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特許7588621液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 7/02 20060101AFI20241115BHJP
   B63B 25/08 20060101ALI20241115BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
F17C7/02
B63B25/08 B
B63B25/16 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022096365
(22)【出願日】2022-06-15
(65)【公開番号】P2023183013
(43)【公開日】2023-12-27
【審査請求日】2024-10-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】安部 和也
(72)【発明者】
【氏名】小形 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋介
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-71534(JP,A)
【文献】特開2021-95050(JP,A)
【文献】特開2003-321089(JP,A)
【文献】中国実用新案第206973262(CN,U)
【文献】特開2021-95051(JP,A)
【文献】特開2021-99143(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108488621(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00-13/12
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、
前記タンクの内外を下方から上方に向かって貫通し、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出す払出配管と、
前記払出配管に備えられ、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出すポンプと、
前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが低下するにつれて前記ポンプの回転数を低下させるように、前記ポンプを制御するポンプ制御部と、
を備える液化二酸化炭素の払出設備。
【請求項2】
前記ポンプ制御部は、前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが低下するにしたがって、前記ポンプの回転数が連続的に小さくなるように前記ポンプを制御する
請求項1に記載の液化二酸化炭素の払出設備。
【請求項3】
前記ポンプ制御部は、前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが、所定の閾値以下となった場合、単位時間あたりの前記ポンプの回転数の低下率を減少させる
請求項1に記載の液化二酸化炭素の払出設備。
【請求項4】
浮体本体と、
前記浮体本体に設けられた請求項1から3の何れか一項に記載の液化二酸化炭素の払出設備と、を備える浮体。
【請求項5】
液化二酸化炭素を貯留可能なタンク、前記タンクの内外を下方から上方に向かって貫通し、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出す払出配管、及び前記払出配管に備えられ、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出すポンプ、を備える液化二酸化炭素の払出設備における、液化二酸化炭素の払出方法であって、
前記ポンプを作動させ、前記払出配管を通して、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出し、前記液化二酸化炭素の払い出しを開始する工程と、
前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが低下するにつれて、前記ポンプの回転数を低下させる工程と、
前記ポンプを停止させ、前記液化二酸化炭素の払い出しを終了する工程と、を含む
液化二酸化炭素の払出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示された燃料タンクは、液化ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)を燃料タンクに積み込むための積込配管(パイプライン)と、燃料タンクから液化ガスを取るための払出配管(パイプライン)とを備えている。積込配管、及び払出配管は、タンク内で、タンクの頂部付近から底部付近まで導設されている。払出配管の下端部には、タンク内の液化ガスを吸い出すためのポンプが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-528119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タンク内に液化二酸化炭素を収容する場合、以下のような理由により、液化二酸化炭素が凝固してドライアイスが生成されることがある。すなわち、タンク内で開口する積込配管や払出配管の配管下端における液化二酸化炭素の圧力は、タンク運用圧に応じたものとなる。特許文献1に開示されたような構成では、払出配管の下端部に設けられたポンプは、タンク内の液化二酸化炭素の液面よりも下方に配置されている。そのため、ポンプには、タンク内の液化二酸化炭素の液面とポンプとの高低差によるヘッド圧が作用する。ポンプに作用する液化二酸化炭素のヘッド圧は、タンク内の液化二酸化炭素の払い出しを開始した後、タンク内の液化二酸化炭素の残量が少なくなるにつれて低下する。
【0005】
ポンプの作動時、例えばポンプのインペラ周辺では、液化二酸化炭素の流速が高まる。また、払出配管における流量調整のために、払出配管に弁を備える場合、弁の開度を絞ると、液化二酸化炭素の流速が局所的に増大する。このように、液化二酸化炭素の流速が高まると、液化二酸化炭素の静圧低下が生じる。また、ポンプのインペラ中心部では、キャビテーション現象のような局所的な静圧低下が発生する。そして、タンク内の液化二酸化炭素の液面高さが低下して、ポンプに作用する液化二酸化炭素のヘッド圧が小さくなると、液化二酸化炭素の静圧低下が生じた部分で二酸化炭素の三重点圧力を下回り、液化二酸化炭素が気化してその蒸発潜熱によりドライアイスが生成される可能性がある。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、ドライアイス生成を抑え、液化二酸化炭素の払出作業を円滑に行うことができる液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る液化二酸化炭素の払出設備は、タンクと、払出配管と、ポンプと、ポンプ制御部と、を備える。前記タンクは、液化二酸化炭素を貯留可能である。前記払出配管は、前記タンクの内外を下方から上方に向かって貫通している。前記払出配管は、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出しする。前記ポンプは、前記払出配管に備えられている。前記ポンプは、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出す。前記ポンプ制御部は、前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが低下するにつれて前記ポンプの回転数を低下させるように、前記ポンプを制御する。
【0008】
本開示に係る液化二酸化炭素の払出方法は、液化二酸化炭素の払出設備における、液化二酸化炭素の払出方法である。前記液化二酸化炭素の払出設備は、タンク、払出配管、及びポンプを備える。前記タンクは、液化二酸化炭素を貯留可能である。前記払出配管は、前記タンクの内外を下方から上方に向かって貫通している。前記払出配管は、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出しする。前記ポンプは、前記払出配管に備えられている。前記ポンプは、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出す。前記液化二酸化炭素の払出方法は、液化二酸化炭素の払い出しを開始する工程と、前記ポンプの回転数を低下させる工程と、前記液化二酸化炭素の払い出しを終了する工程と、を含む。前記液化二酸化炭素の払い出しを開始する工程では、前記ポンプを作動させる。前記液化二酸化炭素の払い出しを開始する工程では、前記払出配管を通して、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に送り出し、前記液化二酸化炭素の払い出しを開始する。前記ポンプの回転数を低下させる工程では、前記タンク内の前記液化二酸化炭素の液面高さが低くなるにつれて、前記ポンプの回転数を低下させる。前記液化二酸化炭素の払い出しを終了する工程では、前記ポンプを停止させ、前記液化二酸化炭素の払い出しを終了する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法によれば、払出配管内のドライアイス生成を抑え、液化二酸化炭素の払出作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る浮体の概略構成を示す平面図である。
図2】本開示の実施形態に係る浮体に設けられたタンク及び払出配管を示す側断面図である。
図3】本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置の機能ブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係る浮体における液化二酸化炭素の揚荷方法の手順を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の払出方法におけるポンプの回転数の変化の一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の払出方法において、第一切替条件を満たす状態を示す図である。
図8】本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の払出方法において、第二切替条件であるときの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の払出設備、浮体、液化二酸化炭素の払出方法について、図1図8を参照して説明する。
(船舶の構成)
図1に示すように、本開示の実施形態において、浮体である船舶(浮体)1は、液化二酸化炭素を運搬する。この船舶1は、浮体本体としての船体2と、液化二酸化炭素の払出設備10と、を少なくとも備えている。
【0012】
(船体の構成)
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側3A,3Bと、船底(図示せず)と、上甲板5と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を有する。船底(図示せず)は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板を有する。これら一対の舷側3A,3B及び船底(図示せず)により、船体2の外殻は、船首尾方向Daに直交する断面において、U字状を成している。この実施形態で例示する上甲板5は、外部に露出する全通甲板である。船体2には、例えば船尾2b側の上甲板5上に、居住区を有する上部構造7が形成されている。なお、上部構造7の位置や大きさは、適宜変更可能である。
【0013】
船体2内には、上部構造7よりも船首2a側に、貨物搭載区画(ホールド)8が形成されている。貨物搭載区画8は、上甲板5に対して下方の船底(図示せず)に向けて凹み、上方に開口している。
【0014】
(液化二酸化炭素の払出設備の構成)
液化二酸化炭素の払出設備10は、貨物搭載区画8内に、船首尾方向Daに並んで、複数が配置されている。本開示の実施形態において、液化二酸化炭素の払出設備10は、例えば、船首尾方向Daに間隔を空けて二つが配置されている。
【0015】
図2は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられたタンク及び払出配管を示す側断面図である。
図2に示すように、本実施形態の液化二酸化炭素の払出設備10は、タンク11と、積込配管20と、払出配管30と、検出部40と、制御装置50と、を備えている。
これら複数の液化二酸化炭素の払出設備10のタンク11は、船体2に固定されている。本実施形態で例示するタンク11は、船首尾方向Daに延びる円筒状をなし、その内部には、液化二酸化炭素Lを貯留可能となっている。本実施形態のタンク11は、長手方向Dxを船首尾方向Daに一致させた姿勢で配置されている。タンク11は、筒状部12と、鏡板部13と、を備えている。筒状部12の長手方向Dxは、船首尾方向Daと一致しており、その長手方向Dxに直交する断面形状が円形をなしている。鏡板部13は、筒状部12の長手方向Dxの両端部にそれぞれ配置されている。各鏡板部13は、半球状等の船首尾方向Daに凸の球面を有し、筒状部12の長手方向Dx両端の開口をそれぞれ閉塞している。なお、タンク11は、円筒状に限られるものではなく、タンク11は球形、方形等、他の形状であってもよい。
【0016】
積込配管20は、陸上の液化二酸化炭素供給施設等、船外から供給される液化二酸化炭素Lをタンク11内に積み込む。積込配管20は、第一積込配管部21と、第二積込配管部22と、を備えている。
【0017】
第一積込配管部21は、船外の液化二酸化炭素供給施設等から液化二酸化炭素が供給される供給管(図示せず)が着脱可能に接続される。第一積込配管部21は、タンク11の外部に配置されている。この実施形態における第一積込配管部21は、タンク11の上下方向Dvの上方で、上下方向Dvと交差する方向(例えば、水平方向)に延びている。
【0018】
第二積込配管部22の基端22p(言い換えれば、上下方向Dvにおける上端)は、第一積込配管部21に接続されている。第二積込配管部22は、タンク11の頂部を貫通し、タンク11の内外を上下方向Dvの上方から下方に向かって延びている。第二積込配管部22の先端22q(言い換えれば、上下方向Dvにおける下端)は、タンク11内の下部で下方を向いて開口している。
【0019】
払出配管30は、タンク11内の液化二酸化炭素Lを、陸上の液化二酸化炭素貯留施設等、船外に払い出すための配管である。払出配管30は、第一払出配管部31と、第二払出配管部32と、を備えている。この払出配管30には、開閉弁(図示せず)が設けられている。この開閉弁(図示せず)は、タンク11内の液化二酸化炭素Lを払い出す際に、作業員の開放操作等により開放され、それ以外の場合閉塞状態とされる。
【0020】
第一払出配管部31は、タンク11内の液化二酸化炭素を船外の液化二酸化炭素貯留施設等に送給する送給管(図示せず)が着脱可能に接続される。第一払出配管部31は、タンク11の外部に配置されている。この実施形態における第一払出配管部31は、タンク11の上下方向Dvの上方で、上下方向Dvと交差する方向(例えば、水平方向)に延びている。
【0021】
第二払出配管部32の第一端32s(言い換えれば、上下方向Dvにおける下端)は、タンク11内の下部、より具体的には、タンク11内の最下部近傍に位置している。第二払出配管部32は、タンク11の頂部を貫通し、タンク11の内外にわたって上下方向Dvに延びている。第二払出配管部32の第二端32t(言い換えれば、上下方向Dvにおける上端)は、第一払出配管部31に接続されている。
【0022】
ポンプ35は、払出配管30に設けられている。より具体的には、ポンプ35は、第二払出配管部32の第一端32sに接続されている。ポンプ35は、タンク11内の液化二酸化炭素Lを吸い込み、この吸い込んだ液化二酸化炭素Lを、第二払出配管部32に送出可能とされている。ポンプ35としては、インペラを備えた遠心ポンプを例示できる。
【0023】
検出部40は、タンク11内に貯留される液化二酸化炭素Lの液面高さLhを少なくとも検出している。本実施形態の検出部40は、液面検出部41と、圧力検出部42と、を備えている。
【0024】
液面検出部41は、タンク11内に貯留される液化二酸化炭素Lの液面高さLhを検出する。本実施形態の液面検出部41は、ポンプ35から液化二酸化炭素Lの液面までの高さである液面高さLhを検出する。液面検出部41は、検出された液面高さLhの検出値の信号を、制御装置50に向けて出力する。液面検出部41としては、非接触で計測可能な超音波式レベルセンサー、レーザー式レベルセンサーや、液面に対して接触するフロート式のレベル計等を例示できる。
【0025】
圧力検出部42は、タンク11内の気相の圧力Pを検出する。本実施形態で例示する圧力検出部42は、タンク11のうち、最も高い位置となる頂部付近に設けられている。圧力検出部42は、圧力Pの検出値の信号を、制御装置50に向けて出力する。
【0026】
(制御装置の構成)
制御装置50は、液化二酸化炭素の払出設備10における液化二酸化炭素Lの払い出しの際の各部の動作を制御する。本実施形態では、制御装置50は、タンク11内から液化二酸化炭素Lを払い出しする際に、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhに基づいて、ポンプ35の動作を制御する。
【0027】
(ハードウェア構成図)
図3は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、制御装置50は、CPU51(Central Processing Unit)、ROM52(Read Only Memory)、RAM53(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージ54、信号送受信モジュール55を備えるコンピュータである。信号送受信モジュール55は、液面検出部41、圧力検出部42からの検出値の信号を受信する。
【0028】
(機能ブロック図)
図4は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置の機能ブロック図である。
図4に示すように、制御装置50は、CPU51がHDD等のストレージ54に記憶されたプログラムを実行することにより、信号入力部71、ポンプ制御部72、出力部73の各機能構成を実現する。
信号入力部71は、液面検出部41、圧力検出部42からの検出値の信号を、信号送受信モジュール55を介して受信する。
【0029】
ポンプ制御部72は、検出部40の検出結果に基づいてポンプ35を制御する。ポンプ制御部72は、ポンプ35の作動、停止、及び回転数を制御する。ポンプ制御部72は、ポンプ35の起動、停止、回転数、及び回転数の変化率を制御するための制御信号を生成する。また、ポンプ制御部72は、タンク11内の液化二酸化炭素の液面高さLhが低下した場合に、ポンプ35の回転数を低下させるように、ポンプ35を制御する。
出力部73は、ポンプ制御部72で生成された制御信号を、信号送受信モジュール55を介してポンプ35に出力する。
【0030】
(船舶における液化二酸化炭素の払出方法の手順)
図5は、本開示の実施形態に係る浮体における液化二酸化炭素の揚荷方法の手順を示すフローチャートである。図6は、本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の揚荷払出方法におけるポンプの回転数の変化の一例を示す図である。
図5に示すように、本開示の実施形態に係る船舶1における液化二酸化炭素Lの払出方法S10は、液化二酸化炭素Lの払い出しを開始する工程S11と、第一切替条件を満たしているか判定する工程S12と、ポンプ35の回転数を低下させる工程S13と、第二切替条件を満たしているか判定する工程S14と、ポンプ35の回転数の変化率を減少させる工程S15と、液化二酸化炭素Lの液面高さLhの下限値への到達を判定する工程S16と、液化二酸化炭素Lの払い出しを終了する工程S17と、を含んでいる。
【0031】
液化二酸化炭素Lの払い出しを開始する工程S11では、まず、払出配管30に設けられた開閉弁(図示せず)を開き、ポンプ制御部72により、ポンプ35を起動させる。この液化二酸化炭素Lの払い出しを開始する工程S11では、タンク11内の液面高さLhが十分に高く、ポンプ35の入口付近における液化二酸化炭素Lの圧力は、三重点圧力よりも十分に高い状態となっている。
【0032】
図6に示すように、液化二酸化炭素Lの払い出しを開始する工程S11では、ポンプ制御部72によって、予め設定された第一回転数R1でポンプ35を回転させる。これにより、タンク11内の液化二酸化炭素Lが、払出配管30の第一端32sから、払出配管30を通してタンク11の外部に払い出される。ポンプ35で、タンク11内の液化二酸化炭素Lの払い出しを継続することで、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが漸次低下することとなる。また、液化二酸化炭素Lの払い出し開始とともに、検出部40の液面検出部41、及び圧力検出部42では、液面高さLh及び圧力Pの検出値の信号を所定の時間毎に出力開始する。これら出力された検出値の信号は、制御装置50の信号入力部71に入力される。
【0033】
第一切替条件を満たしているか判定する工程S12では、ポンプ制御部72によって、所定時間毎に、信号入力部71に入力された検出部40からの検出値の信号を受信する。そして、ポンプ制御部72によって、検出部40の検出値が、予め設定された第一切替条件を満たしているか否かを判定する。
【0034】
図7は、本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の払出方法において、第一切替条件を満たす状態を示す図である。
第一切替条件は、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低くなった場合に、ポンプ35の回転数を小さくするための条件である。
図7に示すように、本実施形態の第一切替条件は、液化二酸化炭素Lの液面高さLhによるヘッド圧Phと、タンク11内の気相の圧力Pとを加算した圧力(Ph+P)が、液化二酸化炭素Lの三重点圧力に近づいたか否かを判定するための条件である。ここで、本実施形態におけるタンク11内の気相の圧力Pは、図示しない圧力調整装置によって、大気圧よりも高い圧力である所定の第一基準圧力Ps1に維持されている。この第一基準圧力Ps1は、上記の三重点圧力よりも高く、且つ、できるだけ低い圧力とすれば、タンク11の許容圧力を低くできる点で有利となる。
【0035】
第一基準圧力Ps1が一定となるように調整されている場合、第一切替条件として、タンク11内の気相の圧力Pの検出値を用いることを省略することができる。そして、ヘッド圧Phは、液面高さLhに応じて変化する。そのため、本実施形態では、ヘッド圧Phと圧力Pとを加算した圧力(Ph+P)が液化二酸化炭素Lの三重点圧力に近づいたか否かを判定するための第一切替条件として、液面高さLhのみを用いている。すなわち、本実施形態では、第一切替条件としての液面高さLhの閾値である第一基準レベルLs1を予め求めておき、検出部40によって検出された液面高さLhが第一基準レベルLs1を下回った場合に、ポンプ制御部72で第一切替条件を満たすと判定している。なお、第一切替条件として液面高さLhのみを用いる場合について説明したが、ポンプ制御部72では、液面高さLhに基づくヘッド圧Phとタンク11内の気相の圧力Pとを加算した圧力(Ph+P)を用いて判定するようにしてもよい。本実施形態の第一基準圧力Ps1としては、10bar程度を例示できる。また、タンク11におけるヘッド圧Phの最大値としては2bar程度を例示できる。
【0036】
第一切替条件を満たしているか判定する工程S12で、第一切替条件を満たしていないと判定された場合(S12でNo)、所定時間毎に、第一切替条件を満たしているか判定する工程S12を繰り返す。その一方で、第一切替条件を満たしているか判定する工程S12において、第一切替条件を満足していると判定された場合(S12でYes)、ポンプ35の回転数を低下させる工程S13に進む。
【0037】
ポンプ35の回転数を低下させる工程S13では、ポンプ制御部72によって、ポンプ35の回転数が、第一回転数R1(図6参照)よりも小さくなるよう、ポンプ35を制御する。より具体的には、本実施形態のポンプ制御部72は、液面高さLhの低下と連動してポンプ35の回転数を、漸次低下させる第二回転数R2とする。ここで、液化二酸化炭素Lの液面高さLhは、時間の経過とともに漸次低下するため、ポンプ35の回転数も、時間の経過と共に連続的に漸次低下することとなる。
【0038】
さらに、ポンプ35の回転数を低下させる工程S13では、ポンプ35の回転数が第二回転数R2とされ漸次低下する際の変化率、言い換えれば、ポンプ35の回転数の単位時間あたりの低下率が、予め設定された一定の第一変化率δ1となるように制御される。これにより、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにつれて、ポンプ35の回転数が低下していくこととなる。
【0039】
したがって、ポンプ35の回転数を低下させる工程S13では、ヘッド圧Phが低下して、ポンプ35の入口付近における液化二酸化炭素Lの圧力が低下したとしても、ポンプ35の回転数も低下するため、ポンプ35のインペラ周辺における液化二酸化炭素Lの流速を抑えて、静圧低下が生じ難い状態にすることが可能となる。
【0040】
第二切替条件を満たしているか判定する工程S14では、所定時間毎に、信号入力部71に入力された検出部40からの検出値の信号を受信する。そして、ポンプ制御部72によって、検出部40の検出値が、第二切替条件を満たしているか否かを判定する。
【0041】
図8は、本開示の実施形態に係る液化二酸化炭素の揚荷払出方法において、第二切替条件であるときの状態を示す図である。
第二切替条件は、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面が、ポンプ35の入口の高さに近づいた場合に、ポンプ35の回転数の変化率(低下率)を小さくするための条件である。
図8に示すように、本実施形態では、第二切替条件として液化二酸化炭素Lの液面高さLhの閾値である第二基準レベルLs2(所定の閾値)を用いている。ここで、本実施形態では、第二基準レベルLs2は、第一基準レベルLs1(図7参照)よりも低く、かつ、第二払出配管部32の第一端32sよりも高い位置に設定されている。
【0042】
第二切替条件を満たしているか判定する工程S14では、ポンプ制御部72によって、検出部40の液面検出部41の検出値に基づき、液面高さLhが第二基準レベルLs2以下となったか否かを判定する。この判定の結果、液化二酸化炭素Lの液面高さLhが、第二基準レベルLs2以下である(S14でYes)、と判定された場合、第二切替条件を満たしているため、ポンプ35の回転数の変化率を減少させる工程S15へ進む。その一方で、第二切替条件を満たしていない、と判定された場合(S14でNo)、所定時間毎に第二切替条件を満たしているか判定する工程S14を繰り返す。
【0043】
図6に示すように、ポンプ35の回転数の変化率を下げる工程S15では、ポンプ35の回転数を第三回転数R3とする。この第三回転数R3におけるポンプ35の回転数の単位時間あたりの変化率δ2は、上述した第二回転数R2の第一変化率δ1よりも小さい。これにより、単位時間あたりの液面高さLhの低下速度を低下させることができる。
【0044】
液化二酸化炭素Lの液面高さLhの下限値への到達を判定する工程S16では、ポンプ制御部72によって、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが、予め設定された下限値に到達しているか否かを判定する。タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhの下限値とは、ポンプ35により、タンク11内の液化二酸化炭素Lを払い出し可能な液面高さLhの下限値である。この下限値は、例えば、タンク11内におけるポンプ35の仕様に応じて設定される。
【0045】
液化二酸化炭素Lの液面高さLhの下限値への到達を判定する工程S16で、液化二酸化炭素Lの液面高さLhが下限値に到達していない、と判定された場合(S16でYes)、所定時間毎に液化二酸化炭素Lの液面高さLhの下限値への到達を判定する工程S16を繰り返す。その一方で、液化二酸化炭素Lの液面高さLhが下限値に到達した、と判定された場合(S16でNo)、液化二酸化炭素Lの払い出しを終了する工程S17に進む。
【0046】
液化二酸化炭素Lの払い出しを終了する工程S17では、ポンプ制御部72によって、ポンプ35の作動を停止させる。これにより、タンク11内の液化二酸化炭素Lの払出作業が終了する。
【0047】
(作用効果)
上記実施形態の液化二酸化炭素Lの払出設備10、船舶1、液化二酸化炭素Lの払出方法S10では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下して第一切替条件を満たした場合に、ポンプ35の回転数が低くなるようにポンプ35を制御している。これにより、ポンプ35のインペラ周辺等において、液化二酸化炭素Lの流速を抑えることができる。したがって、静圧低下による液化二酸化炭素Lの圧力低下を抑え、ポンプ35の周辺で液化二酸化炭素Lが凝固してドライアイスが生成されることを抑えることができる。
また、ポンプ35により液化二酸化炭素Lの流量調整を行うことができるため、払出配管30の第一払出配管部31等に、流量調整のための絞りを備える必要がなくなる。その結果、絞りで生じるドライアイス生成のリスクを回避することができる。
また、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが高い状態では、ポンプ35の部分に作用するヘッド圧が大きいため、ポンプ35のインペラ周辺等において、液化二酸化炭素Lの流速が高くなっても、ドライアイスが生成され難い状態となる。このような状態では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低くなった場合よりも、ポンプ35の回転数を大きくすることで、タンク11内の液化二酸化炭素Lを効率良く払い出しすることができる。その結果、タンク11内から液化二酸化炭素Lを払い出しする場合において、払出配管30内のドライアイス生成を抑え、払出作業を円滑に行うことが可能となる。
【0048】
また、上記実施形態では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにしたがって、ポンプ35の回転数が連続的に小さくなるようにポンプ35を制御している。これにより、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにしたがって、ポンプ35の部分に作用する液化二酸化炭素Lのヘッド圧も連続的に小さくなる。その結果、ヘッド圧の低下に合わせて、ポンプ35の回転数を連続的に小さくして、ドライアイスの生成を抑えつつ、液化二酸化炭素Lを効率良く払い出しすることができる。
【0049】
さらに、上記実施形態では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが、第二基準レベルLs2以下となり、第二切替条件を満たす場合に、ポンプ35の回転数の変化率を低下させている。これにより、液化二酸化炭素Lの払い出しを終了する際に、ポンプ35内にタンク11内の気相の気体が流入することを抑えることができる。その結果、ポンプ35による液化二酸化炭素Lの払い出しを、円滑に液化二酸化炭素Lの下限レベルLsd近くまで効率良く行うことができる。
【0050】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記実施形態では、第二切替条件を満たしているか判定する工程S14、ポンプ35の回転数の変化率を下げる工程S15において、ポンプ35の回転数を低下させていく過程で、ポンプ35の回転数の変化率を小さくするようにしたが、第二切替条件を満たしているか判定する工程S14、ポンプ35の回転数の変化率を下げる工程S15は省略してもよい。その場合、ポンプ35の回転数は、ポンプ35を停止させるまで、一定の変化率で連続的に小さくすればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、液面高さLhの変化に応じてポンプ35の回転数を線形に変化させる場合について説明したが、線形に変化させる場合に限られず、例えば、曲線状に変化させるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、ポンプ35の回転数を連続的に小さくする場合について説明したが、これに限らない。例えば、ポンプ35の回転数を段階的に低下させるようにしてもよい。この場合、タンク11内における液化二酸化炭素Lの液面高さLhが高い状態では、ポンプ35の回転数を一定の回転数に保つようにして、液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低くなった場合に、ポンプ35の回転数を低下させて、上記液面高さLhが高い状態のときよりも低い一定の回転数に保つようにしてもよい。
【0053】
さらに、上記実施形態では、タンク11内の気相の圧力Pが一定で且つ、ヘッド圧の低下に伴い液化二酸化炭素Lの三重点圧力に近づくようなタンク11内の気相の圧力Pである場合を例示した。つまり、タンク11内の気相の圧力Pが一定であると仮定して、液面高さLhのみに基づいてポンプ35の回転数を制御する場合について説明した。しかし、ポンプ制御部72は、ポンプ35の入口圧力が三重点圧力に近づかないように、タンク11内の気相の圧力Pと、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhとの双方に基づいて、ポンプ35の回転数を制御するようにしてもよい。この場合、例えば、タンク11内の気相の圧力Pが三重点圧力に対して十分に高い場合には、液面高さLhが低下したとしても、ポンプ35の回転数を低下させる制御が行われない場合もある。
【0054】
また、上記実施形態では、検出部40によって液面高さLhを検出する場合について説明したが、液面高さLhは、ポンプ35の回転数と、液化二酸化炭素Lの払い出しを開始してからの経過時間とに基づいて求めるようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、ポンプ制御部72により、ポンプ35の回転数を自動的に制御するようにしたが、これに限らない。例えば、オペレーターが、タンク11内の気相の圧力Pと、液面高さLhとを目視で確認し、手動でポンプ35の回転数を設定するようにしてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、船舶等の浮体に設けられた液化二酸化炭素Lの払出設備10について説明したが、本開示の液化二酸化炭素Lの払出設備は、陸上における液化二酸化炭素Lの払出設備にも適用可能である。
【0057】
<付記>
実施形態に記載の液化二酸化炭素Lの払出設備10、浮体1、液化二酸化炭素Lの払出方法S10は、例えば以下のように把握される。
【0058】
(1)第1の態様に係る液化二酸化炭素の払出設備10は、液化二酸化炭素Lを貯留可能なタンク11と、前記タンク11の内外を下方から上方に向かって貫通し、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に払い出しする払出配管30と、前記払出配管30に備えられ、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に送り出すポンプ35と、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにつれて、前記ポンプ35の回転数を低下させるように、前記ポンプ35を制御するポンプ制御部72と、を備える。
【0059】
このような構成では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低くなると、液化二酸化炭素Lの液面と、払出配管30に設けられたポンプ35との高低差によるヘッド圧が小さくなったとしても、ポンプ35の回転数を低下させるため、局所的に流速が高くなるポンプ35のインペラ周辺等における液化二酸化炭素Lの圧力低下を抑えることができる。したがって、ポンプ35の周辺で液化二酸化炭素Lが凝固してドライアイスが生成されることが抑えられる。
また、ポンプ35に作用するヘッド圧が大きいタンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが高い状態では、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下した場合よりも、ポンプ35の回転数を大きくすることができるため、タンク11内の液化二酸化炭素Lを効率良く払い出しすることができる。
【0060】
(2)第2の態様に係る液化二酸化炭素の払出設備10は、(1)の液化二酸化炭素の払出設備10であって、前記ポンプ制御部72は、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにしたがって、前記ポンプ35の回転数が連続的に低下するように前記ポンプ35を制御する。
【0061】
このような構成では、ヘッド圧の低下に合わせて、ポンプ35の回転数を連続的に小さくすることができるため、ドライアイスの生成を抑えつつ、液化二酸化炭素Lを効率良く払い出しすることができる。
【0062】
(3)第3の態様に係る浮体1は、(2)の浮体1であって、前記ポンプ制御部72は、単位時間あたりの前記ポンプ35の回転数の変化率を調整し、前記ポンプ制御部72は、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lの液面高さLhが、所定の閾値以下となった場合、前記ポンプ35の回転数の変化率を低下させる。
【0063】
このような構成では、ポンプ35により払い出し可能な液面高さLhの下限値に近づいたときに液面高さLhの低下する速度を抑えることができるため、液面高さの下限値付近でポンプ35内にタンク11内の気相の気体が流入することを抑えることができる。
【0064】
(4)第4の態様に係る浮体1は、浮体本体2と、前記浮体本体2に設けられた(1)から(3)の何れか一つの液化二酸化炭素の払出設備10と、を備える。
浮体1の例としては、船舶や洋上浮体設備が挙げられる。浮体本体2の例としては、船体や洋上浮体設備の浮体本体が挙げられる。
このような構成では、浮体1のタンク11の気相の圧力Pを抑制しつつ、タンク11に貯留された液化二酸化炭素Lを払い出す際に、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0065】
(5)第5の態様に係る液化二酸化炭素の払出方法は、液化二酸化炭素Lを貯留可能なタンク11、前記タンク11の内外を下方から上方に向かって貫通し、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に払い出しする払出配管30、及び前記払出配管30に備えられ、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に送り出すポンプ35、を備える液化二酸化炭素の払出設備10における、液化二酸化炭素Lの払出方法S10であって、前記ポンプ35を作動させ、前記払出配管30を通して、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に送り出し、前記液化二酸化炭素Lの払い出しを開始する工程と、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下するにつれて、前記ポンプ35の回転数を低下させる工程と、前記ポンプ35を停止させ、前記液化二酸化炭素Lの払い出しを終了する工程と、を含む。
【0066】
このように、タンク11内の液化二酸化炭素Lの液面高さLhが低下した場合に、ポンプ35の回転数を低下させる。そのため、液化二酸化炭素Lの圧力低下を抑え、ポンプ35の周辺で液化二酸化炭素Lが凝固してドライアイスが生成されることが抑えられる。
【符号の説明】
【0067】
1…船舶(浮体) 2…船体(浮体本体) 2a…船首 2b…船尾 3A、3B…舷側 5…上甲板 7…上部構造 8…貨物搭載区画 10…液化二酸化炭素の払出設備 11…タンク 11t…頂部 12…筒状部 13…鏡板部 20…積込配管 21…第一積込配管部 22…第二積込配管部 22p…基端 22q…先端 30…払出配管 31…第一払出配管部 32…第二払出配管部 32s…第一端 32t…第二端 35…ポンプ 40…検出部 41…液面検出部 42…圧力検出部 50…制御装置 51…CPU 52…ROM 53…RAM 54…ストレージ 55…信号送受信モジュール 71…信号入力部 72…ポンプ制御部 73…出力部 Da…船首尾方向 Dv…上下方向 Dx…長手方向 L…液化二酸化炭素 Lh…液面高さ Ls1…第一基準レベル Ls2…第二基準レベル Lsd…下限レベル P…圧力 Ph…ヘッド圧 Ps1…第一基準圧力 Ps2…第二基準圧力 R1…第一回転数 R2…第二回転数 R3…第三回転数 S10…液化二酸化炭素の払出方法 S11…液化二酸化炭素の払い出しを開始する工程 S12…第一切替条件を満たしているか判定する工程 S13…ポンプの回転数を低下させる工程 S14…第二切替条件を満たしているか判定する工程 S15…ポンプの回転数の変化率を下げる工程 S16…下限値への到達を判定する工程 S17…液化二酸化炭素の払い出しを終了する工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8