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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】撮像ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/55 20210101AFI20241115BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20241115BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20241115BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241115BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241115BHJP
   G03B 15/00 20210101ALN20241115BHJP
   G03B 17/02 20210101ALN20241115BHJP
【FI】
G03B17/55
H04N23/57
H04N23/52
G03B17/56 A
G03B30/00
G03B15/00 V
G03B17/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021021250
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123744
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 康孝
(72)【発明者】
【氏名】橋本 義之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 航洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 清彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 渉
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-026568(JP,A)
【文献】特開2019-220923(JP,A)
【文献】特開2013-135405(JP,A)
【文献】特開2010-173540(JP,A)
【文献】特開2018-167610(JP,A)
【文献】国際公開第2020/149085(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/55-17/56
H04N 23/57
H04N 23/52
G03B 17/56
G03B 15/00
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属のケースを備えるカメラと、
樹脂により形成され、前記カメラを支持するブラケットと、
前記カメラの後面側に配置され、前記カメラの熱を放熱する放熱部と、
金属により形成され、前記カメラの前記ケースと、前記放熱部とを連結する連結部と、
を備え
前記カメラは、
発生した熱を前記ケースに拡散するヒートスプレッダと、
金属により形成され、前記ヒートスプレッダと前記ケースとの間に配置される放熱板と、
前記ヒートスプレッダと、前記放熱板との間に配置され、弾性を有し、前記ヒートスプレッダの熱を前記放熱板に伝達する放熱シートと、
を備える、
撮像ユニット。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記カメラが嵌め込まれる凹部を有し、
前記放熱部は、前記凹部に対応する位置に配置される、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項3】
前記連結部は、前記カメラの前記ケースと、前記放熱部とを連結する面の対角線上に配置された一以上のねじと、一以上のピンとにより連結させる、
請求項1または2に記載の撮像ユニット。
【請求項4】
前記カメラの前記ケースは、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項5】
前記放熱部は、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項6】
前記ヒートスプレッダは、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項7】
前記放熱板は、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項8】
前記放熱シートは、樹脂を含む、
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項9】
金属のケースを備えるカメラと、
樹脂により形成され、前記カメラを支持するブラケットと、
前記カメラの後面側に配置され、前記カメラの熱を放熱する放熱部と、
金属により形成され、前記カメラの前記ケースと、前記放熱部とを連結する連結部と、
を備え、
前記連結部は、前記カメラの前記ケースと、前記放熱部とを連結する面の対角線上に配置された一以上のねじと、一以上のピンとにより連結させる、
撮像ユニット。
【請求項10】
前記ブラケットは、前記カメラが嵌め込まれる凹部を有し、
前記放熱部は、前記凹部に対応する位置に配置される、
請求項9に記載の撮像ユニット。
【請求項11】
前記カメラは、
発生した熱を前記ケースに拡散するヒートスプレッダと、
金属により形成され、前記ヒートスプレッダと前記ケースとの間に配置される放熱板と、
前記ヒートスプレッダと、前記放熱板との間に配置され、弾性を有し、前記ヒートスプレッダの熱を前記放熱板に伝達する放熱シートと、
を備える、
請求項9または10に記載の撮像ユニット。
【請求項12】
前記カメラの前記ケースは、アルミニウムを含む、
請求項9に記載の撮像ユニット。
【請求項13】
前記放熱部は、アルミニウムを含む、
請求項9に記載の撮像ユニット。
【請求項14】
前記ヒートスプレッダは、アルミニウムを含む、
請求項11に記載の撮像ユニット。
【請求項15】
前記放熱板は、アルミニウムを含む、
請求項11に記載の撮像ユニット。
【請求項16】
前記放熱シートは、樹脂を含む、
請求項11に記載の撮像ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車やトラクターなどの車両は、車外に取り付けられる車載カメラを備えている。このような、車載カメラは、車両や歩行者や障害物の検知などの画像処理を実行するISP(Image Signal Processor)を備えている。そして、車載カメラは、ISPが高機能になるに従い発熱量が増加するため、より効率的に放熱することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6234572号公報
【文献】特開2011-246056号公報
【文献】特開2017-40723号公報
【文献】特開2018-42218号公報
【文献】米国特許第10214157号明細書
【文献】米国特許第9896039号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両には、様々な部品が搭載されるため、車載カメラの放熱機構を有する撮像ユニットを大きくすることは困難である。そのため、より効率的に放熱することが可能な技術が求められている。
【0005】
本開示は、効率的に放熱することが可能な撮像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる撮像ユニットは、カメラと、ブラケットと、放熱部と、連結部と、を備える。前記カメラは、金属のケースを備える。前記ブラケットは、樹脂により形成され、前記カメラを支持する。前記放熱部は、前記カメラの後面側に配置され、前記カメラの熱を放熱する。前記連結部は、金属により形成され、前記カメラの前記ケースと、前記放熱部とを連結する。また、前記カメラは、ヒートスプレッダと、放熱板と、放熱シートと、を備える。前記ヒートスプレッダは、発生した熱を前記ケースに拡散する。前記放熱板は、金属により形成され、前記ヒートスプレッダと前記ケースとの間に配置される。前記放熱シートは、前記ヒートスプレッダと、前記放熱板との間に配置され、弾性を有し、前記ヒートスプレッダの熱を前記放熱板に伝達する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、効率的に放熱することが可能な撮像ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る撮像ユニットの外観の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る撮像ユニットを分解した状態の一例を示す分解斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る撮像ユニットを切断した状態の一例を示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る撮像装置を分解した状態の一例を示す分解斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る撮像装置を切断した状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る撮像ユニット1の外観の一例を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る撮像ユニット1を分解した状態の一例を示す分解斜視図である。図3は、第1実施形態に係る撮像ユニット1を切断した状態の一例を示す断面図である。
【0011】
本実施形態では、X軸、Y軸、Z軸からなる直行座標系を規定する。Z軸方向は、撮像装置10の光軸方向と平行な方向である。X軸方向は、Z軸方向と直行し、第1開口33及び第2開口34を結ぶ方向である。Y軸方向は、X軸方向及びZ軸方向と直行する方向である。また、撮像装置10のレンズ113が配置された方向を前面側と呼称し、放熱部40配置された方向であって前面側と対向する方向を後面側と呼称する。
【0012】
撮像ユニット1は、自動車や、トラックなどの車両に取り付けられる。撮像ユニット1は、撮像装置10、ブラケットパッキン20、ブラケット30、放熱部40、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56を備える。
【0013】
撮像装置10は、金属のケース11に収納されたカメラである。例えば、ケース11は、アルミニウムなどにより形成されている。
【0014】
ブラケットパッキン20は、撮像装置10とブラケット30との間に配置される。例えば、ブラケットパッキン20は、ゴムにより形成される。ブラケットパッキン20は、撮像装置10とブラケット30との間の密閉を高める部材である。すなわち、ブラケットパッキン20は、撮像装置10とブラケット30との間から水が入り込むことを抑制する。
【0015】
ブラケット30は、樹脂により形成され、撮像装置10を支持する部材である。更に詳しくは、ブラケット30は、撮像装置10が嵌め込まれる凹部31を有している。凹部31は、撮像装置10の後面側の面と接する連結面32に、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54が挿入される孔と、後面接続部171(図4参照)が挿入される孔とを有している。同様に、ブラケットパッキン20は、連結面32の各孔と対応する位置に、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54が挿入される孔と、後面接続部171(図4参照)が挿入される孔とを有している。
【0016】
また、ブラケット30は、凹部31の側方に第1開口33及び第2開口34を有している。第1開口33及び第2開口34は、ねじなどの固着部材が挿入される開口である。撮像ユニット1は、第1開口33及び第2開口34に挿入された固着部材により車両と連結される。ここで、ブラケット30は、例えば樹脂などの絶縁体により形成される。一方、撮像装置10は、金属のケース11に収納されている。雷などにより車両に電流が流れた場合に、ケース11を介して、撮像装置10にも電流が流れてしまうことを防止するために、ブラケット30は、樹脂により形成されている。
【0017】
放熱部40は、撮像装置10の後面側に配置され、撮像装置10の熱を放熱する。更に詳しくは、放熱部40は、凹部31に対応する位置に配置される。すなわち、放熱部40は、凹部31において、撮像装置10の反対側に配置される。放熱部40は、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属により形成される。また、放熱部40は、縁から後面側に伸びる複数の板を有している。そして、放熱部40は、複数の板から熱を放出する。
【0018】
第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、金属により形成され、撮像装置10のケース11と、放熱部40とを連結する。例えば、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、連結部の一例である。そして、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、撮像装置10のケース11と、放熱部40とを連結する連結面32の対角線上に配置された一以上のねじと、一以上のピンとにより連結させる。
【0019】
更に詳しくは、第1ピン51、及び第2ピン52は、撮像装置10のケース11と、ブラケットパッキン20と、ブラケット30と、放熱部40とに設けられた孔に刺される。これにより、第1ピン51、及び第2ピン52は、撮像装置10のケース11と、ブラケットパッキン20と、ブラケット30と、放熱部40とを固定する。また、第1ピン51、及び第2ピン52は、連結面32の四隅に設けられた4つの孔おいて、対角線上の孔に挿入される。
【0020】
第1スリーブ53、及び第2スリーブ54は、貫通孔を有する筒状の部材である。第1ねじ55、及び第2ねじ56は、螺旋状の溝を有する棒状の部材である。第1スリーブ53、及び第2スリーブ54は、第1ねじ55、又は第2ねじ56が挿入される。第1スリーブ53、及び第2スリーブ54は、第1ピン51及び第2ピン52が設けられていない孔に挿入される。すなわち、第1スリーブ53、及び第2スリーブ54は、連結面32の四隅に設けられた4つの孔おいて、対角線上の孔に挿入される。第1ねじ55、及び第2ねじ56は、第1スリーブ53、又は第2スリーブ54を貫通し、対角線上に配置された螺旋状の溝が設けられた孔を有する撮像装置10のケース11をブラケット30に固定する。
【0021】
ここで、仮に連結面32の四隅の全てをスリーブ及びねじにより、撮像装置10のケース11を固定した場合、スリーブ先端は平面のため撮像装置10の取り付け角度がずれてしまう可能性がある。この場合、撮像装置10は、傾いた画像を撮像してしまう。一方、第1ピン51、及び第2ピン52は、先端に凸状の突起を有している。この突起は、対角線上に配置された孔を有する撮像装置10のケース11に嵌合し位置決めすることによって、撮像装置10の取り付け角度がずれてしまう可能性を低減することができる。
【0022】
また、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属により形成される。さらに、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、撮像装置10のケース11及び放熱部40と接触している。これにより、第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56は、撮像装置10のケース11の熱を放熱部40に伝達することができる。よって、撮像装置10は、放熱部40により冷却される。
【0023】
次に、撮像装置10について説明する。図4は、第1実施形態に係る撮像装置10を分解した状態の一例を示す分解斜視図である。図5は、第1実施形態に係る撮像装置10を切断した状態の一例を示す断面図である。
【0024】
撮像装置10は、前面キャップ111、レンズブラケット112、レンズユニット114、防塵ゴム115、センサ基板122、ヒートスプレッダ131、第1サイド放熱板141、第1放熱シート152、第2サイド放熱板142、第2放熱シート153、メイン基板123、基板支持部124、後面基板125、第1後面放熱シート154、第2後面放熱シート155、後面シールド161、ケース11、及び後面接続部171を備える。
【0025】
前面キャップ111は、撮像装置10の前面に被せられるカバーである。すなわち、前面キャップ111は、撮像装置10のレンズ113の周囲を覆うカバーである。前面キャップ111は、例えば樹脂などにより形成される。
【0026】
レンズブラケット112は、レンズ113を支持する部材である。レンズブラケット112は、樹脂などにより形成される。また、レンズブラケット112は、レーザー溶着によりレンズユニット114と連結される。さらに、レンズブラケット112は、ケース11の前面の縁に配置された樹脂とレーザー溶着により連結される。これにより、レンズブラケット112は、撮像装置10の防水性を向上させる。
【0027】
レンズユニット114は、レンズ113が台座に取り付けられた部材である。防塵ゴム115は、レンズ113から入射する光の光路に塵やほこりが進入することを防止する部材である。
【0028】
センサ基板122は、レンズ113から入射した光を電気信号に変換するイメージセンサ121が取り付けられた基板である。イメージセンサ121は、レンズ113から入射した光に基づいて画像を生成する。レンズユニット114は、防塵ゴム115を挟んで、センサ基板122の四隅と接着剤により連結される。
【0029】
センサ基板122と、ヒートスプレッダ131との間には、放熱ポッティング剤151が注入される。放熱ポッティング剤151は、熱伝導率が高い樹脂であって、注入されると時間経過により硬化する材料である。これにより、センサ基板122は、放熱ポッティング剤151を介してヒートスプレッダ131に熱を伝達する。
【0030】
例えば、放熱ポッティング剤151は、2液性の液体である。放熱ポッティング剤151は、2つの液体を混合した直後は粘度が高いものの液体であるため各部品の隙間に入り込む。すなわち、放熱ポッティング剤151は、隙間を生むことなく入り込む。これにより、放熱ポッティング剤151は、放熱効果を高める。そして、放熱ポッティング剤151は、所定時間が経過した場合に硬化する。
【0031】
ヒートスプレッダ131は、発生した熱をケース11に拡散する。例えば、ヒートスプレッダ131は、センサ基板122、メイン基板123、及び後面基板125などが発生させた熱をケース11などに拡散させる。更に詳しくは、ヒートスプレッダ131は、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属により形成される。
【0032】
ヒートスプレッダ131は、X軸方向に対向する第1対向板132と、第2対向板133とを有する。また、ヒートスプレッダ131は、第1対向板132と、第2対向板133とのZ軸方向の略中央にY軸方向と略平行な中央板134を有する。また、ヒートスプレッダ131は、中央板134の上端から、第1対向板132及び第2対向板133の後面側の端まで伸びる第1後面板135を有する。また、ヒートスプレッダ131は、中央板134の下端から、第1対向板132及び第2対向板133の後面側の端まで伸びる第2後面板136を有する。
【0033】
第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142は、ヒートスプレッダ131とケース11との間に配置される。第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142は、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属により形成される。すなわち、第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142は、金属により形成され、ヒートスプレッダ131とケース11との間に配置される。第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142は、放熱板の一例である。そして、第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142は、ヒートスプレッダ131の熱をケース11に伝達する。
【0034】
更に詳しくは、第1サイド放熱板141は、レンズ113が配置された前面側から見て、ヒートスプレッダ131の右側に配置される。また、第2サイド放熱板142は、レンズ113が配置された前面側から見て、ヒートスプレッダ131の左側に配置される。
【0035】
第1放熱シート152、及び第2放熱シート153は、弾性を有し、比較的に熱伝導性が高い樹脂により形成されたシート状の部材である。第1放熱シート152は、ヒートスプレッダ131と、第1サイド放熱板141との間に配置される。そして、第1放熱シート152は、ヒートスプレッダ131の熱を第1サイド放熱板141に伝達する。第2放熱シート153は、ヒートスプレッダ131と、第2サイド放熱板142との間に配置される。そして、第2放熱シート153は、ヒートスプレッダ131の熱を第2サイド放熱板142に伝達する。すなわち、第1放熱シート152、及び第2放熱シート153は、ヒートスプレッダ131と、第1サイド放熱板141又は第2サイド放熱板142との間に配置され、弾性を有し、ヒートスプレッダ131の熱を第1サイド放熱板141又は第2サイド放熱板142に伝達する。
【0036】
ここで、ヒートスプレッダ131による熱の拡散について説明する。
【0037】
空気は、比較的に熱伝導性が低い。そのため、ヒートスプレッダ131と、ケース11との間には、隙間が無いことが好ましい。ところが、ヒートスプレッダ131と、ケース11との表面には、微小な凹凸ができてしまう。さらに、ヒートスプレッダ131と、ケース11とを接触させるためには、ケース11の内径と、ヒートスプレッダ131の外径とが一致するように精度の高い成形をしなければならない。
【0038】
そこで、第1放熱シート152、及び第2放熱シート153は、ヒートスプレッダ131と、ケース11との間に配置される。第1放熱シート152及び第2放熱シート153は、弾性体であるため、ケース11の内径と、ヒートスプレッダ131の外径とに誤差があっても隙間を埋めることができる。すなわち、第1放熱シート152及び第2放熱シート153は、求められる成形の精度を抑制することができる。
【0039】
ところが、第1放熱シート152及び第2放熱シート153は、薄い弾性体である。そのため、第1サイド放熱板141及び第2サイド放熱板142を配置せずに、ケース11に挿入しようとすると、第1放熱シート152及び第2放熱シート153は、折れ曲がってしまう。
【0040】
そこで、第1サイド放熱板141は、第1放熱シート152と、ケース11との間に配置される。また、第2サイド放熱板142は、第2放熱シート153と、ケース11との間に配置される。第1サイド放熱板141及び第2サイド放熱板142は、アルミニウムなどの金属により形成された、硬い板である。よって、第1サイド放熱板141及び第2サイド放熱板142を配置してからケース11に挿入することで、第1サイド放熱板141及び第2サイド放熱板142は、第1放熱シート152及び第2放熱シート153が折れ曲がることを抑制することができる。
【0041】
このように、ヒートスプレッダ131は、撮像装置10を作成する難易度の抑制と、ヒートスプレッダ131による熱の拡散とを実現している。そして、ヒートスプレッダ131は、第1放熱シート152、第2放熱シート153、第1サイド放熱板141、及び第2サイド放熱板142を介して、ケース11に効率的に熱を伝達することができる。
【0042】
また、ヒートスプレッダ131と、メイン基板123との間には、放熱ポッティング剤151が注入される。これにより、センサ基板122は、放熱ポッティング剤151を介してヒートスプレッダ131に熱を伝達する。
【0043】
メイン基板123は、撮像装置10のメインとなる基板である。例えば、メイン基板123は、ISP(Image Signal Processor)等のセンサから取得した画像を処理するプロセッサを有する。例えば、ISPは、人や物を検知する処理を実行する。また、メイン基板123は、撮像装置10の電源を制御する電源IC(Integrated Circuit)などを有している。また、メイン基板123は、柔軟性を有し曲げることが可能なフレキシブル基板によりセンサ基板122に連結されている。
【0044】
基板支持部124は、メイン基板123の位置を固定するとともに、メイン基板123と後面基板125との間のスペースを保持する。また、基板支持部124は、ヒートスプレッダ131に引っ掛けられることで特定の位置に固定される。ここで、センサ基板122とメイン基板123とは、フレキシブル基板により連結されている。そして、フレキシブル基板は、弾性を有している。そのため、メイン基板123は、特定の位置に固定されないと、フレキシブル基板により跳ね上げられてしまう。そこで、基板支持部124は、メイン基板123を特定の位置に固定する。
【0045】
さらに、メイン基板123上の電子部品と、後面基板125上の電子部品とが接触すると、故障してしまう可能性がある。そこで、基板支持部124は、メイン基板123と、後面基板125との間のスペースを保持する。
【0046】
また、メイン基板123と、後面基板125との間には、放熱ポッティング剤151が注入される。言い換えると、放熱ポッティング剤151は、基板支持部124により保持されたスペースに注入される。これにより、後面基板125は、放熱ポッティング剤151を介してヒートスプレッダ131に熱を伝達する。
【0047】
後面基板125は、メイン基板123よりも後面側に配置された基板である。後面基板125は、電源ICや、データのシリアライズを実行するICなどを有する。また、後面基板125は、例えば基板対基板コネクタによりメイン基板123と連結される。
【0048】
第1後面放熱シート154、及び第2後面放熱シート155は、後面基板125で発生した熱をケース11などに伝達する部材である。例えば、第1後面放熱シート154、及び第2後面放熱シート155は、比較的に熱伝導率が樹脂などにより形成される。なお、撮像装置10は、第1後面放熱シート154、及び第2後面放熱シート155に代えて、放熱ポッティング剤151が注入されてもよい。この場合、放熱ポッティング剤151が熱を伝達する。
【0049】
後面シールド161は、後面接続部171とケース11とを電気的に接続する。
【0050】
後面接続部171は、ハーネスのグランドと接続する。また、後面接続部171は、ケース11と接続する。すなわち、後面接続部171は、ケース11及び後面シールド161を介して、センサ基板122、メイン基板123、及び後面基板125等をハーネスのグランドに接続する。
【0051】
以上のように、本開示にかかる撮像ユニット1は、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属により形成されたケース11を有する撮像装置10と、撮像装置10を支持し車両に連結させるブラケット30と、放熱部40とを備える。そして、ケース11と、放熱部40とは、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属により形成された第1ピン51、第2ピン52、第1スリーブ53、第2スリーブ54、第1ねじ55、及び第2ねじ56により連結される。これにより、撮像装置10等で発生した熱は、放熱部40に伝達される。よって、撮像ユニット1は、撮像装置10等で発生した熱を効率的に放熱することができる。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 撮像ユニット
10 撮像装置
11 ケース
20 ブラケットパッキン
30 ブラケット
31 凹部
32 連結面
33 第1開口
34 第2開口
40 放熱部
51 第1ピン
52 第2ピン
53 第1スリーブ
54 第2スリーブ
55 第1ねじ
56 第2ねじ
111 前面キャップ
112 レンズブラケット
113 レンズ
114 レンズユニット
115 防塵ゴム
121 イメージセンサ
122 センサ基板
123 メイン基板
124 基板支持部
125 後面基板
131 ヒートスプレッダ
141 第1サイド放熱板
142 第2サイド放熱板
151 放熱ポッティング剤
152 第1放熱シート
153 第2放熱シート
154 第1後面放熱シート
155 第2後面放熱シート
161 後面シールド
171 後面接続部
図1
図2
図3
図4
図5