(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】圧縮ガスを乾燥させるための装置及び方法、並びにそのような装置を備える圧縮機設備
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20241114BHJP
B01D 53/28 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B01D53/26 231
B01D53/28
(21)【出願番号】P 2023518977
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 IB2021058822
(87)【国際公開番号】W WO2022074507
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマンス ハンス マリア カレル
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-176235(JP,A)
【文献】特表2008-508466(JP,A)
【文献】特表2008-519929(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0229719(US,A1)
【文献】特表2018-526209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26-53/28
B01J 20/34
F04B 39/00-39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥される圧縮ガスの入口(2)及び乾燥した圧縮ガスの出口(3)を有する、圧縮ガスを乾燥させるための装置であって、前記装置(1)は、再生可能な乾燥剤(5)が内部に配置された少なくとも2つの容器(4a、4b)と、前記入口(2)及び前記出口(3)を前記容器(4a、4b)の入口(8)及び出口(9)に接続する制御可能なバルブシステム(7)とを備え、
前記バルブシステム(7)は、常時、少なくとも1つ
の容器(4b)が再生されている間に、他方の前記容器(4a)が圧縮ガスを乾燥させるようになっており、
前記バルブシステム(7)を制御することによって、前記容器(4a、4b)の各々が順番に連続的に再生され、
前記装置(1)は、再生ガスとして前記乾燥した圧縮ガスの一部を分流して、再生される前記少なくとも1つの容器(4b)を再生するために、再生される前記少なくとも1つの容器(4b)に供給する再生導管(13)を備え、
前記再生導管(13)は、前記乾燥した圧縮ガスが前記出口(9)を通って前記容器を出る前に、前記圧縮ガスを乾燥させる容器(4a)から前記再生ガスを分流させることができるように、少なくとも部分的に、前記再生ガスのために前記容器(4a、4b)に設けられた開口(14)を通って前記容器(4a、4b)の中に延び、
前記容器(4a、4b)には、前記再生ガスが前記乾燥剤(5)を通って再生される容器(4b)に供給される前に前記再生ガスを加熱するための前記再生導管(13)内に位置する加熱器(16a、16b)が設けられている、装置。
【請求項2】
前記容器(4a、4b)と前記バルブシステム(7)との間に、中間ブロック(22a、22b)が設けられ、前記中間ブロック(22a、22b)は、前記容器(4a、4b)のそれぞれの前記入口(8)
、及び
、前記
バルブシステム(7)のバルブブロック(10b)に接続する、乾燥されるガスのための通路(23)と、前記容器(4a、4b)の再生ガスのための前記開口(14)に接続する、再生ガスのための通路(24)とを備え、前記再生ガスのための通路(24)は、再生導管(13)の一部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記加熱器(16a、16b)のために電気接続部(25)が、前記中間ブロック(22a、22b)に設けられている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記容器(4a、4b)の一方の端部には、前記乾燥剤(5)のない空間(17)が設けられており、前記再生導管(13)の開放端(15)は、前記空間(17)内に位置している、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
ガスを膨張させるための手段(20)が、前記再生導管(13)の前記容器(4a、4b)の中に延びていないセクション(13b)に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置(1)は、前記再生ガスを、再生される容器(4b)を通過した後に放出するための放出バルブ(21)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記容器(4a、4b)は、外側全周及び/又は内側全周が断熱材(6)で覆われている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
断熱材(6)は、前記容器(4a、4b)と前記バルブシステム(7)との間に設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記容器(4a、4b)が二重壁であり、断熱材(6)は、前記容器(4a、4b)の前記
二重壁の間に配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記容器(4a、4b)は、外側及び/又は内側が断熱被覆で被覆されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記容器(4a、4b)の中に延びる前記再生導管(13)
のセクション(13a)は、少なくとも部分的に、前記乾燥剤の中に延びるフィン(26)の外側にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記容器(4a、4b)は、押し出し形材によって形成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記再生可能な乾燥剤は、シリカゲル、活性アルミナ(activated alumina)、又は分子篩材料(molecular sieve)の粒状体の形態をとる、又は、前記乾燥剤は、セラミック材料、紙、ガラス繊維、金網、又はそれらの組み合わせの固体支持体を含む固形形態を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
圧縮されるガスのための入口(28)と、圧縮したガスのための圧力導管(30)を備える出口(29)とを有する圧縮機(27)を備えた圧縮機設備であって、
前記圧縮機設備は、乾燥したガスを前記装置(1)の前記出口(3)を介して消費者ネットワークに供給するために前記装置(1)を通過する、前記圧縮機(27)によって供給される圧縮ガスの流れを乾燥するための請求項1から13のいずれか一項による装置(1)を備え、前記圧力導管(30)は、前記装置(1)の入口(2)に接続する、圧縮機設備。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の装置を用いて、圧縮ガスを乾燥させる方法であって、前記方法は、乾燥される圧縮ガスを容器(4a)に通し、他方の容器(4b)を再生するステップを含み、前記方法は、それぞれ順番に連続して前記容器(4a、4b)を再生させることから成り、前記方法は、前記乾燥した圧縮ガスの一部を分流し、前記分流されたガスを再生される容器(4b)に導くステップを含み、前記方法は、それ自体が乾燥している前記容器(4a)内の前記乾燥した圧縮ガスを、前記乾燥した圧縮ガスのための前記出口(9)を通って前記容器(4a)を出る前に、分流するステップと、前記容器(4a、4b)内に配置された加熱器(16a、16b)を用いて、それ自体が再生される前記容器(4b)内の前記ガスを加熱するステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記方法は、前記容器(4a、4b)を再生される前又はその後に冷却するステップを含み、前記容器(4a、4b)の各々は、連続的に、
乾燥させ、再生され、及び冷却される、又は
乾燥させ、冷却され、及び再生される、
のいずれかであり、
前記方法は、常に1つの容器(4a)が圧縮ガスを乾燥させるようになっている、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスを乾燥させる装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、圧縮機から発生する圧縮ガスを乾燥させることを対象とする。
【背景技術】
【0003】
このような装置は、乾燥器とも呼ばれ、各々が所定量の再生可能な乾燥剤又はデシカント(desiccant)を含む、2又は3以上の別々の容器を備え、容器は、各々、交互に及び順番に、乾燥される圧縮ガスをその中を通って導くこと及び再生させることで、圧縮ガスを乾燥させるために動作し、乾燥剤は、再生ガスとも呼ばれる高温ガスと接触させることにより再生されることが知られている。
【0004】
ここでの再生とは、乾燥剤から水分を排出する再生ガスと接触させることによって、水分で飽和した又はほぼ飽和した乾燥剤から、吸着物質すなわち吸着水分を除去するプロセスを意味する。その後、乾燥剤は、乾燥のために再利用することができる。
【0005】
導管及びバルブの適切なシステムによって、2つの容器を切り替えることができる。
【0006】
乾燥した圧縮ガスの一部を再生導管によって分流し、再生ガスとして使用する装置は既に知られている。
【0007】
この再生導管には、再生ガスを加熱するための加熱器が配置されることが多い。
【0008】
再生ガスを加熱することで、必要な再生ガスが少なくなり、乾燥した圧縮ガスの損失も少なくなるが、このような配置にはいくつかの欠点がある。
【0009】
第1に、加熱器は、再生ガスを加熱するだけでなく、損失によって周囲の空気、結果として間接的に容器も加熱することになり、再生していないこれらの容器には勿論、望ましくない。
【0010】
この損失により、再生ガスの温度を十分に高くするために、加熱器はより高い温度で作動する必要がある、又は、乾燥剤が許容時間内に十分に再生できるように、より多くの再生ガスを分流する必要がある。
【0011】
さらなる欠点は、高温ガスは、再生導管の加熱器によって加熱された後、再生される容器に到達する前に、依然としてバルブ又は弁(ventil)を通過する必要があることである。
【0012】
その結果、これらのバルブは、特殊な耐熱バルブである必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の欠点及び他の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、乾燥される圧縮ガスの入口及び乾燥した圧縮ガスの出口を有する、圧縮ガスを乾燥させるための装置であり、装置は、再生可能な乾燥剤が内部に配置された少なくとも2つの容器と、入口及び出口を容器の入口及び出口に接続する制御可能なバルブシステムとを備え、バルブシステムは、常時、少なくとも1つ容器が再生されている間に、他方の容器が圧縮ガスを乾燥させるようになっており、バルブシステムを制御することによって、容器の各々が順番に連続的に再生され、装置は、再生ガスとして乾燥した圧縮ガスの一部を分流して、再生される少なくとも1つの容器を再生するために、再生される少なくとも1つの容器に供給する再生導管を備え、再生導管は、圧縮ガスを乾燥させる容器から再生ガスを分流させることができるように、少なくとも部分的に、再生ガスのために容器に設けられた開口を通って容器の中に延び、容器には、再生ガスが乾燥剤を通って再生される容器に供給される前に再生ガスを加熱するための再生導管内に位置する加熱器が設けられている。
【0015】
従って、再生ガスは、関連する容器自体で分岐される、すなわち、容器の内部から再生導管を通って、再生される容器に供給される。
【0016】
容器の各々は、順番に乾燥する及び再生されることになるので、再生導管は、少なくとも部分的に各容器の中に延び、各容器内の再生ガスを分岐できるようになる。
【0017】
利点は、加熱器の熱損失が、再生する容器で終わること、すなわち、まさにこの熱が望まれ有用である位置で終わることである。
【0018】
容器の外側に位置する加熱器で通常失われる熱は、今度は、それぞれの容器に含まれる乾燥剤及び再生ガスを追加的に加熱することになる。
【0019】
その結果、加熱器の温度を低い値に設定すること及び/又は再生ガスの量を少なくすることができる。
【0020】
再生される容器の加熱器だけがオンになることに留意することが重要である。
【0021】
圧縮ガスを乾燥させる容器又は冷却される容器では、加熱器はオフになる。
【0022】
別の利点は、加熱されたガスがバルブ又は弁を通ることなく即座に容器に入ることである。従って、特別な耐熱バルブを設ける必要はない。
【0023】
最も好ましい実施形態では、容器とバルブシステムとの間に、中間ブロックが設けられ、中間ブロックは、容器のそれぞれの入口及びバルブブロックに接続する、乾燥されるガスのための通路と、容器の再生ガスのための開口に接続する、再生ガスのための通路とを備え、再生ガスのための通路は、再生導管の一部である。
【0024】
乾燥されるガスは、再生ガスが容器に入る又は出る場所と同じ側で容器に入り、容器の中に延びる再生導管のセクションは、乾燥されるガスが再生導管を通って分流される前に乾燥剤を通過して結果的に乾燥することを保証するために長いセクションとして設計される。
【0025】
その結果、再生導管のセクションには、加熱器を収容するのに十分なスペースが存在することになる。
【0026】
容器の乾燥されるガスのための入口及び再生ガスのための通路の形状、位置及び設計、従って、中間ブロックの乾燥されるガスのための通路及び再生ガスのための通路の形状、位置及び設計は、好適に選択することが可能であることに留意することが重要である。
【0027】
実際的な実施形態では、容器の一方の端部の容器には、乾燥剤のない空間が設けられており、再生導管の開放端は、この空間に位置している。
【0028】
これは、再生ガスが効率的かつ円滑に分流すること、再生導管の開放端が乾燥剤で塞がれない又は詰まらないことを保証することになる。
【0029】
加えて、これは、再生される容器に行き着く再生ガスが、乾燥剤の上に適切に分散することも保証することになる。
【0030】
また、本発明は、圧縮されるガスのための入口と、圧縮したガスのための圧力導管を備える出口とを有する圧縮機(27)を備えた圧縮機設備に関し、圧縮機設備は、乾燥したガスを装置の出口を介して消費者ネットワークに供給するために装置を通過する、圧縮機によって供給される圧縮ガスの流れを乾燥するための本発明による装置を備え、圧力導管は、装置の入口に接続する。
【0031】
このような圧縮機設備は、本発明による装置の対応する利点を有することになる。
【0032】
本発明は、本発明による装置を用いて、圧縮ガスを乾燥させる方法に関し、本方法は、乾燥される圧縮ガスを容器に通し、他方の容器を再生するステップを含み、本方法は、それぞれ順番に連続して容器を再生させることから成り、本方法は、乾燥した圧縮ガスの一部を分流し、分流されたガスを再生される容器に導くステップを含み、本方法は、それ自体が乾燥している容器内の乾燥した圧縮ガスを分流するステップと、容器内に配置された加熱器を用いて、それ自体が再生される容器内のガスを加熱するステップと、を含む。
【0033】
好ましくは、本方法は、容器を再生前に又はその後に冷却するステップを含み、容器の各々は、連続的に、
乾燥させ、再生され、及び冷却される、又は
乾燥させ、冷却され、及び再生される、
のいずれかであり、本方法は、常に1つの容器が圧縮ガスを乾燥させるようになっている。
【0034】
このような方法の利点は、本発明による装置の利点と同様である。
【0035】
本発明の特徴をより良く示すことを目的として、以下には、非限定的な例として、添付図面を参照して、圧縮ガスを乾燥するための本発明による装置及び方法、並びにそのような装置を備える圧縮機設備のいくつかの好ましい実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1に示す本発明による装置1は、例えば圧縮機から生じる、乾燥されることになる圧縮ガスのための入口2と、乾燥した圧縮ガスのための出口3とを備える。
【0038】
この場合、装置1は、再生可能な乾燥剤5を収容する2つの容器4a、4bを備える。この場合、再生可能な乾燥剤5は、粒状である。
【0039】
再生可能な乾燥剤5は、シリカゲルの粒状体の形態をとることができる。
【0040】
別の可能性は、活性化アルミナ(activated alumina)又は分子篩(molecular sieve)材料である。
【0041】
また、乾燥剤は、セラミック材料、紙、ガラス繊維、又は金網の固体支持体を含む固形形態とすることができる。
【0042】
上記の全ての組み合わせも可能である。
【0043】
本発明では、容器4a、4bが3以上存在することは排除されない。
【0044】
容器4a、4bは、好ましくは、押し出し形材から製造される。
【0045】
この場合、本発明では必須ではないが、容器4a、4bは、その外側全周が断熱材6で被覆されている。
【0046】
追加的に又は代替的に、容器4a、4bは、その内側全周が断熱材6で被覆されることも可能である。
【0047】
また、容器4a、4bは二重壁であり、容器4a、4bの二重壁の間に断熱材が配置されること、及び/又は、容器4a、4bは、その外側及び/又は内側が断熱被覆で被覆されることも可能である。
【0048】
また、この断熱選択肢の2又は3以上の組み合わせも除外されない。
【0049】
装置1は、制御可能なバルブシステム7をさらに備える。制御可能なバルブシステム7は、一方で、装置1の入口2と出口3との間、他方で、容器4a、4bの入口8と出口9との間の接続をもたらす。
【0050】
この例では、制御可能なバルブシステム7は、容器4a、4bに接続される2つのバルブブロック10a、10bの形で具現化され、各々は、バルブ12又は遮断バルブを有するパイプ11の回路網で構成される。
【0051】
この場合、2つのバルブブロック10a、10bが存在し、これらは、容器4a、4bの入口8及び出力9が位置する容器4a、4bの反対端に接続される。
【0052】
このバルブシステム7は、常に少なくとも1つの容器4aが再生され、他方の容器4bが圧縮ガスを乾燥するようになっており、それに従って、バルブシステム7を制御することによって、容器4a、4bの各々は、順番に連続的に再生される。
【0053】
これは、例えば、バルブブロック10a、10bのバルブ12を適切に切り替えることによって行われる。これは、図示の例では、バルブ12が2つの異なる位置の間で切り替え可能であるために可能となる。このため、装置1は、図示しない制御ユニットを備える。
【0054】
図示の例では、容器4a、4bとバルブシステム7との間にも断熱材6が設けられている。
【0055】
さらに、装置1は、再生導管13を備え、再生導管13は、再生される少なくとも1つの容器4bの再生のために、乾燥した圧縮ガスの一部を再生ガスとして分流させて再生される少なくとも1つの容器4bの中に供給する。
【0056】
本発明によれば、再生導管13は、少なくとも部分的に、そこに供給される再生ガスのための容器4a、4bの開口14を通って、容器4a、4bの中に延びる。
【0057】
換言すれば、再生導管13の開放端15は、容器4a、4bの内部に位置している。
【0058】
このようにして、容器4aの乾燥圧縮ガスから再生ガスが分流されることになる。
【0059】
再生導管13の開放端15は、容器4a、4bの出口9の近くに位置している。
【0060】
さらに、両方の容器には、加熱器16a、16bが設けられており、この加熱器は、再生ガスが再生される容器4b内の乾燥剤5を通って導かれる前に再生ガスを加熱するために、再生導管13内に位置している。
【0061】
容器4a、4b内には、その一方の端部に乾燥剤5がない空間17が設けられている。換言すれば、容器は乾燥剤5で完全に満たされていない。
【0062】
再生導管13の開放端15は、この空間17に位置している。これは、圧縮ガスを乾燥させる容器4aからの再生ガスの分流を容易にすると共に、再生される容器4bの乾燥剤5を通る再生ガスの最適な分散を保証することにもなる。
【0063】
容器4a、4b内の空間17の生成は、様々な方法で行うことができる。
【0064】
図示の例では、乾燥剤5が粒状体を含む場合、これは容器4a、4b内に配置された篩18又は格子によって達成され、乾燥剤5の全てが篩18の片側に位置する。
【0065】
篩18の開口は、ガスが篩18を通過できるが粒状体は通過できないように粒状体より小さく、篩18は、容器4a、4bの全断面にわたって広がっている。
【0066】
その結果、粒状体は、常に全て篩18の同じ側にあり、篩18の反対側には常に粒状体が存在しないことになる。
【0067】
また、篩18を粒状体に対して押し付けるバネ19が存在する。篩18は、ここでは、容器4a、4b内で移動可能に配置されている。
【0068】
篩18の助けにより、例えば乾燥剤5が水分で飽和している場合に、乾燥剤5の体積変化を吸収することができる。
【0069】
また、篩18は粒状体を圧縮することになり、ガスが粒状体に最適に接触するので、吸着及び再生は、効率的に進むことになる。
【0070】
この場合、再生導管13の容器4a、4bの中に延びないセクション13bのガスを膨張させるために、手段20が設けられている。
【0071】
これらの手段20は、流量制限器又は膨張弁を含むことができる。
【0072】
この場合、装置1は、再生される容器4bを通過した後の再生ガスを放出するためのベントバルブ21を備える。
【0073】
また、再生ガスは、再生される容器4bを通過した後に、装置1の入口2に戻すことも可能である。
【0074】
図示の例では、各容器4a、4bとバルブシステム7との間には中間ブロック22a、22bが配置されている。
【0075】
この場合、このような中間ブロック22a、22bは、バルブシステム7のバルブブロック10bと各容器4a、4bとの間に配置される。
【0076】
各中間ブロック22a、22bは、それぞれの容器4a、4bの入口8とバルブブロック10bとに連通する乾燥されるガス用通路23と、容器4a、4bの再生ガス用開口14に連通する再生ガス用通路24とを有する。
【0077】
この再生ガス用通路24は、再生導管13の一部を形成するか、又は代替的に、再生導管13は、この再生ガス用通路24を貫通する。
【0078】
乾燥されるガスは、再生ガスが容器4a、4bに入る又はそこから出る場所と同じ側で容器4a、4bに入り、容器4a、4bの中に延びる再生導管13のセクション13aは、乾燥されるガスが再生導管13を通って分流される前に、乾燥剤5を通過して結果的に乾燥することを保証するために長いセクションとして設計されている。
【0079】
その結果、再生導管13のセクション13aには、加熱器16a、16bを収容するのに十分なスペースが存在することになる。
【0080】
また、中間ブロック22a、22bには、加熱器16a、16bの電気接続部25が設けられている。
【0081】
電気接続部25は、加熱器16a、16bに、詳細にはそこに設けられた電力供給用の接続部に接続され、加熱器16a、16bに必要な電源、この場合は電力を供給できるようになっている。
【0082】
この場合、本発明では必須ではないが、加熱器16a、16bは、バルブ12を制御する制御ユニットによって制御される、すなわちオン・オフされる。
【0083】
勿論、加熱器16a、16bのために特別に別個の制御ユニットを設けることは排除されない。
【0084】
加熱器16a、16bを調節又は制御するために、制御ユニットは、加熱器16a、16b自体に、又は電気接続部25に接続することができる。
【0085】
最後に、この場合、容器4a、4bの中に延びる再生導管13のセクション13aは、外側に乾燥剤5の中に延びるフィン26を備える。
【0086】
この場合、これらのフィン26は、半径方向に向いており、再生導管13の一部分にわたって軸方向に延びている。
【0087】
フィン26は、加熱器16a、16bから発生した熱を容器内に最適に分散させることを保証する。
【0088】
装置1の動作は非常に単純であり、以下の通りである。
【0089】
圧縮機から発生する乾燥される圧縮ガスは、入口2を通って装置1に入ることになる。
【0090】
この圧縮ガスは、バルブブロック10bを通って容器4a、4bに導かれることになる。
【0091】
それによって、ブロック10bのバルブ12は、ガスが、乾燥用の容器4aにのみ行くことができるように制御される。
【0092】
この容器4a内を通過する間、ガスは、乾燥剤5と緊密に接触し、それによってこのガス中に存在する水分は乾燥剤5によって吸収又は吸着されることになる。
【0093】
乾燥した圧縮ガスは、容器4aを出て、ブロック10aの導管11及びバルブ12を通って出口3に流れ、例えば、図示しない消費者ネットワークに排出されることになる。
【0094】
容器4aで行われる乾燥プロセスと同時に、再生される容器4bも存在することになり、この容器4bは、飽和又はほぼ飽和した乾燥剤5を含んでいる。この容器は、これまで乾燥したガスを有していたことになる。
【0095】
この容器4bを再生するために、再生ガスが使用され、このガスは、この場合、再生導管13によって分流される。
【0096】
この再生導管13は、乾燥中の容器4aから乾燥した圧縮ガスの一部を分流させることになる。
【0097】
再生導管13の開放端15が空間17に位置するため、乾燥した圧縮ガスは、圧縮ガスが乾燥剤5を通過した後にのみ分流させることができる。
【0098】
再生導管13は、分流された再生ガスを、再生される容器4bに導くことになる。
【0099】
容器4b内の加熱器16bはオンとなり、容器4bの中に延びる再生導管13のセクション13aで、分流された再生ガスが加熱されることになる。
【0100】
なお、容器4a内の加熱器16aはオフである。
【0101】
容器4bは断熱されているため、加熱器16bで発生した熱は、容器4bから逃げることができない又はほとんど逃げることができないことになる。換言すれば、損失が生じないことになり、他方の容器4aは意図せず加熱されず、この損失を補うために加熱器を高く設定する必要がない。
【0102】
このようにして加熱されたガスは、容器4bに入り、この容器4bを通過することになり、吸着又は吸収された水分を排出することによって乾燥剤5を再生することになる。
【0103】
容器4bを通過した後、ガスは、バルブブロック10bを通ってベントバルブ21に向かって送られて放出される。
【0104】
容器4bを再生した後、再生された乾燥剤5は、比較的高い温度を有することになる。
【0105】
低温の乾燥剤5は高温の乾燥剤5よりも良く乾燥することができるので、再びそれぞれの容器4bを乾燥に使用する前に、乾燥剤5を最初に冷却する方が装置1の効率のためによい。
【0106】
従って、好ましくは、容器4a、4bは、再生される前に又はその後に冷却され、それに従って、バルブシステム7を制御することによって、各容器4a、4bは、連続的に、
-乾燥させ、再生され、冷却される、
-乾燥させ、冷却され、再生される、
のいずれかであり、バルブシステム7は、常に1つの容器4a、4bが圧縮ガスを乾燥させるようになっている。
【0107】
冷却は、再生と同じ方法で行われることになり、それによって容器4b内の加熱器16bはオフにされる。
【0108】
容器4aからの分流された乾燥圧縮ガスは、今度は加熱されずに、容器4bを冷却するための冷却ガスとして使用される。
【0109】
分流されたガスは、この容器4bを通過することになり、このガスは、乾燥剤5を冷却することになる。また、容器4bを通過した後、このガスは放出される。
【0110】
容器4bが冷却され、容器4aが水分で飽和状態になると、この容器4aを再生することが必要となる。
【0111】
バルブ2を切り替えることによって、再生ガスがこの容器4aに供給され、上述のプロセスに従って再生を行うことを可能にすること、及び乾燥される圧縮ガスが、このガスを乾燥させるために、今度は、再生及び冷却された容器4bに移送されることを保証することができる。
【0112】
上述の切り替えサイクルは、各容器4a、4bが連続して乾燥させ、次に再生され、その後冷却され、その後再びガスの乾燥に使用できるように、連続的に繰り返されることになる。
【0113】
バルブ12の制御は、プロセスを最適化するために、装置1の動作パラメータ及び/又は負荷率の関数として適合させることができることに留意することが重要である。
【0114】
例えば、圧縮機から排出される圧縮ガスの湿度に基づいて、制御することができる。
【0115】
この制御は、例えば、必要なセンサ及びコントローラを設けることによって、自動的に行い得ることは明らかである。
【0116】
上述のように、容器4a、4bは、再生後に冷却されるが、再生される前にまず容器が冷却されることは除外されない。
【0117】
図2は、
図1による変形例を示し、この場合、4つの容器4a、4b、4c、4dが存在する。これらは、
図1の容器4a、4bのように、ペアでグループ化されて接続されている。
【0118】
最初の2つの容器4a、4bは、他の2つの容器4c、4dと並列に接続されている。
【0119】
また、この図では、入口28及び出口29を有する圧縮機27と、出口29に接続されて装置1の入口2につながる圧力ライン30とが示されている。
【0120】
動作は
図1のものに非常に類似しており、この場合、2つの容器4a、4cは、現在、以前から乾燥しているが、他の2つの容器4b、4dは再生又は冷却されることになる。
【0121】
本発明は、例示的に説明され、図示された実施形態に限定されるものではなく、本発明による圧縮ガスを乾燥するための装置及び方法、並びにこのような装置を備える圧縮機設備は、本発明の範囲から逸脱することなくあらゆる種類の変形例で実現することが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 装置
2 入口
3 出口
4a、4b 容器
5 乾燥剤
7 バルブシステム
8 入口
9 出口
13 再生導管
16a、16b 加熱器