(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】飛行支援装置、飛行システム、飛行支援方法および飛行支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
G08G5/00 A
(21)【出願番号】P 2021072702
(22)【出願日】2021-04-22
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】藤山 直之
(72)【発明者】
【氏名】今津 智成
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/146580(WO,A1)
【文献】特開2020-118657(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189607(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の飛行経路を決定する飛行支援装置であって、
前記航空機の出発地と目的地とを含み前記航空機の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を取得する飛行要求取得部と、
前記航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を取得する観測要求取得部と、
前記観測要求情報に対応する観測データ周期または観測日時に基づき、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであるか否かを判断し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであると判断した場合に、前記飛行要求情報と前記観測要求情報とを用いて、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する前記飛行要求情報を選択し、選択した前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を
当該飛行要求情報および前記観測要求情報に基づいて決定するとともに、選択されなかった前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングでないと判断した場合に、前記飛行要求情報に基づいて前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定する経路決定部と、
を備えることを特徴とする飛行支援装置。
【請求項2】
前記観測要求情報は、観測対象を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の飛行支援装置。
【請求項3】
前記航空機が飛行する主要な経路である幹線経路を示す情報を記憶する幹線経路記憶部、
を備え、
前記経路決定部は、前記出発地と前記目的地とを用いて、前記飛行要求情報に対応する飛行において用いられる前記幹線経路のうち当該飛行で用いられる区間である幹線ルート区間を決定し、決定した前記幹線ルート区間を飛行することで前記観測対象を観測できる1つ以上の前記飛行要求情報を、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす前記飛行要求情報として選択することを特徴とする請求項2に記載の飛行支援装置。
【請求項4】
前記経路決定部は、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす前記飛行要求情報に対応する前記飛行経路が、当該観測要求を満たす飛行箇所を含むように前記飛行経路を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の飛行支援装置。
【請求項5】
前記幹線経路は
、鉄道線路上
空を含むことを特徴とする請求項3に記載の飛行支援装置。
【請求項6】
前記幹線経路は、河川上空を含むことを特徴とする請求項
3に記載の飛行支援装置。
【請求項7】
前記観測対象は、河川を含むことを特徴とする請求項6に記載の飛行支援装置。
【請求項8】
前記観測対象は、堤防、橋梁および中洲のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の飛行支援装置。
【請求項9】
前記センサは、画像を取得するカメラ、および三次元データを取得可能なレーザのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の飛行支援装置。
【請求項10】
前記観測要求情報は、前記センサによる観測により得られるセンサデータの取得周期を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の飛行支援装置。
【請求項11】
前記センサデータを保持し、保持している前記センサデータと取得された前記センサデータとを用いて変化のあった変化点を抽出し、抽出した変化点の変化量が閾値以上の場合に当該変化点を重点観測点として設定するセンサデータ処理部、
を備え、
前記経路決定部は、前記重点観測点が設定されると
、前記重点観測点を観測可能な飛行に対応する前記飛行要求情報を選択し、選択された前記飛行要求情報に対応する飛行経路を決定することを特徴とする請求項10に記載の飛行支援装置。
【請求項12】
前記飛行要求情報を用いて前記飛行要求情報に対応する前記航空機を選択する航空機決定部と、
前記航空機決定部により選択された前記航空機へ対応する前記飛行経路を送信する経路出力部と、
を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の飛行支援装置。
【請求項13】
前記観測要求情報は、取得を要求するデータ種別を含み、
前記航空機決定部は、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす前記飛行要求情報として選択された前記飛行要求情報に対応する前記航空機を、当該観測要求情報に含まれる前記データ種別を用いて前記データ種別に対応するデータを取得可能な前記センサを搭載した前記航空機のなかから選択することを特徴とする請求項12に記載の飛行支援装置。
【請求項14】
前記観測要求情報は、
指定される観測モードを含み、
前記観測モードは、広域モードおよび高分解能モードを含み、
前記経路決定部は、前記観測要求情報に含まれる前記
観測モードを用いて前記飛行経路の高度を決定することを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の飛行支援装置。
【請求項15】
前記観測モードは、下向きの広域モード、下向きの高分解能モードおよび上向きの高分解能モードを含むことを特徴とする請求項14に記載の飛行支援装置。
【請求項16】
前記航空機は無人航空機であることを特徴とする請求項1から1
5のいずれか1つに記載の飛行支援装置。
【請求項17】
前記飛行要求情報は、物流のための飛行要求を示す情報であることを特徴とする請求項1
6に記載の飛行支援装置。
【請求項18】
航空機と、
前記航空機の飛行経路を決定する飛行支援装置と、
前記飛行支援装置に前記航空機の飛行に関する要求を示す飛行ユーザ要求情報を送信する第1ユーザ端末と、
前記飛行支援装置に前記航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測ユーザ要求情報を送信する第2ユーザ端末と、
を備え、
前記飛行支援装置は、
前記飛行ユーザ要求情報を用いて前記航空機の出発地と目的地とを含み前記航空機の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を生成する飛行要求取得部と、
前記観測ユーザ要求情報を用いて、前記センサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を生成する観測要求取得部と、
前記観測要求情報に対応する観測データ周期または観測日時に基づき、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであるか否かを判断し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであると判断した場合に、前記飛行要求情報と前記観測要求情報とを用いて、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する前記飛行要求情報を選択し、選択した前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を
当該飛行要求情報および前記観測要求情報に基づいて決定するとともに、選択されなかった前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングでないと判断した場合に、前記飛行要求情報に基づいて前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定する経路決定部と、
を備えることを特徴とする飛行システム。
【請求項19】
航空機の飛行経路を決定する飛行支援装置における飛行支援方法であって、
前記航空機の出発地と目的地とを含み前記航空機の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を取得するステップと、
前記航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を取得するステップと、
前記観測要求情報に対応する観測データ周期または観測日時に基づき、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであるか否かを判断し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであると判断した場合に、前記飛行要求情報と前記観測要求情報とを用いて、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する前記飛行要求情報を選択し、選択した前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を
当該飛行要求情報および前記観測要求情報に基づいて決定するとともに、選択されなかった前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングでないと判断した場合に、前記飛行要求情報に基づいて前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定するステップと、
を含むことを特徴とする飛行支援方法。
【請求項20】
航空機の飛行経路を決定するコンピュータシステムに、
前記航空機の出発地と目的地とを含み前記航空機の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を取得するステップと、
前記航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を取得するステップと、
前記観測要求情報に対応する観測データ周期または観測日時に基づき、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであるか否かを判断し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであると判断した場合に、前記飛行要求情報と前記観測要求情報とを用いて、前記観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する前記飛行要求情報を選択し、選択した前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を
当該飛行要求情報および前記観測要求情報に基づいて決定するとともに、選択されなかった前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングでないと判断した場合に、前記飛行要求情報に基づいて前記飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定するステップと、
を実行させることを特徴とする飛行支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機の飛行経路の決定を支援する飛行支援装置、飛行システム、飛行支援方法および飛行支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔操作される無人航空機(ドローン)が、空撮、測量などさまざまな用途に用いられており、今後、物流におけるドローンの利用の実用化も期待されている。ドローンに限らず、ユーザからの要求に応じて飛行する航空機は、ユーザの要求に応じて飛行経路が決定される。
【0003】
特許文献1には、建築物が無く平坦であり人が存在する可能性の低い河川上の経路を航空機の飛行経路の候補とし、雷、雹、濃霧といった気象条件、河川において計測されている水位などがあらかじめ定められた条件を満たせば、飛行経路として自動的に河川上の経路を選択する飛行支援システムが開示されている。特許文献1に記載の飛行支援システムは、飛行経路として河川上の経路をできるだけ選択するようにすることで、障害物などが少ない飛行経路を自動的に設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、物流、旅客、空撮などの目的で運行される航空機が他の用途で利用可能な場合がある。例えば、物流用のドローンに観測用のセンサを搭載し、ドローンに搭載されてセンサで観測されたデータを利用するといったことが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、飛行経路の設定において本来の飛行の目的しか考慮されておらず、他の用途に適した飛行経路を選択することはできないという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、航空機の飛行の目的以外の他の用途に適した飛行経路を設定することができる飛行支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる飛行支援装置は、航空機の飛行経路を決定する飛行支援装置であって、航空機の出発地と目的地とを含み航空機の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を取得する飛行要求取得部と、航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を取得する観測要求取得部と、観測要求情報に対応する観測データ周期または観測日時に基づき、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであるか否かを判断し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングであると判断した場合に、飛行要求情報と観測要求情報とを用いて、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する飛行要求情報を選択し、選択した飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報および観測要求情報に基づいて決定するとともに、選択されなかった飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定し、観測要求に基づく飛行経路の決定タイミングでないと判断した場合に、飛行要求情報に基づいて飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を当該飛行要求情報に基づいて決定する経路決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、航空機の飛行の目的以外の他の用途に適した飛行経路を設定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる飛行支援装置を含む飛行システムの構成例を示す図
【
図2】実施の形態1の飛行支援装置における飛行支援処理手順の一例を示すフローチャート
【
図3】実施の形態1の飛行ユーザ要求情報の一例を示す図
【
図4】実施の形態1の飛行ユーザ要求情報の別の一例を示す図
【
図5】実施の形態1の観測ユーザ要求情報の一例を示す図
【
図6】実施の形態1の観測ユーザ要求情報の別の一例を示す図
【
図7】実施の形態1の観測対象と観測データ取得周期との対応を示す対応情報の一例を示す図
【
図8】実施の形態1の観測対象と観測区間との対応を示す対応情報の一例を示す図
【
図9】実施の形態1の観測対象とデータ種別との対応を示す対応情報の一例を示す図
【
図10】観測対象として河川が指定された場合の実施の形態1のセンサにより観測される範囲の一例を示す図
【
図11】観測対象が橋梁の場合の実施の形態1の航空機の各飛行経路の一例を示す図
【
図12】センサの視野と高度との関係を模式的に示す図
【
図13】実施の形態1の観測要求情報に対応した飛行要求情報の選択処理手順の一例を示すフローチャート
【
図15】実施の形態1の幹線経路および飛行経路の一例を示す図
【
図16】実施の形態1の観測履歴情報の一例を示す図
【
図18】実施の形態1の飛行支援装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
【
図19】実施の形態1の変形例にかかる飛行支援装置における飛行支援処理手順の一例を示すフローチャート
【
図20】実施の形態2にかかる飛行支援装置を含む飛行システムの構成例を示す図
【
図21】実施の形態2の飛行支援装置における飛行支援処理手順の一例を示すフローチャート
【
図22】実施の形態2の重点観測点の設定処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる飛行支援装置、飛行システム、飛行支援方法および飛行支援プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる飛行支援装置を含む飛行システムの構成例を示す図である。本実施の形態の飛行システム1は、飛行支援装置2、データ利用ユーザ端末3,6、航空機飛行ユーザ端末4および航空機5を備える。
【0012】
航空機5は、例えば、ドローンであるが、これに限定されず、有人、無人のいずれの航空機であってもよい。本実施の形態の航空機5は、航空機5の飛行の目的以外の他の用途に利用可能である。航空機5の飛行の目的は、例えば、物流、空撮、測量、旅客であるがこれらに限定されない。他の用途は、例えば、航空機5に搭載されたセンサ54による観測である。以下、他の用途が、航空機5に搭載されたセンサ54による観測である場合を例に挙げて説明する。センサ54による観測は、例えば、河川管理、防災、減災のための河川の観測、鉄道をはじめとした設備の管理のための観測、災害発生後の状況の把握のための観測、環境状態の把握のための観測、気象状態の把握のための観測などが例示できるが、これらに限定されない。センサ54による観測では、例えば、変化を把握するために定期的なデータの取得が要求されるが、観測に対する要求は定期的な取得に限定されず、例えば、災害発生後に特定の場所の状態を把握するためなど定期的ではない要求も含んでいてもよい。センサ54は、例えば、可視、赤外などの画像を取得するカメラ、および三次元データを取得可能なレーザのうちの少なくとも一方を含む。センサ54は、これに限定されず、二次元データおよび三次元データを取得可能なレーザ、気体の濃度を検出するセンサ、風速センサ、温度センサ、湿度センサのうちの少なくとも1つを含んでいてもよく、これらに限定されない。
【0013】
航空機飛行ユーザ端末4は、航空機5の飛行の目的に対応する利用者によって操作される端末であり、航空機5の飛行に関する要求を示す飛行ユーザ要求情報を飛行支援装置2へ送信する。例えば、飛行の目的が物流であれば、物流を管理する運用者によって航空機飛行ユーザ端末4が操作され、目的が空撮であれば、空撮の要求元の利用者によって航空機飛行ユーザ端末4が操作される。なお、航空機5の飛行の目的は、単一であっても複数のなかから選択可能であってもよい。以下では、航空機5の飛行の目的は、各利用者が複数の目的のなかから選択可能であるとして説明するが、例えば、航空機5の飛行の目的は物流に固定されているなどのように、単一であってもよい。航空機飛行ユーザ端末4は、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【0014】
データ利用ユーザ端末3は、航空機5による観測を利用する利用者によって操作される端末であり、航空機5のセンサ54による観測に関する要求を示す観測ユーザ要求情報を飛行支援装置2へ送信する。センサ54による観測は、上述したようにさまざまな目的のいずれであってもよいが、例えば、河川管理のための観測を要求する場合、データ利用ユーザ端末3は河川管理者となる組織における運用者により操作される端末である。データ利用ユーザ端末6は、航空機5に搭載されたセンサ54によって観測されたデータを受信する端末である。データ利用ユーザ端末6は、データ利用ユーザ端末3と同じ組織によって管理され、観測されたデータを処理する端末であってもよいし、データ利用ユーザ端末3と同じ組織であるか否かにかかわらず、一般の利用者の端末であってもよい。なお、
図1では、データ利用ユーザ端末3とデータ利用ユーザ端末6との両方が航空機5に搭載されたセンサ54によって観測されたデータを受信する例を示しているがいずれか一方が航空機5に搭載されたセンサ54によって観測されたデータを受信するようにしてもよい。データ利用ユーザ端末3,6は、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【0015】
以下、本実施の形態では、各航空機5が、観測ユーザ要求情報によって要求されるデータ種別である観測データ種別の全てのデータを取得可能なようにセンサ54が搭載されているとする。例えば、カメラ画像と三次元データとのデータ種別の指定が可能な場合には、センサ54は複数であり、カメラと三次元データを取得するレーザとを含む。
【0016】
飛行支援装置2は、航空機5の飛行経路を決定する。詳細には、飛行支援装置2は、航空機飛行ユーザ端末4から受信する飛行ユーザ要求情報と、データ利用ユーザ端末3から受信する観測ユーザ要求情報とを用いて、航空機5の飛行の目的に適し、かつ観測の要求に応じた飛行経路を設定する。このため、本実施の形態の飛行支援装置2は、航空機5の飛行の目的以外の他の用途に適した飛行経路を設定することができる。
【0017】
なお、
図1に示した例では、データ利用ユーザ端末3,6および航空機飛行ユーザ端末4をそれぞれ1台ずつ図示しているが、これらの数に制約はなく、データ利用ユーザ端末3,6および航空機飛行ユーザ端末4はそれぞれ複数台であってもよい。また、
図1では、航空機5を1機図示しているが、飛行支援装置2が飛行経路を設定することが可能な航空機5の数も制約はなく、飛行支援装置2が飛行経路を設定することが可能な航空機5は複数機であってもよい。以下、飛行支援装置2が飛行経路を設定する航空機5が複数機である例を説明する。
【0018】
図1に示すように、飛行支援装置2は、飛行要求取得部21、地図情報記憶部22、幹線経路記憶部23、経路出力部24、航空機決定部25、経路決定部26、観測要求取得部27、センサデータ取得部28、センサデータ処理部29およびセンサデータ出力部30を備える。
【0019】
飛行要求取得部21は、航空機飛行ユーザ端末4から飛行ユーザ要求情報を受信し、飛行ユーザ要求情報を用いて、航空機5の出発地と目的地とを含み航空機5の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を生成することで飛行要求情報を取得する。飛行要求取得部21は、飛行要求情報を航空機決定部25および経路決定部26へ出力する。飛行ユーザ要求情報は、上述したように航空機5の飛行に関する要求を示す情報であり、少なくとも目的地および飛行要求識別情報を含む。飛行要求識別情報は、飛行要求を識別するための識別情報であり、航空機飛行ユーザ端末4によって付与されてもよいし、飛行要求取得部21が飛行ユーザ要求情報を受信してから付与してもよい。飛行要求取得部21が飛行要求識別情報を付与する場合には、飛行要求取得部21は飛行要求識別情報をデータ利用ユーザ端末3へ通知する。飛行要求情報は、飛行ユーザ要求情報に対応する航空機5と飛行経路とを決定するために用いられる情報である。飛行ユーザ要求情報および飛行要求情報の詳細については後述する。
【0020】
地図情報記憶部22は、航空機5が飛行することが想定される範囲内の地図情報を記憶する。幹線経路記憶部23は、航空機5が飛行する主要な経路である幹線経路を示す情報を記憶する。幹線経路は、地図情報記憶部22に記憶されている範囲内の経路でありあらかじめ設定される。幹線経路は、航空機5の飛行に適した経路であり航空機5の往来の多い経路である。具体的には、幹線経路は、例えば、航空機5がドローンの場合には、幹線経路は、河川上空および鉄道線路上空のうちの少なくとも1つである。航空機5が有人航空機の場合には、例えば主要航空路として定められている経路である。また、幹線経路は、例えば、航空機5がドローンの場合には、災害時などに通行止めになった高速道路の上空の経路が含まれていてもよいし、電線の上空の経路が含まれていてもよい。
【0021】
観測要求取得部27は、データ利用ユーザ端末3から観測ユーザ要求情報を受信し、観測ユーザ要求情報を用いて、航空機5に搭載されるセンサ54による観測に関する要求を示す観測要求情報を生成することで、観測要求情報を取得する。観測要求取得部27は、観測要求情報を経路決定部26へ出力する。観測ユーザ要求情報は、上述したように航空機5のセンサ54による観測に関する要求を示す情報であり、少なくとも観測対象すなわち観測対象を示す情報と観測要求識別情報を含む。観測要求識別情報は、観測要求を識別するための識別情報であり、データ利用ユーザ端末3によって付与されてもよいし、観測要求取得部27が観測ユーザ要求情報を受信してから付与してもよい。観測要求取得部27が観測要求識別情報を付与する場合には、観測要求取得部27は観測要求識別情報をデータ利用ユーザ端末3へ通知する。観測要求情報は、対応する観測要求を実行するために用いられる飛行要求情報を選択するために用いられる情報である。観測ユーザ要求情報および観測要求情報の詳細については後述する。
【0022】
航空機決定部25は、飛行要求取得部21から受け取った飛行要求情報を用いて飛行要求情報に対応する要求に割当てる航空機5を決定し、決定結果を経路出力部24へ通知する。経路決定部26は、飛行要求情報と観測要求情報とを用いて、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する飛行要求情報を選択し、選択した飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を決定する。詳細には、経路決定部26は、飛行要求取得部21から受け取った飛行要求情報と、観測要求取得部27から受け取った観測要求情報とを用いて、観測要求を実行するために用いられる飛行要求情報を選択するとともに、選択した飛行要求情報に対応する要求を満たしかつ対応する観測要求を満たす飛行経路および出発時間を決定し、決定結果を対応する観測要求識別情報と当該観測要求識別情報に割当てられた航空機5の識別情報とともに経路出力部24へ通知する。経路決定部26は、飛行要求情報決定部261および飛行経路決定部262を備える。飛行要求情報決定部261および飛行経路決定部262の動作については後述する。
【0023】
経路出力部24は、航空機決定部25による決定結果と経路決定部26による決定結果とに基づいて、飛行要求情報に対応する要求に割当てられた航空機5に、当該飛行要求情報に対応する飛行経路を送信する。また、経路出力部24は、観測要求識別情報と当該観測要求識別情報に割当てられた航空機5の識別情報と飛行経路と出発時間とをセンサデータ処理部29へ通知する。なお、出発時刻の代わりに、飛行する便を示す識別情報が用いられてもよい。
【0024】
センサデータ取得部28は、航空機5からセンサ54によって観測されたデータであるセンサデータを受信し、受信したセンサデータを航空機5の識別情報および出発時間を示す情報とともに、センサデータ処理部29へ出力する。センサデータ処理部29は、センサデータ取得部28から受け取ったセンサデータを、航空機5の識別情報および出発時間を基に、経路出力部24から通知された観測要求識別情報と対応づけ、観測要求識別情報に対応づけたセンサデータをセンサデータ出力部30へ出力する。
【0025】
センサデータ出力部30は、データ利用ユーザ端末3へ、観測要求識別情報とともにセンサデータを送信する。なお、データ利用ユーザ端末3が複数設けられる場合には、観測ユーザ要求情報の送信元のデータ利用ユーザ端末3と観測要求識別情報との対応を観測要求取得部27が保持しておき、データ利用ユーザ端末3と観測要求識別情報との対応についても、経路決定部26および経路出力部24を介して観測要求取得部27からセンサデータ出力部30へ通知される。または、データ利用ユーザ端末3と観測要求識別情報との対応は、観測要求取得部27からセンサデータ出力部30へ直接通知されてもよい。また、センサデータ出力部30は、センサデータをデータ利用ユーザ端末6へ送信してもよい。なお、上述したように、データ利用ユーザ端末3およびデータ利用ユーザ端末6のうちの少なくとも一方にセンサデータが送信されればよいため、センサデータ出力部30は、データ利用ユーザ端末3およびデータ利用ユーザ端末6のいずれか一方にセンサデータを送信してもよい。
【0026】
航空機5は、
図1に示すように、経路取得部51、制御部52、センサデータ出力部53およびセンサ54を備える。なお、航空機5は飛行に必要な機構など図示しない構成要素も備えているが、
図1では、本実施の形態の飛行経路の決定に関する構成要素を図示している。
【0027】
経路取得部51は、飛行支援装置2から飛行経路を受信し受信した飛行経路を制御部52へ出力する。制御部52は、経路取得部51から受け取った飛行経路を用いて、航空機5の飛行を制御するとともに、センサ54へデータの取得を指示する。センサ54は、制御部52からの指示に基づいて観測を行い、観測により得られたデータであるセンサデータをセンサデータ出力部53へ出力する。センサデータ出力部53は、センサデータを航空機5の識別情報とともに飛行支援装置2へ送信する。
【0028】
次に、本実施の形態の飛行支援装置2の動作について説明する。
図2は、本実施の形態の飛行支援装置2における飛行支援処理手順の一例を示すフローチャートである。飛行要求取得部21は、例えば、一定期間ごとに、
図2に示した処理を実施する。飛行要求取得部21は、例えば、その時点から準備時間Δt後の時刻を開始時刻とし、開始時刻から一定期間先までの一定期間分の航空機5の飛行の計画を作成する。すなわち、飛行要求取得部21は、一定期間ごとに、開始時刻から一定期間先までの航空機5の飛行経路を決定する。一定期間は、例えば、1時間、半日などであるが、飛行システム1における飛行ユーザ要求情報の発生頻度、観測ユーザ要求情報における観測データの取得頻度の要求などに応じて適宜定められればよい。
【0029】
図2に示すように、飛行支援装置2は、出発地と目的地とを含む飛行要求情報を取得する(ステップS1)。詳細には、飛行要求取得部21が、航空機飛行ユーザ端末4から飛行ユーザ要求情報を受信し、飛行ユーザ要求情報を用いて飛行要求情報を生成することで、飛行要求情報を取得し、飛行要求情報のうち、開始時刻から一定期間先までを出発時刻とする飛行要求情報を抽出して航空機決定部25および経路決定部26へ出力する。飛行要求取得部21は、航空機決定部25および経路決定部26へ出力しなかった飛行要求情報を保持する。数日以上先の飛行の要求など飛行要求情報のなかには、かなり先の飛行要求情報を受信する場合もあるため、ここでは、このように、飛行の要求の日時が計画の作成対象より後の場合には、当該要求の処理は後で実施することにする。なお、飛行要求取得部21は、これに限らず、一定期間ごとに、一定期間内に取得した飛行要求情報を全て航空機決定部25および経路決定部26へ出力し、一旦仮に航空機5および飛行経路を決定し、観測ユーザ要求情報に基づいて変更するようにしてもよい。
【0030】
図3は、本実施の形態の飛行ユーザ要求情報の一例を示す図である。
図3に示した例では、飛行ユーザ要求情報は、飛行要求識別情報、出発地、目的地、日程および目的情報を含む。目的情報は、飛行の目的の種類を示す情報である。
図3では、物流を目的とする利用者の航空機飛行ユーザ端末4から送信された飛行ユーザ要求情報を例示している。飛行ユーザ要求情報は、物流のための飛行要求を示す情報である。物流を目的とする場合は、飛行ユーザ要求情報における出発地および目的地では航空機5は地上に位置する必要があるため、飛行ユーザ要求情報における出発地および目的地は、航空機5の出発地および目的地には影響するが、航空機5の途中の飛行経路に関する自由度は高い。
【0031】
図4は、本実施の形態の飛行ユーザ要求情報の別の一例を示す図である。
図4に示した例では、
図3に示した例と同様に、飛行ユーザ要求情報は、飛行要求識別情報、出発地、目的地、日程、目的情報を含む。
図4では、測量を目的する利用者の航空機飛行ユーザ端末4から送信された飛行ユーザ要求情報を例示している。測量を目的とする場合は、
図4に示したように、目的地は測量の対象となる範囲で指定されてもよい。測量を目的とする場合には、航空機5は測量の対象となる箇所の上空を飛行する必要があるため、飛行支援装置2は、目的地の上空を飛行するように飛行経路を決定することになる。
【0032】
図3および
図4に示した例では、飛行ユーザ要求情報は、飛行要求識別情報、出発地、目的地、日程および目的情報を含むが、飛行ユーザ要求情報はこれに限定されず、少なくとも目的地と要求識別情報とを含めばよい。例えば、出発地の指定がない場合、または出発地が航空機5の特定の駐機場などのように固定されている場合などには、飛行ユーザ要求情報に出発地が含まれていなくてもよく、目的情報が単一である場合には飛行ユーザ要求情報に目的情報が含まれていなくてもよい。また、例えば、飛行ユーザ要求情報を受信してからできるだけ早く飛行するといったように日時に関する規則が定められている場合には、飛行ユーザ要求情報に日程が含まれていなくてもよい。また、日程の代わりに、日または日時が含まれていてもよい。また、飛行ユーザ要求情報に、航空機5の搭載重量の要求値が含まれていてもよい。
【0033】
飛行要求取得部21が生成する飛行要求情報は、飛行ユーザ要求情報と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、飛行ユーザ要求情報において目的地の指定がない場合に、複数の航空機5の駐機場のなかから目的地に適した出発地を選択し、選択した出発地を飛行要求情報に含めるようにしてもよい。また、飛行ユーザ要求情報に日程の指定がない場合に、飛行ユーザ要求情報を受信した日時に基づいて、日程を定めて、定めた日程を飛行要求情報に含めるようにしてもよい。
【0034】
図2の説明に戻る。飛行支援装置2は、観測対象と取得周期すなわち観測データ取得周期とを含む観測要求情報を取得する(ステップS2)。詳細には、観測要求取得部27が、データ利用ユーザ端末3から観測ユーザ要求情報を受信し、観測ユーザ要求情報を用いて観測要求情報を生成することで、観測要求情報を取得し、観測要求情報を経路決定部26へ出力する。観測要求取得部27は、前回の処理で観測要求情報を経路決定部26へ出力した後に取得した全ての観測要求情報を経路決定部26へ出力する。
【0035】
図5は、本実施の形態の観測ユーザ要求情報の一例を示す図である。
図5に示した例では、観測ユーザ要求情報は、観測要求識別情報および観測対象を含む。
図5に示した例では、観測対象は河川Aである。このように、観測対象は、河川を含んでいてもよい。
【0036】
図6は、本実施の形態の観測ユーザ要求情報の別の一例を示す図である。
図6に示した例では、観測ユーザ要求情報は、観測要求識別情報、観測対象、観測データ取得周期およびデータ種別を含む。
図6に示した例では、観測対象は河川Bの橋梁Hであり、観測データ取得周期は1週間、すなわち1週間につき1回のデータ取得である。データ種別は、航空機5に搭載されるセンサ54によって取得可能なデータのうち、取得を要求するデータの種別を示している。
図6に示した例では、三次元データの取得が要求されており、また、三次元データの後の括弧内に示すように取得条件についても要求が定められている。
図6に示した例では、河川Bの橋梁Hに関して、広域モードおよび高分解能モードにおいて下向きおよび上向きで観測してデータを取得し、高分解能モードにおいて下向きで観測してデータを取得することが要求されている。広域モードおよび高分解能モードについては、後述するように航空機5の高度を変更することでモードを変更することが可能である。なお、センサ54自体が複数の観測モードを有している場合には、データ種別にセンサ54のモードの指定が含まれていてもよい。上向き、下向きについては、航空機5の飛行の前にセンサ54の取り付けの位置および向きを変更することで、これらを変更してもよいし、視野の中心方向を変更可能なセンサ54が用いられてもよい。
【0037】
図5および
図6に示した例は、例示であり、観測ユーザ要求情報は少なくとも観測対象を含んでいればよく、
図5および
図6に示した例に限定されない。また、観測ユーザ要求情報は観測データ取得周期の代わりに観測を要求する日時、期間を含んでいてもよい。また、観測ユーザ要求情報における観測ユーザ要求情報における観測対象は、
図5に例示したように河川単位で指定されてもよいし、堤防、橋梁、中洲、河川における障害物(の有無)、鉄道の線路、鉄道の架線、鉄道の橋梁、鉄道の線路における障害物(の有無)などとして指定されてもよい。また、観測対象は、緯度経度などの観測点として指定されてもよいし、観測区間として指定されてもよいし、観測対象物と観測区間との両方が指定されてもよい。
【0038】
観測要求取得部27が生成する観測要求情報は、観測ユーザ要求情報と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、観測ユーザ要求情報が、
図5に例示するように、観測対象および観測要求識別情報を含む場合に、観測要求取得部27が、観測対象に応じて、観測データ取得周期、観測区間およびデータ種別のうち少なくとも1つを決定し、決定した情報を観測要求情報に含めてもよい。
【0039】
観測要求取得部27が観測対象に基づいて観測データ取得周期を決定する場合、観測要求取得部27は、観測対象と観測データ取得周期との対応を示す対応情報をあらかじめ保持しておく。
図7は、本実施の形態の観測対象と観測データ取得周期との対応を示す対応情報の一例を示す図である。
図7に示すように、例えば、観測対象が堤防または河川であれば、観測データ取得周期を1週間とし、観測対象が中洲の変化であれば観測データ周期を1か月とし、鉄道の架線であれば観測データ周期を1日とする。なお、
図7は一例であり、具体的な観測対象と観測データ周期との対応は
図7に示した例に限定されない。
【0040】
観測要求取得部27が観測対象に基づいて観測区間を決定する場合、観測要求取得部27は、観測対象と観測区間との対応を示す対応情報をあらかじめ保持しておく。
図8は、本実施の形態の観測対象と観測区間との対応を示す対応情報の一例を示す図である。
図8に示すように、例えば、河川Aの堤防であれば、河川Aのx地点からy地点までの観測区間に対応するといったように、観測対象に応じて観測区間が定められる。観測区間は、橋、合流点など地図上の特徴点または構造物などで指定されてもよいし緯度経度で指定されてもよい。なお、
図8は一例であり、具体的な観測対象と観測区間との対応は
図8に示した例に限定されない。
【0041】
観測要求取得部27が観測対象に基づいてデータ種別を決定する場合、観測要求取得部27は、観測対象とデータ種別との対応を示す対応情報をあらかじめ保持しておく。
図9は、本実施の形態の観測対象とデータ種別との対応を示す対応情報の一例を示す図である。
図9に示すように、例えば、堤防であれば三次元データ、中洲の変化であればカメラ画像といったように、観測対象に応じてデータ種別が定められる。なお、特に括弧内で向きが指定されない場合には、下向きの観測であるとする。なお、
図9は一例であり、具体的な観測対象とデータ種別との対応は
図9に示した例に限定されない。
【0042】
図7、
図8および
図9に例示した対応情報は、図示しない入力手段により運用者によって飛行支援装置2に入力されて設定されてもよいし、図示しない他の装置から飛行支援装置2に送信されて設定されてよいし、データ利用ユーザ端末3から飛行支援装置2に送信されて設定されてもよい。また、これらの対応情報は、飛行支援装置2への入力、データ利用ユーザ端末3からの指示、図示しない他の装置からの指示により、変更可能であってもよい。
【0043】
図2の説明に戻る。飛行支援装置2は、観測要求に基づく飛行経路決定タイミングであるか否かを判断する(ステップS3)。詳細には、経路決定部26が、過去に観測要求取得部27から受け取った観測要求情報において観測データ取得周期が設定されていた場合、前回のデータ取得した日時をtpとし、観測データ取得周期をtrとするとき、tpからの経過時間がtr-Δtとなった場合に、観測要求に基づく飛行経路決定タイミングであると判断する。過去に観測要求取得部27から受け取った観測要求情報は、直近の一定期間に受信した観測要求情報に限らず、それより前に観測要求情報のうち定期的な観測データの取得が要求されたものも含む。なお、後述するように、観測が行われた日時は記録されている。Δtは、飛行経路を決定したから飛行するまでに要する時間などに応じてあらかじめ設定される。また、飛行支援装置2は、観測要求情報に観測日時が指定されている場合には当該観測日時よりΔt前の時刻となった場合に、観測要求に基づく飛行経路決定タイミングであると判断する。
【0044】
観測要求に基づく飛行経路決定タイミングである場合(ステップS3 Yes)、飛行支援装置2は、観測要求情報と飛行要求情報とに基づき、観測要求情報を満たす観測データを取得可能な飛行要求情報を選択する(ステップS4)。具体的には、経路決定部26の飛行要求情報決定部261が、観測要求情報と飛行要求情報とに基づき、観測要求情報を満たす観測データを取得可能な飛行要求情報を選択する。より具体的には、飛行要求情報決定部261が、飛行要求情報に含まれる出発地と目的地とを用いて、飛行要求情報に対応する飛行において用いられる幹線経路のうち当該飛行で用いられる区間である幹線ルート区間を決定し、決定した幹線ルート区間を飛行することで観測対象を観測できる1つ以上の飛行要求情報を、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行要求情報として選択する。ステップS4の詳細については後述する。なお、ステップS4で考慮される飛行要求情報は、ステップS1で経路決定部26が飛行要求取得部21から受け取った一定期間内に受信した飛行要求情報を含むが、それ以前に受信され一旦飛行経路が決定された飛行要求情報も含む。
【0045】
次に、飛行支援装置2は、観測要求情報と選択した飛行要求情報とに基づき、飛行経路を決定する(ステップS5)。詳細には、経路決定部26の飛行経路決定部262が、ステップS4で選択された飛行要求情報と、観測要求情報とに基づき、飛行経路および出発時刻を決定し、決定した飛行経路を飛行要求識別情報および観測識別情報と対応づけて経路出力部24へ通知する。ステップS5の詳細については後述する。
【0046】
次に、飛行支援装置2は、選択されなかった飛行要求情報に基づき、飛行経路を決定する(ステップS6)。詳細には、経路決定部26の飛行経路決定部262が、ステップS4で選択されなかった飛行要求情報に基づき、飛行経路および出発時刻を決定する。飛行要求情報に基づく飛行経路の決定方法に特に制約はなく、飛行要求情報における出発地と目的地に応じて飛行経路が決定される。
【0047】
次に、飛行支援装置2は、飛行要求情報と飛行経路とに基づき、飛行要求を実行する航空機5を決定する(ステップS7)。詳細には、航空機決定部25は、飛行要求情報を用いて飛行要求情報に対応する航空機5を選択することで、飛行要求を実行する航空機を決定する。より詳細には、航空機決定部25は、航空機5ごとの搭載重量などの諸元と運行の計画と示す航空機運用情報を保持しており、航空機運用情報と飛行要求情報と飛行経路および出発時刻とに基づき、出発時刻に運行可能な航空機5のうち飛行要求情報と飛行経路とに適した航空機5を選択することで、飛行要求を実行する航空機を決定し、決定した航空機5を飛行要求情報の飛行要求識別情報と対応づけて経路出力部24へ通知する。例えば、航空機決定部25は、出発時刻に運行可能な航空機5のうち、飛行要求情報に含まれる搭載重量の要求を満たし、飛行経路に対応する距離を飛行可能な航空機5を選択する。
【0048】
次に、飛行支援装置2は、決定した航空機5へ飛行経路を送信する(ステップS8)。詳細には、経路出力部24が、飛行要求識別情報を用いて航空機決定部25により決定された航空機5と経路決定部26によって決定された飛行経路とを対応づけ、航空機5に当該航空機5に対応する飛行経路を送信する。また、経路出力部24が、観測要求識別情報と対応付けられた飛行要求識別情報に関して、対応する航空機5の識別情報と出発時刻と観測要求識別情報とをセンサデータ処理部29へ通知する。
【0049】
次に、飛行支援装置2は、航空機5から取得されたセンサデータを取得する(ステップS9)。詳細には、センサデータ取得部28が、航空機5に搭載されたセンサ54によって取得されたセンサデータを、航空機5から受信し、航空機5の識別情報および出発時刻とともに、受信したセンサデータをセンサデータ処理部29へ出力する。
【0050】
次に、飛行支援装置2は、取得したセンサデータと観測要求情報とを対応付けて送信し(ステップS10)、処理を終了する。詳細には、センサデータ処理部29は、経路出力部24から通知された航空機5の識別情報と出発時刻と観測要求識別情報とをもちいて、センサデータ取得部28から受け取ったセンサデータを観測要求識別情報に対応づけ、センサデータを観測要求識別情報とともに、観測要求識別情報に対応するデータ利用ユーザ端末3へ送信する。
【0051】
また、ステップS3でNoの場合は、飛行支援装置2は、飛行要求情報に基づき、飛行経路を決定し(ステップS11)、処理をステップS7へ進める。詳細には、ステップS11では、経路決定部26の飛行経路決定部262がステップS6と同様に、飛行要求情報に基づき、飛行経路を決定する。
【0052】
なお、ステップS9,S10は、ステップS1~S8,S11の処理とは並列に行われてもよい。ステップS1~S8,S11の処理は計画の作成と計画を航空機5へ通知する処理であり、ステップS9,S10は航空機5の飛行中または飛行終了後の処理であるため、計画の通知から飛行までの時間によっては、センサデータを取得する前に、次の計画の作成処理を行われることも考えられる。したがって、これら2つの処理を並列に行うようにしてもよい。
【0053】
ここで、本実施の形態の幹線経路と観測データの取得について説明する。幹線経路は、上述したように、航空機5の往来が多い経路であり、航空機5がドローンである場合には、例えば河川上空である。例えば、河川上空が幹線経路として用いられる場合に、物流を目的とするドローンが河川上空を頻繁に飛行すると、河川を監視するために適した観測データが得られることになる。
【0054】
図10は、観測対象として河川が指定された場合の本実施の形態のセンサ54により観測される範囲の一例を示す図である。
図10は、航空機5がドローンであり、河川の上空を飛行することで河川を観測する際の観測範囲の一例を示している。
図10に示した例では、観測対象の河川を流れる河川水201の左側に左岸堤防202が設けられ、河川水201の右側に右岸堤防203が設けられている。なお、
図10では、紙面奥が河口方向であるとし、河口方向に向かって左に設けられている堤防を左岸堤防202とし、河口方向に向かって右に設けられている堤防を右岸堤防203としている。この河川の中央付近の上空を航空機5が飛行することで
図10に示す観測範囲を、航空機5の飛行に伴って順次観測していくことで河川全域にわたって観測データを取得することができる。したがって、本実施の形態では、飛行要求情報を用いて飛行要求に対応する飛行経路を決定する際に、観測要求情報に合致する幹線経路を含むように飛行経路を決定することで、飛行要求情報に基づいて飛行する航空機5を活用して河川を監視するためのデータを取得することができる。例えば、物流用のドローンを用いて、物流の利用者とは別の河川の観測を要求する利用者の要求を満たす観測データを取得することができる。これにより、物流用のドローンと河川の監視のためのドローンとをそれぞれ別に飛行させる場合に比べて、運行コストを削減することができ、消費エネルギーも削減できる。
【0055】
また、幹線経路におけるどの高度を飛行するか、および、幹線経路の幅が広い場合に幹線経路の幅のうちどの位置を飛行するかに関しては自由度がある。このため、本実施の形態では、幹線経路における飛行箇所に関しても指定可能とする。
【0056】
図11は、観測対象が橋梁の場合の本実施の形態の航空機5の各飛行経路の一例を示す図である。
図11に示した例では、幅の広い河川に架かる橋梁204を観測対象とし、当該河川の上空が幹線経路として設定されているとする。なお、センサ54は、二次元画像、二次元データまたは三次元データを取得するセンサであるとする。
図11に示した例では、河川の幅方向の中央付近の橋梁204の上空を通過する飛行経路301と、河川の幅方向における中央より左よりの橋梁204の上空を通過する飛行経路302と、河川の幅方向における中央より右よりの橋梁204の上空を通過する飛行経路303とが示されている。なお、
図11においても、紙面奥が河口方向であるとし、河口方向に向かって左を「左」としている。大きな橋梁204である場合には、1回の飛行ではセンサ54は全体を観測できない場合がある。このような場合には、飛行経路301,302,303に対応する3回の飛行で橋梁204の全体を観測することができる。例えば、橋梁204に関して観測データ取得周期が1週間であれば、1週間の間に飛行経路301,302,303のそれぞれの飛行が行われれば、観測要求を満たすことになる。
【0057】
また、
図11に示した例では、橋梁204の上空だけでなく、橋梁204の下を通過する飛行経路304,305も示されている。橋梁204を下方から上向きに観測したい要求がある場合には、このように、橋梁204の下を通過する飛行経路304,305を設定することで観測要求を満たすことができる。
【0058】
図11では、高度については示されていないが、センサ54の視野が同じであっても航空機5の飛行する高度によって観測範囲は変化する。
図12は、センサの視野と高度との関係を模式的に示す図である。
図11では、飛行経路301は飛行経路302,303と高度は等しいとして説明したが、
図12に示した例では、飛行経路301は飛行経路302に比べて高度が高い。
【0059】
飛行経路301を飛行する場合の航空機5に搭載されるセンサ54の視野401には橋梁204のほぼ全体が含まれることになるが、飛行経路302を飛行する場合には、航空機5に搭載されるセンサ54の視野402には橋梁204の中央より左よりの部分しか含まれない。一方で、飛行経路302を飛行する場合の方が飛行経路301を飛行する場合に比べて橋梁204に近接して観測することができるため、分解能は高くなる。したがって、観測モードとして、高い高度で広域を観測する広域モードと、低い高度で高分解能で観測する高分解能モードとを定め、各々のモードに対応する高度を定めておき、観測要求に応じて高度を設定することで、観測要求に応じたデータを提供することができる。観測モードは、観測ユーザ要求情報により設定されてもよいし、
図9に例示した観測対象ごとのデータ種別として観測モードも適宜定めておき、観測要求取得部27が観測対象に応じたデータ種別として観測モードを決定するようにしてもよい。なお、観測モードは2種類に限定されず、高度の異なる3種類以上の観測モードを定めておいてもよい。このように、広域モード、高分解能モードを指定する情報は、航空機5の高度に関する情報である。
【0060】
また、
図12に示すように、飛行経路304は、橋梁204の下を飛行する経路であり、視野404により示されるように観測する方向は上向きの観測が行われる。このように、上向きで観測するモードについても観測モードとして定めておく。ここでは、観測モードとして、下向きの広域モード、下向きの高分解能モード、上向きの高分解能モードの3つを設定可能とするが、上向きの場合も高分解能モードと広域モードとを分けて設定可能としてもよい。
【0061】
本実施の形態では、幹線経路に関して、上述したように観測要求に応じて飛行経路を設定するため、多様な観測要求にそれぞれ適した観測を行うことができる。なお、上述した例では河川を例に挙げたが、幹線経路が、鉄道線路上空、通行止めの高速道路上空、電線の上空などであっても、同様に幹線経路内で高度および幅方向の位置を指定した飛行経路を設定することができる。
【0062】
次に、ステップS4に示した、観測要求情報に対応した飛行要求情報の選択処理について説明する。
図13は、本実施の形態の観測要求情報に対応した飛行要求情報の選択処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、経路決定部26の飛行要求情報決定部261は、要求飛行区間と、地図情報と、幹線経路とを用いて、幹線経路と当該幹線経路において飛行する区間である幹線ルート区間とを決定する(ステップS21)。要求飛行区間は、飛行要求情報に含まれる出発地から目的地までの区間である。なお、例えば、目的情報として測量、空撮が指定されている場合には、目的地が複数指定される場合もあるが、この場合、飛行要求情報決定部261は、複数の目的地を経由するように幹線経路と当該幹線経路において飛行する区間である幹線ルート区間とを決定する。同様に、目的地が区間で指定される場合もあるが、この場合、飛行要求情報決定部261は、複数の目的地を経由するように幹線経路と当該幹線経路において飛行する区間である幹線ルート区間とを決定する。
【0063】
図14は、本実施の形態の幹線経路の一例を示す図である。
図14に示した例では、地図情報に対応する範囲に、幹線経路81~85の5つの幹線経路が含まれているとする。
図14に示した例では、破線で示した幹線経路81~83は河川の上空の経路であり、一点鎖線で示した幹線経路84,85は鉄道線路の上空の経路である。飛行要求情報決定部261は、例えば、これら5つの幹線経路81~85のなかから、要求飛行区間に適した幹線経路を選択する。例えば、出発地から目的地を直線でつないだ経路との差が最も少ない幹線経路を選択してもよいし、幹線経路81~85間にあらかじめ優先順位を定めておき、出発地から目的地を直線でつないだ経路との差と優先順位とを重みをつけて加算した値に基づいて幹線経路を設定してもよい。また、飛行要求情報決定部261は、各幹線経路81~85を用いて出発地から目的地までの経路を飛行したときの飛行距離を算出し、飛行距離の最も短い幹線経路を選択してもよい。幹線経路の選択方法はこれらに限定されない。
【0064】
飛行要求情報決定部261は、幹線経路を選択すると、当該幹線経路内で飛行する区間である幹線ルート区間を決定する。
図15は、本実施の形態の幹線経路および飛行経路の一例を示す図である。
図15に示した例では、出発地91から目的地92までの飛行を要求する飛行要求情報と、出発地95から目的地96までの飛行を要求する飛行要求情報との2つの飛行要求情報に対応する幹線経路および幹線ルート区間を示している。
【0065】
図15に示した例では、出発地91から目的地92までの飛行に関しては、幹線経路81が選択され、選択された幹線経路81のうち飛行する区間として幹線ルート区間93が決定されている。また、出発地95から目的地96までの飛行に関しては、幹線経路85が選択され、選択された幹線経路85のうち飛行する区間として幹線ルート区間97が決定されている。
【0066】
図13の説明に戻る。次に、飛行要求情報決定部261は、観測要求情報に含まれる観測区間と、飛行要求情報に対応する幹線ルート区間とに基づいて、観測要求情報に適した飛行要求情報を選択し(ステップS22)、処理を終了する。詳細には、飛行要求情報決定部261は、観測要求情報に含まれる観測区間における観測対象の位置の少なくとも一部を含む幹線ルート区間に対応する飛行要求情報を選択する。観測要求情報に含まれる観測区間は、上述したように、観測ユーザ要求情報で指定されていてもよいし、観測要求取得部27によって設定されていてもよい。また、観測要求情報において観測区間が指定されずに、観測対象の地点が指定されている場合には、ステップS22では、飛行要求情報決定部261は、観測対象の地点に基づいて観測要求情報に適した飛行要求情報を選択する。
【0067】
例えば、
図15に示した例では、幹線経路81に対応する河川における観測区間開始点99から観測区間終了点100までが観測対象として指定されているとする。
図15に示すように、幹線ルート区間93と幹線ルート区間97とのうち幹線ルート区間93が、この観測区間を含んでいる。この場合、飛行要求情報決定部261は、幹線ルート区間93に対応する飛行要求情報を、当該観測区間を指定した観測要求情報に対応する飛行要求情報として選択する。なお、
図15に示した例では、幹線ルート区間93は観測要求情報で指定された観測区間の全てを含んでいるが、幹線ルート区間に、観測要求情報で指定された観測区間の全てを含む幹線ルート区間が存在しないこともある。例えば、幹線経路81に対応する河川全体を観測対象とする観測要求情報が有る場合には、幹線ルート区間93では、観測対象の一部を観測することになる。このような場合、飛行要求情報決定部261は、観測区間の一部だけを含む複数の幹線ルート区間を組み合わせることで、観測対象の全体の観測を実現するように、複数の飛行要求情報を選択する。すなわち、
図15では図示を省略しているが、例えば、飛行要求情報決定部261は、幹線経路81のうち幹線ルート区間93以外の箇所を含む幹線ルート区間に対応する飛行要求情報、例えば、幹線経路81のうち幹線ルート区間93より上流側および下流側の経路を幹線ルート区間とする複数の飛行要求情報とをあわせて選択する。また、観測要求情報において複数のデータ種別が指定されている場合にも、飛行要求情報決定部261は、当該観測要求情報に対応する飛行要求情報として複数の飛行要求情報を選択してもよい。
【0068】
また、上記の例では、地理的な条件を示したが、飛行要求情報決定部261は、時間的な制約条件も考慮する。詳細には、ステップS22では、観測要求情報に含まれる日時、または観測要求に含まれる観測データ取得周期と管理している観測履歴情報とを用いて、観測要求において要求される観測日時と、飛行要求情報における日時との差が閾値以内の飛行要求情報のなかから、飛行要求情報を選択する。また、観測データ取得周期によっては複数回の計画作成タイミングで複数のデータ種別のデータを取得できればよいため、1回の計画作成タイミングでは観測要求情報に対応する飛行要求情報を1つ選択し、次の計画作成タイミングで、当該観測要求情報に対応する飛行要求情報を1つ選択するといった処理を繰り返してもよい。
【0069】
図16は、本実施の形態の観測履歴情報の一例を示す図である。飛行要求情報決定部261は、定期的な観測に対応する観測要求情報ごとに、すなわち観測データ取得周期が設定されている観測要求情報ごとに、
図16に例示する観測履歴情報を保持する。
図16に示すように、観測履歴情報は、観測要求識別情報と、観測データ取得周期と、前回の観測が行われた日時を示す前回観測データ取得日時とを含む。また、
図16に示した例では、対応する観測要求において複数のデータ種別が指定されているため、データ種別ごとに前回の観測が行われた日時が格納されている。このように、飛行要求情報決定部261は、前回観測が行われた日時を管理し、前回の観測からの経過時間が観測データ取得周期に達した時点を観測要求時刻として扱って、観測要求情報に対応する飛行要求情報を選択する。
図16に示すように、飛行要求情報決定部261は、複数のデータ種別が設定されている場合にはデータ種別ごとに、観測データ取得周期でデータの取得が行われるように、観測要求情報に対応する飛行要求情報を選択する。
【0070】
次に、ステップS5の飛行経路の決定方法について説明する。
図11および
図12で例示したように、幹線経路においてどの高度のどの位置を飛行するかに関して自由度が有る場合もあり、また、要求される観測モードによっては高度も指定する必要が生じる。したがって、ステップS5では、観測対象と要求される観測モードとに基づいて幹線ルート区間を飛行する際の飛行する位置と高度とを飛行箇所として指定した飛行経路を決定する。すなわち、経路決定部26は、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行要求情報に対応する飛行経路が、当該観測要求を満たす飛行箇所を含むように飛行経路を決定する。なお、位置についての要求がない場合には位置を指定しなくてもよく、高度についての要求がない場合には高度は指定しなくてもよい。
【0071】
図17は、本実施の形態の飛行箇所の一例を示す図である。例えば、
図17に示すように、観測対象ごとに、
図17に示したように飛行箇所を定めておき、観測対象と飛行箇所との対応を示す対応情報を飛行経路決定部262が保持しているとし、飛行経路決定部262は、観測対象に応じて対応情報を参照して飛行箇所を決定する。例えば、
図17に示した例では、河川A全体を観測対象とする場合、上流の区間である第1区間は川幅が狭いため、河川である幹線経路の中央付近を高度h1kmで飛行することで第1区間全体を観測し、第1区間より下流の第2区間では、川幅が広くなるため、河川である幹線経路の幅を中央、左経路、右経路の3つに分割し、3つの飛行箇所を含む飛行経路で観測を行う。なお、上述したように、観測モードが観測ユーザ要求情報によって指定される場合には、観測モードごとに高度を定めておくことで、飛行経路決定部262は、観測要求情報に応じた飛行箇所を決定する。
【0072】
飛行経路決定部262は、飛行要求情報決定部261によって選択された飛行要求情報に関して、観測対象に対応する飛行箇所が複数ある場合には、観測データ取得周期内で観測が行われていない複数の飛行箇所のなかからいずれか1つを選択し選択した飛行箇所を飛行するように指定した飛行経路を決定する。なお、飛行経路決定部262は、上述した飛行要求情報決定部261における飛行要求情報の選択において観測モードが考慮されている場合には、観測モードに応じた高度を指定する。以上の処理により、観測要求情報によって示される観測要求に基づいた飛行経路を設定することができる。
【0073】
また、上述した例では、飛行箇所が幹線経路上にある例を説明したが、飛行箇所は幹線経路上以外に設定されてもよい。例えば、飛行支援装置2は、災害時などに特定の箇所を観測する場合には、観測対象として指定された任意の場所を飛行箇所として設定し、飛行要求情報に基づいて決定された幹線ルート区間を決定する際に、当該飛行箇所に近い幹線ルート区間を選択し、幹線ルート区間から一時的に離れて飛行することで当該飛行箇所を観測するように飛行経路を決定してもよい。また、災害時などには、物流などの飛行においても幹線経路以外の経路を飛行可能となることもあり、このような場合、飛行支援装置2は、ステップS4において、幹線経路以外の経路を飛行要求情報に対応した経路として選択してもよい。例えば、この場合、飛行支援装置2は、飛行要求情報で示された出発地を出発し、観測要求情報で指定された観測対象に対応する飛行箇所を経由して飛行要求情報で示された目的地に到着する任意の経路を設定することができる。
【0074】
次に、本実施の形態の飛行支援装置2のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の飛行支援装置2は、コンピュータシステム上で、飛行支援装置2における処理が記述されたプログラムである飛行支援プログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが飛行支援装置2として機能する。
図18は、本実施の形態の飛行支援装置2を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。
図18に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0075】
図18において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の飛行支援装置2における処理が記述された飛行支援プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、スピーカなどである。なお、
図18は、一例であり、コンピュータシステムの構成は
図18の例に限定されない。
【0076】
ここで、本実施の形態の飛行支援プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、飛行支援プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、飛行支援プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された飛行支援プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の飛行支援装置2としての処理を実行する。
【0077】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、飛行支援装置2における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0078】
図1に示した航空機決定部25、経路決定部26およびセンサデータ処理部29は、
図18に示した記憶部103に記憶された飛行支援プログラムが
図18に示した制御部101により実行されることにより実現される。
図1に示した地図情報記憶部22および幹線経路記憶部23は、
図18に示した記憶部103の一部である。
図1に示した飛行要求取得部21、経路出力部24、観測要求取得部27、センサデータ取得部28およびセンサデータ出力部30は、
図18に示した通信部105および制御部101により実現される。飛行支援装置2は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。飛行支援装置2はクラウドシステムにより実現されてもよい。
【0079】
例えば、本実施の形態の飛行支援プログラムは、例えば、航空機5の飛行経路を決定するコンピュータシステムに、航空機5の出発地と目的地とを含み航空機5の飛行に関する要求を示す飛行要求情報を取得するステップと、航空機に搭載されるセンサによる観測に関する要求を示す観測要求情報を取得するステップと、飛行要求情報と観測要求情報とを用いて、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行に対応する飛行要求情報を選択し、選択した飛行要求情報に対応する飛行の飛行経路を決定するステップと、を実行させる。
【0080】
また、本実施の形態の航空機5における制御部52は、
図18に示した制御部101と同様の制御部により、
図18に示した記憶部103と同様の記憶部に記憶されたプログラムが実行されることにより実現される。経路取得部51およびセンサデータ出力部53は、
図18に示した通信部105および制御部101と同様の通信部および制御部により実現される。
【0081】
データ利用ユーザ端末3,6、航空機飛行ユーザ端末4は、上述したように、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどであり、それぞれのハードウェア構成は
図18に示したコンピュータシステムと同様である。
【0082】
以上のように、本実施の形態では、飛行支援装置2は、航空機飛行ユーザ端末4から受信する飛行ユーザ要求情報と、データ利用ユーザ端末3から受信する観測ユーザ要求情報とを用いて、航空機5の飛行の目的に適し、かつ観測の要求に応じた飛行経路を設定する。このため、本実施の形態の飛行支援装置2は、航空機の飛行の目的以外の他の用途に適した飛行経路を設定することができる。
【0083】
<変形例>
以上の説明では、航空機5がデータ種別により指定されるデータを取得する全てのセンサを搭載する例を説明したが、変形例では、航空機5によって搭載するセンサ54が異なっていたり、センサ54を搭載していない航空機5が存在したりといったケースについて説明する。このような場合、観測要求情報で指定されるデータ種別に応じて航空機5を選択することになる。
【0084】
図19は、本実施の形態の変形例にかかる飛行支援装置2における飛行支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
図2と同様の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図19に示すように、変形例では、ステップS7のかわりにステップS7aが実施され、ステップS7aでは、航空機決定部25は、飛行要求情報と飛行経路と観測要求情報に含まれるデータ種別と航空機に搭載されるセンサ54とに基づき、飛行要求を実行する航空機を選択する。また、変形例では、航空機決定部25が保持する航空機運用情報には、さらに航空機5ごとの搭載されるセンサ54の種類を示す情報を含まれており、航空機決定部25は、観測要求情報に含まれるデータ種別を取得可能なセンサ54を搭載する航空機5を選択する。すなわち、変形例では、観測要求情報は、取得を要求するデータ種別を含み、航空機決定部25は、観測要求情報によって示される観測要求を満たす飛行要求情報として選択された飛行要求情報に対応する航空機5を、当該観測要求情報に含まれるデータ種別を用いてデータ種別に対応するデータを取得可能なセンサ54を搭載した航空機5のなかから選択する。これにより、航空機決定部25は、航空機5によって搭載するセンサ54が異なっていたり、センサ54を搭載しない航空機5が含まれていたりといった場合でも、適切な航空機5を選択することができる。
【0085】
実施の形態2.
図20は、実施の形態2にかかる飛行支援装置を含む飛行システムの構成例を示す図である。本実施の形態の飛行システム1aは、飛行支援装置2a、データ利用ユーザ端末3,6、航空機飛行ユーザ端末4および航空機5を備える。データ利用ユーザ端末3,6、航空機飛行ユーザ端末4および航空機5は実施の形態1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0086】
本実施の形態の飛行支援装置2aは、経路決定部26、センサデータ処理部29の代わりに経路決定部26a、センサデータ処理部29aを備える以外は、実施の形態1の飛行支援装置2と同様である。
【0087】
センサデータ処理部29aは、センサデータを保持し、保持しているセンサデータと取得されたセンサデータとを用いて変化のあった変化点を抽出し、抽出した変化点の変化量が閾値以上の場合に当該変化点を重点観測点として設定する。センサデータ処理部29aは、センサデータを用いて変化のある箇所を抽出する変化抽出部292と、変化抽出部292によって抽出された結果を用いて重点観測点を設定し、設定した重点観測点を経路決定部26aへ指示する重点観測点決定部291とを備える。
【0088】
経路決定部26aは、重点観測点が設定されると、重点観測点を観測可能な飛行に対応する飛行要求情報を選択し、選択された飛行要求情報に対応する飛行経路を決定する。経路決定部26aは、飛行要求情報決定部261aおよび飛行経路決定部262aを備える。飛行要求情報決定部261aは、観測要求情報と飛行要求情報と重点観測点(設定されている場合)とに基づき、観測要求情報を満たす観測データを取得可能な飛行要求情報を選択する飛行要求情報を選択する。重点観測点が設定されていない場合の飛行要求情報決定部261aの動作は実施の形態1の飛行要求情報決定部261と同様である。重点観測点が設定されている場合、飛行要求情報決定部261aは、例えば、対応する観測要求情報の観測の頻度を増やすように、対応する飛行要求情報を選択する。具体的には、観測データ取得周期で観測する通常の観測に加えて重点観測点を観測するための観測を追加し、追加した観測に関して飛行要求情報を選択する。
【0089】
飛行経路決定部262aは、重点観測点(設定されている場合)と観測要求情報と選択した飛行要求情報とに基づき、飛行経路を決定する。重点観測点が設定されていない場合の飛行経路決定部262aの動作は実施の形態1の飛行経路決定部262と同様である。重点観測点が設定されている場合、飛行経路決定部262aは、重点観測点を観測できるように飛行経路を決定する。例えば、重点観測点を観測するために追加された観測に関しては高分解能モードで観測するように飛行経路を設定する。
【0090】
図21は、本実施の形態の飛行支援装置2aにおける飛行支援処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1~ステップS3は実施の形態1と同様である。ステップS3の後の、ステップS4aでは、飛行支援装置2aは、観測要求情報と飛行要求情報と重点観測点(設定されている場合)とに基づき、観測要求情報を満たす観測データを取得可能な飛行要求情報を選択する。詳細には、上述したように、飛行要求情報決定部261aが、重点観測点が設定されている場合には、観測の頻度を増やすように、飛行要求情報を選択する。重点観測点が設定されていない場合には、ステップS4と同様の処理が行われる。
【0091】
ステップS5aでは、飛行支援装置2aは、重点観測点(設定されている場合)と観測要求情報と選択した飛行要求情報とに基づき、飛行経路を決定する。詳細には、上述したように、飛行要求情報決定部261aが、重点観測点が設定されている場合には、重点観測点を観測できるように飛行経路を決定する。重点観測点が設定されていない場合には、ステップS5と同様の処理が行われる。
【0092】
ステップS6~ステップS11は、実施の形態1と同様である。ステップS10の後、飛行支援装置2aは、重点観測点を設定するか否かを判断する(ステップS31)。重点観測点を設定する場合(ステップS31 Yes)、飛行支援装置2aは、重点観測点を設定して、ステップS4aからの処理を繰り返す。重点観測点を設定しない場合(ステップS31 No)、飛行支援装置2aは、処理を終了する。
【0093】
図22は、本実施の形態の重点観測点の設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22は、上述したステップS31の処理である。センサデータ処理部29aは、一定期間の間、取得されたセンサデータを保持しておく。
図22に示すように、飛行支援装置2aは、取得したセンサデータから変化点を抽出する(ステップS32)。詳細には、センサデータ処理部29aの変化抽出部292は、センサデータ取得部28から出力されたセンサデータを過去のセンサデータと比較することで、過去から変化した箇所である変化点を抽出する。変化点の抽出方法に制約はなく、どのような方法であってもよいが、例えば、カメラ画像の場合には同一箇所を観測したセンサデータ間の輝度の差、色相の差などの差が定められた値以上となる箇所が変化点として抽出され、三次元データであれば同一箇所と推定される点の位置の差が定められた値以上となる箇所が変化点として抽出される。また、センサ54が気体の濃度を観測する場合には、濃度の差が一定値以上となる箇所が変化点として抽出される。取得されたセンサデータと比較される過去のセンサデータは、前回取得されたセンサデータであってもよいし、一定期間に取得されたセンサデータの平均値であってもよいし、例えば取得されたセンサデータと気象条件、季節などが同一のセンサデータであってもよい。センサデータ処理部29aは、抽出した変化点と変化量、すなわち過去のセンサデータとの差とともに重点観測点決定部291へ出力する。なお、変化点は複数抽出されてもよい。
【0094】
飛行支援装置2aは、重点観測点の条件を満たす変化点があるか否かを判断する(ステップS33)。詳細には、重点観測点決定部291が、重点観測点の条件を満たす変化点があるか否かを判断する。例えば、重点観測点決定部291は、変化抽出部292から受け取った変化量が閾値以上となる場合に、重点観測点の条件を満たす変化点があると判断する。
【0095】
重点観測点の条件を満たす変化点がある場合(ステップS33 Yes)、飛行支援装置2aは、重点観測点の条件を満たす変化点を、観測要求識別情報と対応づけて重点観測点として設定し(ステップS34)、処理を終了する。ステップS34では、詳細には、重点観測点決定部291は、変化抽出部292から受け取った変化点を重点観測点に決定し、重点観測点を観測要求識別情報と対応づけて経路決定部26aへ指示する。
【0096】
重点観測点の条件を満たす変化点がない場合(ステップS33 No)、飛行支援装置2aは、重点観測点を設定せずに処理を終了する。ステップS33でYesと判定された場合、上述したステップS3ではYesと判定され、ステップS33でNoと判定された場合、上述したステップS3ではNoと判定される。なお、以上述べた例では、通常の観測データ取得周期における観測に加えて重点観測点の観測を追加するようにしたが、さらに、重点観測点が設定された観測要求情報に対応する観測データ取得周期を短くするようにしてもよい。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。
【0097】
以上のように、本実施の形態の飛行支援装置2aは、センサデータを用いて変化のある箇所を重点観測点として設定し、通常の観測データ取得周期における観測に加えて重点観測点の観測を追加するようにした。このため、変化のある箇所を自動的に重点的に観測することができる。
【0098】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
1,1a 飛行システム、2,2a 飛行支援装置、3,6 データ利用ユーザ端末、4 航空機飛行ユーザ端末、5 航空機、21 飛行要求取得部、22 地図情報記憶部、23 幹線経路記憶部、24 経路出力部、25 航空機決定部、26,26a 経路決定部、27 観測要求取得部、28 センサデータ取得部、29,29a センサデータ処理部、30,53 センサデータ出力部、51 経路取得部、52 制御部、54 センサ、261,261a 飛行要求情報決定部、262,262a 飛行経路決定部、291 重点観測点決定部、292 変化抽出部。