(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】撮像支援システムおよび撮像支援方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241115BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241115BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20241115BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H04N23/60
B60W40/02
G01C21/36
G08G1/00 J
(21)【出願番号】P 2021045150
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】593153428
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】山野 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】武山 皓洋
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祐介
(72)【発明者】
【氏名】三好 竜司
(72)【発明者】
【氏名】中田 雅文
(72)【発明者】
【氏名】進藤 文義
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-222844(JP,A)
【文献】特開2010-18050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
23/00
23/40-23/76
23/90-23/959
G08G 1/00
B60W 40/02
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像パラメータの設定変更によりトンネルに対する撮像条件の切り替えが可能な撮像装置が搭載される車両の走行ルートの情報である走行ルート情報を取得する走行ルート情報取得部と、
前記走行ルート情報に基づいて、前記走行ルートにおいて隣接する2つのトンネルの間隔を算出する距離算出部と、
前記距離算出部によって算出された前記2つのトンネルの間隔と前記車両の速度とに基づいて、前記車両が走行中に前記2つのトンネル間で前記撮像条件の切り替えができるか否かを判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって前記撮像条件の切り替えができないと判定された場合、前記2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する決定処理部と、を備える
ことを特徴とする撮像支援システム。
【請求項2】
前記決定処理部によって決定された前記撮像パラメータの候補を表示部に表示させる表示処理部と、
前記表示処理部によって表示された前記撮像パラメータの候補の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部によって選択が受け付けられた前記撮像パラメータの候補を前記撮像装置に設定される撮像パラメータである設定パラメータとして決定する設定パラメータ決定部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像支援システム。
【請求項3】
前記設定パラメータ決定部は、
前記選択受付部によって過去に受け付けられた前記選択の履歴に基づいて、前記設定パラメータを決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像支援システム。
【請求項4】
前記設定パラメータ決定部によって前記設定パラメータとして決定された撮像パラメータを前記撮像装置に設定するパラメータ設定部を備える
ことを特徴とする請求項2または3に記載の撮像支援システム。
【請求項5】
前記決定処理部によって決定された前記撮像パラメータの候補を前記撮像装置に設定するパラメータ設定部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像支援システム。
【請求項6】
前記決定処理部は、
前記判定処理部によって前記撮像条件の切り替えができないと判定された場合、前記2つのトンネルに共通に予め設定された撮像パラメータを前記共通の撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項7】
前記走行ルート情報は、
前記2つのトンネル間における制限速度の情報を含み、
前記判定処理部は、
前記制限速度を前記車両の速度として、前記撮像条件の切り替えができるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項8】
前記車両が走行中である場合に走行中の前記車両の速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部を備え、
前記判定処理部は、
前記車両情報取得部によって取得された前記車両情報に基づいて、前記2つのトンネル間での前記車両の速度を予測し、予測した前記車両の速度に基づいて、前記撮像条件の切り替えができるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項9】
前記判定処理部は、
前記車両による前記走行ルートの走行履歴の情報に基づいて、前記2つのトンネル間での前記車両の速度を予測し、予測した前記車両の速度に基づいて、前記撮像条件の切り替えができるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項10】
前記決定処理部は、
前記車両の走行方向に関連付けられた撮像パラメータを前記撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項11】
前記決定処理部は、
前記車両の走行車線に関連付けられた撮像パラメータを前記撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項12】
前記決定処理部は、
前記車両の走行時の時間帯に関連付けられた撮像パラメータを前記撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項13】
前記決定処理部は、
前記車両の走行時の外気温に関連付けられた撮像パラメータを前記撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項14】
前記決定処理部は、
前記車両の走行時の季節に関連付けられた撮像パラメータを前記撮像パラメータの候補として決定する
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項15】
前記決定処理部によって決定された前記撮像パラメータの候補に基づいて、前記撮像装置に対する撮像パラメータの設定計画を作成するパラメータ計画作成部を備える
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載の撮像支援システム。
【請求項16】
撮像パラメータの設定変更によりトンネルに対する撮像条件の切り替えが可能な撮像装置が搭載される車両の走行ルートの情報である走行ルート情報を取得する第1のステップと、
前記走行ルート情報に基づいて、前記走行ルートにおいて隣接する2つのトンネルの間隔を算出する第2のステップと、
第2のステップで算出された前記2つのトンネルの間隔と前記車両の速度とに基づいて、前記車両が走行中に前記2つのトンネル間で前記撮像条件の切り替えができるか否かを判定する第3のステップと、
前記第3のステップで前記撮像条件の切り替えができないと判定された場合、前記2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する第4のステップと、を含む
ことを特徴とする撮像支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載された撮像装置によるトンネルの撮像を支援する撮像支援システムおよび撮像支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネルの点検を行うために撮像装置が搭載され走行しながら撮像装置によってトンネルを撮像する計測車両が知られている。かかる計測車両では、走行ルートにトンネルが複数存在する場合、撮像装置におけるフォーカスおよびアイリスなどの撮像条件がトンネル毎に適切になるように切り替えられる。撮像装置の撮像条件の切り替えは、撮像装置の撮像パラメータをトンネル毎に設定することによって行われるが、撮像パラメータの設定を手動で行うと、誤った撮像パラメータに設定したり、撮像パラメータの設定変更をし忘れたりして、鮮明な画像が得られない可能性がある。
【0003】
特許文献1には、自動でパラメータを設定する技術として、トンネルの有無、高架の有無、道路勾配、日時、天候、および車両の向きなどの情報を含む走行環境情報に基づいて車両に搭載された撮像装置の露光条件を調整する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両に搭載された撮像装置が撮像条件の切り替えに時間がかかる撮像装置である場合、隣接する2つのトンネル間の距離が短いと、トンネル間で撮像装置の撮像条件の切り替えが間に合わず、トンネルを適切に撮像することができない可能性がある。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に搭載された撮像装置によるトンネルの適切な撮像を支援することができる撮像支援システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の撮像支援システムは、走行ルート情報取得部と、距離算出部と、判定処理部と、決定処理部とを備える。走行ルート情報取得部は、撮像パラメータの設定変更によりトンネルに対する撮像条件の切り替えが可能な撮像装置が搭載される車両の走行ルートの情報である走行ルート情報を取得する。距離算出部は、走行ルート情報に基づいて、走行ルートにおいて隣接する2つのトンネルの間隔を算出する。判定処理部は、距離算出部によって算出された2つのトンネルの間隔と車両の速度とに基づいて、車両が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。決定処理部は、判定処理部によって撮像条件の切り替えができないと判定された場合、2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両に搭載された撮像装置によるトンネルの適切な撮像を支援することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる計測車両の一例を示す図
【
図2】実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の一例を示す図
【
図3】実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の他の例を示す図
【
図4】実施の形態1にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図
【
図5】実施の形態1にかかる撮像支援システムにおけるパラメータ記憶部に記憶されるパラメータテーブルの一例を示す図
【
図6】実施の形態1にかかる撮像支援システムによる処理の一例を示すフローチャート
【
図7】実施の形態1にかかる撮像支援システムによる設定パラメータ決定処理の一例を示すフローチャート
【
図8】実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像制御処理の一例を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1にかかる撮像支援システムのハードウェア構成の一例を示す図
【
図10】実施の形態2にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図
【
図11】実施の形態2にかかる計測車両が走行する走行ルートの一部の一例を示す図
【
図12】実施の形態2にかかる撮像支援システムにおけるパラメータ記憶部に記憶される複数のパラメータテーブルの一例を示す図
【
図13】実施の形態2にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の一例を示す図
【
図14】実施の形態3にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる撮像支援システムおよび撮像支援方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる計測車両の一例を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1にかかる計測車両1には、撮像装置2と撮像支援システム3とが搭載されている。計測車両1は、車両の一例であり、例えば、一般道または高速道路などの道路を走行する。
【0012】
撮像装置2は、トンネルの内壁面のうちトンネルの周方向で異なる領域を撮像する複数の撮像部2a,2b,2cを備える。撮像部2a,2b,2cは、例えば、カラーラインセンサであり、計測車両1の走行時に内壁面のうち異なる領域を繰り返し撮像する。
【0013】
撮像部2a,2b,2cは、撮像パラメータの設定変更によりトンネルに対する撮像条件の切り替えが可能である。なお、撮像部2a,2b,2cは、カラーラインセンサに代えて、カラーエリアセンサであってもよく、モノクロセンサであってもよい。また、撮像装置2に設けられる撮像部の数は、3つに限定されず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
【0014】
撮像支援システム3は、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの撮像を支援する。撮像支援システム3には、計測車両1の走行ルートに存在する複数のトンネルの各々の撮像パラメータが予め記憶されている。撮像支援システム3は、予め記憶している撮像パラメータを撮像装置2に設定することで、撮像装置2によるトンネルの撮像を支援する。
【0015】
また、撮像支援システム3は、計測車両1がトンネルに進入する前に撮像支援システム3の利用者に撮像パラメータの候補を提示して撮像支援システム3の利用者に撮像パラメータを決定させることで、撮像装置2によるトンネルの撮像を支援することもできる。撮像パラメータには、例えば、撮像部2a,2b,2cのフォーカス、アイリス、および画像処理などに関するパラメータが含まれる。
【0016】
図2は、実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の一例を示す図である。
図2に示すように、計測車両1の走行ルートには、隣接するAトンネルとBトンネルとCトンネルとが含まれる。
【0017】
撮像支援システム3は、走行ルートを走行中の計測車両1がAトンネルへ進入する前に、AトンネルとBトンネルとの間隔を算出する。そして、撮像支援システム3は、AトンネルとBトンネルとの間隔と計測車両1の速度とに基づいて、AトンネルとBトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。計測車両1の速度は、計測車両1の実速度の情報であるが、計測車両1の実速度に基づいて予測されるAトンネルとBトンネルとの間の速度の情報であってもよく、AトンネルとBトンネルとの間の制限速度の情報であってもよい。
【0018】
図2に示す例では、撮像支援システム3は、AトンネルとBトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができると判定し、Aトンネルの撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定する。そして、撮像支援システム3は、撮像パラメータの候補として決定したAトンネルの撮像パラメータを撮像装置2に設定する。これにより、撮像装置2において撮像パラメータの設定変更が行われ、撮像装置2における撮像条件の切り替え動作が行われる。
【0019】
撮像支援システム3によるAトンネルの撮像パラメータの設定は、計測車両1がAトンネルへ進入する前に、Aトンネルの撮像パラメータによって撮像装置2の撮像条件の切り替えが完了するタイミングで行われる。撮像支援システム3は、撮像装置2の撮像条件がAトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件に切り替わった後、Aトンネルの撮像を撮像装置2に実行させる。
【0020】
撮像支援システム3は、撮像装置2によるAトンネルの撮像中または撮像完了時において、走行ルートにおいて隣接するBトンネルとCトンネルとの間隔を算出する。そして、撮像支援システム3は、BトンネルとCトンネルとの間隔と計測車両1の速度とに基づいて、BトンネルとCトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。計測車両1の速度は、実速度であるが、BトンネルとCトンネルとの間の予測走行速度であってもよく、BトンネルとCトンネルとの間の制限速度であってもよい。
【0021】
図2に示す例では、撮像支援システム3は、BトンネルとCトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができないと判定し、Bトンネルの撮像パラメータおよびCトンネルの撮像パラメータを撮像パラメータの候補として選択可能に不図示の表示部に表示する。撮像支援システム3の利用者は、表示部に撮像パラメータの候補として表示されているBトンネルの撮像パラメータおよびCトンネルの撮像パラメータのいずれかを不図示の入力部を操作して選択することができる。
【0022】
図3は、実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の他の例を示す図である。
図3に示すように、撮像支援システム3は、撮像パラメータの候補として表示部に表示されているBトンネルの撮像パラメータおよびCトンネルの撮像パラメータのうちCトンネルの撮像パラメータが選択された場合、Cトンネルの撮像パラメータを撮像装置2に設定する。これにより、撮像装置2において撮像条件の切り替え動作が行われる。
【0023】
撮像支援システム3によるCトンネルの撮像パラメータの設定は、計測車両1がBトンネルへ進入する前に、Cトンネルの撮像パラメータによって撮像装置2の撮像条件の切り替えが完了するタイミングで行われる。撮像支援システム3は、撮像装置2の撮像条件がCトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件に切り替わった後、Bトンネルの撮像とCトンネルの撮像を撮像装置2に実行させる。
【0024】
このように、撮像支援システム3では、BトンネルとCトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができない場合、撮像支援システム3の利用者にBトンネルとCトンネルとに共通の撮像パラメータの候補を提示し、撮像支援システム3の利用者に撮像装置2に設定する撮像パラメータを選択させることができる。
【0025】
そのため、撮像支援システム3は、計測車両1がCトンネルに進入している間に撮像装置2の撮像条件が切り替わることを防止することができ、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの適切な撮像を支援することができる。また、撮像支援システム3は、撮像支援システム3の利用者によって選択された撮像パラメータに応じた撮像条件で2つのトンネルを撮像装置2に撮像させることができ、撮像支援システム3の利用者が意図しない撮像条件で撮像装置2によってトンネルが撮像されることを抑制することができる。
【0026】
撮像支援システム3は、BトンネルとCトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができない場合、予め設定された新たな撮像パラメータを撮像装置2に設定することもできる。新たな撮像パラメータは、例えば、Bトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件とCトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件との中間の撮像条件を撮像装置2に設定する撮像パラメータである。
【0027】
また、撮像支援システム3は、計測車両1が2つのトンネルに進入する前に2つのトンネル間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができると判定した場合、最初に進入するトンネルの撮像パラメータを撮像装置2に設定する。これにより、撮像支援システム3は、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの適切な撮像を支援することができる。
【0028】
このように、撮像支援システム3は、計測車両1に搭載された撮像装置2によるBトンネルおよびCトンネルの適切な撮像を支援することができる。以下、撮像支援システム3についてさらに詳細に説明する。
【0029】
図4は、実施の形態1にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図である。
図4に示すように、撮像支援システム3は、走行ルート情報記憶部10と、パラメータ記憶部11と、車両情報取得部12と、画像情報記憶部13と、入力部14と、表示部15と、走行ルート情報取得部16と、距離算出部17と、決定部18と、撮像制御部19とを備える。
【0030】
走行ルート情報記憶部10は、計測車両1の走行ルートの情報である走行ルート情報を記憶する。走行ルート情報には、走行ルートの道路の情報である道路情報と、走行ルートのトンネルの情報であるトンネル情報とが含まれる。道路情報には、車線の位置、車線の走行方向、車線の種類、および車線の制限速度などの情報が含まれる。車線の種類には、例えば、走行車線および追い越し車線などが含まれる。トンネル情報には、トンネルの出入り口の位置の情報が含まれる。
【0031】
パラメータ記憶部11は、撮像装置2の撮像パラメータをトンネル毎に含むパラメータテーブルを記憶する。
図5は、実施の形態1にかかる撮像支援システムにおけるパラメータ記憶部に記憶されるパラメータテーブルの一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、パラメータ記憶部11に記憶されるパラメータテーブル60には、「トンネル名」および「撮像パラメータ」が含まれる。「トンネル名」は、トンネルの名称を示す情報である。「撮像パラメータ」は、撮像装置2に設定される撮像パラメータの情報であり、パラメータP1~Pnを含む。パラメータP1~Pnは、撮像装置2のフォーカスおよびアイリスなどの撮像条件を変更するためのパラメータである。
【0033】
図5に示す例では、トンネル名「Aトンネル」に、パラメータP1
1~Pn
1が関連付けられ、トンネル名「Bトンネル」に、パラメータP1
2~Pn
2が関連付けられ、トンネル名「Cトンネル」に、パラメータP1
3~Pn
3が関連付けられている。
【0034】
なお、パラメータ記憶部11に記憶されるパラメータテーブル60は、
図5に示す例に限定されない。例えば、パラメータ記憶部11に記憶されるパラメータテーブル60は、トンネル毎の撮像パラメータに加え、隣接する2つの撮像パラメータに共通の撮像パラメータを含んでいてもよい。
【0035】
図4に示す車両情報取得部12は、走行ルートにおける計測車両1の走行状態を示す情報である車両情報を取得する。車両情報には、計測車両1の走行位置、走行方向、および走行速度などの情報が含まれる。車両情報取得部12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)情報取得部20と、走行方向検出部21と、車両速度判定部22とを備える。
【0036】
GNSS情報取得部20は、GNSSにおける複数の測位衛星から送信される複数の測位信号を受信し、受信した複数の測位信号に基づいて、計測車両1の走行位置を検出する。なお、GNSS情報取得部20は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)における準天頂衛星から送信される誤差補正信号を受信し、複数の測位信号と誤差補正信号とに基づいて、計測車両1の走行位置を算出する機能を有していてもよい。誤差補正信号は、QZSS補強信号またはL6信号とも呼ばれ、センチメータ級の誤差補正を行うための情報である誤差補正情報を含む。
【0037】
走行方向検出部21は、GNSS情報取得部20で検出された計測車両1の走行位置の変化に基づいて、計測車両1の走行方向を検出する。なお、走行方向検出部21は、加速度センサと地磁気センサとを備える構成であってもよい。この場合、走行方向検出部21は、加速度センサで検出された加速度と地磁気センサで検出された地磁気とに基づいて、計測車両1の走行方向を検出することができる。
【0038】
車両速度判定部22は、GNSS情報取得部20で検出された計測車両1の走行位置の変化に基づいて、計測車両1の実速度を検出する。なお、車両速度判定部22は、加速度センサと地磁気センサとを備える構成であってもよい。この場合、車両速度判定部22は、加速度センサで検出された加速度と地磁気センサで検出された地磁気とに基づいて、計測車両1の速度を検出することができる。
【0039】
車両速度判定部22は、検出した計測車両1の実速度に基づいて、隣接する2つのトンネル間における計測車両1の走行速度を予測することもできる。この場合、車両情報に含まれる計測車両1の走行速度の情報は、隣接する2つのトンネル間における計測車両1の予測走行速度の情報である。以下、隣接する2つのトンネル間を単にトンネル間と記載する場合がある。
【0040】
車両速度判定部22は、トンネル間を計測車両1が過去に走行したときの走行速度の情報を含む走行履歴に基づいて、トンネル間における計測車両1の走行速度を予測することもできる。この場合も、車両情報に含まれる計測車両1の走行速度の情報は、トンネル間における計測車両1の予測走行速度の情報である。
【0041】
画像情報記憶部13は、撮像装置2によって撮像されたトンネルの画像を示す画像情報を撮像装置2から取得し、取得した画像情報を記憶する。画像情報は、撮像部2a,2b,2cの各々によって撮像されたトンネルの画像の情報を含む。なお、撮像装置2は、撮像部2a,2b,2cによって撮像されたトンネルの画像を合成し、合成した画像を画像情報として画像情報記憶部13に記憶させることもできる。
【0042】
入力部14は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含み、撮像支援システム3の利用者によって操作される。表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイである。
【0043】
走行ルート情報取得部16は、計測車両1の走行ルートの情報である走行ルート情報を走行ルート情報記憶部10から取得する。距離算出部17は、走行ルート情報取得部16が走行ルート情報記憶部10から取得した走行ルート情報に基づいて、走行ルートにおいて隣接する2つのトンネルの間隔を算出する。走行ルート情報に含まれるトンネル情報には、走行ルートに存在する各トンネルの出入り口の位置の情報が含まれており、距離算出部17は、各トンネルの出入り口の位置の情報に基づいて、隣接する2つのトンネルの間隔を算出する。
【0044】
例えば、
図2に示すように、計測車両1の走行方向に沿って走行ルートにAトンネル、Bトンネル、およびCトンネルが順に存在するとする。この場合、走行ルート情報に含まれるトンネル情報には、Aトンネル、Bトンネル、およびCトンネルの各々の出入り口の位置の情報が含まれている。距離算出部17は、トンネル情報に基づいて、AトンネルとBトンネルとの間の距離と、BトンネルとCトンネルとの間の距離とを算出する。
【0045】
決定部18は、隣接する2つのトンネルの間隔と計測車両1の速度とに基づいて、隣接する2つのトンネルを計測車両1が走行するに際して撮像装置2に設定される撮像パラメータの候補を決定する。
【0046】
決定部18は、判定処理部30と、決定処理部31と、表示処理部32と、選択受付部33と、設定パラメータ決定部34とを備える。判定処理部30は、隣接する2つのトンネルの間隔と計測車両1の速度とに基づいて、計測車両1が走行中に、隣接する2つのトンネル間で撮像装置2の撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。
【0047】
例えば、判定処理部30は、距離算出部17によって算出されたトンネル間隔と、車両情報取得部12によって取得された車両情報で特定される計測車両1の速度とに基づいて、計測車両1が走行中に、トンネル間で撮像装置2の撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。車両情報で特定される計測車両1の速度は、計測車両1の実速度または予測走行速度である。
【0048】
また、判定処理部30は、距離算出部17によって算出されたトンネル間隔と、走行ルート情報記憶部10によって取得された走行ルート情報で特定されるトンネル間の車線の制限速度とに基づいて、計測車両1が走行中に、トンネル間で撮像装置2の撮像条件の切り替えができるか否かを判定することもできる。
【0049】
決定処理部31は、判定処理部30によって撮像条件の切り替えができないと判定された場合、隣接する2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する。例えば、
図2に示す例では、隣接するBトンネルとCトンネルに共通の撮像パラメータの候補は、Bトンネルの撮像パラメータとCトンネルの撮像パラメータである。
【0050】
また、決定処理部31は、隣接するBトンネルとCトンネルに共通の撮像パラメータとして、Bトンネルの撮像パラメータおよびCトンネルの撮像パラメータのいずれかを決定することもできる。
【0051】
また、決定処理部31は、判定処理部30によってBトンネルとCトンネルとの間で撮像条件の切り替えができないと判定された場合、Bトンネルの撮像パラメータとCトンネルの撮像パラメータとに基づいて、新たな撮像パラメータを算出することもできる。新たな撮像パラメータは、Bトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件とCトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件との中間の撮像条件を撮像装置2に設定する撮像パラメータである。
【0052】
また、パラメータ記憶部11にBトンネルとCトンネルとに共通の撮像パラメータが記憶されている場合、決定処理部31は、判定処理部30によってBトンネルとCトンネルとの間で撮像条件の切り替えができないと判定された場合、パラメータ記憶部11に記憶された共通の撮像パラメータを共通の撮像パラメータの候補として決定することもできる。
【0053】
また、決定処理部31は、判定処理部30によって撮像条件の切り替えができると判定された場合、隣接する2つのトンネルのうち計測車両1が最初に進入するトンネルに個別の撮像パラメータの候補を決定する。例えば、
図2に示す例では、Aトンネルに個別の撮像パラメータはAトンネルの撮像パラメータである。
【0054】
表示処理部32は、決定処理部31によって決定された撮像パラメータの候補を表示部15に表示させる。例えば、表示処理部32は、
図2に示す例では、Bトンネルの撮像パラメータとCトンネルの撮像パラメータとを撮像パラメータの候補として選択可能に表示部15に表示させる。
【0055】
選択受付部33は、表示処理部32によって表示部15に表示された撮像パラメータの候補の選択を受け付ける。撮像パラメータの候補の選択は、撮像支援システム3の利用者による入力部14への操作によって行われる。選択受付部33は、
図3に示す例では、撮像パラメータの候補として表示部15に表示されたBトンネルの撮像パラメータとCトンネルの撮像パラメータのうちCトンネルの撮像パラメータの選択を受け付ける。
【0056】
設定パラメータ決定部34は、選択受付部33によって選択が受け付けられた撮像パラメータの候補を、撮像装置2に設定される撮像パラメータである設定パラメータとして、決定する。例えば、
図3に示す例では、設定パラメータ決定部34は、撮像支援システム3の利用者によって選択されたCトンネルの撮像パラメータを設定パラメータとして設定する。
【0057】
また、設定パラメータ決定部34は、計測車両1が走行中にトンネル間で撮像装置2の撮像条件の切り替えができないと判定された場合、選択受付部33によって過去に受け付けられた選択の履歴に基づいて、設定パラメータを自動的に決定することができる。例えば、計測車両1が前回と同じ走行ルートを走行する場合、選択受付部33によって前回受け付けられた選択と同じ撮像パラメータを設定パラメータとして設定する。
【0058】
例えば、計測車両1が
図4に示す走行ルートを走行する場合において、前回の選択でBトンネルの撮像パラメータとCトンネルの撮像パラメータのうちCトンネルの撮像パラメータが選択受付部33によって受け付けられたとする。この場合、設定パラメータ決定部34は、計測車両1が走行中にBトンネルとCトンネルとの間で撮像装置2の撮像条件の切り替えができないと判定された場合、Cトンネルの撮像パラメータを設定パラメータとして決定する。
【0059】
また、設定パラメータ決定部34は、計測車両1が同じ走行ルートを予め設定された回数以上走行した場合、選択受付部33によって受け付けられた回数が最も多い撮像パラメータを設定パラメータとして決定することもできる。例えば、計測車両1が
図3に示す走行ルートをN回以上走行した場合において、選択受付部33によって受け付けられた回数が最も多い撮像パラメータがBトンネルの撮像パラメータである場合、計測車両1のN+1回目以降の走行において、Bトンネルの撮像パラメータを設定パラメータとして決定する。なお、Nは予め設定された自然数である。
【0060】
また、設定パラメータ決定部34は、決定処理部31によって決定された個別の撮像パラメータの候補を設定パラメータとして決定する。例えば、
図2に示す例では、設定パラメータ決定部34は、Aトンネルの撮像パラメータをAトンネルに対応する設定パラメータとして決定する。
【0061】
撮像制御部19は、決定部18によって決定された設定パラメータを撮像装置2に設定して撮像装置2の撮像条件を変更し、変更した撮像条件で撮像装置2にトンネルを撮像させる。撮像制御部19は、設定パラメータの設定処理および撮像装置2の撮像制御処理を自動的または入力部14への入力操作に基づいて実行する。かかる撮像制御部19は、パラメータ設定部40と、駆動処理部41とを備える。
【0062】
まず、設定パラメータの設定処理および撮像装置2の撮像制御処理を自動的に実行する自動モードについて説明する。パラメータ設定部40は、動作モードが自動モードである場合、走行ルート情報取得部16によって取得された走行ルート情報と車両情報取得部12によって取得された車両情報とに基づくタイミングで決定部18によって決定された設定パラメータを撮像装置2に設定する。
【0063】
例えば、パラメータ設定部40は、走行ルート情報に含まれるトンネル情報で特定されるトンネルの入り口の位置と、車両情報で特定される計測車両1の走行位置、走行方向、および走行速度とに基づいて、計測車両1がトンネルに進入すると予測される時刻である進入予測時刻を判定する。
【0064】
そして、パラメータ設定部40は、進入予測時刻よりも撮像装置2の切り替わり時間以上前の時刻で決定部18によって決定された設定パラメータを撮像装置2に設定する。撮像装置2の切り替わり時間は、設定パラメータを撮像装置2に設定してから撮像装置2の撮像条件が切り替わるまでに必要な時間である。
【0065】
例えば、
図2に示す例では、パラメータ設定部40は、撮像装置2の撮像条件がAトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件に切り替わるタイミングが、計測車両1がAトンネルに進入する前になるように、Aトンネルの撮像パラメータを撮像装置2に設定する。
【0066】
また、
図3に示す例では、パラメータ設定部40は、撮像装置2の撮像条件がBトンネルの撮像パラメータに対応する撮像条件に切り替わるタイミングが、計測車両1がBトンネルに進入する前になるように、Bトンネルの撮像パラメータを撮像装置2に設定する。
【0067】
駆動処理部41は、計測車両1がトンネル内を走行している間、撮像装置2にトンネルの内壁面を撮像させる。例えば、駆動処理部41は、
図2に示す場合、計測車両1がAトンネル内を走行している間、撮像装置2にAトンネルの内壁面を撮像させる。
【0068】
また、駆動処理部41は、
図3に示す場合、計測車両1がBトンネル内を走行している間、撮像装置2にBトンネルの内壁面を撮像させ、計測車両1がCトンネル内を走行している間、撮像装置2にCトンネルの内壁面を撮像させる。
【0069】
次に、手動モードについて説明する。パラメータ設定部40は、撮像支援システム3の利用者による入力部14への入力操作に基づいて、決定部18によって決定された設定パラメータを撮像装置2に設定する。入力操作の種類には、例えば、撮像開始操作と撮像終了操作がある。
【0070】
パラメータ設定部40は、p回目の撮像開始操作があった場合に、決定部18によってp回目に決定された設定パラメータを撮像装置2に設定する。pは、自然数である。駆動処理部41は、p回目に決定された設定パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件が切り替わったことを検出した場合、撮像装置2にトンネルの撮像を開始させる。その後、駆動処理部41は、撮像終了操作があった場合に、撮像装置2にトンネルの撮像を終了させる。
【0071】
つづいて、フローチャートを用いて撮像支援システム3による処理を説明する。
図6は、実施の形態1にかかる撮像支援システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、走行ルートが決定されてから、決定された走行ルートにおける最後のトンネルを計測車両1が通過するまでの間に撮像支援システム3によって実行される処理である。
【0072】
図6に示すように、撮像支援システム3は、設定パラメータ決定処理を実行する(ステップS10)。設定パラメータ決定処理は、
図7に示すステップS20~S31の処理であり、後で詳述する。次に、撮像支援システム3は、撮像制御処理を実行する(ステップS11)。撮像制御処理は、
図8に示すステップS40~S46の処理であり、後で詳述する。撮像支援システム3は、ステップS11の処理が終了した場合、
図6に示す処理を終了する。
【0073】
図7は、実施の形態1にかかる撮像支援システムによる設定パラメータ決定処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、撮像支援システム3の走行ルート情報取得部16は、走行ルート情報記憶部10から走行ルート情報を取得する(ステップS20)。また、撮像支援システム3の車両情報取得部12は、車両情報を取得する(ステップS21)。
【0074】
次に、撮像支援システム3の距離算出部17は、隣接する2つのトンネルを選択する(ステップS22)。ステップS22において、距離算出部17は、走行ルート情報で位置が特定される複数のトンネルのうち計測車両1が通過する順に2つのトンネルを選択する。例えば、距離算出部17は、m回目の処理において、計測車両1がm番目に通過するトンネルと計測車両1がm+1番目に通過するトンネルを選択する。mは自然数である。
【0075】
次に、距離算出部17は、選択した2つのトンネル間の距離を算出する(ステップS23)。撮像支援システム3の決定部18は、距離算出部17によって算出されたトンネル間の距離と計測車両1の速度とに基づいて、ステップS22で選択した2つのトンネル間で走行中の計測車両1に搭載された撮像装置2の撮像条件の切り替えが可能であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0076】
決定部18は、撮像条件の切り替えが可能ではないと判定した場合(ステップS24:No)、選択された2つのトンネルで共通する撮像パラメータの候補を決定する(ステップS25)。そして、決定部18は、ステップS25で決定した撮像パラメータの候補を表示部15に表示させる(ステップS26)。
【0077】
次に、決定部18は、表示部15に表示された撮像パラメータの候補が撮像支援システム3の利用者に選択されたか否かを判定する(ステップS27)。決定部18は、撮像パラメータの候補が選択されていないと判定した場合(ステップS27:No)、ステップS27の処理を繰り返す。決定部18は、撮像パラメータの候補が選択されたと判定した場合(ステップS27:Yes)、選択された撮像パラメータの候補を設定パラメータに決定する(ステップS28)。
【0078】
決定部18は、撮像条件の切り替えが可能であると判定した場合(ステップS24:Yes)、選択された2つのトンネルのうち計測車両1が最初に進入するトンネルである最初のトンネルに個別の撮像パラメータの候補を決定する(ステップS29)。そして、決定部18は、ステップS29で決定した個別の撮像パラメータの候補を設定パラメータに決定する(ステップS30)。
【0079】
撮像支援システム3の距離算出部17は、ステップS28の処理が終了した場合、またはステップS30の処理が終了した場合、未選択の2つのトンネルがあるか否かを判定する(ステップS31)。距離算出部17は、未選択の2つのトンネルがあると判定した場合(ステップS31:Yes)、処理をステップS22に移行する。また、撮像支援システム3は、距離算出部17によって未選択の2つのトンネルがないと判定された場合(ステップS31:No)、
図7に示す処理を終了する。
【0080】
図8は、実施の形態1にかかる撮像支援システムによる撮像制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、撮像支援システム3の撮像制御部19は、走行ルート情報取得部16によって取得された走行ルート情報を取得する(ステップS40)。
【0081】
次に、撮像制御部19は、決定部18によって決定された複数の設定パラメータのうち1つの設定パラメータを選択する(ステップS41)。ステップS41において、撮像制御部19は、決定部18によって決定した順に設定パラメータを選択する。例えば、決定部18は、m回目の処理において、決定部18がm番目に決定した設定パラメータを選択する。mは自然数である。
【0082】
次に、撮像制御部19は、車両情報取得部12から車両情報を取得する(ステップS42)。そして、撮像制御部19は、ステップS40で取得した走行ルート情報とステップS42で取得した車両情報に基づいて、撮像パラメータの設定変更タイミングであるか否かを判定する(ステップS43)。
【0083】
撮像制御部19は、設定変更タイミングであると判定した場合(ステップS43:Yes)、ステップS41で選択した設定パラメータを撮像装置2に設定する(ステップS44)。そして、撮像制御部19は、ステップS44で撮像装置2に設定した設定パラメータによって撮像装置2の撮像条件の切り替えが行われた後、計測車両1がトンネル内を走行している状態で撮像装置2にトンネルを撮像させる(ステップS45)。
【0084】
撮像制御部19は、ステップS45の処理が終了した場合、未設定の撮像パラメータがあるか否かを判定する(ステップS46)。撮像制御部19は、未設定の撮像パラメータがあると判定した場合(ステップS46:Yes)、処理をステップS41に移行する。また、撮像制御部19は、未設定の撮像パラメータがないと判定した場合(ステップS46:No)、
図8に示す処理を終了する。
【0085】
なお、
図7~
図9に示す処理では、撮像支援システム3は、すべての設定パラメータを決定した後に、決定した複数の設定パラメータを順次撮像装置2に設定するが、設定パラメータを決定し、決定した設定パラメータを撮像装置2に設定する処理をトンネル毎に各トンネルに計測車両1が進入する前に行うこともできる。例えば、撮像支援システム3は、ステップS31の処理をステップS46において未設定の撮像パラメータがないと判定した後に実行することができる。
【0086】
図9は、実施の形態1にかかる撮像支援システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図9に示すように、撮像支援システム3は、プロセッサ101と、メモリ102と、インタフェース回路103と、表示装置104と、入力装置105とを備えるコンピュータを含む。
【0087】
プロセッサ101、メモリ102、インタフェース回路103、表示装置104、および入力装置105は、例えば、バス106によって互いに情報の送受信が可能である。走行ルート情報記憶部10、パラメータ記憶部11、および画像情報記憶部13は、メモリ102によって実現される。入力部14は、入力装置105で実現される。表示部15は、表示装置104で実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、走行ルート情報取得部16、距離算出部17、決定部18、および撮像制御部19などの機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
【0088】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、撮像支援システム3は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
【0089】
撮像支援システム3は、2以上の装置で構成されてもよい。例えば、撮像支援システム3は、クライアント装置とサーバ装置とで構成されてもよく、処理サーバとデータサーバとで構成されてもよい。撮像支援システム3が2つ以上の装置で構成される場合、2つ以上の装置の各々は、
図9に示す構成に装置間の通信を行う通信装置を備える。撮像支援システム3がクライアント装置とサーバ装置とで構成される場合、例えば、クライアント装置は、入力部14、表示部15、および撮像制御部19を備え、サーバ装置は、走行ルート情報記憶部10、パラメータ記憶部11、走行ルート情報取得部16、距離算出部17、および決定部18を備える。サーバ装置は、例えば、計測車両1外に配置されてもよい。
【0090】
以上のように、実施の形態1にかかる撮像支援システム3は、走行ルート情報取得部16と、距離算出部17と、判定処理部30と、決定処理部31とを備える。走行ルート情報取得部16は、撮像パラメータの設定変更によりトンネルに対する撮像条件の切り替えが可能な撮像装置2が搭載される計測車両1の走行ルートの情報である走行ルート情報を取得する。距離算出部17は、走行ルート情報に基づいて、走行ルートにおいて隣接する2つのトンネルの間隔を算出する。判定処理部30は、距離算出部17によって算出された2つのトンネルの間隔と計測車両1の速度とに基づいて、計測車両1が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。決定処理部31は、判定処理部30によって撮像条件の切り替えができないと判定された場合、2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する。これにより、撮像支援システム3は、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの適切な撮像を支援することができる。なお、計測車両1は、車両の一例である。
【0091】
また、撮像支援システム3は、表示処理部32と、選択受付部33と、設定パラメータ決定部34とを備える。表示処理部32は、決定処理部31によって決定された撮像パラメータの候補を表示部15に表示させる。選択受付部33は、表示処理部32によって表示された撮像パラメータの候補の選択を受け付ける。設定パラメータ決定部34は、選択受付部33によって選択が受け付けられた撮像パラメータの候補を撮像装置2に設定される撮像パラメータである設定パラメータとして決定する。これにより、撮像支援システム3の利用者は、撮像パラメータの候補を選択することができ、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの適切な撮像を支援することができる。
【0092】
また、設定パラメータ決定部34は、選択受付部33によって過去に受け付けられた選択の履歴に基づいて、設定パラメータを決定する。これにより、撮像支援システム3は、撮像支援システム3の利用者の過去の選択に基づいて、自動的に設定パラメータを決定することができる。
【0093】
また、撮像支援システム3は、設定パラメータ決定部34によって設定パラメータとして決定された撮像パラメータを撮像装置2に設定するパラメータ設定部40を備える。これにより、撮像支援システム3では、撮像支援システム3の利用者が設定パラメータを撮像装置2に設定する手間を省くことができる。
【0094】
また、走行ルート情報は、2つのトンネル間における制限速度の情報を含む。判定処理部30は、制限速度を車両の速度として、計測車両1が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。これにより、撮像支援システム3は、計測車両1の実速度または予測走行速度を取得することなく、撮像条件の切り替えができるか否かを判定することができる。
【0095】
また、撮像支援システム3は、計測車両1が走行中である場合に走行中の計測車両1の速度の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部12を備える。判定処理部30は、車両情報取得部12によって取得された車両情報に基づいて、2つのトンネル間での計測車両1の速度を予測し、予測した計測車両1の速度に基づいて、計測車両1が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。これにより、撮像支援システム3は、計測車両1が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを精度よく判定することができる。
【0096】
また、判定処理部30は、計測車両1による走行ルートの走行履歴の情報に基づいて、2つのトンネル間での計測車両1の速度を予測し、予測した計測車両1の速度に基づいて、撮像条件の切り替えができるか否かを判定する。これにより、撮像支援システム3は、計測車両1が走行中に2つのトンネル間で撮像条件の切り替えができるか否かを精度よく判定することができる。
【0097】
実施の形態2.
実施の形態2にかかる撮像支援システムは、同一のトンネルであっても、走行方向、車線、走行時間帯、外気温、および季節によって異なる撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる点で実施の形態1にかかる撮像支援システム3と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1にかかる撮像支援システム3と異なる点を中心に説明する。
【0098】
図10は、実施の形態2にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図である。
図10に示すように、実施の形態2にかかる撮像支援システム3Aは、パラメータ記憶部11および決定部18に代えて、パラメータ記憶部11Aおよび決定部18Aを備える点で、撮像支援システム3と異なる。
【0099】
パラメータ記憶部11Aは、第1の走行条件に関連付けられた撮像装置2の撮像パラメータをトンネル毎に含むパラメータテーブルを第2の走行条件毎に記憶する。第1の走行条件は、走行方向および車線である。第2の走行条件は、走行時間帯、外気温、および季節によって規定される。走行時間帯の種類は、例えば、昼の時間帯および夜の時間帯であるが、単位時間で区切られた時間帯であってもよい。外気温の種類は、例えば、25度以上の温度と25度未満の温度であるが、単位温度で区切られた時間帯であってもよい。季節の種類は、春、夏、秋、および冬である。
【0100】
第1の走行条件は、走行方向および車線のいずれかであってもよく、第2の走行条件は、湿度、および天気などを含んでいてもよく、また、走行時間帯、外気温、および季節のうちの1つまたは2つであってもよい。また、走行条件は、第1の走行条件および第2の走行条件のいずれかであってもよい。
【0101】
図11は、実施の形態2にかかる計測車両が走行する走行ルートの一部の一例を示す図である。
図11に示す走行ルートには、走行車線と追越車線の2つの車線が上りと下りのそれぞれに含まれており、上りと下りの各々にAトンネル、Bトンネル、およびCトンネルが設けられている。
【0102】
図12は、実施の形態2にかかる撮像支援システムにおけるパラメータ記憶部に記憶される複数のパラメータテーブルの一例を示す図であり、複数のパラメータテーブル61
1,61
2~61
kが示される。kは、第2の走行条件の数を示す。
図12に示すパラメータテーブル61
1は、季節が春、時間帯が昼、および外気温が25度未満であるという第2の走行条件のパラメータテーブルである。
【0103】
パラメータテーブル61
1,61
2~61
kには、「トンネル名」、「上り/下り」、「車線」、および「撮像パラメータ」が含まれる。
図12に示す「トンネル名」および「撮像パラメータ」は、
図5に示す「トンネル名」および「撮像パラメータ」と同じである。
【0104】
「上り/下り」は、走行方向を示す情報であり、上りおよび下りのいずれかで規定される。「車線」は、車線の種類を示す情報であり、走行車線および追越車線のいずれかで規定される。なお、「車線」は、例えば、上りまたは下りの道路が3車線ある場合、車線番号であってもよい。また、「上り/下り」および「車線」は、上述した第1の走行条件である。
【0105】
図12に示す例では、Aトンネルの撮像パラメータとして、上りの走行車線に、パラメータP1
11~Pn
11が関連付けられ、上りの追越車線に、パラメータP1
12~Pn
12が関連付けられ、下りの走行車線に、パラメータP1
13~Pn
13が関連付けられ、下りの追越車線に、パラメータP1
14~Pn
14が関連付けられている。
【0106】
また、Bトンネルの撮像パラメータとして、上りの走行車線に、パラメータP121~Pn21が関連付けられ、上りの追越車線に、パラメータP122~Pn22が関連付けられ、下りの走行車線に、パラメータP123~Pn23が関連付けられ、下りの追越車線に、パラメータP124~Pn24が関連付けられている。
【0107】
また、Cトンネルの撮像パラメータとして、上りの走行車線に、パラメータP131~Pn31が関連付けられ、上りの追越車線に、パラメータP132~Pn32が関連付けられ、下りの走行車線に、パラメータP133~Pn33が関連付けられ、下りの追越車線に、パラメータP134~Pn34が関連付けられている。
【0108】
図10に戻って、撮像支援システム3Aの構成についての説明を続ける。撮像支援システム3Aの決定部18Aは、決定処理部31に代えて、決定処理部31Aを備える点で、決定部18と異なる。
【0109】
決定処理部31Aは、決定処理部31と同様に、判定処理部30によって撮像条件の切り替えができないと判定された場合、隣接する2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補を決定する。
【0110】
決定処理部31Aは、走行ルート情報取得部16によって取得された走行ルート情報で特定される走行ルートの道路領域と車両情報取得部12によって取得された車両情報で特定される計測車両1の走行方向および走行位置とに基づいて、計測車両1が上りと下りのどちらを走行し、計測車両1が走行している車線が走行車線および追越車線のいずれであるかを判定する。
【0111】
また、決定処理部31Aは、計測車両1が走行ルートを走行する日時の情報に基づいて、季節の条件および走行時間帯の条件を判定し、気象情報サービスから取得される温度情報に基づいて、外気温の条件を判定する。
【0112】
そして、決定処理部31Aは、隣接する2つのトンネルに共通の撮像パラメータの候補として、計測車両1の走行条件に対応する撮像パラメータを決定する。計測車両1の走行方向および計測車両1が走行する車線が異なると、トンネルの内壁面と撮像装置2との位置関係が変わるが、決定処理部31Aは、計測車両1の走行方向と計測車両1が走行する車線とに関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定することから、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0113】
また、季節および時間帯が異なると、トンネル内の明るさが変わり、外気温が異なると撮像装置2の特性が変化する場合があるが、決定処理部31Aは、季節、時間帯、および外気温に関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定することから、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0114】
図13は、実施の形態2にかかる撮像支援システムによる撮像パラメータの設定処理の一例を示す図であり、
図13に示す計測車両1の走行条件は、季節が春、時間帯が昼、および外気温が25度未満であるという条件を含むものとする。また、パラメータ記憶部11Aに
図12に示すパラメータテーブル61
1が記憶されているとし、
図11に示すBトンネルとCトンネルとの間で、撮像パラメータの設定変更によって撮像装置2の撮像条件の切り替えができないと判定処理部30によって判定されたとする。
【0115】
図13に示す計測車両1に搭載された撮像支援システム3Aの決定処理部31Aは、車両情報で特定される走行ルートの道路領域と車両情報で特定される計測車両1の走行方向と走行位置とに基づいて、計測車両1が上りの走行車線を走行すると判定する。計測車両1が走行ルートを走行する日時において、第2の走行条件は、季節が春、時間帯が昼、および外気温が25度未満であるため、決定処理部31Aは、パラメータP1
21~Pn
21を含む撮像パラメータとパラメータP1
31~Pn
31を含む撮像パラメータとを共通の撮像パラメータの候補として決定する。
【0116】
また、決定処理部31Aは、車両情報で特定される走行ルートの道路領域と車両情報で特定される計測車両1の走行方向と走行位置とに基づいて、車線を判定できない場合、パラメータP121~Pn21を含む撮像パラメータと、パラメータP122~Pn22を含む撮像パラメータと、パラメータP131~Pn31を含む撮像パラメータと、パラメータP132~Pn32を含む撮像パラメータとを共通の撮像パラメータの候補として決定する。
【0117】
なお、撮像支援システム3Aには、道路を撮像する撮像部である道路撮像部が設けられてもよい。この場合、決定処理部31Aは、道路撮像部によって撮像された画像から車線を判定することもできる。
【0118】
実施の形態2にかかる撮像支援システム3Aのハードウェア構成例は、
図9に示す撮像支援システム3のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、走行ルート情報取得部16、距離算出部17、決定部18A、および撮像制御部19などの機能を実行する。なお、撮像支援システム3Aは、撮像支援システム3と同様に、2以上の装置で構成されてもよい。
【0119】
以上のように、実施の形態2にかかる撮像支援システム3Aの決定処理部31Aは、計測車両1の走行方向に関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定する。これにより、撮像支援システム3Aは、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0120】
また、決定処理部31Aは、計測車両1が走行する車線に関連付けられた撮像パラメータの候補を決定する。これにより、撮像支援システム3Aは、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0121】
また、決定処理部31Aは、計測車両1の走行時の時間帯に関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定する。これにより、撮像支援システム3Aは、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0122】
また、決定処理部31Aは、計測車両1の走行時の外気温に関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定する。これにより、撮像支援システム3Aは、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0123】
また、決定処理部31Aは、計測車両1の走行時の季節に関連付けられた撮像パラメータを撮像パラメータの候補として決定する。これにより、撮像支援システム3Aは、より適切な撮像パラメータを撮像装置2に設定することができる。
【0124】
実施の形態3.
実施の形態3にかかる撮像支援システムは、撮像制御部および画像情報記憶部に代えて、パラメータ計画作成部および設定計画出力部を備える点で、実施の形態2にかかる撮像支援システム3Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2にかかる撮像支援システム3Aと異なる点を中心に説明する。
【0125】
図14は、実施の形態3にかかる撮像支援システムの構成の一例を示す図である。
図14に示すように、実施の形態3にかかる撮像支援システム3Bは、撮像制御部19および画像情報記憶部13に代えて、パラメータ計画作成部50および設定計画出力部51を備える点で、撮像支援システム3Aと異なる。
【0126】
パラメータ計画作成部50は、決定部18Aによって決定された撮像パラメータまたは撮像パラメータの候補に基づいて、撮像装置2に対する撮像パラメータの設定計画を作成する。例えば、パラメータ計画作成部50は、決定部18Aによって決定された撮像パラメータまたは撮像パラメータの候補のうち各トンネルの設定パラメータの情報を含む設定計画を作成する。
【0127】
設定計画は、トンネル名との設定パラメータとを走行ルートのトンネル毎に含むリスト形式の情報、または、地図上に各トンネルの位置に設定パラメータの情報が示される地図形式の情報である。
【0128】
設定計画出力部51は、パラメータ計画作成部50によって作成された設定計画の情報を外部に出力する。例えば、設定計画出力部51は、不図示のネットワークを介して端末装置へ設定計画の情報を送信することができる。また、設定計画出力部51は設定計画の情報を表示部15に表示させることができる。
【0129】
なお、撮像支援システム3Bは、計測車両1に搭載されていなくてもよく、この場合、撮像支援システム3Bは、車両情報取得部12に代えて、例えば、撮像支援システム3Bの利用者が設定した車両情報を取得し、取得した車両情報を決定部18Aへ出力する車両情報取得部を備える。
【0130】
実施の形態3にかかる撮像支援システム3Bのハードウェア構成例は、
図9に示す撮像支援システム3のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、走行ルート情報取得部16、距離算出部17、決定部18A、パラメータ計画作成部50、および設定計画出力部51などの機能を実行する。なお、撮像支援システム3Bは、撮像支援システム3,3Aと同様に、2以上の装置で構成されてもよい。
【0131】
以上のように、実施の形態3にかかる撮像支援システム3Bは、決定部18Aによって決定された撮像パラメータの候補に基づいて、撮像装置2に対する撮像パラメータの設定計画を作成するパラメータ計画作成部50を備える。これにより、撮像支援システム3Bでは、撮像支援システム3Bの利用者が、計測車両1が走行ルートを走行する前に撮像装置2に対する撮像パラメータの設定計画を作成することができ、計測車両1に搭載された撮像装置2によるトンネルの適切な撮像を支援することができる。
【0132】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 計測車両、2 撮像装置、2a,2b,2c 撮像部、3,3A,3B 撮像支援システム、10 走行ルート情報記憶部、11,11A パラメータ記憶部、12 車両情報取得部、13 画像情報記憶部、14 入力部、15 表示部、16 走行ルート情報取得部、17 距離算出部、18,18A 決定部、19 撮像制御部、20 GNSS情報取得部、21 走行方向検出部、22 車両速度判定部、30 判定処理部、31,31A 決定処理部、32 表示処理部、33 選択受付部、34 設定パラメータ決定部、40 パラメータ設定部、41 駆動処理部、50 パラメータ計画作成部、51 設定計画出力部、60,611,612~61k パラメータテーブル。