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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電動式建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20241114BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
E02F9/00 C
E02F9/20 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023556632
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 JP2022040132
(87)【国際公開番号】W WO2023074793
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2021177458
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】堀井 康孝
(72)【発明者】
【氏名】木原 聖一
(72)【発明者】
【氏名】木村 庄吾
(72)【発明者】
【氏名】桑原 拓真
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-065445(JP,A)
【文献】特開2004-225355(JP,A)
【文献】国際公開第2005/064092(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0119911(KR,A)
【文献】特開2017-014687(JP,A)
【文献】特開平08-158407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な車体と、前記車体の前側に設けられた作業装置とからなり、
前記車体は、動力源となる電動モータと、前記電動モータに供給される電力を貯えるバッテリと、前記電動モータまたは前記バッテリに電力を供給するための給電ケーブルが接続される給電口と、を備えてなる電動式建設機械において、
前記車体の周囲を監視するカメラと、
前記カメラによる撮像画像を表示するモニタとを備え、
前記車体には、前記車体または前記作業装置が作動していることを表示する作業灯が設けられ、
前記カメラは、前記給電口よりも高い位置で前記車体に取付けられ、前記車体の周囲と共に、前記給電口および前記作業灯を撮像することを特徴とする電動式建設機械。
【請求項2】
一端が前記給電ケーブルの接続口に接続され、他端が前記給電口に接続される中継ケーブルを備え、
前記給電口は、前記中継ケーブルを介して前記給電ケーブルに接続可能であり、
前記カメラは、前記車体の周囲と共に、前記給電口、前記作業灯、前記中継ケーブルの前記一端および前記他端を撮像することを特徴とする請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項3】
前記カメラは、前記給電口よりも前側の位置で前記車体の後方に向けて配置され、前記車体の後方と共に、前記給電口および前記作業灯を撮像することを特徴とする請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項4】
前記車体には、運転席が設けられ、
前記作業灯は、前記運転席よりも後側の位置に設けられ、
前記カメラは、前記車体の周囲と共に、前記給電口および前記作業灯を撮像することを特徴とする請求項に記載の電動式建設機械。
【請求項5】
自走可能な車体と、前記車体の前側に設けられた作業装置とからなり、
前記車体は、動力源となる電動モータと、前記電動モータに供給される電力を貯えるバッテリと、前記電動モータまたは前記バッテリに電力を供給するための給電ケーブルが接続される給電口と、を備えてなる電動式建設機械において、
前記車体の周囲を監視するカメラと、
前記カメラによる撮像画像を表示するモニタとを備え、
前記車体には、運転席と、前記運転席よりも後側に位置して前記車体または前記作業装置が作動していることを表示する作業灯とが設けられ、
前記カメラは、前記給電口よりも前側の位置で前記車体の後方に向けて配置され、前記車体の後方と共に、前記給電口および前記作業灯を撮像することを特徴とする電動式建設機械。
【請求項6】
前記車体の後側には、前記車体の上面から上方に突出し、前記給電ケーブルを支持するケーブル支持部材が設けられ、
前記カメラは、前記給電口よりも前側の位置で前記車体の後方に向けて配置され、かつ、前記ケーブル支持部材よりも高い位置に配置され、前記車体の後方と共に、前記給電口、前記作業灯、および前記ケーブル支持部材を撮像することを特徴とする請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項7】
前記ケーブル支持部材は、前記車体に設けられ上方に立上がるスタンド部と、前記スタンド部から離れる方向に延び前記給電ケーブルを支持するアーム部とを含んで構成され、
前記カメラは前記アーム部を撮像することを特徴とする請求項6に記載の電動式建設機械。
【請求項8】
前記車体の後側には、前記車体の上面から上方に突出し、前記中継ケーブルを支持するケーブル支持部材が設けられ、
前記カメラは、前記中継ケーブルの前記一端および前記他端よりも前側の位置で前記車体の後方に向けて配置され、かつ、前記ケーブル支持部材よりも高い位置に配置され、前記車体の後方と共に、前記給電口、前記作業灯、前記中継ケーブルの前記一端、前記他端および前記ケーブル支持部材を撮像することを特徴とする請求項2に記載の電動式建設機械。
【請求項9】
前記車体には、運転席と、前記運転席を少なくとも上方から覆う運転席カバーとが設けられ、
前記カメラは前記運転席カバーに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項10】
前記車体には、運転席と、前記運転席を内部に収容するキャブとが設けられ、
前記キャブは、前記運転席を後方から覆う後面と、前記運転席を上方から覆う上面とを備え、
前記カメラは、前記キャブの前記後面と前記上面とが交わる後上角部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項11】
自走可能な車体と、前記車体の前側に設けられた作業装置とからなり、
前記車体は、動力源となる電動モータと、前記電動モータに供給される電力を貯えるバッテリと、前記電動モータまたは前記バッテリに電力を供給するための給電ケーブルが接続される給電口と、を備えてなる電動式建設機械において、
前記車体の周囲を監視するカメラと、
前記カメラによる撮像画像を表示するモニタとを備え、
前記カメラは、前記給電口よりも高い位置で前記車体に取付けられ、前記車体の周囲と共に、前記給電口を撮像し、
前記車体には、運転席と、前記運転席よりも後側に位置して前記車体または前記作業装置が作動していることを表示する作業灯とが設けられ、
前記車体の後側には、前記車体の上面から前記給電口よりも上方に突出し、前記給電ケーブルを支持するケーブル支持部材が設けられ、
前記作業灯は、前記給電口と前記ケーブル支持部材との間に配置されていることを特徴とする電動式建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動力源として電動モータを備えた油圧ショベル等の電動式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体の前側に設けられた作業装置とを備えている。近年では、地球温暖化、大気汚染を抑制する対策として、電動モータを動力源とする電動式油圧ショベルが実用化されている。この電動式油圧ショベルは、電動モータによって油圧ポンプを駆動することにより、油圧アクチュエータに作動用の圧油を供給する。
【0003】
電動式油圧ショベルは、通常、電動モータ、バッテリおよび充電器を備え、外部電源からの電力は、充電器、モータ制御装置等を介して電動モータに供給され、余剰の電力はバッテリに充電される。電動モータは、外部電源やバッテリからの電力によって駆動されることにより油圧ポンプを駆動し、電動式油圧ショベルは、上部旋回体を旋回させつつ作業装置を用いて土砂の掘削作業等を行う。
【0004】
このため、電動式油圧ショベルは、車体に外部電源からの電力を供給するための給電口が設けられ、外部電源から延びる給電ケーブルは、給電口に着脱可能に接続される。これにより、電動式油圧ショベルは、外部電源からの電力をバッテリに充電したり、外部電源からの電力によって電動モータを駆動しつつ余剰の電力をバッテリに充電することができる(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-160502号公報
【文献】特開2018-84099号公報
【発明の概要】
【0006】
このように、電動式油圧ショベルは、給電口に給電ケーブルが接続された状態で作業を行うことがある。この場合、走行する車体による給電ケーブルの踏みつけ、あるいは上部旋回体の旋回時における給電ケーブルの巻き込み等によって給電ケーブルが損傷してしまう可能性がある。このため、電動式油圧ショベルに搭乗するオペレータは、電動式油圧ショベルを運転するにあたり給電口への給電ケーブルの接続の有無をいち早く知る必要がある。
【0007】
しかし、通常、給電口は作業装置よりも後ろに設けられ、給電口に接続された給電ケーブルが車体前側に設けられた作業装置と接触することを防いでいる。例えば、特許文献1による電動式油圧ショベルでは、給電口(外部電源接続部)が外装カバーの側面部のうち、旋回フレームと運転席との間となる高さ位置に設けられている。特許文献2による電動式油圧ショベルでは、給電口(端子箱の接続端子)が運転席後の機械室を形成する外装カバーのうち上側を覆う上部カバーの前部側に設けられている。このように、運転席に搭乗したオペレータの視線方向(作業装置がある前側)と異なる位置に給電口がある場合には、給電口へ給電ケーブルが接続されているか否かの確認を行う際には、運転席に座ったオペレータが体を給電口が配置されている方向へ反転させて確認することが必要になってしまい、作業効率が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、電動式油圧ショベルは電動モータを動力源としているため、エンジン搭載機と比較して稼働時の騒音が低い。このため、電動式油圧ショベルが稼働している状況または、稼働し始める状況でありながら、電動式油圧ショベルが停止していると誤認した周囲の作業者が、給電口から給電ケーブルを取り外すために給電口へ接近する可能性がある。この場合には、オペレータは給電口への給電ケーブルの接続の状況と共に、車体の周囲の状況を逐次確認しなければならず、こちらも作業効率が低下してしまう問題となる。
【0009】
本発明の目的は、作業効率を低下させずに給電口の給電ケーブルの接続の状況と車体の周囲の状況を確認できるようにした電動式建設機械を提供することにある。
【0010】
本発明は、自走可能な車体と、前記車体の前側に設けられた作業装置とからなり、前記車体は、動力源となる電動モータと、前記電動モータに供給される電力を貯えるバッテリと、前記電動モータまたは前記バッテリに電力を供給するための給電ケーブルが接続される給電口と、を備えてなる電動式建設機械において、前記車体の周囲を監視するカメラと、前記カメラによる撮像画像を表示するモニタとを備え、前記車体には、前記車体または前記作業装置が作動していることを表示する作業灯が設けられ、前記カメラは、前記給電口よりも高い位置で前記車体に取付けられ、前記車体の周囲と共に、前記給電口および前記作業灯を撮像することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、車体の周囲を監視するカメラの撮像範囲に給電口を入れることができ、車体の周囲の映像と共に給電口、あるいは給電口に接続された給電ケーブルを撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による電動式油圧ショベルを示す右側面図である。
図2図1中のカメラ、給電ケーブル、ケーブル支持部材等を示す拡大図である。
図3】電動式油圧ショベルを、作業装置を取り外した状態で後方から見た背面図である。
図4】キャブの内部を示す一部破断の左側面図である。
図5】カメラを構成するカメラ本体、カメラカバー等を示す断面図である。
図6】キャブのカメラ取付座、カメラ本体、カメラカバー等を示す分解斜視図である。
図7】カメラの前後方向の撮像範囲を示す電動式油圧ショベルの右側面視図である。
図8】カメラの左右方向の撮像範囲を示す電動式油圧ショベルの背面図である。
図9】第1の変形例による電動式油圧ショベルの中継ケーブルを示す右側面図である。
図10】第2の変形例による電動式油圧ショベルの給電ケーブルを示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態による電動式建設機械を、電動式油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施形態では、電動式油圧ショベルの走行方向を前後方向とし、走行方向と直交する方向を左右方向として説明する。
【0014】
電動式建設機械を代表する電動式油圧ショベル1は、前後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とを備えている。電動式油圧ショベル1の車体は、下部走行体2と上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前側には、スイング式の作業装置4が設けられ、この作業装置4を用いて土砂の掘削作業等が行われる。
【0015】
スイング式の作業装置4は、後述する旋回フレーム5の前側に左右方向に揺動可能に設けられたスイングポスト4Aを有している。スイングポスト4Aには、ブーム4Bが回動可能に取付けられ、ブーム4Bの先端には、アーム4Cが回動可能に取付けられ、アーム4Cの先端には、バケット4Dが回動可能に取付けられている。また、作業装置4は、スイングポスト4Aを揺動させるスイングシリンダ(図示せず)と、ブーム4Bを回動させるブームシリンダ4Eと、アーム4Cを回動させるアームシリンダ4Fと、バケット4Dを回動させるバケットシリンダ4Gとを備えている。
【0016】
上部旋回体3は、下部走行体2に旋回装置を介して旋回可能に搭載され、下部走行体2上で旋回動作を行う。上部旋回体3は、ベースとなる旋回フレーム5を備え、旋回フレーム5には、後述するキャブ6、カウンタウエイト11、外装カバー12、電動モータ13、油圧ポンプ14、バッテリ15等が搭載されている。
【0017】
ここで、図3に示すように、上部旋回体3の左右方向の幅寸法は、下部走行体2の車幅よりも小さな寸法に設定されている。これにより、電動式油圧ショベル1は、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回したときに、カウンタウエイト11の後面11Aが、下部走行体2の車幅の120%以内に収まる後方超小旋回仕様の油圧ショベルとして構成されている。
【0018】
運転席カバーとしてのキャブ6は、旋回フレーム5の左側に配置されている。キャブ6は、前面6A、後面6B、左側面6C、右側面6D、上面6Eによって囲まれたボックス状に形成され、オペレータが搭乗する運転室を形成している。図4に示すように、キャブ6内には、オペレータが座る運転席7、下部走行体2の走行動作を制御する走行用レバー・ペダル8、上部旋回体3の旋回動作、および作業装置4の動作を制御する作業用操作レバー9、後述のカメラ23が撮像した画像等を表示するモニタ10等が設けられている。ここで、キャブ6の前面6Aは、運転席7を前方から覆い、後面6Bは運転席7を後方から覆い、左側面6Cおよび右側面6Dは運転席7を側方から覆い、上面6Eは運転席7を上方から覆っている。キャブ6の後面6Bと上面6Eとが交わる後上角部6Fには、2個の雌ねじ穴を有するカメラ取付座6Gが設けられ、このカメラ取付座6Gには、カメラ23が取付けられている(図6参照)。
【0019】
カウンタウエイト11は、キャブ6よりも後側に位置して旋回フレーム5の後端に設けられている。カウンタウエイト11は、旋回フレーム5の前側に設けられた作業装置4との重量バランスを保っている。カウンタウエイト11は、旋回フレーム5の後端から上方に立上がり、バッテリ15等を後方から覆っている。カウンタウエイト11の後面11Aは、左右方向の中央部が後方に突出した円弧状をなしている。これにより、上部旋回体3が旋回したときに、カウンタウエイト11の後面11Aは一定の旋回半径内に収まる。
【0020】
ここで、カウンタウエイト11は、上部旋回体3の後方超小旋回を実現するため、上部旋回体3の旋回中心に近い前寄りに配置され、キャブ6の後面6Bとカウンタウエイト11の後面11Aとの間隔は、後方超小旋回仕様ではない油圧ショベルに比較して狭くなっている。カウンタウエイト11の上面11Bには、後述する給電口16、ケーブル支持部材19、作業灯22が設けられている。
【0021】
外装カバー12は、カウンタウエイト11の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。外装カバー12は、電動モータ13、油圧ポンプ14、バッテリ15等をカウンタウエイト11と共に覆っている。外装カバー12は、電動モータ13、油圧ポンプ14、バッテリ15等を右側および上側から覆う右外装カバー12Aと、バッテリ15等を左側から覆う左外装カバー12Bとを含んで構成されている。
【0022】
給電口16は、カウンタウエイト11の上面11Bの左側に設けられている。給電口16には、外部電源(図示せず)から延びる給電ケーブル17が接続される。給電口16は、カウンタウエイト11の上面11Bから上方に突出した直方体のケーシング16Aに保持され、上面11Bの上方から右斜め下向きに延びている。外装カバー12内には、外部電源からの電力をバッテリ15に充電する充電器(図示せず)が設けられ、この充電器と給電口16との間は、ケーブル(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0023】
給電ケーブル17は、中継ケーブル18を介して外部電源と給電口16との間を電気的に接続している。給電ケーブル17の一端は外部電源に接続され、給電ケーブル17の他端には、接続口としてのコネクタ17Aが取付けられている。中継ケーブル18は、給電ケーブル17と給電口16との間を接続している。中継ケーブル18の一端にはコネクタ18Aが取付けられ、中継ケーブル18の他端にはコネクタ18Bが取付けられている。中継ケーブル18のコネクタ18Aは、給電ケーブル17のコネクタ17Aに接続され、中継ケーブル18のコネクタ18Bは、給電口16に接続されている。中継ケーブル18は、上部旋回体3の外部に露出した状態で、給電ケーブル17の他端と給電口16との間を接続している。
【0024】
これにより、給電口16は、中継ケーブル18を介して給電ケーブル17に接続される。外部電源からの電力は、給電ケーブル17、中継ケーブル18、給電口16、充電器、モータ制御装置等(いずれも図示せず)を介して電動モータ13に供給され、余剰の電力はバッテリ15に充電される。従って、電動モータ13は外部電源からの電力によって駆動され、油圧ポンプ14を駆動する。これにより、電動式油圧ショベル1は、中継ケーブル18が給電口16に接続された状態で、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。このとき、給電口16に接続された中継ケーブル18の途中部位は、ケーブル支持部材19によって支持される。
【0025】
ケーブル支持部材19は、運転席7よりも後側に位置して上部旋回体3に設けられている。具体的には、ケーブル支持部材19は、給電口16から右方に離間してカウンタウエイト11の上面11Bに設けられ、給電口16に接続された中継ケーブル18の途中部位を支持している。これにより、下部走行体2の走行時における給電ケーブル17の踏み付け、上部旋回体3の旋回時における給電ケーブル17の巻き込み等の発生が低減されている。ケーブル支持部材19は、スタンド部19Aと、アーム部20とを含んで構成され、カウンタウエイト11の上面11Bから給電口16よりも上方まで突出している。
【0026】
スタンド部19Aは、カウンタウエイト11の上面11Bに固定されている。スタンド部19Aは、例えばパイプ材を用いて形成され、カウンタウエイト11の上面11Bから鉛直上方に立上がっている。アーム部20は、スタンド部19Aの上端に、スタンド部19Aの軸心を中心として水平方向に回動可能に取付けられている。アーム部20は、スタンド部19Aの軸心から離れる方向に延び、アーム部20の先端には、ケーブルクランプ21が設けられている。
【0027】
ケーブルクランプ21は、アーム部20の先端に設けられている。ケーブルクランプ21は、ヒンジ機構等(図示せず)によって開閉可能となった一対のクランプ部材を有し、この一対のクランプ部材によって中継ケーブル18を外周側から挟み込んで把持する。従って、ケーブルクランプ21のクランプ部材を開閉させることにより、ケーブル支持部材19に対して中継ケーブル18を容易に着脱させることができる。このようにして、給電ケーブル17に接続された中継ケーブル18を、アーム部20に設けたケーブルクランプ21によって把持することにより、ケーブルクランプ21と給電口16との間に中継ケーブル18の適度な弛みを与えることができる。
【0028】
作業灯22は、運転席7よりも後側に位置して上部旋回体3に設けられている。ここで、作業灯22は、上部旋回体3のうち給電口16に接続された中継ケーブル18側、具体的には、給電口16とケーブル支持部材19との間に位置してカウンタウエイト11の上面11Bに設けられている。作業灯22は、カウンタウエイト11の上面11Bから上方に突出し、下部走行体2の走行時あるいは上部旋回体3の旋回時、作業装置4の作動時(電動式油圧ショベル1の稼働時)に点灯する。これにより、電動式油圧ショベル1の周囲の作業者に対し、電動式油圧ショベル1が作動中であることを表示(報知)する。
【0029】
この場合、作業灯22は、上部旋回体3のうち給電口16に接続された中継ケーブル18が給電口16から延びる側に設けられている。これにより、例えば夜間作業時において、電動式油圧ショベル1の稼働時に点灯する作業灯22からの光により、給電口16、ケーブル支持部材19、給電口16とケーブル支持部材19(ケーブルクランプ21)との間に配置された中継ケーブル18等を明るく照らすことができる構成となっている。しかも、作業灯22を給電口16とケーブル支持部材19との間に配置することにより、後方超小旋回仕様の電動式油圧ショベル1において、カウンタウエイト11の上面11Bが狭くなる場合でも、給電口16、ケーブル支持部材19、作業灯22を、左右方向に隣接させて効率良く配置することができる。
【0030】
次に、本実施形態に用いられるカメラ23について説明する。
【0031】
カメラ23は、給電口16よりも高く、かつケーブル支持部材19よりも高い位置で上部旋回体3に取付けられ、給電口16よりも前側の位置で上部旋回体3の後方に向けて配置されている。具体的には、カメラ23は、キャブ6の後面6Bと上面6Eとが交わる後上角部6Fに取付けられている。カメラ23は、下部走行体2および上部旋回体3からなる車体の周囲を撮像し、この車体の周囲(例えば、車体後方)の画像をキャブ6内のモニタ10に映し出す。運転席7に座ったオペレータは、モニタ10に映し出された車体後方の画像を目視することにより、例えば運転席7から体を反転させて後方を目視することなく、車体後方の状況を把握することができる。
【0032】
図5および図6に示すように、カメラ23は、後述のカメラ本体24と、カメラカバー25と、底面板30とを含んで構成されている。カメラ本体24は、例えばCCDカメラ等により構成され、2本のスタッドボルト24Aが突設されている。カメラ本体24は、カメラカバー25を介してキャブ6の後上角部6Fに取付けられている。カメラ本体24は、コントローラ(図示せず)を介してモニタ10に接続され、電動式油圧ショベル1の車体の後方と共に、給電口16、ケーブル支持部材19のアーム部20、作業灯22を撮像し、これらの画像をモニタ10に映し出す。
【0033】
カメラカバー25は、カメラ本体24を覆った状態で、キャブ6の後上角部6Fに設けられたカメラ取付座6Gに取付けられている。カメラカバー25は、カメラ取付座6Gを介してキャブ6の後上角部6Fに固定され、後方へと突出したベース部26と、ベース部26の後端(突出端)から斜め下向きに連続するカメラ取付部27とを含んで構成されている。
【0034】
ベース部26は、左側面板26Aおよび右側面板26Bと、左側面板26Aおよび右側面板26Bの上端間を連結する上面板26Cとにより、下側が開口した枠状に形成されている。ベース部26の前端には前面板26Dが設けられ、前面板26Dには、キャブ6のカメラ取付座6Gに形成された2個の雌ねじ穴に対応する2個のボルト挿通孔26Eが設けられている。また、右側面板26Bの下側には、下端が開口したグロメット取付溝26Fが形成されている。
【0035】
カメラ取付部27は、左側面板27Aおよび右側面板27Bと、左側面板27Aおよび右側面板27Bの上端間を連結する上面板27Cとにより、下側が開口した枠状に形成されている。上面板27Cには、カメラ本体24のスタッドボルト24Aが挿通される2個のボルト挿通孔27Dが設けられている。また、左側面板27Aおよび右側面板27Bの後側下端には、両者間を連結する底板取付板27Eが固定され、底板取付板27Eには2個のナット27Fが溶接されている。
【0036】
カメラ本体24は、カメラ取付部27のボルト挿通孔27Dに2本のスタッドボルト24Aを挿通し、スタッドボルト24Aにナット28を螺着することにより、カメラカバー25に固定される。そして、ベース部26のボルト挿通孔26Eにボルト29を挿通し、ボルト29をキャブ6のカメラ取付座6Gに螺着することにより、カメラ本体24が、カメラカバー25を介してキャブ6の後上角部6Fに固定されている。
【0037】
底面板30は、カメラカバー25の下端に取付けられ、カメラ本体24を下方から覆っている。底面板30はJ字型に屈曲した板体からなり、底面板30の後端側には、カメラ取付部27の底板取付板27Eに設けられたナット27Fに対応する2個のボルト挿通孔30Aが設けられている。そして、底面板30のボルト挿通孔26Eにボルト31を挿通し、このボルト31を、カメラ取付部27(底板取付板27E)に設けられたナット27Fに螺着することにより、底面板30がカメラカバー25に固定される。これにより、カメラ本体24は、底面板30によって下方から覆われている。
【0038】
カメラカバー25のベース部26(右側面板26B)に設けられたグロメット取付溝26Fには、環状のグロメット32が取付けられている。グロメット32の内周側には、カメラ本体24とモニタ10との間をコントローラ(図示せず)を介して接続するカメラケーブル33が挿通されている。これにより、カメラケーブル33は、カメラカバー25に直接的に接触することがなく、グロメット32によって保護されている。
【0039】
このようにして、本実施形態によるカメラ23は、上部旋回体3のうち地上高さが最大となるキャブ6の上面6Eと等しい高さ位置で、キャブ6の後上角部6Fに取付けられている。従って、カメラ23は、カウンタウエイト11の上面11Bに設けられた給電口16よりも高く、かつケーブル支持部材19よりも高い位置で、給電口16よりも前側に位置して上部旋回体3の後方に向けて配置されている。これにより、カメラ23(カメラ本体24)は、図7および図8中にハッチングを付した撮像範囲A、即ち、下部走行体2の車幅よりも大きく、キャブ6の上面6Eよりも下側で、かつキャブ6の後面6Bよりも後方において給電ケーブル17が地面に接するまで広い範囲を撮像することができる。従って、カメラ23は、電動式油圧ショベル1の車体後方と共に、カウンタウエイト11の上面11Bに設けられた給電口16、作業灯22、ケーブル支持部材19のアーム部20、給電口16に接続された中継ケーブル18、中継ケーブル18のコネクタ18A,18B、および給電ケーブル17を撮像することができる。
【0040】
ここで、電動式油圧ショベル1は、後方超小旋回仕様であるため、キャブ6の後面6Bとカウンタウエイト11の後面11Aとの間隔が狭くなっている。このため、カメラ23をキャブ6の後上角部6Fに取付けた場合でも、カウンタウエイト11の後面11Aの真後ろまで撮像することができる。従って、オペレータは、モニタ10に映し出された映像により、給電ケーブル17(コネクタ17A)に対する中継ケーブル18(コネクタ18A)の接続状況、給電口16に対する中継ケーブル18の接続状況、下部走行体2の走行時における給電ケーブル17の踏みつけ、上部旋回体3の旋回時における給電ケーブル17の巻き込み等を確認することができる構成となっている。
【0041】
本実施形態による電動式油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、以下、電動式油圧ショベル1の動作について説明する。
【0042】
作業現場に外部電源がある場合には、外部電源から延びる給電ケーブル17の接続口であるコネクタ17Aに、中継ケーブル18の一端に取付けられたコネクタ18Aが接続され、中継ケーブル18の他端に取付けられたコネクタ18Bが、電動式油圧ショベル1の給電口16に接続される。これにより、外部電源からの電力が、モータ制御装置等(図示せず)を介して電動モータ13に供給され、電動モータ13は、外部電源からの電力によって油圧ポンプ14を駆動する。
【0043】
この状態で、オペレータが走行用レバー・ペダル8を操作することにより、電動式油圧ショベル1を作業現場まで走行させることができる。電動式油圧ショベル1が作業現場まで移動した後には、オペレータが作業用操作レバー9を操作することにより、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4によって土砂等の掘削作業を行うことができる。
【0044】
電動式油圧ショベル1の稼働時には、キャブ6の後上角部6Fに取付けられたカメラ23により、図7および図8中にハッチングを付した車体後方の撮像範囲Aが撮像される。この撮像範囲Aには、給電口16、ケーブル支持部材19のアーム部20、作業灯22、中継ケーブル18、中継ケーブル18のコネクタ18A,18B、および給電ケーブル17が含まれる。従って、オペレータは、モニタ10に映し出された映像により、給電ケーブル17(コネクタ17A)に対する中継ケーブル18(コネクタ18A)の接続状況、給電口16に対する中継ケーブル18(コネクタ18B)の接続状況、ケーブル支持部材19のアーム部20によって中継ケーブル18が適正に支持されているか否か、下部走行体2の走行時における給電ケーブル17の踏みつけ、上部旋回体3の旋回時における給電ケーブル17の巻き込み等を的確に把握することができる。
【0045】
さらに、電動式油圧ショベル1が稼働中であるにも関わらず、何らかの原因によって作業灯22が点灯していない状況、あるいは電動式油圧ショベル1が停止状態であると誤認した作業者が不用意に給電口16に接近するといった事態も、モニタ10によって把握することができる。この結果、オペレータは、運転席7から体を反転させて後方を確認する必要がなく、前方を目視した状態で走行用レバー・ペダル8、作業用操作レバー9を操作して電動式油圧ショベル1の動作を制御できるので、掘削作業等の作業効率を高めることができる。
【0046】
かくして、本実施形態では、下部走行体2および上部旋回体3からなる自走可能な車体と、上部旋回体3の前側に設けられた作業装置4とからなり、上部旋回体3は、動力源となる電動モータ13と、電動モータ13に供給される電力を貯えるバッテリ15と、電動モータ13またはバッテリ15に電力を供給するための給電ケーブル17が中継ケーブル18を介して接続される給電口16と、を備えてなる電動式油圧ショベル1において、下部走行体2および上部旋回体3の周囲を監視(撮像)するカメラ23と、カメラ23による撮像画像を表示するモニタ10とを備え、カメラ23は、給電口16よりも高い位置で上部旋回体3に取付けられ、下部走行体2および上部旋回体3の周囲と共に、給電口16を撮像することを特徴としている。
【0047】
この構成によれば、下部走行体2および上部旋回体3の周囲を監視(撮像)するカメラ23の撮像範囲A内に給電口16が入るので、下部走行体2および上部旋回体3の周囲の画像と共に、給電口16、給電口16に接続された中継ケーブル18、中継ケーブル18に接続された給電ケーブル17を撮像することができる。これにより、カメラ23によって撮像された給電口16、中継ケーブル18、給電ケーブル17等を、キャブ6内に配置されたモニタ10に映し出すことができる。この結果、オペレータは、運転席7から後方を振り返ることなく、モニタ10に映し出された給電口16、中継ケーブル18、給電ケーブル17等の状況を確認しつつ、電動式油圧ショベル1を用いて掘削作業等を行うことができ、その作業効率を高めることができる。
【0048】
実施形態では、カメラ23は、給電口16よりも前側の位置で下部走行体2および上部旋回体3の後方に向けて配置され、下部走行体2および上部旋回体3の後方と共に給電口16を撮像する。この構成によれば、オペレータは、運転席7から後方に向けて体を反転させることなく、カメラ23によって撮像された給電口16、中継ケーブル18、給電ケーブル17等をモニタ10によって常に確認しつつ、電動式油圧ショベル1を用いて掘削作業等を行うことができる。
【0049】
実施形態では、上部旋回体3には、運転席7と、運転席7よりも後側に位置して下部走行体2、上部旋回体3または作業装置4が作動していることを表示する作業灯22とが設けられ、カメラ23は、下部走行体2および上部旋回体3の周囲あるいは後方と共に、給電口16および作業灯22を撮像する。この構成によれば、カメラ23によって撮像された作業灯22をモニタ10によって確認することができ、電動式油圧ショベル1が稼働中であるにも関わらず、何らかの原因によって作業灯22が点灯していない状況、あるいは電動式油圧ショベル1が停止状態であると誤認した作業者が不用意に給電口16に接近する事態を把握することができる。
【0050】
実施形態では、上部旋回体3の後側には、カウンタウエイト11の上面11Bから上方に突出し、中継ケーブル18を支持するケーブル支持部材19が設けられ、カメラ23は、中継ケーブル18の一端(コネクタ18A)および他端(コネクタ18B)よりも前側の位置で上部旋回体3の後方に向けて配置され、かつ、ケーブル支持部材19よりも高い位置に配置され、下部走行体2および上部旋回体3の後方と共に、給電口16、中継ケーブル18のコネクタ18A,18Bおよびケーブル支持部材19を撮像する。この構成によれば、電動式油圧ショベル1を用いて掘削作業を行う場合に、給電ケーブル17と中継ケーブル18との接続状況および給電口16と中継ケーブル18との接続状況等に加え、中継ケーブル18がケーブル支持部材19によって適正に支持されているか否かを、モニタ10に映し出されたケーブル支持部材19の画像によって確認することができる。

【0051】
実施形態では、ケーブル支持部材19は、カウンタウエイト11に設けられ上方に立上がるスタンド部19Aと、スタンド部19Aから離れる方向に延び給電ケーブル17を支持するアーム部20とを含んで構成され、カメラ23はアーム部20を撮像する。この構成によれば、ケーブル支持部材19のアーム部20によって中継ケーブル18が適正に支持されているか否かを、モニタ10に映し出すことができる。
【0052】
実施形態では、上部旋回体3には、運転席7と、運転席7を少なくとも上方から覆うキャブ6が設けられ、カメラ23はキャブ6に設けられている。この構成によれば、給電口16よりも高い位置にカメラ23を取付けるための専用の部材を用いることなく、キャブ6を利用して、カメラ23を給電口16よりも高い位置に取付けることができ、給電口16を確実に撮像することができる。
【0053】
実施形態では、上部旋回体3には、運転席7と、運転席7を内部に収容するキャブ6とが設けられ、キャブ6は、運転席7を後方から覆う後面6Bと、運転席7を上方から覆う上面6Eとを備え、カメラ23は、キャブ6の後面6Bと上面6Eとが交わる後上角部6Fに設けられている。この構成によれば、上部旋回体3のうちキャブ6の上面6Eよりも下側で、かつキャブ6の後面6Bよりも後方となる広い範囲をカメラ23の撮像範囲Aとすることができる。従って、例えば電動式油圧ショベル1の走行時における給電ケーブル17の踏み付け、上部旋回体3の旋回時における給電ケーブル17の巻き込み等をカメラ23によって的確に撮像し、モニタ10に映し出すことができる。
【0054】
実施形態では、上部旋回体3の後側には、カウンタウエイト11の上面11Bから給電口16よりも上方に突出し、中継ケーブル18を支持するケーブル支持部材19が設けられ、作業灯22は、給電口16とケーブル支持部材19との間に配置されている。この構成によれば、例えば夜間作業時において、作業灯22からの光により、給電口16とケーブル支持部材19との間に配置された中継ケーブル18を明るく照らすことができる。
【0055】
ここで、実施形態では、カウンタウエイト11の上面11Bから上方に突出したケーシング16Aに給電口16を取付け、この給電口16に対し、給電ケーブル17に接続された中継ケーブル18のコネクタ18Bを接続する構成を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図9に示す第1の変形例のように構成してもよい。
【0056】
即ち、第1の変形例では、上部旋回体3の外部に配置された中継ケーブル41の一端にコネクタ41Aが取付けられ、コネクタ41Aには、給電ケーブル17のコネクタ17Aが接続されている。中継ケーブル41の他端には他のコネクタ(図示せず)が取付けられ、前記他のコネクタは給電口16に接続されている。これにより、外部電源からの電力は、給電ケーブル17、中継ケーブル41、給電口16、モータ制御装置等(いずれも図示せず)を介して電動モータ13に供給され、余剰の電力はバッテリ15に充電される。また、コネクタ41Aが取付けられた中継ケーブル41の一端側は、ケーブル支持部材19によって支持されている。
【0057】
この場合、カメラ23は、中継ケーブル41のコネクタ41Aよりも前側の位置で上部旋回体3の後方に向けて配置され、かつ、ケーブル支持部材19よりも高い位置に配置され、下部走行体2および上部旋回体3の後方と共に、中継ケーブル41のコネクタ41A、ケーブル支持部材19を撮像する。これにより、中継ケーブル41のコネクタ41Aと給電ケーブル17のコネクタ17Aとが確実に接続されているか否か、中継ケーブル41がケーブル支持部材19によって適正に支持されているか否かを、モニタ10に映し出された画像によって確認することができる。
【0058】
また、実施形態では、給電口16と給電ケーブル17の間を中継ケーブル18を介して接続する構成を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す第2の変形例のように構成してもよい。
【0059】
即ち、第2の変形例では、中継ケーブルを介在させることなく、給電ケーブル17の他端に取付けられたコネクタ17Aを給電口16に直接的に接続し、給電ケーブル17の中間部をケーブル支持部材19によって支持する構成としてもよい。
【0060】
この場合、カメラ23は、給電口16よりも前側の位置で上部旋回体3の後方に向けて配置され、かつ、ケーブル支持部材19よりも高い位置に配置され、下部走行体2および上部旋回体3の後方と共に、給電ケーブル17のコネクタ17A、ケーブル支持部材19を撮像する。これにより、給電口16と給電ケーブル17のコネクタ17Aとが確実に接続されているか否か、給電ケーブル17がケーブル支持部材19によって適正に支持されているか否かを、モニタ10に映し出された画像によって確認することができる。
【0061】
なお、実施形態では、カメラ23をキャブ6の後上角部6Fに取付けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば運転席を上方から覆うキャノピを備えた電動式油圧ショベルにおいて、キャノピの後端部にカメラを取付ける構成としてもよい。また、例えば上部旋回体の後部に給電口よりも上方まで延びるブラケットを取付け、このブラケットの上端側にカメラを取付ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
6 キャブ(運転席カバー)
6B 後面
6E 上面
6F 後上角部
7 運転席
10 モニタ
13 電動モータ
15 バッテリ
16 給電口
17 給電ケーブル
17A コネクタ(接続口)
18,41 中継ケーブル
18A,41A コネクタ(一端)
18B コネクタ(他端)
19 ケーブル支持部材
19A スタンド部
20 アーム部
22 作業灯
23 カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10