み取ることと、
● 製品計測モジュールを使用して、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を測定し、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を表す計測信号を作成することと、
● 計測出力モジュールを使用して、前記計測信号に基づいて、タグ書き込み信号を作成することと、
● 前記タグ書き込み信号を使用して、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を反映するように、前記第1のタグ上の製品量データを更新することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のコンテナを入手する各エンティティを追跡すること、および、前記第1のタグを、各エンティティを表すデータで更新することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(A)は、
(A)(1)製品充填モジュールを前記第1のコンテナのポートに連結することと、
(A)(2)前記製品充填モジュールを使用して前記第1の製品を、前記連結を介して前記第1のコンテナに供給することと、
(A)(3)前記第1のコンテナで、前記第1の製品を、前記第1のコンテナの製品格納ユニットに受け取らせることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(B)は、
(B)(1)前記第1のタグで、前記第1の製品を、前記製品格納ユニットに受け取らせることに関する情報を受信することと、
(B)(2)前記第1のタグで、前記受信された情報に基づき、前記電子メモリを更新することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(B)(2)は、前記第1の製品の種類;前記充填ステップ(A)(2)の前に前記製品格納ユニットに含まれた前記第1の製品の量;および(A)(2)の間に前記製品格納ユニットに追加された前記第1の製品の量のうち少なくとも1つを前記電子メモリに記憶することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(D)前記第1のコンテナが前記第1の製品で充填されるとき、前記第1のコンテナを所有している第1のエンティティの識別を表すエンティティ所有データを、前記第1のタグに記憶するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エンティティ所有データは、前記第1のコンテナが前記第1の製品で充填されたときの現在時刻;前記第1のコンテナの現在位置;および前記第1のエンティティの一意的識別のうち少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のコンテナを第2のエンティティに移送した後、
(E)前記第1のタグにおける前記エンティティ所有データに、
● 前記移送の時間;
● 前記移送の場所;
● 前記移送の種類;
● 前記第1のエンティティの識別;および
● 前記第2のエンティティの識別
のうち、少なくとも1つを記憶するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
記憶されたコンピュータプログラム命令を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含むシステムであって、前記コンピュータプログラム命令は、方法を実施するために少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行可能であり、前記方法は、
(A)第1のコンテナを第1の製品で充填するステップと、
(B)前記第1の製品を表すデータを第1のタグに記憶するステップであって、前記第1のタグは、(A)で前記第1のコンテナを前記第1の製品で充填したユーザの識別を表すユーザ識別データを前記第1のタグに記憶することを含む電子メモリおよび信号を無線で送受信する手段を含むステップと、
(C)前記第1のコンテナから前記第1の製品の少なくとも幾分かを分配した後、前記分配に基づいてデータを記憶するステップであって、
(C)(1)少なくとも、前記第1の製品の前記少なくとも幾分かの分配中、
複数の地理的位置と、
前記複数の地理的位置のそれぞれに関して、その地理的位置における前記第1のコンテナから分配された前記第1の製品の対応する量と、を繰り返し検出することと、
(C)(2)前記複数の地理的位置のそれぞれに関して、実散布製品データを記憶して、前記複数の地理的位置で分布された前記第1の製品の実散布量を含む実散布マップを生成することと、を含み、前記実散布製品データは、前記複数の地理的位置を表すデータと、前記複数の地理的位置のそれぞれで分布された前記第1の製品の前記対応する量を表すデータと、前記第1のコンテナの前記識別を表すデータと、前記第1の製品の前記識別を表すデータと、を含むステップと、を含むシステム。
【請求項17】
前記第1のコンテナは密閉配送コンテナを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記信号を無線で送受信する手段はRFIDタグを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
(B)は、前記第1のコンテナの現行ユーザの識別を表す現行ユーザ識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
(B)は、前記第1のコンテナの識別を表すコンテナ識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
(B)は、前記第1の製品の識別を表す製品識別データを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
(B)は、前記第1のコンテナに含まれる前記第1の製品の量を表すデータを、前記第1のタグに記憶することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
(C)は、
● タグリーダで、前記第1のタグからのデータを読み取ることと、
● 製品計測モジュールを使用して、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を測定し、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を表す計測信号を作成することと、
● 計測出力モジュールを使用して、前記計測信号に基づいて、タグ書き込み信号を作成することと、
● 前記タグ書き込み信号を使用して、前記第1のコンテナから分配された前記少なくとも幾分かの第1の製品の量を反映するように、前記第1のタグ上の製品量データを更新することと、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記方法は、前記第1のコンテナを入手する各エンティティを追跡すること、および、前記第1のタグを、各エンティティを表すデータで更新することをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
(A)は、
(A)(1)製品充填モジュールを前記第1のコンテナのポートに連結することと、
(A)(2)前記製品充填モジュールを使用して前記第1の製品を、前記連結を介して前記第1のコンテナに供給することと、
(A)(3)前記第1のコンテナで、前記第1の製品を、前記第1のコンテナの製品格納ユニットに受け取らせることと、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
(B)は、
(B)(1)前記第1のタグで、前記第1の製品を、前記製品格納ユニットに受け取らせることに関する情報を受信することと、
(B)(2)前記第1のタグで、前記受信された情報に基づき、前記電子メモリを更新することと、を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
(B)(2)は、前記第1の製品の種類;前記充填ステップ(A)(2)の前に前記製品格納ユニットに含まれた前記第1の製品の量;および(A)(2)の間に前記製品格納ユニットに追加された前記第1の製品の量のうち少なくとも1つを前記電子メモリに記憶することを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記方法は、(D)前記第1のコンテナが前記第1の製品で充填されるとき、前記第1のコンテナを所有している第1のエンティティの識別を表すエンティティ所有データを、前記第1のタグに記憶するステップをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記エンティティ所有データは、前記第1のコンテナが前記第1の製品で充填されたときの現在時刻;前記第1のコンテナの現在位置;および前記第1のエンティティの一意的識別のうち少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記方法は、前記第1のコンテナを第2のエンティティに移送した後、
(E)前記第1のタグにおける前記エンティティ所有データに、
● 前記移送の時間;
● 前記移送の場所;
● 前記移送の種類;
● 前記第1のエンティティの識別;および
● 前記第2のエンティティの識別
のうち、少なくとも1つを記憶するステップをさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業製品の密閉コンテナシステムの監視に関し、より具体的には、製品量、
製品の種類、コンテナの取り扱い、位置ごとの製品の分配、ユーザ認証、及びコンテナ認
証のうちの1つ以上の追跡に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/508,145
号に対する優先権を主張する。上記出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれ
るものとする。
【背景技術】
【0003】
密閉配送コンテナシステムは、駆除剤(殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、及び除草剤を含む
がこれらに限定されない)、肥料、植物成長調整剤、生物学的製剤、及び/または他の農
業製品などの幅広い作物投入材料で事前に充填され得るコンテナを利用する。通常、密閉
配送コンテナの製品内容物は、接続機構を介して、コンテナから製品受取貯蔵器に移送さ
れ、接続機構は、コンテナと貯蔵器の両方に配置されたバルブを操作する。コンテナから
貯蔵器に内容物を渡すためには、コンテナのバルブ及び貯蔵器のバルブを開く必要がある
。(1)コンテナからコンテナ内容物が漏れることを防ぐ、(2)貯蔵器から内容物が漏
れることを防ぐ、(3)コンテナに残っている内容物の異物混入を防ぐ、及び(4)貯蔵
器の内容物の異物混入を防ぐ、以上のことを行うためには、接続機構からコンテナを取り
外す前に、両バルブを閉じる必要がある。製品コンテナから製品受取貯蔵器への内容物の
通路は、コンテナと貯蔵器の間の接続機構内に限定されるため、内容物移送プロセス中の
皮膚及び吸入暴露が減少した結果、内容物移送プロセス中に農業労働者を保護する能力は
向上する。
【0004】
密閉配送コンテナから製品受取貯蔵器へ内容物を移送する前述のプロセスは、移送され
る製品内容物の完全性に悪影響を与えることなく、制限なしに複数回遂行することができ
る。従って、このプロセスは、移送される製品を異物混入または失効性から守る方法で、
より大きい密閉配送コンテナの内容物を、より小さい密閉配送コンテナに移送するのに、
理想的である。前述のバルブ機構は、投入及び排出の両方に使用され、つまり製品内容物
は、バルブ機構を通してアクセスされる同じポートまたは開口部を介して、密閉配送コン
テナへ導入され、密閉配送コンテナから分配される。密閉配送コンテナ間の製品移送は、
反復プロセスを介して遂行され得、大きなバルクコンテナからの製品は、小さいバルクコ
ンテナへ移送され、次いで、人員による手作業に好適なサイズのさらに小さいコンテナに
再度移送される。必要に応じて、同じプロセスを逆に実施することができ、つまりより小
さいコンテナの内容物を、より大きいコンテナに移送することができ、バルブ機構のおか
げでコンテナの内容物は常に外部からの異物混入から守られているため、部分的に充填さ
れた密閉配送コンテナは、コンテナを同じ種類の製品で補充する前にコンテナを完全に空
にして洗浄することなく、満杯に充填することができる、または補充することができる。
【0005】
いくつかの密閉配送コンテナは、製品散布装置と共に使用するように設計されており、
これにより、最初にコンテナの内容物を製品受取貯蔵器に移送することなく、本明細書で
カートリッジとも称される密閉コンテナから製品標的に直接、製品が散布されることが可
能となる。このようなシナリオでは、製品標的は、作物生産のために種が植えられる溝、
土の上または中に堆積された種自体、まき溝に隣接したまたはその近くの領域の土壌表面
、まき溝の下にある土壌領域、種が植えられているか否かにかかわらずあらゆる土壌表面
、または土壌もしくは水耕で成長している生育植物の全体または任意の一部であり得るが
、これに限定されない。製品散布装置と共に使用され、Newport Beach,C
aliforniaのAMVAC Chemical Corporationに譲渡さ
れる特許取得済み及び特許出願中の密閉配送システムは、例えば、Larry M.Co
nradによる米国特許第7,270,065号及び米国特許出願公開番号第2017/
0000022号、並びにConrad et al.による米国特許第6,938,5
64、米国特許出願公開番号第2018/0014456号及び第2018/00922
96号を含む。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ユーザによる製品使用を認証し追跡するために、少なくとも1つの非一時的
コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を実行する少なくとも1
つのコンピュータプロセッサにより実行される方法を特徴とする。方法は、特定ユーザ識
別データ、カートリッジ識別データ、及び製品識別データを、少なくとも1つのカートリ
ッジに対応付けられたメモリに入力することを含む。現行ユーザ本人または現行ユーザ代
行人を含む現行ユーザのために作動する分配装置に、カートリッジが近接している時、方
法は、(i)カートリッジからカートリッジ識別データ、特定ユーザ識別データ、及び製
品識別データを読み出すことと、(ii)分配装置の近くに存在する現行ユーザ識別デー
タを読み出すこととを含む。特定の実施形態では、カートリッジ識別データ、特定ユーザ
識別データ、現行ユーザ識別データ、及び製品識別データに基づいて、現行ユーザによる
製品でのカートリッジ使用は認可されているか否かが判定される。現行ユーザによる製品
でのカートリッジ使用が認可されていないと判定された場合には、カートリッジは製品の
分配を禁止される。現行ユーザによる製品でのカートリッジ使用が認可されていると判定
された場合には、カートリッジは製品の分配を許可される。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、カートリッジに格納された製品の使用変化を
検出して、カートリッジに格納された製品の使用変化を表す製品使用データを生成するこ
とを含む。一実施形態では、製品使用データの生成は、製品の使用変化の検出に応じて行
われる。特定の実施形態では、カートリッジに対応付けられたメモリ内の製品使用データ
は、反復間隔中に繰り返し更新され、各間隔中にカートリッジに格納された製品の使用変
化が反映される。製品使用データは、製品量、分配レート、分配時間、分配による処置の
直線的長さ、分配位置、及び分配による処置面積のうちの少なくとも1つを含む。いくつ
かの実施形態では、方法はさらに、カートリッジに対応付けられたメモリから、更新され
た製品使用データを読み出し、次に更新された製品使用データに基づいて、製品をカート
リッジに追加して補充することで、分配後のカートリッジを処理することを含む。一実施
形態では、製品使用データに基づいて、特定ユーザに対する請求書が生成される。
【0008】
特定の実施形態では、カートリッジに対応付けられたメモリは、RFID(無線周波数
識別)タグの一部である。いくつかの実施形態では、分配装置による分配を可能にする認
証コードなどの現行ユーザ識別データが、分配装置に対応付けられたユーザ識別ソースか
ら読み出される。いくつかの実施形態では、カートリッジを所有する各エンティティが追
跡され、カートリッジに対応付けられたメモリは、エンティティ所有データで更新される
。一実施形態では、方法はさらに、選択された農業製品などの特定の製品に対し、特定ユ
ーザ本人または特定ユーザ代行人により使用されるカートリッジとしてカートリッジを指
定することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも製品の分配中に、カートリッジの地理的
位置の変化を繰り返し検出し、カートリッジに対応付けられたメモリに対し、通常連続す
る地理的位置である複数の地理的位置に関する地理情報を、繰り返し入力し、入力された
これらの地理的位置の実散布製品データで繰り返し更新することを含む。特定の実施形態
では、標的領域における連続する地理的位置に分配された製品の実散布量を記録するため
に、実散布マップが生成される。一実施形態では、実散布マップを処方マップと比較して
、差分マップが生成され、差分マップは、標的領域における連続する地理的位置に実際に
分配された製品の量及び種類に関して、処方マップ内の処方情報と実散布マップ内の実散
布情報との間で、処方値から2パーセントまたは3パーセントを超える偏差など、選択さ
れた誤差量を超える差分を少なくとも示す。別の実施形態では、実散布製品データを処方
散布データと比較して、標的領域における地理的位置に実際に分配された製品の量及び種
類に関して、処方情報と実散布情報との間で、選択された誤差量を超える差分に対し、エ
ラーメッセージが生成される。特定の実施形態では、方法はさらに、(i)カートリッジ
から製品を分配する前に、カートリッジに対応付けられたメモリにベンダーIDデータを
入力することと、(ii)分配後のカートリッジの処理中にベンダーIDデータを読み出
すことと、(iii)そのカートリッジにその製品を使用することがベンダーIDデータ
に認可されると判定されるまで、カートリッジへの製品の追加を禁止することとを含む。
【0010】
本発明はまた、ユーザによる製品使用を認証し追跡するためのコンピュータプログラム
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を特徴とし、命令は本明細書に説明される
方法のうち1つ以上を含む。本発明はまた、ユーザによる農業製品及び/または園芸製品
の使用を認証し追跡するコンピュータプログラム製品として表され得、コンピュータプロ
グラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された非一時的コンピュータ
可読記憶媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードは、本明細書で説明される方法
のうち1つ以上を遂行するように構成される。
【0011】
本発明はさらに、少なくとも1つのカートリッジに格納され、そこから分配される、農
業用途及び園芸用途のうち少なくとも1つに好適な製品の種類及び量などの製品使用デー
タを、経時的に及び/または地理的位置により、自動的に監視するシステム及び方法を特
徴とする。監視されたデータは、カートリッジ上のタグなどのメモリに記憶され、特定の
実施形態では、記憶、集約、及び分析のために、サーバ及び/またはタブレットもしくは
他のモバイルデバイスなどの入出力デバイスに送信される。カートリッジは、認証された
後に、製品分配での使用が認可され得る。カートリッジは、カートリッジを充填するのに
要する適切な種類及び量の製品によってのみ、自動的に補充され得る。補充プロセス中に
適切な種類の製品のみがカートリッジに導入されることを確保するために、特定の実施形
態では、補充内容物を分配し出すカートリッジ及びコンテナの両方に対し、認証が行われ
る。カートリッジの内容物を分配するシステムは、カートリッジ内の製品の重量及び/ま
たはかさ密度(もしくは液体粘度)などの製品パラメータに基づいて、自動的に較正され
得る。データは、複数のカートリッジから自動的に集約され得る。
【0012】
本発明の様々な態様及び実施形態の他の特徴及び利点は、下記の説明及び特許請求の範
囲から明らかになるであろう。
【0013】
下記において、本発明の好ましい実施形態が、図面を参照してより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による、製品を分配するためのタグ付きカートリッジを含むシステムの図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1のタグ付きカートリッジ内の製品量の変化を追跡する方法のデータフロー図である。
図3】本発明の一実施形態による、図1のタグ付きカートリッジ内の製品量の変化を追跡するシステムの図である。
図4】本発明の一実施形態による、図1のタグ付きカートリッジを自動的に製品で補充する方法のデータフロー図である。
図5】本発明の一実施形態による、図4の方法を実行するシステムの図である。
図6】本発明の一実施形態による、圃場で図1のタグ付きカートリッジから分配される製品の処方量は、カートリッジから分配される製品の実際の「実散布」量と異なるか否かを判定する方法のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による、図6の方法を実行するシステムのデータフロー図である。
図8】本発明の一実施形態による、図1のタグ付きカートリッジに接続された計測器を自動的に再較正する方法のデータフロー図である。
図9】本発明の一実施形態による、複数のカートリッジから情報を集約する方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施形態による、実散布マップの概略図である。
図11】本発明の実施形態による、差分マップを作成するために図10の実散布マップと比較され得る処方マップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ユーザによる製品使用を認証し追跡する方法として、少なくとも1つの非一
時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を実行する少なくと
も1つのコンピュータプロセッサを有するシステム、及びシステムを使用する方法により
遂行され得る。プロセッサにより実行される方法は、特定ユーザ識別データ、カートリッ
ジ識別データ、及び製品識別データを、少なくとも1つのカートリッジに対応付けられた
メモリに入力することを含む。現行ユーザ本人または現行ユーザ代行人を含む現行ユーザ
のために作動する分配装置に、カートリッジが近接している時、方法は、(i)カートリ
ッジからカートリッジ識別データ、特定ユーザ識別データ、及び製品識別データを読み出
すことと、(ii)分配装置が携帯するまたは分配装置に対応付けられたユーザ識別ソー
スから読み出すなど、分配装置の近くに存在する現行ユーザ識別データを読み出すことと
を含む。カートリッジ識別データ、特定ユーザ識別データ、現行ユーザ識別データ、及び
製品識別データに基づいて、現行ユーザによる製品でのカートリッジ使用は認可されてい
るか否かが判定される。現行ユーザによる製品でのカートリッジ使用が認可されていない
と判定された場合には、カートリッジは製品の分配を禁止される。現行ユーザによる製品
でのカートリッジ使用が認可されていると判定された場合には、カートリッジは製品の分
配を許可される。言い換えると、現行ユーザ(または認可された現行ユーザの代行を務め
る個人)は、本発明による認証後にのみ、実際のユーザとなり、実際のユーザは、本明細
書で認証済みオペレータとも称される。
【0016】
製品内容物が製品受取貯蔵器に移送されることなく、コンテナ内容物が製品標的に(土
壌、種、または植物などに)直接散布されることを可能にする散布装置を介して、密閉配
送コンテナからの製品内容物が分配される場合、コンテナ内容物がコンテナから漏れるの
を防ぎ、コンテナ内に残る内容物の異物混入を防ぐために、必要に応じてコンテナバルブ
のみが開閉する。このように使用される場合、密閉配送コンテナの内容物を散布する散布
装置に、密閉配送コンテナ上のバルブを操作する機構が装備される。所望の製品標的以外
の領域に密閉配送コンテナの製品内容物が漏れることまたは散布されることを防ぎながら
、密閉配送コンテナからの製品内容物が全ての適用規則に準拠して分配されることを確保
するために、散布装置には、計測デバイス(複数可)も装備される。本発明による使用に
好適な計測デバイス及び他の装置を有する特定の農業機器が、Conrad et al
.により米国特許出願公開番号第2015/0059626A1号にて、及びWinte
mute et al.により米国特許出願公開番号第2017/0265374号にて
説明される。本発明はまた、例えばLarry M.Conradによる米国特許第7,
270,065号及び米国特許出願公開番号第2017/0000022号、並びにCo
nrad et al.による米国特許第6,938,564、米国特許出願公開番号第
2018/0014456号及び第2018/0092296号のうちの1つ以上に開示
される装置と組み合わせることができ、これらはまた現在の譲受人またはその関連会社に
より所有される。
【0017】
電子メモリデバイス(EMD)は、密閉配送コンテナシステムに使用される製品コンテ
ナに貼り付けることができる。製品内容物がコンテナに追加されると、製品情報がEMD
に記録され得る。EMDに記録される情報は、EMD自体の記憶容量及び制約によっての
み制限され、EMDに記憶できる情報の例としては、個々のコンテナに貼り付けられる個
人の一意的識別コード(特定ユーザ識別データの一種)、製品名(製品識別データの一種
)、EPA登録情報(製品識別データの別の一種)、内容物が製造された場所(製品識別
データの別の一種)、製品ロット番号(製品識別データのさらに別の一種)、コンテナが
充填された場所、製品が製造された日付(製品識別データのさらに別の一種)、コンテナ
が充填された日付、製造者の在庫商品識別(SKU)番号、電子制御バルブシステムの作
動を可能にして密閉配送コンテナの内容物を別の密閉配送コンテナまたは製品受取貯蔵器
に移送できるようにする認可コード(このコードは現行ユーザ識別データの一種として機
能する)、及び/または電子制御バルブシステムの作動を可能にして密閉配送コンテナの
内容物を散布装置に直接移送できるようにし、最初に製品受取貯蔵器を通すことなく、認
証済みオペレータが製品内容物を製品標的に散布することを可能にする認可コード(この
コードは現行ユーザ識別データの別の一種として機能する)、以上が挙げられるが、これ
に限定されない。
【0018】
前の項で説明したEMDは、電波または周波数を用いてEMDから電子情報を回収する
(読み出す)またはEMDに電子情報を追加する(書き込む)ことを可能にする無線周波
数識別(RFID)デバイスと、組み合わせることができる。RFID技術を使用したE
MDに対する読み出し及び書き込みにより、密閉配送コンテナ上のEMDと、EMDから
情報を読み出し使用するデバイスとの間の物理的/有線電気接続の必要がなくなり、また
EMDに情報を送信し書き込むデバイスとの物理的/有線電気接続の必要もなくなる。R
FIDを備えたEMDは、本明細書でRFIDタグと称される。RFIDタグに加えて、
磁場、光学的放射、または他の無線伝送を介して更新することができる「スマートカード
」及び他のデバイスなどの自動識別及びデータ収集(AIDC)の他の形態が、本発明の
範囲に含まれる。
【0019】
RFIDタグ付き密閉配送コンテナから内容物を分配する、またはRFIDタグ付き密
閉配送コンテナに内容物を追加するために使用される計測デバイスは、コンテナから分配
するまたはコンテナに追加する製品量を、ほぼ連続的に(すなわち毎秒複数回)監視する
装置と組み合わせることができ、これによりRFIDタグは分配された製品の量を反映す
るように更新され得る。更新された製品量情報は、分配される製品の量が監視される頻度
と同じであり得るまたは異なり得る任意の頻度で(例えば毎秒複数回)、コンテナのRF
IDタグに書き込まれる、あるいは記録される。コンテナ内容物情報は、RFIDタグに
記憶されるため、内容物情報が記録された時から隔たった時点に、RFIDタグから情報
を読み出し、さらにRFIDタグ付きコンテナ内の製品量を確認または知ることが可能で
ある。
【0020】
RFIDタグ付き密閉配送コンテナからの製品は、散布装置を使用して分配され得、散
布装置は、製品が散布された場所を非常に正確に(プラスマイナス30センチメートル以
下の精度で)把握することを可能にする全地球測位システム(GPS)衛星ベースの無線
ナビゲーションシステムなどの全地球ナビゲーションシステム(GNS)からの地理参照
空間測位及び/または時間情報を利用する。GPSまたは他の測位データは、リアルタイ
ムキネマティック(RTK)測位技術により強化されることで、1センチメートル未満レ
ベルの位置精度を達成することが好ましい。いくつかの実施形態では、GPS情報が単独
で利用され、別の実施形態では、GNS情報と組み合わせて、またはGNS情報の代わり
に、陸上ビーコンまたは他の測位及び/または計時補助が利用される。
【0021】
密閉配送コンテナのRFIDタグからの情報は、散布装置の空間測位情報と組み合わさ
れ、コンテナからの製品が分配され散布された場所及び/または時を正確に示す地理参照
レコードが、コンテナのRFIDタグとは別個で異なるメモリデバイス上に、作成され記
憶され得る。
【0022】
RFIDタグ付きコンテナから製品が散布された場所を正確に示す自動生成電子記録に
より、ユーザは、RFIDタグ付きコンテナから分配された製品に関連する散布情報を手
作業で記録する必要がなくなり、同時にまた、手書きまたは手入力のメモまたは記録に関
連する人的エラーの可能性がなくなる。
【0023】
製品、製品量、及びRFIDタグ付きコンテナから製品が分配された位置を正確に示す
自動生成電子記録により、そのようなコンテナから散布される全ての製品が、均一に一貫
した方法で確実に記録される。散布製品を識別する情報は、コンテナのRFIDタグ上の
コード化された情報から取得されるため、コンテナから散布される同じコードを有する全
ての製品は、同じ形式で記録される情報を用いて記録され得る。このようなデータの均一
性により、複数のコンテナ、ユーザ、及び位置の散布データは、より簡単に、より早く、
より正確に集約され分析される。集約されたデータの正確で費用効率の良い分析により、
同じ製品の将来の散布に関して、より良く、より正確な使用推奨が可能となる。
【0024】
各RFIDタグ付きコンテナには、RFIDタグが貼り付けられた個々のコンテナの識
別を可能にするコードを割り当てることができるため、及びRFIDタグの読み出し/書
き込み能力により、部分的に満たされたコンテナの製品内容物の正確な情報がRFIDタ
グに記録することが可能となるため、サプライヤは、コンテナに貼り付けられたRFID
タグから必要な情報を読み出すことができる装置を利用することにより、RFIDタグ付
きコンテナの購入者及び/または他の種類のユーザに対し、借勘定及び貸勘定の請求書を
発行することができる。購入時にRFIDタグ付きコンテナが個人に対応付けられた場合
、コンテナに貼り付けられたRFIDタグから情報を読み出し処理することにより、コン
テナの内容物の請求書が作成され得る。ユーザがコンテナを元の購入場所に返すと、ユー
ザに最初の販売を行ったサプライヤによりRFIDタグが再び読み出され得、この読み出
しから、コンテナ内に残っている正味の内容量が特定され得る。この時点で、RFIDタ
グ付きコンテナ内に残っている未使用の内容物に関して、貸勘定が自動的にユーザに発行
され得るため、ユーザは、コンテナから分配された内容物に対してのみ正味の費用が発生
する。一実施形態では、RFIDタグからの正味内容量データは、WiFi、セルラーサ
ービス、または他の通信システムにより無線でサプライヤに転送され得るため、サプライ
ヤは、認可されたユーザによるコンテナの使用の後に、カートリッジ内に残っている製品
内容物に対して貸勘定の請求書を発行するために、RFIDタグを入手してスキャンする
または読み出す必要がなくなる。
【0025】
各密閉配送コンテナは、コンテナに貼り付けられたRFIDタグ上の一意的コードによ
り個別に識別されるため、ユーザの購入時に一意的コードが一意的なユーザに対応付けら
れた場合、複数のユーザの複数のRFIDタグ付きコンテナは、各コンテナ内に残ってい
る未使用の内容物の貸勘定が処理される前に、リスクまたは懸念なしに、元の購入場所で
混同することができる。いくつかの構成では、特定ユーザの一意的コードには、顔認識、
1つ以上の指紋、虹彩スキャンデータなどの生体認証データが含まれる。生体認証データ
は、分配装置のオペレータなどの現行ユーザを認可するためのユーザ識別ソースとして機
能し得、別の構成では、パスワードを入力するためのI/Oデバイス、識別子情報を有す
る分配装置のカードまたはタグ上のコンピュータチップ、または他の一意的識別子が、現
行ユーザを、承認済み特定ユーザとして、及び/またはカートリッジ及びその中の製品に
関して認可済みオペレータまたは取扱者として、認証及び承認することを可能にするユー
ザ識別ソースとして機能し得る。
【0026】
前述のように、部分的に満たされたRFIDタグ付き密閉配送コンテナが、元々コンテ
ナを満たしたエンティティに、またはそのエンティティの補充代理業者に返却されると、
コンテナは、同じ認可された製品でコンテナを補充する前にコンテナの内部を完全に空に
して掃除することなく、満杯のレベルまで充填するまたは補充し戻すように処理され得る
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるシステム100が示される。システム1
00は、農業及び/または園芸製品などの材料を収容し分配するカートリッジ102を含
む。本明細書の説明はカートリッジ102に関連して農業製品に言及する場合があるが、
これは単なる例であり、本発明を限定するものではない。本発明の実施形態では、カート
リッジ102は、建設、修復、及び他の種類の産業で使用する材料など、農業製品以外の
材料を格納し得る。さらに、カートリッジ102は、肥料、栄養剤、作物保護化学製品、
生物学的製剤、及び植物成長調整剤などの様々な農業製品のうちのいずれかを、液体、粒
状、または他の形態にかかわらず、格納し得る。
【0028】
カートリッジ102は、様々な形態のうち任意の形態を取り得る。一般に、カートリッ
ジ102は、農業製品を受け取り及び/または分配するための1つ以上の開口部を除いて
、密閉され得るあるいは不浸透性であり得る外部筐体を含み得る。カートリッジ102は
、カートリッジ102の格納及び/または移送の間に、粒状材料が圧縮凝集されることを
防ぐために、堅剛であり得る。別の実施形態では、カートリッジ102は、外部カートリ
ッジ筐体の中に柔軟な内部バッグを含み得る。バッグの1つの目的は、外部カートリッジ
筐体が割れたまたは壊れた場合に、製品が漏れる可能性を低減または排除することであり
得る。バッグの別の目的は、カートリッジ102から製品を完全に取り除くことを可能に
し、最初に堅剛なカートリッジ102の内部を洗う必要なしに、堅剛なカートリッジ10
2を他の製品で充填することを可能にすることであり得る。柔軟な内部バッグは、堅剛な
カートリッジ102の内部を、製品による汚染から保護する。
【0029】
カートリッジ102は、農産製品106を格納する製品格納ユニット104を含み得る
。製品格納ユニット104は、例えば、農業製品106を収容し、農業製品106がカー
トリッジ102の他の部分に接触することを防ぐカートリッジ102内の別個の容器であ
り得る。カートリッジ102は、複数の製品格納ユニットを含み得る。あるいは、カート
リッジ102は、製品格納ユニットを全く含まなくてもよく、この場合、カートリッジ1
02の内部全体が、図1の製品格納ユニット104の役割を果たし得る。
【0030】
図1に示されるように、製品106は、任意の特定の時点に、製品格納ユニット104
の全体未満を使用し得る。より一般的には、任意の特定の時点で、製品格納ユニット10
4は、(1)空であり得る(すなわち製品106を全く含まない)、(2)製品格納ユニ
ット104の容量より少ないある量の製品106を含み得る、または(3)製品106で
満杯であり得る。下記により詳しく説明されるように、製品格納ユニット104内の製品
106の量は、経時的に変わり得る。製品格納ユニット104は、複数の種類の製品を同
時に収容することができるが、通常、製品格納ユニット104は、任意の特定の時点に単
一の種類の製品のみを収容する。
【0031】
カートリッジ102はまた、本明細書でタグ108と称される要素を含む。タグ108
は、例えば、パッシブまたはアクティブRFIDタグなどの無線周波数識別(RFID)
であり得る。しかし、より一般的には、タグ108は、本明細書に開示される機能を実行
する任意の構成要素、または構成要素の組み合わせであり得る。
【0032】
タグ108は、様々な方法のうちの任意の方法で、カートリッジ102内に含まれ得る
、カートリッジ102に接続され得る、またはカートリッジ102と通信し得る。例えば
、タグ108は、カートリッジ102の内部表面または外部表面に貼り付けられ得る。別
の例としては、タグ108は、カートリッジ102内に含まれ得る。タグ108は、例え
ば、カートリッジ102内のアセンブリの一部(回路基板など)であり得る。タグ108
は、カートリッジ102から物理的に分離した状態(例えばカートリッジ102に含まれ
ていないまたは接続されていない状態)でもよいが、無線接続などを介してカートリッジ
102と通信し得る。
【0033】
タグ108は、本明細書で開示されるデータを記憶することが可能な任意の種類の揮発
性または不揮発性メモリであり得るメモリモジュール110(本明細書で使用される用語
であるEMDなど)を含み得る。例えば、メモリ110は、下記により詳しく説明される
ように、カートリッジ102内に現在含まれる製品106の量を表し得る量データ118
などの製品使用データを含み得る。メモリ110に記憶される他のデータには、製品種類
120(製品識別データとも称される)、カートリッジID122、実散布データ124
、タッチ履歴126、かさ密度128、及び/または特定ユーザ識別データの一種である
農業者ID130のうち、1つ以上が含まれ得る。いくつかの構成で記憶される他のデー
タには、本明細書でベンダーIDデータとも称される小売業IDデータで表されるような
、農業者がカートリッジを購入した小売業者/サプライヤ/ベンダーの一意的な識別が含
まれ得る。
【0034】
タグ108は、任意の種類の電子プロセッサであり得るプロセッサモジュール116を
含み得る。プロセッサ116は、メモリ110と通信して、メモリ110に製品使用デー
タを書き込み、及び/またはメモリ110から製品使用データを読み出し得る。
【0035】
タグ108は、信号を無線で送信することなどにより、信号を送信する送信器モジュー
ル112を含み得る。例えば、プロセッサ116は、メモリ110からデータ(例えば製
品量データ118、製品種類データ120、及び農業者ID130のような特定ユーザ識
別データなどの製品使用データ)を取得し、送信器モジュール112に、取得したデータ
を表す信号を送信させ得る。
【0036】
同様に、タグ108は、信号を無線で受信することなどにより、信号を受信する受信器
モジュール114を含み得る。例えば、受信器モジュール114は、信号を受信し得る。
プロセッサ116は、受信器モジュール114が信号を受信したことを判定し、これに応
じて、信号を表すあるいは信号に基づいたデータ(例えば製品量データ118、製品種類
データ120、及び農業者ID130)をメモリ110に記憶させ得る。
【0037】
タグ108は、図1に示される要素の全てを含む必要はない。図1に示されるタグ10
8の様々な要素は、タグ108から省略されても、カートリッジ102内の他の場所に配
置されてもよい。例えば、プロセッサ116は、タグ108内ではなくカートリッジ10
2内の他の場所に配置され、タグ108内からではなくカートリッジ102内から、本明
細書に開示される機能を実行し得る。別の例としては、タグ108内の要素は、複数の要
素に分配されてもよく、そのうちのいくつかはタグ108内に存在し得、そのうちのいく
つかはカートリッジ102内に存在し得る。例えば、プロセッサ116は、2つのプロセ
ッサに分割され、タグ108内に1つ、カートリッジ102内の他の場所に1つ存在して
もよい。プロセッサ116により実行されるものとして本明細書に開示される機能は、代
わりに複数のプロセッサにより、様々な方法のうちの任意の方法で実行され得る。
【0038】
下記により詳しく説明されるように、本発明の実施形態は、図1に示される種類の1つ
以上のカートリッジを用い得る。このようなカートリッジはそれぞれ、図1に示されるカ
ートリッジ102の特性の一部または全てを有し得る。カートリッジ102、並びにカー
トリッジ102を含み使用するシステム及び方法に関する本明細書のいかなる説明も、本
発明の実施形態に従って実施される任意の数のカートリッジに、等しく適用可能である。
本発明の実施形態に従って実施される複数のカートリッジは、互いに同一である必要はな
い。代わりに、本発明の実施形態に従って実施される別個のカートリッジは、様々な形態
で互いに異なり得るが、依然として本発明の範囲に含まれ得る。
【0039】
ここで図2を参照すると、図1のカートリッジ102内の製品106の量を経時的に追
跡する方法200のデータフロー図が示される。図2の動作202に表されるように、カ
ートリッジ102は、製品106で充填される。このような充填は、様々な方法のうちの
任意の方法で実行され得る。簡単な例として、カートリッジ102は、ポート152を有
するように図1では示される。製品充填モジュール150は、カートリッジ102を充填
することが望まれる製品を含む、あるいはそのような製品へのアクセスを有し、好適な連
結部154を介してポート152に連結され、製品充填モジュール150は次に、連結部
154を介してカートリッジ102に製品を供給し、そこで製品は、製品格納ユニット1
04に製品106として受け取られる。製品充填モジュール150は、カートリッジ10
2に、任意の量の製品106を供給し得る。製品充填モジュール150は、例えば、必須
ではないが、製品格納ユニット104が製品106で満たされるまで、カートリッジ10
2に製品106を供給し得る。
【0040】
システム100は、製品106によるカートリッジ102の充填に基づいて、製品使用
データを生成して、カートリッジ102内のタグ108を繰り返し更新する(図2、動作
204)。この製品使用データの更新は、様々な方法のうちの任意の方法で実行され得る
。例えば、タグ108は、任意の種類の有線及び/または無線接続であり得る接続156
を介して、製品格納ユニット104と通信し得る。タグ108は、製品106による製品
格納ユニット104の充填に関する情報を受信し得、タグプロセッサ116は、受信した
情報に基づいて、タグメモリ110を更新し得る。製品格納ユニット104の充填に応じ
てプロセッサ116がメモリ110に記憶し得る情報の例には、図1に具体的に示されて
いるか否かにかかわらず、製品106の種類(例えば製造業者及び/または製品名)(製
品種類データ120内)、充填プロセスが始まる前に製品格納ユニット104内に含まれ
ていた製品106の量、充填プロセス中に製品格納ユニット104に加えられた製品10
6の量、充填プロセスの結果として製品格納ユニット104に含まれる製品106の量、
タグ108の一意的な識別子、カートリッジ102及び/または製品106のEPA登録
情報、製品106が製造された場所、製品106のロット番号、カートリッジ102に製
品106が充填された場所、製品106が製造された日付、カートリッジ102に製品1
06が充填された日付、及び製品106に関する製造者の在庫商品識別(SKU)番号、
以上のうちのいずれか1つ以上が任意の組み合わせで含まれる。前述のいずれの製品量も
、製品量データ118に記憶され得る。
【0041】
図2の動作204に関連して上記で説明されたタグ更新プロセスは、製品格納ユニット
104に製品が加えられた時はいつでも実行され得る。例えば、最初にある量の製品10
6が製品格納ユニット104に加えられ、タグ108が前述のように更新され、その後、
製品106が再び製品格納ユニット104に加えられた場合、製品格納ユニット104の
追加充填に関連して、タグ更新プロセスが再び実行され得る。結果のデータ(例えば製品
種類及び/または量)は、メモリ110に記憶され得る。下記により詳しく説明されるよ
うに、このような新しいデータは、メモリ110内の既存データを置き換え得る(上書き
し得る)、既存データに追加され得る、あるいは既存データと組み合わせられ得る。カー
トリッジタグが損傷または破壊された場合、散布装置メモリシステムに記憶されているカ
ートリッジデータを使用して、前のタグのいずれのデータも失うことなく、新規/交換タ
グを作成することが可能となり得る。補充前に、補充するカートリッジのタグの情報は、
補充装置に対応付けられたメモリデバイスに記憶され得る。カートリッジのタグ情報が補
充装置に対応付けられたメモリデバイスに記憶される時、カートリッジタグは取り外され
交換され得、この後、取り外されたタグのタグ情報は、新規/交換タグに書き込まれ得、
取り外されたタグの情報が失われることはない。その後、タグ更新プロセスを説明するこ
の段落の初めの部分で説明されたプロセスと一致するやり方で、補充プロセス中に新規/
交換タグが更新され得る。カートリッジ充填及び補充プロセスの重要な要素は、カートリ
ッジタグからの認可コード、及びカートリッジに製品を移送し出す移送コンテナ上のタグ
からの追加認可コードの要求である。補充するカートリッジ及び補充製品を移送し出す移
送コンテナからの認可コードが一致しない、あるいは不適合である及び/または認可され
ていないと判定された場合には、移送コンテナからカートリッジへの製品移送は却下され
る。
【0042】
農業者は、カートリッジ102を取得する(図2、動作206)。本明細書では「農業
者」に言及するが、この用語は、人もしくはエンティティが農業者であるか否かにかかわ
らず、カートリッジ102を購入、リース、あるいは所有及び/または制御するあらゆる
人もしくはエンティティを指すことを理解されたい。本発明の一態様によれば、所有する
このエンティティは、エンティティ所有データにより識別され得る。さらに、農業者によ
るカートリッジ102の取得は、カートリッジ102を製品106で充填した後に起こる
図2に示されているが、これは単なる例であり、本発明を限定するものではない。ある
いは、例えば、農業者は、カートリッジ102が製品106で充填される前に、カートリ
ッジ102を取得してもよく、この場合、動作202の充填及び/または動作204の更
新は、農業者がカートリッジ102を取得した後に起こり得る。
【0043】
図2の方法200の残りを説明する前に、図3のシステム300をここで検討する。シ
ステム300は、複数の受器304a~h、及び複数の対応計測器306a~hを含む製
品配分アセンブリ302を含む。受器304a~hのそれぞれは、図1のカートリッジ1
02などの対応カートリッジを受け入れるように構成される。カートリッジが受器304
a~hのうちの1つに挿入されると、計測器306a~hのうちの対応する1つが、カー
トリッジ内のバルブを介して、挿入されたカートリッジから製品を分配し得る。例えば、
図1に示されるポート152にはバルブが含まれ得、これは、カートリッジ102を充填
する製品106を受け取るため、及び対応計測器を介してカートリッジ102から製品1
06を分配するための両目的で使用され得る。本明細書で使用される計測器という用語は
、乾燥製品及び液体製品の両方に適用可能なデバイスに当てはまる。システム300は、
列ごとに単一の受器を利用するが、別の構成では、列ごとに2つ以上の受器が設けられ、
これにより列ごとに複数のカートリッジを利用して、列ごとに複数の乾燥及び/または液
体製品を分配することができる。例えば、Wintemute et al.による米国
特許出願公開番号第2017/0265374A1号の図7は、並んで示される農業製品
コンテナA、Bを16セット有するプランタ122を示す。
【0044】
製品分配アセンブリ302は、食用作物地、苗床、ゴルフ場、芝地、芝畑、あるいは他
の種類の農業及び/または園芸の土地使用などの圃場に製品を分配する機器に取り付けら
れ得る。8つの受器304a~h及び対応計測器306a~hが例示目的で図3に示され
ているが、製品分配アセンブリ302は、プランタの列ごとに、任意の数の受器及び計測
器を含んでもよい。典型的なプランタは、トウモロコシ用に16または24列、綿用に1
2または16列、及びジャガイモ用に4または6列を含む。本発明によるシステムは、列
ごとに複数のカートリッジを利用することができる。しかし、これらは単なる例であり、
本発明の実施形態の制限を定めるものではない。代わりに、本発明の実施形態は、列ごと
に任意の数の受器及び計測器を有し、全体で複数の乾燥及び/または液体製品の任意の組
み合わせの同時散布を行う製品分配アセンブリに関連して使用され得る。
【0045】
図2に戻ると、農業者は、カートリッジ102を受器304a~hのうちの1つに挿入
することなどにより、カートリッジ102を製品分配アセンブリ302に取り付け得る(
図2、動作208)。例示目的で、農業者は、対応計測器306aを有する受器304a
にカートリッジ102を取り付けると仮定する。その結果、計測器306aは、圃場でカ
ートリッジ102から製品106を分配し得る。
【0046】
システム300は、各カートリッジが製品分配アセンブリ302に近接している時に、
各カートリッジ上のタグを読み取る1つ以上のタグリーダを含み得る。例示を簡潔にする
ために、図3は、単一のタグリーダ310を示す。実際には、システム300は、例えば
、受器304a~h及び対応挿入カートリッジのそれぞれに対し、1つのタグリーダを含
み得る。例えば、受器304aは、一旦カートリッジ102が受器304aに挿入される
と、カートリッジ102上のタグ108からデータを読み出すことが可能であり得るタグ
リーダを含み得る。各受器のタグリーダは、例えば、受器に貼り付けられ得る、受器内に
含まれる、あるいは受器上に、受器内に、または受器近くに配置され得る。タグリーダは
、例えば、RFIDタグリーダであり得る、あるいは無線タグリーダであり得る。
【0047】
タグリーダ310は、カートリッジ102内のタグ108からデータの一部または全て
を読み出す(図2、動作210)。タグ108内のデータの一部または全ては暗号化され
ている場合があり、この場合、タグリーダ310は、タグ108からこのようなデータを
読み出し、次いで暗号化されたデータを復号化し得る。
【0048】
システム300はまた、データ検証モジュール314を含む。一般に、データ検証モジ
ュール314は、タグリーダ310により読み出されたタグデータ312を受信し、タグ
データ312を検証する(図2、動作212)。このような検証は、様々な方法のうちの
任意の方法で実行され得る。一般に、データ検証モジュール314は、タグデータ312
に基づいて、タグデータ312が読み出されたカートリッジ102がその製品106を分
配することは許可されるべきであるか否かを判定する。データ検証モジュール314の出
力は、カートリッジ102がその製品106を分配することは許可されるべきであるか否
かを示すデータ検証信号316である。
【0049】
データ検証モジュール314は、例えば以下のことを実行し得る。
・製品106に関連するタグデータ(製品量データ118及び/または製品種類データ1
20など)に基づいて、製品106が有効な製品であるか否かを判定する。
・製品106に関連するタグデータ(製品量データ118及び/または製品種類データ1
20など)に基づいて、カートリッジ102内の製品106の量が、所定の閾値量を下回
るか否かを判定することなどにより、カートリッジ102が、圃場で使用するのに十分な
量の製品106を含むか否かを判定する。
・カートリッジID122に基づいて、カートリッジ102が有効なカートリッジである
か否かを判定する。
・タグデータ内の特定ユーザ識別データ、及び分配装置の近くで読み出された現行ユーザ
識別データに基づいて、カートリッジ102が全般にその分配装置と共に及び/またはそ
の装置の特定のオペレータにより使用されることは認可されているか否か、あるいはカー
トリッジ102がその装置内の特定の受器及び/または分配計測器と共に使用されること
は認可されているか否かを判定する。
【0050】
システム300はまた、カートリッジ認可モジュール318を含み、カートリッジ認可
モジュール318は、データ検証信号316を受信し、データ検証信号316に基づいて
、タグデータ312が読み出されたカートリッジ102の使用を認可するか否かを判定す
る(図2、動作214)。カートリッジ認可モジュール318は、例えば、タグデータ3
12が有効であることをデータ検証信号316が示す場合、カートリッジ102の使用は
認可されていると判定し、タグデータ312が有効ではないことをデータ検証信号316
が示す場合、カートリッジ102の使用は認可されていないと判断し得る。
【0051】
カートリッジ認可モジュール318は、現行ユーザ識別データを再審査し、カートリッ
ジ認可信号320を出力として生成する。システム300は、カートリッジ認可信号32
0を使用して、タグデータ312が読み出されたカートリッジ102を有効化するかまた
は無効化するかを判定する。カートリッジ認可信号320は、特定のカートリッジ及び/
または受器(例えばこれらの構成要素の一意的識別子コードなどに基づいてカートリッジ
102及び/または受器304a及び/または分配計測器306a)を指定し、かつ、そ
の受器及び/または分配計測器の現行ユーザ識別データに対し、カートリッジ識別データ
は承認されているか否かなど、指定されたカートリッジ/受器を有効化するか無効化する
かを示し得る。システム300は、カートリッジ認可信号320に従って、指定されたカ
ートリッジ/受器を有効化または無効化し得る。例えば、カートリッジ認可信号320が
カートリッジ102を指定して、そのカートリッジ102を有効化することを示す場合に
は、システム300は、カートリッジ102の使用を有効化し得る(またはカートリッジ
102の使用を無効化するいかなる動作も行わない)(図2、動作216)。カートリッ
ジ認可信号320がカートリッジ102を指定して、そのカートリッジ102を無効化す
ることを示す場合には、システム300は、カートリッジ102の使用を無効化し得る(
図2、動作218)。カートリッジ102が無効化された場合には、システム300は、
対応計測器306aがカートリッジ102からいかなる製品106も分配することを阻止
し得る。一実施形態では、認可信号がないために1つのカートリッジが無効化された場合
、無効化されたカートリッジが認可/有効化されたカートリッジで交換されるまで、また
はシステムが、認可信号がないために無効化された1つまたは複数の受器を除いた全ての
他の受器において、カートリッジから製品を散布することを可能にする上書きコードをオ
ペレータが入力するまで、全てのカートリッジは無効化され得る。
【0052】
カートリッジ102が有効化されたと仮定して、ここでは、製品分配アセンブリ302
を実際に使用して、受器304a内のカートリッジ102など、製品分配アセンブリ30
2に取り付けられたコンテナから製品を分配すると仮定する。カートリッジ102がその
製品を分配する時(対応計測器306aを介して)(図2、動作220)、システム30
0は、製品計測モジュール322を使用して、カートリッジ102から分配される製品1
06の量を含む製品使用データを計測する。製品計測モジュール322は、図3にタグデ
ータ324と示される計測信号を生成し、これは、カートリッジ102から分配される製
品106の計測量を表す。この構成では、タグデータ324は、計測出力モジュール32
6に送信され、別の構成では、タグデータ324は、遠隔サーバ332及び/または入力
/出力(「I/O」)デバイス336に送信される。この構成では、計測出力モジュール
326は、計測信号324を入力として受信して、タグ108にタグ書き込み信号328
を提供し、これによりタグ108は、分配された製品106の量及び/または製品格納ユ
ニット104内の製品106の残量を反映するように、タグ108の製品量データ118
を繰り返し更新する(図2、動作222)。システム300は、様々な方法のうちの任意
の方法で、カートリッジ102から分配される製品106の量を計測し得る。例えば、計
測器306a~hがオーガ計測器である場合、システム300は、オーガが回転する回数
、及び/または回数及び計測器306aが作動する継続時間に応じて、計測器306aに
より分配される製品量を計算し得る。いくつかの構成では、システム300は、分配計測
器の回転、ストローク、開口、衝撃、流量、及び/またはサイクル時間を算定し、測定さ
れたサイクルまたは動作ユニットごとにカートリッジから分配される製品量を計算する。
システム300は、タグ内の製品量データ118を、毎秒10回、毎秒5回、毎秒2~4
回、毎秒3回、毎秒1回、10秒ごとに1回、または毎分1回など、任意の規則的または
不規則的頻度で更新し得る。特定の構成では、製品使用データのバックアップ記録は、分
配計測器に対応付けられた記憶媒体、散布装置制御システムに対応付けられたEMD、ま
たは遠隔サーバなどに、分配装置と共に記憶される。
【0053】
システム300は、製品106がカートリッジ102から分配される際、製品量データ
118に加えて、タグ108内の様々な「実散布」データ124を更新し得る(図2、動
作224)。実散布データ124は、例えば、
・カートリッジ102により分散される製品106の識別子、
・製品106がカートリッジ102により分配されるレート、
・カートリッジ102の現在位置、
・現在時刻、
以上のうちのいずれか1つ以上を、任意の組み合わせで含み得る。
【0054】
実散布データ124などの本明細書で開示されるデータのうちのいずれも、データが取
り込まれた、作成された、または送信された時刻など、データに対応付けられた1つ以上
の時刻を示す1つ以上のタイムスタンプを含み得る。同様に、実散布データ124などの
本明細書で開示されるデータのうちのいずれも、データが取り込まれた、作成された、ま
たは送信された位置など、データに対応付けられた位置を示す地理座標といった地理情報
を含み得る。いずれのこのような地理情報も、例えば、GPS技術などを使用して、自動
的に取得され得る。システム300は、例えば、Wintemute et al.によ
る米国特許出願公開番号第2017/0265374A1号の図1の地理参照モジュール
12などのGPSモジュール(本明細書に図示せず)を含み得、これは例えば、システム
300の現在位置を表す出力を生成する。時刻もまた、GPS信号を介して、あるいは別
個のクロックもしくは他の計時デバイスなどにより、遠隔で提供され得る。システム30
0は、本明細書で開示される位置データのうちのいずれも、このようなGPSモジュール
の出力を使用して生成し、記憶し得る。本発明の実施形態は、本明細書で開示されるタイ
ムスタンプ及び/または地理情報のうちのいずれかを使用して、様々なデータを相互に対
応付け得る。例えば、同一または同様のタイムスタンプを有する任意の2つのデータ単位
は、相互に相関付けられ得る。同様に、同一または同様の地理的位置を有する任意の2つ
のデータ単位は、相互に対応付けられ得る。
【0055】
新たなデータがタグ108に記憶されると、このような新たなデータは、タグ108に
前に記憶されたデータを上書きし得る。例えば、カートリッジ102に含まれる製品10
6の新たな現在量がタグ内の製品量データ118に記憶されると、この新たな現在量は、
製品量データ118内の製品106の前の現在量を上書きし得る。しかし、後述されるよ
うに、製品量データ118(及びタグ108に含まれる他のデータ)は、遠隔サーバ33
2に送信され、遠隔に記憶され得るため、前の製品量データ118は、概してシステム3
00から消えることはない。
【0056】
前述のように、計測出力モジュール326は、カートリッジ102内の製品106の残
量に関する情報、及び新たな実散布データで、カートリッジ102上のタグ108を更新
し得る。計測出力モジュール326は、例えば、BlueTooth(登録商標)、Wi
Fi、MiWi、またはローカル有線接続を介して信号328を送信することなど、ロー
カル通信技術を使用することにより、タグ108を更新し得る。さらに、計測出力モジュ
ール326は、遠隔計測信号330をサーバ332に送信し得る(図2、動作226)。
遠隔計測信号330は、TCP/IPなどのネットワーク通信プロトコルを使用して、イ
ンターネットなどの広域ネットワーク(WAN)により、有線及び/または無線信号を介
して、送信され得る。
【0057】
「サーバ」という用語は、「クライアント」と称され得る他のプログラムまたはデバイ
スに機能を提供するコンピュータプログラム及び/またはデバイスを含む広い意味の用語
として使用される。サーバ332は、サーバ332がクライアントサーバプロトコルを使
用して通信するか否かにかかわらず、任意の種類のコンピューティングデバイスであり得
る。サーバ332は、遠隔計測信号330を受信し、遠隔計測信号330により表される
データを計測データ334として記憶し得る。例えば、遠隔計測信号330がカートリッ
ジ102の識別子、製品106の識別子、タイムスタンプ、地理的位置、及びタイムスタ
ンプにより示された時刻に地理的位置でカートリッジ102により分配された製品106
の量を表すデータを含む場合、サーバ332は、このような全てのデータをメモリ記憶デ
バイスに計測データ334として記憶することができ、これも図3の参照番号334で表
される。システム300は、カートリッジ102(及び製品分配アセンブリ302内の他
のカートリッジ)がその製品106を経時的に分配すると、遠隔計測信号330を経時的
に繰り返し送信し、これに応じてサーバ332は、これら計測信号330により表される
データの一部または全てを計測データ334としてメモリに記憶し、及び/または計測デ
ータ334を、タブレットまたは他のモバイルコンピューティングデバイスなどの入力/
出力(I/O)デバイス336に伝達し得る。その結果、計測データ334は、カートリ
ッジ102(及び他のカートリッジ)により経時的に分配される製品の記録として、記憶
され、及び/または送信され得る。
【0058】
実散布データを経時的に送信し記憶する1つの理由は、製品106が圃場に経時的に実
際に散布される時に、サーバ332が製品106の「実散布マップ」を作成することを可
能にするためである。システム300は、例えば、圃場内の様々な位置のそれぞれに散布
される予定の製品106の量を示す処方マップにより表される事前選択データに基づいて
、製品106を散布し得る。図10の実散布マップ1000、及び図11の処方マップ1
100は、下記において説明される。次いでシステム300は、圃場内の様々な位置の各
位置で、処方マップがその位置で散布するべきと指定する製品106の量を散布するよう
に、圃場内の様々な位置で製品106を散布するレートを変え得る。しかし、圃場内の任
意の特定の位置にシステム300が散布した製品106の実量は、処方マップが散布する
べきと示す量から逸脱し得る。システム300は、圃場内の様々な位置で散布された製品
106の実量の計測値を使用して、製品106の実散布マップを作成し得る。システム3
00は次に、処方マップを実散布マップと比較して、複数の位置のそれぞれに散布される
ように処方された製品106の量と、これらの位置のそれぞれで実際に散布された製品1
06の量との任意の変量を特定し得る。
【0059】
経時的な製品106の量の変化など、各カートリッジに格納された製品の使用変化を追
跡する上記で開示された技術の1つの利点は、これらの技術がリアルタイムで、すなわち
、ある量の製品106がカートリッジ102に追加されている及び/またはカートリッジ
102から分配されている間に、実行され得ることである。製品106の量の変化の追跡
に関連して本明細書で使用される「リアルタイム」という用語は、このような変化を追跡
し、製品106の量または他の使用パラメータの変化と、タグ108内の対応製品使用デ
ータ(例えば製品量データ118及び/または製品種類データ120)に対する結果更新
(複数可)との間に実質的遅延のない反復間隔で、適宜繰り返しタグ108を更新するこ
とを指す。例えば、システム100は、カートリッジ102内の製品106の量の変化(
すなわち増加または減少)を反映するように、発生しているまたは検出されたこのような
量の変化から1ミリ秒以内、10ミリ秒以内、100ミリ秒以内、300ミリ秒以内、5
00ミリ秒以内、1秒以内、5秒以内、10秒以内、または1分以内の反復間隔で、タグ
108を更新し得る(例えば製品106の増減及び/または残量を製品量データ118に
記憶することにより)。別の例としては、システム100は、カートリッジ102の地理
的位置の変化を反映するように、発生しているまたは検出されたこのような種類の変化か
ら1ミリ秒以内、10ミリ秒以内、100ミリ秒以内、1秒以内、5秒以内、10秒以内
、または1分以内に、タグ108を更新し得る(例えば連続するジオロケーションを特定
するデータを実散布データ124に記憶することにより)。これらの例の全てが、「リア
ルタイム」という用語が本明細書で使用されるように、反復間隔での製品量/位置の「リ
アルタイム」追跡を表す。特定の構成では、更新の反復間隔は、カートリッジが製品充填
または補充デバイスなどの別のデバイスに接続された時、またはカートリッジが分配装置
に接続された時など、カートリッジの状況の変化から始まる。いくつかの構成では、誤分
配のエラーメッセージまたは少量警告などのリアルタイム追跡を表す信号が、タブレット
または図3のI/Oデバイス336などの他のI/Oデバイスを介して、農業者または他
のユーザに提供される。
【0060】
経時的に製品106の量の変化を追跡する上記で開示された技術の別の利点は、これら
の技術が自動的に、すなわち人間の介入なしに、行われ得ることである。例えば、既存の
システムでは通常、トラクタまたはプランタの人間のオペレータが、圃場に散布された製
品量を手動で記録する必要がある。この手動プロセスには、様々な欠点がある。例えば、
製品散布の手動記録では、分配された製品量を手動で計測することの難しさ、及びオペレ
ータの記憶の限度など様々な理由から、誤りが起こりやすい。別の例としては、製品散布
の手動記録では、意図的な不正が起こりやすい。さらに別の例としては、手動記録では、
かなりの労力が必要となり得、記録プロセスに遅延が生じ得る。本発明の実施形態は、こ
れらの問題全てに対処する。例えば、本発明の実施形態は、自動的に、すなわち人間によ
る手動入力を必要とせずに、カートリッジ102内の製品106の変化(製品106の種
類の変化、製品106の量の増加、及び製品106の量の減少など)を追跡し得る。この
ような自動追跡は、例えば図2の方法200における動作202(カートリッジ102を
充填する)、動作222(製品106が分配されるとタグ108を更新する)、及び動作
224(実散布データ124を更新する)で、実行され得る。この自動追跡により、人間
のオペレータが手動で追跡を行う必要がなくなり、これにより前述の手動追跡の問題全て
が回避される。さらに、本発明の実施形態は、人間のオペレータが手動で記録することま
たは自動的に記録された情報(製品量データ118、製品種類データ120、カートリッ
ジID122、及び実散布データ124など)を修正することを禁止さえでき、これによ
り、不注意による人的エラーのリスク及び意図的な不正のリスクの両方が排除される。
【0061】
さらに、本発明の実施形態は、製品関連データを自動的かつリアルタイムに追跡し記録
し得る。この特徴の組み合わせにより、製品106の種類及び量の変化は、人間による手
動入力に依存する既存のシステムと比べて、より迅速に、簡単に、確実に追跡することが
可能となる。例えば、製品106が様々な位置で経時的に散布されるレートを自動的に監
視することにより、このような情報を、製品106を散布したカートリッジ102のID
122に結び付けることにより、及びこのようなデータ全てを計測データ334に記憶す
るようにサーバ332に送信することにより、本発明の実施形態は、オペレータまたは農
業者の関与は全くなしに、圃場に実際に散布された製品106の実散布マップを作成し得
る。このような能力により、製品106の製造業者に、及び製造業者とカートリッジ10
2のエンドユーザとの間のサプライチェーンに、実在庫管理の利点がもたらされる。さら
に、これらの特徴は、実散布データをローカルで(例えばフラッシュドライブまたは他の
物理媒体に)記憶し、かつその後にそれをコンピュータに物理的に移送しなければならな
いという負担を、実散布データを無線で自動的にリアルタイムにサーバ332に送信する
ことを可能にすることにより、取り除く。
【0062】
実散布マップを自動的に生成する能力により、信憑性または正確性に関して農業者から
の手動報告に依存することなく、特定の作物に散布される農業製品を追跡することが可能
となる。個々の作物に散布された製品を追跡するこの能力は、農業者の報告とは無関係に
、購入する食品に散布された製品を知りたいという消費者の要望を満たし、圃場特有の農
業製品使用へのアクセスを得るという規制機関及び食品加工業者の要求を満たすのに、特
に役立つ。
【0063】
前述のように、製品106の量は経時的にカートリッジ102から分配され得、その結
果、カートリッジ102内の製品106の量は経時的に減少する。本発明の実施形態を使
用して、カートリッジ102に製品106をさらに追加することができ、これには、カー
トリッジ102に前に含まれていたものと同じ種類の製品をさらに追加すること、または
カートリッジ102に前に含まれていたものとは異なる種類の認可製品をカートリッジ1
02に追加することが含まれ得る。カートリッジ102に任意の量の認可製品106を追
加するいずれのこのようなプロセスも、本明細書ではカートリッジ102を「補充する」
と称され、このような補充によりカートリッジ102(または製品格納ユニット104)
が製品106で満杯になるか否かは関係ない。
【0064】
ここで図4を参照すると、カートリッジ102を製品106で補充する処理方法400
のデータフロー図が示される。図4の方法400は、カートリッジ102に適用されるも
のとして本明細書では説明されるが、方法400は、例えば一連(直列)または並列の任
意の数のカートリッジに適用することができる。例えば、方法400は、図3のシステム
300内の受器304a~hに挿入されたカートリッジの一部または全てに適用され得る
【0065】
カートリッジ補充方法400は、カートリッジ102が製品106で充填されることと
図4、動作402)、カートリッジタグ108が製品情報で更新されることと(動作4
04)、農業者がカートリッジ102を取得することと(図4、動作406)、農業者が
カートリッジ102を製品分配アセンブリ302に取り付けることと(図4、動作408
)、タグリーダ310が、カートリッジ102内のタグ108からデータの一部または全
てを読み出すことと(図4、動作410)、データ検証モジュール314が、タグリーダ
310により読み出されたタグデータ312を受信し、タグデータ312を検証すること
と(図4、動作412)を含む。図4の方法400の動作402~412は、図2の方法
200の動作202~212と同一または同様に実行され得るため、本明細書では詳しく
説明されない。しかし、上記に前述されたように、補充するカートリッジ及び補充製品を
移送し出す移送コンテナからの認可コードが一致しない場合には、移送コンテナからカー
トリッジへの製品移送は却下される。
【0066】
農業者は、カートリッジ102を使用して活動を終了する(図4、動作414)。農業
者は、様々な方法のうちの任意の方法で、様々な理由のうちの任意の理由で、散布活動を
終了することができ、これら全てが本発明の範囲に含まれる。言い換えると、本発明の実
施形態は、植栽装置に関連した使用に限定されない。散布機器は、散布される製品に関連
する植物の成長サイクルの前、最中、または後の任意の時点で、散布される投入材料の使
用指示に従って、農業及び/または園芸投入材料を散布するのに使用される様々な種類の
実施態様に装備され得る。RFIDタグ付きのカートリッジまたは製品コンテナは、本発
明に従って、飛行機、ドローン、及びゴルフ場もしくは芝生の散布装置により利用され得
るが、これらに限定されない。農業者は、例えば、処方マップにより指定された製品10
6全てを散布することなどにより、製品106の圃場への散布を終了し得る。このような
場合、カートリッジ102は、ある量の製品106を尚も含んでいてもいなくてもよい。
別の例として、カートリッジ102は、その内部に格納していた製品106を完全に使い
果たす場合があり、農業者は、このような製品106の枯渇に応じて、散布活動を終了し
得る。さらに別の例としては、カートリッジ102内の製品106の量はある閾値量を下
回る場合があり、これに応じて農業者は、散布活動を終了し得る。カートリッジ102内
の製品106の量が最小閾値量を下回ったという判定は、例えば、農業者により手動で、
または本発明の実施形態により自動的に判定され得、本発明の実施形態は、カートリッジ
102内の製品106の量が最小閾値量を下回ったという判定に応じて、このような判定
を農業者に通知し、及び/またはカートリッジ102から製品106が引き続き分配され
ることを自動的に阻止し得る。
【0067】
農業者が散布活動を終了する方法または理由に関係なく、農業者は、カートリッジ10
2を製品分配アセンブリ302から取り外し(図4、動作416)、カートリッジ102
を補充することができる小売業者または他の関係者にカートリッジ102を提供する(図
4、動作418)。農業者がカートリッジ102を補充するために別の関係者にカートリ
ッジ102を提供することは必要ではない場合があることに留意されたい。本発明の特定
の実施形態では、例えば、農業者は自分でカートリッジ102を補充し得る。従って、本
発明の特定の実施形態では、方法400から動作418を省略してもよい。よって、本明
細書における図4の方法400に関連した「小売業者」への言及は、カートリッジ102
を補充することが可能な任意の関係者(農業者を含む)を言及すると理解されたい。
【0068】
小売業者は、カートリッジ102のタグ108上の情報を使用して、
・カートリッジID122の読み出しなどにより、カートリッジ102の一意的識別、
・製品種類データ120の読み出しなどにより、カートリッジ102が農業者により使用
されている間にカートリッジ102に含まれているまたは含まれていた製品106の種類

・製品量データ118の読み出しなどにより、カートリッジ102が農業者により取得さ
れた時、またはカートリッジ102が農業者により最後に充填された時に、カートリッジ
102に含まれていた製品106の量、
・製品量データ118の読み出しなどにより、カートリッジ102が農業者により取得さ
れて以来、またはカートリッジ102が農業者により最後に充填されて以来、農業者によ
りカートリッジ102から分配された製品106の量、
・製品量データ118の読み出しなどにより、カートリッジ102に現在(すなわち農業
者がカートリッジ102を返却した時点で)含まれる製品106の量、
・農業者IDデータ130の読み出しなどにより、カートリッジを所有しているまたはカ
ートリッジの借主である農業者の一意的識別、
・小売業者IDデータの読み出しなどにより、農業者がカートリッジを購入した小売業者
/サプライヤの一意的識別、
以上のうちのいずれか1つ以上を、任意の組み合わせで特定する(図4、動作420)。
【0069】
動作420は、認可されたカートリッジのみが補充され得るように、図2の認証動作2
12と同じまたは同様に、カートリッジ102を認証することを含み得る。本発明により
、小売業者は、カートリッジ及びその中の残りの製品が、元の購入場所または他の認可さ
れたベンダーの場所に返却されることを確保することが可能となる。これにより、部分的
に満たされたカートリッジが農業者または他の認可されたユーザにより返却された時に、
貸勘定の請求書の自動発行が促進される。
【0070】
図5を参照すると、前述のデータのうちのいずれも自動的に読み出し得るタグリーダ5
04を含むシステム500が示される。図1のカートリッジ102も、製品格納ユニット
104、製品106、及びタグ108と共に図5に例示されており、別の構成では、本発
明に従って、他の種類のカートリッジ、タグ、及び他の構成要素が利用され得る。いくつ
かの構成では、タグリーダ504は、タグ108からデータを無線で読み出し得るRFI
Dタグリーダである。より一般的には、タグリーダ504は、任意の好適な技術を使用し
て、無線及び/または有線を介してタグ108からデータを読み出し得る。タグリーダ5
04は、本明細書でカートリッジインターフェースデバイスと称されるコンピューティン
グデバイス502の構成要素であり得る。カートリッジインターフェースデバイス502
は、タグリーダ504を制御して、タグ108からデータを読み出し得る。上記の説明で
は、タグ108から特定のデータが読み出されることにのみ言及しているが、より一般的
には、タグリーダ504は、タグ108からあらゆるデータを読み出し得る。
【0071】
小売業者は、農業者518がカートリッジ102から使用した製品106の量に関して
、農業者518に請求を行う(図4、動作422)。この請求プロセスは、様々な方法の
うちの任意の方法で実行され得る。例えば、カートリッジインターフェースデバイス50
2は、製品使用特定モジュール508を含み得る。一般に、製品使用特定モジュール50
8は、カートリッジ102が農業者518により取得されて以来、カートリッジ102が
最後に充填されて以来、または農業者518が製品106及び/またはカートリッジ10
2の使用で最後に請求されて以来、農業者518が使用した製品106の量(例えばカー
トリッジ102から分配された製品106の量及び/または製品で処置を行った圃場の総
面積または列)を特定し得る。本発明は、有効性に関係なく分配された製品の総量のみに
課金するのではなく、植物の保護及び/または成長強化及び/または製品性能の価値に関
して、農業者及び他の認可ユーザに課金することを促進し、これは、精密な散布装置によ
り、製品分配が種子納入または植物配置と同時に行われる場合に、特に関係する。製品使
用特定モジュール508は、いくつかの構成では実散布データにより、及び他の構成では
実散布データなしで、この使用された製品106の量を表す出力信号510を生成し得る
【0072】
製品使用特定モジュール508は、様々な方法のうちの任意の方法で、製品使用量信号
510を生成し得る。例えば、タグリーダ504は、タグリーダ504がタグ108から
読み出したデータに基づいて、タグリーダ504がタグ108から読み出したデータの一
部または全てを表す読み出しデータ信号506を作成し得る。読み出しデータ信号506
は、例えば、タグリーダ504がタグ108から読み出した全てのデータを表し得る。読
み出しデータ506が、農業者518が使用した製品106の量を表すデータを既に含む
場合には、製品使用特定モジュール508は、この量を読み出しデータ信号506内で特
定し、この量を製品使用量信号510で出力し得る。別の例として、読み出しデータ信号
506がカートリッジ102内の製品106の前の量(例えば農業者518が前に製品1
06を含むカートリッジ102を取得した時、または製品106でカートリッジ102を
充填した時、カートリッジ102に含まれていた製品106の量)を表すデータと、カー
トリッジ102内の製品106の現在量を表すデータとを含む場合には、製品使用特定モ
ジュール508は、これら2つの量の差分を計算し、結果の差分(例えば現在量から前の
量を引いた量)を製品使用量信号510で出力し得る。
【0073】
製品使用特定モジュール508は、様々な方法のうちの任意の方法で、製品106の特
定された使用量に基づいて請求額を計算し、計算した請求額を表す請求額信号512を出
力し得る。例えば、製品使用特定モジュール508は、製品106の単位価格(例えば体
積、質量、処置列の長さ、及び/または圃場の処置面積という単位あたりの価格)を特定
し、単位価格に製品106の使用量(例えば体積、質量、長さ、または面積)(製品使用
量信号510により表される)を乗算することで、製品使用特定モジュール508が請求
額信号512に含め得る請求額を表す積を生成し得る。
【0074】
製品使用特定モジュール508は、様々な方法のうちの任意の方法で、製品106の単
位価格を特定し得る。例えば、製品使用特定モジュール508は、タグリーダ504がタ
グ108から読み出して読み出しデータ506に含めた製品種類データ120に基づいて
、製品106の種類を特定することなどにより、製品106の種類を特定し得る。製品使
用特定モジュール508は、製品種類と単位価格のマッピング(例えばデータベーステー
ブル)において、製品種類を用いて対応する単位価格を検索するなど、製品106の種類
に基づいて、製品106の単位価格を特定し得る。
【0075】
別の例としては、請求額信号512は、農業者518が支払うべき金額ではなく、農業
者518に支払われるべき払戻金額を表してもよい。製品使用特定モジュール508は、
様々な方法のうちの任意の方法で、このような支払われるべき払戻金額を計算し得る。例
えば、製品使用特定モジュール508は、農業者518がカートリッジ102を前に受け
取った(例えば最初に購入した)際、またはカートリッジ102を製品106で前に充填
した際、製品106に対し農業者518が支払った金額など、カートリッジ102内の製
品106に対し農業者518が前に支払った金額を特定し得る。製品使用特定モジュール
508は、本明細書で開示される技術のうちいずれかを使用して、農業者518による前
の支払いに対応付けられた時以降、農業者518がカートリッジ102から使用した製品
106の量を特定し得る。製品使用特定モジュール508は、本明細書で開示される技術
のうちいずれかを使用して、製品106の使用量の価格を特定し得る。製品使用特定モジ
ュール508は、農業者518による前の支払いから製品106の使用量の価格を差し引
くことなどにより、農業者518による前の支払いと、製品106の使用量の価格との差
額を特定し得る。製品使用特定モジュール508は、この差額を農業者518に支払われ
るべき払戻金額として特定し得、この支払われるべき払戻金額を表すデータを、請求額5
12に含め得る。
【0076】
請求書生成モジュール514は、請求額512に基づいて、請求書516を生成する。
請求書516は、請求額512を表すデータを含み得、これは、正(農業者518が支払
うべき金額の場合)または負(農業者518に支払われる(払い戻される)べき金額の場
合)であり得る。システム500は、電子形式、紙上、またはその両方で請求書516を
送ることなどにより、任意の方法で農業者518に請求書516を届け得る。請求書51
6を農業者518に提供するプロセスは、自動的または半自動的に(例えば農業者518
による承認の上)、未払い金額に関して農業者518から支払いを得ること、または農業
者518に支払われるべき金額に関して農業者518に払い戻しを提供することを含み得
る。
【0077】
システム500は、図1の製品充填モジュール150と同一または同様であり得る製品
充填モジュール550を含み得る。製品充填モジュール550(いくつかの構成ではカー
トリッジインターフェースデバイス502の一部である)は、図1のカートリッジ102
の充填に関連して上記で開示された技術のうちいずれかを使用することなどにより、カー
トリッジ102を製品106で充填し得る(図4、動作424)。製品充填モジュール5
50は、読み出しデータ506及び/または製品使用量510の一部または全てを入力と
して受信し得、カートリッジ102を充填するための製品106の量を特定し、次いで製
品106の特定した量でカートリッジ102を充填し得る。製品充填モジュール550は
、様々な方法のうちの任意の方法で、カートリッジ102を充填するための製品106の
量を特定し得る。例えば、製品充填モジュール550は、製品使用量510により表され
る農業者518が前に使用した製品106の量で、カートリッジ102を充填し得る。別
の例として、製品充填モジュール550は、読み出しデータ506に基づいて、製品格納
ユニット104を製品106で満たすために製品格納ユニット104に追加できる製品1
06の最大量を特定し、次いで製品106のその量で製品格納ユニット104を充填し得
る。さらに別の例として、製品充填モジュール550は、農業者518が支払った製品1
06の量で、カートリッジ102を充填し得る。例えば、農業者518は請求書516の
支払いを行い、この支払に応じて、製品充填モジュール550は、農業者518が支払っ
た製品106の量を特定し、次いで製品106の特定した量でカートリッジ102を充填
し得る。製品充填モジュール550が製品格納ユニット104を充填した後、製品格納ユ
ニット104は製品106で満たされていてもいなくてもよいことに留意されたい。言い
換えると、製品充填モジュール550が製品格納ユニット104を充填した後、製品格納
ユニット104は、何もない空間を一部含んでもよい。
【0078】
カートリッジ102を充填する前に、図4の方法400は、カートリッジ102に前に
含まれた、または依然として含まれる製品106と異なる製品で、カートリッジ102を
充填する試みがなされているのか否かを判定し得る。方法400が、カートリッジ102
に前に含まれていた、または依然として含まれているものと同じ製品でカートリッジ10
2を充填する試みがなされていると確証した場合には、方法400は、カートリッジ10
2が製品106で補充されることを許可する。方法400が、カートリッジ102に前に
含まれていた、または依然として含まれている製品106と異なる製品でカートリッジ1
02を充填する試みがなされていると判定した場合には、方法400は、ポート152内
のバルブが開くのを阻止することなどにより、カートリッジ102が充填されることを禁
止する。カートリッジ102が異なる製品で補充される場合には、方法400は、タグ1
08がカートリッジ102から取り外されることと、カートリッジ102が洗浄される(
例えば3回水洗いされる)ことと、カートリッジ102が補充される前にカートリッジ1
02に新しいタグが貼り付けられることとを、要求する。一般に、方法400は、カート
リッジ102に追加される製品の種類が、タグ108上の製品種類データ120により指
定される種類と一致することを確証してから、カートリッジ102に製品が追加されるこ
とを許可する。
【0079】
システム500はまた、タグライタ520を含み、これは、例えば、
・製品充填モジュール550によりカートリッジ102が充填された後に、カートリッジ
102に含まれる製品106の種類、
・製品充填モジュール550によりカートリッジ102が充填された後に、カートリッジ
102に含まれる製品106の量、
・製品充填モジュール550が製品106でカートリッジ102を充填した日付及び/ま
たは時刻、
・カートリッジ102に充填された製品106の製造ロット番号、
・乾燥製品の場合、カートリッジ102に充填された製品106のかさ密度、
・液体製品の場合、カートリッジ102に充填された製品106の液体粘度、
・製品充填モジュール550がカートリッジ102を製品106で充填した場所(例えば
カートリッジインターフェースデバイス502の場所)、
・製品充填モジュール550を使用してカートリッジ102を補充した小売業者の識別、
・カートリッジ102の内容物に関して、小売業者が農業者518に請求すべき金額、
・製品充填モジュール550によりカートリッジ102に追加された製品106の量に対
して、農業者518が支払った金額、
・農業者518の識別、及び
・カートリッジ及び/またはその中の製品を農業者に販売した小売業者の識別、
以上のうちのいずれか1つ以上を任意の組み合わせで反映するように、タグ108に記憶
されたデータを更新する(図4、動作426)。
【0080】
その後カートリッジ102は、農業者518または別の農業者による使用(おそらく再
利用)に利用可能となる(図4、動作428)。農業者518は、例えば、カートリッジ
102を手取り、それを図3の製品分配アセンブリ302内の受器304a~hのうちの
1つに再挿入し、その後、再びカートリッジ102を使用して、図1~3に関連して上記
に開示された方法で製品106を分配し得る。
【0081】
図4の方法400及び図5のシステム500には、様々な利点がある。例えば、方法4
00及びシステム500は、カートリッジ102から農業者518が使用した製品106
の量、及び/またはカートリッジ102に残っている製品106の量を、自動的に計算し
得る。自動的にタグ108に記憶されタグ108から読み出されるデータに基づいて(例
えば小売業者または農業者518からの手動入力なしで)、このような量を自動的に計算
する能力は、このような計算が実行され得る速度を上げ、かつこのような計算を手動で行
うことから生じ得る人的エラー(意図的及び非意図的の両方)を減らすまたはなくす。方
法400及びシステム500は、このような計算を自動的に実行して、製品106の種類
及びその対応付けられた単位価格を反映し得る。実際に、既存のシステムでは通常、この
ような計算を行う試みは全くなされていない。代わりに、返却されたカートリッジは、単
に空にされ、洗浄され、完全に補充され、農業者は、満杯のカートリッジの価格が請求さ
れる。
【0082】
農業者518が実際に使用した製品106の量を計算することの1つの利点は、農業者
518が実際に使用した製品106の量に対してのみ農業者518は課金され得ることで
ある。保管交換法を遵守するために、これは、カートリッジタグ108からのデータを使
用することに代えてまたは加えて、例えばカートリッジ102を計量することにより行わ
れ得る。実際に使用した製品の量の計算方法に関係なく、農業者518が実際に使用した
製品106の量に対してのみ農業者518を課金することは、農業者518の各カートリ
ッジの使用費用を削減し、かつ、農業者518がカートリッジ102に支払う金額は農業
者518が実際に使用する製品106の量に限定されることが分かっているため、農業者
518がカートリッジ102を使用することを促進し得る。
【0083】
農業者518がカートリッジ102を返却した際のカートリッジ102の重量は、様々
な目的で使用され得る。例えば、本発明の一実施形態では、農業者518がカートリッジ
102を返却した際にカートリッジ102は計量され、その時点でのカートリッジ102
の実際の重量が特定され得る。農業者518がカートリッジ102を前に取得していた時
のカートリッジ102の重量、カートリッジ102内の製品106のかさ密度及び/また
は液体粘度、農業者518がカートリッジ102を使用していた間のカートリッジ102
の散布レート(複数可)、及び製品分配アセンブリ302がカートリッジ102から製品
106を分配していた間の製品分配アセンブリ302の対地速度(本明細書では散布装置
速度とも称される)などの様々な実散布データは、タグ108から自動的に読み出され、
農業者518によるカートリッジ102の返却時のカートリッジ102の予想重量を計算
するために使用され得る。カートリッジ102の実重量と予想重量とを互いに比較して、
この2つのあらゆる差異が特定され得る。あらゆるこのような差異は、較正及び/または
請求書発行など、様々な目的のうちの任意の目的で使用され得る。つまり、本発明の一構
成では、閉ループ自己較正分配及び請求書発行システムが達成される。
【0084】
方法400及びシステム500の別の利点は、カートリッジ102を補充する前にまず
水洗いする必要なく、カートリッジ102を補充し再利用できることである。例えば米国
では環境保護庁(EPA)が、農薬を充填したカートリッジは処分する前に3回水洗いす
るよう要求していることから、これは大きな利点である。既存のシステムでは、カートリ
ッジは通常、各使用後に農業者により処分される。結果として、各カートリッジは通常、
各使用後に3回水洗いされる。3回の水洗いは、コンテナを3回水洗いした後にコンテナ
の処分を行うプロセスと同様に、面倒であり時間のかかるプロセスである。コンテナがリ
サイクルされない限り、全地域で一様に対応可能ではないが、3回水洗いされたコンテナ
は、最終的に埋め立てられる、または焼却される。図4及び図5の方法400及びシステ
ム500により、カートリッジ102を3回水洗いすることなく、製品106でカートリ
ッジ102を補充することが可能となり、これにより、3回の水洗い及びカートリッジ処
分に伴う大幅な時間及び費用が節約される。
【0085】
前述のように、農業者518は、図3の製品分配アセンブリ302からカートリッジの
一部または全てを取り外し、これらのカートリッジの一部または全てを、補充するために
小売業者に持って行くことができる。結果として、方法400及びシステム500は、図
3のカートリッジ304a~hなどの複数の農業者518のカートリッジのそれぞれに適
用され得る。各カートリッジ内で使用された製品量を自動的に特定する方法400及びシ
ステム500の能力は、農業者518が複数のカートリッジを補充のために小売業者に持
って行く場合に、特に役立つ。これは、処方マップが指定するシステム300の散布レー
トの違いなど、様々な理由で、製品分配アセンブリ302に同時に設置された複数のカー
トリッジが、それぞれの製品を異なるレートで分配し、これによりそれぞれの製品格納ユ
ニットを異なるレートで使い果たし得るためである。その結果、製品分配アセンブリ30
2内のカートリッジの1つ以上は、同じ製品分配アセンブリ内の他のカートリッジの前に
、空になり得るあるいは補充されることを必要とし得る。たった1つのカートリッジを取
り外し交換するために、製品分配アセンブリが取り付けられたトラクタ/プランタを停止
することは、農業者518にとって非常に時間及び費用が掛かり得る。例えば、24列の
プランタが植え付けの繁忙期に停止すると、農業者は、損失収穫及び効率において1時間
あたり5,000ドルを損失し得ると推定されている。対照的に、本発明の実施形態によ
り、農業者518は、製品分配アセンブリ302内のカートリッジのうちの1つでも補充
を必要とするまたは補充の利益があると判定されたことに応じて、同じ製品分配アセンブ
リ302内の他のカートリッジがまだ補充を必要としない、あるいは補充を必要とするカ
ートリッジより多くの製品を含む場合でも、製品分配アセンブリ302から全てのカート
リッジを取り外すことが可能である。これにより、種子を補充するためにプランタを停止
する必要がある時に全てのカートリッジを交換できることで、カートリッジ交換プロセス
が促進され、製品カートリッジを交換するだけのために追加でプランタを停止させるとい
う費用のかかる選択肢は排除される。農業者518は次いで、1回の訪問でカートリッジ
の全てを小売業者に持って行き、各カートリッジから実際に分配された量に対してのみ支
払うことが保証され得る。このような補充は、方法400及びシステム500を使用して
、そのような各カートリッジを、その各製品によりそのカートリッジを満たすのに必要な
量のみで自動的に補充し、カートリッジごとに充填量が異なる場合でも、各カートリッジ
を充填した製品量に対してのみ、農業者518に課金し得る。従って、代わりに1つのカ
ートリッジを交換する必要があるたびに全てのカートリッジを取り外して、満杯のカート
リッジと交換することにより、個々のカートリッジが空になった時に補充のために散布装
置を停止する必要を回避するという利点が農業者518にはあり、これにより、散布装置
を停止させる時間量が削減され、同時に各カートリッジから実際の製品使用量に対しての
み支払が行われる(例えば満杯のカートリッジの全費用を支払うのではなく)。
【0086】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、方法400の終わりに農業者が受
け取る補充されたカートリッジは、方法400の初めに農業者518が補充のために持っ
て行ったカートリッジと同じである必要はない。代わりに、例えば、方法400の動作4
18で、農業者518は小売業者に1つのカートリッジを持って行き得、これに応じて方
法400は、図4及び図5に関連して前述された方法で、農業者518が使用した製品1
06の量を計算して、農業者518に適宜課金し得る。方法400及びシステム500は
図4及び図5に関連して前述された方法で、農業者518が返却したカートリッジを補
充さえし得る。しかしながら、小売業者は、農業者518が小売業者に返却したカートリ
ッジの代わりに、充填された異なるカートリッジを農業者に提供してもよい。正味の効果
は、農業者518が返却したカートリッジを小売業者が補充して、補充したカートリッジ
を農業者518に提供した場合と同じであり、農業者518は、返される満杯のカートリ
ッジを受け取り、農業者518が小売業者に返したカートリッジ内にあった製品量と、満
杯のカートリッジ内の製品量との差分に対してのみ支払いを行う。ただし、農業者518
に補充された同じカートリッジを提供するのではなく、農業者518に満杯の異なるカー
トリッジを提供することは、より早く、より効率的であり得るため、小売業者及び農業者
518の両者にとって、有益であり得る。小売業者は、例えば、小売業者が複数のカート
リッジを同じ製品によりバッチで補充する時など、返却されたカートリッジを補充する次
の時まで待ち得、これは、個々の農業者が補充のためにカートリッジを返した時に、個々
のカートリッジをオンデマンドで補充するよりも、小売業者にとってより効率的であり得
る。
【0087】
前述のように、カートリッジ102は、圃場内の異なる地理的位置で製品106が分配
されるレートを指定する処方マップにより特定された量で、製品106を分配し得る。よ
り一般的には、処方マップは、圃場内の複数の位置のそれぞれに関して、及び複数の製品
のそれぞれに関して、そのような各位置にそのような各製品を分配するレートを示し得る
。任意のこのようなレートがゼロに等しい場合があり、従って、圃場内の対応する位置に
対応する製品を全く分配しないことを示す。
【0088】
圃場内の任意の特定の位置に製品が分配されるレートは、処方マップが指定する理想的
なレートとは異なる場合がある。その結果、その位置に分配された製品量は、所望の量と
は異なる場合がある。処方のレートと実際のレートとのこのような不一致は、製品を分配
する計測器の不正確な較正または圃場の地形の不規則性など、様々な原因のうちのいずれ
かにより生じ得る。
【0089】
本発明の実施形態を使用して、圃場内の1つ以上の計測により分配される製品の処方量
が、これらの計測器により分配された製品の実量と異なるか否かが判定され得、本発明の
別の実施形態を使用して、圃場内の1つ以上の位置で1つ以上の計測器により分配される
製品の処方量が、これらの位置で分配された製品の実量と異なるか否かが判定され得る。
図6を参照すると、下記により詳しく論述されるように、本発明の一実施形態による、こ
のような判定を行う方法600のフローチャートが示される。図7を参照すると、本発明
の一実施形態による、図6の方法600を実行するシステム700のデータフロー図が示
される。
【0090】
システム700は、処方マップ702を含む。処方マップ702は、デジタル形式で記
憶され得、処方マップの一部として本明細書に説明される情報のうちのいずれかを表すデ
ータを含み得る。処方マップ1100の略図が図11に示され、下記により詳しく説明さ
れるように、キー1102内に離散値が示される。一般に、処方マップ702及び/また
は1100は、例えば、圃場内の複数の位置のそれぞれに関して、及び複数の製品(例え
ば製品種類)のそれぞれに関して、複数の位置のそれぞれの領域内に複数の製品のそれぞ
れを散布するレート(または散布する製品量)を表すデータを含み得る。
【0091】
システム700はまた、処方マップ適用モジュール704を含む。一般に、処方マップ
適用モジュール704は、処方マップ702及び/または1100を入力として受信し、
処方マップ702及び/または1100内のデータを使用して、製品分配制御信号706
を生成し、これを、図7ではブロック形式でのみ、図3ではより詳しく示される図3の製
品分配アセンブリ302に出力する(図6、動作602)。製品分配制御信号706は、
製品分配アセンブリ302内の計測器306a~hのそれぞれに対して、現在時点で対応
製品を分配するレートを示す。例えば、製品分配制御信号706は、計測器306aに提
供される信号を含み得、これは、計測器306aが指定されたレートで、受器304a内
のカートリッジに含まれる製品を分配することを示す。これに応じて、計測器306aは
、受信した製品分配制御信号により指定されるレートで、自身の製品を分配しようと試み
る。しかしながら、前述のように、計測器306aが対応製品を分配する実際のレートは
、計測器306aが受信した制御信号により指定されるレートと同じであってもなくても
よい。
【0092】
処方マップ適用モジュール704は、様々な方法のうちの任意の方法で、製品分配制御
信号706を生成し得る。例えば、処方マップ適用モジュール704は、製品分配アセン
ブリ302の現在位置を特定し、処方マップ702及び製品分配アセンブリ302の現在
位置に基づいて、製品分配制御信号706を生成し得る。例えば、処方マップ適用モジュ
ール704は、製品分配アセンブリ302の現在位置に対応する処方マップ702内の製
品レートを特定し、特定した製品レートで製品分配アセンブリ302内の計測器306a
~hが排出を行うべきことを示す製品分配制御信号706を生成し得る。処方マップ適用
モジュール704は、処方マップ内の特定された各製品レートに関して、その製品レート
に対応付けられた製品種類を特定し、その製品種類を含むカートリッジに接続された製品
分配アセンブリ302内の計測器を特定し、特定した計測器に対し、対応する製品分配制
御信号を送り得る。
【0093】
処方マップ適用モジュール704は、様々な方法のうちの任意の方法で、製品分配アセ
ンブリの現在位置を特定し得る。例えば、処方マップ適用モジュール704は、製品分配
アセンブリ302の現在位置(例えば本明細書で「地理的位置」または「ジオロケーショ
ン」とも称される地理座標)を指定する地理座標データ720を受信し得る。地理座標デ
ータ720は、例えば、製品分配アセンブリ302の中、上、または近くに配置された全
地球測位システム(GPS)モジュールを使用して自動的に生成され得、GPSは、製品
分配アセンブリ302の現在位置を自動的に特定し、製品分配アセンブリ302の現在位
置を表す地理座標データ720を生成する。前述のように、GPSデータは、リアルタイ
ムキネマティック(RTK)測位技術により拡張され、1センチメートル未満レベルの位
置精度を達成し得る。
【0094】
システム700はまた、実散布マップモジュール710を含み、これは、製品分配アセ
ンブリ302内の計測器306a~hにより分配された製品の実量を検出し、これらの量
を表す実散布マップ712を生成する(図6、動作604)。実散布マップ1000の略
図が図10に提供され、キー1002内に値が示される。実散布マップモジュール710
は、例えば、図2及び図3の方法200及びシステム300にそれぞれ関連して上記に開
示された技術のうちのいずれかを使用して、実散布マップを生成し得る。例えば、計測器
306a~hのそれぞれは、複数の時点のそれぞれで分配される製品の量を記録するプロ
セッサ及びメモリを含み得る。このような量は、各カートリッジのそれぞれのタグに記憶
され、及び/または計測データ334に送信され記憶され得る。計測データ334は、実
散布マップ712もしくはマップ1000を含み得、及び/または実散布マップ712も
しくはマップ1000を生成するために使用され得る。一般に、実散布マップ712及び
/またはマップ1000は、圃場内の複数の位置のそれぞれに関して、及び複数の製品の
それぞれに関して、圃場内の複数の位置のそれぞれに実際に分配された製品それぞれの量
(計測器306a~hによる計測値で表される)のデータを含む。従って、実散布マップ
712の構成は、処方マップ702の構成と同一または同様であり得、実散布マップ10
00の構成は、処方マップ1100の構成と同一または同様であり得る。各圃場位置及び
製品に関して、処方マップ702は、溝に沿った直線位置または経緯度位置などの圃場位
置で分配する予定の製品量を示し、実散布マップ712は、この同じ圃場位置で実際に分
配された製品量を示す。同様に、処方マップ1100に関して図11に示される各領域は
、ジオロケーション及び処方量(キー1102に挙げられるように、そのジオロケーショ
ンに対する製品の28.0単位~34.0単位のうちの1つなど)を指定し、図10の実
散布マップ1000の個々の「棒」または角丸長方形は、圃場内の隣接する溝に沿った、
キー1002で指定された値を有する計測された実散布量の範囲に対応する。本発明は、
例えばLarry M.Conradによる米国特許第7,270,065号及び米国特
許出願公開番号第2017/0000022号、並びにConrad et al.によ
る米国特許第6,938,564、米国特許出願公開番号第2018/0014456号
及び第2018/0092296号のうちの1つ以上に説明されるような種子及び製品の
同期化配送を含む精密農業技術と、適合性が高い。例示を簡潔にするために、実散布値の
角丸長方形の列が図10に示されるが、個別の実散布量は、実散布マップ712及び/ま
たはマップ1000に、及び/または表形式で、特定の配送装置のジオロケーションによ
る製品配送量計測の精度にのみ依存して、任意の所望の解像度で、計測、記録、及び/ま
たは描写され得ることが、当業者には本出願を検討した後に理解されよう。
【0095】
システム700はまた、クロスチェックモジュール714を含む。クロスチェックモジ
ュール714は、処方マップ702(図11の処方マップ1100により表される処方デ
ータなど)及び実散布マップ712(図10の実散布マップ1000により表される実散
布データなど)を入力として受信し、2つのマップ702及び712を比較して、差分マ
ップ716を生成する(図6、動作606)。クロスチェックモジュール714は、例え
ば、処方マップ702及び実散布マップ712内の各位置-製品ペアに関して、実散布マ
ップ712内の製品レート(または製品量)を、処方マップ702内の対応する製品レー
ト(または製品量)から減算し、結果の差分を、位置-製品ペアと対応付けて差分マップ
716に記憶し得る。結果として、差分マップ716は、各位置-製品ペアに関して、圃
場内で実際に製品が散布されたレート(または散布された製品量)と、その位置で製品が
散布される予定だったレート(または散布される予定だった製品量)との差分(ゼロの場
合もある)を示すデータを含み得る。図10の実散布マップ1000により表される実散
布デーは、キー1002において、及びマップ1000内に例示されたグループ化により
挙げられる値の範囲より詳細であり得ることが理解されよう。挙げられた範囲は、例えば
実散布マップ1000に描かれる範囲をより多くまたはより少なく選択することにより、
または各範囲に、いくつかの構成ではわずかに重複し他の構成では重複しない異なる数値
増分を選択することにより、所望に応じてユーザが設定することができることも理解され
よう。マップ1000などの実散布マップを、マップ1100などの処方マップと重ね合
わせる(あるいは組み合わせる)ことにより作成される差分マップは、非ゼロ差分を、異
なる色、あるいは他の視覚認識可能な及び/または機械認識可能な指標で表示できること
が、さらに理解されよう。
【0096】
図7のシステム700の要素は、独立した要素として示されているが、これらの要素の
うちのいずれも、互いに組み合わせてもよく、または追加の要素に分割してもよい。さら
に、図7の要素のうちのいずれも、様々な方法で図3のシステム300に統合されてもよ
い。例えば、処方マップ適用モジュール704は、製品分配アセンブリ302の一部であ
ってもよい。別の例として、実散布マップモジュール710は、計測器306a~hの一
部であってもよい。いくつかの構成では、差分マップ716の部分を利用して、図3のI
/Oデバイス336を介して農業者または他のユーザに対し、警告またはエラーメッセー
ジが生成される。例えば、処方製品散布から2パーセントまたは3パーセントを超えるエ
ラーなど、事前に選択されたパーセントを超える差分は、農業者に対して警告灯またはエ
ラーメッセージの表示を引き起こし得る。
【0097】
上記の説明では「レート」と「量」が別個に言及され得るが、いずれのレートも代替的
に量として表され得、または量に変換され得、逆もまた同様であることを理解されたい。
従って、本明細書におけるレートへのいずれの言及も、量に等しく適用されると理解され
るべきであり、本明細書における量へのいずれの言及も、レートに等しく適用されると理
解されるべきである。
【0098】
図6及び図7の方法600及びシステム700は、地理空間座標に対応付けられたデー
タを比較すると上記で説明されているが、これは単なる例であり、本発明の要件ではない
。より一般的には、方法600及びシステム700は、圃場内の特定の計測器により分配
された製品の実量を監視し、これらの実量を、処方マップ702により処方された製品量
と比較し得る。方法600及びシステム700は、地理空間座標の参照の有無にかかわら
ず、このような量を互いに比較し、圃場に散布する製品の処方量と、計測器が圃場に散布
する製品の実量とのあらゆる差分を特定し得る。例えば、方法600及びシステム700
は、各計測器に関して、圃場においてその計測器が実際に散布した総製品量を、圃場にお
いてその計測器が散布するように処方マップ702により処方された総製品量と比較して
、対応付けられた地理空間座標なしに、計測器のそれぞれの結果差分を含み得る差分マッ
プ716を生成し得る。
【0099】
図6及び図7の方法600及びスステム700には、様々な利点がある。例えば、製品
分配アセンブリ302により分配された製品のうちのいずれかが特定の位置で満足のいく
成果を上げていないと考えられる場合、差分マップ716を使用して、その位置で分配さ
れた製品の実量が処方量と異なるか否かが判定され得る。この情報は、成果に関わる問題
の原因を診断するのに非常に役立ち得る。例えば、差分マップ716に基づいて、製品の
処方量と実散布量とに差分がなかった(またはごくわずかだった)と判定された場合には
、このような差分は問題の原因としては除外され得る。
【0100】
前述のように、カートリッジ102は、時間と共に持ち主が変わり得る。このような変
更には、例えば、所有権の変更、管理権(例えばライセンス及び/またはリースにより指
定)の変更、保管権の変更、及び他の所有変更、以上のうちの任意の1つ以上が任意の組
み合わせで含まれ得る。本明細書の説明を簡潔にするために、いずれのこのような所有変
更も「タッチ」と称され、本発明の一態様によればエンティティ所有データを通じて追跡
することができる。一連の保管レベルのトレーサビリティを達成できる。例えば、図4
方法400及び図5のシステム500においてカートリッジ102の補充に関連して前述
されたように、農業者は一度カートリッジ102を所有し得、次に農業者は後で補充のた
めに、カートリッジ102の所有を小売業者に渡し得、次に小売業者はカートリッジ10
2が補充され終わったさらに後に、農業者にカートリッジ102を提供し戻し得る。この
例では、カートリッジの所有は、時間と共に、農業者から小売業者へ、その後再び農業者
へと変わる。これらの所有変更のそれぞれは、本明細書で使用される用語「タッチ」の例
であり、これはエンティティ所有データとして記憶され得る。
【0101】
本発明の実施形態を使用して、いずれのこのようなタッチも経時的に追跡し、エンティ
ティ所有データなどのこのようなタッチを記述する情報を、カートリッジタグ108自体
に及び/または図3のサーバ332により保持される計測データ334に、記憶すること
ができる。いくつかの構成では、図1のカートリッジメモリ110は、本明細書でエンテ
ィティ所有データとも称されるタッチ履歴データ126を含む。タッチ履歴データ126
は、1つ以上のタッチのそれぞれに関して、そのタッチを表すデータ、例えば、
・タッチの時刻、
・タッチの場所、
・タッチの種類(例えば所有権、権利、または他の種類の所有の変更)、
・カートリッジ102の所有権、権利、または所有を譲渡した、例えば人または組織など
のエンティティ(該当する場合)、
・カートリッジ102の所有権、権利、または所有が譲渡された、例えば人または組織な
どのエンティティ(該当する場合)、及び
・タッチの目的(例えばカートリッジ102の購入、カートリッジ102の補充、カート
リッジ102の返却)、
以上のうちの任意の1つ以上などを含み得る。
【0102】
タッチ履歴データ126でエンティティを表すいずれのデータも、そのエンティティを
、実名、ユーザ名、一意的識別子、またはこれらの任意の組み合わせなど、様々な方法の
うちの任意の方法で、表し得る。
【0103】
タッチ履歴データ126は、複数のタッチに関するこのようなデータを含み得るため、
タッチ履歴データ126は、カートリッジ102の所有権、管理、及び/または所有の経
時的な変更履歴など、カートリッジ102のタッチ履歴を表すデータを含み得る。
【0104】
タッチ履歴データ126が更新され得る時の例には、
図2の方法200の動作206または図4の方法400の動作406で、農業者により
カートリッジ102が取得される時、
図4の方法400の動作418で、小売業者によりカートリッジ102が取得される時
、及び
図4の方法400の動作428で、小売業者により農業者へカートリッジ102が返却
される時、
以上が挙げられる。
【0105】
タッチ追跡を実行する能力により、本発明の実施形態は、様々な他の機能を実行するこ
とが可能となる。例えば、本発明の実施形態は、タッチ履歴126を使用して、流通チャ
ネルにおけるカートリッジ102の「横」流しを制御及び/または妨げ得る。本明細書で
使用される用語の横流しの一例には、小売業者から農業者へ(この場合横流しではなく「
下」流しに相当する)ではなく、ある小売業者から別の小売業者へのカートリッジ102
の所有、所有権、または管理の移行が挙げられる。横流しの別の一例には、ある農業者か
ら別の農業者またはディーラーへのカートリッジ102の所有、所有権、または管理の移
行が挙げられる。本発明の一態様は、各カートリッジに関して、そのカートリッジ内に入
れられた特定の製品に対し、特定ユーザを指定する。いくつかの構成では、認可された特
定ユーザとは、1つ以上の圃場の責任者である農業者と、承認済み現行ユーザとして責任
者である農業者の代行を務める分配装置の承認済みオペレータの両者である。特定の製品
に関して、特定ユーザ本人または特定ユーザの代理人によりカートリッジが使用されるこ
とを指定する一技術とは、このような承認済みユーザの認証コードを、各カートリッジに
取り付けられるRFIDタグ内に、生成及び/または記憶することである。
【0106】
ある程度横流しを禁止するために契約が使用され得るが、契約には限度がある。この問
題に対処するために、本発明の実施形態は、カートリッジ102の横流しを制御または妨
げるための技術的手段を使用し得る。例えば、前述のように、カートリッジ102はカー
トリッジID122を含み得、カートリッジID122は、カートリッジID122がそ
の製品106を分配することを許可されているか否かを判定するために、検証され得る。
さらに、カートリッジタグ108は、ライセンスID(図示せず)を含み得、これは、図
3の製品分配アセンブリ302などの特定の製品分配アセンブリに関連するカートリッジ
102を使用することを農業者に認可するライセンスを表す、あるいはライセンスに対応
する。言い換えると、特定のライセンスは、製品分配アセンブリ302及びカートリッジ
102の両方に対応付けられ得、これにより、カートリッジ102の使用は、製品分配ア
センブリ302にリンクされる。製品分配アセンブリ302は、カートリッジ102と同
じライセンスIDを記憶し得る、あるいはそのライセンスIDに対応付けられるように構
成され得る。製品分配アセンブリ302がカートリッジ102から製品106を分配する
前に、製品分配アセンブリ302は、カートリッジタグ108が製品分配アセンブリ30
2に対応付けられたライセンスIDを含むか否かを判定し、次に、カートリッジ102が
そのライセンスIDを含む場合にのみ、カートリッジ102が製品106を分配すること
を許可し得る(そうでない場合にはカートリッジ102が製品106を分配することを禁
止し得る)。
【0107】
その結果、カートリッジ102上に対応するライセンスIDを含まない(あるいは認識
するように構成されていない)製品分配アセンブリから、製品106を分配しようと誰か
が試みた場合、その製品分配アセンブリは、カートリッジから製品106を分配すること
ができない。ある当事者がカートリッジ102を別の当事者に横流しした場合でも、受取
側の当事者の製品分配アセンブリがカートリッジ102の使用を認可しないため、受取側
の当事者はカートリッジ102から製品106を分配することができないことから、この
特徴を使用して、横流しが実施されるのを妨げることができる。
【0108】
カートリッジID122により可能になる別の特徴には、カートリッジ102内の製品
106の量が、ある所定閾値未満に減少した後は、カートリッジ102の使用を禁止する
能力がある。より具体的には、前述のように、カートリッジ102が検証された後に(図
2の方法200の動作212など)、本明細書に開示される方法のうちの任意の方法で製
品106を分配するためにカートリッジ102を使用することができる。製品106がカ
ートリッジ102から分配されると、図1~3に関連して上記に開示されるように、カー
トリッジ102内の製品106の量の変化が、カートリッジタグ108上で追跡及び更新
され得る。システム300は、カートリッジ102内の製品106の量がある所定閾値(
この値自体はタグ108に記憶され得る)以下になったか否かを、繰り返し判定し得る(
製品量データ118を参照することにより)。所定閾値は、任意の値であり得、具体的に
はゼロに等しいまたは近い値であり得る。カートリッジ102内の製品106の量が所定
閾値以下になったとシステム300が判定した場合には、システム300は、カートリッ
ジ102が無効になったことを示すデータ(図示せず)をカートリッジメモリ110に記
憶することなどにより、カートリッジ102のさらなる使用を無効にし得る。
【0109】
カートリッジ102を使用または検証しようとする試みはいずれも、カートリッジ10
2がこの無効状態の間は失敗する。検証プロセス(図2の動作212)は、例えば、カー
トリッジ102が無効状態にあるか否かを判定し得、カートリッジ102が無効状態にあ
ると判定したことに応じて、カートリッジ102を検証することはない。
【0110】
カートリッジ102が無効状態である場合、カートリッジ102は、図2の動作202
図4の動作402、または図4の動作424などのカートリッジ102の認可された補
充者のみによるさらなる使用のために、有効化され得る。例えば、本発明のいくつかの実
施形態では、一度タグ108が無効状態になると、タグ108を有効状態にすることはも
はや不可能となる。つまり、タグ108を無効化することは、不可逆的な動作であり得る
。このような実施形態では、カートリッジ102を再度有効化するためには、有効状態で
ある新たなタグをカートリッジ102に取り付ける必要がある。その結果、カートリッジ
102の新たなタグは有効状態であると判定されるため、カートリッジ102を検証する
試み(図2の動作212など)は成功し、カートリッジ102は製品分配に使用可能とな
る。別の実施形態では、タグ108の状態を無効から有効に変更することは可能であり得
るが、公認再販業者などの特定の当事者のみが、タグ108の状態を無効から有効に変更
することが可能であり得る。製品量が所定閾値を下回った後にカートリッジ102を無効
化する利点は、そのようにすることで、無認可の補充プロセスを用いてカートリッジ10
2に挿入された無認可の製品を、カートリッジ102を使用して散布することが阻止され
ることである。
【0111】
既存の農業製品散布システムにおける別の問題は、様々な理由で散布精度が時間と共に
変化し得ることである。例えば、粒状製品は、重量による散布用にパッケージ化及びラベ
ル付けされるが、このような製品を計測するデバイスは、製品の重量ではなく製品の体積
に基づいて計測する。その結果、製品のかさ密度が変化すると、計測器を通過する製品の
所与の体積に対して、製品の計測重量は変化する。同じ粒状製品の異なる製造バッチまた
はロット番号は、異なるかさ密度を有し得る。最適な散布精度を実現するために、異なる
かさ密度の製品が計測器を通して散布されるたびに、粒状散布計測器は再較正されなけれ
ばならない。しかし、このような再較正を行うことは、面倒であり時間がかかる。液体製
品の液体粘度が変わると同様の問題が起こり、同様に再較正の必要性が生じる。
【0112】
本発明の実施形態は、カートリッジが計測器に接続された時に、カートリッジタグ10
8内の製品かさ密度情報を使用して、自動的に計測器を再較正し得る。このような実施形
態は、例えば、計測器を再較正するために使用する特定の較正アルゴリズムを自動的に選
択し、次いで選択したアルゴリズムを使用して、自動的に計測器を再較正し得る。このよ
うな実施形態は、それぞれが特定のかさ密度に対応した複数の較正アルゴリズムの中から
、特定の較正アルゴリズムを選択し得る。本明細書における粒状製品のかさ密度へのいず
れの言及も、液体製品の液体粘度にも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0113】
より具体的には、ここで図8を参照すると、本発明の一実施形態による計測器(計測器
306a~hのうちのいずれかなど)を自動的に再較正する方法800のデータフロー図
が示される。図8の方法800は、計測器306aに適用されるものとして本明細書に説
明されるが、方法800は、任意の計測器(複数可)に適用することができる。
【0114】
計測器再較正方法800は、カートリッジ102が製品106で充填されることと(図
8、動作802)、カートリッジタグ108が製品情報で更新されることと(図8、動作
804)、農業者がカートリッジ102を取得することと(図8、動作806)、農業者
がカートリッジ102を製品分配アセンブリ302に取り付けることと(図8、動作80
8)、タグリーダ310が、カートリッジ102内のタグ108からデータの一部または
全てを読み出すこと(図8、動作810)を含む。図8の方法800の動作802~81
0は、図2の方法200の動作202~210と同一または同様に実行され得るため、本
明細書では詳しく説明されない。
【0115】
例示目的で、カートリッジ102が受器304aに挿入され、これにより計測器306
aに接続されたと仮定する。方法800は、カートリッジ102内にある製品106の種
類及び/またはかさ密度に基づいて、計測器306aの散布レート及び/または較正を自
動的に調整する(図8、動作812)。本明細書における計測器306aの散布レート及
び較正の調整へのいずれの言及も、計測器306aに関する、散布レートのみの調整、較
正のみの調整、または散布レート及び較正の両方の調整を含むことを理解されたい。
【0116】
製品タグ108は、例えば、カートリッジ102内にある製品106のかさ密度を表す
製品かさ密度データ128を含み得る。かさ密度データ128は、例えば、図8の方法8
00の充填動作802、または図4の方法400の補充動作424などにおいて、カート
リッジ102が製品106で充填された時に、またはその前後に、タグ108に書き込ま
れ得る。方法800は、タグ108からかさ密度データ128を読み出し、かさ密度デー
タ128により表されるかさ密度に全体的または部分的に基づいて、計測器306aの散
布レート及び較正を自動的に調整し得る。同様に、方法800は、タグ108から製品種
類データ120を読み出し、製品種類データ120により表される製品種類に全体的また
は部分的に基づいて、計測器306aの散布レート及び較正を自動的に調整し得る。
【0117】
方法800は、例えば、それぞれが特定の製品種類、かさ密度、または製品種類とかさ
密度の組み合わせに対応した複数のアルゴリズムにアクセスすることができる。方法80
0は、
・製品106の製品種類を特定し、その製品種類に対応するアルゴリズムを選択し、選択
したアルゴリズムを使用して、計測器306aの散布レート及び較正を自動的に調整し得
る、
・製品のかさ密度を特定し、そのかさ密度に対応するアルゴリズムを選択し、選択したア
ルゴリズムを使用して、計測器306の散布レート及び較正を自動的に調整し得る、また

・製品106の製品種類及びかさ密度を特定し、その製品種類とかさ密度の組み合わせに
対応するアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムを使用して、計測器の散布レート
及び較正を自動的に調整し得る。
【0118】
本発明の実施形態を使用して、カートリッジ102からの、並びにカートリッジ102
及び他のカートリッジ(図示せず)の両方を含む複数のカートリッジからの様々なデータ
が、集約され得る。例えば、図9を参照すると、本発明の一実施形態による、カートリッ
ジ102を含む複数のカートリッジからの情報を集約する方法900のフローチャートが
示される。
【0119】
カートリッジデータ集約方法900は、カートリッジ102が製品106で充填される
ことと(図9、動作902)、カートリッジタグ108が製品情報で更新されることと(
図9、動作904)、農業者がカートリッジ102を取得することと(図9、動作906
)、農業者がカートリッジ102を図3の製品分配アセンブリ302に取り付けること(
図9、動作908)を含む。図9の方法900の動作902~908は、図2の方法20
0の動作202~208と同一または同様に実行され得るため、本明細書では詳しく説明
されない。
【0120】
カートリッジ102がその製品を分配すると(対応計測器306aを介して)(図9
動作910)、図2~3に関連して前述されたように、システム300は、製品計測モジ
ュール322を使用して、カートリッジ102から分配される製品106の量を計測し得
る。さらに、方法900は、図2~3に関連して前述されたように、分配された製品10
6の量及び/または製品格納ユニット104内の製品106の残量を反映するように、タ
グ108上の製品量データ118を更新する(図9、動作912)。
【0121】
システム900は、図2~3に関連して前述されたように、製品106がカートリッジ
102から分配される際、製品量データ118に加えて、タグ108内の様々な実散布デ
ータ124を更新する(図9、動作914)。方法900は、図2~3に関連して前述さ
れたように、タグ108からのデータを、サーバ332へ送信し(図9、動作916)、
及び/または少なくとも1つのI/Oデバイス336に送信し得る。
【0122】
方法900はまた、カートリッジ102に加えて、1つ以上のカートリッジに適用され
得る。例えば、動作902~916は、このようなカートリッジに適用され得、これによ
り、カートリッジ102に関連して前述されたように、このようなカートリッジからのデ
ータ(製品量データ及び実散布データなど)が監視され、記憶され、サーバ332へ送信
され得る。従って、サーバ332は、任意のこのようなデータを、カートリッジ102か
らだけではなく、1つ以上の追加のカートリッジからも、経時的に受信し得る。サーバ3
32は、任意のこのようなデータを、計測データストア334に記憶し得る。その結果、
計測データストア334は、複数のカートリッジから経時的に受信したデータを含み得る
【0123】
サーバ332は、様々な方法のうちの任意の方法で、複数のコンテナから受信したデー
タを集約し得る(図9、動作918)。例えば、サーバ332は、特定のカートリッジか
ら受信したデータに基づいて実散布マップを作成し、特定のカートリッジから受信したデ
ータに基づいて統計(合計、平均、及び標準偏差)を生成し、特定のカートリッジのカー
トリッジID(または他の一意的識別子)を特定のカートリッジから受信したデータに対
応付けて記憶することなどにより、特定のカートリッジ(カートリッジ102など)から
受信した一部または全てのデータを集約して、同一のカートリッジから受信した全てのデ
ータを特定できるようにする。
【0124】
別の例としては、サーバ332は、2つ以上のカートリッジからのデータを集約し得る
。例えば、サーバ332は、複数のカートリッジから受信したデータに基づいて、統計(
合計、平均、及び標準偏差など)を生成し得る。別の例としては、サーバ332は、特定
の圃場で特定の農業分配装置により利用される全てのカートリッジといった複数のカート
リッジからの実散布データを組み込んだ、特定の圃場の複合実散布マップを生成し得る。
【0125】
本発明の実施形態は、様々な方法のうちの任意の方法で、このようなデータ集約を促進
し得る。例えば、複数のカートリッジ上のタグは、各自のデータを、同じデータ形式ある
いは一貫したデータ形式で、記憶し得る。例えば、同じ種類のデータ(例えば製品種類及
び製品量)は、同じ形式で(例えば同じ圃場名を使用して)、全てのタグに記憶され得る
。その結果、サーバ332は全てのカートリッジから同じ種類(例えば製品量)のデータ
を容易に特定できるため、サーバ332が複数のタグからデータを受信すると、サーバ3
32は、このようなデータを容易に集約することができる。これにより、方法900は、
農業者を手動の(及び多くの場合エラーが起こりやすく一貫性のない)データ入力及び報
告に従事させる必要なく、カートリッジ、製品分配アセンブリ、及び農業者全体のデータ
を集約することが可能となる。これは、カートリッジデータが一貫性のない形式で記憶さ
れ、農業者により手動で入力及び報告されなければならず、データを報告するのにエラー
、遅延、及び障害を生じることが多い既存システムと比べて、大きな利点である。
【0126】
本発明は、特定の実施形態に関して、上記で説明され図面に示されたが、前述の実施形
態は、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を限定または定義するものではない
ことを理解されたい。下記を含むがこれらに限定されない様々な他の実施形態も、特許請
求の範囲に含まれる。例えば、本明細書で説明される要素及び構成要素は、追加の構成要
素にさらに分割されてもよく、または同じ機能を実行するより少ない構成要素を形成する
ために結集されてもよい。本発明の特定の特徴は、いくつかの図面には示され、他の図面
には示されていないが、これは単に便宜上であり、各特徴は、本発明による他の特徴のい
ずれかまたは全てと組み合わせることができる。説明された一実施形態から別の実施形態
への要素の置き換えも、完全に意図されており、考慮されている。また、図面は必ずしも
縮尺通りに描かれていないが、これらは単に概念的性質であることも理解されたい。
【0127】
本明細書で開示される機能のうちのいずれも、これらの機能を実行する手段を使用して
実施され得る。このような手段は、後述されるコンピュータ関連構成要素など、本明細書
で開示される構成要素のうちのいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0128】
前述の技術は、例えば、ハードウェア、1つ以上のコンピュータ可読媒体上に実体的に
格納された1つ以上のコンピュータプログラム、ファームウェア、またはこれらの任意の
組み合わせで実施され得る。前述の技術は、プロセッサ、プロセッサによる読み出し可能
及び/または書き込み可能な記憶媒体(例えば揮発性及び不揮発性メモリ、及び/または
は記憶素子を含む)、入力デバイス、並びに出力デバイス、以上の任意の組み合わせを任
意の数含むプログラム可能なコンピュータ上で作動する(またはこのようなコンピュータ
により実行可能な)1つ以上のコンピュータプログラムで実施され得る。入力デバイスを
使用して入力された入力にプログラムコードを適用して、説明された機能が実行され得、
出力デバイスを使用して出力が生成され得る。
【0129】
本発明の実施形態は、1つ以上のコンピュータ、コンピュータプロセッサ、及び/また
はコンピュータシステムの他の要素を使用してのみ実施することが可能及び/または好適
な特徴を含む。このような特徴を、思考及び/または手動により実施することは、不可能
である、または実用的ではない。例えば、本発明の実施形態は、カートリッジにより圃場
に分配された製品の量を自動的に追跡し、このような分配された製品量を表す電子メモリ
内のデータを自動的に更新し、このようなデータを、記憶及び処理のために、デジタル電
子ネットワークを介してサーバに自動的に無線で送信する。このような特徴は、コンピュ
ータ及び他のマシンでのみ実行することができ、人間による手動または思考で実行するこ
とはできない。
【0130】
コンピュータ、プロセッサ、メモリ、または同様のコンピュータ関連要素を肯定的に必
要とする本明細書の任意の特許請求項は、このような要素を必要とする意図があり、この
ような要素がこのような特許請求項に存在しないまたは必要ではないかのように、解釈さ
れるべきではない。このような特許請求項は、挙げられるコンピュータ関連要素を欠く方
法及び/またはシステムを対象とする意図はなく、そのように解釈されるべきではない。
例えば、特許請求される方法がコンピュータ、プロセッサ、メモリ、及び/または同様の
コンピュータ関連要素により実行されることを挙げる本明細書の任意の方法の特許請求項
は、挙げられるコンピュータ関連要素(複数可)により実行される方法を包含する意図が
あり、そのようにのみ解釈されるべきである。このような方法の特許請求項は、例えば、
思考または手動で(例えば鉛筆と紙を使用して)行われる方法を包含すると解釈されるべ
きではない。同様に、特許請求される製品がコンピュータ、プロセッサ、メモリ、及び/
または同様のコンピュータ関連要素を含むことを挙げる本明細書の任意の製品の特許請求
項は、挙げられるコンピュータ関連要素(複数可)を含む製品を包含する意図があり、そ
のようにのみ解釈されるべきである。このような製品の特許請求項は、例えば、挙げられ
るコンピュータ関連要素(複数可)を含まない製品を包含すると解釈されるべきではない
【0131】
下記の特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、アセンブリ言語、マシン語、
高次手続き型プログラミング言語、またはオブジェクト指向プログラミング言語など、任
意のプログラミング言語で実施され得る。プログラミング言語は、例えば、コンパイル型
またはインタプリタ型のプログラミング言語であり得る。
【0132】
このような各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサにより実行されるた
めに、マシン可読記憶装置に実体的に具現化されたコンピュータプログラム製品で実装さ
れ得る。本発明の方法ステップは、コンピュータ可読媒体に実体的に具現化されたプログ
ラムを実行する1つ以上のコンピュータプロセッサにより実行され、入力に作動して出力
を生成することにより本発明の機能を実行し得る。好適なプロセッサには、例として、汎
用及び専用の両方のマイクロプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、メモリ(読
み出し専用メモリ及び/またはランダムアクセスメモリなど)から命令及びデータを受信
し(読み出し)、命令及びデータをメモリに書き込む(記憶する)。コンピュータプログ
ラム命令及びデータを実体的に具現化するのに好適な記憶装置には、例えば、EPROM
、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスを含む半導体メモリデバイス、内部ハー
ドディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD
‐ROMなど、全形態の不揮発性メモリが含まれる。前述のいずれも、特別設計ASIC
(特定用途向け集積回路)またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)に
より補完され得る、またはこれらの中に組み込まれ得る。コンピュータはまた、一般に、
内部ディスク(図示せず)またはリムーバブルディスクなどの非一時的コンピュータ可読
記憶媒体からプログラム及びデータを受信し(読み出し)、非一時的コンピュータ可読記
憶媒体にプログラム及びデータを書き込む(記憶する)ことができる。これらの要素は、
従来のデスクトップまたはワークステーションコンピュータ、並びに本明細書で説明され
る方法を実施するコンピュータプログラムを実行するのに好適な他のコンピュータにも見
られ、これらは、任意のデジタル印刷エンジンまたはマーキングエンジン、表示モニタ、
あるいは紙、フィルム、表示画面、または他の出力媒体上に色画素またはグレースケール
画素を生成することが可能な他のラスタ出力デバイスと併せて使用され得る。
【0133】
本明細書で開示されるいずれのデータも、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に実
体的に格納された1つ以上のデータ構造で実施され得る。本発明の実施形態は、このよう
なデータをこのようなデータ構造(複数可)に格納し、このようデータをこのようなデー
タ構造(複数可)から読み出し得る。
図1
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