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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】印字ユニットおよび携帯型端末
(51)【国際特許分類】
   B41J 15/04 20060101AFI20241115BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20241115BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20241115BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B41J15/04
B41J2/32 Z
B41J3/36 Z
B65H7/14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020197976
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086129
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 浩平
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-120389(JP,A)
【文献】特開2018-015942(JP,A)
【文献】特開2017-209823(JP,A)
【文献】特開2015-041645(JP,A)
【文献】特開2011-060633(JP,A)
【文献】特開2015-208919(JP,A)
【文献】特開2018-076174(JP,A)
【文献】米国特許第05806993(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 15/00-15/24
B41J 2/32
B41J 3/36
B41J 11/00-11/70
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を搬送するプラテンローラと、
前記プラテンローラの外周面に圧接し、前記記録紙に印字するサーマルヘッドと、
前記プラテンローラに向けて配置され、前記記録紙を検出するセンサと、
前記センサが実装されたセンサ実装部を有するフレキシブルプリント基板と、
前記プラテンローラを回転可能に支持するとともに、前記センサ実装部が係止される係止突部を有するフレームと、
を備え
前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ実装部から延びるタブ部を備え、
前記タブ部は、前記センサ実装部に対して屈曲部を介して接続され、
前記センサ実装部は、前記屈曲部の復元力によって前記係止突部への係止が保持される
方向に付勢されている
印字ユニット。
【請求項2】
前記係止突部は、前記センサ実装部の面方向に対して傾斜した方向を向く側面を有する乗り越え突部を備え、
前記センサ実装部は、前記センサ実装部を厚さ方向に貫通し、前記乗り越え突部が挿通される第1被係止部を備える、
請求項1に記載の印字ユニット。
【請求項3】
前記係止突部は、前記センサ実装部の厚さ方向に延びるボスを備え、
前記センサ実装部は、端縁に切り欠かれ、前記ボスが挿通される第2被係止部を備える、
請求項1または請求項2に記載の印字ユニット。
【請求項4】
前記フレームは、前記センサ実装部を前記センサの裏側から支持する台座部を有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印字ユニット。
【請求項5】
前記センサ実装部は、前記センサが実装された実装面、および前記実装面とは反対側の裏面を有し、
前記タブ部は、前記センサ実装部から前記裏面に沿って延びる
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印字ユニット。
【請求項6】
前記フレームは、前記プラテンローラの軸方向に沿って延びる紙ガイド部を有し、
前記紙ガイド部は、前記サーマルヘッドに向けて前記記録紙を案内するガイド面を有し、
前記紙ガイド部には、前記センサ実装部を収容する収容部が形成され、
前記収容部は、前記ガイド面上で前記軸方向において前記センサ実装部よりも両側に大きく、前記サーマルヘッドから離れる側に開口している、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の印字ユニット。
【請求項7】
前記センサ実装部の端縁には、一対の切欠が並んで形成され、
前記タブ部は、前記一対の切欠の間に接続されている、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の印字ユニット。
【請求項8】
前記センサは、前記サーマルヘッドの厚さ方向に対して鋭角に傾斜した方向を向いている、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の印字ユニット。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の印字ユニットを備えた携帯型端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字ユニットおよび携帯型端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に記載の印字ユニットが知られている。この印字ユニットは、プラテンローラとサーマルヘッドとで記録紙を挟んだ状態でプラテンローラを回転させることで、記録紙を紙送りしながら記録紙の印字面をサーマルヘッドの発熱素子により加熱し、印字面を発色させて印字を行う。
【0003】
上記従来の印字ユニットにおいて、サーマルヘッドの手前側には、サーマルヘッドに向けて記録紙を案内する紙ガイド部が設けられる。さらに、紙ガイド部には、紙ガイド部に沿う記録紙を検出するセンサが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-159482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の印字ユニットでは、紙ガイド部にセンサを取り付けるために、紙ガイド部と、紙ガイド部とは別部材であるホルダとの間にセンサを挟む構成を採用する場合がある。しかしながら、紙ガイド部とホルダとの間にセンサを挟む構成では、別部材を設けることによる部品点数の増加が生じる。また、ホルダを紙ガイド部に対して固定するために、ホルダを囲うように紙ガイド部が配置されるので、紙ガイド部の外形の増大によって印字ユニットが大型化し得る。したがって、従来の印字ユニットにおいては、記録紙を検出するセンサの固定構造を簡素化して小型化を図るという点で改善の余地がある。
【0006】
そこで本発明は、小型化された印字ユニット、およびその印字ユニットを備えた携帯型端末を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印字ユニットは、記録紙を搬送するプラテンローラと、前記プラテンローラの外周面に圧接し、前記記録紙に印字するサーマルヘッドと、前記プラテンローラに向けて配置され、前記記録紙を検出するセンサと、前記センサが実装されたセンサ実装部を有するフレキシブルプリント基板と、前記プラテンローラを回転可能に支持するとともに、前記センサ実装部が係止される係止突部を有するフレームと、を備える。
【0008】
本発明によれば、センサ実装部をフレームの係止突部に係止させることで、フレームに別部材を組み合わせることなくセンサ実装部を取り付けることができる。したがって、フレームに別部材を組み合わせることでセンサ実装部をフレームに取り付ける構成と比べて小型化された印字ユニットを提供できる。
【0009】
上記の印字ユニットにおいて、前記係止突部は、前記センサ実装部の面方向に対して傾斜した方向を向く側面を有する乗り越え突部を備え、前記センサ実装部は、前記センサ実装部を厚さ方向に貫通し、前記乗り越え突部が挿通される第1被係止部を備えていてもよい。
【0010】
本発明によれば、センサ実装部をその面方向に沿って変位させて乗り越え突部の側面に摺接させることで、センサ実装部を乗り越え突部に乗り上げさせることができる。そして、第1被係止部を乗り越え突部に近付けるように、乗り越え突部に乗り上げたセンサ実装部をその面方向に沿ってさらに変位させることで、第1被係止部に乗り越え突部を挿通させることができる。よって、センサ実装部を係止突部に係止させる際に、作業者がセンサ実装部をその厚さ方向に持ち上げるように扱う構成と比較して、作業性を向上させることができる。また、センサ実装部に過剰な力がかかってセンサ実装部が大きく撓むことを抑制できるので、センサ実装部に断線等の不良が発生することを抑制できる。したがって、印字ユニットの信頼性を向上させることができる。
【0011】
上記の印字ユニットにおいて、前記係止突部は、前記センサ実装部の厚さ方向に延びるボスを備え、前記センサ実装部は、端縁に切り欠かれ、前記ボスが挿通される第2被係止部を備えていてもよい。
【0012】
本発明によれば、センサ実装部をその面方向に沿って変位させることで、ボスを第2被係止部の内側に配置できる。これにより、センサ実装部をその厚さ方向に変位させることなく、センサ実装部をボスに係止させることができる。よって、センサ実装部を係止突部に係止させる際に、作業者がセンサ実装部をその厚さ方向に持ち上げるように扱う構成と比較して、作業性を向上させることができる。また、センサ実装部に過剰な力がかかってセンサ実装部が大きく撓むことを抑制できるので、センサ実装部に断線等の不良が発生することを抑制できる。したがって、印字ユニットの信頼性を向上させることができる。
【0013】
上記の印字ユニットにおいて、前記フレームは、前記センサ実装部を前記センサの裏側から支持する台座部を有していてもよい。
【0014】
本発明によれば、センサの位置を安定させることができる。したがって、センサによる記録紙の検出精度を安定させることができる。
【0015】
上記の印字ユニットにおいて、前記センサ実装部は、前記センサが実装された実装面、および前記実装面とは反対側の裏面を有し、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ実装部から前記裏面に沿って延びるタブ部を備えていてもよい。
【0016】
本発明によれば、実装面側には記録紙が配置されるので、タブ部をセンサ実装部の裏面に沿わせることで、タブ部が記録紙に干渉することを抑制できる。したがって、タブ部の接触による記録紙の汚損を抑制できる。
【0017】
上記の印字ユニットにおいて、前記フレームは、前記プラテンローラの軸方向に沿って延びる紙ガイド部を有し、前記紙ガイド部は、前記サーマルヘッドに向けて前記記録紙を案内するガイド面を有し、前記紙ガイド部には、前記センサ実装部を収容する収容部が形成され、前記収容部は、前記ガイド面上で前記軸方向において前記センサ実装部よりも両側に大きく、前記サーマルヘッドから離れる側に開口していてもよい。
【0018】
本発明によれば、収容部にサーマルヘッドから離れる側からセンサ実装部を収容することができる。これにより、収容部にセンサ実装部を収容する際にセンサ実装部を通過させる空間を紙ガイド部とサーマルヘッドとの間に設ける必要がないので、サーマルヘッドに紙ガイド部を近付けて配置できる。したがって、印字ユニットをより小型化できる。
【0019】
上記の印字ユニットにおいて、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ実装部から延びるタブ部を備え、前記センサ実装部の端縁には、一対の切欠が並んで形成され、前記タブ部は、前記一対の切欠の間に接続されていてもよい。
【0020】
本発明によれば、センサ実装部とタブ部との接続部にかかる応力を切欠に集中させることができる。これにより、応力がセンサの取付部(はんだ付け部)に波及してセンサの接触不良が生じることを抑制できる。したがって、印字ユニットの信頼性を向上させることができる。
【0021】
上記の印字ユニットにおいて、前記センサは、前記サーマルヘッドの厚さ方向に対して鋭角に傾斜した方向を向いていてもよい。
【0022】
本発明によれば、センサ実装部がサーマルヘッドの厚さ方向に対して傾斜して配置されるので、サーマルヘッドの厚さ方向においてセンサ実装部が占める領域を小さくできる。よって、印字ユニットをサーマルヘッドの厚さ方向において小型化して、記録紙のロール体をより近付けて配置することが可能な印字ユニットとすることができる。
【0023】
上記の印字ユニットにおいて、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ実装部から延びるタブ部を備え、前記タブ部は、前記センサ実装部に対して屈曲部を介して接続され、前記センサ実装部は、前記屈曲部の復元力によって前記係止突部への係止が保持される方向に付勢されていてもよい。
【0024】
本発明によれば、係止突部からセンサ実装部の脱落を規制する構造をセンサ実装部およびフレームの少なくともいずれか一方に設けることなく、センサ実装部をフレームの所定の位置に保持できる。よって、センサの固定構造の複雑化を抑制できる。
【0025】
本発明の携帯型端末は、上記の印字ユニットを備える。
【0026】
本発明によれば、小型化された印字ユニットを備えるので、従来よりも小型化された携帯型端末を提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、小型化された印字ユニット、および携帯型端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態の携帯型端末の斜視図である。
図2】第1実施形態の印字ユニットの斜視図である。
図3】第1実施形態の印字ユニットの分解斜視図である。
図4】第1実施形態の印字ユニットの斜視図である。
図5】第1実施形態のフレキシブルプリント基板の一部を示す斜視図である。
図6】第1実施形態の印字ユニットの一部を示す正面図である。
図7】第1実施形態の印字ユニットの一部を前下方から見た斜視図である。
図8図6のVIII-VIII線における断面図である。
図9図6のIX-IX線における断面図である。
図10図6のX-X線における断面図である。
図11】第2実施形態の印字ユニットの斜視図である。
図12】第2実施形態の印字ユニットの分解斜視図である。
図13】第2実施形態の印字ユニットの斜視図である。
図14】第2実施形態の印字ユニットの一部を示す正面図である。
図15】第2実施形態の印字ユニットの一部を前下方から見た斜視図である。
図16図14のXVI-XVI線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0030】
(携帯型端末)
図1は、実施形態の携帯型端末の斜視図である。
図1に示すように、携帯型端末1は、記録紙Pを印刷可能に構成されたものである。記録紙Pは、熱を加えると発色する感熱紙であり、各種ラベルやレシート、チケット等の印刷等に好適に使用される。記録紙Pは、中空孔を有するように巻回されたロール紙Rの状態で携帯型端末1にセットされ、ロール紙Rから引き出された部分に対して印刷が行われる。
【0031】
携帯型端末1は、ケーシング3と、表示部4と、制御部5と、印字ユニット6と、を有する。
ケーシング3は、ABSやABSとポリカーボネートとの複合材等のプラスチックや金属材料により中空箱状に形成されている。ケーシング3は、直方体状の本体部7と、本体部7の長手方向の一端部において、本体部7の厚み方向の一方側に屈曲するロール紙収容部8と、を有する。本体部7の長手方向の一端部には、印字ユニット6が収容されている。本体部7の長手方向の一端面には、排出口3aが形成されている。排出口3aは、印字ユニット6を通って印刷された記録紙Pが排出される。本体部7の厚み方向の他方側に面する主面には、表示部4が配置されている。表示部4は、例えば液晶パネルであって、制御部5に接続されて各種の情報を表示する。ロール紙収容部8には、ロール紙Rが収容される。印字ユニット6は、いわゆるサーマルプリンタである。
【0032】
(第1実施形態の印字ユニット)
図2および図4は、第1実施形態の印字ユニットの斜視図である。図3は、第1実施形態の印字ユニットの分解斜視図である。
図2から図4に示すように、印字ユニット6は、従動ギヤ54を有するプラテンローラ50と、プラテンローラ50を回転軸線O(所定軸線)回りに回転させるモータ60と、プラテンローラ50を回転可能に支持するとともにモータ60が固定された本体フレーム10(フレーム)と、モータ60の駆動力を減速して従動ギヤ54に伝達する第1減速ギヤ31および第2減速ギヤ32と、プラテンローラ50の外周面に圧接されるサーマルヘッド40と、本体フレーム10に支持されるとともにサーマルヘッド40が固定されたヘッド支持体45と、携帯型端末1の制御部5と印字ユニット6の各部とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板70と、を備える。
【0033】
図2に示すように、印字ユニット6は、プラテンローラ50とサーマルヘッド40との間を通った記録紙Pを矢印Aの指向する方向に向かって排出する。以下、主に印字ユニット6の説明では、矢印Aに沿う方向を上下方向L1と定義するとともに、矢印Aが指向する方向を上方と定義する。また、上下方向L1に直交し、記録紙Pの幅方向に一致する方向を左右方向L2と定義する。さらに、上下方向L1および左右方向L2に直交する方向を前後方向L3と定義し、前後方向L3においてサーマルヘッド40に対するプラテンローラ50側を前方と定義する。
【0034】
図3に示すように、本体フレーム10は、例えばガラス繊維を含むポリカーボネート樹脂等の板材により形成されている。本体フレーム10は、上下方向L1から見て前方に向けて開放されたU字状に形成されている。具体的に、本体フレーム10は、左右方向L2に延在する背板部11と、背板部11の左右方向L2における一方側(左側)の端部から前方に立設された第1側壁部12と、背板部11の左右方向L2における他方側(右側)の端部から前方および後方に立設された第2側壁部13と、第1側壁部12と第2側壁部13との間に設けられた紙ガイド部18と、を有する。
【0035】
背板部11は、前後方向L3に厚みを有する板状に形成されている。第1側壁部12は、左右方向L2に厚みを有する板状に形成されている。第1側壁部12の上端縁には、下方に向けて切り込まれた第1ローラ挿入溝14Aが形成されている。第2側壁部13は、左右方向L2に厚みを有する板状に形成されている。第2側壁部13の上端縁には、下方に向けて切り込まれた第2ローラ挿入溝14Bが形成されている。第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14Bは、左右方向L2から見て互いに一致するように形成されている。第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14Bには、プラテンローラ50が着脱可能に挿入される。紙ガイド部18は、プラテンローラ50の下方に配置されている。紙ガイド部18は、左右方向L2の一方側(左側)の端部が第1側壁部12の内側面に接続するとともに、左右方向L2の他方側(右側)の端部が第2側壁部13の内側面に接続している。紙ガイド部18の詳細については後述する。
【0036】
第2側壁部13の外側には、ギヤボックス部15が形成されている。ギヤボックス部15は、第2側壁部13の周縁から左右方向L2の外側に向かって立設された周壁部16を有する。つまり、ギヤボックス部15は、第2側壁部13および周壁部16によって形成され、左右方向L2の外側に向かって開口している。周壁部16は、左右方向L2から見て上方に向けて開放されている。周壁部16には、下方に向かって凹む一対の係止凹部17が形成されている。一対の係止凹部17は、周壁部16の上方開放部の前後両側に形成されている。一対の係止凹部17には、ギヤカバー30が係合する。ギヤカバー30は、ギヤボックス部15の内側を左右方向の外側から覆う。
【0037】
ギヤボックス部15の内部には、第1減速ギヤ31および第2減速ギヤ32が回転可能に組み付けられている。第1減速ギヤ31および第2減速ギヤ32は、互いに噛み合っている。
【0038】
モータ60は、出力軸線Q回りトルクを発生させる。モータ60は、出力軸線Qがプラテンローラ50の回転軸線O(図2参照)と平行になるように配置されている。モータ60は、背板部11を挟んでプラテンローラ50とは反対側に配置されている。モータ60は、第2側壁部13における左右方向L3の内側を向く面に固定されている。モータ60の出力軸61は、第2側壁部13を貫通している。出力軸61は、ギヤボックス部15の内側で第1減速ギヤ31に噛合している。モータ60には、フレキシブルプリント基板70が接続されている。モータ60は、フレキシブルプリント基板70を介して制御部5(図1参照)に電気的に接続されている。モータ60は、制御部5からの信号に基づいて駆動する。
【0039】
サーマルヘッド40は、記録紙P(図2参照)に対して印刷を行うものである。サーマルヘッド40は、前後方向L3から見て左右方向L2を長手方向とした矩形状に形成されている。サーマルヘッド40は、その厚さ方向を前後方向L3に一致させた状態で配置されている。サーマルヘッド40のヘッド面40aは、背板部11とは反対側(前方)を向いている。サーマルヘッド40のヘッド面40aには、左右方向L2に多数の発熱素子41が配列されている。
【0040】
ヘッド面40aは、記録紙Pの印字面と対向し、プラテンローラ50の外周面との間で記録紙Pを挟持し得るようになっている。サーマルヘッド40は、フレキシブルプリント基板70を介して、制御部5(図1参照)に接続され、サーマルヘッド40上に搭載されたドライバーIC(不図示)が、制御部5からの信号に基づいて、発熱素子41の発熱を制御している。サーマルヘッド40は、発熱素子41の発熱が制御されて、各種の文字や図形等を記録紙Pの印字面へ印刷する。サーマルヘッド40は、ヘッド支持体45に貼り付けられることで固定されている。
【0041】
ヘッド支持体45は、背板部11の前方、かつ紙ガイド部18よりも後方で、第1側壁部12および第2側壁部13の間に配置されている。ヘッド支持体45は、金属材料により形成されている。ヘッド支持体45は、左右方向L2を長手方向とした板状の部材である。ヘッド支持体45は、厚さ方向を前後方向に一致させた状態で配置されている。ヘッド支持体45は、前面でサーマルヘッド40を固定している。
【0042】
ヘッド支持体45の上端部には、ヘッド支持体45の回動範囲を規制するための一対のストッパ45aが形成されている。一対のストッパ45aは、略四角柱状に形成され、ヘッド支持体45における左右方向L2の外側に向けて延出している。一対のストッパ45aは、本体フレーム10の第1側壁部12の上部に形成された矩形状の孔部12a、および第2側壁部13の上部に形成された矩形状の孔部13a内に挿入されている。ストッパ45aは、ヘッド支持体45の回動に伴って孔部12a,13a内を移動し、孔部12a,13aの内壁面に接触可能に構成されている。ストッパ45aは、孔部12a,13aの内壁面に接触することにより、ヘッド支持体45の回動量を規制している。
【0043】
ヘッド支持体45と背板部11との間には、弾性部材47が介装されている。弾性部材47は、ヘッド支持体45と背板部11とを互いに離間させる方向に向けて付勢している。すわなち、弾性部材47は、ヘッド支持体45を前方に向けて常に押圧するように構成されている。弾性部材47は、左右方向L2に間隔をあけて複数(本実施形態では3個)配列されている。
【0044】
図2に示すように、プラテンローラ50は、回転軸線Oを左右方向L2に一致させた状態でサーマルヘッド40に対向配置されている。プラテンローラ50は、サーマルヘッド40との間に記録紙Pを挟んだ状態で回転軸線Oを中心に回転することで、記録紙Pを矢印Aの指向する方向に送り出す。
【0045】
図3に示すように、プラテンローラ50は、ローラシャフト51と、ローラシャフト51に外装されたローラ本体52と、ローラシャフト51の両端に装着された一対の軸受53と、を有する。ローラシャフト51は、本体フレーム10の第1側壁部12と第2側壁部13との離間距離よりやや長く形成されている。ローラ本体52は、例えばゴム等により形成され、左右方向L2に沿って、ローラシャフト51の両端を除く全体に亘って一様に配置されている。
【0046】
図2および図3に示すように、プラテンローラ50は、両端に装着された一対の軸受53が本体フレーム10の第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14Bに挿入される。軸受53は、本体フレーム10に支持された係止ばね19によって第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14B内に保持されている。これによりプラテンローラ50は、本体フレーム10に対して回転可能に保持されている。また、プラテンローラ50は、係止ばね19を弾性変形させて軸受53を第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14Bに進退させることにより、本体フレーム10に対して着脱可能となっている。プラテンローラ50は、第1ローラ挿入溝14Aおよび第2ローラ挿入溝14Bに挿入された状態において、ロール紙R(図1参照)から引き出された記録紙Pを間に挟み、ローラ本体52がサーマルヘッド40に対して接触するように設けられている。
【0047】
図3に示すように、プラテンローラ50の左右方向L2における他方側(右側)の端部には、従動ギヤ54が固定されている。従動ギヤ54は、プラテンローラ50が第1側壁部12および第2側壁部13に保持されたときに、ギヤボックス部15の上部に組み付けられる。従動ギヤ54は、第2減速ギヤ32に噛合している。これにより、モータ60からの回転駆動力は、第1減速ギヤ31および第2減速ギヤ32を介して従動ギヤ54に伝達される。プラテンローラ50は、第1側壁部12および第2側壁部13に保持された状態で回転し、記録紙P(図2参照)を送り出すことができる。
【0048】
図4に示すように、フレキシブルプリント基板70は、フレキシブルプリント基板70に形成された配線パターンを介して、サーマルヘッド40、モータ60および後述するセンサ80と、携帯型端末1の制御部5と、を電気的に接続する。フレキシブルプリント基板70は、サーマルヘッド40、モータ60およびセンサ80に電力を供給するとともに、制御部5との間で信号の入出力を行う。フレキシブルプリント基板70は、背板部11の下面に沿って配置された基部71と、基部71から分岐した引出部72、モータ接続部73、ヘッド接続部74およびセンサ接続部75と、を有している。
【0049】
基部71は、表裏面が上下方向L1を向くように配置されている。基部71は、背板部11の下面に沿って左右方向L2に延びている。
引出部72は、基部71の後端縁から延びている。引出部72は、制御部5に接続される端子を先端に備える。引出部72には、端子に向けて延びる全ての配線が配置されている。
モータ接続部73は、モータ60に電気的に接続されている。モータ接続部73は、基部71の前端縁から引出部72の下方およびモータ60の下方を通って後方に延びた後、モータ60に接続されている。
【0050】
ヘッド接続部74は、サーマルヘッド40に電気的に接続されている。ヘッド接続部74は、基部71の前端縁から背板部11および紙ガイド部18の間を通って上方に延びた後、サーマルヘッド40に接続されている。
センサ接続部75は、センサ80(図3参照)に電気的に接続されている。センサ接続部75は、基部71の後端縁から基部71の下方を通って前方に延びた後、背板部11および紙ガイド部18の間でヘッド接続部74の前方を上方に延び、紙ガイド部18に支持されている。
【0051】
図5は、第1実施形態のフレキシブルプリント基板の一部を示す斜視図である。
図5に示すように、センサ接続部75は、センサ80が実装されたセンサ実装部76と、センサ実装部76から基部71(図4参照)に向けて延びるタブ部77と、を備える。
【0052】
センサ80は、後述するガイド面20によって案内されてサーマルヘッド40に向かう記録紙Pを検出する。センサ80は、例えば反射型のPIセンサである。センサ80は、発光部から出射された光が記録紙Pで反射することで、その反射光を受光部で検出可能に構成されている。例えば、携帯型端末1の制御部5は、センサ80の受光部で所定強度の反射光を検出した場合に、記録紙Pがセンサ80の検出範囲内に存在していると判定する。
【0053】
センサ実装部76は、矩形板状に形成されている。センサ実装部76は、センサ80が実装された実装面76aと、実装面76aとは反対側の裏面76b(図7参照)と、を備える。センサ実装部76は、タブ部77よりも撓みにくく形成されている。例えば、センサ実装部76は、タブ部77よりも厚く形成されている。センサ実装部76には、被係止部81が形成されている。被係止部81は、センサ実装部76を厚さ方向に貫通し、突起構造に係止可能に形成されている。被係止部81は、センサ実装部76の長手方向の両端縁それぞれに切り欠かれている。被係止部81は、それぞれ一定の幅でセンサ実装部76の長手方向に延びている。
【0054】
センサ実装部76の長手方向に沿う端縁には、一対の切欠82が並んで形成されている。一対の切欠82は、センサ実装部76の長手方向において、センサ80に対する一方側のみに形成されている。一対の切欠82の間には、タブ部77が接続されている。
【0055】
タブ部77は、センサ実装部76よりも前方に配置されないように引き回されている。タブ部77は、センサ実装部の一対の切欠82の間に対して屈曲部78を介して接続されている。タブ部77は、一対の切欠82の間からセンサ実装部76の裏面76bに沿って延びた後、フレキシブルプリント基板70の基部71に接続している。
【0056】
紙ガイド部18について詳述する。
図3に示すように、紙ガイド部18は、左右方向L2に沿って延びる柱状に形成されている。紙ガイド部18は、印字ユニット6の前方のロール紙R(図1参照)から引き出された記録紙Pをサーマルヘッド40とプラテンローラ50との間に案内するガイド面20を有する。ガイド面20は、全体として、紙ガイド部18におけるサーマルヘッド40側の上端縁から下方かつ前方に延び、印字ユニット6の前方の空間に面している。具体的に、ガイド面20は、紙ガイド部18の上端縁から前方かつ下方に延びる第1ガイド面20Aと、第1ガイド面20Aの前端縁から下方に延びる第2ガイド面20Bと、を備える。第1ガイド面20Aおよび第2ガイド面20Bは、それぞれ左右方向L2に沿う平坦面状に形成されている。本実施形態では、第1ガイド面20Aは、サーマルヘッド40のヘッド面40aに対して37.5°傾斜している。第1ガイド面20Aの後端縁には、紙ガイド部18の後面が連なっている。第2ガイド面20Bの下端縁には、紙ガイド部18の下面が連なっている。
【0057】
紙ガイド部18には、フレキシブルプリント基板70のセンサ実装部76を収容する収容部21が形成されている。収容部21は、ガイド面20に開口する凹状に形成されている。さらに、収容部21は、ガイド面20から紙ガイド部18の後面および下面にわたって開口している。収容部21は、第2ガイド面20B上で、センサ実装部76よりも左右方向L2の両側に大きく、サーマルヘッド40から離れる側に開口している。
【0058】
図6は、第1実施形態の印字ユニットの一部を示す正面図である。図7は、第1実施形態の印字ユニットの一部を前下方から見た斜視図である。
図6および図7に示すように、収容部21には、第1保持部22、第2保持部23および台座部24が突出している。第1保持部22は、収容部21の左側の側壁から右側に向かって突出している。第2保持部23は、収容部21の右側の側壁から左側に向かって突出している。第1保持部22および第2保持部23は、それぞれ第1ガイド面20Aと第2ガイド面20Bとの境界に沿って延びている。第1保持部22および第2保持部23は、先端同士が左右方向L2に間隔をあけるように形成されている。第1保持部22および第2保持部23は、第2ガイド面20Bの下端縁よりも上方に位置している。これにより収容部21は、第1保持部22および第2保持部23の間、並びに第1保持部22および第2保持部23の下方で開口している。台座部24は、収容部21の奥壁からガイド面20上の開口に向かって突出している。台座部24は、左右方向L2で第1保持部22および第2保持部23の間に形成されている。
【0059】
図8は、図6のVIII-VIII線における断面図である。
図8に示すように、第1保持部22は、第1支持面22aを備える。第1支持面22aは、左右方向L2に延びる平坦面状に形成されている。第1支持面22aは、下方および後方に対して鋭角をなす方向を向いている。第1支持面22aは、第1ガイド面20Aと平行に延びている。
【0060】
図9は、図6のIX-IX線における断面図である。
図9に示すように、第2保持部23は、第2支持面23aを備える。第2支持面23aは、左右方向L2に延びる平坦面状に形成されている。第2支持面23aは、下方および後方に対して鋭角をなす方向を向いている。第2支持面23aは、第1支持面22aと同一の仮想平面に沿って延びている。第2支持面23aは、第1ガイド面20Aと平行に延びている。
【0061】
図10は、図6のX-X線における断面図である。
図10に示すように、台座部24は、第3支持面24aを備える。第3支持面24aは、左右方向L2に延びる平坦面状に形成されている。第3支持面24aは、上方および前方に対して鋭角をなす方向を向いている。第3支持面24aは、第1支持面22aおよび第2支持面23aと平行に延びている。第3支持面24aは、左右方向L2から見て第1支持面22aおよび第2支持面23aに間隔をあけて対向している。第3支持面24aと、第1支持面22aおよび第2支持面23aと、の間隔は、左右方向L2から見てセンサ実装部76の厚さと同程度になっている。
【0062】
図6および図7に示すように、収容部21には、センサ実装部76が取り付けられる。センサ実装部76は、長手方向と左右方向L2とが一致した状態で配置されている。センサ実装部76は、左右方向L2から見て第1支持面22aおよび第2支持面23aと、第3支持面24aと、の間に挟まれるように配置されている(図8から図10参照)。センサ実装部76は、長手方向の第1端部76cが第1支持面22aに重なり、長手方向の第2端部76dが第2支持面23aに重なるように配置される。センサ実装部76は、センサ80の裏側から第3支持面24aによって支持される。センサ実装部76は、タブ部77との接続部が第2ガイド面20B上の開口側に位置するように配置される。センサ実装部76は、タブ部77との接続部に設けられた屈曲部78の復元力によって、第1支持面22aおよび第2支持面23a側に付勢されている。
【0063】
図10に示すように、センサ実装部76は、実装面76aがガイド面20上の開口側を向くように配置される。本実施形態では、第1支持面22a、第2支持面23aおよび第3支持面24aは第1ガイド面20Aと平行に延びているので、センサ80は第1ガイド面20Aの法線方向を向いている。これにより、センサ80は、サーマルヘッド40の厚さ方向に対して鋭角に傾斜した方向を向いている。なおセンサ80の向きは、センサ実装部76の実装面76aの法線方向である。
【0064】
図7に示すように、紙ガイド部18は、収容部21に収容されたセンサ実装部76が係止される係止突部26を備える。係止突部26は、第1支持面22aに形成されたボス27と、第2支持面23aに形成された乗り越え突部28と、を備える。
【0065】
図7および図8に示すように、ボス27は、第1支持面22aから第1支持面22aの法線方向に突出している。ボス27の側面は、第1支持面22aに対して直交している。本実施形態では、ボス27は、円柱状に形成されている。ボス27は、センサ実装部76の第1端部76c側の被係止部81に挿通されている。
【0066】
図7および図9に示すように、乗り越え突部28は、第2支持面23aから第2支持面23aの法線方向に突出している。乗り越え突部28は、センサ実装部76の第2端部76d側の被係止部81に挿通されている。乗り越え突部28の側面は、案内面28aを有する。案内面28aは、センサ実装部76の面方向に対して傾斜している。案内面28aは、第2支持面23aの面方向に沿って第2ガイド面20B上の開口側から収容部21の内側に向かうに従い乗り越え突部28の先端側に延びている。
【0067】
上記構成において、センサ実装部76を紙ガイド部18に取り付ける際には、最初に第2ガイド面20B上の収容部21の開口からセンサ実装部76の第1端部76cを挿入し、センサ実装部76の第1端部76c側の被係止部81にボス27を挿入させる。この際、被係止部81は切欠なので、センサ実装部76を撓ませることなくセンサ実装部76を係止突部26に係止することができる。次いで、係止突部26を中心にしてセンサ実装部76を回転させてセンサ実装部76の第2端部76dを収容部21に挿入する。センサ実装部76の第2端部76dを収容部21に挿入する過程で、センサ実装部76の第2端部76dは乗り越え突部28の案内面28aに摺接して乗り越え突部28に乗り上げた後、第2端部76d側の被係止部81に乗り越え突部28が挿入される。以上により、センサ実装部76が紙ガイド部18の所定位置に取り付けられる。
【0068】
以上に説明したように、本実施形態の印字ユニット6は、センサ80が実装されたセンサ実装部76を有するフレキシブルプリント基板70と、センサ実装部76が係止される係止突部26を有する本体フレーム10と、を備える。この構成によれば、センサ実装部76を本体フレーム10の係止突部26に係止させることで、本体フレーム10に別部材を組み合わせることなくセンサ実装部76を取り付けることができる。したがって、本体フレームに別部材を組み合わせることでセンサ実装部を本体フレームに取り付ける構成と比べて小型化された印字ユニット6を提供できる。
【0069】
また、係止突部26は、側面にセンサ実装部76の面方向に対して傾斜した方向を向く案内面28aを有する乗り越え突部28を備える。センサ実装部76は、センサ実装部76を厚さ方向に貫通し、乗り越え突部28が挿通される被係止部81を備える。この構成によれば、センサ実装部76をその面方向に沿って変位させて乗り越え突部28の案内面28aに摺接させることで、センサ実装部76を乗り越え突部28に乗り上げさせることができる。そして、被係止部81を乗り越え突部28に近付けるように、乗り越え突部28に乗り上げたセンサ実装部76をその面方向に沿ってさらに変位させることで、被係止部81に乗り越え突部28を挿通させることができる。よって、センサ実装部76を係止突部に係止させる際に、作業者がセンサ実装部76をその厚さ方向に持ち上げるように扱う構成と比較して、作業性を向上させることができる。また、センサ実装部76に過剰な力がかかってセンサ実装部76が大きく撓むことを抑制できるので、センサ実装部76に断線等の不良が発生することを抑制できる。したがって、印字ユニット6の信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、係止突部26は、センサ実装部76の厚さ方向に延びるボス27を備える。センサ実装部76は、端縁に切り欠かれ、ボス27が挿通される被係止部81を備える。この構成によれば、センサ実装部76をその面方向に沿って変位させることで、ボス27を被係止部81の内側に配置できる。これにより、センサ実装部76をその厚さ方向に変位させることなく、センサ実装部76をボス27に係止させることができる。よって、センサ実装部76を係止突部に係止させる際に、作業者がセンサ実装部76をその厚さ方向に持ち上げるように扱う構成と比較して、作業性を向上させることができる。また、センサ実装部76に過剰な力がかかってセンサ実装部76が大きく撓むことを抑制できるので、センサ実装部76に断線等の不良が発生することを抑制できる。したがって、印字ユニット6の信頼性を向上させることができる。
【0071】
本体フレーム10は、センサ実装部76をセンサ80の裏側から支持する台座部24を有する。この構成によれば、センサ80の位置を安定させることができる。したがって、センサ80による記録紙Pの検出精度を安定させることができる。
【0072】
フレキシブルプリント基板70は、センサ実装部76からセンサ実装部76の裏面76bに沿って延びるタブ部77を備える。この構成によれば、実装面76a側には記録紙Pが配置されるので、タブ部77をセンサ実装部76の裏面76bに沿わせることで、タブ部77が記録紙Pに干渉することを抑制できる。したがって、タブ部77の接触による記録紙Pの汚損を抑制できる。
【0073】
紙ガイド部18は、サーマルヘッド40に向けて記録紙Pを案内するガイド面20を有する。紙ガイド部18には、センサ実装部76を収容する収容部21が形成されている。収容部21は、ガイド面20上で左右方向L2においてセンサ実装部76よりも両側に大きく、サーマルヘッド40から離れる側に開口している。この構成によれば、収容部21にサーマルヘッド40から離れる側からセンサ実装部76を収容することができる。これにより、収容部21にセンサ実装部76を収容する際にセンサ実装部76を通過させる空間を紙ガイド部18とサーマルヘッド40との間に設ける必要がないので、サーマルヘッド40に紙ガイド部18を近付けて配置できる。したがって、印字ユニット6をより小型化できる。
【0074】
センサ実装部76の端縁には、一対の切欠82が並んで形成されている。タブ部77は、一対の切欠82の間に接続されている。この構成によれば、センサ実装部76とタブ部77との接続部にかかる応力を切欠82に集中させることができる。これにより、応力がセンサ80の取付部(はんだ付け部)に波及してセンサ80の接触不良が生じることを抑制できる。したがって、印字ユニット6の信頼性を向上させることができる。
【0075】
センサ80は、サーマルヘッド40の厚さ方向に対して鋭角に傾斜した方向を向いている。この構成によれば、センサ実装部76がサーマルヘッド40の厚さ方向に対して傾斜して配置されるので、サーマルヘッド40の厚さ方向においてセンサ実装部76が占める領域を小さくできる。よって、印字ユニット6をサーマルヘッド40の厚さ方向において小型化して、記録紙Pのロール体Rをより近付けて配置することが可能な印字ユニット6とすることができる。
【0076】
タブ部77は、センサ実装部76に対して屈曲部78を介して接続されている。センサ実装部76は、屈曲部78の復元力によって係止突部26への係止が保持される方向に付勢されている。この構成によれば、係止突部26からセンサ実装部76の脱落を規制する構造をセンサ実装部76および本体フレーム10の少なくともいずれか一方に設けることなく、センサ実装部76を本体フレーム10の所定の位置に保持できる。よって、センサ80の固定構造の複雑化を抑制できる。
【0077】
そして、本実施形態の携帯型端末1は、上述した小型化された印字ユニット6を備えるので、従来よりも小型化された携帯型端末とすることができる。
【0078】
(第2実施形態の印字ユニット)
図11および図13は、第2実施形態の印字ユニットの斜視図である。図12は、第2実施形態の印字ユニットの分解斜視図である。
第2実施形態は、第1ガイド面120Aの傾斜角度が第1実施形態の第1ガイド面20Aと異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0079】
図11から図13に示すように、印字ユニット6Aの本体フレーム10は、第1実施形態の紙ガイド部18に代えて、紙ガイド部118を備える。紙ガイド部118は、ガイド面120を有する。ガイド面120は、全体として、紙ガイド部118におけるサーマルヘッド40側の上端縁から下方かつ前方に延び、印字ユニット6Aの前方の空間に面している。具体的に、ガイド面120は、紙ガイド部118の上端縁から前方かつ下方に延びる第1ガイド面120Aと、第1ガイド面120Aの前端縁から下方に延びる第2ガイド面120Bと、を備える。第1ガイド面120Aおよび第2ガイド面120Bは、それぞれ左右方向L2に沿う平坦面状に形成されている。本実施形態では、第1ガイド面120Aは、サーマルヘッド40のヘッド面40aに対して80°傾斜している。
【0080】
紙ガイド部118には、フレキシブルプリント基板70のセンサ実装部76を収容する収容部121が形成されている。センサ実装部76は、長手方向を左右方向L2に一致させた状態で収容部121に収容されている。収容部121は、ガイド面120に開口する凹状に形成されている。さらに、収容部121は、ガイド面120から紙ガイド部118の後面および下面にわたって開口している。収容部121は、第2ガイド面120B上で、センサ実装部76よりも左右方向L2の両側に大きく、サーマルヘッド40から離れる側に開口している。
【0081】
図14は、第2実施形態の印字ユニットの一部を示す正面図である。図15は、第2実施形態の印字ユニットの一部を前下方から見た斜視図である。図16は、図14のXVI-XVI線における断面図である。
図14から図16に示すように、収容部121には、第1実施形態の収容部21と同様に、第1保持部22、第2保持部23および台座部24が突出している。そして、収容部121には、センサ実装部76が取り付けられる。本実施形態では、センサ80は、第1ガイド面120Aの法線方向を向いている。これにより、センサ80は、サーマルヘッド40の厚さ方向に対して鋭角に傾斜した方向を向いている。
【0082】
以上に説明したように、本実施形態の印字ユニット6Aは、第1実施形態の印字ユニット6と同様の構成を有するので、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0083】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、印字ユニット6,6Aは、係止ばね19によって本体フレーム10のローラ挿入溝14A,14B内にプラテンローラ50を保持する。しかしながら、印字ユニットは、本体フレームに対して回動可能に設けられたロックアームによってローラ挿入溝内にプラテンローラを保持するように形成されていてもよい。
【0084】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…携帯型端末 6,6A…印字ユニット 10…本体フレーム(フレーム) 18,118…紙ガイド部 20,120…ガイド面 21,121…収容部 24…台座部 26…係止突部 27…ボス 28…乗り越え突部 40…サーマルヘッド 50…プラテンローラ 70…フレキシブルプリント基板 76…センサ実装部 76a…実装面 76b…裏面 77…タブ部 78…屈曲部 80…センサ 81…被係止部(第1被係止部、第2被係止部) 82…切欠 P…記録紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16