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特許7588270バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/66 20200101AFI20241114BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20241114BHJP
【FI】
G01R31/66
B60L53/80
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024152193
(22)【出願日】2024-09-04
【審査請求日】2024-09-04
(31)【優先権主張番号】202311321477.5
(32)【優先日】2023-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522401992
【氏名又は名称】中汽研新能源汽車検験中心(天津)有限公司
【氏名又は名称原語表記】CATARC New Energy Vehicle Test Center (Tianjin) Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Xiongzi Road,Dongli District,Tianjin 300300,China
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 宝強
(72)【発明者】
【氏名】王 芳
(72)【発明者】
【氏名】査 宏民
(72)【発明者】
【氏名】樊 彬
(72)【発明者】
【氏名】鄭 天雷
(72)【発明者】
【氏名】曹 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】王 嬌嬌
(72)【発明者】
【氏名】陳 赫
(72)【発明者】
【氏名】李 暁
(72)【発明者】
【氏名】王 朝暉
(72)【発明者】
【氏名】李 政
(72)【発明者】
【氏名】劉 洋
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許第117074837(CN,B)
【文献】特許第7550338(JP,B1)
【文献】特開2024-80998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0159554(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105824309(CN,A)
【文献】国際公開第2013/015927(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/50-31/74
B60L 53/00-53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置であって、
試験対象のバッテリー交換インターフェースのソケットを取り付けるための少なくとも1つの試験ステーションが設置されている第1のプラットフォーム(1)と、
前記第1のプラットフォーム(1)に隣接して設置され、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグを挟持するための少なくとも1つの挟持端を有するマニピュレータ(2)と、
前記第1のプラットフォーム(1)の下方に設置され、ウォーム(31)及び前記ウォーム(31)と噛み合うギア(32)を含む傾動アセンブリ(3)と、
第1の端が前記ギア(32)のギア軸に接続され、第2の端が前記第1のプラットフォーム(1)に接続される第1の傾動部材(33)と、
出力端が前記ウォーム(31)に接続される第1の駆動部材(34)と、
液体収集アセンブリ(4)とを含み、
前記液体収集アセンブリ(4)は、
垂直方向に沿って延び、垂直方向に沿って第1の制限部材(411)及び第2の制限部材(412)が間隔を置いて設置されているガイドロッド(41)と、
前記ガイドロッド(41)に嵌設され、前記ガイドロッド(41)にスライド可能に接続され、前記ガイドロッド(41)とともに回転可能であり、少なくとも一部が前記第1の制限部材(411)と前記第2の制限部材(412)との間に配置されるスリーブ(42)と、
水平方向に延びる第1のカンチレバー(431)を介して前記スリーブ(42)の側壁に接続される液体吸収部材(43)と、
前記ガイドロッド(41)を駆動して回転させることができる第3の駆動部材(45)とを含み、
前記ギア(32)は前記第1の傾動部材(33)を介して前記第1のプラットフォーム(1)を駆動して第1の方向に沿って傾動させることができ
前記マニピュレータ(2)は第1のカンチレバー(431)を押圧して、液体吸収部材(43)を下向きに移動させ、ソケットの表面に付着した残留した冷却液を吸収することができることを特徴とするバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項2】
前記傾動アセンブリ(3)は、第2の傾動部材(35)及び第2の駆動部材(36)をさらに含み、前記第2の傾動部材(35)は第2の駆動部材(36)の出力端に接続され、前記第2の傾動部材(35)は第1の傾動部材(33)を駆動して第2の方向に沿って傾動させることができ、前記第1の方向と前記第2の方向は垂直であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項3】
前記第1の傾動部材(33)の前記第1の端は2つの第1の支持アーム(331)を含み、2つの前記第1の支持アーム(331)は、前記ギア(32)が2つの前記第1の支持アーム(331)の間に挟まれるように前記ギア軸に接続され、前記第1の傾動部材(33)の前記第2の端は少なくとも2つの第2の支持アーム(332)を含み、前記第2の支持アーム(332)は前記第1のプラットフォーム(1)に接続されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項4】
前記第2の傾動部材(35)は2つの第3の支持アーム(351)と、2つの前記第3の支持アーム(351)を接続するための接続アーム(352)とを含み、前記接続アーム(352)には貫通孔が開設されており、前記ギア(32)は前記貫通孔に配置され、前記接続アーム(352)は、前記第1の支持アーム(331)に接続されて、前記第1の支持アーム(331)を駆動して第2の方向に沿って傾動させることを特徴とする請求項3に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項5】
前記液体収集アセンブリ(4)は戻しばね(46)をさらに含み、前記戻しばね(46)は前記ガイドロッド(41)に嵌設され、前記スリーブ(42)の内部に配置され、前記戻しばね(46)の一端は前記スリーブ(42)に接続され、他端は制限部材に接続されることを特徴とする請求項に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項6】
前記液体収集アセンブリ(4)は液体滴下部材(44)をさらに含み、前記液体滴下部材(44)は、第2のカンチレバー(441)を介して前記スリーブ(42)の側壁に接続され、前記第2のカンチレバー(441)は水平方向に沿って延び、前記第2のカンチレバー(441)と前記第1のカンチレバー(431)は夾角をなして間隔を置いて設置されることを特徴とする請求項に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項7】
第2のプラットフォーム(5)をさらに含み、前記第2のプラットフォーム(5)は弾性支柱を介して前記第1のプラットフォーム(1)の前記試験ステーションから離れた表面に接続されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項8】
配線アセンブリ(6)をさらに含み、前記配線アセンブリ(6)は第3のプラットフォーム(61)及びワイヤーハーネス固定部材(62)を含み、前記第3のプラットフォーム(61)は前記第2のプラットフォーム(5)に配置され、前記第1のプラットフォーム(1)から間隔を置いて設置され、前記第2のプラットフォーム(5)に対する前記第3のプラットフォーム(61)の高さは調整可能であり、前記第3のプラットフォーム(61)には、複数の貫通孔が間隔を置いて設置され、前記ワイヤーハーネス固定部材(62)は前記貫通孔を介して前記第3のプラットフォーム(61)に取り外し可能に接続することができ、前記ワイヤーハーネス固定部材(62)はワイヤーハーネスを固定するために用いられることを特徴とする請求項に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【請求項9】
前記第3のプラットフォーム(61)は昇降ユニット(63)を介して前記第2のプラットフォーム(5)に接続され、前記昇降ユニット(63)は、第1の親ねじと、第1のナットと、ヒンジと、回転部材とを含み、
前記第1の親ねじは垂直方向に沿って延び、
前記第1のナットは前記第1の親ねじにねじ接続され、前記第3のプラットフォーム(61)は前記第1のナットに接続され、
前記第3のプラットフォーム(61)は、前記ヒンジを介して前記第2のプラットフォーム(5)に接続されて、前記第3のプラットフォーム(61)の回転を制限し、
前記回転部材は前記第1の親ねじに接続され、前記第1の親ねじを駆動して回転させることを特徴とする請求項に記載のバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー交換インターフェースの試験分野に関し、特にバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、電気自動車技術の発展に伴い、動力性能及びインテリジェント化の面で燃料自動車をはるかに上回り、航続距離もバッテリーエネルギー密度の向上に伴って絶えず増加しているが、電気自動車全体は依然としてエネルギー補充の不安の問題に直面しているため、各自動車メーカーは充電が困難であるという問題を解決するために新しい技術的解決手段であるバッテリー交換技術を提供し、電気自動車のバッテリー残量の消費が完了した後、直接バッテリー交換ステーションに行って新しいバッテリーを交換することができ、プロセス全体が容易で迅速であり、迅速なエネルギー補充を実現する。
【0003】
バッテリー交換インターフェースは、電気インターフェース及び冷却インターフェースを含み、2種類のインターフェースの信頼性試験は、製品出荷前の最後の工程であり、最も重要な部分である。従来の試験方式は、通常、手動で繰り返して挿抜し、人的資源の消費が高く、効率が低い。
【0004】
したがって、異なる形式のバッテリー交換インターフェースに対応し、自動化されたバッテリー交換を実現し、試験装置の利用率を向上させ、人件費を削減し、作業効率を向上させることができる、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、自動化されたバッテリー交換を実現し、試験装置の利用率を向上させ、人件費を削減し、作業効率を向上させることができる、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、試験対象のバッテリー交換インターフェースのソケットを取り付けるための少なくとも1つの試験ステーションが設置されている第1のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームに隣接して設置され、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグを挟持するための少なくとも1つの挟持端を有するマニピュレータと、
前記第1のプラットフォームの下方に設置され、ウォーム及び前記ウォームと噛み合うギアを含む傾動アセンブリと、
第1の端が前記ギアのギア軸に接続され、第2の端が前記第1のプラットフォームに接続される第1の傾動部材と、
出力端が前記ウォームに接続される第1の駆動部材と、を含み、前記ギアは前記第1の傾動部材を介して前記第1のプラットフォームを駆動して第1の方向に沿って傾動させることができる、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置を提供する。
【0007】
さらに、前記傾動アセンブリは、第2の傾動部材及び第2の駆動部材をさらに含み、前記第2の傾動部材は第2の駆動部材の出力端に接続され、前記第2の傾動部材は第1の傾動部材を駆動して第2の方向に沿って傾動させることができ、前記第1の方向と前記第2の方向は垂直である。
【0008】
さらに、前記第1の傾動部材の前記第1の端は2つの第1の支持アームを含み、2つの前記第1の支持アームは前記ギア軸に接続され、前記ギアは2つの前記第1の支持アームの間に挟まれ、前記第1の傾動部材の前記第2の端は少なくとも2つの第2の支持アームを含み、前記第2の支持アームは前記第1のプラットフォームに接続される。
【0009】
さらに、前記第2の傾動部材は、2つの第3の支持アームと、2つの前記第3の支持アームを接続するための接続アームとを含み、前記接続アームには貫通孔が開設されており、前記ギアは前記貫通孔内に配置され、前記接続アームは前記第1の支持アームに接続されて、前記第1の支持アームを駆動して第2の方向に沿って傾動させる。
【0010】
さらに、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置は、液体収集アセンブリをさらに含み、前記液体収集アセンブリは、
垂直方向に沿って延び、垂直方向に沿って第1の制限部材及び第2の制限部材が間隔を置いて設置されているガイドロッドと、
前記ガイドロッドに嵌設され、前記ガイドロッドにスライド可能に接続され、前記ガイドロッドとともに回転可能であり、少なくとも一部が前記第1の制限部材と前記第2の制限部材との間に配置されるスリーブと、
水平方向に延びる第1のカンチレバーを介して前記スリーブの側壁に接続される液体吸収部材と、
前記ガイドロッドを駆動して回転させることができる第3の駆動部材と、を含む。
【0011】
さらに、前記液体収集アセンブリは戻しばねをさらに含み、前記戻しばねは前記ガイドロッドに嵌設され、前記スリーブの内部に配置され、前記戻しばねの一端は前記スリーブに接続され、他端は制限部材に接続される。
【0012】
さらに、前記液体収集アセンブリは液体滴下部材をさらに含み、前記液体滴下部材は、第2のカンチレバーを介して前記スリーブの側壁に接続され、前記第2のカンチレバーは水平方向に沿って延び、前記第2のカンチレバーと前記第1のカンチレバーは夾角をなして間隔を置いて設置される。
【0013】
さらに、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置は第2のプラットフォームをさらに含み、前記第2のプラットフォームは弾性支柱を介して前記第1のプラットフォームの前記試験ステーションから離れた表面に接続される。
【0014】
さらに、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置は配線アセンブリをさらに含み、前記配線アセンブリは第3のプラットフォーム及びワイヤーハーネス固定部材を含み、前記第3のプラットフォームは前記第2のプラットフォームに配置され、前記第1のプラットフォームから間隔を置いて設置され、前記第2のプラットフォームに対する前記第3のプラットフォームの高さは調整可能であり、前記第3のプラットフォームには、複数の貫通孔が間隔を置いて設置され、前記ワイヤーハーネス固定部材は前記貫通孔を介して前記第3のプラットフォームに取り外し可能に接続することができ、前記ワイヤーハーネス固定部材はハーネスを固定するために用いられる。
【0015】
さらに、前記第3のプラットフォームは昇降ユニットを介して前記第2のプラットフォームに接続され、前記昇降ユニットは、第1の親ねじと、第1のナットと、ヒンジと、回転部材とを含み、
前記第1の親ねじは垂直方向に沿って延び、
前記第1のナットは前記第1の親ねじにねじ接続され、前記第3のプラットフォームは前記第1のナットに接続され、
前記第3のプラットフォームは、前記ヒンジを介して前記第2のプラットフォームに接続されて、前記第3のプラットフォームの回転を制限し、
前記回転部材は前記第1の親ねじに接続され、前記第1の親ねじを駆動して回転させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例は、以下の技術的効果を有する。
本発明の実施例は、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置を提供し、マニピュレータ及び傾動可能な第1のプラットフォームを設置することにより、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグとソケットとの間の相対位置を、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験方法における複数の試験項目の条件を満たすように調整可能にする。冷却インターフェースのバッテリー交換に対して、該装置には、ソケットとプラグが分離した後に残留した冷却液を吸収できる液体収集アセンブリが配置され、試験対象の冷却インターフェースの冷却液の漏れ量を試験するためのデータサポートを提供する。電気インターフェースのバッテリー交換に対して、該装置にはワイヤーハーネス固定部材が配設され、ワイヤーハーネス固定部材の位置が調整可能であり、ワイヤーハーネス固定部材の取付位置によるソケット自体への影響を回避し、バッテリー交換電気インターフェースの耐用年数を効果的に延ばす。
【0017】
該装置は、異なる形式のバッテリー交換インターフェースの検出に対応し、自動化されたバッテリー交換を実現することができるだけでなく、バッテリー交換インターフェースの各指標が要件を満たすか否かを協力して検出し、人件費を削減し、作業効率を向上させることもできる。
【0018】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例が提供するバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置の軸方向図である。
図2】本発明の実施例が提供する傾動アセンブリの図である。
図3】本発明の実施例が提供する液体収集アセンブリの図である。
図4図3Aの斜視図である。
図5】本発明の実施例が提供する配線アセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を要さずに取得した全ての他の実施例は、本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
図1~5に示すように、説明の便宜上、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を定義し、ここでX軸、Y軸、及びZ軸は互いに垂直である。
【0022】
本発明の実施例は、以下を含む、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置を提供する。
【0023】
第1のプラットフォーム1には、試験対象のバッテリー交換インターフェースのソケットを取り付けるための少なくとも1つの試験ステーションが設置されており、該試験ステーションは、試験対象の電気インターフェースのソケット又は試験対象の冷却インターフェースのソケットなどを選択的に接続することができ、様々な形式のバッテリー交換インターフェースに対応する。
【0024】
マニピュレータ2は、第1のプラットフォーム1に隣接して設置され、マニピュレータ2は、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグを挟持するための少なくとも1つの挟持端を有し、該挟持端は、試験対象の電気インターフェースのプラグ又は試験対象の冷却インターフェースのプラグなどを選択的に挟持することができ、挟持されたプラグは試験ステーションのソケットと互いにマッチングすることができる。さらに、本実施例が提供するマニピュレータ2は6つの自由度を有し、マニピュレータ2は、挟持端に電気的に接続された制御モジュールをさらに有し、この制御モジュールは、挟持端を制御してプラグを駆動して移動させ、さらにプラグとソケットの相対位置を変更するために用いられ、相対位置は、プラグとソケットとの間の相対距離を含むだけでなく、プラグとソケットとの間の相対角度も含む。
【0025】
図2に示すように、傾動アセンブリ3は、第1のプラットフォーム1の下方に設置され、第1の駆動部材34、ウォーム31、ギア32、及び第1の傾動部材33を含み、第1の駆動部材34の出力端はウォーム31に接続され、ウォーム31はY軸方向に沿って延び、ギア32はウォーム31と噛み合い、第1の駆動部材34がウォーム31を駆動して回転させる場合、ギア32はX軸の周りを回転することができ、第1の傾動部材33の第1の端はギア軸に接続され、第2の端は第1のプラットフォーム1に接続され、ギア32が回転すると、第1の傾動部材33を駆動してX軸の周りを回転させることもでき、それにより第1のプラットフォーム1を駆動してX軸の周りを傾動させる。
【0026】
本実施例が提供する傾動部材は、開口部が対向する2つのU字形部材が接続されてなり、ギア32は第1の端のU字形部材の間に少なくとも部分的に設置され、第1の端のU字形部材の2つの第1の支持アーム331はギア32に対してX軸方向の制限を行うことができ、第2の端のU字形部材の2つの第2の支持アーム332は第1のプラットフォーム1に接続され、傾動力を受けたときの第1のプラットフォーム1のバランスを確保する。
【0027】
さらに、傾動アセンブリ3は第2の駆動部材36及び第2の傾動部材35をさらに含み、第2の傾動部材35は第2の駆動部材36の出力端に接続され、Y軸の周りを回転することができ、第2の傾動部材35は第1の傾動部材33を駆動してY軸の周りを回転させることができ、それにより第1のプラットフォーム1を駆動してY軸の周りを傾動させる。
【0028】
具体的には、本実施例が提供する第2の傾動部材35は、U字形部材であり、U字形部材の2つの第3の支持アーム351は第2の駆動部材36の出力端に接続され、ギア32は2つの第3の支持アーム351の間に配置され、ギア32に対してY軸方向の制限を行うことができ、2つの第3の支持アーム351を接続する接続アーム352には貫通孔が開設されており、ギア32は貫通孔を貫通することができ、接続アーム352はギア32と第1の支持アーム331との間に配置されるため、第2の傾動部材35が回転すると、接続アーム352は第1の傾動部材33の第1の支持アーム331を駆動してY軸の周りを傾動させることができる。
【0029】
本実施例が提供する第1の駆動部材34及び第2の駆動部材36は両方とも、駆動モータである。
【0030】
ここまで、傾動アセンブリ3の設置により、第1のプラットフォーム1をX軸方向及びY軸方向の周りに傾動させて、路面の凹凸によるソケットの傾斜など、プラグとソケットを実際に結合するときの状況をシミュレーションすることができる。なお、プラグとソケットに角度のずれが発生する指標は一般的に1°~3°にあるため、本実施例が提供する傾動アセンブリ3は第1のプラットフォーム1のわずかな回転を実現すればよい。
【0031】
以下、2種類の異なるバッテリー交換インターフェースを試験するときに使用される装置の他の部分及びその使用方法についてそれぞれ説明する。
【0032】
試験装置が試験対象の冷却インターフェースのプラグ及びソケットの信頼性を測定するために用いられる場合、装置の液体収集アセンブリ4も使用する必要がある。
【0033】
図3~4に示すように、液体収集アセンブリ4は第3の駆動部材45、ガイドロッド41、スリーブ42、及び液体吸収部材43を含み、ガイドロッド41はZ軸方向に沿って延び、第3の駆動部材45の出力端はガイドロッド41に接続され、ガイドロッド41を駆動して回転させることができ、スリーブ42は、ガイドロッド41に追従して同期回転できるようにガイドロッド41に嵌設され、液体吸収部材43は第1のカンチレバー431を介してスリーブ42の外壁に接続され、第1のカンチレバー431は水平方向に沿って延びる。本実施例が提供する第3の駆動部材45は駆動モータであり、駆動モータも制御モジュールに電気的に接続され、駆動モータの回転を制御することにより、液体吸収部材43を所望の位置まで回転させる。なお、本実施例が提供する液体吸収部材43は、冷却液を十分に吸収できる材料で製造される。
【0034】
具体的には、ガイドロッド41には、第1の制限部材411及び第2の制限部材412が間隔を置いて設置され、スリーブ42の少なくとも一部は第1の制限部材411と第2の制限部材412との間に配置され、スリーブ42は、上壁、下壁、及び上壁と下壁に接続された側壁を有し、スリーブ42の側壁とガイドロッド41との間に隙間が残され、スリーブ42はガイドロッド41に対してその軸方向に沿って移動できるが、スリーブ42の上壁は、常に第1の制限部材411と第2の制限部材412との間に配置される。
【0035】
さらに、液体収集アセンブリ4は戻しばね46をさらに含み、戻しばね46はガイドロッド41に嵌設され、スリーブ42の内壁とガイドロッド41の外壁との間の隙間内に配置され、戻しばね46の一端はそのうちの1つの制限部材に接続され、他端はスリーブ42に接続される。
【0036】
具体的には、本実施例が提供する戻しばね46は圧縮ばねであり、圧縮ばねの一端は第1の制限部材411に接続され、他端はスリーブ42の上壁に接続され、圧縮ばねは第1の圧縮状態及び第2の圧縮状態を有し、圧縮ばねが第1の圧縮状態にある場合、圧縮ばねは第1の戻し力を有し、スリーブ42の上壁は第1の戻し力の作用下で第2の制限部材412に当接し、圧縮ばねが第2の圧縮状態にある場合、圧縮ばねは第2の戻し力を有し、このとき、スリーブ42の上壁は第2の制限部材412から分離する。マニピュレータ2は第1のカンチレバー431を押圧することにより、圧縮ばねを第1の圧縮状態から第2の圧縮状態に変換させることができ、マニピュレータ2が第1のカンチレバー431に力を加えなくなると、圧縮ばねは第2の戻し力の作用下で第2の圧縮状態から第1の圧縮状態に戻る。
【0037】
他の実施例では、戻しばね46は引張ばねであってもよく、引張ばねの一端は第2の制限部材412に接続され、他端はスリーブ42の下壁に接続され、引張ばねは第1の引張状態及び第2の引張状態を有し、引張ばねが第1の引張状態にある場合、引張ばねは第1の戻し力を有し、スリーブ42の下壁は第1の戻し力の作用下で第1の制限部材411に当接し、引張ばねが第2の引張状態にある場合、引張ばねは第2の戻し力を有し、このとき、スリーブ42の下壁は第1の制限部材411から分離する。同様に、マニピュレータ2は第1のカンチレバー431を押圧することにより、引張ばねを第1の引張状態から第2の引張状態に変換させることができ、マニピュレータ2が第1のカンチレバー431に力を加えなくなると、引張ばねは第2の戻し力の作用下で第2の引張状態から第1の引張状態に戻る。
【0038】
さらに、液体収集アセンブリ4は液体滴下部材44をさらに含み、液体滴下部材44は第2のカンチレバー441を介してスリーブ42の外壁に固定して接続され、第2のカンチレバー441は水平方向に沿って延び、第2のカンチレバー441と第1のカンチレバー431とは夾角をなして間隔を置いて設置され、ソケットとプラグが分離する場合、実際の状況に応じてスリーブ42を選択的に回転させ、液体吸収部材43でプラグとソケットの表面に付着した残留した冷却液を吸収するか又は液体滴下部材44でプラグから滴下した冷却液を受けるかを選択することができる。
【0039】
該装置が試験対象の冷却インターフェースを試験する使用方法について説明する。まず、第1のプラットフォーム1の試験ステーションに試験対象の冷却インターフェースのソケットを取り付け、マニピュレータ2の挟持端が試験対象の冷却インターフェースのプラグを挟持し、制御モジュールによってマニピュレータ2を制御してプラグを試験に必要な位置に移動させ、又は傾動アセンブリ3によってソケットの位置を調整し、次に、マニピュレータ2を移動させることによってプラグとソケットを挿抜し、プラグとソケットを結合してから分離し、プロセス全体は1サイクルであり、1サイクルが完了した後、制御モジュールによって第3の駆動部材45を駆動して回転させ、第3の駆動部材45の出力端はガイドロッド41に接続され、ガイドロッド41はスリーブ42を駆動して出力端とともに同期回転させ、液体滴下部材44はプラグの直下に配置され、プラグから滴下する冷却液を受けるために用いられ、一定時間後、冷却液の滴下がなくなったら、スリーブ42を再び回転させ、液体吸収部材43をプラグとソケットの中間に配置し、液体吸収部材43によってプラグの表面に付着した残留した冷却液を吸収し、次にマニピュレータ2によって第1のカンチレバー431を押圧して、液体吸収部材43を下向きに移動させてソケットの表面に付着した残留した冷却液を吸収し、最後に、マニピュレータ2を取り外して第1のカンチレバー431の位置をリセットする。
【0040】
試験装置が試験対象の電気インターフェースのプラグ及びソケットの信頼性を試験するために用いられる場合、装置の以下の部分を使用する必要もある。
【0041】
本実施例が提供するバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置は第2のプラットフォーム5をさらに含み、第2のプラットフォーム5は弾性支柱を介して第1のプラットフォーム1の試験ステーションから離れた表面に接続され、弾性支柱は完成車のバッテリー交換電気インターフェースのソケットトレイとバッテリー交換電気インターフェースとの間のばねをシミュレーションするために用いられる。
【0042】
図5に示すように、配線アセンブリ6は第3のプラットフォーム61及びワイヤーハーネス固定部材62を含み、第3のプラットフォーム61は第2のプラットフォーム5に配置され、第3のプラットフォーム61と第1のプラットフォーム1は間隔を置いて設置され、第2のプラットフォーム5に対する第3のプラットフォーム61の高さは調整可能であり、第3のプラットフォーム61には、X軸方向に沿って複数の貫通孔が間隔を置いて設置され、ワイヤーハーネス固定部材62は、貫通孔を介して第3のプラットフォーム61に取り外し可能に接続することができ、ワイヤーハーネス固定部材62は電気インターフェースソケットのワイヤーハーネスを固定するために用いられる。第3のプラットフォーム61の高さ及びワイヤーハーネス固定部材62の位置を調整することにより、配線の最適な距離を見つけ、それによりバッテリー交換電気インターフェースが挿抜要件を満たし、同時にワイヤーハーネス固定部材62の取付位置によるソケット自体への影響を回避し、バッテリー交換電気インターフェースの耐用年数を効果的に延ばす。
【0043】
さらに、第3のプラットフォーム61は昇降ユニット63を介して第2のプラットフォーム5に接続され、具体的には、本実施例が提供する昇降ユニット63は第1の親ねじナット構造であり、第1の親ねじはZ軸方向に沿って延び、第3のプラットフォーム61を第1のナットに嵌設し、同時に第3のプラットフォーム61の対向する両側はヒンジを介して第2のプラットフォーム5に接続されて、第3のプラットフォーム61が第1の親ねじとともに回転することを制限し、第1の親ねじが回転すると、第1の親ねじと螺合する第1のナットは第3のプラットフォーム61を駆動して昇降させ、本実施例では、手回しクランクを介して第1の親ねじを駆動して回転させ、他の実施例では、駆動モータを用いて第1の親ねじを駆動して回転させることができる。
【0044】
なお、本実施例が提供する第2のプラットフォーム5の底部には、第2のプラットフォーム5全体をX軸方向に沿って移動させることができるスライドアセンブリが設けられ、具体的には、本実施例が提供するスライドアセンブリは第2の親ねじナット機構であり、第2の親ねじはX軸方向に沿って延び、第2のプラットフォーム5を第2のナットに嵌設し、同時に第2のプラットフォーム5の対向する両側には、互いに協働可能なスライドレール及びスライドブロックがさらに設置され、スライドレール及びスライドブロックの協働により、一方では第2のプラットフォーム5をより安定させ、他方では第2のプラットフォーム5が第2の親ねじとともに回転することを制限することができ、第2の親ねじが回転すると、第2の親ねじと螺合する第2のナットは第2のプラットフォーム5を駆動してX軸方向に沿ってスライドさせ、本実施例では、駆動モータによって第2の親ねじを駆動して回転させ、他の実施例では、手回しクランクを用いて第2の親ねじを駆動して回転させることもできる。
【0045】
本実施例が提供するバッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置は、マニピュレータ2及び傾動可能な第1のプラットフォームを設置することにより、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグとソケットとの間の相対位置を、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験方法における複数の試験項目の条件を満たすように調整可能にする。冷却インターフェースのバッテリー交換に対して、該装置には、ソケットとプラグが分離した後に残留した冷却液を吸収できる液体収集アセンブリ4が配置され、試験対象の冷却インターフェースの冷却液の漏れ量を試験するためのデータサポートを提供する。電気インターフェースのバッテリー交換に対して、該装置にはワイヤーハーネス固定部材62が配設され、ワイヤーハーネス固定部材62の位置が調整可能であり、ワイヤーハーネス固定部材62の取付位置によるソケット自体への影響を回避し、バッテリー交換電気インターフェースの耐用年数を効果的に延ばす。
【0046】
該装置は、異なる形式のバッテリー交換インターフェースの検出に対応し、自動化されたバッテリー交換を実現することができるだけでなく、バッテリー交換インターフェースの各指標が要件を満たすか否かを協力して検出し、人件費を削減し、作業効率を向上させることもできる。
【0047】
なお、本発明で使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本出願の範囲を限定するものではない。本発明の明細書に示されるように、文脈が例外を明確に示していない限り、「1」、「1つ」、「1種」及び/又は「該」などの語は、単数形を指すものではなく、複数形も含み得る。用語「含む」、「包含」又はそれらの任意の他の変形は、一連の要素を含むプロセス、方法、又は機器が、それらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むように、又はそのようなプロセス、方法、もしくは機器に固有の他の要素も含むように、非排他的な包含をカバーすることが意図される。さらなる限定がない場合、語句「一つの…を含む」により限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法又は機器における別の同じ要素の存在を排除するものではない。
【0048】
また、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡単化のためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方向を有したり、特定の方位で構成又は操作されたりすることを指示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解すべきではない。明確に指定又は限定しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」などは、広義で理解すべきであり、例えば、固定して接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体に接続してもよく、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解し得る。
【0049】
最後に説明すべきことは以下のとおりである。以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上記の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうちの技術的特徴の一部又は全部に対して同等の置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1 第1のプラットフォーム
2 マニピュレータ
3 傾動アセンブリ
31 ウォーム
32 ギア
33 第1の傾動部材
331 第1の支持アーム
332 第2の支持アーム
34 第1の駆動部材
35 第2の傾動部材
351 第3の支持アーム
352 接続アーム
36 第2の駆動部材
4 液体収集アセンブリ
41 ガイドロッド
411 第1の制限部材
412 第2の制限部材
42 スリーブ
43 液体吸収部材
431 第1のカンチレバー
44 液体滴下部材
441 第2のカンチレバー
45 第3の駆動部材
46 戻しばね
5 第2のプラットフォーム
6 配線アセンブリ
61 第3のプラットフォーム
62 ワイヤーハーネス固定部材
63 昇降ユニット
【要約】
本発明は、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験装置を開示し、マニピュレータ及び傾動可能な第1のプラットフォームを設置することにより、試験対象のバッテリー交換インターフェースのプラグとソケットとの間の相対位置を、バッテリー交換インターフェースの信頼性試験方法における複数の試験項目の条件を満たすように調整可能にする。冷却インターフェースのバッテリー交換に対して、ソケットとプラグが分離した後に残留した冷却液を吸収できる液体収集アセンブリが配設され、試験対象の冷却インターフェースの冷却液の漏れ量を試験するためのデータサポートを提供し、電気インターフェースのバッテリー交換に対して、ワイヤーハーネス固定部材が配設され、ワイヤーハーネス固定部材の位置が調整可能であり、ワイヤーハーネス固定部材の取付位置によるソケット自体への影響を回避し、バッテリー交換電気インターフェースの耐用年数を効果的に延ばす
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5