(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
B05B 11/00 20230101AFI20241115BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20241115BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B05B11/00 101G
B65D83/00 K
F04B9/14 B
(21)【出願番号】P 2021125579
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-221664(JP,A)
【文献】特開2021-84691(JP,A)
【文献】特開平11-333337(JP,A)
【文献】特開2021-84665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 11/00
B65D 83/00
F04B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器体と、
前記容器体に装着されたポンプと、を備え、
前記ポンプは、
上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、
前記ステムに取り付けられ、内容物を吐出する吐出孔を有する押下ヘッドと、
前記ステムが挿入された筒状のシリンダと、
前記シリンダ内で前記ステムの上下動に連係するとともに、前記シリンダの内周面に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記シリンダと組み付けられた係合筒と、を備え、
前記係合筒は、
前記シリンダ内に配置されて前記シリンダからの前記ピストンの離脱を規制するピストン押さえと、
前記ピストン押さえを径方向の外側から覆う内筒と、
前記内筒を径方向の外側から覆う外筒と、を更に備え、
前記内筒と前記外筒との間に設けられ、前記押下ヘッドを介して前記ステムを上方付勢する樹脂バネと、を備え、
前記ピストン押さえ、前記内筒、前記外筒および前記樹脂バネは、一体に形成されている、吐出容器。
【請求項2】
前記押下ヘッドは、頂壁と、前記頂壁から下方に延びる垂下壁と、を備え、
前記樹脂バネは、前記垂下壁の下端に下方から当接する、請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記係合筒は、前記内筒の下端と前記外筒の下端とを連結する底壁を更に備え、
前記樹脂バネは、前記底壁から上方に延び、
前記ピストン押さえ、前記内筒、前記外筒、前記底壁および前記樹脂バネは、一体に形成されている、請求項1または2に記載の吐出容器。
【請求項4】
前記樹脂バネは、上方に向かうに従い、周方向の一方側から他方側に延びる板バネであり、
前記底壁には、前記樹脂バネを下方に露出させる貫通孔が形成されている、請求項3に記載の吐出容器。
【請求項5】
前記容器体の内周面に上方に向けて摺動可能に嵌合された中皿を更に備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、吐出容器として、例えば下記特許文献1、2に記載の構成が知られている。これらの吐出容器は、内容物を収容する容器体と、容器体に装着されたポンプと、を備えている。ポンプは、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、ステムに取り付けられ、内容物を吐出する吐出孔を有する押下ヘッドと、ステムが挿入された筒状のシリンダと、シリンダ内でステムの上下動に連係するとともに、シリンダの内周面に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平5-66379号公報
【文献】特開平11-333337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の吐出容器では、省パーツ化を図ることに改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、省パーツ化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の一態様に係る吐出容器は、内容物を収容する容器体と、前記容器体に装着されたポンプと、を備え、前記ポンプは、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、前記ステムに取り付けられ、内容物を吐出する吐出孔を有する押下ヘッドと、前記ステムが挿入された筒状のシリンダと、前記シリンダ内で前記ステムの上下動に連係するとともに、前記シリンダの内周面に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、前記シリンダと組み付けられた係合筒と、を備え、前記係合筒は、前記シリンダ内に配置されて前記シリンダからの前記ピストンの離脱を規制するピストン押さえと、前記ピストン押さえを径方向の外側から覆う内筒と、前記内筒を径方向の外側から覆う外筒と、を更に備え、前記内筒と前記外筒との間に設けられ、前記押下ヘッドを介して前記ステムを上方付勢する樹脂バネと、を備え、前記ピストン押さえ、前記内筒、前記外筒および前記樹脂バネは、一体に形成されている。
【0007】
押下ヘッドが、樹脂バネによって付勢されている。したがって、例えば、押下ヘッドを付勢する手段として金属製のバネを採用する場合などと比べて、金属を削減できオール樹脂化のポンプを提供することができる。
ピストン押さえ、内筒、外筒および樹脂バネが、一体に形成されている。したがって、例えば、樹脂バネが係合筒と別体に形成されている場合などに比べて、省パーツ化を図ることができる。
【0008】
<2>上記<1>に係る吐出容器では、前記押下ヘッドは、頂壁と、前記頂壁から下方に延びる垂下壁と、を備え、前記樹脂バネは、前記垂下壁の下端に下方から当接する構成を採用してもよい。
【0009】
樹脂バネが、垂下壁の下端に下方から当接する。したがって、樹脂バネによって押下ヘッドを確実に上方に付勢することができる。
【0010】
<3>上記<1>または<2>に係る吐出容器では、前記係合筒は、前記内筒の下端と前記外筒の下端とを連結する底壁を更に備え、前記樹脂バネは、前記底壁から上方に延び、前記ピストン押さえ、前記内筒、前記外筒、前記底壁および前記樹脂バネは、一体に形成されている構成を採用してもよい。
【0011】
樹脂バネが、底壁から上方に延びている。したがって、押下ヘッドから樹脂バネが受ける押圧力を底壁によって確実に受け止めることができる。
【0012】
<4>上記<3>に係る吐出容器では、前記樹脂バネは、上方に向かうに従い、周方向の一方側から他方側に延びる板バネであり、前記底壁には、前記樹脂バネを下方に露出させる貫通孔が形成されている構成を採用してもよい。
【0013】
底壁に、樹脂バネを下方に露出させる貫通孔が形成されている。したがって、係合筒が射出成形されるときに、金型として、上下方向に2分割される上型、下型を採用した場合、下型の一部を、貫通孔を通し底壁の上方に位置させることができる。よって、樹脂バネの一部(下面)を下型によって形成することができる。
【0014】
<5>上記<1>から<4>のいずれか1項に係る吐出容器では、前記容器体の内周面に上方に向けて摺動可能に嵌合された中皿を更に備える構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る吐出容器の一部側面を含む縦断面図である。
【
図2】
図1に示す吐出容器において、押下ヘッドを透過した状態で樹脂バネを示す上面図である。
【
図3】
図1に示す吐出容器において、押下ヘッドを押下した状態を示す縦断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る吐出容器の一部側面を含む縦断面図である。
【
図5】
図4に示す吐出容器の係合筒の半断面図である。
【
図6】
図5に示す係合筒の上面図であって、係合筒のうち、樹脂バネ以外の部分を破線で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1から
図3を参照し、本発明の第1実施形態に係る吐出容器10について説明する。吐出容器10は、高粘度の内容物を吐出するために好適に用いられる。ただし、内容物の粘度の制限はない。
【0018】
図1に示すように、吐出容器10は、内容物を収容する容器体11と、容器体11の内周面に上方に向けて摺動可能に嵌合された中皿12と、容器体11に装着されたポンプ13と、を備えている。
なお、吐出容器10の各構成部品は、特に記載がなければ、合成樹脂を用いた成形品とされている。
【0019】
以下、容器体11の中心軸線を容器軸Oとする。容器軸Oに沿って容器体11側を下側、ポンプ13側を上側といい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。上下方向から見て容器軸Oに交差(直交)する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。なお、中皿12およびポンプ13は、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0020】
容器体11は、本体14と、底蓋15と、を備えている。本体14は、胴部16と、肩部17と、口部18と、を備えている。本体14内には内容物が充填されている。胴部16、肩部17、口部18は、一体に形成されている。底蓋15は、胴部16の下端内に嵌合されている。
中皿12は、底蓋15上に配置されている。中皿12は、胴部16内に、上方に向けて摺動可能に嵌合されている。中皿12は、本体14内の内容物の減少に伴って上方に向けて摺動する。
【0021】
ポンプ13は、シリンダ21と、吸い込み弁22と、ステム23と、押下ヘッド24と、ピストン25と、係合筒26と、を備えている。
シリンダ21は、筒状である。シリンダ21は、口部18内に配置されている。シリンダ21は、口部18に固定されている。シリンダ21には、径方向の外側に突出するフランジ21aが設けられている。図示の例では、フランジ21aは、シリンダ21の上端に設けられている。フランジ21aは、口部18の上端上に配置されている。
【0022】
吸い込み弁22は、ステム23の下端に配置されている。吸い込み弁22は、ステム23の下端開口を開閉する。吸い込み弁22は、容器体11内の内容物をシリンダ21内に吸い込む。吸い込み弁22は、逆止弁である。吸い込み弁22は、シリンダ21内が減圧されたとき、容器体11内からシリンダ21内への内容物の流入を許容する。吸い込み弁22は、シリンダ21内が加圧されたとき、シリンダ21内から容器体11内への内容物の流出を規制する。
【0023】
ステム23は、シリンダ21内に挿入されている。ステム23の下端は、シリンダ21の下端よりも上方に位置している。ステム23には、連通孔27が形成されている。連通孔27は、ステム23における上下方向の中央に配置されている。連通孔27は、ステム23を径方向に貫通する。連通孔27は、ステム23内とシリンダ21内とを連通させる。ステム23は、上方付勢状態で下方移動可能に配設される。
押下ヘッド24は、ステム23に取り付けられている。押下ヘッド24は、頂壁28と、周壁29と、垂下筒30(垂下壁)と、装着筒31と、吐出孔32と、を備えている。
【0024】
頂壁28は、上下方向を向く板である。頂壁28は、容器軸上に配置されている。
周壁29、垂下筒30、装着筒31は、いずれも頂壁28から下方に延びる。周壁29、垂下筒30、装着筒31は、いずれも容器軸Oと同軸である。周壁29、垂下筒30、装着筒31は、この順に小径になっている。周壁29は、頂壁28の外周縁から下方に延びている。装着筒31は、ステム23の上端に装着されている。装着筒31は、ステム23に径方向の外側から嵌合されている。装着筒31は、シリンダ21の上端内に配置されている。
【0025】
吐出孔32は、内容物を吐出する。吐出孔32は、ステム23内に連通している。吐出孔32は、ステム23内を通過した内容物を前方(容器軸Oに交差する方向)に吐出する。
ピストン25は、シリンダ21内でステム23の上下動に連係する。ピストン25は、筒状である。ピストン25内には、ステム23の上下方向の中間部に(連通孔27の外側に)配置されている。ピストン25は、ステム23の下端と、装着筒31の下端と、によって上下方向に挟まれている。ピストン25は、シリンダ21の内周面に上下摺動可能に嵌合されている。
【0026】
係合筒26は、シリンダ21に組み付けられている。係合筒26は、多重の筒状である。係合筒26は、ピストン押さえ41と、内筒42と、外筒43と、底壁44と、樹脂バネ45と、を備えている。ピストン押さえ41、内筒42、外筒43、底壁44および樹脂バネ45は、一体に形成されている。すなわち、ピストン押さえ41、内筒42、外筒43、底壁44および樹脂バネ45は、一連の成形体としての係合筒26を構成している。係合筒26は、金型に射出された樹脂材料により一体成形されている。
【0027】
ピストン押さえ41は、シリンダ21内に配置されている。ピストン押さえ41は、筒状である。ピストン押さえ41は、シリンダ21の上端内に嵌合されている。ピストン押さえ41は、装着筒31を径方向の外側から覆う。ピストン押さえ41の下端は、シリンダ21に上方から対向している。ピストン押さえ41は、シリンダ21からのピストン25の離脱を規制する。
【0028】
内筒42は、ピストン押さえ41を径方向の外側から覆う。内筒42は、口部18に螺着されている。内筒42の上端は、ピストン押さえ41の上端と連結されている。内筒42の下端は、肩部17上に位置している。内筒42は、垂下筒30よりも小径である。
外筒43は、内筒42を径方向の外側から覆う。外筒43の下端は、内筒42の下端と連結されている。外筒43は、垂下筒30よりも大径である。垂下筒30は、内筒42と外筒43との間の空間に進入可能である。外筒43は、周壁29よりも小径である。外筒43は、押下ヘッド24における周壁29と垂下筒30との間の空間に進入可能である。
【0029】
底壁44は、内筒42の下端と外筒43の下端とを連結する。底壁44は、環状である。底壁44には、貫通孔46が形成されている。貫通孔46は、底壁44を上下方向に貫通する。
図2に示すように、貫通孔46は、周方向に間隔をあけて2つ配置されている。貫通孔46は、周方向に延びる長穴である。貫通孔46の周方向の大きさは、容器軸O回りの1/4以上、1/2以下である。貫通孔46は、樹脂バネ45を下方に露出させる。
【0030】
樹脂バネ45は、内筒42と外筒43との間に設けられている。樹脂バネ45は、押下ヘッド24を介してステム23を上方付勢する。樹脂バネ45は、底壁44から上方に延びている。樹脂バネ45は、上方に向かうに従い、周方向の一方側から他方側に延びる板バネである。樹脂バネ45の下端(周方向の一方側の端)は、底壁44における貫通孔46の周縁に連結されている。樹脂バネ45の上端(周方向の他方側の端)は、垂下筒30の下端に下方から当接する。樹脂バネ45の平面視形状は、貫通孔46の平面視形状と同等である。
【0031】
上記吐出容器10の使用時には、
図3に示すように、まず使用者が押下ヘッド24を押下する。このとき、樹脂バネ45の上方付勢力に抗し、垂下筒30が樹脂バネ45を下方に押下する。すると、装着筒31の下端がピストン25を押下し、シリンダ21内でピストン25が下降する。このとき、シリンダ21内の内容物が、連通孔27、ステム23内、装着筒31内を流通し、吐出孔32から吐出される。なお、シリンダ21内の内容物の容器体11内への逆流は、吸い込み弁22により規制される。
【0032】
使用者が押下ヘッド24の押下を解除すると、樹脂バネ45が復元変形して押下ヘッド24およびステム23を上昇させる。このとき、ステム23の下端がピストン25を下方から支持し、ステム23とピストン25とが一体的に上昇する。すると、シリンダ21内が負圧となり、吸い込み弁22が開弁する。その結果、内容物がシリンダ21内に吸い込まれる。すると、今後は容器体11内が減圧し、中皿12が上昇する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る吐出容器10によれば、押下ヘッド24が、樹脂バネ45によって付勢されている。したがって、例えば、押下ヘッド24を付勢する手段として金属製のバネを採用する場合などと比べて、金属を削減できオール樹脂化のポンプにすることができる。
ピストン押さえ41、内筒42、外筒43および樹脂バネ45が、一体に形成されている。したがって、例えば、樹脂バネ45が係合筒26と別体に形成されている場合などに比べて、省パーツ化を図ることができる。
【0034】
樹脂バネ45が、垂下筒30の下端に下方から当接する。したがって、樹脂バネ45によって押下ヘッド24を確実に上方に付勢することができる。
樹脂バネ45が、底壁44から上方に延びている。したがって、押下ヘッド24から樹脂バネ45が受ける押圧力を底壁44によって確実に受け止めることができる。
【0035】
底壁44に、樹脂バネ45を下方に露出させる貫通孔46が形成されている。したがって、係合筒26が射出成形されるときに、金型として、上下方向に2分割される上型、下型を採用した場合、下型の一部を、貫通孔46を通し底壁44の上方に位置させることができる。よって、樹脂バネ45の一部(下面)を下型によって形成することができる。
【0036】
(第2実施形態)
図4から
図6を参照し、本発明の第2実施形態に係る吐出容器50について説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0037】
本実施形態に係る吐出容器50では、シリンダ21の上端は、容器体11の口部18から上方に突出している。シリンダ21の下端には、フランジ21aが設けられている。フランジ21aは、容器体11の口部18上および肩部17上に配置されている。フランジ21aにおける径方向の中央部には、上方に向けて突出する突出部21bが設けられている。突出部21bは、下方に向けて開口する中空形状である。突出部21b内には、口部18が嵌合している。
【0038】
突出部21bは、筒状の小径部21cと、筒状の大径部21dと、小径部21cと大径部21dとを連結する連結部21eと、を備えている。小径部21cは、口部18に径方向の内側から嵌合している。大径部21dは、口部18に径方向の外側から嵌合している。大径部21dの上端は、小径部21cの上端よりも上方に位置している。連結部21eは、口部18上に位置している。連結部21eは、小径部21cの上端と、大径部21dの上下方向の中央と、を連結している。
【0039】
フランジ21aの外周縁には、立ち上がり筒51が設けられている。立ち上がり筒51は、突出部21bを径方向の外側から覆う。立ち上がり筒51の上端は、突出部21bの上端よりも上方に位置している。立ち上がり筒51の上端には、オーバーキャップ52が着脱可能に装着される。ただし、立ち上がり筒51やオーバーキャップ52はなくてもよい。
【0040】
また本実施形態では、係合筒26の内筒42が、シリンダ21に径方向の外側から嵌合している。内筒42の下端は、シリンダ21と小径部21cとの間に嵌合されている。外筒43の上下方向の大きさは、内筒42の上下方向の大きさよりも小さい。底壁44は、内筒42における上下方向の中央と、外筒43の下端と、を連結している。
【0041】
図4および
図5に示すように、底壁44は、板部53と、筒部54と、を備えている。板部53は、環状である。板部53は、連結部21e上に位置している。板部53の内周縁は、内筒42に連結されている。筒部54は、板部53の外周縁から上方に延びている。筒部54は、大径部21dの上端内に嵌合されている。筒部54の上端は、大径部21dの上端よりも上方に位置している。筒部54の上端は、外筒43の下端に連結されている。貫通孔46は、板部53および筒部54にわたって配置されている。
【0042】
図4に示すように、押下ヘッド24は、垂下筒30に代えて、リブ55を備えている。リブ55は、頂壁28から下方に延びている。リブ55は、周壁29と装着筒31とを径方向に連結する。リブ55は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。リブ55の下端には、樹脂バネ45が当接する。
【0043】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0044】
樹脂バネ45は、1つでもよく、3つ以上であってもよい。樹脂バネ45は、板バネでなくても(板状でなくても)よい。
樹脂バネ45が、垂下筒30やリブ55に当接しなくてもよい。例えば、樹脂バネ45が、頂壁28に直接当接してもよい。
【0045】
中皿12がなくてもよい。この場合、例えば、容器体11として、内容器(内層、内袋)と外容器(外層)からなる二重容器を採用することができる。二重容器では、内容器のみが減容することで内容物が吐出される。この種の二重容器では、外容器(例えば、口部、肩部、胴部、底部など)に外気導入孔などを設ける必要がある。
【0046】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10、50 吐出容器
11 容器体
12 中皿
13 ポンプ
21 シリンダ
23 ステム
24 押下ヘッド
25 ピストン
26 係合筒
28 頂壁
32 吐出孔
41 ピストン押さえ
42 内筒
43 外筒
44 底壁
45 樹脂バネ
46 貫通孔