(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241115BHJP
【FI】
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2021065845
(22)【出願日】2021-04-08
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】富久 大成
(72)【発明者】
【氏名】牟田 幹彦
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-042411(JP,A)
【文献】特開2014-176161(JP,A)
【文献】特開2004-257667(JP,A)
【文献】特開2018-042348(JP,A)
【文献】特開2019-173580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転状態の変更及び通信が可能なリモコンを備えた住宅設備機器を管理する管理サーバであって、
前記リモコンから、前記住宅設備機器の運転を停止させる運転停止予定日を示す停止日情報を取得する停止日情報取得部と、
取得された前記停止日情報を前記住宅設備機器毎に記憶する記憶部と、
前記住宅設備機器の通電が停止される可能性がある停電イベントの発生を示すイベント情報を取得するイベント情報取得部と、
現在の日時と前記リモコンと直前に行われた通信の日時との日数差を算定する日数差算定部と、
前記イベント情報に基づいて、前記住宅設備機器の通電が停止される可能性がある日を算定する停止予測日算定部と、
前記日数差が予め設定された値より大きい場合に、前記記憶部に記憶されている前記停止日情報のうち、前記日数差の算定に用いた前記通信が行われた前記住宅設備機器の前記停止日情報を前記日数差に基づいて補正する補正部と、
前記管理する前記住宅設備機器のうち、前記運転停止予定日が前記停止予測日算定部の算定した日を含む前後所定の期間内に含まれる住宅設備機器を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記住宅設備機器の運転停止予定日を、前記所定の期間に含まれる現在からの最短日より前の日に更新する更新部と、
を備える管理サーバ。
【請求項2】
前記更新部は、前記リモコンから前記停止日情報の更新の有無の問い合わせがあった場合に前記運転停止予定日を更新する請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記イベント情報取得部が前記イベント情報を取得したときに、前記停止日情報取得部が前記リモコンから前記停止日情報を取得できない場合に、前記住宅設備機器の利用者が有する利用者端末に前記停止日情報を取得できないことを示す通信途絶情報を送信する送信部を更に備える請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記利用者端末は、前記住宅設備機器の販売者が有する端末である請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記更新部は、前記利用者端末を介して前記住宅設備機器の運転停止予定日を更新させる請求項3又は4に記載の管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備機器を管理する管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅において各種の住宅設備機器(例えば発電装置等)が利用されている。このような住宅設備機器には、その運転状態が管理サーバにより管理されているものがある。このような運転状態の管理に係る技術として例えば下記に出典を示すものがある(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1には、電力需要家の電力機器を管理する管理装置が開示されている。この管理機器は、環境負荷に関する情報を含む電力機器の特徴情報を取得し、この特徴情報に基づいて電力機器の電力利用における電力機器の稼働の優先順位を計画する。
【0004】
特許文献2には、非常用発電装置が開示されている。この非常用発電装置は、複数のセンサデバイスが設けられ、このセンサデバイスからエンジン発電機の動作状態を示す情報を取得するように構成される。また、予め設定されたタイムスケジュールに従ってエンジン発電機の運転と停止とを間欠的に行う保守運転を制御するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2019/155750号
【文献】特開2020-65401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、各電力機器の起動や停止を行う技術が開示されているが、例えば電力機器には不具合や環境に起因して通電の停止が行われることがあり、このような停止は考慮されておらず、改良の余地がある。また、特許文献2には、複数のセンサデバイスを備えており、コストアップや複雑なシステム構成に至る要因となる。
【0007】
そこで、不具合や環境に起因して通電の停止が行われる場合であっても、適切に住宅設備機器を管理でき、簡素な構成で実現できる管理サーバが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る管理サーバの特徴構成は、運転状態の変更及び通信が可能なリモコンを備えた住宅設備機器を管理する管理サーバであって、前記リモコンから、前記住宅設備機器の運転を停止させる運転停止予定日を示す停止日情報を取得する停止日情報取得部と、取得された前記停止日情報を前記住宅設備機器毎に記憶する記憶部と、前記住宅設備機器の通電が停止される可能性がある停電イベントの発生を示すイベント情報を取得するイベント情報取得部と、現在の日時と前記リモコンと直前に行われた通信の日時との日数差を算定する日数差算定部と、前記イベント情報に基づいて、前記住宅設備機器の通電が停止される可能性がある日を算定する停止予測日算定部と、前記日数差が予め設定された値より大きい場合に、前記記憶部に記憶されている前記停止日情報のうち、前記日数差の算定に用いた前記通信が行われた前記住宅設備機器の前記停止日情報を前記日数差に基づいて補正する補正部と、前記管理する前記住宅設備機器のうち、前記運転停止予定日が前記停止予測日算定部の算定した日を含む前後所定の期間内に含まれる住宅設備機器を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記住宅設備機器の運転停止予定日を、前記所定の期間に含まれる現在からの最短日より前の日に更新する更新部と、を備えている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、住宅設備機器のリモコンと最後に行われた通信の日時から、住宅設備機器のリモコンとの通信状態を判定することができる。また、リモコンとの通信が現在から所定の日数差内で行えていない場合には、通電の停止が予想される日時を中心とする所定の期間内に運転停止予定日が含まれる住宅設備機器の運転停止予定日を、当該所定の期間に含まれる現在からの最短日よりも前の日に変更するので、通電の停止後に住宅設備機器が起動できないといった状況を回避できる。このように、本特徴構成によれば、簡素な構成で、住宅設備機器を適切に管理する管理サーバを実現できる。
【0010】
また、前記更新部は、前記リモコンから前記停止日情報の更新の有無の問い合わせがあった場合に前記運転停止予定日を更新すると好適である。
【0011】
このような構成とすれば、住宅設備機器のリモコンとの通信が可能であることを前提に、運転停止予定日を変更することが可能となる。
【0012】
また、前記イベント情報取得部が前記イベント情報を取得したときに、前記停止日情報取得部が前記リモコンから前記停止日情報を取得できない場合に、前記住宅設備機器の利用者が有する利用者端末に前記停止日情報を取得できないことを示す通信途絶情報を送信する送信部を更に備えると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、リモコンから停止日情報を取得できないことを、利用者端末を介して利用者に明示することができる。これにより、例えば利用者が運転停止予定日を更新することが可能となる。
【0014】
また、前記利用者端末は、前記住宅設備機器の販売者が有する端末であると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、住宅設備機器の販売者に対してリモコンから停止日情報を取得できないことを明示することができるので、例えば販売者が運転停止予定日を更新することが可能となる。
【0016】
また、前記更新部は、前記利用者端末を介して前記住宅設備機器の運転停止予定日を更新させると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、住宅設備機器のリモコンと通信ができない場合であっても、運転停止予定日を更新することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】運転停止予定日を更新する場合の例を示す図である。
【
図3】運転停止予定日を更新しない場合の例を示す図である。
【
図4】運転停止予定日を更新しない場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る管理サーバは、運転状態の変更及び通信が可能なリモコンを備えた住宅設備機器を管理する。本実施形態では住宅設備機器とは住宅に設けられる燃料電池やガスメータ(マイコンメータ)が相当する。燃料電池(例えば固体酸化物形燃料電池)は、改質器において原燃料を改質して生成された水素と酸素を含む空気とを反応させて発電する。燃料電池はこのような発電を継続して行うが、定期的(例えば数日に1回)に発電が停止される運転停止予定日が設定されており、連続運転後に数時間から数日間運転を停止し、再び始動する機能が装備されている。
【0020】
ここで、燃料電池の改質器等のガス機器には商用ガス(例えば都市ガス13A)が供給され、この商用ガスは、一般的に、ガスの漏洩を検知して警報やガス遮断動作等を行う保護機能を備えたガス漏洩検知装置(所謂「ガスメータ」)を介して供給される。
【0021】
ガスメータには種々の安全機能が搭載されているが、その1つとして「所定時間ガスが流れ続けたときに警報を発する機能」がある。これは、例えばゴム管やガス管に損傷がありガスが微量に漏れ続けた場合にガス漏れを検出することを目的としている機能であり、一定時間以上(例えば30日間)の連続したガスの微流出を検知した場合に警報を発するというものである。
【0022】
このような警報が発せられると、警報の解除のため、ガス供給事業者による点検が必要となる場合が多く、また警報の解除には所定時間ガス流量の無い状態が必要とされる。このため、解除作業はユーザーへの負担であることに加え、連続的にガスを使用している燃料電池を一時的に停止させる措置が必要となる。一旦、燃料電池の運転が停止してしまうと定常運転の状態に戻るまでに時間がかかり、特に固体酸化物形燃料電池の場合、停止行程に10時間、再起動行程に2~3時間程度必要となることもある。このため、その間は発電を行うことができない。そこで、本管理サーバは、ガスメータの保護機能を無効にすることなく、停電時に非常用電源として住宅設備機器を運転させることができるように構成される。以下、本実施形態の管理サーバ1について説明する。
【0023】
図1に示されるように、管理サーバ1は、ネットワークを介して、住宅設備機器2の運転状態を変更可能なリモコン2A、住宅設備機器2の販売やメンテナンスを行う業者(「販売者」の一例)が有する端末(利用者端末)3、及び気象予測データが記憶される予報データサーバ4と接続される。
図1の例では、住宅設備機器2及びリモコン2Aが3セット示されているが、4セット以上であっても良いし、3セット未満であっても良い。
【0024】
また、
図1には管理サーバ1の構成を模式的に表したブロック図が示される。
図1に示されるように、管理サーバ1は、停止日情報取得部10、イベント情報取得部11、日数差算定部12、停止予測日算定部13、特定部14、更新部15、送信部16、記憶部17、補正部18を備えて構成され、各機能部は、住宅設備機器2の運転に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0025】
停止日情報取得部10は、リモコン2Aから、住宅設備機器2の運転を停止させる運転停止予定日を示す停止日情報を取得する。リモコン2Aとは、上述したように住宅設備機器2の運転状態を変更可能なデバイスであって、具体的には住宅設備機器2が燃料電池である場合には発電する時間等を設定可能なデバイスにあたる。住宅設備機器2が給湯器を備えている場合には給湯温度の変更や湯の排出を設定することも可能である。このような住宅設備機器2は、運転の計画(運転計画)が予め設定されており、この運転計画には運転が停止される運転停止予定日が含まれ、この運転計画に基づいて運転及び停止が行われる。このような運転計画はリモコン2Aの記憶部(図示せず)に記憶されている。停止日情報取得部10は、このような運転計画をリモコン2Aから取得し、更にこの運転計画から運転が停止される運転予定日を示す停止日情報を取得する。なお、停止日情報取得部10は、リモコン2Aから運転計画を取得することなく、直接、住宅設備機器2から停止日情報を取得するように構成することも可能である。本実施形態では、リモコン2Aから管理サーバ1に対して、定期的(例えば1日毎)に停止日情報が送られてくるように構成されているため、停止日情報取得部10は当該定期的に停止日情報を取得することになる。
【0026】
記憶部17は、取得された停止日情報を住宅設備機器2毎に記憶する。取得された停止日情報とは、上述した停止日情報取得部10により住宅設備機器2から取得されたものである。住宅設備機器2毎に記憶するとは、
図1に示されるように管理サーバ1が複数の住宅設備機器2の運転を管理する場合には、例えば住宅設備機器2を識別可能な識別情報と関連付けて停止日情報を記憶することを意味する。もちろん、住宅設備機器2毎に記憶領域を設けておき、取得された停止日情報を対応する住宅設備機器2の記憶領域に記憶するように構成しても良い。上述したように、停止日情報取得部10は定期的に停止日情報を取得することから、記憶部17には定期的に停止日情報が記憶される。
【0027】
イベント情報取得部11は、住宅設備機器2の通電が停止される可能性がある停電イベントの発生を示すイベント情報を取得する。住宅設備機器2の通電が停止される可能性があるとは、停電が発生する可能性であって、必ずしも将来的に停電が発生するということではなく、停電が発生すると考えらえる程度で良い。このような停電イベントとは、例えば台風や暴風雨の接近や、竜巻の接近や、雷の発生等が相当する。また、例えば地震の発生を予測できるようになった場合には、地震の発生を含んでも良い。本実施形態では、停電イベントとして、台風の接近を例に挙げて説明する。この場合、停電イベントの発生を示すイベント情報とは、台風の接近を示す天気予報が相当する。このような天気予報に係る情報(予報データ)の取得については、天気予報に係る情報を提供して記憶している予報データサーバ4から取得することができるが、この方法に限定されるものではなく、予報データサーバ4から住宅設備機器が取得した前記予報データを管理サーバが受信しても良いし、予報データサーバ以外に計画停電情報などを通知する外部イベント検知システムから管理サーバが直接、または住宅設備機器を経由して取得しても良い。
【0028】
日数差算定部12は、現在の日時とリモコン2Aと直前に行われた通信の日時との日数差を算定する。現在の日時は、例えば管理サーバ1に時計を内蔵して起き、この時計から取得しても良いし、例えばGPSアンテナを内蔵しておき、衛星から取得しても良い。リモコン2Aと直前に行われた通信の日時とは、リモコン2Aと最も近々に行われた通信の日時である。このような通信は、停止日情報取得部10がリモコン2Aから停止日情報を取得した日時(リモコン2Aから運転計画を取得する場合にあっては、運転計画を取得した日時)だけでなく、それ以外に行われた通信の日時も含まれる。それ以外に行われた通信とは、例えばリモコン2Aから定期的(例えば1日毎)に伝達される住宅設備機器2の運転状況を示す運転情報等の通信が相当する。このような運転情報も上述した記憶部17に記憶しておくと好適である。したがって、日数差算定部12は、記憶部17に記憶されている停止日情報や運転情報等に基づき、現在の日時と、リモコン2Aと最も近々に行われた通信の日時との日数差を算定する。日数差算定部12による算定結果は後述する特定部14に伝達される。
【0029】
停止予測日算定部13は、イベント情報に基づいて住宅設備機器2の通電が停止される可能性がある日を算定する。イベント情報とは、イベント情報取得部11により取得されたイベント情報であって、本実施形態では予報データサーバ4から取得された停電が発生すると考えらえる台風の接近を示す予報データが相当する。住宅設備機器2の通電が停止される可能性がある日とは、住宅設備機器2が備えられている住宅が建てられている地域に台風が達する日時、好ましくは台風の暴風圏内に住宅設備機器2が備えられている住宅が含まれる日時である。したがって、停止予測日算定部13は、予報データサーバ4から取得された停電が発生すると考えらえる台風の接近を示す予報データに基づいて、台風の暴風圏内に住宅設備機器2が備えられている住宅が含まれる日時を算定する。停止予測日算定部13により算定結果は、後述する特定部14に伝達される。
【0030】
補正部18は、日数差が予め設定された値より大きい場合に、記憶部17に記憶されている停止日情報のうち、日数差の算定に用いた通信が行われた住宅設備機器2の停止日情報を日数差に基づいて補正する。日数差とは、上述した日数差算定部12により算定された結果である。本実施形態では、上述したように停止日情報や運転情報は1日毎に、リモコン2Aから管理サーバ1に送られてくる。予め設定された値とは、このようなリモコン2Aから管理サーバ1に定期的に送られてくる日数(例えば1日)である。そこで、補正部18は、この日数差が1(1日)よりも大きいか否かを判定する。ここで、日数差が1(1日)よりも大きいとは、予め設定された日毎に通信が行えていない状態を意味する。そこで、補正部18は、予め設定された日毎に通信が行えていない状態の住宅設備機器2から取得された停止日情報を、日数差だけ減じるように補正する。すなわち、リモコン2Aとの最後の通信が、2日前に行われていた場合には、日数差が1日となることから、補正部18は当該リモコン2Aから2日前に取得され、記憶部17に記憶されている停止日情報を日数差(ここでは1)だけ減じて補正する。なお、日数差は2以上に設定することも可能である。
【0031】
特定部14は、管理する住宅設備機器2のうち、運転停止予定日が停止予測日算定部13の算定した日を含む前後所定の期間内に含まれる住宅設備機器2を特定する。管理する住宅設備機器2とは、管理サーバ1が管理する住宅設備機器2である。運転停止予定日とは、記憶部17に記憶されている停止情報により示される住宅設備機器2の運転が停止する日である。この運転停止予定日は、補正部18のより補正されたもの及び補正部18により補正されなかったものの双方を含む。停止予測日算定部13の算定した日とは、停止予測日算定部13により算定された、台風の暴風圏内に住宅設備機器2が備えられている住宅が含まれる日時である。このため、停止予測日算定部13の算定した日を含む前後所定の期間とは、住宅設備機器2の運転停止予定日を中心として前後数日の期間であって、例えば前後2日程度とすると好適である。もちろん、この2日は適宜変更可能である。
【0032】
したがって、特定部14は、管理サーバ1が管理する住宅設備機器2のうち、記憶部17に記憶されている停止情報により示される住宅設備機器の運転が停止する日が、停止予測日算定部13により算定された、台風の暴風圏内に住宅設備機器2が備えられている住宅が含まれる日時と住宅設備機器2の運転計画に示される運転停止予定日を中心として前後2日間に含まれる住宅設備機器2を特定する。特定部14による住宅設備機器2の特定は、例えば管理サーバ1が管理する住宅設備機器2を列挙したリストから、該当する住宅設備機器2を抽出するように構成しても良い。
【0033】
更新部15は、特定部14により特定された住宅設備機器2の運転停止予定日を、所定の期間に含まれる現在からの最短日より前の日に更新する。特定部14により特定された住宅設備機器2とは、運転停止予定日を中心として前後2日間に運転停止予定日が含まれる住宅設備機器2である。所定の期間とは、本実施形態では住宅設備機器2の運転停止予定日を中心として前後2日間である。所定の期間に含まれる現在からの最短日より前の日とは、住宅設備機器2の運転停止予定日を中心として前後2日間に含まれる最も現在に近い日より前の日(例えば前日)が相当する。したがって、更新部15は、運転停止予定日を中心として前後2日間に運転停止予定日が含まれる住宅設備機器2の運転停止予定日を、住宅設備機器2の運転停止予定日を中心として前後2日間に含まれる最も現在に近い日よりも前の日に更新する。この前の日は、当日(すなわち、本日を運転停止予定日とする)としても良いし、運転停止予定日の2日前としても良い。もちろん、3日以上前であっても良い。
【0034】
このように構成することで、例えば住宅設備機器2が運転停止予定日に運転を停止した後、再始動する際に、台風の接近に伴って停電が発生し再始動できないといった状況を回避することが可能となる。
【0035】
また、更新部15は、リモコン2Aから停止日情報の更新の有無の問い合わせがあった場合に運転停止予定日を更新するように構成することも可能である。停止日情報取得部10は、リモコン2Aから停止日情報を取得するとして説明したが、リモコン2Aは定期的に管理サーバ1と相互に情報の伝達を行うことが想定される。この場合、リモコン2Aが情報の伝達を行う場合に、管理サーバ1に対して停止日情報の更新の有無を問い合わせるように構成すると良い。これにより、リモコン2Aから管理サーバ1への問い合わせが所定期間(例えば5日)以上なければ、管理サーバ1は当該リモコン2Aに対応する住宅設備機器2の運転停止予定日の更新をしないようにすることができる。係る場合、例えば移設や使用中断中などの理由によりリモコン2Aが通信できないときには住宅設備機器2の管理はしなくて良いので、不要な通信や処理を行うことを防止できる。
【0036】
また、リモコン2Aから停止日情報の更新の有無の問い合わせがあった場合において、更新部15が停止日情報の更新をしようとした際に、何らかの事情で更新部15が停止日情報の更新をできないことも想定される。この場合、更新部15は、住宅設備機器2の販売者が有する端末3を介して住宅設備機器2の運転停止予定日を更新させるように構成することも可能である。これにより、更新部15が直接、リモコン2Aと通信が行えない場合であっても、端末3を介して運転停止予定日を更新することが可能となる。この場合、端末3を有する販売者が、リモコン2Aが設置されている住宅へ行き、例えばリモコン2Aと直接、通信線で接続して更新するようにしても良いし、リモコン2Aと近距離無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)やBLUETOOTH(登録商標)等)による接続を行って更新するようにしても良い。
【0037】
また、利用者端末は、住宅設備機器2を利用する利用者の端末であっても良い。この場合、更新部15は、利用者の端末に例えば電話回線を介して運転停止予定日を更新するソフトウェアを伝達し、利用者が端末とリモコン2Aとを上述した近距離無線通信で接続して更新するようにすることも可能である。
【0038】
次に、
図2-
図4を用いて、運転停止予定日を更新する場合と更新しない場合との例を説明する。なお、
図2-
図4では、理解を容易にするために、横軸を時間軸として示している。
【0039】
図2は、運転停止予定日を更新する場合の例である。まず、停止日情報取得部10によりリモコン2Aから停止日情報が取得される。
図2では取得された停止日情報に示される運転停止予定日が#1で示される。なお、この運転停止予定日は、リモコン2Aとの直前の通信日時に基づき補正部18により補正されたものであっても良い。次に、イベント情報取得部11により予報データが取得される。
図2では取得された予報データに示される台風の到達日(到達予想日)が#2で示される。
【0040】
特定部14により、台風の到達日の前後1日の間に運転停止予定日が含まれる住宅設備機器2が特定される(#3)。
図2の例では、台風の到達日の前後1日の間に運転停止予定日が含まれることから、更新部15により台風の到達日の前後1日の期間における現在からの最短日より前の日(
図2の例では、台風到達日の2日前)に運転停止予定日が更新される(#4)。これにより、住宅設備機器2が台風の到達前に運転を停止し、更に再始動することが可能となる。
【0041】
一方、
図3に示されるように、停止日情報取得部10によりリモコン2Aから停止日情報が取得され(#1)(停止日情報は、リモコン2Aとの直前の通信日時に基づき補正部18により補正されたものであっても良い)、イベント情報取得部11により予報データが取得された場合において(#2)、台風の到達日の前後1日の間に運転停止予定日が含まれない(台風の到達日の前後1日より前に運転停止予定日がある)ときは、住宅設備機器2が台風の到達前に運転を停止し、更に再始動することができるため、更新部15により運転停止予定日の更新は行われない。
【0042】
同様に、
図4に示されるように、停止日情報取得部10によりリモコン2Aから停止日情報が取得され(#1)(停止日情報は、リモコン2Aとの直前の通信日時に基づき補正部18により補正されたものであっても良い)、イベント情報取得部11により予報データが取得された場合において(#2)、台風の到達日の前後1日の間に運転停止予定日が含まれない(台風の到達日の前後1日より日後に運転停止予定日がある)ときは、住宅設備機器2が台風の到達後に運転を停止し、更に再始動することができるため、更新部15により運転停止予定日の更新は行われない。
【0043】
このように管理サーバ1は、運転停止予定日と台風の到達日を基準とした前後所定の期間との関係において、運転停止予定日を更新するか否かを決定し、台風の到達に伴い停電が発生した場合でも、住宅設備機器2が運転を継続できるように構成される。
【0044】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、更新部15は、リモコン2Aから停止日情報の更新の有無の問い合わせがあった場合に運転停止予定日を更新するとして説明したが、更新部15は、リモコン2Aからの更新の有無の問い合わせに関わらず運転停止予定日の更新を行うように構成することも可能である。
【0045】
上記実施形態では、イベント情報取得部11がイベント情報を取得したときに、停止日情報取得部10がリモコン2Aから停止日情報を取得できない場合に、住宅設備機器2の利用者が有する利用者端末に停止日情報を取得できないことを示す通信途絶情報を送信する送信部16を備えているとして説明したが、管理サーバ1は送信部16を備えずに構成することも可能である。
【0046】
上記実施形態では、利用者端末は、住宅設備機器2の販売者が有する端末であるとして説明したが、利用者端末は、住宅設備機器2のメンテナンスのみを行う業者が有する端末であって良い。
【0047】
上記実施形態では、更新部15は、利用者端末を介して住宅設備機器2の運転停止予定日を更新させるとして説明したが、更新部15は、利用者端末を介した住宅設備機器2の運転停止予定日の更新ができないように構成することも可能である。
【0048】
上記実施形態では、特定部14は、運転停止予定日が停止予測日算定部13の算定した日を含む前後1日の間に含まれる住宅設備機器2を特定するとして説明した。特定部14は、運転停止予定日が停止予測日算定部13の算定した日を含む前後2日以上の間に含まれる住宅設備機器2を特定するように構成することも可能である。これにより、住宅設備機器2の運転が停止された後、再始動する際に、時間を要する場合であっても、住宅設備機器2を確実に再始動させることが可能となる。また、運転停止予定日が停止予測日算定部13の算定した日を含む前後の期間は、住宅設備機器2の運転が停止された後、再始動する際に、時間を要する期間に応じて設定すると好適である。
【0049】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、住宅設備機器を管理する管理サーバに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1:管理サーバ
2:住宅設備機器
2A:リモコン
3:端末
10:停止日情報取得部
11:イベント情報取得部
12:日数差算定部
13:停止予測日算定部
14:特定部
15:更新部
16:送信部
17:記憶部
18:補正部