(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】アキュームレータ
(51)【国際特許分類】
F25B 43/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
F25B43/00 D
F25B43/00 H
(21)【出願番号】P 2023543816
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 JP2022030860
(87)【国際公開番号】W WO2023026885
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2021136549
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 侯史
(72)【発明者】
【氏名】大江 佑馬
(72)【発明者】
【氏名】小澤 武治
(72)【発明者】
【氏名】岩山 利道
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061543(JP,A)
【文献】特開2012-189313(JP,A)
【文献】特開2014-052139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
前記胴体の内側に配置されたパイプと、
前記パイプの外周から延在する掛け部と、
乾燥剤を収容する2つの袋部と、前記袋部同士をつなぐ連結部とを備えた乾燥剤収容体と、を有し、
前記乾燥剤収容体は、前記連結部を前記掛け部に掛けることにより取り付けられて
おり、
前記掛け部は、上方掛け部と下方掛け部とを含み、
前記乾燥剤収容体は、前記袋部の一方端同士をつなぐ第1連結部と、他方端同士をつなぐ第2連結部とを有する無端状であり、
前記第1連結部が前記上方掛け部に掛けられ、前記第2連結部が前記下方掛け部に掛けられている、
ことを特徴とするアキュームレータ。
【請求項2】
前記パイプの外周に形成され、切欠部を備えた鍔状部を有し、
前記乾燥剤収容体に形成された凹み部を、前記切欠部に係合させている、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアキュームレータ。
【請求項3】
前記上方掛け部と前記下方掛け部との間に板状部が配設され、前記板状部は開口を有し、
前記乾燥剤収容体の袋部は、前記板状部を挟んで両側に配置される、
ことを特徴とする請求項
1または2に記載のアキュームレータ。
【請求項4】
胴体と、
前記胴体の内側に配置されたパイプと、
前記パイプの外周から延在する掛け部と、
乾燥剤を収容する2つの袋部と、前記袋部同士をつなぐ連結部とを備えた乾燥剤収容体と、を有し、
前記乾燥剤収容体は、前記連結部を前記掛け部に掛けることにより取り付けられており、
前記掛け部は、上方掛け部と、一対の下方係止板とを含み、
前記乾燥剤収容体は、前記袋部の一方端同士をつなぐ第1連結部と、他方端同士をつなぐ第2連結部とを有する無端状であり、
前記第1連結部が前記上方掛け部に掛けられ、前記第2連結部が前記下方係止板の間に挿入されている、
ことを特徴とするアキュームレータ。
【請求項5】
前記上方掛け部から、前記下方係止板に向かって板状部が形成され、
前記板状部と平行に、前記パイプに連結された一対の支持板が形成され、
前記乾燥剤収容体の袋部は、前記板状部を挟んで配置され、それぞれ前記支持板に当接する、
ことを特徴とする請求項
4に記載のアキュームレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュームレータに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクルを循環する冷媒を気液分離して貯留するため、レシーバタンクやアキュームレータ等が用いられる。この種のアキュームレータとして、内部に流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、液相冷媒を内部に貯留するタンクを備え、冷媒中の水分を除去するために、タンクに乾燥剤が内蔵されたものがある。
【0003】
ところで、乾燥剤の全部が液相冷媒に浸かっている場合、圧縮機の起動時にタンク内が減圧することにより、乾燥剤を起点とした急激な冷媒沸騰(突沸現象)が起こり、これが原因でタンク内に圧力が発生してタンクが振動して、異音を発生させるおそれがある。
【0004】
一方、乾燥剤の全部が液相冷媒に浸からない場合であれば、上述の圧縮機起動時の異音発生の問題は生じないが、タンク内に流入した液相冷媒の落下経路に乾燥剤が位置する場合、タンク内で落下する液相冷媒が乾燥剤に衝突して跳ね返り、気相冷媒の吸込口から液相冷媒が吸い込まれ、圧縮機が液相冷媒を吸入する懸念がある。
【0005】
そこで、特許文献1に示すアキュームレータにおいては、圧縮機の停止時におけるタンク内の液相冷媒の最高液面位置(Lmax)よりも上方に乾燥剤の一部または全部を配置し、かつ、液相冷媒の落下経路を避けた位置に乾燥剤を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のアキュームレータによれば、乾燥剤が収容された袋は、吸込配管の周囲に巻き付けられた状態で、結束バンドのようなひも状の固定手段で結びつけられて固定されている。このため、アキュームレータの組み付けに手間がかかり、部品点数も増大する。
【0008】
これに対し、乾燥剤が収容された袋を、結束バンドなどを用いないで固定することも一案である。しかし、アキュームレータが例えば車載された状態で振動を受けると、乾燥剤が収容された袋が上下動して、その負荷により乾燥剤の一部が粉砕して粉状になり、異物となって配管に流出し、冷凍サイクルの機能を損なうおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、組付性に優れるとともに、振動を受けても冷凍サイクルの機能を確保できるアキュームレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明に係るアキュームレータは、
胴体と、
前記胴体の内側に配置されたパイプと、
前記パイプの外周から延在する掛け部と、
乾燥剤を収容する2つの袋部と、前記袋部同士をつなぐ連結部とを備えた乾燥剤収容体
と、を有し、
前記乾燥剤収容体は、前記連結部を前記掛け部に掛けることにより取り付けられており、
前記掛け部は、上方掛け部と下方掛け部とを含み、
前記乾燥剤収容体は、前記袋部の一方端同士をつなぐ第1連結部と、他方端同士をつなぐ第2連結部とを有する無端状であり、
前記第1連結部が前記上方掛け部に掛けられ、前記第2連結部が前記下方掛け部に掛けられている、ことを特徴とする。
本発明に係るアキュームレータは、
胴体と、
前記胴体の内側に配置されたパイプと、
前記パイプの外周から延在する掛け部と、
乾燥剤を収容する2つの袋部と、前記袋部同士をつなぐ連結部とを備えた乾燥剤収容体と、を有し、
前記乾燥剤収容体は、前記連結部を前記掛け部に掛けることにより取り付けられており、
前記掛け部は、上方掛け部と、一対の下方係止板とを含み、
前記乾燥剤収容体は、前記袋部の一方端同士をつなぐ第1連結部と、他方端同士をつなぐ第2連結部とを有する無端状であり、
前記第1連結部が前記上方掛け部に掛けられ、前記第2連結部が前記下方係止板の間に挿入されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組付性に優れるとともに、振動を受けても冷凍サイクルの機能を確保できるアキュームレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるアキュームレータの縦断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のA-A線で切断して平面視したアキュームレータの横断面図である。
【
図5】
図5は、乾燥剤収容体の縫製前の素材を示す平面図である。
【
図6】
図6は、乾燥剤収容体の縫製中の素材の状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、アウターパイプに乾燥剤収容体を組付けた状態で示す正面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態にかかるアキュームレータの縦断面図である。
【
図9】
図9は、
図8のB-B線で切断して平面視したアキュームレータの横断面図である。
【
図10】
図10は、アウターパイプに乾燥剤収容体を組付けた状態で示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態のアキュームレータ1について、添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるアキュームレータ1の縦断面図である。
図2は、
図1のA-A線で切断して平面視したアキュームレータ1の横断面図である。アキュームレータ1は、タンク本体2と、タンク本体2内に配置された二重管5と、乾燥剤(吸湿剤)DAを内包した乾燥剤収容体11とを有する。
【0015】
タンク本体2は、上端が開口した有底円筒状の胴体3と、溶接部10を介して胴体3と周溶接により接合され、胴体3の開口端を封止するヘッダ4とから構成される。これら胴体3及びヘッダ4は、いずれもアルミニウム合金等の金属によって形成される。本明細書において、ヘッダ4側を上方とし、胴体3の底側を下方とする。
【0016】
略円盤状に形成されたヘッダ4には、冷媒流入孔8及び冷媒流出孔9が、縦方向に貫通して形成されている。冷媒流出孔9には、胴体3の内底部の近くまで延伸するインナーパイプ6が接続されている。インナーパイプ6の外側に、アウターパイプ(単にパイプともいう)7を外装して二重管5が形成される。
【0017】
ヘッダ4の下方には、冷媒流入孔8からの混合冷媒(気相分と液相分が混在した冷媒)を、密度の高い液相冷媒及びコンプレッサオイル(以下、「オイル」という)と、密度の低い気相冷媒とに分離する気液分離部材16が有頂円筒状に設けられる。
【0018】
インナーパイプ6は、アルミニウム合金等の金属からなり、その下端部が開口すると共に、その上端部がヘッダ4の冷媒流出孔9に連結される。また、インナーパイプ6の下部は、アウターパイプ7の内周面に突設された複数のパイプリブ7a(
図2)の内側に嵌入され、これにより、アウターパイプ7内においてインナーパイプ6が安定して保持される。
【0019】
アウターパイプ7は、合成樹脂からなり、上端部が開口した状態で胴体3内に取り付けられる。アウターパイプ7の底部には、金属や樹脂からなる網目部材21がインサート成形された円筒状のストレーナ20が設けられ、このストレーナ20が胴体3の内底面に載置される。
【0020】
図3は、アウターパイプ7の側面図であり、
図4は、アウターパイプ7の上面図である。
図3、4において、アウターパイプ7は、長手方向の中間位置の外周に、径方向外方に延在する鍔状部7bを有する。胴体3に嵌合する鍔状部7bは、補強用のリブ7cと、リブ7cに囲まれた流路用の開口7dと、鍔状部7bの外周からアウターパイプ7まで延在する切欠部7eとを有する。
【0021】
また、
図4において、アウターパイプ7は、鍔状部7bからほぼ等距離の上下位置にて、アウターパイプ7の外周から切欠部7eに平行に延在する上方掛け部7f及び下方掛け部7gと、上方掛け部7f、下方掛け部7g、及びアウターパイプ7にわたって連設された矩形状の板状部7hとを有する。後述する
図7を参照して、アウターパイプ7の径方向に見たときに、上方掛け部7f及び下方掛け部7gの幅は、板状部7hの厚さより大きくなっている。上方掛け部7f及び下方掛け部7g、板状部7hの先端は、組み付けられた状態で胴体3の内周に当接すると好ましい。
【0022】
板状部7hは、上方掛け部7fと鍔状部7bとの間に形成された上方開口7iと、鍔状部7bと下方掛け部7gとの間に形成された下方開口7jとを有する。
【0023】
次に、乾燥剤収容体11について説明する。
図5は、乾燥剤収容体11の縫製前の素材を示す平面図である。
図6は、乾燥剤収容体11の縫製中の素材の状態を示す平面図である。
【0024】
まず、
図5に示すように、通気性・通水性並びに所要の形状保持性を有するフェルト等の布状体FTが、略矩形状に切断される。その後、幅方向中心線WCにて布状体FTを折り返し、その内側に乾燥剤DAを収容する。その後、
図6に点線で示す縫製線SLに沿って、布状体FTの周囲を縫製し、袋状となった乾燥剤収容体11の袋部11a、11bの内部に、独立して乾燥剤DAを封入する。乾燥剤DAに対して縫製線SLの外側の領域、すなわち袋部11a、11b同士をつなぐ中央領域(ここでは第2連結部)RAと端部領域(ここでは第1連結部)REには、乾燥剤DAが封入されておらず、布状体FTが重なった状態となる。
【0025】
次いで、中央領域RAを通過する中心線LCに沿って、乾燥剤収容体11を二つ折りし、端部領域REを合わせた状態で、縫製により接合する。これにより、乾燥剤DAを内包した袋部11a、11bを含む乾燥剤収容体11が、無端ベルト状に形成される。
【0026】
図7は、アウターパイプ7に乾燥剤収容体11を組付けた状態で示す正面図である。乾燥剤DAは、袋部11a、11bの内部に満杯の状態で収容されておらず、袋部11a、11bの容積にはある程度余裕がある。そこで、袋部11a、11bの中央を幅方向に沿って凹ませて凹み部11cを形成し、その両側に乾燥剤DAを移動させる。
【0027】
かかる状態で、端部領域RE側を上方に向け、中央領域RA側を下方に向けて、凹み部11cを鍔状部7bの切欠部7eに合致(係合)させ、且つ端部領域REの合わせ部を上方掛け部7fに掛け、中央領域RAの折り返し部を下方掛け部7gに掛ける。その状態を維持しつつ、乾燥剤収容体11をアウターパイプ7に向かって押し込むことで、乾燥剤収容体11をアウターパイプ7に取り付けることができる。
【0028】
その後、
図7に示すように、アウターパイプ7の下端にストレーナ20を取り付けて、鍔状部7bの外周が胴体3の内周に嵌合するようにして、アウターパイプ7を胴体3に組み付ける。胴体3に組み付けられた状態で、アウターパイプ7と胴体3とは偏心しており、アウターパイプ7の外周と胴体3の内周との間で最も広い空間に乾燥剤収容体11が配置される。
【0029】
以上のように構成されるアキュームレータ1の動作について、
図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、アキュームレータ1を冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機との間に配置し、蒸発器からの冷媒に含まれる水分を除去してガス冷媒を生成し、これを圧縮機へ戻す場合を例にとって説明する。
【0030】
蒸発器から冷媒が排出されると、接続配管(不図示)を通じてアキュームレータ1に搬送される。アキュームレータ1に到達した冷媒は、冷媒流入孔8から胴体3の内部に流入した後、気液分離部材16に衝突し、密度の高い液相冷媒及びオイルと、密度の低い気相冷媒(ガス冷媒)とに分離される。
【0031】
気液分離後の液相冷媒及びオイルは、自重により胴体3内に貯留される。その過程で、液相冷媒とオイルとの分離が進み、オイルは液相冷媒の下方に溜まる。このとき、液相冷媒の液面は、乾燥剤入り乾燥剤収容体11の一部(略中央)が浸漬する高さ位置にまで達する。したがって、液相冷媒に含まれる水分も気相冷媒に含まれる湿分も乾燥剤DAによって吸湿される。
【0032】
一方、気液分離された気相冷媒は、アウターパイプ7の上端開口部から流入し、アウターパイプ7内を下降する。その後、アウターパイプ7の底部で折り返されてインナーパイプ6に流入し、インナーパイプ6内を上昇して冷媒流出孔9に導かれる。このとき、オイル戻し孔(不図示)を通じて、胴体3の底に溜まったオイルが吸引され、ここでオイル成分を潤沢に含んだ気相冷媒となり、それが冷媒流出孔9から接続配管(不図示)を通じて圧縮機に供給される。
【0033】
本実施の形態によれば、結束バンドなどを用いることなく、無端ベルト状に形成された乾燥剤収容体11を、上方掛け部7fと下方掛け部7gとに掛けることで容易に取り付けることができ、また乾燥剤収容体11を上下に引っ張って確実に保持して、乾燥剤収容体11の上下動を抑制できる。このため、アキュームレータ1の部品点数を削減でき、製造工数を低減できる。乾燥剤収容体11は、アウターパイプ7のほぼ全長にわたって延在するため、液冷媒に浸らない乾燥剤DAが増加することで、突沸現象を抑制できる。
【0034】
乾燥剤収容体11から上方掛け部7fと下方掛け部7gに伝達される力は、板状部7hで支持されるため、上方掛け部7fと下方掛け部7gの応力が過大となることも抑制される。また、切欠部7eにより凹み部11cを係合させることで、袋部11a、11bがそれぞれ上下に二分されており、内部に収容された乾燥剤DAが凹み部11cを挟んで上下に移動することが困難となる。このため、アキュームレータ1が振動を受けた場合でも、乾燥剤が粉砕することが抑制される。
【0035】
また、
図2に示すように、乾燥剤収容体11の袋部11a、11bの対向面は、上方掛け部7fと下方掛け部7gとの間に配置された板状部7hの上方開口7iと下方開口7jに露出している。これにより、上方開口7iと下方開口7jを通過する液相冷媒または気相冷媒の水分も、乾燥剤DAにより効率よく吸湿できる。
【0036】
また、上方掛け部7fに乾燥剤収容体11を掛けた状態で
図7の方向に見て、乾燥剤収容体11の上部が山形形状に保持されており、このため上方から落下する液相冷媒が乾燥剤収容体11の表面に斜めに当たって側方に向かうので、上方への跳ね返りを防止することができる。また、端部領域REの合わせ部を上方掛け部7fに掛けることで、
図7に示すように、布状体の生地の切断縁が上方を向き、これがクッションの役割を果たすことで、上方から落下する液相冷媒の跳ね返りを防止することができる。
【0037】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態にかかるアキュームレータ1Aの縦断面図である。
図9は、
図8のB-B線で切断して平面視したアキュームレータ1Aの横断面図である。アキュームレータ1Aは、上述した実施形態に対して、アウターパイプ7Aの外側に形成された構成が異なる。それ以外の構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0038】
図9に示すように、アウターパイプ7Aの外周に植設された3本の支持梁7Abが、径方向外側に向かって延在し、その外方端が胴体3の内周に当接している。またアウターパイプ7を挟んで対向する2本の支持梁7Abに、一対の支持板7Acの一側縁が連設されている。支持板7Acは、アウターパイプ7Aの軸線に平行に延在し、その他側縁が胴体3の内周に当接している。支持梁7Abと支持板7Acにより、アウターパイプ7Aが胴体3に位置決めされる。支持梁7Abと支持板7Acの間が流路となる。
【0039】
一対の支持板7Acの間であって且つ支持板7Acの上方において、アウターパイプ7Aの外周から支持板7Acと平行に延在するように、上方掛け部7Afが形成されている。また、上方掛け部7Afの下端側及びアウターパイプ7Aの外周に対して、矩形状の板状部7Ahが連設されている。
【0040】
図10は、アウターパイプ7Aに乾燥剤収容体11Aを組付けた状態で示す正面図である。一対の支持板7Acの間であって且つ支持板7Acの下端近傍において、アウターパイプ7Aの外周から支持板7Acと平行に延在する一対の下方係止板7Agが、間隔をあけて形成されている。上方掛け部7Af、板状部7Ah及び下方係止板7Agの先端は、組み付けられた状態で胴体3の内周に当接すると好ましい。板状部7Ahに開口を形成してもよい。
【0041】
本実施形態において、乾燥剤収容体11Aは、
図5,6に示す工程と同様な工程を経て形成されるが、中央に凹み部を有しておらず、袋部11Aa、11Abに乾燥剤DAがほぼ満杯の状態で収容される。
【0042】
乾燥剤収容体11Aの組み付けに際し、本実施形態では、中央領域(ここでは第1連結部)RA側を上方に向け、端部領域(ここでは第2連結部)RE側を下方に向け、中央領域RAの折り返し部を上方掛け部7Afに掛け、端部領域REの合わせ部を一対の下方係止板7Agの間に挿入する。その状態を維持しつつ、支持板7Acに沿って、乾燥剤収容体11Aをアウターパイプ7Aに向かって押し込むことで、乾燥剤収容体11Aをアウターパイプ7Aに取り付けることができる。
【0043】
このとき、板状部7Ahは、袋部11Aa、11Abの間で上端から中間位置近傍まで延在し、板状部7Ahの下方において、袋部11Aa、11Ab同士が接触している。また、袋部11Aa、11Abの外側面は、支持板7Acに当接して保持されている。
【0044】
本実施の形態によれば、結束バンドなどを用いることなく、無端ベルト状に形成された乾燥剤収容体11Aを、上方掛け部7Afと下方係止板7Agとに掛けることで容易に取り付けることができ、また乾燥剤収容体11Aを上下に引っ張って確実に保持することができる。また、袋部11Aa、11Abの内部に収容された乾燥剤DAが、相互に移動することができず、さらに袋部11Aa、11Abの外側面が、支持板7Acに当接保持されているため、アキュームレータ1Aが振動を受けた場合でも、乾燥剤が粉砕することが抑制される。
【0045】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、1A アキュームレータ
2 タンク本体
3 胴体
4 ヘッダ
5、5A 二重管
6 インナーパイプ
7、7A アウターパイプ
8 冷媒流入孔
9 冷媒流出孔
11、11A 乾燥剤収容体
20 ストレーナ