(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】制御方法、通信端末、プログラム、記憶媒体及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20241115BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G07F9/02 C
G07F9/02 101C
(21)【出願番号】P 2022081077
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2022502263の分割
【原出願日】2020-07-07
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2020094983
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】矢羽田 洋
(72)【発明者】
【氏名】西 孝啓
(72)【発明者】
【氏名】遠間 正真
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 敏康
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-071716(JP,A)
【文献】特開2020-057415(JP,A)
【文献】特表2018-519682(JP,A)
【文献】特開2017-162191(JP,A)
【文献】特開2011-203952(JP,A)
【文献】特開2017-151715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末において実行される制御方法であって、
前記通信端末は前記通信端末のユーザを識別するユーザIDを有し、
前記通信端末のコンピュータに対し、
飲料物の自動販売機から発信される近距離無線信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から、i)前記自動販売機を識別する識別情報、ii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物を特定する種別情報、及びiii)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報を取得する処理と、
前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を含む個人情報をセキュアに管理する個人情報サーバに、前記ユーザIDを送信する処理と、
前記個人情報サーバから前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報を取得する処理と、前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていると判断した場合に取得され、
前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示する処理と、を実行させる、
制御方法。
【請求項2】
前記通知は、前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために用いられる、
請求項1記載の制御方法。
【請求項3】
前記通信端末の前記ディスプレイに表示された前記通知が選択されると、前記種別情報、前記在庫情報及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した前記少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューを生成する処理と、
前記個別の購買メニューを前記通信端末の前記ディスプレイに表示する処理と、を更に実行させる、
請求項1記載の制御方法。
【請求項4】
前記飲料物の自動販売機から発信される前記近距離無線信号の発信方向を示す方向表示を、前記通知が表示されている前記ディスプレイに表示させる処理と、を更に実行させる、
請求項1記載の制御方法。
【請求項5】
前記飲料物の自動販売機から発信される前記近距離無線信号の発信方向を示す方向表示を、前記個別の購買メニューが表示されている前記ディスプレイに表示させる処理と、を更に実行させる、
請求項3記載の制御方法。
【請求項6】
前記飲料物の自動販売機から発信される近距離無線信号を受信する処理と、
所定時間前記近距離無線信号の受信を検知しなかった場合、前記通知の表示を消去する処理と、を実行させる、
請求項1記載の制御方法。
【請求項7】
前記少なくとも一の飲料物は、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含む、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記通知は、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりも、スポーツドリンクを推薦する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項8記載の制御方法。
【請求項10】
前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、
前記ユーザの体温が所定温度上昇した場合に前記通知を表示させる処理を実行する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項11】
前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、
前記通知は、前記ユーザの体温が上昇するにつれて、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項11記載の制御方法。
【請求項13】
前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、
前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少した場合に前記通知を表示させる処理を実行する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項14】
前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、
前記通知は、前記ユーザの体水分率が減少する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項15】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項14記載の制御方法。
【請求項16】
前記生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量のいずれか一を含む、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の制御方法を実行する通信端末。
【請求項18】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の制御方法を前記通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項19】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の制御方法を前記通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項20】
飲料物の自動販売機の在庫情報を管理する自動販売機管理システムにおける情報提供方法であって、
ネットワークを介して通信端末から、i)前記通信端末のユーザを識別するユーザID、ii)前記自動販売機を識別する識別情報、iii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物を特定する種別情報、及びiv)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す前記在庫情報を取得し、前記通信端末においてii)前記識別情報、iii)前記種別情報及びiv)前記在庫情報は、前記飲料物の自動販売機から発信される近距離無線信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から取得され、
前記ユーザIDを、前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報をセキュアに管理する個人情報サーバに送信し、
前記個人情報サーバから前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報を取得し、前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていると判断した場合に取得され、
前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記通知の情報を前記通信端末に出力する、
情報提供方法。
【請求項21】
前記通知は、前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために用いられる、
請求項20記載の情報提供方法。
【請求項22】
前記通信端末から、前記ディスプレイに表示された前記通知が選択された旨を取得し、
前記種別情報、前記在庫情報及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した前記少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューの情報を生成し、
前記個別の購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記個別の購買メニューの情報を前記通信端末に出力する、
請求項20記載の情報提供方法。
【請求項23】
前記少なくとも一の飲料物は、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含む、
請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項24】
前記通知は、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦する、
請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項25】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項24記載の情報提供方法。
【請求項26】
前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、
前記ユーザの体温が所定温度上昇した場合に前記通知を表示させる処理を実行する、
請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項27】
前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、
前記通知は、前記ユーザの体温が上昇する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦する、
請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項28】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項27記載の情報提供方法。
【請求項29】
前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、
前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少した場合に前記通知を表示させる処理を実行する、
請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項30】
前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、
前記通知は、前記ユーザの体水分率が減少する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦する、
請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項31】
前記通知は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦する、
請求項30記載の情報提供方法。
【請求項32】
前記生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量のいずれか一を含む、
請求項20から請求項31のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項33】
前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていないと判断した場合には、前記個人情報サーバから前記通信端末への前記ユーザの生体情報の読み出しを許可するか否かを確認するメッセージに対して、前記通信端末から許可する旨の返信を前記個人情報サーバが取得した場合に取得される、
請求項1記載の制御方法。
【請求項34】
前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていないと判断した場合には、前記個人情報サーバから前記通信端末への前記ユーザの生体情報の読み出しを許可するか否かを確認するメッセージに対して、前記通信端末から許可する旨の返信を前記個人情報サーバが取得した場合に取得される、
請求項20記載の情報提供方法。
【請求項35】
通信端末において実行される制御方法であって、
前記通信端末は前記通信端末のユーザを識別するユーザIDを有し、
前記通信端末のコンピュータに対し、
飲料物の自動販売機から発信される近距離無線信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から、i)前記自動販売機を識別する識別情報、ii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物を特定する種別情報、iii)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報を取得する処理と、
前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を含む個人情報をセキュアに管理する個人情報サーバに、前記ユーザIDを送信する処理と、
前記個人情報サーバから前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報を取得する処理と、前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていると判断した場合に取得され、
前記生体情報に基づき前記ユーザの体温の上昇度合い又は体水分率の減少度合いを算出し、
前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記ユーザの体温の上昇度合い又は体水分率の減少度合いに基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示する処理と、を実行させる、
制御方法。
【請求項36】
前記ユーザの体温の上昇度合いは、所定時間内での前記ユーザの体温上昇量又は前記ユーザの平常時体温からの体温上昇量のいずれかを含み、
前記ユーザの体水分率の減少度合は、所定時間内での前記ユーザの体水分率の減少量又は前記ユーザの平常時体水分率からの減少量のいずれかを含む、
請求項35記載の制御方法。
【請求項37】
飲料物の自動販売機の在庫情報を管理する自動販売機管理システムにおける情報提供方法であって、
ネットワークを介して通信端末から、i)前記通信端末のユーザを識別するユーザID、ii)前記自動販売機を識別する識別情報、iii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物を特定する種別情報、及びiv)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報を取得し、前記通信端末においてii)前記識別情報、iii)前記種別情報及びiv)前記在庫情報は、前記飲料物の自動販売機から発信される近距離無線信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から取得され、
前記ユーザIDを、前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報をセキュアに管理する個人情報サーバに送信し、
前記個人情報サーバから前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報を取得し、前記ユーザIDに対応する前記ユーザの生体情報は、前記個人情報サーバにおいて前記ユーザによって許諾されていると判断した場合に取得され、
前記生体情報に基づき前記ユーザの体温の上昇度合い又は体水分率の減少度合いを算出し、
前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報及び前記ユーザの体温の上昇度合い又は体水分率の減少度合いに基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記通知の情報を前記通信端末に出力する、
情報提供方法。
【請求項38】
前記ユーザの体温の上昇度合いは、所定時間内での前記ユーザの体温上昇量又は前記ユーザの平常時体温からの体温上昇量のいずれかを含み、
前記ユーザの体水分率の減少度合いは、所定時間内での前記ユーザの体水分率の減少量又は前記ユーザの平常時体水分率からの減少量のいずれかを含む、
請求項37記載の情報提供方法。
【請求項39】
通信端末において実行される制御方法であって、
前記通信端末は前記通信端末のユーザを識別するユーザIDを有し、
前記通信端末のコンピュータに対し、
飲料物を販売する事業者の販売拠点から発信される近距離無線通信を用いた近距離無線信号の受信を契機として、前記販売拠点から、i)前記販売拠点が販売する複数の飲料物を特定する種別情報、及びii)前記販売拠点が販売する前記複数の飲料物の在庫情報、を取得する処理と、
前記ユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を含む個人情報をセキュアに管理する第1サーバに対して、前記ユーザIDを送信する処理と、
前記第1サーバから前記生体情報を取得する処理と、前記生体情報は前記第1サーバにおいて前記ユーザが前記飲料物を販売する事業者に対して前記生体情報へのアクセスを許諾していると判断した場合に提供され、
少なくとも前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、少なくとも一の飲料物を前記ユーザに対して推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示する処理と、を実行させる、
制御方法。
【請求項40】
飲料物を販売する事業者の販売拠点の在庫情報を管理する販売拠点管理システムにおける情報提供方法であって、
ネットワークを介して通信端末から、i)前記通信端末のユーザを識別するユーザID、ii)前記販売拠点が販売する複数の飲料物を特定する種別情報、及びiii)前記販売拠点が販売する前記複数の飲料物の在庫情報、を取得し、前記通信端末においてii)前記種別情報及びiii)前記在庫情報は、前記飲料物の販売拠点から発信される近距離無線信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の販売拠点から取得され、
前記ユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を含む個人情報をセキュアに管理する第1サーバに対して、前記ユーザIDを送信し、
前記第1サーバから前記生体情報を取得し、前記生体情報は前記第1サーバにおいて前記ユーザが前記飲料物を販売する事業者に対して前記生体情報へのアクセスを許諾していると判断した場合に提供され、
少なくとも前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、少なくとも一の飲料物を前記ユーザに対して推薦する通知を前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記通知の情報を前記通信端末に出力する、
情報提供方法。
【請求項41】
前記通知を前記通信端末のディスプレイに表示することは、前記ディスプレイに振動及び/又は音声とともに表示することを含む、
請求項1、35、又は39に記載の制御方法。
【請求項42】
請求項39に記載の制御方法を前記通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項43】
前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記通知の情報を前記通信端末に出力することは、前記通信端末のディスプレイに振動及び/又は音声とともに表示させるために前記通知の情報を前記通信端末に出力することを含む、
請求項20、37、又は40に記載の情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信端末において実行される制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動販売機が提供する飲食物を携帯端末のディスプレイに表示し、自動販売機が提供する飲食物を携帯端末を介して購入可能な技術を開示する。
【0003】
特許文献2は、携帯端末から所定の範囲内にある複数の自動販売機で販売されている商品のリストを取得する取得手段と、リストに含まれる各商品に関する商品情報を携帯端末の表示手段に表示させるための制御を行う表示制御手段と、含む商品購入支援システムを開示する。
【0004】
特許文献3は、販売する商品を外的環境(季節、時刻等)及び購入者の状態(性別、年齢層、体温等)に合った商品にリアルタイムで変更する自動販売機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-174320号公報
【文献】国際公開第2018/042668号
【文献】特開2011-203952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来技術では、更なる改善が必要とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る制御方法は、通信端末において実行される制御方法であって、前記通信端末のコンピュータに対し、飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から、i)前記自動販売機を識別する識別情報、ii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物の各種別を示す種別情報、及びiii)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報を取得する処理と、前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を取得する処理と、前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦するプッシュ通知画面を生成する処理と、前記プッシュ通知画面を前記通信端末のディスプレイに表示する処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0008】
上記態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の自動販売機管理システムの情報基盤の全体像の一例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る自動販売機管理システムの具体的な構成の一例を示す図である。
【
図3】通信端末と自動販売機との間で行われる近距離無線通信に用いられるビーコン信号についての説明図である。
【
図4】ビーコンIDと自動販売機を識別する識別情報との関係を示すテーブルの一例を示す図である。
【
図5】ビーコンIDと自動販売機の識別情報との関係を示すテーブルの一例を示す図である。
【
図6】ビーコン信号を用いた近距離無線通信の処理を示すシーケンス図である。
【
図7】第一の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】通信端末と自動販売機との位置関係の一例を示す図である。
【
図11】プッシュ通知画面の表示例を示す図である。
【
図12】個別の購買メニューの表示例を示す図である。
【
図13】通信端末のユーザが個別の購買メニューから購入対象の飲料物を選択するシーンの一例を示した図である。
【
図14】通信端末のユーザが飲料物の購入を確定するシーンの一例を示した図である。
【
図15】通信端末のユーザが購入した飲料物を取得するシーンの一例を示した図である。
【
図16】ビーコン信号の受信時に通信端末のメモリに記憶される情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図18】飲料物決定処理を示すフローチャートである。
【
図19】飲料物決定処理で使用する判断テーブルの一例を示す図である。
【
図20】飲料物決定処理で使用する作業用テーブルの一例を示す図である。
【
図21】第二の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【
図22】第三の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【
図23】第四の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【発明の詳細な説明】
【0010】
(本開示に至る経緯)
従来、自動販売機はユーザからのアクセスを契機として、受動的に商品の販売を行っているに過ぎなかった。例えば、ユーザが自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいてユーザが求めている商品が当該自動販売機にて販売されている場合であっても、ユーザが自動販売機にアクセスしない限り、当該商品がユーザに販売されることはなかった。
【0011】
上記の従来技術では、自動販売機はユーザからのアクセスを契機として、受動的に商品の販売を行っているに過ぎず、自動販売機はユーザに対して能動的にアクセスすることができない。
【0012】
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、プッシュ通知を契機として自動販売機がユーザに対して能動的にアクセスして、ユーザが自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいてユーザが求めているであろう商品をユーザに対して推薦できる技術を提供する。
【0013】
本開示の第一の態様に係る制御方法は、通信端末において実行される制御方法であって、前記通信端末のコンピュータに対し、飲料物の自動販売機(すなわち、飲料物を格納する自動販売機)から発信されるビーコン信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から、i)前記自動販売機を識別する識別情報、ii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物の各種別を示す種別情報、及びiii)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報を取得する処理と、前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を取得する処理と、前記識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦するプッシュ通知画面を生成する処理と、前記プッシュ通知画面を前記通信端末のディスプレイに表示する処理と、を実行させるものである。
【0014】
熱中症は、暑い環境に長くいた場合に、体温調節機能が不完全となって体温が上昇し、また、急激に汗をかくことで体内の水分と塩分が失われて体液のバランスが乱れることに起因して発生する。熱中症になると、痙攣、吐き気、失神など生命にも関わる症状を引き起こす場合があるため、十分な注意が必要となる。一方、熱中症は、その症状の進行を自覚しづらいこともあり、気づかないうちに重症化することがある。
【0015】
ユーザが身に着けている生体センサーを用いて、ユーザの体温又は体水分率の状況をリアルタイムに測定し、それを時々刻々とセンサーアプリ又は個人情報サーバに蓄積して管理できるようになっている。これらの生体情報を用いることで、熱中症の予兆を検知することは可能である。
【0016】
例えば、ユーザの平常時よりも、体温が1℃高い場合又は体水分率が2%減少している場合などは、熱中症に対して要注意な状態と認められる。
【0017】
これらの予兆を示す生体情報の変化を生体センサーが測定した生体情報から認められる場合には、本態様によると、ユーザが飲料物の自動販売機の前を通り過ぎるだけで、ユーザの購買意図によらず、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物(例えば、スポーツドリンク)を推薦するプッシュ通知画面が前記ユーザの通信端末のディスプレイに表示される。
【0018】
前記飲料物の自動販売機の購買メニューが表示されるのではなく、購買メニューを表示させるためのプッシュ通知画面が表示されるに過ぎない。そのため、ユーザに購買意図がないにも関わらず前記自動販売機の購買メニューが表示される煩わしさを軽減できる。
【0019】
前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を加味して生成されるため、前記ユーザが前記自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいて前記ユーザの体調を判断して、必要があると判断された場合には、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦できる。
【0020】
前記推薦された飲料物を購買する際には、前記ユーザの意思に基づいて前記購買メニューを表示させるので、前記購買メニューを表示させるか否かの判断については前記ユーザが主導権を握ることになる。
【0021】
これにより、前記ユーザの意図に反して前記飲料物の購買メニューが前記通信端末のディスプレイに表示される煩わしさを軽減しつつ、前記ユーザが前記自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいて前記ユーザの体調を判断して、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦できる。
【0022】
尚、プッシュ通知画面では、熱中症に注意を向けるようなメッセージと共に、自動販売機の在庫商品から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦してもよい。また、前記ユーザの体温の上昇度合いや、前記ユーザの体水分率の減少度合いに応じて、自動販売機の在庫商品から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した商品を推薦してもよい。例えば、前記ユーザの熱中症のリスクの高まりに応じて、最初はミネラルウォータ、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンク、更にリスクが高い場合には、脱水症状時の急速な水分補給ができる経口補水液、とプッシュ通知画面で推薦される商品を変えてもよい。
【0023】
また、ユーザの体温の上昇度合い及び/又は体水分率の減少度合いに限らず、ユーザの心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報の一つ以上を単独又は追加で取得し、当該取得した生体情報に基づき、前記ユーザの体調を判断して、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦してもよい。
【0024】
上記制御方法において、前記プッシュ通知画面は、前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために用いられてもよい。
【0025】
本態様によれば、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザは、そのままプッシュ通知画面を用いて、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを、前記ディスプレイに表示させることができる。これにより、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザに、熱中症予防のために自身の水分補給に適した少なくとも一の飲料物を迅速に購入させることができる。
【0026】
上記制御方法において、前記通信端末の前記ディスプレイに表示された前記プッシュ通知画面が選択されると、前記種別情報、前記在庫情報及び前記生体情報に基づき、前記識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した前記少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューを生成する処理と、前記個別の購買メニューを前記通信端末の前記ディスプレイに表示する処理と、を更に実行させてもよい。
【0027】
本態様によれば、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザは、プッシュ通知画面を選択することで、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューを前記ディスプレイに表示させることができる。これにより、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザに、熱中症予防のために自身の水分補給に適した飲料物を購入させることができる。
【0028】
上記制御方法において、前記飲料物の自動販売機から発信される前記ビーコン信号の発信方向を示す方向表示を、前記プッシュ通知画面が表示されている前記ディスプレイに表示させる処理と、を更に実行させてもよい。
【0029】
本態様によれば、プッシュ通知画面が表示されている前記ディスプレイに、飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示される。このため、通信端末のユーザに、プッシュ通知画面で推薦されている飲料物の自動販売機が存在する方向を容易に把握させることができる。
【0030】
上記制御方法において、前記飲料物の自動販売機から発信される前記ビーコン信号の発信方向を示す方向表示を、前記個別の購買メニューが表示されている前記ディスプレイに表示させる処理と、を更に実行させてもよい。
【0031】
本態様によれば、個別の購買メニューが表示されている前記ディスプレイに、飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示される。このため、通信端末のユーザに、個別の購買メニューに表示されている飲料物を格納している自動販売機が存在する方向を容易に把握させることができる。
【0032】
上記制御方法において、前記飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号を受信する処理と、所定時間前記ビーコン信号の受信を検知しなかった場合、前記プッシュ通知画面の表示を消去する処理と、を実行させてもよい。
【0033】
本態様によれば、所定時間、飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号の受信を検知しなかった場合、プッシュ通知画面の表示が消去される。このため、ユーザが前記ビーコン信号を受信できない場所まで移動してから所定時間が経過し、当該ユーザが前記自動販売機で飲料物を購入する意思がないと考えられるときに、飲料物を推薦するプッシュ通知画面が無駄に前記ディスプレイに表示されることを回避できる。
【0034】
上記制御方法において、前記ユーザの現在の生体情報は、前記ユーザの個人情報を格納する個人情報サーバに格納され、前記個人情報サーバから取得されてもよい。
【0035】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、前記ユーザの個人情報を格納する個人情報サーバから取得される。このため、前記ユーザの現在の生体情報を格納するために必要な構成を通信端末に設けることを省略できる。
【0036】
上記制御方法において、前記ユーザの現在の生体情報は、前記通信端末に備えられた生体センサーから取得されてもよい。
【0037】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、前記通信端末に備えられた生体センサーから取得される。このため、前記ユーザの現在の生体情報を取得することができる。
【0038】
上記制御方法において、前記ユーザの現在の生体情報は、前記通信端末と通信可能な生体センサーから、前記通信端末を介して取得されてもよい。
【0039】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、前記通信端末と通信可能な生体センサーから、前記通信端末を介して取得される。このため、生体センサーが通信端末から離れた場所にある場合でも、前記ユーザの現在の生体情報を取得することができる。
【0040】
上記制御方法において、前記少なくとも一の飲料物は、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含んでもよい。
【0041】
本態様によれば、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含む飲料物が推薦される。このため、通信端末のユーザに、熱中症予防のために自身の水分補給に適した飲料物として、水分補給に適した飲料物として知られているミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のうちの少なくとも一を推薦できる。
【0042】
上記制御方法において、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりも、スポーツドリンクを推薦してもよい。
【0043】
本態様によれば、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりも、スポーツドリンクが推薦されるようになる。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの熱中症のリスクの高まりに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが更に高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクを推薦するように変更できる。
【0044】
上記制御方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0045】
本態様によれば、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、熱中症のリスクが、スポーツドリンクを推薦される程度のリスクよりも更に高まっているユーザに、脱水症状時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0046】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、前記ユーザの体温が所定温度上昇した場合に前記プッシュ通知画面を表示させる処理を実行してもよい。
【0047】
本態様によれば、前記生体情報が前記ユーザの体温が所定温度上昇したことを示す場合に、プッシュ通知画面が表示される。このため、体温が所定温度上昇し、熱中症のリスクが高いと考えられる前記ユーザに、プッシュ通知画面を視認させ、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦できる。
【0048】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温が上昇するにつれて、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦してもよい。
【0049】
本態様によれば、前記ユーザの体温が上昇する程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクが推薦される。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの体温の上昇度合いに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクと変更できる。
【0050】
上記制御方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0051】
本態様によれば、前記ユーザの体温が上昇する程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、体温の上昇度合いが、スポーツドリンクを推薦されるときよりも更に大きいユーザに、熱中症のリスクが高い時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0052】
なお、上記で説明したプッシュ通知画面は、前記ユーザの体温の上昇度合い、または体温、に基づく熱中症のリスクの高まりに応じて、通信端末100からの振動及び/又は音声とともに表示されるようにしてもよい。
【0053】
本態様によれば、より高い体温上昇が検知された場合には、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を、より確実に、前記ユーザに通知及び推薦できる。
【0054】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少した場合に前記プッシュ通知画面を表示させる処理を実行してもよい。
【0055】
または、前記ユーザの体水分量が所定量減少した場合に前記プッシュ通知画面を表示させる処理を実行してもよい。
【0056】
本態様によれば、前記生体情報が前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少したことを示す場合に、プッシュ通知画面が表示される。このため、体水分率が所定パーセント減少し、熱中症のリスクがあると考えられる前記ユーザに、プッシュ通知画面を視認させ、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦できる。
【0057】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体水分率が減少する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦してもよい。
【0058】
本態様によれば、前記ユーザの体水分率が減少する程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクが推薦される。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの体水分率の減少度合いに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクと変更できる。
【0059】
上記制御方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0060】
本態様によれば、前記ユーザの体水分率が減少する程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、体水分率の減少度合いが、スポーツドリンクを推薦されるときよりも更に大きいユーザに、熱中症のリスクが高い時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0061】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量のいずれか一を含んでもよい。
【0062】
上記制御方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温及び/又は体水分率だけに限らず、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報の一つ以上を単独又は追加で含んでもよい。
【0063】
本態様によれば、プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温及び/又は体水分率だけでなく、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報の一つ以上を単独又は追加で加味して生成される。このため、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物として、前記ユーザの体調により適した飲料物を推薦できる。
【0064】
なお、上記で説明したプッシュ通知画面は、前記ユーザの体水分率の減少量、体水分率、または体水分量、に基づく熱中症のリスクの高まりに応じて、通信端末100からの振動及び/又は音声とともに表示されるようにしてもよい。
【0065】
本態様によれば、より大きな体水分率の減少量が検知された場合には、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を、より確実に、前記ユーザに通知及び推薦できる。
【0066】
本開示は、上述した第一の態様に係る制御方法に含まれる特徴的な各構成をコンピュータに実行させるプログラム、或いはこのプログラムによって動作する通信端末として実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0067】
本開示の第二の態様に係る情報提供方法は、飲料物の自動販売機の在庫情報を管理する自動販売機管理システムにおける情報提供方法であって、ネットワークを介して通信端末から、i)前記通信端末を識別する第1識別情報、ii)前記自動販売機を識別する第2識別情報、iii)前記自動販売機に格納された複数の飲料物の各種別を示す種別情報、及びiv)前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の各在庫数を示す前記在庫情報を取得し、前記通信端末においてii)前記第2識別情報、iii)前記種別情報及びiv)前記在庫情報は、前記飲料物の自動販売機から発信されるビーコン信号の受信を契機に近距離無線通信を用いて前記飲料物の自動販売機から取得され、ネットワークを介して前記通信端末のユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を取得し、前記第2識別情報、前記種別情報、前記在庫情報、及び前記生体情報に基づき、前記第2識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦するプッシュ通知画面の情報を生成し、前記プッシュ通知画面を前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記プッシュ通知画面の情報を前記通信端末に出力するものである。
【0068】
本態様によると、ユーザが飲料物の自動販売機の前を通り過ぎるまたはその近くに居るだけで、ユーザの購買意図によらず、前記ユーザの生体情報から前記ユーザの体調を判断して、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦するプッシュ通知画面が前記ユーザの通信端末のディスプレイに表示される。
【0069】
前記飲料物の自動販売機の購買メニューが表示されるのではなく、購買メニューを表示させるためのプッシュ通知画面が表示されるに過ぎない。そのため、ユーザに購買意図がないにも関わらず前記自動販売機の購買メニューが表示される煩わしさを軽減できる。
【0070】
前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温又は体水分率のいずれかを含む生体情報を加味して生成されるため、前記ユーザが前記自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいて前記ユーザの体調を判断して、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦できる。
【0071】
前記推薦された飲料物を購買する際には、前記ユーザの意思に基づいて前記購買メニューを表示させるので、前記購買メニューを表示されるか否かの判断については前記ユーザが主導権を握ることになる。
【0072】
これにより、前記ユーザの意図に反して前記飲料物の購買メニューが前記通信端末のディスプレイに表示される煩わしさを軽減しつつ、前記ユーザが前記自動販売機の前を通り過ぎる又はその近くに居る、そのタイミングにおいて前記ユーザの体調を判断して、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物を推薦できる。
【0073】
上記情報提供方法において、前記プッシュ通知画面は、前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、前記少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために用いられてもよい。
【0074】
本態様によれば、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザは、そのままプッシュ通知画面を用いて、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を購入させる購買メニューを、前記ディスプレイに表示させることができる。これにより、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザに、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を迅速に購入させることができる。
【0075】
上記情報提供方法において、前記通信端末から、前記ディスプレイに表示された前記プッシュ通知画面が選択された旨を取得し、前記種別情報、前記在庫情報及び前記生体情報に基づき、前記第2識別情報が示す前記自動販売機に格納された前記複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した前記少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューの情報を生成し、前記個別の購買メニューを前記通信端末のディスプレイに表示させるために前記個別の購買メニューの情報を前記通信端末に出力してもよい。
【0076】
本態様によれば、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザは、プッシュ通知画面を選択することで、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューを前記ディスプレイに表示させることができる。これにより、プッシュ通知画面を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザに、熱中症予防のために自身の水分補給に適した飲料物を購入させることができる。
【0077】
上記情報提供方法において、前記ユーザの現在の生体情報は、前記ユーザの個人情報を格納する個人情報サーバに格納され、前記個人情報サーバから取得されてもよい。
【0078】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、前記ユーザの個人情報を格納する個人情報サーバから取得される。このため、前記ユーザの現在の生体情報を格納するために必要な構成を通信端末に設けることを省略できる。
【0079】
上記情報提供方法において、前記通信端末には、生体センサーが備えられており、前記ユーザの現在の生体情報は、前記生体センサーが備えられた前記通信端末から取得されてもよい。
【0080】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、生体センサーが備えられた前記通信端末から取得される。このため、通信端末の現在地における前記ユーザの現在の生体情報を取得することができる。
【0081】
上記情報提供方法において、前記通信端末は、生体センサーと通信可能であり、前記ユーザの現在の生体情報は、前記生体センサーから前記通信端末を介して取得されてもよい。
【0082】
本態様によれば、前記ユーザの現在の生体情報は、前記通信端末と通信可能な生体センサーから、前記通信端末を介して取得される。このため、生体センサーが通信端末から離れた場所にある場合でも、前記ユーザの現在の生体情報を取得することができる。
【0083】
上記情報提供方法において、前記少なくとも一の飲料物は、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含んでもよい。
【0084】
本態様によれば、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のいずれか一を含む飲料物が推薦される。このため、通信端末のユーザに、熱中症予防のために自身の水分補給に適した飲料物として、水分補給に適した飲料物として知られているミネラルウォータ、スポーツドリンク又は経口補水液のうちの少なくとも一を推薦できる。
【0085】
上記情報提供方法において、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦してもよい。
【0086】
本態様によれば、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクが推薦される。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの熱中症のリスクの高まりに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクと変更できる。
【0087】
上記情報提供方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0088】
本態様によれば、前記ユーザの熱中症のリスクが高まる程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、熱中症の症状が、スポーツドリンクを推薦される程度の症状よりも更に悪化しているユーザに、脱水症状時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0089】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、前記ユーザの体温が所定温度上昇した場合に前記プッシュ通知画面を表示させる処理を実行してもよい。
【0090】
本態様によれば、前記生体情報が前記ユーザの体温が所定温度上昇したことを示す場合に、プッシュ通知画面が表示される。このため、体温が所定温度上昇し、熱中症の症状がみられると考えられる前記ユーザに、プッシュ通知画面を視認させ、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦できる。
【0091】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温に関わる情報であり、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温が上昇する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦してもよい。
【0092】
本態様によれば、前記ユーザの体温が上昇する程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクが推薦される。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの体温の上昇度合いに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクと変更できる。
【0093】
上記情報提供方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0094】
本態様によれば、前記ユーザの体温が上昇する程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、体温の上昇度合いが、スポーツドリンクを推薦されるときよりも更に大きいユーザに、脱水症状時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0095】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少した場合に前記プッシュ通知画面を表示させる処理を実行してもよい。
【0096】
本態様によれば、前記生体情報が前記ユーザの体水分率が所定パーセント減少したことを示す場合に、プッシュ通知画面が表示される。このため、体水分率が所定パーセント減少し、熱中症の症状がみられると考えられる前記ユーザに、プッシュ通知画面を視認させ、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を推薦できる。
【0097】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体水分率に関する情報であり、前記プッシュ通知画面は、前記ユーザの体水分率が減少する程、前記少なくとも一の飲料物として、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクを推薦してもよい。
【0098】
本態様によれば、前記ユーザの体水分率が減少する程、プッシュ通知画面によって、ミネラルウォータよりもスポーツドリンクが推薦される。このため、前記ユーザに推薦する飲料物を、前記ユーザの体水分率の減少度合いに応じて、最初はミネラルウォータを推薦するが、熱中症のリスクが高まると、次に少量の塩分や電解質を含むスポーツドリンクと変更できる。
【0099】
上記情報提供方法において、前記プッシュ通知画面は、さらに前記ユーザの熱中症のリスクが高まる場合には、前記スポーツドリンクよりも経口補水液を推薦してもよい。
【0100】
本態様によれば、前記ユーザの体水分率が減少する程、プッシュ通知画面によって、スポーツドリンクよりも経口補水液が推薦される。このため、体水分率の減少度合いが、スポーツドリンクを推薦されるときよりも更に大きいユーザに、脱水症状時の急速な水分補給が可能な経口補水液を推薦できる。
【0101】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量のいずれか一を含んでもよい。
【0102】
上記情報提供方法において、前記生体情報は、前記ユーザの体温及び/又は体水分率に限らず、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報のいずれか一つ以上を単独又は追加で含んでもよい。
【0103】
本態様によれば、プッシュ通知画面は、前記ユーザの体温及び/又は体水分率だけでなく、前記ユーザの心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報のいずれか一つ以上を単独又は追加で加味して生成される。このため、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した飲料物として、前記ユーザの体調により適した飲料物を推薦できる。
【0104】
なお、上記で説明したプッシュ通知画面は、前記ユーザの体温、体水分率(または体水分量)、心拍数、血圧又は発汗量に基づく熱中症のリスクの高まりに応じて、通信端末100からの振動及び/又は音声とともに表示されるようにしてもよい。
【0105】
本態様によれば、より高い熱中症のリスクが検知された場合には、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を、より確実に、前記ユーザに通知及び推薦できる。
【0106】
(実施形態)
我々の社会は、今後も更にインターネットが普及し、各種センサーが身近になることが予想される。これにより、我々の社会は、個人の状態及び活動等に関する情報から建造物及び交通網等を含む街全体の情報までもが、デジタル化されてコンピューターシステムで利用できる状態になっていくと予想される。デジタル化された個人に関するデータ(個人情報)は、通信ネットワークを介してクラウドに蓄積され、ビッグデータとして情報銀行に管理され、個人のために様々な用途に利用されていく。
【0107】
このような高度情報化社会は、日本ではSociety5.0と呼ばれる。高度情報化社会は、現実空間(フィジカル空間)と仮想空間(サイバー空間)とを高度に融合させた情報基盤(サイバーフィジカルシステム)により、経済発展と社会的課題の解決とが期待される社会である。
【0108】
Society5.0では、生体情報のような個人情報は、情報銀行と称される個人情報を管理する事業者のサーバによって第三者に個人が特定されないように秘匿化された上で一元管理される。この個人情報は末端のユーザの手入力に依存することなく、情報銀行の管理の下、随時更新される。そして、個人が日常の様々なシーンで意思決定を行う際に、蓄積された個人情報を含むビッグデータを分析して、その時の状況に応じた、その個人にとって最適と思われる選択肢を、その個人が知ることが可能になる。
【0109】
(自動販売機管理システムの情報基盤の全体像)
本開示の実施形態に係る自動販売機管理システムは、Society5.0を踏まえて構成されたシステムであり、飲料物の自動販売機の在庫情報を管理し、情報銀行によって管理されている個人情報を利用して、熱中症予防のためにユーザの水分補給に適した飲料物をユーザに推薦するシステムである。
【0110】
以下、本開示の実施形態に係る自動販売機管理システムを、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の自動販売機管理システムの情報基盤の全体像の一例を示す図である。まず、
図1を用いて、本実施形態を実現するための情報基盤の全体像を説明する。この自動販売機管理システムは、大きく3つの機器群から構成される。
【0111】
1つ目の機器群は、複数の事業者がそれぞれ商品を販売する物理的な販売拠点とする機器群であり、各事業者の商品を販売する自動販売機700が含まれる。
図1では、事業者Xの商品A-1、A-2、A-3を販売する自動販売機700と、事業者Xの商品B-1、B-2を販売する自動販売機700と、を例示している。
【0112】
2つ目の機器群は、ユーザが携帯する機器群であり、スマートフォン又はタブレット端末等の通信端末100及びスマートウォッチ等の生体センサー600が含まれる。通信端末100は、例えば4G、5Gと称されるセルラー網等の長距離無線通信網により、携帯基地局400を介して、インターネット等の広域通信網に接続可能である。また、通信端末100は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって自動販売機700と通信可能である。
【0113】
通信端末100には、各事業者が提供するアプリケーションと、センサーアプリと、がインストールされている。
図1では、通信端末100に、事業者Xが提供する事業者Xアプリと、センサーアプリと、がインストールされている例を示している。事業者Xアプリは、事業者Xが管理する自動販売機700で販売されている複数の飲料物の中から、熱中症予防のためにユーザの水分補給に適した飲料物を、そのユーザの個人情報を用いて推薦するためのアプリケーションである。センサーアプリについては後述する。
【0114】
生体センサー600は、生体センサー600を携帯するユーザの生体情報を定期的に継続して測定する。生体センサー600が測定する生体情報には、体水分率及び/又は体温に関する情報が含まれる。また、生体センサー600が測定する生体情報には、心拍数、血圧又は発汗量等の他の生体情報のいずれか一つ以上に関する情報が単独又は追加で含まれてもよい。これらの情報は、直接的にユーザの体に触れたセンサーにより測定されてもよいし、間接的に、例えばユーザを映した可視光及び/又は非可視光領域のビデオ映像により、導出されてもよい。また、これらの情報は、一のセンサーに限らず、生体インピーダンスセンサー、体温センサー、血圧センサー、心拍センサー、発汗量センサー等の複数のセンサーによって個別に測定されてもよい。この場合、重複する生体情報については、センサーの精度に応じて、測定した生体情報を重み付けて取得してもよいし、ユーザにより選択された一のセンサーで測定された生体情報を取得するようにしてもよい。又は、各センサーの品番情報等に基づき、最も最近に発売されたセンサーによって測定された生体情報を代表値として取得するようにしてもよい。
【0115】
生体センサー600が測定した生体情報は、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信によって、生体センサー600から通信端末100に送信される。生体情報は、通信端末100にインストールされたセンサーアプリによって保管及び/又は管理される。尚、生体センサー600は、通信端末100に備えてもよい。
【0116】
センサーアプリは、収集した生体情報と当該生体情報の測定日時を示す測定日時情報とを、ユーザアカウント情報に従って個人情報サーバ200へアップロードする。ユーザアカウント情報には、ユーザID及びパスワード等が含まれる。これにより、個人情報サーバ200において、生体情報が、ユーザID及び測定日時情報と対応付けて時系列に記憶される。
【0117】
尚、センサーアプリは、生体情報を通信端末100のメモリ102(
図2)に記憶してもよい。センサーアプリは、メモリ102(
図2)に記憶している生体情報に対するアクセス権を事業者Xアプリ又は通信端末100のOS(Operating system)に付与してもよい。この場合、生体情報は、事業者Xアプリ又はOSを介して、個人情報サーバ200へアップロードされる。
【0118】
3つ目の機器群は、インターネットなどの広域通信網を介して、複数のユーザによって利用される情報を保管及び/又は管理するサーバ群であり、個人情報サーバ200及び事業者管理サーバ300が含まれる。
【0119】
個人情報サーバ200は、ユーザの個人情報を複数箇所に分散し、分散した個人情報を更に暗号化して記憶するサーバである。個人情報サーバ200は、広域通信網上にある複数のストレージ装置にユーザの個人情報を断片化及び暗号化して記憶することで個人情報を管理する。これにより、高いセキュリティが確保され、個人情報の漏洩等が防止される。
【0120】
個人情報サーバ200は、第三者からの問い合わせに応じて必要な情報をユーザ本人の許諾に応じて返信する機能を持つ。更に、個人情報サーバ200は、ユーザが許諾した事業者に対して、ユーザが許諾した個人情報をセキュアに共有する機能を持つ。すなわち、個人情報サーバ200は情報銀行としての機能を持つ。
【0121】
ここで言う個人情報とは、個人に関する公開又は非公開の情報が広く包含される。例えば、個人情報は、氏名、生年月日、住所、年収、所有する動産/不動産情報、身長/体重等の身体情報、遺伝子情報、アレルギー情報、病歴/診断カルテ等の医療情報、歩数/消費カロリー等の活動量情報、食事履歴情報、心拍数/体温/体水分率/血圧/発汗量等の生体情報、自動販売機/店舗/ECサイト等を介した商品の購入履歴情報、Web検索エンジン/AIスピーカで検索した単語情報、及びメール/SNSで送受信された文章/映像音声情報、等のうちの少なくとも一つを含む。
【0122】
事業者管理サーバ300は、各事業者が各事業者固有のデータを保管及び/又は管理するサーバである。
図1では、事業者Xと他の2社がそれぞれ事業者管理サーバ300を所有又はレンタルし、自社の商品に関する情報を保管及び/又は管理していることを例示している。以降の説明では、事業者Xは、飲料物の販売事業者であるものとする。
【0123】
(自動販売機管理システムの具体的な構成)
次に、本開示の実施形態に係る自動販売機管理システムの具体的な構成について説明する。
図2は、本開示の実施形態に係る自動販売機管理システムの具体的な構成の一例を示す図である。
図2に示す自動販売機管理システムは、
図1で説明した各事業者が管理する自動販売機700、通信端末100、個人情報サーバ200、各事業者が管理する事業者管理サーバ300及び生体センサー600を含む。
【0124】
通信端末100、個人情報サーバ200、及び事業者管理サーバ300は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTは、セルラー網等の長距離無線通信網及びインターネットを含む広域通信網である。尚、
図2においては、
図1に示した携帯基地局400の図示は説明の便宜上省かれている。また、以降の説明では、自動販売機700は、事業者Xが管理する飲料物の自動販売機700であるものとし、事業者管理サーバ300は、事業者Xが管理する事業者管理サーバ300であるものとして説明する。
【0125】
自動販売機700は、メモリ702と、商品検出部708と、近接通信部707と、これら全体を制御するための演算部704と、を含む。
【0126】
メモリ702は、フラッシュメモリ等の不揮発性のストレージ装置で構成されている。メモリ702は、自動販売機700に関する情報を記憶する。自動販売機700に関する情報は、作業員による自動販売機700への各飲料物の格納時に、不図示のタッチパネル等の入力装置を用いて入力され、演算部704によってメモリ702に記憶される。
【0127】
具体的には、自動販売機700に関する情報には、自動販売機700を識別する識別情報(第2識別情報)及び自動販売機700に格納された複数の飲料物に関する商品情報が含まれる。
【0128】
自動販売機700を識別する識別情報には、事業者ID(Identifier)及び自販機IDが含まれる。事業者IDは、自動販売機700を管理する事業者の識別子である。自販機IDは、自動販売機700の識別子である。
【0129】
商品情報には、自動販売機700に格納された複数の飲料物の各種別を示す種別情報及び自動販売機700に格納された複数の飲料物の各在庫数などを示す在庫情報が含まれる。種別情報には、自動販売機700に格納された複数の飲料物についての各種類を示す種類情報及び各品名を示す品名情報が含まれる。在庫情報には、自動販売機700に格納された複数の飲料物についての各価格を示す価格情報、各数量を示す数量情報及び各温度を示す温度情報が含まれる。
【0130】
商品検出部708は、例えばCPU等のプロセッサ及び温度センサーで構成されている。商品検出部708は、商品情報をメモリ702から読み出す。また、商品検出部708は、格納されている各飲料物の温度を温度センサーによって測定する。尚、商品検出部708は、測定した各飲料物の温度を示す情報によって、メモリ702に記憶されている各飲料物の商品情報に含まれる温度情報を更新する。
【0131】
商品検出部708が各飲料物の温度を測定する理由は、冷蔵用の飲料物の目標温度を摂氏5度とし、温蔵用の飲料物の目標温度を摂氏55度として、各飲料物を目標温度付近に維持する温度制御を行うためである。格納されたばかりの飲料物の温度が目標温度に到達していない場合、当該飲料物の販売を推奨できない。このため、商品検出部708は、更に、測定した飲料物の温度が目標温度付近の所定の温度範囲内である場合、当該飲料物を販売可能商品として検出し、その他の場合、当該飲料物は販売前の準備段階であるので、販売不可能商品として検出する。
【0132】
近接通信部707は、例えば、Bluetooth(登録商標)規格の一部であるBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従って近距離無線通信を行う通信回路によって構成される。尚、近接通信部707は、更に、NFC(Near Field Communication)規格に従って近距離無線通信を行う通信回路を備えてもよい。演算部704は、例えば、CPU等のプロセッサで構成されている。
【0133】
近接通信部707は、BLE規格に従う近距離無線通信を行う場合、定期的にビーコン信号を発信する。近接通信部707は、ビーコン信号を受信した近距離に存在する通信端末100から接続要求を示す信号を受信すると、前記接続要求を示す信号の受信を演算部704に通知する。演算部704は、当該通知を受けると、自動販売機700を識別する識別情報をメモリ702から読み出し、更に、商品検出部708を制御して、販売可能商品及び販売不可能商品として検出された飲料物に関する商品情報をメモリ702から読み出す。演算部704は、当該読み出した自動販売機700の識別情報及び商品情報を、近接通信部707を制御して、前記接続要求を示す信号を発信した通信端末100に返信する。
【0134】
また、近接通信部707は、通信端末100の近接通信部107から飲料物の購入内容を示す情報を受信すると、当該受信した飲料物の購入内容を示す情報を演算部704に出力する。飲料物の購入内容を示す情報には、例えば、購入対象の飲料物の品名、当該飲料物の購入数及び当該飲料物の購入に要する金額が含まれる。
【0135】
演算部704は、近接通信部707を介して飲料物の購入内容を示す情報を取得すると、不図示の搬送機構を制御して、当該取得した情報が示す購入対象の飲料物を、当該情報が示す購入数分だけ、商品取出口まで搬送する。
【0136】
次に、通信端末100の構成について説明する。通信端末100は、近接通信部107、通信部101、メモリ102、カメラ103、演算部104、ディスプレイ105及び操作部106を含む。
【0137】
近接通信部107は、自動販売機700の近接通信部707と同様に、例えば、Bluetooth(登録商標)規格の一部であるBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従って近距離無線通信を行う通信回路によって構成される。尚、近接通信部107は、更に、NFC(Near Field Communication)規格に従って近距離無線通信を行う通信回路を備えてもよい。
【0138】
近接通信部107は、BLE規格に従う近距離無線通信を行う場合、自動販売機700から発信されたビーコン信号を受信すると、当該自動販売機700に接続要求を示す信号を返信する。これに応じて、自動販売機700の近接通信部707から返信される自動販売機700の識別情報及び商品情報を近接通信部107は受信する。近接通信部107は、当該受信した識別情報及び商品情報を演算部104に出力する。
【0139】
また、近接通信部107は、生体センサー600が計測した各種の生体情報を生体センサー600から受信する。近接通信部107は、受信した生体情報を演算部104に出力する。
【0140】
通信部101は、通信端末100をネットワークNTに接続する通信回路で構成されている。通信部101は、個人情報サーバ200及び/又は事業者管理サーバ300から送信された情報を受信すると、当該受信した情報を演算部104に出力する。また、通信部101は、演算部104の制御の下、自動販売機700の識別情報及び商品情報を対応付けて事業者管理サーバ300に送信する。更に、通信部101は、演算部104の制御の下、後述する購入情報を事業者管理サーバ300及び/又は個人情報サーバ200に送信する。
【0141】
メモリ102は、フラッシュメモリ等の不揮発性のストレージ装置で構成されている。メモリ102は、通信端末100を識別する識別情報(第1識別情報)を記憶する。通信端末100を識別する識別情報には、端末ID(Identifier)及びユーザID(Identifier)が含まれる。端末IDは通信端末100の識別子である。ユーザIDは通信端末100のユーザの識別子である。通信端末100を識別する識別情報は、通信端末100の購入時にメモリ102に記憶される。
【0142】
カメラ103は、CMOSセンサー等で構成される撮像装置である。
【0143】
演算部104は、CPU等のプロセッサで構成されている。演算部104は、通信端末100のOS、事業者Xアプリ、センサーアプリ、QRコード(登録商標)リーダー、及びブラウザ等を実行する。
【0144】
演算部104は、事業者Xアプリを実行することにより、以下の処理を実行する。
【0145】
演算部104は、近接通信部107を制御して、事業者X提供の飲料物の自動販売機700から発信されるビーコン信号の受信を契機に、近距離無線通信を用いて当該自動販売機700から自動販売機700を識別する識別情報と、種別情報及び在庫情報を含む商品情報と、を取得する処理を行う。
【0146】
また、演算部104は、通信端末100のユーザの体温及び/又は体水分率を含む生体情報を取得する処理を実行する。
【0147】
更に、演算部104は、これらの処理で取得した情報に基づき、近接通信部107が受信したビーコン信号の発信源の自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から、熱中症予防のために前記ユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を決定し、当該決定した少なくとも一の飲料物を推薦するプッシュ通知画面を生成する処理を実行する。また、演算部104は、前記決定した少なくとも一の飲料物を表示する熱中症予防のための個別の購買メニューを生成する処理を実行する。
【0148】
演算部104は、センサーアプリを実行することにより、近接通信部107を介して、生体センサー600によって継続的に計測される各種の生体情報を取得する。尚、生体センサー600が通信端末100に備えられている場合、演算部104は、センサーアプリを実行することにより、生体センサー600によって継続的に計測される各種の生体情報を取得する。
【0149】
演算部104は、生体センサー600から取得した生体情報及びその取得日時を示す日時情報をメモリ102に記憶させる。さらにその生体情報及び日時情報をユーザアカウント情報と共に、通信部101を介して個人情報サーバ200へアップロードする。
【0150】
尚、演算部104は、センサーアプリを実行または操作することにより、生体情報及び日時情報をメモリ102に記憶してもよい。また、センサーアプリは、メモリ102に記憶されている生体情報に対するアクセス権を、事業者Xアプリ又は通信端末100のOS(Operating system)に付与してもよい。この場合、事業者Xアプリ又はOSが、生体情報を個人情報サーバ200へアップロードしてもよい。
【0151】
ディスプレイ105は、例えば液晶表示パネル又は有機ELパネル等で構成され、種々の画像を表示する。例えば、ディスプレイ105は、上述のプッシュ通知画面及び後述する個別の購買メニュー等を表示する。
【0152】
操作部106は、例えばタッチパネル等の入力装置で構成される。例えば、操作部106は、後述する個別の購買メニューの中から、ユーザが希望する飲料物を選択及び購入する操作を受け付ける。
【0153】
次に、個人情報サーバ200の構成について説明する。個人情報サーバ200は、通信部201、演算部202、及びメモリ203を含む。通信部201は、個人情報サーバ200をネットワークNTに接続するための通信回路で構成されている。通信部201は、演算部202による制御の下、通信端末100又は事業者管理サーバ300からの要求に応じて、各ユーザの個人情報を返信する。
【0154】
演算部202は、CPU等のプロセッサで構成されている。例えば、通信部201が、許諾ユーザについての個人情報の取得を要求する信号を受信したとする。許諾ユーザとは、通信端末100又は事業者管理サーバ300から要求された個人情報サーバ200に記憶された個人情報の読み出しを、直接的又は信託された第三者を経由して間接的に許諾したユーザである。この場合、演算部202は、通信端末100又は事業者管理サーバ300からの要求に応じて、メモリ203に記憶されている許諾ユーザの個人情報を読み出して通信部201に返信させる。なお、読み出される個人情報は、管理されている個人情報の全体であってもよいし、又は、個人情報のうち、要求された特定項目に関連する情報だけ(個人情報の一部のみ)がやり取りされてもよい。
【0155】
メモリ203は、ハードディスクドライブ等の不揮発性の複数のストレージ装置で構成されている。メモリ203は、一以上のユーザの個人情報を記憶する。個人情報は、複数のストレージ装置において分散化及び暗号化された上で記憶される。
【0156】
メモリ203が記憶する個人情報には、購入履歴情報及び生体情報が含まれる。購入履歴情報は、各ユーザによる飲料物等の商品の購入履歴を示す情報である。生体情報は、各ユーザの体調を示す情報である。生体情報には、各ユーザの体水分率又は体温のいずれかに関する情報が含まれる。また、生体情報には、各ユーザの心拍数、血圧又は発汗量の他の生体情報のいずれか一つ以上に関する情報が単独又は追加で含まれてもよい。
【0157】
次に、事業者管理サーバ300の構成について説明する。事業者管理サーバ300は、各事業者に対応して1又は複数存在する。事業者管理サーバ300は、メモリ303、通信部301及び演算部302を含む。
【0158】
メモリ303は、ハードディスクドライブ等の不揮発性のストレージ装置で構成されている。メモリ303は、事業者Xが管理する複数の自動販売機700のそれぞれを識別する識別情報と対応付けて、各自動販売機700に格納された複数の飲料物に関する商品情報及び各自動販売機700が設置されている位置を示す位置情報を記憶する。商品情報には、各自動販売機700に格納された複数の飲料物の各種別を示す種別情報及び各自動販売機700に格納された複数の飲料物の各在庫数を示す在庫情報が含まれる。種別情報には、自動販売機700に格納された複数の飲料物についての各種類を示す種類情報及び各品名を示す品名情報が含まれる。在庫情報には、自動販売機700に格納された複数の飲料物についての、各価格を示す価格情報、各数量を示す数量情報及び各温度を示す温度情報が含まれる。
【0159】
通信部301は、事業者管理サーバ300をネットワークNTに接続するための通信回路で構成される。通信部301は、通信端末100から送信された自動販売機700を識別する識別情報及び商品情報を受信し、当該受信した自動販売機700の識別情報及び商品情報を演算部302に出力する。
【0160】
演算部302は、CPU等のプロセッサで構成される。演算部302は、通信部301を介して取得した、通信端末100から送信された自動販売機700の識別情報及び商品情報に基づき、メモリ303に記憶されている、当該識別情報に対応する自動販売機700の商品情報を更新する。
【0161】
(近距離無線通信に用いるビーコン信号)
次に、通信端末100と自動販売機700との間で行われる近距離無線通信に用いられるビーコン信号について、
図3を用いて説明する。
図3は、通信端末100と自動販売機700との間で行われる近距離無線通信に用いられるビーコン信号についての説明図である。
【0162】
通信端末100の近接通信部107と、自動販売機700の近接通信部707と、の間では、上述のように、Bluetooth(登録商標)規格の一部であるBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従って、ビーコン信号を用いた近距離無線通信が行われる。
【0163】
ビーコン信号は、自動販売機700の近接通信部707から定期的に発信される。
図3に示すように、通信端末100の近接通信部107は、ビーコン信号を受信すると、その信号の電波強度に応じて、近接通信部707からの距離をImmediate、Near、Far、又はUnknownの四種類に大別して表現することがある。
【0164】
具体的には、通信端末100の近接通信部107は、近接通信部707からの距離が数cm以内である場合に受信したビーコン信号の電波強度によって、近接通信部707からの距離がImmediateであると把握する。同様に、通信端末100の近接通信部107は、近接通信部707からの距離が約1m以内/約10m以内である場合に受信したビーコン信号の電波強度によって、近接通信部707からの距離がNear/Farであると把握する。
【0165】
尚、通信端末100の近接通信部107は、近接通信部707からの距離が更に遠くなる(例えば、約10m以上)場合、当該近接通信部707から発信されたビーコン信号を受信(検知)できないことがある。この場合、通信端末100の近接通信部107は、近接通信部707からの距離がビーコン信号が届かないほど遠いとしてUnknownであると把握する。
【0166】
ただし、通信端末100の近接通信部107が、ビーコン信号を発信した近接通信部707からの距離を把握する方法は、これに限らない。例えば、通信端末100の近接通信部107が、近接通信部707から受信したビーコン信号の電波強度の測定値であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)によって、ビーコン信号を発信した近接通信部707からの距離を把握してもよいし、他の方法で把握してもよい。
【0167】
近接通信部707から発信されるビーコン信号には、ビーコン信号の識別子であるビーコンIDが含まれる。例えば、Apple社のiBeacon(登録商標)規格では、ビーコンIDには、128ビットのUUID(Universally Unique Identifier)と、16ビットの符号なし整数であるMajor及びMinorと、が含まれる。
【0168】
UUIDは、ソフトウェア上でオブジェクトを一意に識別するための識別子である。この場合、例えば、メモリ702には、事業者IDを示す128ビットの数値と、自販機IDを示す32ビットの数値と、が記憶されている。近接通信部707は、メモリ702に記憶されている事業者IDを示す128ビットの数値をUUIDに設定し、メモリ702に記憶されている自販機IDを示す32ビットの数値をMajor及びMinorに設定したビーコン信号を発信する。
【0169】
図4は、ビーコンIDと自動販売機700を識別する識別情報との関係を示すテーブルの一例を示す図である。一方、通信端末100のメモリ102には、事業者Xアプリのインストール時に、
図4に例示される、ビーコンIDと自動販売機700を識別する識別情報との関係を示すテーブル2010が記憶されている。通信端末100の近接通信部107は、ビーコン信号を受信すると、メモリ102に記憶されているテーブル2010を参照することで、当該受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDに対応付けられた自動販売機700を識別する識別情報を取得する。
【0170】
例えば、近接通信部107が受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDのUUIDが「0000-0000-0000-000X」であり、Majorが「0x1000」であり、Minorが「0x0000」であったとする。この場合、近接通信部107は、
図4に示すテーブル2010を参照して、自動販売機700を識別する識別情報「事業者ID=X 自販機ID=0x00000000」を取得する。
【0171】
尚、ビーコンIDは、例えば、Google社のEddystone(登録商標)規格で規定されているフレームタイプEddystone-UIDに従うように構成してもよい。この場合、ビーコンIDには、固定値0が設定されたFrameTypeと、10バイトのNamespaceIDと、6バイトのInstanceIDと、が含まれる。
【0172】
この場合、例えば、メモリ702には、事業者IDを示す10バイトの値と、自販機IDを示す6バイトの値と、が記憶される。近接通信部707は、メモリ702に記憶されている事業者IDを示す10バイトの値をNamespaceIDに設定し、メモリ702に記憶されている自販機IDを示す6バイトの値をInstanceIDに設定したビーコン信号を発信する。
【0173】
図5は、ビーコンIDと自動販売機700の識別情報との関係を示すテーブルの一例を示す図である。この場合、通信端末100のメモリ102には、事業者Xアプリのインストール時に、
図5に例示される、ビーコンIDと自動販売機700の識別情報との関係を示すテーブル2011が記憶される。通信端末100の近接通信部107は、ビーコン信号を受信すると、メモリ102に記憶されているテーブル2011を参照することで、当該受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDに対応付けられた自動販売機700を識別する識別情報を取得する。
【0174】
例えば、近接通信部107が受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDのNamespaceIDが「X-1」であり、InstanceIDが「000000」であったとする。この場合、近接通信部107は、
図5に示すテーブル2011を参照して、自動販売機700の識別情報「事業者ID=X 自販機ID=000000」を取得する。
【0175】
(ビーコン信号を用いた近距離無線通信の処理)
次に、通信端末100と自動販売機700との間で行われるビーコン信号を用いた近距離無線通信の処理について、
図6を用いて説明する。
図6は、ビーコン信号を用いた近距離無線通信の処理を示すシーケンス図である。
【0176】
通信端末100と自動販売機700との間で行われるビーコン信号を用いた近距離無線通信では、自動販売機700の近接通信部707がスレーブとして動作し、通信端末100の近接通信部107がマスターとして動作する。
【0177】
具体的には、
図6に示すように、自動販売機700の近接通信部707は、ビーコン信号を定期的に発信(アドバタイジング)する(ステップS701)。
【0178】
通信端末100の近接通信部107は、ビーコン信号を受信する(スキャニング)すると、そのビーコンIDに加えて、そのビーコン信号の発信源である自動販売機700までの距離とそのビーコン信号の発信方向とを検知する。そして、近接通信部107は、ビーコン信号の受信を演算部104に通知すると共に、当該検知した距離及び発信方向を示す情報を演算部104に出力する。これにより、演算部104は、近接通信部107によるビーコン信号の受信を検知すると、近接通信部107から受信した当該情報をメモリ102に記憶する(ステップS101)。具体的には、ステップS101において、近接通信部107は、例えば、Bluetooth(登録商標)5.1で定められた仕様に基づき、受信したビーコン信号の発信方向を検知する。
【0179】
次に、通信端末100の近接通信部107は、ビーコン信号に含まれるビーコンIDによって識別される自動販売機700の近接通信部707を接続先として選定(イニシエーティング)する(ステップS102)。次に、近接通信部107は、当該選定した自動販売機700の近接通信部707に対して接続要求(コネクトリクエスト)を示す信号を送信する(ステップS103)。
【0180】
自動販売機700の近接通信部707は、接続要求を示す信号を受信すると、前記接続要求を示す信号を送信した通信端末100との接続を確立し、当該受信の旨を演算部704に通知する。これに応じて、演算部704は、商品検出部708を制御してメモリ702から、自動販売機700を識別する識別情報と、種別情報及び在庫情報を含む商品情報と、を読み出す。以降、説明の便宜上、自動販売機700を識別する識別情報を自動販売機700の識別情報と記載することがある。近接通信部107は、演算部704の制御の下、演算部704によって読み出された自動販売機700の識別情報及び商品情報を追加情報として、前記接続要求を示す信号を発信した通信端末100の近接通信部107に返信する(ステップS702)。なお、ここでは自動販売機700の識別情報及び商品情報を追加情報として通信端末100へ返信するとしたが、接続時には接続先の自動販売機700が既知であるため識別情報は必ずしも必須ではない。
【0181】
通信端末100の近接通信部107は、追加情報を受信すると、当該受信した追加情報を演算部104に出力する。演算部104は、近接通信部107から受信した追加情報をメモリ102に記憶する(ステップS104)。次に、近接通信部107は、接続の切断(ディスコネクト)を示す信号を返信する(ステップS105)。
【0182】
これにより、通信端末100の近接通信部107は、近接通信部707との通信を終了する。自動販売機700の近接通信部707は、通信端末100の近接通信部107との接続を遮断する。そして、通信端末100の近接通信部107は、他の自動販売機700の近接通信部707から発信されるビーコン信号の受信を待機する状態に戻る。
【0183】
その後は、通信端末100の近接通信部107において、他の自動販売機700の近接通信部707から発信されたビーコン信号が受信される度に、そのビーコン信号を発信した自動販売機700の商品情報をまだ取得していない場合は、又はそのビーコン信号を発信した自動販売機700の商品情報を取得してから所定時間以上が経過した場合は、ステップS101以降の処理が繰り返される。これにより、演算部104は、ビーコン信号を受信可能な距離内に存在する各自動販売機700から、各自動販売機700の識別情報及び商品情報を取得する。また、演算部104は、メモリ102から、近接通信部107が受信した各ビーコン信号の発信源である各自動販売機700までの距離及び各ビーコン信号の発信方向を示す情報を取得する。
【0184】
(第一の実施形態)
次に、本開示の第一の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像について
図7を用いて説明する。
図7は、第一の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【0185】
図7に示すように、自動販売機管理システムが備える各自動販売機700の近接通信部707は、定期的にビーコン信号を発信する(ステップS271)。この処理は、
図6に示したステップS701に対応する。
【0186】
通信端末100では、事業者Xアプリがフォアグラウンドまたはバックグラウンドで実行されることで、近接通信部107がビーコン信号の受信を待機する状態となり、
図6に示したステップS101以降の処理が行われる。具体的には、近接通信部107は、ステップS271で発信されたビーコン信号を受信すると、そのビーコンIDに加えて、ビーコン信号の発信源(である自動販売機700)までの距離とそのビーコン信号の発信方向とを検知する。そして、近接通信部107は、ビーコン信号の受信の旨を演算部104に通知すると共に、当該検知したビーコンID、距離及び発信方向を示す情報を演算部104に出力する。これにより、演算部104は、近接通信部107によるビーコン信号の受信を検知すると、近接通信部107から取得したビーコンID、距離及び発信方向を示す情報をメモリ102に記憶する(ステップS201)。この処理は、
図6に示したステップS101に対応する。
【0187】
次に、
図6に示したステップS102以降の処理に対応する処理が行われる。具体的には、通信端末100の近接通信部107は、ステップS201で受信されたビーコン信号の発信源である自動販売機700の近接通信部707と近距離無線通信を行う。これにより、近接通信部107は、当該自動販売機700を識別する識別情報と、種別情報及び在庫情報を含む商品情報と、を含む追加情報を取得する。近接通信部107は、当該取得した追加情報を演算部104に出力し、自動販売機700の近接通信部707との通信を終了する。演算部104は、近接通信部107から取得した追加情報をメモリ102に記憶する(ステップS202)。
【0188】
次に、演算部104は、通信部101を制御して、ステップS202で取得した自動販売機700の識別情報及び商品情報を事業者管理サーバ300へ送信する(ステップS203)。尚、これに応じて、事業者管理サーバ300では、演算部302が、通信部301を介して取得した自動販売機700の識別情報及び商品情報に基づき、メモリ303に記憶されている、当該識別情報に対応する自動販売機700の商品情報を更新する。
【0189】
このようにして、通信端末100の近接通信部107が、まだ商品情報を取得していない自動販売機700の近接通信部707から発信されたビーコン信号を受信する度に、当該受信を契機にステップS201からステップS203までの処理が繰り返される。
【0190】
尚、演算部104は、複数の自動販売機700から発信された複数のビーコン信号が近接通信部107によって受信されたことを検知した場合、近接通信部107による各ビーコン信号の受信時にはステップS201及びステップS202だけを実行するようにし、ステップS203については一度だけ(またはステップS202の繰り返し回数よりも少ない回数だけ)行うようにしてもよい。これにより、演算部104は、当該一度のステップS203において、各ステップS202で取得された各自動販売機700の識別情報及び商品情報をまとめて事業者管理サーバ300へ送信するようにしてもよい。
【0191】
次に、事業者Xアプリ又はそのアプリを提供する事業者Xと個人情報サーバ200の管理事業者とが提携し、事業者Xアプリが個人情報サーバ200に記憶されている各ユーザの個人情報を取得することが許可されているとする。この場合([事業者間提携済])、通信端末100の演算部104は、通信部101を制御して、メモリ102に記憶されている通信端末100を識別する識別情報(第1識別情報)と共に、当該識別情報に含まれるユーザIDで識別されるユーザの生体情報の送信を要求する信号を、個人情報サーバ200に送信する(ステップS204)。
【0192】
個人情報サーバ200では、通信部201がステップS204で送信された、通信端末100を識別する識別情報(ユーザを識別するユーザIDを含む)、並びに、ユーザの生体情報の送信を要求する信号を受信すると、演算部202によってステップS221の処理が行われる(ステップS221)。
【0193】
具体的には、ステップS221において、演算部202は、通信部201が受信した識別情報に含まれるユーザIDが示すユーザが許諾ユーザであるか否かを判断する。演算部202は、許諾ユーザであると判断した場合([本人許諾あり])、メモリ203から当該許諾ユーザの個人情報に含まれる生体情報を取得して、当該取得した生体情報を通信部201に返信させる。一方、演算部202は、許諾ユーザではないと判断した場合([それ以外])、個人情報のアクセスが不可能であることを示す情報を通信部201に返信させる。これらの返信された情報は、通信端末100の通信部101によって受信され、演算部104に出力される。
【0194】
尚、演算部202は、許諾ユーザではないと判断した場合([それ以外])に、メモリ203に記憶されている個人情報の読み出しを許可するか否かを確認するメッセージを通信部201に返信させてもよい。これに応じて、演算部202は、通信部201を介して、通信端末100から許可する旨の返信を取得したとする。この場合、演算部202は、ステップS221で受信された識別情報に含まれるユーザIDが示すユーザの個人情報に含まれる生体情報をメモリ203から取得して、当該取得した情報を通信部201に返信させてもよい。
【0195】
また、演算部104は、更に、通信端末100のメモリ102に通信端末100のユーザの生体情報が記憶されている場合、当該ユーザの生体情報が、ステップS221で返信された生体情報と重複しない範囲で取得する。特に最新の生体情報は、生体センサー600から通信端末100に送信されて、センサーアプリにて蓄積・管理されているものの、まだ個人情報サーバ200へはアップロードされていない可能性がある。そのため、最新の生体情報を含めて、後述する飲料物決定処理を行うため、このように通信端末100のメモリ102に記憶されている最新の生体情報を
図21のステップS204aに示すようにて追加で取得してもよい。
【0196】
次に、演算部104は、ステップS207を行う(ステップS207)。ステップS207では、演算部104は、先ず、これまでのステップで取得した、自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報の各組み合わせ、並びに生体情報に基づき、プッシュ通知画面を通知するか否かを判断する。ここで、自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報の各組み合わせは、ビーコン信号が受信される度にステップS202で取得されたものを示す。生体情報は、ステップS221で返信され、通信部101を介して取得された生体情報及び
図21のステップS204aに示すように通信端末100のセンサーアプリから事業者Xアプリが取得した生体情報を示す。当該判断方法の詳細については後述する。
【0197】
演算部104は、プッシュ通知画面を通知すると判断した場合([通知])、上記判断に用いた自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報の各組み合わせ、並びに生体情報に基づき、プッシュ通知画面を生成する。一方、演算部104は、プッシュ通知画面を通知しないと判断した場合([通知しない])、処理を終了する。演算部104は、処理を終了すると、事業者Xアプリの実行開始直後と同様、近接通信部107によるビーコン信号の受信を待機する状態に戻る。
【0198】
次に、演算部104は、ステップS207でプッシュ通知画面を生成した場合、当該生成したプッシュ通知画面を通信端末100のディスプレイ105に表示する(ステップS208)。演算部104は、プッシュ通知画面をディスプレイ105に表示するとともに、通信端末100に内蔵された振動発生器(図示せず)を駆動させて、通信端末100のユーザがそのプッシュ通知に気づきやすくしてもよい。また、演算部104は、プッシュ通知画面をディスプレイ105に表示するとともに、通信端末100に内蔵されたスピーカ(図示せず)からプッシュ通知を受信したことを知らせる音声を再生し、通信端末100のユーザがそのプッシュ通知に気づきやすくしてもよい。なお、これらは組み合わせて用いられてもよい。
【0199】
また、演算部104は、ユーザの体温、体水分率、心拍数、血圧、発汗量のいずれか一つ以上を含むユーザの生体情報に基づき、前記ユーザの熱中症のリスクが所定値よりも高いと判断する場合にのみ、ディスプレイ105にプッシュ通知画面を表示すると共に、通信端末100を振動させたり、かつ/または音声を再生させてもよい。これにより、より確実に、前記ユーザに熱中症のリスクを伝えるプッシュ通知を気付かせることができる。
【0200】
このように、通信端末100では、近接通信部107によるビーコン信号の受信を契機に、ステップS201以降の処理が行われ、ステップS208において、自動的にプッシュ通知画面が表示される。
【0201】
演算部104は、ステップS208でプッシュ通知画面を表示した後、所定時間以上、近接通信部107によるビーコン信号の受信を検知しなかった場合([所定時間以上ビーコン受信なし])、プッシュ通知画面の表示を消去する処理を行い、プッシュ通知画面を非表示にする。そして、演算部104は、処理を終了する(ステップS209)。演算部104は、処理を終了すると、近接通信部107によるビーコン信号の受信を待機する状態に戻る。
【0202】
一方、ユーザが操作部106を用いてプッシュ通知画面を選択する操作(例えば、タッチ操作)を行った場合([プッシュ通知画面選択])、演算部104は、ステップS207で用いた商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報並びに生体情報に基づき、熱中症の予防のための個別の購買メニューを生成する(ステップS210)。
【0203】
次に、演算部104は、ステップS210で生成した個別の購買メニューを通信端末100のディスプレイ105に表示する(ステップS211)。
【0204】
その後、通信端末100のユーザが、操作部106を用いて、ステップS211で表示された個別の購買メニューに含まれる飲料物の中から購入対象の飲料物を選択し、当該選択した飲料物の購入操作を行ったとする。この場合([購入操作])、演算部104は、購入対象の飲料物として選択された飲料物の自動販売機700によるビーコン信号の発信方向を示す情報をメモリ102から読み出す。演算部104は、当該読み出した情報が示すビーコン信号の発信方向を示す方向表示を、通信端末100のディスプレイ105に表示する(ステップS212)。なお、演算部104は、購入対象の飲料物が確定した後、その飲料物が格納されている自動販売機700の近接通信部707が発信するビーコン信号を再スキャンして、そのビーコン信号の発信方向を示す方向表示を、通信端末100のディスプレイ105に表示するようにしてもよい。
【0205】
その後、通信端末100のユーザが購入対象の飲料物の自動販売機700まで移動し、通信端末100を用いた所定の支払操作を行うと、演算部104は、所定の決済処理を行うと共に、近接通信部107を制御して、飲料物の購入内容を示す情報を前記自動販売機700に送信する(ステップS213)。飲料物の購入内容を示す情報には、例えば、購入対象の飲料物の品名、当該飲料物の購入数及び当該飲料物の購入に要する金額が含まれる。
【0206】
所定の決済処理では、演算部104は、例えば、メモリ102に記憶されている電子マネーの残高データから飲料物の購入に必要な合計金額に相当する金額相当分を減額する。また、演算部104は、近接通信部107を制御して、購入対象の飲料物として選択された飲料物の自動販売機700に、飲料物の購入に必要な合計金額に相当する電子マネーを送信する。
【0207】
又は、所定の決済処理では、演算部104は、通信部101を制御して、購入対象の飲料物として選択された飲料物の自動販売機700を管理する事業者管理サーバ300に、または電子マネーの決済会社のサーバ(図示なし)に、飲料物の購入内容を示す情報と、前記支払操作で入力された又はメモリ102に予め記憶されている、クレジットカード又は電子マネーに関する情報と、を送信し、前記購入内容に応じた決済の処理の実行を依頼してもよい。
【0208】
又は、所定の決済処理では、演算部104が、近接通信部107を制御して、購入対象の飲料物として選択された飲料物の自動販売機700に、飲料物の購入内容を示す情報と、前記支払操作で入力された又はメモリ102に予め記憶されている、クレジットカードに関する情報と、を送信し、前記購入内容に応じた決済の処理の実行を依頼してもよい。
【0209】
自動販売機700では、演算部704が、近接通信部707を介して取得した、ステップS213で送信された飲料物の購入内容を示す情報に従い、当該情報が示す品名の飲料物を、当該情報が示す購入数分だけ、商品取出口まで搬送する。これにより、ユーザが購入した飲料物が、ユーザに提供される(ステップS272)。
【0210】
また、通信端末100の演算部104は、ステップS213の後、通信部101を制御して、飲料物の購入情報を個人情報サーバ200に送信する(ステップS214)。飲料物の購入情報には、通信端末100のユーザのユーザIDと、当該ユーザが飲料物を購入した日時を示す日時情報と、当該ユーザが飲料物を購入した自動販売機700を識別する識別情報と、当該ユーザが購入した飲料物の種別を示す種別情報と、が含まれる。
【0211】
個人情報サーバ200では、通信部201がステップS214で送信された購入情報を受信すると、演算部202は、当該通信部201が受信した購入情報に含まれるユーザIDが示すユーザが許諾ユーザである場合、当該購入情報に基づき、メモリ203に記憶されている当該許諾ユーザの購入履歴情報を更新する(ステップS222)。
【0212】
(飲料物の推薦及び購入方法)
以下、上述した自動販売機管理システムの各処理(
図7)を参照しながら、通信端末100のユーザに飲料物を推薦する方法及び当該ユーザが飲料物を購入する方法について説明する。当該説明の中で、プッシュ通知画面及び個別の購買メニューの詳細について説明する。
図8は、プッシュ通知画面800Aの表示例を示す図である。
図9は、プッシュ通知画面800Bの表示例を示す図である。
図10は、通信端末100と自動販売機700との位置関係の一例を示す図である。
図11は、プッシュ通知画面800Cの表示例を示す図である。
【0213】
通信端末100を携帯したユーザが、通信端末100にインストールされた事業者Xアプリを起動後(バックグラウンドで起動している間も含む)、事業者Xが管理する自動販売機700の前を通りがかる又は近くにいるとする。この場合、通信端末100において、自動販売機700から発信されるビーコン信号が受信され、
図7に示すステップS201からステップS207の処理が行われる。ステップS207において、プッシュ通知画面を通知すると判断された場合、プッシュ通知画面が生成され、ステップS208(
図7)が行われる。これにより、プッシュ通知画面がディスプレイ105に表示される。
【0214】
具体的には、ステップS208において、演算部104は、例えば
図8に示すように、通信端末100のディスプレイ105の最上段に、自動販売機700を模擬したプッシュ通知画面800Aを表示する。
【0215】
ユーザがこのプッシュ通知画面800Aを、指で下にスライドさせる操作又は指でタッチ(選択)する操作を行うと、演算部104は、
図9に示すように、詳細なプッシュ通知画面800Bをディスプレイ105に表示する。尚、ステップS208において、演算部104は、ディスプレイ105に
図8に示すプッシュ通知画面800Aを表示せず、
図9に示す詳細なプッシュ通知画面800Bを表示してもよい。
【0216】
プッシュ通知画面800Bには、メッセージ820及びアイコン画像840が含まれる。メッセージ820は、ビーコン信号が受信される度にステップS202(
図7)で取得された各識別情報が示す、各ビーコン信号の発信源の自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から決定された、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した一の飲料物を推薦するメッセージを示す。
【0217】
具体的には、メッセージ820には、前記一の飲料物を決定するために用いた通信端末100のユーザの生体情報(例えば、「体温36.9℃」)が含まれる。また、メッセージ820には、前記一の飲料物を決定するために用いた前記生体情報の種類(例えば、体温)に応じて定められた、熱中症に注意を向ける推薦メッセージ(例えば、「体温が上がってます。熱中症に気を付けて」)が含まれる。当該推薦メッセージは、生体情報の種類と対応付けてメモリ102に予め記憶されている。
【0218】
アイコン画像840は、前記一の飲料物を表す画像である。これにより、自動販売機700の近傍にいる通信端末100のユーザに、熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に適した飲料物が推薦される。
【0219】
また、プッシュ通知画面800Bには、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶されたビーコン信号の発信方向を示す情報に基づき、推薦された飲料物が格納された自動販売機700によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示として、画像830が表示される。これにより、通信端末100のユーザは、推薦された飲料物を格納する自動販売機700が存在する方向を把握することができる。
【0220】
尚、プッシュ通知画面800Bには、各ビーコン信号の発信源の自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から決定された、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した複数の飲料物を推薦するメッセージが表示されてもよい。また、プッシュ通知画面800Bには、画像830と同様に、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶されたビーコン信号の発信方向を示す情報に基づき、推薦された複数の飲料物が格納された各自動販売機700によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示されてもよい。
【0221】
又は、例えば、
図10に示すように、通信端末100の正面方向から時計回りに48度回転させた方向において近接通信部107から6.1m離れた位置に存在する自動販売機700の近接通信部707が発信したビーコン信号を、通信端末100の近接通信部107が受信したとする。この場合、演算部104は、
図11に示すプッシュ通知画面800Cを生成し、ディスプレイ105に表示してもよい。
【0222】
プッシュ通知画面800Cには、
図9に示したプッシュ通知画面800Bと同様のメッセージ820が含まれる。また、
図11に示すプッシュ通知画面800Cでは、前記方向表示として、
図9に示した画像830とは異なる画像が表示される。
【0223】
具体的には、演算部104は、通信端末100の現在地を示す画像831を表示し、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶されたビーコン信号の発信方向を示す情報を用いて、画像831の正面方向から時計回りに48度回転させた方向に、ステップS207にて推薦される商品を表す画像840を表示する。更に、演算部104は、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶されたビーコン信号の発信源の自動販売機700までの距離を示す情報を用いて、通信端末100の現在地からの距離を表す画像832を表示する。本具体例では、ビーコン信号の発信源の自動販売機700までの距離が6.1m(
図10)であるので、演算部104は、
図11に示すように、当該距離の目安となる、通信端末100の現在地から6mの距離を表す画像を表示している。
【0224】
以降、上述したプッシュ通知画面800A~800Cを総称して、プッシュ通知画面800と記載する。プッシュ通知画面800がディスプレイ105に表示された後、通信端末100のユーザが移動等を行い、通信端末100の近接通信部107が自動販売機700からビーコン信号を受信できない時間が所定時間以上経過したとする。この場合、ステップS209(
図7)が行われ、プッシュ通知画面800が非表示になる。これにより、飲料物を購入する意思がないと考えられるユーザの通信端末100のディスプレイ105に、飲料物を推薦するプッシュ通知画面800が無駄に表示されることが回避される。
【0225】
ただし、これに限らず、通信端末100のユーザによる操作部106の操作(例えば、スワイプ操作)がプッシュ通知画面800が表示されているディスプレイ105の領域内に対して行われた場合に、演算部104がプッシュ通知画面800の表示を消去する処理を行い、プッシュ通知画面800を非表示にしてもよい。又は、プッシュ通知画面800が表示された後、ユーザによるプッシュ通知画面800に対する操作が所定時間以上行われなかった場合に、演算部104がプッシュ通知画面800の表示を消去する処理を行い、プッシュ通知画面800を非表示にしてもよいし、又は、演算部104がプッシュ通知画面800に「時間切れ」といった表示を重畳させて表示させる処理を行い、プッシュ通知画面800を無効にしてもよい。
【0226】
次に、プッシュ通知画面800を見て飲料物の購買意欲が生じたユーザにより、操作部106を用いてプッシュ通知画面800を選択する操作(例えば、タッチ操作)が行われる。この場合、ステップS210及びステップS211(
図7)が行われる。これにより、個別の購買メニューがディスプレイ105に表示される。
【0227】
図12は、個別の購買メニュー900の表示例を示す図である。具体的には、ステップS211(
図7)では、演算部104は、例えば、
図12に示すように、個別の購買メニュー900をディスプレイ105に表示する。個別の購買メニュー900には、一つの大タイルオブジェクト903と、マトリックス状に配置された複数のタイルオブジェクト901と、タイトル902と、が含まれる。
【0228】
一つの大タイルオブジェクト903は、プッシュ通知画面800で推薦された一の飲料物に対応する。大タイルオブジェクト903には、プッシュ通知画面800に表示されたメッセージ820、飲料物の品名、飲料物の価格、及び飲料物の画像が含まれる。
【0229】
一つのタイルオブジェクト901は、ビーコン信号が受信される度にステップS202(
図7)で取得された各識別情報が示す、各ビーコン信号の発信源の自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から決定された、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した飲料物のうち、大タイルオブジェクト903に対応する一の飲料物とは異なる一つの飲料物に対応している。各タイルオブジェクト901には、飲料物の品名、飲料物の価格、及び飲料物の画像が含まれる。
【0230】
尚、大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901には、例えば、
図9に示すプッシュ通知画面800に含まれる画像830と同様、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶されたビーコン信号の発信方向を示す情報に基づき、飲料物が格納された自動販売機700によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示されてもよい。
【0231】
大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901は、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した順位に応じて配置される。例えば、大タイルオブジェクト903は、前記順位が最も高い飲料物に対応し、最上段に表示される。各タイルオブジェクト901は、大タイルオブジェクト903の下段から、大タイルオブジェクト903に対応する一の飲料物とは異なる、前記順位が高い飲料物に対応するタイルオブジェクト901から順に、左端から右端へと配置され、右端に配置された後は、次の下段における左端から右端へと配置される。
【0232】
尚、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した最も高い順位の飲料物が複数存在したとする。この場合、個別の購買メニュー900には、当該推薦された複数の飲料物に対応する複数の大タイルオブジェクト903が含まれてもよい。この場合、複数の大タイルオブジェクト903が上段から下段へと配置された後、次の下段から、各タイルオブジェクト901が配置される。
【0233】
図12の購買メニュー900の例では、最上段に配置された大タイルオブジェクト903が示す、品名が「スポーツドリンク」の飲料物が、前記順位が最も高いことを示している。大タイルオブジェクト903の下段の左端に配置されたタイルオブジェクト901が示す、品名が「ミネラルウォータ」の飲料物が、次に前記順位が高いことを示し、最下段の右端に配置されたタイルオブジェクト901が示す、品名が「コーヒー1」の飲料物が、前記順位が最も低いことを示している。
【0234】
なお、ここで示した順位に応じた大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901の配置順番は一例であり、本開示はこれに限らない。大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901を、同じ段において右端から左端へと前記順位に応じて配置してもよいし、下段から上段へと配置してもよいし、又はこれを組み合わせて配置してもよい。
【0235】
また、例えば、複数の飲料物を示す複数のオブジェクトを、横、縦、又は円弧線上に一列に配列し、その内一部のオブジェクトのみをディスプレイ105に表示してもよい。この場合において、前記順位が最も高い飲料物を示すオブジェクトを最初に真ん中に表示されるように配置してもよいし、その隣りに表示されるオブジェクトが次に前記順位が高い飲料物を示すオブジェクトであるように配置してもよい。この例では、前記順位が右隣りに進むほど低くなるように各オブジェクトを配置してもよいし、前記順位が左隣りに進むほど低くなるように各オブジェクトを配置してもよいし、前記順位が最も高い飲料物を示すオブジェクトからの距離が遠くなるオブジェクトほど、そのオブジェクトが示す飲料物の前記順位が低くなるようにしてもよい。
【0236】
このように、個別の購買メニュー900は、一台の自動販売機700に個別の購買メニューではなく、通信端末100が受信したビーコン信号の発信源である全ての自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から決定された、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した飲料物を、一つの購買メニューとして統合したものとなっている。このため、タイトル902は、例えば
図12に示す「近隣自動販売機のバーチャルメニュー」等、近隣の自動販売機700で販売される複数の飲料物を統合した購買メニューである旨を示すタイトルとなっている。
【0237】
尚、個別の購買メニュー900において、ユーザによる操作部106を用いたスクロール操作が行われると、これに応じて、表示されるタイルオブジェクト901が変更される。これにより、一度に表示されなかった他の飲料物に対応するタイルオブジェクト901が表示される。このように、ユーザは、スクロール操作をすることで、当該個別の購買メニュー900に含まれる全ての飲料物に対応するタイルオブジェクト901を閲覧できる。
【0238】
次に、個別の購買メニュー900を見て購入対象の飲料物を決定したユーザにより、当該購入対象の飲料物の購入操作が行われる。
図13は、通信端末100のユーザが個別の購買メニュー900から購入対象の飲料物を選択するシーンの一例を示した図である。具体的には、
図13に示すように、ユーザは、指等の指示体1001を用いて、購入対象の飲料物を示す、大タイルオブジェクト903又はタイルオブジェクト901をタッチ操作することで、購入対象の飲料物を選択できる。
【0239】
購入対象の飲料物を示す、大タイルオブジェクト903又はタイルオブジェクト901が選択されると、演算部104は、当該選択された大タイルオブジェクト903又はタイルオブジェクト901(以降、選択タイルオブジェクト)の色及び/又は模様を変更する。また、演算部104は、当該選択タイルオブジェクトが示す飲料物の購入数を示す「1」を、当該選択タイルオブジェクト上の所定位置(例えば右上)に表示する。演算部104は、ユーザによって大タイルオブジェクト903又はタイルオブジェクト901が選択される度に、当該選択タイルオブジェクト上に表示されている購入数を1カウントアップして表示する。
【0240】
また、少なくとも一の大タイルオブジェクト903又はタイルオブジェクト901が選択されると、演算部104は、例えばディスプレイ105の最下部等に、購入操作画面910を表示する。購入操作画面910には、ユーザにより選択された購入対象の飲料物を示す画像911、当該購入対象の飲料物の購入数912、当該購入対象の飲料物を当該購入数912だけ購入するのに必要な合計金額913、及び当該飲料物の購入を確定するための購入ボタン914が含まれる。このように、購入操作画面910には、購入対象の飲料物の画像、購入数、購入に必要な合計金額が表示されるため、ユーザは、効率的に購入内容を確認できる。
【0241】
尚、購入操作画面910には、例えば
図9に示すプッシュ通知画面800に含まれる画像830と同様、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶された情報に基づき、購入対象の飲料物が格納された自動販売機700によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示されてもよい。
【0242】
図14は、通信端末100のユーザが飲料物の購入を確定するシーンの一例を示した図である。次に、
図14に示すように、購入操作画面910において購入内容に問題がないことを確認したユーザによって、指等の指示体1001を用いて購入ボタン914がタッチ操作される。購入ボタン914がタッチ操作されている間、演算部104は、購入ボタン914の色及び/又は模様を変更する。
【0243】
ユーザによって購入ボタン914から指示体1001が離されると、購入対象の飲料物の購入操作が完了し、ステップS212(
図7)が行われる。これにより、購入対象の飲料物として選択された飲料物を販売する自動販売機700(以降、購入対象自販機)によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示がディスプレイ105に表示される。
【0244】
図15は、通信端末100のユーザが購入した飲料物を取得するシーンの一例を示した図である。具体的には、ステップS212において、演算部104は、
図15に示すように、購入した飲料物の支払方法を案内する支払案内画面920をディスプレイ105に表示する。
【0245】
支払案内画面920には、
図11に示すプッシュ通知画面800Cと同様に、購入対象自販機によるビーコン信号の発信方向を示す方向表示が表示される。
【0246】
具体的には、演算部104は、通信端末100の現在地を示す画像925を表示し、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶された購入対象自販機によるビーコン信号の発信方向を示す情報を用いて、もしくはビーコン信号の再スキャンを行い、購入対象自販機によるビーコン信号の発信方向を示す情報を更新して、画像925の現在地を基準としたときの当該情報が示す発信方向に、自動販売機700を示すアイコン画像927を表示する。
【0247】
更に、演算部104は、ステップS201(
図7)でメモリ102に記憶された購入対象自販機までの距離を示す情報を用いて、もしくはビーコン信号の再スキャンを行い、購入対象自販機(の近接通信部707)までの距離を示す情報を更新して、通信端末100の現在地からの距離を表す画像926を表示する。これにより、ユーザは、購入対象の飲料物を取得するために、支払案内画面920に表示された前記方向表示を見て、購入対象自販機まで容易に移動することができる。
【0248】
また、支払案内画面920には、購入対象の飲料物の種別924、当該飲料物の画像921、当該飲料物の購入数922、及び当該購入対象の飲料物を当該購入数922だけ購入するのに必要な合計金額923が含まれる。また、支払案内画面920には、購入対象自販機における、通信端末100を用いた支払操作方法を案内するメッセージ928が含まれる。
【0249】
次に、ユーザは、支払案内画面920に表示された前記方向表示を見て購入対象自販機まで移動する。そして、ユーザにより、支払案内画面920に表示されたメッセージ928に従い、購入対象自販機における、通信端末100を用いた支払操作が行われると、通信端末100においてステップS213(
図7)が行われ、購入対象自販機においてステップS272(
図7)が行われる。これにより、ユーザが購入した飲料物が、ユーザに提供される。
【0250】
また、ステップS214(
図7)が行われることで、飲料物の購入情報が個人情報サーバ200に送信される。これにより、ステップS222(
図7)が行われる。その結果、通信端末100のユーザが許諾ユーザである場合、ステップS214で送信された購入情報に基づき、個人情報サーバ200のメモリ203に記憶されている当該ユーザの購入履歴情報が更新される。
【0251】
(データ構成)
次に、
図7で示した各ステップで用いる情報のデータ構成について説明する。
【0252】
図16は、ビーコン信号の受信時に通信端末100のメモリ102に記憶される情報2100のデータ構成の一例を示す図である。
図16に示す情報2100は、ステップS201及びステップS202においてメモリ102に記憶される。
【0253】
「ビーコンID」フィールドは、ステップS201において受信されたビーコン信号に含まれるビーコンID(ビーコンIDのデータ構造については
図4、
図5を参照)を示すフィールドである。「ビーコン距離」フィールドは、通信端末100から、ステップS201において受信されたビーコン信号の発信源である自動販売機700(の近接通信部707)までの距離を示すフィールドである。「ビーコン方角」フィールドは、ステップS201において受信されたビーコン信号の発信方向を示すフィールドである。
【0254】
「自販機ID」フィールドは、ステップS202において、ステップS201で受信されたビーコン信号を発信した自動販売機700から取得された、自動販売機700を識別する識別情報に含まれる自販機IDを示すフィールドである。「商品情報1」~「商品情報3」フィールドは、ステップS202において、ステップS201で受信されたビーコン信号を発信した自動販売機700から取得された追加情報に含まれる、当該自動販売機700に格納された各飲料物に関する商品情報を示すフィールドである。
【0255】
例えば、
図16に示す情報2100の一番目のレコードでは、ステップS201において、ビーコンIDが「ID1」のビーコン信号が受信されたため、「ビーコンID」フィールドに「ID1」が記憶されている。また、当該ステップS201において、当該ビーコン信号の発信源である自動販売機700までの距離が「5.0(m)」と検知され、ビーコン信号の発信方向が、通信端末100の現在地を含むマップ表示において、通信端末100の正面方向から時計回りに「349(度)」回転した方向と検知されたため、当該レコードでは、「ビーコン距離」、「ビーコン方角」フィールドに、「5.0」、「349」が記憶されている。
【0256】
更に、次のステップS202において、ステップS201で受信されたビーコン信号の発信源である自動販売機700から、自販機IDとして「自動販売機A」が取得されたため、
図16の一番目のレコードの「自販機ID」フィールドには「自動販売機A」が記憶されている。
【0257】
また、当該自動販売機700には、三個の飲料物が格納され、当該自動販売機700から、品名が「コーヒー1」、種類が「コーヒー」であることを示す種別情報と価格が「130」、数量が「8」、温度が「5」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、品名が「コーヒー2」、種類が「コーヒー」であることを示す種別情報と価格が「160」、数量が「10」、温度が「5」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、品名が「コーヒー3」、種類が「コーヒー」であることを示す種別情報と価格が「160」、数量が「7」、温度が「6」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、が取得されたため、「商品情報1」~「商品情報3」のフィールドに、それぞれ、「コーヒー1、コーヒー、130、8、5」、「コーヒー2、コーヒー、160、10、5」及び「コーヒー3、コーヒー、160、7、6」が記憶されている。
【0258】
図16に示す情報2100は、更に、ビーコンIDが「ID2」、「ID3」のビーコン信号が受信されたため、「ビーコンID」フィールドが「ID2」のレコードと、「ビーコンID」フィールドが「ID3」のレコードと、が記憶されたことを例示している。
【0259】
例えば、ビーコンIDが「ID2」のビーコン信号の発信源である自動販売機700から、自販機IDとして「自動販売機B」(第2識別情報)が取得されたため、「ビーコンID」フィールドが「ID2」のレコードの「自販機ID」フィールドには、「自動販売機B」が記憶されている。
【0260】
また、当該自動販売機700には三個の飲料物(第2飲料物群)が格納され、当該自動販売機700から、品名が「ビール1」、種類が「ビール」であることを示す種別情報と価格が「250」、数量が「7」、温度が「6」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、品名が「ビール2」、種類が「ビール」であることを示す種別情報と価格が「250」、数量が「0」、温度が「6」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、品名が「ビール3」、種類が「ビール」であることを示す種別情報と価格が「300」、数量が「11」、温度が「13」であることを示す在庫情報とを含む商品情報と、が取得されたため、「商品情報1」~「商品情報3」のフィールドに、それぞれ、「ビール1、ビール、250、7、6」、「ビール2、ビール、250、0、6」及び「ビール3、ビール、300、11、13」が記憶されている。
【0261】
次に、生体情報のデータ構成について説明する。
図17は、生体情報テーブル2300の一例を示す図である。個人情報サーバ200のメモリ203には、上述のように、通信端末100におけるセンサーアプリによって生体センサー600から収集された生体情報を、通信端末100のユーザのユーザID及び当該生体情報の測定日時を示す測定日時情報と対応付けて時系列に記憶するための生体情報テーブル2300が設けられている。ここで示した生体情報テーブル2300の直近の生体情報は、まだ通信端末100のメモリ102にしか格納されていない可能性がある。そのため、最新の生体情報は、個人情報サーバ200ではなく、通信端末100から取得するようにしてもよい。
【0262】
個人情報サーバ200の演算部202は、通信部201を介して、通信端末100のユーザの生体情報を要求された場合、
図17に示す生体情報テーブル2300から、当該ユーザのユーザIDを含むレコードを取得し、当該取得したレコードを当該ユーザの生体情報として返信する。
【0263】
生体情報テーブル2300の「ユーザID」フィールドは、通信端末100のユーザのユーザIDを示すフィールドである。「測定日時」フィールドは、測定日時情報を示すフィールドである。「生体情報」フィールドは、通信端末100から取得した生体情報を示すフィールドである。「生体情報」フィールドは、ユーザの収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、体水分率及び体温を示す、「収縮期血圧」、「拡張期血圧」、「心拍数」、「体水分率」、「体温」フィールドに分類されている。尚、「生体情報」フィールドは、これに限らず、「体水分率」、「体温」フィールドの少なくとも一以上のフィールドが含まれていればよい。
【0264】
例えば、
図17に示す生体情報テーブル2300は、測定日時情報「20200414060000」が示す2020年4月14日6時00分00秒から、日時情報「20200414090000」が示す2020年4月14日9時00分00秒まで1時間毎に測定された、ユーザIDが「USR01」のユーザの生体情報が時系列に記憶された例を示している。
【0265】
例えば、
図17に示す生体情報テーブル2300は、2020年4月14日6時00分00秒に測定された、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、体水分率及び体温が「124mmHg」、「79mmHg」、「76回/min」、「57.0%」、「36.2℃」であることを示す、ユーザIDが「USR01」のユーザの生体情報が、「ユーザID」フィールドが「USR01」であり、「測定日時」フィールドが2020年4月14日6時00分00秒を示す「20200414060000」であるレコードの、「収縮期血圧」、「拡張期血圧」、「心拍数」、「体水分率」、「体温」フィールドに記憶された例を示している。
【0266】
(熱中症予防のためにユーザの水分補給に適した飲料物を決定する処理)
次に、プッシュ通知画面800で推薦され、また、個別の購買メニュー900に表示される、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物を決定する飲料物決定処理について具体例を用いて説明する。飲料物決定処理は、プッシュ通知画面800の通知を判断する場合に行われ、飲料物決定処理の結果は、プッシュ通知画面800及び個別の購買メニュー900の生成時に利用される。
【0267】
本実施形態では、飲料物決定処理において、当該飲料物決定処理の前に取得された、近接通信部107で受信された各ビーコン信号の発信源の自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報の各組み合わせ並びに通信端末100のユーザの生体情報を用いて、前記発信源の自動販売機700に格納された複数の飲料物の中から、熱中症予防のために通信端末100のユーザの水分補給に適した少なくとも一の飲料物が決定される。
【0268】
図18は、飲料物決定処理の一例を示すフローチャートである。
図19は、飲料物決定処理で使用する判断テーブル2400の一例を示す図である。
図20は、
図18に示す飲料物決定処理で使用する作業用テーブル2500の一例を示す図である。
【0269】
尚、本具体例では、飲料物決定処理の前に、
図16に示す情報2100に含まれる商品情報と、
図17に示す生体情報テーブル2300の直近の1以上のレコードと、が取得されたものとする。
【0270】
図18に示すように、演算部104は、先ず、飲料物決定処理の前に取得された各商品情報(
図16)を参照し、各商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報に基づいて、各商品情報に対応する飲料物が販売可能であるか否かを判別する。そして、演算部104は、当該判別の結果を
図20に示す作業用テーブル2500に記憶する(ステップS401)。これにより、販売可能でないと判別された飲料物を、ユーザに推薦する飲料物から除外することができる。
【0271】
具体的には、ステップS401において、演算部104は、在庫情報に含まれる数量情報が示す数量が「0」であることを示す商品情報に対応する飲料物を、売り切れで販売不可能な飲料物と判別する。また、演算部104は、在庫情報に含まれる温度情報が示す温度が、ユーザに提供可能な所定の温度範囲外であることを示す商品情報に対応する飲料物を、適温外で販売不可能な飲料物と判別する。尚、本具体例では、コールド飲料物の所定の温度範囲は、4℃以上7℃以下であるものとする。また、本具体例(
図16)ではホット飲料物を扱っていないが、ホット飲料物の所定の温度範囲は、53℃以上57℃以下であるものとする。
【0272】
図16の例では、ビーコンIDが「ID2」のレコードにおいて、在庫情報に含まれる数量情報が示す数量が「0」であり、種別情報に含まれる品名情報が示す品名が「ビール2」である商品情報に対応する飲料物が、販売不可能な飲料物と判別される。また、ビーコンIDが「ID2」のレコードにおいて、在庫情報に含まれる温度情報が示す温度が「13」であり、種別情報に含まれる品名情報が示す品名が「ビール3」である商品情報に対応する飲料物が、販売不可能な飲料物と判別される。これら二個の商品情報を除外した七個の商品情報に対応する飲料物は、販売可能な飲料物と判別される。
【0273】
演算部104は、
図20に示すように、飲料物決定処理の前に取得された各商品情報(
図16)を参照し、各商品情報に含まれる品名情報が示す品名(例えば、コーヒー1)を、
図20に示す作業用テーブル2500の「品名」フィールドに記憶する。そして、演算部104は、作業用テーブル2500の「販売可否」フィールドにステップS401での判別結果を記憶する。
【0274】
尚、
図20の「販売可否」フィールドに記載の「OK」は、当該「販売可否」フィールドに対応する「品名」フィールドが示す品名(例えば、コーヒー2)の飲料物が、販売可能な飲料物と判別されたことを示す。
図20の「販売可否」フィールドにおける「NG(売切)」は、当該「販売可否」フィールドに対応する「品名」フィールドが示す品名(例えば、ビール2)の飲料物が、売り切れで販売不可能な飲料物と判別されたことを示す。
図20の「販売可否」フィールドにおける「NG(適温外)」は、当該「販売可否」フィールドに対応する「品名」フィールドが示す品名(例えば、ビール3)の飲料物が、適温外で販売不可能な飲料物と判別されたことを示す。
【0275】
次に、演算部104は、飲料物決定処理の前に取得された生体情報(
図17)に基づき、ユーザの熱中症のリスクが、プッシュ通知画面800の通知が必要な程度であるか否かを判定する(ステップS402)。
【0276】
具体的には、メモリ102には、
図19に示す判断テーブル2400が予め記憶されている。「体温」フィールドは、熱中症のリスクの判断に用いる体温(℃)の範囲(例えば、36.7以上37未満)を示すフィールドである。「体水分率」フィールドは、熱中症のリスクの判断に用いる体水分率(%)の範囲(例えば、57以上60未満)を示すフィールドである。
【0277】
「プッシュ通知の要否判定」フィールドは、ユーザの熱中症のリスクが、プッシュ通知画面800の通知が必要な程度であるか(例えば、要)否か(例えば、否)を示すフィールドである。
【0278】
「優先順位」フィールドは、飲料物の種類毎に、各種類(例えば、経口補水液、スポーツドリンク、ミネラルウォータ)の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位(数値が小さいほど優先順位が高い、例えば、1~4)を示すフィールドである。
【0279】
ステップS402において、演算部104は、前記生体情報(
図17)において、「測定日時」フィールドに最も直近の日時(例えば、20200414090000)が記憶されているレコードを、ユーザの現在の体調を示すレコードとして取得する。そして、演算部104は、当該取得したレコードの「体水分率」及び「体温」フィールドに記憶されている体水分率(例えば、56.1)及び体温(例えば、36.8)を、ユーザの現在の体水分率及び体温として取得する。
【0280】
演算部104は、メモリ102に記憶されている判断テーブル2400において、「体温」フィールドに、当該取得したユーザの現在の体温(例えば、36.8)を含む範囲(例えば、36.7以上37未満)が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールド(例えば、要)を参照する。また、演算部104は、メモリ102に記憶されている判断テーブル2400において、「体水分率」フィールドに、当該取得したユーザの現在の体水分率(例えば、56.1)を含む範囲(例えば、55以上57未満)が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールド(例えば、要)を参照する。
【0281】
演算部104は、参照した「プッシュ通知の要否判定」フィールドのうち少なくとも一つが、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であること(例えば、要)を示す場合、ユーザの熱中症のリスクが、プッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定する。
【0282】
尚、これに限らず、演算部104は、参照した複数の「プッシュ通知の要否判定」フィールドが、全て、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であること(例えば、要)を示す場合に、ユーザの熱中症のリスクが、プッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定してもよい。
【0283】
演算部104は、ステップS402において、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度ではないと判定した場合(ステップS402でNO)、飲料物決定処理を終了する。この場合、
図7に示すステップS207において、演算部104は、プッシュ通知画面800の通知が必要でないと判断し、処理を終了する。
【0284】
一方、演算部104は、ステップS402において、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定した場合(ステップS402でYES)、プッシュ通知画面800の通知が必要であると判断し、ステップS403以降の処理を行う。
【0285】
ステップS403では、演算部104は、飲料物決定処理の前に取得された生体情報(
図17)に基づき、ユーザの熱中症のリスクに応じて、飲料物の種類毎に、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定する(ステップS403)。
【0286】
具体的には、ステップS403において、演算部104は、ステップS402と同様にして、メモリ102に記憶されている判断テーブル2400において、「体温」フィールドに、前記生体情報(
図17)から取得したユーザの現在の体温(例えば、36.8)を含む範囲(例えば、36.7以上37未満)が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドを参照する。また、演算部104は、ステップS402と同様にして、メモリ102に記憶されている判断テーブル2400において、「体水分率」フィールドに、前記生体情報(
図17)から取得したユーザの現在の体水分率(例えば、56.1)を含む範囲(例えば、55以上57未満)が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドを参照する。
【0287】
演算部104が、参照した二つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドのうち、一つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドだけが、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であること(例えば、要)を示すとする。この場合、演算部104は、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、当該一つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドを含むレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位にて決定する。
【0288】
例えば、第一の具体例として、前記一つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドが、
図19に示す判断テーブル2400の上から一番目のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドであるとする。この場合、演算部104は、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、当該レコードの「優先順位」フィールドにおいて、種類が「経口補水液」の飲料物の優先順位から「1」と決定する。同様に、演算部104は、種類が「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、当該レコードの「優先順位」フィールドにおいて、種類が「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物の優先順位から「2」、「3」、「4」と決定する。
【0289】
第一の具体例では、ユーザの現在の体温が一番目のレコードの「体温」フィールドが示す範囲「37以上」に含まれている、又は、ユーザの現在の体水分率が当該レコードの「体水分率」フィールドが示す範囲「55未満」に含まれているため、ユーザの熱中症のリスクが重度であると考えられる。この場合、種類が「経口補水液」の飲料物が、熱中症予防のための水分補給に一番適した飲料物として推薦され、種類が「スポーツドリンク」の飲料物が、熱中症予防のための水分補給に二番目に適した飲料物として推薦される。そして、種類が「ミネラルウォーター」の飲料物が、熱中症予防のための水分補給に三番目に適した飲料物として推薦され、種類が「その他」の飲料物が、熱中症予防のための水分補給に四番目に適した飲料物として推薦される。
【0290】
第二の具体例として、前記一つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドが、
図19に示す判断テーブル2400の上から二番目のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドであるとする。この場合、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位が、それぞれ三番目、一番目、二番目、四番目に決定される。
【0291】
第二の具体例では、ユーザの現在の体温が二番目のレコードの「体温」フィールドが示す範囲「36.7以上37未満」に含まれている、又は、ユーザの現在の体水分率が当該レコードの「体水分率」フィールドが示す範囲「57以上60未満」に含まれているため、ユーザの熱中症のリスクが第一の具体例よりも一段軽いと考えられる。この場合、種類が「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「経口補水液」、「その他」の飲料物が、この記載順で、熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦される。
【0292】
第三の具体例として、前記一つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドが、
図19に示す判断テーブル2400の上から三番目のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドであるとする。この場合、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位が、三番目、二番目、一番目、四番目に決定される。
【0293】
第三の具体例では、ユーザの現在の体温が三番目のレコードの「体温」フィールドが示す範囲「36.5以上36.7未満」に含まれている、又は、ユーザの現在の体水分率が当該レコードの「体水分率」フィールドが示す範囲「55以上57未満」に含まれているため、ユーザの熱中症のリスクが第二の具体例よりも一段軽いと考えられる。この場合、種類が「ミネラルウォーター」、「スポーツドリンク」、「経口補水液」、「その他」の飲料物が、この記載順に、熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦される。
【0294】
つまり、演算部104は、
図19に示す判断テーブル2400を用いて、ユーザの熱中症のリスクが第三の具体例まで低下した場合には、第1順位に種類が「ミネラルウォーター」の飲料物、第2順位に種類が「スポーツドリンク」の飲料物、第3順位に種類が「経口補水液」、第4順位に種類が「その他」の飲料物を推薦する。
【0295】
換言すれば、演算部104は、ユーザの熱中症のリスクが第三の具体例程度に軽度であるときは、種類が「ミネラルウォーター」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの熱中症のリスクが中度であるときは、種類が「スポーツドリンク」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの熱中症のリスクが重度であるときは、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0296】
尚、演算部104が参照した複数の「プッシュ通知の要否判定」フィールドが、共に、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であること(例えば、要)を示すとする。この場合、演算部104は、当該複数の「プッシュ通知の要否判定」フィールドが同じレコードに含まれているときは、上記と同様にして、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、当該レコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位に決定する。
【0297】
一方、演算部104は、参照した複数の「プッシュ通知の要否判定」フィールドが互いに異なる二つのレコードにそれぞれ含まれているときは、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、例えば、当該複数のレコードのうち、「体温」フィールドが高い体温の範囲を示すレコード、又は、「体水分率」フィールドが低い体水分率の範囲を示すレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位に決定する。つまり、判断テーブル2400でより上のレコードに合わせて優先する飲料物の種類を決定する。これにより、演算部104は、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、ユーザの熱中症のリスクがより悪化していることを示すレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位に決定する。
【0298】
尚、これに限らず、演算部104は、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、例えば、当該複数のレコードのうち、「体温」フィールドが低い体温の範囲を示すレコード、又は、「体水分率」フィールドが高い体水分率の範囲を示すレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位に決定してもよい。つまり、判断テーブル2400でより下のレコードに合わせて優先する飲料物の種類を決定する。これにより、演算部104は、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を、ユーザの熱中症のリスクがより軽度であることを示すレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位に決定してもよい。
【0299】
ステップS403の後、演算部104は、ステップS401及びステップS403の結果に基づき、プッシュ通知画面800で推薦する少なくとも一の飲料物を決定し(ステップS404)、飲料物決定処理を終了する。
【0300】
具体的には、ステップS404において、演算部104は、ステップS401で販売可能と判別された各飲料物に対し、ステップS403で決定した当該各飲料物の種類に対応する優先順位を割り振る。
【0301】
詳しくは、演算部104は、作業用テーブル2500(
図20)において、ステップS401で「販売可否」フィールドに「OK」を記憶した、販売可能な飲料物に対応するレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドに、ステップS403で決定した当該レコードの「品名」フィールドが示す品名の飲料物の種類に対応する優先順位を記憶する。尚、演算部104は、飲料物決定処理の前に取得された各商品情報(
図16)に含まれる品名情報及び種類情報を参照することで、「品名」フィールドが示す品名の飲料物の種類を把握する。
【0302】
例えば、ステップS401を実行した結果、
図20に示すように、作業用テーブル2500の各レコードの「品名」、「販売可否」フィールドに、
図16に示す各商品情報に含まれる品名情報が示す品名、ステップS401での判別結果が記憶されているとする。
【0303】
また、ステップS403では、演算部104が、
図19に示す判断テーブル2400において、「体温」フィールドが「37以上」のレコード(1番目のレコード)を用いて、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定したものとする。つまり、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位が、一番目、二番目、三番目、四番目に決定されたものとする。
【0304】
この場合、演算部104は、ステップS404において、
図20の作業用テーブル2500における「商品ごとの優先順位」フィールドの第三列(「37以上」「55未満」欄)に示すように、「販売可否」フィールドが「OK」であり、「品名」フィールドが「経口補水液」を示す販売可能な飲料物のレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドに、ステップS403で決定した当該飲料物の種類である「経口補水液」に対応する優先順位「1」を記憶する。
【0305】
同様にして、演算部104は、「販売可否」フィールドが「OK」であり、「品名」フィールドが「ミネラルウォーター」、「スポーツドリンク」を示す販売可能な飲料物のレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドに、ステップS403で決定した当該飲料物の種類である「ミネラルウォーター」、「スポーツドリンク」に対応する優先順位「3」、「2」を記憶する。
【0306】
また、演算部104は、「販売可否」フィールドが「OK」であり、「品名」フィールドが、「経口補水液」、「ミネラルウォーター」、「スポーツドリンク」以外の品名を示す販売可能な飲料物のレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドに、ステップS403で決定した当該飲料物の種類である「その他」に対応する優先順位「4」を記憶する。
【0307】
尚、
図20の作業用テーブル2500における「商品ごとの優先順位」フィールドの第一列は、ステップS403において、演算部104が、
図19に示す判断テーブル2400において、「体温」フィールドが「36.5以上36.7未満」のレコード(3番目のレコード)を用いて、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定した場合に、ステップS404で記憶される優先順位を示している。
【0308】
図20の作業用テーブル2500における「商品ごとの優先順位」フィールドの第二列は、ステップS403において、演算部104が、
図19に示す判断テーブル2400において、「体温」フィールドが「36.7以上37未満」のレコード(2番目のレコード)を用いて、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定した場合に、ステップS404で記憶される優先順位を示している。
【0309】
これにより、演算部104は、
図20の作業用テーブル2500において、「販売可否」フィールドが「OK」を示すレコードに対応する、ステップS401で販売可能と判断された飲料物を、熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦する飲料物として決定する。また、演算部104は、ステップS401で販売可能と判断された各飲料物に対応するレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドが示す優先順位を、熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位として決定する。
【0310】
尚、第一の実施形態では、演算部104は、ステップS207(
図7)において、飲料物決定処理を実行する。そして、ステップS404を実行した場合、演算部104は、飲料物決定処理を実行した結果得られる作業用テーブル2500を用いて、プッシュ通知画面800を生成する。また、演算部104は、ステップS210(
図7)において、当該作業用テーブル2500を用いて、個別の購買メニュー900を生成する。
【0311】
具体的には、ステップS207(
図7)では、演算部104は、
図20に示す作業用テーブル2500の「商品ごとの優先順位」フィールドに「1」が記憶されているレコードに対応する飲料物を推薦するメッセージを、
図9及び
図11に示したプッシュ通知画面800B、800Cに含まれるメッセージ820に含める。また、演算部104は、ステップ403において、前記生体情報(
図17)から取得したユーザの現在の体温及び/又は体水分率のうち1つ以上を、メッセージ820に含める。
【0312】
また、演算部104は、ステップS210(
図7)では、作業用テーブル2500の「商品ごとの優先順位」フィールドに優先順位「1」が記憶されている各レコードに対応する各飲料物を示す大タイルオブジェクト903(
図12等)を生成する。また、演算部104は、ステップS210(
図7)において、作業用テーブル2500の「商品ごとの優先順位」フィールドに「2」以降の優先順位が記憶されている各レコードに対応する各飲料物を示すタイルオブジェクト901(
図12等)を生成する。
【0313】
そして、演算部104は、上述したように、各大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901を、当該各大タイルオブジェクト903及び各タイルオブジェクト901が示す各飲料物に対応するレコードの「商品ごとの優先順位」フィールドに記憶されている優先順位に応じて配置する。
【0314】
(第二の実施形態)
以下、本開示の第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、通信端末100における事業者Xアプリが、通信端末100のユーザの生体情報を個人情報サーバ200及び通信端末100から取得する例について説明した。第二の実施形態では、通信端末100における事業者Xアプリが、通信端末100のユーザの生体情報を、通信端末100のセンサーアプリから取得する点が第一の実施形態と異なる。
【0315】
第二の実施形態では、通信端末100のメモリ102には、
図17に示す生体情報テーブル2300と同構成のテーブルが設けられている。以降、説明の便宜上、当該テーブルを生体情報テーブル2300と記載する。センサーアプリは、生体センサー600において定期的に計測される通信端末100のユーザの生体情報を収集し、当該収集した生体情報を、当該ユーザのユーザID及び当該生体情報が測定された測定日時を示す測定日時情報と対応付けて、生体情報テーブル2300(
図17)に時系列に記憶する。
【0316】
以下、第二の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像について説明する。尚、以降の説明において、第一の実施形態と同じ内容の処理については、適宜説明を省略する。
図21は、第二の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【0317】
図21に示すように、第二の実施形態では、第一の実施形態におけるステップS204(
図7)に代えて、ステップS204aが行われる。
【0318】
ステップS204aでは、演算部104は、センサーアプリを実行することで、メモリ102に設けられた生体情報テーブル2300(
図17)において通信端末100のユーザのユーザIDを含むレコードを、当該ユーザの生体情報として取得する(ステップS204a)。以降は、第一の実施形態と同様、ステップS207以降の処理が行われる。
【0319】
尚、第二の実施形態では、ステップS207において、演算部104は、ビーコン信号が受信される度にステップS202で取得された、自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報の各組み合わせ並びにステップS204aで取得した通信端末100のユーザの生体情報を用いて、第一の実施形態と同様の飲料物決定処理(ステップS401~S404(
図18))を実行する。そして、ステップS404(
図18)を実行した場合、演算部104は、当該飲料物決定処理を実行した結果得られる作業用テーブル2500(
図20)を用いて、プッシュ通知画面800を生成する。また、演算部104は、ステップS210(
図7)において、当該作業用テーブル2500(
図20)を用いて、個別の購買メニュー900を生成する。
【0320】
(第三の実施形態)
以下、本開示の第三の実施形態について説明する。第一の実施形態では、通信端末100における事業者Xアプリにおいて、個人情報サーバ200及び通信端末100から通信端末100のユーザの生体情報を取得し、プッシュ通知画面800及び個別の購買メニュー900を生成し、通信端末100のユーザによる飲料物の購入情報を個人情報サーバ200に通知する例について説明した。
【0321】
第三の実施形態では、事業者Xアプリを提供する事業者Xが利用する事業者管理サーバ300において、個人情報サーバ200から通信端末100のユーザの生体情報を取得し、プッシュ通知画面800及び個別の購買メニュー900を生成し、通信端末100のユーザによる飲料物の購入情報を個人情報サーバ200に通知する点が第一の実施形態と異なる。
【0322】
以下、第三の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像について説明する。尚、以降の説明において、第一の実施形態と同じ内容の処理については、適宜説明を省略する。
図22は、第三の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【0323】
図22に示すように、第一の実施形態と同様、自動販売機管理システムが備える各自動販売機700の近接通信部707は、定期的にビーコン信号を発信する(ステップS271)。
【0324】
通信端末100では、事業者Xアプリが実行されることで、第一の実施形態と同様、ステップS201が行われる。これにより、ビーコンIDに加えて、ビーコン信号の発信源である自動販売機700までの距離とそのビーコン信号の発信方向を示す情報がメモリ102に記憶される。また、ステップS202が行われ、自動販売機700を識別する識別情報、種別情報及び在庫情報を含む商品情報がメモリ102に記憶される。
【0325】
次に、演算部104は、通信部101を制御して、メモリ102に記憶されている、ユーザIDを含む通信端末100を識別する識別情報と、ステップS202で取得されたビーコン信号の発信源である各自動販売機700の識別情報及び商品情報とを、事業者管理サーバ300へ送信する(ステップS203a)。
【0326】
これに応じて、事業者管理サーバ300では、演算部302が、通信部301を介して取得した自動販売機700の識別情報及び商品情報に基づき、メモリ303に記憶されている、当該識別情報に対応する自動販売機700の商品情報を更新する。
【0327】
このようにして、通信端末100の近接通信部107が、自動販売機700の近接通信部707から発信されたビーコン信号を受信する度に、当該受信を契機にステップS201からステップS203aまでの処理が繰り返される。
【0328】
尚、演算部104は、複数の自動販売機700から発信された複数のビーコン信号が近接通信部107によって受信されたことを検知した場合、近接通信部107による各ビーコン信号の受信時にはステップS201及びステップS202だけを繰り返して実行するようにし、ステップS203aを一度だけ(またはステップS202の繰り返し回数よりも少ない回数だけ)行うようにしてもよい。これにより、演算部104は、当該一度のステップS203aにおいて、ユーザIDを含む通信端末100を識別する識別情報と、各ステップS201及びステップS202で取得された各自動販売機700の識別情報及び商品情報と、をまとめて事業者管理サーバ300へ送信するようにしてもよい。
【0329】
次に、事業者Xアプリを提供する事業者Xと個人情報サーバ200の管理事業者とが提携し、事業者X又は事業者Xアプリが個人情報サーバ200に記憶されている各ユーザの個人情報を取得することが許可されているとする。この場合([事業者間提携済])、事業者管理サーバ300の演算部302は、通信部301を制御して、通信端末100から取得した通信端末100を識別する識別情報と共に、当該識別情報に含まれるユーザIDで識別されるユーザの生体情報の送信を要求する信号を、個人情報サーバ200に送信する(ステップS231)。
【0330】
個人情報サーバ200では、通信部201がステップS231で送信された、通信端末100を識別する識別情報(ユーザを識別するユーザIDを含む)、並びに、ユーザの生体情報の送信を要求する信号を受信すると、演算部202によってステップS221aが行われる(ステップS221a)。
【0331】
具体的には、ステップS221aにおいて、演算部202は、通信部201が受信した識別情報に含まれるユーザIDが示すユーザが許諾ユーザであると判断した場合([本人許諾あり])、通信部201を制御して、メモリ203から取得した当該許諾ユーザの生体情報を事業者管理サーバ300に返信させる。一方、演算部202は、許諾ユーザではないと判断した場合([それ以外])、通信部201を制御して、個人情報のアクセスが不可能であることを示す情報を事業者管理サーバ300に返信させる。これらの返信された情報は、事業者管理サーバ300の通信部301によって受信され、演算部302に出力される。
【0332】
尚、演算部202は、許諾ユーザではないと判断した場合([それ以外])に、通信部201を制御して、事業者管理サーバ300による個人情報の読み出しを許可するか否かを確認するメッセージを、事業者管理サーバ300から取得した識別情報が示す通信端末100に送信させてもよい。これに応じて、演算部202は、通信部201を介して、通信端末100から許可する旨の返信を取得したとする。この場合、演算部202は、ステップS221aで受信された識別情報に含まれるユーザIDが示すユーザの生体情報をメモリ203から取得してもよい。そして、演算部202は、当該取得した情報を通信部201によって事業者管理サーバ300に返信させてもよい。
【0333】
次に、演算部302は、ステップS234を行う(ステップS234)。ステップS234では、演算部302は、先ず、これまでのステップで取得した、自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報との各組み合わせ並びに通信端末100のユーザの生体情報に基づき、プッシュ通知画面800を通知するか否かを判断する。ここで、自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報との各組み合わせは、ステップS203aで送信され、通信部301を介して取得されたものを示す。生体情報は、ステップS221aで返信され、通信部301を介して取得された生体情報を示す。
【0334】
第三の実施形態では、ステップS234において、演算部302は、上記の自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報との各組み合わせ並びに通信端末100のユーザの生体情報を用いて飲料物決定処理(ステップS401~S404(
図18))を実行する。
【0335】
これにより、演算部302は、ステップS402(
図18)を実行した結果、プッシュ通知画面を通知しないと判断した場合([通知しない])、処理を終了する。一方、通信端末100の演算部104は、ステップS203aの実行後、所定時間経過するまでの間に、事業者管理サーバ300から返信がない場合は、処理を終了し、事業者Xアプリの実行開始直後と同様、近接通信部107によるビーコン信号の受信を待機する状態に戻る。
【0336】
一方、演算部302は、ステップS402(
図18)を実行した結果、プッシュ通知画面を通知すると判断した場合([通知])、飲料物決定処理を継続し、当該飲料物決定処理の結果得られる作業用テーブル2500(
図20)を用いて、プッシュ通知画面800を生成する。
【0337】
次に、演算部302は、通信部301を制御して、ステップS234で生成したプッシュ通知画面800を示す情報を通信端末100に送信する(ステップS235)。
【0338】
一方、通信端末100において、演算部104は、ステップS235で送信されたプッシュ通知画面800を示す情報を通信部101を介して取得すると、当該取得した情報が示すプッシュ通知画面800を通信端末100のディスプレイ105に表示する(ステップS208a)。
【0339】
演算部104は、ステップS208aでプッシュ通知画面800を表示した後、所定時間以上、近接通信部107によるビーコン信号の受信を検知しなかった場合([所定時間以上ビーコン受信なし])、プッシュ通知画面800の表示を消去する処理を行い、プッシュ通知画面800を非表示にする。そして、演算部104は、処理を終了する(ステップS209)。演算部104は、処理を終了すると、近接通信部107によるビーコン信号の受信を待機する状態に戻る。
【0340】
一方、ユーザが操作部106を用いてプッシュ通知画面を選択する操作(例えば、タッチ操作)を行った場合([プッシュ通知画面選択])、演算部104は、通信部101を制御して、個別の購買メニュー900の生成を要求する信号を事業者管理サーバ300に送信する(ステップS210a)。当該個別の購買メニュー900の生成を要求する信号は、事業者管理サーバ300の通信部301によって受信され、演算部302に出力される。
【0341】
演算部302は、通信部301を介してステップS210aで送信された個別の購買メニュー900の生成を要求する信号を取得すると、ステップS234で用いた商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報並びに通信端末100のユーザの生体情報に基づき、個別の購買メニュー900を生成する(ステップS236)。
【0342】
尚、ステップS236では、演算部302は、ステップS234における飲料物決定処理(ステップS401~S404(
図18))の実行により得られた作業用テーブル2500(
図20)を用いて、個別の購買メニュー900を生成する。
【0343】
次に、演算部302は、通信部301を制御して、ステップS236で生成した個別の購買メニュー900を示す情報を通信端末100に送信する(ステップS237)。
【0344】
一方、通信端末100において、演算部104は、ステップS237で送信された個別の購買メニュー900を示す情報を通信部101を介して取得すると、当該取得した情報が示す個別の購買メニュー900を通信端末100のディスプレイ105に表示する(ステップS211a)。
【0345】
ステップS211aの後、第一の実施形態と同様、ステップS212~ステップS213及びステップS272が行われ、ユーザが購入した飲料物がユーザに提供される。
【0346】
通信端末100の演算部104は、ステップS213の後、通信部101を制御して、飲料物の購入情報を事業者管理サーバ300に送信する(ステップS214a)。これにより、事業者管理サーバ300では、ステップS214aで送信された飲料物の購入情報が通信部301によって受信され、演算部302に出力される。飲料物の購入情報には、通信端末100のユーザのユーザIDと、当該ユーザが飲料物を購入した日時を示す日時情報と、当該ユーザが飲料物を購入した自動販売機700を識別する識別情報と、当該ユーザが購入した飲料物の種別を示す種別情報(または品名を示す品名情報だけでもよい)と、が含まれる。
【0347】
事業者管理サーバ300の演算部302は、通信部301から飲料物の購入情報を取得すると、当該取得した飲料物の購入情報ともに、通信端末100のユーザの購入履歴情報の履歴の更新を要求する信号を、通信部301によって個人情報サーバ200に送信させる(ステップS238)。これに応じて、個人情報サーバ200では、第一の実施形態と同様、ステップS222が行われ、通信端末100のユーザが許諾ユーザである場合、メモリ203に記憶されている当該許諾ユーザの購入履歴情報が更新される。
【0348】
(第四の実施形態)
以下、本開示の第四の実施形態について説明する。第三の実施形態では、事業者管理サーバ300において、通信端末100のユーザの生体情報を個人情報サーバ200から取得する例について説明した。第四の実施形態では、事業者管理サーバ300において、通信端末100におけるセンサーアプリに通信端末100のユーザの生体情報を要求して、センサーアプリから当該生体情報を取得する点が第三の実施形態と異なる。
【0349】
第四の実施形態では、通信端末100のメモリ102には、第二の実施形態と同様に、
図17に示す生体情報テーブル2300と同構成のテーブルが設けられている。以降、説明の便宜上、当該テーブルを生体情報テーブル2300と記載する。センサーアプリは、第二の実施形態と同様に、生体センサー600において定期的に計測される通信端末100のユーザの生体情報を収集し、当該収集した生体情報を、当該ユーザのユーザID及び当該生体情報が測定された測定日時を示す測定日時情報と対応付けて、生体情報テーブル2300(
図17)に時系列に記憶する。
【0350】
以下、第四の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像について説明する。尚、以降の説明において、第三の実施形態と同じ内容の処理については、適宜説明を省略する。
図23は、第四の実施形態における自動販売機管理システムの処理の全体像の一例を示すシーケンス図である。
【0351】
図23に示すように、第四の実施形態では、第三の実施形態におけるステップS231(
図22)に代わり、ステップS239が行われる(ステップS239)。
【0352】
ステップS239では、演算部302は、ステップS203aで取得された通信端末100を識別する識別情報に含まれる端末IDが示す通信端末100に、当該通信端末100のユーザの生体情報を要求し、これに応じて返信された当該通信端末100のユーザの生体情報を取得する(ステップS239)。
【0353】
具体的には、ステップS239において、演算部302は、通信部301を制御して、ステップS203aで取得された通信端末100を識別する識別情報に含まれる端末IDが示す通信端末100に対して、当該通信端末100のユーザの生体情報を要求する信号を送信する。当該通信端末100では、通信部101が当該通信端末100のユーザの生体情報を要求する信号を受信すると、演算部104に当該受信の旨を通知する。演算部104は、当該通知を受けると、センサーアプリを実行することで、メモリ102に設けられた生体情報テーブル2300(
図17)において通信端末100のユーザのユーザIDを含むレコードを、当該ユーザの生体情報として取得する。そして、演算部104は、当該取得した生体情報を通信部101によって返信させる。これに応じて、事業者管理サーバ300の演算部302は、当該通信端末100から返信された当該通信端末100のユーザの生体情報を、通信部301を介して取得する。以降は、第三の実施形態と同様、ステップS234以降の処理が行われる。
【0354】
尚、ここでは「センサーアプリを実行する」としたが、本開示はこれに限らない。例えば、センサーアプリは、メモリ102に記憶している生体情報に対するアクセス権を事業者Xアプリ又は通信端末100のOS(Operating system)に付与してもよい。この場合、事業者管理サーバ300から要求された生体情報は、事業者Xアプリ又はOSを介して、メモリ102に設けられた生体情報テーブル2300の内、通信端末100のユーザのユーザIDを含む1つ以上のレコードから取得してもよい。さらに、その1つ以上のレコードの中から、「測定日時」フィールドに最も直近の日時が記憶されている1つのレコードだけを用いてもよい。
【0355】
尚、第四の実施形態では、ステップS234において、演算部302は、ステップS203aで送信され、通信部301を介して取得した自動販売機700の識別情報と商品情報に含まれる種別情報及び在庫情報との各組み合わせ、並びに、ステップS239で取得した生体情報を用いて飲料物決定処理(ステップS401~S404(
図18))を実行する。そして、ステップS404(
図18)を実行した場合、演算部302は、当該飲料物決定処理を実行した結果得られる作業用テーブル2500(
図20)を用いて、プッシュ通知画面800を生成する。また、演算部104は、ステップS236において、当該作業用テーブル2500(
図20)を用いて、個別の購買メニュー900を生成する。
【0356】
(変形実施形態)
上記の実施形態では、飲料物決定処理(ステップS401~S404(
図18))において、ユーザの現在の体温及び/又は体水分率が示す、ユーザの熱中症のリスクに応じて、プッシュ通知画面800の通知の要否を判断し、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定する例について説明した。
【0357】
しかし、これに代えて、飲料物決定処理において、ユーザの体温の上昇度合い及び/又は体水分率の減少度合いが示す、ユーザの熱中症のリスクに応じて、プッシュ通知画面800の通知の要否を判断し、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定するようにしてもよい。
【0358】
具体的には、判断テーブル2400(
図19)において、「体温」、「体水分率」フィールドが、それぞれ、ユーザの体温の上昇度合いの範囲(例えば、+1以上+3未満(℃))、ユーザの体水分率の減少度合い(例えば、-3以上-1未満(%))の範囲を示すように構成してもよい。そして、演算部104が、ステップS402(
図18)及びステップS403(
図18)において、以下のように処理を行うようにしてもよい。
【0359】
ステップS402(
図18)では、演算部104は、当該飲料物決定処理の前に取得された生体情報(
図17)から、「測定日時」フィールドに最も直近の日時が記憶されているレコード(以降、現在レコード)と、「測定日時」フィールドに次に現在に近い日時が記憶されているレコード(以降、過去レコード)と、を取得する。
【0360】
演算部104は、現在レコードの「体温」フィールドが示すユーザの体温から、過去レコードの「体温」フィールドが示すユーザの体温を減算した結果を、ユーザの体温の上昇度合いとして算出する。同様に、演算部104は、現在レコードの「体水分率」フィールドが示すユーザの体水分率から、過去レコードの「体水分率」フィールドが示すユーザの体水分率を減算した結果を、ユーザの体水分率の減少度合いとして算出する。
【0361】
演算部104は、上記の変形した判断テーブル2400において、「体温」フィールドに、前記算出したユーザの体温の上昇度合いを含む範囲が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドと、「体水分率」フィールドに、前記算出したユーザの体水分率の減少度合いを含む範囲が示されているレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドと、を参照する。そして、演算部104は、上記第一乃至第四の実施形態における飲料物決定処理と同様、当該参照した二つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドが示す内容に応じて、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定する。
【0362】
ステップS403では、演算部104は、上記の実施形態における飲料物決定処理と同様、当該参照した二つの「プッシュ通知の要否判定」フィールドのうち、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であること(例えば、要)を示す「プッシュ通知の要否判定」フィールドを含むレコードの「優先順位」フィールドが示す優先順位を、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位として決定する。
【0363】
例えば、上記の実施形態における飲料物決定処理と同様、上記の変形した判断テーブル2400を以下のように定めるものとする。つまり、当該判断テーブル2400の第一のレコードの「体温」フィールド及び「体水分率」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクが重度であると考えられる場合の体温の上昇度合いの範囲及び体水分率の減少度合いの範囲を記憶する。そして、当該第一のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であることを示す情報(例えば、要)を記憶する。また、当該第一のレコードの「優先順位」フィールドにおいて、上記第一の具体例と同様、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物の優先順位を「1」、「2」、「3」、「4」に定める。
【0364】
同様に、第二のレコードの「体温」フィールド及び「体水分率」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクが中度である場合の体温の上昇度合いの範囲及び体水分率の減少度合いの範囲を記憶する。そして、当該第二のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であることを示す情報(例えば、要)を記憶する。また、当該第二のレコードの「優先順位」フィールドにおいて、上記第二の具体例と同様、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物の優先順位を「3」、「1」、「2」、「4」に定める。
【0365】
同様に、第三のレコードの「体温」フィールド及び「体水分率」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクが軽度である場合の体温の上昇度合いの範囲及び体水分率の減少度合いの範囲を記憶する。そして、当該第三のレコードの「プッシュ通知の要否判定」フィールドに、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であることを示す情報(例えば、要)を記憶する。また、当該第三のレコードの「優先順位」フィールドにおいて、上記第三の具体例と同様、種類が「経口補水液」、「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」、「その他」の飲料物の優先順位を「3」、「2」、「1」、「4」に定める。
【0366】
この場合、演算部104は、ステップS402において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体温の上昇度合いが、第一乃至第三のレコードのいずれかの「体温」フィールドが示す範囲に含まれる場合、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定する。また、演算部104は、ステップS402において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体水分率の減少度合いが、第一乃至第三のレコードのいずれかの「体水分率」フィールドが示す範囲に含まれる場合、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定する。
【0367】
つまり、ユーザの体温が所定温度上昇し、及び/又は、ユーザの体水分率が所定パーセント減少したことで、生体情報から取得したユーザの体温の上昇度合い及び/又は生体情報から取得したユーザの体水分率の減少度合いが、当該判断テーブル2400における熱中症のリスクが軽度以上であるときに対応する第一乃至第三のレコードのいずれかの「体温」又は「体水分率」フィールドに示す範囲に含まれるとする。この場合、演算部104は、ユーザの熱中症のリスクがプッシュ通知画面800の通知が必要な程度であると判定する。この場合、演算部104は、ステップS208(
図7、
図21)又はステップS208a(
図22、
図23)において、プッシュ通知画面800を表示させる。
【0368】
また、演算部104は、ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体温が所定温度上昇し、当該体温の上昇度合いが、熱中症のリスクが軽度であるときに対応する第三のレコードの「体温」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「ミネラルウォータ」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、当該ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体水分率が所定パーセント減少し、当該体水分率の減少度合いが、熱中症のリスクが軽度であるときに対応する第三のレコードの「体水分率」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「ミネラルウォータ」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0369】
また、演算部104は、当該ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体温が所定温度上昇し、当該体温の上昇度合いが、熱中症のリスクが中度であるときに対応する第二のレコードの「体温」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「スポーツドリンク」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、当該ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体水分率が所定パーセント減少し、当該体水分率の減少度合いが、熱中症のリスクが中度であるときに対応する第二のレコードの「体水分率」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「スポーツドリンク」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0370】
また、演算部104は、当該ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体温が所定温度上昇し、当該体温の上昇度合いが、熱中症のリスクが重度であるときに対応する第一のレコードの「体温」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、当該ステップS403において、当該判断テーブル2400を用いて、生体情報から取得したユーザの体水分率が所定パーセント減少し、当該体水分率の減少度合いが、熱中症のリスクが重度であるときに対応する第一のレコードの「体水分率」フィールドが示す範囲に含まれる場合、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0371】
つまり、演算部104は、当該判断テーブル2400を用いて、当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として、ユーザの体温が上昇するにつれて、その上昇量が軽度の場合は種類が「ミネラルウォータ」の飲料物、中度の場合は種類が「スポーツドリンク」の飲料物、重度の場合は種類が「経口補水液」の飲料物を推薦する。また、演算部104は、当該判断テーブル2400を用いて、当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として、ユーザの体水分率が減少するにつれて、その減少量が軽度の場合は種類が「ミネラルウォータ」の飲料物、中度の場合は種類が「スポーツドリンク」の飲料物、重度の場合は種類が「経口補水液」の飲料物を推薦する。
【0372】
すなわち、演算部104は、ユーザの体温の上昇度合いがユーザの熱中症のリスクが軽度である場合の度合いであるときは、種類が「ミネラルウォータ」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの体温の上昇度合いがユーザの熱中症のリスクが中度である場合の度合いであるときは、種類が「スポーツドリンク」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの体温の上昇度合いがユーザの熱中症のリスクが重度である場合の度合いであるときは、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0373】
演算部104は、ユーザの体水分率の減少度合いがユーザの熱中症のリスクが軽度である場合の度合いであるときは、種類が「ミネラルウォータ」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの体水分率の減少度合いがユーザの熱中症のリスクが中度である場合の度合いであるときは、種類が「スポーツドリンク」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。演算部104は、ユーザの体水分率の減少度合いがユーザの熱中症のリスクが重度である場合の度合いであるときは、種類が「経口補水液」の飲料物を熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に最も適した飲料物として推薦する。
【0374】
尚、判断テーブル2400に、「体温」及び「体水分率」フィールドと同様に、生体情報に含まれるユーザの心拍数、血圧、又は発汗量のいずれか一を示すフィールドを更に備えてもよい。そして、上記と同様にして、飲料物決定処理において、生体情報から取得した当該いずれか一が示すユーザの熱中症のリスクに応じて、プッシュ通知画面800の通知の要否を判断し、各種類の飲料物を熱中症予防のための水分補給に適した飲料物として推薦するときの優先順位を決定するようにしてもよい。
【0375】
なお、上記の説明において「体温の上昇度合い」とは、直近の所定時間内での前記ユーザの体温上昇量(例えば、直近1時間の間での体温の上昇量)であってもよいし、前記ユーザの平常時体温(平均体温、平穏時の平均体温、所定時刻での体温、または起床時の体温のいずれでも構わない)からの体温上昇量であってもよい。
【0376】
なお、上記の「体水分率の減少度合い」とは、直近の所定時間内での前記ユーザの体水分率の減少量のこと(例えば、直近1時間の間での体水分率の減少量)でもよいし、前記ユーザの平常時体水分率(平均体水分率、平穏時の平均体水分率、所定時刻での体水分率、または起床時の体水分率のいずれでも構わない)からの減少量のことであってもよい。
【0377】
なお、上記説明においては判断テーブル2400又はその変形例を基に、ユーザの生体情報に応じて、熱中症予防のために当該ユーザの水分補給に適した飲料物の種類に対して優先順位を説明したが、本開示はこれに限らず、他の場合分け方法でも、他の優先順位の割り振りであってもよい。
【0378】
例えば、ユーザの生体情報による場合分けは熱中症のリスクの大小から4段階として説明したが、より細かい段階(例えば8段階)に分けてもよいし、より荒い段階(例えば2段階)に分けてもよい。また、体温が37度(℃)以上の場合、
図19の判断テーブル2400では、経口補水液、スポーツドリンク、ミネラルウォータ、その他、の順番で優先順位を付与すると説明したが、これと異なる優先順位で付与されてもよい。また、
図19の判断テーブル2400では、体温と体水分率とで場合分けをした説明を行ったが、体温、体水分率、血圧、心拍数、発汗量などの生体情報の少なくとも2つ以上を組み合わせた条件(例えば、体温と血圧と心拍数とを組み合わせた条件)により場合分けを行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0379】
本開示によれば、ユーザが自動販売機の前を通り過ぎるそのタイミングにおけるユーザの体調を判断して、熱中症予防のためにユーザの水分補給に適した飲料物を推薦するうえで有用である。
【符号の説明】
【0380】
100 :通信端末
105 :ディスプレイ
200 :個人情報サーバ
600 :生体センサー
700 :自動販売機
800、800A、800B、800C :プッシュ通知画面
900 :購買メニュー
NT :ネットワーク