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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】水素貯蔵及び分配装置並びに方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20241115BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
F17C5/06
F17C13/00 301Z
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172128
(22)【出願日】2022-10-27
(65)【公開番号】P2023067827
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】17/514,053
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー アール.キベロス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ピー.コーエン
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-002635(JP,A)
【文献】特開2004-116544(JP,A)
【文献】特開2019-128038(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0175564(US,A1)
【文献】中国特許第111692520(CN,B)
【文献】特開2021-134863(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/51875(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 5/06
F17C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素燃料分配及び貯蔵装置であって、
水素生成システムから水素を受け取るように配置された第1のコンプレッサと、
少なくとも1つのディスペンサに供給するための前記水素を受け取るために、前記第1のコンプレッサの下流に配置された、流量制御マニホールド(FCM)と、
少なくとも1つの第1のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラからの水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラと、
第2のコンプレッサであって、前記第1のコンプレッサから出力された前記水素の圧力を、前記水素が前記FCMに供給される前に、第1の圧力から、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2のコンプレッサと、
前記水素が前記第2のコンプレッサに供給される前に、前記第1のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第1のコンプレッサと前記第2のコンプレッサとの間にあり、かつ単一の容器である第1の貯蔵容器と、を備える、水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項2】
分配のために前記水素が前記FCMに供給される前に、前記第2のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間にある、第2の貯蔵容器を備える、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項3】
少なくとも1つの第2のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラからの前記水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラを備える、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、前記少なくとも1つの第2のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラである、請求項3に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMへ直接供給可能であるように配置及び構成され、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項3に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラを備える、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項9】
前記水素燃料分配及び貯蔵装置が、前記水素生成システムを含む、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置である、請求項1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項10】
前記水素生成システムが、アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含む、請求項9に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
【請求項11】
水素を生成、貯蔵、及び/又は分配する方法であって、
水素生成システムから受け取った水素を、第1の圧力に圧縮することと、
少なくとも1つのディスペンサに供給するために、前記水素を流量制御マニホールド(FCM)に供給することと、
水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満である、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要に応答して、前記第1のコンプレッサから出力された前記水素の少なくとも一部分を、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラに供給することと、
水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵されている水素を、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、前記FCMに出力することと、
前記水素が前記FCMに供給される前に、前記水素の圧力を、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1の圧力で前記水素を、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された第2のコンプレッサに供給することと、
前記水素が前記第2のコンプレッサに供給される前に、前記第1のコンプレッサと前記第2のコンプレッサとの間にあり、かつ単一の容器である第1の貯蔵容器に、前記第1のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵することと、を含む、方法。
【請求項12】
水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、前記第2のコンプレッサから出力された前記水素の少なくとも一部分を、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラに供給することと、
水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵されている水素を、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、前記FCMに出力することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、前記少なくとも1つの第2のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMへ直接供給可能であるように配置及び構成され、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置であって、
アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含む水素生成システムと、
前記水素生成システムから水素を受け取るように配置された第1のコンプレッサと、
前記水素を車両に分配するように配置された、少なくとも1つのディスペンサと、
流量制御マニホールド(FCM)であって、前記少なくとも1つのディスペンサに供給するための前記水素を受け取るために、前記第1のコンプレッサの下流、及び前記少なくとも1つのディスペンサの上流に配置された、流量制御マニホールド(FCM)と、
第2のコンプレッサであって、前記第1のコンプレッサから出力された前記水素の圧力を、前記水素が前記FCMに供給される前に、第1の圧力から、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2のコンプレッサと、
第1の貯蔵容器であって、前記水素が前記第2のコンプレッサに供給される前に、前記第1のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第1のコンプレッサと前記第2のコンプレッサとの間に配置された、単一の容器である、第1の貯蔵容器と、
第2の貯蔵容器であって、分配のために前記水素が前記FCMに供給される前に、前記第2のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2の貯蔵容器と、
少なくとも1つの第1のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラからの水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラ、及び
少なくとも1つの第2のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラからの前記水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラ、のうちの少なくとも1つと、を備える、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンサイト水素燃料分配及び貯蔵のための装置、並びにオンサイト水素燃料分配及び貯蔵のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素生成システム及び水素供給システムの例は、米国特許第6,401,767号、同第6,619,336号、同第6,708,573号、同第6,745,801号、同第6,786,245号、同第7,028,724号、同第7,328,726号、同第7,793,675号、同第7,921,883号、同第8,020,589号、同第8,286,675号、同第8,365,777号、同第8,453,682号、同第8,899,278号、同第9,074,730号、第9,151,448号、同第9,261,238号、同第9,279,541号、同第9,404,620号、同第9,863,583号、同第10,502,649号、及び同第10,508,770号から理解することができる。
【0003】
いくつかの水素燃料供給システムは、燃料供給ステーションに取り込まれた水素で充填されたトレーラから供給される。多くの場合、水素燃料供給ステーションは何時間も、1日のほとんどではないにしても、全く使用されないことがある。しかしながら、使用する場合、燃料供給ステーションでの水素の需要が大きくなる可能性がある。多くの場合、水素燃料用に豊富な貯蔵が提供され、需要があるとき、その高需要をステーションは満たすことができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの水素生成及び供給システムは、オンサイトで水素を生成することができる。例えば、水素は、改質を介してメタンから生成され得るか、又は水素は、クラッキングを介してアンモニアから生成され得る。オンサイトで水素を生産する機器は、一般的に、生産速度を調整する能力が限られていると判断されていた。結果として、こうした機器は、一般的に、車両又は他のデバイスへの水素燃料の分配に使用するために、水素燃料を直接ステーションに供給するために、燃料供給ステーションでの水素燃料の断続的な需要に起因し得る頻繁な起動及び停止には、うまく応答しないことがある。
【0005】
生産速度を調整するこの限られた能力は、燃料供給ステーションの断続的な使用パターンとうまく一致しないことがあると判断されていた。また、燃料供給ステーションで、車両又は他のデバイスにオンサイトで分配するために、燃料を直接供給するように構成され得る生産システムは、分配されていないときに作られた水素ガスを貯蔵するか、又は他のデバイス(例えば、水素燃料で走行し得る車両)への分配用に使用されていないときに、代替の使用で水素を利用する必要があり得ると判断されていた。
【0006】
1つ以上の燃料ディスペンサを有する燃料供給システムに燃料を提供するためのオンサイト水素生成システムであって、燃料分配及び/又は貯蔵のための生産で生成される水素を提供するように設計及び構成される、オンサイト水素生成システムを提供することができる。水素生成システムによって生産される水素が、燃料供給ステーションに対する分配需要よりも大きい(又は超える)場合、本システムは、生成された水素を大気に排出する(したがって、水素を浪費するか、又は無駄にする)必要性を回避できるように構成することができる。この構成はまた、過剰な需要があるときに水素生成システムを停止させる必要性を回避するのに役立ち得、停止はその後、燃料供給ステーションでの水素需要が予想外に増加し得るときに、水素生成プロセスの再起動時に長い遅延をもたらす可能性がある。オンサイト水素生成システムがオフラインであるとき、又はそうでなければ、車両若しくは他のデバイスに水素を分配するために、燃料供給ステーションの現在の水素需要を満たすことができない、不十分な水素の流れが提供されるとき、過剰な水素供給を処分するために使用される同じ接続を、バックアップの水素燃料を供給するためにも使用できるようにする実施形態が提供されるのが好ましい。いくつかの実施形態では、燃料供給システムは、燃料供給ステーションへの水素燃料の取り込みと、1つ以上のトレーラ(例えば、チューブトレーラ)を介して、燃料供給ステーションから離れた場所にいる他の顧客への水素燃料の取り出しと、の両方を容易にするように有利に構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、過剰生産は、燃料を他の顧客に輸送するために、トラック及び/又は列車を介して輸送されるトレーラに供給するために使用され得、及び/又は燃料供給システムの燃料供給ステーションでのその後の使用のためのオンサイト貯蔵のためにトレーラに供給するために使用することができる。
【0007】
利用可能な1つ以上のトレーラは、低水素需要期間中の貯蔵用に、コンプレッサから余分な水素を受け取るために、取り外し可能に接続することができ、また、燃料供給ステーションでの高需要条件を満たすために、燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサで配分するために、流量制御マニホールドに貯蔵された水素を提供することができる。取り外し可能なトレーラは、別のオフサイトステーションへの輸送のために満杯になったら取り外し、別の空のトレーラと交換することができる。実施形態はまた、燃料供給ステーションでの高需要出現を満たすために追加の水素を提供するため、既に接続された少なくとも1つのトレーラを交換及び/又は補足するために、追加の満杯のトレーラを接続することができるように構成することができる。取り外し可能かつ交換可能なトレーラは、運転柔軟性を提供することができ、かつ、オンサイトステーションに水素を提供するための水素のオンサイト生成を可能にすると同時に、余分な水素の取り出しも可能にすることができる。実施形態はまた、オンサイト燃料供給ステーションでの水素需要が高い又は高いと予想される状況に対応するため、追加のトレーラを追加するか、又は空のトレーラを満杯のトレーラと交換することによって、追加の水素の取り込みを可能にすることができる。
【0008】
水素燃料分配及び貯蔵装置を提供することができる。水素燃料分配及び貯蔵装置の実施形態は、水素生成システムから水素を受け取るように配置された第1のコンプレッサと、少なくとも1つのディスペンサに供給するための水素を受け取るために、第1のコンプレッサの下流に配置された、流量制御マニホールド(FCM)、を含むことができる。本装置はまた、少なくとも1つの第1のトレーラであって、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第1のトレーラからの水素がFCMに通過可能であるように、第1のコンプレッサとFCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラを含むことができる。
【0009】
水素燃料分配及び貯蔵装置のいくつかの実施形態は、追加のコンプレッサを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態は、第2のコンプレッサであって、第2のコンプレッサから出力された水素の圧力を、水素がFCMに供給される前に、第1の圧力から、第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、第1のコンプレッサとFCMとの間に配置された、第2のコンプレッサを含むことができる。本装置はまた、他の要素を含むことができる。例えば、水素が第2のコンプレッサに供給される前に、第1のコンプレッサから出力される水素を貯蔵するために、第1のコンプレッサと第2のコンプレッサとの間に第1の貯蔵容器を設けることができる。別の例として、分配のために水素がFCMに供給される前に、第2のコンプレッサから出力される水素を貯蔵するために、第2のコンプレッサとFCMとの間に第2の貯蔵容器が存在することができる。
【0010】
水素燃料分配及び貯蔵装置の実施形態は、単一の第1のトレーラのみを含むことができるか、又は複数の第1のトレーラを含むことができる。いくつかの実施形態はまた、1つ以上の第2のトレーラを利用し得る。例えば、実施形態は、少なくとも1つの第2のトレーラであって、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、第2の圧力で第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第2のトレーラからの水素がFCMに通過可能であるように、第2のコンプレッサとFCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラを含むことができる。 少なくとも1つの第2のトレーラは、単一のトレーラであり得るか、又は複数のトレーラであり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、第1のトレーラ及び第2のトレーラは、チューブトレーラであり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のトレーラは、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された水素がFCMへ直接供給可能であるように、配置及び構成することができる。少なくとも1つの第1のトレーラが、少なくとも1つのディスペンサで分配するためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された水素がFCMに直接供給可能であるように配置及び構成することができる。1つ以上の第1のトレーラ及び1つ以上の第2のトレーラの両方を利用する実施形態では、これらのトレーラの両方のセットは、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、FCMに、トレーラに貯蔵された水素をFCMに直接供給するように構成及び配置することができる。
【0012】
少なくとも1つの第1のトレーラは、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラ、又は複数の取り外し可能なチューブトレーラを含むことができる。少なくとも1つの第2のトレーラは、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラ、又は複数の取り外し可能なチューブトレーラを含むことができる。チューブトレーラ、及び他の種類の取り外し可能なトレーラは、車道上のトラック及び/又は鉄道上の列車を介して輸送可能であり得る。取り外し可能なトレーラは、他のトレーラと交換することができる。例えば、空のトレーラは、水素で満たされた満杯のトレーラと交換することができる。別の例として、追加の水素を受け取るために、水素で満たされた満杯のトレーラを取り外し、空のトレーラと交換することができる。いくつかの実施形態では、追加の水素貯蔵容量を提供するために追加のトレーラを利用することもできる。
【0013】
水素燃料分配及び貯蔵装置のいくつかの実施形態は、水素生成システムを含む水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置として構成することができる。本装置のそのような実施形態に含まれる水素生成システムは、いくつかの実施形態では、アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含むことができる。他の実施形態は、他の種類の水素生成システムを利用し得る。
【0014】
水素を生成、貯蔵、及び/又は分配する方法も提供される。本方法の実施形態は、水素生成システムから受け取った水素を、第1の圧力に圧縮することと、少なくとも1つのディスペンサに供給するために、水素を流量制御マニホールド(FCM)に供給することと、を含むことができる。少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満であることに応答して、第1のコンプレッサから出力された水素の少なくとも一部分を、第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であるように、第1のコンプレッサとFCMとの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラに供給することができる。少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きいことに応答して、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵されている水素を、少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、FCMに供給することができる。
【0015】
本方法の実施形態は、水素がFCMに供給される前に、水素の圧力を、第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、第1の圧力で水素を、第1のコンプレッサとFCMとの間に配置された第2のコンプレッサに供給することを含むことができる。少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満であることに応答して、第2のコンプレッサから出力された水素の少なくとも一部分を、第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であるように、第2のコンプレッサとFCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラに供給することができる。少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きいことに応答して、少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵されている水素を、少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、FCMに出力することができる。
【0016】
本方法の実施形態では、少なくとも1つの第1のトレーラは、単一のトレーラであり得るか、又は複数のトレーラであり得る。少なくとも1つの第2のトレーラを利用する方法の実施形態では、少なくとも1つの第2のトレーラは、単一のトレーラ又は複数のトレーラであり得る。トレーラの各々は、鉄道又は車道に沿って輸送するための水素の貯蔵に好適な、チューブトレーラ、又は他の種類のトレーラであり得る。
【0017】
本方法の実施形態の場合、少なくとも1つの第1のトレーラは、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラ、又は複数の取り外し可能なチューブトレーラを含むことができる。少なくとも1つの第2のトレーラは、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラ、又は(利用されるとき)複数の取り外し可能なチューブトレーラも含むことができる。チューブトレーラ、及び他の種類の取り外し可能なトレーラは、車道上のトラック及び/又は鉄道上の列車を介して輸送可能であり得る。取り外し可能なトレーラは、他のトレーラと交換することができる。例えば、空のトレーラは、水素で満たされた満杯のトレーラと交換することができる。別の例として、追加の水素を受け取るために、水素で満たされた満杯のトレーラを取り外し、空のトレーラと交換することができる。いくつかの実施形態では、追加の水素貯蔵容量を提供するために追加のトレーラを利用することもできる。
【0018】
本方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のトレーラは、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された水素がFCMへ直接供給可能であるように、配置及び構成することができる。少なくとも1つの第1のトレーラもまた、少なくとも1つのディスペンサで分配するためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された水素がFCMに直接供給可能であるように、配置及び構成することができる。
【0019】
少なくとも1つの第1のトレーラのみを使用する方法の実施形態では、少なくとも1つの第1のトレーラは、単一のトレーラ又は複数のトレーラであり得る。少なくとも1つの第1のトレーラは、少なくとも1つのディスペンサで分配するためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された水素がFCMに直接供給可能であるように配置及び構成することができる。
【0020】
水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置も提供される。本装置の実施形態は、アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含む、水素生成システムを含むことができる。第1のコンプレッサは、水素生成システムから水素を受け取るように配置することができ、少なくとも1つのディスペンサは、水素を車両に分配するように配置することができ、かつ流量制御マニホールド(FCM)は、少なくとも1つのディスペンサに供給するための水素を受け取るために、第1のコンプレッサの下流、及び少なくとも1つのディスペンサの上流に配置することができる。本装置の実施形態はまた、第2のコンプレッサであって、コンプレッサから出力された水素の圧力を、水素がFCMに供給される前に、第1の圧力から、第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、第1のコンプレッサとFCMとの間に配置された第2のコンプレッサを含むことができる。実施形態はまた、第1の貯蔵容器であって、水素が第2のコンプレッサに供給される前に、第1のコンプレッサから出力される水素を貯蔵するために、第1のコンプレッサと第2のコンプレッサとの間に配置された第1の貯蔵容器と、第2の貯蔵容器であって、分配のために水素がFCMに供給される前に、第2のコンプレッサから出力される水素を貯蔵するために、第2のコンプレッサとFCMとの間に配置された第2の貯蔵容器と、を含むことができる。
【0021】
水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置の実施形態はまた、少なくとも1つの第1のトレーラであって、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第1のトレーラからの水素がFCMに通過可能であるように、第1のコンプレッサとFCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラを含むことができる。
【0022】
水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置の実施形態はまた、少なくとも1つの第2のトレーラであって、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、少なくとも1つのディスペンサでの分配のためのFCMでの水素の需要が、水素が第1のコンプレッサに供給される速度よりも大きい間は、少なくとも1つの第2のトレーラからの水素がFCMに通過可能であるように、第2のコンプレッサとFCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のトレーラは、第1のコンプレッサから水素が出力される第1の圧力で、水素を貯蔵するように構成することができる。1つ以上の第2のトレーラは、第1の圧力よりも高い第2の圧力で、水素を貯蔵するように構成することができる。第2の圧力は、例えば、第2のコンプレッサから出力される水素の圧力であり得る。そのような実施形態では、第1の圧力は低圧(LP)と見なすことができ、第2の圧力は、中圧(MP)又は高圧(HP)と見なすことができる。
【0024】
水素燃料供給システム、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置、水素燃料分配及び貯蔵装置、並びにそれらの作製方法及び使用方法の他の詳細、目的、及び利点は、それらの特定の例示的な実施形態の以下の説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
水素燃料供給システム、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置、水素燃料分配及び貯蔵装置、並びにそれらの作製方法及び使用方法の例示的な実施形態は、本明細書に含まれる図面に示される。図面で使用される同様の参照符号は、同様の構成要素を識別し得ることを理解されたい。
【0026】
図1】水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置の第1の例示的な実施形態の概略図である。
【0027】
図2】水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置の第2の例示的な実施形態の概略図である。
【0028】
図3】水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置の第3の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1~3を参照すると、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置は、水素生成システムによって提供された水素を、同じサイトの燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサに供給することができるように、単一のサイトに設けられ得る。水素生成システムは、例えば、アンモニアクラッカシステム又はメタン改質器システムを含むことができる。
【0030】
例えば、水素生成システムは、メタンを改質して水素(H2)を形成する、少なくとも1つのメタン改質器を含むことができる。改質器デバイスは、例えば、水蒸気改質、自己熱改質、又は部分酸化に基づくデバイスであって、メタンから純粋な水素ガスを生成するための化学合成を容易にするように構成されたデバイスを含むことができる。改質器デバイスは、例えば、自己熱改質(ATR)デバイス、又は蒸気メタン改質(SMR)デバイスを含むことができる。これらのデバイスは、比較的高い温度及び圧力での水素の生成を容易にするために、触媒を利用するように構成することができる。
【0031】
別の例として、水素生成システムは、アンモニア(NH3)クラッカシステムを含むことができる。アンモニアクラッカシステムは、アンモニアをクラックして水素ガスを形成するように構成することができる。アンモニアガスは、水素ガス及び他のガス(例えば、窒素ガス)を形成するために、加熱され、気化され、その後にクラックされ得る。クラッカを介して形成される水素ガスは、1つ以上のディスペンサを有するオンサイト燃料供給ステーションに供給するために、窒素ガスから分離することができる。アンモニアクラッカは、高温(例えば、800°Cの温度、又は他の好適な温度)での、事前に選択されたクラッキング圧での、アンモニアガスの解離を容易にするように構成することができる。触媒はまた、アンモニアガスのクラッキングを容易にするために利用することもできる。
【0032】
水素生成システムは、形成された水素ガスを他のガス(例えば、窒素、二酸化炭素など)から分離するために、精製システム、又はガス分離システムを利用するように構成することができる。そのような精製システムは、例えば、圧力スイング吸着システム(PSA)及び/又は温度スイング吸着システム(TSA)を含むことができる。他の種類の精製システムを代替的に、又は追加して利用することができる。いくつかの実施形態では、水素生成システムから出力される水素ガスは、水素生成システムから出力される水素が、少なくとも99mol%の水素、少なくとも99.5モル%(mol%)の水素、又は(例えば、99.7mol%の水素~99.999mol%の水素の範囲内の)少なくとも99.7mol%の水素であるように精製され得る。
【0033】
水素生成システムから出力された水素ガスは、その後、水素生成システムから第1のコンプレッサに供給することができ、第1のコンプレッサは、低圧(LP)コンプレッサ(LPコンプレッサとも称され得る)、又は中圧(MP)コンプレッサ若しくは高圧(HP)コンプレッサであり得る(例えば、図3の実施形態を参照されたい)。
【0034】
第1のコンプレッサを介して圧縮される水素は、いくつかの実施形態では、少なくとも99.97mol%の水素である水素を含むことができる。圧縮される水素流はまた、いくつかの実施形態では、濃度が最大300ppm(例えば、0ppm~300ppmの範囲)の不純物を含むことができる。最大300ppmの不純物(例えば、累計として0ppm~300ppmの範囲の不純物)は、最大5ppm存在する水と、メタン又は他の単一炭素当量炭化水素を除く、最大2ppmである全炭化水素と、最大5ppmである酸素と、最大100ppmであるメタンと、最大300ppmであるヘリウムと、最大300ppmである窒素と、最大300ppmであるアルゴンと、最大2ppmである二酸化炭素と、最大0.2ppmである一酸化炭素と、最大0.004ppmである全硫黄化合物と、最大0.2ppmであるホルムアルデヒドと、最大0.2ppmであるギ酸と、最大0.1ppmであるアンモニアと、最大0.05ppmであるハロゲン化化合物と、を含むことができる。「最大」という用語は、0~上限値の範囲の不純物の不純物濃度を指すことを理解されたい(例えば、水については0~5ppm、メタンについては0~100ppm、窒素については0~300ppm、水素流に存在する全ての不純物については0~300ppmなど)。
【0035】
水素供給導管は、水素生成システムから第1のコンプレッサに水素を輸送するように配置することができる。第1のコンプレッサは、水素生成システムから出力可能な水素流量(例えば、25kg/時、5kg/時~30kg/時、1kg/時~50kg/時など)を満たすようにサイズ設定及び構成することができる。第1のコンプレッサは、少なくとも1つのチューブトレーラ供給導管を介して、少なくとも1つのチューブトレーラ内で貯蔵するための水素を加圧するためのサイズ設定及び配置にすることができ、及び/又は、第1の貯蔵デバイス供給導管を介して、別の貯蔵デバイス(例えば、LP貯蔵容器、MP貯蔵容器、又は他の種類の貯蔵容器)に水素を供給する。
【0036】
各チューブトレーラは、取り外し可能な及び/又は交換可能なトレーラであり得る。第1のトレーラが満杯である場合、水素を中に貯蔵することを可能にするために、トレーラを空のトレーラと交換することができ、又は、追加の余分な水素を、貯蔵のために追加されたトレーラに供給することができる(充填された第1のトレーラを取り外して交換する代わりに)ように、追加の取り外し可能な貯蔵を提供するために、別のトレーラを接続することができる。
【0037】
各貯蔵容器は、単一の容器であり得るか、又は複数の貯蔵容器を含む貯蔵ユニットであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、LP貯蔵及びMP貯蔵は各々、燃料分配サイト、又は装置の燃料分配サイトに隣接する他の場所にある、特定の貯蔵場所に配置された、貯蔵ユニットに配設された複数の貯蔵容器を介して、提供することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の圧縮機によって提供される加圧により、20MPa~40MPaの第1の事前に選択された圧力範囲内の圧力に、水素を加圧することができる。他の実施形態(例えば、単一の第1のコンプレッサを利用する図3の実施形態)は、異なる範囲内の他の圧力(例えば、20~80MPa又は25~65MPa、35MPa、40MPa、45MPa、50MPa、55MPa、60MPa、15MPa~65MPaなど)を利用することができる。
【0039】
実施形態はまた、第1のコンプレッサから水素を受け取るように構成された第2のコンプレッサ(例えば、図1及び図2に示されるMPコンプレッサ)、又は、第2のコンプレッサ供給導管を介して、第1のコンプレッサと第2のコンプレッサとの間に配置された第1の貯蔵容器を利用することができる。第2のコンプレッサは、第1の貯蔵容器(例えば、図1及び2に示されるLP貯蔵容器)、又は第1のコンプレッサから受け取る水素の圧力を、事前に選択された第2の圧力範囲内のより高い第2の圧力(例えば、30~80MPaの間の圧力、30~70MPaの間の圧力など)まで増加させるように構成することができる。第2のコンプレッサは、第2の貯蔵供給導管を介して、第2の貯蔵容器に供給するための水素を出力することができる。第2の貯蔵容器は、流量制御マニホールド(FCM)供給導管を介してFCMに供給するために、この第2の圧力レベル(例えば、図1及び2に示されるMP貯蔵容器)で水素を保持及び貯蔵するように、配置及び構成することができる。FCMはまた、1つ以上の水素チューブトレーラFCM供給導管を介して、1つ以上のチューブトレーラから水素を受け取るように、配置及び構成することができる。FCMは、1つ以上の車両又は他のデバイスの燃料タンクに分配するためのディスペンサに、水素を提供するための燃料分配システムの、1つ以上のディスペンサと流体接続することができる。FCMは、異なる車両の燃料タンク、又は水素を受け取るディスペンサの近くに配置された他のデバイスに燃料を供給するためのディスペンサに、水素を提供するために、燃料ステーションの、1つ以上のディスペンサに水素を同時に分配するように構成することができる。ディスペンサでの水素の供給は、燃料ステーション又は燃料ステーションディスペンサキオスクで水素の支払いが行われた後又は前に、行うことができる。
【0040】
図1に示される実施形態を参照すると、1つ以上の取り外し可能な(又は交換可能な)チューブトレーラは、水素の過剰貯蔵容量を提供するために、第1のコンプレッサ(例えば、LPコンプレッサ)からLP水素を受け取ることができる。各チューブトレーラは、取り外し可能及び/又は交換可能なトレーラであり得る。第1のトレーラが満杯である場合、水素を中に貯蔵することを可能にするため、トレーラを空のトレーラ(例えば、破線で示されるトレーラ)と交換することができ、又は、追加の余分な水素を、貯蔵のために追加されたトレーラに供給することができる(充填された第1のトレーラを取り外して交換する代わりに)ように、別のトレーラ(例えば、破線で示されるトレーラ)を接続して、追加の取り外し可能な貯蔵を提供することができる。
【0041】
次いで、チューブトレーラ又は複数のチューブトレーラは、第2の貯蔵容器及び水素生成システムを介して提供することができる水素の流れを、水素の需要が上回るときに、分配のために水素を直接FCMに提供するために、LP水素をFCMに供給するように構成することができる。コントローラは、チューブトレーラが、中に貯蔵された水素を、分配のためのFCMに出力するときに、第1のコンプレッサ(例えば、LPコンプレッサ)から出力される水素がチューブトレーラには供給されなくなるように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、流路を変更することができる。水素生成システムを介して生成された水素は、FCMに向かって供給されるために、第1のコンプレッサ(例えばLPコンプレッサ)に水素を供給し続けることができるので、生成された水素はまた、水素の需要を満たすためにFCMに供給され、それと同時に、1つ以上のチューブトレーラからの水素がFCMに供給されている。
【0042】
図3に示される実施形態を参照すると、1つ以上のチューブトレーラは、水素の過剰貯蔵容量を提供するために第1のコンプレッサから、LP水素又はMP水素を受け取ることができる。各チューブトレーラは、取り外し可能及び/又は交換可能なトレーラであり得る。第1のトレーラが満杯である場合、水素を中に貯蔵することを可能にするため、トレーラを空のトレーラ(例えば、破線で示されるトレーラ)と交換することができ、又は、追加の余分な水素を、貯蔵のために追加されたトレーラに供給することができる(充填された第1のトレーラを取り外して交換する代わりに)ように、別のトレーラ(例えば、破線で示されるトレーラ)を接続して、追加の取り外し可能な貯蔵を提供することができる。
【0043】
次いで、チューブトレーラ又は複数のチューブトレーラは、水素の需要が、第2の貯蔵容器及び水素生成システムを介して提供され得る水素の流れを超えるときに、分配のために水素を直接FCMに提供するために、水素をFCMに供給するように構成することができる。コントローラは、チューブトレーラが、中に貯蔵された水素を、分配のためのFCMに出力するときに、第1のコンプレッサから出力される水素がチューブトレーラには供給されなくなるように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる。水素生成システムを介して生成された水素は、水素の需要を満たすためにFCMに向かって供給されるために、第1のコンプレッサに水素を供給し続けることができ、それと同時に、1つ以上のチューブトレーラからの水素がFCMに供給されている。
【0044】
図2に示される実施形態を参照すると、複数の第1のチューブトレーラは、水素の過剰貯蔵容量を提供するためにLPコンプレッサから、LP水素を受け取ることができる。各第1のチューブトレーラは、取り外し可能及び/又は交換可能なトレーラであり得る。第1のトレーラのうちの1つが満杯になった場合、水素を中に貯蔵することを可能にするために、そのトレーラを空のトレーラと交換することができ、又は、追加の余分な水素を、貯蔵のために追加された第1のトレーラに供給することができる(充填された第1のトレーラを取り外して交換する代わりに)ように、追加の取り外し可能な貯蔵を提供するために、別の第1のトレーラを接続することができる。別の第1のトレーラを追加することは、例えば、水素の大きな需要が予想され、かつ追加の貯蔵能力がオンサイトで必要とされ得る状況で、満杯のトレーラを交換する代わりに利用され得る。
【0045】
第1のチューブトレーラは、水素の需要が、MP貯蔵容器及び水素生成システムを介して提供され得る水素の流れを超えるときに、分配のために水素を直接FCMに直接提供するために、水素をFCMに供給するように構成することができる。コントローラは、第1のコンプレッサから出力される水素が第1のチューブトレーラには供給されなくなり、第1のチューブトレーラが、それぞれの中に貯蔵された水素を、分配のためにFCMに出力するように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる。水素生成システムを介して生成された水素は、水素の需要を満たすためにFCMに向かって供給されるために、第1のコンプレッサに水素を供給し続けることができ、それと同時に、第1のチューブトレーラからの水素がFCMに供給されている。
【0046】
複数の第2のチューブトレーラは、水素の過剰貯蔵容量も提供するために第2のコンプレッサ(例えば、MPコンプレッサ)から、MP水素を受け取ることができる。各第2のチューブトレーラは、取り外し可能及び/又は交換可能なトレーラであり得る。第2のトレーラのうちの1つが満杯になった場合、水素を中に貯蔵することを可能にするために、そのトレーラを空のトレーラと交換することができ、又は、追加の余分な水素を、貯蔵のために追加された第2のトレーラに供給することができる(充填された第2のトレーラを取り外して交換する代わりに)ように、追加の取り外し可能な貯蔵を提供するために、別の第2のトレーラを接続することができる。別の第2のトレーラを追加することは、例えば、水素の大きな需要が予想され、かつ追加の貯蔵能力がオンサイトで必要とされ得る状況で、満杯のトレーラを交換する代わりに利用され得る。
【0047】
第2のチューブトレーラは、水素の需要が、MP貯蔵容器及び水素生成システムを介して提供され得る水素の流れを超えるときに、分配のために水素を直接FCMに提供するために、水素をFCMに供給するように構成することができる。コントローラは、第2のコンプレッサ(例えば、MPコンプレッサ)から出力される水素が第2のチューブトレーラには供給されなくなり、第2のチューブトレーラが、それぞれの中に貯蔵された水素を、分配のためにFCMに出力するように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる。水素生成システムを介して生成された水素は、水素の需要を満たすためにFCMに向かって供給されるために、第2のコンプレッサに向かって供給されるために、第1のコンプレッサに水素を供給し続けることができ、それと同時に、第2のチューブトレーラからの水素がFCMに供給されている。
【0048】
図2の実施形態では、第1のチューブトレーラのうちの1つ以上からの水素は、FCMに直接供給することができ、それと同時に、第2のチューブトレーラのうちの1つ以上からの水素は、FCMに直接供給される。このような水素の供給は、水素生成システムを介して(第1及び第2のコンプレッサなどを介して)FCMにも水素が供給されている間に、行われ得る。コントローラは、第2のチューブトレーラ及び第1のチューブトレーラには水素が供給されなくなり、第1のチューブトレーラ及び第2のチューブトレーラが、それぞれの中に貯蔵された水素を、分配のためにFCMに出力するように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる。水素生成システム、又は関連する中間貯蔵ユニットからの全水素をFCMに供給することができ、同時に、第1のチューブトレーラ及び第2のチューブトレーラもまた、分配のためにFCMに水素を供給するために利用される。
【0049】
更に他の実施形態では、第1のチューブトレーラ及び/又は第2のチューブトレーラは、FCMへの供給のために、FCMの上流の水素の流れに、水素を供給するように構成することができる。例えば、1つ以上の第1のチューブトレーラに貯蔵された水素は、FCMに直接供給される代わりに、FCMに供給される前に、追加の圧縮を受けるために、第2のコンプレッサ供給導管に向かって供給することができる。図1及び2は、このような水素が、その後、第2のコンプレッサに供給可能になるように、1つ以上のチューブトレーラに貯蔵された水素を第1の貯蔵導管に供給するための水素配分導管を図示することによって、そのような特徴を示す。図2はまた、FCMに直接水素を供給する代わりに、FCMに間接的に水素を供給するために、第2のコンプレッサの下流の第2の貯蔵容器(MP貯蔵)に第2のチューブトレーラが水素を供給することができるように、第2のチューブトレーラから水素を配分するための流路オプションを示す。コントローラは、水素が第1のチューブトレーラには供給されなくなり、第1のチューブトレーラが、それぞれの中に貯蔵された水素を、FCMに間接的に水素を供給するために、第2のコンプレッサに出力するように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる(例えば、図1及び図2の実施形態)。コントローラはまた、水素が第2のチューブトレーラには供給されなくなり、第2のチューブトレーラが、それぞれの中に貯蔵された水素を、FCMに向かって間接的に水素を供給するために、第2の貯蔵ユニットに供給するために、第2のコンプレッサの下流に出力するように、導管、及び他の動作制御ユニットのバルブ調整を作動させて、水素の流路を変更することができる(例えば、図2)。
【0050】
水素生成システムは、少なくとも1つのディスペンサを有する燃料供給ステーションでの燃料需要に対応するために、水素の生産量を抑制するか、又は水素の生産量を増加させるように構成することができる。燃料供給ステーションの水素需要に合わせるために、水素の生産量を調整することができる。水素生成システムが最高速度で稼働しており、かつ1つ以上のディスペンサからの十分な使用量がない場合、その後、余分な水素ガスを、少なくとも1つのトレーラ(例えば、少なくとも1つのチューブトレーラ)に送って貯蔵することができる。そのような状況では、水素ガスは、例えば、第1のコンプレッサを介して加圧され、その後に、中に貯蔵するために、少なくとも1つのトレーラに供給され得る。この第1の圧力範囲内で加圧された水素(例えば、20MPa~30MPa、20MPa~70MPa、30MPa~50MPaなど)は、例えば、第1のコンプレッサと1つ以上のチューブトレーラとの間に配置されたチューブトレーラ貯蔵導管を介して、1つ以上のチューブトレーラに輸送され得る。
【0051】
燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサで分配する水素需要が低いとの判定に応答して、水素生産速度を遅くするために、水素生成システムを減速することができる。これは、例えば、燃料供給ステーションにおける実際の水素使用率とより良く一致し得るように、水素生成システムを動作させようとするために、実施することができる。いくつかの実施形態では、水素生成システムは、例えば、最大生産速度から最小生産速度に減速することができる。いくつかの実施形態では、水素生成システムが最大生産能力で動作する場合、最小生産速度は全生産能力の約半分になり得る(例えば、最大生産能力が25kg/時であるいくつかの実施形態では、最小生産能力は12.5kg/時であり得、例えば、最大生産能力が30kg/時、20kg/時、又は35kg/時~18kg/時であり得る実施形態では、最小生産量が15kg/時又は10kg/時、又は12.5kg/時未満などであり得る)。
【0052】
水素生成システムが、より低い速度(例えば、最小生産能力)まで減速された後、多くの場合、生産が最大生産能力まで戻るまでにかなりの時間がかかる可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、水素生成システムが、システムの動作能力が調整された後に、動作出力を最小出力から最大水素生成出力まで変更するのに、約1時間かかることがある。このような遅れは、水素生成システムのサイズ、種類(例えば、クラッカ又は改質器など)、及び動作能力に応じて変化し得る。このような出力の遅れは、コントローラ又はオペレータによって水素出力調整が行われた後、水素生成システムが、以前の最小動作能力設定から最大生産設定に、生産を増加させるのにかかる時間に起因する可能性がある。このような種類の遅れは、最大出力速度での運転から最小出力速度への調整に応答して発生することもある(例えば、最大出力容量から最小出力容量に出力を変更するように調整された後、水素生成システムの出力が最小出力に減少するまで約1時間かかることがある)。
【0053】
水素生成システムが低い動作出力速度で動作しており、かつオンサイト燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサでの分配ニーズが、その容量を超えるレベルまで増加する状況では、1つ以上のディスペンサでの分配に必要とされ得る追加の水素燃料は、1つ以上のチューブトレーラに保持されている貯蔵水素を介して提供され得る。1つ以上のトレーラからの貯蔵水素の使用は、水素生成システムが最大能力で動作し、かつ水素の需要が、一定期間、水素生産能力を超えている状況で、提供することもできる。
【0054】
例えば、図3の実線で示された第3の実施形態では、水素の分配のための貯蔵と出力との間に、このような柔軟性を提供するための、単一のコンプレッサ及び単一のトレーラが存在し得る。そのような実施形態では、単一のトレーラは、20MPa、30MPa、40MPa、50MPa、又は他の事前に選択された第1の貯蔵圧力(例えば、20Mpa~60MPaの圧力、又は他の圧力)のいずれかの圧力で、水素ガスを保持及び貯蔵するように構成することができる。第1の単一コンプレッサは、水素生成システムの最大流量及び最小流量(例えば、25kg/時~12.5kg/時、又は30kg/時~10kg/時など)を満たすようにサイズ設定することができる。水素生成システムが最高速度で動作し、かつディスペンサからの十分な使用量がないとき、余分な水素ガスをトレーラに送って貯蔵することができる。水素生成システムで生産速度が減速され、かつオンサイト燃料供給ステーションのディスペンサで水素の分配ニーズが予想外に増加した場合、ディスペンサでの水素の新たな需要により良く一致させようとするために、水素生成システムの生産量が増加している間、必要な追加の水素供給は、チューブトレーラに保存されている水素を介して提供することができる。貯蔵された水素は、FCMに間接的に水素を供給するために、分配用の燃料ディスペンサに向かって供給されるために、トレーラから出力され、かつ第1のコンプレッサから出力された水素と混合することができるか、又は貯蔵された水素は、チューブトレーラから直接FCMに供給することができる。
【0055】
追加の水素が必要な場合は、追加の水素を提供するために、(図3の破線で示される)水素で満たされた第2のトレーラを接続することができる。水素生成システムから生成された水素の貯蔵及び/又は取り出しのために追加の貯蔵容量が必要な場合、第2のトレーラは、追加の水素で充填されるための空のトレーラとしても、接続することができる。第3のトレーラ、又は他の追加の第2のトレーラも、追加の貯蔵容量及び/又はより多くの水素容量を提供するために追加することができる。
【0056】
貯蔵された水素が必要ないと予想される場合は、単一の満杯のトレーラを取り外し、空の交換用の第1のトレーラと交換することができる。その後、交換用の空の単一のトレーラに水素を充填することができる。取り外された満杯のトレーラは、トラック又は鉄道を介して、水素の需要がより高くなり得る、別のサイトに輸送することができる。
【0057】
図1及び3に実線で示される実施形態の単一のトレーラ配設は、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置が、水素の取り込み、又は水素の取り出しを可能にすることができることを理解されたい。例えば、トレーラが満杯であるとき、トレーラをオフサイトで別の燃料供給ステーションに輸送することができ、その後、他のステーションに水素を取り出すために使用される、取り外したトレーラを交換するために、空の交換用のトレーラを接続することができる。別の例として、トレーラが空であり、かつ貯蔵された水素が必要とされ得る場合、空のトレーラは、1つ以上のディスペンサで燃料を供給するためのステーションで、追加の水素容量を提供するために、満杯の交換用のトレーラと交換することができ、又は、別の満杯のトレーラは、追加の水素を提供するために接続することができる(例えば、図1及び3の破線で示される、満杯の第2の追加のトレーラは、燃料供給ステーションのための追加の水素を提供するためのシステムに追加することができる)。
【0058】
図2に示される実施形態、及び破線で示される追加の第2のトレーラを利用し得る図1及び3に示される実施形態では、複数のトレーラは、オンサイト燃料供給ステーションでの水素分配需要を満たすために、水素の貯蔵、及びその後の使用のために利用することができる。例えば、水素の貯蔵のために配置された複数のチューブトレーラが存在し得る。いくつかの配設(例えば、図2の実施形態)では、1つ以上の第1のトレーラは、第1の圧力又は第1の圧力レベルで水素を貯蔵するように構成することができ、他の第2のトレーラは、第2の圧力レベル又は第2の圧力で貯蔵するように構成及び配置することができる。追加のトレーラは、異なる圧力レベルで、追加の貯蔵容量を提供することができる(例えば、追加の第1のトレーラ及び/又は追加の第2のトレーラとして利用し得る、第3のトレーラを含むことができる)。更に、トレーラのうちの1つ以上は、ステーションの容量を増加させ、かつエネルギーを節約するために、トレーラから、少なくとも1つの燃料ディスペンサに直接水素を提供するように配設することができる。
【0059】
図2に示される複数のトレーラの実施形態では、例えば、低圧トレーラは、第1の圧力レベルで水素を貯蔵することができ(例えば、20MPa~30MPa、又は20MPa~40MPaの圧力)、高圧トレーラは、第1の圧力レベルよりも高い第2の圧力レベルで水素を貯蔵することができる(例えば、30MPaを超える圧力、40MPa~70MPaの圧力、50MPa~70MPaの圧力など)。複数のトレーラによって提供されるトレーラ貯蔵は、水素生成システムによって提供される、水素の生産量と使用量を一致させることを可能にすることができる。更に、ステーションの各圧力レベルでの2つ以上のトレーラの利用は、ステーションの需要に合わせるためにトレーラを使用することができるように、トレーラが満杯になると取り外されることを可能にし、又はトレーラが空になると交換されることを可能にする。これにより、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置のトレーラが、取り込み及び取り出し能力の両方を提供することができる。例えば、トレーラが満杯であるとき、トレーラは、オフサイトで別の燃料供給ステーションに輸送されることができ、その後、他のステーションに水素を取り出すために使用される、取り外した満杯のトレーラを交換するために、空の交換用のトレーラを接続することができる。別の例として、トレーラが空であり、かつ貯蔵された水素が必要とされ得る場合、空のトレーラは、1つ以上のディスペンサで燃料を供給するためのステーションで、追加の水素容量を提供するために、満杯の交換用のトレーラと交換することができる(例えば、サイトに配送される1つ以上のトレーラを介して、水素を取り込むことを可能にする)。水素取り込みのため、及び水素取り出しのための装置の1つ以上の燃料供給ステーションサイトへの、又は、からのチューブトレーラの輸送は、車道に沿ってトレーラを駆動するトラック、及び/又は鉄道輸送を介し得ることを理解されたい。
【0060】
当然のことながら、いくつかの実施形態は、同じ圧力で水素を貯蔵するために配置された、1つ以上のトレーラのみを利用するように構成することができる。実線で示されるような単一のトレーラのみを使用する、又は破線を介して示されるような複数のトレーラを使用する、図1及び3の実施形態は、そのような実施形態のための例示的な配設を示す。
【0061】
余分な水素の貯蔵容量及び/又は水素の取り出し容量を提供するための取り外し可能かつ交換可能なトレーラの使用により、改善された運転柔軟性を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、トレーラは、特定のオンサイト燃料供給ステーションでの低い水素燃料供給需要時、及び高い水素燃料供給需要時に対応するために取り外され、交換され得る。例えば、サイトオペレータは、最初の満杯のトレーラが、別の空のトレーラに置き換えられることになるか、又は、そのステーションの予想される水素使用サイクルの必要に応じて、空のトレーラを置き換えるために、追加の満杯のトレーラが接続されることになるように、水素生産プロセス、及びトレーラの使用を管理することができる。満杯のトレーラの取り出し及び取り込みは、オンサイト燃料供給ステーションの予想される毎日の水素使用量、及び、低需要期間(例えば、燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサから燃料を取得し得る車両が少ししかない時間帯)と高需要期間(例えば、燃料供給ステーションの1つ以上のディスペンサから燃料を取得する車両が多い時間帯)との間に存在し得る毎日のサイクルに対応するために、管理することができる。
【0062】
トレーラの交換、又は追加のトレーラの追加の計画は、取り外し可能なトレーラに対する時間帯戦略を実行するように設計することもできる。例えば、顧客又はユーザによる燃料供給が、通常、特定の燃料需要期間中(例えば、午後8時から午前4時まで)に行われる場合、オペレータは、予想される高需要期間の開始時(例えば、午後8時から午前4時までの例示的な燃料需要期間における午後8時)に合わせるために、少なくとも1つの満杯のトレーラが接続されるようにして、水素を提供する準備をしようとしてもよく、また、次の高需要サイクルの開始(例えば、午後8時から午前4時までの例示的な燃料需要期間における午後8時)用に、追加の水素貯蔵容量の提供のために充填するために、燃料需要期間の終了時(例えば、午後8時から午前4時までの例示的な燃料需要期間における午前4時)に、少なくとも1つの空のトレーラを利用可能にしようとしてもよい。
【0063】
トレーラの追加又は交換の計画は、特定のサイトのニーズを満たすように調整することができることを理解されたい。トレーラの使用により、予想外の水素需要が発生する状況、又は、水素需要の大幅な増加が予想外に発生する可能性がある状況に、柔軟に対処することを可能にすることもできる。例えば、検出されている予想外の需要の発生に応答して、トレーラはサイトに輸送されることができ、及び/又は、オンサイトであり得るが、配分システムには接続されていない満杯のトレーラは、予想外の需要を満たすための追加の水素を提供するために、システムに接続することができる。
【0064】
水素燃料供給システム、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置、水素燃料分配及び貯蔵装置、並びにそれらの作製方法及び使用方法の実施形態は、それぞれ、動作を監視及び制御するように配置及び構成されたプロセス制御要素(例えば、温度センサ及び圧力センサ、流量センサ、プロセッサ、非一時的メモリ、及び、センサ要素との通信のための少なくとも1つのトランシーバを含む少なくとも1つのワークステーションを有する自動プロセス制御システム、バルブ、並びに、ワークステーション、及び/又は装置の別のコンピュータデバイスで稼動し得る自動プロセス制御システムのユーザインタフェースを提供するためのコントローラなど)を含むように構成することができることを理解されたい。
【0065】
本明細書に明示的に図示及び考察された実施形態への修正は、特定の設計目標のセット、又は特定の設計基準のセットを満たすように行うことができることを理解されたい。例えば、異なるユニット間の流体の流体連通のための、装置の異なるユニットを相互接続するためのバルブ、配管、及び他の導管要素(例えば、導管接続機構、管類、シールなど)の配設は、燃料システムの利用可能な領域、システムのサイズ設定された機器、及び他の設計上の考慮事項に対応する特定のレイアウト設計を満たすように配設することができる。別の例として、装置の異なる要素を通過しただけでなく、他の装置要素を通過した流体の流量、圧力、及び温度は、異なる燃料システム設計構成、及び他の設計基準に対応するために変化し得る。更に別の例として、装置の異なる構造構成要素のための材料組成物は、特定の設計基準のセットを満たすために必要とされ得る、任意の種類の好適な材料であり得る。
【0066】
別の例として、個別に、又は実施形態の一部としてのいずれか一方で記載される特定の特徴は、他の個別に記載される特徴、又は他の実施形態の一部と組み合わせることができると考えられる。したがって、本明細書に記載される様々な実施形態の要素及び作用は、さらなる実施形態を提供するために、組み合わせることができる。水素燃料供給システム、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置、水素燃料分配及び貯蔵装置、並びにそれらの作製方法及び使用方法の、特定の例示的な実施形態が上記で示され、かつ説明されている一方で、本発明はそれに限定されるものではなく、別の方法で様々に具体化され、以下の特許請求の範囲内で実施され得ることが明確に理解されるべきである。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
水素燃料分配及び貯蔵装置であって、
水素生成システムから水素を受け取るように配置された第1のコンプレッサと、
少なくとも1つのディスペンサに供給するための前記水素を受け取るために、前記第1のコンプレッサの下流に配置された、流量制御マニホールド(FCM)と、
少なくとも1つの第1のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラからの水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラと、を備える、水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記2)
第2のコンプレッサであって、前記第1のコンプレッサから出力された前記水素の圧力を、前記水素が前記FCMに供給される前に、第1の圧力から、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2のコンプレッサを備える、付記1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記3)
前記水素が前記第2のコンプレッサに供給される前に、前記第1のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第1のコンプレッサと前記第2のコンプレッサとの間にある、第1の貯蔵容器と、
分配のために前記水素が前記FCMに供給される前に、前記第2のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間にある、第2の貯蔵容器と、を備える、付記2に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記4)
少なくとも1つの第2のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラからの前記水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラを備える、付記2に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記5)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、前記少なくとも1つの第2のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラである、付記4に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記6)
前記少なくとも1つの第2のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMへ直接供給可能であるように配置及び構成され、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記4に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記7)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記2に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記8)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記9)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラを備える、付記1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記10)
前記水素燃料分配及び貯蔵装置が、前記水素生成システムを含む、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置である、付記1に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記11)
前記水素生成システムが、アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含む、付記10に記載の水素燃料分配及び貯蔵装置。
(付記12)
水素を生成、貯蔵、及び/又は分配する方法であって、
水素生成システムから受け取った水素を、第1の圧力に圧縮することと、
少なくとも1つのディスペンサに供給するために、前記水素を流量制御マニホールド(FCM)に供給することと、
水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要に応答して、前記第1のコンプレッサから出力された前記水素の少なくとも一部分を、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラに供給することと、
水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵されている水素を、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、前記FCMに出力することと、を含む、方法。
(付記13)
前記水素が前記FCMに供給される前に、前記水素の圧力を、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1の圧力で前記水素を、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された第2のコンプレッサに供給すること、を含む、付記12に記載の方法。
(付記14)
水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、前記第2のコンプレッサから出力された前記水素の少なくとも一部分を、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラに供給することと、
水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要に応答して、少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵されている水素を、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のために、前記FCMに出力することと、を含む、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、前記少なくとも1つの第2のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラである、付記14に記載の方法。
(付記16)
前記少なくとも1つの第2のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMへ直接供給可能であるように配置及び構成され、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記14に記載の方法。
(付記17)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記13に記載の方法。
(付記18)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、単一のトレーラであるか、又は複数のトレーラであり、
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、前記少なくとも1つのディスペンサで分配するための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラに貯蔵された前記水素が前記FCMに直接供給可能であるように配置及び構成されている、付記12に記載の方法。
(付記19)
前記少なくとも1つの第1のトレーラが、少なくとも1つの取り外し可能なチューブトレーラを備える、付記1に記載の方法。
(付記20)
水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置であって、
アンモニアクラッカ、又は少なくとも1つの改質器デバイスを有するメタン改質器を含む水素生成システムと、
前記水素生成システムから水素を受け取るように配置された第1のコンプレッサと、
前記水素を車両に分配するように配置された、少なくとも1つのディスペンサと、
流量制御マニホールド(FCM)であって、前記少なくとも1つのディスペンサに供給するための前記水素を受け取るために、前記第1のコンプレッサの下流、及び前記少なくとも1つのディスペンサの上流に配置された、流量制御マニホールド(FCM)と、
第2のコンプレッサであって、前記コンプレッサから出力された前記水素の圧力を、前記水素が前記FCMに供給される前に、第1の圧力から、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力まで増加させるために、前記第1のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2のコンプレッサと、
第1の貯蔵容器であって、前記水素が前記第2のコンプレッサに供給される前に、前記第1のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第1のコンプレッサと前記第2のコンプレッサとの間に配置された、第1の貯蔵容器と、
第2の貯蔵容器であって、分配のために前記水素が前記FCMに供給される前に、前記第2のコンプレッサから出力される前記水素を貯蔵するために、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、第2の貯蔵容器と、
少なくとも1つの第1のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第1のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第1のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第1のトレーラからの水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第1のコンプレッサと前記FCMの間に配置された、少なくとも1つの第1のトレーラ、及び
少なくとも1つの第2のトレーラであって、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される速度未満である間は、前記第2のコンプレッサから出力された水素が、貯蔵のための前記少なくとも1つの第2のトレーラに供給可能であり、かつ、前記少なくとも1つのディスペンサでの分配のための前記FCMでの水素の前記需要が、水素が前記第1のコンプレッサに供給される前記速度よりも大きい間は、前記少なくとも1つの第2のトレーラからの前記水素が前記FCMに通過可能であるように、前記第2のコンプレッサと前記FCMとの間に配置された、少なくとも1つの第2のトレーラ、のうちの少なくとも1つと、を備える、水素燃料生成、分配、及び貯蔵装置。
図1
図2
図3