(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】照明制御システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20241115BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20241115BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/175
(21)【出願番号】P 2020191495
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】上野 早織
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 由布
(72)【発明者】
【氏名】池淵 昌幸
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0029461(US,A1)
【文献】特開2007-141581(JP,A)
【文献】特開2010-010040(JP,A)
【文献】特開2010-220672(JP,A)
【文献】特開2019-036523(JP,A)
【文献】特開2017-033666(JP,A)
【文献】特開2006-066239(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0012054(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
A61M 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の発光を制御する光源制御部と、
ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得部と、を備え、
前記光源制御部は、
前記消灯信号取得部が
所定の時間帯において前記消灯信号を取得した場合に、
前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる自動点灯モードで前記光源を制御
し、
前記消灯信号取得部が前記所定の時間帯以外の時間帯において前記消灯信号を取得した場合に、
前記自動点灯モードで前記光源を制御せず、ユーザによる任意の点灯操作が行われるまで前記光源を消灯させたままにする、
照明制御システム。
【請求項2】
前記所定の時間帯は、日中である、
請求項
1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記第1時間は、60分以下である、
請求項1
又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
ユーザにより入力される、前記第1時間を示す第1時間情報を取得する時間情報取得部をさらに備え、
前記光源制御部は、取得された前記第1時間情報が示す前記第1時間を用いて前記自動点灯モードで前記光源を制御する、
請求項1
又は2に記載の照明制御システム。
【請求項5】
光源の発光を制御する光源制御部と、
ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得部と、を備え、
前記光源制御部は、前記消灯信号取得部が前記消灯信号を取得した場合に、
前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる自動点灯モードで前記光源を制御し、
前記消灯信号取得部が前記消灯信号を取得した時刻に基づいて前記第1時間を決定し、決定した前記第1時間を用いて前記自動点灯モードで前記光源を制御する、
照明制御システム。
【請求項6】
ユーザの操作により生成される、前記自動点灯モードで前記光源を制御するか否かを示す選択情報を取得する選択情報取得部をさらに備え、
前記光源制御部は、取得された前記選択情報に基づいて前記光源を制御する、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記光源制御部は、前記自動点灯モードにおいて、前記光源を点灯させた時点から第2時間をかけて所定の光量まで前記光源の光量を増加させる、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記第2時間は、30分以上である、
請求項
7に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記光源制御部は、前記第2時間前半の単位時間当たりの光量変化量よりも、前記第2時間後半の単位時間当たりの光量変化量が大きくなるように、前記光源の光量を増加させる、
請求項
7又は8に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記光源制御部は、前記光源の光量を段階的に増加させる、
請求項
7から9のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記光源制御部は、前記自動点灯モードにおいて、前記光源を点灯させた際に、第1相関色温度で前記光源を発光させ、前記光源を点灯させた時点から第3時間経過時に前記第1相関色温度よりも高い第2相関色温度で前記光源を発光させる、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
前記光源制御部は、前記第3時間前半の単位時間当たりの相関色温度変化量よりも、前記第3時間後半の単位時間当たりの相関色温度変化量が大きくなるように、前記光源を点灯させた時点から、前記第3時間をかけて前記第1相関色温度から前記第2相関色温度まで前記光源の発光における相関色温度を増加させる、
請求項
11に記載の照明制御システム。
【請求項13】
光を照射する光源の発光を制御するための制御方法であって、
ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得ステップと、
前記消灯信号取得ステップにおいて
所定の時間帯において前記消灯信号を取得した場合に、前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる
自動点灯モードで前記光源を制御し、前記消灯信号取得ステップにおいて前記所定の時間帯以外の時間帯において前記消灯信号を取得した場合に、前記自動点灯モードで前記光源を制御せず、ユーザによる任意の点灯操作が行われるまで前記光源を消灯させたままにする光源制御ステップと、を含む、
制御方法。
【請求項14】
光を照射する光源の発光を制御するための制御方法であって、
ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得ステップと、
前記消灯信号取得ステップにおいて前記消灯信号を取得した場合に、前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる自動点灯モードで前記光源を制御する光源制御ステップと、を含み、
前記光源制御ステップでは、前記消灯信号取得ステップにおいて前記消灯信号を取得した時刻に基づいて前記第1時間を決定し、決定した前記第1時間を用いて前記自動点灯モードで前記光源を制御する、
制御方法。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具が照射する光及び日光等は、人の生体活動に影響することが知られている。例えば、特許文献1では、人の覚醒を促すため、消灯している照明器具を、あらかじめ設定された時刻に自動で点灯させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受光量の増加させることにより人の生体リズムの維持及び向上が期待できるが、高齢者施設で暮らす高齢者等の屋外に出る頻度が低い人等は、受光量が不足しやすく、生体リズムが乱れやすい。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる照明制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明制御システムは、光源の発光を制御する光源制御部と、ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得部と、を備え、前記光源制御部は、前記消灯信号取得部が前記消灯信号を取得した場合に、前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる自動点灯モードで前記光源を制御する。
【0007】
本発明の一態様に係る制御方法は、光を照射する光源の発光を制御するための制御方法であって、ユーザの消灯操作により生成される前記光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得ステップと、前記消灯信号取得ステップにおいて前記消灯信号を取得した場合に、前記光源を消灯させ、前記光源を消灯させた時点から第1時間経過時に前記光源を点灯させる光源制御ステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、上記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明制御システム等によれば、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明制御システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明制御システムの動作例のフローチャートである。
【
図4】
図4は、ユーザが自動点灯モードで制御するか否かを選択する際に表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る第1時間テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る光源の発光態様例1を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る光源の発光態様例2を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る光源の発光態様例3を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る光源の発光態様例4を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る光源の発光態様例5を説明するための図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る光源の発光態様例6を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明をするに至った知見)
日中において、受光量を増加させることで、人の生体活性効果を高め、人の生体リズムの維持及び向上が期待できることが知られている。しかし、高齢者施設で暮らす高齢者等は、屋外に出る頻度が低いため、日中に自然光を浴びる機会が少なく、生体リズムの維持に必要な受光量が不足しやすい。また、冬場など日中の自然光の量が少ない季節も、生体リズムの維持に必要な受光量が不足しやすい。そのため、ユーザの受光量を増加させるために、照明器具によって受光量を補う方法(いわゆる補光)がある。
【0012】
しかしながら、通常の照明器具又は補光を行うための照明器具を、ユーザが任意に消灯してしまうことで、ユーザの受光量が減少し、ユーザの生体リズムに乱れが生じやすくなる場合がある。これに対して、例えば、消灯している照明器具を自動で点灯させることで、ユーザの受光量の減少を抑制することができる。しかし、特許文献1のように、消灯している照明器具をあらかじめ設定された時刻に自動で点灯させても、ユーザが任意に消灯する場合、任意に消灯する時刻によっては、消灯されている時間が長くなり、受光量の減少を抑制する効果が不十分である。
【0013】
そこで、本発明は、ユーザが任意に照明器具(光源)を消灯した場合でも、ユーザの受光量の減少を抑制することで、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる照明制御システム等を提供する。
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る照明制御システムについて説明する。
【0017】
[概要]
図1は、本実施の形態に係る照明制御システムの概略を示す図である。
図1に示されるように、照明制御システム100は、照明器具10と、操作器30と、を備える。
【0018】
照明器具10は、例えば、高齢者施設の利用者(ユーザ)の居室等に設けられ、高齢者等のユーザに光を照射する照明器具である。照明器具10は、例えば、天井又は壁等に設置されるが、照明器具10の設置形態は特に制限されない。
【0019】
照明器具10は、例えば、補光が必要なユーザに対して、一般的な照度よりも高い照度の光を照射することで、ユーザの受光量を増加させることが可能な補光用照明器具である。照明器具10は、例えば、一般的な照度(JIS Z 9110:2011 照明基準総則等で推奨されている照度)に比べて1.2倍以上の照度の光を照射する。また、一般的な照度は、水平面照度であるが、ユーザの受光量を増加させる場合には、鉛直面照度を基準に補光の条件を考えてもよい。例えば、医療施設における食堂の水平面照度が300lxであれば、鉛直面照度に置き換えると150lxとなる。また、病室の水平面照度が100lxであれば、鉛直面照度に置き換えると50lxとなる。なお、照明器具10は、一般的な照度を照射する照明器具であってもよい。
【0020】
照明器具10は、例えば、ユーザによる任意の消灯の操作によって消灯した時点から、第1時間経過時に自動で点灯する。これにより、照明器具10は、ユーザによって消灯されても、第1時間経過時に自動で点灯するため、ユーザの受光量の減少を抑制できる。
【0021】
操作器30は、ユーザによる、点灯及び消灯等の操作、並びに、照明器具10の照明制御における各種設定の入力等を受け付ける操作器である。操作器30は、例えば、専用のリモコンであるが、照明器具10の操作のためのアプリケーションソフトがインストールされたスマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末、壁付けコントローラ、又は、壁スイッチ等であってもよい。
【0022】
[構成]
次に、照明制御システム100の各構成要素について、詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係る照明制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
まず、照明器具10について説明する。
図2に示されるように、照明器具10は、光源11と、制御部12と、記憶部13と、通信部14と、計時部15と、を備える。
【0024】
光源11は、例えば、調光及び調色が可能な発光装置である。光源11は、例えば、基板、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子(発光デバイス)及び点灯回路等により実現される。光源11は、例えば、光色の異なる複数の発光素子群を有し、光源制御部22によって複数の光色の異なる発光素子群それぞれへの電流量が調整される等によって、光源11が発する光が調色される。なお、光源11は、調光及び調色の機能を有していなくてもよい。
【0025】
制御部12は、例えば、照明器具10における情報処理及び照明器具10が行う動作の制御等を行う。制御部12は、例えば、プロセッサによって実現されるが、マイコン又は専用回路によって実現されてもよい。また、制御部12は、光源11に供給される電流の制御回路を含んでいてもよい。制御部12は、消灯信号取得部21と、光源制御部22と、選択情報取得部23と、時間情報取得部24と、時間帯情報取得部25と、を有する。
【0026】
消灯信号取得部21は、ユーザの任意の消灯操作によって生成される光源11の消灯指示を示す消灯信号を取得する。消灯信号取得部21は、例えば、ユーザによる操作器30の操作によって生成された消灯信号を取得する。
【0027】
光源制御部22は、光源11の発光を制御する。光源制御部22は、例えば、光源11への電流量を制御することにより光源11の発光を制御する。
【0028】
選択情報取得部23は、ユーザの操作により生成された、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを示す選択情報を取得する。選択情報取得部23は、例えば、ユーザによる操作器30の操作によって生成された選択情報を取得する。自動点灯モードは、光源制御部22が、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した際に光源11を消灯させ、光源11を消灯させた時点から第1時間経過時に光源11を点灯させるように光源11を制御するモードである。
【0029】
時間情報取得部24は、ユーザにより入力される、第1時間を示す第1時間情報を取得する。時間情報取得部24は、例えば、ユーザによる操作器30の操作によって生成された第1時間情報を取得する。時間情報取得部24は、ユーザにより入力される、後述する第2時間を示す第2時間情報、及び、後述する第3時間を示す第3時間情報のうち少なくとも一方を取得してもよい。
【0030】
時間帯情報取得部25は、ユーザにより入力される、後述する所定の時間帯を示す時間帯情報を取得する。時間帯情報取得部25は、例えば、ユーザによる操作器30の操作によって生成された時間帯情報を取得する。
【0031】
記憶部13は、制御部12が実行する制御プログラム等が記憶される記憶装置である。また、記憶部13には、後述する第1時間テーブル等のデータが記憶されていてもよい。記憶部13は、例えば、半導体メモリによって実現される。記憶部13は、HDD(Hard Disc Drive)等によって実現されてもよい。
【0032】
通信部14は、操作器30等と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部14は、例えば、赤外線又は電波等を用いた無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部14が行う通信に用いられる通信規格については、特に限定されない。
【0033】
計時部15は、光源制御部22の制御によって、光源制御部22が光源11を消灯させてからの時間を計時するタイマである。計時部15は、タイマ又はクロック等の時間を計測する装置によって実現される。また、計時部15は、現在の時刻を計時してもよい。
【0034】
次に、操作器30について説明する。操作器30は、操作部31と、入力部32と、選択部33と、制御部34と、記憶部35と、通信部36と、表示部37と、を備える。
【0035】
操作部31は、ユーザの任意の消灯及び点灯等の操作を受け付ける。操作部31は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ等のタッチパネル、スイッチ又は物理ボタン等で実現される。
【0036】
入力部32は、ユーザから、第1時間、第2時間、第3時間及び所定の時間帯等の入力を受け付ける。入力部32は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ等のタッチパネル又は物理ボタン等で実現される。
【0037】
選択部33は、ユーザから、自動点灯モードで光源11を制御するか否かの選択を受け付ける。選択部33は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ等のタッチパネル、スイッチ又は物理ボタン等で実現される。
【0038】
制御部34は、例えば、操作器30における情報処理及び操作器30が行う動作の制御等を行う。制御部34は、例えば、プロセッサによって実現されるが、マイコン又は専用回路によって実現されてもよい。
【0039】
記憶部35は、制御部34が実行する制御プログラム等が記憶される記憶装置である。記憶部35は、例えば、半導体メモリによって実現される。記憶部35は、HDD(Hard Disc Drive)等によって実現されてもよい。
【0040】
通信部36は、照明器具10等と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部36は、例えば、赤外線又は電波等を用いた無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部36が行う通信に用いられる通信規格については、特に限定されない。
【0041】
表示部37は、ユーザによる照明器具10に関する操作のための画像を表示する。表示部37は、例えば、制御部34の制御に基づいて画像を表示する。表示部37は、タッチパネル式ディスプレイ等のディスプレイによって実現される。表示部37は、表示板又は印刷物等で実現されてもよい。
【0042】
操作部31と、入力部32と、選択部33と、表示部37とは、タッチパネル式ディスプレイ等により一体で構成されていてもよく、個別に構成されていてもよい。
【0043】
なお、照明制御システム100は、操作部31以外の操作部、例えば、通常の点灯及び消灯の操作を行うための操作部をさらに備えていてもよい。
【0044】
[動作]
次に、照明制御システム100の動作について説明する。
図3は、照明制御システム100の動作例のフローチャートである。
【0045】
図3に示されるように、まず、照明器具10の消灯信号取得部21は、ユーザの任意の消灯操作により生成される光源11の消灯指示を示す消灯信号を取得する(S11)。例えば、操作器30の操作部31が、ユーザからの消灯操作を受け付けると、制御部34が消灯信号を生成し、通信部36を用いて照明器具10に生成した消灯信号を送信する。消灯信号取得部21は、通信部14を介して、操作器30から送信された消灯信号を取得する。
【0046】
次に、光源制御部22は、ユーザの操作により生成される、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを示す選択情報に基づいて、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを決定する(S12)。つまり、光源制御部22は、選択情報に基づいて、光源11を制御する。例えば、操作器30の選択部33が、ユーザから自動点灯モードで光源11を制御するか否かの選択を受け付ける。制御部34は、受け付けた選択に基づいて選択情報を生成し、通信部36を用いて照明器具10に生成した選択情報を送信する。選択情報取得部23は、通信部14を介して、操作器30から送信された選択情報を取得する。選択情報取得部23は、例えば、記憶部13に取得した選択情報を記憶させる。このような選択情報取得部23による処理は、例えば、ステップS11の前に行われ、事前に自動点灯モードで光源11が制御されるか否かが設定される。光源制御部22は、記憶部13に記憶された選択情報に基づいて、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを決定する。具体的には、光源制御部22は、記憶部13を参照し、選択情報が自動点灯モードで光源11を制御することを示す場合に、自動点灯モードで光源11を制御する。
【0047】
図4は、ユーザが自動点灯モードで制御するか否かを選択する際に表示部37に表示される画面の一例を示す図である。
図4に示されるように、例えば、表示部37にはユーザの体調を確認するメッセージ(体調が通常通りか否か)が表示される。ユーザは、「はい」又は「いいえ」と表示された選択部33を選択する。選択部33が、「はい」(つまり、体調が通常通りである)を選択する操作を受け付けた場合には、制御部34は、自動点灯モードで制御することを示す選択情報を生成する。一方、選択部33が、「いいえ」(つまり、体調が通常通りではない)を選択する操作を受け付けた場合には、制御部34は、自動点灯モードで制御しないことを示す選択情報を生成する。このように、ユーザの体調に合わせて、光源11が自動点灯モードで制御されるか否かが設定される。
【0048】
再び
図3を参照し、光源制御部22は、自動点灯モードで光源11を制御しないと決定した場合(S12でNo)、光源11を消灯させ(S13)、処理を終了する。つまり、光源制御部22は、自動点灯モードで光源11を制御しない。光源11は、例えば、次にユーザが任意に点灯操作を行うまでは消灯したままである。
【0049】
一方、光源制御部22は、自動点灯モードで光源11を制御すると決定した場合(S12でYes)、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻が所定の時間帯であるか否かを判定する(S14)。光源制御部22は、例えば、計時部15が計時する現在の時刻を参照し、消灯信号を取得した時刻が所定の時間帯であるか否かを判定する。
【0050】
所定の時間帯は、一日のうちの一部の時間帯であり、例えば、日中である。日中は、例えば、日の出の時刻から日の入りの時刻までの時間帯である。日の出の時刻及び日の入りの時刻は、照明制御システム100が設置させる国又は地域等の年間の平均の日の出の時刻及び日の入りの時刻のような固定の時刻であってもよい。また、日の出の時刻及び日の入りの時刻は、照明制御システム100が設置させる国又は地域等の当日の日の出の時刻及び日の入りの時刻のように変動する時刻であってもよい。また、日中は、6時から18時までの時間帯であってもよい。
【0051】
また、所定の時間帯は、ユーザが起きて行動する、ユーザの起床時刻から就寝時刻までの活動時間帯であってもよい。活動時間帯は、例えば、6時から22時までの時間帯である。
【0052】
また、所定の時間帯は、ユーザによる操作器30の操作により入力される時間帯であってもよい。例えば、操作器30の入力部32が、ユーザから所定の時間帯の入力を受け付ける。制御部34は、受け付けた入力に基づいて、ユーザから入力された所定の時間帯を示す時間帯情報を生成し、通信部36を用いて照明器具10に生成した時間帯情報を送信する。時間帯情報取得部25は、通信部14を介して、操作器30から送信された時間帯情報を取得する。時間帯情報取得部25は、例えば、記憶部13に取得した時間帯情報を記憶させる。光源制御部22は、ステップS14の判定において、記憶部13に記憶された時間帯情報が示す所定の時間帯を用いてもよい。このように、所定の時間帯は、時間帯情報が示す時間帯であってもよい。
【0053】
光源制御部22は、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻が、所定の時間帯でない場合(ステップS14でNo)、光源11を消灯させ(S13)、処理を終了する。つまり、光源制御部22は、自動点灯モードで光源11を制御しない。光源11は、例えば、次にユーザが任意に点灯操作を行うまでは消灯したままである。
【0054】
一方、光源制御部22は、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻が、所定の時間帯である場合(ステップS14でYes)、光源制御部22は、光源11を消灯させる(S15)。そして、光源制御部22は、ステップS15で光源11を消灯させた時点から第1時間経過時に光源11を点灯させる(S16)。光源制御部22は、例えば、計時部15を用いて、ステップS15で光源11を消灯させた時点から時間の計測を開始し、計測している時間に基づいて、第1時間が経過した時点で光源11を点灯させる。
【0055】
このように、光源制御部22は、消灯信号取得部21が所定の時間帯において消灯信号を取得した場合に、自動点灯モードで光源11を制御し、消灯信号取得部21が所定の時間帯以外において消灯信号を取得した場合に、自動点灯モードで光源11を制御しない。そのため、照明制御システム100は、所定の時間帯が適切に設定されることで、効果的にユーザの受光量の減少を抑制でき、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0056】
第1時間は、目的に応じて、例えば、所定の時間帯の長さを超えない範囲であらかじめ設定されている。
【0057】
また、第1時間は、例えば、60分以下である。午後の眠気予防のためには日中の仮眠が効果的であるとされているが、長時間の仮眠は、夜間の不眠に繋がり、ユーザの生体リズムを乱しやすい。そのため、ユーザが光源11を消灯させた際に仮眠した場合であっても、光源11が、消灯から60分以下経過時に点灯して、ユーザの覚醒が促される。また、第1時間は、例えば、10分以上である。これにより、ユーザが任意に光源11を消灯した後に、すぐに光源11が点灯してユーザが不快に感じることを抑制できる。また、特に、30分を超える仮眠は、徐波睡眠を含むことが多いため、夜間の不眠に繋がりやすく、ユーザの生体リズムを乱しやすい。このような観点からは、第1時間は20分以上40分以下であってもよい。
【0058】
また、第1時間は、ユーザにより入力された時間であってもよい。例えば、操作器30の入力部32が、ユーザから第1時間の入力を受け付ける。制御部34は、受け付けた入力に基づいて、ユーザにより入力された第1時間を示す第1時間情報を生成し、通信部36を用いて照明器具10に生成した第1時間情報を送信する。時間情報取得部24は、通信部14を介して、操作器30から送信された第1時間情報を取得する。時間情報取得部24は、例えば、記憶部13に取得した第1時間情報を記憶させる。このような時間情報取得部24による処理は、例えば、ステップS11の前に行われ、事前に第1時間が設定される。光源制御部22は、記憶部13を参照し、取得された第1時間情報が示す第1時間を用いて、ステップS16の処理を行う。また、第1時間情報は、照明器具10においてあらかじめ設定された第1時間を決定するための基準時間と第1時間との差分を示す情報であってもよい。この場合、第1時間は、基準時間と当該差分とにより求められる時間である。
【0059】
また、第1時間は、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻に基づいた時間であってもよい。例えば、光源制御部22は、ステップS11の後のいずれかのタイミングで、ステップS11で消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻に基づいて、第1時間を決定する。
図5は、実施の形態に係る第1時間テーブルの一例を示す図である。記憶部13には、例えば、
図5に示されるような、消灯信号を取得した時間帯と、第1時間を決定するための基準時間とが対応付けられた第1時間テーブルが記憶されている。光源制御部22は、第1時間テーブルを参照し、消灯信号を取得した時刻が含まれる時間帯に対応付けられた基準時間を、第1時間に決定する。光源制御部22は、決定した第1時間を用いて、ステップS16の処理を行う。第1時間テーブルにおける基準時間は、例えば、朝から夜にかけて短くなる。第1時間テーブルにおける基準時間は、例えば、16時よりも前よりも、16時より後の方が短い。このように、夕方以降の第1時間が短くなるように基準時間が設定されていることで、ユーザが光源11を消灯して仮眠した場合でも、短時間で光源11が点灯してユーザの覚醒を促す。その結果、夜間の睡眠へ悪影響を及ぼしやすい夕方以降の仮眠時間を短くすることができる。
【0060】
以上のように、照明制御システム100では、ユーザによって照明器具10の光源11が任意に消灯された場合でも、光源制御部22は、光源11を消灯させた時点から第1時間経過時に光源11を点灯させる。そのため、照明制御システム100は、自動で光源11を点灯させてユーザの受光量の減少を抑制できるため、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。また、照明制御システム100は、ユーザが睡眠すべきではない時間帯に使用されることで、自動で光源11を点灯させてユーザの覚醒を促し、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0061】
なお、上記動作例において、照明制御システム100は、ステップS12及びS14の少なくも一方を行わなくてもよい。例えば、ステップS12、又は、ステップS12及びS14が行われず、ステップS11の後に、ステップS14又はステップS15が行われてもよい。また、例えば、ステップS14が行われず、ステップS12でYesの後に、ステップS15が行われてもよい。
【0062】
次に、光源制御部22が光源11の発光を制御する際の光源11の発光態様について説明する。具体的には、光源制御部22が時刻t1に光源11を消灯させ(上述のステップS15)、時刻t1から第1時間T1経過時の時刻t2に光源11を点灯させる(上述のステップS16)場合の、光源11の発光態様例を説明する。以下の各発光態様例の説明においては、共通の内容の説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0063】
まず、光源11の光量の変化についての発光態様例1から3を説明する。
【0064】
まず、光源11の発光態様例1について説明する。
図6は、光源11の発光態様例1を説明するための図である。
図6において、横軸は時刻であり、縦軸は光量である。発光態様例1において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させる際に、時刻t1で光源11を消灯させる前の光量と同じ光量L1で光源11を発光させる。光量L1は、所定の光量の一例である。光量L1は、例えば、光源11における最大光量である。
【0065】
なお、光量L1は、光源11における最大光量に限らず、ユーザによって任意に設定された光量であってもよい。また、光量L1は、時刻t1で消灯させる前の光量と同じでなくてもよく、例えば、時刻t1で消灯させる前の光量より大きい光量であってもよい。
【0066】
次に、光源11の発光態様例2について説明する。
図7は、光源11の発光態様例2を説明するための図である。
図7において、横軸は時刻であり、縦軸は光量である。発光態様例2において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させてから、第2時間T2をかけて、光量がゼロの消灯状態である光量L0から光量L1まで光源11の光量を増加、具体的には漸増させる。光源制御部22が、光源11を自動で点灯させる際の、消灯状態からの照度の変化を、発光態様例1の場合よりも小さくできるため、ユーザが不快に感じることが抑制される。その結果、ユーザが不快に感じて、再び光源11を消灯することも抑制される。また、照明制御システム100は、光源11の光量を増加させることで、ユーザの受光量の減少も抑制できる。
【0067】
また、光源制御部22は、第2時間T2前半の時間当たりの光量変化量よりも、第2時間T2後半の時間当たりの光量変化量が大きくなるように、光源11の光量を増加させる。
図7において、第2時間T2前半は、時刻t2から一点鎖線で示される時刻までであり、第2時間T2後半は、一点鎖線で示される時刻から時刻t3までである。また、
図7に示される例では、光源制御部22は、第2時間T2において、光源11の光量を指数関数的に増加させている。これにより、点灯直後の光源11の光量変化量が小さくなるため、ユーザが照度の変化に順応しやすく、ユーザが不快に感じることが抑制される。
【0068】
光源制御部22は、時刻t2から第2時間T2経過時の時刻t3以降は、光量L1で光源11を発光させる。
【0069】
なお、光源制御部22が時刻t2において光源11の光量の増加を開始させる際の光量L0は、ゼロに限らず、光量L1よりも低ければよい。光源制御部22が時刻t2において光源11の光量の増加を開始させる際の光量は、例えば、後述する光量L2等、光量L1の半分以下である。
【0070】
また、光源制御部22は、第2時間T2前半の時間当たりの光量変化量と、第2時間T2後半の時間当たりの光量変化量とが同じになるように、光源11の光量を増加させてもよい。例えば、光源制御部22は、第2時間T2において、光源11の光量を線形的に増加させてもよい。また、光源制御部22は、第2時間T2前半の時間当たりの光量変化量よりも、第2時間T2後半の時間当たりの光量変化量が小さくなるように、光源11の光量を増加させてもよい。
【0071】
次に、光源11の発光態様例3について説明する。
図8は、光源11の発光態様例3を説明するための図である。
図8において、横軸は時刻であり、縦軸は光量である。発光態様例2では、連続的に光源11の光量が増加していたのに対して、発光態様例3では、段階的に光源11の光量が増加している。これにより、調光用の回路等が簡素化できる。
【0072】
発光態様例3において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させてから、第2時間T2をかけて光量L1まで光源11の光量を段階的に増加させる。
図8に示される例では、光源制御部22は、光量L2、光量L3及び光量L1の3段階で、光量L1まで光源11の光量を増加させている。光量L2及び光量L3は、光量L0<光量L2<光量L3<光量L1の関係が満たされる光量であればよい。光源制御部22が時刻t2で光源11を点灯させた際の光量L2は、例えば、光量L1の半分以下である。また、光源11の光量の増加は、3段階の増加に限らず、2段階以上の増加であればよい。
【0073】
また、光源制御部22は、第2時間T2前半の時間当たりの光量変化量よりも、第2時間T2後半の時間当たりの光量変化量が大きくなるように、光源11の光量を増加させる。
図8において、第2時間T2前半は、時刻t2から一点鎖線で示される時刻までであり、第2時間T2後半は、一点鎖線で示される時刻から時刻t3までである。光源制御部22は、時刻t2から第2時間T2経過時の時刻t3以降は、光量L1で光源11を発光させる。
【0074】
発光態様例2及び3において、第2時間T2は、目的に応じて、例えば、所定の時間帯の長さを超えない範囲であらかじめ設定されている。第2時間T2は、例えば、30分以上である。これにより、適度な時間をかけて光源11の光量が所定の光量まで増加するため、ユーザが不快に感じることがさらに抑制される。また、ユーザの受光量の減少を抑制する観点からは、第2時間T2は、例えば、60分以下である。
【0075】
また、第2時間T2は、ユーザにより入力された時間であってもよい。例えば、時間情報取得部24は、ユーザにより入力される、第2時間T2を示す第2時間情報を操作器30から取得する。光源制御部22は、取得された第2時間情報が示す第2時間T2を用いて自動点灯モードで光源11を制御する。
【0076】
次に、光源11の光色の変化についての発光態様例4から6を説明する。以下の発光態様例4から6は、それぞれ、上述の発光態様例1から3のいずれの光量の変化の態様と組み合わせられてもよい。
【0077】
まず、光源11の発光態様例4について説明する。
図9は、光源11の発光態様例4を説明するための図である。
図9において、横軸は時刻であり、縦軸は相関色温度である。発光態様例4において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させる際に、時刻t1で消灯させる前の相関色温度と同じ第2相関色温度C2で光源11を発光させる。第2相関色温度C2は、例えば、4000K以上6500K以下である。
【0078】
なお、第2相関色温度C2は、ユーザによって任意に設定された相関色温度であってもよい。また、第2相関色温度C2は、時刻t1で消灯させる前の相関色温度と同じでなくてもよく、時刻t1で消灯させる前の相関色温度より高い相関色温度であってもよく、時刻t1で消灯させる前の相関色温度より低い相関色温度であってもよい。
【0079】
次に、光源11の発光態様例5について説明する。
図10は、光源11の発光態様例5を説明するための図である。
図10において、横軸は時刻であり、縦軸は相関色温度である。発光態様例5において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させる際に、第1相関色温度C1で光源11を発光させ、時刻t2から、第3時間T3経過時の時刻t4に、第1相関色温度C1よりも高い第2相関色温度C2で光源11を発光させる。相関色温度が高いほど、人が不快に感じる不快グレアの程度が高くなる。そのため、光源制御部22が光源11を点灯させる際に、発光態様例4の場合と比べて低い相関色温度で、光源11を発光させることで、不快グレアによってユーザが不快に感じることが抑制される。
【0080】
光源制御部22は、第3時間T3の間、第1相関色温度C1から相関色温度を変化させずに光源11を発光させる。これにより、調色用の回路及びモジュール構成等が簡素化できる。また、光源制御部22は、時刻t2から第3時間T3経過時の時刻t4以降は、第2相関色温度C2で光源11を発光させる。
【0081】
第1相関色温度C1は、例えば2700K以上4000K以下である。なお、第1相関色温度C1は、ユーザによって任意に設定された相関色温度であってもよい。
【0082】
次に、光源11の発光態様例6について説明する。
図11は、光源11の発光態様例6を説明するための図である。
図11において、横軸は時刻であり、縦軸は相関色温度である。発光態様例6において、光源制御部22は、時刻t2で光源11を点灯させる際に、第1相関色温度C1で光源11を発光させる。また、光源制御部22は、光源11を点灯させた時点である時刻t2から第3時間T3をかけて第1相関色温度C1から第2相関色温度C2まで光源11の発光における相関色温度を増加、具体的には漸増させる。また、光源制御部22は、第3時間T3前半の時間当たりの相関色温度変化量よりも、第3時間T3後半の時間当たりの相関色温度変化量が大きくなるように、光源11の発光における相関色温度を増加させる。
図11において、第3時間T3前半は、時刻t2から一点鎖線で示される時刻までであり、第3時間T3後半は、一点鎖線で示される時刻から時刻t4までである。これにより、光源11の発光における光色が、第1相関色温度C1から第2相関色温度C2に変化しても、ユーザが光色の変化に順応しやすいため、ユーザが感じる違和感を抑制することができる。
【0083】
また、
図11に示される例では、光源制御部22は、第3時間T3において、光源11における発光の相関色温度を、ミレッド値が線形に変化するように増加させている。このように相関色温度が変化することで、相関色温度の変化によるユーザの違和感をさらに抑制できる。
【0084】
また、光源制御部22は、時刻t2から第3時間T3経過時の時刻t4以降は、第2相関色温度C2で光源11を発光させる。
【0085】
なお、光源制御部22は、光源11を点灯させた時点である時刻t2から第3時間T3をかけて第1相関色温度C1から第2相関色温度C2まで光源11の発光における相関色温度を段階的に増加させてもよい。また、光源制御部22は、第3時間T3前半の時間当たりの相関色温度変化量と、第3時間T3後半の時間当たりの相関色温度変化量とが同じになるように、光源11の発光における相関色温度を増加させてもよい。例えば、光源制御部22は、第3時間T3において、光源11の発光における相関色温度を線形的に増加させてもよい。また、光源制御部22は、第3時間T3前半の時間当たりの相関色温度変化量よりも、第3時間T3後半の時間当たりの相関色温度変化量が小さくなるように、光源11の発光における相関色温度を増加させてもよい。
【0086】
発光態様例5及び6において、第3時間T3は、目的に応じて、例えば、所定の時間帯の長さを超えない範囲であらかじめ設定されている。第3時間T3は、例えば、2分以上30分以下である。また、第3時間T3は、第2時間T2と同じであってもよく、第2時間T2より短くてもよく、第2時間T2より長くてもよい。
【0087】
また、第3時間T3は、ユーザにより入力された時間であってもよい。例えば、時間情報取得部24は、ユーザにより入力される、第3時間T3を示す第3時間情報を操作器30から取得する。光源制御部22は、取得された第3時間情報が示す第3時間T3を用いて自動点灯モードで光源11を制御する。
【0088】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明制御システム100は、光源11の発光を制御する光源制御部22と、ユーザの消灯操作により生成される光源11の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得部21と、を備える。光源制御部22は、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した場合に、光源11を消灯させ、光源11を消灯させた時点から第1時間T1経過時に光源11を点灯させる自動点灯モードで光源11を制御する。
【0089】
これにより、ユーザによって照明器具10の光源11が任意に消灯された場合でも、光源制御部22は、光源11を消灯させた時点から第1時間T1経過時に光源11を点灯させる。そのため、照明制御システム100は、自動で光源11を点灯させてユーザの受光量の減少を抑制できるため、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0090】
また、本実施の形態に係る制御方法は、照明制御システム100の制御部12等の処理部が実行する、光を照射する光源11の発光を制御するための制御方法である。制御方法は、ユーザの消灯操作により生成される光源の消灯指示を示す消灯信号を取得する消灯信号取得ステップ(ステップS11)と、消灯信号取得ステップにおいて消灯信号を取得した場合に、光源11を消灯させ、光源11を消灯させた時点から第1時間T1経過時に光源11を点灯させる光源制御ステップ(ステップS15及びS16)と、を含む。
【0091】
このような制御方法によっても、上記の照明制御システム100と同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、例えば、光源制御部22は、消灯信号取得部21が所定の時間帯において消灯信号を取得した場合に、自動点灯モードで光源11を制御する。また、光源制御部22は、消灯信号取得部21が所定の時間帯以外の時間帯において消灯信号を取得した場合に、自動点灯モードで光源11を制御しない。
【0093】
これにより、光源制御部22は、ユーザによる任意の消灯後に、所定の時間帯にのみ光源11を自動で点灯させ、所定の時間帯以外の時間帯には光源11を自動で点灯させない。そのため、照明制御システム100は、所定の時間帯が適切に設定されることで、効果的にユーザの受光量の減少を抑制できるため、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0094】
また、例えば、所定の時間帯は、日中である。
【0095】
これにより、ユーザによる任意の消灯後に、日中の時間帯にのみ光源11を自動で点灯させる。そのため、照明制御システム100は、特に生体リズムへの影響が大きいユーザの日中の受光量の減少を抑制できるため、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0096】
また、例えば、第1時間T1は、60分以下である。
【0097】
長時間の仮眠は、夜間の不眠に繋がり、ユーザの生体リズムを乱しやすい。そのため、ユーザが光源11を消灯させた際に仮眠した場合であっても、光源11が、消灯から60分以下経過時に点灯して、ユーザの覚醒が促される。よって、照明制御システム100は、ユーザの仮眠時間が長くなることを抑制できるため、ユーザの生体リズムの乱れを抑制できる。
【0098】
また、例えば、照明制御システム100は、ユーザにより入力される、第1時間T1を示す第1時間情報を取得する時間情報取得部24をさらに備える。光源制御部22は、取得された第1時間情報が示す第1時間T1を用いて自動点灯モードで光源11を制御する。
【0099】
これにより、ユーザが、ユーザの生活スタイル又は体調等に応じて、第1時間T1を設定できる。
【0100】
また、例えば、光源制御部22は、消灯信号取得部21が消灯信号を取得した時刻t1に基づいて第1時間T1を決定し、決定した第1時間T1を用いて自動点灯モードで光源11を制御する。
【0101】
これにより、光源制御部22は、ユーザによって任意に消灯された時刻に応じた第1時間T1で、光源11を自動で点灯させることができる。
【0102】
また、例えば、照明制御システム100は、ユーザの操作により生成される、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを示す選択情報を取得する選択情報取得部をさらに備える。光源制御部22は、取得された選択情報に基づいて、自動点灯モードで光源11を制御するか否かを決定する。
【0103】
これにより、ユーザが、ユーザの生活スタイル又は体調等に応じて、光源11を自動で点灯させるか否かを選択できる。
【0104】
また、例えば、光源制御部22は、自動点灯モードにおいて、光源11を点灯させた時点から第2時間T2をかけて所定の光量まで光源11の光量を増加させる。
【0105】
これにより、光源制御部22が、光源11を自動で点灯させる際の、消灯状態からの照度の変化を、最初から所定の光量で光源11を点灯させるよりも小さくできるため、ユーザが不快に感じることが抑制される。
【0106】
また、例えば、第2時間T2は、30分以上である。
【0107】
これにより、適度な時間をかけて光源11の光量が所定の光量まで増加するため、ユーザが不快に感じることをさらが抑制される。
【0108】
また、例えば、光源制御部22は、第2時間T2前半の単位時間当たりの光量変化量よりも、第2時間T2後半の単位時間当たりの光量変化量が大きくなるように、光源11の光量を増加させる。
【0109】
これにより、点灯直後の光源11の光量変化量が、第2時間T2後半の光源11の光量変化量より小さくなる。そのため、ユーザが照度の変化に順応しやすく、ユーザが不快に感じることがさらに抑制される。
【0110】
また、例えば、光源制御部22は、光源11の光量を段階的に増加させる。
【0111】
これにより、光源11に発光させる光量のパターンを、変化の段数に制限できるため、調光用の回路等の負荷を減少できる、そのため、照明制御システム100の簡素化及び低コスト化ができる。
【0112】
また、例えば、光源制御部22は、自動点灯モードにおいて、光源11を点灯させた際に、第1相関色温度C1で光源11を発光させ、光源11を点灯させた時点から第3時間T3経過時に第1相関色温度C1よりも高い第2相関色温度C2で光源11を発光させる。
【0113】
これにより、光源制御部22が光源11を点灯させる際に、第2相関色温度C2よりも低い第1相関色温度C1で光源11を発光させることで、不快グレアによってユーザが不快に感じることが抑制される。
【0114】
また、例えば、光源制御部22は、第3時間T3前半の単位時間当たりの相関色温度変化量よりも、第3時間T3後半の単位時間当たりの相関色温度変化量が大きくなるように、光源11を点灯させた時点から、第3時間T3をかけて第1相関色温度C1から第2相関色温度C2まで光源11の発光における相関色温度を増加させる。
【0115】
これにより、光源11の発光における光色が、第3時間T3をかけて第2相関色温度C2から第1相関色温度C1に変化するため、光源11の点灯初期の不快グレアの程度を抑制できる。また、光源11を自動で点灯させた直後の相関色温度変化量が、第3時間T3後半の光源11の相関色温度変化量より小さくなる。そのため、光源11の発光における光色が、第1相関色温度C1から第2相関色温度C2に変化しても、ユーザが光色の変化に順応しやすいため、ユーザが感じる違和感を抑制することができる。
【0116】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0117】
例えば、上記実施の形態では、照明制御システム100は、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。また、照明制御システム100が複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された照明制御システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、照明器具10が備える制御部12等の少なくとも1つの構成要素が、操作器30等の他の機器に備えられていてもよいし、独立した装置によって実現されていてもよい。また、例えば、操作器30に備えられる少なくとも1つの構成要素が、照明器具10に備えられていてもよいし、独立した装置によって実現されていてもよい。
【0118】
また、照明制御システム100並びに照明制御システム100に備えられる照明器具10及び操作器30は、上記実施の形態で説明した各構成要素を全て備えていなくてもよく、目的の動作をさせるための構成要素のみで構成されていてもよい。
【0119】
また、例えば、照明制御システム100は、照明器具10が備える制御部12の機能を有する制御装置によって実現されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0122】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0123】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0124】
例えば、本発明は、上記実施の形態の照明制御システム100として実現されてもよいし、光源11(照明器具10)の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0125】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
11 光源
21 消灯信号取得部
22 光源制御部
23 選択情報取得部
24 時間情報取得部
100 照明制御システム