(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】身体活動のコンテキストにおいて対象者に関する生体力学的活動及び生体力学的リスク因子への曝露を解析するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/22 20060101AFI20241115BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241115BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20241115BHJP
A61B 7/04 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
A61B5/22
A61B5/11 200
A61B5/00 101R
A61B7/04 Y
(21)【出願番号】P 2022509651
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 FR2020051465
(87)【国際公開番号】W WO2021028641
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-07-19
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】522058154
【氏名又は名称】モートン テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクシム プロジェッティ
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-182824(JP,A)
【文献】国際公開第2018/026842(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0136264(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0292617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
B25J 1/00-21/02
A61B 7/00-7/04
A61H 1/00-5/00
A61H 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体活動のコンテキストにおいて対象者の生体力学的活動及び生体力学的リスク因子への曝露を解析するシステムであって、
a 前記対象者の1つまたは複数の第1の身体部分に取り付けられて振動信号を収集するための手段であって、その測定値は局所的な筋肉の活動を反映する、手段と、
b 前記対象者の動きを表す信号を収集する手段であって、その測定値は、2または3次元において、1つまたは複数の第2の身体部分の方向及び動きを反映する、手段と、
c それらの信号を処理し、そこから生体力学的ストレスの強度及びその周波数を表すインジケータを抽出する手段と、を含み、
d 身体活動のコンテキストにおいて、前記筋肉の振動の挙動の参照フレームに関する前記振動信号のドリフトを検出する手段と、を含み、
このようにして抽出された前記インジケータは、RMS振幅と平均電力周波数MPFを含み、
及び、複数の活動部分のうち、各活動部分について平均化された前記RMS振幅及び前記平均電力周波数MPFのドリフトを解析することによって線形回帰計数を算出する手段をさらに含むことを特徴とする、解析システム。
【請求項2】
身体的支援機器を使用するコンテキストにおいて実施され、前記身体的支援機器の使用前と使用後の、予め決定された活動の部分から抽出された前記RMS振幅及び/または前記平均電力周波数MPFを比較する手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の解析システム。
【請求項3】
ワークステーションの人間工学評価のコンテキストにおいて実施され、前記ワークステーションの変更の前と後とで予め決定された活動の部分から抽出された前記RMS振幅及び/または前記平均電力周波数MPFを比較する手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の解析システム。
【請求項4】
前記動きの信号を収集する手段は、慣性ユニットIMU(慣性測定ユニット)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の解析システム。
【請求項5】
前記慣性ユニットIMUは、前記対象者の身体部分において共局在化された測定値を得るために、筋肉活動センサ手段と共に統合されることを特徴とする、請求項4に記載の解析システム。
【請求項6】
前記慣性ユニットIMUは、直線加速度(3軸)及び回転(3軸)を測定する6軸タイプであることを特徴とする請求項4または5に記載の解析システム。
【請求項7】
前記動き信号を収集する前記手段は、地球の磁北に対する前記身体部分の向きを決定する磁力計(3軸)をさらに含むことを特徴とする
、請求項1から6のいずれか一項に記載の解析システム。
【請求項8】
筋肉活動を検出する前記手段は、筋音図信号を生成するために配置されたMMG(筋音図)加速器を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の解析システム。
【請求項9】
対象者の身体部分に堅く取り付けられた複数の測定ノードを実装することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の解析システム。
【請求項10】
測定ノードは、受信ステーションと通信する通信手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の解析システム。
【請求項11】
前記通信手段は、無線通信プロトコルを実装することを特徴とする請求項10に記載の解析システム。
【請求項12】
ワークステーションまたは操作者に提供される身体的補助装置の人間工学的評価を達成する方法であって、
a
対象者の1つまたは複数の第1の身体部分に取り付けられて振動信号を収集するステップであって、その測定値は局所的な筋肉の活動を反映する、ステップと、
b 前記対象者の動きを表す信号を収集するステップであって、その測定値は、2または3次元において、1つまたは複数の第2の身体部分の方向及び動きを反映する、ステップと、
c それらの信号を処理し、そこから生体力学的ストレスの強度を表すインジケータを抽出するステップであって、この信号処理が生体活動の周波数を生成する、ステップと、
前記収集するステップ及び処理するステップ(a)、(b)、(c)は、(i)前記ワークステーションの変更前または前記身体的補助装置の着用の前と、(ii)前記ワークステーションの変更後または前記身体的補助装置の着用の後とでそれぞれ完了され、及び、
前記方法は、(i)前記ワークステーションの変更または前記身体的補助装置の着用の前、及び、(ii)前記ワークステーションの変更または前記身体的補助装置の着用の後でそれぞれ抽出された前記生体力学的ストレスの強度及び周波数の前記インジケータを比較するステップをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項1から11の一項に記載の解析システムにおいて実施される、身体活動のコンテキストにおいて対象者の生体力学的活動及び生体力学的リスク因子への曝露を解析する方法であって、
a 前記対象者の1つまたは複数の第1の身体部分に取り付けられて振動信号を収集するためのステップであって、その測定値は局所的な筋肉の活動を反映する、ステップと、
b 前記対象者の動きを表す信号を収集するステップであって、その測定値は、2または3次元において、1つまたは複数の第2の身体部分の方向及び動きを反映する、ステップと、
c それらの信号を処理し、そこから生体力学的ストレスの強度を表すインジケータを抽出するステップであって、この信号処理が生体活動の周波数サインを生成する、ステップと、
d 身体活動の前記コンテキストにおける前記筋肉の前記振動信号の挙動の参照フレームに関する前記振動信号のドリフトを検出するステップと、
e 前記対象者の前記筋肉がそれらの参照振動挙動に回復するのに必要な生理学的な休憩時間を予測するステップと、を含み、
こうして抽出された前記インジケータは、RMS振幅と平均電力周波数とを含み、
前記予測するステップは、複数の部分の活動の各々の部分で平均化された前記RMS振幅及び前記平均電力周波数を解析することによって線形回帰直線を計算することと、前記線形回帰直線を使用して、予め決定された身体的歪みの最小閾値に向かって前記RMS振幅の線形減衰プロファイルを決定することと、を含む、方法。
【請求項14】
光学的収集手段によって前記対象者が展開しているコンテキストまたはシーンを収集するステップをさらに含み、このコンテキストまたはシーンを処理して、振動挙動信号と相関する前記対象者の姿勢及びジェスチャーに関する情報を生成することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象者の活動を特定の及び/または反復するタスクまたはタスク群に区分し、それらを筋肉活動信号と相関させることにより、前記筋肉の状態及びそのドリフト超過時間を推定することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
所与の対象者について得られた筋肉活動の生体力学的特性のセットから、この人についての個々の生体力学的リスク参照フレームを生成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
個々の生体力学的リスク参照フレームを生成するステップは、「機械学習」技術を実施する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
動き信号と筋肉活動信号をクロス解析し、反復される筋肉活動の間に前記対象者のパフォーマンスと健康に関する情報を抽出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
努力の後、前記対象者の筋肉組織が代謝的及び機械的に休憩状態に戻るように、生理学的休憩の個人的な配置を勧めるように、動きデータ及び筋肉活動データを処理するステップをさらに含むことを特徴とする請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体活動に関連して対象者の生体力学的活動及び生体力学的リスク因子に曝露されることを解析するための方法に関する。また、この方法を実施するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野は、特に、身体的人間工学と、ワークステーション及び身体的補助装置(外骨格、コボット、ロボット)の人間工学的評価を対象としている。
【発明の概要】
【0003】
身体的人間工学において、使用される方法は、基本的に作業者の動きと姿勢を解析することに基づいている。予防専門家または人間工学者は、状況を観察し、各企業に固有の基準に従って評価グリッドを完了する。いくつかは、RULA(Right Upper Limb Assessment)と呼ばれる旧式の方法に基づいており、より良いものがないために広く使用されていて、観察者は、動員された主要な関節角度を評価することによって、タスクの重要な瞬間に作業者の姿勢を評価する。
【0004】
産業界では、一部の人員がほぼすべての時間をこのタイプのグリッドの完了に費やすことが一般的に受け入れられている。このタイプのグリッドの別の根本的な制限は、強度スコアを取得するための主観的基準であり、これは次いで、単一の評価パラメータを変更することによって、全体的なスコアを許容レベルから臨界レベルに移動させ得る。したがって、信頼できる評価を得るためには、専門化、知識化された目で評価しなければならない。次に、人間工学的解析を信頼できるようにするために、作業者の筋肉活動を正確かつ客観的に定量化する必要性に関連する問題が現れる。
【0005】
さらに、グリッドは限られた短い時間で満たされるため、肉眼では識別できないさまざまな補償を展開できる作業者の姿勢に対する疲労の影響を測定することができない。今日、作業活動全体の間、実際の状況で作業者の生体力学的リスク因子を監視するツールはない。
【0006】
最後の論点は、人間工学の観点からの検証が真の課題である新しい産業4.0における身体的支援のための外骨格及び他のロボット機器の到達に関するものである。実際、外骨格は、特定の筋肉群に過負荷をかけながら、ルーラ法の観点から許容可能な姿勢を採用することができ、その後、長期的に事故または職業病を引き起こし得る。
【0007】
さらに、人体の筋肉活動を監視することは、健康、スポーツ、ロボット工学に関連する多くのアプリケーションで重要な機能である。筋肉の状態(疲労等)、及び全身の動きに応じたこの状態の進化を特徴付け、この状態にしたがって全身の動きを進化させることで、例えば、アスリートのトレーニングの最適化や産業作業者の身体的負荷の調整等、筋肉の状態に関する価値のある情報を提供し得る。さらに、筋肉疲労の兆候を認識することは、スポーツまたは産業の状況での身体活動に関連する怪我のリスクを防ぐのに役に立つ。
【0008】
筋活動は、一般に、筋電図(EMG)[1]、すなわち、筋肉の電気活動を測定することにより捕捉される。EMG技術には、電極を直接筋本体に挿入する侵襲的なもの、または皮膚に付着させた表面電極を使用する表在的なものがあり得る。後者の技術には多くの欠点があり、その使用は実験室等の制御された環境に限定されている。衛生上の理由から使い捨ての電極を使用する必要があり、皮膚との良好な結合を確保し、発汗時のインピーダンス変化を抑えるために導電性ゲルを使用する必要がある。また、電極の位置決めや使用方法には技術的なノウハウが必要である。したがって、このような実験室外測定の実用性には厳しい制限が課される。
【0009】
筋収縮中に誘発される微小振動の測定に関わる、筋音図(MMG)と呼ばれる方法は、発汗の影響を受けないため皮膚との接触によるインピーダンス変化が少ない、信号とノイズの比(SNR)がより良い及び解析対象の筋の位置に対する感度が低い等、EMGが課す多くの制限を取り除くことができる。皮膚表面の筋肉が生み出す「音に耳を傾ける」という概念は、1800年代初頭に遡る[2]。この方法は、筋肉収縮時の機械的振動活動の捕捉と解釈により特徴づけられる。
【0010】
振動活動は、筋肉の共振周波数で生じる筋線維の横方向の振動によって生じる[3]。低周波(2-250Hz)のMMG信号は、加速度計、マイクロフォン、圧電センサ、またはレーザー手段によって取得される。科学的研究は、MMG信号の解析は、神経筋疲労[4]、麻酔の効率[5]、またはパーキンソン病等[6]の特定の神経筋症候群等の筋肉機能の多くの特徴を調べることを可能にすることを示す。
【0011】
用語に関しては、筋音図[7]を説明するために、音響または音響筋音図(AMG、PMG)及び振動筋音図(VMG)の異なる名前がある。通常、筋音図は圧力センサ、マイクロフォンまたは圧電変換器を使用し、振動筋音図はほぼ加速度計を使用する。本発明の好ましいデバイスは、MEMS静電容量加速度計を使用するが、言及された他のセンサに拡張することができる。
【0012】
動きや姿勢を捕捉するために使用される器具は、一般に、3軸加速度計、3軸ジャイロメータ、及び3軸磁力計で構成される慣性単位を使用する。慣性単位の一般的な呼称は、英語に由来する頭字語字:Inertial Reference System(IRS)、Inertial Navigation System(INS)、またはInertial Measurement Unit(IMU)である。この最後の呼称は、計算ユニットなしのセンサブロック(加速度計、ジャイロメータ、磁力計)にのみ適用される。これらのシステムは、特にコンポーネントの小型化を可能にしたMEMS技術のせいで多数の接続オブジェクトに見出される。さらに、バッテリと無線通信の技術の発展により、これらのシステムは大幅な自律性を備えた超小型のものになった。しかしながら、実験室の外での生体力学的解析のための慣性ユニットの使用は、磁場が歪みを発生し、ドリフトする磁力計の測定[8]の原因となるという大きな障害に直面する。このドリフトは、動作データに反映され、その後、使用できなくなる。このタイプのシステムのもう1つの欠点は、解析される身体の部分に合わせるためのセンサの事前の校正である。
【0013】
動き及び姿勢を捕捉するために使用される器具は、特に、いわゆる深度カメラの出現を伴うマーカーを伴わない光学系を含んでもよい。それらは、単眼システムに固有の曖昧さ(部分、自動オカルテーション及び平面投影による曖昧さ)を、奥行き画像を直接提供することで解決し、人物の姿勢を推定することが可能である。このタイプのカメラの他の利点は、シーンの3D情報が単一の視点から提供されることである[9]。深さ制限のあるカメラは、その範囲が5m未満である。この制限は、いくつかのカメラを使用することで解消し得るが、制限的なキャリブレーション、または非常に制御された環境が必要になる。
【0014】
したがって、全身の動きと相関する筋肉活動の理解は、制御された環境以外の高い生体力学的ストレスを伴う状況において重要である。ここでは、産業界における筋骨格系疾患(MSD)の例を概説する。実際、疫学的研究は、MSDが以下の生体力学的因子に曝露されることから生じることを示している、
-姿勢の制約
-動員された労力と動的力
-静的な筋肉の働き
-長期間の活動にわたって繰り返される動き。
【0015】
これらの生体力学的なストレスは、ストレスの強さ、これらストレスに曝露される周波数及び曝露時間の3条件を使って評価される。さらに、特定の環境因子がこれらの生体力学的因子を悪化させることがある。すなわち、機械的圧力、衝撃や衝突、振動及び熱環境等である。
【0016】
対象者の生体力学的活動と上記のリスク因子への暴露を解析するために人間工学的研究で使用される技術は、主に専門家(人間工学者)の観察と写真またはビデオ解析に基づいている。さらに、このような解析の主観的な性質から、非常に長期間にわたって対象をリアルタイムで追跡することは現状では不可能である。最近では、解析対象の身体部分に装着された慣性ユニット、または深度カメラ等のモーションキャプチャ器具の導入が観察されている。しかしながら、これらの技術は、性質上、動作や姿勢に限定され、身体のあらゆる動きによって誘発される筋活動の測定を無視している。
【0017】
EMG電極、MMGセンサ及びIMUセンサの組み合わせは、様々な用途のいくつかの特許の対象となっている。
【0018】
したがって、文献US20130317648A1[10]は、EMG電極のアレイと、機械またはロボットシステムを制御することを目的とした移動認識のためのIMUユニットとを統合するスリーブに関する。
【0019】
文献US20170312576A1[11]はまた、EMGセンサ及びスポーツトレーニングまたは治療用のIMUユニットについて論じている。
【0020】
Thalmic Labs社の文献US20150169074[12]とUS20140240103[13]は、EMG電極、MMG加速度計、及び動き認識用のIMUユニットを含む接続ストリップを扱い、例えば接続メガネ等の接続対象を制御している。
【0021】
文献WO2015/063520 A1[14]は、患者のリハビリ、姿勢やジェスチャーの分類、さらには胎児の健康状態のモニタリングに利用するため、IMUユニットで取得した動作データとMMGやEMGセンサからの生体力学データを融合する。
【0022】
文献US20110196262 A1[15]は、リアルタイムにおける筋肉の労力の絶対値を定量化するために、MEMS加速度計(1軸または2軸)からのデータを処理するための包括的な方法論を提供する。応用分野は、スポーツ活動の解析や患者のリハビリテーション等である。
【0023】
文献US 10292647 B1は、収縮センサとモーションセンサを備え、信号を解析するプロセッサに信号を送信するウェアラブルデバイスを開示している。収縮信号は、ユーザの筋肉が収縮または弛緩しているかどうかを決定する。収縮及び動きデータは、動きを実行するユーザのビデオと共に、スマートデバイス画面に送信され、スマートデバイス画面上で表示される。ビデオとセンサのデータの同時視聴は、運動、トレーニング、または治療動作における体幹の収縮と体の動きのタイミングに関するフィードバックをユーザに即座に提供し、ユーザは、体幹の収縮と体の動きの協調を修正、改善し、動作パフォーマンスを向上させてより良い結果を得ることができる。
【0024】
しかしながら、これらのシステムは、ポータブルで自律的なデバイスから筋疲労のインジケータを作り出すことを目的とした対象者の筋肉の振動挙動の解析を可能にすることができない。
【0025】
特に、ワークステーションまたは身体支援機器を信頼性が高く、正確に評価する目的のため、新しい方法と手段を提案する必要がある。これらの方法は、大規模な展開のためにデジタル化され、現在までに不十分に特徴付けられている重要なパラメータ、筋肉活動を考慮しなければならない。
【0026】
本発明の目的は、対象者の生体力学的因子の客観的測定、この対象者のこれらの同じ因子への暴露の程度及び頻度に基づいて、制御されていない環境における生体力学的リスクを識別するための新しい方法を提案することにより、これらの欠点を是正することである。この方法を超小の器具を介して自動化し、長い取得期間にわたって無線で生体力学的データを通信することもまた、本発明の目的である。
【0027】
この目的は、対象者の生体力学的な活動を解析するシステム及び身体的な活動における生体力学的なリスク因子への曝露の解析によって達成され、
【0028】
a. 対象者の1つ以上の第1の身体部分に取り付けられた振動信号を収集するための手段であって、その測定は局所的な筋肉の活動を反映する、手段、
b. 対象者の動きを表す信号を収集する手段であって、その測定は、2次元又は3次元における1つ又は複数の第2の身体部分の向き及び動きを反映する、手段、
c. 生体力学的ストレスの強さを表すインジケータをそこから抽出するために、これらの信号を処理する手段を含み、
本発明によれば、この解析システムは、さらに、
d. 身体活動のコンテキストにおける前記筋肉の振動挙動の参照フレームに対する振動信号のドリフトを検出する手段、
e. 対象者の筋肉が参照振動挙動を回復するのに必要な生理学的休憩時間を予測するための手段を含む。
【0029】
本発明はまた、身体運動を受ける対象者の生体力学的活動、ならびに以下のような1つ以上の生体力学的リスク因子への曝露を解析するための方法に関する、
-姿勢の制約
-動員された労力と動的力
-静的な筋肉の働き
-長期間の活動にわたって繰り返される動き.
【0030】
この解析方法は、制御されていない環境での展開する部分において、関心のある1つまたは複数の身体部分に焦点を当てた測定システムを使用し、
a.対象者の1つまたは複数の身体部分に取り付けられた振動センサにより振動信号を収集することであって、その測定は局所的な筋肉の活動を反映すること、
b.対象者の動きを表す信号を収集することであって、その測定は、1つ以上の第2の身体部分の向き及び動きを2次元または3次元で反映すること、
c.これらの信号を処理して、生体力学的応力の強度を表すインジケータを抽出することと、を含み、この処理は、データマージ技術を実装する。
【0031】
本発明によれば、本方法は、さらに、
d.身体活動のコンテキストにおいて、前記筋肉(複数)の前記振動挙動の基準フレームに対する前記振動信号のドリフトを検出することと、
e.前記対象者の前記筋肉がそれらの基準振動挙動を回復するのに必要な生理学的休憩時間を予測することと、を含む。
【0032】
MMGとIMUデータを統合することは、動的な動きと筋肉の活動との間に橋を造ることで、人間の活動の解析に別の次元をもたらす可能性がある。患者のリハビリテーションの例を挙げると、関節の動きの回復は、患者が一瞬のうちに生成する可動範囲にのみ基づいている。筋肉の活動情報は、生理学的及び生体力学的観点からの回復過程に関する重要な情報を提供し得る。しかしながら、上記のように、それらの筋肉活動のテストは、EMGによってのみ、制御された環境において非常に短時間で実行される。
【0033】
動き及び筋肉活動データの統合技術の使用は、身体的人間工学に適用することで、IMUデータを用いて人間の運動を自動的に分割し、MMGを介して生理的影響を関連付けるアルゴリズムの開発につながる。それ以降、プロフェッショナルジェスチャーの機械的効率と、この効率の損失のメカニズムを、疲労度と関連付けて特徴付けることが可能になる。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、識別方法は、光学収集手段によって対象者が進化しているコンテキストまたはシーンを収集することと、振動挙動信号と関連し、対象者の姿勢及びジェスチャー上の情報を生成するために、このコンテキストまたはシーンを処理することと、をさらに含む。
【0035】
姿勢情報は、予め決定されている参照フレームにおける動きの分類を構成するために使用されてもよい。
【0036】
本発明の識別方法は、また、作業またはスポーツ活動のサブジェクトにおける身体活動中の対象者のパフォーマンス及び健康状態に関する情報を提供するために、動作及び筋活動信号のクロス解析を含んでよい。
【0037】
また、対象者の筋肉組織が、力を出した後の代謝及び力学的感覚において、休憩状態に戻る生理的な休憩のパーソナライズされたアレンジが推奨されるように、動作データ及び筋肉活動データを融合させることを含んでよい。
【0038】
動き信号を収集する手段は、有利には、MEMS技術を使用する慣性ユニットIMU(Inertial Measurement Unit)を備えてもよい。
【0039】
慣性ユニットIMUは、筋肉活動センサ手段と一緒に集積されて、対象者の身体部分で共局在化された測定値を得てもよい。
【0040】
慣性ユニットIMUは、直線加速(3軸)、回転(3軸)の6軸タイプの測定器であってもよい。動き信号を収集する手段もまた、地球の磁北に対する身体部分の向きを決定する磁力計(3軸)を含んでもよい。
【0041】
筋肉活動を検出する手段は、有利には、筋音図信号を生成するように配置されたMMG(MechanoMyoGraphic)加速度計を含んでもよい。このセンサは、地震探査に由来する高性能静電容量MEMS加速度計が理想的である[16]。
【0042】
本発明の解析システムは、対象者の身体部分に堅く取り付けられた複数の測定ノードを実装してもよい。各測定ノードは、Bluetooth(R)低エネルギー(BLE)タイプの通信プロトコルを実装する受信ステーションとの通信手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、以下の図面を参照してよりよく理解されるであろう、
【
図1】
図1は、本発明による原理を示し、生体力学的リスク因子への曝露の程度に関する情報を生成することを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の方法において実装される測定ノードの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の方法によって実行される操作を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の解析方法によって回復されたデータを例示する図である。
【
図5】
図5は、装置によって生成された他のタイプの結果を示す図であり、筋肉の労力及びそのドリフトオーバー時間が人の活動中にリアルタイムで測定され、負傷を避け、MSDリスク(Baillargeon[17]に関する)を防ぐために必要な休憩時間が計算されている。
【
図6】
図6は、装置の処理データから生理的休憩時間を算出する方法を示す図である。上方の曲線は、フィルタリングされた筋音
図MMG信号から得られたRMS振幅の進化を示し、生体力学的な圧力の強度を反映する。下方の曲線は、周波数領域において処理後の筋音
図MMG信号から得られる平均電力周波数MPFを示す。この曲線は、筋繊維の増加計画を反映する。
【
図7】
図7は、産業操作者が使用する作業状況及び設備の人間工学的評価に向けた本発明の応用を示す図である。特に、本方法は、本発明に従って、携帯型電気機器を支持する外骨格の人間工学的解析に使用される。
【
図8】
図8は、
図7に示す活動において、産業操作者から収集した代表的な信号を示している。上方の曲線は右肩の屈曲/伸長における角度の振幅を示し、下方の曲線は生成される動きに関連した右上腕二頭筋の筋肉振動を示す。
【
図9】
図9は、操作者の右肩の上でジャックハンマーを支えている外骨格の衝撃の解析結果を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明のスポーツ分野に向けた他の応用を示す図である。ランナーは、右側広筋に本発明による測定システムを装備する。
【
図11】
図11は、ランナーによる反復的な大股歩きの間に収集された代表的な信号を示す図である。上方の曲線は、屈曲/伸長における右股関節の角度の振幅を示し、一方、下方の曲線は生成された動きに関連する右側広筋の筋肉振動を示す。
【
図12】
図12は、
図11の生信号からのランナーにおける大股歩きの時間周波数を示す図である。x軸は時間を示し、各垂直線は、大股歩きの周期とその周波数特性、つまり注目する周波数帯域における信号のエネルギー分布を示す。
【
図13】
図13は、本発明に使用される高品質の筋音図(MMG)信号を取得するための方法の実施の具体例を示す図である。
【
図14】
図14は、筋活動パラメータを抽出するためのステップの特定の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
原理1は、
図1に示されていて、装置の好ましい使用は、IMUセンサと筋活動センサとを同じボックスまたは測定ノード1に統合する。しかしながら、これらの2つのセンサは分離されていてもよい。さらに、本発明はまた、例えば、センサを身体部分に保持するのに役立ち、したがって、筋肉振動を検出し、測定アーチファクトを制限するための良好な機械的結合を付与する圧縮バンド2の形態で、衣服内に直接構成要素を統合することも含む。
【0045】
さらに、本発明の方法はまた、深度カメラ3のようなマーカーのない光学システムを使った動き及び姿勢の測定に拡張される。移動空間が制限され、制御されていない環境において、これは、IMUの興味深い代替物であることを証明され得、または、身体の姿勢や動きを検証するために、測定値に冗長性をさらに持たせ、対象者が進化する際の環境の要素(障害物、物体等)を提供してもよい。
【0046】
埋め込み信号処理エレクトロニクスは、外部受信機4(スマートフォンタイプ)への無線通信を容易にするために、特定の計算動作を実行することを可能にする。この受信機は、データに対して複雑な演算を行い、及び/または、モバイルデータネットワークを介してコンピュータ/サーバ5に通信することができる。運動データと筋活動データをクロス解析することで、人の日常活動におけるパフォーマンスや健康状態に関する重要な情報を得ることができる。特に運動データと筋活動データを融合することで、努力した後に筋組織が代謝的、力学的な意味で休憩状態に戻るように、生理的な休憩を個別に設定することができる。
【0047】
ここで、本発明の実用的な実施形態において実施される測定システムについて説明する。動きと姿勢を検出するために、動きと姿勢を検出するための器具が区別される。市販のIMUセンサ、接続されたデバイス(衣類または物体)への統合のためのMEMS感度要素、及び深度カメラの3つのカテゴリが確認されている。
【0048】
XSENS社のMTw(R)Awinda(R)モーショントラッカー[18]を3Dモーション撮像のための完全に統合されたIMUセンサとして選択してもよい。このセンサの仕様は、表1にまとめられている。
【0049】
【0050】
MEMS技術慣性ユニットIMUは、筋肉活動センサと一緒に統合されて、所定の身体部分で共存する測定値を得ることができる。このユニットは、(3軸)と回転(3軸)を測定する6軸であってもよい。地球の磁北に対する身体部分の方向を決定するために、磁力計(3軸)を関連付けることも可能である。また、磁力計(3軸)を関連付けることで、Invensenseからのコンポーネントは、そのパフォーマンスとコストのために選択された。それらの特徴は、表2に要約されている。
【0051】
【0052】
Microsoft(R)Kinect(R)は、カラーカメラ(RGB)、赤外線カメラ、赤外線プロジェクターを構成する低コストシステムである。このシステムは、Plantard[9]によって産業オペレータの動きと姿勢を捕捉するために使用される。Kinect(R)V1及びV2の特徴を表3に示す。
【0053】
【0054】
筋肉活動の測定では、皮膚表面の微小振動によるばらつきのみを保持するために、3軸加速度計の一定の成分が排除される。センサは、100μg/√Hz未満の非常に低いノイズフロアを要求する。これらの現象を捕捉するために地震探査に使用される加速度計は、筋音図信号の測定に適している。本発明のための2つの好ましい構成要素、ADXL354とそのデジタル同等品ADXL355[19]が選択されている、その性能を表4にまとめた。
【0055】
【0056】
デバイスの好ましい使用は、IMUセンサとMMGセンサとを同じ箱に統合する。しかしながら、これらの2つのセンサは、姿勢を測定するための1つのシステムと、筋肉活動を測定するための別のシステムとで分離されてもよい。さらに、接続された衣服(例えば、センサを身体部分上の所定の位置に保持するのに役立つ圧縮バンド)内に直接構成要素の統合を提供することも可能である。さらに、本発明のシステムは、深度カメラのようなマーカーを用いない光学系を用いた姿勢及び動きの計測に拡張される。これは、ワークステーションが明確に定義された環境の一部である状況におけるIMUセンサの興味深い代替物であることが証明され得るか、または体の姿勢及び動きを検証するために、シーンのコンテキスト及び測定における冗長性に関する情報を提供し得る。
【0057】
センサに埋め込まれた電子機器は、外部受信器4(例えば、スマートフォンまたはデータ収集器)への無線通信を容易にするために、特定の計算動作を実行することを可能にする。次いで、この受信機は、データに対して複雑な動作(同期、セグメンテーション、処理)を実行し、解析結果をコンピュータ5、スマートフォンまたはクラウドに通信する。
【0058】
生成された結果は、例えば、特定の生体力学的リスク因子(姿勢、筋肉活動の強度)への曝露レベル及び身体活動中のこれらの因子のモニタリングに関係する。
図4を参照すると、アラートは、生体力学的観点から見て過酷な状況にさらされた場合に発することができる可能性がある。
【0059】
-強すぎる。筋音図信号を介して得られた強烈な筋肉活動
-速すぎる。身体部分の速度と加速度から得られる高速移動
-遠すぎる。関節角度を介して得られる
-時間が長すぎる。データ部分が曝露時間の計算を可能にする
【0060】
本発明の一実施形態は、データの処理後の第2のレベルの解析を提供する。動き及び筋肉活動のデータは、対象者のジェスチャーの生体力学的パフォーマンスの計算及びそれらの生理学的及び生体力学的特徴付けを可能にするアルゴリズムによってPC上で処理される。データを統合することによって提供される別の結果は、その参照となる振動現象が回復する生理学的休憩時間であり、したがって、事故や職業病のリスクへの曝露を回避する。
【0061】
本質的な技術的なブリックの生産のいくつかの例を説明する。したがって、MMGセンサに関し、以下の1つを提供してもよい。
【0062】
-MMG信号を測定するために要求される性能を満たすMEMS加速度計。
【0063】
-筋力に関連するMMGパラメータを抽出するための信号処理ツール。
動きセンサは、統合されてもよい、
-MMGセンサとの関節統合のためのMEMS慣性ユニット9D。
【0064】
-漏洩磁場に対するセンサドリフトとその感度を補正するための慣性データ融合アルゴリズム(カルマンフィルタの使用)。
【0065】
-作業者や生産現場を乱すことを最小限にするように、時間をかけても堅牢で、素早くセットアップできる校正方法。
【0066】
-このキャリブレーションは、配置されたすべてのセンサを正確に同期し、信頼できる移動信号を保証する必要がある。
【0067】
データ収集器(受信器)は、統合されてもよい、
-受信の機能、動きの同期の時間、及び外部時計(スマートフォンの時計、PCで送信されたタイムスタンプ等)を使用した筋音図データ。
【0068】
-PC上での後処理のためのソースファイル内のデータストレージ、
-一連の動きを自動的に分割するアルゴリズム。
【0069】
慣性データと筋音図データの融合は、以下を含んでもよい。
【0070】
-身体活動中のリスク因子への暴露レベルを計算し、身体活動の間のこれらの因子をモニタリングすること。
【0071】
-対象となる各筋群の較正済み努力データを用いて、筋音図信号を力信号に変換する努力モデル。
【0072】
-同期された動き及び筋音図センサデータを含む、ソースファイルデータから生体力学的なパフォーマンスを計算するためのアルゴリズム。
【0073】
-機械学習アルゴリズムを実施し、自動的にオペレータのジェスチャーと筋骨格系への影響を認識する役目。
【0074】
-対象者の筋肉が参照振動挙動を回復するように、生理学的休憩時間を計算すること。
【0075】
ここでは、本発明の方法で実装されている信号処理ツールについて説明する。移動パラメータ及び姿勢パラメータにアクセスするために、方位測定融合アルゴリズムを使用することが必要である。典型的には、これらのアルゴリズムは[20]に示されるように、カルマンフィルタに依存する。
【0076】
筋音図信号を調整するため、実験室の条件下、研究者は一般に1kHzまたは2kHzのオーダーの周波数で信号をオーバーサンプリングするが、MMGの信号の特性周波数は250Hz以下である。無線データ通信を行うフィールドの配置を視野に入れ、ナイキスト基準に従ってサンプリング周波数を500Hzに設定することで、送信するデータ量とサンプリングとの妥協点を見いだした。加速度センサからのRAW信号はデジタル化され、その後調整される。デジタル化されたMMG信号は、静的コンポーネント(DC)と動的コンポーネント(AC)の2つのコンポーネントを有する。DC成分は、筋肉活動の評価には有用ではないため、フィルタリングする必要がある。さらに、身体の動きは、筋肉活動情報を汚染する低周波成分である。実際、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、上記の寄生成分を洗浄するために、2Hzと50Hzとの間のバンドに含まれ、20Hzが好ましい。
【0077】
ローパスフィルタを適用すると、高周波ノイズがカットされ、対象となる帯域が筋肉の微小収縮に特徴的な周波数に制限される。70Hzから250Hzの間、特に200Hzから250Hzの間の切断は、MMU信号の解析に理想的である。250Hzの好ましい値が確立されている。
【0078】
バタワーズのローパスデジタルフィルタまたはSavitzky-Golayフィルタを使用することは、今日の技術において一般的なことである。
【0079】
フィルタリング操作では、チェビシェフまたは楕円形フィルタと比較してロールオフが低いにもかかわらず、パスバンド全体に一定の利得があるため、5極バターワースフィルタが理想的である。さらに、ADXL355デジタル加速度計は、プログラム可能なローパスフィルタとハイパスフィルタを提供し、対象の周波数帯域を選択できる。
【0080】
筋音図信号の処理は、同様に発展した対応する筋電図に依存する方法は、時間的方法と周波数的方法(最も伝統的な方法)、次いで時間的方法と時間スケール的方法(より最近の方法)の4つのグループに分類されてもよい。次いで、適切な処理方法の選択は、MMG信号の客観的解析にとって重要である。確かに、等尺性収縮(筋肉の長さの変化を伴わない筋肉の収縮)の間、信号は静止していると仮定され得て(すなわち、その統計的特性は経時的に不変である)、フーリエ変換に基づく従来の信号処理方法が適用可能である。しかしながら、可変ダイナミクスを伴う動きの間、筋肉は、その長さが変化するか、またはより多くの運動単位を動員することができ、したがって、いわゆる非定常信号を生じさせる。このタイプの筋肉活動では、時間頻度または時間尺度の使用が必要になる。[21]から抽出されたいくつかのパラメータは、以下に、その使用と限界に特に注意を払って提示される。
【0081】
筋音図信号が分割され、適切に調整されると、対象となるパラメータを最終的に抽出することができる。MMG信号は、3つの成分(MMGX、MMGY及びMMGZ)を有し、3つの空間方向(X、Y、Z)に沿った筋線維の振動により注入される加速度を示す。「合計」の加速度信号は、次の操作によって計算される。
【0082】
【0083】
次に、「合計」MMG信号のRMS(ルート平均二乗)振幅により、筋肉によって発生する力に関する情報を取得することができる。RMS振幅は、筋線維の張力の変動に応じて変化し、筋収縮のレベルに応じて増加する。これは、MMG信号の時間解析で最も使用されるパラメータであり、以下の式によって得られる。
【0084】
【0085】
観測ウインドウNは、動きシーケンスの特性周期を2で割った値に等しい。この特徴的な期間は、例えば、歩行の場合の一歩、走行の場合の大股、あるいはオブジェクトを処理する期間のような学習される動きの周期によって規定される。静的な姿勢の場合、1秒間のウインドウで、基礎となる筋肉の生理学的及び生体力学的挙動に関する十分な属性を含むRMS振幅を確立することができる。
【0086】
しかしながら、このパラメータの生理学的震え及び他の力学的アーチファクトに対する感度には、追加の解析方法が要求される。
【0087】
MMG信号のパワースペクトル密度(PSD)の解析は、筋肉疲労に関する情報を推測するために、周波数コンテンツの変動を観察することを可能にする。このタイプの解析の標準ツールは、時間領域から周波数領域に移動する高速フーリエ変換(FFT)である。自己回帰方法(AR)を用いたパラメトリック方法のモデルは、アポディゼーションウインドウを用いることなく、MMG信号のPSDを推測することができ、したがって、よりよい結果を提供する。最も一般的な方法は、Yule - WalkerとBurgである。本発明における好ましいPSD法は、Yule-Walkeのものである。PSDが推定されると、平均周波数(平均電力のMPF周波数)が以下の式によって決定されてもよい。
【0088】
【0089】
PSDをg2/Hz、MMG信号のパワースペクトル濃度をfs、サンプリング周波数をHzとする。MPFは、筋肉の状態の変化を調べ、疲労のサインの特徴を検出するための重要なインジケータである。
【0090】
動的変化を伴う活動の間、筋肉は、その長さを変え、より多くの運動単位を動員し、刺激の頻度を適応させ、MMG信号に静止していない挙動を付与することがある。したがって、時間周波数アプローチは、周波数解析を実行する前に、時間領域内の信号を分割するために必要である。マイクロコントローラでの実行の容易さと(無線通信のための)バッテリの節約の妥協は、ローカルフーリエ変換(短時間フーリエ変換の略であるSTFT)であり、時間信号にわたってウインドウが「スライド」し、速やかにPSDを得ることを可能にする。
【0091】
【0092】
x(t)はMMG信号、h(t-τ)はスライディングウインドウ、及びτは情報を常にスペクトル的に解析することができるパラメータである。
【0093】
このような方法の欠点は、適切なデータ範囲を選択することであり、周波数領域での解像度の欠陥が発生する可能性がある。本発明の革新的な特徴の1つは、適切な方法でMMG信号を分割するためのIMUセンサの方位測定の使用にある。
【0094】
ウェーブレット変換(ウェーブレット変換の略であるWT)及びWigner-Ville変換(WVT)等の他の時間周波数法は、MMG信号を解析するために実験室または他の制御された環境で頻繁に使用される。
【0095】
より最近のタイムスケールと呼ばれる方法は、MMG信号の処理において科学者によって、より大きな成功を経験した。特にMcLeodの発明[15]で使用されている方法の1つは、ウェーブレットパケット解析(WPA)である。これは、開始信号のマルチスケール分解のため、他の時刻周波数方式とは異なり、低周波数係数(近似レベル)と高周波数係数(詳細レベル)に分けられる。そして、これらの係数は「ウェーブレットパケット」を形成する。特定のツールボックスには、MATLAB(R)ソフトウェアが適用される。
【0096】
この方法は、MMG信号の解析に非常に効率的であるが、重い後処理を要求し、リアルタイムで自動的に筋肉疲労を推定することはできない。さらに、複雑な演算操作が必要であり、これは接続されたオブジェクト内の統合と互換性がなく、数時間、制御されていない環境で無線通信しなければならない。とはいえ、本発明は、最大オーバラップ離散ウェーブレット変換(Maximum Overlap Discrete Wavelet Transform:MODWT)に基づく部分的に後処理されたrawMMGデータのマルチ解像度の解析を可能にする。この技術は、従来のフィルタリング技術よりも高い精度で筋肉信号からの動きアーチファクトの抽出を可能にする。
【0097】
ここで、本発明による方法の手順について説明する。
【0098】
そのアーキテクチャが
図2に示される測定ノード1は、人の活動中の生体力学的ストレスのレベルを推定するために、人の1つ以上の身体部分上に配置される。各ノードは、弾性バンドによって身体部分に堅く取り付けられ、皮膚上のセンサをわずかに圧縮し、したがって、筋肉の結合を検出し、アーチファクトの測定を制限することに良好な機械的結合を与える。
【0099】
タスクの複雑さ及び使用される筋肉の数に応じて、ユーザは、解析される各筋肉の腹部上に位置する1つ以上のノードを自身で装備してもよい。各ノードは、情報を受信ステーション(例えば、スマートフォン)に通信し、及び/または情報を受信してもよい。通信プロトコルは、本発明のためにBluetooth 低エネルギー(BLE)を使用することを選択する。BLEの利点は、は、エネルギー消費を低減し、スレーブデバイスは、エネルギー消費を低減し、スレーブデバイスが消費を最小限に抑えながら、マスターデバイスによって「発見可能」なことである。同様に、スレーブデバイスは、マスターデバイスに接続されたままであり、定期的にデータを交換してもよい。BLEの場合、従来のBluetoothが7つの周辺機器に制限されていたのとは対照的に、同じマスターがサポートする周辺機器の数に制限はない。BLEの標準的な総スループットは、理論的には1Mbpsであるが、実際には250kbpsに仕上げたままで、すべてのスレーブノード間で共有される。本発明による方法の特徴は、多数のセンサに通信させることによって、種々の生体力学的リスク因子の解析を、同時に8時間の使用範囲のサポートを可能にすることである。データはまた、マイクロSD型メモリに格納される。測定ノードは、USBポートを介した有線通信をサポートする。
【0100】
受信ステーションは、近距離通信(NFC)を通じて、センサを作動させ、身体の位置をセンサに関連付けることができる。身体上のセンサの位置の検出は、特定のフィルタのテンプレート等、特定の信号取得パラメータを調整することができる。センサがインストールされ、マークされると、取得は、受信基地において単純なコマンドで開始されてもよい。IMUセンサからのraw動きデータは、そして、各部分や関節の方向及び位置の情報を受信基地へ送信するため、位置測定ノードのマイクロコントローラによって処理、融合される。動きデータの内部処理は、バッテリ消費量及び送信される情報量を最適化するために、出力信号をサブサンプリングすることを可能にする。IMU出力データのサンプリングは、典型的には50Hzと120Hzとの間である。受信局は、そして、過剰な動きの振幅の計数及び検出等の計算操作を実行する。繰り返しの姿勢や動きに関するアラートは、外部コンピュータに送信することも、スマートフォンで生成することも可能である。
【0101】
動きデータの冗長性を得るために、またはIMUセンサが不在のとき、マーカーなしで深度カメラまたは他の光学系を使用することで、生体力学解析に必要な動きデータへのアクセスを可能にし、また、シーンのコンテキスト要素の収集を可能にする。
【0102】
デバイスに組み込まれたMMGセンサは、動きや姿勢が強いられることに関する結果を生成することに加えて、筋肉や筋肉の疲労によって展開される力、及び解析されたすべての身体部分への応力の分布に関するインジケータを提供する。
【0103】
動きと筋音図信号のクロス解析は、対象者に対する生体力学的ストレスのレベルの客観的定量化を可能にする。
図3に、本発明の方法による全ての動作及び解析を説明するブロック図を示す。この操作モードでは、IMUセンサは、毎分の技術的ジェスチャーの数、そのジェスチャーのスピード及び関節の角度のような特定のパラメータを特徴付ける。さらに、MMGセンサからの振動信号は、1秒間ごとに分割され、MPFパワースペクトルのRMS振幅レベルと平均周波数が算出される。MMG信号のRMS振幅は、筋肉によって展開される力のレベルを反映することが当技術分野で一般的に受け入れられている。しかし、MPFの解析は、筋肉の活性化(筋繊維の動員計画、筋肉の疲労等)の観点から変化を強調することを可能にし、疲労インジケータを与えることができる。生体力学的リスク因子の回復の例を
図4に示す。さらに、これらの生体力学的リスク因子の経時的なドリフトは、線形回帰計数を計算するための線形回帰(ピアソン法)によって解析される。このインジケータは、経時的な身体的歪みのレベルを推測し、対象の筋肉が参照力学的的状態を回復するのに必要な生理学的休憩時間を予測するのに有用である(Baillargeon[17]によると、
図5を参照)。
【0104】
生体力学的ストレスに関連するリスクの予防に関連する特定の操作モードにおいて、繰り返し活動を行う人物が腰を動かす例を挙げよう。本発明の方法は、関連する測定システムと同様に、腰部の筋肉が
図6に示す低レベルの身体的歪みに対応する基準状態に戻るのに必要な休憩時間を計算することに使用されてもよい。筋肉の筋活動のレベルは、フィルタリングされた筋音
図MMGシグナルから得られるRMS振幅61によって特徴付けられる。これは、平均電力周波数MPF62に関連付けられ、その変動は、筋肉繊維の動員状態の変化を示す。最大ひずみ閾値63は、最初に決定され、例えば、フィルタリングされた筋音図信号の最大値の30%で得られる。このひずみ閾値を決定するための他の技術は、例えば、(MVF)対象の筋肉群において最大の自発的な力をとることによって想定されてもよい。次いで、例えば、フィルタリングされた筋音図信号の10%をとることによって最小ひずみ閾値64が決定される。その目的は、腰部筋肉の肉体的負担のレベルを最小閾値に近づけるための休憩時間を計算することである。
【0105】
RMS振幅と平均電力周波数MPFの平均値は、対象部分65について計算される。この計算は、活動部分ごとに繰り返され、平均RMS振幅及び平均MPF66について線形補間が実行される。RMSプロファイルは、活動中に増加し、腰部筋肉に対するますます厳しい活動及びMPFの減少を示し、より多くの数の筋線維の動員を示すことに留意されたい。
【0106】
筋肉が参照状態に戻るための生理学的休憩時間を計算するために、本発明で使用される技術は、前に計算された線形回帰係数を使用して、最小身体的ひずみ閾値に対する平均RMS振幅の線形減少プロファイルを決定する。反対に、MPFが無疲労と呼ばれる参照状態に戻るように、線形成長プロファイルが決定される。
【0107】
したがって、参照状態と比較することにより、疲労指数(MPF)及び力指数(RMS振幅)の変動またはドリフトを判定することができ、筋肉繊維の動員計画及び応力強度の変化をそれぞれ示す。アラートは、彼が肉体的、生体的に大きな負担がかかるゾーンにさらされていることを彼に警告するために、オペレータに送信され得る。
【0108】
身体的人間工学に関連する特定の動作モードにおいて、本発明の方法は、関連する測定システムと同様に、ワークステーションまたは機器アイテムで人間工学的評価を作成する。携帯型電気器具72の着用を容易にするために、外骨格71を着用する、
図7に例示される作業者の例を挙げよう。動きと振動的動きは、測定システム1によって右肩及び右腕で測定され、外骨格が作業者(姿勢の矯正、腕の長さにおける運搬荷重配分)の骨格の健康及び安全に有益であるかどうかを判定する。収集されたデータの典型例を
図8に示す。我々は、強力な筋肉活動81の期間、過度の静的努力を引き起こす不快な姿勢82、及び急速な動きの間の動的な力83を明確に見ることができる。この情報から、外骨格を装着する前と後の状況を比較することで、完全に自動化された客観的な人間工学的評価を提供することが可能できる。実際、腕の関節屈曲角度の変化は、MMG信号(展開力のインジケータ)のRMS振幅の減少または増加の原因となり得、オペレータが外骨格を装着しているか否かに依存して異なる関節の動員を反映し得る。外骨格を着用しない状況と外骨格を着用した状況との間の手段の違いの統計解析は、
図9に示す生体力学的リスクのマップを作成することができる。
【0109】
本発明の別の革新的な操作様式は、動きデータを使用して、身体活動を異なる状態に分割する(位置を維持する、周期的なジェスチャー等を認識する)。このセグメンテーションは、ジェスチャーまたは一連の明確なジェスチャーの筋肉への影響を解析するために、MMGセンサの最適な取得パラメータ(取得ウインドウ、フィルタテンプレート、及びサンプリング)を決定することを可能にする。この方法は特に、[22]のWoodwardよるスクワット活動のセグメンテーションのために使用される。測定ノードのマイクロコントローラは、筋肉のストレスレベルを検出するためにRMS振幅レベルを計算し、各取得物のPSDの推定値を提供する。MMGセンサから抽出されたデータは、受信ステーションに再送信され、活動の時間周波数の表現を決定する。この方法は、ジェスチャーまたは非常に正確な一連のジェスチャーと筋肉活動の振動サインとを相関させることができる。分割は、ジェスチャー認識方法及び機械学習技術のために、手動によって後付けで行われてもよく、または受信ステーションによって自動的に行われてもよい。
【0110】
この操作モードは、スポーツ分野でのアプリケーションを見つけてもよく、アスリートは技術的なジェスチャーを完璧にすることによって彼のパフォーマンスの発展に努める。
図10の例では、ランナー101は、大股歩きを繰り返すジェスチャーによって生じる筋肉疲労を解析するために、測定システム1を装備する。典型的な関節の右股関節のIMUとMMG信号は、
図11に提示され、ストライドは、パターン111によって特徴付けられる。このパターンの持続時間(1秒未満)は、MMG信号の後処理のための取得物のウインドウの決定を可能にする。測定ノードは、PSDを推定するために処理し、次に、
図12のSTFT表現を提供する受信ステーションによって処理される。パワースペクトル密度PSDは、BurgまたはYule-Walkerアルゴリズムによって推定され、20Hzと250Hzとの間の周波数帯域で観測され得る。各垂直線は、その周波数サイン、すなわち対象の周波数帯域にわたる信号エネルギーの分布を有する取得物を表す。したがって、大股歩きを特徴付ける部分111の振動サインを観察し、このサインの経時的なドリフトを観察し、特にMPF、走者の疲労を防ぎ、彼のトレーニングを最適化することを観察することが可能である。実際、経時的なMPFの変動は、特にMMG信号の高周波成分と低周波成分との間の比率によって、筋肉繊維の動員方法の変化を反映する。高周波は高速繊維により、低周波は低速繊維により引き起こされる。長期間にわたる高周波数と低周波数(したがって、MPFの低下)の間の比率の低下は、周辺の疲労をオブジェクト化することができる。したがって、疲労が蓄積すると、高速繊維は遮断され、次いで低速繊維の活性化によって部分的に補間される傾向がある。逆に、短時間の強烈な収縮のフェーズは、より速い筋線維を動員し、したがってMPFを増加させる。
【0111】
ここで、
図13を参照して、本発明に使用される高品質の筋音図を得るための方法の特定の例を説明する。
【0112】
3軸加速度計によって得られた筋音図信号(MMG)は、疲労及び努力の強度に起因する筋活動の挙動の変化を検出することができる。
【0113】
対象の活動に関連する特徴が変化するため、動きアーチファクトのフィルタリングは本当に困難である。実際、典型的な歩行中に大腿四頭筋を解析するために、脚の動きは1Hz前後の周波数であり、高速走行中に最大4Hzに達する。また、衝撃によって足に伝わる衝突は、次に、20Hzまでの成分を含むスペクトルとともに脚に沿って伝達し、次いで腹部-腰部ベルトによって減衰される。
【0114】
したがって、予め筋音図信号に適用される処理動作を選択するためには、動き信号を解析する必要がある。慣性ユニットからの動き信号は、異なる一連の動きの間の静的姿勢、突然のジェスチャー、または一時停止の識別を可能にし、したがって、筋音図信号における「配列」を隔離する。これらの配列の識別は、筋音図信号(MMG)に適用される信号処理動作の選択を容易にする身体的活動セグメンテーション動作の結果である。そこで、
図14を参照して、動き信号の処理から、活動の分割が行われる。次に、MMG信号の処理から、RMS振幅の抽出及び平均電力周波数MPFの抽出が行われる。
【0115】
ビデオを使用することは、後処理及び手動で行われる場合に、分割の品質を改善するために実用的であり得る。それにもかかわらず、慣性単位やビデオからのデータの使用を通じてアルゴリズムを訓練することで、リアルタイム解析のための動きの分割の自動化を検討することが可能である。
【0116】
静的姿勢の例では、0.5Hzでカットオフしたデジタル3極ハイパスButterworthフィルタが筋音図信号を処理するための良い候補である。
【0117】
他のタイプのフィルタ、例えば、透過及び/または排除されたバンド内のリップルを損なうために、排除されたバンド内により急な傾斜を有するChebyshevまたはellipticalフィルタが使用され得る。
【0118】
ゆっくりとした動き、サイクル、及び衝撃(すなわち地面への影響)がない場合、加速信号のスペクトルを計算することで、デジタル5極バターワースパスバンドフィルタでフィルタリングできる狭い周波数帯域を識別することができる。
【0119】
可変的な力学の動きがあり、衝撃を引き起こす可能性のある最後のケースにおいて、IMUセンサの加速信号は、例えばLMS(最小平均二乗)アルゴリズムを使用する適応フィルタリングプロセスで使用され得る。7レベルのDaubechiesウェーブレット「db6」を適用することによる、多解像度解析(MRA)を採用する別の技術は、動きにリンクする成分を奪われた筋音図信号の再構築を可能にする。
【0120】
ローパスフィルタを適用すると、高周波ノイズもカットされる。200Hzから250Hzの間のカットオフは、筋音図信号の解析に理想的である。バターワースローパスデジタルフィルタまたはSavitzky-Golayフィルタを使用することは、今日の技術の一般的な慣行である。
【0121】
もちろん、本発明は、先に説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を想定してもよい。
【0122】
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