(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2024067400
(22)【出願日】2024-04-18
【審査請求日】2024-04-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】100209794
【氏名又は名称】三瓶 真弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽平
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健
(72)【発明者】
【氏名】早川 徹
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陽平
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-043183(JP,A)
【文献】特開2001-027647(JP,A)
【文献】特開2008-059559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を
、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知部と、
を備え、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定部は、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記予め設定された条件は、過去に前記通知部により前記即時払い通知が通知された前記特大事故に対応する前記加速度データ、前記車種データおよび前記車価データに基づいて学習されている、
ことを特徴とする請求項
1に記載の支援装置。
【請求項3】
支援装置による支援方法であって、
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を
、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知ステップと、
を備え、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定ステップでは、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とする支援方法。
【請求項4】
コンピュータを、
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得部、
前記取得部で取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を
、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知部、
として機能させ、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定部は、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車が走行している間、進行方向等の映像を記録可能なドライブレコーダーと呼ばれる装置がある。ドライバは、自身が運転する自動車に当該ドライブレコーダーを取り付けておくことで、事故発生時の状況説明や事故が生じた原因の推定等に役立てることができる。例えば、特許文献1には、事故とは関係のないタイミングで映像が記録されてしまうことを防止し、映像を記録すべき衝撃の発生有無を高精度に検出するとともに、保険金の支払いに役立てるドライブレコーダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライブレコーダーにより記録された映像は、総合センタにて分析される。そして、事故状況に応じて、当該総合センタのオペレータにより、ロードサービス提供会社や救急機関(消防署や民間の救急サービス提供会社)等に連絡され、事故の対応が行われることとなる。また、ドライブレコーダーで記録された映像は、保険会社においても分析され、当該事故状況に応じて過失割合等が算出される。そのため、特許文献1に記載のドライブレコーダーでは、過失割合等が算出可能な程度の映像が記録され、この映像と実際の調査に基づいて保険金の支払いが行われる。しかしながら、大事故の中でも特別な全損事故などの緊急性を要する事故の場合、保険金までの支払いに時間を要し、事故対応の迅速性を確保するといった点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、事故対応の迅速性を確保することができる支援装置、支援方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る支援装置は、
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知部と、を備え、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定部は、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記予め設定された条件は、過去に前記通知部により前記即時払い通知が通知された前記特大事故に対応する前記加速度データ、前記車種データおよび前記車価データに基づいて学習されている、
ようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る支援方法は、
支援装置による支援方法であって、
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知ステップと、を備え、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定ステップでは、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
車両の加速度を示す加速度データと前記車両に対応する契約データとを取得する取得部、
前記取得部で取得した前記加速度データと前記契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、前記特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を、ネットワークを介して前記車両に対応する保険会社の端末へ通知する通知部、として機能させ、
前記特大事故は、前記車両の補償内容が全損となる事故であり、
前記判定部は、前記加速度データ、前記契約データに含まれる前記車両の車種を示す車種データおよび前記車両の価格を示す車価データ、により示される内容が、予め設定された条件を満たす場合に、前記特大事故であると判定する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、事故対応の迅速性を確保することができる支援装置、支援方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係る記録システムの一例を示す図である。
【
図2】実施の形態において車両内部から前方に向いた状態を示す模式図である。
【
図3】実施の形態に係るドライブレコーダーの一例を示す図である。
【
図4】実施の形態に係るドライブレコーダーの機能ブロック図である。
【
図5】実施の形態に係る総合センタサーバの機能ブロック図である。
【
図6】実施の形態に係る処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態に係る加速度測定部で検出された加速度の一例を示す図であり、(A)は、前後方向加速度の一例を示す図であり、(B)は、左右方向加速度の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る加速度測定部で検出された加速度の一例を示す図であり、(A)は、前後方向加速度の一例を示す図であり、(B)は、左右方向加速度の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態に係る送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態に係る解析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態に係る特大事故判定条件一覧の一例を示す説明図である。
【
図12】実施の形態に係る支払い処理の一例を示すフローチャートであり、(A)は、通常支払い処理の一例を示すフローチャートであり、(B)は、即時支払い処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中同一または対応する部分には同一符号を付す。
【0016】
図1は、この実施の形態に係る記録システムの一例を示す図である。この実施の形態に係る記録システム1では、ドライブレコーダー10(
図2、
図3参照)が保険契約者の車両1000に搭載されており、当該ドライブレコーダー10は、無線通信にてネットワーク(公衆回線網等を含む)を介して、クラウドのストレージサーバ(図示省略)および総合センタサーバ30に接続する。なお、この実施の形態では、ドライブレコーダー10が無線通信にてネットワーク(公衆回線網等を含む)を介して、クラウドのストレージサーバ(図示省略)および総合センタサーバ30に接続する例を示しているが、例えば、同様の機能を有するミラー型の専用端末装置を用意して、ミラー1300(
図2参照)の代わりに設置するようにしてもよい。ドライブレコーダー10は、衝撃に基づいて映像を記録し、クラウドのストレージサーバへと記録した映像を必要な情報とともに送信する。
【0017】
クラウドのストレージサーバには、本顧客サービス用のデータ格納領域が確保される。より具体的には、車両1000に搭載されているドライブレコーダー10毎に、総合センタサーバ30等によってアクセス可能なデータ格納領域が確保される。
【0018】
総合センタサーバ30は、1又は複数のコンピュータで構成されており、総合センタに設置され且つ総合センタの各オペレータによって操作される端末装置(図示省略)に接続されている。また、総合センタのオペレータは、車両1000に搭載されているドライブレコーダー10、ロードサービス提供会社や救急機関(消防署や民間の救急サービス提供会社)等と、例えば端末装置に接続されたヘッドセット等を用いて通話できるようになっている。総合センタは、事故の状況に応じた事故対応のサービスを提供する。総合センタサーバ30は、支援装置に対応する。また、総合センタサーバ30は、ネットワークを介して各保険会社の事故分析装置と端末とが接続されており、各種データを送受信可能である。
【0019】
ネットワークには、図示は省略しているが、ロードサービス提供会社システムおよび救急機関システム等も接続されており、それらも、総合センタサーバ30からの要求に応じて、クラウドのストレージサーバにおいて指定されたデータ格納領域からデータを取得するようになっている。また、当該ネットワークには、図示は省略しているが、保険会社の事故分析装置と端末とが接続されている。事故分析装置は、事故車両である車両1000(以下の説明において、便宜上「自車」と呼ぶことがある)が備えるセンサにより計測される車両データと、車両1000のドライブレコーダー10が備えるカメラで撮影された映像データとを、クラウドのストレージサーバからネットワークを介して取得し、取得した車両データと映像データとに基づいて、車両1000が起こした事故の状況を分析する機能を有している。
【0020】
端末は、例えば保険会社のオペレータ等が操作する端末であり、事故分析装置が分析した事故の状況、事故の状態に対応する事故事例、および事故分析装置が生成した画像を表示する。端末は、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等、ディスプレイを備えた情報処理装置であればあらゆる情報処理装置を用いることができる。なお、事故分析装置および端末は、総合センタサーバ30からの通知(後述する通常支払い通知または即時支払い通知)に応じて、保険金の支払いを行う処理を開始する。
【0021】
図2に、車両1000内において車両1000の前方向を見た状態を示す。ドライブレコーダー10にはカメラが含まれており、図示するように、少なくとも車両1000の進行方向の映像を撮影することができるよう、車両1000のフロント部分又はフロントガラスに取り付けられている。カメラは、車両1000の側面方向および後方を撮影可能なものであってもよい。なお、
図2に示すように、車両1000の内部には、周知の自動診断システム1400(例えば、OBD(On-Board Diagnostic system -II))が搭載されており、当該自動診断システム1400は、ドライブレコーダー10と接続するものとする。
【0022】
図3に、ドライブレコーダー10の一例を示す。ドライブレコーダー10の正面には、撮影装置15(カメラ)のレンズが設けられている。固定部20は、車両1000のフロントガラスにドライブレコーダー10を固定するための土台である。加速度センサ(
図4に示す加速度測定部1160)が測定する前後方向の加速度は、X軸方向の加速度に該当する。同様に、左右方向の加速度は、Y軸方向の加速度に該当し、上下方向の加速度は、Z軸方向の加速度に該当する。
【0023】
図4に、この実施の形態に係るドライブレコーダー10の機能ブロック図を示す。車両1000に搭載されるドライブレコーダー10は、第1通信部1110と、第2通信部1120と、測位部1130と、録画部1140と、録音部1150と、加速度測定部1160と、自動診断データ取得部1170と、制御部1180と、判定部1180Aと、記憶部1200とを有する。
【0024】
この実施の形態に係るドライブレコーダー10は、ドライブレコーダー10が取り付けられた車両1000の加速度および車速を取得し、取得した加速度および車速に基づいて、映像を記録すべき衝撃が生じたか否かを判定する。また、映像を記録すべき衝撃が生じた場合、衝撃が生じたと判定したタイミングの前後の映像データを記録する。
【0025】
制御部1180は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサから構成され、記憶部1200に格納されたプログラム(図示省略)に従って、本顧客サービスに関連する処理を、各構成要素に対して実行させる。また、制御部1180は、判定部1180Aを有する。判定部1180Aは、加速度測定部1160で測定された加速度および車速が、記憶部1200に記憶されている判定基準データに含まれる複数の事故種別(小事故、中事故、大事故)の各々に対応する判定基準のうち、少なくともいずれか一つに該当する場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する機能を有する。より具体的に、判定部1180Aは、加速度および車速が、小事故(第1事故種別)に対応する判定条件、中事故(第2事故種別)に対応する判定条件、および、大事故(第3事故種別)に対応する判定条件のうち、少なくともいずれか一つに該当する場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。その他、判定部1180Aは、車両の判定や付則条件の判定など、各種判定を行う機能を有する。
【0026】
小事故とは、車両1000に加わる衝撃が小さい事故であり、例えば、概ね10km以下程度の極低速での衝突事故や、実際に衝突に至らないまでもドライバが急ブレーキをかけて車両を停車させたような状態を想定している。中事故とは、車両1000に加わる衝撃が中程度の事故であり、例えば、衝突時の速度が10km~20km程度の事故を想定している。大事故とは、エアバックが開放するレベルの事故であり、例えば、衝突時の速度が20km以上の事故を想定している。
【0027】
なお、小事故、中事故および大事故の定義は一例にすぎず、本実施形態が、これに限定されるものではない。また、小事故、中事故および大事故の定義を説明する際に用いた衝突時の速度は、説明の都合上、衝撃の大きさをイメージし易くするために用いたに過ぎず、これに限定されるものではない。本実施形態は、小事故、中事故および大事故という3段階の分類に限定されず。車両1000に加わる衝撃の大きさによって、更に多くの事故種別に分類されてもよい。
【0028】
第1通信部1110は、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)等により総合センタ等と通話するための通信部である。但し、一般的な携帯電話器の通話機能である場合もある。また、第2通信部1120は、例えばパケットにてデータをクラウドのストレージサーバに送信する機能を有する。
【0029】
さらに、測位部1130は、制御部1180によって指示されると例えばGPS(Global Positioning System)等によって車両1000の絶対位置(例えば緯度経度)を取得し、記憶部1200に格納する。
【0030】
録画部1140は、例えばドライブレコーダー10に搭載されている撮影装置15(カメラ)より撮影される動画像のデータ(映像データ)を記憶部1200に格納する。録音部1150は、マイクから入力される音のデータを記憶部1200に格納する。録音部1150は、録画部1140と一体化されている場合もある。また、録画部1140は、例えば制御部1180によって作動を指示されると継続的に録画を行い、記憶部1200に格納するものとする。制御部1180は、特定の時刻より前一定時間の映像データと当該特定の時刻以降一定時間の映像データとを併せて抽出できるものとする。録音部1150についても同様である。録画部1140は、車両1000外部の動画像と車両1000内部の動画像とを撮影可能である。
【0031】
加速度測定部1160は、例えば加速度センサにより加速度の値を測定し、制御部1180に出力する。自動診断データ取得部1170は、制御部1180によって指示されると、車両1000内部に搭載されている自動診断システム1400から自動診断データを取得する。なお、自動診断データに、車両1000の車速を示す車速データが含まれていてもよい。
【0032】
記憶部1200は、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)および/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置から構成され、予め機器データとして、企業名、組織名、車両登録番号、ドライバ識別子(ID)、電話番号等を格納しており、制御部1180による指示に応じて各構成要素が取得するデータも格納する。記憶部1200は、判定部1180Aが事故の有無を判定する際に用いる各種の判定基準データと、撮影装置15(カメラ)で撮影された映像である映像データとを格納する。
【0033】
その他、図示は省略しているが、ドライブレコーダー10は、操作ボタンやタッチパネル等、情報の入力を受け付ける入力部(当該入力デバイスに録音部1150が含まれていてもよい)や、ディスプレイやスピーカ等情報を出力する機能を備えた出力部を有している。
【0034】
図5に、総合センタサーバ30の機能ブロック図を示す。総合センタサーバ30は、機能部として、受信部311と、車両抽出部312と、契約者データベース(DB)313と、データ取得部314と、データ格納部315と、データ出力処理部316と、入力処理部317と、解析処理部318と、外部通知処理部319と、対処データ格納部320と、通話処理部321と、保険会社通知部322とを有する。総合センタサーバ30は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)および/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)、入力操作を受け付ける入力デバイス、および情報の出力を行う出力デバイスを有し、これらが共働してこれらの機能部を実現する。なお、総合センタサーバ30の機能については端末装置と連携して実現する場合もあるので、端末装置側に設けられる機能が存在する場合もある。
【0035】
受信部311は、所定の電話番号に宛てた、ドライブレコーダー10からの着信を受け付け、ドライブレコーダー10の電話番号を発信番号通知により特定し、当該電話番号を車両抽出部312に出力する。なお、受信部311は、ドライブレコーダー10からの着信については、予め定められたルールに基づき応対可能なオペレータの端末装置に転送する。
【0036】
契約者DB313は、例えば電話番号と、契約データと、クラウドのストレージサーバにおけるデータ格納領域を特定するためのアクセス情報(例えばURI(Uniform Resource Identifier))とを対応付けて格納する。アクセス情報の少なくとも一部については、電話番号や車両の登録番号等から何らかの関数にて特定するようにしても良い。なお、契約者DB313の契約データには、例えば、当該保険契約者の氏名、住所、年齢等の個人情報の他、契約車両の車種を示す車種情報、および契約車両の価格を示す車価情報が少なくとも含まれる。
【0037】
車両抽出部312はドライブレコーダー10の電話番号から、契約者DB313に格納されている契約データおよびアクセス情報を読み出して、契約データおよびアクセス情報についてはデータ出力処理部316に出力し、アクセス情報をデータ取得部314に出力する。
【0038】
データ取得部314は、アクセス情報に基づき、クラウドのストレージサーバにおけるデータ格納領域からデータを取得してデータ格納部315に格納する。データ出力処理部316は、受信部311によって決定された着信の転送先の端末装置に対して、契約データやデータ格納部315に格納されたデータを出力するための処理を実行する。
【0039】
解析処理部318は、データ格納部315に格納されている映像データ等に対して所定の解析処理を行い、解析結果を、データ出力処理部316を介して端末装置に出力するとともに、対処データ格納部320に格納する。解析処理部318は、車種情報および車価情報と、記憶部(図示省略)に記憶されている特大事故判定条件一覧(
図11参照)に基づいて、特大事故であるか否かを判定する機能も有している。外部通知処理部319は、アクセス情報と車両1000と連絡を取るための情報(ドライブレコーダー10の電話番号等)等を含むデータを、ロードサービス提供会社システムや救急機関システムへ送信する。通話処理部321は、車両1000におけるドライブレコーダー10等に電話をかけるための処理を実行する。
【0040】
入力処理部317は、端末装置からの指示又は入力に応じて、データ出力処理部316、解析処理部318、外部通知処理部319、通話処理部321等に処理を行わせる。また、入力処理部317は、ドライブレコーダー10からの着信に応じて行った対処に関するデータを対処データ格納部320に格納する。対処データ格納部320に格納されるデータは、アクセス情報および契約データを含み、端末装置において入力された文章のデータ等も含む場合もある。
【0041】
保険会社通知部322は、対処データ格納部320に格納されたデータに基づき、事故が発生した車両1000に関係する自動車保険等を販売した保険会社(代理店)に対してメールを送信する等の処理を行う。これによって、保険会社とも、情報の共有が図られる。また、保険会社通知部322は、解析処理部318における解析結果に応じた支払い通知を、保険会社(代理店)の事故分析装置および端末に送信する。これにより、保険会社(代理店)による保険金の支払い処理が開始されることとなる。
【0042】
図6は、ドライブレコーダー10が衝撃の有無を判定する際の処理フローの一例を示すフローチャートである。判定部1180Aは、ドライブレコーダー10の電源がONである間、
図6に示すステップS51~ステップS61までの処理を繰り返し行うことで、衝撃の有無を判定する。
【0043】
制御部1180は、加速度データおよび車速データを取得する(ステップS51)。具体的に、ステップS51において、制御部1180は、加速度測定部1160で測定された前後方向、左右方向および上下方向の加速度データを取得する。また、制御部1180は、測位部1130で測定された車両1000の絶対位置の時間変化に基づいて算出される車両1000の移動速度を、車速データとして取得する。なお、車両1000内部に搭載されている自動診断システム1400から取得した自動診断データに車速データが含まれる場合、当該自動診断データから車速データを取得する。
【0044】
なお、加速度測定部1160からの出力値は、実際にドライブレコーダー10に加わる加速度とは反対方向の加速度である。例えば、ドライバが急ブレーキを踏むことでドライブレコーダー10に0.6Gの減速Gがかかったとする。この場合、加速度測定部1160からは、前方向(
図3に示すX軸方向)に0.6Gの加速度が生じたことを示すデータが出力される。以下の説明では、
図6および
図11に示す具体例の説明を除き、加速度や減速度とは、加速度測定部1160からの出力値ではなく、ドライブレコーダー10に生じた加速度や減速度を意味するものとする。また、減速度とは、負の加速度を意味するものとする。
【0045】
ステップS51の処理を実行した後、制御部1180は、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、大事故に該当する判定基準に合致するか否かを、記憶部1200に格納されている判定基準データに基づいて判定する(ステップS52)。具体的に、ステップS52の処理において、制御部1180の判定部1180Aは、前後方向の加速度の大きさの最大値と、左右方向の加速度の大きさの最大値との合計値が、予め設定された所定閾値(第1閾値)より大きく、かつ、前後方向の加速度の大きさの最大値が計測された時刻と、左右方向の加速度の大きさの最大値が計測された時刻とが所定期間内(第1期間内)に存在する場合に、大事故に対応する判定条件を満たすと判定する。
【0046】
図7(A)および(B)に、大事故が生じた場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。
図7(A)に示す縦軸は前後方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。
図7(B)に示す縦軸は左右方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。グラフAC3は前後方向の加速度であり、グラフAC4は左右方向の加速度である。
図6に示すステップS52の処理において、判定部1180Aは、
図7(A)に示す前後方向の加速度の最大値g1と、
図7(B)に示す左右方向の加速度の最大値g2との合計値が所定閾値(第1閾値)より大きく、かつ、前後方向の加速度の最大値g1が計測された時刻t3と、左右方向の加速度の最大値g2が計測された時刻t4とが所定期間内(第1期間内)に存在する場合に、大事故に対応する判定条件を満たすと判定する。なお、所定期間(第1期間)は、例えば0.05~0.1秒等、予め定められていればよく、管理者により設定変更可能であればよい。また、所定閾値(第1閾値)は、例えば6~8G程度であってもよいが、これに限定されるものではなく、予め定められていればよい。所定閾値(第1閾値)についても、管理者により設定変更可能であればよい。
【0047】
大事故に対応する判定基準では、中事故に対応する判定基準(詳しくは後述する)のように、同一時刻における加速度の値を合計するのみならず、異なる時刻における加速度の値を合計することを許容している。これは、特に重大な事故であるほど、衝撃の発生する時間が短くなり、また前後方向および左右方向に衝撃の入るタイミングに微妙なずれが起きやすくなることから、同一時刻における加速度の値を合計するだけでは、大事故をより正確に判定することが難しいためである。微妙なずれが起きると、中事故のように瞬間値を合成する方法では適切に判定ができなくなるが、前後方向及び左右方向の加速度それぞれの最大値、すなわち異なる時間における加速度の値を合計することを許容することで当該問題を解決するようにしている。
【0048】
図6に示すステップS52において大事故の条件に合致していると判定した場合(ステップS52;Yes)、制御部1180は、映像データを抽出データとして抽出する(ステップS53)。具体的に、ステップS53の処理において、制御部1180は、例えば、保険会社のオペレータが事故の過失割合等を算出するのに十分な解像度の映像データを、抽出データとして抽出する。なお、ステップS53の処理では、総合センタのオペレータが救助依頼の要否を判断できる程度の解像度の映像データ、すなわち、けがの程度を判別できる程度の解像度の映像データ(解像度の低い映像データ)を抽出し、後のタイミングにおいて、保険会社のオペレータが事故の過失割合等を算出するのに十分な解像度の映像データ(解像度の高い映像データ)を抽出する、といったように、2段階で抽出データを抽出してもよい。映像データは、録画部1140によって撮影された映像データと、録音部1150によって録音された音データとを含み、ステップS53にて抽出される映像データは内部映像データおよび外部映像データである。なお、2段階で抽出データを抽出する場合、先に映像データのみ(音データを含まない)抽出してもよい。また、ステップS53では、この他にも、例えば時計から取得された日時、測位部1130が取得した位置データ、検出した加速度、自動診断データ取得部1170により取得された自動診断データ等を抽出してもよい。また、ステップS53では、車両登録番号や電話番号等の機器データ、および加速度データが映像データに合わせて抽出される。
【0049】
ステップS53の処理を実行した後、制御部1180は、送信処理を行う(ステップS54)。これにより、ステップS53で抽出した抽出データがいち早くクラウドのストレージサーバに送信されることとなる。そして、総合センタにて事故状況が解析され、必要に応じて救急車を派遣する等の事故対応が行われることとなる。なお、送信処理については、後述するステップS60においても行われる。
【0050】
図6のステップS52において、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、大事故に該当する判定基準に合致しないと判定した場合(ステップS52;No)、判定部1180Aは、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、小事故または中事故に該当する判定基準に合致するか否かを、記憶部1200に格納されている判定基準データに基づいて判定する(ステップS55)。具体的に、ステップS55の処理において、判定部1180Aは、前後方向の加速度の大きさについて所定期間(第2期間)の移動平均値を算出し、算出した移動平均値が所定閾値(第2閾値)より大きく、かつ、車速の減速度が所定の減速度(第1減速度)以上であることを検出した場合、小事故に対応する判定基準を満たすと判定する。
【0051】
図8(A)に、事故を察知したドライバが急ブレーキを踏んで停止した場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。また、
図8(B)に、車両が段差を乗り越えた場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。縦軸は前後方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。期間P1は、移動平均値を算出する所定期間(第2期間)を示す。閾値P2は、所定閾値(第2閾値)を示す。グラフAC1及びAC2は、前後方向加速度であり、グラフMA1及びMA2は、前後方向加速度の移動平均値である。所定期間(第2期間)は、例えば0.5秒等であってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定閾値(第2閾値)は、例えば0.5~0.7G程度であってもよいが、これに限定されるものではない。第2期間や第2閾値については、第1期間や第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
【0052】
図8(A)の例では、前後方向の加速度の移動平均値MA1が、時刻t1のタイミングで閾値P2を上回っている。従って、判定部1180Aは、時刻t1のタイミングで、加速度について小事故に該当する判定基準に合致すると判定する。一方、
図8(B)の例では、前後方向の加速度の移動平均値MA2が閾値P2を上回っていることはない。従って、判定部1180Aは、小事故に該当する判定基準に合致していないと判定する。
【0053】
判定部1180Aは、移動平均値が所定閾値(第2閾値)よりも大きくなった時刻t1のタイミングの前後の所定時間(第3期間)において、車速の減速度が所定の減速度(第1減速度)以上であるか否かを判定するようにしてもよい。所定時間(第3期間)は、例えば2秒や3秒といった時間長であってもよいが、これに限定されるものではない。また、判定部1180Aは、当該時刻t1のタイミングを、映像を記録すべき衝撃が生じたタイミングであるとして、当該タイミングの前後の映像データを記録するようにしてもよい。
【0054】
前述した通り、小事故とは、極低速での衝突事故や、事故に至らないまでもドライバが急ブレーキをかけて停車した状態を想定している。加速度の大きさの移動平均値が所定閾値(第2閾値)であり、かつ減速度が所定の減速度以上である場合に小事故であると検出するようにしたことで、道路の微細な振動により小事故であると誤って判定してしまうことを防止することが可能になる。
【0055】
また、ドライバが急ブレーキをかけたことを、前後方向の加速度の大きさではなく減速度を利用することで、減速度をより正確に判定することが可能になる。
【0056】
また、
図6のステップS55において、判定部1180Aは、同一時刻における左右方向の加速度の大きさと前後方向の加速度の大きさとを合計し、合計値が所定閾値(第3閾値)より大きい場合に、中事故に対応する判定条件を満たすと判定する。所定閾値(第3閾値)は、例えば2~4G程度であってもよいが、これに限定されるものではない。なお、第3閾値についても、第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
【0057】
判定部1180Aは、合計値が所定閾値(第3閾値)より大きくなった時刻t2のタイミング(図示省略)を、映像を記録すべき衝撃が生じたタイミングであるとして、当該タイミングの前後の映像データを記録するようにしてもよい。
【0058】
中事故に対応する判定基準では、左右方向及び前後方向の加速度を合成し、その合成値が一定値を超えたか否かを検知するようにしている。これは、中事故は、小事故とは異なり、車両同士が接触した場合に瞬間的に加速度が上昇してすぐに減少するためである。ステップS55の処理を実行する判定部1180Aは、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定部に対応し、ステップS55は、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定ステップに対応する。
【0059】
ステップS55において、小事故または中事故の条件に合致すると判定した場合(ステップS55;Yes)、判定部1180Aは、ドライブレコーダー10が設置されている車両1000の種別が大型車であるか否かを示す情報を取得し、車両1000が大型車であるか否かを判定する(ステップS56)。ドライブレコーダー10が設置されている車両の種別は、ドライブレコーダー10を車両に設置する際に、ドライブレコーダー10が備えるユーザインターフェース等を介してユーザにより予め設定された種別であってもよい。なお、大型車とは、例えば、トラック、バス、トレーラー等といった車両を意味する。
【0060】
ステップS56において車両1000が大型車であると判定した場合(ステップS56;Yes)、判定部1180Aは、さらに、車速の減速度が所定の減速度(第2減速度)以上であるか否かにより、速度急減を判定する(ステップS57)。所定の減速度(第2減速度)は、小事故に対応する判定基準で説明した、所定の減速度(第1減速度)と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。第1減速度および第2減速度は、第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。なお、ステップS57では、車速の減速度が所定の減速度(第2減速度)以上である場合に、速度急減であると判定すればよい。
【0061】
大型車では、荷物の積み下ろしや、車両のような重量物を積載することによる走行中の振動等によって、車両本体に大きな衝撃が生じる可能性があるが、ステップS56の処理を設けることで、このようなケースで誤判定が生じる可能性を抑制することができる。
【0062】
ステップS56において車両1000が大型車でないと判定した場合(ステップS56;No)、または、ステップS57において速度急減であると判定した場合(ステップS57;Yes)、判定部1180Aは、さらに、以下に説明する付則条件のうち、少なくとも1つの付則条件に合致するか否かを判定する(ステップS58)。なお、ステップS58では、少なくとも1つの付則条件に合致すると判定した場合にステップS59の処理に移行し、全ての付則条件に合致しないと判定した場合に、ステップS61の処理に移行するが、これとは別に、全ての付則条件に合致すると判定した場合にのみステップS59の処理に移行し、それ以外の場合にはステップS61の処理に移行するようにしてもよい。
【0063】
(付則条件1)
判定部1180Aは、車速がゼロになったことを検出した場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。車速がゼロであるか否かを判定するタイミングは、例えば、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定したタイミングから所定の時間経過後(例えば10秒後や15秒後等)とするようにしてもよい。これは、通常、事故が発生すると車両は停車するためである。また、当該タイミングにおいて車速がゼロになっていない場合、すなわち車両が走行している場合、事故等は生じていないと考えられることから、映像を記録すべき衝撃ではないと判定するようにしてもよい。すなわち、付則条件1は、車速がゼロであることである。
【0064】
(付則条件2)
判定部1180Aは、上下方向の加速度の大きさが所定の閾値(第5閾値)を超え、かつ、上下方向の加速度の大きさが、上下方向の加速度の大きさと左右方向の加速度の大きさとを合計した値の所定の割合以下である場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。すなわち、付則条件2は、上下方向の加速度の大きさが所定の閾値(第5閾値)を超え、かつ、上下方向の加速度の大きさが、上下方向の加速度の大きさと左右方向の加速度の大きさとを合計した値の所定の割合以下であることである。なお、所定の閾値(第5閾値)は、例えば0.1Gであってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定の割合は、例えば2%であってもよいが、これに限定されるものではない。所定の閾値(第5閾値)および所定の割合は、予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
【0065】
基本的に加速度が大きいほど事故である可能性が高いものの、左右方向の加速度と比して上下方向に強い加速度が生じる場合、段差等で車両が上下に跳ねただけであるというケースが想定されるためである。付則条件2を設けることで、このようなケースで誤判定が生じる可能性を抑制することができる。
【0066】
(付則条件3)
判定部1180Aは、さらに、所定の判定期間における左右方向の加速度の大きさ、前後方向の加速度の大きさ及び上下方向の加速度の合計値が、所定の範囲である場合、映像を記録すべき衝撃が生じたとは判定しないようにしてもよい。所定の判定期間は、例えば2分前から現時刻まで等であってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定の範囲とは、ドライブレコーダー10が正しく取り付けられている場合に通常測定される加速度から、ドライブレコーダー10がフロントガラスから剥がれかけている場合に測定される加速度までの範囲に設定されることが望ましい。すなわち、付則条件3は、所定の判定期間における左右方向の加速度の大きさ、前後方向の加速度の大きさ及び上下方向の加速度の合計値が、所定の範囲を超えることである。
【0067】
ドライブレコーダー10が、フロントガラスから外れて落下したケースのうち、事故とは無関係に落下するようなケースでは、落下前から接着剤が剥がれかけており、長時間にわたってドライブレコーダー10がふらついているケースが多い。従って、付則条件3を適用することで、ドライブレコーダー10の取り付け不良による誤検出を抑制することができる。
【0068】
ステップS58において、少なくとも1つの付則条件に合致すると判定した場合(ステップS58;Yes)、制御部1180は、解像度の高い映像データを抽出データとして抽出する(ステップS59)。具体的に、ステップS59の処理において、制御部1180は、例えば、保険会社のオペレータが事故の過失割合等を算出するのに十分な解像度の映像データを抽出する。映像データは、録画部1140によって撮影された映像データと、録音部1150によって録音された音データとを含み、ステップS59で抽出される映像データは、内部映像データおよび外部映像データである。なお、ステップS59では、この他にも、例えば時計から取得された日時、測位部1130が取得した位置データ、検出した加速度、自動診断データ取得部1170により取得された自動診断データ等を抽出してもよい。また、ステップS59では、車両登録番号や電話番号等の機器データ、および加速度データが映像データに合わせて抽出される。なお、ステップS53の処理においてのみ加速度データが抽出されてもよい。
【0069】
ステップS59の処理を実行した後、制御部1180は、送信処理を行い(ステップS60)、処理を終了する。これにより、ステップS59で抽出した抽出データがクラウドのストレージサーバに送信されることとなる。そして、総合センタにて事故状況が解析され、必要に応じてロードサービスや救急車を派遣する等の事故対応が行われる。また、クラウドのストレージサーバに送信された抽出データは、保険会社においても使用される。保険会社では、当該抽出データに基づいて事故の過失割合等を算出する。
【0070】
一方、ステップS55において小事故または中事故に該当する判定基準に合致しないと判定した場合(ステップS55;No)、ステップS57において速度急減でないと判定した場合(ステップS57;No)、または、ステップS58において全ての付則条件に合致しないと判定した場合(ステップS58;No)、判定部1180Aは、対応すべき衝撃ではないと判定し(ステップS61)、抽出データを抽出することなく処理を終了する。
【0071】
図9は、
図6のステップS54およびステップS60で実行される送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
送信処理を開始すると、制御部1180は、ステップS54における送信処理ではステップS53で抽出した抽出データを、ステップS60における送信処理ではステップS59で抽出した抽出データを、クラウドのストレージサーバに送信する(ステップS102)。
【0073】
クラウドのストレージサーバは、ドライブレコーダー10から抽出データを受信すると、例えば機器データに含まれる車両登録番号や電話番号等から特定されるデータ格納領域に、受信した抽出データを格納する(ステップS103)。ステップS54における送信処理において、当該ステップS103の処理が実行されることにより、大事故が発生した場合、処理負担を軽減可能な低解像度の映像データがいち早くクラウドのストレージサーバに格納されることとなる。また、ステップS60における送信処理において、当該ステップS103の処理が実行されることにより、事故の大きさに関わらず、解像度の高い映像データがクラウドのストレージサーバに格納されることとなる。
【0074】
なお、制御部1180は、例えば一定間隔で測位部1130に位置データを取得させ、その都度車両1000が移動しているか否かを判定し、例えば所定距離(例えば200m)以上移動するような場合には、事故ではないものとして、総合センタへの自動発呼を停止させる。
【0075】
すなわち、制御部1180は、発呼停止条件が満たされたか否かを随時判定し(ステップS104)、発呼停止条件が満たされた場合(ステップS104;Yes)には、処理を停止する(ステップS105)。なお、クラウドのストレージサーバに対する抽出データの送信前に、発呼停止条件を満たした場合には、抽出データの送信も停止するようにしても良い。
【0076】
一方、発呼停止条件が満たされない場合(ステップS104;No)、制御部1180は、第1通信部1110に、総合センタへの自動発呼を行わせる(ステップS106)。なお、事故が発生した場合には、ドライバはけがをしている場合や動転して話せない場合もあるので、総合センタのオペレータが着信を受けたとしても機械音声を流すようにする。なお、総合センタのオペレータは、機械音声から、この実施の形態に係るオペレーションが必要であることを認識する。
【0077】
また、総合センタのオペレータが必要と認める場合にはコールバックを行うので、その際にドライバとオペレータが会話を行うものとする。
【0078】
なお、総合センタへの自動発呼と、クラウドのストレージサーバに対する抽出データの送信とについては、並列に行っても良いし、
図9の順番とは逆に行うようにしても良い。
【0079】
総合センタサーバ30の受信部311は、車両1000からの着信を受け付け(ステップS107)、発信番号通知にて得られる電話番号を車両抽出部312に出力する。車両抽出部312は、電話番号で契約者DB313を検索することで契約データおよびアクセス情報を読み出して、アクセス情報をデータ取得部314に出力し、契約データおよびアクセス情報をデータ出力処理部316に出力する。
【0080】
データ取得部314は、電話番号に基づき特定されたアクセス情報を用いて、クラウドのストレージサーバに対して、格納されている抽出データを要求する(ステップS108)。
【0081】
クラウドのストレージサーバは、総合センタサーバ30から抽出データの要求を受信すると、アクセス情報で特定されるデータ格納領域から抽出データを読み出して、総合センタサーバ30へ送信する(ステップS109)。抽出データには、車両登録番号や電話番号等の機器データ、加速度データ、および映像データが含まれている。
【0082】
データ取得部314は、クラウドのストレージサーバから、抽出データを受信すると、データ格納部315に格納する(ステップS110)。そうすると、データ出力処理部316は、受信部311によって決定された端末装置に対して、抽出データおよび契約データを表示させる(ステップS111)。
【0083】
端末装置には、契約者DB313から抽出されたデータや、車両1000から受信した映像データ、車両データ(機器データおよび衝撃事象データ)が表示される。端末装置のオペレータは、ドライブレコーダー10から送られてくる機械音声を聞いた後、このような表示画面において表示される情報を確認して、コールバックの必要性や救急機関への連絡等の事故対応の必要性を判断すればよい。
図9に示すステップS111の処理を実行した後、解析処理部318は、解析処理を実施する(ステップS112)。
【0084】
解析処理の一例を、
図10を用いて説明する。
図10は、
図9のステップS112における解析処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示す解析処理において、解析処理部318は、まず、救助やロードサービスの要請等、対応が必要な場合における処理を実行する(ステップS31)。ステップS31の処理は、オペレータにより、コールバック等を含む対応が必要と判断された場合に実行されればよく、対応不要な場合にはスキップされてもよい。具体的に、ステップS31の処理では、人命救助に必要な事項、すなわち救急車の派遣を要請する処理や、ロードサービスを要請する処理などが行われ、外部通知処理部319を介して、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ(ドライブレコーダー10の電話番号等)等を、救助機関やロードサービス提供会社システムへ通知する処理が行われる。
【0085】
ステップS31の処理を実行した後、解析処理部318は、契約車両の車種を示す車種情報および契約車両の価格を示す車価情報を取得する(ステップS32)。具体的に、ステップS32の処理において解析処理部318は、契約者DB313から、解析対象の車両、すなわち事故に遭遇した車両に対応する車種情報および車価情報を取得する。ステップS32の処理において車種情報および車価情報を取得する解析処理部318およびステップS32の処理は、取得部および取得ステップに対応する。
【0086】
ステップS32の処理を実行した後、解析処理部318は、大事故の中でも、全損となる特大事故であるか否かを判定する(ステップS33)。具体的に、ステップS33の処理において解析処理部318は、合成加速度を算出し、ステップS32の処理で取得した車種情報および車価情報と、記憶部に記憶されている特大事故判定条件一覧と(
図11参照)、に基づいて、特大事故であるか否かを判定する。より具体的に、ステップS33の処理において解析処理部318は、
図9のステップS110の処理で受信した抽出データに含まれる加速度データに基づいて合成加速度を算出する。そして、ステップS32の処理で取得した車種情報および車価情報と、
図11に示す特大事故判定条件一覧と、に基づいて、特大事故であるか否かを判定する。ステップS33の処理において解析処理部318は、例えば、ステップS32の処理で取得した車種情報が普通乗用車を示す「自普乗」である場合、算出した合成加速度が14以上であれば、車価に関わらず特大事故として判定する。また、ステップS32の処理で取得した車種情報が「自普乗」であり、車価情報が「200万円以下」である場合、算出した合成加速度が11以上14未満であれば、大事故として判定する。
図11に示すように、この実施の形態では、車種に応じて異なる基準が設定されており、これらの基準は任意に変更可能となっている。図示する例では、1~14の14個の条件が設定されている例を示しているが、これは一例であり、より多くの条件が設定されていてもよい。一方で、少ない条件であってもよい。また、図示する例では、車種情報、車価情報、および合成加速度の3つの情報に基づいて特大事故であるか否かを判定する例を示しているが、例えば、車種情報と合成加速度の2つ、または合成加速度のみ、など、これらの1つまたは2つにより特大事故を判定してもよい。なお、全損は、保険契約における補償内容を示しており、当該全損には、事故により車両が大破して修理不可能な状態である物理的全損と、事故による車両の修理費用が車両の時価を上回った状態である経済的全損とが含まれる。また、この実施の形態では、車種情報、車価情報、および合成加速度の3つの情報に基づいて特大事故であるか否かを判定する例を示しているが、この他にも、例えば天気の情報や道幅の情報など、4つ以上の情報に基づいて特大事故であるか否かを判定するようにしてもよい。なお、車種情報は車種データに対応し、車価情報は車価データに対応する。契約データは、車種情報および車価情報を含むデータである。ステップS33の処理において特大事故であるか否かを判定する解析処理部318およびステップS33の処理は、判定部および判定ステップに対応する。また、ステップS33の処理では合成加速度を算出し、当該算出した合成加速度を用いて特大事故であるか否かを判定する例を示しているが、合成加速度に限られず、
図9のステップS110の処理で受信した抽出データに含まれる加速度データを用いて特大事故であるか否かを判定すればよい。
【0087】
ステップS33の処理において特大事故ではないと判定した場合(ステップS33;No)、解析処理部318は、解析結果を特大事故以外とし(ステップS34)、解析処理を終了する。一方、特大事故であると判定した場合(ステップS33;Yes)、解析結果を特大事故として(ステップS35)、解析処理を終了する。
【0088】
なお、図示する解析処理では、大事故であるか、小事故または中事故であるかに関わらず、ステップS33の処理において特大事故であるか否かを一律に判定する例を示したが、例えば、
図6に示すステップS54の送信処理が行われた場合にのみ、すなわち大事故である場合にのみ、ステップS33の処理において特大事故であるか否かが判定されるようにしてもよい。特大事故は大事故に含まれる事故であることから、これによれば、処理負担を軽減させることができる。
【0089】
図9に戻り、ステップS112における解析処理が行われた後、データ出力処理部316は、解析結果が特大事故であるか否かを判定し(ステップS113)、特大事故であれば(ステップS113;Yes)、保険会社通知部322の機能により、全損と認定して即時支払いを行うことを示す即時支払い通知を保険会社(代理店)に対して行い(ステップS114)、処理を終了する。一方、特大事故でなければ(ステップS113;No)、保険会社通知部322の機能により、通常の支払いを行うことを示す通常支払い通知を保険会社(代理店)に対して行い(ステップS115)、処理を終了する。なお、即時支払い通知や通常支払い通知が、ネットワークを介して各保険会社の事故分析装置や端末に通知されることにより、保険会社(代理店)へ通知される。なお、即時支払い通知は即時払い通知に対応する。ステップS115の処理において即時支払い通知を通知する保険会社通知部322およびステップS115の処理は、通知部および通知ステップに対応する。
【0090】
図12は、保険会社(代理店)において行われる保険金が支払われるまでの処理の一例を示すフローチャートであり、
図12(A)は、通常支払い通知を受信した場合における通常支払い処理の一例を示しており、
図12(B)は、即時支払い通知を受信した場合における即時支払い処理の一例を示している。
【0091】
まず、
図12(A)に示すように、通常支払い通知を受信した場合、通常支払い処理が開始される。この場合、担当者から事故についての調査が発注される(ステップS61)。そして、調査担当者により事故車両や事故現場に関する調査が、映像や立ち会いで行われ(ステップS62)、報告書が作成される(ステップS63)。続いて担当者から事故車両の保険契約者に対して保険金の回答が行われた後(ステップS64)、保険金の支払いが行われ(ステップS65)、通常支払い処理が終了することとなる。
【0092】
一方、
図12(B)に示すように、即時支払い通知を受信した場合に行われる即時支払い処理は、
図12(A)とは異なり、ステップS61~ステップS63の処理をスキップし、ステップS64の処理にて全損であることが担当者から回答され、全損に対応する保険金の支払いが行われ(ステップS65)、即時支払い処理が終了することとなる。そのため、事故により車両が大破してしまい、別の車両の購入を急ぐ場合などに、保険金の支払いを早急に行うことができ、事故対応の迅速性を確保することができる。
【0093】
以上説明したように、この実施の形態における総合センタサーバ30、すなわち支援装置よれば、大事故の中でも、全損となる特大事故であるか否かを判定し、特大事故である場合に、全損と認定して即時支払いを行うことを示す即時支払い通知を保険会社(代理店)に通知する。これにより、保険会社の側では、通常の保険金の支払い過程をスキップし、迅速に保険金の支払いを行うことができる。すなわち、事故対応の迅速性を確保することができる。
【0094】
また、大事故が発生した場合、ドライバや搭乗者の人名救助の観点から車両内部の映像データを解像度の低い状態で送信し、中事故や小事故の場合や、大事故でステップS54の処理を実行した後については、車両内部の映像データと、車両外部の映像データとを、解像度の高い状態で送信する。したがって、事故対応の迅速性を確保する必要性が高い部分の迅速性を確保することができる。
【0095】
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、車両1000、ドライブレコーダー10、クラウドのストレージサーバ、総合センタサーバ30、事故分析装置および端末は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0096】
上記実施の形態では、ドライブレコーダー10が保険契約者の車両1000に搭載されている例を示したが、これは一例である。ドライブレコーダー10ではなく、ドライバの所有するスマートフォンであってもよい。当該スマートフォンの背面と前面に搭載されたカメラにより、外部映像データと内部映像データとを撮影すればよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、
図11に示す特大事故判定条件一覧に示される条件に従って特大事故であるか否かが判定される例を示したが、これは一例である。例えば、全損として保険金の支払いを行った際の車種情報、車価情報、合成加速度の情報を学習データとして学習した学習モデルを用いて、特大事故であるか否かを判定してもよい。これによれば、特大事故であるか否か、すなわち全損として即時支払い通知を行うか否かについての精度を高めることができ、より事故対応の迅速性を確保することができる。また、例えば、当該学習モデルを用いて特大事故であるか否かを判定した結果を一次結果として総合センタのオペレータに出力し、オペレータによる判定結果を二次結果としてもよい。その上で、二次結果として特大事故とされた情報を学習データとして学習モデルについてさらに学習させてもよい。これによれば、学習モデルによる判定結果についての誤りを防止することができるとともに、学習モデルによる判定精度を高めることができる。
【0098】
また、上記実施の形態では、総合センタサーバ30に解析処理部318を設ける例を示したが、例えばドライブレコーダー10に解析処理部318の少なくとも一部の機能を設けるようにしてもよい。例えば、事故の蓋然性を表すレベルが所定レベル以上であることが判明した場合にのみ自動発呼するために、ドライブレコーダー10に解析処理部318を設けるようにしても良い。また、前もって搭乗者情報を抽出しておき、このような情報もクラウドのストレージサーバに送信するようにしてもよい。同様に、修理の必要性を表す情報を前もって抽出しておき、このような情報もクラウドのストレージサーバに送信するようにしてもよい。また、特大事故であるか否かについても、ドライブレコーダー10側で判定してもよい。この場合、判定結果を総合センタサーバ30し、総合センタサーバ30は、判定結果に応じて、通常支払い通知または即時支払い通知を事故分析装置や端末へ通知すればよい。
【0099】
なお、契約期間内であるか否か等のサービス提供の可否を、ドライブレコーダー10又は総合センタサーバ30において判定するようにしてもよい。
【0100】
記録システム1は、専用の装置によらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した記録媒体から該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する記録システム1を構成してもよい。また、複数のコンピュータが協同して動作することによって、1つの記録システム1を構成しても良い。
【0101】
また、コンピュータにプログラムを供給するための手法は、任意である。例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システム等を介して供給しても良い。
【0102】
また、上述の機能の一部をOS(Operation System)が提供する場合には、OSが提供する機能以外の部分をプログラムで提供すれば良い。
【0103】
以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状およびサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…記録システム、10…ドライブレコーダー、15…撮影装置、20…固定部、30…総合センタサーバ、311…受信部、312…車両抽出部、313…契約者データベース(DB)、314…データ取得部、315…データ格納部,316…データ出力処理部、317…入力処理部、318…解析処理部、319…外部通知処理部、320…対処データ格納部、321…通話処理部、322…保険会社通知部、1000…車両、1110…第1通信部、1120…第2通信部、1130…測位部、1140…録画部、1150…録音部、1160…加速度測定部、1170…自動診断データ取得部、1180…制御部、1180A…判定部、1200…記憶部、1300…ミラー、1400…自動診断システム
【要約】
【課題】事故対応の迅速性を確保することができる支援装置、支援方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】支援装置は、車両の加速度を示す加速度データと車両に対応する契約データとを取得し、加速度データと契約データに基づいて、複数の事故種別のうち、特大事故に対応する衝撃であるか否かを判定する。そして、特大事故に対応する衝撃であると判定した場合、特大事故に対応する衝撃でないと判定した場合よりも短い期間で保険金の支払いを行う通知である即時払い通知を通知する。これにより、事故対応の迅速性を確保する。
【選択図】
図10