(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】自動車用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 43/241 20180101AFI20241115BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241115BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20241115BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20241115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241115BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241115BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/245
F21S43/249
F21Y115:10
F21W103:00
(21)【出願番号】P 2022566181
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021060168
(87)【国際公開番号】W WO2021223999
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-10-28
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フィラート、トゥンカイ
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115397(JP,A)
【文献】特開2019-021562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0271447(US,A1)
【文献】特開2016-091846(JP,A)
【文献】特開2017-045522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 41/00
F21Y 115/10
F21W 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ないし自動車投光装置システム用の照明装置であって、
前記照明装置は以下のもの:
・光を生成及び放射するための発光手段(2)、
・導光体(3)、但し前記発光手段(2)の光は前記導光体(3)内へ入射され、前記導光体(3)の出射面において出射され、前記導光体(3)は第1領域(3a)と該第1領域(3a)に接続する湾曲領域(3b)を有し、前記出射面は、前記第1領域(3a)及び前記湾曲領域(3b)にわたって延在し、かつ、光線(複数)が前記第1領域(3a)からの出射後互いに対し平行に配向されているよう構成されている、
・第1部分(4a)及び該第1部分(4a)と境を接する第2部分(4b)を有する光入射面を備える第1光学要素(4)、但し前記第1光学要素(4)は、前記導光体(3)の前記第1領域(3a)から出射される光が前記第1光学要素(4)の前記光入射面の前記第1部分(4a)に入射するよう、かつ、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)から出射される光が前記第1光学要素(4)の前記光入射面の前記第2部分(4b)の一部分領域に入射するよう、前記導光体(3)に対して配置されている、
を含み、
前記照明装置は第2光学要素(5)を含み、前記第2光学要素(5)は、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)から出射される光を、当該光が、前記第2光学要素(5)を貫通通過した後、前記第1光学要素(4)の前記光入射面の前記第2部分(4b)全体に入射するように、方向転換するよう、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)と前記第1光学要素(4)の前記光入射面の前記第2部分(4b)との間に配置され、かつ、構成されていること
、
前記第2光学要素(5)は、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)へ向けられた面(5a)に入射光学系(複数)を有し、該入射光学系(複数)は、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)から出射される光を前記第2光学要素(5)への入射時に前記第1光学要素(4)の前記第2部分(4b)の方向へ方向転換するよう、構成されていること、
前記第2光学要素(5)は、前記第1光学要素(4)へ向けられた面(5b)に出射光学系(複数)を有し、該出射光学系(複数)は、光を前記第2光学要素(5)からの出射時に、前記第2光学要素(5)から出射する光線(複数)が前記導光体(3)の前記第1領域(3a)から出射される光線(複数)に対し平行に配向されているように、方向転換するよう、構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記導光体(3)の前記第1領域(3a)と前記第1光学要素(4)の前記第1部分(4a)は互いに対し実質的に平行に配向されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置において、
光線は前記導光体(3)からの出射後前記導光体(3)の前記第1領域(3a)に対し直角に及び/又は前記第1光学要素(4)の光入射面(4a、4b)に対し直角に配向されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の照明装置において、
前記導光体(3)の前記第1領域(3a)から出射される光は専ら前記第1光学要素(4)の前記光入射面の前記第1部分(4a)に入射すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項5】
請求項1~
4の何れかに記載の照明装置において、
前記第2光学要素(5)は実質的にプリズム状に構成されており、該プリズムの第1面は前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)へ指向され、かつ、該プリズムの第2面は前記第1光学要素(4)の前記第2部分(4b)の前記光入射面へ指向されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項6】
請求項1~
5の何れかに記載の照明装置において、
前記導光体(3)と前記第2光学要素(5)は互いに対し離隔されていること、及び/又は、前記第1光学要素(4)と前記第2光学要素(5)は互いに対し離隔されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項7】
請求項1~
6の何れかに記載の照明装置において、
前記第2光学要素(5)の前記導光体(3)へ向けられた面(5a)は、前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)の湾曲と実質的に同じ湾曲を有すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項8】
請求項1~
7の何れかに記載の照明装置において、
前記第2光学要素(5)の前記第1光学要素(4)へ向けられた面(5b)は、前記第1光学要素(4)の前記光入射面(4a、4b)に対し実質的に平行に配向されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項9】
請求項1~
8の何れかに記載の照明装置において、
前記第1光学要素(4)は、ライト機能を生成するよう、構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項10】
請求項1~
9の何れかに記載の照明装置において、
前記第2光学要素(5)は透明な中実体として構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項11】
請求項1~
10の何れかに記載の照明装置において、
前記導光体(3)の前記湾曲領域(3b)と前記第2光学要素(5)は一体的に構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項12】
少なくとも2つの自動車投光装置と請求項1~
11の何れかに記載の照明装置(1)とを含む自動車投光装置システムであって、
前記照明装置(1)は両自動車投光装置の間に配置されていること
を特徴とする、自動車投光装置システム。
【請求項13】
請求項
12に記載の自動車投光装置システムにおいて、
前記照明装置(1)の導光体(3)は第1端部と第2端部を有し、該第1端部及び該第2端部の夫々において光は光源によって前記導光体(3)内へ入射されること
を特徴とする、自動車投光装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ないし自動車投光装置システム用の照明装置であって、以下のもの:
・光を生成及び放射するための発光手段、
・導光体、但し前記発光手段の光は前記導光体内へ入射され、前記導光体の出射面において出射され、前記導光体は第1領域と該第1領域に接続する湾曲領域を有し、前記出射面は、前記第1領域及び前記湾曲領域にわたって延在し、かつ、光線(複数)が前記第1領域からの出射後互いに対し平行に配向されているよう構成されている、
・第1部分及び該第1部分と境を接する第2部分を有する光入射面を備える第1光学要素、但し前記第1光学要素は、前記導光体の前記第1領域から出射される光が前記第1光学要素の前記光入射面の前記第1部分に入射するよう、かつ、前記導光体の前記湾曲領域から出射される光が前記第1光学要素の前記光入射面の前記第2部分の一部分領域に入射するよう、前記導光体に対して配置されている、
を含む、照明装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、自動車投光装置システムに関する。
【0003】
本発明は、更に、照明装置又は自動車投光装置システムを有する自動車に関する。
【背景技術】
【0004】
直線状の導光体と湾曲した導光体を含む照明装置はDE10 2018 130 425 A1から既知である。この照明装置では、各導光体に夫々1つの発光手段が割り当てられており、光は夫々対応する導光体へ入射する。ここで、ある領域をこの照明装置で照明しようとする場合、第1の発光手段は直線状導光体によって当該領域の第1の部分を照明し、第2の発光手段は湾曲導光体によって当該領域の第2の部分を照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不利なことに、DE10 2018 130 425 A1では、領域全体を完全に照明するために、2つの発光手段及び2つの導光体を使用しなければならない、これにより、高いコストと、照明装置の複雑な構造態様をもたらす。
【0007】
それゆえ、本発明の課題は、従来技術の欠点を軽減(解消)する照明装置を案出することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は請求項1の特徴によって解決される。
本発明の第1の視点により、自動車ないし自動車投光装置システム用の照明装置が提供される。
前記照明装置は以下のもの:
・光を生成及び放射するための発光手段、
・導光体、但し前記発光手段の光は前記導光体内へ入射され、前記導光体の出射面において出射され、前記導光体は第1領域と該第1領域に接続する湾曲領域を有し、前記出射面は、前記第1領域及び前記湾曲領域にわたって延在し、かつ、光線(複数)が前記第1領域からの出射後互いに対し平行に配向されているよう構成されている、
・第1部分及び該第1部分と境を接する第2部分を有する光入射面を備える第1光学要素、但し前記第1光学要素は、前記導光体の前記第1領域から出射される光が前記第1光学要素の前記光入射面の前記第1部分に入射するよう、かつ、前記導光体の前記湾曲領域から出射される光が前記第1光学要素の前記光入射面の前記第2部分の一部分領域に入射するよう、前記導光体に対して配置されている、
を含み、
前記照明装置は第2光学要素を含み、前記第2光学要素は、前記導光体の前記湾曲領域から出射される光を、当該光が、前記第2光学要素を貫通通過した後、前記第1光学要素の前記光入射面の前記第2部分全体に入射するように、方向転換するよう、前記導光体の前記湾曲領域と前記第1光学要素の前記光入射面の前記第2部分との間に配置され、かつ、構成されていること、
前記第2光学要素は、前記導光体の前記湾曲領域へ向けられた面に入射光学系(複数)を有し、該入射光学系(複数)は、前記導光体の前記湾曲領域から出射される光を前記第2光学要素への入射時に前記第1光学要素の前記第2部分の方向へ方向転換するよう、構成されていること、
前記第2光学要素は、前記第1光学要素へ向けられた面に出射光学系(複数)を有し、該出射光学系(複数)は、光を前記第2光学要素からの出射時に、前記第2光学要素から出射する光線(複数)が前記導光体の前記第1部分から出射される光線(複数)に対し平行に配向されているように、方向転換するよう、構成されていること
を特徴とする(形態1)。
本発明の第2の視点により、少なくとも2つの自動車投光装置と本発明の照明装置とを含む自動車投光装置システムが提供される。
前記照明装置は両自動車投光装置の間に配置されていること
を特徴とする(形態12)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
好ましい実施形態は従属請求項に規定されている。
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の照明装置において、
前記導光体前記第1領域と前記第1光学要素の前記第1部分は互いに対し実質的に平行に配向されていることが好ましい。
(形態3)形態1又は2の照明装置において、
光線は前記導光体からの出射後前記導光体の前記第1領域に対し直角に及び/又は前記第1光学要素の光入射面に対し直角に配向されていることが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかの照明装置において、
前記導光体の前記第1領域から出射される光は専ら前記第1光学要素の前記光入射面の前記第1部分に入射することが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかの照明装置において、
前記第2光学要素は実質的にプリズム状に構成されており、該プリズムの第1面は前記導光体の前記湾曲領域へ指向され、かつ、該プリズムの第2面は前記第1光学要素の前記第2部分の前記光入射面へ指向されていることが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかの照明装置において、
前記導光体と前記第2光学要素は互いに対し離隔されていること、及び/又は、前記第1光学要素と前記第2光学要素は互いに対し離隔されていることが好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかの照明装置において、
前記第2光学要素の前記導光体へ向けられた面は、前記導光体の前記湾曲領域の湾曲と実質的に同じ湾曲を有することが好ましい。
(形態8)形態1~7の何れかの照明装置において、
前記第2光学要素の前記第1光学要素へ向けられた面は、前記第1光学要素の前記光入射面に対し実質的に平行に配向されていることが好ましい。
(形態9)形態1~8の何れかの照明装置において、
前記第1光学要素は、ライト機能を生成するよう、構成されていることが好ましい。
(形態10)形態1~9の何れかの照明装置において、
前記第2光学要素は透明な中実体として構成されていることが好ましい。
(形態11)形態1~10の何れかの照明装置において、
前記導光体の前記湾曲領域と前記第2光学要素は一体的に構成されていることが好ましい。
(形態12)上記本発明の第2の視点参照。
(形態13)形態12の自動車投光装置システムにおいて、
前記照明装置の導光体は第1端部と第2端部を有し、該第1端部及び該第2端部の夫々において光は光源によって前記導光体内へ入射されることが好ましい。
【0010】
本発明に応じ、照明装置は第2光学要素を有し、第2光学要素は、導光体の湾曲領域から出射される光を、当該光が、第2光学要素を貫通通過した後、第1光学要素の光入射面の第2部分全体に入射するように、方向転換(偏向ないし屈折)するよう、導光体の湾曲領域と第1光学要素の光入射面の第2部分との間に配置され、かつ、構成されている。
【0011】
かくして、好ましくはただ1つの光源を含む発光手段によって第1光学要素の光入射面全体が、とりわけ光入射面の縁部(エッジ)領域ないし外側領域全体が、照明されることができるという利点が得られる。導光体の第1領域は直線的に構成可能であり又は湾曲(部)を有することが可能であり、後者の場合、第1領域の湾曲(曲率)は導光体の湾曲領域の湾曲(曲率)よりも小さい。第2光学要素は、好ましくは、導光体の湾曲領域から半径方向に(放射状に)ないし非平行に放射される光を、一方では、第1光学要素の光入射面の第2部分全体の方向へ方向転換(偏向ないし屈折)することにより、第2部分が完全に照明されるよう、及び、他方では、光線(複数)を第2光学要素からの出射時に平行化するよう、構成(ないし適合化)されている。光線(複数)は、第2光学要素からの出射後、とりわけ垂直方向及び水平方向において、互いに対し平行に配向されている。光線(複数)は、好ましくは、第2光学要素からの出射後、光入射面の第1部分及び/又は第2部分に対し直角に配向されている。光入射面は階段状(ステップ状:stufenfoermig)の構造を有することが可能であり、この場合、光線(複数)は、第2光学要素からの出射後、導光体の第1領域に対し実質的に平行に配向されており互いに対し平行に配置された複数の段部分に対し好ましくは直角に配向されている。
【0012】
導光体の第1領域と(第1)光学要素の第1部分は互いに対し実質的に平行に配向されることが可能である。かくして、導光体の第1領域から放射される光は格別に効率的に第1光学要素の第1部分に入射(照射)されることができる。
【0013】
光線(複数)は導光体からの出射後導光体の第1領域に対し直角に及び/又は好ましくは第1光学要素の光入射面に対し直角に配向されることが可能である。導光体は長手に(細長く;横断面の形状は任意)ないし円柱状(細長くかつ横断面が円形状)に構成可能であり、この場合、光線(複数)は好ましくは長手(延伸)方向ないしシリンダ軸に対し直角に導光体から出射される。好ましくは、光線(複数)は出射後x方向へ配向されているが、ここで、x方向は本照明装置を有する自動車の長手軸(の方向)に対応する。
【0014】
導光体の第1領域から出射される光は専ら第1光学要素の光入射面の第1部分に入射することが可能である。換言すれば、導光体の第1領域から出射する光は第1光学要素の光入射面の第2部分全体へは入射しない。
【0015】
第2光学要素は、導光体の湾曲領域へ向けられた(指向された)面に入射光学系(複数)を有し、該入射光学系(複数)は、導光体の湾曲領域から出射される光を第2光学要素への入射時に第1光学要素の第2部分の方向へ方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されることが可能である。入射光学系(複数)は、一様な(一定の)ラスター(パターン)で導光体の湾曲領域へ向けられた(指向された)面にわたって延在する複数のファセット(Facetten)として構成可能である。入射光学系(複数)は、とりわけ、光線(複数)を、これらが第2光学要素からの出射後第1光学要素の第2部分全体を照明するよう、方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されている。
【0016】
第2光学要素は、第1光学要素へ向けられた(指向された)面に出射光学系(複数)を有し、該出射光学系(複数)は、光を第2光学要素からの出射時に、第2光学要素から出射する光線(複数)が導光体の第1部分から出射される光線(複数)に対し平行に配向されているように、方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されることが可能である。出射光学系(複数)は、光線(複数)を出射時に平行化する複数のファセットとして構成可能である。
【0017】
第2光学要素は実質的にプリズム状に構成されており、好ましくは該プリズムの第1面は導光体の湾曲領域へ指向され(向けられ)、かつ、該プリズムの第2面は第1光学要素の第2部分の光入射面へ指向され(向けられ)ることが可能である。第2光学要素は楔状にも構成可能である。とりわけ、第2光学要素は、導光体の湾曲領域と第1光学要素の第2部分との間に存在する空間を少なくとも部分的に又は完全に満たす(占める)。かくして、格別にコンパクトかつ空間節約的(省スペース)な構造を達成することができる。
【0018】
導光体と第2光学要素は互いに対し離隔されること、及び/又は、第1光学要素と第2光学要素は互いに対し離隔されることが可能である。かくして、光学的に活性な面が、例えば振動による、不所望の接触によって損傷されないという利点が得られる。
【0019】
第2光学要素の導光体へ向けられた(指向された)面は、導光体の湾曲領域の湾曲(曲率:Kruemmung)と実質的に同じ湾曲(曲率)を有することが可能である。第2光学要素の導光体へ向けられた(指向された)面と(導光体の)湾曲領域との間の距離は一定とすることができる。
【0020】
第2光学要素の第1光学要素へ向けられた(指向された)面は、第1光学要素の光入射面に対し実質的に平行に配向されることが可能である。
【0021】
第1光学要素は、ライト機能(Lichtfunktion)、とりわけシグナルライト(信号灯)機能(Signallichtfunktion)、を生成するよう、構成(ないし適合化)されることが可能である。例えば、本照明装置によって、自動車のための車幅灯(Seitenmarkierungsleuchte)、日中走行用ライト、方向指示器(ウィンカー)又は位置灯を提供することができる。第1光学要素から出射する光は好ましくはHV方向へ放射される。
【0022】
第2光学要素は透明な中実体として構成されることが可能である。代替的に、第2光学要素は中空体として構成可能である。
【0023】
導光体の湾曲領域と第2光学要素は一体的に構成されることが可能である。この場合、導光体と第2光学要素は(夫々)異なる材料を有する(から構成される)ことが可能であり、その際、両材料は異なる屈折率を有することが可能である。導光体の湾曲領域と第2光学要素の間の境界面において、第1光学要素の光入射面の第2部分の方向への光の屈折を引き起こすことができるため、第2光学要素からの出射後第2部分全体が照明される。導光体の湾曲面と第2光学要素は一体的にかつ同じ材料で製造されることも可能である。代替的に、第1光学要素と第2光学要素は一体的に構成可能である。
【0024】
本発明に応じ、少なくとも1つの、好ましくは2つの、自動車投光装置(前照灯)と照明装置とを含む自動車投光装置(前照灯)システムであって、好ましくは、照明装置は両自動車投光装置の間に配置されている、自動車投光装置(前照灯)システムが提供される。これにより、例えば、自動車投光装置(前照灯)システムを有する自動車のフロント側において、両投光装置(前照灯)の光に付加して、シグナルライト(信号灯)機能を本照明装置によって生成できるという利点がもたらされる。このシグナルライト(信号灯)機能は、両投光装置(前照灯)の上方又は下方及び/又は両投光装置(前照灯)の間に照射されることが可能である。自動車投光装置(前照灯)システムは、代替的に、少なくとも1つの、好ましくは2つの、自動車投光装置(前照灯)を含むことが可能であり、この場合、本照明装置は、自動車投光装置(前照灯)のための付加的なライト機能を提供するために、例えば自動車投光装置(前照灯)の内部に、好ましくは(その)縁部(エッジ)領域に、配置されることが可能である。
【0025】
照明装置の導光体は第1端部と第2端部を有し、該第1端部及び該第2端部の夫々において光は(夫々1つの)光源によって導光体内へ入射されることが可能である。
【0026】
本発明に応じ、自動車は、照明装置、又は、少なくとも1つの、好ましくは2つの、自動車投光装置(前照灯)と上記の照明装置を含む自動車投光装置(前照灯)システムを有する。
【0027】
本発明は、以下において、好ましい一実施例を用いて一層詳細に説明されるが、本発明は該実施例に限定することは意図されていない。なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術に応じた照明装置の一例の一細部の図。
【
図2a】本発明に応じた照明装置の一例の一細部の図。
【
図2b】本発明に応じた照明装置の一例の一細部の図。
【
図3】本発明に応じた照明装置の一例の一細部の図。
【
図4】本発明に応じた照明装置の第2実施形態の一例。
【実施例】
【0029】
図1は従来技術に応じた自動車用照明装置1aの一例の部分図を示す。照明装置1aは光を生成及び放射する発光手段2と導光体3とを含み、発光手段2の光は導光体3内へ入射され、導光体3の出射面において出射される。導光体3は第1領域3aと第1領域3aに接続する(繋がる)湾曲領域3bとを有する。出射面は第1領域3a及び湾曲領域3bにわたって延在する。導光体は、光線(複数)が第1領域3aからの出射後互いに対し平行に配向されているように、構成されている。照明装置1aは光入射面を有する第1光学要素4を含み、該光入射面は第1部分4a及び該第1部分4aと境を接する第2部分4bを有する。第1光学要素4は、導光体3の第1領域3aから出射される光が第1光学要素4の光入射面の第1部分4aに入射するよう、導光体3に対して配置されている。導光体3の湾曲領域3bから出射される光は第1光学要素4の光入射面の第2部分4bの一部分領域にのみ入射する。
【0030】
光線(複数)は導光体3の第1領域3aからの出射後導光体3の第1領域3aに対し直角にかつ第1光学要素4の光入射面4a、4bに対し直角に配向されている。光線(複数)は出射後x方向にも配向され得る。導光体3の第1領域3aから出射される光は専ら第1光学要素4の光入射面の第1部分4aに入射するが、第2部分4bの一部分領域をも照明し得る。従って、不利なことに、導光体の湾曲のために、光入射面の第2部分4bは完全には照明されない。
【0031】
図2a、
図2b及び細部についての
図3は本発明に応じた照明装置1の一例を示す。照明装置1は(従来の)照明装置1aのコンポーネント(複数)を有し、更に、第2光学要素5を含む。第2光学要素5は、導光体3の湾曲領域3bと第1光学要素4の光入射面の第2部分4bとの間に配置され、かつ、導光体3の湾曲領域3bから出射される光を、当該光が第2光学要素5を貫通通過した後第1光学要素4の光入射面の第2部分4b全体に入射するよう、方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されている。導光体3の第1領域3aと第1光学要素4の(光入射面の)第1部分4aは互いに対し実質的に平行に配向されている。第2光学要素5は、導光体3の湾曲領域3bへ向けられた面5aに入射光学系(複数)を有し、該入射光学系(複数)は、導光体3の湾曲領域3bから出射される光を第2光学要素5への入射時に第1光学要素4の(光入射面の)第2部分4bの方向へ方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されている。
【0032】
第2光学要素5は、第1光学要素4へ向けられた面5bに出射光学系(複数)を有し、該出射光学系(複数)は、光を第2光学要素5からの出射時に、第2光学要素5から出射する光線(複数)が導光体3の第1部分3aから出射される光線(複数)に対し平行に配向されているように、方向転換(偏向ないし屈折)するよう、構成(ないし適合化)されている。
【0033】
第2光学要素5は実質的にプリズム状に構成可能であり、該プリズムの第1面は導光体3の湾曲領域3bへ指向され(向けられ)、かつ、該プリズムの第2面は第1光学要素4の第2部分4bの光入射面へ指向され(向けられ)ている。第2光学要素5の導光体3へ向けられた面5aは、導光体3の湾曲領域3bの湾曲(ないし曲率)と実質的に同じ湾曲(ないし曲率)を有する。第2光学要素5の第1光学要素4へ向けられた面5bは、第1光学要素4の光入射面4a、4bに対し実質的に平行に配向されている。図示の実施例では、第2光学要素5は第1光学要素4及び導光体3(の夫々)に対し離隔されている。
【0034】
図2bは光入射面4a、4bを上から見た様子を示す。光入射面4a、4bは階段状(ないしステップ状:stufenfoermig)の構造を有することができる。
【0035】
図4は、照明装置1の第2実施形態の一例の外観を示す。この実施形態では、導光体3は第1端部と第2端部を有し、各端部において光は発光手段2によって導光体3内へ入射され、該光は導光体からの出射後第1光学要素4の光入射面へ照射される。導光体3の第1端部と第2端部には夫々1つの湾曲領域が接続し、両湾曲領域には
図2a、
図2b及び
図3に応じた第2光学要素5が夫々1つ配されることができる。かくして、導光体3へのその(左右)両側での光入射を行うことができる。