(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】動的三次元人体経絡システム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/02 20060101AFI20241115BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20241115BHJP
A61H 39/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G09B5/02
G09B9/00 Z
A61H39/02 H
(21)【出願番号】P 2022132789
(22)【出願日】2022-08-23
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】509075457
【氏名又は名称】中國醫藥大學
【氏名又は名称原語表記】CHINA MEDICAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 91, Hsueh-Shih Road, North District Taichung, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 昭庚
(72)【発明者】
【氏名】高 尚▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】李 育臣
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 明正
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-525818(JP,A)
【文献】世界初!高品質3Dバーチャル経絡経穴人形アプリケーション「3D ACUPOINT 」リリース,PR TIMES,2016年05月10日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000016348.html,[online], 2023年11月20日検索
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/02、9/00
A61H 39/02
G06Q 50/00
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体経絡アプリケーションプログラムと、複数の人体三次元解剖画像データを含有する人体三次元解剖画像データベースと、複数のツボデータ及び複数の経絡循行データを含有する経絡データベースと、を含むメモリと、
前記メモリと電気通信で接続され、動的三次元人体経絡画像及び前記人体経絡アプリケーションプログラムのグラフィカルユーザインターフェイスを表示するためのタッチスクリーンディスプレイと、
前記メモリ及び前記タッチスクリーンディスプレイと電気通信で接続され、前記人体経絡アプリケーションプログラムを実行するためのプロセッサと、
を備え、
各前記ツボデータは、ツボ名称情報、ツボ落下点情報、取穴方法情報、適応症情報及び刺針深さ情報を含み、前記複数の経絡循行データは、複数の経絡循行ビデオファイルを含み、前記ツボ落下点情報とは鍼灸治療時に皮膚に針が刺さる位置の情報を意味し、
前記人体経絡アプリケーションプログラムは、人体シミュレーション三次元画像を取得するように前記複数の人体三次元解剖画像データを処理するための三次元画像作成モジュールと、複数のツボ位置情報、複数のツボ深さ情報及び複数の経脈分布情報を含有する動的三次元人体経絡画像を取得するように前記複数のツボデータ、前記複数の経絡循行データ及び前記人体シミュレーション三次元画像を統合するための人体経絡作成モジュールと、画像操作コマンドを受信して前記動的三次元人体経絡画像の画像表示状態を調整するための操作モジュールと
、前記複数のツボ位置情報及び前記複数のツボ深さ情報を調整するアプリケーションモジュールと、を含み、
前記複数のツボ位置情報は、前記動的三次元人体経絡画像の複数の対応するツボ位置にそれぞれ対応して表示され、
前記複数の経脈分布情報はそれぞれ、対応する前記複数のツボデータ
のツボ深さ循行順序に応じて作成され
、前記ツボ深さ循行順序とは、隣接するツボの深さに基づいて人体の皮膚の下で上下に循環する経絡循環における循環の順序を意味し、
前記操作モジュールは、ツボデータ表示コマンドを受信して前記タッチスクリーンディスプレイに前記ツボデータを表示し、アニメーション再生コマンドを受信して前記タッチスクリーンディスプレイに前記経絡循行ビデオファイルを表示し、
前記経絡循行ビデオファイルは、前記タッチスクリーンディスプレイにサブウィンドウで表示され、前記複数のツボ位置情報、前記複数のツボ深さ情報及び前記複数の経脈分布情報は、同時に前記タッチスクリーンディスプレイに表示され、
前記アプリケーションモジュールは、被検者の中指の第2指節の両側の横紋間の長さに基づいて前記複数のツボ位置情報及び前記複数のツボ深さ情報を調整して複数の個人化ツボ位置情報及び複数の個人化ツボ深さ情報を出力する動的三次元人体経絡システム。
【請求項2】
前記複数の経絡循行データは、十二経脈循行データ及び奇経八脈循行データを含む、請求項1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項3】
前記動的三次元人体経絡システムは、音声再生装置を更に含み、
前記人体経絡アプリケーションプログラムは、ボイスガイドモジュールを更に含み、
前記操作モジュールが前記アニメーション再生コマンドを受信して前記タッチスクリーンディスプレイに前記経絡循行ビデオファイルを表示する場合、前記ボイスガイドモジュールは、それをボイス信号で前記音声再生装置に出力して、前記経絡循行ビデオファイルに基づいてガイドサウンドを再生する、請求項
1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項4】
前記画像操作コマンドは、スケーリングコマンド、角度調整コマンド及び画像コントラスト調整コマンドを含み、
前記画像表示状態は、画像表示寸法、画像表示角度及び画像コントラストを含み、
前記操作モジュールは、前記スケーリングコマンド、前記角度調整コマンド又は前記画像コントラスト調整コマンドに応じて前記動的三次元人体経絡画像の前記画像表示寸法、前記画像表示角度又は前記画像コントラストを調整する、請求項1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項5】
前記複数の人体三次元解剖画像データは、男性の人体三次元解剖画像データ又は女性の人体三次元解剖画像データである、請求項1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項6】
前記動的三次元人体経絡画像は、骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報を更に含み、
前記画像操作コマンドは、画像表現調整コマンドを含み、
前記操作モジュールは、前記画像表現調整コマンドに応じて前記動的三次元人体経絡画像の前記骨格構成情報、前記器官分布情報、前記血管分布情報、前記リンパ分布情報、前記神経分布情報及び前記皮膚状態情報のうちの少なくとも1つを表示しているか否かを調整する、請求項
1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項7】
前記グラフィカルユーザインターフェイスは、複数のタッチアイコン及び複数の機能リストを含み、
前記複数のタッチアイコン及び前記複数の機能リストはそれぞれ、前記タッチスクリーンディスプレイの第1側及び前記タッチスクリーンディスプレイの第2側に位置する、請求項1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項8】
前記複数のタッチアイコンは、第1インターフェース配列ユニットを形成し、
前記複数の機能リストは、第2インターフェース配列ユニットを形成し、
前記第1インターフェース配列ユニット及び前記第2インターフェース配列ユニットは、左右にドラッグする方式で表示又は非表示される、請求項
7に記載の動的三次元人体経絡システム。
【請求項9】
前記複数の個人化ツボ位置情報及び前記複数の個人化ツボ深さ情報に基づいて前記被検者の診断提案情報を出力する診断エキスパートモジュールを更に含む、請求項
1に記載の動的三次元人体経絡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体経絡展示システムに関し、特に動的に表現可能でユーザとインタラクション可能な動的三次元人体経絡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
漢方医学において、経絡(けいらく)は、気血運行、及び臓腑と体表そして全身各部とを結ぶ通路であると考えられ、人体の重要な情報伝達系と機能制御系であり、2千年以上にわたり、人体の養生、疾病予防、身体の診察、臨床治療、関連の衛生教育等に使用されてきたため、人体の経絡のツボ(経穴)を押圧や鍼灸の方法で刺激することは、対応する病症の治療と診断に用いられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在の漢方医学の教育では、人体の経絡系統の種類とその上のツボの分布を説明するために、直観的な鍼灸ツボモデルとして鍼灸銅人形を使用することが多い。詳しく言うと、鍼灸銅人形の体には多くの経穴が連結して形成された十四本の循行する経脈が表現され、前記十四本の経脈はそれぞれ漢方医学に記載された「十二経脈」と「任督の二脈」であり、鍼灸銅人形は経絡学説の詳細を説明することに用いられてよく、対応する鍼灸学の原理を理解するのに役立つ。しかしながら、従来の鍼灸銅人形の多くは金属で鋳造され又はプラスチック等の材質で製造されるものであり、一定の体積を占めているだけでなく、重量の面でも軽視することができないため、鍼灸銅人形を利用して経絡系統等に関する教育を行う時に銅人形を配慮する上で解説しなければならず、使用上で非常に不便なことが多い。更に、従来の鍼灸銅人形は必ず教科書の説明を参照して各経絡の方向とツボの深さを理解しなければならないので、教育効果の面でも多くの制限がある。
【0004】
科学技術の発展に伴い、コンピュータ技術を利用して漢方医学の人体経絡モデルを改良する技術も日増しに進歩している。よく見られる経絡の壁掛け図、本のイラスト、ウェブページの図案の多くはコンピュータによるグラフィックス技術を用いて制作され、更に2Dのアニメーションで経絡の循行、流れの関連する経路及び到達する体の範囲を展示することもある。また、経絡系統を三次元立体グラフィカルで表現する装置も市販されており、教育に役立てられている。しかしながら、現行の三次元技術で経絡とツボを表示する装置は簡単な三次元人体モデルにおいて関連する経絡とツボを展示するだけであり、三次元人体モデルの関連する解剖構造、経絡及びツボを更に操作し分解することができず、人体組織とツボに流れ込む経絡とその周辺の動的変化を可視的に表現することもできない。
【0005】
これに鑑みて、漢方医学の教育に寄与して漢方医学の研究の発展に役立つために、各経絡の方向とツボの詳細をより明確に表現できる経絡展示システムを発展させることは急務である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、メモリ、タッチスクリーンディスプレイ及びプロセッサを含む動的三次元人体経絡システムを提供する。メモリは、人体経絡アプリケーションプログラム、人体三次元解剖画像データベース及び経絡データベースを含み、人体三次元解剖画像データベースは、複数の人体三次元解剖画像データを含み、経絡データベースは、複数のツボデータ及び複数の経絡循行データを含む。タッチスクリーンディスプレイは、前記メモリと電気通信で接続され、動的三次元人体経絡画像及び前記人体経絡アプリケーションプログラムのグラフィカルユーザインターフェイスを表示するために用いられる。プロセッサは、前記メモリ及び前記タッチスクリーンディスプレイと電気通信で接続され、人体経絡アプリケーションプログラムを実行する。
各前記ツボデータは、ツボ名称情報、ツボ落下点情報、取穴方法情報、適応症情報及び刺針深さ情報を含み、前記複数の経絡循行データは、複数の経絡循行ビデオファイルを含む。ツボ落下点情報とは鍼灸治療時に皮膚に針が刺さる位置の情報を意味する。
前記人体経絡アプリケーションプログラムは、三次元画像作成モジュール、人体経絡作成モジュール及び操作モジュール、アプリケーションモジュールを含む。三次元画像作成モジュールは、人体シミュレーション三次元画像を取得するために前記人体三次元解剖画像データを処理するために用いられる。人体経絡作成モジュールは、動的三次元人体経絡画像を取得するために、前記ツボデータ、前記経絡循行データ及び前記人体シミュレーション三次元画像を統合するために用いられ、動的三次元人体経絡画像は、複数のツボ位置情報、複数のツボ深さ情報及び複数の経脈分布情報を含む。操作モジュールは、画像操作コマンドを受信して前記動的三次元人体経絡画像の画像表示状態を調整するために用いられる。アプリケーションモジュールは、前記複数のツボ位置情報及び前記複数のツボ深さ情報を調整する。
前記ツボ位置情報は、動的三次元人体経絡画像の複数の対応するツボ位置にそれぞれ対応して表示され、前記経脈分布情報はそれぞれ、対応するツボデータのツボ深さ循行順序に応じて作成される。ツボ深さ循行順序とは、隣接するツボの深さに基づいて人体の皮膚の下で上下に循環する経絡循環における循環の順序を意味する。
前記操作モジュールは、ツボデータ表示コマンドを受信して前記タッチスクリーンディスプレイに前記ツボデータを表示し、アニメーション再生コマンドを受信して前記タッチスクリーンディスプレイに前記経絡循行ビデオファイルを表示する。
前記経絡循行ビデオファイルは、前記タッチスクリーンディスプレイにサブウィンドウで表示され、前記複数のツボ位置情報、前記複数のツボ深さ情報及び前記複数の経脈分布情報は、同時に前記タッチスクリーンディスプレイに表示される。
前記アプリケーションモジュールは、被検者の中指の第2指節の両側の横紋間の長さに基づいて前記複数のツボ位置情報及び前記複数のツボ深さ情報を調整して複数の個人化ツボ位置情報及び複数の個人化ツボ深さ情報を出力する。
【0007】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記経絡循行データは、十二経脈循行データ及び奇経八脈循行データを含んでよい。
【0009】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記動的三次元人体経絡システムは、音声再生装置を更に含んでよく、前記人体経絡アプリケーションプログラムは、ボイスガイドモジュールを更に含んでよい。操作モジュールは、アニメーション再生コマンドを受信してタッチスクリーンディスプレイに経絡循行ビデオファイルを表示する場合、ボイスガイドモジュールは、ボイス信号で音声再生装置に出力して、前記経絡循行ビデオファイルに基づいてガイドサウンドを再生してよい。
【0010】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記画像操作コマンドは、スケーリングコマンド、角度調整コマンド及び画像コントラスト調整コマンドを含んでよく、前記画像表示状態は、画像表示寸法、画像表示角度及び画像コントラストを含んでよく、操作モジュールは、前記スケーリングコマンド、前記角度調整コマンド又は画像コントラスト調整コマンドに応じて動的三次元人体経絡画像の画像表示寸法、画像表示角度又は画像コントラストを調整してよい。
【0011】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記人体三次元解剖画像データは、男性の人体三次元解剖画像データ又は女性の人体三次元解剖画像データであってもよい。
【0012】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記動的三次元人体経絡画像は、更に骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報を含んでよく、前記画像操作コマンドは、画像表現調整コマンドを含んでよく、操作モジュールは、前記画像表現調整コマンドに応じて動的三次元人体経絡画像の骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報のうちの少なくとも1つを表示しているか否かを調整する。
【0013】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記グラフィカルユーザインターフェイスは、複数のタッチアイコン及び複数の機能リストを含んでよく、タッチアイコン及び機能リストは、それぞれタッチスクリーンディスプレイの第1側及びタッチスクリーンディスプレイの第2側に位置してよい。
【0014】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記タッチアイコンは、第1インターフェース配列ユニットを形成してよく、前記機能リストは、第2インターフェース配列ユニットを形成してよく、第1インターフェース配列ユニット及び第2インターフェース配列ユニットは、左右にドラッグする方式で表示又は非表示されてよい。
【0016】
前記動的三次元人体経絡システムによると、前記個人化ツボ位置情報及び前記個人化ツボ深さ情報に基づいて被検者の診断提案情報を出力する診断エキスパートモジュールを更に含んでよい。
【0017】
(発明の効果)
これにより、本発明の動的三次元人体経絡システムは、漢方医学経典に記載された経絡循行、ツボ位置、ツボ深さ、主な適応症、効き目等の関連する臨床応用を統合することができ、人体シミュレーション三次元画像を通じて表現して、実際のツボ深さ循行の動的、バーチャルリアリティの視覚効果で医学教育と医学研究上の要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び他の目的、特徴、利点及び実施例をより明確にわかりやすくするために、図面を次のように説明する。
【
図1】本発明の実施形態の動的三次元人体経絡システムを示す構成模式図である。
【
図2】本発明の別の実施形態の動的三次元人体経絡システムを示す構成模式図である。
【
図3】本発明の動的三次元人体経絡システムを示す模式図である。
【
図4】
図3の動的三次元人体経絡システムを示す別の模式図である。
【
図5】
図3の動的三次元人体経絡システムの、ツボデータを表示するためのタッチスクリーンディスプレイを示す模式図である。
【
図6】
図3の動的三次元人体経絡システムの、経絡循行ビデオファイルを表示するためのタッチスクリーンディスプレイを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、この実施形態は、様々な発明概念の応用であってもよく、様々な異なる特定の範囲内で具体的に実施されてもよい。特定の実施形態は、単に例示を目的とするものであり、開示された範囲に限定されない。
【0020】
(本発明の実施形態)
本発明の実施形態の動的三次元人体経絡システム100を示す構成模式図である
図1を参照されたい。動的三次元人体経絡システム100は、メモリ110、タッチスクリーンディスプレイ130及びプロセッサ140を含む。
【0021】
メモリ110は、人体経絡アプリケーションプログラム120、人体三次元解剖画像データベース111及び経絡データベース112を含み、人体三次元解剖画像データベース111は、複数の人体三次元解剖画像データを含み、経絡データベース112は、複数のツボデータ及び複数の経絡循行データを含む。メモリ110は、コンピュータ、スマートフォン又はタッチスクリーンディスプレイ130の実行をサポートできる他の電子機器に構築されてもよく、前記人体三次元解剖画像データは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography;CT)画像であってもよく、男性又は女性の体の構造を具体的に表現するために男性の人体三次元解剖画像データ又は女性の人体三次元解剖画像データであってもよい。
【0022】
経絡データベース112のツボデータ及び経絡循行データは、林昭庚講座教授が著作した「新編彩図鍼灸学」に開示された経絡とツボの情報に基づいて整理と分析を行って得たものであり、情報が正しく開示される前提で、本発明の動的三次元人体経絡システム100の医療への応用潜在性を向上させる。具体的には、前記経絡循行データは、十二経脈循行データ及び奇経八脈循行データ等、計20種類の経絡情報を含んでよく、十二経脈循行データは、手の太陰肺経循行データ、手の陽明大腸経循行データ、足の陽明胃経循行データ、足の太陰脾経循行データ、手の少陰心経循行データ、手の太陽小腸経循行データ、足の太陽膀胱経循行データ、足の少陰腎経循行データ、手の厥陰心包経循行データ、手の少陽三焦経循行データ、足の少陽胆経循行データ及び足の厥陰肝経循行データであるが、奇経八脈循行データは、督脈循行データ、任脈循行データ、衝脈循行データ、帯脈循行データ、陰維脈循行データ、陽維脈循行データ、陰きょう(足偏(あし・へん)+喬旁(きょう・つくり)、JIS第3水準漢字、以下同じ)脈循行データ及び陽きょう脈循行データを含む。また、前記経絡循行データは、当業者に周知される専門的医学知識であるため、ここでは関連する内容について詳細な説明を省略する。
【0023】
人体経絡アプリケーションプログラム120は、三次元画像作成モジュール121、人体経絡作成モジュール122及び操作モジュール123を含む。具体的には、人体経絡アプリケーションプログラム120は、より完全な教育及び応用を表現するために一人用マルチポイントインタラクティブタッチプログラムであってもよいが、本発明はそれに限定されない。
【0024】
三次元画像作成モジュール121は、人体シミュレーション三次元画像(図示せず)を取得するように前記人体三次元解剖画像データを処理するために用いられる。詳細には、人体シミュレーション三次元画像は、人体三次元解剖画像データに基づいて作成されたものであり、人体三次元解剖画像データは、人体の皮膚、骨格、神経、消化器系、血管構造、呼吸器系、筋肉、泌尿器系、リンパ系等の詳細な画像情報を含むため、三次元画像作成モジュール121によって構築された人体シミュレーション三次元画像は、後続の応用に役立つために人体に関する解剖構造の詳細な情報を含む。
【0025】
人体経絡作成モジュール122は、動的三次元人体経絡画像(図示せず)を取得するように、前記ツボデータ、前記経絡循行データ及び前記人体シミュレーション三次元画像を統合するために用いられ、動的三次元人体経絡画像は、複数のツボ位置情報、複数のツボ深さ情報及び複数の経脈分布情報を含む。前記ツボ位置情報は、動的三次元人体経絡画像の複数の対応するツボ位置にそれぞれ対応して表示され、且つ前記経脈分布情報はそれぞれ、対応するツボデータの実際のツボ深さ循行順序に応じて作成される。詳細には、人体経絡作成モジュール122は、人体に関する解剖構造の詳細な情報を含む前記人体シミュレーション三次元画像を基礎として、ツボデータ及び経絡循行データをそれに統合して、本発明の動的三次元人体経絡画像を作成する。なお、動的三次元人体経絡画像は、更に骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報を含んでよいが、ツボ位置情報、ツボ深さ情報及び経脈分布情報は、前記骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報に対応し、統合して表現してよく、更に高精度を前提として、ツボの実際の深さ循行順序で動的、バーチャルリアリティの視覚効果を表現して、医学教育と医学研究上の要件を満たすことができる。
【0026】
操作モジュール123は、画像操作コマンドを受信して動的三次元人体経絡画像の画像表示状態を調整するために用いられる。詳細には、画像操作コマンドは、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ130を操作する時にプロセッサ140から送信され、操作モジュール123に伝送されて後続の動作を実行させることができる。
【0027】
タッチスクリーンディスプレイ130は、メモリ110と電気通信で接続され、且つ動的三次元人体経絡画像及び人体経絡アプリケーションプログラム120のグラフィカルユーザインターフェイスを表示するために用いられる。グラフィカルユーザインターフェイスは、複数のタッチアイコン(図示せず)及び複数の機能リスト(図示せず)を含んでよく、タッチアイコン及び機能リストは、それぞれタッチスクリーンディスプレイ130の第1側(図示せず)及びタッチスクリーンディスプレイ130の第2側(図示せず)に位置してよい。詳細には、前記タッチアイコンは、第1インターフェース配列ユニットを形成してよく、前記機能リストは、第2インターフェース配列ユニットを形成してよく、且つ第1インターフェース配列ユニット及び第2インターフェース配列ユニットは、左右にドラッグする方式で表示又は非表示されてよいが、本発明はそれらに限定されなく、タッチアイコン及び機能リストの詳細な情報については後述する。
【0028】
プロセッサ140は、メモリ110及びタッチスクリーンディスプレイ130と電気通信で接続され、且つ人体経絡アプリケーションプログラム120を実行するために用いられる。具体的には、プロセッサ140は、コンピュータ又は電子機器に構築されてよく、メモリ110と同一のコンピュータ又は電子機器に統合されてもよく、メモリ110と別に配置されてもよいが、本発明はそれらに限定されない。
【0029】
詳細には、本発明の動的三次元人体経絡システム100において、画像操作コマンドは、スケーリングコマンド、角度調整コマンド及び画像コントラスト調整コマンドを含んでよく、画像表示状態は、画像表示寸法、画像表示角度及び画像コントラストを含んでよく、且つ操作モジュール123は、前記スケーリングコマンド、前記角度調整コマンド又は前記画像コントラスト調整コマンドに応じて動的三次元人体経絡画像の画像表示寸法、画像表示角度又は画像コントラストを調整する。更に、使用者は、人体経絡アプリケーションプログラム120のグラフィカルユーザインターフェイスを操作する時にタッチアイコンのうちのスケーリングアイコン又は角度調整アイコンをクリックし、又は動的三次元人体経絡画像の寸法及び表現角度を2本の指でタッチして拡大、縮小又は回転することで、動的三次元人体経絡画像の寸法を変更させ、又は360度回転させ、更に動的三次元人体経絡画像のツボ位置情報、ツボ深さ情報及び経脈分布情報を、様々な比例と角度で多様に示すことができる。
【0030】
なお、本発明の動的三次元人体経絡システム100において、画像操作コマンドは、画像表現調整コマンドを含んでよく、操作モジュール123は、画像表現調整コマンドに応じて、動的三次元人体経絡画像の骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報のうちの少なくとも1つを表示しているか否かを調整して、必要に応じて人体に関する解剖構造、対応するツボ位置情報、ツボ深さ情報及び経脈分布情報の詳細な情報を表現することができる。
【0031】
なお、本発明の動的三次元人体経絡システム100において、ツボデータは、ツボ名称情報、ツボ落下点情報、取穴方法情報、適応症情報及び刺針深さ情報を含んでよく、経絡循行データは、複数の経絡循行ビデオファイルを含んでよく、操作モジュール123は、ツボデータ表示コマンドを受信してタッチスクリーンディスプレイ130にツボデータを表示してもよく、アニメーション再生コマンドを受信してタッチスクリーンディスプレイ130に経絡循行ビデオファイルを表示してもよく、これにより経絡循行、経脈流の関連する経路及び分布する体の範囲を動的展示方式で表現し、後続の応用に役立つ。
【0032】
なお、本発明の動的三次元人体経絡システム100において、経絡循行ビデオファイルは、タッチスクリーンディスプレイ130にサブウィンドウで表示され、且つツボ位置情報、ツボ深さ情報及び経脈分布情報は、タッチスクリーンディスプレイ130に同時に表示される。詳細には、十二経脈及び奇経八脈は、人体の中で無端循環し、それぞれの循行時間があるため、経絡循行ビデオファイルがサブウィンドウで再生される時に、タッチスクリーンディスプレイ130は、ツボ位置情報、ツボ深さ情報及び経脈分布情報を同時に対応づけて表現して、経絡循行データをより明確に表現することができる。
【0033】
なお、他の実施例において、動的三次元人体経絡システム100は、音声再生装置(図示せず)を更に含んでよく、人体経絡アプリケーションプログラム120は、ボイスガイドモジュール(図示せず)を更に含んでよい。操作モジュール123は、アニメーション再生コマンドを受信してタッチスクリーンディスプレイ130に経絡循行ビデオファイルを表示する場合、ボイスガイドモジュールは、それをボイス信号で音声再生装置に出力して、経絡循行ビデオファイルに基づいてガイドサウンドを再生する。これにより、経絡循行データをより明確に表現し、分かりやすくして、実際のツボ深さ循行の前提下で動的、バーチャルリアリティの視覚効果を表現して、医学教育と医学研究上の要件を満たすことができる。
【0034】
なお、本発明の動的三次元人体経絡システム100は、鍼灸等の関連器具に関する情報を更に含んでよく、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ130をタッチの方式で操作して、関連するメニューをクリックして鍼灸器具に関するグラフィック知識を閲覧することができるが、本発明はそれに限定されない。
【0035】
これにより、本発明の動的三次元人体経絡システム100は、動的三次元人体経絡画像を基礎として十二経脈及び奇経八脈の経絡循行路径、経絡ツボ深さ及び経絡出入流の変化を示し、そして人体解剖データ、ツボ位置、主な適応症及び効き目等の関連する臨床応用をその中に統合することができ、更に使用者がインタラクティブ操作を行って対応する経絡名称、ツボ名称及び経絡循行に関する情報を取得することに役立ち、これにより実際のツボ深さ循行の前提下で動的、バーチャルリアリティの視覚効果を表現して、医学教育と医学研究上の要件を満たすことができる。
【0036】
(本発明の別の実施形態)
本発明の別の実施形態の動的三次元人体経絡システム200を示す構成模式図である
図2を参照されたい。動的三次元人体経絡システム200はメモリ210、タッチスクリーンディスプレイ230及びプロセッサ240を含み、メモリ210は、人体経絡アプリケーションプログラム220、人体三次元解剖画像データベース211及び経絡データベース212を含み、人体三次元解剖画像データベース211、経絡データベース212、タッチスクリーンディスプレイ230及びプロセッサ240は、
図1の人体三次元解剖画像データベース111、経絡データベース112、タッチスクリーンディスプレイ130及びプロセッサ140と同じであるため、同じ構造の詳細についてここでは説明を省略する。
【0037】
詳細には、動的三次元人体経絡システム200において、人体経絡アプリケーションプログラム220は、三次元画像作成モジュール221、人体経絡作成モジュール222、操作モジュール223及びアプリケーションモジュール224を含み、三次元画像作成モジュール221、人体経絡作成モジュール222及び操作モジュール223は、
図1の三次元画像作成モジュール121、人体経絡作成モジュール122及び操作モジュール123と同じであるため、同じ構造の詳細についてここでは説明を省略する。
【0038】
アプリケーションモジュール224は、被検者の中指の第2指節の両側の横紋間の長さに基づいてツボ位置情報及びツボ深さ情報を調整して、複数の個人化ツボ位置情報及び複数の個人化ツボ深さ情報を出力する。具体的には、現行の臨床では、ツボを決定する方法は、体表標示取穴法や骨度取穴法に加えて、下位区分に基づいて、また指の節幅や横幅を用いて比量取穴(即ち「同身寸」という取穴法)を行ってよい。しかしながら、個別化の違いによっては、正常な人の指の寸法は体の他の部分と一定の比例関係があるため、本発明の動的三次元人体経絡システム200は、被検者の中指が屈曲した時の第2指節の両側の横紋間の長さを一寸としてツボの間隔及び各ツボの深さ(即ち「中指同身寸」)を計って、異なる使用者の体型に応じて個人化調整を行い、更に本発明の動的三次元人体経絡システム200のツボ定点上の精度を向上させる。また、説明すべきなのは、本発明の動的三次元人体経絡システム200は、被検者の中指の第2指節の両側の横紋間の長さに基づいて取穴を行ってもよいほか、中指が屈曲した時の中節側縁の2つの横紋間の距離を一寸とし、親指末節の横を一寸とする等の方式で個人化調整を行ってもよいが、本発明はそれに限定されない点である。
【0039】
また、他の実施例において、動的三次元人体経絡システム200は、個人化ツボ位置情報及び個人化ツボ深さ情報に基づいて被検者の診断提案情報を出力する診断エキスパートモジュールを更に含んでよい。本発明の診断エキスパートモジュールは、主に林昭庚講座教授が著作した「新編彩図鍼灸学」に開示されたツボ位置及びそれに対応する適応症又は疾病に基づいて構築されたものであり、診断エキスパートモジュールは、個人化ツボ位置情報及び個人化ツボ深さ情報に基づいて被検者の状況を決定し、適切な鍼灸治療ツボ医師を推薦することができる。好ましくは、本発明の診断エキスパートモジュールは、神経内科系疾患、運動系疾患、呼吸器系疾患、心臓循環系疾患、胃腸系疾患、肝胆道系疾患、泌尿器系疾患、婦人科疾患、五感顔面疾患、皮膚疾患、小児科疾患等の疾患に対して、疾病の病因、診断、治療及び推薦ツボを提供することができるが、本発明はそれらに限定されない。これにより、被験者の身体の各系統及び重要な疾病と症状の診断と治療情報を構築することができ、関連する応用の潜在性を有する。
【0040】
上記によると、本発明の動的三次元人体経絡システム200は、動的三次元人体経絡画像に基づいて十二経脈及び奇経八脈の経絡循行路径、経絡ツボ深さ及び経絡出入流の変化を示し、そして人体解剖データ、ツボ位置、主な適応症及び効き目等の関連する臨床応用をその中に統合し、同時にユーザの個人的な体の情報をその中に統合することができ、個人化ツボ深さ情報及び対応する個人化の経絡循行データを取得して、実際のツボ深さ循行の前提下で動的、バーチャルリアリティの視覚効果を表現して、個人化の医学応用を満たし、関連領域への応用潜在性を有する。
【0041】
[実施例]
【0042】
図3及び
図4を参照されたく、
図3は本発明の動的三次元人体経絡システム300を示す模式図であり、
図4は
図3の動的三次元人体経絡システム300を示す別の模式図である。動的三次元人体経絡システム300は、メモリ(図示せず)、タッチスクリーンディスプレイ310及びプロセッサ(図示せず)を含み、コンピュータ、スマートフォン等のようなタッチスクリーンディスプレイ310の実行をサポート可能な電子機器にアップロードしてよいが、本発明はそれらに限定されない。
【0043】
図3及び
図4に示すように、動的三次元人体経絡画像320及び人体経絡アプリケーションプログラム(図示せず)のグラフィカルユーザインターフェイス(図示せず)は、タッチスクリーンディスプレイ310に表示され、且つグラフィカルユーザインターフェイスは、複数のタッチアイコン331及び複数の機能リスト341を含んでよい。具体的には、複数のタッチアイコン331は、複数の異なる機能のオプションにそれぞれ対応してよく、且つタッチアイコン331及び機能リスト341は、それぞれタッチスクリーンディスプレイ310の第1側311及び第2側312に位置してよく、複数のタッチアイコン331は、第1インターフェース配列ユニット330を形成してよく、複数の機能リスト341は、第2インターフェース配列ユニット340を形成してよく、且つ第1インターフェース配列ユニット330及び第2インターフェース配列ユニット340は、クリック等の操作によって、左右にドラッグする方式で表示(
図3に示す)又は非表示(
図4に示す)されてよい。
【0044】
動的三次元人体経絡システム300において、人体経絡アプリケーションプログラムの操作モジュール(図示せず)は、画像操作コマンドを受信して動的三次元人体経絡画像320の画像表示状態を調整するために用いられる。詳細には、使用者は対応するタッチアイコン331をクリックするか、又は2本の指でタッチして操作する場合、プロセッサは、人体経絡アプリケーションプログラムの操作モジュールに画像操作コマンドを同時に送信し、画像操作コマンドは、スケーリングコマンド又は角度調整コマンドを含んでよく、画像表示状態は、画像表示寸法及び画像表示角度を含んでよく、操作モジュールは、前記スケーリングコマンド又は前記角度調整コマンドに応じて動的三次元人体経絡画像320の画像表示寸法及び画像表示角度(
図4に示す)を調整する。
【0045】
また、
図3に示すように、異なるタッチアイコン331は、異なる性別の動的三次元人体経絡画像320の骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報にそれぞれ対応することができる。使用者が対応するタッチアイコン331をクリックする場合、プロセッサは、同時に人体経絡アプリケーションプログラムの操作モジュールに画像表現調整コマンドを送信し、この場合、操作モジュールは、前記画像表現調整コマンドに応じて動的三次元人体経絡画像の骨格構成情報、器官分布情報、血管分布情報、リンパ分布情報、神経分布情報及び皮膚状態情報のうちの少なくとも1つを表示しているか否かを調整することができ、必要に応じて男性の動的三次元人体経絡画像320又は女性の動的三次元人体経絡画像(図示せず)に切り替えることができる。
【0046】
動的三次元人体経絡システム300において、動的三次元人体経絡画像320は、複数のツボ位置情報、複数のツボ深さ情報及び複数の経脈分布情報を含み、ツボ位置情報は動的三次元人体経絡画像320の複数の対応するツボ位置に対応して表示され、且つ経脈分布情報は、対応するツボデータの循行順序に応じてそれぞれ作成される。また、
図3に示すように、経脈分布情報に対応する経絡循行データを表現しているか否かは、複数の機能リスト341によって操作でき、使用者が異なる経絡循行データに対応する機能リスト341をクリックする場合、機能リスト341は拡張されてタッチスクリーンディスプレイ310に表示され、この場合、使用者は、経脈の分布及びそのツボに対応するツボ位置を確認し識別することを容易にするために、更に表現しようとする経絡循行データをクリックして、それを動的三次元人体経絡画像320に表示することができる。
【0047】
図3の動的三次元人体経絡システム300の、ツボデータ350を表示するためのタッチスクリーンディスプレイ310を示す模式図である
図5を参照されたい。詳細には、ツボデータ350は、ツボ名称情報351、ツボ落下点情報352、取穴方法情報353、適応症情報354及び刺針深さ情報355を含む。ユーザが動的三次元人体経絡画像320上の特定のツボの位置をクリックする場合、プロセッサは、同時に人体経絡アプリケーションプログラムの操作モジュールにツボデータ表示コマンドを送信し、この場合、操作モジュールは、前記ツボデータ表示コマンドに応じてタッチスクリーンディスプレイ310にツボデータ350を表示して、ユーザがツボデータ350の内容を確認することに役立つことができる。
【0048】
図3の動的三次元人体経絡システム300の、経絡循行ビデオファイル360を表示するためのタッチスクリーンディスプレイ310を示す模式図である
図6を参照されたい。詳細には、動的三次元人体経絡システム300の経絡循行データには複数の経絡循行ビデオファイル360が含まれ、ユーザが機能リスト341のうち表現したい経絡循行データをクリックする場合、プロセッサは、同時に人体経絡アプリケーションプログラムの操作モジュールにアニメーション再生コマンドを送信し、この場合、操作モジュールは、前記アニメーション再生コマンドに応じてタッチスクリーンディスプレイ310に経絡循行ビデオファイル360を表示することができ、同時に、動的三次元人体経絡システム300のボイスガイドモジュール(図示せず)は、経絡循行ビデオファイルに基づいてガイドサウンドを同時に再生し、更に経絡循行及び経脈流の関連する経路及び分布する体の範囲を動的方式で表現することができる。
【0049】
また、動的三次元人体経絡システム300の他の部分の詳細は、前記動的三次元人体経絡システム100及び動的三次元人体経絡システム200と同じであってもよいため、同じ詳細についてここでは説明を省略する。また、動的三次元人体経絡システム300の人体経絡アプリケーションプログラムは、アプリケーションモジュールを含んでよく、これにより更に被検者の中指が屈曲した時の第2指節の両側の横紋間の長さを一寸としてツボ位置及び各ツボの深さを計って、本発明の動的三次元人体経絡システム300のツボ定点の精度を向上させるが、本発明はそれらに限定されない。
【0050】
まとめると、本発明の動的三次元人体経絡システムは、漢方医学経典に記載された経絡循行、ツボ位置、ツボ深さ、主な適応症、効き目等の関連する臨床応用を統合することができ、人体シミュレーション三次元画像を通じて表現して、実際のツボ深さ循行の動的、バーチャルリアリティの視覚効果で医学教育と医学研究上の要件を満たすことができる。なお、本発明の動的三次元人体経絡システムは、更にユーザの体の情報をその中に整合して、個人化ツボ位置情報、ツボ深さ情報及び対応する個人化経絡循行データを取得することができ、実際のツボ深さ循行の動的、バーチャルリアリティの視覚効果で個人化の医学への応用を満たし、関連領域への応用潜在性を有する。
【0051】
本発明は、実施形態で上記のように開示されてきたが、上記実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができる。したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されるものに準ずるものとする。
【符号の説明】
【0052】
100、200、300:動的三次元人体経絡システム
110、210:メモリ
111、211:人体三次元解剖画像データベース
112、212:経絡データベース
120、220:人体経絡アプリケーションプログラム
121、221:三次元画像作成モジュール
122、222:人体経絡作成モジュール
123、223:操作モジュール
130、230、310:タッチスクリーンディスプレイ
140、240:プロセッサ
224:アプリケーションモジュール
311:第1側
312:第2側
320:動的三次元人体経絡画像
330:第1インターフェース配列ユニット
331:タッチアイコン
340:第2インターフェース配列ユニット
341:機能リスト
350:ツボデータ
351:ツボ名称情報
352:ツボ落下点情報
353:取穴方法情報
354:適応症情報
355:刺針深さ情報
360:経絡循行ビデオファイル