(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B63H 25/42 20060101AFI20241115BHJP
B63H 25/24 20060101ALI20241115BHJP
B63H 25/02 20060101ALI20241115BHJP
B63B 21/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B63H25/42 B
B63H25/24 Z
B63H25/02 B
B63H25/02 Z
B63B21/00 Z
(21)【出願番号】P 2021524920
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2020022260
(87)【国際公開番号】W WO2020246575
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2019106519
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】白尾 真人
(72)【発明者】
【氏名】秋田 まり乃
(72)【発明者】
【氏名】大島 隆史
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-010396(JP,A)
【文献】特開2011-140272(JP,A)
【文献】特開2005-200004(JP,A)
【文献】米国特許第09908606(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0120864(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 25/42
B63H 25/24
B63H 25/02
B63B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御装置であって、
前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、
前記船舶は、前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部を備え、
前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、
前記操作部は、少なくとも
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、
前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、
船舶推進装置用制御装置。
【請求項2】
前記第2位置には、前記複数の船舶推進装置が前記船舶の右向きまたは左向きに前記船舶を並進移動させる推進力を発生する位置である左右位置が含まれ、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記左右位置に移動させられた場合に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記左右位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、
請求項1に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項3】
前記第2位置には、前記複数の船舶推進装置が前記船舶を前進または後進させる推進力を発生する位置である前後位置が含まれ、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記前後位置に移動させられた場合に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記前後位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、
請求項1に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項4】
前記船舶は、微速モードスイッチを更に備え、
前記船舶の前記微速モード時には、前記微速モードスイッチがオン状態であり、
前記船舶の前記非微速モード時には、前記微速モードスイッチがオフ状態である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項5】
前記操作部の操作量が閾値よりも小さい場合に、前記船舶は前記微速モードになり、
前記操作部の操作量が前記閾値以上の場合に、前記船舶は前記非微速モードになる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項6】
前記船舶は、微速移動用操作部を更に備え、
前記船舶の前記非微速モード時には、前記微速移動用操作部が操作されず、
前記船舶の前記微速モード時には、前記微速移動用操作部が操作される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項7】
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させている期間中に、
前記操作部が、前記第2位置から前記第1位置に復帰し、次いで、前記第1位置から前記第2位置に再び移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に再び移動させられる前よりも大きい推進力を、前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、
請求項1に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項8】
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記左右位置の一方に移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を発生させている期間中に、前記操作部が、前記左右位置の一方から前記第1位置に復帰し、
次いで、前記操作部が前記第1位置から前記左右位置の一方に再び移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記小さい推進力よりも大きい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させている期間中に、
前記操作部が、前記左右位置の一方から前記左右位置の他方に移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる、前記大きい推進力よりも小さい推進力を発生させる、
請求項2に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項9】
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記左右位置の一方に移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を発生させている期間中に、前記複数の船舶推進装置が前記船舶を前進または後進させる推進力を発生する位置である前後位置に、前記操作部が移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させると共に、
前記船舶を前進または後進させる推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させる、
請求項2に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項10】
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記左右位置の一方に移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記船舶の右向きまたは左向きに前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を発生させている期間中に、前記複数の船舶推進装置が前記船舶を時計回りに旋回させる推進力を発生する位置である第1回転位置および前記船舶を反時計回りに旋回させる推進力を発生する位置である第2回転位置の一方に、前記操作部が移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させると共に、
前記第1回転位置および前記第2回転位置の一方に相当する向きに前記船舶を旋回させる推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させる、
請求項2に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項11】
前記船舶推進装置用制御装置が、
前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させると共に、
前記第1回転位置および前記第2回転位置の一方に相当する向きに前記船舶を旋回させる推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させている期間中に、前記操作部が、前記第1回転位置および前記第2回転位置の他方に移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の右向きおよび左向きの一方に前記船舶を並進移動させる前記小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させると共に、
前記複数の船舶推進装置に発生させている、前記第1回転位置および前記第2回転位置の一方に相当する向きに前記船舶を旋回させる推進力の値を減少させる、
請求項10に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項12】
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記前後位置の一方に移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記船舶を前進または後進させる前記小さい推進力を発生させている期間中に、前記操作部が、前記前後位置の一方から前記第1位置に復帰し、
次いで、前記操作部が前記第1位置から前記前後位置の一方に再び移動させられて、前記船舶推進装置用制御装置が、前記小さい推進力よりも大きい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させている期間中に、
前記操作部が、前記前後位置の一方から前記前後位置の他方に移動させられた場合、
前記船舶推進装置用制御装置は、前記船舶を前進または後進させる、前記大きい推進力よりも小さい推進力を発生させる、
請求項3に記載の船舶推進装置用制御装置。
【請求項13】
複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御方法であって、
前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、
前記船舶は、
前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部と、
前記複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御装置とを備え、
前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、
前記操作部は、少なくとも
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、
前記船舶推進装置用制御装置は、
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、
前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、
船舶推進装置用制御方法。
【請求項14】
複数の船舶推進装置を制御するプログラムであって、
前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、
前記船舶は、
前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部を備え、
前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、
前記操作部は、少なくとも
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、
前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、
コンピュータに、
前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、
前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置が発生し続けるステップ
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムに関する。
本願は、2019年6月6日に、日本に出願された特願2019-106519号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、リモコンユニットのスロットルレバーと、ステアリング装置のスロットル操作部材とを有するのみならず、押しボタン式の右横移動スイッチと左横移動スイッチとその場回頭スイッチとを更に有する船舶が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された船舶では、右横移動スイッチが押されると、右横移動モードが開始され、右横移動モード中にスロットル操作部材が操作されると、スロットル操作部材の操作量に応じて、エンジンのエンジン回転速度が制御される。
特許文献1には、操船者が、右横移動モード中にスロットル操作部材を操作することによって、右横移動の速度を調整できる旨、および、右横移動モード中に左横移動スイッチが押されることで、右横移動の速度を低減させてもよい旨が記載されている。
また、特許文献1に記載された船舶では、右横移動中に、右横移動スイッチが押されると、右押付けモードが開始される。右押付けモードでは、船体が右方向に着岸場所に押し付けられた状態が維持される。
特許文献1には、右押付けモード中にキャンセルスイッチが押されると、右押付けモードが終了する旨、右横移動中に、右横移動スイッチが長押しされることで、右押付けモードが開始されてもよい旨、および、左横移動モード中に右横移動スイッチが押されることで、左横移動の速度を低減させてもよい旨が記載されている。
ところで、特許文献1に記載された技術では、例えば右押付けモードを開始するために、船舶の右横移動中に右横移動スイッチが押される必要がある。つまり、特許文献1に記載された技術では、船舶が停止している状態で右横移動スイッチが押されても、右押付けモードを開始することはできず、右押付けモードを開始するためには、停止状態の船舶を、右横移動中の状態にしておく必要がある。
そのため、特許文献1に記載された技術によっては、操船者による船舶の接岸作業の作業性を十分に向上させることができないおそれがある。
【0003】
また従来から、ジョイスティックと、スロットル操作部材を有するリモコンユニットと、入力装置とを備え、自動着岸機能と押し付けモードとを有する小型船舶が知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に記載された小型船舶では、自動着岸モード開始ボタンと、自動着岸モード停止ボタンと、目標方位を変更するための方位変更キーとが備えられている。
特許文献2には、着岸位置に向けて船体が移動するように推進装置が自動的に制御されるため、小型船舶を容易に着岸させることができる旨が記載されている。
ところで、特許文献2に記載された技術では、操船者が船舶を手動で着岸させる作業を容易にするための工夫が施されていない。
そのため、特許文献2に記載された技術によっては、操船者による船舶の着岸作業の作業性を十分に向上させることができないおそれがある。
【0004】
また従来から、接岸用操船設備として船首部サイドスラスターとポッドプロペラとを備える船舶が知られている(例えば特許文献3参照)。特許文献3には、船舶の接岸作業が能率よく安全に、かつ自動的に行われるようになる旨が記載されている。
ところで、特許文献3には、船舶の接岸作業が能率よく安全に行われるようにするために、船首部サイドスラスター、ポッドプロペラなどが具体的にどのように制御されるかについて記載されていない。
そのため、特許文献3に記載された技術によっては、操船者による船舶の接岸作業の作業性を十分に向上させることができないおそれがある。
【0005】
また従来から、小型船舶などのような、バラの形状が通常のホースパイプを装備するに適しない船舶における錨の投揚作業を安全迅速に行えるようにした錨格納装置が知られている(例えば特許文献4参照)。
ところで、特許文献4には、船舶における錨の投揚作業を安全迅速に行えるようにするために、船舶推進装置をどのように制御すべきかについて記載されていない。
そのため、特許文献4に記載された技術によっては、操船者による揚錨作業の作業性を十分に向上させることができないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-158628号公報
【文献】国際公開第2018/100745号
【文献】特開2005-028891号公報
【文献】特開昭57-030682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した問題点に鑑み、本発明は、操船者による船舶の接岸作業、揚錨作業などの作業性を向上させることができる船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、鋭意研究において、例えばジョイスティックのレバーの先端部が中立位置から傾倒位置に移動させられた場合に船舶推進装置が発生する通常の推進力よりも小さい推進力を船舶推進装置に発生させる微速モードを設けることによって、操船者による船舶の接岸作業、揚錨作業などの作業性が向上することを見い出したのである。
また、本発明者等は、鋭意研究において、例えばジョイスティックのレバーが中立位置から回動させられた場合に船舶推進装置が発生する通常の推進力(旋回力)よりも小さい推進力(旋回力)を船舶推進装置に発生させる微速モードを設けることによって、操船者による船舶の接岸作業、揚錨作業などの作業性が向上することを見い出したのである。
【0009】
本発明の一態様は、複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御装置であって、前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、前記船舶は、前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部を備え、前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、前記操作部は、少なくとも前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、前記船舶推進装置用制御装置は、前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、船舶推進装置用制御装置である。
【0010】
本発明の一態様は、複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御方法であって、前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、前記船舶は、前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部と、前記複数の船舶推進装置を制御する船舶推進装置用制御装置とを備え、前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、前記操作部は、少なくとも前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、前記船舶推進装置用制御装置は、前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置に発生させ続ける、船舶推進装置用制御方法である。
【0011】
本発明の一態様は、複数の船舶推進装置を制御するプログラムであって、前記複数の船舶推進装置のそれぞれは、船舶の推進力を発生する推進ユニットと、操舵アクチュエータとを備え、前記船舶は、前記推進ユニットおよび前記操舵アクチュエータを作動させる操作部を備え、前記船舶は、微速モードと非微速モードとを有し、前記操作部は、少なくとも前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生しない位置である第1位置と、前記複数の船舶推進装置が前記船舶の推進力を発生する位置である第2位置とに位置することができ、コンピュータに、前記船舶の前記微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合に、前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に復帰した後に、前記船舶の前記非微速モード時に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動させられた場合よりも小さい推進力を前記複数の船舶推進装置が発生し続けるステップを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操船者による船舶の接岸作業、揚錨作業などの作業性を向上させることができる船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の船舶推進装置用制御装置が適用される船舶の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示す船舶の主要部の機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態の船舶における操作部の位置(詳細には、ジョイスティックのレバーの先端部の位置、ジョイスティックのレバーの時計回りの回動位置、および、ジョイスティックのレバーの反時計回りの回動位置)の例を説明するための図である。
【
図4】船舶の非微速モード時に操作部が位置P1から位置P2に移動させられる場合に船舶推進装置が発生する推進力の大きさを説明するための図である。
【
図5】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から位置P2に移動させられる場合に船舶推進装置が発生する推進力の大きさを説明するための図である。
【
図6】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から位置P2に移動させられる場合であって、船舶推進装置が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。
【
図7】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から位置P2に移動させられる場合であって、船舶推進装置が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。
【
図8】船舶の非微速モード時に操作部が位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合に船舶推進装置が発生する推進力の大きさを説明するための図である。
【
図9】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合に船舶推進装置が発生する推進力の大きさを説明するための図である。
【
図10】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合であって、船舶推進装置が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。
【
図11】船舶の微速モード時に操作部が位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合であって、船舶推進装置が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。
【
図12】第1実施形態の船舶推進装置用制御装置によって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図13】第1実施形態の船舶推進装置用制御装置によって実行される他の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図14】第3実施形態の船舶推進装置用制御装置が適用される船舶の一例を示す図である。
【
図15】第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置の第1適用例を示す図である。
【
図16】第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置の第2適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムの第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1の一例を示す図である。
図2は
図1に示す船舶1の主要部の機能ブロック図である。
図1および
図2に示す例では、船舶1が、船体11と、船舶推進装置12と、船舶推進装置13と、船舶推進装置用制御装置14とを備えている。船舶推進装置12、13は、船舶1の推進力を発生する。
【0016】
図1および
図2に示す例では、船舶推進装置12が、船体11の後部112の右側部分に配置されている。船舶推進装置12は、船舶推進装置本体12Aと、ブラケット12Bとを備えている。ブラケット12Bは、船舶推進装置12を船体11の後部112の右側部分に取り付けるための機構である。船舶推進装置本体12Aは、操舵軸12AXを中心に船体11に対して回動可能に、ブラケット12Bを介して船体11の後部112の右側部分に接続されている。
船舶推進装置本体12Aは、推進ユニット12A1と、操舵アクチュエータ12A2とを備えている。推進ユニット12A1は、船舶1の推進力を発生する。操舵アクチュエータ12A2は、操舵軸12AXを中心に、推進ユニット12A1を含む船舶推進装置本体12Aの全体を、船体11に対して回動させる。操舵アクチュエータ12A2は、舵の役目を担う。
他の例では、船舶推進装置12が、船体11の後部112の右側部分以外の位置に配置されていてもよい。
【0017】
図1および
図2に示す例では、船舶推進装置13が、船体11の後部112の左側部分に配置されている。船舶推進装置13は、船舶推進装置本体13Aと、ブラケット13Bとを備えている。ブラケット13Bは、船舶推進装置13を船体11の後部112の左側部分に取り付けるための機構である。船舶推進装置本体13Aは、操舵軸13AXを中心に船体11に対して回動可能に、ブラケット13Bを介して船体11の後部112の左側部分に接続されている。
船舶推進装置本体13Aは、推進ユニット13A1と、操舵アクチュエータ13A2とを備えている。推進ユニット13A1は、推進ユニット12A1と同様に、船舶1の推進力を発生する。操舵アクチュエータ13A2は、操舵軸13AXを中心に、推進ユニット13A1を含む船舶推進装置本体13Aの全体を、船体11に対して回動させる。操舵アクチュエータ13A2は、舵の役目を担う。
他の例では、船舶推進装置13が、船体11の後部112の左側部分以外の位置に配置されていてもよい。
【0018】
図1および
図2に示す例では、船舶推進装置12、13が、例えばエンジン(図示せず)によって駆動されるプロペラ仕様の推進ユニット12A1、13A1を有する船外機である。他の例では、船舶推進装置12、13が、プロペラ仕様の推進ユニットを有する船内機、プロペラ仕様の推進ユニットを有する船内外機、ウォータージェット仕様の推進ユニットを有する船舶推進装置、ポッドドライブ型の船舶推進装置などであってもよい。
【0019】
図1および
図2に示す例では、船体11が、操舵装置11Aと、リモコン装置11Bと、リモコン装置11Cと、操作部11Dと、微速モードスイッチ11Eと、微速移動継続期間設定部11Fとを備えている。
他の例では、船体11が、操舵装置11A、リモコン装置11Bおよびリモコン装置11Cを備えていなくてもよい。
更に他の例では、船体11が、微速モードスイッチ11Eまたは微速移動継続期間設定部11Fを備えていなくてもよい。
【0020】
図1および
図2に示す例では、操舵装置11Aが、操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させる装置であり、例えばステアリングホイールを有するステアリング装置である。操船者は、操舵装置11Aを操作することによって、操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させ、船舶1の操舵を行うことができる。
リモコン装置11Bは、推進ユニット12A1を作動させる入力操作を受け付ける装置であり、例えばリモコンレバーを有する。操船者は、リモコン装置11Bを操作することによって、推進ユニット12A1が発生する推進力の大きさおよび向きを変更することができる。リモコン装置11Bのリモコンレバーは、推進ユニット12A1が船舶1の前向きの推進力を発生する前進領域と、推進ユニット12A1が船舶1の後向きの推進力を発生する後進領域と、推進ユニット12A1が推進力を発生しないニュートラル領域とに位置することができる。前進領域内におけるリモコンレバーの位置に応じて、推進ユニット12A1が発生する船舶1の前向きの推進力の大きさが変化する。また、後進領域内におけるリモコンレバーの位置に応じて、推進ユニット12A1が発生する船舶1の後向きの推進力の大きさが変化する。
【0021】
図1および
図2に示す例では、リモコン装置11Cが、推進ユニット13A1を作動させる入力操作を受け付ける装置であり、リモコン装置11Bと同様に構成されている。つまり、操船者は、リモコン装置11Cを操作することによって、推進ユニット13A1が発生する推進力の大きさおよび向きを変更することができる。
操作部11Dは、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させる装置である。詳細には、操作部11Dは、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させるための入力操作を受け付ける。操作部11Dは、操舵装置11Aおよびリモコン装置11B、11Cとは別個に設けられている。
第1実施形態の船舶1では、操作部11Dが、レバーを有するジョイスティックによって構成されている。
操船者は、操舵装置11A(ステアリングホイール)およびリモコン装置11B、11C(リモコンレバー)を操作することによって、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させることができるのみならず、操作部11D(ジョイスティック)を操作することによっても、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させることができる。
【0022】
図1および
図2に示す例では、船舶推進装置用制御装置14が、操作部11Dに対する入力操作に基づいて、船舶推進装置12の推進ユニット12A1および操舵アクチュエータ12A2と、船舶推進装置13の推進ユニット13A1および操舵アクチュエータ13A2とを制御する。詳細には、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dに対する入力操作に基づいて、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が発生する船舶1の推進力の大きさおよび向きを制御する。
推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が発生する推進力の大きさおよび向きに応じて、船舶1には、回転モーメントが生じ得る。つまり、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dに対する入力操作に基づいて推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御することによって、船舶1に発生する回転モーメントの大きさおよび向きも制御する。
【0023】
図1および
図2に示す例では、微速モードスイッチ11Eが、船舶1の通常モード(非微速モード)と微速モードとを切り替える入力操作を受け付けるスイッチである。
微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時には、船舶1が非微速モードになり、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が、通常の推進力を発生する。
微速モードスイッチ11Eがオン状態の時に、船舶1が微速モードになり、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2は、微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時よりも小さい推進力を発生する。船舶1に回転モーメントを発生させる必要がある場合には、微速モードスイッチ11Eがオン状態の時に、微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時に船舶1に発生する回転モーメントよりも小さい回転モーメントが船舶1に発生する。
微速移動継続期間設定部11Fは、上述した微速モードにおいて推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が推進力を発生し続ける期間(微速移動継続期間PD1、PD2(
図5および
図9参照))の設定入力を受け付ける。
【0024】
図1および
図2に示す例では、船舶推進装置用制御装置14が、移動経路算出部14Aと、経過時間算出部14Bと、推進力算出部14Cとを備えている。移動経路算出部14Aは、操作部11Dの移動経路を算出する。詳細には、移動経路算出部14Aは、例えばマイクロスイッチなどのセンサ(図示せず)によって検出されたジョイスティックのレバーの位置に基づいて、ジョイスティックのレバーの先端部の移動経路を算出する。
経過時間算出部14Bは、操作部11D(ジョイスティックのレバーの先端部)がある位置に移動させられた時刻からの経過時間を算出する。
推進力算出部14Cは、移動経路算出部14Aによって算出された操作部11Dの移動経路と、経過時間算出部14Bによって算出された経過時間とに基づいて、船舶推進装置12、13に発生させる推進力を算出する。詳細には、推進力算出部14Cは、ジョイスティックのレバーの先端部の移動経路と、ジョイスティックのレバーの先端部がある位置に移動させられた時刻からの経過時間とに基づいて、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に発生させる船舶1の推進力の大きさおよび向きを算出する。
また、推進力算出部14Cは、移動経路算出部14Aによって算出された操作部11Dの移動経路と、経過時間算出部14Bによって算出された経過時間とに基づいて、船舶1に発生させる回転モーメントを算出する。詳細には、推進力算出部14Cは、ジョイスティックのレバーの先端部の移動経路と、ジョイスティックのレバーの先端部がある位置に移動させられた時刻からの経過時間とに基づいて、船舶1に発生させる回転モーメントの大きさおよび向きを算出する。
つまり、船舶推進装置用制御装置14は、推進力算出部14Cによって算出された大きさおよび向きの推進力を推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が発生するように(船舶1に回転モーメントを発生させる必要がある場合には、推進力算出部14Cによって算出された大きさおよび向きの回転モーメントが船舶1に発生するように)、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。
【0025】
図1および
図2に示す例では、操作部11D(ジョイスティック)のレバーが傾倒可能であると共に、レバーが、レバーの中心軸線を中心に回動可能に、操作部11Dは構成されている。
操船者がレバーを傾倒させる場合には、船舶推進装置用制御装置14は、船舶1が姿勢を維持したまま移動するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。つまり、操船者がレバーを傾倒させることによって、船体11の前部111と、船体11の後部112とが、並進する。
操船者が、レバーの中心軸線を中心にレバーを時計回りに回動させる場合に、船舶推進装置用制御装置14は、船舶1が右旋回する(つまり、時計回りの回転モーメントが船舶に発生し、船舶1が時計回りにその場回頭する)ように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。一方、操船者が、レバーの中心軸線を中心にレバーを反時計回りに回動させる場合に、船舶推進装置用制御装置14は、船舶1が左旋回する(つまり、反時計回りの回転モーメントが船舶に発生し、船舶1が反時計回りにその場回頭する)ように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。
【0026】
図3は第1実施形態の船舶1における操作部11Dの位置(詳細には、ジョイスティックのレバーの先端部の位置P1~P9、ジョイスティックのレバーの時計回りの回動位置P10、および、ジョイスティックのレバーの反時計回りの回動位置P11)の例を説明するための図である。
図3(A)に示す例では、操作部11D(ジョイスティック)のレバーが傾倒されておらず、操作部11Dのレバーが回動されていない。そのため、操作部11D(詳細には、ジョイスティックのレバーの先端部)は、位置(中立位置)P1に位置する。操作部11D(ジョイスティックのレバーの先端部)が位置P1に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、基本的に、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に船舶1の推進力を発生させない。
つまり、位置P1は、基本的に、船舶推進装置12、13が船舶1の推進力を発生しない位置である。
【0027】
図3(B)に示す例では、ジョイスティックのレバーが右向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の右側の位置P2に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P2に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、船舶1を右向きに移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P2は、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
【0028】
図3(C)に示す例では、ジョイスティックのレバーが右前向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の右前側の位置P3に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P3に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、左右方向と鋭角θ3をなす右前向きに船舶1を移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P3は、船舶推進装置12、13が船舶1を右前向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
図3(D)に示す例では、ジョイスティックのレバーが右後向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の右後側の位置P4に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P4に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、左右方向と鋭角θ4をなす右後向きに船舶1を移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P4は、船舶推進装置12、13が船舶1を右後向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
【0029】
図3(E)に示す例では、ジョイスティックのレバーが左向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の左側の位置P5に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P5に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、船舶1を左向きに移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P5は、船舶推進装置12、13が船舶1を左向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
【0030】
図3(F)に示す例では、ジョイスティックのレバーが左前向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の左前側の位置P6に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P6に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、左右方向と鋭角θ6をなす左前向きに船舶1を移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P6は、船舶推進装置12、13が船舶1を左前向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
図3(G)に示す例では、ジョイスティックのレバーが左後向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の左後側の位置P7に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P7に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、左右方向と鋭角θ7をなす左後向きに船舶1を移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P7は、船舶推進装置12、13が船舶1を左後向きに並進移動させる推進力を発生する位置である。
【0031】
図3(H)に示す例では、ジョイスティックのレバーが前向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の前側の位置P8に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P8に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、船舶1を前向きに移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P8は、船舶推進装置12、13が船舶1を前進(前向きに並進移動)させる推進力を発生する位置である。
図3(I)に示す例では、ジョイスティックのレバーが後向きに傾倒されている。そのため、ジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1の後側の位置P9に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部が位置P9に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に、船舶1を後向きに移動させる推進力を発生させる。
つまり、位置P9は、船舶推進装置12、13が船舶1を後進(後向きに並進移動)させる推進力を発生する位置である。
【0032】
図3(J)に示す例では、ジョイスティックのレバーが、傾倒されておらず、時計回りに回動されている。そのため、ジョイスティックのレバーは、時計回りの回動位置(回転位置)P10に位置する。ジョイスティックのレバーが回動位置P10に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、時計回りの回転モーメントが船舶1に発生するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。
つまり、回動位置P10は、船舶推進装置12、13が船舶1を右旋回させる推進力(時計回りに旋回させる推進力)を発生する位置である。
図3(K)に示す例では、ジョイスティックのレバーが、傾倒されておらず、反時計回りに回動されている。そのため、ジョイスティックのレバーは、反時計回りの回動位置(回転位置)P11に位置する。ジョイスティックのレバーが回動位置P11に位置する場合、船舶推進装置用制御装置14は、反時計回りの回転モーメントが船舶1に発生するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。
つまり、回動位置P11は、船舶推進装置12、13が船舶1を左旋回させる推進力(反時計回りに旋回させる推進力)を発生する位置である。
【0033】
操船者が操作部11D(ジョイスティック)を操作しない場合、自動復帰機能を有するジョイスティックのレバーの先端部は、位置P1に位置する。ジョイスティックのレバーの先端部は、操船者の操作に応じて、例えば位置P1~P9、回動位置P10、P11などの位置に位置することができる。
【0034】
図4は船舶1の非微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる場合に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを説明するための図である。詳細には、
図4(A)は時刻t11以前から時刻t12以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図4(B)は時刻t11以前から時刻t12以降までの期間中における操作部11Dの位置P1、P2を示しており、
図4(C)は時刻t11以前から時刻t12以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0035】
図4に示す例では、
図4(A)に示すように、時刻t11以前から時刻t12以降までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。
図4(B)に示すように、時刻t11以前の期間中、操作部11Dが位置P1に位置する。そのため、
図4(C)に示すように、時刻t11以前の期間中、船舶推進装置12、13は推進力を発生しない(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロである)。
次いで、時刻t11に、
図4(B)に示すように、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。つまり、船舶1が非微速モードである時刻t11に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。その結果、
図4(C)に示すように、時刻t11に、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向き(
図1および
図3の右向き)に並進移動させる推進力F3を発生する。
次いで、時刻t11~時刻t12の期間中、
図4(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図4(C)に示すように、時刻t11~時刻t12の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに並進移動させる推進力F3を発生し続ける。
次いで、時刻t12に、
図4(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられる(自動復帰する)。その結果、
図4(C)に示すように、時刻t12に、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t12以降の期間中、
図4(B)に示すように、操作部11Dが位置P1に維持される。そのため、
図4(C)に示すように、時刻t12以降の期間中、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0036】
図5は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる場合に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを説明するための図である。詳細には、
図5(A)は時刻t21以前から時刻t24以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図5(B)は時刻t21以前から時刻t24以降までの期間中における操作部11Dの位置P1、P2を示しており、
図5(C)は時刻t21以前から時刻t24以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0037】
図5に示す例では、
図5(A)に示すように、時刻t21以前から時刻t21までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。次いで、時刻t21に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t21以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図5(B)に示すように、時刻t22に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t22に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。その結果、
図5(C)に示すように、時刻t22に、船舶推進装置12、13が、推進力F3(
図4(C)参照)よりも小さい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F1(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1)を発生する。
次いで、時刻t22~時刻t23の期間中、
図5(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図5(C)に示すように、時刻t22~時刻t23の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、時刻t23に、
図5(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t23以降の期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0038】
図5に示す例では、船舶1が微速モードである時刻t22に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図5(B)および
図5(C)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に自動復帰した後(時刻t23以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
詳細には、
図5に示す例では、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける期間である微速移動継続期間PD1が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図5(C)に示すように、微速移動継続期間PD1(時刻t22~時刻t24)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD1が終了する時刻t24に、
図5(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t24以降の期間中、
図5(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0039】
上述したように、
図5に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右向きの推進力F1は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右向きの推進力F3よりも小さい。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右前向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右前向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、右前向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右後向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する右後向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、右後向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
【0040】
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、左向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左前向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左前向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、左前向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左後向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する左後向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、左後向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
【0041】
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で前進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する前向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する前向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、前向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で後進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する後向きの推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する後向きの推進力よりも小さい。
図5に示す例と同様に、微速移動継続期間PD1中、後向きの推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
【0042】
図6は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる場合であって、船舶推進装置12、13が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。詳細には、
図6(A)は時刻t31以前から時刻t36以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図6(B)は時刻t31以前から時刻t36以降までの期間中における操作部11Dの位置P1、P2を示しており、
図6(C)は時刻t31以前から時刻t36以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0043】
図6に示す例では、
図6(A)に示すように、時刻t31以前から時刻t31までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。次いで、時刻t31に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t31以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図6(B)に示すように、時刻t32に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t32に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。その結果、
図6(C)に示すように、時刻t32に、船舶推進装置12、13が、推進力F3(
図4(C)参照)よりも小さい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F1(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1)を発生する。
次いで、時刻t32~時刻t33の期間中、
図6(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図6(C)に示すように、時刻t32~時刻t33の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、時刻t33に、
図6(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t33から時刻t34までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0044】
図6に示す例では、
図5に示す例と同様に、船舶1が微速モードである時刻t32に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図6(B)および
図6(C)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に自動復帰した後(時刻t33以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けるようとする。
詳細には、
図6に示す例では、
図5に示す例と同様に、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD1が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図6(C)に示すように、微速移動継続期間PD1(時刻t32~時刻t36)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする。
【0045】
図6に示す例では、次いで、時刻t34に、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を増加させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられる。つまり、微速移動継続期間PD1(時刻t32~時刻t36)中に、操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられる。その結果、
図6(C)に示すように、時刻t34に、船舶推進装置12、13が、推進力F1よりも大きい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F2(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2)を発生する。
次いで、時刻t34~時刻t35の期間中、
図6(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図6(C)に示すように、時刻t34~時刻t35の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2を発生し続ける。
次いで、時刻t35に、
図6(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t35以降の期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0046】
図6に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t32に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図6(B)および
図6(C)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に自動復帰した後(時刻t35以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2(>F1)を発生し続ける。
詳細には、
図6(C)に示すように、微速移動継続期間PD1の終了時刻t36まで、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD1が終了する時刻t36に、
図6(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t36以降の期間中、
図6(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0047】
上述したように、
図6に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F1より大きい右向きの推進力F2を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P3に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい右前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P4に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい右後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P5に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
【0048】
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P6に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P7に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で前進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で後進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。
【0049】
図7は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる場合であって、船舶推進装置12、13が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。詳細には、
図7(A)は時刻t41以前から時刻t48以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図7(B)は時刻t41以前から時刻t48以降までの期間中における操作部11Dの位置P1、P2、P5を示しており、
図7(C)は時刻t41以前から時刻t48以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0050】
図7に示す例では、
図7(A)に示すように、時刻t41以前から時刻t41までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。次いで、時刻t41に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t41以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図7(B)に示すように、時刻t42に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t42に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられる。その結果、
図7(C)に示すように、時刻t42に、船舶推進装置12、13が、推進力F3(
図4(C)参照)よりも小さい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F1(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1)を発生する。
次いで、時刻t42~時刻t43の期間中、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図7(C)に示すように、時刻t42~時刻t43の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、時刻t43に、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t43から時刻t44までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0051】
図7に示す例では、
図6に示す例と同様に、船舶1が微速モードである時刻t42に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図7(B)および
図7(C)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に自動復帰した後(時刻t43以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けるようとする。
詳細には、
図7に示す例では、
図6に示す例と同様に、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD1が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図7(C)に示すように、微速移動継続期間PD1(時刻t42~時刻t48)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする。
【0052】
図7に示す例では、次いで、時刻t44に、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を増加させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられる。つまり、微速移動継続期間PD1(時刻t42~時刻t48)中に、操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられる。その結果、
図7(C)に示すように、時刻t44に、船舶推進装置12、13が、推進力F1よりも大きい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F2(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2)を発生する。
次いで、時刻t44~時刻t45の期間中、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P2に維持される。そのため、
図7(C)に示すように、時刻t44~時刻t45の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2を発生し続ける。
次いで、時刻t45に、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t45から時刻t46までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0053】
図7に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t42に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図7(B)および
図7(C)に示すように、操作部11Dが位置P2から位置P1に自動復帰した後(時刻t45以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F2(>F1)を発生し続けようとする。
詳細には、
図7に示す例では、上述したように、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD1が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図7(C)に示すように、微速移動継続期間PD1(時刻t42~時刻t48)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする。
【0054】
図7に示す例では、次いで、時刻t46に、船舶1を右向きに並進移動させる推進力F2を減少させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から、位置P1を隔てて位置P2の反対側の位置P5(本来は、船舶1の左向きに船舶1を並進移動させる推進力を船舶推進装置12、13に発生させる位置P5)に移動させられる。詳細には、微速移動継続期間PD1(時刻t42~時刻t48)中の時刻t46に、操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられる。その結果、
図7(C)に示すように、時刻t46に、船舶推進装置12、13が、推進力F2よりも小さい右向き(
図1および
図3の右向き)の推進力F1(船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1)を発生する。
次いで、時刻t46~時刻t47の期間中、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P5に維持される。そのため、
図7(C)に示すように、時刻t46~時刻t47の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、時刻t47に、
図7(B)に示すように、操作部11Dが位置P5から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t47から時刻t48までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0055】
図7に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t42に、操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられるため、
図7(B)および
図7(C)に示すように、操作部11Dが位置P5から位置P1に自動復帰した後(時刻t47以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続けようとする。
詳細には、
図7(C)に示すように、微速移動継続期間PD1の終了時刻t48まで、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD1が終了する時刻t48に、
図7(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t48以降の期間中、
図7(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0056】
上述したように、
図7に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F1より大きい右向きの推進力F2を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F2より小さい右向きの推進力F1を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P3に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい右前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい右前向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P4に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい右後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい右後向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P5に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい左向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
【0057】
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P6に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい左前向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P7に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい左後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい左後向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で前進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが、位置P8から位置P1に自動復帰し、位置P1から位置P8に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい前向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい前向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で後進させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが、位置P9から位置P1に自動復帰し、位置P1から位置P9に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい後向きの推進力(推進力F2と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい後向きの推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生する。
【0058】
上述したように、
図6および
図7に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P2に再び移動させられる。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0059】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右前向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右前向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0060】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右後向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右後向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0061】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0062】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左前向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左前向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0063】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左後向き成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左後向き成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0064】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0065】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P2に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0066】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右前向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0067】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P3に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右前向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0068】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右後向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0069】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P4に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、右後向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を右後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0070】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0071】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P5に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0072】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左前向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0073】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P6に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左前向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0074】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左後向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0075】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P7に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、左後向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を左後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生すると共に、船舶推進装置12、13が発生している船舶1を反時計回りに旋回させる推進力の値が、減少させられる(つまり、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(成分)が小さくなる)。
【0076】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を前向きに微速で並進移動させる推進力を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、前向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を前向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を前向きに微速で並進移動させる推進力を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、前向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0077】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を後向きに微速で並進移動させる推進力を発生すると共に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、後向き成分と船舶1を時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を後向きに微速で並進移動させる推進力(推進力F1と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD1中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を後向きに微速で並進移動させる推進力を発生すると共に、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、後向き成分と船舶1を反時計回りに旋回させる成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0078】
図8は船舶1の非微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを説明するための図である。詳細には、
図8(A)は時刻t51以前から時刻t52以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図8(B)は時刻t51以前から時刻t52以降までの期間中における操作部11Dの位置P1および時計回りの回動位置P10を示しており、
図8(C)は時刻t51以前から時刻t52以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0079】
図8に示す例では、
図8(A)に示すように、時刻t51以前から時刻t52以降までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。
図8(B)に示すように、時刻t51以前の期間中、操作部11Dが位置P1に位置する。そのため、
図8(C)に示すように、時刻t51以前の期間中、船舶推進装置12、13は推進力を発生しない(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロである)。
次いで、時刻t51に、
図8(B)に示すように、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10(
図3(J)参照)に移動させられる。つまり、船舶1が非微速モードである時刻t51に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。その結果、
図8(C)に示すように、時刻t51に、船舶推進装置12、13が、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F6を発生する。
次いで、時刻t51~時刻t52の期間中、
図8(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図8(C)に示すように、時刻t51~時刻t52の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F6を発生し続ける。
次いで、時刻t52に、
図8(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられる(自動復帰する)。その結果、
図8(C)に示すように、時刻t52に、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t52以降の期間中、
図8(B)に示すように、操作部11Dが位置P1に維持される。そのため、
図8(C)に示すように、時刻t52以降の期間中、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0080】
図9は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを説明するための図である。詳細には、
図9(A)は時刻t61以前から時刻t64以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図9(B)は時刻t61以前から時刻t64以降までの期間中における操作部11Dの位置P1および時計回りの回動位置(回転位置)P10を示しており、
図9(C)は時刻t61以前から時刻t64以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0081】
図9に示す例では、
図9(A)に示すように、時刻t61以前から時刻t61までの期間中、例えばことによって、船舶1が非微速モードに維持される微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持される。次いで、時刻t61に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t61以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図9(B)に示すように、時刻t62に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t62に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。その結果、
図9(C)に示すように、時刻t62に、船舶推進装置12、13が、推進力F6(
図8(C)参照)よりも小さい推進力F4(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4)を発生する。
次いで、時刻t62~時刻t63の期間中、
図9(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図9(C)に示すように、時刻t62~時刻t63の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、時刻t63に、
図9(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t63以降の期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0082】
図9に示す例では、船舶1が微速モードである時刻t62に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられるため、
図9(B)および
図9(C)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に自動復帰した後(時刻t63以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
詳細には、
図9に示す例では、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける期間である微速移動継続期間PD2が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図9(C)に示すように、微速移動継続期間PD2(時刻t62~時刻t64)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD2が終了する時刻t64に、
図9(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t64以降の期間中、
図9(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0083】
上述したように、
図9に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F4は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F6よりも小さい。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から反時計回りの回動位置(回転位置)P11(
図3(K)参照)に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生する。船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力は、船舶1の非微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられることに伴って、船舶推進装置12、13が発生する、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力よりも小さい。
図9に示す例と同様に、微速移動継続期間PD2中、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力は、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後も、発生し続ける。
【0084】
図10は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合であって、船舶推進装置12、13が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。詳細には、
図10(A)は時刻t71以前から時刻t76以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図10(B)は時刻t71以前から時刻t76以降までの期間中における操作部11Dの位置P1および時計回りの回動位置P10を示しており、
図10(C)は時刻t71以前から時刻t76以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0085】
図10に示す例では、
図10(A)に示すように、時刻t71以前から時刻t71までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。次いで、時刻t71に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t71以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図10(B)に示すように、時刻t72に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t72に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。その結果、
図10(C)に示すように、時刻t72に、船舶推進装置12、13が、推進力F6(
図8(C)参照)よりも小さい推進力F4(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4)を発生する。
次いで、時刻t72~時刻t73の期間中、
図10(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図10(C)に示すように、時刻t72~時刻t73の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、時刻t73に、
図10(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t73から時刻t74までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0086】
図10に示す例では、
図9に示す例と同様に、船舶1が微速モードである時刻t72に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられるため、
図10(B)および
図10(C)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に自動復帰した後(時刻t73以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けるようとする。
詳細には、
図10に示す例では、
図9に示す例と同様に、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD2が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図10(C)に示すように、微速移動継続期間PD2(時刻t72~時刻t76)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする。
【0087】
図10に示す例では、次いで、時刻t74に、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を増加させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に再び移動させられる。つまり、微速移動継続期間PD2(時刻t72~時刻t76)中に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に再び移動させられる。その結果、
図10(C)に示すように、時刻t74に、船舶推進装置12、13が、推進力F4よりも大きい推進力F5(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5)を発生する。
次いで、時刻t74~時刻t75の期間中、
図10(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図10(C)に示すように、時刻t74~時刻t75の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5を発生し続ける。
次いで、時刻t75に、
図10(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t75以降の期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0088】
図10に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t72に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられるため、
図10(B)および
図10(C)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に自動復帰した後(時刻t75以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5(>F4)を発生し続ける。
詳細には、
図10(C)に示すように、微速移動継続期間PD2の終了時刻t76まで、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD2が終了する時刻t76に、
図10(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t36以降の期間中、
図10(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0089】
上述したように、
図10に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に再び移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F4より大きい推進力F5を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から反時計回りの回動位置P11に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1微速で時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P11に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい推進力(推進力F5と同等の推進力)を発生する。
【0090】
図11は船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる場合であって、船舶推進装置12、13が、発生する推進力の大きさを変更する場合における推進力の大きさと時間との関係などを説明するための図である。詳細には、
図11(A)は時刻t81以前から時刻t88以降までの期間中における船舶1のモード(微速モード、非微速モード)を示しており、
図11(B)は時刻t81以前から時刻t88以降までの期間中における操作部11Dの位置P1および時計回りの回動位置P10、P11を示しており、
図11(C)は時刻t81以前から時刻t88以降までの期間中に船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさを示している。
【0091】
図11に示す例では、
図11(A)に示すように、時刻t81以前から時刻t81までの期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態に維持されることによって、船舶1が非微速モードに維持される。次いで、時刻t81に、例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態からオン状態に切り替えられることによって、船舶1が非微速モードから微速モードに切り替えられる。次いで、時刻t81以降の期間中、例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態に維持されることによって、船舶1が微速モードに維持される。
また、
図11(B)に示すように、時刻t82に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。つまり、船舶1が微速モードである時刻t82に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられる。その結果、
図11(C)に示すように、時刻t82に、船舶推進装置12、13が、推進力F6(
図8(C)参照)よりも小さい推進力F4(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4)を発生する。
次いで、時刻t82~時刻t83の期間中、
図11(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図11(C)に示すように、時刻t82~時刻t83の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、時刻t83に、
図11(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t83から時刻t84までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0092】
図11に示す例では、
図9に示す例と同様に、船舶1が微速モードである時刻t82に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられるため、
図11(B)および
図11(C)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に自動復帰した後(時刻t83以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けるようとする。
詳細には、
図11に示す例では、
図9に示す例と同様に、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD2が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図11(C)に示すように、微速移動継続期間PD2(時刻t82~時刻t88)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする。
【0093】
図11に示す例では、次いで、時刻t84に、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を増加させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に再び移動させられる。つまり、微速移動継続期間PD2(時刻t82~時刻t88)中に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に再び移動させられる。その結果、
図11(C)に示すように、時刻t84に、船舶推進装置12、13が、推進力F4よりも大きい推進力F5(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5)を発生する。
次いで、時刻t84~時刻t85の期間中、
図11(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10に維持される。そのため、
図11(C)に示すように、時刻t84~時刻t85の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F5を発生し続ける。
次いで、時刻t85に、
図11(B)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t85から時刻t86までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0094】
図11に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t82に、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10に移動させられるため、
図11(B)および
図11(C)に示すように、操作部11Dが時計回りの回動位置P10から位置P1に自動復帰した後(時刻t85以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けるようとする。
詳細には、
図11に示す例では、上述したように、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする期間である微速移動継続期間PD2が、微速移動継続期間設定部11F(
図2参照)によって予め設定されている。
そのため、
図11(C)に示すように、微速移動継続期間PD2(時刻t82~時刻t88)中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする。
【0095】
図11に示す例では、次いで、時刻t86に、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F5を減少させようとする操船者によって、操作部11Dが位置P1から、位置P1を隔てて回動位置P10の反対側の回動位置P11(本来は、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力を船舶推進装置12、13に発生させる回動位置P11)に移動させられる。詳細には、微速移動継続期間PD2(時刻t82~時刻t88)中の時刻t86に、操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられる。その結果、
図11(C)に示すように、時刻t86に、船舶推進装置12、13が、推進力F5よりも小さい、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F4(船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4)を発生する。
次いで、時刻t86~時刻t87の期間中、
図11(B)に示すように、操作部11Dが回動位置P11に維持される。そのため、
図11(C)に示すように、時刻t86~時刻t87の期間中、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、時刻t87に、
図11(B)に示すように、操作部11Dが回動位置P11から位置P1に移動させられ(自動復帰し)、次いで、時刻t87から時刻t88までの期間中、操作部11Dが位置P1に維持される。
【0096】
図11に示す例では、上述したように、船舶1が微速モードである時刻t82に、操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられるため、
図11(B)および
図11(C)に示すように、操作部11Dが回動位置P11から位置P1に自動復帰した後(時刻t87以降)においても、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続けようとする。
詳細には、
図11(C)に示すように、微速移動継続期間PD2の終了時刻t88まで、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し続ける。
次いで、微速移動継続期間PD2が終了する時刻t88に、
図11(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しなくなる(つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる)。
次いで、時刻t88以降の期間中、
図11(C)に示すように、船舶推進装置12、13が推進力を発生しない状態が維持される。
【0097】
上述したように、
図11に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に再び移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F4より大きい、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F5を発生する。次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられ、それに伴って、船舶推進装置12、13が、推進力F5より小さい、船舶1を時計回りに旋回させる推進力F4を発生する。
船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられる場合には、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に再び移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より大きい、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(推進力F5と同等の推進力)を発生する。次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられると、船舶推進装置12、13は、その推進力より小さい、船舶1を反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生する。
【0098】
上述したように、
図10および
図11に示す例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に再び移動させられる。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、船舶1を時計回りに旋回させる成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P10に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を微速で時計回りに旋回させる推進力F4を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、船舶1を時計回りに旋回させる成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0099】
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から位置P8に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を前進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、船舶1を反時計回りに旋回させる成分と前向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
他の例では、船舶1の微速モード時に操作部11Dが位置P1から回動位置P11に移動させられ、船舶推進装置12、13が、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生し、次いで、微速移動継続期間PD2中に操作部11Dが位置P1から位置P9に移動させられてもよい。その場合に、船舶推進装置12、13は、船舶1を微速で反時計回りに旋回させる推進力(推進力F4と同等の推進力)を発生すると共に、船舶1を後進させる推進力も発生する。つまり、船舶推進装置12、13は、船舶1を反時計回りに旋回させる成分と後向き成分とを含む推進力(合力)を発生する。
【0100】
図12は第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14によって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図12に示す例では、ステップS11において、船舶推進装置用制御装置14が、例えばマイクロスイッチなどのセンサによって検出された操作部11Dの位置(ジョイスティックのレバーの位置)に基づいて、操作部11Dが位置P1から位置P2~P9のいずれかに移動させられたか否かを判定する。操作部11Dが位置P1から位置P2~P9のいずれかに移動させられた場合には、ステップS12に進む。一方、操作部11Dが位置P1から位置P2~P9のいずれにも移動させられていない場合には、
図12に示すルーチンを終了する。
【0101】
ステップS12において、船舶推進装置用制御装置14は、微速モードスイッチ11Eがオン状態であるか否か(船舶1が微速モードであるか否か)を判定する。微速モードスイッチ11Eがオフ状態である場合(船舶1が非微速モードである場合)には、ステップS13に進む。一方、微速モードスイッチ11Eがオン状態である場合(船舶1が微速モードである場合)には、ステップS16に進む。
ステップS13では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を並進移動させる推進力F3(
図4参照)を発生させる。
次いで、ステップS14において、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dが位置P2~P9のいずれかから位置P1に戻されたか否かを判定する。操作部11Dが、位置P2~P9のいずれかから位置P1に戻されておらず、位置P2~P9のいずれかに維持されている場合には、ステップS13に戻る。一方、操作部11Dが位置P2~P9のいずれかから位置P1に戻された場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に船舶1の推進力を発生させない。つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる。
【0102】
ステップS16では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1(<F3)(
図5参照)を発生させる。
次いで、ステップS17において、船舶推進装置用制御装置14は、船舶1を微速で並進移動させる推進力F1の発生開始時刻(
図5の時刻t22、
図6の時刻t32)から、微速移動継続期間PD1が経過したか否かを判定する。船舶1を微速で並進移動させる推進力F1の発生開始時刻から、微速移動継続期間PD1が経過した場合には、上述したステップS15に進む。一方、船舶1を微速で並進移動させる推進力F1の発生開始時刻から、微速移動継続期間PD1がまだ経過していない場合(つまり、現在時刻が微速移動継続期間PD1中である場合)には、ステップS18に進む。
【0103】
ステップS18において、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1を増加させる操船者の指示があったか否かを判定する。
操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1を増加させる操船者の指示がない場合、つまり、位置P1に戻された操作部11Dが位置P1に維持されている場合には、ステップS19Aに進む。
一方、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1を増加させる操船者の指示があった場合、つまり、位置P2~P9のいずれかから位置P1に戻された操作部11Dが、位置P2~P9のいずれかに再び移動させられた場合には、ステップS19Bに進む。すなわち、船舶推進装置12、13が、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1を発生している期間中に、操作部11Dが、位置P1から位置P2~P9のいずれかに再び移動させられた場合には、ステップS19Bに進む。
【0104】
ステップS19Aにおいて、船舶推進装置用制御装置14は、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F1を発生させ続ける。
ステップS19Bにおいて、船舶推進装置用制御装置14は、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F2(>F1)(
図6参照)を発生させる。つまり、ステップS19Bでは、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、推進力F1よりも大きい推進力F2(操作部11Dの位置P2~P9のいずれかに相当する向きに船舶1を微速で並進移動させる推進力F2)を発生させる。すなわち、ステップS19Bでは、船舶推進装置12、13が発生する推進力が、推進力F1から推進力F2に増加する。
【0105】
図13は第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14によって実行される他の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図13に示す処理は、
図12に示す処理に並行して、第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14によって実行される。
図13に示す例では、ステップS21において、船舶推進装置用制御装置14が、例えばマイクロスイッチなどのセンサによって検出された操作部11Dの位置(ジョイスティックのレバーの位置)に基づいて、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動P11に移動させられたか否かを判定する。操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に移動させられた場合には、ステップS22に進む。一方、操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10および反時計回りの回動位置P11のいずれにも移動させられていない場合には、
図13に示すルーチンを終了する。
【0106】
ステップS22において、船舶推進装置用制御装置14は、微速モードスイッチ11Eがオン状態であるか否か(船舶1が微速モードであるか否か)を判定する。微速モードスイッチ11Eがオフ状態である場合(船舶1が非微速モードである場合)には、ステップS23に進む。一方、微速モードスイッチ11Eがオン状態である場合(船舶1が微速モードである場合)には、ステップS26に進む。
ステップS23では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向き(つまり、時計回りまたは反時計回り)に船舶1を旋回させる推進力F6(
図8参照)を発生させる。
次いで、ステップS24において、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dが時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11から位置P1に戻されたか否かを判定する。操作部11Dが、時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11から位置P1に戻されておらず、時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に維持されている場合には、ステップS23に戻る。一方、操作部11Dが時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11から位置P1に戻された場合には、ステップS25に進む。
ステップS25では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に船舶1の推進力を発生させない。つまり、船舶推進装置12、13が発生する推進力はゼロになる。
【0107】
ステップS26では、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4(<F6)(
図9参照)を発生させる。
次いで、ステップS27において、船舶推進装置用制御装置14は、船舶1を微速で旋回させる推進力F4の発生開始時刻(
図9の時刻t62、
図10の時刻t72)から、微速移動継続期間PD2が経過したか否かを判定する。船舶1を微速で旋回させる推進力F4の発生開始時刻から、微速移動継続期間PD2が経過した場合には、上述したステップS25に進む。一方、船舶1を微速で旋回させる推進力F4の発生開始時刻から、微速移動継続期間PD2がまだ経過していない場合(つまり、現在時刻が微速移動継続期間PD2中である場合)には、ステップS28に進む。
【0108】
ステップS28において、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4を増加させる操船者の指示があったか否かを判定する。
操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4を増加させる操船者の指示がない場合、つまり、位置P1に戻された操作部11Dが位置P1に維持されている場合には、ステップS29Aに進む。
一方、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4を増加させる操船者の指示があった場合、つまり、時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11から位置P1に戻された操作部11Dが、時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に再び移動させられた場合には、ステップS29Bに進む。すなわち、船舶推進装置12、13が、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4を発生している期間中に、操作部11Dが、位置P1から時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に再び移動させられた場合には、ステップS29Bに進む。
【0109】
ステップS29Aにおいて、船舶推進装置用制御装置14は、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F4を発生させ続ける。
ステップS29Bにおいて、船舶推進装置用制御装置14は、船舶推進装置12、13に、操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F5(>F4)(
図10参照)を発生させる。つまり、ステップS29Bでは、船舶推進装置用制御装置14が、船舶推進装置12、13に、推進力F4よりも大きい推進力F5(操作部11Dの時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に相当する向きに船舶1を微速で旋回させる推進力F5)を発生させる。すなわち、ステップS29Bでは、船舶推進装置12、13が発生する推進力が、推進力F4から推進力F5に増加する。
【0110】
上述した例では、微速モードスイッチ11Eがオン状態の時に、船舶1が微速モードになり、微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時には、船舶1が非微速モードになる。 他の例(例えば微速モードスイッチ11Eが備えられていない例)では、操作部11Dの操作量が閾値よりも小さい場合に、船舶1が微速モードになり、操作部11Dの操作量が閾値以上の場合に、船舶1が非微速モードになってもよい。具体的には、この例では、操作部11Dが、
図3(B)に示す位置P2に位置する時に、船舶1が非微速モードになり、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに並進移動させる推進力F3(
図4参照)を発生する。一方、操作部11Dが、
図3(B)に示す位置P2と
図3(A)に示す位置P1との中間位置に位置する時に、船舶1が微速モードになり、船舶推進装置12、13が船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1(
図5参照)を発生する。
更に他の例(例えば微速モードスイッチ11Eが備えられていない例)では、船舶1が、微速移動用操作部(図示せず)を更に備えていてもよい。この例では、船舶1の非微速モード時には、微速移動用操作部が操作されず、船舶1の微速モード時には、微速移動用操作部が操作される。つまり、この例では、操船者が微速移動用操作部を操作する場合に、船舶1が微速モードになり、操船者が微速移動用操作部を操作しない場合に、船舶1が微速モードになる。
更に他の例(微速モードスイッチ11Eが備えられていない例)では、位置P2~P9、位置P10、位置P11のそれぞれに対応する微速移動スイッチ(図示せず)が備えられていてもよい。この例では、船舶1を右向きに微速で並進移動させる推進力F1(
図5参照)を船舶推進装置12、13に発生させる場合に、操作部11Dが操作されるのではなく、位置P2に対応する微速移動スイッチがオン状態にされる。
【0111】
上述した例では、操作部11Dの操作に伴って船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさが、微速モード時と非微速モード時とで異ならされているが、他の例では、船舶1に備えられている操作部11D以外の任意の操作部の操作に伴って船舶推進装置12、13が発生する推進力の大きさが、微速モード時と非微速モード時とで異ならされてもよい。
【0112】
図5~
図7に示す例では、微速移動継続期間PD1中、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で並進移動させる推進力を発生し続け、
図9~
図11に示す例では、微速移動継続期間PD2中、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で旋回させる推進力を発生し続ける。
他の例(例えば微速移動継続期間PD1、PD2が設定されない例)では、船舶推進装置12、13が、船舶1の微速モード終了時まで、船舶1を微速で並進移動させる推進力または船舶1を微速で旋回させる推進力を発生し続けてもよい。
【0113】
<第2実施形態>
以下、本発明の船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の船舶1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の船舶1と同様の効果を奏することができる。
【0114】
第1実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1(
図1参照)には、2つの船舶推進装置12、13が備えられている。
一方、第2実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1には、3つ以上の船舶推進装置(図示せず)が備えられている。
【0115】
第2実施形態の船舶推進装置用制御装置14は、船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2~P9のいずれかに移動させられた場合に、船舶1の非微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時)に操作部11Dが位置P1から位置P2~P9のいずれかに移動させられた場合よりも小さい推進力(船舶1を並進移動させる推進力)を3つ以上の船舶推進装置に発生させる。
また、第2実施形態の船舶推進装置用制御装置14は、船舶1の微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオン状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に移動させられた場合に、船舶1の非微速モード時(例えば微速モードスイッチ11Eがオフ状態の時)に操作部11Dが位置P1から時計回りの回動位置P10または反時計回りの回動位置P11に移動させられた場合よりも小さい推進力(船舶1を旋回させる推進力)を3つ以上の船舶推進装置に発生させる。
【0116】
<第3実施形態>
以下、本発明の船舶推進装置用制御装置、船舶推進装置用制御方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1は、後述する点を除き、上述した第1または第2実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の船舶1によれば、後述する点を除き、上述した第1または第2実施形態の船舶1と同様の効果を奏することができる。
【0117】
図14は第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用される船舶1の一例を示す図である。
上述したように、第1実施形態の船舶1(
図1および
図2に示す例)では、操作部11Dが、レバーを有するジョイスティックによって構成されている。
一方、第3実施形態の船舶1(
図14に示す例)では、操作部11Dが、タッチパネルによって構成されている。操船者は、操舵装置11A(ステアリングホイール)およびリモコン装置11B、11C(リモコンレバー)を操作することによって、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させることができるのみならず、操作部11D(タッチパネル)を操作することによっても、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を作動させることができる。
他の例では、船体11が、操舵装置11A、リモコン装置11Bおよびリモコン装置11Cを備えていなくてもよい。
【0118】
図14に示す例では、船舶推進装置用制御装置14が、操作部11Dに対する入力操作に基づいて、船舶推進装置12の操舵アクチュエータ12A2および推進ユニット12A1と、船舶推進装置13の操舵アクチュエータ13A2および推進ユニット13A1とを制御する。
詳細には、船舶推進装置用制御装置14は、操作部11D(タッチパネル)に対する例えばフリック入力操作に基づいて、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2が発生する船舶1の推進力の大きさおよび向き並びに回転モーメントの大きさおよび向きを制御する。
フリック入力操作では、操船者は、例えば、タッチパネルを押圧しつつ、タッチパネルを押圧している指を目的の向きにスライドさせる。
移動経路算出部14Aは、操作部11Dの移動経路を算出する。詳細には、移動経路算出部14Aは、操船者がタッチパネルを押圧しながらスライドさせた指の移動経路を算出する。
経過時間算出部14Bは、操作部11D(タッチパネルを押圧する操船者の指)がある位置に移動させられた時刻からの経過時間を算出する。
推進力算出部14Cは、移動経路算出部14Aによって算出された操作部11Dの移動経路(タッチパネルを押圧しながらスライドさせられた指の移動経路)と、経過時間算出部14Bによって算出された経過時間とに基づいて、船舶推進装置12、13に発生させる推進力を算出する。
また、推進力算出部14Cは、移動経路算出部14Aによって算出された操作部11Dの移動経路と、経過時間算出部14Bによって算出された経過時間とに基づいて、船舶推進装置12、13に発生させる回転モーメントを算出する。
【0119】
図14に示す例では、操作部11D(タッチパネル)に対してフリック入力操作可能であると共に、回転入力操作可能に、操作部11Dが構成されている。
操船者は、例えば、1本の指をタッチパネルに当接させて中心点として固定させた状態で、他の指を、タッチパネルを押圧しながら周方向にスライドさせることによって、回転入力操作を行う。
操船者が、操作部11D(タッチパネル)に対して時計回りの回転入力操作を行う場合に、船舶推進装置用制御装置14は、船体11が右旋回するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。一方、操船者が、操作部11D(タッチパネル)に対して反時計回りの回転入力操作を行う場合に、船舶推進装置用制御装置14は、船体11が左旋回するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。
また、操船者が操作部11D(タッチパネル)に対してフリック入力操作を行う場合に、船舶推進装置用制御装置14は、船体11が、姿勢を維持したまま、操船者の指がスライドさせられた向きに移動するように、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2を制御する。つまり、操船者が操作部11D(タッチパネル)に対してフリック入力操作を行うことによって、船体11の前部111と、船体11の後部112とが、並進する。
【0120】
操船者が操作部11D(タッチパネル)に対してフリック入力操作を行っていない場合(つまり、操船者の指がタッチパネルに当接していない場合)、操作部11Dは、
図3(A)に示す状態と同様の状態になる。その結果、船舶推進装置用制御装置14は、推進ユニット12A1、13A1および操舵アクチュエータ12A2、13A2に船舶1の推進力を発生させない。
【0121】
<第1適用例>
図15は第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14の第1適用例を示す図である。
図15の左側の船舶1-refは、微速モードスイッチ11E(
図1参照)を備えておらず、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後に船舶推進装置12、13が船舶1を微速で並進移動または旋回させる推進力を発生し続ける機能が備えられていない。そのため、操船者による船舶1-refの接岸作業(例えばロープで船舶1-refを桟橋に固定する作業)中に、船舶1-refが桟橋から離れてしまうおそれがある。
一方、
図15の右側の船舶1(第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用された船舶1)は、微速モードスイッチ11Eを備えており、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後に船舶推進装置12、13が船舶1を微速で並進移動または旋回させる推進力を発生し続けることができる。そのため、操船者による船舶1の接岸作業(例えばロープで船舶1を桟橋に固定する作業)中に、操船者が操作部11Dを操作しなくても、船舶1が桟橋に押し当てられた状態が維持される。その結果、
図15の右側の船舶1では、操船者が船舶1の接岸作業を容易に行うことができる。詳細には、船舶1の乗船者が1人の場合であっても、船舶1の乗船者である操船者は、ロープによる桟橋への船舶1の固定などの作業を容易に行うことができる。
【0122】
<第2適用例>
図16は第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14の第2適用例を示す図である。
図16(A)に示す例では、船舶1(第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用された船舶1)が、微速モードスイッチ11Eを備えており、船舶推進装置12、13が船舶1を微速で後進させる推進力を発生することができる。そのため、
図16(A)に示す例では、操船者がアンカー打ち(投錨作業)を容易に行うことができる。
図16(B)に示す例では、船舶1(第1から第3実施形態の船舶推進装置用制御装置14が適用された船舶1)が、微速モードスイッチ11Eを備えており、操作部11Dが位置P1に自動復帰した後に船舶推進装置12、13が船舶1を微速で前進させる推進力を発生し続けることができる。そのため、操船者による船舶1のアンカー回収作業(揚錨作業)中に、操船者が操作部11Dを操作しなくても、船舶1が微速前進を継続する。その結果、
図16(B)に示す例では、操船者がアンカー回収作業を容易に行うことができる。
【0123】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0124】
なお、上述した実施形態における船舶推進装置用制御装置14が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0125】
1…船舶、11…船体、111…前部、112…後部、11A…操舵装置、11B…リモコン装置、11C…リモコン装置、11D…操作部、11E…微速モードスイッチ、11F…微速移動継続期間設定部、P1…位置、P2…位置、P3…位置、P4…位置、P5…位置、P6…位置、P7…位置、P8…位置、P9…位置、P10…回動位置、P11…回動位置、12…船舶推進装置、12A…船舶推進装置本体、12A1…推進ユニット、12A2…操舵アクチュエータ、12AX…操舵軸、12B…ブラケット、13…船舶推進装置、13A…船舶推進装置本体、13A1…推進ユニット、13A2…操舵アクチュエータ、13AX…操舵軸、13B…ブラケット、14…船舶推進装置用制御装置、14A…移動経路算出部、14B…経過時間算出部、14C…推進力算出部