(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20241115BHJP
【FI】
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2024135771
(22)【出願日】2024-08-15
【審査請求日】2024-08-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516092005
【氏名又は名称】AI inside株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康仁
(72)【発明者】
【氏名】小玉 佐和
(72)【発明者】
【氏名】東 健太朗
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200510(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187289(WO,A1)
【文献】特開2009-199444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記メモリには、ビジネスプロセスに関するデータと、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデルと、が登録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、前記ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップと、
前記ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップと、
入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップと、
前記推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップと、
算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
パラメータの入力を受け付けるステップにおいて、前記ユーザから、現在または過去の実績データをパラメータとして受け付け、
前記プログラムは、さらに、
受け付けた実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成するステップを実行させ、
予測モデルの選択を受け付けるステップにおいて、生成した予測モデルを提示し、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルとして選択を受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
算出した経済的インパクトを前記ユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、算出した経済的インパクトを評価する評価ロジックを前記ユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記プログラムは、さらに、
算出した経済的インパクトと他の経済的インパクトとの比較を行って比較結果を作成するステップを実行させ、
算出した経済的インパクトを前記ユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、作成した比較結果を前記ユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
算出した経済的インパクトを前記ユーザに提示するステップにおいて、自然言語処理による自然言語で、算出した経済的インパクトのレポートを作成して提示する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
算出した経済的インパクトを前記ユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトの粒度を前記ユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
ビジネスプロセスの選択を受け付けるステップにおいて、選択されたビジネスモデルにおける課題の入力を受け付け、
経済的インパクトを算出するステップにおいて、入力された課題に応じた経済的インパクトを算出する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
ビジネスプロセスの選択を受け付けるステップにおいて、選択されたビジネスモデルにおける課題の入力を自然言語により受け付け、前記課題に対して自然言語処理による解釈を行い、
経済的インパクトを算出するステップにおいて、入力された課題に対して自然言語処理により解釈された結果に応じた経済的インパクトを算出する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
制御部と、メモリとを備える情報処理装置であって、
前記メモリには、ビジネスプロセスに関するデータと、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデルと、が登録されており、
前記制御部は、
ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、前記ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップと、
前記ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップと、
入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップと、
前記推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップと、
算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項10】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、
前記メモリには、ビジネスプロセスに関するデータと、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデルと、が登録されており、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、前記ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップと、
前記ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップと、
入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップと、
前記推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップと、
算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AI(人工知能)技術の発展に伴い、AIを利用した各種のサービス、例えば各種のデータから将来についての各種の予測を行うようなサービスが提供されている。
【0003】
特許文献1には、商品の在庫量を最適化する在庫最適化システムにおいて、商品の損失推定を行い、その推定結果である売り逃しデータと過去の販売実績データとに基づいて商品の需要予測を行い、商品の在庫を最適化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなAIを利用した将来の予測、例えば需要予測は、トレーディング、リソースの配分最適化、生産計画、予算計画等の判断材料として利用されている。しかし、このような需要予測では、その結果により生じる、需要予測に使用される予測モデルが実際の業務プロセスに与えるインパクトについて評価できないため、予測の結果が実際のトレーディング等のアクションに対する意思決定に結びついているとは、必ずしもいえないのが現状である。
【0006】
そこで、本開示では、予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施の形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。メモリには、ビジネスプロセスに関するデータと、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデルと、が登録されている。プログラムは、プロセッサに、ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップと、ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップと、ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップと、入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップと、推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップと、算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、ユーザに提示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、入力されたパラメータを含むデータに基づき、ビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。これにより、当該予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態に係る業務改善支援システム1の全体の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のビジネスプロセスデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】
図3のパラメータデータベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】
図3の予測モデルデータベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【
図7】
図3の算出インパクトデータベース2024のデータ構造の例を示す図である。
【
図8】業務改善支援システム1による経済的インパクト算出処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】端末装置10に表示するビジネスプロセス受付の画面例を示す図である。
【
図10】端末装置10に表示する課題受付の画面例を示す図である。
【
図11】端末装置10に表示する実績データ入力受付の画面例を示す図である。
【
図12】端末装置10に表示する予測モデル受付の画面例を示す図である。
【
図13】端末装置10に表示する経済的インパクト提示の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0012】
本開示において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0013】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアの組合せである。
【0014】
<概要>
以下、本開示に係る業務改善支援システムについて説明する。本開示に係る業務改善支援システムは、例えば、ユーザの事業に係るビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用されるシステムである。この業務改善支援システムは、ユーザからビジネスプロセスの選択入力を受け付け、将来の予測を行うための実績データをパラメータとして受け付け、予測に使用する予測モデルの選択を受け付けると、ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。また、業務改善支援システムは、他の経済的インパクトと比較可能に、ユーザに提示する。本開示に係る業務改善支援システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、ユーザが所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0015】
ところで、上記のようなAIを利用した将来の予測による予測結果は、その結果により生じる、将来の予測に使用される予測モデルが、実際の業務プロセスに与えるインパクトについて評価できない、という課題がある。具体的には、このような将来の予測による予測結果が、どのような経済的インパクト、例えば売上等の金額、損失の金額、売り逃しや廃棄となる在庫数、時間等に与える影響が評価できない、という状況である。そのため、予測結果が、実際のトレーディング等のアクションに対する意思決定に結びついているとは、必ずしもいえないのが現状である。
【0016】
そこで、本開示に係る業務改善支援システムは、ユーザからビジネスプロセスの選択入力を受け付け、将来の予測を行うためのパラメータ(例えば、過去の実績データ)を受け付け、将来の予測に使用する予測モデルの選択を受け付けると、ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出し、他の経済的インパクトと比較可能にユーザに提示する、という構成となっている。
【0017】
このような構成により、本開示に係る業務改善支援システムを利用することで、当該予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価することが可能になる。これにより、ユーザによる実際のトレーディング等のアクションに対する意思決定に結びつけることが期待できるので、予測結果を有効活用することを可能にしている。
【0018】
<実施の形態>
以下、本開示の実施の形態に係る業務改善支援システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0019】
<1 業務改善支援システム1の全体構成>
図1は、本開示の実施の形態に係る業務改善支援システム1の全体の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、業務改善支援システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施の形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0020】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を利用して業務改善支援システム1の機能である、ユーザの事業に係る将来の予測を行う者であり、事業者である企業の従業者等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC(ノートPC)等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0021】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0022】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
サーバ20は、予測モデルの選択を受け付け、ビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する装置である。サーバ20は、ユーザからビジネスプロセスの選択入力を受け付け、将来の予測を行うための実績データをパラメータとして受け付け、将来の予測に使用する予測モデルの選択を受け付ける。サーバ20は、入力されたパラメータに基づく、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。さらに、サーバ20は、算出した経済的インパクトを、他の経済的インパクトと比較可能に、ユーザに提示する。
【0024】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0025】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の業務改善支援システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、ディスプレイ140と、記憶部150と、制御部160とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0027】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0028】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0029】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部160へ与える。
【0030】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0031】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部160へ出力する。
【0032】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ140に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部160へ出力する。
【0033】
ディスプレイ140は、制御部160の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ140は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0034】
記憶部150は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部150は、ユーザ情報151を記憶する。
【0035】
ユーザ情報151は、端末装置10を利用して業務改善支援システム1の機能である、ユーザの事業に係る将来の予測を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名、住所等、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれてもよい。
【0036】
制御部160は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部150に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部160は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部160は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部161と、送受信部162と、データ処理部163と、通知制御部164としての機能を発揮する。
【0037】
入力操作受付部161は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0038】
送受信部162は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0039】
データ処理部163は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0040】
通知制御部164は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部164は、表示画像をディスプレイ140に表示させる処理等を行う。
【0041】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の業務改善支援システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0042】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0043】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ビジネスプロセスデータベース2021と、パラメータデータベース2022と、予測モデルデータベース2023と、算出インパクトデータベース2024等を記憶する。
【0044】
ビジネスプロセスデータベース2021は、業務改善支援システム1を利用して将来の予測をする際にユーザが選択する、ユーザの事業に係るビジネスプロセスに関するデータが登録されて保持するためのデータベースである。ユーザの事業に係るビジネスプロセスに関するデータとは、例えば、製造計画、販売計画、在庫計画のようなビジネスプロセスにおける課題とその解決手段とを含むデータである。詳細は後述する。
【0045】
パラメータデータベース2022は、業務改善支援システム1を利用して将来の予測をする際にユーザが入力する、ユーザの事業に係るビジネスプロセスで使用されるパラメータのデータが登録されて保持するためのデータベースである。ビジネスプロセスで使用されるパラメータとは、例えば、予測の対象となるビジネスプロセスの実績データである。詳細は後述する。
【0046】
予測モデルデータベース2023は、業務改善支援システム1を利用してビジネスプロセスにおける将来の予測をする際に使用される、予測モデルのデータが登録されて保持するためのデータベースである。予測モデルとは、例えば、ビジネスプロセスの実績データに基づいて学習が行われた学習モデルであり、実績データを入力データとして、当該ビジネスプロセスについて将来の予測をするための学習モデルである。予測モデルは、例えば、適切な学習を行わせた任意の機械学習モデル、深層学習モデル、人工知能モデルの他、ルールベースモデル等でもよい。詳細は後述する。
【0047】
算出インパクトデータベース2024は、業務改善支援システム1を利用して将来の予測をする際に算出される、経済的インパクトのデータを保持するためのデータベースである。経済的インパクトとは、例えば予測の対象であるビジネスプロセスにおける売上等の金額、損失の金額、売り逃しや廃棄となる在庫数、時間等に与える影響を示すデータである。詳細は後述する。
【0048】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033、実績データ入力受付モジュール2034、予測モデル生成モジュール2035、予測モデル選択受付モジュール2036、経済的インパクト算出モジュール2037、比較結果生成モジュール2038、及び提示モジュール2039に示す機能を発揮する。
【0049】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0050】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0051】
ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付ける処理を制御する。ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、業務改善支援システム1を利用して将来の予測、例えば需要予測をするユーザからの操作により、当該ユーザが使用する端末装置10へ、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されている、例えば、製造計画、販売計画、在庫計画等のビジネスプロセスに関するデータを送信してユーザに提示する。そして、予測をするユーザは端末装置10を操作して、提示されているビジネスプロセスの中から、予測をするビジネスプロセスを選択する入力を行ってサーバ20へ送信するので、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、端末装置10から送信されたビジネスプロセスの選択情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0052】
ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、ユーザからの入力により、選択されたビジネスプロセスにおける課題の入力を受け付けてもよい。ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、需要予測をするユーザからビジネスプロセスの選択を受け付けると、当該ユーザが使用する端末装置10へ、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されている、効率化、コスト削減等のビジネスプロセスにおける課題のデータを送信してユーザに提示する。そして、需要予測をするユーザは端末装置10を操作して、提示されている課題の中から、需要予測をするビジネスプロセスにおける課題を選択する入力を行ってサーバ20へ送信するので、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、端末装置10から送信されたビジネスプロセスにおける課題の情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0053】
ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、上記のように、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されているビジネスプロセス、または課題をユーザに提示してその選択を受け付けてもよい。また、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、ユーザから自然言語によりビジネスプロセス、または課題の入力を受け付け、受け付けたビジネスプロセスまたは課題に対して自然言語処理による解釈を行ってもよい。
【0054】
実績データ入力受付モジュール2034は、ユーザから、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033で選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付ける処理を制御する。実績データ入力受付モジュール2034は、需要予測をするユーザからビジネスプロセスの選択を受け付けると、当該ユーザが使用する端末装置10へ、ビジネスプロセスで使用されるパラメータデータの入力を促すメッセージを送信してユーザに提示する。そして、需要予測をするユーザは端末装置10を操作して、ビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を行ってサーバ20へ送信するので、実績データ入力受付モジュール2034は、端末装置10から送信されたパラメータデータを、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0055】
実績データ入力受付モジュール2034が受け付けるパラメータデータは、例えば、需要予測を行うビジネスプロセスにおける現在または過去の実績データでもよい。ビジネスプロセスにおける実績データとは、例えば、ユーザに係るビジネスプロセスが製造計画の場合における製造実績データ(製造品目、製造数、不良品率等のデータ)、販売計画の場合における販売実績データ(販売品目、販売数量、値引き率等のデータ)、在庫計画の場合における在庫実績データ(在庫品目、数量、欠品数量、廃棄数量等のデータ)である。また、パラメータデータは、後述するシナリオごとに受け付けてもよく、シナリオにより定義されたデータ(実績データ)であってもよい。
【0056】
実績データ入力受付モジュール2034が受け付けるパラメータデータのデータ形式は、CSV形式で作成されたファイルでもよく、表計算ソフト等で作成されたファイルでもよい。
【0057】
実績データ入力受付モジュール2034は、受け付けたパラメータデータを、例えば、パラメータデータベース2022に登録して記憶させる。
【0058】
予測モデル生成モジュール2035は、実績データ入力受付モジュール2034が受け付けた実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成する処理を制御する。予測モデル生成モジュール2035は、任意の機械学習アルゴリズム、深層学習アルゴリズム等により、実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成する。予測モデル生成モジュール2035は、例えば、製造実績データ、販売実績データ、在庫実績データ等の実績データを教師データとして、教師あり機械学習を行う。予測モデル生成モジュール2035が生成する予測モデルは、単一の学習モデルである必要はなく、ビジネスプロセス、課題ごとに複数の独立した学習モデルを切り替えて実現してもよい。
【0059】
予測モデル生成モジュール2035は、実績データを、例えば、パラメータデータベース2022から読み出して取得し、学習データとして使用する。また、予測モデル生成モジュール2035は、その他のデータ、例えば天候データ、交通量等のデータを、学習データとして使用してもよい。予測モデル生成モジュール2035は、生成した予測モデルのデータを、例えば、予測モデルデータベース2023に登録して記憶させる。
【0060】
予測モデル選択受付モジュール2036は、ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付ける処理を制御する。予測モデル選択受付モジュール2036は、需要予測をするユーザからの操作により、当該ユーザが使用する端末装置10へ、予測モデルデータベース2023に登録されている、例えば、製造計画、販売計画、在庫計画等の予測モデルのデータを送信してユーザに提示する。そして、需要予測をするユーザは端末装置10を操作して、提示されている予測モデルの中から、需要予測をするビジネスプロセスに使用する予測モデルを選択する入力を行ってサーバ20へ送信するので、予測モデル選択受付モジュール2036は、端末装置10から送信された予測モデルの選択情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0061】
予測モデル選択受付モジュール2036は、予測モデルをユーザに提示する際、予測モデル生成モジュール2035が生成した予測モデルを提示してもよく、あらかじめ登録されている予測モデルを提示してもよい。
【0062】
経済的インパクト算出モジュール2037は、ユーザにより入力されたパラメータに基づき、ユーザにより選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行う処理を制御する。経済的インパクト算出モジュール2037は、予測モデル選択受付モジュール2036にてユーザにより選択された予測モデルに基づき、当該予測モデルを使用して将来の予測(推論)を行う。そのため、パラメータデータ(実績データ)の粒度に応じた算出が行われることになる。このとき、経済的インパクト算出モジュール2037は、予測モデル選択受付モジュール2036にてユーザにより選択された予測モデルの精度、すなわち実績データ入力受付モジュール2034が受け付けたパラメータデータ(実績データ)の精度に基づき、当該予測モデルを使用して将来の予測(推論)を行ってもよい。経済的インパクト算出モジュール2037による将来の予測は、具体的には、製品等の製造量の予測、販売量の予測、在庫状況の予測等が挙げられるが、これらに限られない。
【0063】
また、経済的インパクト算出モジュール2037は、当該予測モデルを使用した将来の予測(推論)の結果に基づき、ユーザにより選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する処理を制御する。経済的インパクト算出モジュール2037は、例えば、推論の結果に対して所定の演算を行い、当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。経済的インパクト算出モジュール2037による将来の予測は、具体的には、製品等の製造量の予測結果から算出される出荷量や出荷金額、販売量の予測結果から算出される売上高や販売コスト、必要な人員数、人件費、在庫状況の予測結果から算出される在庫ロット数、在庫コスト、在庫管理に必要な人員数、人件費等が挙げられるが、これらに限られない。
【0064】
経済的インパクト算出モジュール2037は、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けたビジネスプロセスについて、当該ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。このとき、経済的インパクト算出モジュール2037は、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けたビジネスプロセスにおける課題に対応する、当該ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出してもよい。
【0065】
経済的インパクト算出モジュール2037は、算出した経済的インパクトを、自然言語処理による解釈を行って、自然言語処理による自然言語で、算出した経済的インパクトのレポートを作成してもよい。
【0066】
比較結果生成モジュール2038は、経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトと、他の経済的インパクトとの比較を行って比較結果を作成する処理を制御する。他の経済的インパクトとは、過去に経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトでもよく、実績データ入力受付モジュール2034が受け付けた異なるパラメータ(例えば、時期、条件等が異なる実績データ)による予測モデルにより算出した経済的インパクトでもよく、人力で算出した経済的インパクトでもよい。
【0067】
比較結果生成モジュール2038は、比較結果を、自然言語処理による解釈を行って、自然言語処理による自然言語で、経済的インパクトの比較結果のレポートを作成してもよい。
【0068】
提示モジュール2039は、経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、ユーザに提示する処理を制御する。提示モジュール2039は、他の経済的インパクトと比較可能にするため、算出した経済的インパクトと他の経済的インパクトとを並列に提示してもよく、比較結果生成モジュール2038が作成した比較結果を提示してもよい。
【0069】
提示モジュール2039は、経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、算出した経済的インパクトを評価する評価ロジックを提示してもよい。経済的インパクトの評価ロジックとは、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けたビジネスプロセス、または課題に沿った評価であり、具体的には在庫、コスト等の増減、効率化による工数の増減等である。提示モジュール2039は、評価ロジックを、自然言語処理による解釈を行って、自然言語処理による自然言語で、経済的インパクトの評価ロジックを作成してもよい。
【0070】
提示モジュール2039は、経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、選択された予測モデルによるシナリオを提示してもよい。予測モデルによるシナリオとは、ビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けたビジネスプロセス、または課題の条件であり、例えば、ある実績(例えば、販売量、在庫状況等)について、当該実績についての条件がそのまま維持された場合の予測/条件が変化した場合の予測、等である。条件が変化した場合の予測とは、具体的には、天候が変化した場合、あるイベントが開催/中止された場合、交通量が所定の要因(工事等)により増加/減少した場合、等である。提示モジュール2039は、シナリオを、自然言語処理による解釈を行って、自然言語処理による自然言語で、予測モデルによるシナリオを作成してもよい。
【0071】
提示モジュール2039は、経済的インパクト算出モジュール2037が算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトの粒度を提示してもよい。経済的インパクトの粒度とは、実績データ入力受付モジュール2034が受け付けたパラメータに基づくものであり、具体的には時系列データの時間単位、金額、時間等の算出単位、正確性、等を示すものである。
【0072】
<2 データ構造>
図4は、
図3のビジネスプロセスデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5は、
図3のパラメータデータベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6は、
図3の予測モデルデータベース2023のデータ構造の例を示す図である。また、
図7は、
図3の算出インパクトデータベース2024のデータ構造の例を示す図である。
【0073】
図4に示すように、ビジネスプロセスデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ビジネスプロセス(BP)ID」と、項目「業務名称」と、項目「課題名称」と、項目「課題文章テンプレ」等を含む。
【0074】
項目「ビジネスプロセス(BP)ID」は、業務改善支援システム1に登録されている、ビジネスプロセスそれぞれを識別する情報である。
【0075】
項目「業務名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、ビジネスプロセスの名称である。項目「業務名称」には、例えば、「製造計画」、「販売計画」、「在庫計画」等のビジネスプロセスを示す名称が格納されている。
【0076】
項目「課題名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、ビジネスプロセスにおける課題の名称である。項目「課題名称」には、例えば、「製造計画策定の標準化」、「商品管理の改善」、「在庫コストの改善」等のビジネスプロセスにおける課題を示す名称が格納されている。
【0077】
項目「課題文章テンプレ」は、業務改善支援システム1に登録されている、ビジネスモデル、またはビジネスプロセスにおける課題を自然言語により文章化したテキストデータである。項目「課題文章テンプレ」には、例えば、格納されているビジネスプロセス、または課題を文章化したテキストデータとして、「製造時のプロセス向上によって標準化されて・・・」等のテキストデータが格納されている。このテキストデータは、自然言語処理を行うためのテンプレートとして使用してもよい。
【0078】
図5に示すように、パラメータデータベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ企業・氏名」と、項目「パラメータデータ名称」と、項目「パラメータデータ」等を含む。
【0079】
項目「ユーザID」は、業務改善支援システム1に登録されている、業務改善支援システム1を利用して将来の予測をするユーザそれぞれを識別する情報である。
【0080】
項目「ユーザ企業・氏名」は、業務改善支援システム1に登録されている、業務改善支援システム1を利用して予測をするユーザの所属企業、及びユーザの氏名である。
【0081】
項目「パラメータデータ名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、ユーザから受け付けたパラメータデータ(実績データ)の名称である。項目「パラメータデータ名称」には、例えば、「製造実績データ」、「拠点別販売実績データ」等のパラメータデータの内容を示す名称が格納されている。
【0082】
項目「パラメータデータ」は、業務改善支援システム1に登録されている、ユーザから受け付けたパラメータデータ(実績データ)である。項目「パラメータデータ」には、例えば、項目「パラメータデータ名称」に対応する実際のパラメータデータ、またはパラメータデータが格納されている格納先へのリンクが格納されている。
【0083】
サーバ20の実績データ入力受付モジュール2034は、パラメータデータを受け付けることに伴って、パラメータデータベース2022の項目「パラメータデータ名称」、項目「パラメータデータ」にレコードを追加する。
【0084】
図6に示すように、予測モデルデータベース2023のレコードのそれぞれは、項目「予測モデルID」と、項目「予測モデル名称」と、項目「学習データ名称」と、項目「学習データ」等を含む。
【0085】
項目「予測モデルID」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測を行うために使用する予測モデルそれぞれを識別する情報である。
【0086】
項目「予測モデル名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測を行うために使用する予測モデルの名称である。項目「予測モデル名称」には、例えば、「製造計画最適化モデル」、「顧客需要予測モデル」等の予測モデルの内容を示す名称が格納されている。
【0087】
項目「学習データ名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測を行うために使用する予測モデルの学習に使用されたパラメータデータ(実績データ)の名称であり、パラメータデータベース2022の項目「パラメータデータ名称」に対応している。
【0088】
項目「学習データ」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測を行うために使用する予測モデルの学習に使用されたパラメータデータ(実績データ)であり、パラメータデータベース2022の項目「パラメータデータ」に対応している。
【0089】
図7に示すように、算出インパクトデータベース2024のレコードのそれぞれは、項目「結果ID」と、項目「算出結果名称」と、項目「シナリオ名称」と、項目「シナリオデータ」等を含む。
【0090】
項目「結果ID」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測により算出した経済的インパクトそれぞれを識別する情報である。
【0091】
項目「算出結果名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測により算出した経済的インパクトの名称である。項目「算出結果名称」には、例えば、「製造計画最適化結果」、「顧客需要予測結果」等の経済的インパクトの内容を示す名称が格納されている。
【0092】
項目「シナリオ名称」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測により算出した経済的インパクトの条件となるシナリオの名称である。項目「シナリオ名称」には、例えば、「現状予測データ」、「顧客維持データ」等の経済的インパクトのシナリオを示す名称が格納されている。
【0093】
項目「シナリオデータ」は、業務改善支援システム1に登録されている、予測により算出した経済的インパクトの条件となるシナリオのデータである。項目「シナリオデータ」には、例えば、項目「シナリオ名称」に対応する実際のシナリオデータ、またはシナリオデータが格納されている格納先へのリンクが格納されている。
【0094】
サーバ20の経済的インパクト算出モジュール2037は、経済的インパクトを算出することに伴って、算出インパクトデータベース2024にレコードを追加する。
【0095】
<3 動作>
以下、
図8を参照しながら、本開示の実施の形態に係る業務改善支援システム1による経済的インパクト算出処理(方法)について説明する。
【0096】
図8は、業務改善支援システム1による経済的インパクト算出処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS101において、サーバ20のビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、業務改善支援システム1を利用して将来の予測をするユーザからの操作により、当該ユーザが使用する端末装置10へ、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されている、例えば、製造計画、販売計画、在庫計画等のビジネスプロセスに関するデータを送信してディスプレイ140に表示させ、ユーザに提示する。そして、ステップS101では、ユーザが端末装置10を操作して、提示されているビジネスプロセスの中から、予測をするビジネスプロセスを選択する入力を行ってサーバ20へ送信するので、端末装置10から送信されたビジネスプロセスの選択情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0098】
ステップS102において、サーバ20の実績データ入力受付モジュール2034は、ステップS101で予測をするユーザからビジネスプロセスの選択を受け付けると、当該ユーザが使用する端末装置10へ、ビジネスプロセスで使用されるパラメータデータの入力を促すメッセージを送信してディスプレイ140に表示させ、ユーザに提示する。そして、ステップS102では、ユーザが端末装置10を操作して、ビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を行ってサーバ20へ送信するので、端末装置10から送信されたパラメータデータを、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0099】
ステップS103において、サーバ20の予測モデル生成モジュール2035は、ステップS102で受け付けた実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成する。ステップS103では、任意の機械学習アルゴリズム、深層学習アルゴリズム等により、実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成する。
【0100】
ステップS104において、サーバ20の予測モデル選択受付モジュール2036は、予測をするユーザからの操作により、当該ユーザが使用する端末装置10へ、予測モデルデータベース2023に登録されている、例えば、製造計画、販売計画、在庫計画等の予測モデルのデータを送信してディスプレイ140に表示させ、ユーザに提示する。そして、ステップS104では、ユーザが端末装置10を操作して、提示されている予測モデルの中から、予測をするビジネスプロセスに使用する予測モデルを選択する入力を行ってサーバ20へ送信するので、端末装置10から予測モデルの選択情報を、通信部201を介して受信することで受け付ける。
【0101】
ステップS105において、サーバ20の経済的インパクト算出モジュール2037は、ステップS104でユーザにより選択された予測モデルに基づき、当該予測モデルを使用して将来の予測(推論)を行う。そして、当該予測モデルを使用した将来の予測(推論)の結果に基づき、所定の演算を行い、ユーザにより選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。ステップS105では、ステップS101で受け付けたビジネスプロセスについて、当該ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出する。
【0102】
ステップS106において、サーバ20の比較結果生成モジュール2038は、ステップS105で算出した経済的インパクトと、他の経済的インパクトとの比較を行って比較結果を作成する。ステップS106では、例えば、他の経済的インパクトとして、過去に算出した経済的インパクト、異なるパラメータ(例えば、時期、条件等が異なる実績データ)による予測モデルにより算出した経済的インパクト、人力で算出した経済的インパクトとの比較を行って比較結果を作成する。
【0103】
ステップS107において、サーバ20の提示モジュール2039は、ステップS105で算出した経済的インパクトと、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトとを、当該ユーザが使用する端末装置10へ送信してディスプレイ140に表示させ、比較可能にユーザに提示する。ステップS107では、ステップS106で作成した比較結果を提示してもよく、経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトを評価する評価ロジック、選択された予測モデルによるシナリオ、算出した経済的インパクトの粒度を提示してもよい。
【0104】
以上のように、業務改善支援システム1では、ユーザからビジネスプロセスの選択入力を受け付け、将来の予測を行うためのパラメータデータ(例えば、過去の実績データ)を受け付けると、受け付けたパラメータデータに基づいて予測モデルを生成し、将来の予測に使用する予測モデルの選択を受け付けると、ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出し、他の経済的インパクトと比較可能にユーザに提示する。これにより、当該予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価することが可能になる。
【0105】
<4 画面例>
以下、
図9ないし
図13を参照しながら、業務改善支援システム1による経済的インパクト算出処理の各画面例について説明する。
【0106】
図9は、端末装置10に表示するビジネスプロセス受付の画面例を示す図である。
図9の画面例は、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるために表示された状態の画面例を示す。
図8のステップS101に相当する。
【0107】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ140には、ビジネスプロセス受付画面1411が表示されている。このビジネスプロセス受付画面1411には、ユーザへの指示情報として、業務選択指示表示欄1412が表示されている。また、サーバ20のビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けるビジネスプロセスの選択肢として、ビジネスプロセス選択欄1413,1414,1415が設けられている。ビジネスプロセス選択欄1413,1414,1415は、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されているビジネスプロセスに対応している。ユーザは、ビジネスプロセス選択欄1413,1414,1415のいずれかを押下することにより、ビジネスプロセスを選択することができる。
【0108】
図10は、端末装置10に表示する課題受付の画面例を示す図である。
図10の画面例は、ユーザの事業に係るビジネスプロセスにおける課題の選択を受け付けるために表示された状態の画面例を示す。
図8のステップS101に相当する。
【0109】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ140には、課題受付画面1421が表示されている。この課題受付画面1421には、ユーザへの質問情報として、課題選択質問表示欄1422が表示されている。また、サーバ20のビジネスプロセス選択受付モジュール2033が受け付けるビジネスプロセスにおける課題の選択肢として、課題選択欄1423,1424が設けられている。ビジネスプロセス選択受付モジュール2033は、
図10に示すように、自然言語処理によりビジネスプロセスにおける課題の質問文を生成してもよい。課題選択欄1423,1424は、ビジネスプロセスデータベース2021に登録されているビジネスプロセスに対応してもよく、自然言語処理により生成してもよい。ユーザは、課題選択欄1423,1424のいずれかを押下することにより、ビジネスプロセスを選択することができる。
【0110】
図11は、端末装置10に表示する実績データ入力受付の画面例を示す図である。
図11の画面例は、ビジネスプロセスで使用されるパラメータ(実績データ)の入力を促すために表示された状態の画面例を示す。
図8のステップS102に相当する。
【0111】
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ140には、実績データ入力受付画面1431が表示されている。この実績データ入力受付画面1431には、ユーザへの指示情報として、実績データ入力指示表示欄1432が表示されている。また、サーバ20の実績データ入力受付モジュール2034が受け付けるための選択肢として、アップロード選択欄1433,1434が設けられている。アップロード選択欄1433,1434は、実績データのアップロードを行うか否かをユーザに質問しているものである。ユーザが「はい」と表示されているアップロード選択欄1433を押下することにより、実績データのアップロードが開始され、「いいえ」と表示されているアップロード選択欄1434を押下することにより、実績データのアップロードが開始されずに、例えば前画面に戻る画面遷移が行われる。
【0112】
図12は、端末装置10に表示する予測モデル受付の画面例を示す図である。
図12の画面例は、ユーザにより選択されたビジネスプロセスにおける需要予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるために表示された状態の画面例を示す。
図8のステップS104に相当する。
【0113】
図12に示すように、端末装置10のディスプレイ140には、予測モデル受付画面1441が表示されている。この予測モデル受付画面1441には、ユーザへの指示情報として、予測モデル説明表示欄1442が表示されている。また、サーバ20の予測モデル選択受付モジュール2036が受け付ける予測モデルの選択肢として、予測モデル選択欄1443,1444が設けられている。予測モデル選択受付モジュール2036は、
図12に示すように、自然言語処理により予測モデルの説明文を生成してもよい。ユーザは、予測モデル選択欄1443,1444のいずれかを押下することにより、予測モデルを選択することができる。
【0114】
図13は、端末装置10に表示する経済的インパクト提示の画面例を示す図である。
図13の画面例は、ユーザの事業に係るビジネスプロセスに与える経済的インパクトを提示するために表示された状態の画面例を示す。
図8のステップS107に相当する。
【0115】
図13に示すように、端末装置10のディスプレイ140には、インパクト提示画面1451が表示されている。このインパクト提示画面1451には、ユーザへの提示情報として、経済的インパクト表示欄1452が表示されている。ユーザは、経済的インパクト表示欄1452を参照することにより、当該予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを把握することができる。
【0116】
<小括>
以上のように、本実施の形態によると、ユーザからビジネスプロセスの選択入力を受け付け、将来の予測を行うためのパラメータデータ(例えば、過去の実績データ)を受け付けると、受け付けたパラメータデータに基づいて予測モデルを生成する。そして、将来の予測に使用する予測モデルの選択を受け付けると、ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出し、他の経済的インパクトと比較可能にユーザに提示する。そのため、本開示に係る業務改善支援システムを利用することで、当該予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価することが可能になる。これにより、ユーザによる実際のトレーディング等のアクションに対する意思決定に結びつけることが期待できるので、予測の予測結果を有効活用することが可能になる。
【0117】
また、ユーザから自然言語によりビジネスプロセス、または課題の入力を受け付けて自然言語処理による解釈を行う。また、算出した経済的インパクトを、自然言語処理による解釈を行って、自然言語処理による自然言語で、算出した経済的インパクトのレポートを作成する。これにより、ユーザは自然言語により経済的なインパクトを評価することが可能になる。
【0118】
以上、開示に係る実施の形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施の形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0119】
<付記>
以上の各実施の形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0120】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、メモリ25には、ビジネスプロセスに関するデータ(2021)と、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデル(2023)と、が登録されており、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップ(S101)と、ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップ(S102)と、ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップ(S104)と、入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップ(S105)と、推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップ(S105)と、算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップ(S107)と、を実行させる、プログラム。
【0121】
(付記2)パラメータの入力を受け付けるステップにおいて、ユーザから、現在または過去の実績データをパラメータとして受け付け、プログラムは、さらに、受け付けた実績データに基づく学習を行い、予測モデルを生成するステップ(S103)を実行させ、予測モデルの選択を受け付けるステップにおいて、生成した予測モデルを提示し、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルとして選択を受け付ける、(付記1)に記載のプログラム。
【0122】
(付記3)算出した経済的インパクトをユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、算出した経済的インパクトを評価する評価ロジックを前記ユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0123】
(付記4)プログラムは、さらに、算出した経済的インパクトと他の経済的インパクトとの比較を行って比較結果を作成するステップ(S105)を実行させ、算出した経済的インパクトをユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトのレポートとして、作成した比較結果を前記ユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0124】
(付記5)算出した経済的インパクトを前記ユーザに提示するステップにおいて、自然言語処理による自然言語で、算出した経済的インパクトのレポートを作成して提示する、(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0125】
(付記6)算出した経済的インパクトをユーザに提示するステップにおいて、算出した経済的インパクトとともに、算出した経済的インパクトの粒度を前記ユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0126】
(付記7)ビジネスプロセスの選択を受け付けるステップにおいて、選択されたビジネスモデルにおける課題の入力を受け付け、経済的インパクトを算出するステップにおいて、入力された課題に応じた経済的インパクトを算出する、(付記1)に記載のプログラム。
【0127】
(付記8)ビジネスプロセスの選択を受け付けるステップにおいて、選択されたビジネスモデルにおける課題の入力を自然言語により受け付け、課題に対して自然言語処理による解釈を行い、経済的インパクトを算出するステップにおいて、入力された課題に対して自然言語処理により解釈された結果に応じた経済的インパクトを算出する、(付記7)に記載のプログラム。
【0128】
(付記9)制御部203と、メモリ(記憶部202)とを備える情報処理装置であって、メモリには、ビジネスプロセスに関するデータ(2021)と、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデル(2023)と、が登録されており、制御部203は、ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップ(S101)と、ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップ(S102)と、ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップ(S104)と、入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップ(S105)と、推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップ(S105)と、算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップ(S107)と、を実行する、情報処理装置。
【0129】
(付記10)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、メモリ25には、ビジネスプロセスに関するデータ(2021)と、ビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用される予測モデル(2023)と、が登録されており、方法は、プロセッサ29が、ユーザからの入力により、登録されているビジネスプロセスの中から、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップ(S101)と、ユーザから、選択されたビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップ(S102)と、ユーザからの入力により、登録されている予測モデルの中から、選択されたビジネスプロセスにおける将来の予測を行うために使用する予測モデルの選択を受け付けるステップ(S104)と、入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップ(S105)と、推論の結果に基づき、選択されたビジネスプロセスにおいて当該予測モデルを使用した場合のビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップ(S105)と、算出した経済的インパクトを、当該ビジネスプロセスに対して算出された他の経済的インパクトと比較可能に、前記ユーザに提示するステップ(S107)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0130】
1 :業務改善支援システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :ディスプレイ
150 :記憶部
151 :ユーザ情報
160 :制御部
161 :入力操作受付部
162 :送受信部
163 :データ処理部
164 :通知制御部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :ビジネスプロセスデータベース
2022 :パラメータデータベース
2023 :予測モデルデータベース
2024 :算出インパクトデータベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :ビジネスプロセス選択受付モジュール
2034 :実績データ入力受付モジュール
2035 :予測モデル生成モジュール
2036 :予測モデル選択受付モジュール
2037 :経済的インパクト算出モジュール
2038 :比較結果生成モジュール
2039 :提示モジュール
【要約】 (修正有)
【課題】予測モデルを導入した場合の経済的なインパクトを評価するプログラム、情報処理装置及び方法提供する。
【解決手段】業務改善支援システムにおいて、サーバは、ビジネスプロセスに関するデータと、ビジネスプロセスにおける需要予測を行うために使用される予測モデルと、が登録され、ユーザの事業に係るビジネスプロセスの選択を受け付けるステップと、ビジネスプロセスで使用されるパラメータの入力を受け付けるステップと、選択されたビジネスプロセスの将来の予測を行う予測モデルの選択を受け付けるステップと、入力されたパラメータを含むデータに基づき、選択されたビジネスプロセスにおける当該予測モデルを使用した推論を行うステップと、推論の結果に基づき、ビジネスプロセスに与える経済的インパクトを算出するステップと、算出した経済的インパクトを、他の経済的インパクトと比較可能に、ユーザに提示するステップと、を実行させる。
【選択図】
図8