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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】冷蔵庫制御システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020074075
(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公開番号】P2021169909
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智之
(72)【発明者】
【氏名】多賀 一瑳
(72)【発明者】
【氏名】垣内 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中川 雅至
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194209(JP,A)
【文献】特開2017-020730(JP,A)
【文献】特開2007-292421(JP,A)
【文献】特開2012-220186(JP,A)
【文献】特許第6395982(JP,B1)
【文献】特開2011-196076(JP,A)
【文献】特開平05-302749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫と、前記冷蔵庫とネットワークを介して通信可能な端末装置とを備える冷蔵庫制御システムであって、
前記端末装置は、
前記冷蔵庫のユーザーが、食品を取得可能な食品取得可能先に位置するか否かを検知し、
前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合には、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知する場合よりも前記冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転の開始指示を示す開始指示情報を前記冷蔵庫に送信し、
前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知した場合、前記開始指示情報を前記冷蔵庫に送信せず、
前記冷蔵庫は、
冷蔵庫IDを記憶し、
前記開始指示情報を受信し、受信した前記開始指示情報に付加された冷蔵庫IDが記憶する冷蔵庫IDと一致する場合に、前記冷却運転を開始し、
前記端末装置は、前記食品取得可能先に位置するかの検知の基準となる前記食品取得可能先の位置を設定し、
設定可能な前記食品取得可能先の位置には、上限が設けられている、
ことを特徴とする冷蔵庫制御システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記食品取得可能先として設定された範囲内に、所定時間以上、前記ユーザーの前記端末装置が位置した場合、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させるか否かを前記ユーザーに問い合わせることなく、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させるか否かを前記ユーザーに問い合わせ、
前記ユーザーから前記冷却運転を開始させる指示を受け付けた場合に、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項5】
前記食品取得可能先は、前記ユーザーが会計によって食品を取得可能な店舗である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項6】
前記冷蔵庫は、
前記冷却運転を開始した後に初めて、前記冷蔵庫に設けられるドア又は引出の開閉を検知した場合、前記冷却運転を終了する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項7】
前記冷蔵庫は、
前記冷却運転を開始した後、所定時間が経過した場合に前記冷却運転を終了する、
ことを特徴とする請求項1又は6に記載の冷蔵庫制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫の庫内温度を設定する技術が知られている。例えば、特許文献1は、過去の庫内収納量の変化に基づいて大量に食品を購入する曜日及び日時を特定し、特定した曜日及び日時の冷却量を増加して庫内温度を下げる冷蔵庫を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-108740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、購入等によりユーザーが食品を取得しない場合でも、特定した曜日及び日時において冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させてしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、店舗のような食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫制御システムは、冷蔵庫と、前記冷蔵庫とネットワークを介して通信可能な端末装置とを備える冷蔵庫制御システムであって、前記端末装置は、前記冷蔵庫のユーザーが、食品を取得可能な食品取得可能先に位置するか否かを検知し、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合には、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知する場合よりも前記冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転の開始指示を示す開始指示情報を前記冷蔵庫に送信し、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知した場合、前記開始指示情報を前記冷蔵庫に送信せず、前記冷蔵庫は、冷蔵庫IDを記憶し、前記開始指示情報を受信し、受信した前記開始指示情報に付加された冷蔵庫IDが記憶する冷蔵庫IDと一致する場合に、前記冷却運転を開始し、前記端末装置は、前記食品取得可能先に位置するかの検知の基準となる前記食品取得可能先の位置を設定し、設定可能な前記食品取得可能先の位置には、上限が設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、店舗のような食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】冷蔵庫制御システムの構成を示す図
図2】冷蔵庫、端末装置、及び、冷蔵庫制御サーバーの機能的構成を示すブロック図
図3】検知部の検知を説明するための図
図4】冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
図5】ユーザーインターフェースの一例を示す図
図6】冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
図7】ユーザーインターフェースの一例を示す図
図8】冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、ネットワークを介して冷蔵庫と通信可能な端末装置の制御部を、前記冷蔵庫のユーザーが、食品を取得可能な食品取得可能先に位置するか否かを検知する検知部と、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると前記検知部が検知した場合、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと前記検知部が検知する場合よりも前記冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を前記冷蔵庫に開始させ、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと前記検知部が検知した場合、前記冷却運転を前記冷蔵庫に開始させない運転制御部と、して機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先に位置すると検知部が検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーが食品取得可能先に位置しないと検知部が検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させない。よって、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることができる。
【0010】
第2の発明は、前記検知部は、前記食品取得可能先として設定された範囲内に、所定時間以上、前記ユーザーの前記端末装置が位置した場合、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知する、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先に位置するか否かをより正確に検知できるため、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性をより高めることができる。
【0011】
第3の発明は、前記運転制御部は、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると前記検知部が検知した場合、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させるか否かを前記ユーザーに問い合わせることなく、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させる、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先に位置すると検知部が検知した場合、自動で、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を冷蔵庫に開始させる。そのため、ユーザーが食品取得可能先に位置すると検知部が検知する度に、ユーザーが当該冷却運転の開始指示を行う必要がない。よって、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性をより高められると共に、当該冷却運転を開始させる際の手間を低減できる。
【0012】
第4の発明は、前記運転制御部は、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると前記検知部が検知した場合、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させるか否かを前記ユーザーに問い合わせ、前記ユーザーから前記冷却運転を開始させる指示を受け付けた場合に、前記冷蔵庫に前記冷却運転を開始させる、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を開始させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫に当該冷却運転を開始させるため、冷蔵庫が開始する当該冷却運転が、ユーザーの意図しない冷蔵庫の動作となることを防止できる。
【0013】
第5の発明は、前記食品取得可能先は、前記ユーザーが会計によって食品を取得可能な店舗である、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品を取得する可能性が高い店舗にユーザーが位置すると検知部が検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーが店舗に位置しないと検知部が検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させない。よって、ユーザーが食品を取得する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性をより高めることができる。
【0014】
第6の発明は、前記プログラムは、前記端末装置がインストール可能なアプリケーションプログラムである、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を開始させる機能を有していない端末装置を、アプリケーションプログラムのインストールによって、当該機能を有する端末装置とすることができる。よって、汎用的な端末装置を、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる端末装置とすることができる。
【0015】
第7の発明は、ネットワークを介して冷蔵庫と通信可能な端末装置であって、前記冷蔵庫のユーザーが、食品を取得可能な食品取得可能先に位置するか否か検知し、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知する場合よりも前記冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を前記冷蔵庫に開始させ、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知した場合、前記冷却運転を前記冷蔵庫に開始させない制御部を備える、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先に位置すると検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーが食品取得可能先に位置しないと検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させない。よって、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることができる。
【0016】
第8の発明は、冷蔵庫と、前記冷蔵庫とネットワークを介して通信可能な端末装置とを備える冷蔵庫制御システムであって、前記端末装置は、前記冷蔵庫のユーザーが、食品を取得可能な食品取得可能先に位置するか否かを検知し、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置すると検知した場合には、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知する場合よりも前記冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転の開始指示を示す開始指示情報を前記冷蔵庫に送信し、前記ユーザーが前記食品取得可能先に位置しないと検知した場合、前記開始指示情報を前記冷蔵庫に送信せず、前記冷蔵庫は、前記開始指示情報を受信した場合、前記冷却運転を開始する、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先に位置すると検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーが食品取得可能先に位置しないと検知した場合に、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させない。よって、食品取得可能先にユーザーが位置する場合に冷蔵庫の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることができる。
【0017】
第9の発明は、前記冷蔵庫は、前記冷却運転を開始した後に初めて、前記冷蔵庫に設けられるドア又は引出の開閉を検知した場合、前記冷却運転を終了する、ことを特徴とする。
ユーザーが食品取得可能先で取得した食品を冷蔵庫に収容する際、冷蔵庫は、速やかに、当該食品の温度を最適な保管温度に至らせられる可能性が高い。よって、ユーザーが食品取得可能先で取得した食品を冷蔵庫に収容した後に継続して冷却量を増加させる必要がないため、第9の発明によれば、当該冷却運転を適切なタイミングで終了できる。
【0018】
第10の発明は、前記冷蔵庫は、前記冷却運転を開始した後、所定時間が経過した場合に前記冷却運転を終了する、ことを特徴とする。
これによれば、ユーザーが食品取得可能先から帰宅したタイミングやユーザーが食品可能取得先で取得した食品を冷蔵庫に収容するタイミングで、冷却運転を終了できる可能性を高いため、冷却運転を適切なタイミングで終了できる。
【0019】
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、冷蔵庫制御システム1000の構成を示す図である。
【0020】
冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫1のユーザーPが使用する端末装置2が、グローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1の運転を制御するシステムである。グローバルネットワークGNは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。グローバルネットワークGNは、本発明の「ネットワーク」に相当する。
【0021】
冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫1を備える。図1では、冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置されている。冷蔵庫1は、前面が開口した主箱体10を備え、主箱体10には、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15が形成されている。冷蔵室11の前面の開口部には、回転式の左ドア11A及び右ドア11Bが設けられている。左ドア11A、及び、右ドア11Bは、本発明の「ドア」に相当する。製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15のそれぞれには、食品を収容する引出12A、13A、14A、15Aが設けられている。
【0022】
本実施形態の冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置された通信装置4と通信接続し、通信装置4を介して冷蔵庫制御サーバー3と通信する。
【0023】
通信装置4は、グローバルネットワークGNに接続し、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信する。通信装置4は、冷蔵庫1をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。また、通信装置4は、端末装置2が通信装置4と通信接続を確立している場合、端末装置2をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。通信装置4は、モデムに係る機能や、ルーター機能、NAT(Network Address Translation)機能等の機能を有する。通信装置4は、冷蔵庫1と、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3との間で送受信されるデータを転送する。また、通信装置4は、通信接続を確立する端末装置2と、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3との間で送受信されるデータを転送する。
【0024】
冷蔵庫制御システム1000は、タッチパネル22を有する端末装置2を備える。端末装置2は、例えばスマートフォンやタブレット端末により構成される。端末装置2は、冷蔵庫1の運転を制御するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。以下の説明では、冷蔵庫1の運転を制御するためのアプリケーションプログラムを、「冷蔵庫制御アプリ」といい「213」の符号を付す。冷蔵庫制御アプリ213は、本発明の「プログラム」と「アプリケーションプログラム」に相当する。
【0025】
図1では、在宅するユーザーPを点線で示している。また、図1では、自宅Hから外出し、会計によって食品Fを取得可能な店舗TP、すなわち食品Fを販売する店舗TPに赴くユーザーPを実線で示している。店舗TPは、本発明の「食品取得可能先」に相当する。端末装置2は、在宅するユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって、通信装置4を介して、或いは通信装置4を介さずに、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信して、冷蔵庫1の運転を制御する。また、端末装置2は、自宅Hから外出したユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって、通信装置4を介すことなく、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信して、冷蔵庫1の運転を制御する。
【0026】
冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫制御サーバー3を備える。冷蔵庫制御サーバー3は、冷蔵庫1の運転を制御するサーバー装置であり、グローバルネットワークGNに接続する。なお、各図では、冷蔵庫制御サーバー3を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしも冷蔵庫制御サーバー3が単一のサーバー装置により構成されることを意味するものではない。例えば、冷蔵庫制御サーバー3は、処理内容が異なる複数のサーバー装置を含んで構成されたものでもよい。
【0027】
次に、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の機能的構成について説明する。
図2は、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
【0028】
まず、冷蔵庫1の機能的構成について説明する。
冷蔵庫1は、冷蔵庫制御部16、冷蔵庫通信部17、冷却部18、及び、センサー部19を備える。
【0029】
冷蔵庫制御部16は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである冷蔵庫プロセッサー160、及び、冷蔵庫記憶部161を備え、冷蔵庫1の各部を制御する。冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫プロセッサー160が、冷蔵庫記憶部161に記憶された制御プログラム1611を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0030】
冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや、冷蔵庫プロセッサー160により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行する制御プログラム1611、冷蔵庫1の設定に係る設定データ1612、冷蔵庫1の識別情報である冷蔵庫ID1613、その他の各種データを記憶する。冷蔵庫ID1613としては、冷蔵庫1の製造番号が一例として挙げられる。冷蔵庫記憶部161は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、冷蔵庫記憶部161は、揮発性記憶領域を備え、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0031】
冷蔵庫通信部17は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、冷蔵庫制御部16の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態では、冷蔵庫通信部17は、冷蔵庫制御サーバー3と所定の通信規格に従って通信する。冷蔵庫通信部17が使用する通信規格は、無線通信規格(例えばIEEE802.11a/11b/11g/11n/11ac、Bluetooth(登録商標))でもよいし有線通信規格でもよい。
【0032】
冷却部18は、圧縮機181や、凝縮器182、キャピラリーチューブ183、冷却器184、冷却器184が生成した冷気を各収容室に送る冷却ファン185、及び、冷却ファン185により送られる冷気を分流するダンパー186等の冷蔵庫1の各収容室を冷却する機構を備え、冷蔵庫制御部16の制御に従って、冷蔵庫1の各収容室を冷却する。
【0033】
センサー部19は、開閉センサー191や、冷蔵庫1の庫内の温度を検出する温度センサー等の各種センサーを備え、センサーごとにセンサーの検出信号を冷蔵庫制御部16に出力する。図2に示すように、センサー部19は、開閉センサー191として、左ドア開閉センサー191A、右ドア開閉センサー191B、製氷室開閉センサー191C、新鮮凍結室開閉センサー191D、冷凍室開閉センサー191E、及び、野菜室開閉センサー191Fを備える。
【0034】
左ドア開閉センサー191Aは、冷蔵室11の所定の位置に設けられ、左ドア11Aの開閉状態を検出する。
右ドア開閉センサー191Bは、冷蔵室11の所定の位置に設けられ、右ドア11Bの開閉状態を検出する。
製氷室開閉センサー191Cは、製氷室12の所定の位置に設けられ、引出12Aの開閉状態を検出する。なお、引出12A、13A、14A、15Aは、対応する収容室から引き出されている状態が開状態であり、対応する収容室に収容されている状態が閉状態である。
新鮮凍結室開閉センサー191Dは、新鮮凍結室13の所定の位置に設けられ、引出13Aの開閉状態を検出する。
冷凍室開閉センサー191Eは、冷凍室14の所定の位置に設けられ、引出14Aの開閉状態を検出する。
野菜室開閉センサー191Fは、野菜室15の所定の位置に設けられ、引出15Aの開閉状態を検出する。
【0035】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを、通常運転モードと、通常運転モードより冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させた予冷運転モードとのいずれかに移行させる。通常運転モードは、予冷運転より冷蔵庫1の庫内の冷却量が少ない通常運転を行う運転モードである。他方、予冷運転モードとは、通常運転より冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる予冷運転を行う運転モードである。予冷運転は、本発明の「冷却運転」に相当する。冷蔵庫1は、ユーザーPが食品Fを冷蔵庫1に収容する前に予冷運転を行うことで、当該前に冷蔵庫1の庫内温度を通常運転時よりも下げることができる。よって、冷蔵庫1は、ユーザーPが食品Fを冷蔵庫1に収容したことに起因して一時的に庫内温度が上昇することを防止し、また、新規で収容された食品Fの温度を、速やかに最適な保管温度に至らせることができる。つまり、冷蔵庫1は、ユーザーPが食品Fを冷蔵庫1に収容する前に予冷運転を行うことで、既に収容されている食品F、及び、新規で収容された食品Fの鮮度が低下すること防止できる。
【0036】
冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、例えば、圧縮機181の回転数を通常運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、冷却ファン185の回転数を通常運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1における冷気の循環量を増やし、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、圧縮機181の回転数を通常運転時の回転数より上げ、且つ、冷却ファン185の回転数を通常運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。これにより、予冷運転においては、通常運転と比較して、冷蔵庫1の庫内温度が例えば2℃下がる。なお、予冷運転においては、全収容室を対象に庫内温度を下げてもよいし、例えば冷蔵室11のみ等の任意の収容室を対象に庫内温度を下げてもよい。
【0037】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17によって、予冷運転の開始指示を示す開始指示情報を冷蔵庫制御サーバー3から受信した場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから予冷運転モードに移行させ、予冷運転を開始する。冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始すると、予冷運転の終了トリガーが発生した場合に、予冷運転を終了し、冷蔵庫1の運転モードを予冷運転モードから通常運転モードに移行させる。
本実施形態において、冷蔵庫制御部16は、センサー部19から出力される開閉センサー191の検出信号に基づいて、左ドア11A、右ドア11B、引出12A、13A、14A、15Aの少なくともいずれかの開閉を検知した場合、終了トリガーが発生したとして、予冷運転を終了する。また、冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始してから、所定時間(例えば2時間)が経過した場合に、終了トリガーが発生したとして、予冷運転を終了する。
【0038】
次に、冷蔵庫制御サーバー3の機能について説明する。
冷蔵庫制御サーバー3は、サーバー制御部30、及び、サーバー通信部31を備える。
【0039】
サーバー制御部30は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーであるサーバープロセッサー300、及び、サーバー記憶部310を備え、冷蔵庫制御サーバー3の各部を制御する。サーバー制御部30は、サーバープロセッサー300が、サーバー記憶部310に記憶された制御プログラム311を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0040】
サーバー記憶部310は、サーバープロセッサー300が実行するプログラムや、サーバープロセッサー300により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。サーバー記憶部310は、サーバープロセッサー300が実行する制御プログラム311、冷蔵庫制御サーバー3の設定に係る設定データ312、冷蔵庫制御データベース313、その他の各種データを記憶する。サーバー記憶部310は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、サーバー記憶部310は、揮発性記憶領域を備え、サーバープロセッサー300が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0041】
冷蔵庫制御データベース313は、冷蔵庫1の運転制御に係る各種情報を格納するデータベースである。冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、ユーザーID3131、冷蔵庫ID1613、及び、通信情報3132を有する。なお、冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、さらに1又は複数の別種類の情報を有していてもよい。
【0042】
ユーザーID3131は、冷蔵庫制御アプリ213を利用するユーザーPを識別する識別情報であり、冷蔵庫制御アプリ213を利用するユーザーPに対して適切に割り当てられる。
【0043】
上述した通り、冷蔵庫ID1613は、冷蔵庫1の識別情報である。
【0044】
通信情報3132は、同じレコードRで対応付く冷蔵庫ID1613の冷蔵庫1と通信するための情報である。通信情報3132は、例えばアドレス情報やセキュリティ情報等を含む。
【0045】
サーバー通信部31は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、サーバー制御部30の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態においてサーバー通信部31は、冷蔵庫1及び端末装置2と通信する。
【0046】
次に、端末装置2の機能的構成について説明する。
端末装置2は、端末制御部20、端末通信部21、タッチパネル22、及び、GPS受信部23を備える。端末制御部20は、本発明の「制御部」に相当する。
【0047】
端末制御部20は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー200、及び、端末記憶部210を備え、端末装置2の各部を制御する。端末制御部20は、端末プロセッサー200が、端末記憶部210に記憶された制御プログラム211を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。端末装置2には、冷蔵庫制御アプリ213が事前にインストールされる。冷蔵庫制御アプリ213は、端末プロセッサー200により端末記憶部210から読み出されて実行されることで、端末制御部20を、設定部201、検知部202、及び、運転制御部203として機能させるプログラムである。これら機能部の詳細については後述する。
【0048】
端末記憶部210は、端末プロセッサー200が実行するプログラムや、端末プロセッサー200により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部210は、端末プロセッサー200が実行する制御プログラム211、端末装置2の設定に係る設定データ212、冷蔵庫制御アプリ213、ユーザーID3131、その他の各種データを記憶する。端末記憶部210は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、端末記憶部210は、揮発性記憶領域を備え、端末プロセッサー200が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0049】
端末通信部21は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部20の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部21は、冷蔵庫制御アプリ213の機能により、冷蔵庫制御サーバー3と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部21が使用する通信規格は、無線通信規格である。
【0050】
タッチパネル22は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて、或いは一体に設けられたタッチセンサーとを備える。表示パネルは、端末制御部20の制御で、各種画像を表示する。タッチセンサーは、タッチ操作を検出し、端末制御部20に出力する。端末制御部20は、タッチセンサーからの入力に基づいて、タッチ操作に対応する処理を実行する。
【0051】
GPS受信部23は、不図示のアンテナによりGPS衛星からGPS信号を周期的に受信し、受信したGPS信号に基づいて端末装置2の位置(例えば、緯度、及び、経度)を算出するハードウェアを備える。GPS受信部23は、算出した端末装置2の位置を示す位置データを生成し、端末制御部20に出力する。
【0052】
上述した通り、端末制御部20は、設定部201、検知部202、及び、運転制御部203として機能する。
【0053】
設定部201は、冷蔵庫制御アプリ213の機能に関する各種設定を行う。例えば、設定部201は、冷蔵庫制御アプリ213がアクセス可能な所定の記憶領域に記憶されたアプリ設定データにおいて、設定値を対応する設定項目にセットすることで、冷蔵庫制御アプリ213の機能に関する各種設定を行う。なお、アプリ設定データは、冷蔵庫制御アプリ213の機能の設定に係るデータであり、各種の設定項目を含む。
【0054】
設定部201は、検知部202による検知の基準となる店舗TPの位置を設定する。以下の説明において、店舗TPの位置を、単に「店舗位置」といい「TPI」の符号を付す。本実施形態では、設定部201は、店舗位置TPIを、最大3つ設定可能であるとする。なお、この設定可能な最大数は、あくまで一例であって、さらに多くてもよく、少なくてもよい。
【0055】
設定部201は、店舗位置TPIの設定に際し、例えば、タッチパネル22に店舗TPの住所をユーザーPに入力させるためのユーザーインターフェースを表示させ、入力された住所を店舗位置TPIとして設定する。
あるいは、設定部201は、タッチパネル22に地図を表示させ、ユーザーPがタッチ操作で指し示した地図上の位置を、店舗位置TPIとして設定してもよい。
【0056】
設定部201は、設定した店舗位置TPIごとに、検知部202による検知において、店舗TPとして見做す範囲を設定する。以下の説明において、設定部201が店舗TPとして見做して設定した範囲を、「店舗範囲」といい「TPH」の符号を付す。例えば、設定部201は、設定した店舗位置TPIを中心として半径αメートルの範囲を店舗範囲TPHに設定する。なお、店舗範囲TPHにおける店舗位置TPIからの半径は、設定部201が設定した店舗位置TPIごとに異なっていてもよいし、同じでもよい。また、店舗範囲TPHにおける店舗位置TPIからの半径は、予め定められていてもよいし、ユーザーPによって変更可能でもよい。
【0057】
検知部202は、GPS受信部23から出力される位置データが示す端末装置2の位置に基づいて、ユーザーPが店舗TPに位置しているか否かを検知する。検知部202は、検知結果を運転制御部203に出力する。検知部202は、設定部201が店舗位置TPIを設定した場合に、ユーザーPが店舗TPに位置しているか否かの検知を開始し、設定部201が店舗位置TPIを設定していない場合には、ユーザーPが店舗TPに位置しているか否かの検知を開始しない。検知部202は、設定部201が設定した店舗範囲TPH内に、端末装置2が連続して所定時間(例えば10分)以上、位置するか否かを検知することで、ユーザーPが店舗TPに位置しているか否かを検知する。
【0058】
図3は、検知部202の検知を説明するための図である。
図3では、設定部201が、店舗TP1、TP2、TP3のそれぞれについて店舗位置TPIを設定しているとする。また、図3では、設定部201が、店舗TP1、TP2、TP3のそれぞれについて店舗範囲TPHを設定しているとする。
【0059】
図3において、店舗範囲TPH1は、店舗TP1の店舗位置TPIを中心とした円形の範囲である。また、店舗範囲TPH2は、店舗TP2の店舗位置TPIを中心とした円形の範囲である。また、店舗範囲TPH3は、店舗TP3の店舗位置TPIを中心とした円形の範囲である。
【0060】
GPS受信部23から出力される位置データが示す端末装置2の位置が、図3において位置TI1である場合、検知部202は、端末装置2がいずれの店舗範囲TPHの内に位置していないと判定し、ユーザーPが店舗TPに位置していないと検知する。
【0061】
GPS受信部23から出力される位置データが示す端末装置2の位置が、図3において位置TI2である場合、検知部202は、店舗範囲TPH1に位置すると判定する。そして、検知部202は、端末装置2が店舗範囲TPH1に連続して所定時間以上位置していると判定した場合、ユーザーPが店舗TP1に位置していると検知する。
【0062】
GPS受信部23から出力される位置データが示す端末装置2の位置が、図3において位置TI3である場合、検知部202は、店舗範囲TPH2に位置すると判定する。そして、検知部202は、端末装置2が店舗範囲TPH2に連続して所定時間以上位置していると判定した場合、ユーザーPが店舗TP2に位置していると検知する。
【0063】
GPS受信部23から出力される位置データが示す端末装置2の位置が、図3において位置TI4である場合、検知部202は、店舗範囲TPH3に位置すると判定する。そして、検知部202は、端末装置2が店舗範囲TPH3に連続して所定時間以上位置していると判定した場合、ユーザーPが店舗TP3に位置していると検知する。
【0064】
なお、図3では、店舗範囲TPHの形状が店舗位置TPIを中心とした円形であるが、店舗範囲TPHの形状は円形に限定されず矩形等の他の形状でもよい。また、図3では、店舗範囲TPHの中心が店舗位置TPIであるが、店舗範囲TPHの中心は、店舗範囲TPHが店舗位置TPIを含む範囲であれば店舗位置TPIに限定されない。
【0065】
図2の説明に戻り、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、端末通信部21によって、予冷運転の開始指示を示す開始指示情報を冷蔵庫制御サーバー3を介して冷蔵庫1に送信する。一方、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知部202が検知した場合、端末通信部21によって、開始指示情報を送信しない。
【0066】
次に、本実形態の冷蔵庫制御システム1000の動作について説明する。
図4は、冷蔵庫制御システム1000の動作を示すフローチャートである。図4において、フローチャートFAは端末装置2の動作を示し、フローチャートFBは冷蔵庫制御サーバー3の動作を示し、フローチャートFCは冷蔵庫1の動作を示す。
【0067】
図4に示すフローチャートの開始時点では、冷蔵庫1の運転モードが通常運転モードであり、冷蔵庫1が通常運転を行っているとする。
【0068】
端末装置2の端末制御部20の運転制御部203は、検知部202からの検知結果に基づいて、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知したか否かを判別する(ステップSA1)。
【0069】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知していない、すなわち、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知部202が検知した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の処理を実行する。
【0070】
一方、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合(ステップSA1:YES)、開始指示情報を、端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSA2)。ステップSA2において、運転制御部203は、端末記憶部210が記憶するユーザーID3131を付加した開始指示情報を、冷蔵庫制御サーバー3に送信する。
【0071】
フローチャートFBを参照して、冷蔵庫制御サーバー3のサーバー制御部30は、サーバー通信部31により開始指示情報を端末装置2から受信したか否か判別する(ステップSB1)。
【0072】
サーバー制御部30は、開始指示情報を受信したと判別した場合(ステップSB1:YES)、冷蔵庫制御データベース313を参照して、開始指示情報に付加されたユーザーID3131を含むレコードRを特定する(ステップSB2)。
【0073】
サーバー制御部30は、特定したレコードRに含まれる通信情報3132に基づいて、端末装置2から受信した開始指示情報をサーバー通信部31により冷蔵庫1に送信する(ステップSB3)。ステップSB3において、サーバー制御部30は、ステップSB2で特定したレコードRに含まれる冷蔵庫ID1613を付加して、開始指示情報を送信する。
【0074】
フローチャートFCを参照して、冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により開始指示情報を冷蔵庫制御サーバー3から受信したか否かを判別する(ステップSC1)。
【0075】
冷蔵庫制御部16は、開始指示情報を受信したと判別した場合(ステップSC1:YES)、受信した開始指示情報に付加された冷蔵庫ID1613と、冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613とが一致するか否かを判別する(ステップSC2)。
【0076】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致すると判別した場合(ステップSV1:YES)、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから予冷運転モードに移行させ、予冷運転を開始する(ステップSC3)。
【0077】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致しないと判別した場合(ステップSC2:NO)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから予冷運転モードに移行させず、予冷運転を開始しない。
【0078】
このように、冷蔵庫制御部16は、開始指示情報に付加される冷蔵庫ID1613が冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613と一致する場合にのみ、予冷運転を開始する。これにより、次の効果を奏する。仮に、冷蔵庫ID1613に依ることなく予冷運転を開始する構成であると、冷蔵庫制御データベース313において冷蔵庫ID1613に対応付けられる通信情報3132が適切な情報でない場合、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1が予冷運転を開始する可能性がある。例えば、引っ越し等によって冷蔵庫1の設定場所が変わりこれによってネットワーク上のアドレスが変わった場合において、冷蔵庫制御データベース313が適切に更新されていないと、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1が予冷運転を開始する可能性がある。よって、上述した冷蔵庫制御部16のように、開始指示情報に付加される冷蔵庫ID1613が冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613と一致する場合にのみ、予冷運転を開始する構成とすることで、確実に、ユーザーPの意図する冷蔵庫1が予冷運転を開始できる。
【0079】
フローチャートFCの説明に戻り、冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始すると、終了トリガーが発生したか否かを判別する(ステップSC4)。
【0080】
冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生しないと判別した場合(ステップSC4:NO)、予冷運転を継続し、再度、ステップSC4の処理を実行する。
【0081】
冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生したと判別した場合(ステップSC4:YES)、冷蔵庫1の運転モードを予冷運転モードから通常運転モードに移行させ、予冷運転を終了する(ステップSC5)。
【0082】
以上、説明したように、冷蔵庫制御アプリ213は、グローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1と通信可能な端末装置2の端末制御部20を、冷蔵庫1のユーザーPが、食品Fを取得可能な店舗TPに位置するか否かを検知する検知部202と、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、予冷運転を冷蔵庫1に開始させ、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知部202が検知した場合、予冷運転を冷蔵庫1に開始させない運転制御部203と、して機能させる。
【0083】
また、グローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1と通信可能な端末装置2は、冷蔵庫1のユーザーPが、食品Fを取得可能な店舗TPに位置するか否か検知し、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知した場合、予冷運転を冷蔵庫1に開始させ、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知した場合、予冷運転を冷蔵庫1に開始させない端末制御部20を備える。
【0084】
また、冷蔵庫1と、冷蔵庫1とグローバルネットワークGNを介して通信可能な端末装置2とを備える冷蔵庫制御システム1000では、端末装置2は、冷蔵庫1のユーザーPが、食品Fを取得可能な店舗TPに位置するか否かを検知し、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知した場合には、予冷運転の開始指示を示す開始指示情報を冷蔵庫1に送信し、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知した場合、開始指示情報を冷蔵庫1に送信しない。冷蔵庫1は、開始指示情報を受信した場合、予冷運転を開始する。
【0085】
これによれば、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知した場合に、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知した場合に、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させない。よって、冷蔵庫制御アプリ213、端末装置2、及び、冷蔵庫制御システム1000は、店舗TPにユーザーPが位置する場合に冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加できる可能性を高めることができる。
【0086】
特に、冷蔵庫制御アプリ213、端末装置2、及び、冷蔵庫制御システム1000は、ユーザーPが食品Fを取得する可能性が高い店舗TPにユーザーPが位置すると検知した場合に、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させ、ユーザーPが店舗TPに位置しないと検知した場合に、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させない。よって、冷蔵庫制御アプリ213、端末装置2、及び、冷蔵庫制御システム1000は、ユーザーPが食品Fを取得する場合に冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加できる可能性をより高めることができる。
【0087】
検知部202は、店舗TPとして設定された店舗範囲TPH内に、所定時間以上、ユーザーPの端末装置2が位置した場合、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知する。
【0088】
仮に、端末装置2が店舗TPH内に位置する時間に関係なく、検知部202が、ユーザーPが店舗範囲TPH内に位置した場合に、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知する構成であるとする。この構成の場合、検知部202は、ユーザーPが店舗TPの周辺を通過するだけ、すなわち端末装置2が店舗範囲TPH内を通過するだけでも、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知してしまう。すなわち、この構成の場合では、ユーザーPが食品Fを取得しない場合において、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させてしまう虞がある。そこで、上述したように、検知部202は、店舗範囲TPH内に所定時間以上、端末装置2が位置した場合、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知する構成であるため、より正確にユーザーPが店舗TPに位置すると検知できる。よって、店舗TPにユーザーPが位置する場合に冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加できる可能性を、より高めることができる。
【0089】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせることなく、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる。
【0090】
この構成によれば、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、自動で予冷運転を冷蔵庫1に開始させる。そのため、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知する度に、ユーザーPが予冷運転の開始指示を行う必要がない。よって、店舗TPにユーザーPが位置する場合に冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加できる可能性をより高められると共に、予冷運転を開始させる際の手間を低減できる。
【0091】
冷蔵庫制御アプリ213は、端末装置2がインストール可能なアプリケーションプログラムである。
【0092】
この構成によれば、予冷運転を開始させる機能を有していない端末装置2を、冷蔵庫制御アプリ213のインストールによって、当該機能を有する端末装置2とすることができる。よって、汎用的な端末装置2を、店舗TPにユーザーPが位置する場合に冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加できる端末装置2とすることができる。
【0093】
冷蔵庫1は、予冷運転を開始した後に初めて、冷蔵庫1に設けられる左ドア11A、右ドア11B、引出12A、13A、14A、15Aの開閉を検知した場合、予冷運転を終了する。
【0094】
ユーザーPが店舗TPで取得した食品Fを冷蔵庫1に収容する際、冷蔵庫1は、速やかに、当該食品Fの温度を最適な保管温度に至らせられる可能性が高い。つまり、ユーザーPが店舗TPで取得した食品Fを冷蔵庫1に収容した後に継続して冷却量を増加させる必要がない。よって、冷蔵庫1は、冷蔵庫1に設けられる左ドア11A、右ドア11B、引出12A、13A、14A、15Aの開閉を検知した場合、予冷運転を終了することで、予冷運転を適切なタイミングで終了できる。
【0095】
冷蔵庫1は、予冷運転を開始した後、所定時間が経過した場合に予冷運転を終了する。
【0096】
この構成によれば、ユーザーPが店舗TPから帰宅したタイミングやユーザーPが店舗TPで取得した食品Fを冷蔵庫1に収容するタイミングで、予冷運転を終了できる可能性を高いため、予冷運転を適切なタイミングで終了できる。
【0097】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の説明では、第1実施形態の冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0098】
第1実施形態では、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合に自動で冷蔵庫1に予冷運転を開始させる構成である。第2実施形態では、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合に、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせ、問い合せ後、予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けた場合に、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる構成である。
【0099】
第2実施形態において、運転制御部203は、タッチパネル22に各種のユーザーインターフェースを表示させ、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かのユーザーPへの問い合わせ、及び、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示のユーザーPからの受け付けを行う。
【0100】
図5は、運転制御部203がタッチパネル22に表示させるユーザーインターフェースの一例を示す図である。
【0101】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202と検知した場合において、タッチパネル22の表示画面が非アプリ画面HAGであると、第1ユーザーインターフェースUI1をプッシュ通知の形式でタッチパネル22に表示させる。非アプリ画面HAGとは、例えばホーム画面等の冷蔵庫制御アプリ213に係るアプリ画面AG以外の画面を示す。
【0102】
第1ユーザーインターフェースUI1は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせる問い合わせ情報J1を含む。運転制御部203は、第1ユーザーインターフェースUI1がユーザーPによってタッチ操作されると、タッチパネル22の表示画面を非アプリ画面HAGから、第2ユーザーインターフェースUI2を表示するアプリ画面AGに遷移させる。なお、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した際に、タッチパネル22の表示画面がアプリ画面AGである場合、タッチパネル22に、第1ユーザーインターフェースUI1を表示させることなく第2ユーザーインターフェースUI2をアプリ画面AGに重畳して表示させる。
【0103】
第2ユーザーインターフェースUI2は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせる問い合わせ情報J1を含む。また、第2ユーザーインターフェースUI2は、YESボタンB1と、NOボタンB2とを含む。YESボタンB1は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けるためのソフトウェアボタンである。NOボタンB2は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けるためのソフトウェアボタンである。
【0104】
運転制御部203は、NOボタンB2がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させることなく、第2ユーザーインターフェースUI2の表示を止める。一方、運転制御部203は、YESボタンB1がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させ、且つ、第2ユーザーインターフェースUI2の代わりに第3ユーザーインターフェースUI3をタッチパネル22に表示させる。
【0105】
第3ユーザーインターフェースUI3は、冷蔵庫1が予冷運転を開始したことを示す運転開始情報J2を含む。
【0106】
次に、第2実施形態の冷蔵庫制御システム1000の動作について説明する。
図6は、第2実施形態に係る冷蔵庫制御システム1000の動作を示すフローチャートである。図6においては、図4と同様、フローチャートFAは端末装置2の動作を示し、フローチャートFBは冷蔵庫制御サーバー3の動作を示し、フローチャートFCは冷蔵庫1の動作を示す。
【0107】
図6においては、図4に示すフローチャートと同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合(ステップSA1:YES)、第1ユーザーインターフェースUI1、又は、第2ユーザーインターフェースUI2をタッチパネル22に表示させ、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせる(ステップSA10)。
【0109】
次いで、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSA11)。運転制御部203は、第2ユーザーインターフェースUI2のYESボタンB1がタッチ操作された場合に、ステップSA11において肯定判別する。
【0110】
次いで、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSA11:NO)、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSA12)。運転制御部203は、第2ユーザーインターフェースUI2のNOボタンB2がタッチ操作された場合に、ステップSA12において肯定判別する。
【0111】
運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSA12:NO)、処理をステップSA11に戻し、再度、ステップSA11の判別を行う。
【0112】
一方、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けたと判別した場合(ステップSA12:YES)、第2ユーザーインターフェースUI2の表示を止め、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせを終了する(ステップSA13)。
【0113】
ステップSA11の説明に戻り、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示を受け付けた場合(ステップSA11:YES)、開始指示情報を、端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSA2)。
【0114】
以上、説明したように、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせ、ユーザーPから予冷運転を開始させる指示を受け付けた場合に、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる。
【0115】
この構成によれば、予冷運転を開始させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫1に予冷運転を開始させるため、冷蔵庫1が開始する予冷運転が、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1の動作となることを防止できる。
【0116】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の説明では、第1実施形態及び第2実施形態の冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0117】
第2実施形態では、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知する度に、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせる構成である。第3実施形態では、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を、設定部201が行った場合、運転制御部203は、当該問い合わせを行うことなく、自動で冷蔵庫1に予冷運転を開始させる。
【0118】
図7を参照して、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を設定部201が行う場合の、運転制御部203の動作について説明する。
【0119】
図7は、運転制御部203がタッチパネル22に表示させるユーザーインターフェースの一例を示す図である。図4の説明では、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を設定部201が行っていない、すなわち、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをする設定を設定部201が行っていることを前提とする。
【0120】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合に、タッチパネル22の表示画面が非アプリ画面HAGであると、第1ユーザーインターフェースUI1をプッシュ通知の形式でタッチパネル22に表示させる。運転制御部203は、第1ユーザーインターフェースUI1がユーザーPによってタッチ操作されると、タッチパネル22の表示画面を非アプリ画面HAGから、第4ユーザーインターフェースUI4を表示するアプリ画面AGに遷移させる。なお、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知したときに、タッチパネル22の表示画面がアプリ画面AGである場合、タッチパネル22に第1ユーザーインターフェースUI1を表示させることなく、第4ユーザーインターフェースUI4をアプリ画面AGに重畳して表示させる。
【0121】
第4ユーザーインターフェースUI4は、問い合わせ情報J1、YESボタンB1、及び、NOボタンB2を含む。また、第4ユーザーインターフェースUI4は、チェックボックスB3を含む。チェックボックスB3は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合に第1ユーザーインターフェースUI1及び第4ユーザーインターフェースUI4を表示させないことの指示を受け付けるためのチェックボックスである。すなわち、チェックボックスB3は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かを問い合わさせない指示を受け付けるためのチェックボックスである。
【0122】
運転制御部203は、NOボタンB2がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させることなく、第4ユーザーインターフェースUI4の表示をタッチパネル22に止めさせる。
【0123】
運転制御部203は、YESボタンB1がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させ、且つ、第4ユーザーインターフェースUI4の代わりに第3ユーザーインターフェースUI3をタッチパネル22に表示させる。
【0124】
ここで、運転制御部203は、チェックボックスB3にチェックが入っていない状態でYESボタンB1がユーザーPにタッチ操作された場合、第1ユーザーインターフェースUI1及び第4ユーザーインターフェースUI4を表示させない指示を受け付けていない旨を、設定部201に出力する。設定部201は、この旨を運転制御部203から入力されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を、行わない。すなわち、設定部201は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをする設定を継続する。
【0125】
一方、運転制御部203は、チェックボックスB3にチェックが入った状態でYESボタンB1がユーザーPにタッチ操作された場合、第1ユーザーインターフェースUI1及び第4ユーザーインターフェースUI4を表示させない指示を受け付けた旨を、設定部201に出力する。設定部201は、この旨が運転制御部203から入力されると、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を行う。
【0126】
次に、第3実施形態の冷蔵庫制御システム1000の動作について説明する。
図8は、第2実施形態に係る冷蔵庫制御システム1000の動作を示すフローチャートである。図8においては、図4及び図6と同様、フローチャートFAは端末装置2の動作を示し、フローチャートFBは冷蔵庫制御サーバー3の動作を示し、フローチャートFCは冷蔵庫1の動作を示す。
【0127】
図8においては、図4に示すフローチャートと同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0128】
端末装置2の端末制御部20の運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合(ステップSA1:YES)、設定部201が、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせをしない設定を行ったか否かを判別する(ステップSA20)。
【0129】
運転制御部203は、設定部201が、問い合わせをしない設定を行ったと判別した場合(ステップSA20:YES)、ステップSA2以降の処理を実行する。
【0130】
一方、運転制御部203は、設定部201が、問い合わせをしない設定を行っていないと判別した場合(ステップSA20:NO)、第1ユーザーインターフェースUI1、又は、第4ユーザーインターフェースUI4をタッチパネル22に表示させ、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かをユーザーPに問い合わせる(ステップSA21)。
【0131】
次いで、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSA22)。運転制御部203は、第4ユーザーインターフェースUI4のYESボタンB1がタッチ操作された場合に、ステップSA22において肯定判別する。
【0132】
次いで、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSA22:NO)、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSA23)。運転制御部203は、第4ユーザーインターフェースUI4のNOボタンB2がタッチ操作された場合に、ステップSA23において肯定判別する。
【0133】
運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSA23:NO)、処理をステップSA22に戻し、再度、ステップSA22の判別を行う。
【0134】
一方、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させない指示をユーザーPから受け付けたと判別した場合(ステップSA23:YES)、第4ユーザーインターフェースUI4の表示を止め、冷蔵庫1に予冷運転を開始させるか否かの問い合わせを終了する(ステップSA24)。
【0135】
ステップSA22の説明に戻り、運転制御部203は、冷蔵庫1に予冷運転を開始させる指示を受け付けた場合(ステップSA22:YES)、予冷運転の開始指示を示す開始指示情報を、端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSA2)。
【0136】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0137】
例えば、上述した各実施形態では、本発明の食品取得可能先として店舗TPを例示したが、本発明の食品取得可能先は、店舗TPに限定されず、ユーザーPが食品Fを取得可能な場所でよい。例えば、食品取得可能先は、釣り場や、ユーザーPの親族の家、牧場、農場等でもよい。すなわち、食品取得可能先は、ユーザーPが自身で食品Fを取得可能な場所や、ユーザーPが他人から食品Fを無償又は有償で取得可能な場所等でもよい。
【0138】
また、例えば、検知部202は、現在地の表示機能やナビゲーション機能等を有するアプリケーションプログラム、所謂、地図アプリと協働して、ユーザーPが店舗TPに位置するか否かを検知してもよい。
【0139】
また、例えば、上述した各実施形態では、冷蔵庫1が予冷運転を開始する際に冷蔵庫1が運転モードを通常運転モードから予冷運転モードに移行する場合を例示したが、移行元の運転モードは、通常運転モードに限定されず、予冷運転モード以外の運転モードであって、予冷運転モードより冷蔵庫1の庫内の冷却量が少ない運転モードであればよい。上述した各実施形態では、冷蔵庫1が予冷運転を終了する際に冷蔵庫1が運転モードを予冷運転モードから通常運転モードに移行する場合を例示したが、移行先の運転モードは、通常運転モードに限定されず、予冷運転モード以外の運転モードであって、予冷運転モードより冷蔵庫1の庫内の冷却量が少ない運転モードであればよい。
【0140】
また、例えば、上述した各実施形態では、冷蔵庫制御サーバー3が開始指示情報を冷蔵庫1に送信する際に冷蔵庫ID1613を付加する構成を例示したが、冷蔵庫制御サーバー3は、冷蔵庫ID1613を付加せずに開始指示情報を冷蔵庫1に送信する構成でもよい。この構成の場合、冷蔵庫1は、開始指示情報を冷蔵庫制御サーバー1から受信すると、図4図6、及び、図8に示すステップSC2の処理を実行することなく、予冷運転を開始する。また、この構成の場合、冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫ID1613を記憶しなくてもよい。また、この構成の場合、冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、冷蔵庫ID1613を有していなくてもよい。
【0141】
また、例えば、冷蔵庫の主箱体10に形成される部屋の種類は、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15に限定されず、少なくてもよいし、さらに別の種類の部屋が形成されてもよい。また、冷蔵室11の前面の開口部に設けられるドアの数は、1つでもよい。
【0142】
また、冷蔵庫制御部16、端末制御部20、及び、サーバー制御部30の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0143】
また、図2に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0144】
また、例えば、図4図6、及び、図8に示す動作のステップ単位は、冷蔵庫制御システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
以上のように、本発明に係るプログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システムは、冷蔵庫の庫内の冷却量を増加させる冷却運転を冷蔵庫に開始させる用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 冷蔵庫
2 端末装置
3 冷蔵庫制御サーバー
11A 左ドア(ドア)
11B 右ドア(ドア)
12A、13A、14A、15A 引出
20 端末制御部(制御部)
202 検知部
203 運転制御部
213 冷蔵庫制御アプリ(プログラム、アプリケーションプログラム)
1000 冷蔵庫制御システム
F 食品
GN グローバルネットワーク(ネットワーク)
P ユーザー
TP、TP1、TP2、TP3 店舗(食品取得可能先)
TPH 店舗範囲(食品取得可能先として設定された範囲)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8