(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】被加工物の研削方法
(51)【国際特許分類】
B24B 53/00 20060101AFI20241115BHJP
B24B 55/02 20060101ALI20241115BHJP
B24B 7/04 20060101ALI20241115BHJP
B24B 7/00 20060101ALI20241115BHJP
B24B 53/02 20120101ALI20241115BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B24B53/00 B
B24B55/02 B
B24B7/04 A
B24B7/00 A
B24B53/02
H01L21/304 621C
(21)【出願番号】P 2020184622
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋田 大介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 佳一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 誠
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-222123(JP,A)
【文献】特開2018-024041(JP,A)
【文献】特開2015-160249(JP,A)
【文献】特開2015-196226(JP,A)
【文献】特開2012-210697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0207108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B7/00-7/08
B24B53/00
B24B53/02
B24B55/02
B24B55/03
B24B55/12
B24B57/00-57/04
H01L21/304;21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持テーブルと、
該保持テーブルに保持された被加工物を研削する研削砥石を環状に配設した研削ホイールが装着されるスピンドル及び該スピンドルを回転駆動するモータを有する研削ユニットと、
該研削ユニットを該保持テーブルに対して離間及び接近させる研削送りユニットと、
該保持テーブルに保持された被加工物上面に研削水を流量調整可能に供給する研削水供給ユニットと、
各ユニットを制御する制御ユニットと、を備える研削装置を使用して被加工物を仕上げ厚みまで薄化する研削方法であって、
該研削砥石の消耗を抑制できる第1の研削水量の研削水を供給しつつ、該研削ユニットを研削送りして被加工物を所定厚みまで研削する第1の研削ステップと、
該第1の研削ステップの実施後に、該第1の研削水量よりも低減させ該研削砥石の消耗を増やし自生発刃を促進させる第2の研削水量を供給しつつ、
該研削ユニットを該保持テーブルに接近させる研削送り速度を該第1の研削ステップの研削送り速度よりも低下させて該研削ユニットを研削送りして被加工物を仕上げ厚みまで研削し、該研削砥石の目立てを促進させて、次の被加工物を加工する準備をする第2の研削ステップと、
を有する事を特徴とする被加工物の研削方法。
【請求項2】
該研削ユニットは、
粗い粒径の研削ホイールを使用する粗研削ユニットと、
細かい粒径の研削ホイールを使用し該粗研削ユニットによって研削された被加工物を研削する仕上げ研削ユニットと、を含み、
該第1の研削ステップ及び該第2の研削ステップは、該粗研削ユニットにおいて実施することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
【請求項3】
該第1の研削ステップでは、該研削ユニットの該研削送り速度を段階的に低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被加工物の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物の研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスが形成されたウェーハ等の被加工物を薄化する研削装置が用いられてきた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。前述した研削装置は、炭化ケイ素(SiC)やサファイアなどの硬質な基板を研削する時、特に加工始めに研削砥石が被加工物に食いつきにくく、研削負荷が増え、スピンドルの電流値が上がりやすいという問題があった。
【0003】
そこで、研削装置は、研削水の水量を少なくすると研削砥石の消耗が増え自生発刃を促進され研削負荷を低減される。しかし、研削装置は、複数枚を連続加工する場合、研削砥石の消耗が多くなるとコストの増加や研削ホイールの交換頻度が増加するため好ましくない。
【0004】
また、加工始めに研削水の水量を少なくすることで、研削砥石の食いつきやすくする研削装置も提案されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-24041号公報
【文献】特開2017-56523号公報
【文献】特開2014-124690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前の被加工物の加工により目潰れが発生している場合、一番研削負荷がかかりやすい加工開始時に研削水の水量を少なくしても砥石が被加工物に食いつきにくく研削負荷が上がりスピンドル電流値の上昇を抑えることができない恐れがあった。
【0007】
本発明は、研削砥石の過度な消耗を防ぎつつ、研削負荷の軽減も実現することができる被加工物の研削方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の研削方法は、被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された被加工物を研削する研削砥石を環状に配設した研削ホイールが装着されるスピンドル及び該スピンドルを回転駆動するモータを有する研削ユニットと、該研削ユニットを該保持テーブルに対して離間及び接近させる研削送りユニットと、該保持テーブルに保持された被加工物上面に研削水を流量調整可能に供給する研削水供給ユニットと、各ユニットを制御する制御ユニットと、を備える研削装置を使用して被加工物を仕上げ厚みまで薄化する研削方法であって、該研削砥石の消耗を抑制できる第1の研削水量の研削水を供給しつつ、該研削ユニットを研削送りして被加工物を所定厚みまで研削する第1の研削ステップと、該第1の研削ステップの実施後に、該第1の研削水量よりも低減させ該研削砥石の消耗を増やし自生発刃を促進させる第2の研削水量を供給しつつ、該研削ユニットを該保持テーブルに接近させる研削送り速度を該第1の研削ステップの研削送り速度よりも低下させて該研削ユニットを研削送りして被加工物を仕上げ厚みまで研削し、該研削砥石の目立てを促進させて、次の被加工物を加工する準備をする第2の研削ステップと、を有する事を特徴とする。
【0009】
前記被加工物の研削方法において、該研削ユニットは、粗い粒径の研削ホイールを使用する粗研削ユニットと、細かい粒径の研削ホイールを使用し該粗研削ユニットによって研削された被加工物を研削する仕上げ研削ユニットと、を含み、該第1の研削ステップ及び該第2の研削ステップは、該粗研削ユニットにおいて実施しても良い。
前記被加工物の研削方法において、該第1の研削ステップでは、該研削ユニットの該研削送り速度を段階的に低下させても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明の被加工物の研削方法は、研削砥石の過度な消耗を防ぎつつ、研削負荷の軽減も実現することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る被加工物の研削方法で使用される研削装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る被加工物の研削方法の加工対象の被加工物の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された研削装置の研削ユニット、保持テーブル及び研削水供給ユニットの構成を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る被加工物の研削方法の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示された被加工物の研削方法の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
【
図6】
図6は、比較例1の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
【
図7】
図7は、比較例2の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る被加工物の研削方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る被加工物の研削方法で使用される研削装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係る被加工物の研削方法の加工対象の被加工物の斜視図である。
図3は、
図1に示された研削装置の研削ユニット、保持テーブル及び研削水供給ユニットの構成を模式的に示す断面図である。
図4は、実施形態1に係る被加工物の研削方法の流れを示すフローチャートである。
図5は、
図4に示された被加工物の研削方法の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
【0014】
(被加工物)
実施形態1に係る被加工物の研削方法は、
図1に示す研削装置1を使用して、
図2に示す被加工物200を薄化する研削方法である。実施形態1に係る被加工物の研削方法の加工対象である被加工物200は、シリコンを基板201とする円板状の半導体ウェーハやサファイア、SiC(炭化ケイ素)などを基板201とする光デバイスウェーハなどのウェーハである。実施形態1では、被加工物200は、円盤状の基板201がサファイア、SiC(炭化ケイ素)などのシリコンよりも硬質な材料から構成されている。
【0015】
被加工物200は、
図2に示すように、基板201の表面202の交差(実施形態1では、直交)する複数の分割予定ライン203によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス204が形成されている。デバイス204は、例えば、IC(Integrated Circuit)、あるいやLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等である。被加工物200は、基板201の表面202側に保護部材210が貼着され、保護部材210を介して表面202側が保持面71に吸引保持されて、表面202の裏側の裏面205が研削加工される。
【0016】
次に、実施形態1に係る被加工物の研削方法で使用される
図1に示す研削装置1を説明する。研削装置1は、被加工物200の裏面205を研削加工する加工装置である。研削装置1は、
図2に示すように、装置本体2と、粗研削ユニット3(研削ユニットに相当)と、仕上げ研削ユニット4(研削ユニットに相当)と、研削送りユニット5と、ターンテーブル6と、ターンテーブル6上に設置された複数(実施形態1では3つ)の保持テーブル7と、カセット8,9と、位置合わせユニット10と、搬送ユニット11と、洗浄ユニット12と、搬出入ユニット13と、制御ユニット100とを主に備えている。
【0017】
ターンテーブル6は、装置本体2の上面に設けられた円盤状のテーブルであり、水平面内で回転可能に設けられ、所定のタイミングで回転駆動される。このターンテーブル6上には、例えば3つの保持テーブル7が、例えば120度の位相角で等間隔に配設されている。これら3つの保持テーブル7は、保持面71に吸引源72と接続した真空チャックを備えた保持テーブル構造のものであり、被加工物200が保持面71上に載置されて、被加工物200を吸引保持する。これら保持テーブル7は、研削時には、鉛直方向即ちZ軸方向と平行な軸心回りに、回転駆動機構によって水平面内で回転駆動される。このように、保持テーブル7は、被加工物200を保持する保持面71を有し、軸心回りに回転可能なものである。
【0018】
保持テーブル7は、ターンテーブル6の回転によって、搬入出領域301、粗研削領域302、仕上げ研削領域303、搬入出領域301に順次移動される。
【0019】
なお、搬入出領域301は、保持テーブル7に被加工物200を搬入搬出する領域であり、粗研削領域302は、粗研削ユニット3で保持テーブル7に保持された被加工物200を粗研削(研削に相当)する領域であり、仕上げ研削領域303は、仕上げ研削ユニット4で保持テーブル7に保持された被加工物200を仕上げ研削(研削に相当)する領域である。
【0020】
粗研削ユニット3は、保持テーブル7に保持された被加工物200を粗研削する粗研削用の研削砥石31を環状に配設した粗研削用の研削ホイール32が装着されて、粗研削領域302の保持テーブル7の保持面71に保持された被加工物200の裏面205を粗研削する研削ユニットである。仕上げ研削ユニット4は、保持テーブル7に保持された被加工物200を仕上げ研削する仕上げ研削用の研削砥石41を環状に配設した仕上げ研削用の研削ホイール42が装着されて、仕上げ研削領域303の保持テーブル7の保持面71に保持された被加工物200の裏面205を仕上げ研削する研削ユニットである。
【0021】
このために、粗研削ユニット3は、粗研削用の研削ホイール32を使用する研削ユニットであり、仕上げ研削ユニット4は、研削ホイール42を使用して、粗研削ユニット3により粗研削加工された被加工物200を仕上げ研削する研削ユニットである。なお、研削ユニット3,4は、構成が略同一であるので、以下、同一部分に同一符号を付して説明する。
【0022】
粗研削ユニット3及び仕上げ研削ユニット4は、
図1に示すように、研削ホイール32,42が下端に装着されるスピンドル33及びスピンドル33を鉛直方向(Z軸方向ともいう)と平行な軸心回りに回転駆動するモータ34とを有する。研削ホイール32,42は、
図3に示すように、円環状の環状基台35と、環状基台35の下面に固定された複数の研削砥石31,41とを有する。研削砥石31,41は、環状基台35の下面の外縁部に周方向に並べられている。研削砥石31,41は、砥粒がボンドで固定されたものである。研削ホイール32の研削砥石31の砥粒は、研削ホイール42の研削砥石41の砥粒よりも粒径が粗く(すなわち大きく)、研削ホイール42の研削砥石41の砥粒は、研削ホイール32の研削砥石31の砥粒よりも粒径が細かい。
【0023】
スピンドル33は、スピンドルハウジング36内に保持面71と垂直なZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に収容され、スピンドルハウジング36に取り付けられたモータ34により軸心回りに回転される。スピンドル33は、円柱状に形成され、
図3に示すように、下端に研削ホイール32,42を装着するためのホイールマウント37が設けられている。ホイールマウント37は、スピンドル33の下端から外周方向に全周に亘って突出し、外周面の平面形状が円形に形成されている。ホイールマウント37は、下面に環状基台35の上面が重ねられて、研削ホイール32,42を図示しないボルトにより固定する。スピンドル33と、ホイールマウント37とは、互いに同軸となる位置に配置されている。
【0024】
研削ユニット3,4は、モータ34によりスピンドル33及び研削ホイール32,42が軸心回りに回転されるとともに研削水を研削領域302,303の保持テーブル7に保持された被加工物200の裏面205に供給しながら研削送りユニット5により研削砥石31,41が保持テーブル7に所定の送り速度で近づけられることによって、被加工物200の裏面205を粗研削又は仕上げ研削する。
【0025】
また、実施形態1において、研削ユニット3,4は、スピンドル33が軸心回りに回転する際のモータ34に流れる電流の電流値(以下、スピンドル電流値と記す)を測定する電流値測定センサ38を備える。電流値測定センサ38は、測定結果を制御ユニット100に出力する。なお、スピンドル電流値は、研削ユニット3,4の研削負荷(研削ホイール32,42の回転を妨げる負荷をいう)が増加すると、上昇し、研削負荷が低下すると、下降する。
【0026】
なお、研削ユニット3,4は、
図3に示す研削水供給ユニット14を備える。研削水供給ユニット14は、保持テーブル7に保持された被加工物上面である被加工物200の裏面205に研削水を流量調整可能に供給するものである。研削水供給ユニット14は、
図3に示すように、研削水供給源141と、研削水供給流路142と、研削水供給ノズル143とを備える。研削水供給源141は、研削水供給流路142と、研削水供給ノズル143とに研削水を供給する。
【0027】
研削水供給流路142は、スピンドル33の中心に軸心に沿って延在したスピンドル内流路144と、スピンドル内流路144と連通しかつスピンドル内流路144からホイールマウント37の外周に向かって延在するとともにホイールマウント37の下面に開口したマウント内流路145と、マウント内流路145と連通かつ研削ホイール32,42の環状基台35の内周面に開口した基台内流路146とを備える。スピンドル内流路144は、スピンドル33内に設けられた流路であって、マウント内流路145は。ホイールマウント37内に設けられた流路であって、基台内流路146は、環状基台35内に設けられた流路である。研削水供給流路142は、研削水供給源141から供給された研削水を流路144,145,146に順に通して、研削ホイール32,42の環状基台35の内周面に供給することで、被加工物200を研削する研削砥石31,41及び被加工物200に研削水を供給する。
【0028】
研削水供給ノズル143は、研削ユニット3,4の研削ホイール32,42の下面の下方に配置され、研削加工中の研削ユニット3,4の研削ホイール32,42の複数の研削砥石31,41の内側に配置される。研削水供給ノズル143は、研削ユニット3,4の研削ホイール32,42の下面の下方に配置され、研削加工中の研削ユニット3,4の研削ホイール32,42の中心から加工位置に位置する保持テーブル7の保持面71の中心(即ち、加工位置に位置する研削砥石31,41)に向かって延在して、加工位置に位置する研削砥石31,41に研削水供給源141から供給された研削水を供給する。なお、加工位置に位置する研削砥石31,41とは、軸心回りに回転する複数の研削砥石31,41のうちの保持テーブル7の保持面71の中心上に位置する研削砥石31,41である。
【0029】
また、実施形態1では、研削水供給ユニット14は、研削水供給流路142に供給する研削水の流量(研削水量に相当する)を制御する流量調整バルブ147と、研削水供給ノズル143に供給する研削水の流量を制御する流量調整バルブ148とを備えている。
【0030】
研削送りユニット5は、研削ユニット3,4をZ軸方向に移動させて、研削ユニット3,4を保持テーブル7に対して離間及び接近させるものである。実施形態1において、研削送りユニット5は、装置本体2の水平方向と平行なY軸方向の一端部から立設した立設柱21に設けられている。研削送りユニット5は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及び各研削ユニット3,4のスピンドルハウジング36をZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。
【0031】
なお、実施形態1において、粗研削ユニット3及び仕上げ研削ユニット4は、研削ホイール32,42の回転中心である軸心と、保持テーブル7の回転中心である軸心とが、互いに水平方向に間隔をあけて平行に配置され、研削砥石31,41が保持テーブル7に保持された被加工物200の裏面205の中心上を通る。
【0032】
カセット8,9は、複数のスロットを有する被加工物200を収容するための収容容器である。カセット8,9は、研削加工前後の被加工物200を収容する。また、位置合わせユニット10は、カセット8,9から取り出された被加工物200が仮置きされて、その中心位置合わせを行うためのテーブルである。
【0033】
搬送ユニット11は、2つ設けられている。2つの搬送ユニット11は、被加工物200を吸着する吸着パッドを有している。一方の搬送ユニット11は、位置合わせユニット10で位置合わせされた研削加工前の被加工物200を吸着保持して搬入出領域301に位置する保持テーブル7上に搬入する。他方の搬送ユニット11は、搬入出領域301に位置する保持テーブル7上に保持された研削加工後の被加工物200を吸着保持して洗浄ユニット12に搬出する。
【0034】
洗浄ユニット12は、研削後の被加工物200を洗浄し、研削された裏面205に付着している研削屑等のコンタミネーションを除去する。搬出入ユニット13は、例えばU字型ハンド131を備えるロボットピックであり、U字型ハンド131によって被加工物200を吸着保持して搬送する。具体的には、搬出入ユニット13は、研削加工前の被加工物200をカセット8,9から取り出して、位置合わせユニット10へ搬出するとともに、研削加工後の被加工物200を洗浄ユニット12から取り出して、カセット8,9へ搬入する。
【0035】
また、研削装置1は、粗研削領域302及び仕上げ研削領域303の保持テーブル7に保持された被加工物200の厚みを測定する図示しない厚み測定器を備えている。厚み測定器は、測定結果を制御ユニット100に出力する。
【0036】
制御ユニット100は、研削装置1を構成する上述した各構成ユニットをそれぞれ制御するものである。即ち、制御ユニット100は、被加工物200に対する研削加工動作を研削装置1に実行させるものである。制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。
【0037】
制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、研削装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して研削装置1の上述した構成要素に出力する。また、制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニットや、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットと接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。
【0038】
前述した構成の研削装置1は、制御ユニット100により各構成ユニットが制御されることにより被加工物200に粗研削加工、仕上げ研削加工を順に施して、被加工物200を薄化する加工動作を実施する。実施形態1において、研削装置1は、オペレータにより表面202に保護部材210が貼着された被加工物200を保護部材210を下向きにして収容したカセット8,9が装置本体2に設置され、加工条件が制御ユニット100に登録され、オペレータからの加工動作の開始指示を制御ユニット100を受け付けると、加工動作を開始する。
【0039】
加工動作では、研削装置1は、各研削ユニット3,4のスピンドル33を加工条件で定められた回転数で軸心回りに回転させ、搬出入ユニット13にカセット8から被加工物200を1枚取り出させて、位置合わせユニット10へ搬出させる。研削装置1は、位置合わせユニット10に被加工物200の中心位置合わせを行わせ、搬送ユニット11に位置合わせされた被加工物200の表面202側を搬入出領域301に位置する保持テーブル7上に搬入する。このとき、保持テーブル7に搬入された被加工物200は、保持テーブル7と同軸となる位置に位置付けられる。
【0040】
加工動作では、研削装置1は、被加工物200の表面202側を保護部材210を介して搬入出領域301の保持テーブル7に吸引保持し、ターンテーブル6を回転して、搬入出領域301で被加工物200を保持した保持テーブル7を粗研削領域302に移動する。加工動作では、研削装置1は、研削水を供給しながら粗研削ユニット3により保持テーブル7を軸心回りに回転しながら被加工物200を粗研削加工し、ターンテーブル6を回転して、粗研削加工後の被加工物200を保持した保持テーブル7を仕上げ研削領域303に移動する。研削装置1は、研削水を供給しながら仕上げ研削ユニット4により保持テーブル7を軸心回りに回転しながら被加工物200を仕上げ研削加工し、ターンテーブル6を回転して、仕上げ研削加工後の被加工物200を保持し軸心回りの回転が停止した保持テーブル7を搬入出領域301に移動する。
【0041】
加工動作では、研削装置1は、仕上げ研削加工後の被加工物200を搬入出領域301の保持テーブル7から洗浄ユニット12に搬送して、洗浄ユニット12で洗浄した後、カセット8,9に収容する。加工動作では、研削装置1は、ターンテーブル6が回転する度に、仕上げ研削加工後の被加工物200を保持していない搬入出領域301の保持テーブル7に被加工物200を搬入し、仕上げ研削加工後の被加工物200を保持している搬入出領域301の保持テーブル7から被加工物200を洗浄ユニット12に搬送した後、研削加工前の被加工物200を搬入する。研削装置1は、カセット8,9内の全ての被加工物200に粗研削加工、仕上げ研削加工を施すと、加工動作を終了する。次に、被加工物の研削方法を説明する。
【0042】
(被加工物の研削方法)
実施形態1に係る被加工物の研削方法は、前述した研削装置1を使用して、被加工物200を所定の仕上げ厚み206(
図2に示す)まで薄化する研削方法であって、実施形態1では、粗研削ユニット3において実施する。このため、実施形態1では、所定の仕上げ厚み206とは、粗研削ユニット3により粗研削加工後の被加工物200の厚みであって、必ずしも、仕上げ研削加工後の被加工物200の厚みと一致するものではない。
【0043】
実施形態1に係る被加工物の研削方法は、
図4に示すように、第1の研削ステップ1001と、第2の研削ステップ1002とを有する。すなわち、実施形態1では、第1の研削ステップ1001及び第2の研削ステップ1002は、粗研削ユニット3において実施する。
【0044】
(第1の研削ステップ)
第1の研削ステップ1001は、研削砥石31の消耗を抑制できる流量である第1の研削水量401(
図5に示す)の研削水を研削砥石31に供給しつつ、粗研削ユニット3を研削送りして被加工物200を所定厚みまで研削するステップである。なお、所定の厚みは、仕上げ厚み206より厚い厚みであって、被加工物200の種類、粗研削ユニット3の研削砥石31の種類等に応じて、適宜定められる。
【0045】
研削装置1は、研削水供給ユニット14から粗研削ユニット3の研削ホイール32の研削砥石31に第1の研削水量401の研削水を供給しながら、研削送りユニット5により粗研削ユニット3を粗研削領域302の保持テーブル7に保持された被加工物200に接近させ、粗研削ユニット3の研削砥石31が被加工物200に接触して粗研削加工及び第1の研削ステップ1001が開始されて、被加工物200が徐々に薄化される。なお、第1の研削ステップ1001の第1の研削水量401は、研削水供給流路142に供給される研削水の研削水量である流量と、研削水供給ノズル143に供給される研削水の研削水量である流量との和である。また、第1の研削水量401は、従来から用いられてきた粗研削ユニット3が被加工物200を粗研削加工、即ち、従来から用いられてきた研削装置が被加工物200を研削加工する際の水量(流量)と同等である。
【0046】
こうして、第1の研削ステップ1001では、研削水供給ユニット14から粗研削ユニット3の研削ホイール32の研削砥石31に従来と同等の第1の研削水量401の研削水を供給することで、粗研削ユニット3の研削砥石31の消耗を抑制することができる。このように、研削砥石31の消耗を抑制することができる第1の研削水量401とは、従来から用いられてきた粗研削ユニット3が被加工物200を粗研削加工、即ち、従来から用いられてきた研削装置が被加工物200を研削加工する際と同等の水量(流量)である。
【0047】
なお、
図5の横軸は、時間を示し、右側の縦軸は、粗研削ユニット3に供給される研削水の研削水量を示し、左側の縦軸は、粗研削ユニット3のスピンドル電流値を示している。また、
図5中の点線は、粗研削ユニット3に供給される研削水の研削水量の変化を示し、
図5中の実線は、粗研削ユニット3のスピンドル電流値の変化を示している。
【0048】
実施形態1において、第1の研削ステップ1001では、研削送りユニット5が保持テーブル7に接近させる粗研削ユニット3の研削送り速度を被加工物200の厚みに応じて段階的に低下させる。実施形態1において、第1の研削ステップ1001では、研削送りユニット5の粗研削ユニット3の研削送り速度を3段階で低下させが、本発明では、研削送り速度を低下させる段階は、3段階に限定されない。
【0049】
第1の研削ステップ1001では、
図5に示すように、研削装置1は、粗研削ユニット3の研削砥石31のボンドの消耗が抑制されることで自生発刃が促進されないことや、研削屑の影響などにより目潰れが徐々に発生して、粗研削ユニット3のスピンドル電流値が徐々に上昇する。第1の研削ステップ1001では、
図5に示すように、研削装置1は、研削水量を第1の研削水量401に維持して、被加工物200を所定厚みまで薄化する。
【0050】
(第2の研削ステップ)
第2の研削ステップ1002は、第1の研削ステップ1001の実施後に、第1の研削水量401よりも研削水量を低減させ研削砥石31の消耗を増やし自生発刃を促進させる第2の研削水量402の研削水を供給しつつ、粗研削ユニット3を研削送りして被加工物200を仕上げ厚み206まで粗研削加工し、研削砥石31の目立てを促進させて、次の被加工物200を粗研削加工する準備をするステップである。
【0051】
第2の研削ステップ1002では、研削装置1は、研削送りユニット5による粗研削ユニット3の研削送り速度を第1の研削ステップ1001の研削送り速度よりも低下させ、
図5に示すように、流量調整バルブ147,148を制御して研削水供給ユニット14が粗研削ユニット3の研削ホイール32の研削砥石31に供給する研削水の水量を第1の研削水量401よりも低い第2の研削水量402に低減する。すると、粗研削ユニット3の研削砥石31のボンドが摩耗し砥粒がボンドから離脱する自生発刃が促進される。第2の研削ステップ1002では、第1の研削ステップ1001で研削屑などにより目潰れが発生しつつあった粗研削ユニット3の研削砥石31は、自生発刃が促進されることで、新たな砥粒で粗研削加工することが可能に目立てをされることとなる。
【0052】
このために、第2の研削ステップ1002では、研削装置1は、粗研削ユニット3の研削砥石31の自生発刃が促進されて目立てをされるので、
図5に示すように、研削負荷が第1の研削ステップ1001より低下し、スピンドル電流値が低下する。第2の研削ステップ1002では、研削装置1は、被加工物200を仕上げ厚み206まで薄化すると、研削送りユニット5による粗研削ユニット3の研削送りを停止し、その後、研削送りユニット5により粗研削ユニット3を保持テーブル7から離間させて、第2の研削ステップ1002を終了して、被加工物200の粗研削加工を終了する。
【0053】
そして、研削装置1は、ターンテーブル6の回転により次に粗研削領域302に位置付けられた保持テーブル7に保持された次の被加工物200(以下、n+1枚目の被加工物という。なお、nは自然数である)に粗研削ユニット3において第1の研削ステップ1001及び第2の研削ステップ1002を順に実施する。このとき、一つ前の被加工物200(以下、n枚目の被加工物という)に第2の研削ステップ1002を実施した際に粗研削ユニット3の研削砥石31が目立てをされているために、n+1枚目の被加工物200に第1の研削ステップ1001を実施する際には、第1の研削ステップ1001開始直後から研削砥石31が被加工物200に食いついて、研削負荷が急激に上昇せずに、
図5に示すように、スピンドル電流値が一時的に急上昇せずに、n枚目の被加工物200を研削する際と同様に徐々に上昇する。なお、
図5は、n=1の場合を示している。
【0054】
以上のように、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、被加工物200を研削加工する後半の第2の研削ステップ1002の研削水量を第1の研削ステップ1001の第1の研削水量401よりも低減された第2の研削水量402にして、研削砥石31の自生発刃を促進させる。このために、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、目立てが十分にされた状態で次の被加工物200の粗研削加工を開始でき、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時に研削砥石31が被加工物200に食いつきやすくなり、n+1枚目の被加工物200の研削負荷がかかりやすい粗研削加工開始時の研削負荷を抑制できることで、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時のスピンドル電流値の上昇を防ぐ事ができる。
【0055】
また、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、被加工物200を研削加工する前半の第1の研削ステップ1001の研削水量を、従来と同等でかつ第2の研削水量402よりも高い第1の研削水量401とするので、第1の研削ステップ1001の研削砥石31の消耗を抑制し、目つぶれが進行する後半に第2の研削水量402まで研削水量を減らして消耗を増やし自生発刃を促進させる。このために、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、過度な研削砥石31の消耗を防ぎつつ、研削負荷を軽減することができる。
【0056】
また、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、粗研削加工と仕上げ研削加工とを行う研削装置1を用いるので、粗研削ユニット3の第2の研削ステップ1002で研削水の水量を低減させて自生発刃を促進する。実施形態1に係る被加工物の研削方法は、第2の研削ステップ1002で自生発刃が促進した研削砥石31を使って研削する事で、研削水量を研削開始から終了まで一定に維持した場合や、研削の後半に前半より研削水量を増やして研削する従来の方法よりも粗研削ユニット3による粗研削加工後の被加工物200の研削面である裏面205をあえて荒らすことができる(傷をつけて、表面粗さを粗くすると同義)。このために、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、粗研削加工と仕上げ研削加工とを行う研削装置1を用いるので、仕上げ研削加工時により砥粒の粒径が細かい仕上げ研削用の研削ホイール42で研削する際に、被加工物200の裏面205の凹凸によって仕上げ研削用の研削ホイール42の研削砥石41が食いつきやすく、また摩耗も促進され、より食いつきにくい仕上げ研削用の研削ホイール42でも研削負荷を抑えた研削加工が実現できる。
【0057】
その結果、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、研削砥石31の過度な消耗を防ぎつつ、研削負荷の軽減も実現することができる、という効果を奏する。
【0058】
さらに、実施形態1に係る被加工物の研削方法は、粗研削加工と仕上げ研削加工とを行う研削装置1を用いるので、粗研削ユニット3で被加工物200の裏面205を荒らしても仕上げ研削加工で被加工物200の裏面205の表面粗さを小さくすることができるので、研削負荷を減らしつつ被加工物200の加工品質も高く維持できる。
【0059】
次に、本発明の出願人らは、実施形態1に係る被加工物の研削方法の効果を確認した。
確認において、
図6に示された比較例1及び
図7に示された比較例2において、粗研削ユニット3でn枚目の被加工物200とn+1枚目の被加工物200を粗研削加工した際のスピンドル電流値を測定した。また、確認においては、n=1とした。なお、
図6は、比較例1の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
図7は、比較例2の研削水の水量及びスピンドル電流値の変化を示す図である。
【0060】
なお、
図6及び
図7は、
図5と同様に、横軸が、時間を示し、右側の縦軸が、粗研削ユニット3に供給される研削水の研削水量を示し、左側の縦軸が、粗研削ユニット3のスピンドル電流値を示している。また、
図6及び
図7は、点線が、粗研削ユニット3に供給される研削水の研削水量の変化を示し、実線が、粗研削ユニット3のスピンドル電流値の変化を示している。
【0061】
図6にスピンドル電流値を示す比較例1は、粗研削ユニット3による粗研削加工時に研削水量を第1の研削水量401に維持して、他の条件を実施形態1と同じとした(つまり、粗研削加工の加工開始直後から加工終了時まで研削水量を第1の研削水量401から増減させないということ)。
図7にスピンドル電流値を示す比較例2は、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始直後の研削水量を第2の研削水量402とし、その後、第1の研削水量401に維持して、他の条件を実施形態1と同じとした(前述した特許文献3に示された方法に相当する)(つまり粗研削加工の加工開始直後の研削水量を粗研削加工の加工後半より少なくし、粗研削加工の加工後半で研削水量を加工前半より増やす形態)。
【0062】
図6によれば、比較例1は、研削砥石31の摩耗を抑制する第1の研削水量401に維持したため、研削砥石31の目詰まりが発生し、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時に、スピンドル電流値が一時的に上昇した。また
図7によれば、比較例2は、粗研削加工の後半に、加工の前半に使用する第1の研削水量401より減らした、第2の研削水量402に変更し、研削砥石31の消耗を抑えるため、研削砥石31が目潰れした状態で、次の被加工物200に対して一番研削負荷がかかる研削開始時を迎えるため、研削負荷が一層上がり、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時に、スピンドル電流値が一時的に上昇した。したがって、
図6及び
図7によれば、比較例1及び比較例2は、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時に、研削負荷が一時的に上昇したことが明らかとなった。研削負荷が一時的に急激に上昇することは、研削砥石31や被加工物200にも傷やダメージを与えやすいため好ましくない。
【0063】
このような、比較例1及び比較例2に対して、実施形態1では、
図5に示すように、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時に、スピンドル電流値が一時的に上昇することなく、研削負荷が一時的に上昇しないことが明らかであった。したがって、被加工物200を研削加工する後半の第2の研削ステップ1002の研削水量を第1の研削ステップ1001の第1の研削水量401よりも低減された第2の研削水量402にして、研削砥石31の自生発刃を促進させことで、n+1枚目の被加工物200の粗研削加工開始時の研削負荷を抑制できることが明らかとなった。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお実施形態1では、研削水供給ユニット14は、研削水供給流路142に供給する研削水の流量(研削水量に相当する)を制御する流量調整バルブ147と、研削水供給ノズル143に供給する研削水の流量を制御する流量調整バルブ148とを備えているが、研削水供給ユニット14は、研削水供給流路142と流量調整バルブ147、または研削水供給ノズル143と流量調整バルブ148と、の少なくともいずれかを備えれば良い。また研削水量を第1の研削水量401から第2の研削水量402に変更する際に、実施形態1では流量調整バルブ147と、流量調整バルブ148と、の両方を調整しているが、どちらか一方のみを調整しても良い。
【符号の説明】
【0065】
1 研削装置
3 粗研削ユニット
4 仕上げ研削ユニット
5 研削送りユニット
7 保持テーブル
14 研削水供給ユニット
31,41 研削砥石
32,42 研削ホイール
33 スピンドル
34 モータ
100 制御ユニット
200 被加工物
205 裏面(被加工物上面)
206 仕上げ厚み
401 第1の研削水量
402 第2の研削水量
1001 第1の研削ステップ
1002 第2の研削ステップ