(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
F01P 3/18 20060101AFI20241115BHJP
F01P 7/16 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
F01P3/18 G
F01P3/18 A
F01P7/16 502A
F01P7/16 504A
(21)【出願番号】P 2021060495
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-11-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】若狭 秀智
(72)【発明者】
【氏名】大沼 雄一
(72)【発明者】
【氏名】内藤 正純
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-227921(JP,A)
【文献】実開平05-034476(JP,U)
【文献】特開2017-166569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 1/00-11/20
F16K 11/00-11/24、31/64-31/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機(11)を冷却するための冷却液を冷却するラジエータ(31)と、
前記原動機(11)と前記ラジエータ(31)との間で前記冷却液を循環させるポンプ(32)と、
前記原動機(11)を経た前記冷却液が前記ラジエータ(31)に流入する通路(41)を開閉するサーモスタットバルブ(33)と、
前記冷却液により前記原動機(11)を流れるオイルを冷却するオイルクーラ(34)と、
前記サーモスタットバルブ(33)と前記ポンプ(32)とを接続する接続流路(43)を構成する接続配管(53)と、を備え、
前記サーモスタットバルブ(33)により前記通路(41)が閉じられた状態では、前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)に前記冷却液が流入せず、
前記接続流路(43)を経て前記サーモスタットバルブ(33)から前記ポンプ(32)へ前記冷却液が還流され、
前記サーモスタットバルブ(33)により前記通路(41)が開かれた状態では、前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)に前記冷却液が流入し、前記オイルクーラ(34)を経た前記冷却液が前記接続流路(43)を経て前記ポンプ(32)に還流され
、前記接続流路(43)を経て前記サーモスタットバルブ(33)から前記ポンプ(32)へ前記冷却液が還流されないことを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)は、互いに並列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記原動機(11)は、車両上方に起立するシリンダ(13)を備える内燃機関であり、
前記サーモスタットバルブ(33)は、前記シリンダ(13)の前方に配置され、
前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)は、車幅方向一方または車両上下方向一方に延び、
前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)は、車幅方向他方または車両上下方向他方に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)は、車両上下方向と直交する平面に対して傾斜して延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)のうち一方の部分(52a)は、前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)のうち一方の部分(51a)の途中から分岐していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)は、前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)よりも太いことを特徴とする請求項5に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の冷却システムにおいて、ラジエータを迂回するバイパス通路と、ラジエータからウォータポンプに冷却液を還流する通路を開閉するサーモスタットバルブと、を備えた構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。冷却液の温度が低いときは、サーモスタットバルブによってラジエータを通じての冷却液の循環が停止される。内燃機関のウォータジャケットには、ウォータジャケット内の冷却液をサーモスタットバルブに導く還流通路が接続されている。例えば、還流通路には、冷却液との熱交換の作用を利用するためにオイルクーラが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、還流通路にオイルクーラを設けた場合、サーモスタットバルブの開閉に関わらずオイルクーラに冷却液が流入する。例えば、内燃機関の始動時(暖機運転中)にオイルクーラに冷却液が流入すると、内燃機関を流れるオイルの温度が下がるため、暖機効率が低下する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、暖機効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る冷却システムは、原動機(11)を冷却するための冷却液を冷却するラジエータ(31)と、前記原動機(11)と前記ラジエータ(31)との間で前記冷却液を循環させるポンプ(32)と、前記原動機(11)を経た前記冷却液が前記ラジエータ(31)に流入する通路(41)を開閉するサーモスタットバルブ(33)と、前記冷却液により前記原動機(11)を流れるオイルを冷却するオイルクーラ(34)と、前記サーモスタットバルブ(33)と前記ポンプ(32)とを接続する接続流路(43)を構成する接続配管(53)と、を備え、前記サーモスタットバルブ(33)により前記通路(41)が閉じられた状態では、前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)に前記冷却液が流入せず、前記接続流路(43)を経て前記サーモスタットバルブ(33)から前記ポンプ(32)へ前記冷却液が還流され、前記サーモスタットバルブ(33)により前記通路(41)が開かれた状態では、前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)に前記冷却液が流入し、前記オイルクーラ(34)を経た前記冷却液が前記接続流路(43)を経て前記ポンプ(32)に還流され、前記接続流路(43)を経て前記サーモスタットバルブ(33)から前記ポンプ(32)へ前記冷却液が還流されない。
【0007】
(2)上記(1)に記載の冷却システムでは、前記ラジエータ(31)及び前記オイルクーラ(34)は、互いに並列に配置されていてもよい。
【0008】
(3)上記(1)または(2)に記載の冷却システムでは、前記原動機(11)は、車両上方に起立するシリンダ(13)を備える内燃機関であり、前記サーモスタットバルブ(33)は、前記シリンダ(13)の前方に配置され、前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)は、車幅方向一方または車両上下方向一方に延び、前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)は、車幅方向他方または車両上下方向他方に延びていてもよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の冷却システムでは、前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)は、車両上下方向と直交する平面に対して傾斜して延びていてもよい。
【0010】
(5)上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の冷却システムでは、前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)のうち一方の部分(52a)は、前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)のうち一方の部分(51a)の途中から分岐していてもよい。
(6)上記(5)に記載の冷却システムでは、前記ラジエータ(31)に接続された配管(51)は、前記オイルクーラ(34)に接続された配管(52)よりも太くてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記(1)に記載の冷却システムによれば、原動機を冷却するための冷却液を冷却するラジエータと、原動機とラジエータとの間で冷却液を循環させるポンプと、原動機を経た冷却液がラジエータに流入する通路を開閉するサーモスタットバルブと、冷却液により原動機を流れるオイルを冷却するオイルクーラと、を備え、サーモスタットバルブにより通路が開かれた状態では、ラジエータ及びオイルクーラに冷却液が流入し、サーモスタットバルブにより通路が閉じられた状態では、ラジエータ及びオイルクーラに冷却液が流入しないことで、以下の効果を奏する。
暖機運転中にサーモスタットバルブにより通路を閉じた場合は、ラジエータ及びオイルクーラに冷却液が流入しないため、原動機を冷却するための冷却液の温度低下を抑制し且つ原動機を流れるオイルの温度低下を抑制することができる。したがって、暖機効率を高めることができる。
一方、サーモスタットバルブにより通路が開かれた状態では、ラジエータ及びオイルクーラに冷却液が流入するため、ラジエータのみに冷却液が流入する場合と比較して、冷却液の冷却効率を高めることができる。加えて、冷却液によりオイルからの熱引きが行われるため、原動機全体を効率よく冷却することができる。
【0012】
本発明の上記(2)に記載の冷却システムによれば、ラジエータ及びオイルクーラは、互いに並列に配置されていることで、以下の効果を奏する。
例えば、ラジエータ及びオイルクーラが互いに直列に配置されている場合、ラジエータ及びオイルクーラのそれぞれに必要な冷却液の流量を保つために配管が過度に太くなる可能性がある。これに対し本態様によれば、ラジエータ及びオイルクーラが互いに並列に配置されていることで、ラジエータ及びオイルクーラのそれぞれに必要な冷却液の流量を配管等で簡単に調整することができる。そのため、配管が過度に太くなることを抑制し、小型化を図ることができる。
【0013】
本発明の上記(3)に記載の冷却システムによれば、原動機は、車両上方に起立するシリンダを備える内燃機関であり、サーモスタットバルブは、シリンダの前方に配置され、ラジエータに接続された配管は、車幅方向一方または車両上下方向一方に延び、オイルクーラに接続された配管は、車幅方向他方または車両上下方向他方に延びていることで、以下の効果を奏する。
ラジエータに接続された配管及びオイルクーラに接続された配管が車両前後方向に延びている場合と比較して、冷却液の配管をコンパクトに配置することができる。加えて、車両前後方向に小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の上記(4)に記載の冷却システムによれば、オイルクーラに接続された配管は、車両上下方向と直交する平面に対して傾斜して延びていることで、以下の効果を奏する。
オイルクーラに接続された配管が車両上下方向と直交する平面に対して平行に延びている場合と比較して、前記平面においてオイルクーラと隣り合う位置に配置される部品をオイルクーラの近くに配置することができる。
【0015】
本発明の上記(6)に記載の冷却システムによれば、ラジエータに接続された配管は、オイルクーラに接続された配管よりも太いことで、以下の効果を奏する。
ラジエータに接続された配管がオイルクーラに接続された配管と同程度に細い場合と比較して、ラジエータに流入する冷却液を増やすことができるため、原動機全体の冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第一実施形態の自動二輪車の左側面図である。
【
図4】第一実施形態の冷却システムの斜視図である。
【
図5】第一実施形態の冷却システムのブロック図である。
【
図6】第一実施形態の冷却システムにおいてサーモスタットバルブによりラジエータ側流路が開かれた状態を示す図である。
【
図7】第一実施形態の冷却システムにおいてサーモスタットバルブによりラジエータ側流路が閉じられた状態を示す図である。
【
図8】第二実施形態の自動二輪車を拡大した、
図2に相当する左側面図である。
【
図9】第二実施形態の冷却システムのブロック図である。
【
図10】第二実施形態の冷却システムにおいてサーモスタットバルブによりラジエータ側流路が開かれた状態を示す図である。
【
図11】第二実施形態の冷却システムにおいてサーモスタットバルブによりラジエータ側流路が閉じられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、冷却システムを適用した鞍乗型車両の一例として自動二輪車を挙げて説明する。以下の説明に用いる図中適所には、本実施形態の自動二輪車の車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0018】
<車両全体>
図1に示すように、自動二輪車1(鞍乗型車両)は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4と、パワーユニット10を支持する車体フレーム20と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
【0019】
車体フレーム20は、ハンドル2を操向可能に支持するヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後下方に延びる左右一対のメインフレーム22と、メインフレーム22よりも急峻にヘッドパイプ21から後下方に延びるダウンフレーム23と、メインフレーム22の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート25と、メインフレーム22の後部から後方に延びる左右一対のシートレール26と、ピボットプレート25の上部から後上方に延びてシートレール26の後端部に接続される左右一対のリアフレーム27と、を備える。
【0020】
後輪4の車軸4aは、前後方向に延びるスイングアーム5の後端部に軸支されている。スイングアーム5の前端部は、ピボットプレート25にピボット軸25aを介して上下揺動可能に支持されている。
【0021】
パワーユニット10は、可燃性の混合気を燃焼させて出力を得る内燃機関であるエンジン11と、始動機及び発電機として機能する不図示のACGスタータモータと、クランクシャフト(不図示)に連結されてエンジン11からの動力を駆動輪である後輪4に伝達する不図示の変速機(動力伝達機構)と、を備える。エンジン11の上方には、左右メインフレーム22に支持された燃料タンク7が設けられている。燃料タンク7の後方には、左右シートレール26に支持されたシート8が設けられている。
【0022】
<エンジン>
エンジン11は、車体フレーム20に固定的に支持されている。エンジン11は、不図示のクランクシャフトを収容するクランクケース12と、クランクケース12の前側上部から上方に向かってやや前傾して起立するシリンダ13と、を備える。
【0023】
シリンダ13は、クランクケース12の前上部と一体に形成されたシリンダブロック13aと、シリンダブロック13aの上端部に取り付けられたシリンダヘッド13bと、シリンダヘッド13bの上端部に取り付けられたシリンダヘッドカバー13cと、を備える。
【0024】
クランクケース12は、エンジン11の下部を構成する。クランクケース12の前端側上部は、ダウンフレーム23の下端部に支持されている。クランクケース12の後端部は、メインフレーム22の下端部に支持されている。
【0025】
<冷却システム>
図2に示すように、自動二輪車1は、エンジン11を冷却するための冷却システム30を備える。冷却システム30は、エンジン11を冷却するための冷却液を冷却するラジエータ31と、エンジン11とラジエータ31との間で冷却液を循環させるポンプ32と、エンジン11を経た冷却液がラジエータ31に流入するラジエータ側流路41(通路、
図5参照)を開閉するサーモスタットバルブ33と、冷却液によりエンジン11を流れるオイルを冷却するオイルクーラ34と、を備える。冷却システム30は、エンジン11内を流れるオイルを冷却するためにオイルクーラ34内を冷却液が流れる構成となっている。
【0026】
図5に示すように、エンジン11には、冷却液が流通するウォータジャケット40が設けられている。例えば、ウォータジャケット40は、シリンダブロック13a内に設けられたブロック側ジャケット40aと、シリンダヘッド13b内に設けられたヘッド側ジャケット40bと、により構成されている。ブロック側ジャケット40a及びヘッド側ジャケット40bは、エンジン11内部において互いに連通している。ウォータポンプ32から吐出された冷却液は、ヘッド側ジャケット40bを経由してブロック側ジャケット40aに導入されることによりシリンダ13の周囲を冷却する。
【0027】
図2に示すように、ラジエータ31は、シリンダ13の前方に配置されている。ラジエータ31は、前傾して配置されている。ラジエータ31は、側面視でシリンダ13の起立方向(不図示のシリンダ軸線に沿う方向)と略平行に傾斜している。図中符号35は、ラジエータ31を車幅方向外側から覆うラジエータカバーを示す。なお、
図3及び
図4においては、ラジエータ31の図示を省略している。
【0028】
例えば、ポンプ32は、ウォータポンプである。ポンプ32は、クランクケース12の前側左側部に設けられている。例えば、ポンプ32は、ボルト等の締結部材によりクランクケース12の前側左側部に複数箇所で取り付けられている。
【0029】
サーモスタットバルブ33は、シリンダブロック13aの前方に配置されている。
図3に示すように、サーモスタットバルブ33は、前面視でシリンダブロック13aの左側前部に設けられている。例えば、サーモスタットバルブ33は、ボルト等の締結部材によりシリンダブロック13aの左側前部に複数箇所で取り付けられている。
【0030】
オイルクーラ34は、クランクケース12の前側下部に設けられている。オイルクーラ34は、前面視でサーモスタットバルブ33の直下に配置されている。オイルクーラ34は、前面視で円形状の外形を有する。
【0031】
オイルクーラ34の右側方には、オイルフィルタ36が設けられている。オイルフィルタ36は、クランクケース12の前側下部において右側部寄りに設けられている。オイルフィルタ36は、前面視でオイルクーラ34よりも小さい円形状の外形を有する。
【0032】
図5に示すように、ウォータジャケット40には、ラジエータ31に繋がるラジエータ側流路41が接続されている。
ポンプ32は、冷却液の流れ方向(
図6に示す矢印方向)においてラジエータ側流路41の下流端に接続されている。
サーモスタットバルブ33は、冷却液の流れ方向においてラジエータ側流路41の上流端に接続されている。
ラジエータ側流路41の途中には、オイルクーラ34に繋がるオイルクーラ側流路42が接続されている。すなわち、ラジエータ31及びオイルクーラ34は、互いに並列に配置されている。
【0033】
以下、ラジエータ側流路41のうち、ブロック側ジャケット40aとラジエータ31とを接続する部分41aを「第一ラジエータ側流路41a」、ラジエータ31とポンプ32とを接続する部分41bを「第二ラジエータ側流路41b」ともいう。
また、サーモスタットバルブ33とポンプ32とを接続する流路43を「接続流路43」ともいう。
また、オイルクーラ側流路42のうち、第一ラジエータ側流路41aの途中とオイルクーラ34とを接続する部分42aを「第一オイルクーラ側流路42a」、接続流路43の途中とオイルクーラ34とを接続する部分42bを「第二オイルクーラ側流路42b」ともいう。
【0034】
<サーモスタットバルブ>
サーモスタットバルブ33は、冷却液の温度変化に応じて開弁量を変化させる。例えば、サーモスタットバルブ33は、封入されたワックスが熱膨張及び熱収縮することを利用して、自動的に弁の開度が変化するように構成されている。サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41及び接続流路43のいずれか一方側の弁を開弁し他方側の弁を閉弁することで、冷却液の通流経路をラジエータ側流路41及び接続流路43のいずれかに切り替える。
【0035】
例えば、サーモスタットバルブ33は、エンジン11の駆動中において、以下のように冷却液の通流経路を切り替える。
冷却液の温度が第一温度閾値(開弁温度閾値)よりも高い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を開弁し、接続流路43側を閉弁する。これにより、冷却液は、ラジエータ31の内部を循環することにより冷却される(
図6参照)。なお、
図6においては、流路において冷却液が流れる部分を実線(太線)で示し、冷却液が流れない部分を破線で示している。
【0036】
一方、冷却液の温度が第二温度閾値(閉弁温度閾値)よりも低い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を閉弁し、接続流路43側を開弁する。ここで、第二温度閾値は、第一温度閾値以下の温度を意味する。これにより、冷却液は、ウォータジャケット40内を循環する(
図7参照)。なお、
図7においては、流路において冷却液が流れる部分を実線(太線)で示し、冷却液が流れない部分を破線で示している。
【0037】
<各種配管の配置>
以下、ラジエータ側流路41を構成するラジエータ側配管51(ラジエータ31に接続された配管)のうち、ブロック側ジャケット40aとラジエータ31とを接続する部分51a(第一ラジエータ側流路41aを構成する部分)を「第一ラジエータ側配管51a」、ラジエータ31とポンプ32とを接続する部分51b(第二ラジエータ側流路41bを構成する部分)を「第二ラジエータ側配管51b」ともいう。
また、サーモスタットバルブ33とポンプ32とを接続する配管53(接続流路43を構成する配管)を「接続配管53」ともいう。
また、オイルクーラ側流路42を構成するオイルクーラ側配管52(オイルクーラ34に接続された配管)のうち、第一ラジエータ側配管51aの途中とオイルクーラ34とを接続する部分52a(第一オイルクーラ側流路42aを構成する部分)を「第一オイルクーラ側配管52a」、接続配管53の途中とオイルクーラ34とを接続する部分52b(第二オイルクーラ側流路42bを構成する部分)を「第二オイルクーラ側配管52b」ともいう。
【0038】
図4に示すように、ラジエータ側配管51は、オイルクーラ側配管52よりも太い。言い換えると、ラジエータ側配管51の流路断面積は、オイルクーラ側配管52の流路断面積よりも大きい。ここで、流路断面積は、配管内において冷却液が通る部分を配管が延びる方向と直交する平面で切断した断面積を意味する。なお、
図3及び
図4の例では、ラジエータ側配管51のうち第一ラジエータ側配管51aのみを図示している。第一ラジエータ側配管51aは、第一オイルクーラ側配管52a及び第二オイルクーラ側配管52bのいずれよりも太い。
【0039】
図3の前面視で、第一ラジエータ側配管51aは、車幅方向に沿うようにサーモスタットバルブ33から車両右側(車幅方向一方)に延びている。
図3の前面視で、第一オイルクーラ側配管52aは、第一ラジエータ側配管51aの途中(冷却液の流れ方向において下流側の部分)からオイルクーラ34の右側部に向けてジグザグに湾曲しつつ延びている。
【0040】
具体的に、
図3の前面視で、第一オイルクーラ側配管52aのうちオイルクーラ34の右側部寄りの部分は、車両上下方向と直交する平面(
図3の例では水平面)に対して傾斜して延びている。オイルフィルタ36は、第一オイルクーラ側配管52aの傾斜部分の右側方に配置されている。
【0041】
図3の前面視で、第二オイルクーラ側配管52bは、オイルクーラ34の左側部から車両左側(車幅方向他方)に延びた後に湾曲して接続配管53の途中(冷却液の流れ方向において上流側の部分)に向けて上方に延びている。
図3の前面視で、接続配管53は、サーモスタットバルブ33からポンプ32に向けて車両左側に延びている。
【0042】
なお、
図3の前面視で、第二オイルクーラ側配管52bのうち接続配管53寄りの部分は、車両上側ほど車幅方向中央に位置するように傾斜している。これにより、
図3の前面視で、第二オイルクーラ側配管52bと接続配管53との接続部分は、車両左側下方に開放するV字状をなしている。
【0043】
<冷却液の流れ>
冷却液の温度が第一温度閾値(開弁温度閾値)よりも高い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を開弁し、接続流路43側を閉弁する。この場合、ポンプ32が駆動されることにより、冷却液の一部がウォータジャケット40とラジエータ31との間を循環するとともに、冷却液の他の一部がウォータジャケット40とオイルクーラ34との間を循環する。すなわち、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が開かれた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入する。
【0044】
具体的に、冷却液は、以下の順に流れる。
図6に示すように、先ず、冷却液は、シリンダ13側面を経由して、シリンダヘッド13b内(ヘッド側ジャケット40b)、シリンダブロック13a内(ブロック側ジャケット40a)を順に流れる。その後、冷却液は、サーモスタットバルブ33を経て第一ラジエータ側配管51a内(第一ラジエータ側流路41a)に流入する。第一ラジエータ側流路41aに流入した冷却液の一部は、ラジエータ31に流入する。ラジエータ31を経た冷却液は、第二ラジエータ側配管51b内(第二ラジエータ側流路41b)、ポンプ32を経てシリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。
【0045】
上述の通り、第一オイルクーラ側配管52aは、第一ラジエータ側配管51aから分岐している(
図3参照)。そのため、第一ラジエータ側配管51a内に流入した冷却液の他の一部は、第一オイルクーラ側配管52a内(第一オイルクーラ側流路42a)を流れ、オイルクーラ34に流入する。オイルクーラ34を経た冷却液は、第二オイルクーラ側配管52b内(第二オイルクーラ側流路42b)、接続配管53内(接続流路43)、ポンプ32を経てシリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。
【0046】
このように、ウォータジャケット40内を通過してエンジン11の熱を奪うことにより暖められた冷却液の一部は、ラジエータ側流路41を通じてラジエータ31に導入されるとともに、冷却液の他の一部は、オイルクーラ側流路42を通じてオイルクーラ34に導入される。そのため、上記の様に暖められた冷却液の一部は、ラジエータ31を通過する間に放熱(冷却)されるとともに、冷却液の他の一部は、オイルクーラ34を通過する間に、オイルと冷却液との間で熱伝達が行われる。その後、冷却液は、ウォータジャケット40に戻される。
【0047】
一方、冷却液の温度が第二温度閾値(閉弁温度閾値)よりも低い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を閉弁し、接続流路43側を開弁する。この場合、ポンプ32が駆動されることにより、冷却液はウォータジャケット40内を循環する。すなわち、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が閉じられた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入しない。
【0048】
具体的に、冷却液は、以下の順に流れる。
図7に示すように、先ず、冷却液は、シリンダ13側面を経由して、シリンダヘッド13b内(ヘッド側ジャケット40b)、シリンダブロック13a内(ブロック側ジャケット40a)を順に流れる。その後、冷却液は、サーモスタットバルブ33を経て接続配管53内(接続流路43)に流入する。接続流路43に流入した冷却液は、ポンプ32を経てシリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。
【0049】
例えば、エンジン11の始動時(暖機運転中)においては、冷却液の温度は第二温度閾値(閉弁温度閾値)よりも低いため、冷却液はウォータジャケット40内を循環する。すなわち、暖機運転中においては、ラジエータ31及びオイルクーラ34には冷却液が流入しない。これにより、冷却液は、圧力損失の大きいラジエータ31及びオイルクーラ34を迂回できるため、ウォータジャケット40内を効率よく循環できる。
【0050】
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の冷却システム30は、エンジン11を冷却するための冷却液を冷却するラジエータ31と、エンジン11とラジエータ31との間で冷却液を循環させるポンプ32と、エンジン11を経た冷却液がラジエータ31に流入するラジエータ側流路41を開閉するサーモスタットバルブ33と、冷却液によりエンジン11を流れるオイルを冷却するオイルクーラ34と、を備え、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が開かれた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入し、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が閉じられた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入しない。
この構成によれば、暖機運転中にサーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41を閉じた場合は、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入しないため、エンジン11を冷却するための冷却液の温度低下を抑制し且つエンジン11を流れるオイルの温度低下を抑制することができる。したがって、暖機効率を高めることができる。
一方、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が開かれた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入するため、ラジエータ31のみに冷却液が流入する場合と比較して、冷却液の冷却効率を高めることができる。加えて、冷却液によりオイルからの熱引きが行われるため、エンジン11全体を効率よく冷却することができる。
【0051】
上記実施形態ではラジエータ31及びオイルクーラ34は、互いに並列に配置されていることで、以下の効果を奏する。
例えば、ラジエータ31及びオイルクーラ34が互いに直列に配置されている場合、ラジエータ31及びオイルクーラ34のそれぞれに必要な冷却液の流量を保つために配管が過度に太くなる可能性がある。これに対し本実施形態によれば、ラジエータ31及びオイルクーラ34が互いに並列に配置されていることで、ラジエータ31及びオイルクーラ34のそれぞれに必要な冷却液の流量を配管等で簡単に調整することができる。そのため、配管が過度に太くなることを抑制し、小型化を図ることができる。
【0052】
上記実施形態では、エンジン11は、車両上方に起立するシリンダ13を備え、サーモスタットバルブ33は、シリンダ13の前方に配置され、ラジエータ側配管51は、車幅方向一方に延び、オイルクーラ側配管52は、車幅方向他方または車両上下方向他方に延びていることで、以下の効果を奏する。
ラジエータ側配管51及びオイルクーラ側配管52が車両前後方向に延びている場合と比較して、冷却液の配管をコンパクトに配置することができる。加えて、車両前後方向に小型化を図ることができる。
【0053】
上記実施形態では、オイルクーラ側配管52は、車両上下方向と直交する平面に対して傾斜して延びていることで、以下の効果を奏する。
オイルクーラ側配管52が車両上下方向と直交する平面に対して平行に延びている場合と比較して、前記平面においてオイルクーラ34と隣り合う位置に配置される部品(例えば、オイルフィルタ36)をオイルクーラ34の近くに配置することができる。
【0054】
上記実施形態では、ラジエータ側配管51は、オイルクーラ側配管52よりも太いことで、以下の効果を奏する。
ラジエータ側配管51がオイルクーラ側配管52と同程度に細い場合と比較して、ラジエータ31に流入する冷却液を増やすことができるため、エンジン11全体の冷却効果を高めることができる。
【0055】
<第二実施形態>
第一実施形態では、第二オイルクーラ側配管52bが接続配管53に接続されている例(
図4参照)を挙げて説明したが、これに限らない。
図8に示すように、第二実施形態は、第二オイルクーラ側配管252bが第二ラジエータ側配管51bの途中に接続されている点で上述した第一実施形態と相違している。言い換えると、
図9に示すように、第二実施形態は、第二オイルクーラ側流路242bが第二ラジエータ側流路41bの途中に接続されている。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
<冷却液の流れ>
冷却液の温度が第一温度閾値(開弁温度閾値)よりも高い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を開弁し、接続流路43側を閉弁する。この場合、ポンプ32が駆動されることにより、冷却液の一部がウォータジャケット40とラジエータ31との間を循環するとともに、冷却液の他の一部がウォータジャケット40とオイルクーラ34との間を循環する。すなわち、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が開かれた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入する。
【0057】
具体的に、冷却液は、以下の順に流れる。
図10に示すように、先ず、冷却液は、シリンダ13側面を経由して、シリンダヘッド13b内(ヘッド側ジャケット40b)、シリンダブロック13a内(ブロック側ジャケット40a)を順に流れる。その後、冷却液は、サーモスタットバルブ33を経て第一ラジエータ側配管51a内(第一ラジエータ側流路41a)に流入する。第一ラジエータ側流路41aに流入した冷却液の一部は、ラジエータ31に流入する。ラジエータ31を経た冷却液は、第二ラジエータ側配管51b内(第二ラジエータ側流路41b)、ポンプ32を経てシリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。
【0058】
第一ラジエータ側配管51a内に流入した冷却液の他の一部は、第一オイルクーラ側配管52a内(第一オイルクーラ側流路42a)を流れ、オイルクーラ34に流入する。本実施形態では、オイルクーラ34を経た冷却液は、第二オイルクーラ側配管252b内(第二オイルクーラ側流路242b)、第二ラジエータ側配管51b内(第二ラジエータ側流路41b)、ポンプ32を経てシリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。なお、
図10においては、流路において冷却液が流れる部分を実線(太線)で示し、冷却液が流れない部分を破線で示している。
【0059】
一方、冷却液の温度が第二温度閾値(閉弁温度閾値)よりも低い場合、サーモスタットバルブ33は、ラジエータ側流路41側を閉弁し、接続流路43側を開弁する。この場合、ポンプ32が駆動されることにより、冷却液はウォータジャケット40内を循環する。すなわち、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が閉じられた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入しない。
【0060】
図11に示すように、本実施形態においても、冷却液は、以下の順に流れる。先ず、冷却液は、シリンダ13側面を経由して、シリンダヘッド13b内(ヘッド側ジャケット40b)、シリンダブロック13a内(ブロック側ジャケット40a)を順に流れる。その後、冷却液は、サーモスタットバルブ33を経て接続配管53内(接続流路43)に流入する。接続流路43に流入した冷却液は、シリンダ13内(ウォータジャケット40)に戻される。なお、
図11においては、流路において冷却液が流れる部分を実線(太線)で示し、冷却液が流れない部分を破線で示している。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の冷却システム230の構成においても、暖機運転中にサーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41を閉じた場合は、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入しないため、エンジン11を冷却するための冷却液の温度低下を抑制し且つエンジン11を流れるオイルの温度低下を抑制することができる。したがって、暖機効率を高めることができる。
一方、サーモスタットバルブ33によりラジエータ側流路41が開かれた状態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34に冷却液が流入するため、ラジエータ31のみに冷却液が流入する場合と比較して、冷却液の冷却効率を高めることができる。加えて、冷却液によりオイルからの熱引きが行われるため、エンジン11全体を効率よく冷却することができる。
【0062】
<変形例>
なお、上記実施形態では、ラジエータ31及びオイルクーラ34は、互いに並列に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ラジエータ31及びオイルクーラ34が互いに直列に配置されていてもよい。例えば、ラジエータ31及びオイルクーラ34の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0063】
上記実施形態では、サーモスタットバルブ33は、シリンダ13の前方に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、サーモスタットバルブ33は、シリンダ13の側方またはシリンダ13の下方に配置されていてもよい。例えば、サーモスタットバルブ33の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0064】
上記実施形態では、ラジエータ側配管51は、車幅方向一方または車両上下方向一方に延び、オイルクーラ側配管52は、車幅方向他方または車両上下方向他方に延びている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ラジエータ側配管51及びオイルクーラ側配管52が車両前後方向に延びていてもよい。例えば、ラジエータ側配管51及びオイルクーラ側配管52の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0065】
上記実施形態では、オイルクーラ側配管52は、車両上下方向と直交する平面に対して傾斜して延びている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、オイルクーラ側配管52が車両上下方向と直交する平面に対して平行に延びていてもよい。例えば、オイルクーラ側配管52の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。例えば、各種配管の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0066】
上記実施形態では、ラジエータ側配管51は、オイルクーラ側配管52よりも太い例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ラジエータ側配管51がオイルクーラ側配管52以下の太さであってもよい。例えば、ラジエータ側配管51及びオイルクーラ側配管52の太さは、要求仕様に応じて変更することができる。
【0067】
上記実施形態では、原動機は、車両上方に起立するシリンダを備える内燃機関である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、原動機は、電動機等、内燃機関(熱機関)以外の機械(装置)であってもよい。例えば、原動機の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0068】
上記実施形態では、鞍乗型車両の一例として車体側にエンジンを搭載した自動二輪車を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、鞍乗型車両は、ユニットスイング式の自動二輪車であってもよい。例えば、鞍乗型車両の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記鞍乗型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
11 エンジン(内燃機関、原動機)
13 シリンダ
30,230 冷却システム
31 ラジエータ
32 ポンプ
33 サーモスタットバルブ
34 オイルクーラ
41 ラジエータ側流路(通路)
51 ラジエータ側配管(ラジエータに接続された配管)
52 オイルクーラ側配管(オイルクーラに接続された配管)