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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】振動選別機
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/28 20060101AFI20241115BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20241115BHJP
   B07B 1/42 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B07B1/28 Z
B07B1/46 D
B07B1/42 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023566775
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 EP2021066883
(87)【国際公開番号】W WO2022268291
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】522340853
【氏名又は名称】ヴィブラ マシネンファブリク シュルトハイス ゲーエムベーハー ウント コー.
【氏名又は名称原語表記】Vibra Maschinenfabrik Schultheis GmbH & Co.
【住所又は居所原語表記】Im grossen Ahl 50,63075 Offenbach,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルトハイス,ウィンフリード
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3188460(JP,U)
【文献】国際公開第2019/082644(WO,A1)
【文献】特開平2-95476(JP,A)
【文献】中国実用新案第210935840(CN,U)
【文献】特開平11-226503(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2073054(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第108421696(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動選別機(1)であって、
内周(11)および外周(12)を有するスクリーン担持枠(10)と、
前記スクリーン担持枠(10)内で水平方向に延び、前記スクリーン担持枠(10)によって鉛直方向に支持されている、固体粒子を分離するためのスクリーン(20)と、
前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)に配置され、前記スクリーン(20)に垂直な方向(z)の振動成分を発生させるように構成された、1つまたは複数の振動モータ(30)と、
各々が内縁(15.1,15.2,15.3)および外縁(16.1,16.2,16.3)を有する少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)であって、前記少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)の各々がその外縁(16.1,16.2,16.3)によって前記スクリーン担持枠(10)の前記内周(11)に取り付けられ、前記少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)が平行な平面において互いに離間している、少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)と、
前記スリーブ担持枠(10)内に配置され、前記少なくとも2つの内部環状ディスクの2つ(14.2,14.3)の前記内縁(15.2,15.3)に取り付けられた内側スリーブ(17)であって、前記2つの内部環状ディスクの上側の内部環状ディスク(14.2)と前記内側スリーブ(17)が切れ目ない表面を提供する一方、前記2つの内部環状ディスクの下側の内部環状ディスク(14.3)には、外部環境に向いた開口(18)が設けられている、内側スリーブ(17)と、
を備える、振動選別機(1)。
【請求項2】
前記スクリーン担持枠(10)は略円筒形状を有する、請求項1に記載の振動選別機(1)。
【請求項3】
前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)の直径は800mmより大きい、請求項1または請求項2に記載の振動選別機(1)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)の前記外縁(16.1,16.2,16.3)は、前記スクリーン担持枠(10)の前記内周(11)に溶接されている、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項5】
前記内側スリーブ(17)は、前記2つの内部環状ディスク(14.2,14.3)の前記内縁(15.2,15.3)に溶接されている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項6】
前記少なくとも2つの内部環状ディスクは、第1内部環状ディスク、第2内部環状ディスク、および第3内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)を含み、前記第1内部環状ディスク、前記第2内部環状ディスク、および前記第3内部環状ディスクの最も上のもの(14.1)の前記内縁(15.1)の直径が、他の2つの前記内部環状ディスク(14.2,14.3)前記内縁(15.2,15.3)の直径よりも大きい、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項7】
前記スクリーン担持枠(10)の前記内周(11)から内方に延び、かつ、前記少なくとも2つの内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)に垂直に延びる、複数のウェブ(19a,19b)によって特徴付けられ、前記ウェブ(19a,19b)は、前記スクリーン担持枠(10)の前記内周(11)と、前記内部環状ディスク(14.1,14.2,14.3)の少なくとも1つと、に接続されている、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項8】
前記ウェブ(19a,19b)の少なくとも2つが、前記外周(12)上の1つの前記振動モータ(30)の反対側の前記内周(11)において互いに平行に配置されている、請求項7に記載の振動選別機(1)。
【請求項9】
各前記振動モータ(30)は、前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)の接平面内を走る回転軸(A)を有しており、前記振動モータ(30)の前記接平面は互いに平行である、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項10】
前記接平面における前記回転軸(A)は前記振動選別機(1)の鉛直軸(V)に対して対称に傾斜している、請求項9に記載の加振選別機(1)。
【請求項11】
前記振動モータ(30)は、前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)に固定されたブラケット(31)によって前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)に取り付けられている、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項12】
前記スクリーン担持枠(10)を鉛直方向に支持するバネアセンブリ(70)によって特徴付けられる、請求項1から請求項11の何れか一項に記載の振動選別機(10)。
【請求項13】
前記スクリーン担持枠(10)を密封するように覆うフード(40)によって特徴付けられ、前記スクリーン(20)は、クランプ手段(60)によって前記スクリーン担持枠(10)の上縁(13)と前記フード(40)の下縁(43)との間に挟持されている、請求項1から請求項12の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項14】
前記スクリーン担持枠(10)の上縁(13)と前記スクリーン(20)との間に挟持された出力ホッパ(50)によって特徴付けられる、請求項1から請求項13の何れか一項に記載の振動選別機(1)。
【請求項15】
2つの前記振動モータ(30)が、前記スクリーン担持枠(10)の前記外周(12)において互いに対向して配置されている、請求項1から請求項14の何れか一項に記載の振動選別機(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に医薬品や食品加工のような用途において固体粒子の分離に用いる振動選別機に関する。ただし、一般的には、鉱物処理、脱水、廃液流の処理、採石等のような幅広い用途にも適用できる。
【0002】
従来の振動選別機は、通常、固体粒子を分離するためのスクリーンを担持するスクリーン担持枠を含む。スクリーンは、スクリーン担持枠内で水平方向に延び、スクリーン担持枠によって鉛直方向に支持される。
【0003】
1つの型式の振動選別機では、スクリーン担持枠の振動は、典型的には、スクリーン担持枠の外周において互いに対向して配置された2つの振動モータを使って発せられる。振動モータの利点の1つは、スクリーン担持枠にこれらのモータを直接取り付けることができるため、潤滑を必要とするが故に特に医薬品や食品加工で重大な問題になり得る潤滑剤によって装置の環境を汚染する可能性がある追加のトランスミッション、ギヤトレイン、カップリング、その他の可動機械部品をなくせることである。
【0004】
振動モータは、回転可能なシャフトに取り付けられた偏心錘の回転を通して振動を発生させる。2つの逆回転振動モータを採用することで、指向性振動を発生させることができる。スクリーン担持枠に取り付けられた振動モータは、鉛直方向、つまり上下の力成分だけでなく、互いを接近および離隔させる力成分も発生させる。特に、互いを接近および離隔させる力は、スクリーン担持枠に作用する。すなわち、振動モータの各回転に伴い、半径方向の力がスクリーン担持枠を半径方向に広げたり圧縮したりする傾向がある。このようなブリージング(breathing)は、フレームの慣性質量のため、多数の振動モータと同様に単一の振動モータでも観察され得る。鉛直方向の高い選別力が必要とされるほどスクリーン担持枠に半径方向に作用する力は大きくなり、その結果、対応するブリージングとスクリーン担持枠の材料疲労につながる。材料疲労は、フレームや溶接部に小さな亀を生じさせることがある。
【0005】
スクリーン担持枠の高い安定性は、肉厚な材料または中空プロファイルをスクリーン担持枠に使用することによって達成され得る。
【0006】
しかしながら、フレームが重くなると、より強力な振動モータが鉛直方向の選別力を発生させるために必要となり、ひいては半径方向の力の増加につながる。結局のところ、これは非常に重い構造を示唆し、運転中に多くのエネルギーを消費するであろう。
【0007】
中空プロファイルを使用すれば重量を減らすことができるが、衛生的な理由から非常に問題がある。振動選別機の運転中、毛細管亀裂が生じることがあるが、必ずしも安全な運転を損なうものではない。しかしながら、細菌は、そのような小さな亀裂内で繁殖し、中空プロファイル内部の空洞に侵入し得る。このような空洞には装置の洗浄中に消毒剤が到達しないため、一旦このような空洞に侵入した細菌を除去することはほぼ不可能である。最悪の場合、サルモネラ菌のような細菌が生産ライン全体に広がり、その発生源を特定することさえ困難になり得る。医薬品や食品加工では、多くの場合、装置全体を廃棄するしかない。
【0008】
このような背景から、本発明は、軽量構造を提供して高い衛生的安全基準を維持しながら、振動選別機の物質処理量をスケールアップすることを目的とする。
【0009】
この技術的課題は、請求項1の特徴を備えた振動選別機によって解決される。本発明の振動選別機は、内周および外周を有するスクリーン担持枠と、前記スクリーン担持枠内で水平方向に延び、前記スクリーン担持枠によって鉛直方向に支持されている、固体粒子を分離するためのスクリーンと、前記スクリーン担持枠の前記外周に配置され、前記スクリーンに垂直な方向の振動成分を発生させるように構成された、1つまたは複数の振動モータと、各々が内縁および外縁を有する少なくとも2つの内部環状ディスクであって、前記少なくとも2つの内部環状ディスクの各々がその外縁によって前記スクリーン担持枠の前記内周に取り付けられ、前記少なくとも2つの内部環状ディスクが平行な平面において互いに離間している、少なくとも2つの内部環状ディスクと、前記スリーブ担持枠内に配置され、前記少なくとも2つの内部環状ディスクの2つの前記内縁に取り付けられた内側スリーブであって、前記2つの内部環状ディスクの上側の内部環状ディスクと前記内側スリーブが切れ目ない表面を提供する一方、前記2つの内部環状ディスクの下側の内部環状ディスクには外部環境に向いた開口が設けられている、内側スリーブと、を備える。
【0010】
この結果、軽量構造となって、比較的小さな振動モータで装置を駆動できる。少なくとも2つの内部環状ディスクおよび内側スリーブが2つの振動モータの間の空間においてスクリーン担持枠を補強し、これによってスクリーン担持枠のブリージングと毛細管亀裂の危険性が低減される。
【0011】
加えて、構造にはカプセル化された空洞が全くない。したがって、細菌の繁殖地の創出が確実に回避される。振動選別機の全ての表面に、容易に洗浄と消毒を行き渡らせることができる。最も下の内部環状ディスクの開口によって、内部環状ディスクと内側スリーブの全ての側面に洗浄洗剤および消毒剤が行き渡ることが保証される。したがって、この装置は、最高の衛生安全基準を満たす。
【0012】
本発明の有利な実施形態は、さらなる特許請求の範囲に示唆されている。
【0013】
本発明の第1実施形態において、スクリーン担持枠は、略円筒形状を有しており、これによって角部がなくなって洗浄および消毒が容易となる。
【0014】
本発明のさらなる一実施形態において、スクリーン担持枠の外周の直径は、選別する製品の高処理量を可能にするために、800mmよりも大きい。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態において、少なくとも2つの内部環状ディスクの外縁は、全体的な構造が非常に単純に保たれるように、スクリーン担持枠の内周に溶接されている。
【0016】
さらに、内側スリーブは、前記2つの内部環状ディスクの内縁に溶接されていてもよい。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態において、前記少なくとも2つの内部環状ディスクは、第1内部環状ディスク、第2内部環状ディスク、および第3内部環状ディスクを含み、前記第1内部環状ディスク、第2内部環状ディスク、および第3内部環状ディスクのうち最も上のものの内縁の直径は、他の2つの内部環状ディスクの内縁の直径よりも大きい。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態において、複数のウェブが、スクリーン担持枠の内周から内方に延び、かつ、少なくとも2つの内部環状ディスクに垂直に延びており、前記ウェブは、スクリーン担持枠の内周と、前記内部環状ディスクのうちの少なくとも1つに接続されている。これにより、スクリーン担持枠の半径方向の剛性がさらに高まり得る。
【0019】
特に、少なくとも2つの前記ウェブは、外周上の1つの振動モータの反対側の内周において互いに平行に配置され、特に振動モータによって発せられる半径方向の力の方向において、スクリーン担持枠の半径方向の剛性をさらに高める。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態において、各振動モータは、スクリーン担持枠の外周の接平面内を走る回転軸を有しており、振動モータの接平面は互いに平行である。回転軸を傾けることで、必要に応じて選別力を調整できるであろう。
【0021】
好ましくは、接平面における回転軸は、振動選別機の鉛直軸に対して対称に傾斜している。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態において、振動モータは、スクリーン担持枠の外周に固定されたブラケットによってスクリーン担持枠の外周に取り付けられている。これにより、振動モータの回転軸の向きの調整が簡単になる。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態において、振動選別機は、スクリーン担持枠を機械基部または基部板に対して鉛直方向に支持するバネアセンブリを備える。
【0024】
振動選別機は、スクリーン担持枠を密封するように覆うフードをさらに備えてもよい。この場合、スクリーンは、クランプ手段によってスクリーン担持枠の上縁とフードの下縁との間に挟持される。
【0025】
加えて、出力ホッパが、スクリーンとスクリーン担持枠の上縁との間に挟持されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下では、本発明について、添付の図面を参照しつつより詳細に説明する。
図1図1は、本発明の可能な一実施形態による、振動選別機の3次元図である。
図2図2は、図1の振動選別機の側断面図である。
図3図3は、図1の振動選別機の上面図である。
図4図4は、図1の振動選別機のスクリーン担持枠および振動モータの等角図である。
図5図5は、図3に示す構造の断面図である。
【0027】
図1から図5は、本発明による、振動スクリーン装置1の一実施形態を示す。
【0028】
この振動スクリーン装置1は、スクリーン担持枠10と、固体粒子を分離するためのスクリーン20と、1つまたは複数の振動モータ30と、フード40と、出力ホッパ50と、クランプ手段60と、バネ配置70と、を備える。
【0029】
スクリーン担持枠10は、内周11と外周12とを備えた略円筒形状を有していてもよい。スクリーン担持枠10は、、丸いスリーブを形成して両端を合わせて溶接することによって、板金、好ましくはステンレス鋼から作製され得る。ただし、非円形形状、例えば矩形状のスクリーン担持枠10も、同様に企図され得る。
【0030】
固体粒子を分離するためのスクリーン20は、スクリーン担持枠10によって鉛直方向に支持され、スクリーン担持枠10内で水平方向(x,y)に延びている。示されている実施形態において、スクリーン20は有孔支持板22に取り付けられた金網21を含んでいてもよく、そしてこれはスクリーン担持枠10の上縁13によって支持される。スクリーン20は、スクリーン担持枠10から着脱可能であって、スクリーン担持枠10の外周12に配置されたクランプ手段60によって固定される。
【0031】
示されている実施形態において、振動力は、スクリーン担持枠10の外周12において互いに対向して配置された2つの振動モータ30によって発せられる。ただし、振動モータ30の数は、2つより少なくても(単一の振動モータを意味する)、多くてもよい。振動モータ30は、スクリーン20に垂直な方向zの振動成分を発生させるように配置され構成されている。振動モータ30の各々は、回転可能なシャフトに取り付けられた偏心錘を含むことが好ましい。振動モータ30は、指向性振動を発生させるために逆回転するように運転され、指向性振動は、方向zすなわち上下の鉛直成分とは別に、スクリーン20のxy平面における半径方向成分も含む。
【0032】
図4に示すように、各振動モータ30の回転軸Aは、スクリーン担持枠10の外周12の接平面内に延びており、2つの振動モータ30の接平面は互いに平行である。振動モータ30の回転軸Aを振動選別機1の鉛直軸Vに対して傾斜させることにより、振動力の半径方向および鉛直方向の成分を調整することが可能である。
【0033】
示されている実施形態において、接平面内の軸Aは、振動選別機1の鉛直軸Vに対して対称に傾斜しているため、振動モータ30の回転ごとに、鉛直成分が互いに加算され、半径方向成分は互いに相殺される。
【0034】
既に述べたように、振動モータ30は、スクリーン担持枠10の外周12に配置されている。それらは、外周12に直接装着されていてもよく、或いは、示されているように、例えば溶接によってスクリーン担持枠10の外周12に固定されるブラケット31によって装着されていてもよい。振動モータ30は、複数のブラケット31に螺合されてもよく、各ブラケット31は、振動モータ30用の取付板32を有する。取付板32は、スクリーン担持枠10の外周12から離間している。必要に応じて、回転軸Aの調整を容易にするために、振動モータ30とブラケット31との間に調整機構が設けられていてもよい。
【0035】
振動モータ30の半径方向の力成分の下で、スクリーン担持フェイム20のブリージング、すなわち弾性変形を減少または防止するために、スクリーン担持枠10には、特定の内部補強構造が設けられている。
【0036】
この補強構造は、少なくとも2つの内部環状ディスクを含む。図面に示す例示的な実施形態において、補強構造は、第1内部環状ディスク14.1、第2内部環状ディスク14.2、および第3内部環状ディスク14.3を含み、各々が内縁15.1,15.2,15.3と、外縁16.1,16.2,16.3を有し、前記第1内部環状ディスク14.1、第2内部環状ディスク14.2、および第3内部環状ディスク14.3の各々は、好ましくは溶接部を介して、その外縁16.1,16.2,16.3によってスクリーン担持枠10の内周11に取り付けられる。これらの溶接部が、外縁16.1,16.2,16.3の全体に沿って延びることにより、内部環状ディスク14.1,14.2,14.3と内周11との間には如何なる隙間もなくなる。
【0037】
第1内部環状ディスク14.1、第2内部環状ディスク14.2、および第3内部環状ディスク14.3は、平行な平面、好ましくは水平面内において互いに離間している。示されている実施形態において、第1内部環状ディスク14.1は、第2内部環状ディスク14.2の上方に平行に配置され、第2内部環状ディスク14.2は、第3内部環状ディスク14.3の上方に平行に配置されている。
【0038】
補強構造は内側スリーブ17をさらに含み、内側スリーブ17は、スクリーン担持枠10内に配置され、前記第1内部環状ディスク、第2内部環状ディスク、および第3内部環状ディスクうちの2つ、ここでは第2内部環状ディスク14.2および第3内部環状ディスク14.3の内縁15.2,15.3が取り付けられている。
【0039】
内側スリーブ17は、略円筒形状であって、環状溶接部を介して内縁15.2,15.3に接続されることが好ましい。
【0040】
図2図4および図5に示すように、内側スリーブ17に接続された前記2つの内部環状ディスクの上側の内部環状ディスク14.2と内側スリーブ17が、切れ目ない、すなわち如何なる開口部も有しない表面を提供する一方、下側の内部環状ディスク14.3は、外部環境に向いた、好ましくは下向きの開口18を備える。2つの内部環状ディスク14.2,14.3、スクリーン担持枠10、および内側スリーブ17は、箱状の断面を有する環状チャネル18aを形成し、これは単一の第1内部環状ディスク14.1とともにスクリーン担持枠10の半径方向の剛性を実質的に増加させる。
【0041】
しかしながら、場合によっては、第1内部環状ディスク14.1がなくてもよい。他の幾つかの場合において、第1内部環状ディスク14.1が箱状の断面を有する第2円形チャネル18aに置き換えられてもよく、その結果、内部環状ディスクは合計4つになる。
【0042】
開口18は、洗浄および消毒の目的に十分な大きさであって、円形チャネル18aを洗浄洗剤および/または消毒剤で洗い流すことによって、円形チャネル18a内の細菌の繁殖を防止することができる。
【0043】
必要に応じて、複数のウェブ19a,19bが、スクリーン担持枠10と内部環状ディスク14.1,14.2,14.3との間に設けられてもよい。ウェブ19a,19bは、スクリーン担持枠10の内周11から内方に延び、かつ、内部環状ディスク14.1,14.2,14.3に垂直に延びていてもよい。特に、ウェブ19a,19bは、スクリーン担持枠10の内周11と、前記内部環状ディスク14.1,14.2,14.3の少なくとも1つとに、例えば溶接されて接続されてもよい。
【0044】
図面に示す実施形態では、最も上のもの、すなわち第1内部環状ディスク14.1の上側に上側ウェブ19aが設けられ、最も下の第3内部環状ディスク14.3の下側に下側ウェブ19bが設けられている。
【0045】
前記ウェブ19a,19bの少なくとも2つを、外周12上の1つの振動モータ30の反対側の内周11において互いに平行に配置することにより、2つの振動モータ30によって発生する半径方向の力の方向におけるスクリーン担持枠10の半径方向の剛性をさらに高めてもよい。
【0046】
出力ホッパ50は、スクリーン担持枠10に上部から鉛直方向に挿入され、スクリーン20とスクリーン担持枠10の上縁13との間に挟持される。出力ホッパ50は、スクリーン20を通過する全ての物質を集め、例えば袋や容器等を取り付けるための出力開口51を有し得る。また、出力開口51は出力コンベアに通じていてもよい。
【0047】
なお、前記第1内部環状ディスク、第2内部環状ディスク、および第3内部環状ディスクの最も上のものの内縁15.1の直径は、他の2つの内部環状ディスク14.2,14.3の内縁15.2,15.3の直径よりも大きい。内部環状ディスク14.1,14.2,14.3の内縁15.1,15.2,15.3は、出力ホッパ50の外壁から取り除かれている。
【0048】
フード40は、スクリーン担持枠10およびスクリーン20を密封するように覆っている。フード40には、選別すべき製品のための入口開口41が設けられており、スクリーンを通過するには大きすぎる固体物質のための少なくとも1つの半径方向出口42を有している。
【0049】
スクリーン20は、クランプ手段60によって、スクリーン担持枠20の上縁13とフード40の下縁43との間に挟持されている。
【0050】
好ましい一実施形態において、出力ホッパ50、スクリーン20、およびフード40が、続いてスクリーン担持枠10の上縁13に積み重ねられ、フード40をスクリーン担持枠10に対して引っ張るように構成されたクランプ手段60によって全て一緒に固定される。
【0051】
振動選別機1は、スクリーン担持枠10を鉛直方向に支持するバネアセンブリ70の上に置かれる。
【0052】
特定の一実施形態において、振動選別機1は、内周11および外周12を有するスクリーン担持枠10と、スクリーン担持枠10内で水平に延び、スクリーン担持枠10によって鉛直方向に支持されている、固体粒子を分離するためのスクリーン20と、スクリーン担持枠10の外周12に配置され、各々が内縁15.2,15.3と外縁16.2,16.3を有する2つの内部環状ディスク14.2,14.3にスクリーン20に垂直な方向Zの振動成分およびスクリーン20の半径方向xyの振動成分を発生させるように構成された、1つまたは複数の振動モータ30と、スリーブ担持枠10内に配置され、前記内部環状ディスク14.2,14.3の内縁15.2,15.3に取り付けられている、内側スリーブ17と、を備えており、ここで、各内部環状ディスク14.2,14.3は、その外縁16.2,16.3によってスクリーン担持枠10の内周11に取り付けられ、これら2つの内部環状ディスク14.2,14.3は平行な平面において互いに離間しており、内部環状ディスク14.2,14.3の上側の1つと内側スリーブ17が、如何なる開口もない切れ目ない表面を提供する一方、下側の内部環状ディスク14.3には、外部環境に向いた開口18が設けられていることによって、スクリーン担持枠10とともに前記開口18で開口する環状チャネル18aを画定している。必要に応じて、この特定の実施形態は、例えば、別の内部環状ディスク14.1を追加することによって、或いは、振動モータ30の数を変化させることによって、既に上に示された特徴からさらに変形されてもよい。
【0053】
実施形態の振動選別機1は、医薬品および食品加工に関する最高の衛生的安全基準を満たすことができる。特に、装置1とその部品は、生物学的危険を生じさせることなく洗浄および消毒することができる。全ての表面に、洗浄洗剤や消毒剤を容易に行き渡らせることができる。毛細血管の亀裂等からしかアクセスできず細菌が実質的に邪魔されずに繁殖し得る中空空間は、完全になくなる。
【0054】
加えて、スクリーン担持枠10の外周12上の振動モータ30を用いることで、潤滑剤による汚染の危険性が最小限に抑えられる。
【0055】
補強されたスクリーン担持枠10は軽量構造であるため、比較的小型の振動モータ30を用い得る。
【0056】
半径方向の力は、補強されたスクリーン担持枠10の高い半径方向剛性によって容易に吸収されるため、高処理量のための800mm以上の大きな直径が可能となるであろう。
【0057】
したがって、本発明は、複雑な技術的課題に対するエレガントで簡単な解決策を提供する。
【0058】
本発明を、例示的な実施形態およびさらなる変形例を参照しつつ詳細に説明した。しかしながら、本発明は、それに限定されるものではなく、特許請求の範囲によって画定される全ての実施形態を備える。特に、技術的特徴は、上記で明示的に説明されていない場合でも、技術的に可能である限り、互いに組み合わせることができる。例示的な実施形態は、開示の完全性および理解の増進のみを目的として、本発明の全ての態様を例示することを意図したものである。しかしながら、これは、組み合わせて説明されている全ての特徴が実際に互いに組み合わされなければならないことを示唆するものではない。むしろ逆に、本開示における特徴の技術的に可能な全ての部分組み合わせおよび入替えを包含することを意図していることをここに明示的に述べ、その詳細な引用は、簡潔性の理由のみによって省略される。

図1
図2
図3
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図5