(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】物品載置什器
(51)【国際特許分類】
A47B 81/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A47B81/00 Z
(21)【出願番号】P 2020183822
(22)【出願日】2020-11-02
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(72)【発明者】
【氏名】馬場 菜摘
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実公昭35-024297(JP,Y1)
【文献】特開平10-127358(JP,A)
【文献】登録実用新案第3220252(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 81/00
A47B 21/04
A47B 23/00
A61G 12/00
A47B 31/00
G06F 1/16
A47K 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、
物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、
上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、
前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とされて
おり、
前記面構成部材に、前記物品載置面よりも表面側に突出して設けられた落ち止め部材が設けられている物品載置什器。
【請求項2】
下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、
物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、
上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、
前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とされており、
前記面構成部材に、前記物品載置面の裏面側に向かって突出して設けられ、前記突出部に係止可能な係止部が形成されている物品載置什器。
【請求項3】
下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、
物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、
上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、
前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とされており、
前記面構成部材の前記物品載置面に緩衝面材が設けられている物品載置什器。
【請求項4】
下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、
物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、
上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、
前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とされており、
前記面構成部材に、前記物品載置面の裏面側部において互いに対向して突出する一対のガイド部材が設けられており、前記ガイド部材と前記物品載置部の周壁部とを近接させることによって、第一態様において前記面構成部材が前記物品載置部上を前記ガイド部材に沿って移動可能として位置決めされている物品載置什器。
【請求項5】
下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、
物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、
上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、
前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とされており、
前記突出部と前記物品載置部との間に把持空間部が形成されており、前記突出部がハンドルとしての機能を有している物品載置什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや公共施設、自宅等の執務空間内において、物品を載置するために使用される物品載置什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、医療施設、自宅等の執務空間内においては、執務者が使用する物品を載置するために物品載置什器が設置される場合が一般的となっている。このような物品載置什器は、天板付什器と共に用いられる場合がある。こうした物品載置什器を用いれば、使用者が天板付什器を使用して執務を行う際に、執務に使用する電子機器や資料等を保管することが出来る。また、必要に応じて物品載置什器を移動させることによって、作業者の所望の位置に物品載置什器を配置することが出来、執務の効率を向上させることが出来る。
【0003】
また、近年では、定席を持たずにその日ごとに執務する場所を自由に選択する所謂「フリーアドレス」という働き方も多くみられている。執務に必要な電子機器や資料等を物品載置什器に載置することによって、執務を行う場所が柔軟に変更可能とされた「フリーアドレス」の働き方に対しても柔軟に対応することが出来る。
【0004】
これらの物品載置什器の構造としては、下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有したものが一般的となっている。これらの物品載置什器においては、使用者が上方から物品載置部にアクセスすることが出来るので、使い勝手を良好なものとすることが出来る。また、物品載置部の周囲に上方に向かって周壁を立設することによって、物品載置部に載置された物品が落下するのを防止したものも多くみられている。ただし、これらの物品載置什器では、物品載置部に載置された物品への使用者のアクセス性が良好である反面、物品載置部に載置された物品が露出してしまうという問題を有していた。
【0005】
こうした問題を鑑み、物品載置部の上方を向く開口部を閉塞する閉塞部材を着脱可能に設け、閉塞部材上面に水平を成す物品載置面を形成したものが提案されている(例えば下記特許文献1参照)この構造によれば、物品載置部に載置された物品を閉塞部材によって閉塞することによって、物品載置部に載置された物品が露出するのを防止し、使用者のプライバシーを確保することが出来る。また、閉塞部材上面の物品載置面にも物品を載置することが出来、物品載置什器としての使い勝手をより良好なものとすることが出来る。
物品載置部に載置される物品の例としては、文房具や携帯電話等の小物や、紙面に印刷された資料等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載の物品載置什器において、閉塞部材上面に水平を成す物品載置面が形成されているが、物品載置面上に載置された物品がタブレットやスマートフォン、書類等である場合においては、使用者がこれらを操作もしくは視認する際においては、これらの物品を上方から覗き込まざるを得ないため視認性が悪く、執務効率が悪くなってしまうという問題を有していた。
【0008】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、使用者が物品載置什器上に載置した物品を使用する際の物品への視認性、および操作性を良好とすることが出来ると共に、物品載置部上を閉塞して使用者のプライバシーを確保することが可能な物品載置什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の物品載置什器は、下端に床面への設置部が設けられた什器本体と、前記什器本体に設けられた上方に向かって開放する開口部を有する物品載置部と、を有する物品載置什器であって、物品載置什器における前記物品載置部より上方位置に突出部が設けられており、上面に物品載置面が形成された面構成部材が、前記物品載置面が床面と略平行を成し前記物品載置部の上向きの開口部を閉塞する第一態様と、前記突出部によって支持され、前記物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様と、で什器本体に選択的に支持可能とした。
【0010】
この構成によれば、使用者の要望に応じて第一態様と第二態様を選択することにより、物品載置部上を面構成部材で開閉自在とすることが出来る。これによって物品載置部に載置した物品を使用する際の物品の視認性、および操作性を良好とすることが出来ると共に、物品載置部上を閉塞することによって使用者のプライバシーを確保することが出来る。また、第二態様にすることによって、面構成部材の物品載置面上に載置した物品への視認性、および操作性を良好とすることが出来るので、物品載置什器としての使い勝手を良好なものとすることが出来る。
【0011】
また、上記態様の物品載置什器において、前記物品載置部の周縁より上方に向かって周壁部が突出して設けられており、前記面構成部材下部が前記周壁部上端部によって支持された構成としても良い。
【0012】
この構成によれば、物品載置部に載置した物品が落下するのを防止することが出来る。また、面構成部材の下端部が周壁部上端部によって支持されているので、面構成部材と物品載置部との間に物品載置用の空間を確保することが出来る。
【0013】
また、上記態様の物品載置什器において、前記面構成部材に、前記物品載置面よりも表面側に突出して設けられた落ち止め部材が設けられた構成としても良い。
【0014】
この構成によれば、面構成部材上に物品を載置した際においても、落ち止め部材によって物品が落下するのを防止することが出来る。特に、物品載置面が床面と角度を成すよう傾斜して配置された第二態様とした際においては、物品の下部を落ち止め部材で支持することによって物品の落下を確実に防止することが出来る。
【0015】
また、上記態様の物品載置什器において、前記面構成部材に、前記物品載置面の裏面側に向かって突出して設けられ、前記突出部に係止可能な係止部が形成されている構成としても良い。
【0016】
この構成によれば、面構成部材の係止部を突出部に係止することによって、面構成部材を突出部に確実かつ安定的に支持することが出来る。
【0017】
また、上記態様の物品載置什器において、面構成部材の物品載置面に緩衝面材が設けられている構成としても良い。
【0018】
この構成によれば、面構成部材上にスマートフォンやタブレット等の電子機器を載置した際においても、電子機器が傷つくのを防止することが出来ると共に、載置した際の異音の発生を防止し、物品載置什器としての使い勝手を良好なものとすることが出来る。
【0019】
また、上記態様の物品載置什器において、前記面構成部材に、前記物品載置面の裏面側部において互いに対向して突出する一対のガイド部材が設けられており、前記ガイド部材と前記物品載置部の周壁部とを近接させることによって、第一態様において前記面構成部材が前記物品載置部上を前記ガイド部材に沿って移動可能として位置決めされている構成としても良い。
【0020】
面構成部材が物品載置部上を安定して動作することが出来ると共に、面構成部材が物品載置部上から意図せず脱落するのを防止することが出来る。
【0021】
また、上記態様の物品載置什器において、前記突出部と前記物品載置部との間に把持空間部が形成されており、前記突出部がハンドルとしての機能を有している構成としても良い。
【0022】
この構成によれば、物品載置什器を移動させる際に突出部をハンドルとして使用することが出来、物品載置什器としての使い勝手を良好なものとすることが出来る。また、面構成部材の支持部とハンドル部を兼ねることにより、構成を簡易化することが出来る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の前記態様によれば、使用者が物品載置什器上に載置した物品を使用する際の物品への視認性、および操作性を良好とすることが出来ると共に、物品載置部上を閉塞して使用者のプライバシーを確保することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の物品載置什器の第一態様を示す斜視図である。
【
図2】本発明の物品載置什器の第一態様を示す三面図である。
【
図3】本発明の物品載置什器の第一態様を一部を分解して表記した斜視図である。
【
図4】本発明の物品載置什器の第一態様のA-A断面の一部拡大断面矢視図である。
【
図5】本発明の物品載置什器の第二態様における第一実施形態に係る側面図の一部を透過して表現した側面図である。
【
図6】本発明の物品載置什器の第二態様における第二実施形態に係る側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の物品載置装置を説明する。
なお、
図1における左奥から右前を向く方向を左右方向(またはx方向)、
図1における右奥から左前を向く方向を前後方向(またはy方向)、
図1における下方から上方を向く方向を上下方向(またはz方向)として説明する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る物品載置装置1の第一態様を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る物品載置什器1の第一態様を示す三面図である。
図3は、本実施形態に係る物品載置什器1の第一態様をその一部を分解して表記した斜視図である。
図4は、
図3におけるA-A断面における一部の拡大断面矢視図である。
図5は、本実施形態に係る物品載置什器1の第二態様における第一実施形態に係る側面図である。
図6は、本実施形態に係る物品載置什器1の第二態様における第二実施形態に係る側面図である。
【0027】
(全体構成)
本実施形態に係る物品載置什器1は、使用者が執務に使用する物品を載置可能な物品載置部2を有しており、デスクやテーブル等の天板付什器や、ソファや椅子等の着座什器など他の什器に隣接して使用されることにより、使用者が効率的に執務を行うための環境を構成している。
一般的な天板付什器は、天板の床面からの高さが700mm~750mmとされている場合が多く、物品載置什器1は、天板付什器の天板下方空間に物品載置什器1を収容可能とするため、物品載置什器1の全体的な高さ寸法を500mm~700mm程度として構成されているのが望ましい。なお、物品載置什器1を天板付什器と独立して使用する場合においては、物品載置什器1の全体的な高さ寸法を500mm以下としても良いし、物品載置什器1の全体的な高さ寸法を700mm以上としても良い。
また、物品載置什器1は、平面視において天板付什器の天板よりも小さな略矩形状の外形をなしている。
また、
図1に示すように、本実施形態に係る物品載置什器1は、床面上に載置されたベース部3と、ベース部3から上方に向かって立設された基本構造部4と、基本構造部4における上下方向中間位置において物品載置部2が設けられている。
【0028】
(ベース部)
ベース部3は、床面と平行を成し、物品が載置可能な上面を形成する基部31を有している。これによって、物品載置什器1として載置可能な物品の量を増やすことが出来、什器としての使い勝手を向上させることが出来る。
図2に示すように、基部31の下面には複数のキャスター3aが設けられており、キャスター3aが床面上に接地することによって、物品載置什器1は床面上を移動可能とされている。なお、キャスター3aは必ず設けられている必要は無い。その際には、物品載置什器1は什器自体を持ちあげることによって移動可能とされている。
【0029】
また、
図1に示すように、ベース部3の基部31の外周縁部には、基部31の外側面を囲うように周壁部32が設けられている。周壁部32はその一部が基部31よりも上方に配置されることにより、基部31上に載置された物品の落下を防止している。特に、物品載置什器1を床面上で移動させた際には、物品が慣性力によって移動する可能性があるため、周壁部32が落下防止装置としての効果をより発揮することが出来る。また、周壁部32の下端は床面と近接するように配設されている。これによって、物品載置什器1を床面上で移動させた際において、周壁部32の下端と床面との間に物品が挟み込まれる恐れを低減することが出来る。
また、基部31は平面視略矩形状をなしている。これにより、書類等の矩形の物品を効率的に載置することが可能となる。
【0030】
基部31及び周壁部32を金属で構成することにより、溶接により互いをより強固に接続することが出来る。なお、載置された物品を安定的に支持可能であれば、基部31及び周壁部32を他の材質で構成しても良い。
【0031】
(基本構造部)
図2に示すように、基本構造部4は、前後一対の支柱部41と、支柱部41の上端部同士を連結する上部材42とによって、下向き略U字状に形成されている。基本構造部4を一体的なパイプ部材によって構成することにより、簡易的かつ安価でありながら強固に構成することが出来る。
基本構造部4の上下方向(z方向)の上方位置には、支柱部41によって後述する物品載置部2が支持されている。
前後一対の支柱部41の下端部は、ベース部3における左右方向(x方向)の中間位置における前後方向(y方向)の端部にそれぞれ接続されている。これによって、基本構造部4は、ベース部3に安定的に支持されている。
こうした構成を採用することにより、ベース部3と物品載置部2との間の空間を基本構造部4によって左右の二つの空間に区画することが出来、使用者の使い勝手に合わせて二つの空間を自由に活用することが出来、使い勝手を良好なものとすることが出来る。
【0032】
上述の構造に加えて、仕切り部材を設けることにより、ベース部3と物品載置部2との間の空間を左右の二つの空間をより独立した状態で区画してもよい。
仕切り部材43は、前後一対の支柱部41の間に架設することによって配設されており、ベース部3と物品載置部2との間の空間を左右の二つの空間をより独立した状態で区画することが出来る。
仕切り部材43をベース部3との間に空間を空けた位置に配設することにより、ベース部3の上方を左右二つの空間に区画することが出来ると共に、仕切り部材43よりも下方の空間は一つの空間としても使用することが出来る。
【0033】
仕切り部材43は、可撓性を有する材質によって構成しても良い。こうした構成によれば、ベース部3の上方を左右二つの空間に区画することが出来ると共に、必要に応じて仕切り部材43を変形させることによって一つの空間としても使用することが出来る。
仕切り部材43は、伸縮性を有する材質としても良い。こうした構成によれば、ベース部3の上方を左右二つの空間に区画することが出来ると共に、必要に応じて仕切り部材43をより自由に変形させることによって一つの空間としても使用することが出来る。
【0034】
仕切り部材43は、平板状の板状部材によって構成しても良い。こうした構成とすることにより、ベース部3の上方を左右二つの空間に明確に区画することが出来る。
また、基本構造部4およびベース部3を金属で構成することにより、溶接により互いをより強固に接続することが出来る。なお、基本構造部4を安定的に支持可能であれば、基本構造部4およびベース部3を他の材質で構成しても良い。
【0035】
(物品載置部)
図1に示すように、基本構造部4の上下方向(z方向)の上方位置、より詳しくは、基本構造部4の上部材42から所定寸法下方に離間した位置において、物品載置部2が前後一対の支柱部41によって支持されている。
基本構造部4における物品載置部2よりも上方に位置する部分が突出部44とされている。
基本構造部4の上部材42下面と、物品載置部2上面とは、上下方向(z方向)に離間して配設されることによって、間に把持空間部Sが形成されている。
これによって、使用者は、突出部44の一部である上部材42を把持することが可能とされ、物品載置什器1を移動させる際のハンドルとして機能する。
前後一対の支柱部41は、物品載置部2における左右方向(x方向)の中間位置における前後方向(y方向)の端部にそれぞれ接続されている。これによって、基本構造部4によって物品載置部2は安定的に支持されている。
こうした構成を採用することにより、物品載置部2上の空間を基本構造部4によって左右の二つの空間に区画することが出来、使用者の使い勝手に合わせて二つの空間を自由に活用することが出来、使い勝手を良好なものとすることが出来る。
【0036】
物品載置部2は、床面と平行を成し、物品が載置可能な上面を形成する基部21を有している。これによって、物品載置什器1として載置可能な領域を確保ことが出来る。
物品載置部2の基部21の外周縁部には、基部21の外側面を囲うように周壁部22が設けられている。周壁部22はその一部が基部21よりも上方に配置されることにより、基部21上に載置された物品の落下を防止している。
また、基部21は平面視略矩形状をなしている。これにより、書類等の矩形の物品を効率的に載置することが可能となる。
【0037】
支柱部41は周壁部22の外周面に接続されている。また、支柱部41、基部21および周壁部22を金属で構成することにより、それぞれを溶接により互いをより強固に接続することが出来る。なお、載置された物品を安定的に支持可能であれば、支柱部41、基部21および周壁部22を他の材質で構成しても良い。
【0038】
(面構成部材)
図1および
図2に示すように、物品載置什器の第一態様において、周壁部22によって周縁を形成された物品載置部2の上向開口部Oは、着脱可能な面構成部材5によって少なくとも一部が閉塞可能とされている。
こうした構成とすることによって、物品載置部2に載置した物品が露出するのを面構成部材5によって防止することが出来、使用者のプライバシー、およびセキュリティを確保することが出来る。
面構成部材5は、左右方向(x方向)において上向開口部Oと略同一もしくはわずかに大きな左右寸法を有していると共に、前後方向(y方向)において上向開口部Oよりも小さく、かつ左右寸法よりも小さな前後寸法を有している。
こうした構成とすることによって、上向開口部Oの前後寸法と面構成部材5の前後寸法との差分量の範囲で、物品載置部2上における面構成部材5の位置を前後方向に変更可能とすることが出来、使用者の使い勝手を良好なものとすることが出来る。
面構成部材5は、面構成部材5の左右方向(x方向)の縁部下面が左右の周壁部22の上部に当接されることにより、周壁部22上に載置されている。
【0039】
図3に示すように、面構成部材5は、平板状の基体51と、基体51の上面に取り付けられた物品載置面を形成する表面材57と、により構成されている。
【0040】
図4に示すように、基体51の右端部には、基体51端部から内方に向かって折り返して内向き片54が連設されると共に、内向き片54の内端部には、下方に向かってガイド部材である下向き片55が連設されている。これによって、基体51に上方からの負荷に対する基体51の強度を高めることが出来る。
面構成部材5は、内向き片54の下面を周壁部22上端に当接されることによって、物品載置部2上に載置されている。
また、下向き片55の外側面が周壁部22の内側面に近接することによって、ガイド部材として機能し、面構成部材5の前後方向への摺動が案内されている。
また、下向き片55の下端部は上方に向かって折り返して上向片56が連設されている。これによって面構成部材5の端部が露出するのを防止し、体裁を良好に収めることが出来る。
面構成部材5を金属で構成することにより、面構成部材5としての強度を強固に確保することが出来る。また、磁石を用いて基体51に物品を固定させることが出来る。
基体51の左端部は、右端部と同一構造のため、説明を省略する。
【0041】
図3に示すように、緩衝面材として機能する表面材57は、基体51の上面に取り付けることによって、面構成部材5の物品載置面を構成している。表面材57は、弾性材料もしくは軟質材料で構成されているのが望まく、例えば、不織布で構成されたシート状部材で構成されているのが望ましい。表面材57は、基体51の上面に接着等の手段によって取り付けられている。
こうした材料を表面材57に採用することにより、面構成部材5に電子機器等の物品を載置した場合に、物品および基体51が傷つくのを防止することが出来る。また、物品を載置した際の異音の発生を防止することが出来る。
【0042】
図3に示すように、基体51の前後方向(y方向)における前方の端部には、基体51端部から下方に向かってストッパー片52が連設されている。これによって、基体51に上方からの負荷に対する基体51の強度を高めることが出来る。
ストッパー片52は、ストッパー片52の前端面が前方の周壁部22の内側面に当接することによって、左右の周壁部22に沿って面構成部材5が前方向へ摺動された際における面構成部材5の前端位置が位置決めされている。
【0043】
基体51の前後方向(y方向)における後方の端部には、基体51端部から上方に向かって操作部53が連設されている。これによって、基体51に上方からの負荷に対する基体51の強度を高めることが出来る。
操作部53は、面構成部材5を前後方向に摺動する場合の手掛け部として機能する。
操作部53は、操作部53の後端面が後方の支柱部41の前面に当接することによって、左右の周壁部22に沿って面構成部材5が後方向へ摺動された際における面構成部材5の後端位置が位置決めされている。
【0044】
(第二態様)
図5および
図6に示すように、物品載置什器の第二態様において、面構成部材5は、その一端を基本構造部4の突出部44に立てかけることによって、床面に対して傾斜した状態で支持されている。
【0045】
図5に示すように、物品載置什器の第二態様における第一実施形態では、面構成部材5の基体51の裏面51rとストッパー片52の内側面とを突出部44の上部材42に係止する係止部とすることによって、面構成部材5の一端が支持されていると共に、面構成部材5の基体51と操作部53の接続部51aが、物品載置部2の基部21の上面に当接されることによって、面構成部材5の他端が支持されている。これによって、面構成部材5が、床面に対して傾斜した状態で支持されている。
【0046】
図6に示すように、物品載置什器の第二態様における第二実施形態では、面構成部材5の基体51の裏面51rとストッパー片52の内側面とを突出部44の上部材42に係止する係止部とすることによって、面構成部材5の一端が支持されていると共に、面構成部材5の基体51の裏面51rが、物品載置部2の周壁部22の上端部に当接されることによって、面構成部材5の他端が支持されている。これによって、面構成部材5が、床面に対して傾斜した状態で支持されている。また、この第二実施形態によれば、面構成部材と物品載置部との間に物品載置用の空間を確保することが出来、物品載置什器としての使い勝手を良好なものとすることが出来る。
【0047】
これらの構造によれば、面構成部材5に載置した物品を床面に対して傾斜した状態で支持することが可能となり、使用者が物品を視認しやすく、操作しやすい状態で支持することが出来る。特に、物品がディスプレイを有する電子機器である場合には、物品を載置した状態でもディスプレイの視認性、操作性を良好なものとすることが出来る。
また、操作部53は落ち止め部材としての機能を有している。すなわち、操作部53の内側面を、面構成部材5に載置した物品の落ち止めとして機能させることが出来、使い勝手を良好なものとすることが出来る。
さらに、第一実施形態、第二実施形態のいずれかを選択することが可能となるため、使用者の使い勝手、要望に合わせて面構成部材5の傾斜角度を変更することが出来、使い勝手をより良好なものとすることが出来る。
【0048】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、本発明は前記の各実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態では、物品載置什器1に対して物品載置部2が1つのみ設けられた態様を示したが、物品載置部2は上下に複数設けられていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、物品載置什器1は基部31の下面に複数のキャスター3aを設けることによって、物品載置什器1は床面上を移動可能とした構造を示したが、物品載置什器1にはキャスター3aを設けなくとも良い。
【符号の説明】
【0051】
1 物品載置什器
2 物品載置部
21 基部
22 周壁部
3 ベース部
31 基部
32 周壁部
3a キャスター
4 基本構造部
41 支柱部
42 上部材
43 仕切り部材
44 突出部
5 面構成部材
51 基体
51a 接続部
51r 裏面
52 ストッパー片
53 操作部(落ち止め部材)
54 内向き片
55 下向き片(ガイド部材)
56 上向片
57 表面材(緩衝面材)
O 上向開口部
S 把持空間部