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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20241114BHJP
   A61B 5/273 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
A61B5/287
A61B5/273
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023505131
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2021048617
(87)【国際公開番号】W WO2022190583
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/009686
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】渡部 貴史
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-022564(JP,A)
【文献】特開2014-018531(JP,A)
【文献】特開2015-100515(JP,A)
【文献】特開2019-166169(JP,A)
【文献】特開2017-148472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/297
A61M 25/00
A61N 1/00-1/44
A61B 18/12-18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、
前記カテーテルシャフトの先端側に装着された少なくとも一つの電極と、
前記電極の内周面にその先端が接続され、前記カテーテルシャフトの内部を通って、その基端が前記コネクタに接続されたリード線とを備えてなり、
前記カテーテルシャフトの外径に対する前記リード線の外径の比が0.12~0.35であり、
前記電極は、電極カテーテルの先端に装着された先端電極を含み、
前記カテーテルシャフトの外径に対する前記先端電極の前記リード線の外径の比が0.15~0.35であることを特徴とする電極カテーテル。
【請求項2】
前記電極は、前記カテーテルシャフトの先端側に装着されたリング電極を含み、
前記カテーテルシャフトの外径に対する前記リング電極の前記リード線の外径の比が0.12~0.27であることを特徴とする請求項1に記載の電極カテーテル。
【請求項3】
カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、
前記カテーテルシャフトの先端側に装着された少なくとも一つの電極と、
前記電極の内周面にその先端が接続され、前記カテーテルシャフトの内部を通って、その基端が前記コネクタに接続されたリード線とを備えてなり、
前記カテーテルシャフトの断面積に対する前記リード線の断面積の比が0.012~0.072であり、
前記電極は、電極カテーテルの先端に装着された先端電極を含み、
前記カテーテルシャフトの断面積に対する前記先端電極の前記リード線の断面積の比が0.018~0.072であることを特徴とする電極カテーテル。
【請求項4】
前記電極は、前記カテーテルシャフトの先端側に装着されたリング電極を含み、
前記カテーテルシャフトの断面積に対する前記リング電極の前記リード線の断面積の比が0.012~0.047であることを特徴とする請求項3に記載の電極カテーテル。
【請求項5】
カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、
前記カテーテルシャフトの先端側に装着された電極と、
前記電極の内周面にその先端が接続され、前記カテーテルシャフトの内部を通って、その基端が前記コネクタに接続されたリード線とを備えてなり、
前記カテーテルシャフトは、非金属チューブと電極形成用の金属リングとを、各々の端面どうし当接した状態で、被覆層によって被覆することで交互に連結してなる連結構造体を有することを特徴とする電極カテーテル。
【請求項6】
前記連結構造体の外周面の少なくとも一部は前記被覆層によって被覆され、
前記被覆層は、前記金属リングの外周面の少なくとも一部を露出させる露出窓を備えることを特徴とする請求項5に記載の電極カテーテル。
【請求項7】
前記露出窓は、前記カテーテルシャフトの基端と先端を結ぶ軸方向の長さが、前記金属リングの周方向の幅より長いことを特徴とする請求項6に記載の電極カテーテル。
【請求項8】
前記露出窓は楕円形状であることを特徴とする請求項7に記載の電極カテーテル。
【請求項9】
前記金属リングの軸方向の長さに対する前記露出窓の軸方向の長さの比が0.35~0.65であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の電極カテーテル。
【請求項10】
前記カテーテルシャフトの周長に対する前記露出窓の周方向の幅の比が0.13~0.52であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の電極カテーテル。
【請求項11】
前記露出窓は、前記金属リングの周方向に沿って複数形成されることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の電極カテーテル。
【請求項12】
前記カテーテルシャフトは、前記連結構造体の基端側に金属チューブを備え、
前記金属チューブの少なくとも先端部分に螺旋状のスリットが形成されていることを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の電極カテーテル。
【請求項13】
前記非金属チューブの軸方向の長さに対する前記金属リングの軸方向の長さの比が0.25~0.42であることを特徴とする請求項5から12のいずれかに記載の電極カテーテル。
【請求項14】
前記電極は、前記カテーテルシャフトの基端と先端を結ぶ軸方向に沿って複数設けられ、前記カテーテルシャフトの基端側に向かうほど前記リード線の本数が増えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の電極カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
冠状静脈洞等に導入して内部の電位を測定する電極カテーテルとして、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、カテーテルシャフトの先端側に接続されたコイルスプリングと、カテーテルシャフトの先端部分に装着された複数のリング電極と、コイルスプリングの先端に装着された先端電極と、リング電極のリード線と、先端電極のリード線と、先端電極にその先端部が接続され、その基端部がコネクタに接続されてなるコアワイヤとを備えてなるものが紹介されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6780162号公報(特に段落0044、図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、冠状静脈洞の奥にある狭小血管内にスムーズに導入されて、内部の電位を測定するためには、電極カテーテルの更なる細径化(例えば、シャフトの外径が0.41mm以下)が要請される。
【0005】
しかしながら、そのような細径の電極カテーテル(コイルスプリングおよびシャフト)の内部において、上記のようなコアワイヤおよびリード線を配置するスペースを確保できず、このため、シャフト外径が0.41mm以下であるような細径の電極カテーテルは現実に提供されていない。
【0006】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。本発明の目的は、以上のような課題を解決するための典型的には細径の電極カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電極カテーテルは、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、カテーテルシャフトの先端側に装着された少なくとも一つの電極と、電極の内周面にその先端が接続され、カテーテルシャフトの内部を通って、その基端がコネクタに接続されたリード線とを備えてなり、カテーテルシャフトの外径に対するリード線の外径の比が0.12~0.35であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来より細径の電極カテーテルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る電極カテーテルの正面図である。
図2A図1に示した電極カテーテルの要部(IIA部)の部分破断正面図である。
図2B図1に示した電極カテーテルの要部(IIB部)の部分破断正面図である。
図2C図1に示した電極カテーテルの要部(IIC部)の部分破断正面図である。
図2D図1に示した電極カテーテルの要部(IID部)の部分破断正面図である。
図3A図2AのIIIA-IIIA断面図である。
図3B図2AのIIIB-IIIB断面図である。
図3C図2BのIIIC-IIIC断面図である。
図3D図2CのIIID-IIID断面図である。
図3E図2CのIIIE-IIIE断面図である。
図4A図2AのIVA部詳細図である。
図4B図2AのIVB部詳細図である。
図5】リード線によるカテーテルシャフトの硬度傾斜を模式的に示す。
図6】第2実施形態に係る電極カテーテルを模式的に示す。
図7】第3実施形態に係る電極カテーテルを模式的に示す。
図8】第3実施形態に係る電極カテーテルを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図4図4Aおよび図4B)に示す第1実施形態の電極カテーテル100は、例えば、心臓の肺静脈等の部位における電位を測定するために用いられる。電極カテーテル100は、カテーテルシャフト10と、カテーテルシャフト10の基端側に接続されたコネクタ20と、カテーテルシャフト10の先端側に接続されたコイルスプリング30と、カテーテルシャフト10の先端部分または先端側に装着されたリング電極41~45と、カテーテルシャフト10の先端部分または先端側に設けられるコイルスプリング30の先端に装着された先端電極50と、リング電極41~45の内周面にそれぞれの先端が接続され、カテーテルシャフト10の内部を通って、それぞれの基端がコネクタ20に接続されたリング電極41~45のリード線61~65と、先端電極50にその先端が接続され、コイルスプリング30およびカテーテルシャフト10の内部を通って、その基端がコネクタ20に接続された先端電極50のリード線としてのコアワイヤ70とを備えてなり、コアワイヤ70は、導電率が1×10S/m以上、引張強度が500N/mm以上の金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなり、カテーテルシャフト10の外径(D)が0.30~0.41mmであり、カテーテルシャフト10の外径(D)に対するコアワイヤ70の外径(d1)の比(d1/D)が0.12~0.35、好ましくは0.15~0.35である。
【0011】
電極カテーテル100は、カテーテルシャフト10と、コネクタ20と、コイルスプリング30と、リング電極41~45と、先端電極50と、リード線61~65と、コアワイヤ70とを備える。カテーテルシャフト10は、シャフト先端部11とシャフト基端部12を備える。カテーテルシャフト10の長さ(有効長)は、通常800~2000mmとされ、好ましくは1000~1600mm、好適な一例を示せば1500mmである。
【0012】
カテーテルシャフト10の外径(D)は、0.30~0.41mmとされ、好ましくは0.33~0.37mm、好適な一例を示せば0.37mmとされる。外径(D)が0.41mm以下であることにより、従来の電極カテーテルでは導入不能または導入困難であった狭小血管内にもスムーズに導入できる。カテーテルシャフト10の内径は、0.2~0.28mmとされ、好ましくは0.22~0.24mm、好適な一例を示せば0.23mmとされる。
【0013】
カテーテルシャフト10のシャフト基端部12は、螺旋状のスリット125が先端部分に形成されている金属チューブ(ハイポチューブ)からなる。金属チューブはシングルルーメン構造を有し、シャフト基端部12を構成する金属としては、ステンレス、NiTi、βチタン等が例示される。シャフト基端部12を金属チューブで構成することにより、シャフトの外径が小さくても優れた耐キンク性、トルク伝達性および押し込み特性等を発揮できる。
【0014】
螺旋状のスリット125が形成された先端部分では、金属チューブの剛性がある程度低められて柔軟性が付与され、金属チューブ本来の高い剛性(優れた耐キンク性および押し込み特性)と、先端部分における柔軟性とを兼ね備えたシャフト基端部12を構成できる。また、シャフト基端部の先端部分にある程度の柔軟性が付与される結果、シャフト基端部12とシャフト先端部11との境界における急激な剛性変化を緩和できる。
【0015】
シャフト基端部12の長さとしては、通常700~1950mmとされ、好ましくは1200~1500mm、好適な一例を示せば1450mmである。螺旋状のスリット125が形成されている金属チューブの先端部分の長さとしては、通常20~300mmとされ、好ましくは30~150mm、好適な一例を示せば30mmである。
【0016】
カテーテルシャフト10のシャフト先端部11は、非金属チューブとしての樹脂チューブ111~116と、金属リング141~145とを、各々の端面どうしを当接させて交互に連結してなる連結構造体と、この連結構造体の外周面を被覆するように形成された樹脂被覆層15とにより構成される。但し、図2A図2Cに示すように、金属リング141~145のリング幅方向(カテーテルシャフト10の長さ方向)の中央部分では、全周にわたり樹脂被覆層15が剥離除去されて、それぞれの外周面が露出しており、露出している外周面によって、リング電極41~45が構成される。なお、本実施形態において「リング電極」とは、リング状の「金属リング」の表面または外周面の少なくとも一部が露出されることによって形成される電極を意味する。つまり、「リング電極」の用語は、「金属リング」の表面がリング状に露出されることのみを意味するものではない。例えば、後述する図7および図8に示されるように、金属リング141~145の表面が楕円形状その他の非リング状に露出されることによって形成される電極も、本実施形態におけるリング電極41~45である。
【0017】
図2図2A図2D)に示すように、シャフト先端部11を構成する連結構造体では、カテーテルシャフト10の先端から基端に向かって、樹脂チューブ111、金属リング141、樹脂チューブ112、金属リング142、樹脂チューブ113、金属リング143、樹脂チューブ114、金属リング144、樹脂チューブ115、金属リング145、樹脂チューブ116が、この順で連結されている。
【0018】
樹脂チューブ111~116の構成材料としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂(PEBAX(登録商標))、ウレタン系エラストマー(Pellethane(登録商標))を例示できる。樹脂チューブ111~116の長さとしては、通常1~5mmとされ、好ましくは2~4mm、好適な一例を示せば4mmである。
【0019】
金属リング141~145の構成材料としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレス、金、白金等、熱伝導性の良好な金属を挙げられるが、X線に対する造影性を良好に持たせるために白金等が好ましい。金属リング141~145の幅としては、通常0.5~2mmとされ、好ましくは1~1.5mm、好適な一例を示せば1.2mmである。金属リング141~145の両端部の外周面には、それぞれの全周にわたって樹脂被覆層15が積層される。
【0020】
樹脂被覆層15は、熱収縮チューブの加熱収縮によって形成され、連結構造体を構成する樹脂チューブ111~116と融着されていると共に、金属リング141~145の各々の両端部を全周にわたり被覆することで、これらを保持する。樹脂チューブ111~116と、金属リング141~145とは互いに略同一の外径および内径を有しており、シャフト先端部11は全長にわたり外径および内径が略一定となる。これにより、シャフト先端部11の細径化を図れると共に、シャフト先端部11の内周面にも段差が形成されないので、電極カテーテル100の製造時において、リング電極41~45のリード線61~65やコアワイヤ70をスムーズに挿入できる。
【0021】
樹脂被覆層15の厚さとしては、通常0.01~0.055mmとされ、好ましくは0.02~0.03mmとされる。シャフト先端部11の長さとしては、通常20~55mmとされ、好ましくは24~30mm、好適な一例を示せば25mmである。
【0022】
図2Dに示すように、連結構造体(樹脂チューブ116)の基端面と、シャフト基端部12(金属チューブ)の先端面とが当接され、連結構造体の外周面を被覆している樹脂被覆層15は、スリット125が形成されている金属チューブの先端部分まで形成され、シャフト先端部11とシャフト基端部12を接続する。また、シャフト先端部11を構成する連結構造体と、シャフト基端部12を構成する金属チューブとは、互いに略同一の外径および内径を有している。これにより、カテーテルシャフト10は全長にわたり外径および内径が略一定となる。
【0023】
連結構造体の基端面と、シャフト基端部12の先端面とが当接されて、当接箇所およびシャフト基端部12の先端部分の外周面が前記樹脂被覆層15によって被覆されていることにより、シャフト先端部11とシャフト基端部12とを確実に接続できる。また、シャフト先端部11を構成する連結構造体と、シャフト基端部12を構成する金属チューブとは、互いに略同一の外径および内径を有していることにより、シャフト先端部11とシャフト基端部12との接続部の外周面および内周面に段差が形成されることを防止できる。
【0024】
これにより、カテーテルシャフトの細径化を図れると共に、シャフト先端部11とシャフト基端部12との接続部の内周面にも段差が形成されないので、電極カテーテル100の製造時において、リング電極41~45のリード線61~65やコアワイヤ70をスムーズに挿入できる。更に、スリット125が形成されている金属チューブの先端部分まで樹脂被覆層15が形成されているので、電極カテーテル100の使用時において、カテーテルシャフト10の内部に血液等が流入することを防止できる。
【0025】
カテーテルシャフト10(シャフト基端部12)の基端側にはコネクタ20が接続されている。カテーテルシャフト10(シャフト先端部11)の先端側にはコイルスプリング30が接続されている。コイルスプリング30の長さは、通常5~25mmとされ、好ましくは10~20mm、好適な一例を示せば15mmである。
【0026】
コイルスプリング30の外径は、0.25~0.35mmとされ、好ましくは0.28~0.33mm、好適な一例を示せば0.30mmとされる。コイルスプリング30の内径は、0.15~0.29mmとされ、好ましくは0.18~0.25mm、好適な一例を示せば0.20mmとされる。コイルスプリング30の構成材料としては、金属、白金、タングステン、プラチナタングステン合金、ステンレス、ニッケルチタニウム合金等を挙げられる。
【0027】
図2A図4Aおよび図4Bに示すように、コイルスプリング30の内部には樹脂80が充填されていると共に、コイルスプリング30の外周面には充填樹脂と同一樹脂による絶縁被覆層85が形成される。これにより、コイルスプリング30とコアワイヤ70との一体性が高まり、操作性等の向上を図れる。また、コイルスプリング30の外周面に形成された絶縁被覆層85により、その形成部分におけるコイルスプリング30の絶縁性を確保できる。
【0028】
図2Aに示すように、コイルスプリング30の基端面と、連結構造体(樹脂チューブ111)の先端面とが当接され、連結構造体の外周面を被覆している樹脂被覆層15は、コイルスプリング30の基端部分まで形成され、コイルスプリング30とカテーテルシャフト10を接続する。
【0029】
カテーテルシャフト10(シャフト先端部11)には、リング電極41~45が装着されている。リング電極41~45は、連結構造体を構成する金属リング141~145の各々の樹脂被覆層15が被覆されていない部分(製造時に剥離除去されている部分)により形成される。リング電極41~45の電極幅(軸方向長さ)は、通常0.2~1.7mmとされ、好ましくは0.5~1mm、好適な一例を示せば0.5mmとされる。
【0030】
先端電極50は、コイルスプリング30の先端に装着されている。先端電極50は、コイルスプリング30とコアワイヤ70との固着部(はんだによる先端硬直部分)の先端部分により構成される。図4Bに示すように、コイルスプリング30とコアワイヤ70との固着部の後端部分には、コイルスプリング30の外周面に絶縁被覆層85が形成されているが、当該固着部の先端部分には絶縁被覆層85が形成されていない(製造時に剥離除去されている)ため、当該先端部分により先端電極50を構成できる。
【0031】
コアワイヤ70は、導電率が1×10S/m以上、引張強度が500N/mm以上の金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなる。コアワイヤ70(導電性ワイヤ)を構成する金属の導電率は1×10S/m以上とされ、好ましくは4.5×10S/m以上とされる。構成金属の導電率が1×10S/m未満であるコアワイヤは、電極のリード線としての使用が推奨されない。
【0032】
コアワイヤ70(導電性ワイヤ)を構成する金属の引張強度は500N/mm以上とされ、好ましくは1000N/mm以上とされる。構成金属の引張強度が500N/mm未満であるコアワイヤは、電極カテーテルに要求されるコアワイヤとして十分な強度を有するものとならない。上記の導電率および引張強度を満足する金属としては、銀銅合金等を例示でき、好適な一例を示せばAg10Cu90の合金(導電率=4.5×10S/m、引張強度=1000N/mm)を挙げられる。
【0033】
コアワイヤ70の外径(d1)は、通常0.065~0.1mmとされ、好ましくは0.07~0.09mm、好適な一例を示せば0.08mmとされる。カテーテルシャフト10の外径(D)に対するコアワイヤ70の外径(d1)の比(d1/D)は、通常0.12~0.35とされ、好ましくは0.15~0.35、更に好ましくは0.18~0.28、好適な一例を示せば0.22(0.08mm/0.37mm)である。また、カテーテルシャフト10の断面積に対するコアワイヤ70の断面積の比(d1/D)は、0.0144~0.1225、好ましくは0.0225~0.1225である。
【0034】
比(d1/D)が0.15未満であると、コアワイヤを内部に挿通してなる電極カテーテルに十分な強度を付与できない。また、先端電極50(固着部)からコアワイヤが抜けやすくなる。他方、比(d1/D)が0.35を超える場合には、コアワイヤをカテーテルシャフトの内部に挿通するためのスペースを十分に確保できない。
【0035】
リング電極41~45のリード線61~65は、コアワイヤ70の構成金属と同じ金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなる。リード線61~65の外径(d2)は、0.05~0.08mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.065mmとされる。
【0036】
カテーテルシャフト10の外径(D)に対するリード線61~65の外径(d2)の比(d2/D)は0.12~0.35であり、0.12~0.27であることが好ましく、好適な一例を示せば0.176(0.065mm/0.37mm)である。また、カテーテルシャフト10の断面積に対するリード線61~65の断面積の比(d2/D)は、0.0144~0.1225、好ましくは0.0144~0.0729である。
【0037】
本実施形態の電極カテーテル100によれば、コアワイヤ70が導電率が1×10S/m以上、引張強度が500N/mm以上の金属からなる導電性ワイヤを樹脂被覆して構成され、上記比(d1/D)の値が0.15以上であることにより、当該コアワイヤ70は、コアワイヤに要求される物性(強度)と、リード線に要求される導電性とを兼ね備えたものになる。
【0038】
従って、このコアワイヤ70を、コイルスプリング30およびカテーテルシャフト10の内部に配置することにより、従来の電極カテーテルのように、コアワイヤおよびリード線をそれぞれ配置する必要がなくなり、コイルスプリングやカテーテルシャフトの外径を十分に細く、具体的には0.41mm以下にできる。
【0039】
また、上記比(d1/D)の値が0.15以上であることにより、先端電極50からコアワイヤ70が抜けることを防止できる。また、上記比(d1/D)の値が0.35以下であることにより、当該コアワイヤ70をリード線61~65と共に、カテーテルシャフト10の内部に余裕を持って挿通できる。
【0040】
また、樹脂チューブ111~116と、金属リング141~145とを、各々の端面どうしを当接させて交互に連結してなる連結構造体と、この連結構造体の外周面(リング電極41~45の形成領域を除く)を被覆する樹脂被覆層15とによりシャフト先端部11が形成されているので、当該シャフト先端部11の外周面に段差が形成されることを実質的に防止でき、シャフト先端部11の細径化を確実に図れる。また、金属リング141~145の各々の両端部には樹脂被覆層15が積層されているので、シャフト先端部11においてリング電極41~45を確実に装着できる。
【0041】
また、連結構造体(樹脂チューブ116)の基端面と、シャフト基端部12(金属チューブ)の先端面とが当接され、連結構造体の外周面を被覆する樹脂被覆層15が、シャフト基端部12の先端部分(スリット125が形成領域を含む金属チューブの先端部分)まで形成されているので、シャフト先端部11とシャフト基端部12とを確実に接続できる。また、シャフト先端部11とシャフト基端部12との接続部の外周面に段差が形成されることを実質的に防止できる。
【0042】
また、コイルスプリング30の基端面と、連結構造体(樹脂チューブ111)の先端面とが当接され、連結構造体の外周面を被覆している樹脂被覆層15は、コイルスプリング30の基端部分まで形成されているので、コイルスプリング30とカテーテルシャフト10とを確実に接続できる。
【0043】
また、リング電極41~45のリード線61~65が、コアワイヤ70の構成金属と同じ金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなり、上記の比(d2/D)が0.12以上であることにより、リード線61~65によってコアワイヤと同様の、カテーテルシャフト10の補強効果を奏する。特に、カテーテルシャフト10の基端側に向かうほどリード線の本数が増えるので、当該カテーテルシャフト10は、基端側に向かうほどシャフト強度が高くなり、基端側に向かうほど外径が太くなるコアワイヤと同様の効果を奏する。また、上記の比(d2/D)が0.27以下であることにより、リード線61~65を、カテーテルシャフト10の内部に余裕を持って挿通できる。
【0044】
図5は、以上で説明したコアワイヤ70およびリード線61~65によるシャフト先端部11の硬度傾斜または強度傾斜を模式的に示す。ここでは樹脂チューブ111~116および樹脂被覆層15の図示が省略されている(樹脂チューブ111~116については符号のみが示されている)。前述のように、シャフト先端部11の先端(図5における左端)から基端(図5における右端)に向かって、コイルスプリング30、第1金属リング141、第2金属リング142、第3金属リング143、第4金属リング144、第5金属リング145、金属チューブ12が、それぞれ第1~6樹脂チューブ111~116によって軸方向(カテーテルシャフト10の基端と先端を結ぶ方向)に隔てられて配置されている。コイルスプリング30、金属リング141~145の各間隔(各樹脂チューブ111~116の軸方向の長さ)は例えば3mmであり、各金属リング141~145の軸方向の長さは例えば0.75mm~1.25mmである。樹脂チューブ111~116および金属リング141~145によって構成される連結構造体において、各樹脂チューブ111~116の軸方向の長さに対する各金属リング141~145の軸方向の長さの比は、0.25~0.42とするのが好ましい。
【0045】
不図示の第1樹脂チューブ111が設けられるコイルスプリング30および第1金属リング141の間の第1軸方向空間には、コイルスプリング30の先端に装着された先端電極50のリード線としてのコアワイヤ70が軸方向に延在する。不図示の第2樹脂チューブ112が設けられる第1金属リング141および第2金属リング142の間の第2軸方向空間には、第1軸方向空間から基端側に延びるコアワイヤ70に加えて、第1リング電極41(第1金属リング141)の第1リード線61が軸方向に延在する。不図示の第3樹脂チューブ113が設けられる第2金属リング142および第3金属リング143の間の第3軸方向空間には、第2軸方向空間から基端側に延びるコアワイヤ70およびリード線61に加えて、第2リング電極42(第2金属リング142)の第2リード線62が軸方向に延在する。
【0046】
不図示の第4樹脂チューブ114が設けられる第3金属リング143および第4金属リング144の間の第4軸方向空間には、第3軸方向空間から基端側に延びるコアワイヤ70およびリード線61、62に加えて、第3リング電極43(第3金属リング143)の第3リード線63が軸方向に延在する。不図示の第5樹脂チューブ115が設けられる第4金属リング144および第5金属リング145の間の第5軸方向空間には、第4軸方向空間から基端側に延びるコアワイヤ70およびリード線61、62、63に加えて、第4リング電極44(第4金属リング144)の第4リード線64が軸方向に延在する。不図示の第6樹脂チューブ116が設けられる第5金属リング145および金属チューブ12の間の第6軸方向空間には、第5軸方向空間から基端側に延びるコアワイヤ70およびリード線61、62、63、64に加えて、第5リング電極45(第5金属リング145)の第5リード線65が軸方向に延在する。
【0047】
以上のように、シャフト先端部11において電極(先端電極50および第1~5リング電極41~45)が軸方向に沿って複数設けられ、シャフト基端部12に向かうほどリード線(コアワイヤ70および第1~5リード線61~65)の本数が増える。このため、前述のように、シャフト先端部11の先端側が柔軟に屈曲でき、基端側に向かうほど硬度が増すというカテーテルシャフト10としての望ましい硬度傾斜を、特殊な部材を用いることなく自然に実現できる。
【0048】
図6は、シャフト先端部11における望ましい硬度傾斜を実現する第2実施形態(図3Eの変形例に相当する)を模式的に示す。これは、図5における第5金属リング145および金属チューブ12の間の第6軸方向空間における断面図であり、図5では省略されていた第6樹脂チューブ116および樹脂被覆層15も示されている。カテーテルシャフト10の最外周に位置する樹脂被覆層15の外径がカテーテルシャフト10の外径Dである。図3Eでは中心のコアワイヤ70の周囲に第1~5リード線61~65が配置されていたが、図6ではコアワイヤ70も第1~5リード線61~65と略同一円周上に配置されている。但し、第6樹脂チューブ116の内部は空洞になっているため、コアワイヤ70および第1~5リード線61~65は図6の位置の周りで移動できる。
【0049】
カテーテルシャフト10の外径Dは例えば0.3~0.6mmであり、この時のカテーテルシャフト10の断面積は0.07~0.28mmである。コアワイヤ70の外径d1は例えば0.08mmであり、この時のコアワイヤ70の断面積は0.005mmである。第1~5リード線61~65の外径d2は例えば0.065mmであり、この時の第1~5リード線61~65の断面積は0.003mmである。
【0050】
望ましい硬度傾斜を実現するために、カテーテルシャフト10外径Dに対するコアワイヤ70の外径d1の比(d1/D)は0.133~0.267とするのが好ましく、カテーテルシャフト10の断面積に対するコアワイヤ70の断面積の比は0.018~0.072とするのが好ましい。望ましい硬度傾斜を実現するために、カテーテルシャフト10外径Dに対する第1~5リード線61~65の外径d2の比(d2/D)は0.108~0.217とするのが好ましく、カテーテルシャフト10の断面積に対する第1~5リード線61~65の断面積の比は0.012~0.047とするのが好ましい。以上の好ましい断面積比を適用した結果、コアワイヤ70および第1~5リード線61~65が存在する第6軸方向空間(第6樹脂チューブ116内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70、61~65の総断面積の比は0.077~0.309となる。
【0051】
同様に、コアワイヤ70および第1~4リード線61~64が存在する第5軸方向空間(第5樹脂チューブ115内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70、61~64の総断面積の比は0.065~0.261となる。コアワイヤ70および第1~3リード線61~63が存在する第4軸方向空間(第4樹脂チューブ114内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70、61~63の総断面積の比は0.054~0.214となる。コアワイヤ70および第1~2リード線61~62が存在する第3軸方向空間(第3樹脂チューブ113内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70、61~62の総断面積の比は0.042~0.167となる。コアワイヤ70および第1リード線61が存在する第2軸方向空間(第2樹脂チューブ112内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70、61の総断面積の比は0.030~0.119となる。コアワイヤ70が存在する第1軸方向空間(第1樹脂チューブ111内の空間)におけるカテーテルシャフト10の断面積に対する全リード線70の総断面積の比は0.018~0.072となる。
【0052】
図7および図8は、第1~5金属リング141~145を第1~5リング電極41~45としてカテーテルシャフト10の外周面に露出させる第3実施形態を模式的に示す。図8は、図7をカテーテルシャフト10の中心軸の周りに90度回転させたものである。これらの図において、第1~6樹脂チューブ111~116は樹脂チューブ110と代表的に示され、第1~5金属リング141~145は金属リング140と代表的に示され、第1~5リング電極41~45はリング電極40と代表的に示される。前述の他の実施形態と同様に、非金属チューブとしての樹脂チューブ110とリング電極40形成用の金属リング140の端面同士が当接した状態で、外側から樹脂被覆層15によって被覆されることで連結構造体が形成されている。
【0053】
樹脂被覆層15は、金属リング140の外周面の少なくとも一部を露出させる露出窓150を備える。露出窓150は、金属リング140(および樹脂チューブ110等)の全外周面を樹脂被覆層15によって被覆した後、レーザ等によって樹脂被覆層15の一部を剥離することによって形成される。露出窓150によってカテーテルシャフト10の外周面に露出された金属リング140の外周面がリング電極40となる。図8に示されるように、露出窓150すなわちリング電極40は、金属リング140の周方向に沿って複数(図8の例では二つ)形成される。これによって、カテーテルシャフト10の体内での回転角度によらず、複数のリング電極40の少なくともいずれかが体内組織や体液に接触または近接できる可能性が高まるため、リング電極40による測定や治療を効果的に行える。また、図8に示されるように、露出窓150が形成されない金属リング140の周方向範囲では、樹脂被覆層15が軸方向に繋がっている(露出窓150によって途切れていない)ため、樹脂被覆層15自体およびそれに被覆される連結構造体の強度を高められる。
【0054】
各露出窓150は、軸方向の長さL1が周方向の幅(弧長)W1より長い。図7に示されるように、各露出窓150は楕円形状とするのが好ましいが、その他の形状、例えば、長方形状、菱形状、円形状、正方形状としてもよい。金属リング140の軸方向の長さL0は例えば0.75mm~1.25mmであり、露出窓150の長径の軸方向の長さL1は例えば0.35mm~0.65mmであり、露出窓150の長径の両側の樹脂被覆層15による被覆長L2はそれぞれ例えば0.2mm~0.3mmである。各露出窓150による露出面積(すなわち各リング電極40の面積)を大きくしながら、樹脂被覆層15および連結構造体の高い強度を維持するために、金属リング140の軸方向の長さL0に対する露出窓150の軸方向の長さL1の比(L1/L0)は、0.35~0.65とするのが好ましい。
【0055】
カテーテルシャフト10の直径W0は例えば0.3mm~0.6mmであり、露出窓150の短径の周方向の幅(弧長)W1は例えば0.15mm~0.59mmであり、露出窓150の短径の両側の樹脂被覆層15による被覆幅W2はそれぞれ例えば0.31mm~0.35mmである。各露出窓150による露出面積(すなわち各リング電極40の面積)を大きくしながら、樹脂被覆層15および連結構造体の高い強度を維持するために、カテーテルシャフト10の周長(πW0)に対する露出窓150の周方向の幅(W1)の比(W1/πW0)は、0.13~0.52とするのが好ましい。露出窓150が周方向に二つ設けられている図8の例では、カテーテルシャフト10の周長(πW0)に対する二つの露出窓150の周方向の総幅(2W1)の比(2W1/πW0)は、0.26より大きくするのが好ましい。
【0056】
以上、本開示を実施形態に基づいて説明した。実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0057】
本開示は以下の項目のように表現してもよい。
【0058】
項目1:
カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの基端側に接続されたコネクタと、
前記カテーテルシャフトの先端側に接続されたコイルスプリングと、
前記カテーテルシャフトの先端部分に装着されたリング電極と、
前記コイルスプリングの先端に装着された先端電極と、
前記リング電極の内周面にその先端が接続され、前記カテーテルシャフトの内部を通って、その基端が前記コネクタに接続された前記リング電極のリード線と、
前記先端電極にその先端が接続され、前記コイルスプリングおよび前記カテーテルシャフトの内部を通って、その基端が前記コネクタに接続されたコアワイヤとを備えてなり、
前記コアワイヤは、導電率が1×10S/m以上、引張強度が500N/mm以上の金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなり、
前記カテーテルシャフトの外径(D)が0.30~0.41mmであり、
前記カテーテルシャフトの外径(D)に対する前記コアワイヤの外径(d1)の比(d1/D)が0.15~0.35であることを特徴とする電極カテーテル。
項目2:
前記カテーテルシャフトは、樹脂チューブと、前記樹脂チューブと実質的に同一の外径を有するリング電極形成用の金属リングとを、各々の端面どうしを当接させて交互に連結してなる連結構造体を有するシャフト先端部と、
金属チューブからなるシャフト基端部とにより構成されていることを特徴とする項目1に記載の電極カテーテル。
項目3:
前記シャフト先端部は、前記連結構造体と、当該連結構造体の外周面を被覆するように形成された樹脂被覆層とにより構成され、
前記金属リングの幅方向の中央部分の外周面は、当該金属リングの全周にわたり、前記樹脂被覆層が形成されないで露出しており、
露出している前記外周面により前記リング電極が構成されていることを特徴とする項目2に記載の電極カテーテル。
項目4:
前記連結構造体の基端面と、前記シャフト基端部の先端面とが当接され、この当接箇所および前記シャフト基端部の少なくとも先端部分の外周面が前記樹脂被覆層によって被覆されていることにより、前記シャフト先端部と前記シャフト基端部とが接続されていることを特徴とする項目3に記載の電極カテーテル。
項目5:
前記シャフト基端部の少なくとも先端部分に螺旋状のスリットが形成され、前記スリットの形成領域を含む前記シャフト基端部の前記外周面が前記樹脂被覆層によって被覆されていることを特徴とする項目4に記載の電極カテーテル。
項目6:
前記コイルスプリングの基端面と前記連結構造体の先端面とが当接され、この当接箇所および前記コイルスプリングの基端部分の外周面が前記樹脂被覆層によって被覆されていることにより、前記コイルスプリングと前記カテーテルシャフトとが接続されていることを特徴とする項目4または5に記載の電極カテーテル。
項目7:
前記コイルスプリングの内部に樹脂が充填されているとともに、前記コイルスプリングの外周面に充填樹脂と同一樹脂による絶縁被覆層が形成されていることを特徴とする項目1~6の何れかに記載の電極カテーテル。
項目8:
前記先端電極は、前記コアワイヤと前記コイルスプリングとを固着する固着部の、前記絶縁被覆層が形成されていない先端部分によって構成されていることを特徴とする項目7に記載の電極カテーテル。
項目9:
前記リング電極の前記リード線は、前記コアワイヤの構成金属に要求される条件を具備する金属から構成される導電性ワイヤを樹脂被覆してなり、
前記カテーテルシャフトの外径(D)に対する前記リード線の外径(d2)の比(d2/D)が0.12~0.27であることを特徴とする項目1~8の何れかに記載の電極カテーテル。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、電極カテーテルに関する。
【符号の説明】
【0060】
100 電極カテーテル、10 カテーテルシャフト、11 シャフト先端部、110~116 樹脂チューブ、140~145 金属リング、12 シャフト基端部、125
スリット、15 樹脂被覆層、20 コネクタ、30 コイルスプリング、40~45
リング電極、50 先端電極、61~65 リード線、70 コアワイヤ、80 樹脂、85 絶縁被覆層、150 露出窓。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8