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特許7588330画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241115BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 X
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/00 530M
H04N5/74 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023155623
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2020054873の分割
【原出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2023178290
(43)【公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】林 伊織
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116689(JP,A)
【文献】特開2009-20390(JP,A)
【文献】特開2019-45549(JP,A)
【文献】特開2019-201362(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0052052(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
H04N 5/74
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタと、
前記投写対象物と、複数の前記プロジェクタによって前記投写対象物に投写されたそれぞれの前記投写画像と、を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された前記投写画像に含まれる前記領域情報に基づいて、前記投写画像の領域を示す領域画像を生成する制御部と、
前記領域画像を、前記撮像部によって撮像された前記投写対象物の撮像画像に重畳して表示する表示端末と、
を備える、画像投写システム。
【請求項2】
前記表示端末は、前記撮像部によって撮像された前記投写対象物の撮像画像に重畳して選択可能に前記領域画像を表示する、請求項1に記載の画像投写システム。
【請求項3】
前記表示端末で選択される前記領域画像に対応する前記プロジェクタを調整可能にする、請求項2に記載の画像投写システム。
【請求項4】
前記複数のプロジェクタは、自機の識別情報を含む前記投写画像を各々並べて前記投写対象物に投写する、請求項1に記載の画像投写システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記撮像部によって撮像された前記投写画像に含まれる前記識別情報に基づいて、前記投写画像と前記投写画像を投写する前記プロジェクタとの関連付けを行う、請求項4に記載の画像投写システム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記プロジェクタによって前記投写対象物に投写されるマーカーを含む、請求項4又は5に記載の画像投写システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記投写対象物に投写される前記マーカーの形状に基づいて前記領域画像を生成する、請求項6に記載の画像投写システム。
【請求項8】
前記マーカーは、二次元コードを含む、請求項6又は7に記載の画像投写システム。
【請求項9】
前記識別情報は、前記プロジェクタの光が変調されて前記プロジェクタを識別する光IDを含む、請求項4から8のいずれか一項に記載の画像投写システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記表示端末の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて前記表示端末に表示する前記領域画像を補正する、請求項1から9のいずれか一項に記載の画像投写システム。
【請求項11】
前記表示端末に表示される前記投写対象物の前記撮像画像は、前記撮像部によってリアルタイムに撮像された映像であって、
前記表示端末は、前記映像に前記領域画像を重畳して表示する、請求項1から10のいずれか一項に記載の画像投写システム。
【請求項12】
複数のプロジェクタと、前記プロジェクタの投写画像を撮像する撮像部と、前記投写画像に関する情報を表示する表示端末と、前記プロジェクタを制御する制御部と、を備える画像投写システムの制御方法であって、
自機の投写領域の領域情報を含む前記投写画像を、複数の前記プロジェクタで投写対象物に各々並べて投写する投写ステップと、
前記投写対象物と、複数の前記プロジェクタによって前記投写対象物に投写されたそれぞれの前記投写画像と、を前記撮像部で撮像する撮像ステップと、
前記プロジェクタの前記投写画像の領域を示す領域画像を、前記領域情報に基づいて前記制御部により生成する領域画像生成ステップと、
前記領域画像を、前記撮像部によって撮像された前記投写対象物の撮像画像に重畳して前記表示端末に表示する表示ステップと、
を含む、画像投写システムの制御方法。
【請求項13】
自機の投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタを制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記領域情報は、前記複数のプロジェクタによって前記投写対象物に投写されたそれぞれの前記投写画像を撮像部で撮像することにより取得した情報であり、
前記プロジェクタの前記投写画像の領域を示す領域画像を、前記領域情報に基づいて生成する領域画像生成ステップと、
前記領域画像を、前記撮像部によって撮像される前記投写対象物の撮像画像に重畳して表示端末に表示する表示ステップと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプロジェクタによって投写面に投写画像を並べて投写する画像投写システムが知られている。例えば、特許文献1では、それぞれのプロジェクタと投写面上の投写画像との関連付けを行う画像投写システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-116689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像投写システムにおいて、投写面における投写画像の領域を示す枠画像を表示端末に表示させ、操作対象となるプロジェクタについての枠画像を表示端末で選択して、当該プロジェクタを調整することが考えられる。
【0005】
しかしながら、表示端末で枠画像のみを確認して操作対象となるプロジェクタを選択するため、実際の投写対象となるスクリーンや建物等と投写画像との位置関係を表示端末上で確認することができず、プロジェクタの直感的な選択が困難となり得る。
【0006】
例えば、台数の多いマルチプロジェクションの場合や、ブレンディング処理等によって投写画像の境界が明確でない場合等では、表示端末で枠画像のみを確認して、操作対象となるプロジェクタを選択することはよりいっそう困難となり得る。
【0007】
従って、本開示の目的は、上記課題を解決することにあって、操作対象となるプロジェクタを直感的に選択でき、操作性を向上させることができる画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の画像投写システムは、自機投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタと、投写対象物と、複数のプロジェクタによって投写対象物に投写されたそれぞれの投写画像と、を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された投写画像に含まれ領域情報に基づいて、投写画像の領域を示す領域画像を生成する制御部と、領域画像を、撮像部によって撮像された投写対象物の撮像画像に重畳し表示する表示端末とを備え
【0009】
本開示の一態様の画像投写システムの制御方法は、複数のプロジェクタと、プロジェクタの投写画像を撮像する撮像部と、投写画像に関する情報を表示する表示端末と、プロジェクタを制御する制御部と、を備える画像投写システムの制御方法であって、自機の投写領域の領域情報を含む投写画像を、複数のプロジェクタで投写対象物に各々並べて投写する投写ステップと、投写対象物と、複数のプロジェクタによって投写対象物に投写されたそれぞれの投写画像と、を撮像部で撮像する撮像ステップと、ロジェクタの投写画像の領域を示す領域画像を、領域情報に基づいて制御部により生成する領域画像生成ステップと、領域画像を、撮像部によって撮像された投写対象物の撮像画像に重畳し表示端末に表示する表示ステップとを含
【0010】
本開示の一態様のプログラムは、自機投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタを制御する制御部により実行されるプログラムであって、ロジェクタの投写画像の領域を示す領域画像を、領域情報に基づいて生成する領域画像生成ステップと、領域画像を、撮像部によって撮像される投写対象物の撮像画像に重畳し表示端末に表示する表示ステップとを含
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラムによれば、操作対象となるプロジェクタを直感的に選択でき、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る実施の形態1の画像投写システムの概略構成図
図2】本開示に係る実施の形態1の画像投写システムの概略構成を示すブロック図
図3】本開示に係る実施の形態1の画像投写システムの制御方法のフローを示す概略図
図4】本開示に係る実施の形態1の操作端末の表示部の表示内容を示す概略図
図5】本開示に係る実施の形態2の画像投写システムの概略構成を示すブロック図
図6】本開示に係る実施の形態2の投写対象物に識別情報の二次元コードが投写された状態を示す模式図
図7】本開示に係る実施の形態2の画像補正方法のフローを示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の第1態様の画像投写システムは、自機の識別情報及び投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタと、投写対象物と、複数のプロジェクタによって投写対象物に投写されたそれぞれの投写画像と、を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された投写画像に含まれる識別情報に基づいて、投写画像と投写画像を投写するプロジェクタとを関連付け、領域情報に基づいて、投写画像の領域を示す領域画像を生成する制御部と、領域画像を、撮像部によって撮像された投写対象物の撮像画像に重畳して選択可能に表示する表示端末とを備え、表示端末で選択される領域画像に対応するプロジェクタを調整可能にする。
【0014】
このようなシステムにより、領域画像を投写対象物の撮像画像に重畳して表示端末に表示することで、領域画像と投写対象物の撮像画像との位置関係を表示端末で確認することができる。これにより、調整を行う投写画像に対応する領域画像を直感的に選択することができ、操作性を向上させることができる。
【0015】
本開示の第2態様の画像投写システムにおいては、識別情報は、プロジェクタによって投写対象物に投写されるマーカーを含んでもよい。
【0016】
このようなシステムにより、マーカーから投写画像の領域を算出することができ、より正確な領域の領域画像を生成することができる。
【0017】
本開示の第3態様の画像投写システムにおいては、制御部は、投写対象物に投写されるマーカーの形状に基づいて領域画像を生成してもよい。
【0018】
このようなシステムにより、プロジェクタと投写対象物との位置関係により投写画像の領域が変形している場合でも、マーカーの形状から投写画像の領域を算出することができ、より正確な領域の領域画像を生成することができる。
【0019】
本開示の第4態様の画像投写システムにおいては、マーカーは、二次元コードを含んでもよい。
【0020】
このようなシステムにより、二次元コードによって投写画像とプロジェクタとを関連付けることができると共に、投写画像の領域を算出することができる。
【0021】
本開示の第5態様の画像投写システムにおいては、識別情報は、プロジェクタの光が変調されてプロジェクタを識別する光IDを含んでもよい。
【0022】
このようなシステムにより、光IDを用いることで、視覚では判別できないように投写画像に識別情報を含ませることができる。
【0023】
本開示の第6態様の画像投写システムにおいては、制御部は、表示端末の位置情報を取得し、位置情報に基づいて表示端末に表示する領域画像を補正してもよい。
【0024】
このようなシステムにより、位置情報に基づいて領域画像を補正することで、表示端末を移動させても、識別情報に基づいて投写画像とプロジェクタとを再度関連付けることなく、表示端末に領域画像を表示させることができる。
【0025】
本開示の第7態様の画像投写システムにおいては、表示端末に表示される投写対象物の撮像画像は、撮像部によってリアルタイムに撮像された映像であって、表示端末は、映像に領域画像を重畳して表示してもよい。
【0026】
このようなシステムにより、撮像部がリアルタイムに撮像した映像を表示端末に表示することで、調整を行う投写画像に対応する領域画像をより直感的に選択することができる。
【0027】
本開示の第8態様の画像投写システムの制御方法は、複数のプロジェクタと、プロジェクタの投写画像を撮像する撮像部と、投写画像に関する情報を表示する表示端末と、プロジェクタを制御する制御部と、を備える画像投写システムの制御方法であって、自機の識別情報及び投写領域の領域情報を含む投写画像を、複数のプロジェクタで投写対象物に各々並べて投写する投写ステップと、投写対象物と、複数のプロジェクタによって投写対象物に投写されたそれぞれの投写画像と、を撮像部で撮像する撮像ステップと、撮像ステップによって撮像された投写画像に含まれる識別情報に基づいて、投写画像と投写画像を投写するプロジェクタとを制御部により関連付ける関連付けステップと、関連付けステップによって関連付けられたプロジェクタの投写画像の領域を示す領域画像を、領域情報に基づいて制御部により生成する領域画像生成ステップと、領域画像を、撮像部によって撮像された投写対象物の撮像画像に重畳して選択可能に表示端末に表示する表示ステップとを含み、表示端末で選択される領域画像に対応するプロジェクタを調整可能にする。
【0028】
このような方法により、領域画像を投写対象物の撮像画像に重畳して表示端末に表示することで、領域画像と投写対象物の撮像画像との位置関係を表示端末で確認することができる。これにより、調整を行う投写画像に対応する領域画像を直感的に選択することができ、操作性を向上させることができる。
【0029】
本開示の第9態様のプログラムは、自機の識別情報及び投写領域の領域情報を含む投写画像を各々並べて投写対象物に投写する複数のプロジェクタを制御する制御部により実行されるプログラムであって、撮像部によって撮像される投写画像に含まれる識別情報に基づいて、投写画像と投写画像を投写するプロジェクタとを関連付ける関連付けステップと、関連付けステップによって関連付けられたプロジェクタの投写画像の領域を示す領域画像を、領域情報に基づいて生成する領域画像生成ステップと、領域画像を、撮像部によって撮像される投写対象物の撮像画像に重畳して選択可能に表示端末に表示する表示ステップとを含み、表示端末で選択される領域画像に対応するプロジェクタを調整可能にする。
【0030】
このようなプログラムにより、領域画像を投写対象物の撮像画像に重畳して表示端末に表示することで、領域画像と投写対象物の撮像画像との位置関係を表示端末で確認することができる。これにより、調整を行う投写画像に対応する領域画像を直感的に選択することができ、操作性を向上させることができる。
【0031】
以下に、本開示に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
まず、図1を用いて、本実施の形態の画像投写システム1の概略構成について説明する。図1は、画像投写システム1の概略構成を示す模式図である。
【0033】
図1に示すように、画像投写システム1は、投写対象物3に投写画像5を投写する複数のプロジェクタ10と、プロジェクタ10を操作するための操作端末30とを備える。それぞれのプロジェクタ10は、例えば、無線ネットワークを介して操作端末30に接続される。
【0034】
投写対象物3は、プロジェクタ10によって投写画像5を投写可能な物体である。例えば、投写対象物3は、建物やスクリーン等である。
【0035】
画像投写システム1において、複数のプロジェクタ10は、それぞれ、投写対象物3に投写画像5を投写する。図1において、それぞれの投写画像5の外縁を太線で図示している。本実施の形態のプロジェクタ10の投写画像5は、投写対象物3において並んで配置されるようにプロジェクタ10によって投写される。例えば、投写画像5は、投写対象物3において複数方向(縦横)に並んで配置される。これにより、投写対象物3上において広範囲に投写画像5を投写することができる。
【0036】
複数のプロジェクタ10から投写されるそれぞれの投写画像5は、投写対象物3において、隣接する投写画像5の一部が互いに重複した状態となるように投写される。これにより、それぞれの投写画像5の間に投写画像5が投影されない空白部分を形成することなく、投写画像5を一体的に表示することができる。また、隣接する投写画像5において重複領域において、輝度を調整して画像の繋ぎ目を目立たなくするように、例えばブレンディング処理等が行われる。なお、複数の投写画像5のうちの一部の投写画像5において重複部分がなくてもよく、又は複数の投写画像5の全てにおいて重複部分がなくてもよい。
【0037】
投写画像5は、プロジェクタ10の識別情報7を含む。識別情報7は、投写画像5とプロジェクタ10との対応関係を識別できる情報である。本実施形態の識別情報7は、プロジェクタ10によって投写対象物3上に投写されるマーカーである。マーカーは、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コードである。
【0038】
本実施の形態の識別情報7(二次元コード)には、プロジェクタ10の投写領域の領域情報が含まれる。ここで、領域情報とは、投写画像5に表示される少なくとも3点の位置を示す情報であって、プロジェクタ10の投写領域と関連付けられる情報である。当該領域情報に基づいて、プロジェクタ10の投写領域が算出される。
【0039】
本実施の形態の操作端末30は、撮像部31(図2)と、表示部(表示端末)32と、制御部33(図2)とを備える。例えば、操作端末30は、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置である。
【0040】
撮像部31は、例えば、操作端末30に搭載されるカメラである。撮像部31は、投写対象物3及び投写画像5を撮像する。撮像部31は、投写画像5に表示される識別情報7を撮像する。
【0041】
表示部32は、例えば、操作端末30のディスプレイである。表示部32は、撮像部31によって撮像された情報を表示する。具体的には、表示部32は、撮像部31によって撮像された投写対象物3の画像(撮像画像)を表示する。さらに、表示部32は、撮像部31によって撮像された投写画像5の領域を示す枠画像52(図4)を、投写対象物3の画像(撮像画像)に重畳して表示する。例えば、当該撮像画像において重畳して表示する部分の画素を、枠画像52の情報に基づく画素とする。
【0042】
なお、表示部32に表示される投写対象物3の画像(撮像画像)は、撮像部31によってリアルタイムに撮像された映像であってもよく、当該映像に枠画像52を重畳して表示してもよい。これにより、調整を行う投写画像5に対応する枠画像52をより直感的に選択することができる。
【0043】
制御部33は、表示部32において選択される枠画像54(図4)に対応するプロジェクタ10の制御を行う。制御部33は、例えば、メモリと、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路とを備える。制御部33は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、プロジェクタ10の調整を行う。
【0044】
次に、図2を用いて、画像投写システム1のより具体的な構成について説明する。図2は、画像投写システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、操作端末30の制御部33は、情報解析部34と、関連付け部35と、枠画像生成部36と、プロジェクタ制御部37とを備える。
【0046】
情報解析部34は、撮像部31によって撮像された投写画像5に含まれる識別情報7の二次元コードを解析する。情報解析部34は、識別情報7の二次元コードを解析して、投写画像5がどのプロジェクタ10から投写されているかを識別する。
【0047】
本実施の形態の情報解析部34は、識別情報7の二次元コードの大きさから、投写対象物3の投写画像5の領域を算出する。例えば、制御部33の記憶部(図示略)には、投写画像5の領域と二次元コードの大きさとの関係が予め記憶されており、情報解析部34は、当該関係に基づいて投写画像5の領域を算出する。
【0048】
本実施の形態の情報解析部34は、投写対象物3上の投写画像5の領域の算出において、投写対象物3上に投写される二次元コードの形状をさらに用いる。情報解析部34は、二次元コードの形状が正方形形状ではなく、例えば、長方形形状や台形形状等の歪んだ形状で投写対象物3に投写されているかどうかを識別する。二次元コードの形状が歪んだ形状である場合、情報解析部34は、二次元コードの形状に応じて投写画像5の領域を補正する。
【0049】
投写画像5の領域形状と投写対象物3上に投写される二次元コードの形状とは、例えば相似の関係にある。情報解析部34は、例えば、正方形形状からの変形率(縦方向の変形率及び横方向の変形率)に基づいて、投写画像5の領域を補正する。
【0050】
関連付け部35は、情報解析部34による解析結果に基づいて、投写画像5と当該投写画像5を投写するプロジェクタ10とを関連付ける。これにより、複数の投写画像5と複数のプロジェクタ10との対応関係を把握することができる。
【0051】
枠画像生成部36は、投写画像5の領域を示す枠画像52を生成する。具体的には、枠画像生成部36は、情報解析部34が解析した投写画像5の領域に対応した、表示部32に表示する画像(枠画像52)を生成する。枠画像52の領域が明確になるように、枠画像52には外枠が表示される。
【0052】
プロジェクタ制御部37は、プロジェクタ10を制御して、プロジェクタ10によって投写される投写画像5を調整する。例えば、プロジェクタ制御部37は、投写画像5の明るさ、コントラスト、カラーマッチング、ブレンディング、歪み等を調整するためのコマンドをプロジェクタ10に送信する。
【0053】
プロジェクタ10は、投写部11と、コマンド受信部12と、画像処理部13とを備える。
【0054】
投写部11は、投写対象物3に投写画像5を投写する。コマンド受信部12は、操作端末30のプロジェクタ制御部37からのコマンドを受信する。さらに、コマンド受信部12は、受信したコマンドを画像処理部13へ送信する。
【0055】
画像処理部13は、コマンド受信部12によって受信したコマンドに基づいて、投写対象物3に投写する画像の処理を行う。画像処理部13は、入力部14と、補正部15と、出力部16とを有する。
【0056】
入力部14は、画像供給装置(図示略)から画像データを取得する。画像供給装置は、プロジェクタ10に画像データを供給する装置である。画像供給装置は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置である。画像供給装置は、例えばケーブルや無線ネットワーク等を通じて入力部14に接続される。
【0057】
補正部15は、コマンド受信部12によって受信したコマンドに基づいて、入力部14が取得した画像データを補正する。出力部16は、補正部15による補正後の画像データを投写部11へ出力する。出力部16によって出力される補正後の画像データは、投写部11によって投写対象物3に投写されて、投写対象物3上に投写画像5が表示される。
【0058】
次に、図3を用いて、画像投写システム1の制御方法について説明する。図3は、画像投写システム1の制御方法のフローを示す概略図である。
【0059】
図3に示すように、画像投写システム1の制御方法は、投写ステップST10と、撮像ステップST20と、情報解析ステップST30と、関連付けステップST40と、枠画像生成ステップST50とを含む。さらに、画像投写システム1の制御方法は、表示ステップST60と、選択ステップST70と、調整ステップST80とを含む。
【0060】
投写ステップST10において、複数のプロジェクタ10によって、自機の識別情報7を含む投写画像5を投写対象物3に各々並べて投写する。それぞれのプロジェクタ10(投写部11)は、出力部16によって出力される画像データを投写対象物3に投写する。これにより、投写対象物3上に、投写画像5が縦横に並んだ状態で表示される。投写ステップST10において、投写画像5とプロジェクタ10との関連付けを行うときに、一時的に識別情報7の二次元コードが投写され、当該関連付けが完了した後は、投写画像5において二次元コードは非表示となる。
【0061】
撮像ステップST20において、投写対象物3と、投写対象物3に投写された投写画像5とを撮像部31により撮像する。撮像ステップST20において、投写画像5の識別情報7を撮像部31により撮像する。
【0062】
情報解析ステップST30において、撮像部31により撮像された識別情報7を情報解析部34により解析する。情報解析部34による解析情報は、関連付け部35に送信される。
【0063】
関連付けステップST40において、情報解析部34による解析情報によって、投写画像5と、当該投写画像5を投写するプロジェクタ10とを関連付け部35により関連付ける。
【0064】
枠画像生成ステップST50において、関連付けステップST40によって関連付けられたプロジェクタ10の投写画像5の領域を示す枠画像52を枠画像生成部36により生成する。
【0065】
撮像ステップST20、情報解析ステップST30、関連付けステップST40、及び枠画像生成ステップST50は、複数のプロジェクタ10のそれぞれに関して順に行われる。これにより、それぞれのプロジェクタ10に関する枠画像52が生成される。
【0066】
表示ステップST60において、撮像部31によって撮像された投写対象物3の画像(撮像画像)にそれぞれのプロジェクタ10に関する枠画像52を重畳して表示部32に表示する。投写対象物3において、隣接する投写画像5の一部が互いに重複した状態となって投写される場合、対応する枠画像52も一部が互いに重複した状態で表示される。
【0067】
選択ステップST70において、操作対象となるプロジェクタ10に対応する枠画像52が、表示部32において選択される。
【0068】
調整ステップST80において、選択された枠画像54に対応するプロジェクタ10を制御する。これにより、当該プロジェクタ10によって投写される投写画像5の調整を行う。
【0069】
次に、図4を用いて、表示部32の表示内容の一例について説明する。図4は、表示部32の表示内容を示す概略図である。
【0070】
図4に示すように、表示部32は、第1表示部41と、第2表示部42と、第3表示部43と、第4表示部44とを有する。
【0071】
第1表示部41において、撮像部31によって撮像された投写対象物3の画像(撮像画像50)、及び枠画像52が表示される。第1表示部41において、枠画像52が撮像画像50上に重畳して表示される。プロジェクタ10の調整を行う際、複数の枠画像52のうち、調整を行うプロジェクタ10によって投写される投写画像5に対応する枠画像52が選択される。選択された枠画像54は、例えば、他の枠画像52の線よりも太い線で強調表示される。
【0072】
第2表示部42において、選択された枠画像54に対応するプロジェクタ10の情報が表示される。第2表示部42において、例えば、プロジェクタ10の識別番号が表示される。
【0073】
第3表示部43において、操作対象となるプロジェクタ10の調整項目が表示される。第3表示部43において、例えば、投写画像5の明るさ、コントラスト、カラーマッチング、ブレンディング、歪み補正等に関する調整項目が表示される。
【0074】
第4表示部44において、第1表示部41に表示される画像の設定情報が表示される。第4表示部44において、例えば、第1表示部41における表示モードや第1表示部41に表示するコンテンツ等の設定情報が表示される。表示モードは、例えば、撮像部31によって撮像された過去の画像を撮像画像50として表示する通常モードと、撮像部31によってリアルタイムに撮像された映像を撮像画像50として表示するARモードとを含む。
【0075】
なお、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、識別情報7は、投写画像5とプロジェクタ10との対応関係を識別できる情報であれば、二次元コードに限定されない。識別情報7は、例えば、プロジェクタ10の光が変調されてプロジェクタ10を識別する光IDを含んでいてもよい。光IDは、それぞれのプロジェクタ10に対応するIDである。光IDは、プロジェクタ10の光の点滅を用いて情報を伝達する可視光通信技術であって、プロジェクタ10から投写される光のON/OFF制御に基づいて生成される。
【0076】
光IDによって投写画像5とプロジェクタ10との対応関係を識別する場合、投写画像5の領域を算出するために、投写画像5にマーカーを投写してもよい。マーカーは、例えば、投写画像5の領域全体に一時的に表示されてもよい。マーカーの形状は、例えば、多角形形状、円形状、楕円形状等の任意の形状であってもよい。
【0077】
また、操作端末30は、撮像部31と、表示部(表示端末)32と、制御部33とを備えるとしたが、これに限定されない。例えば、撮像部31、表示部32、及び制御部33は、それぞれ独立した装置であってもよい。
【0078】
また、枠画像52は、他の画像と識別可能に表示される領域画像であればよく、例えば、外枠が表示されない画像であってもよい。
【0079】
また、撮像ステップST20、情報解析ステップST30、関連付けステップST40、及び枠画像生成ステップST50は、複数のプロジェクタ10のそれぞれに関して順に行われるとしたが、これに限定されない。撮像ステップST20、情報解析ステップST30、関連付けステップST40、及び枠画像生成ステップST50は、複数のプロジェクタ10に関して同時に行われてもよい。これにより、より効率的に枠画像52を生成することができる。
【0080】
また、識別情報7には、プロジェクタ10の投写領域の領域情報が含まれるとしたが、投写画像5は、識別情報7とは別に領域情報を含んでいてもよい。
【0081】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の画像投写システム1Aについて、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は、適宜省略する。
【0082】
図5は、画像投写システム1Aの概略構成を示すブロック図である。図6は、投写対象物3に識別情報7の二次元コードが投写された状態を示す模式図である。画像投写システム1Aにおいては、操作端末30Aの位置情報に基づいて、表示部32に表示される画像が補正される。具体的には、移動前のP1地点を基準とした識別情報7の二次元コードの座標から、移動後のP2地点を基準とした識別情報7の二次元コードの座標に座標変換を行うことで、表示部32に表示される画像が補正される。
【0083】
図5に示すように、制御部33Aは、座標取得部60と、位置情報取得部62と、座標変換部64と、画像補正部66とをさらに備える。
【0084】
座標取得部60は、移動前の操作端末30AのP1地点(図6)を基準とした識別情報7の二次元コードの座標を取得する。例えば、座標取得部60は、P1地点を基準として、識別情報7の二次元コードの四隅Q1~Q4の座標を取得する。座標取得部60は、例えば距離センサ等によって四隅Q1~Q4の座標を取得する。取得した四隅Q1~Q4の座標は記憶部(図示略)に記憶される。
【0085】
位置情報取得部62は、例えば、GPS等の衛星測位システムによって、操作端末30Aの位置情報を取得する。位置情報取得部62によって取得された位置情報は、記憶部に記憶される。位置情報取得部62は、移動前のP1地点での操作端末30Aの位置情報(第1位置情報)及び移動後のP2地点での操作端末30Aの位置情報(第2位置情報)を取得する。
【0086】
座標変換部64は、移動後のP2地点を基準とした識別情報7の二次元コードの四隅Q1~Q4の座標を算出する。座標変換部64は、座標取得部60によって取得されたP1地点を基準としたQ1~Q4の座標を、P2地点を基準としたQ1~Q4の座標に座標変換する。座標変換部64は、位置情報取得部62によって取得された第1位置情報及び第2位置情報に基づいて座標変換を行う。
【0087】
画像補正部66は、表示部32に表示される枠画像52を補正する。画像補正部66は、座標変換部64によって算出されたP2地点を基準としたQ1~Q4の座標に基づいて、表示部32に表示する画像を補正する。具体的には、画像補正部66は、P2地点を基準としたQ1~Q4の座標に基づいて、P2地点の操作端末30Aから撮像した場合に想定される二次元コードの形状及び大きさを算出する。画像補正部66は、想定される二次元コードの形状及び大きさに基づいて、移動後の操作端末30Aから撮像した場合に想定される枠画像52’を生成する。
【0088】
次に、画像補正部66による画像の補正方法の一例について、図7を用いて説明する。図7は、画像補正方法の一例のフローを示す概略図である。
【0089】
図7に示すように、画像の補正方法は、座標取得ステップST90と、第1位置情報取得ステップST91と、第2位置情報取得ステップST92と、座標変換ステップST93と、補正ステップST94とを含む。画像の補正は、例えば、操作端末30Aの位置が所定の距離以上移動した場合に行われる。
【0090】
座標取得ステップST90において、P1地点を基準とした識別情報7の二次元コードの座標を取得する。例えば、識別情報7の二次元コードの四隅Q1~Q4の座標を測定する。測定された四隅Q1~Q4の座標は、制御部33Aの記憶部に記憶される。座標取得ステップST90は、例えば、撮像ステップST20(図3)において行われる。
【0091】
第1位置情報取得ステップST91において、移動前のP1地点での操作端末30Aの位置情報(第1位置情報)を位置情報取得部62によって取得する。取得された第1位置情報は、記憶部に記憶される。
【0092】
第2位置情報取得ステップST92において、移動後のP2地点での操作端末30Aの位置情報(第2位置情報)を位置情報取得部62によって取得する。取得された第2位置情報は、記憶部に記憶される。
【0093】
座標変換ステップST93において、移動後のP2地点を基準とした識別情報7の二次元コードの四隅Q1~Q4の座標を算出する。具体的には、座標変換ステップST93において、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、P1地点を基準としたQ1~Q4の座標をP2地点を基準としたQ1~Q4の座標に変換する。
【0094】
補正ステップST94において、座標変換ステップST93によって算出されたQ1~Q4の座標に基づいて、表示部32に表示する画像(枠画像52)を補正する。
【0095】
なお、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。上述の画像の補正方法は一例であって、位置情報に基づいた他の補正方法によって画像を補正してもよい。
【0096】
また、識別情報7が二次元コードの場合について説明したが、これに限定されない。識別情報7は、例えば、投写画像5の四隅に投写されるマーカーを含んでいてもよい。P1地点を基準とした4点のマーカーの座標からP2を基準とした4点のマーカーの座標に座標変換を行い、当該座標変換の結果に基づいて画像を補正してもよい。
【0097】
また、識別情報7の二次元コードの四隅Q1~Q4の座標を用いて画像の補正を行うとしたが、画像の補正において、投写画像5に投写される識別情報7の少なくとも3点の座標を用いてもよい。
【0098】
また、画像補正部66は、操作端末30Aの位置に応じて、投写対象物3の画像(撮像画像50)をさらに補正してもよい。
【0099】
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0100】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施の形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示に係る画像投写システム、画像投写システムの制御方法、及びプログラムは、マルチプロジェクションシステムに有用である。
【符号の説明】
【0102】
1,1A 画像投写システム
3 投写対象物
5 投写画像
7 識別情報
10 プロジェクタ
11 投写部
12 コマンド受信部
13 画像処理部
14 入力部
15 補正部
16 出力部
30,30A 操作端末
31 撮像部
32 表示部
33,33A 制御部
34 情報解析部
35 関連付け部
36 枠画像生成部
37 プロジェクタ制御部
41 第1表示部
42 第2表示部
43 第3表示部
50 撮像画像
60 座標取得部
62 位置情報取得部
64 座標変換部
66 画像補正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7