(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ガソリンおよびプロピレンを製造するための接触転換方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
C10G 69/04 20060101AFI20241115BHJP
C10G 11/18 20060101ALI20241115BHJP
C10G 45/08 20060101ALI20241115BHJP
C10G 50/00 20060101ALI20241115BHJP
C07C 11/06 20060101ALI20241115BHJP
C07C 4/00 20060101ALI20241115BHJP
B01J 29/80 20060101ALI20241115BHJP
B01J 23/888 20060101ALI20241115BHJP
B01J 29/035 20060101ALI20241115BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241115BHJP
【FI】
C10G69/04
C10G11/18
C10G45/08 Z
C10G50/00
C07C11/06
C07C4/00
B01J29/80 M
B01J23/888 M
B01J29/035 Z
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2021556788
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2020079666
(87)【国際公開番号】W WO2020192491
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】201910224120.2
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】509059424
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司石油化工科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】白旭輝
(72)【発明者】
【氏名】左巌芬
(72)【発明者】
【氏名】許友好
(72)【発明者】
【氏名】羅一斌
(72)【発明者】
【氏名】舒興田
(72)【発明者】
【氏名】汪燮卿
(72)【発明者】
【氏名】王新
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0135557(US,A1)
【文献】特表2011-513558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンおよびプロピレンを製造するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
1)プロピレン、C
4オレフィンおよびガソリン成分を含む第1の反応生成物を得るために、供給原料油を、第1の接触転換反応装置内での第1の接触転換反応に供する工程;
2)前記第1の反応生成物を分離して、プロピレン画分、ガソリン画分、C
4オレフィンを含む画分、ライトサイクルオイル画分、および流動接触分解軽油(FGO)画分を得る工程であって、前記C
4オレフィンを含む画分は、前記C
4オレフィンを含む画分の重量に基づいて、84.8-100重量%のC
4オレフィン含有量を有する、前記工程;
3)工程2)で得られた前記C
4オレフィン含有画分、および任意で外部供給源からのC
4オレフィン含有画分をオリゴマー化反応器中でのオレフィンオリゴマー化に供して、C
12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得、前記オリゴマー化生成物を分離して、C
12オレフィンを含む画分を得る工程であって、前記C
12オレフィンを含む画分は、前記C
12オレフィンを含む画分の重量に基づいて、80重量%以上のC
12オレフィン含有量を有する、前記工程;
4)前記C
12オレフィンを含む画分を前記第1の接触転換反応装置に再循環させ、および/または、プロピレンを含む第2の反応生成物を得るために、前記C
12オレフィンを含む画分を第2の接触転換反応のための第2の接触転換反応装置に送る工程;および、
5)前記FGO画分を第1の水素化処理反応器中で第1の水素化処理に供して、水素化FGOを得、前記水素化FGOの少なくとも一部を前記第1の接触転換反応装置に再循環させ、および/または、前記水素化FGOの少なくとも一部を前記第2の接触転換反応装置に送り、および/または、前記ライトサイクルオイル画分を前記第1の接触転換反応装置に再循環し、および/または、前記ライトサイクルオイル画分を前記第2の接触転換反応装置に送る工程。
【請求項2】
工程3)の前記オレフィンオリゴマー化は、温度50~500℃、圧力0.5~5.0MPa、および重量時空間速度0.1~100h
-1を含む条件下でオリゴマー化触媒の存在下で実施され、
前記オリゴマー化触媒は、リン酸触媒、酸性樹脂、シリカ-アルミナ固体酸触媒およびゼオライト固体酸触媒からなる群から選択される1つ以上であり;
前記リン酸触媒は、リン酸を珪藻土に担持することによって形成される触媒、リン酸を活性炭に担持することによって形成される触媒、リン酸に浸漬された珪砂から形成される触媒、リン酸をシリカゲルに担持することによって形成される触媒、およびシリカゲルにピロリン酸銅を担持することによって形成される触媒からなる群から選択される1つ以上であり;
前記シリカ-アルミナ固体酸触媒は、アルミナおよび/または非晶質シリカ-アルミナ担体上に金属イオンを担持することによって形成される触媒であり、前記担持された金属イオンは、第VIII族金属、第IVA族金属、または、それらの組み合わせから選択され;および、
前記ゼオライト固体酸触媒は、前記ゼオライト固体酸触媒の重量に基づいて、10~100重量%のゼオライトおよび0~90重量%のマトリックスを含み、前記ゼオライトは、MTW(ZSM-12)、MTT(ZSM-23)およびTON(ZSM-22)ゼオライトから選択される一次元ゼオライト、FER(フェリエライト)、MFS(ZSM-57)、MWW(MCM-22)およびMOR(モルデナイト)ゼオライトから選択される二次元ゼオライト、および、ベータゼオライトから選択される三次元ゼオライトからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程2)における前記ライトサイクルオイル画分は、190~350℃の蒸留範囲を有し;
前記FGO画分は、
接触転換精留塔の底部で得られる重質画分であり;および/または、
工程4)において、前記第1の接触転換反応装置に再循環される、および/または、前記第2の接触転換反応装置に送られる前記C
12オレフィンは、前記全接触転換供給原料の0.1~80重量%を占める、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程1)の前に、第2の水素化処理反応器中で、前記供給原料油を第2の水素化処理に供する工程、をさらに含み:
前記第2の水素化処理は、3.0~20.0MPaの水素分圧、300~450℃の反応温度、100~2000標準立方メートル/立方メートルの水素対油の体積比率、および0.1~3.0h
-1の体積空間速度;を含む条件下にて、第2の水素化処理触媒の存在下で、実施され:
前記第2の水素化処理触媒は、アルミナ、シリカおよび非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上である、70~99重量%の担体と、第VIB族金属、第VIII族金属、またはそれらの組み合わせから選択される、0.1~30重量%の活性金属(酸化物として計算される)と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の水素化処理は、3.0~20.0MPaの水素分圧、300~450℃の反応温度、0.1~10.0h
-1の体積空間速度、および100~1500標準立方メートル/立方メートルの水素対油の体積比率;を含む条件下にて、第1の水素化処理触媒の存在下で実施され、
前記第1の水素化処理触媒は、アルミナ、シリカおよび非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上である、60~99重量%の担体と、第VIB族金属、第VIII族金属、またはそれらの組み合わせから選択される、5~40重量%の活性金属(酸化物として計算される)と、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の接触転換反応装置、および、前記第2の接触転換反応装置は、仮に存在する場合、各々が独立して流動床反応器であり、
前記流動床反応器は、ライザー反応器、または濃密相床と組み合わせたライザーを含む複合反応器であって、前記ライザー反応器は、等直径ライザー反応器、等線速度ライザー反応器、または直径変換ライザー反応器である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の接触転換反応のための
触媒、および、前記第2の接触転換反応のための
触媒は、仮に存在する場合、各々が独立して、非晶質シリカ-アルミナ触媒、ゼオライト触媒、またはそれらの組み合わせから選択され、
前記ゼオライト触媒中の前記ゼオライトは、Yゼオライト、HYゼオライト、超安定Yゼオライト、ZSM-5系ゼオライト、ペンタシル構造を有する高シリカゼオライト、およびフェリエライトからなる群より選択される1つ以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記供給原料油は、石油炭化水素、他の鉱油、またはそれらの組み合わせから選択され、
前記石油炭化水素は、常圧軽油、減圧軽油、常圧残油、減圧残油、水素化残油、コーカーガスオイル、および脱アスファルト油からなる群から選択される1つ以上であり;
前記他の鉱油は、石炭および天然ガス由来液体油、オイルサンド油、タイトオイル、およびシェールオイルからなる群から選択される1つ以上であり、
前記供給原料油の特性は、以下の基準の少なくとも1つを満たす、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法:
900~1000kg/m
3の密度、4~15重量%の残留炭素、15~600ppmの金属含有量、および、0.5~20mg KOH/gの酸価。
【請求項9】
前記第1の接触転換反応装置は、流動床反応器であり、
前記第1の接触転換反応装置における
反応条件は、420~650℃の反応温度、0.05~20秒の反応時間、3:1~15:1の触媒対供給原料重量比率、および、0.03:1~0.5:1の蒸気対供給原料重量比率;を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の接触転換反応は、以下の特性を有するガス状生成物が得られる程度まで実施された、請求項9に記載の方法:
7以上の、乾燥ガス(C
2以下)に対する液化ガス(C
3およびC
4)の質量分率;
多くとも2.0%のメタン収率;
3.5以上の、液化ガス中の、プロパンに対するプロピレンの質量画分比率;および/または、
1.5以上の、イソブタンに対するイソブチレンの質量画分比比率。
【請求項11】
前記第1の接触転換反応装置は、
反応流の方向に沿って、第1の反応ゾーンと、前記第1の反応ゾーンより大きい直径を有する第2の反応ゾーンと、を含む直径変換ライザー反応器であり、
前記第1の反応ゾーンにおける反応条件は以下の(a)を含み、第2の反応ゾーンにおける反応条件は以下の(b)を含む、請求項6および9~10のいずれか1項に記載の方法:
(a)450~620℃の反応温度、0.5~2.0秒の反応時間、および、3:1~15:1の触媒対供給原料重量比率、および、0.03:1~0.3:1の蒸気対供給原料重量比率;
(b)460~550℃の反応温度、2~30秒の反応時間、4:1~18:1の触媒対供給原料重量比率、および、0.03:1~0.3:1の蒸気対供給原料重量比率。
【請求項12】
更に工程5)を含み、
前記C
12オレフィンを含む画分は、工程4)において、前記直径変換ライザー反応器の前記第2の反応ゾーンに再循環され、
前記水素化FGOの少なくとも一部は、工程5)において、前記直径変換ライザー反応器の前記第1の反応ゾーンに再循環され、および/または、
前記ライトサイクルオイル画分は、工程5)において、前記直径変換ライザー反応器の前記第1の反応ゾーンに再循環される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記C
12オレフィンを含む画分は、工程4)において、前記第1の接触転換反応装置に再循環される、または、
前記C
12オレフィンを含む画分は、工程4)において、前記第2の接触転換反応装置に送られ、および、前記第2の接触転換反応は、450~620℃の反応温度、0.5~20.0秒の反応時間、1~25の触媒対油重量比率、0.03~0.3の蒸気対油重量比率、を含む条件下で実施される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本願は、2019年3月22日出願の中国特許出願第201910224120.2号「ガソリンおよびプロピレンを製造するための方法およびシステム」の優先権を主張する。当該文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本願は炭化水素の接触転換(catalytic conversion)の分野に関し、特に、ガソリンおよびプロピレンを製造するための接触転換方法およびシステムに関する。
【0003】
〔従来の技術〕
プロピレンは重要な化学原料であり、ポリプロピレン、種々の重要な有機化学材料、合成樹脂および合成ゴムを製造するための重要な出発材料である。また、アクリロニトリル、イソプロパノール、フェノール、アセトン、ブタノール、オクタノール、アクリル酸およびそれらのエステルを製造するため、並びに、プロピレンオキシド、プロピレングリコール、エピクロロヒドリン、合成グリセリン等の化学生成物を製造するために用いることもできる。プロピレンは、主に、水蒸気分解装置および接触分解装置によって製造される。しかしながら、水蒸気分解の供給原料として軽油を用いることによってプロピレン収率を増加させる可能性は限られている。また、近年では、軽質供給原料油の不足、不十分な生産能力、高コスト等の複数の制約要因によって、この経路がますます制限されている。接触分解プロセスは、主な重油二次処理技術である。また、接触分解の副生成物としてのプロピレンの生成は、プロピレンの総生産能力の約3分の1を占める生産能力を有するプロピレンを製造するための重要な方法でもある。接触分解方法では、プロピレン収率は、異なる方法様式を選択することによって調節することができる。従って、供給原料への広い適応性、柔軟な操作などの利点のために、増加したプロピレン収率を有する改質接触分解方法が近年急速に開発されている。
【0004】
中国特許出願公報第107286972A号は、プロピレンを高収率で製造するための接触分解方法を開示している。本方法では、第1の反応器および第2の反応器が提供される。その結果、独立した高温分解反応ゾーンおよび流動床反応の迅速な停止を実現することができる。したがって、プロピレン収率の増加と乾燥ガスの減少との間の抵触が解消され、乾燥ガスおよびコークスの収率が減少する一方、プロピレン収率が増加する。
【0005】
米国特許第7261807号は、増加したプロピレン収率を有する接触分解方法を開示している。本方法において、ガソリン生成物の少なくとも一部は、さらなる分解反応のために第2のライザー反応器に供給され、使用される触媒組成物は、マクロポーラスUSYゼオライトに加えて、ZSM-5等のメソポーラスゼオライトおよび分解活性を有する無機バインダー成分を含む。無機バインダー成分はリンを含み、そのP/Al比率は0.1~10である。本方法は、軽質オレフィン、特にプロピレンの収率を大幅に増加させることができる。
【0006】
中国特許出願公報第CN1299403A号は、重質供給原料からC2-C4軽質オレフィンを選択的に製造するための2段階の接触分解法を開示している。重質供給原料は従来のマクロポーラスゼオライト接触分解触媒の存在下、接触分解装置からなる第1の反応部において低沸点の生成物に変換される;低沸点で得られた生成物のナフサ画分は第2の反応部に送られ、500~600℃の温度にて10~50%の平均細孔径が0.7ナノメートル未満であるゼオライトを含む触媒と接触して、プロピレン収率が16.8%までである分解生成物を得る。
【0007】
当技術分野では、前述の従来技術の欠点の少なくともいくつかを排除または克服しながら、高収率でガソリンおよびプロピレンを製造することができる接触転換方法およびシステムが依然として必要とされている。
【0008】
〔発明の概要〕
本願の目的は、ガソリンおよびプロピレンを製造するための接触転換方法およびシステムを提供することであり、前記方法およびシステムにより、低収率のアルカン、特に、低収率のメタンおよびエタンのみならず、高収率のプロピレンおよびガソリンを提供することができる。
【0009】
前記目的を達成するために、一態様において、本願は、以下の工程を含む、ガソリンおよびプロピレンを製造するための方法を提供する:
1)プロピレン、C4オレフィンおよびガソリン成分を含む第1の反応生成物を得るために、供給原料油を、第1の接触転換反応装置内での第1の接触転換反応に供する;
2)第1の反応生成物を分離して、プロピレン画分、ガソリン画分、C4オレフィンを含む画分(C4オレフィン含有画分とも言う)、任意でライトサイクルオイル画分、および任意に流動接触分解軽油(FGO)画分を得る;
3)工程2)で得られたC4オレフィン含有画分、および任意で外部供給源からのC4オレフィン含有画分をオリゴマー化反応器中でのオレフィンオリゴマー化に供して、C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得る。そして、任意でオリゴマー化生成物を分離して、C12オレフィンを含む画分(C12オレフィン含有オリゴマー化生成物とも言う)を得る;
4)C12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分を第1の接触転換反応装置に再循環させる。および/または、プロピレンを含む第2の反応生成物を得るために、C12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分を第2の接触転換反応のための第2の接触転換反応装置に送る;および、
5)任意で、FGO画分を第1の水素化処理反応器中で第1の水素化処理に供して、水素化FGOを得る。そして、水素化されたFGOの少なくとも一部を第1の接触転換反応装置に再循環させ、および/または、第2の接触転換反応装置に送る。および/または、ライトサイクルオイル画分を第1の接触転換反応装置に再循環し、および/または、ライトサイクル画分を第2の接触転換反応装置に送る。
【0010】
別の態様では、第1の接触転換反応装置、再生器(regenerator)、油-触媒分離装置、生成物分離装置、オリゴマー化反応器、任意で精留塔、および任意で第2の接触転換反応装置を含む、ガソリンおよびプロピレンを製造するためのシステムを提供する:
前記第1の接触転換反応装置は、供給原料油に対して第1の接触転換反応を実施して、第1の反応生成物および使用済み触媒を含む反応排出物を得るように設定され、前記第1の反応生成物は、プロピレン、C4オレフィンおよびガソリン成分を含む;
前記油-触媒分離装置は、前記第1の接触転換反応装置の反応排出物中の使用済み触媒から前記第1の反応生成物を分離するように設定され、
前記再生器は、前記使用済み触媒を再生し、前記再生触媒を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるように設定され、
前記生成物分離装置は、前記第1の反応生成物を分離して、プロピレン画分、ガソリン画分、C4オレフィンを含む画分、任意でライトサイクルオイル画分、および任意でFGO画分を得るように設定され、
前記オリゴマー化反応器は、C4オレフィンを含む前記画分に対してオレフィンオリゴマー化を実施して、C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得て、前記オリゴマー化生成物を任意の前記精留塔に送る、または、前記オリゴマー化生成物を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるか、または、前記オリゴマー化生成物を任意の前記第2の接触転換反応装置に送るように設定される;
前記精留塔は、仮に存在する場合、オリゴマー化生成物を分離してオリゴマー化生成物またはC12オレフィンを含む画分を得るように設定され、オリゴマー化生成物またはC12オレフィンを含む画分を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるか、または、任意の前記第2の接触転換反応装置に送る;
前記第2の接触転換反応装置は、仮に存在する場合、オリゴマー化生成物またはC12オレフィンを含む画分に対して第2の接触転換反応を実施して、プロピレンを含む第2の反応生成物を得るように設定される。
【0011】
従来技術と比較すると、本願の方法およびシステムは、以下の利点のうちの1つ以上を有する:
(1)特に、コークスや乾燥ガスの収率を下げ、軽油の収率を向上させることで、生成物の配分を最適化する;
(2)C4オレフィンをオリゴマー化に供し、および、得られたC12オレフィンを接触転換反応装置に供することにより、プロピレン収率を向上させる;および、
(3)ライトサイクルオイル画分(特に、200~260℃の蒸留範囲を有するライトサイクルオイル画分)を、第1の接触転換反応装置および/または第2の接触転換反応装置に再循環させること;および/またはFGO画分(特に、>260℃の蒸留範囲を有するFGO画分)を第1の水素化処理装置で処理し、次いで、第1の接触転換反応装置および/または第2の接触転換反応装置に再循環させることによって、プロピレン収率をさらに改善する。
【0012】
本願のさらなる特徴および利点は、以下に詳細に記載される。
【0013】
〔図面の簡単な説明〕
本明細書の一部を形成する図面は、本願の理解を助けるために提供され、限定的であると考えられるべきではない。本願は、以下の詳細な説明と組み合わせて図面を参照して解釈することができる。図面において:
図1~4は、本願の方法およびシステムの好ましい実施形態の概略図である。
【0014】
〔符号の説明〕
1 パイプライン
2 パイプライン
3 パイプライン
4 パイプライン
5 パイプライン
6 パイプライン
7 分離器(disengager)
8 第2の反応ゾーン
9 第1の反応ゾーン
10 除去部(stripping section)
11 パイプライン
12 パイプライン
13 再生器
14 パイプライン
15 パイプライン
16 パイプライン
17 パイプライン
18 分留装置(fractionation device)
19 パイプライン
20 パイプライン
21 パイプライン
22 パイプライン
23 パイプライン
24 パイプライン
25 パイプライン
26 第1の水素化処理反応器
27 パイプライン
28 水素化分離装置
29 パイプライン
30 再循環水素処理装置
31 パイプライン
32 再循環コンプレッサ
33 パイプライン
34 パイプライン
35 パイプライン
36 パイプライン
37 パイプライン
38 C4分離装置
39 パイプライン
40 パイプライン
41 パイプライン
42 パイプライン
43 パイプライン
44 オリゴマー化装置
45 パイプライン
46 パイプライン
47 第2の水素化処理反応器
48 パイプライン
49 水素化分離装置
50 パイプライン
51 パイプライン
52 パイプライン
53 パイプライン
54 精留塔
55 パイプライン
56 パイプライン
57 パイプライン
58 パイプライン
59 パイプライン
60 パイプライン
61 パイプライン
62 パイプライン
63 パイプライン
64 パイプライン
65 パイプライン
66 濃密相床ユニット
I 第1の接触転換反応装置
II 第2の接触転換反応装置
〔発明の詳細な説明〕
以下、本願を、その特定の実施形態および添付の図面を参照して、さらに詳細に説明する。本願の特定の実施形態は、例示の目的のためだけに提供され、いかなる方法においても限定することを意図しないことに留意されたい。
【0015】
前述のように、第1の態様において、本願は、以下の工程を含み、ガソリンおよびプロピレンを製造するための方法を提供する:
1)プロピレン、C4オレフィンおよびガソリン成分を含む第1の反応生成物を得るために、供給原料油を、第1の接触転換反応装置内での第1の接触転換反応に供する;
2)第1の反応生成物を分離して、プロピレン画分、ガソリン画分、C4オレフィンを含む画分、任意でライトサイクルオイル画分、および任意にFGO画分を得る;
3)工程2)で得られたC4オレフィン含有画分、および任意で外部供給源からのC4オレフィン含有画分をオリゴマー化反応器中でのオレフィンオリゴマー化に供して、C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得る。そして、任意でオリゴマー化生成物を分離して、C12オレフィンを含む画分を得る;
4)C12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分を第1の接触転換反応装置に再循環させる。および/または、プロピレンを含む第2の反応生成物を得るために、C12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分を第2の接触転換反応のための第2の接触転換反応装置に送る;および、
5)任意で、FGO画分を第1の水素化処理反応器中で第1の水素化処理に供して、水素化FGOを得る。そして、水素化されたFGOの少なくとも一部を第1の接触転換反応装置に再循環させ、および/または、第2の接触転換反応装置に送る。および/または、ライトサイクルオイル画分を第1の接触転換反応装置に再循環し、および/または、ライトサイクル画分を第2の接触転換反応装置に送る。
【0016】
本願の発明者らは驚くべきことに、オレフィンオリゴマー化のための接触転換生成物からC4オレフィンを含む画分を分離し、および、オリゴマー化生成物中のC12オレフィンを、さらなる接触転換反応のために接触転換反応装置に再循環させることによって、プロピレン収率を著しく向上させられることを見出した。
【0017】
本願において、オレフィンオリゴマー化は、当業者に周知のものであり得、オレフィンオリゴマー化は、C4オレフィンをC12オレフィンにオリゴマー化するために使用される。好ましくは、オレフィンオリゴマー化は、以下を含む条件下でオリゴマー化触媒の存在下で実施され得る:約50~500℃、好ましくは、約60~400℃の温度、約0.5~5.0MPaの圧力、および、約0.1~100h-1の重量時空間速度。
【0018】
本願によれば、オリゴマー化触媒は、リン酸触媒、酸性樹脂、シリカ-アルミナ固体酸触媒およびゼオライト固体酸触媒からなる群から選択される1つ以上であり得、リン酸触媒は、リン酸を珪藻土に担持することによって形成される触媒、リン酸を活性炭に担持することによって形成される触媒、リン酸に浸漬された珪砂から形成される触媒、リン酸をシリカゲルに担持することによって形成される触媒、および、シリカゲルにピロリン酸銅を担持することによって形成される触媒から選択される1つ以上であり得;前記シリカ-アルミナ固体酸触媒は、担持された金属イオンが、第VIII族金属、第IVA族金属、またはそれらの組み合わせから選択される、アルミナおよび/または非晶質シリカ-アルミナ担体上に金属イオンを担持することによって形成される触媒であり得;ゼオライト固体酸触媒は、ゼオライト固体酸触媒の重量に基づいて、約10~100重量%のゼオライトおよび約0~90重量%のマトリックスを含み得、ゼオライトは、一次元ゼオライト、二次元ゼオライト、および三次元ゼオライトからなる群から選択される1つ以上である。好ましくは、一次元ゼオライトはMTW(ZSM-12)、MTT(ZSM-23)およびTON(ZSM-22)ゼオライトから選択され、二次元ゼオライトはFER(フェリエライト)、MFS(ZSM-57)、MWW(MCM-22)およびMOR(モルデナイト)ゼオライトから選択される。さらに好ましくは、ゼオライトはZSM-5ゼオライトから選択される。本願では、1次元ゼオライト、2次元ゼオライトおよび3次元ゼオライトはゼオライトのチャンネルシステム特性(channnel system characteristics)に従って分類され、その意味は当業者に周知であり、したがって、簡潔にするために本明細書では省略される。
【0019】
本願に含まれるオリゴマー化反応は、反応条件が制御され、C12オレフィンの製造を最大にするように触媒が注意深く選択される反応である。オリゴマー化供給原料となるC4オレフィンは、以下を含む装置に由来し得るが、以下に限定されない:第1の接触転換反応装置、前記他の接触転換反応装置、および、生成物がC4オレフィンを含む他のユニット;例えば、精油所または化学プラントの様々なユニットに由来し得る。精油所ユニットは、様々な接触分解ユニット、より高収率のイソパラフィンを製造するための接触転換ユニット、深度接触分解(deep catalytic cracking)ユニット(例えば、DCCユニット)、および熱的接触分解ユニットからなる群から選択される少なくとも1つである接触転換反応装置、および/または、様々な熱的分解ユニットおよび様々なコーキングユニット(例えば、ディレイド・コーキングユニット(delayed coking unit))からなる群から選択される少なくとも1つである熱的転換ユニットから選択され得る;そして、化学プラントユニットは、水蒸気分解ユニットおよび/またはオレフィンオリゴマー化ユニットから選択され得る。C4オレフィンは、生産の必要性および実際の状況に従って当業者によって得ることができ、その詳細な記載は、簡潔にするために本明細書では省略する。
【0020】
好ましい実施形態では、得られるオリゴマー化生成物のC12オレフィン含有量が、オリゴマー化生成物の重量に基づいて、少なくとも(no less than)約20重量%、例えば、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、または、少なくとも約80重量%である。
【0021】
好ましい実施形態では、工程3)で得られるC12オレフィン含有画分が、C12オレフィン含有画分の重量に基づいて、少なくとも約40重量%、例えば、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または、少なくとも約90重量%のC12オレフィン含有量を有する。工程3)で得られるC12オレフィン含有画分は、好ましくは本質的にC12オレフィンからなる。
【0022】
本願によれば、オリゴマー化反応は、C4オレフィン含有画分中のC4オレフィン含有量および不純物含有量を最適化することにより、さらに促進される。例えば、C4オレフィン含有画分は、好ましくは、C4オレフィン含有画分の重量に基づいて、約40重量%~約100重量%のC4オレフィン含有量を有する。
【0023】
本願によれば、C4オレフィン含有画分は、結果として、多くとも(no more than)約20μg/gの硫黄含有量、多くとも約0.6μg/gの塩基性窒化物含有量、約600~1800μg/gの水含有量、および、多くとも約200μg/gのジエン含有量を有し得るように、オリゴマー化反応前に前処理されることが好ましい。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、第1の接触転換反応装置に再循環され、および/または、工程4)で第2の接触転換反応装置に送られるC12オレフィンは、第1および第2の接触転換反応装置に導入される、再循環C12オレフィン等の全ての新鮮な供給原料油および再循環流を含む、接触転換供給原料の総量の、約0.1重量%~約80重量%、好ましくは、約1重量%~約70重量%を占める。
【0025】
本願のいくつかの好ましい実施形態では、C4オレフィンの利用をさらに増加させるために、前記方法は、さらに以下を含み得る:C12オレフィンを含む画分を分離した後のオリゴマー化生成物の残渣を、さらなるオリゴマー化のためにオリゴマー化反応器に再循環させること、または、C12オレフィンを含む画分を分離した後のオリゴマー化生成物の残渣からC4オレフィンをさらに分離し、次いで、C4オレフィンをオリゴマー化反応に再循環させること。
【0026】
本願のいくつかの好ましい実施形態では、プロピレン収率をさらに増加させるために、前記方法はさらに以下を含み得る:工程5)において、工程2)で得られたライトサイクルオイル画分(特に、200~260℃の蒸留範囲を有するライトサイクルオイル画分)を、第1の接触転換反応装置および/または第2の接触転換反応装置に再循環させること;および/または、工程2)で得られたFGO画分(特に、>260℃の蒸留範囲を有するFGO画分)を、第1の水素化処理反応器中で水素化処理した後に、第1の接触転換反応装置および/または第2の接触転換反応装置に再循環させること。
【0027】
本願によれば、第1の接触転換反応に使用される供給原料油は、当業者に周知のものであり得る。例えば、供給原料油は、石油炭化水素、他の鉱油、またはそれらの組み合わせから選択され得、石油炭化水素は常圧軽油、減圧軽油、常圧残油、減圧残油、水素化残油、コーカーガスオイル、および脱アスファルト油からなる群から選択される1つ以上であり得;前記他の鉱油は石炭および天然ガス由来液体油、オイルサンド油、タイトオイル、およびシェールオイルからなる群から選択される1つ以上であり得る。好ましくは、供給原料油の特性が以下の基準の少なくとも1つを満たす:約900~1000kg/m3、好ましくは、約930~960kg/m3の密度、約4~15重量%、好ましくは、約6~12重量%の残留炭素(carbon residue)、約15~600ppm、好ましくは、約15~100ppmの金属含有量、および、約0.5~20mg KOH/g、好ましくは、約0.5~10mg KOH/gの酸価。
【0028】
本願によれば、前記方法は、さらに以下を含み得る:工程1)の前に、第2の水素化処理のための第2の水素化処理反応器において、供給原料油を第2の水素化処理触媒と接触させること、および、得られた水素化生成物を第1の接触転換反応装置に送ること。好ましくは、水素化生成物の収率は、供給原料油の重量に基づいて85~95重量%に制御され、水素化生成物の最初の沸点は330~350℃である。
【0029】
本願によれば、第2の水素化処理は、以下を含む条件下で実施され得る:約3.0~20.0MPaの水素分圧、約300~450℃の反応温度、約100~2000標準立方メートル/立方メートルの水素対油の体積比率、および約0.1~3.0h-1の体積空間速度。
【0030】
本願によれば、第2の水素化処理触媒は、アルミナ、シリカおよび非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上である、約70~99重量%の担体、および、第VIB族金属、第VIII族金属、またはそれらの組み合わせから選択され得る、約0.1~30重量%の活性金属(酸化物として計算)を含む。好ましくは、担体は、担体の重量に基づいて、約2~15重量%のAlおよび約5~30重量%のPを含み得、触媒は、触媒の重量に基づいて、約5~40重量%の第VIB族金属酸化物、および、約1~12重量%の第VIII族金属酸化物を有し得る。第2の水素化処理触媒は、特定の等級(grading)に従って第2の水素化処理反応器中に充填され得る。触媒等級は、触媒のサイズ、孔径および活性等の物理的および化学的特性に従って、水素化触媒床の全体に渡って残留炭素を除去するために、水素化保護剤、水素化脱金属触媒、水素化脱硫触媒、および水素化脱窒素触媒を充填する触媒等級を指す。好ましくは、触媒等級における水素化脱金属触媒が全触媒の重量の少なくとも30重量%を構成する。好ましくは、触媒等級は全触媒の重量に基づいて、約20~70重量%、好ましくは、約30~50重量%のガード(guard)/脱金属(demetallization)触媒;約20~70重量%、好ましくは約40~60重量%の脱硫触媒:および好ましくは、および約0~60重量%、好ましくは、約10~40重量%の脱窒素/残留炭素除去のための触媒を含む。本願によれば、第2の水素化処理触媒は、当技術分野で従来から用いられている水素化処理触媒および/または性能向上触媒(upgrading catalyst)であり得る。第2の水素化処理を用いることにより、供給原料油の品質を向上させることができ、接触転換ガソリンおよびプロピレンの収率を向上させることができる。
【0031】
本願によれば、FGOは、得られる第1の反応生成物および/または第2の反応生成物から分離され得、次いで、水素化FGOを得るため、第1の水素化処理のために第1の水素化処理触媒と接触させることを目的として、第1の水素化処理反応器に送られ得る。好ましくは、第1の水素化処理は、以下の条件下で実施され得る:約3.0~20.0MPa、好ましくは4~16MPaの水素分圧、約300~450℃、好ましくは、320~420℃の反応温度、約0.1~10.0h-1、好ましくは0.1~5.0h-1の体積空間速度、および、約100~1500標準立方メートル/立方メートル(Nm3/m3)の水素対油体積比率である。第1の水素化処理触媒は、アルミナ、シリカおよび非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上であり得る、約60~99重量%の担体、および、第VIB族金属、第VIII族金属、またはそれらの組み合わせから選択される、約5~40重量%の活性金属(酸化物として計算)を含み得る。好ましくは、
担体は、担体の重量に基づいて、約1~10重量%のAlおよび約5~20重量%のPを含み得、触媒は、触媒の重量に基づいて、約10~35重量%のVIB金属酸化物、約1~10重量%の第VIII族金属酸化物を含み得る。
【0032】
本願によれば、「流動接触分解軽油(FGO)」は、接触転換精留塔の塔底重質画分を指し、FGOは、従来の接触転換精留塔から得られる接触転換スラリー油である。FGOは、一般に約250℃以上、好ましくは約300℃以上、より好ましくは約330℃以上の切点を有する。例えば、FGOの蒸留範囲は約250~700℃、好ましくは、約280~470℃であり得る。FGOの密度は約0.89~1.2g/cm3であり、FGOの水素含有量は約10.5重量%以上、好ましくは、約10.8重量%以上であり得る。そして、FGOの固形粒子含有量は、約0.1~10g/Lであり得る。その上、水素化処理から得られた生成物は、気液分離に供され、軽質炭化水素および水素を除去され得、その結果、水素化FGOが得られ得る。水素化処理後に得られた水素化FGOでは、多環芳香族炭化水素が飽和して2環以下の芳香族炭化水素が生成し、その結果、FGOの接触転換能力が大幅に向上させられ得る。したがって、第1または第2の接触転換反応装置へのその再循環、および/または、さらなる反応のための他の接触転換反応装置への導入は、より高品質の燃料油の製造につながり得る。
【0033】
本願において用いられる接触転換反応装置は、当業者に周知のものであり得る。例えば、第1の接触転換反応装置、および、前記第2の接触転換反応装置は、仮に存在する場合、各々が独立して流動床反応器であり得る。
【0034】
本願において、用語「流動床反応器」は、その最も広い意味で理解されるべきであり、化学反応のために流動状態で存在する固体触媒粒子と気体供給原料とを接触させるための様々な形態の反応器を含み、濃密相床(dense phase bed)、バブリング床(bubbling bed)、乱流床(turbulent bed)、高速床(fast bed)、気相輸送床(gas phase transport bed)(例えば、上向き床(upward bed)および下向き床(downer bed))等が含まれるが、これらに限定されない。そして、流動床反応器は、等線速度流動床反応器、等直径流動床反応器、直径変換流動床反応器等であり得、または、代わりに、直列に接続された2つ以上の異なる種類の流動床の組み合わせから得られる複合反応器(composite reactor)であり得る。そして、好ましくは、ライザー反応器、または、濃密相床とライザーを組み合わせた複合反応器であり得る。典型的には、濃密相床のガス速度は約0.1~2m/sの範囲である一方、ライザーのガス速度は約2~30m/s(触媒を除く)の範囲である。好ましい実施形態において、ライザー反応器は、等直径ライザー反応器、等線速度ライザー反応器、または、直径変換ライザー反応器であり得る。
【0035】
好ましい実施形態では、第1の接触転換反応装置および/または第2の接触転換反応装置は、直径変換ライザー反応器であり、直径変換ライザー反応器は、垂直方向に底部から頂部へ、プレリフト部分と、第1の反応ゾーンと、第1の反応ゾーンの直径よりも大きい直径を有する第2の反応ゾーンと、同軸上に配置された第2の反応ゾーンの直径よりも小さい直径を有する排出口ゾーンと、を連続的に含み得る。そして、排出口ゾーンは、その端部で水平パイプを介して分離器(disengager)に接続されており、反応器の全高は約10~60メートルであり、分解反応が第1の反応ゾーンで起こり、水素移動反応および異性化反応は、第2の反応ゾーンで起こる。プレリフト部分の直径は、従来の等直径ライザー反応器の直径と同一であり、一般的に約0.02~5m程度であって、プレリフト部分の高さは、反応器全高の約5~10%である。第1の反応ゾーンは従来の等直径ライザー反応器と類似した構造を有し、プレリフト部分の直径と等しいかまたはそれよりわずかに大きい直径を有し得、プレリフト部分の直径に対する第1の反応ゾーンの直径の比率は、約1.0~2.0:1であって、第1の反応ゾーンの高さは、反応器の全高の約10~30%である。このゾーンで混合した後、供給原料油および触媒は、比較的高い反応温度および触媒対油重量比率で、比較的短い滞留時間(典型的には約0.5~3.0秒)の間、主に分解反応に供される。第2の反応ゾーンの直径は第1の反応ゾーンの直径よりも大きく、第1の反応ゾーンの直径に対する第2の反応ゾーンの直径の比率は約1.5~5.0:1であって、第2の反応ゾーンの高さは、反応器の全高の約30~60%である。その結果、石油ガスおよび触媒の流速を低減させることができ、反応温度を調整することができる。反応器のより詳細な説明については、中国特許第ZL99105903.4号を参照することができ、その内容の全体は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0036】
本願において用いられる接触転換触媒は、当業者に周知のものであり得る。例えば、前記第1の接触転換反応のための前記触媒、および、前記第2の接触転換反応のための前記触媒は、仮に存在する場合、各々が独立して、非晶質シリカ-アルミナ触媒、ゼオライト触媒、またはそれらの組み合わせから選択され得、前記ゼオライト触媒中の前記ゼオライトは、Yゼオライト、HYゼオライト、超安定Yゼオライト、ZSM-5系ゼオライト、ペンタシル(pentasil)構造を有する高シリカゼオライト、およびフェリエライトからなる群より選択される1つ以上であり得る。ゼオライトは、希土類元素および/またはリンを含んでも含まなくてもよい。用いられる接触転換反応装置が複数の反応ゾーンを有する場合、接触転換反応装置の異なる反応ゾーンに供される触媒は、同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。異なる種類の触媒は、異なる粒径を有する触媒および/または異なる見かけの嵩密度を有する触媒であり得る。異なる粒径および/または異なる見かけの嵩密度を有する触媒を、それぞれ異なる反応ゾーンに注入することができる。例えば、超安定Yゼオライトを含み、大きな粒径を有する触媒は、分解反応を促進するために第1の反応ゾーンに導入され、REYゼオライトを含み、小さい粒径を有する触媒は、水素移動反応を促進するために第2の反応ゾーンに導入され、異なる粒径を有する触媒は、同一のストリッパー(stripper)中で除去され、同一の再生器中で再生する。次いで、大きな粒径を有する触媒は、小さな粒径を有する触媒から分離される。そして、小さな粒径を有する触媒は冷却され、第2の反応ゾーンに導入される。異なる粒径を有する触媒は、約30~40ミクロンの境界で分離され、異なる見かけ嵩密度を有する触媒は、約0.6~0.7g/cm3の境界で分離される。
【0037】
なお、本願において、第1の接触転換反応用触媒および第2の接触転換反応用触媒は、仮に存在する場合、当業者に周知のものであればよく、例えば、各々独立して、約1~50重量%のゼオライト、約5~99重量%の無機酸化物、および、約0~70重量%の粘土を含み得る。触媒において、ゼオライトは活性成分として用いられ、ゼオライトは、メソポーラスゼオライト、マクロポーラスゼオライト、またはそれらの組み合わせから選択され得る。好ましくは、メソポーラスゼオライトは、ゼオライトの全重量の約50~100重量%、好ましくは約70~100重量%を占め得り、マクロポーラスゼオライトは、ゼオライトの全重量の約0~50重量%、好ましくは、約0~30重量%を占め得る。メソポーラスゼオライトは、ZSM系のゼオライト、ZRPゼオライト、またはそれらの組み合わせから選択され得る。任意で、メソポーラスゼオライトは、リン等の非金属元素および/または鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属元素で修飾され得る。ZRPゼオライトのより詳細な説明については、米国特許第5,232,675号を参照することができ、その内容は、参照として本明細書に組み込まれる。ZSM系ゼオライトは、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、類似の構造を有する他のゼオライト、または、それらの混合物からなる群から選択され得る。ZSM-5等のより詳細な説明は、米国特許第3,702,886号に見出すことができ、その内容は、参照として本明細書に組み込まれる。マクロポーラスゼオライトは、REYゼオライト、REHYゼオライト、超安定Yゼオライト、および、高シリカYゼオライトからなる群から選択される1つ以上であり得る。触媒において、無機酸化物は、バインダとして使用され、二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸化アルミニウム(Al2SiO3)から選択され得る。触媒において、粘土は、マトリックス(すなわち、担体)として用いられ、カオリンおよび/またはハロイサイトから選択され得る。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態では、C12オレフィン含有オリゴマー化生成物もしくは画分および水素化FGOは、第1の接触転換反応装置に再循環され、それらは任意の位置で第1の接触転換反応装置に供され得る。例えば、供給原料油、水素化FGOおよびC12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分は、同一の供給点で、または2つ以上の供給点で、第1の接触転換反応装置に供され得る。
【0039】
好ましい実施形態において、前記第1の接触転換反応装置は流動床反応器であり、前記第1の接触転換反応装置における前記反応条件は、以下を含む:約420~650℃の反応温度、約0.05~20秒の反応時間、約3:1~約15:1の触媒対供給原料重量比率、および、約0.03:1~約0.5:1の蒸気対供給原料重量比率;
好ましくは、前記反応条件が以下を含む:約480~600℃の反応温度、約0.1~15秒の反応時間、約4:1~約12:1の触媒対供給原料重量比率、および、約0.05:1~約0.3:1の蒸気対供給原料重量比率。
【0040】
さらに好ましい実施形態において、第1の接触転換反応は、以下の特徴の1つ以上を有する気体生成物が得られる程度まで実施される:
約7以上、好ましくは約10以上の、乾燥ガス(C2以下)に対する液化ガス(C3およびC4)の質量分率;
多くとも(no greater than)約2.0%、好ましくは、多くとも約1.0%のメタン収率;
約3.5以上、好ましくは約5.0以上の、液化ガス中の、プロパンに対するプロピレンの質量画分比率;および、
約1.5以上、好ましくは約4.0以上の、イソブタンに対するイソブチレンの質量画分比率。
【0041】
さらに好ましい実施形態において、第1の接触転換反応装置は、直径変換ライザー反応器であり、直径変換ライザー反応器は、反応流の流れ方向に沿って、第1の反応ゾーンと、第1の反応ゾーンの直径よりも大きい直径を有する第2の反応ゾーンと、を含み、直径変換ライザー反応器の第1の反応ゾーンにおいて、反応条件は以下を含む:約450~620℃、好ましくは、約500~600℃の反応温度、約0.5~2.0秒、好ましくは、約0.8~1.5秒の反応時間、および、約3:1~約15:1、好ましくは、約4:1~約12:1の触媒対供給原料重量比率、および、約0.03:1~約0.3:1、好ましくは、約0.05:1~約0.15:1の蒸気対供給原料重量比率;第2の反応ゾーンにおける反応条件は以下を含む:約460~550℃、好ましくは、約480~530℃の反応温度、約2~30秒、好ましくは、約3~15秒の反応時間、約4:1~約18:1、好ましくは、約4.5:1~約15:1の触媒対供給原料重量比率、および、約0.03:1~約0.3:1、好ましくは、約0.05:1~約0.15:1の蒸気対供給原料重量比率。さらに好ましくは、C12オレフィン含有オリゴマー化生成物または画分は、工程4)で直径変換ライザー反応器の第2の反応ゾーンに再循環され、および/または、水素化FGOおよび/またはライトサイクルオイル画分の少なくとも一部は、工程5)で直径変換ライザー反応器の第1の反応ゾーンに再循環される。
【0042】
本願によれば、第2の接触転換反応および第1の接触転換反応の反応条件は同じであってもよいし、異なっていてもよく、例えば、第2の接触転換反応の条件は、以下を含み得る:約450~620℃の反応温度、約0.5~20.0秒、好ましくは、約2~20秒の反応時間、約1~25の触媒対油の重量比率、および、約0.03~0.3の蒸気対油重量比率。
【0043】
本願によれば、接触転換生成物は、分離されて、前述した画分に加えて、乾燥ガス、プロパン、プロピレン、C5+ガソリン等を得ることができる。C4オレフィンを含む画分を分離する方法は、当業者に周知のものであり得、好ましくは、溶媒としてアセトニトリルを用いる抽出蒸留を含む。当該方法において、C4画分は、まず分留によって分離され得、次いで、C4画分中のパラフィンは、C4オレフィンを含む画分を得るためにさらに分離され得る。触媒はジエンによって被毒されやすく、極めて高レベルの硫黄、特にメルカプタンおよび硫化水素はオリゴマー化触媒の活性を低下させ、オリゴマー化ガソリン中の樹脂の形成を促進し得ることから、C4オレフィンを含む画分は、前処理ユニットによって、例えば選択的水素化によりジエンを除去するため、エタノールアミンを用いた脱硫のため、アルカリ洗浄および水洗のため、および、塩基性窒化物を除去するために処理され得、次いで、オリゴマー化に供され得る。前述した処理は、当業者には周知であり、その詳細な説明は簡潔にするために本明細書では省略する。
【0044】
第二の実施形態において、本願は、ガソリンおよびプロピレンを製造するためのシステムであって、第1の接触転換反応装置、再生器(regenerator)、油-触媒分離装置、生成物分離装置、オリゴマー化反応器、任意で精留塔、および任意で第2の接触転換反応装置を含むシステムを提供する:
前記第1の接触転換反応装置は、供給原料油に対して第1の接触転換反応を実施して、第1の反応生成物および使用済み触媒を含む反応排出物を得るように設定され、前記第1の反応生成物は、プロピレン、C4オレフィンおよびガソリン成分を含む;
前記油-触媒分離装置は、前記第1の接触転換反応装置の反応排出物中の使用済み触媒から前記第1の反応生成物を分離するように設定され、
前記再生器は、前記使用済み触媒を再生し、前記再生触媒を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるように設定され、
前記生成物分離装置は、前記第1の反応生成物を分離して、プロピレン画分、ガソリン画分、C4オレフィンを含む画分、任意でライトサイクルオイル画分、および任意でFGO画分を得るように設定され、
前記オリゴマー化反応器は、C4オレフィンを含む前記画分に対してオレフィンオリゴマー化を実施して、C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得て、前記オリゴマー化生成物を任意の前記精留塔に送る、または、前記オリゴマー化生成物を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるか、または、前記オリゴマー化生成物を任意の前記第2の接触転換反応装置に送るように設定される;
前記精留塔は、仮に存在する場合、前記オリゴマー化生成物を分離してC12オレフィンを含む画分を得るように設定され、C12オレフィンを含む画分を前記第1の接触転換反応装置に再循環させるか、または、C12オレフィンを含む画分を任意の前記第2の接触転換反応装置に送る;
前記第2の接触転換反応装置は、仮に存在する場合、C12オレフィン含有オリゴマー化生成物またはC12オレフィンを含む画分に対して第2の接触転換反応を実施して、プロピレンを含む第2の反応生成物を得るように設定される。
【0045】
好ましい実施形態において、前記第1の接触転換反応装置は、触媒注入口、少なくとも1つの接触転換供給原料注入口、および油-触媒排出口を備え、前記再生器は、触媒注入口および触媒排出口を備え、前記油-触媒分離装置は、油-触媒注入口、油-ガス排出口、および触媒排出口を備え、前記生成物分離装置は、少なくとも、油-ガス注入口およびC4オレフィン含有画分排出口を備え、前記オリゴマー化反応器は、供給原料注入口およびオリゴマー化生成物排出口を備え、前記精留塔は、油-ガス注入口、C12オレフィン含有画分排出口および分離された生成物排出口を備え、並びに、第2の接触転換反応装置は、触媒注入口、供給原料注入口、および、油-触媒排出口を備える;
前記第1の接触転換反応装置の前記触媒注入口は、再生器の前記触媒排出口と流体連通しており、前記第1の接触転換反応装置の前記油-触媒排出口は、前記油-触媒分離装置の前記油-触媒注入口と流体連通しており、前記油-触媒分離装置の前記触媒排出口は、前記再生器の前記触媒注入口と流体連通しており、前記油-触媒分離装置の前記油-ガス排出口は、前記生成物分離装置の前記油-ガス注入口と流体連通しており、前記生成物分離装置の前記C4オレフィン含有画分排出口は、前記オリゴマー化反応器の前記供給原料注入口と流体連通しており、前記オリゴマー化反応器の前記オリゴマー化生成物排出口は、前記精留塔の前記油-ガス注入口と流体連通しており、前記精留塔の前記C12オレフィン含有画分排出口は、前記第1の接触転換反応装置の1つの接触転換供給原料注入口、または、前記第2の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通しており;
好ましくは、前記システムは、第1の水素化処理反応器をさらに含み、前記生成物分離装置はFGO排出口をさらに備え、前記第1の水素化処理反応器の供給原料注入口は前記生成物分離装置の前記FGO排出口と流体連通しており、前記第1の水素化処理反応器の生成物排出口は、前記第1の接触転換反応装置の1つの接触転換供給原料注入口、または、前記第2の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通しており;および、
さらに好ましくは、前記生成物分離装置はライトサイクルオイル画分排出口をさらに備え、前記生成物分離装置の前記ライトサイクルオイル画分排出口は、前記第1の接触転換反応装置の1つの接触転換供給原料注入口、または、前記第2の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通している。
【0046】
好ましい実施形態では、前記第1の接触転換反応装置は、前記反応流の流れ方向に沿って、第1の反応ゾーンと、第2の反応ゾーンと、を含む直径変換ライザー反応器であって、前記第2の反応ゾーンの底部には1つ以上の冷却/加熱媒体注入口を備え、および/または、前記第2の反応ゾーンには、熱除去剤を備え、そして、前記熱除去剤の高さは、前記第2の反応ゾーンの高さの約50~90%である。
【0047】
好ましい実施形態では、システムは第2の水素化処理反応器をさらに含み、第2の水素化処理反応器は、供給原料オイル注入口および生成物排出口を備え、前記第2の水素化処理反応器の前記生成物排出口は、前記第1の接触転換反応装置の1つの接触転換供給原料注入口と流体連通している;生成物分離装置は、ライトサイクルオイル排出口をさらに備え、生成物分離装置のライトサイクルオイル排出口は、第1の接触転換反応装置の1つの接触転換供給原料注入口と流体連通している。第2の水素化処理反応器を用いることにより、供給原料油の品質を向上させることができ、接触転換ガソリンおよびプロピレンの収率を向上させることができる。
【0048】
本願のシステムにおける様々な反応器および装置は、当業者に周知であり得、簡潔にするためにその詳細な説明は省略される。
【0049】
本願を、添付の図面を参照してさらに説明するが、これに限定されるものではない。
【0050】
第1のタイプの実施形態を、
図1を参照して以下に説明する。
【0051】
図1において、パイプライン2からの予熱された供給原料油は、パイプライン3からの噴霧水蒸気(atomizing steam)によって霧化される。そして、パイプライン1からプレリフトされた水蒸気によってプレリフトされる。次いで、パイプライン16からの再生触媒と接触させて第1の接触転換反応を行うために、直径変換ライザー反応器である、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9に供される。得られた石油ガスおよび触媒は上方に運ばれ、任意で、パイプライン3からの噴霧水蒸気によって霧化されるパイプライン4からの水素化FGOとさらに反応する。得られた石油ガスおよび触媒は上方に運ばれ、さらなる反応のために、第1の接触転換反応装置Iの第2の反応ゾーン8に運ばれる。得られた第1の反応生成物および第1の使用済み触媒は、分離器7において石油ガスおよび触媒分離に供される。炭素と共に沈殿した、分離された使用済み触媒は、除去部(stripping section)10においてパイプライン11からの水蒸気によって、伴っている石油ガスが除去され、次いで、コークス燃焼のためにパイプライン12を通って再生器13に送られる。得られた排ガスは、パイプライン15を介して再生器から排出される。再生器13では、パイプライン14からの空気が触媒上のコークスを燃焼させてその活性を回復させ、次いで、触媒は、反応のためにパイプライン16を介して第1の反応ゾーン9の底部に再循環される。分離された第1の反応生成物はパイプライン17を通って分留装置18を通過する。分留装置18で得られた軽質炭化水素成分は、パイプライン19を通ってC
4分離装置38を通過することによって、パイプライン37を通って回収された乾燥ガス、パイプライン39を通って回収されたプロピレン、パイプライン40を通って回収された液化ガスの他の成分、およびパイプライン41を通って回収されたC
4オレフィンを含む画分が得られる;分留装置18から得られたC
5+ガソリンは混合された後、パイプライン20を通って装置から排出される。分留によって得られたC
4オレフィンを含む画分は、任意で、パイプライン42からの外部C
4オレフィンと、パイプライン41を通して混合され、オレフィンオリゴマー化のために、パイプライン43を通してオリゴマー化装置44に供される。得られたオリゴマー化生成物は、分離のために、パイプライン65を通って精留塔54を通過する。分離によって得られたC
12オレフィンを含む画分は、パイプライン57よびパイプライン45を通って、第1の接触転換反応装置Iまたは第2の接触転換反応装置IIの第2の反応ゾーン8の底部に供される。未転換のC
4オレフィンは、パイプライン55を通ってオリゴマー化反応器44に再循環される。そして、反応生成物であるC
8オレフィンおよびC
16オレフィンは、装置から排出されるか、または、任意で、それぞれパイプライン56およびパイプライン58を通って、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9または第2の接触転換反応装置IIに再循環される。分留装置18から得られたライトサイクルオイルは、パイプライン21、23、および24を通って第1の接触転換反応装置Iに再循環される。分別装置18から得られたFGOは、パイプライン22を通して回収され、次いで、パイプライン36からの水素と一緒に、パイプライン25を通って第1の水素化処理反応器26に送られる。得られた反応生成物は、パイプライン27を通って水素化分離装置28に送られる。そして、分離された水素化FGOは、パイプライン4を通って、第1の反応ゾーン9の底部または第2の接触転換反応装置IIに供され;水素化分離装置28によって分離された分解ガス、ガソリンおよびディーゼル油は、それぞれ、パイプライン59、パイプライン60およびパイプライン61を介して装置から排出され;水素化分離装置28によって分離された水素は、パイプライン29を通して再循環水素処理装置30に送られ、次いで、パイプライン31を通して再循環コンプレッサ32に送られる。そして、加圧された水素は、パイプライン33を通って第1の水素化処理反応器26に戻されるか、または、パイプライン35からの新鮮な水素とパイプライン34を通して混合され、パイプライン36を通して再循環され、水素化供給原料と混合され、次いで、第1の水素化処理反応器26に戻される。パイプライン6は、第2の反応ゾーン8の温度を調節するための水蒸気の注入のために用いられる。
【0052】
第2のタイプの実施形態を、
図2を参照して以下に説明する。
【0053】
図2では、パイプライン2からの予熱された供給原料油とパイプライン3からの噴霧水蒸気とが混合され、パイプライン16からの再生触媒と接触するように濃密相床と直列に接続されたライザーを含む複合反応器である、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9(ライザーユニット)に供され、そして、パイプライン1からのプレリフト水蒸気によってプレリフトされる。得られた石油ガスおよび触媒は、上方に運ばれ、任意で、パイプライン3からの噴霧水蒸気によって霧化された、パイプライン45からのC
12オレフィンを含む画分と反応する。得られた石油ガスおよび触媒は、さらなる反応のために濃密相床ユニット66に向かって上方に運ばれる。得られた第1の反応生成物および第1の使用済み触媒は、分離器7において石油ガスおよび触媒分離に供される。炭素と共に沈殿した、分離された使用済み触媒は、除去部(stripping section)10において水蒸気パイプライン11からの水蒸気によって、運ばれた石油ガスが除去され、次いで、コークス燃焼のためにパイプライン12を通って再生器13を通過する。得られた排ガスは、パイプライン15を通して再生器から排出される。再生器13では、パイプライン14からの空気が、触媒上のコークスを燃焼させてその活性を回復させ、次いで、触媒は、反応のためにパイプライン16を介して第1の反応ゾーン9の底部に再循環される。分離された第1の反応生成物は、パイプライン17を通って分留装置18を通過する。分留装置18で得られた軽質炭化水素成分が、パイプライン19を通ってC
4分離装置38を通過することによって、パイプライン37を通って回収された乾燥ガス、パイプライン39を通って回収されたプロピレン、パイプライン40を通って回収された液化ガスの他の成分、およびパイプライン41を通って回収されたC
4オレフィンを含む画分が得られる;分留装置18から得られたC
5+ガソリンは混合された後、パイプライン20を通って装置から排出される。分留によって得られたC
4オレフィンを含む画分は、任意で、パイプライン42からの外部C4オレフィンと、パイプライン41を通して混合され、オレフィンオリゴマー化のために、パイプライン43を通してオリゴマー化装置44に供される。得られたオリゴマー化生成物は、分離のために、パイプライン65を通って精留塔54を通過する。分離によって得られたC
12オレフィンを含む画分は、パイプライン57およびパイプライン45を通って、第1の接触転換反応装置Iまたは第2の接触転換反応装置IIの第1の反応ゾーン9に再循環される。未転換のC
4オレフィンは、パイプライン55を通ってオリゴマー化反応器44に再循環される。そして、反応生成物であるC
8オレフィンおよびC
16オレフィンは、装置から排出されるか、または、任意で、それぞれパイプライン56およびパイプライン58を通って、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9または第2の接触転換反応装置IIに再循環される。
【0054】
第3のタイプの実施形態を、
図3を参照して以下に説明する。
【0055】
図3において、パイプライン2からの予熱された供給原料油および、パイプライン3からの噴霧水蒸気は混合され、パイプラインからの再生触媒と接触させるために、等直径ライザー反応器である、第1の接触転換反応装置Iへと供される。得られた石油ガスおよび触媒は上方に運ばれ、任意で、パイプライン3からの噴霧水蒸気によって霧化されるパイプライン45からのC
12オレフィンを有する画分と反応する。得られた石油ガスおよび触媒は上方に運ばれ、得られた第1の反応生成物および第1の使用済み触媒は、分離器7において石油ガスおよび触媒分離に供される。炭素と共に沈殿した、分離された使用済み触媒は、除去部(stripping section)10においてパイプライン11からの水蒸気によって、運ばれた石油ガスが除去され、次いで、コークス燃焼のためにパイプライン12を通って再生器13に送られる。得られた排ガスは、パイプライン15を通して再生器から排出される。再生器13では、パイプライン14からの空気が触媒上のコークスを燃焼させてその活性を回復させ、次いで、触媒は、反応のためにパイプライン16を介して第1の接触転換反応装置Iの底部に再循環される。分離された第1の反応生成物はパイプライン17を通って分留装置18を通過する。分留装置18で得られた軽質炭化水素成分は、パイプライン19を通ってC
4分離装置38を通過することによって、パイプライン37を通って回収された乾燥ガス、パイプライン39を通って回収されたプロピレン、パイプライン40を通って回収された液化ガスの他の成分、およびパイプライン41を通って回収されたC
4オレフィンを含む画分が得られる;分留装置18から得られたC
5+ガソリンは混合された後、パイプライン20を通って装置から排出される。分留によって得られたC
4オレフィンを含む画分は、任意で、パイプライン42からの外部C4オレフィンと、パイプライン41を通して混合され、オレフィンオリゴマー化のために、パイプライン43を通してオリゴマー化装置44に供される。得られたオリゴマー化生成物は、分離のために、パイプライン65を通って精留塔54を通過する。分離によって得られたC
12オレフィンを含む画分は、パイプライン57およびパイプライン45を通って、第1の接触転換反応装置Iまたは第2の接触転換反応装置IIに再循環される。未転換のC
4オレフィンは、パイプライン55を通ってオリゴマー化反応器44に再循環される。そして、反応生成物であるC
8オレフィンおよびC
16オレフィンは、装置から排出されるか、または、任意で、それぞれパイプライン56およびパイプライン58を通って、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9または第2の接触転換反応装置IIに再循環される。
【0056】
第4のタイプの実施形態を、
図4を参照して以下に説明する。
【0057】
図4において、パイプライン2からの予熱された供給原料油および、パイプライン3からの噴霧水蒸気は混合され、第1の接触転換反応装置Iに供される。得られた第1の反応生成物および第1の使用済み触媒は、分離器7において石油ガスおよび触媒分離に供される。炭素と共に沈殿した、分離された使用済み触媒は、除去部(stripping section)10においてパイプライン11からの水蒸気によって、運ばれた石油ガスが除去され、次いで、触媒は、コークス燃焼のためにパイプライン12を通って再生器13を通過する。得られた排ガスは、パイプライン15を通って再生器から排出される。再生器13では、パイプライン14からの空気が触媒上のコークスを燃焼させてその活性を回復させ、次いで、触媒は、反応のためにパイプライン16を介して第1の接触転換反応装置Iの底部に再循環される。分離された第1の反応生成物はパイプライン17を通って分留装置18を通過する。分留装置18で得られた軽質炭化水素成分は、パイプライン19を通ってC
4分離装置38を通過することによって、パイプライン37を通って回収された乾燥ガス、パイプライン39を通って回収されたプロピレン、パイプライン40を通って回収された液化ガスの他の成分、およびパイプライン41を通って回収されたC
4オレフィンを含む画分が得られる;分留装置18から得られたC
5+ガソリンは混合された後、パイプライン20を通って装置から排出される。分留によって得られたC
4オレフィンを含む画分は、任意で、パイプライン42からの外部C
4オレフィンと、パイプライン41を通して混合され、オレフィンオリゴマー化のために、パイプライン43を通してオリゴマー化装置44に供される。得られたオリゴマー化生成物は、分離のために、パイプライン65を通って精留塔54を通過する。分離によって得られたC
12オレフィンを含む画分は、パイプライン57およびパイプライン45を通って、第1の接触転換反応装置Iまたは第2の接触転換反応装置IIの第2の反応ゾーン8の底部に供される。未転換のC
4オレフィンは、パイプライン55を通ってオリゴマー化反応器44に再循環される。そして、反応生成物であるC
8オレフィンおよびC
16オレフィンは、装置から排出されるか、または、任意で、それぞれパイプライン56およびパイプライン58を通って、第1の接触転換反応装置Iの第1の反応ゾーン9または第2の接触転換反応装置IIに再循環される。分離によって得られたC
12オレフィンを含む画分は、パイプライン57およびパイプライン45を通って第2の接触転換反応装置IIに送られ、反応のために、パイプライン1’からのプレリフト水蒸気によってプレリフトされた、パイプライン16’からの再生触媒と接触する。得られた第2の反応生成物および第2の使用済み触媒は、分離器7’において石油ガスおよび触媒分離に供される。炭素と共に沈殿した、分離された使用済み触媒は、除去部(stripping section)10’においてパイプライン11’からの水蒸気によって、運ばれた石油ガスが除去され、次いで、触媒は、コークス燃焼のためにパイプライン12’を通って再生器13を通過する。得られた排ガスは、パイプライン15を通って再生器から排出される。再生器13では、パイプライン14からの空気が触媒上のコークスを燃焼させてその活性を回復させ、次いで、触媒は、反応のためにパイプライン16’を介して第2の接触転換反応装置IIの底部に再循環される。分離された第2の反応生成物は、パイプライン17を介して第1の反応生成物と混合され、分留装置18を通過する。
【0058】
好ましい実施形態では、本願は以下の技術的解決策を提供する。
【0059】
[項目1]C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得るために、オリゴマー化のためのオリゴマー化触媒と接触するように、C4オレフィンをオリゴマー化反応器に供し;
第1の接触転換反応のための接触転換触媒と接触させて、第1の反応生成物および第1の使用済み触媒を得るために、供給原料油を第1の接触転換反応装置に供し;
前記第1の使用済み触媒を再生し、得られた前記再生触媒を前記第1の接触転換反応装置に再循環させ;
少なくともC4オレフィンを含む画分およびFGOを前記第1の反応生成物から分離し、好ましくは、C12オレフィンを含むオリゴマー化生成物を得るために、前記C4オレフィンを含む画分を前記オリゴマー化反応器に再循環させ、オリゴマー化のための前記オリゴマー化触媒と接触させ;
C12オレフィンを含む得られた前記オリゴマー化生成物からC12オレフィンを分離し、得られた前記C12オレフィンの少なくとも一部を、前記第1の接触転換反応装置に再循環させ、および/または、それを、第2の接触転換反応装置に送り;第2の接触転換反応のための前記第2の接触転換反応装置において、前記C12オレフィンを第2の接触転換触媒と接触させて、第2の反応生成物および第2の使用済み触媒を得て;前記第2の使用済み触媒を再生し、得られた前記再生触媒を前記第2の接触転換反応装置に再循環させ;任意で、得られた前記第2の反応生成物を前記第1の反応生成物と一緒に分離し;
任意で、水素化FGOを得るために、得られた前記FGOを第1の水素化処理反応器に供して、第1の水素化処理のための第1の水素化処理触媒と接触させ;
好ましくは、前記水素化FGOの少なくとも一部を、前記第1の接触転換反応装置および/または、前記第2の接触転換反応装置に供する、ガソリンおよびプロピレンを製造するための方法。
【0060】
[項目2]前記オリゴマー化条件は、50~500℃の温度、0.5~5.0MPaの圧力、および、0.1~100h-1の重量時空間速度;を含み:
前記オリゴマー化触媒は、リン酸触媒、酸性樹脂、シリカ-アルミナ固体酸触媒およびゼオライト固体酸触媒からなる群から選択される1つ以上であり;
前記リン酸触媒は、リン酸を珪藻土に担持することによって形成される触媒、リン酸を活性炭に担持することによって形成される触媒、リン酸に浸漬された珪砂から形成される触媒、リン酸をシリカゲルに担持することによって形成される触媒、および、シリカゲルにピロリン酸銅を担持することによって形成される触媒から選択される1つ以上であり;
前記シリカ-アルミナ固体酸触媒は、担持された金属イオンが、第VIII族金属および/または第IVA族金属から選択される、アルミナおよび/または非晶質シリカ-アルミナ担体上に金属イオンを担持することによって形成される触媒であり;
前記ゼオライト固体酸触媒は、前記触媒の重量に基づいて、10~100重量%のゼオライトおよび0~90重量%のマトリックスを含み、前記ゼオライトは、Yゼオライト、ZSM-5ゼオライト、および、ベータゼオライトからなる群から選択される1つ以上である、項目1に記載の方法。
【0061】
[項目3]前記C4オレフィン源は、前記接触転換反応装置、他の接触転換反応装置、および、C4オレフィンを含む生成物を製造する他のユニット;を含むが、これらに限定されず、
前記オリゴマー化生成物は、前記オリゴマー化生成物の重量に基づいて、少なくとも20重量%のC12オレフィン含有量を有し;
前記C4オレフィン含有画分は、40~100重量%のC4オレフィン含有量を有し;
前記C4オレフィンを含む画分は、前記C4オレフィンを含む画分の重量に基づいて、20μg/g以下の硫黄含有量、0.6μg/g以下の塩基性窒化物含有量、600~1800μg/gの水含有量を有し、および、200μg/g以下のジエン含有量を有し;
前記第1の接触転換反応装置に再循環される、および/または、前記第2の接触転換反応装置に供される、前記C12オレフィンは、前記供給原料の重量の0.1~80重量%、好ましくは、1~70重量%を占め、
前記ライトサイクルオイル画分は、190~265℃、好ましくは200~260℃の蒸留範囲を有し;および、前記FGO画分は>250℃、好ましくは>260℃の蒸留範囲を有する、項目1に記載の方法。
【0062】
[項目4]第2の水素化処理のための第2の水素化処理反応器において、前記供給原料油を第2の水素化処理触媒と接触させ、次いで、得られた前記水素化生成物を前記第1の接触転換反応装置に送り、
前記供給原料油の特性は、
900~1000kg/m3、好ましくは930~960kg/m3の密度、4~15重量%、好ましくは6~12重量%の残留炭素、15~600ppm、好ましくは15~100ppmの金属含有量、0.5~20mg KOH/g、好ましくは0.5~10mg KOH/gの酸価;の基準の少なくとも1つを満たし:
前記第2の水素化処理の条件は、3.0~20.0MPaの水素分圧、300~450℃の反応温度、100~2000基準立方メートル/立方メートルの水素対油体積比率、および、0.1~3.0h-1の体積空間速度;を含み:
前記第2の水素化処理触媒は、担体および活性金属を含み、前記担体は、アルミナ、シリカ、および非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上であって、前記活性金属は、第VIB族金属および/または第VIII族金属から選択され、好ましくは、前記担体は、前記担体の重量に基づいて、約2~15重量%のAlおよび5~30重量%のPを含み、前記触媒は前記触媒の重量に基づいて、5~40重量%の第VIB族金属酸化物および1~12重量%の第VIII族金属酸化物を含む、項目1に記載の方法:
[項目5]前記第1の水素化処理の条件は、3.0~20.0MPaの水素分圧、300~450℃の反応温度、0.1~10.0h-1の体積空間速度、および100~1500標準立方メートル/立方メートルの水素対油の体積比率;を含み、
前記第1の水素化処理触媒は、担体および活性金属を含み、
前記担体は、アルミナ、シリカおよび非晶質シリカ-アルミナからなる群から選択される1つ以上であり、および、
前記活性金属は、第VIB族金属および/または第VIII族金属から選択される、項目1に記載の方法。
[項目6]前記第1の反応生成物から、>260℃の蒸留範囲を有するFGO画分と、200~260℃の蒸留範囲を有するライトサイクルオイル画分と、を分離し、
前記FGO画分を、前記第1の水素化処理のための第1の水素化処理反応器に送り、
次いで、前記FGO画分を、前記第1の接触転換反応装置および/または前記第2の接触転換反応装置に再循環させ、そして、前記ライトサイクルオイル画分を、前記第1の接触転換反応装置および/または前記第2の接触転換反応装置に送ること、をさらに含む、項目1に記載の方法。
【0063】
[項目7]前記第1の接触転換反応装置および前記第2の接触転換反応装置は、各々が独立して、等直径ライザー、等線速度ライザー、直径変換ライザー、流動床、流動床と上方コンベアラインと下方コンベアラインとを組み合わせた等直径ライザーを含む組み合わせ反応器、または、それらの2つが直列に接続された組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
【0064】
[項目8]前記直径変換ライザーは、前記反応流の流れ方向に沿って第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンと、を含み;
前記第2の反応ゾーンは1つ以上の冷却/加熱媒体注入口を底部に備え、および/または、
前記第2の反応ゾーンは、熱除去剤を備え、そして、前記熱除去剤の高さは、前記第2の反応ゾーンの高さの約50~90%である、項目7に記載の方法。
【0065】
[項目9]前記第1の接触転換触媒、および、前記第2の接触転換触媒は、各々が独立して、非晶質シリカ-アルミナ触媒および/またはゼオライト触媒であり、
前記ゼオライト触媒中の前記ゼオライトは、Yゼオライト、HYゼオライト、超安定Yゼオライト、ZSM-5系ゼオライト、ペンタシル構造を有する高シリカゼオライト、およびフェリエライトからなる群より選択される1つ以上である、項目1に記載の方法。
【0066】
[項目10]前記第1の反応生成物および/または前記第2の反応生成物を分離して、スラリー油を得、そして、前記スラリー油の少なくとも一部を前記第1の接触転換反応装置および/または前記第2の接触転換反応装置に再循環させる、項目1に記載の方法。
【0067】
[項目11]前記供給原料油は、石油炭化水素および/または他の鉱油を含み、
前記石油炭化水素は、常圧軽油、減圧軽油、常圧残油、減圧残油、水素化残油、コーカーガスオイル、および脱アスファルト油からなる群から選択される1つ以上であり;
前記他の鉱油は、石炭および天然ガス由来液体油、オイルサンド油、タイトオイル、およびシェールオイルからなる群から選択される1つ以上である、項目1に記載の方法。
【0068】
[項目12]前記供給原料油、前記水素化FGOおよび前記C12オレフィンの少なくとも1つは、同じ供給点および/または2つ以上の供給点で前記第1の接触転換反応装置に供される、項目1に記載の方法。
【0069】
[項目13]前記第1の接触転換反応装置は、直径変換ライザーであり、前記第1の接触転換反応装置は、前記反応流の流れ方向に沿って、第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンを含み、そして、前記供給原料油、前記水素化FGO、および、前記C12オレフィンは前記第1の反応ゾーンに供され;
前記第1の接触転換反応の条件は、
前記第1の反応ゾーン:450~620℃、好ましくは、500~600℃の反応温度、0.5~2.0秒、好ましくは、0.8~1.5秒の反応時間、3~15:1、好ましくは、4~12:1の触媒対供給原料重量比率、および、0.03~0.3:1、好ましくは、0.05~0.15:1の蒸気対供給原料重量比率;
前記第2の反応ゾーン:460~550℃、好ましくは、480~530℃の反応温度、2~30秒、好ましくは、3~15秒の反応時間、4~18:1、好ましくは、4.5~15:1の触媒対供給原料重量比率、および、0.03~0.3:1、好ましくは、0.05~0.15:1の蒸気対供給原料重量比率;含む、項目7に記載の方法。
【0070】
[項目14]前記第2の接触転換反応の条件は、450~620℃の反応温度、0.5~20.0秒の反応時間、1~25の触媒対油重量比率、および、0.03~0.3の蒸気対油重量比率、を含む、項目1に記載の方法。
【0071】
[項目15]第1の接触転換反応装置、再生器(regenerator)、油-触媒分離装置、生成物分離装置、オリゴマー化反応器、精留塔、および任意で第2の接触転換反応装置を含み;
前記第1の接触転換反応装置は、触媒注入口、供給原料注入口、および油-触媒排出口を備え、前記再生器は、触媒注入口および触媒排出口を備え、前記油-触媒分離装置は、油-触媒注入口、油-ガス排出口、および使用済み触媒排出口を備え、前記生成物分離装置は、少なくとも油-ガス注入口およびC4オレフィン含有画分排出口を備え、前記オリゴマー化反応器は、供給原料注入口およびオリゴマー化生成物排出口を備え、前記精留塔は、油-ガス注入口、C12オレフィン排出口、および分離生成物排出口を備え、前記第2の接触転換反応装置は、触媒注入口、供給原料注入口および油-触媒排出口を備え;
前記第1の接触転換反応装置の前記触媒注入口は、前記再生器の前記触媒排出口と流体連通しており、前記第1の接触転換反応装置の前記油-触媒排出口は、前記油-触媒分離装置の前記油-触媒注入口と流体連通しており、前記油-触媒分離装置の前記触媒排出口は、前記再生器の前記触媒注入口と流体連通しており、前記油-触媒分離装置の前記油-ガス排出口は、前記生成物分離装置の前記油-ガス注入口と流体連通しており、前記生成物分離装置の前記C4オレフィン含有画分排出口は、前記オリゴマー化反応器の前記供給原料注入口と流体連通しており、前記オリゴマー化反応器の前記オリゴマー化生成物排出口は、前記精留塔の前記油-ガス注入口と流体連通しており、前記精留塔の前記C12オレフィン排出口は、前記第1の接触転換反応装置の供給原料注入口、および、任意で前記第2の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通している;ガソリンおよびプロピレンを製造するためのシステムであって、
好ましくは、前記システムは、第1の水素化処理反応器をさらに含み、前記生成物分離装置はFGO排出口をさらに備え、前記第1の水素化処理反応器の前記供給原料注入口は、前記生成物分離装置の前記FGO排出口と流体連通しており、前記第1の水素化処理反応器の前記生成物排出口は、前記第1の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通しており、および、任意で、前記第2の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通している、システム。
【0072】
[項目16]第2の水素化処理反応器をさらに含み、前記第2の水素化処理反応器は、供給原料油注入口および生成物排出口を備え、前記第2の水素化処理反応器の前記生成物排出口は、前記第1の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通しており;
前記生成物分離装置は、ライトサイクルオイル排出口をさらに備え、前記生成物分離装置の前記ライトサイクルオイル排出口は、前記第1の接触転換反応装置の前記供給原料注入口と流体連通している、項目15に記載のシステム。
【0073】
〔実施例〕
本願は、以下の実施例に関連してさらに説明されるが、以下の実施例に限定されるものではない。
【0074】
本願の実施例および比較例に用いた供給原料油A~Cの特性を表1に示す。
【0075】
【0076】
実施例で用いた接触転換触媒Aの調製を、以下のように簡単に説明する:
工程1)20kgのNH4Clを1000kgの水中に溶解し、結晶化生成物として100kg(乾燥基準で)のZRP-1ゼオライト(シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能、SiO2/Al2O3=100、希土類含有量RE2O3=2.0重量%)を当該溶液に添加し、90℃で0.5時間交換し、濾過ケーキ(filter cake)を得るため濾過した;4.0gのH3PO4(85%の濃度を有する)および4.5gのFe(NO3)3を90gの水中に加え、溶解させ、次いで、含浸させるために前記濾過ケーキと混合し、乾燥させた;次いで、550℃で2時間焼成することにより、リンと鉄とを含むMFI構造を有するメソポーラスゼオライトを得た。元素分析によって決定されたその化学組成は以下のとおりである:
0.1Na2O・5.1Al2O3・2.4P2O5・1.5Fe2O3・3.8RE2O3・88.1SiO2;
工程2)75.4kgのハロイサイト(71.6重量%の固形分を有する、Suzhou China Clay Companyから入手可能な工業製品)を250kgの脱カチオン水でスラリーにした。次いで、54.8kgの擬ベーマイト(63重量%の固形分を有する、Shandong Aluminum Plantから入手可能な工業製品)を添加した。そして、得られた物を、塩酸を用いてpH2~4に調整し、均一に撹拌した。そして、pH2~4に保った状態で60~70℃で1時間熟成させ、60℃未満の温度に冷却した。次いで、41.5kgのアルミナゾル(21.7重量%のAl2O3含有量を有し、シノペック触媒社のQilu Branchより入手可能)を添加し、40分間撹拌して混合スラリーを得た;
3)工程2で得られた混合スラリーに対して、工程1)で得られたMFI構造を有するリンおよび鉄含有メソポーラスゼオライト(乾燥重量24.5kg)および超安定YゼオライトDASY(乾燥基準で1.3kg、シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能)を添加し、均一に撹拌し、噴霧乾燥し、リン酸二水素アンモニウム溶液(1重量%のリン含有量を有する)で洗浄して遊離Na+を除去し、乾燥させて「触媒A」と指定された接触転換触媒を得た。前記触媒は、乾燥基準で、MFI構造を有する20重量%のリンおよび鉄含有メソポーラスゼオライト、1重量%のマクロポーラスゼオライトDASY、32重量%の擬ベーマイト、7重量%のアルミナゾル、および、残り(balance)のカオリンを含む。
【0077】
本実施例において用いられる水素化処理触媒の調製は、以下のように簡潔に記載される:
メタタングステン酸アンモニウム((NH4)2W4O13・18H2O、化学的に純粋)と硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・18H2O、化学的に純粋)の重量を量り、200mLの水溶液を調合した。当該溶液を、50gのアルミナ担体に添加し、室温で3時間浸漬し、浸漬中に当該浸漬液を超音波で30分間処理し、冷却し、濾過し、電子レンジで約15分間乾燥させ、「触媒F」と指定された触媒を得た。当該触媒は、以下の組成を有する:30.0重量%のWO3、3.1重量%のNiOおよび残りのアルミナ。
【0078】
本実施例で用いた接触転換触媒A、B、C、Dおよびオリゴマー化触媒Eの特性を表2に示す。オリゴマー化触媒Eは、商品名がRGW-1である、シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能なゼオライト固体酸触媒であり;触媒Bは、商品名がMMC-1である、シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能な接触分解触媒であり;触媒Cは、商品名がRAG-1である、シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能な、高いプロピレンおよびガソリン収率を有する触媒であり;および、触媒Dは商品名がMLC-500である、シノペック触媒社のQilu Branchから入手可能な従来の接触分解触媒である。
【0079】
【0080】
〔実施例1〕
この実施例は、
図1に示す方法の流れに従って、触媒転換のための供給原料として直接的に供給原料油Aを用いて、直径変換ライザー反応器の試験工場で実施した。供給原料油Aを第1の反応ゾーン9の底部に供し、第1の反応ゾーン9の底部で触媒Aと接触させ、第1の反応ゾーン9および第2の反応ゾーン8で順次接触転換反応に供した。得られた反応生成物および炭素と共に沈殿した使用済み触媒を、分離器で分離した。そして、生成物分離装置において、蒸留範囲に従って反応生成物を分離して、乾燥ガス、エチレン、プロピレン、プロパン、およびC
4オレフィンを含む画分(85.9重量%のC
4オレフィン含有量を有する)、ブタン、ガソリン、200~260℃の蒸留範囲を有するライトサイクルオイル画分、および、>260℃の蒸留範囲を有するFGO画分を得た。
【0081】
C4オレフィンを含む画分を、オリゴマー化のためにオリゴマー化反応器に供給し、精留塔によって分離されたC12オレフィンを含む画分(85.2重量%のC12オレフィン含有量を有する)を第2の反応ゾーン8に再循環させ;200~260℃の蒸留範囲を有するライトサイクルオイル画分を、再利用のために第1の反応ゾーン9に再循環させ、蒸留範囲>260℃のFGO画分を、水素分圧18.0MPa、反応温度350℃、水素対油体積比率1500、および、体積空間速度1.5h-1を含む条件下で水素化処理した。水素化生成物は、接触転換反応のために第1の反応ゾーン9に再循環された。第2の反応ゾーン8に導入されたC12オレフィンは、全接触転換供給原料の18.9重量%を占めた。操作条件および生成物配分を表3に示す。
【0082】
〔比較例1-a〕
操作は、従来の接触分解触媒Dを使用し、および、生成物を従来の接触分解方法で必要とされるように分離して、乾燥ガス、液化ガス、プロピレン、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得たことを除いて、実施例1と実質的に同じであった。そして、接触転換生成物の再循環は実施しなかった。操作条件および生成物配分を表3に示す。
【0083】
〔比較例1-b〕
操作は、分離したC4オレフィン含有画分(85.7%のC4オレフィン含有量を有する)を、オリゴマー化のためにオリゴマー化反応器に供したことを除いて、実施例1と実質的に同じであった。そして、精留塔によって分離されたC8オレフィン含有画分(84.9重量%のC8オレフィン含有量を有する)を、第2の反応ゾーンに再循環させ、全接触転換供給原料の18.8重量%をC8オレフィンが占めた。操作条件および生成物配分を表3に示す。
【0084】
【0085】
〔実施例2〕
試験は、直列に接続された濃密相床およびライザーを含む、
図2に示されるような複合反応器上で、接触転換のための供給原料として供給原料油Bを用いて実施した。供給原料油Bは触媒Bと接触させ、反応温度650℃、反応時間0.8秒、触媒対油重量比率20、および蒸気対油重量比率0.8を含む条件下で、ライザーユニット中で反応させた;得られた反応流は、580℃の反応温度および10h
-1の重量空間速度でのさらなる反応のために濃密相床ユニットを通過させ、使用済み触媒および反応生成物を得た。使用済み触媒を再生し、再生触媒を接触転換触媒としてライザーユニットに再循環させた。反応生成物は、生成物分離装置中で蒸留範囲に従って分離され、乾燥ガス、エチレン、プロピレン、プロパン、C
4オレフィンを含む画分(84.8重量%のC
4オレフィン含有量を有する)、ブタン、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得た。
【0086】
C4オレフィンを含む画分は、オリゴマー化のために、オリゴマー化反応器に供され、精留塔によって分離されたC12オレフィンを含む画分(85.1重量%のC12オレフィン含有量を有する)を濃密相床ユニットに再循環させた。さらなる分解のために、濃密相床ユニットに導入されたC12オレフィンは、全接触転換供給原料の15.5重量%を占めた。操作条件および生成物配分を表4に示す。
【0087】
〔比較例2〕
操作は、接触転換生成物を分離し、分離することによって、乾燥ガス、液化ガス、プロピレン、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得たことを除いて、実施例2と実質的に同じであった。また、接触転換生成物の再循環は行わなかった。操作条件および生成物配分を表4に示す。
【0088】
【0089】
〔実施例3〕
試験は、等直径ライザー反応器上での接触転換のために、出発材料として供給原料油Cを用いて、
図3に示す方法の流れに従って実施した。供給原料油Cを触媒Cと接触させ、反応温度530℃、反応時間3.5秒、触媒対油重量比率8、および、蒸気対油重量比率0.1を含む条件下、ライザー反応器中で反応させることによって、使用済み触媒および反応生成物を得た。使用済み触媒を再生し、再生触媒を接触転換触媒としてライザー反応器に再循環させた。生成物分離装置において、蒸留範囲に従って、反応生成物を分離し、乾燥ガス、エチレン、プロピレン、プロパン、C
4オレフィンを含む画分(85.0重量%のC
4オレフィン含有量を有する)、ブタン、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得た。
【0090】
C4オレフィンを含む画分を、オリゴマー化のためにオリゴマー化反応器に供し、精留塔によって分離されたC12オレフィンを含む画分(85.3重量%のC12オレフィン含有量を有する)を、ライザー反応器に再循環させた。さらなる分解のためにライザー反応器に再循環されたC12オレフィンは、全接触転換供給原料の14.17重量%を占めた。操作条件および生成物配分を表5に示す。
【0091】
〔比較例3〕
操作は、接触転換生成物を、生成物分離装置中で蒸留範囲に従って分離して、乾燥ガス、液化ガス、プロピレン、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得たことを除いて、実施例3と実質的に同じであった。また、接触転換生成物の再循環は行わなかった。操作条件および生成物配分を表5に示す。
【0092】
【0093】
〔実施例4〕
図4に示すような二重ライザー反応器のシステムでの接触転換のための供給原料として、供給原料油Cを用いて試験を実施した。供給原料油Cを触媒Cと接触させ、第1のライザー反応器中で反応温度530℃、反応時間3.5秒、触媒対油重量比率8、および、蒸気対油重量比率0.10で反応させ、使用済み触媒及び反応生成物を得た。使用済み触媒を再生し、再生触媒を接触転換触媒として第1のライザー反応器に再循環させた。得られた反応生成物を、生成物分離装置中で蒸留範囲に従って分離して、乾燥ガス、エチレングリコール、プロピレン、プロパン、ブタン、C
4オレフィンを含む画分(85.3重量%のC
4オレフィン含有量を有する)、ガソリン、ディーゼル油およびスラリー油を得た。
【0094】
C
4オレフィンを含む画分を、
図4に示す方法の流れに従ってオリゴマー化するために、オリゴマー化反応器44に供し、C
12オレフィンを含む画分(85.0重量%のC
12オレフィン含有量を有する)を精留塔によって分離した。そして、C
12オレフィンを含む画分を、反応のために第2のライザー反応器の底部に供した。第2のライザー反応器に導入されたC
12オレフィンは、全接触転換供給原料の15.9重量%を占め、反応は、反応温度530℃、反応時間2.0秒、触媒対油重量比率8、蒸気対油重量比率0.10で実施した。第1のライザー反応器および第2のライザー反応器の反応生成物を組み合わせることによって得られた最終生成物の、操作条件および生成物配分を表6に示す。
【0095】
【0096】
前述した実施例と比較例との結果の比較からわかるように、本願の方法とシステムは、C4オレフィンをC12オレフィンにオリゴマー化し、および、結果として生じるC12オレフィンを再循環することによって、より高いプロピレン収率を提供する。加えて、表3の結果は、実施例1の接触転換反応が、比較例1と比較して、より低いアルカン収率およびより高いプロピレン収率を単独で提供することができること、および、C4オレフィンのオリゴマー化およびC12オレフィンの再循環により、プロピレン収率をさらに大幅に増加させることができることをもまた示す。
【0097】
本願は、好ましい実施形態を参照して、前記に詳細に説明されているが、これらの実施形態に限定されることは意図されていない。本願の発明思想に従い、様々な変更が可能であり、これらの変更は本願の範囲内である。
【0098】
なお、前記実施の形態で説明した様々な技術的特徴は、矛盾することなく、いかなる適した方法によっても、組み合わせることができる。また、不必要な繰り返しを避けるために、本願では、様々な可能な組み合わせについては記載していないが、このような組み合わせも本願の範囲内である。
【0099】
加えて、組み合わせが本願の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の様々な実施形態を任意に組み合わせることができる。そして、そのような組み合わせられた実施形態は、本願の開示として考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【
図1】本願の方法およびシステムの好ましい実施形態の概略図である。
【
図2】本願の方法およびシステムの好ましい実施形態の概略図である。
【
図3】本願の方法およびシステムの好ましい実施形態の概略図である。
【
図4】本願の方法およびシステムの好ましい実施形態の概略図である。