(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】物
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20241115BHJP
B60R 1/28 20220101ALI20241115BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
B60R1/28 200
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2022013899
(22)【出願日】2022-02-01
(62)【分割の表示】P 2017091659の分割
【原出願日】2017-05-02
【審査請求日】2022-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩二
【合議体】
【審判長】河端 賢
【審判官】八木 誠
【審判官】青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-244614(JP,A)
【文献】特開2016-57822(JP,A)
【文献】登録実用新案第3189566(JP,U)
【文献】実開昭55-93792(JP,U)
【文献】特開平8-270638(JP,A)
【文献】特開2000-337350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R9/00-11/06, 1/00-1/04, 1/08-1/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを有する本体を車両のガラス面に取付可能とし、カメラを有する本体の向きを調整可能な物であって、
第一部材と第二部材とを備え、
前記第一部材の一面は前記車両のガラス面に貼り付ける貼付け面を備え、
前記第一部材と第二部材
とが蝶番状に回動する軸である一軸回りで回動可能であると共に、当該一軸
とねじれの位置にある軸でカメラを有する本体を回転可能に保持する
リング部を備え、前記リング部は前記第二部材に一体的に備えられ、前記第二部材の回動に伴い
前記第二部材と一体的に移動す
ること
を特徴とするカメラを有する本体の向きを調整可能な物。
【請求項2】
前記一
軸回りに前記第一部材を回動させて前記第二の部材との間の相対的な傾きを調整した上で、締め付けネジを締め付けて調整された傾きの関係を維持する構成としたこと
を特徴とするカメラを有する本体の向きを調整可能な請求項1に記載の物。
【請求項3】
前記カメラを有する本体は車室内を撮影可能なドライブレコーダであること
を特徴とするカメラを有する本体の向きを調整可能な請求項1または2に記載の物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、機器の設置などに関わる物等に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダーを保持するブラケットを、両面テープを用いて車両のフロントガラスに貼り付ける技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、従来よりも、調整をより容易にすること等を目的とする。
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されており、この課題を解決するための構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)取付部材の貼付面側を被着体の被着面に貼り付けることにより、前記取付部材に保
持させた機器を、前記被着体に対して設置する際に、前記取付部材と前記被着体との間に介在させる物であって、前記貼付面と前記被着面とのなす角度を変更し得る構造を備えること、を特徴とする物。
【0006】
この様にすれば、従来よりも、調整をより容易にすることができる。例えば、「貼付面と被着面とのなす角度を変更し得る物を取付部材と被着体との間に介在させること」により、例えば、被着体に取付部材を貼り付ける段階から機器の向きの調整をすることができる。ここで、取付部材の貼付面側を介在する物を介して被着体の被着面側に貼り付ける方法は、例えば、ボンド等の接着剤を用いて直接貼り付ける方法、両面テープを用いて間接的に貼り付ける方法のどちらとすることもできる。両面テープを用いると特によい。両面テープは接着層の厚さを均一にし易く、取付部材と被着体との角度を調整するという趣旨に対して、より適合する貼付方法ということができる。また、機器を保持する位置は、取付部材を被着体に貼り付けたときに機器と被着体とが干渉することのない位置であればよく、貼付面の反対側の面はもちろん、取付部材が十分な厚さを有していたり被着体が柱状であるなどの場合は取付部材の側面とすることができる。加えて、貼付面、介在させる物、及び被着面は、両面テープなどを介在させて互いに貼り付けることができる関係にあればよく、貼付面、介在させる物、及び被着面は、例えば、平面、凹凸を有する面、曲面、これらを組み合わせた面、等で構成することができる。また、取付部材の貼付面自体を被着体の被着面に貼り付け可能な構成とするとよい。例えば被着体が平面であれば取付部材の貼付面自体を平面とするとよい。このようにすれば被着体に取付部材を貼り付ける段階での機器の向きの調整が不要な場合などには、直接取付部材の貼付面自体を被着体の被着面に貼り付けることでより安定的な取り付けができるとともに、被着体に取付部材を貼り付ける段階での機器の向きの調整が必要な場合などには、角度の調整が従来よりも容易になる。特に前記貼付面の法線を第一の軸としてその軸周りに機器を回転させて被着体へ取り付け可能な構成であって、機器側には前記第一の軸とは異なる軸である第二の軸の軸周りに機器を回転させる構造を備えるとき、優れた効果を発揮する。このような構成によれば機器側に2軸についての回転機構等を設けることなく、3軸のいずれについても、調整が可能となる。この3軸は直交した3軸とするとよい。
【0007】
(2)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面とを備え、前記第1面と前記第2面が相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0008】
この様にすれば、取付部材の貼付面を被着体の被着面に対して傾けた状態に貼り付けることができる。この傾きは、例えば第1面と第2面の傾きの大きさによって設定することができる。例えば、より大きく傾かせたい場合は、第1面と第2面の傾きが大きな物を用いることができる。第1面は取付部材の貼付面に対して例えば両面テープ等を用いて貼り付けることができる面となっていればよく、第2面は被着体の被着面に対して例えば両面テープ等を用いて貼り付けることができる面となっていればく、第1面及び第2面は、例えば、平面、凹凸を有する面、曲面、これらを組み合わせた面、等で構成することができる。特に平面とするとよい。
【0009】
(3)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面とを備え、前記第1面と前記第2面が2軸回りに相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0010】
この様にすれば、取付部材の貼付面を被着体の被着面に対して2軸回りに傾かせた関係となる様に貼り付けることができる。ここで、取付部材に保持させる際に、あるいは保持した後に、所定軸回りに機器を回転させることができる場合、3軸方向の傾きを利用して、機器を所望の方向に向かせることができる。
【0011】
(4)前記取付部材の貼付面と前記被着体の被着面との間隔を徐々に変化させる様に、厚さを徐々に変化させた構造を備えていること、を特徴とする物。
【0012】
この様にすれば、取付部材を被着体に無理なく貼り付けることができる。例えば、段階的に間隔を変化させる場合には、例えば両面テープを用いると両面テープに浮いた部分が生じるおそれがあるが、徐々に間隔を変化させることで、取付部材及び被着体に対する両面テープの密着性を高めることができる。これにより、取付部材の貼付面及び被着体の被着面に対して両面テープを用いて貼り付ける場合に、剥がれにくくすることができる。
【0013】
(5)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面とを間隔を保って接合する接合部を有し、前記第1面と前記第2面が相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0014】
この様にすれば、取付部材と被着体の傾き関係を安定させることができる。ここで、接合部は、第1面と第2面の周縁を接合する側壁、第1面と第2面の周縁以外の部分を接合するリブ、側壁とリブの両方を備えるもの、側壁の内側に空間や空隙を有しないもの、等とすることができる。
【0015】
(6)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面とを間隔を保って接合する接合部を有し、前記第1面と前記第2面が2軸回りに相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0016】
この様にすれば、取付部材と被着体とを2軸回りに傾かせて安定した状態に貼り付けることができる。ここで、接合部は、第1面と第2面の周縁を接合する側壁、第1面と第2面の周縁以外の部分を接合するリブ、側壁とリブの両方を備えるもの、側壁の内側に空間や空隙を有しないもの、等とすることができる。
【0017】
(7)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面の周縁を間隔を保って接合する側壁を有し、前記第1面と前記第2面が相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0018】
この様にすれば、取付部材と被着体の傾き関係を、より一層安定させることができる。ここで、側壁は、第1面及び第2面の周縁を全周に渡って接合するもの、周方向に一部切断されたもの、等とすることができる。また、第1面及び第2面の一方又は両方を方形枠やリング状としたもの、一部切断された方形枠やリング状としたもの、等とすることができる。また、この物自体を、側壁の高さ方向に複数パーツとしたもの、側壁の幅方向に複数パーツとしたもの、等とすることができる。
【0019】
(8)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面の周縁を間隔を保って接合する側壁を有し、前記第1面と前記第2面が2軸回りに相対的に傾きあった関係を有していること、を特徴とする物。
【0020】
この様にすれば、取付部材と被着体とを2軸回りに傾かせて、より一層安定した状態に貼り付けることができる。ここで、側壁は、第1面及び第2面の周縁を全周に渡って接合するもの、周方向に一部切断されたもの、等とすることができる。また、第1面及び第2面の一方又は両方を方形枠やリング状としたもの、一部切断された方形枠やリング状としたもの、等とすることができる。また、この物自体を、側壁の高さ方向に複数パーツとしたもの、側壁の幅方向に複数パーツとしたもの、等とすることができる。
【0021】
(9)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第
1面と前記第2面の周縁を間隔を保って接合する側壁を有し、前記第1面及び前記第2面が方形形状を呈し相対的に傾きあった関係を有する六面体状に構成されていること、を特徴とする物。
【0022】
この様にすれば、傾きの方向を容易に把握することができ、取付部材と被着体との間に的確に介在させることができる。
【0023】
(10)前記取付部材側に位置する第1面と、前記被着体側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面の周縁を間隔を保って接合する側壁を有し、前記第1面及び前記第2面が方形形状を呈し2軸回りに相対的に傾きあった関係を有する六面体状に構成されていること、を特徴とする物。
【0024】
この様にすれば、2軸回りに対する複雑な傾きを容易に把握することができ、取付部材と被着体との間に的確に介在させることができる。
【0025】
(11)前記貼付面側の面内に収まる様に、当該貼付面よりも小面積に構成されていること、を特徴とする物。
【0026】
この様にすれば、貼付面からはみ出すことなく適宜箇所に介在させることができる。例えば、被着体の被着面が湾曲している様な場合に、被着体と取付部材とを干渉させることなく貼り付ける際に介在させる位置の自由度、湾曲を利用した傾き調整の自由度、等を増大させることができる。
【0027】
(12)前記貼付面側の面内に収まる様に当該貼付面よりも小面積に構成された中心部分と、該中心部分の回りに位置する縁部分とを備え、該縁部分が前記中心部分よりも易圧縮性を備えていること、を特徴とする物。
【0028】
この様にすれば、中心部の介在位置以外においても取付部材と被着体との間の空間を埋めることができる。ここで、縁部分は、中心部分の縁の全周に渡って備えるもの、中心部分の縁の一部に備えるもの、中心部分と一体としたもの、中心部分と別体としたもの、中心部分の縁に接触するもの、中心部分の縁に接触しないもの、等とすることができる。また、縁部分は、貼付面の縁に収まり得るもの、貼付面の縁に達し得るもの、貼付面の縁をはみ出し得るもの、等とすることができる。特に縁部分は貼付面の縁をはみ出さず縁に至る構成とするとよく、特に縁部分を貼付面の縁をはみ出さず縁に至るよう取り付けた際に、中心部分が縁部分の内部で任意の回転位置へ回転可能な大きさの空間を備えるとよい。
【0029】
(13)前記取付部材側に位置する第1部材と、前記被着体側に位置する第2部材と、前記第1部材と第2部材とを相対的に回動可能となる様に連結すると共に、前記第1部材と第2部材の回動状態を維持した状態とする回動維持部材を備えていること、を特徴とする物。
【0030】
この様にすれば、取付部材と被着体との相対的な向きを変更したり、変化させたりすることができる。ここで、第1部材と第2部材が1軸回りで回動可能に連結された蝶番状のもの、第1部材と第2部材が1軸回りで回動可能であると共に、当該回動軸に交差する軸に対して第1部材及び第2部材の一方又は両方が回転可能とされたもの、等とすることができる。
【0031】
(14)前記取付部材と前記機器との間に、前記機器の前記取付部材に対する相対的な向きを調整する向き調整部材を備えていること、を特徴とする物。
【0032】
この様にすれば、機器と被着体との相対的な向きを、より大きく調整することができる。ここで、向き調整部材は、取付部材側に備えさせたもの、機器側に備えさせたもの、取付部材側にも機器側にも備えさせたもの、等とすることができる。
【0033】
(15)前記機器がデータ取得部材を備える機器であって、前記取付部材と前記機器との間に、前記データ取得部材の前記取付部材に対する相対的な向きを調整するデータ取得方向調整部材を備えているたこと、を特徴とする物。
【0034】
この様にすれば、機器によるデータ取得方向を的確に調整することができる。ここで、(3),(6),(8),(10)のいずれかの構成をも備えさせれば、機器によるデータ取得方向を3軸回りに調整することができる。また、データ取得方向調整部材は、取付部材側に備えさせたもの、機器側に備えさせたもの、取付部材側にも機器側にも備えさせたもの、等とすることができる。
【0035】
例えば、「前記機器がドライブレコーダーである」とき、取付部材に対するドライブレコーダーの向きの調整に限界があったとしても、(1)~(13)のいずれかの構成を備えて取付部材と被着体との傾きを調整することにより、ドライブレコーダーをより的確な撮影範囲に向かせることができる。
【0036】
例えば、「前記被着体が車両のフロントガラスである」とき、フロントガラスの端近くの湾曲がきつい位置に機器を設置する場合であっても、(1)~(13)のいずれかの構成を備えて取付部材と被着体との傾きを調整することにより、機器をより的確な方向に向かせることができる。
【0037】
例えば、「前記機器がドライブレコーダーであり、前記被着体が車両のフロントガラスである」とき、取付部材に対する向きの調整に限界があるドライブレコーダーをフロントガラスの端近くの湾曲がきつい位置に設置する場合であっても、(1)~(13)のいずれかの構成を備えて取付部材と被着体との傾きを調整することにより、ドライブレコーダーをフロントガラスの端近くの湾曲がきつい位置に設置する場合であっても、ドライブレコーダーをより的確な撮影範囲に向かせることができる。
【0038】
車両のフロントガラスは、車両の外観・居室空間といったデザインとの関係もあり、上下方向にも左右方向にも湾曲し、特に上下方向の端や左右方向の端に近付くほど湾曲がきつくなる傾向にあるということができる。こうした中で、前方視界の確保等の観点から、車両のフロントガラスに対して機器を設置し得る範囲は、こうした湾曲のきつい端の近くにならざるを得ない状況にあるということができる。また、車両のフロントガラスに設置する機器には、衝突防止装置のためのセンサ類など様々な機器が増加による設置範囲の制限に加えて、雨滴やスモークガラスなどの影響を避けるという観点からも、ドライブレコーダーをフロントガラスの上部の左右の端に近い湾曲がよりきつい位置に設置せざるを得ない傾向にあるということができる。加えて、ドライブレコーダーは、前方を向かせて車外を撮影する目的以外に、後方を向かせて車内を撮影する目的で設置する場合もあるということができる。この結果、車両のフロントガラスに設置するドライブレコーダーが向きの調整により多くの自由度が求められるのに対し、(1)~(13)のいずれかの構成、特に、(3),(6),(8),(10)のいずれかの構成をも備えさせれば、ドライブレコーダーの設置に当たっての向きの調整の自由度を高めることができる。
【0039】
例えば、「前記取付部材が、前記貼付面を有する取付板と、該取付板の前記貼付面とは反対側に設けられ、前記機器を回転可能に保持するリング部とを備えた取付用ブラケットであって、該取付用ブラケット、前記間に介在させる物、及び前記フロントガラスの三者を両面テープで接着固定する構造」を備えているとき、(1)~(13)のいずれかの構
成を備えて取付部材と被着体との傾きを調整することにより、ドライブレコーダーの向きの調整範囲を拡大することができる。この場合、特に、(3),(6),(8),(10)のいずれかの構成をも備えさせれば、ドライブレコーダーの向きの調整範囲を、より一層拡大することができる。
【0040】
(16)前記機器がドライブレコーダーであり、前記被着体が車両のフロントガラスであり、前記取付部材が、前記貼付面を有する取付板と、該取付板の前記貼付面とは反対側に設けられ、前記ドライブレコーダーを回転可能に保持するリング部とを備えた取付用ブラケットであって、該取付用ブラケット、前記間に介在させる物、及び前記フロントガラスの三者を両面テープで接着固定する構造を備えていること、を特徴とする物。
【0041】
この様にすれば、ドライブレコーダーを車両のフロントガラスの制限された範囲に設置する際に、ドライブレコーダーによる撮影範囲の調整に関する自由度を高めることができる。ここで、取付部材に対するドライブレコーダーの保持部分にボールジョイントを用いて撮影方向調整の自由度を高めることができる。なお、車両の前方を撮影方向とする場合、リング部で回転可能に保持する取付用ブラケットの方がボールジョイントを用いる構成よりもドライブレコーダーとフロントガラスの間の距離を小さくすることができる。これにより、フロントガラスへの車内の写り込み等の影響を抑制することができる。
ドライブレコーダーに限らず特にフロントガラスに取り付ける機器に有益である。特にドライブレコーダーのときに有益である。
【0042】
上述した(1)から(16)までの発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)の全部または一部の構成を備えずに他の(2)から(16)までの少なくともいずれか1つの構成を備えたものとしてもよい。但し特に、(1)の構成の全部または一部を備えて、(2)から(16)までの少なくともいずれか1つの構成と組み合わせを備えるとよい。また(1)から(16)までの少なくとも1つから任意の構成要素を抽出し、組み合わせてもよい。本願出願人はこれらのような構成についても特許権を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、例えば、従来よりも、調整をより容易にすることができる。
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】実施の形態の前提技術を示し、(A)は車室内から見た正面図、(B)は取付ブラケットに装着したドライブレコーダーの斜視図、(C)は取付ブラケットに両面テープを貼り付ける様子を示す斜視図、(D)は取付ブラケットをフロントガラスに貼り付ける様子を示す側面図、(E)はフロントガラスに貼り付けた取付ブラケットにドライブレコーダーを装着して進行方向に対する上下方向角度を調整する様子を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態を示し、(A)は実施形態としてのスペーサの斜視図、(B)は他の実施形態としてのスペーサの斜視図、(C)は小面積スペーサの課題を示す説明図、(D)はさらに他の実施形態としての小面積スペーサの斜視図、(E)はさらに他の実施形態を説明する説明図、(F)~(H)は実施形態の効果を説明する斜視図、(I)はさらに他の実施形態のスペーサを示す斜視図である。
【
図3】実施例1を示し、(A)は車室内から見た正面図、(B)はスペーサの斜視図、(C)はa-a線で切断した状態の模式図、(D)はb-b線で切断した状態の模式図である。
【
図4】実施例2を示し、(A)は車室内から見た正面図、(B)はスペーサの斜視図、(C)はa-a線で切断した状態の模式図、(D),(E)はb-b線で切断した状態の模式図である。
【
図5】実施例3を示し、(A)はスペーサの斜視図、(C)はa-a線で切断した状態の模式図、(D)はb-b線で切断した状態の模式図、(E)~(G)はフロントガラス前方から見た斜視図である。
【
図6】実施例4を示し、(A)はスペーサの斜視図、(B)は取付位置で垂直方向に切断した状態の模式図、(C)はフロントガラス前方から見た斜視図、(D)はフロントガラス前方から見た変形例の斜視図である。
【
図7】実施例5を示し、(A)は車室内から見た正面図、(B)はスペーサの側面図、(C)は取付位置で水平方向に切断した状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態として、ドライブレコーダーを車両のフロントガラスに設置する実施例を説明する。
【0046】
[前提技術]
まず、実施例の前提となる技術について説明する。
図1(A)に示す様に、ドライブレコーダーA等の機器は、法的にフロントガラスの上部20%以内の取り付けが義務付けられている。ドライブレコーダーAの取り付けに当たっては、
図1(B)に示す様に、ナットBを緩めて本体から取付ブラケットCを取り外す。次に、
図1(C)に示す様に、取付ブラケットCの貼付面Dに両面テープEを貼り付け、
図1(D)に示す様に、両面テープEにてフロントガラスFの被着面Gに対して取付ブラケットCを貼り付ける。その後、
図1(E)に示す様に、取付ブラケットCにドライブレコーダーAを装着し、レンズを進行方向の撮影した方向に向け、ナットBを締めて固定する。ここで、取付ブラケットCは、貼付面Dを有する取付板C1と、取付板C1の貼付面Dとはの反対側に設けられ、ドライブレコーダーAを回転可能に保持するリング部C2と、を備えている。
【0047】
[前提技術における課題]
最近の新型車両では、フロントガラス中央付近上部にADAS装置が標準で搭載されており、だんだん大型化(機能が増加)してきている。そのため、中央付近にドライブレコーダの取り付けが難しくなり、取り付けが車両の隅に取り付けるしかなくなってきている車両が増えつつある。ピロー付近はTVアンテナもあり、また、ワイパーのふき取り範囲から外れてしまい事実上取り付ける位置もかなり限られてしまっている。また、フロントガラスの左右の隅に付けた場合、フロントガラス形状が隅に行くほど湾曲しているため、カメラレンズ向きが外側に向いてしまう。前提技術におけるドライブレコーダーAにおいては、カメラレンズ方向は上下に可変はできるが左右にできないため、フロントガラスの隅に取り付けられた場合、反対側が映像範囲から外れてしまう。これを解消するために、単純にボールジョイントなどの向きを変えるために機構を追加してしまうと、どうしてもガラス面と本体の間が機構追加のためあいてしまい、デジカメ型のドライブレコーダのように下にぶら下がったような形状になってしまう。
【0048】
[前提技術の課題を解決するための手段]
ブラケットとガラスの間にスペーサを取り付けカメラレンズ方向の向きを変える。
加速度センサの左右方向、前後方向を合わせることもできるようになる。
スペーサであれば、最小限のスペースで構成ができ、ガラス面と本体の間もさほどあかない。
スペーサは、ガラス面が垂直方向の面であれば、1軸方向での回転ベクトル変換のスペーサSPC1(
図2(A)参照)で問題が無いが、ガラス面が、傾斜しているため、2軸
方向での回転ベクトル変換するためのスペーサSPC2(
図2(B)参照)が必要となる。
[拡張アイディア]
スペーサをブラケット-ガラス面取り付け面積より小さくし、ブラケットとスペーサの位置関係により(貼り付け位置により)傾きの調整を行う。その際に、
図2(C)に示す様に、ブラケット部分の長さが長いため、貼り付けることができなくなるため、4隅の高さを0以上とする必要がある(スペーサSPC3;
図2(D)参照)。
[さらに少し拡張アイディア]
拡張アイディアだと、ブラケット貼り付け面より貼り付け面の面積が小さくなるためガラス面に貼り付けた場合、ガラス外側から段差が見えてしまう。
そのため、
図2(E)に示す様に、隙間に収縮性の材質部材をいれ、きれいに見えるようにする(スペーサSPC4;
図2(E)参照)。
[追加アイディア]
直行する軸の変換が3軸あればいいと考えると、1軸目の変換は、
図2(F)に示す様に、ドライブレコーダのカメラ上下向ける変換とし、2軸目の変換を、
図2(G)に示す様に、上記アイディアの1軸の変換とし、3軸目の変換を、
図2(H)に示す様に、フロントガラスに取り付ける時に回転して貼り付けることとすることができる。ここで、2軸目について、蝶番を利用すると自由度が増す(スペーサSPC5;
図2(I)参照。)。
【実施例1】
【0049】
実施例1は、実施形態と同様のドライブレコーダーAを、実施形態と同様の取付ブラケットCを用いて、取付ブラケットCの取付板C1とフロントガラスFの間にスペーサSPC1を介在させ、
図3(A)に示す様に、車両のフロントガラスFの上部20%以内の範囲内の運転席側の端部に取り付ける例を説明するものである。
【0050】
スペーサSPC1は、
図3(B)に示す様に、三角形状の側面SPC1aと方形状の後端面SPC1bとを備える楔形状となっていて、後端面SPC1bの両端の高さが、h1L=h1Rの関係に構成されている。この結果、スペーサSPC1の上面(第1面又は第2面)と下面(第2面又は第1面)は1つの軸(前端)を中心として相対的に傾き合った関係となっている。
【0051】
実施例1では、
図3(C),(D)に示す様に、取付板C1の貼付面DとフロントガラスFの被着面Gとの間に、両面テープE,スペーサSPC1及び両面テープHを介在させ、貼付面Dと反対側にドライブレコーダーAの保持用のリング部C2を備えた取付ブラケットCを設置する。このとき、ドライブレコーダーAをフロントガラスFの中央付近を向かせることができる様に、後端面SPC1bをフロントガラス中央側に向かせた状態でスペーサSPC1を介在させる。これにより、リング部C2の中心軸AX0が第1軸AX1の回りで回転し、その後に装着するドライブレコーダーAの撮影方向をフロントガラス中央に向けることができる。
【実施例2】
【0052】
実施例2も、実施形態と同様のドライブレコーダーAを、実施形態と同様の取付ブラケットCを用いて、取付ブラケットCの取付板C1とフロントガラスFの間にスペーサSPC2を介在させ、
図4(A)に示す様に、車両のフロントガラスFの上部20%以内の範囲内の運転席側の端部に取り付ける例を説明するものである。
【0053】
スペーサSPC2は、
図4(B)に示す様に、三角形状の側面SPC2aと方形状の後端面SPC2bとを備える楔形状となっていて、後端面SPC2bの両端の高さが、h2L>h2Rの関係に構成されている。この結果、スペーサSPC2の上面(第1面又は第2面)と下面(第2面又は第1面)は2つの軸(上面と下面が三次元空間内で交差する2
直線。一方は前端。)の回りに相対的に傾き合った関係となっている。
前端の延長線に交差する直線)の回りに相対的に傾き合った関係となっている。
【0054】
実施例2においても、
図4(C)に示す様に、取付板C1の貼付面DとフロントガラスFの被着面Gとの間に、両面テープE,スペーサSPC2及び両面テープHを介在させ、貼付面Dと反対側にドライブレコーダーAの保持用のリング部C2を備えた取付ブラケットCを設置する。このとき、ドライブレコーダーAをフロントガラスFの中央付近を向かせることができる様に、後端面SPC2bをフロントガラス中央側に向かせた状態でスペーサSPC2を介在させる。これにより、リング部C2の中心軸AX0が第1軸AX1の回りで回転し、その後に装着するドライブレコーダーAの撮影方向をフロントガラス中央に向けることができる。
【0055】
実施例2では、上述の様に、上面と下面が2軸回りに相対的に傾き合った関係となっていることから、
図4(D),(E)に示す様に、水平軸AX2の回りにも取付ブラケットCを傾かせることができる。このとき、後端面SPC2bの長い方の垂線を上に向けるか下に向けるかにより、フロントガラスFの傾斜に応じて水平軸回りの傾き量の調整をすることもできる。
【実施例3】
【0056】
実施例3も、実施形態と同様のドライブレコーダーAを、実施形態と同様の取付ブラケットCを用いて、取付ブラケットCの取付板C1とフロントガラスFの間にスペーサSPC3を介在させ、
図5(A)に示す様に、車両のフロントガラスFの上部20%以内の範囲内の運転席側の端部に取り付ける例を説明するものである。
【0057】
スペーサSPC3は、
図5(B)に示す様に、各面が方形とされた六面体状を呈し、上面(第1面又は第2面)と下面(第2面又は第1面)の四隅の高さが、h3L1>h3R1>h3L2>h3R2の関係に構成されている。この結果、スペーサSPC3の上面と下面は2つの軸(上面と下面が三次元空間内で交差する2直線。)の回りに相対的に傾き合った関係となっている。なお、スペーサSPC3は、
図5(D)に示す様に、取付ブラケットCの貼付面Dよりも小面積に構成されている。
【0058】
実施例3においても、
図5(C)に示す様に、取付板C1の貼付面DとフロントガラスFの被着面Gとの間に、両面テープE,スペーサSPC3及び両面テープHを介在させ、貼付面Dと反対側にドライブレコーダーAの保持用のリング部C2を備えた取付ブラケットCを設置する。このとき、ドライブレコーダーAをフロントガラスFの中央付近を向かせることができる様に、後端面SPC3bをフロントガラス中央側に向かせた状態でスペーサSPC3を介在させる。これにより、リング部C2の中心軸AX0が第1軸AX1の回りで回転し、その後に装着するドライブレコーダーAの撮影方向をフロントガラス中央に向けることができる。
【0059】
実施例3では、上述の様に、上面と下面が2軸回りに相対的に傾き合った関係となっていることから、
図5(D)に示す様に、水平軸AX2の回りにも取付ブラケットCを傾かせることができる。
【0060】
実施例3では、さらに、スペーサSPC3が六面体状で取付ブラケットCの貼付面Dよりも小面積となっているから、
図5(C),(D)に示す様に、フロントガラスFの湾曲のきつい箇所に取付板C1を干渉させない様に、貼付面Dの右端下寄りに寄せて介在させることもできる。加えて、
図5(F),(G)に示す様に、貼付面Dに対する貼付位置を変更したり、貼り付ける際に回転させたりすることにより、フロントガラスFに対する取付ブラケットCの傾きをさらに種々に調整することができる。
【実施例4】
【0061】
実施例4も、実施形態と同様のドライブレコーダーAを、実施形態と同様の取付ブラケットCを用いて、取付ブラケットCの取付板C1とフロントガラスFの間にスペーサSPC4を介在させ、車両のフロントガラスFの上部20%以内の範囲内の運転席側の端部に取り付ける例を説明するものである。
【0062】
スペーサSPC4は、
図6(A)に示す様に、実施例3のスペーサSPC3と同様に各面が方形とされた六面体状を呈し、上面(第1面又は第2面)と下面(第2面又は第1面)の四隅の高さを異ならせた関係に構成されると共に、取付ブラケットの貼付面よりも小面積に構成された中心部分SPC4aと、その回りに位置すると共に貼付面の縁に達する縁部分SPC4bとを一体化したものである。なお、中心部分SPC4aは、例えば、合成ゴムなどで形成され、縁部分SPC4bは中心部分SPC4aよりも易圧縮性を有する素材(例えば、発泡ポリウレタンなど)で形成されている。また、縁部分SPC4bは、中心部分SPC4aの最も高い角に達する同一の厚さを有したものを用いている。
【0063】
実施例4においても、
図6(B)に示す様に、取付板C1の貼付面DとフロントガラスFの被着面Gとの間に、両面テープE,スペーサSPC4及び両面テープH4aを介在させ、貼付面Dと反対側にドライブレコーダーAの保持用のリング部C2を備えた取付ブラケットCを設置する。本実施例では、両面テープEは貼付面Dと同じ面積のものを、両面テープH4aは中心部分SPC4aの上面と同じ面積のものを用いる。この結果、フロントガラスFの被着面Gに対しては、中心部分SPC4aがしっかりと貼り付いた状態となり、縁部分SPC4bは、中心部分SPC4aの高さの低い部分では圧縮された状態となる。
【0064】
ここで、中心部分SPC4aと縁部分SPC4bとを一体化したスペーサSPC4はを貼付面Dに貼り付けた状態は、前方からは
図6(C)の様に見えるが、中心部分SPC4a、縁部分SPC4b、及び両面テープHに同色のものを採用することにより、縁部分SPC4bが圧縮されて被着面Gに密着することから、フロントガラスFの前方からの見え方は、貼付面Dに対応する面積の同色部分となり、違和感を与え難くすることができる。
【0065】
なお、
図6(D)に示す様に、中心部分SPC4aと縁部分SPC4bとを別体としておき、中心部分SPC4aの下面と同一面積の両面テープE4aを用いて貼付面Dに中心部分SPC4aだけ貼り付けておき、縁部分SPC4bは貼付面Dに貼り付けないでフロントガラスFとの間に挟み込むだけにしてもよい。
【実施例5】
【0066】
実施例5も、
図7(A)に示す様に、実施形態と同様のドライブレコーダーAを、実施形態と同様の取付ブラケットCを用いて、取付ブラケットCの取付板C1とフロントガラスFの間にスペーサSPC5を介在させ、車両のフロントガラスFの上部20%以内の範囲内の運転席側の端部に取り付ける例を説明するものである。
【0067】
スペーサSPC5は、
図7(B)に示す様に、回動軸SPC5aの下端と上端で接線方向に伸びる平板状の第1部材SPC5b及び第2部材SPC5cを備え、回動軸SPC5aの回りに第1部材SPC5b,第2部材SPC5cを回動させて相対的な傾きを調整した上で、締め付けネジSPC5dを締め付けて調整された傾きの関係を維持する様にして用いることができるものである。
【0068】
実施例5においても、
図7(C)に示す様に、取付板C1の貼付面DとフロントガラスFの被着面Gとの間に、両面テープE,スペーサSPC5及び両面テープHを介在させ、
貼付面Dと反対側にドライブレコーダーAの保持用のリング部C2を備えた取付ブラケットCを設置する。
【0069】
この際、
図7(A),(C)に示す様に、スペーサSPC5の第1部材SPC5aと第2部材SPC5bの相対的な傾きを変更することにより、フロントガラスFに対して設置する箇所に応じた介在のさせ方により、リング部C2の中心軸AX0を回動軸SPC5aの回りで回転させ、設置箇所が相違していても、その後に装着するドライブレコーダーAの撮影方向をフロントガラス中央に向けることができる。なお、
図7(B)の左端に示した様に、第1部材SPC5aと第2部材SPC5bを平行な状態にすることもできる結果、スペーサSPC5が嵩張ることなくドライブレコーダーの付属部品として梱包することもできる。
【0070】
[変形例]
各実施例では、取付ブラケットCの貼付面DへのスペーサSPC1等の貼り付け、フロントガラスFの被着面GへのスペーサSPC1等の貼り付けに当たり、「両面テープを用いて間接的に貼り付ける方法」を例示したが、「ボンド等の接着剤を用いて直接貼り付ける方法」としてもよい。なお、実施例の様に、「両面テープを用いる方法」は、接着層の厚さを均一にし易く、取付ブラケットCとフロントガラスFとの角度を調整するという趣旨に対して、より適合する貼付方法ということができる。
【0071】
各実施例では、上面や下面を平面で構成したスペーサSPC1等を例示したが、凹凸を有する面、曲面、これらを組み合わせた面、等で構成することができる。なお、上面や下面に凹凸がある場合に比べると、これらの面を平坦な面で構成したスペーサSPC1等は、両面テープに浮いた部分が生じるおそれをなくし、取付ブラケットC及びフロントガラスDに対する両面テープE,Hの密着性を高めることができ、剥がれ難くすることができる。
【0072】
実施例1~4では、六面体等の固まりとして構成されたスペーサSPC1等を例示したが、例えば、第1面と第2面の周縁を接合する側壁、第1面と第2面の周縁以外の部分を接合するリブ、側壁とリブの両方を備えるもの、側壁の内側に空間や空隙を有しないもの、さらには、実施例5において回動せずに角度を固定されたもの等とすることもできる。また、側壁は、第1面及び第2面の周縁を全周に渡って接合するもの、周方向に一部切断されたもの、等とすることができる。さらに、第1面及び第2面の一方又は両方を方形枠やリング状としたもの、一部切断された方形枠やリング状としたもの、等とすることができる。加えて、側壁の高さ方向に複数パーツとしたもの、側壁の幅方向に複数パーツとしたもの、等とすることができる。
【0073】
実施例4では、中心部SPC4aの全周を取り巻く縁部分SPC4bを一体化させたスペーサSPC4を例示したが、変形例の様に別体とすることに加えて、中心部分の縁の一部に縁部分を備えるもの、別体で中心部分の縁に接触する縁部分を備えるもの、中心部分の縁に接触しない縁部分を備えるもの、等とすることもできる。また、縁部分は、貼付面の縁に収まり得るもの、貼付面の縁に達し得るもの、貼付面の縁をはみ出し得るもの、等とすることができる。
【0074】
実施例5では、第1部材SPC5bと第2部材SPC5cとを蝶番状の回動機構で回動可能としたスペーサSPC5を例示したが、第1部材と第2部材が1軸回りで回動可能であると共に、当該回動軸に交差する軸に対して第1部材及び第2部材の一方又は両方が回転可能とされたもの、等とすることもできる。
【0075】
各実施例では、取付板C1の貼付面Dとは反対側にドライブレコーダーAを回転可能に
保持するリング部C2を備えた取付用ブラケットCを、車両のフロントガラスFに設置する例で説明したが、ドライブレコーダーAを保持する機構はボールジョイントを介在させたものであってもよいし、取付板C1に相当する部分の厚さが十分にあればその側面からドライブレコーダーを保持する様に構成することもできる。また、ドライブレコーダーの機器を車両のフロントガラスに設置する場合、ドライブレコーダーを含む機器を、車両のフロントガラス以外の部分に設置する場合、車両以外の建築物の柱や壁等に設置する場合にも本発明を適用することができる。
【0076】
各実施例では、ドライブレコーダーAを車両の前方を撮影方向とする様に設置する例を説明したが、車室内を撮影方向とする様に設置する場合、等においても本発明を適用することができる。
【0077】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意を部分を破線部分とした部分意匠を権利化する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、機器の設置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
A・・・ドライブレコーダー、B・・・ナット、C・・・取付ブラケット、C1・・・取付板、C2・・・リング部、D・・・貼付面、E,E4a,H,H4a・・・両面テープ、F・・・車両のフロントガラス、G・・・被着面、SPC1~SPC5・・・スペーサ。