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特許7588513ネットワークシステム、サーバ、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、サーバ、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/016 20230101AFI20241115BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20241115BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241115BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241115BHJP
【FI】
G06Q30/016
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021003981
(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2022108815
(43)【公開日】2022-07-27
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】福森 淳正
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-081401(JP,A)
【文献】特開2017-054202(JP,A)
【文献】特開2019-160109(JP,A)
【文献】特開2019-053657(JP,A)
【文献】特開2020-047246(JP,A)
【文献】特開2020-072352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0179966(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 20/10
G16Y 20/20
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの問合せに応答するためのネットワークシステムであって、
前記ユーザの通信端末と、
機器の状態と質問との対応関係を含む第1のデータと、ユーザ毎に所有する機器のリストと、機器の動作履歴と、にアクセス可能なサーバとを備え、
前記サーバは、前記問合せがあったユーザに紐づけられている複数の機器のログ情報を抽出して、所定のルールに従って対象の機器を特定するとともに、当該対象の機器の動作履歴に基づいて、前記第1のデータを参照することによって質問を抽出し、当該質問を選択可能に前記ユーザの通信端末に表示させる、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記サーバは、回答用のデータベースを参照することによって前記ユーザが選択した質問と前記ユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴とに応じた回答を前記ユーザの通信端末に送信する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記サーバは、前記ユーザに対応付けられている複数の機器の動作履歴に基づいて、前記対象となる機器を特定する、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
ユーザからの問合せに応答するためのサーバであって、
前記ユーザの通信端末と通信するための通信インターフェイスと、
機器の状態と質問との対応関係を含む第1のデータと、ユーザ毎に所有する機器のリストと、機器の動作履歴と、を記憶するメモリと、
プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記問合せがあったユーザに紐づけられている複数の機器のログ情報を抽出して、所定のルールに従って対象の機器を特定するとともに、当該対象の機器の動作履歴に基づいて、前記第1のデータを参照することによって質問を抽出し、当該質問を選択可能に前記ユーザの通信端末に表示させる、サーバ。
【請求項5】
ユーザからの問合せに応答するための情報処理方法であって、
サーバが、機器の状態と質問との対応関係を蓄積するステップと、
前記サーバが、ユーザ毎に所有する機器のリストを蓄積するステップと、
前記サーバが、機器の動作履歴を蓄積するステップと、
前記サーバが、前記問合せがあったユーザに紐づけられている複数の機器のログ情報を抽出して、所定のルールに従って対象の機器を特定するとともに、当該対象の機器の動作履歴に基づいて、前記対応関係を参照することによって質問を抽出するステップと、
前記サーバが、前記質問を選択可能に前記ユーザの通信端末に表示させるステップとを備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザからの問い合わせを受け付けるQAサービスの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、Webサイトを通じて各種の問い合わせをしたり回答したりする技術が知られている。たとえば、特開2020-091800号公報(特許文献1)には、情報処理装置、情報処理方法、および情報提供システムが開示されている。特許文献1によると、推薦情報生成部は、ユーザ端末を介したユーザの対話情報と、ユーザが利用したか、または利用している第1のサービスに関するサービス利用情報とに基づいて、ユーザに対して第2のサービスを推薦するための推薦情報を生成する。本技術は、チャットボットシステムに適用することができる。
【0003】
また、特開2014-175897号公報(特許文献2)には、情報提供装置とその制御方法、情報提供システム、および、ユーザ端末が開示されている。特許文献2によると、情報提供装置は、ユーザ端末とNFC規格に準拠した近距離無線通信を行い、前記ユーザ端末から前記ユーザ端末を識別する識別情報を受信するNFC通信部と、前記ユーザ端末の識別情報と前記ユーザ端末の利用履歴とを対応して記憶する履歴保存部と、前記受信した識別情報に対応して前記履歴保存部に記憶されている利用履歴に基づいてリコメンド情報を作成して出力する制御部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-091800号公報
【文献】特開2014-175897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ユーザが所望する情報に容易にたどり着きやすいQAサービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある態様に従うと、ユーザからの問合せに応答するためのネットワークシステムが提供される。ネットワークシステムは、ユーザの通信端末と、機器の状態と質問との対応関係を含む第1のデータと、機器の動作履歴と、にアクセス可能なサーバとを備える。サーバは、ユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴に基づいて、第1のデータを参照することによって質問を抽出し、当該質問を選択可能にユーザの通信端末に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、この発明によれば、ユーザが所望する情報に容易にたどり着きやすいQAサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる通信端末300の画面例を示すイメージ図である。
図3】第1の実施の形態にかかる通信端末300の動作概要を示すイメージ図である。
図4】第1の実施の形態にかかる通信端末300の画面例を示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかるQAサービスを実現するための機能を示すブロック図である。
図6】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成を表わすブロック図である。
図7】第1の実施の形態にかかる会員情報121を示すイメージ図である。
図8】第1の実施の形態にかかる生産情報122を示すイメージ図である。
図9】第1の実施の形態にかかる機器登録情報123を示すイメージ図である。
図10】第1の実施の形態にかかる機器運転ログ124を示すイメージ図である。
図11】第1の実施の形態にかかる第1のナレッジ1251を示すイメージ図である。
図12】第1の実施の形態にかかる第2のナレッジ1252を示すイメージ図である。
図13】第1の実施の形態にかかる検索種別126を示すイメージ図である。
図14】第1の実施の形態にかかるエラー情報127を示すイメージ図である。
図15】第1の実施の形態にかかるデータ検索内容情報128を示すイメージ図である。
図16】第1の実施の形態にかかる通信端末300,200の構成を表わすブロック図である。
図17】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示すフローチャートである。
図18】第2の実施の形態にかかる通信端末300の画面例を示すイメージ図である。
図19】第2の実施の形態にかかる通信端末300の画面例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成>
【0010】
まず、図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、QAチャットサービスを提供するためのサーバ100と、QAチャットサービスを利用する質問者の通信端末300とを含む。なお、ネットワークシステム1は、有人のQAチャットサービスを提供するための回答者が利用する通信端末200を含んでもよい。
【0011】
なお、サーバ100は、クラウド上の複数の演算装置や記憶装置などによって実現されるものである。たとえば、サーバ100は、チャットボットシステムを実現するための複数のサーバや、会員サイトを運営するための複数のサーバや、家電の生産システムを実現するための複数のサーバなどから構成される。
【0012】
なお、通信端末200,300は、スマートフォンやタブレットやパーソナルコンピュータやスピーカなどによって実現され、インターネットやキャリア網を介してサーバ100と通信可能である。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0013】
次に、図2から図4を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。
【0014】
まず予め、ユーザは、自身が購入した機器の製品登録を行うものとする。そして、サーバ100は、ユーザの機器に関する操作情報や動作情報や測定情報などの各種のログ情報を蓄積していく。
【0015】
次に、図2を参照して、ユーザは、通信端末300を利用して、自分が所有している機器のリストの画面331を表示する。
【0016】
ユーザがいずれかの機器に関する詳細情報の表示を選択することによって、通信端末300は当該機器に関する詳細情報をサーバ100から取得して、詳細画面332を表示する。本実施の形態においては、ユーザ操作に基づいて、詳細画面332から、取扱い説明書のページや、オプション品購入のページや、問い合わせのページに移行できる。
【0017】
ユーザが、「対話形式で質問」ボタン3321を押すと、通信端末300は、ユーザからの質問を受け付けるための画面333を表示する。
【0018】
本実施の形態においては、図3に示すように、サーバ100は、通信端末300のユーザに対応する機器に関する操作履歴や動作履歴や測定履歴に基づいて、対象のユーザから問い合わせられる可能性が高い質問を選び出して、通信端末300に選択可能に表示させる。たとえば、サーバ100は、30分や1時間以内にユーザのエアコンで除霜運転が行われた旨の履歴情報やフィルター掃除運転が行われた旨の履歴情報がある場合には、暖房運転が途中で停止してしまう旨の質問や運転を停止しても止まらない旨の質問を提示する。あるいは、サーバ100は、30分や1時間以内にエラーが発生した旨の履歴情報やフィルター掃除運転が行われた旨の履歴情報がある場合には、エラー表示が出る旨の質問や運転を停止しても止まらない旨の質問を提示する。あるいは、サーバ100は、30分や1時間以内にユーザのエアコンでエラーが発生した旨の履歴情報や除霜運転が行われた旨の履歴情報やフィルター掃除運転が行われた旨の履歴情報がある場合には、エラー表示が出る旨の質問や暖房運転が途中で停止してしまう旨の質問を提示する。
【0019】
ユーザが、いずれかの質問を選択すると、通信端末300は、選択された質問を特定するための情報をサーバ100に送信する。なお、ユーザは、質問文を文字入力したり音声入力したりしてもよい。
【0020】
サーバ100は、ユーザの機器のログ情報を参照して現在または直近の動作状態を取得して、質問に基づいて適切な回答メッセージを作成し、ユーザの通信端末300に当該回答メッセージを送信する。図4に示すように、通信端末300は、回答メッセージの画面334を表示する。
【0021】
なお、ユーザの操作に基づいて、通信端末300は、より詳細な情報を示すためのテキストや画像を含む画面335を表示することが好ましい。
【0022】
このように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、ユーザが所有する機器のログ情報に基づいて、ユーザが選択する可能性が高い質問を提示したり、適切な回答を提供したりすることができるものである。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<ネットワークシステム1の構成>
【0023】
図5を参照して、ネットワークシステム1の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、インターネットに接続されるサーバやデータベースとしての、FAQチャットボット111と、ナレッジエンジン112と、機器ログマネージャ113と、会員サイト114と、生産システム115と、第1のナレッジ1251と、第2のナレッジ1252と、検索種別126と、会員情報121と、生産情報122と、機器登録情報123と、機器運転ログ124と、エラー情報127と、通信端末300としてのパーソナルコンピュータ300Aやスマートフォン300Bと、対象機器の一例としてのエアコン400,400などを含む。
【0024】
なお、本実施の形態においては、対象機器として、エアコンを例に挙げて説明するが、対象機器はエアコンに限らず、直接的または間接的にサーバ100に接続可能な様々な機器に適用可能である。
【0025】
FAQチャットボット111と、ナレッジエンジン112と、機器ログマネージャ113と、会員サイト114と、生産システム115は、たとえば、図6に示すようなサーバ100複数台によって実現される。各々のサーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0026】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、FAQチャットボット111と、ナレッジエンジン112と、機器ログマネージャ113と、会員サイト114と、生産システム115などを実現したり、後述する各種の処理を実行したりする。
【0027】
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。たとえば、本実施の形態にかかるメモリ120は、各種のサービスに利用するデータを格納する。
【0028】
より詳細には、図7に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、会員情報121を格納する。会員情報121は、ユーザ毎に、ログインIDと、機器種別と、機種名と、製造番号との対応関係を格納する。
【0029】
また、図8に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、生産情報122を格納する。生産情報122は、対象機器毎に、機種名と、製造番号と、通信アドレスとの対応関係を格納する。
【0030】
また、図9に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、機器登録情報123を格納する。機器登録情報123は、対象機器毎に、機器IDと、通信アドレスとの対応関係を格納する。
【0031】
また、図10に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、機器運転ログ124を格納する。機器運転ログ124は、対象機器から取得したログ情報毎に、日時と、機器IDと、エラー状態と、エラーコードと、動作状態フラグと、除霜フラグと、フィルター清掃フラグとの対応関係を格納する。
【0032】
また、図11に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、第1のナレッジ1251を格納する。第1のナレッジ1251は、ユーザに提示する質問文を決定するためのデータである。第1のナレッジ1251は、質問を選択するための判断材料毎に、識別番号と、履歴の種類と、データ検索内容と、質問を識別するための表示番号と、質問を選択するための重みとの対応関係を格納する。なお、本実施の形態においては、該当する質問が複数ある場合には、CPU110は、重みの数値の合計が高い表示番号の質問を優先して選択する。
【0033】
また、図12に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、第2のナレッジ1252を格納する。第2のナレッジ1252は、管理番号毎に、質問内容と、機器ログが必要ない場合の回答内容と、FAQ種別との対応関係を格納する。なお、本実施の形態においては、FAQ種別として、A:機器ログ問い合わせ無し、B:機器ログ問い合わせ有り、が準備されている。
【0034】
また、図13に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、検索種別126を格納する。検索種別126は、管理番号毎に、検索コードと、検索種別との対応関係を格納する。
【0035】
また、図14に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、エラー情報127を格納する。エラー情報127は、エラーの種類毎に、エラーコードと、対処のための回答内容との対応関係を格納する。
【0036】
また、図15に示すように、サーバ100のメモリ120またはサーバ100がアクセス可能なデータベースは、データ検索内容情報128を格納する。データ検索内容情報128は、検索コード毎に、検索種別と、検索内容との対応関係を格納する。なお、検索内容は、対象機器のログ情報と回答情報との対応関係などを含むものである。
【0037】
図6に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0038】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、質問者の通信端末300や、回答担当者の通信端末200などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して通信端末300,200などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<通信端末の構成>
【0039】
図16を参照して、ネットワークシステム1を構成する通信端末300,200の構成の一態様について説明する。なお、以下では、質問者が利用する通信端末300について説明するが、回答担当者が利用する通信端末200の構成も同様である。
【0040】
本実施の形態にかかる通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380とを含む。
【0041】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0042】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、通信端末300の質問者を特定するための情報などを記憶する。
【0043】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、質問者からの各種の命令をCPU310に入力する。なお、質問者の通信端末300は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0044】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網やルータなどを介して、サーバ100や通信端末200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、WebブラウザのアプリケーションプログラムやQAサービスのアプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介してサーバ100と、質問や回答を含むテキストデータや音声データなど、各種の情報をやりとりする。
【0045】
たとえば、CPU310は、WebブラウザのアプリケーションプログラムやQAサービス用のアプリケーションプログラムに従って、サーバ100からのデータに基づいて質問を選択可能にディスプレイ330に表示したり、操作部340を介して質問の選択命令を受け付けたり質問のテキストデータを受け付けて、通信インターフェイス360を介して当該質問をサーバ100に送信する。そして、CPU310は、サーバ100からチャットボットによる回答内容を受け付けて、ディスプレイ330に表示させる。
【0046】
スピーカ370は、CPU310からの信号に基づいて、各種の音声を出力する。CPU310は、ディスプレイ330に限らず、サーバ100から受け付けた回答内容を音声出力してもよい。
【0047】
マイク380は、音声を受け付けて、音声データをCPU310に入力する。CPU310は、操作部340に限らず、質問者からの音声メッセージを受け付けて、当該音声メッセージをサーバ100に送信してもよい。
<ネットワークシステム1による情報処理>
【0048】
次に図17を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1における情報処理について説明する。なお以下では説明のために、質問者と自動的にチャットを行うためのFAQチャットボット111の機能と、質問に対する回答を検索するナレッジエンジン112の機能と、対象機器のログを利用して質問に回答するための機器ログマネージャ113の機能とを、別々の装置が実現する形態として説明しているが、このような形態には限られない。
【0049】
本実施の形態においては、第1のサーバ100のCPU110が、メモリ120のプログラムに従って各種の演算を行うことによって通信インターフェイス160を利用しながらFAQチャットボット111の機能を実現する。第2のサーバ100のCPU110が、メモリ120のプログラムに従って各種の演算を行うことによって通信インターフェイス160を利用しながらナレッジエンジン112の機能を実現する。第3のサーバ100のCPU110が、メモリ120のプログラムに従って各種の演算を行うことによって通信インターフェイス160を利用しながら機器ログマネージャ113の機能を実現する。なお、第4のサーバ100のCPU110が、メモリ120のプログラムに従って各種の演算を行うことによって通信インターフェイス160を利用しながら会員サイト114の機能を実現する。第5のサーバ100のCPU110が、メモリ120のプログラムに従って各種の演算を行うことによって通信インターフェイス160を利用しながら生産システム115の機能を実現する。
【0050】
まず、FAQチャットボット111が、対象機器のユーザの通信端末300から表示中のWebサイトの情報、たとえばログインIDやユーザが選択した対象機器の情報など、を取得する(ステップS102)。本実施の形態においては、FAQチャットボット111は、会員情報121を参照することによって、ログインIDから、ユーザが選択した対象機器の機器種別と、機種名と、製造番号とを取得する。
【0051】
FAQチャットボット111は、セッション番号と、機種名と、製造番号を機器ログマネージャ113に提供する(ステップS104)。
【0052】
機器ログマネージャ113は、FAQチャットボット111からのデータに基づいて、機器テーブルを生成する(ステップS106)。より詳細には、機器ログマネージャ113は、生産情報122を参照して、機種名と製造番号からMACアドレスを特定する。機器ログマネージャ113は、機器登録情報123を参照して、MACアドレスから機器IDを特定する。機器ログマネージャ113は、機器運転ログ124を参照して、機器テーブルとして、対象機器のログ情報を抽出する。
【0053】
機器ログマネージャ113は、対象機器のログ情報に基づいて、第1のナレッジ1251を参照して、選択される可能性が高い質問を選択する(ステップS107)。より詳細には、機器ログマネージャ113は、履歴毎にログの種類別の所定の重み付けを行うことによって、表示順序を決定する。ただし、機器ログマネージャ113は、運転ログの時系列中で発生日時が新しいものを優先的に抽出したり、取得した運転ログ中での発生回数が多いものを優先的に抽出したり、逆に発生回数が少ないものを優先的に抽出したりしてもよい。あるいはこれらの重み付けの組み合わせに基づいて優先順位を決定してもよい。たとえば、重み×各要素に応じた係数に基づいて優先順位を決めてもよい。あるいは、CPU110は、重み×係数1×係数2に基づいて優先順位を決めてもよい。そして、日付が古いほど係数1の値を小さくしたり、発生回数が多いほど係数2を大きくしたりしてもよい。
【0054】
機器ログマネージャ113は、図2および図3に示すように、当該質問を含むWEBページデータを送信することによって、通信端末300に、抽出された質問を選択可能に表示させる(ステップS108)。
【0055】
通信端末300が、ユーザから、質問の選択命令を受け付けたり、質問文の入力を受け付けたりして、それらのデータをFAQチャットボット111に送信する(ステップS109)。
【0056】
FAQチャットボット111は、質問文をナレッジエンジン112に送信する(ステップS110)。
【0057】
ナレッジエンジン112は、ナレッジ125を参照して、質問文に対応する管理番号と、回答内容と、FAQ種別を読み出して、FAQチャットボット111に返信する(ステップS112)。
【0058】
FAQチャットボット111は、FAQ種別に応じて、以降の動作を切り替える(ステップS114)。本実施の形態においては、B:機器ログ問い合わせ無しの場合は、FAQチャットボット111は、ナレッジエンジン112からの回答内容を通信端末300に送信する(ステップS122)。これによって、通信端末300がユーザの質問に応じた回答文を表示することができる。
【0059】
一方、A:機器ログ問い合わせ有りの場合は、FAQチャットボット111は、ステップS104で送信したセッション番号と、ナレッジエンジン112から受信した管理番号とを機器ログマネージャ113に送信する(ステップS116)。
【0060】
機器ログマネージャ113は、FAQチャットボット111からのデータに基づいて回答内容を作成する(ステップS118)。より詳細には、機器ログマネージャ113は、検索種別126を参照して、管理番号に対応する検索コードと検索種別を特定する。機器ログマネージャ113は、データ検索内容128に従って、検索コードと検索種別とに基づいて回答内容を作成する。たとえば、機器ログマネージャ113は、機器運転ログ124や機器テーブルを参照することによって、エラーが生じている場合にはエラーコードを特定し、エラー情報127からエラーコードに対応する回答メッセージを読みだす。あるいは、機器ログマネージャ113は、機器運転ログ124や機器テーブルを参照することによって、その他の運転状態や測定結果などに対応するコードを特定したり、当該コードに対応する回答メッセージを読み出したりする。
【0061】
機器ログマネージャ113は、作成した回答文をFAQチャットボット111に返す(ステップS120)。
【0062】
FAQチャットボット111は、機器ログマネージャ113からの回答文を通信端末300に送信する(ステップS122)。これによって、通信端末300は、ユーザの質問と対象機器に関して蓄積された各種のログ情報とに基づいた、より適切な回答を表示することができる。
<第2の実施の形態>
【0063】
上記の実施の形態においては、所有する機器を予めユーザがサービスに登録しているものであった。しかしながら、ユーザの問い合わせ時に未だ機器がサービスに登録されていなくてもよい。
【0064】
以下、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。本実施の形態においては、自身が購入した機器の製品登録はされていないが、サーバ100は、インターネットやルータなどを介して、当該機器に関する各種のログ情報を自動的に蓄積している。
【0065】
図18を参照して、ユーザは、通信端末300の画面336を介して、チャットボットにアクセスする。
【0066】
ユーザが通信端末300の画面337を介して対象となる機器の種類を選択すると、通信端末300は、質問を受け付けるための画面333を表示する。ユーザが、質問メッセージを入力すると、通信端末300は、質問メッセージをサーバ100に送信する。
【0067】
図19を参照して、通信端末300は、サーバ100からの指示に基づいて、画面338を介してユーザに対象の機器の機種名の入力を促す。また、通信端末300は、画面339を介して機器の製造番号の入力も受け付ける。
【0068】
サーバ100は、上記の実施の形態と同様に、製造番号に基づいて対象機器を特定したり、当該機器のログ情報を参照して現在または直近の動作状態を取得したりして、現在の状況に適した質問を抽出して、図2および図3に示すように、当該質問を選択可能にユーザの通信端末300に表示させる。そして、CPU110は、ユーザに選択された質問に基づいて、当該機器のログ情報を参照して、ユーザの通信端末300に回答メッセージを送信する。これによって、図4に示すように、通信端末300は、回答メッセージの画面334を表示する。
【0069】
このように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1に関しても、ユーザが所有する機器のログ情報に基づいて、ユーザが選択する可能性が高い質問を提示したり、適切な回答を提供したりすることができるものである。
<第3の実施の形態>
【0070】
上記の実施の形態においては、図2に示すようにユーザが所有する機器のリストから質問の対象の機器を選択したり、図19に示すようにユーザが対象の機器の型番を入力したりするものであった。しかしながら、サーバ100は、ユーザの識別情報に基づいて、質問の対象となる可能性が高い対象の機器を自動的に絞り出してもよい。そして、それに引き続いて、あるいは同時に、当該機器に関する質問を抽出してもよい。
【0071】
より詳細には、図17において、FAQチャットボット111が、会員情報121を参照することによって、ログインIDから、ユーザに紐づけられている機器の機器種別と、機種名と、製造番号とを取得して、機器ログマネージャ113に提供する(ステップS104)。
【0072】
機器ログマネージャ113は、FAQチャットボット111からのデータに基づいて、機器テーブルを生成する(ステップS106)。より詳細には、機器ログマネージャ113は、生産情報122を参照して、機種名と製造番号からMACアドレスを特定する。機器ログマネージャ113は、機器登録情報123を参照して、MACアドレスから機器IDを特定する。機器ログマネージャ113は、機器運転ログ124を参照して、機器テーブルとして、ユーザに紐づけられている複数の機器のログ情報を抽出する。
【0073】
機器ログマネージャ113は、複数の機器のログ情報に基づいて、第1のナレッジ1251を参照して、選択される可能性が高い質問を選択する(ステップS107)。より詳細には、機器ログマネージャ113は、複数の機器毎かつ履歴毎にログの種類別の所定の重み付けを行うことによって、質問の対象機器を選択するとともに、質問も選択する。たとえば、現在から近いタイミングで運転されたり操作された機器を優先的に選択したり、エラーが発生した機器を優先的に選択したりする。なお、CPU110は、先に対象機器を選択してから質問を選択してもよいし、対象機器と質問との組み合わせを選択してもよいものである。
<第4の実施の形態>
【0074】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の各々の役割の一部または全部を、複数の装置で分担したりしてもよい。たとえば、FAQチャットボット111の機能やナレッジエンジン112の機能や機器ログマネージャ113の機能が1つの装置で実現されてもよいし、それらの各々の機能が複数の装置で実現されてもよい。あるいは、通信端末300,200のアプリケーションプログラムの役割の一部がサーバ100で実現されてもよいし、サーバ100の役割の一部または全部が通信端末300,200によって実現されてもよい。
<まとめ>
【0075】
上記の実施の形態においては、ユーザからの問合せに応答するためのネットワークシステムが提供される。ネットワークシステムは、ユーザの通信端末と、機器の状態と質問との対応関係を含む第1のデータと、機器の動作履歴と、にアクセス可能なサーバとを備える。サーバは、ユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴に基づいて、第1のデータを参照することによって質問を抽出し、当該質問を選択可能にユーザの通信端末に表示させる。
【0076】
好ましくは、サーバは、回答用のデータベースを参照することによってユーザが選択した質問とユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴とに応じた回答をユーザの通信端末に送信する。
【0077】
サーバは、ユーザに対応付けられている複数の機器の動作履歴に基づいて、対象となる機器を特定する。
【0078】
上記の実施の形態においては、ユーザからの質問に応答するためのサーバが提供される。サーバは、ユーザの通信端末と通信するための通信インターフェイスと、機器の状態と質問との対応関係を含む第1のデータと、機器の動作履歴と、を記憶するメモリと、プロセッサとを備える。プロセッサは、ユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴に基づいて、第1のデータベースを参照することによって質問を抽出し、当該質問を選択可能にユーザの通信端末に表示させる。
【0079】
上記の実施の形態においては、ユーザからの問合せに応答するための情報処理方法が提供される。情報処理方法は、機器の状態と質問との対応関係を蓄積するステップと、機器の動作履歴を蓄積するステップと、ユーザに対応付けられている対象の機器の動作履歴に基づいて、対応関係を参照することによって質問を抽出するステップと、質問を選択可能にユーザの通信端末に表示させるステップとを備える。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
110 :CPU
111 :FAQチャットボット
112 :ナレッジエンジン
113 :機器ログマネージャ
114 :会員サイト
115 :生産システム
120 :メモリ
121 :会員情報
122 :生産情報
123 :機器登録情報
124 :機器運転ログ
1251 :第1のナレッジ
1252 :第2のナレッジ
126 :検索種別
127 :エラー情報
128 :データ検索内容
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :通信端末
300 :通信端末
300A :パーソナルコンピュータ
300B :スマートフォン
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
331 :画面
332 :画面
333 :画面
334 :画面
335 :画面
336 :画面
337 :画面
338 :画面
339 :画面
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
400 :エアコン
図1
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