(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】別個の第1及び第2のハウジング部分を含む主ハウジングを有する手持ち式真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 5/24 20060101AFI20241115BHJP
A47L 9/32 20060101ALI20241115BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
A47L5/24 Z
A47L9/32 B
A47L5/24 A
A47L9/16
(21)【出願番号】P 2022548861
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2021053208
(87)【国際公開番号】W WO2021160671
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-11-24
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン-マリー オウザズナ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー プルニエ
(72)【発明者】
【氏名】エリック プーヴロー
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3222432(JP,U)
【文献】特表2009-543640(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209631(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105832246(CN,A)
【文献】意匠登録第1642269(JP,S)
【文献】意匠登録第1640470(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24
A47L 9/16
A47L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機(2)であって、前記真空掃除機(2)は、吸引パイプ(4)と、前記吸引パイプ(4)に流体接続された塵埃分離装置(5)と、主ハウジング(3)であって、モータ軸(D)に沿って延び、前記吸引パイプ(4)と前記塵埃分離装置(5)を通る空気の流れを生成するように構成された、モータファン(12)を含む、吸引装置(6)が収容された、前記主ハウジング(3)と、を含み、前記主ハウジング(3)は、
-第1のハウジング部分(28)であって、前記吸引パイプ(4)が収容された、第1の分岐部(29)と、把持ハンドル(7)の前部を形成する、第2の分岐部(31)と、前記吸引装置(6)が収容される、受容チャンバ(33)を少なくとも部分的に画定する、第3の分岐部(32)と、を含む、前記第1のハウジング部分(28)、及び、
-前記真空掃除機の後部に配置された第2のハウジング部分(34)であって、第2のハウジング部分(34)は、前記把持ハンドル(7)の後部を形成する、第1の分岐部(35)と、前記吸引装置(6)が収容される前記受容チャンバ(33)を少なくとも部分的に画定する、第2の分岐部(36)と、を含む、前記第2のハウジング部分(34)を含
み、
前記第2のハウジング部分(34)の前記第1の分岐部(35)は、前記第1のハウジング部分(28)の前記第2の分岐部(31)に取り付けられて、前記把持ハンドル(7)を形成し、
前記第2のハウジング部分(34)の前記第2の分岐部(36)は、前記第1のハウジング部分(28)の前記第3の分岐部(32)に取り付けられることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項2】
請求項1に記載の真空掃除機(2)であって、前記把持ハンドル(7)は、前記吸引パイプ(4)の長手方向軸(A)に対して傾斜する、中央長手方向軸(B)を含むことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項3】
請求項
2に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)の前記第1、第2、及び、第3の分岐部(29、31、32)は、Y字形を形成することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第2のハウジング部分(34)の前記第1及び第2の分岐部(35、36)は、V字形を形成することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第2のハウジング部分(34)の前記第1及び第2の分岐部(35、36)は、それぞれ、前記第1のハウジング部分(28)の前記第2及び第3の分岐部(31、32)と相補的であることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第2のハウジング部分(34)の前記第1及び第2の分岐部(35、36)は、80°と100°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)は、一体に作製されていることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第2のハウジング部分(34)は、一体に作製されていることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)の前記第3の分岐部(32)は、前記モータファン(12)の電気モータ(14)を、少なくとも部分的に囲むことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)の前記第3の分岐部(32)は、その中心に開口部を有するループを形成し、前記開口部は、前記把持ハンドル(7)の中央長手方向軸(B)に実質的に平行な方向に開口することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、充電式電池(17)が収容される電池ハウジング(18)を含み、前記電池ハウジング(18)は、前記把持ハンドル(7)の下端に取り付けられたことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項12】
請求項
11に記載の真空掃除機(2)であって、前記電池ハウジング(18)は、前記第3の分岐部(32)
から離れた、前記第1のハウジング部分(28)の前記第2の分岐部(31)の一端に
、取り付けられたことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項13】
請求項
11又は
12に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)は、前記把持ハンドル(7)に実質的に平行で、前記第1のハウジング部分(28)の前記第1の分岐部(29)と、前記電池ハウジング(18)との間に延びる、支柱部(19)を含むことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第2のハウジング部分(34)の前記第2の分岐部(36)は、前記主ハウジング(3)の前記後部に向かって上昇する下面(37)を含み、その結果、前記下面(37)は、前記モータファン(12)の前記モータ軸(D)の方向に、前記後部に向かって延びることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項15】
請求項
14に記載の真空掃除機(2)であって、前記下面(37)は、前記吸引パイプ(4)の長手方向軸(A)から離れて、前記後部に向かって延びることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項16】
請求項
14又は
15に記載の真空掃除機(2)であって、前記下面(37)は、実質的に平坦であり、前記吸引パイプ(4)の長手方向軸(A)に対して傾斜することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項17】
請求項
16に記載の真空掃除機(2)であって、前記下面(37)は、20°より大きい角度で、前記吸引パイプ(4)の前記長手方向軸(A)に対して傾斜することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項18】
請求項
16又は
17に記載の真空掃除機(2)であって、前記下面(37)は、前記把持ハンドル(7)の中央長手方向軸(B)に対して、80°から100°の間の角度を形成することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項19】
請求項1から
18のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記真空掃除機(2)は、前記モータファン(12)が配置されるモータハウジング(11)を含み、前記モータハウジング(11)は、前記主ハウジング(3)に取り付けられたことを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項20】
請求項1から
19のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記塵埃分離装置(5)は、前記モータ軸(D)に実質的に平行な、延長軸(C)に沿って延びることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項21】
請求項1から
20のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記塵埃分離装置(5)は、サイクロン式であることを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項22】
請求項1から
21のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)の前記第2の分岐部(31)と、前記第2のハウジング部分(34)の前記第1の分岐部(35)は、前記モータファン(12)のための制御電子基板が配置される、前記把持ハンドル(7)を形成することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項23】
請求項1から
22のいずれか一項に記載の真空掃除機(2)であって、前記第1のハウジング部分(28)の前記第1及び第2の分岐部(29、31)は、110°と140°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜することを特徴とする真空掃除機(2)。
【請求項24】
請求項1から
23のいずれか1項に記載の真空掃除機(2)であって、手持ち式掃除機であることを特徴とする真空掃除機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タイル、寄木張の床、積層板、カーペット又は敷物であり得る、清掃されるべき表面上に存在する、塵芥、及び、小粒子サイズの塵埃を吸引するための真空掃除機の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機、より具体的には、手持ち式掃除機は、公知の態様の、吸引パイプと、吸引パイプに流体接続された塵埃分離装置と、吸引パイプ及び塵埃分離装置を通る空気の流れを生成するように構成された、モータファンを含む、吸引装置が収容された、主ハウジングと、吸引パイプの長手方向軸に対して傾斜した、中央長手方向軸を含む、把持ハンドルと、を含む。
【0003】
真空掃除機の主ハウジングは、多数の別個の部品で構成され、これは、真空掃除機の組み立てを、より複雑とし、真空掃除機の製造コストを、著しく上昇させる。また、この種の手持ち式掃除機は、使用の容易さのため、非常に小型で、できるだけ軽量であるべきである。さらに、優れた構造的強度を有する手持ち式掃除機は、また、例えば、手持ち式掃除機のモータファンユニットの起動トルクに耐え得ることが必要である。携帯型掃除機の構造的強度は、一般的に、そして、部分的に、そのハウジングによって提供され、その形状及び複雑さは、それをより重くし、真空掃除機の全体のサイズを増加させる傾向があるので、これらの判断基準は、相反する。一方では軽量.小型化、他方では構造的強度の、このトレードオフは、通常、実現するのが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これらの欠点の全部又は一部を改善することを意図される。
【0005】
本発明の根底にある技術的課題は、構造が簡単で、軽量で、制限された大きさを備え、経済的であり、一方で、信頼性の高いままである真空掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、吸引パイプと、吸引パイプに流体接続された塵埃分離装置と、モータの軸に沿って延び、吸引パイプと塵埃分離装置を通る空気の流れを生成するように構成された、モータファンを含む、吸引装置が収容された、主ハウジングと、把持ハンドルと、を含む、真空掃除機に関係する。
【0007】
主ハウジングは、
-第1のハウジング部分であって、第1のハウジング部分は、吸引パイプが収容される第1の分岐部と、把持ハンドルの前部を形成する第2の分岐部と、吸引装置が収容される受容チャンバを少なくとも部分的に画定する第3の分岐部と、を含む、第1のハウジング部分、及び、
-真空掃除機の後部に配置された第2のハウジング部分であって、第2のハウジング部分は、把持ハンドルの後部を形成する第1の分岐部と、吸引装置が収容される、受容チャンバを少なくとも部分的に画定する第2の分岐部と、を含む、第2のハウジング部分、を含む。
【0008】
本発明によれば、把持ハンドルは、したがって、第1のハウジング部分の第2の分岐部によって、及び、第2のハウジング部分の第1の分岐部によって形成される。
【0009】
本発明による主ハウジングのそのような構成は、一方では、モータファンの体積に応じて、主ハウジングの形状を最適化することを可能にし、他方では、主ハウジングの成型、特に、第1のハウジング部分の脱型を簡略化することを可能にする。さらに、主ハウジングのそのような構成は、主ハウジングを形成するために必要とされる部品の点数を制限するであろう。したがって、本発明による主ハウジングの構成は、真空掃除機の製造コストを大幅に削減し、ハウジングの体積、特に、真空掃除機の後部の体積を制限し、真空掃除機の後部を軽量化することを可能にする。
【0010】
さらに、第2のハウジング部分の特定の構成は、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部を剛性化することを可能にし、したがって、主ハウジング、したがって、本発明による真空掃除機に、良好な構造強度を提供し、一方で、真空掃除機の全体の質量を制限する。
【0011】
さらに、第1のハウジング部分の第2の分岐部、及び、第2のハウジング部分の第1の分岐部の構成は、把持ハンドル内における、電子制御ユニット、特に、電子制御ユニットの電子基板のあり得る取り付けを容易にし、例えば、真空掃除機を修理するために、電子制御ユニットへの容易なアクセスを確実にする。また、第1のハウジング部分の第2の分岐部と、第2のハウジング部分の第1の分岐部の構成は、第1のハウジング部分へのモータファンの取り付けを容易にする。
【0012】
真空掃除機は、さらに、以下の特徴のうちの一つ以上を、単独で又は組み合わせて有し得る。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分は、全体的に四角の形状を有する。第2のハウジングのこの特定の構成は、真空ハウジングの構造的強度の向上に寄与する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第1の分岐部は、第1のハウジング部分の第2の分岐部に、例えば、ねじ止めによって取り付けられ、把持ハンドルを形成する。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第2の分岐部は、例えば、第1のハウジング部分の第3の分岐部に、例えば、ねじ止めによって取り付けられる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、把持ハンドルは、吸引パイプの長手方向軸に対して傾斜する、中央長手方向軸を含む。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分の第1、第2及び第3の分岐部は、Y字形を形成する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第1及び第2の分岐部は、V字形を形成する。第1及び第2の分岐部のそのような構成は、真空掃除機の後部、特に、モータファンを収容する主ハウジングの部分の下方に、クリアランスを形成することを可能にし、したがって、真空掃除機の使用時に、真空掃除機の後部との使用者の前腕の接触を回避することを可能にする。さらに、第2のハウジング部分のそのような形状は、真空掃除機がその基部に置かれたときに、把持ハンドルを把持することを容易にする。したがって、第1及び第2の分岐部のそのような構成は、真空掃除機の人間工学を向上させる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第1及び第2の分岐部は、それぞれ、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部と相補的である。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部は、V字形を形成する。有利には、第2のハウジング部分のV字形は、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部の間に配置され、第2のハウジング部分のV字形は、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部によって形成されるV字形と相補的である。この構成は、真空掃除機の構造強度を向上させるのに役立つ。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部は、80°と100°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜する。有利には、第2のハウジング部分の第1及び第2の分岐部は、同じ角度で、すなわち、80°と100°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜する。第1のハウジング部分のそのような構成は、第1のハウジング部分の脱型を容易にする。
【0022】
有利には、第1のハウジング部分の第1及び第2の分岐部は、110°と140°の間、好ましくは120°と130°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜する。この条件は、把持ハンドルを、吸引パイプの長手方向軸に対して、同じ傾斜角度で傾斜させることを可能にする。吸引パイプの長手方向軸に対する、把持ハンドルの、110°と140°の間、好ましくは、120°と130°の間の傾斜角度での傾斜は、より自然で、人間工学的な、手と手首の位置を用いて、真空掃除機を保持することを可能にする。
【0023】
第1のハウジング部分の第1及び第2の分岐部が、110°と140°との間の傾斜角度で、互いに対して傾斜し、並びに、第1のハウジング部分の第2及び第3の分岐部の間の傾斜角度、及び、第2のハウジング部分の第1及び第2の分岐部の間の傾斜角度が、それぞれ、80°と100°との間であるとき、真空掃除機の後部は、後部に向かって上昇する。これらの条件は、また、特に、真空掃除機が、その結合スリーブが下に向いた状態で、直立姿勢でその基部に置かれるとき、把持ハンドルの把持を容易にし、したがって、真空掃除機の使用の人間工学を向上させる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分は、一体で作製される。これらの条件は、主ハウジングの製造コストをさらに低減させ、主ハウジングの組み立てを簡素化し、したがって、真空掃除機の製造コストを低減させる。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分は、一体で作製される。これらの条件は、主ハウジングの製造コストをさらに低減させ、主ハウジングの組み立てを簡素化し、したがって、真空掃除機の製造コストを低減させる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第2の分岐部は、空気排気ポートを含む。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分の第3の分岐部は、少なくとも部分的に、モータファンの電気モータを取り囲む。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分の第3の分岐部は、その中心に開口部を有するループを形成し、開口部は、把持ハンドルの中央長手方向軸に実質的に平行な方向に開口する。この特定の構造は、ハウジングの第1の部分の成型による製造を容易にし、真空掃除機の組み立て及び分解の容易さ、特に、真空掃除機ハウジング内におけるモータファンユニットの組み立ての容易さを改善する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、真空掃除機は、充電式電池が収容される電池ハウジングを備え、電池ハウジングは、把持ハンドルの下端に取り付けられる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、電池ハウジングは、第3の分岐部と反対側の、第1のハウジング部分の第2の分岐部の一端に取り付けられる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、第1のハウジング部分は、把持ハンドルと実質的に平行であり、第1のハウジング部分の第1の分岐部と電池ハウジングとの間に延びる支柱部を含む。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、第2のハウジング部分の第2の分岐部は、主ハウジングの後部に向かって上昇する下面を有し、その結果、下面は、モータファンのモータ軸の方向に、後部に向かって延びる。これらの条件は、特に、真空掃除機がその基部に置かれたときに、把持ハンドルの把持をさらに容易にする。
【0033】
本発明の一つの実施形態によれば、下面は、吸引パイプの長手方向軸から離れて、後部に向かって延びる。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、下面は、実質的に平坦であり、吸引パイプの長手方向軸に対して傾斜する。
【0035】
本発明の一つの実施形態によれば、下面は、20°より大きい角度で、吸引パイプの長手方向軸に対して傾斜する。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、下面は、把持ハンドルの中央長手方向軸に対して、80°と100°の間の角度を形成する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、モータファンは、把持ハンドルの中央長手方向軸の後部に配置される。これらの条件は、把持ハンドルに対する、真空掃除機の重量をよりよく分配することを可能にし、したがって、真空掃除機を使用することの人間工学をさらに向上させることを可能にする。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、吸引装置は、モータファンが配置されるモータハウジングを含み、モータハウジングは、主ハウジングに取り付けられる。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、モータハウジングは、例えば、ねじ止めによって互いに対して取り付けられる、後部ハウジング部分と前部ハウジング部分とを含む。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、前部ハウジング部分は、例えば、第1のハウジング部分、例えば、第1のハウジング部分の第1の分岐部に、ねじ止めによって取り付けられる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、主ハウジングは、受容チャンバを少なくとも部分的に画定する、追加のハウジング部分を含む。
【0042】
本発明の一つの実施形態によれば、後部ハウジング部分は、例えば、ねじ止めによって、主ハウジングに、例えば、追加のハウジング部分に、取り付けられる。有利には、追加のハウジング部分は、第1のハウジング部分の第3の分岐部に取り付けられる。
【0043】
本発明の一つの実施形態によれば、追加のハウジング部分は、受容チャンバの上側部分を画定し、第2のハウジング部分の第2の分岐部は、受容チャンバの下側部分を画定する。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、モータハウジングは、少なくとも一つの空気入口開口部と、少なくとも一つの空気排出開口部とを含む。有利には、少なくとも一つの空気入口開口部は、前部ハウジング部分に設けられ、少なくとも一つの空気排出開口部は、後部ハウジング部分に設けられる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、塵埃分離装置は、モータ軸に実質的に平行な、延長軸に沿って延びる。
【0046】
本発明の一つの実施形態によれば、塵埃分離装置は、サイクロン式である。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、塵埃分離装置は、主ハウジングに取り外し可能に取り付けられる。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、真空掃除機は、使用者によって操作され得る制御装置と、使用者によって操作され得る作動装置と、制御装置が使用者によって操作されたときに、第1の作動モードで、モータファンの作動を制御し、作動装置が使用者によって操作されたときに、第2の作動モードで、モータファンの作動を制御するように構成された電子制御ユニットであって、電子制御ユニットは、第2の作動モードにおけるモータファンの最大回転速度が、第1の作動モードにおけるモータファンの最大回転速度より高くなるように構成された、電子制御ユニットと、を含む。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、電子制御ユニットは、第1の接点及び第2の接点を備えた電子基板を含み、制御装置は、制御装置が使用者によって操作されたときに、第1の接点を作動させるように構成され、作動装置は、作動装置が使用者によって操作されたときに、第2の接点を作動させるように構成される。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、電子基板は、把持ハンドル内に配置される。具体的には、第1のハウジング部分の第2の分岐部と第2のハウジング部分の第1の分岐部が、モータファン制御用電子基板が配置される、把持ハンドルを形成する。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、制御装置及び作動装置は、第1のハウジング部分に配置される。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、制御装置は、把持ハンドルに配置される。
【0053】
本発明の一つの実施形態によれば、作動装置は、制御装置に隣接して配置される。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、真空掃除機は、手持ち式真空掃除機である。
【0055】
本発明は、非限定的な例として、この真空掃除機の実施形態を示す、添付の概略図を参照して、以下の説明の助けを借りて、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明による手持ち式真空掃除機の透視図である。
【
図3】
図1の手持ち式掃除機の部分分解図及び側面図である。
【
図4】手持ち式掃除機の主ハウジングの、第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分の、それぞれ、Y字形及びV字形を模式的に示す、
図1の手持ち式掃除機の部分分解図及び側面図である。
【
図5】
図1の手持ち式掃除機の真空掃除機の縦断面図である。
【
図6】
図1の手持ち式掃除機の主ハウジングの第1のハウジング部分の透視図である。
【
図7】
図6の第1のハウジング部分の俯瞰透視図である。
【
図8】
図6の第1のハウジング部分の下方からの透視図である。
【
図9】
図1の手持ち式掃除機の本体ハウジングの第2のハウジング部分の透視図である。
【
図11】
図1の手持ち式掃除機の一部切り欠き透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1-
図11は、手持ち式である真空掃除機2を表す。真空掃除機2は、主ハウジング3と、主ハウジング3に収容され、長手方向軸Aに沿って延びる吸引パイプ4と、主ハウジング3に取り外し可能に取り付けられ、吸引パイプ4と流体接続される塵埃分離装置5と、主ハウジング3に収容される吸引装置6とを含む。真空掃除機2は、さらに、吸引パイプ4の長手方向軸Aに対して傾斜する中央長手方向軸Bを含む、把持ハンドル7を含む。
【0058】
塵埃分離装置5は、有利には、サイクロン式であり、特に、塵埃収納容器8と、塵埃収納容器8内に収容されたフィルタ分離器(図では見えない)とを含む。塵埃収納容器8は、より具体的には、吸引パイプ4に流体接続される空気入口開口と、空気出口開口とを含む。
【0059】
図11に示されるように、吸引装置6は、主ハウジング3に取り付けられたモータハウジング11と、モータハウジング11内に配置されたモータファン12とを含む。公知の態様において、モータファン12は、ファン13と、ファン13を回転させるように構成された電気モータ14とを含む。モータファン12は、より具体的には、吸引パイプ4及び塵埃分離装置5を通る空気の流れを生成するように構成される。有利には、モータファン12は、把持ハンドル7の中央長手方向軸Bの後部に配置される。
【0060】
モータハウジング11は、例えば、ねじ止めによって、互いに対して取り付けられた、後部ハウジング部分11.1及び前部ハウジング部分11.2を含む。有利には、モータハウジング11は、前部ハウジング部分11.2に設けられた、一つ以上の空気入口ポート(複数可)15と、後部ハウジング部分11.1に設けられた、一つ以上の空気排出ポート(複数可)16とを含む。吸引装置6の空気入口ポート(複数可)15は、塵埃分離装置5の空気出口開口に、直接又は接続チューブを介して接続される。
【0061】
図に示される実施形態によれば、塵埃分離装置5は、延長軸Cに沿って延び、モータファン12は、延長軸Cに実質的に平行であり、延長軸Cと一致し得る、モータ軸Dに沿って延びる。有利には、吸引パイプ4の長手方向軸Aはモータ軸Dに実質的に平行に延びる。
【0062】
真空掃除機2は、さらに、モータファン12に電気的に動力を供給するように構成された、充電式電池17を含む。充電式電池17は、有利には、把持ハンドル7に、より具体的には、把持ハンドル7の下部に接続された、電池ハウジング18に収容される。有利には、主ハウジング3は、把持ハンドル7と実質的に平行に、かつ、電池ハウジング18と主ハウジング3との間に延びる、支柱部19を含む。
【0063】
有利には、真空掃除機2は、また、吸引パイプ4に流体接続され、吸引管ノズルが接続され得る、結合スリーブ21を含み、吸引管ノズルは、それ自身、清掃されるべき床に向けられることを意図された、ソールプレートを備える、吸引ヘッドに接続され得る。
【0064】
真空掃除機2は、さらに、モータファン12が、第1の回転速度で回転させられる、通常作動モードとも呼ばれる、第1の作動モードに従って、モータファン12の作動を制御し、モータファン12が、第1の回転速度より高い第2の回転速度で回転させられる、増強作動モードとも呼ばれる、第2の作動モードに従って、モータファン12の作動を制御するように構成される、電子制御ユニット22を含む。したがって、第2の作動モードによれば、吸引パイプ4内に生成される真空は、モータファン12が、第1の作動モードに従って作動するときに、吸引パイプ4内に生成される真空よりも大きい。
【0065】
前述の2つの作動モードに従って、モータファン12の作動を制御するために、真空掃除機2は、有利には、把持ハンドル7の上部に配置され、使用者によって操作され得る、制御装置23と、制御装置23に対向して配置され、また、使用者によって操作され得る、作動装置24とを含む。制御装置23は、例えば、制御トリガ又は制御ボタンであり得、作動装置24は、例えば、作動トリガ又は作動ボタンであり得る。
【0066】
図に示される実施形態によれば、制御装置23及び作動装置24は、使用者が把持ハンドル7を保持するときに、それらが、使用者の同じ指によって操作され得るように構成される。有利には、制御装置23は、制御装置23を把持ハンドル7に向かって引くことにより、使用者によって操作されるように構成され、作動装置24は、作動装置24を把持ハンドル7に向かって引くことにより、使用者によって操作されるように構成される。
【0067】
図に示される実施形態によれば、制御装置23及び作動装置24は、吸引パイプ4の長手方向軸A及び把持ハンドル7の中央長手方向軸Bによって画定され、例えば、真空掃除機2の中央長手方向平面を形成する、基準平面内に実質的に配置される。
【0068】
図に示される実施形態によれば、電子制御ユニット22は、把持ハンドル7内に配置され、第1の接点26及び第2の接点27を備える、電子基板25を含む。制御装置23は、制御装置23が使用者によって操作されると、第1の接点26を作動させるように構成され、作動装置24は、作動装置24が使用者によって操作されると、第2の接点27を作動させるように構成される。第1及び第2の接点26、27の各々は、スイッチのような電気機械的接点、例えば、マイクロスイッチであり得る。
【0069】
電子制御ユニット22は、より具体的には、制御装置23が使用者によって操作されると、第1の作動モードに従って、モータファン12の作動を制御し、作動装置24が使用者によって操作されると、第2の作動モードに従って、モータファン12の作動を制御するように構成される。
【0070】
図3及び
図6-
図9に、より具体的に示されるように、主ハウジング3は、
-有利には、一体に作製された第1のハウジング部分28であって、第1のハウジング部分28は、吸引パイプ4が収容される第1の分岐部29と、把持ハンドル7の前部を形成する第2の分岐部31と、吸引装置6が収容される受容チャンバ33を部分的に画定し、有利には、モータファン12の電気モータ14を、少なくとも部分的に囲む、第3の分岐部32と、を含む、第1のハウジング部分28、及び
-真空掃除機2の後部に配置された第2のハウジング部分34であって、第2のハウジング部分34は、有利には、一体に作製され、把持ハンドル7の後部を形成する、第1の分岐部35と、吸引装置6が収容される受容チャンバ33を部分的に画定する、第2の分岐部36と、を含む、第2のハウジング部分34、を含む。
【0071】
吸引パイプ4は、第1の分岐部29に収容された吸引ノズルによって、完全に、若しくは、部分的に形成され得、又は、第1のハウジング部分28の第1の分岐部29によって、部分的に、又は、完全に形成され得る。
【0072】
図に示される実施形態によれば、第2のハウジング部分34の第1及び第2の分岐部35、36は、それぞれ、第1のハウジング部分28の第2及び第3の分岐部31、32と相補的である。有利には、そして、より具体的に、
図3及び
図4に示されるように、第1のハウジング部分28の第1、第2及び第3の分岐部29、31、32は、Y字形を形成し、第2のハウジング部分34の第1及び第2の分岐部35、36は、V字形を形成する。より具体的には、第1のハウジング部分28の第2及び第3の分岐部31、32は、V字形を形成する。有利には、第2のハウジング部分34のV字形は、第1のハウジング部分28の第2及び第3の分岐部31、32の間に配置され、第2のハウジング部分34のV字形は、第1のハウジング部分28の第2及び第3の分岐部31、32によって形成されるV字形に相補的である。
【0073】
図に示された実施形態によれば、第2のハウジング部分34の第1の分岐部35は、第1のハウジング部分28の第2の分岐部31に、例えば、ねじ止めによって、取り付けられ、第2のハウジング部分34の第2の分岐部36は、第1のハウジング部分28の第3の分岐部32に、例えば、ねじ止めによって、取り付けられる。有利には、第2のハウジング部分34の第1及び第2の分岐部35、36は、80°と100°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜し、第1のハウジング部分28の第2及び第3の分岐部31、32は、また、80°と100°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜する。
【0074】
図に示される実施形態によれば、第1のハウジング部分28の第1及び第2の分岐部29、31は、110°と140°の間、好ましくは120°と130°の間の傾斜角度で、互いに対して傾斜し、第1のハウジング部分28の第3の分岐部32は、その中心に開口部を有する、ループを形成し、開口部は、把持ハンドル7の中央長手方向軸Bと実質的に平行な方向に開く。
【0075】
図に示される実施形態によれば、第2のハウジング部分34の第2の分岐部36は、主ハウジング3の後部に向かって上昇する下面37を含み、その結果、下面37は、モータファン12のモータ軸Dの方向に、かつ、吸引パイプ4の長手方向軸Aから離れて、後部に向かって延びる。有利には、下面37は、実質的に平坦であり、吸引パイプ4の長手方向軸Aに対して、角度がつけられる。例えば、下面37は、20°より大きい角度で、吸引パイプ4の長手方向軸Aに対して傾斜し得、下面37は、例えば、把持ハンドル7の中央長手方向軸Bに対して、80°と100°の間の角度を形成し得る。図に示されない本発明の代替的な実施形態によれば、下面37は湾曲させられ得るであろう。
【0076】
有利には、第2のハウジング部分34の第2の分岐部36は、空気が、主ハウジング3から流出するために、吸引装置6の一つ以上の空気排出ポート(複数可)16を通って流れることを可能にするように構成された、空気出口開口38を含む。
【0077】
有利には、制御装置23及び作動装置24は、第1のハウジング部分28に配置される。
【0078】
図に示される実施形態によれば、主ハウジング3は、さらに、受容チャンバ33を部分的に画定し、第1のハウジング部分28の第3の分岐部32に取り付けられた、追加のハウジング部分39を含む。追加のハウジング部分39は、より具体的には、受容チャンバ33の上部を画定し、一方、第2のハウジング部分34の第2の分岐部36は、受容チャンバ33の下部を画定する。有利には、後部ハウジング部分11.1は、例えば、ねじ止めによって、追加ハウジング部分39に取り付けられる。
【0079】
図に示される実施形態によれば、前部ハウジング部分11.2は、例えば、ねじ止めによって、第1のハウジング部分28に、例えば、第1のハウジング部分28の第1の分岐部29に取り付けられる。
【0080】
有利には、電池ハウジング18は、第3の分岐部32と反対側の、第1のハウジング部分28の第2の分岐部31の一端に取り付けられ、支柱部19は、第1のハウジング部分28に設けられる。
【0081】
次に、真空掃除機2の作動が、説明されるであろう。モータファン12が、電気的に動力を供給されると、モータファン12は、特に、塵埃分離装置5内に真空を生成し、その結果、空気と塵埃が、吸引パイプ4を通って引き込まれる。その後、塵埃を含んだ空気は、例えば、塵埃収納容器8に接線方向に開口し得る、塵埃分離装置5の空気入口開口を介して、塵埃収納容器8に入る。その後、空気は回転させられ、塵埃が外方に遠心分離され、この塵埃は、塵埃収納容器8によって収集される。
【0082】
その後、空気は、塵埃分離装置5の空気出口開口、吸引装置6の空気入口ポート(複数可)15、及び、吸引装置6の空気排出ポート(複数可)16を、順次に通って流れる。その後、空気の流れは、主ハウジングに設けられた空気出口開口38を通って、主ハウジング3から流出する。
【0083】
もちろん、この実施形態は、例として提供されたに過ぎないので、本発明は、説明され、図示された実施形態に、決して限定されない。具体的には、本発明の保護分野を逸脱することなく、様々な要素の構成に関して、又は、同等の技術を代用することによって、なお、修正がなされ得る。