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7588686保持装置、保持装置の製造方法、取付体、及び取付体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】保持装置、保持装置の製造方法、取付体、及び取付体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241115BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20241115BHJP
   H01L 21/31 20060101ALN20241115BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023109795
(22)【出願日】2023-07-04
【審査請求日】2024-06-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 優貴
(72)【発明者】
【氏名】辻他 雅夫
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-061525(JP,A)
【文献】特開2005-268654(JP,A)
【文献】特開2023-018840(JP,A)
【文献】特開平10-050813(JP,A)
【文献】特開2021-093436(JP,A)
【文献】特開2021-048243(JP,A)
【文献】特開2019-062175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0068968(US,A1)
【文献】特開2019-165207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を保持する第1表面、及び前記第1表面の反対側に配される第2表面を含み、セラミックスを主成分とする板状部材と、
前記第1表面側に開口した取付口と、前記取付口側から前記第2表面側に延びた収容部と、を含むように前記板状部材に形成される取付孔部と、
セラミックスを主成分とし、前記収容部に固定される取付枠部と、セラミックスを主成分とし、前記取付枠部の内側に配置され、前記第1表面側から前記第2表面側に延びた多孔質体と、を有する取付体と、を備え、
前記多孔質体の気孔率は、前記取付枠部の気孔率よりも高く、
前記取付枠部の前記第1表面側の端部及び前記多孔質体の前記第1表面側の端部が、前記取付口から露出する保持装置。
【請求項2】
前記板状部材の内部に形成され、前記多孔質体と接続し、前記第1表面に対して平行に延びた横ガス流路を有する請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
前記取付枠部は、前記多孔質体の周りを囲むと共に、前記収容部に固定される筒状本体部と、前記第1表面側に配され、かつ前記筒状本体部よりも外側に張り出した環状の張出部とを有し、
前記収容部は、前記張出部の周りを囲むように配され、かつ前記取付口から前記第2表面側に延びた環状の第1周面と、前記第1表面に対して平行に配され、かつ前記張出部が前記第1表面側から載せられる環状の載置面とを含み、前記張出部を収容する第1収容部と、前記第1収容部側から前記第2表面側に延びた環状の第2周面を含み、前記筒状本体部を収容する第2収容部とを有する請求項2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記第2周面と、前記筒状本体部の外周面との間に介在され、かつ前記第2周面と前記外周面とを固定する接着剤を有する請求項3に記載の保持装置。
【請求項5】
前記横ガス流路は、前記多孔質体の前記第2表面側において、前記第1表面側から平面視した際に、前記多孔質体の前記第2表面側の端面と重なりつつ、前記多孔質体の前記第2表面側の前記端面よりも大きな輪郭の底横流路部を有し、かつ
前記第1表面側から平面視した際に、前記底横流路部の前記輪郭の位置が、前記第2周面と前記筒状本体部の外周面との間に介在された前記接着剤の位置と重ならないように、前記接着剤の位置よりも前記多孔質体側に配される請求項4に記載の保持装置。
【請求項6】
前記取付体を構成する前記取付枠部及び前記多孔質体が、同時焼成により一体化されている請求項1又は請求項2に記載の保持装置。
【請求項7】
前記取付枠部は、前記多孔質体の周りを囲むと共に、前記収容部に固定される筒状本体部と、前記第1表面側に配され、かつ前記筒状本体部よりも外側に張り出した環状の張出部とを有し、
前記収容部は、前記張出部の周りを囲むように配され、かつ前記取付口から前記第2表面側に延びた環状の第1周面と、前記第1表面に対して平行に配され、かつ前記張出部が前記第1表面側から載せられる環状の載置面とを含み、前記張出部を収容する第1収容部と、前記第1収容部側から前記第2表面側に延びた環状の第2周面を含み、前記筒状本体部を収容する第2収容部とを有する請求項1に記載の保持装置。
【請求項8】
1枚のグリーンシート又は2枚以上のグリーンシート積層物からなる加工対象物に、厚み方向に貫通する形で孔部を形成する孔部形成工程と、
前記孔部に、多孔質体用のペーストを充填する充填工程と、
前記ペーストが前記孔部に充填された前記加工対象物を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程の後、前記加工対象物の焼結体から、前記ペーストの焼結体からなる多孔質体と共に前記多孔質体の周りに配される枠状部分とを、一体的に取り出して取付体を得る取り出し工程と、
得られた取付体を、セラミックスを主成分とする板状部材の一方の表面に形成された取付口と、前記取付口側から前記板状部材の他方の表面側に延びた収容部と、を含むように前記板状部材に形成された取付孔部に取り付ける取付工程とを備える保持装置の製造方法。
【請求項9】
セラミックスを主成分とする取付枠部と、セラミックスを主成分とし、前記取付枠部の内側に配置された多孔質体と、を有する取付体であって、
前記多孔質体の気孔率は、前記取付枠部の気孔率よりも高く、
前記取付枠部及び前記多孔質体は、同時焼成により一体化されている取付体。
【請求項10】
1枚のグリーンシート又は2枚以上のグリーンシート積層物からなる加工対象物に、厚み方向に貫通する形で孔部を形成する孔部形成工程と、
前記孔部に、多孔質体用のペーストを充填する充填工程と、
前記ペーストが前記孔部に充填された前記加工対象物を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程の後、前記加工対象物の焼結体から、前記ペーストの焼結体からなる多孔質体と共に前記多孔質体の周りに配される枠状部分とを、一体的に取り出して取付体を得る取り出し工程と、を備える取付体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持装置、保持装置の製造方法、取付体、及び取付体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を製造する際にウェハ(半導体ウェハ)を保持する保持装置として、静電チャックが知られている。静電チャックは、絶縁性のセラミックス(例えば、アルミナ)を主体とした保持基板(セラミック基板)を備えており、その保持基板の表面上でウェハが静電引力により保持される。静電引力は、保持基板の内部に設けられたチャック電極に電圧が印加されることで発生する。
【0003】
この種の静電チャックでは、プラズマエッチング等のプラズマ処理において、保持基板とウェハとの間に、ヘリウムガス等の熱伝導ガスを供給して、ウェハから熱を取り除くことが行われている。そのため、静電チャックの保持基板の内部には、外部から供給された熱伝導ガスを、ウェハに向かって流すためのガス流路が形成されている。保持基板の表面には、ガス流路の終端に位置するガス流出口が複数設けられており、各ガス流出口から、ウェハに向かって熱伝導ガスが供給される。
【0004】
なお、プラズマ処理時に印加される高周波電力により、ガス流路内で異常放電(アーキング)が発生して、その異常放電により保持基板上のウェハが損傷することがあった。そのため、このような異常放電の発生を抑制するために、ガス流路の内部に、絶縁性のセラミック材料からなるガス透過性の多孔質体が設けられていた。多孔質体は、例えば、ガス流路の一部であり、ガス流出口から保持基板の厚み方向に真っ直ぐに延びた縦ガス流路の内部に、上面がガス流出口から露出する形で充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4959905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の保持装置において、多孔質体は、保持基板を構成するセラミックス製の板状部材と一体的に形成されることがあった。この場合、先ず、板状部材用のグリーンシートの積層物に設けられたガス流路用の多数の孔部に、多孔質体用のペーストが射出成形等によりそれぞれ充填される。そして、各孔部にペーストが充填された状態の積層物を焼成することで、各多孔質体が板状部材内の対応したガス流路内にそれぞれ充填された保持基板が得られる。多孔質体用のペーストは、セラミックス粉末(アルミナ粉末等)を含んでいるため、前記積層物と同時に焼成されると、焼成後に得られる多孔質体が、セラミックス製の板状部材に形成された孔部を囲む周壁部(収容部)と一体的に繋がった状態となる。
【0007】
このように、多孔質体が、保持基板を構成するセラミックス製の板状部材と一体的に形成されると、例えば、焼成後の多孔質体に不具合(変色、凹み等)が発生した場合に、その多孔質体を、他の新しい多孔質体に交換することが難しく、問題となっていた。
【0008】
本発明の目的は、保持基板のガス流路内の多孔質体の修理が容易な構造を備えた保持装置及び前記保持装置の製造方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 対象物を保持する第1表面、及び前記第1表面の反対側に配される第2表面を含み、セラミックスを主成分とする板状部材と、前記第1表面側に開口した取付口と、前記取付口側から前記第2表面側に延びた収容部と、を含むように前記板状部材に形成される取付孔部と、セラミックスを主成分とし、前記収容部に固定される取付枠部と、セラミックスを主成分とし、前記取付枠部の内側に配置され、前記第1表面側から前記第2表面側に延びた多孔質体と、を有する取付体と、を備え、前記多孔質体の気孔率は、前記取付枠部の気孔率よりも高く、前記取付枠部の前記第1表面側の端部及び前記多孔質体の前記第1表面側の端部が、前記取付口から露出する保持装置。
【0010】
<2> 前記板状部材の内部に形成され、前記多孔質体と接続し、前記第1表面に対して平行に延びた横ガス流路を有する前記<1>に記載の保持装置。
【0011】
<3> 前記取付枠部は、前記多孔質体の周りを囲むと共に、前記収容部に固定される筒状本体部と、前記第1表面側に配され、かつ前記筒状本体部よりも外側に張り出した環状の張出部とを有し、前記収容部は、前記張出部の周りを囲むように配され、かつ前記取付口から前記第2表面側に延びた環状の第1周面と、前記第1表面に対して平行に配され、かつ前記張出部が前記第1表面側から載せられる環状の載置面とを含み、前記張出部を収容する第1収容部と、前記第1収容部側から前記第2表面側に延びた環状の第2周面を含み、前記筒状本体部を収容する第2収容部とを有する前記<1>又は<2>に記載の保持装置。
【0012】
<4> 前記第2周面と、前記筒状本体部の外周面との間に介在され、かつ前記第2周面と前記外周面とを固定する接着剤を有する前記<3>に記載の保持装置。
【0013】
<5> 前記横ガス流路は、前記多孔質体の前記第2表面側において、前記第1表面側から平面視した際に、前記多孔質体の前記第2表面側の端面と重なりつつ、前記多孔質体の前記第2表面側の前記端面よりも大きな輪郭の底横流路部を有し、かつ前記第1表面側から平面視した際に、前記底横流路部の前記輪郭の位置が、前記第2周面と前記筒状本体部の外周面との間に介在された前記接着剤の位置と重ならないように、前記接着剤の位置よりも前記多孔質体側に配される前記<4>に記載の保持装置。
【0014】
<6> 前記取付体を構成する前記取付枠部及び前記多孔質体が、同時焼成により一体化されている前記<1>又は<2>に記載の保持装置。
【0015】
<7> 1枚のグリーンシート又は2枚以上のグリーンシート積層物からなる加工対象物に、厚み方向に貫通する形で孔部を形成する孔部形成工程と、前記孔部に、多孔質体用のペーストを充填する充填工程と、前記ペーストが前記孔部に充填された前記加工対象物を焼成する焼成工程と、前記焼成工程の後、前記加工対象物の焼結体から、前記ペーストの焼結体からなる多孔質体と共に前記多孔質体の周りに配される枠状部分とを、一体的に取り出して取付体を得る取り出し工程と、得られた取付体を、セラミックスを主成分とする板状部材の一方の表面に形成された取付口と、前記取付口側から前記板状部材の他方の表面側に延びた収容部と、を含むように前記板状部材に形成された取付孔部に取り付ける取付工程とを備える保持装置の製造方法。
【0016】
<8> セラミックスを主成分とする取付枠部と、セラミックスを主成分とし、前記取付枠部の内側に配置された多孔質体と、を有する取付体であって、前記多孔質体の気孔率は、前記取付枠部の気孔率よりも高く、前記取付枠部及び前記多孔質体は、同時焼成により一体化されている取付体。
【0017】
<9> 1枚のグリーンシート又は2枚以上のグリーンシート積層物からなる加工対象物に、厚み方向に貫通する形で孔部を形成する孔部形成工程と、前記孔部に、多孔質体用のペーストを充填する充填工程と、前記ペーストが前記孔部に充填された前記加工対象物を焼成する焼成工程と、前記焼成工程の後、前記加工対象物の焼結体から、前記ペーストの焼結体からなる多孔質体と共に前記多孔質体の周りに配される枠状部分とを、一体的に取り出して取付体を得る取り出し工程と、を備える取付体の製造方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、保持基板のガス流路内の多孔質体の修理が容易な構造を備えた保持装置及び前記保持装置の製造方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1に係る保持装置の外観構成を模式的に表した斜視図
図2】実施形態1に係る保持装置の内部構造を模式的に表した断面図
図3】取付体付近を拡大した保持基板の上面図
図4図3のA-A線断面図
図5】保持基板の部品である取付体の製造方法を模式的に表した説明図
図6】保持基板の製造方法を模式的に表した説明図
図7】保持基板の製造方法を模式的に表した説明図
図8】実施形態2に係る保持基板が備える取付体付近を拡大した断面図
図9】実施形態3に係る保持基板が備える取付体付近を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る保持装置100を、図1図7を参照しつつ説明する。保持装置100は、対象物(例えば、ウェハW)を、静電引力によって吸着して保持する静電チャックである。静電チャックは、例えば減圧されたチャンバー内でプラズマを用いてエッチングを行うプロセスにおいて、ウェハWを載置するテーブルとして使用される。
【0021】
図1は、実施形態1に係る保持装置100の外観構成を模式的に表した斜視図であり、図2は、実施形態1に係る保持装置100の内部構造を模式的に表した断面図である。保持装置100は、円板状の保持基板(セラミック基板)10と、その保持基板10よりも大きな円板状のベース部材20とを備える。例えば、保持基板10が、直径300mm及び厚み3mmの円板状をなす場合、ベース部材20は、直径340mm及び厚み20mmの円板状に設定される。なお、保持基板10及びベース部材20には、それぞれ、互いの位置合わせを行うための位置決め部(凹凸等)が設けられてもよい。
【0022】
保持基板10及びベース部材20は、保持基板10が上側に配され、かつベース部材20が下側に配された状態で、上下方向に互いに重ねられる。保持基板10及びベース部材20は、それらの間に介在される接合材30により、互いに接合される。
【0023】
保持基板10は、上側に配される略円形状の第1表面S1と、その第1表面S1の反対側(つまり、下側)に配され、かつベース部材20と対向する略円形状の第2表面S2とを有する。ベース部材20は、上側に配され、かつ保持基板10の第2表面S2と対向する略円形状の第3表面S3と、その第3表面S3の反対側(つまり、下側)に配される略円形状の第4表面S4とを有する。上述した接合材30は、保持基板10の第2表面S2とベース部材20の第3表面S3との間で挟まれつつ、層状に広がった状態となっている。
【0024】
保持基板10は、円板状の板状部材11と、その板状部材11の内部に形成された基板側ガス流路12とを備える。板状部材11の上側の表面が、保持基板10の第1表面S1となる。また、板状部材11の下側の表面が、保持基板10の第2表面S2となる。
【0025】
板状部材11は、セラミックスを主成分とする板状(円板状)をなした絶縁性の部材である。本明細書において、「主成分」とは、含有割合の最も多い成分を意味する。本実施形態の板状部材11は、アルミナ(Al)からなる。なお、他の実施形態においては、窒化アルミニウム(AlN)等の他のセラミックスからなるものであってもよい。
【0026】
基板側ガス流路(ガス流路の一例)12は、保持装置100が備える不活性ガス(例えば、熱伝導ガスであるヘリウムガス)を流すための流路60の一部を構成する。基板側ガス流路12は、保持基板10の板状部材11の内部に形成される。基板側ガス流路12は、保持基板10の第2表面S2側に配される入口12aと、第1表面S1側に配されるガス流出口12bとを含む、保持基板10内を上下方向(厚み方向)に延びた孔状の流路からなる。入口12aから不活性ガスが供給されると、不活性ガスは、基板側ガス流路12内を通って最終的にガス流出口12bから外部に排出される。
【0027】
図3は、取付体90付近を拡大した保持基板10の上面図であり、図4は、図3のA-A線断面図である。図4には、保持基板10内に設けられた基板側ガス流路12を、保持基板10の厚み方向に沿って切断した断面構造が示されている。基板側ガス流路12は、図2及び図3に示されるように、第1縦ガス流路120と、横ガス流路130と、第2縦ガス流路140とを備える。
【0028】
第1縦ガス流路120は、第1表面S1側に配されるガス流出口12bを含み、ガス流出口12bから第2表面S2側に、板状部材11の厚み方向に沿って延びた流路である。第1縦ガス流路120は、上下方向に延びた略円筒状をなしており、ガス流出口12bの反対側に、第1縦ガス流路120の入口であり、ガス流出口12bと略同径の導入口12cが設けられている。このような第1縦ガス流路120内に、後述する多孔質体70が充填される形で固定される。なお、第1縦ガス流路120は、基板側ガス流路12におけるガス流出口12bと導入口12cとの間の区間からなる。
【0029】
横ガス流路130は、板状部材11の内部に形成され、第1縦ガス流路120内の多孔質体70と接続し、第1表面S1に対して平行に延びた流路である。横ガス流路130の下流側が、第1縦ガス流路120の上流側にあたる導入口12cと接続している。なお、基板側ガス流路12において、入口12a側が上流側であり、ガス流出口12bが下流側である。
【0030】
横ガス流路130は、第1縦ガス流路120内に充填された多孔質体70と対向する底部131aを含む底横流路部131と、底横流路部131と第2縦ガス流路140との間を繋ぐ本体横流路部132とを備える。
【0031】
底横流路部131の底部131aは、平面視で略円形状をなしている。本実施形態の場合、図3に示されるように、底部131aは、平面視で略円形状をなしたガス流出口12b及び導入口12cよりも、大きく設定されている。なお、図3では、説明の便宜上、板状部材11の内部に形成されている横ガス流路130(底横流路部131及び本体横流路部132)が破線で示されている。また、底部131aの表面(底面)は、扁平である。底横流路部131は、底部131aの周縁から第1表面S1側に向かって立ち上がる略円筒状の周壁部131bを備えている。この周壁部131bには、開口部131cが設けられており、この開口部131cが本体横流路部132の下流側と接続する。底横流路部131は、第1表面S1に対して平行に広がった偏平な流路を構成する。
【0032】
本体横流路部132は、上流側が第2縦ガス流路140と接続し、かつ下流側が底横流路部131の開口部131cと接続する第1表面S1に対して平行に細長く延びた流路を構成する。
【0033】
第2縦ガス流路140は、第2表面S2に開口した入口12aを含み、入口12aから第1表面S1側に、板状部材11の厚み方向に沿って延びた流路である。第2縦ガス流路140の下流側は、横ガス流路130の上流側と接続している。なお、入口12aは、基板側ガス流路12の入口をなす。第2縦ガス流路140は、上下方向に延びた略円筒状をなしている。
【0034】
また、保持基板10は、基板側ガス流路12の一部である第1縦ガス流路120に充填され、セラミックスを主成分とするガス透過性の多孔質体70を備える。なお、本実施形態の多孔質体70は、取付枠部50と共に、取付体90を構成し、かつその取付体90の状態で、板状部材11に形成された取付孔部150に取り付けられる。多孔質体70等の詳細は、後述する。
【0035】
保持基板10は、更に、電極部材であるチャック電極40を備える。チャック電極40は、全体的には、第1表面S1に略平行な平面状(層状)をなしている。チャック電極40は、例えば、タングステン、モリブデン、白金等の電電性材料から形成される。チャック電極40は、図2に示されるように、保持基板10(板状部材11)の内部において、第1表面S1側に配されている。チャック電極40は、端子等を介して外部の電源に接続されており、チャック電極40に対して給電が行われると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが、保持基板10の第1表面S1に吸着保持される。チャック電極40には、厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔41が形成されている。なお、他の実施形態において、電極部材として高周波電極、ヒータ電極を備えていてもよい。
【0036】
図1及び図2に示されるように、保持基板10の第1表面S1には、複数のガス流出口12bが設けられている。第1表面S1の外周縁部は、それよりも内側の部分と比べて僅かに上方に突出しつつ、円環状に形成されている。そのため、第1表面S1にウェハWが吸着保持されると、図2に示されるように、ウェハWと第1表面S1の内側の部分との間に隙間(ギャップ)Gが形成される。
【0037】
ベース部材20は、例えば、金属(アルミニウム、アルミニウム合金等)、金属とセラミックスの複合体(Al-SiC)、又はセラミックス(SiC)を主成分として構成される。
【0038】
ベース部材20の内部には、冷媒流路21が設けられている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体、水等)が流されることで、プラズマ熱の冷却が行われる。また、冷媒流路21に冷媒が流されると、ベース部材20が冷却され、接合材30を介したベース部材20と保持基板10との間の伝熱(熱引き)により、保持基板10が冷却される。その結果、保持基板10の第1表面S1で保持されたウェハWが冷却される。なお、冷媒流路21における冷媒の流量を適宜、調整することにより、第1表面S1で保持されたウェハWの温度を制御することができる。
【0039】
ベース部材20の内部には、流路60の一部を構成するベース側ガス流路22が設けられている。ベース側ガス流路22は、全体的には、ベース部材20の厚み方向に延びた貫通孔状をなしており、ベース部材20の第4表面S4に開口した入口22aと、第3表面S3に開口した出口22bとを備える。入口22aは、ベース側ガス流路22の入口をなすと共に、保持装置100に設けられた流路60全体の入口をなしている。
【0040】
接合材30は、例えば、シリコーン系の有機接合剤、無機接合剤、又はAl系の金属接着剤を含むボンディングシート等により構成される。接合材30としては、保持基板10及びベース部材20の双方に対して高い接着力を備えつつ、高い耐圧性及び熱伝導性を備えるものが好ましい。
【0041】
接合材30にも、流路60の一部を構成する接合側ガス流路31が形成されている。接合側ガス流路31は、層状の接合材30を厚み方向に貫通する孔からなる。
【0042】
流路60は、保持装置100の第1表面S1側に、不活性ガス(ヘリウムガス等)を供給するものである。第1表面S1には、上述したように、流路60の出口であるガス流出口12bが多数設けられており、各ガス流出口12bから不活性ガスが排出される形で、第1表面S1側に不活性ガスが供給される。このような流路60は、上述したように、ベース側ガス流路22と、接合側ガス流路31と、基板側ガス流路(ガス流路)12とを備える。
【0043】
流路60の入口22aは、ベース部材20の第4表面S4に複数設けられている。各入口22aから不活性ガスが供給されると、その不活性ガスは、各入口22aに接続したベース側ガス流路22、接合側ガス流路31及び基板側ガス流路(ガス流路)12を順次通過し、最終的に、第1表面S1に設けられた複数のガス流出口12bから排出される。
【0044】
ベース側ガス流路22の出口22bは、接合側ガス流路31の下側(ベース部材20側)の開口部と接続する。また、接合側ガス流路31の上側(保持基板10側)の開口部は、基板側ガス流路(ガス流路)12の入口12aと接続する。基板側ガス流路(ガス流路)12の入口12aは、保持基板10の第2表面S2に複数設けられている。
【0045】
このような基板側ガス流路(ガス流路)12の入口12aを含む第2縦ガス流路140は、その下流側で、複数の横ガス流路130と接続する。そして、各横ガス流路130には、それぞれ第1縦ガス流路120が接続されている。つまり、基板側ガス流路(ガス流路)12は、保持基板10(板状部材11)の内部において、上流側から下流側に向かって複数に分岐した形をなしている。
【0046】
次いで、多孔質体70等について、詳細に説明する。
【0047】
多孔質体70は、絶縁性のセラミックスを主成分とする、多数の気孔を含むガス透過性の部材である。多孔質体70は、基板側ガス流路12における複数の第1縦ガス流路120に対して、それぞれ充填される。多孔質体70は、全体的には、上下方向(保持基板10の厚み方向)に延びた円柱状をなしており、内部に不活性ガスを通過させる通気経路が網目状に形成されている。通気経路は、多孔質体70内において、多数の気孔が互いに連なったものからなる。気孔は、多孔質体70の製造時(焼成時)に、粒子状の造孔材が焼失(消失)した痕として形成される。造孔材としては、例えば、合成樹脂製のビーズや炭素粉末等が利用される。なお、多孔質体70の気孔率は60%以上である。
【0048】
多孔質体70は、取付枠部50と共に、取付体90を構成する。取付体90は、保持基板10の製造時に、多孔質体70を板状部材11の所定箇所に取り付けるために使用される部品である。多孔質体70は、セラミックスを主成分とする取付枠部50と、セラミックスを主成分とし、取付枠部50の内側に配置された多孔質体70とを有する。多孔質体70の気孔率は、取付枠部50の気孔率よりも高い。なお、後述するように取付枠部50及び多孔質体70は、同時焼成により一体化されている。
【0049】
取付体90は、板状部材11に形成された取付孔部150に、接着剤160を使用しつつ嵌め合わせる形で取り付けられる。なお、板状部材11に取り付けられた取付体90は、最終的に、板状部材11等と共に、保持基板10を構成する。
【0050】
取付枠部50は、全体的には、円柱状をなした多孔質体70の周面を取り囲むような筒状をなしている。取付枠部50は、セラミックスを主成分とし、最終的に、後述する取付孔部150に固定される。取付枠部50を構成するセラミックスとしては、板状部材11を構成するセラミックスと同種のもの(例えば、アルミナ、窒化アルミニウム等)が使用される。本実施形態の取付枠部50は、板状部材11と同様、アルミナ(Al)からなる。また、取付枠部50は、板状部材11と同様、緻密であり非ガス透過性(例えば、気孔率5%以下、相対密度95%以上)である。
【0051】
本実施形態の取付枠部50は、多孔質体70の周りを囲むと共に、後述する取付孔部150の収容部153(第2周面153b1)に固定される筒状本体部51と、第1表面S1側に配され、かつ筒状本体部51よりも外側に張り出した環状の張出部52とを備える。
【0052】
取付孔部150は、第1表面S1側に開口した第1開口部(取付口)151と、第1開口部151側から第2表面S2側に延びた筒状の収容部153と、収容部153の第2表面S2側に配される開口した第2開口部152とを備えている。このような取付孔部150が、板状部材11の第1表面S1側に複数個(多数個)設けられている。
【0053】
第1開口部(取付口)151は、平面視した際、円形状をなしており、第1表面S1側に開口する形で、板状部材11に設けられている。第2開口部152は、第2表面S2側であり、かつ板状部材11の内部に設けられている。より具体的には、第2開口部152は、底横流路部131内の空間V側に開口する形で、板状部材11の内部に設けられている。第2開口部152は、平面視した際、円形状をなしている。なお、本実施形態の場合、第2開口部152の大きさは、第1開口部151の大きさよりも小さく設定されている。
【0054】
収容部153は、全体的には、上下方向(板状部材11の厚み方向)に延びた筒状をなしている。収容部153は、取付枠部50の張出部52を収容する第1収容部153aと、取付枠部50の筒状本体部51を収容する第2収容部153bとを有する。
【0055】
第1収容部153aは、張出部52の周りを囲むように配され、かつ第1開口部151から第2表面S2側に延びた環状の第1周面153a1と、第1表面S1に対して平行に配され、かつ張出部52が第1表面S1側から載せられる環状の載置面153a2とを備える。
【0056】
第2収容部153bは、第1収容部153a側から第2表面S2側に延びた環状の第2周面153b1を備える。
【0057】
取付体90は、図3及び図4に示されるように、板状部材11の取付孔部150に対して、接着剤160を利用して取り付けられる。接着剤160は、収容部153のうち、第2収容部153bの第2周面153b1と、筒状本体部51の外周面51aとの間に介在され、かつ第2周面153b1と外周面51aとを固定する。接着剤160としては、例えば、アルミナ系、シリコン系等の公知のものを利用できる。
【0058】
取付体90において、多孔質体70は、図3及び図4に示されるように、取付枠部50の内側に配置され、かつ第1表面S1側から第2表面S2側に延びた形(円柱状)をなしている。
【0059】
図3及び図4に示されるように、取付体90が、板状部材11の取付孔部150に取り付けられている状態において、取付枠部50の第1表面S1側の端部50a(つまり、張出部52の端部)及び多孔質体70の第1表面S1側の端部(端面)70aは、第1開口部(取付口)151から露出している。本実施形態の場合、第1表面S1と、取付体90の第1表面S1側の端部(つまり、取付枠部50の端部50a及び多孔質体70の端部70a)とは、互いに同一平面をなすように配されている。
【0060】
取付枠部50の端部50aは、平面視で円環状をなしており、その外周縁が、第1開口部(取付口)151の周縁(内周縁)に沿う形で、第1開口部(取付口)151内に配されている。また、多孔質体70の端部70aは、平面視で円形状をなしており、円環状をなした取付枠部50の端部50aの内側にあるガス流出口12bから第1表面S1側に露出するように配されている。
【0061】
取付体90を構成する取付枠部50及び多孔質体70は、同時焼成により、互いに固相接合されて一体化されている。そのため、取付枠部50と多孔質体70との間には、上下方向に延びた円筒状の境界部分が存在している。このような境界部分を構成する取付枠部50の内周面が、上述した第1縦ガス流路120を構成する。そして、第1縦ガス流路120の下流側の端部に配されるガス流出口12bは、前記境界部分のうち、第1表面S1側に配される部分を構成する取付枠部50(張出部52)の内周縁からなる。また、第1縦ガス流路120の上流側の端部に配される導入口12cは、前記境界部分のうち、第2表面S2側に配される部分を構成する取付枠部50(筒状本体部51)の内周縁からなる。なお、多孔質体70及び取付枠部50は、互いに一体化されているものの、多孔質体70の気孔率は、取付枠部50の気孔率よりも高いため、それらの境界部分を容易に把握できる。
【0062】
不活性ガスが、横ガス流路130の底横流路部131内に供給されると、その不活性ガスは、導入口12cから底横流路部131側に露出する、第2表面S2側の端面70bから、多孔質体70内に供給される。端面70bは、底横流路部131内の空間Vを間に置きつつ、底部131aの表面と全面的に対向することにより、この端面70bから、多孔質体70内に、十分な流量の不活性ガスを導入することができる。
【0063】
取付体90を、第1表面S1側から平面視した際、接着剤160は、第1表面S1側に露出せずに、張出部52で覆われた状態となっている。このように、接着剤160が張出部52で覆われているため、接着剤160は、封止された状態となる。その結果、例えば、保持装置100を使用してプラズマ処理を行った際に、接着剤160が外部からのプラズマに晒されて、接着剤160に劣化、損傷等の不具合が生ずることが抑制される。
【0064】
また、接着剤160は、第1表面S1側から平面視した際に、収容部153(第2収容部153b)の第2周面153b1と、取付枠部50(筒状本体部51)の外周面51aとの間において、薄く層状に広がった状態で、概ね全体的に形成されているものの、図3に示されるように、部分的に形成されていない箇所がある。具体的には、第1表面S1側から平面視した際に、横ガス流路130の本体横流路部132と重なる箇所には、接着剤160は形成されていない。換言すれば、接着剤160は、第1表面S1側から平面視した際に、横ガス流路130の本体横流路部132と重ならないように、第2周面153b1と外周面51aとの間に設けられている。そのため、接着剤160は、第1表面S1側から平面視した際、第2周面153b1と外周面51aとの間において、全体的には、C字状(図3では、左右反転させたC字状)をなすように設けられている。このように接着剤160を設けることで、横ガス流路130の本体横流路部132内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)が、接着剤160と接触することが抑制されている。
【0065】
また、図3及び図4に示されるように、板状部材11の内部に形成される横ガス流路130の底横流路部131は、多孔質体70の第2表面S2側において、第1表面S1側から平面視した際に、多孔質体70の第2表面S2側の端面70bと重なりつつ、多孔質体70の第2表面S2側の端面70bよりも大きな輪郭Rを備えている。底横流路部131は、平面視で略円形状をなしており、輪郭Rは、略円形状(略円弧状)をなしている。
【0066】
そして、図4に示されるように、第1表面S1側から平面視した際に、底横流路部131の輪郭Rの位置は、第2周面153b1と筒状本体部51の外周面51aとの間に介在された接着剤160の位置と重ならないように、接着剤160の位置よりも多孔質体70側に配されている。つまり、接着剤160は、第1表面S1側から平面視した際に、横ガス流路130の底横流路部131と重ならないように、配置されている。このように、接着剤160の位置を設定することで、接着剤160の真下に、底横流路部131内の空間Vが配されず、底横流路部131内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)と接着剤160とが接触することが抑制される。
【0067】
本実施形態の接着剤160は、上述したように、横ガス流路130の底横流路部131内を流れる不活性ガスと、本体横流路部132を流れる不活性ガスとの接触が抑制されている。そのため、保持装置100の使用時に、保持基板10の基板側ガス流路12の内部で発生したアーキング(異常放電)により、接着剤160に劣化、損傷等の不具合が生ずることが抑制される。
【0068】
続いて、本実施形態の保持装置100の製造方法の一例を説明する。先ず、図5図7を参照しつつ、保持装置100を構成する保持基板10の製造方法について説明する。
【0069】
図5は、保持基板10の部品である取付体90の製造方法を模式的に表した説明図である。ここで、図5を参照しつつ、取付体90の製造方法を説明する。
【0070】
図5(A)に示されるように、1枚のグリーンシート又は2枚以上のグリーンシート積層物からなる加工対象物200を用意する。本実施形態の場合、加工対象物200は、複数枚のグリーンシートの積層物からなる。取付体90の製造時に使用されるグリーンシートは、後述する板状部材11の製造時に使用されるものと同様である。
【0071】
次いで、図5(B)に示されるように、用意された加工対象物200に、厚み方向に貫通する形で孔部201を形成する(孔部形成工程)。1つの加工対象物200から複数の取付体90を製造するために、1つの加工対象物200に対して、複数の孔部201が形成される。なお、本発明の目的を損なわない限り、他の実施形態においては、1つの加工対象物200に、1つの孔部201を形成してもよい。加工対象物200に、孔部201を形成する方法としては、公知の加工方法が利用される。
【0072】
その後、図5(C)に示されるように、加工対象物200に形成された各孔部201に、多孔質体用のペースト202を充填する(充填工程)。多孔質体用のペースト202は、例えば、アルミナ粉末、造孔材、バインダ、有機溶剤等を含む混合物を混練することで得られる。多孔質体用のペースト202を孔部201に充填する方法としては、例えば、射出成形装置を用いる方法、スクリーン印刷装置を用いる方法等が挙げられる。なお、孔部201に多孔質体用のペースト202が充填された加工対象物200は、適宜、乾燥される。
【0073】
そして、多孔質体用のペースト202が孔部201に充填された加工対象物200を、所定の温度で、焼成する(焼成工程)。この焼成工程により、孔部201に充填された多孔質体用のペースト202と、そのペースト202の周りに配される孔部201を含む加工対象物200の部分とが、同時に焼成される。焼成後の加工対象物200からなる焼結体203には、図5(D)に示されるように、各孔部201において、ペースト202の焼成物(多孔質の焼結体)からなる多孔質体70が形成される。多孔質体70と、その周りに配される焼結体203(後述する枠状部分204)とは、互いに固相接合により一体化されている。
【0074】
焼成工程の後、図5(D)及び図5(E)に示されるように、加工対象物200の焼結体203から、ペースト202の焼結体からなる多孔質体70と共に多孔質体70の周りに配される枠状部分204とを、一体的に取り出す(取り出し工程)。焼結体203から、所定の加工方法で取り出された部材205は、所定形状の取付体90となるように、適宜、切削、研磨等の加工が施される。なお、取付体90(部材205)を研磨する際、多孔質体70に不具合(変色、凹み等)が発生しないように、乾式研摩や、水を使用した研摩等を行うことが好ましい。以上のように、孔部形成工程、充填工程、焼成工程、及び取り出し工程を経て、各々が多孔質体70及び取付枠部50で構成される複数の取付体90が得られる。
【0075】
なお、本実施形態の場合、1つの加工対象物200から、複数の取付体90を同時に製造することができるため、仮に、複数の取付体90の中に、不良品(例えば、多孔質体70が変色したもの)が含まれていても、その不良品を、板状部材11に取り付ける前に、予め、複数の取付体90の中から、排除することができる。そのため、他の実施形態においては、取付体90(部材205)の研磨時に、研削液を使用した研磨を行ってもよい。
【0076】
続いて、図6及び図7を参照しつつ、保持基板10の製造方法を説明する。図6及び図7は、保持基板10の製造方法を模式的に表した説明図である。この保持基板10の製造方法は、グリーンシート(セラミックグリーンシート)を利用するシート積層法を応用したものである。
【0077】
先ず、図6(A)に示されるように、保持基板10の板状部材11を形成するためのグリーンシートを複数枚積層して、第1積層物80aが形成される。なお、第1積層物80aを構成する所定のグリーンシートには、導体層9が形成されており、そのようなグリーンシートが、他のグリーンシートに積層される。
【0078】
グリーンシート用のスラリーは、例えば、アルミナ粉末、アクリル系バインダ、分散剤、可塑剤等を含む混合物に、更に有機溶剤を加えたものを、ボールミルを用いて混合することで得られる。このスラリーを、キャスティング装置でシート状に成形し、その後、得られた成形物を乾燥させることで、複数枚のグリーンシートが得られる。
【0079】
また、導体層9を形成するためのメタライズペーストは、例えば、アルミナ粉末、アクリル系バインダ、有機溶剤の混合物に、タングステンやモリブデン等の導電性粉末を添加して混練することで得られる。このメタライズペーストを、例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定のグリーンシート上に、導体層9が形成される。
【0080】
次いで、図6(B)に示されるように、第1積層物80aの所定箇所に、取付孔部150を形成するための孔部81が形成される。孔部81は、第1積層物80aを厚み方向に貫通する形で、略円筒状に設けられる。孔部81は、公知の加工装置(ルーター等)を利用して、第1積層物80aの所定箇所に形成される。
【0081】
その後、図6(C)に示されるように、第1積層物80aと、第2積層物80bとが積層される。第2積層物80bは、複数枚のグリーンシートが積層されたものからなる。なお、第2積層物80bの所定箇所には、基板側ガス流路12(横ガス流路130等)を形成するための溝部82や孔部(不図示)が設けられている。第1積層物80a及び第2積層物80bからなる積層物は、例えば、20枚のグリーンシートの積層物からなり、それらは互いに熱圧着される。
【0082】
第1積層物80a及び第2積層物80bからなる積層物の外周は、適宜、切断されてもよい。そして、前記積層物をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製する。その後、得られた成形体を脱脂焼成し、更に、脱脂焼成後の成形体を焼成(本焼成)することで、図7(D)に示されるような、焼成体110が得られる。焼成体110は、板状部材11、チャック電極40、取付孔部150、横ガス流路130等の基板側ガス流路12等を備えている。
【0083】
このような焼成体110の板状部材11の一方の表面(第1表面S1)に形成された取付口(第1開口部)151と、取付口151側から板状部材11の他方の表面(第2表面S2)側に延びた収容部153とを含むように、板状部材11に形成された取付孔部150に、上述したように、取付体90の製造方法で得られた取付体90が取り付けられる(取付工程)。取付体90を取付孔部150に取り付ける前に、筒状本体部51の外周面51aの所定箇所に、予め接着剤160が塗布されている。なお、他の実施形態においては、第2周面153b1の所定箇所に、予め接着剤160が塗布されてもよい。取付体90は、取付枠部50の張出部52が第1収容部153aに収容され、かつ取付枠部50の筒状本体部51が第2収容部153bに収容される形で、取付孔部150に固定される。必要に応じて、接着剤160を熱硬化させるために、取付体90が取り付けられた板状部材11(焼成体110)を加熱してもよい。
【0084】
その後、焼成体の表面に、凸状の外周縁部に対応する部分を遮蔽するマスクを配置し、例えばセラミックス等の粒体を投射するショットブラストを行うことにより、焼成体の表面に凸状の外周縁部を形成する。その後、この焼成体の表面を研磨加工等することにより、図7(F)に示されるような、保持基板10が得られる。
【0085】
ベース部材20の製造方法は、基本的に従来品の製造方法と同じである。そのため、その詳細説明は省略する。
【0086】
保持基板10及びベース部材20がそれぞれ作製された後、それらを、接合材30を利用して接合する。接合材30による保持基板10及びベース部材20の接合は、基本的には、従来品における接合と同じである。そのため、その詳細説明は省略する。このようにして、保持装置100が製造される。
【0087】
以上のように、本実施形態の保持基板10は、多孔質体70の交換が必要な場合に、取付孔部150から、多孔質体70を含む取付体90を容易に取り外すことが可能な構造となっている。そのため、本実施形態の保持装置100は、保持基板10の基板側ガス流路12内の多孔質体70の修理が容易な構造を備えていると言える。
【0088】
しかも、本実施形態の取付体90における多孔質体70は、その周りに配される囲む取付枠部50に対して同時焼成により、一体化されているため、例えば、従来品のように多孔質体を接着剤で固定する場合等と比べて、多孔質体70内の気孔(ガス透過性)が確保され易くなっている。
【0089】
また、本実施形態の場合、上述したように、接着剤160を使用して取付体90を取付孔部150に取り付けても、外部からのプラズマや、基板側ガス流路12で発生したアーキング等により、接着剤160に、劣化、損傷等の不具合が発生することが抑制される。
【0090】
<実施形態2>
次いで、実施形態2に係る保持装置が備える保持基板10Aを、図8を参照しつつ説明する。図8は、実施形態2に係る保持基板10Aが備える取付体90A付近を拡大した断面図である。本実施形態の保持基板10Aの基本的な構成は、実施形態1と同じである。そのため、図8では、実施形態1と対応する部分について、実施形態1と同一の符号に更に符号「A」を追加した符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0091】
保持基板10Aは、円板状の板状部材11Aと、その内部に形成された基板側ガス流路12A(横ガス流路130A等)とを備える。板状部材11Aの上側の表面が、保持基板10Aの第1表面SA1となり、板状部材11Aの下側の表面が、保持基板10Aの第2表面SA2となる。
【0092】
板状部材11Aには、実施形態1と同様、複数の取付孔部150Aが設けられており、各取付孔部150Aに、取付体90Aが接着剤160Aを利用して固定されている。図8には、説明の便宜上、1つの取付孔部150Aと、それに固定される1つの取付体90Aとが示される。
【0093】
本実施形態の取付孔部150Aは、第1開口部(取付口)151A側から第2表面SA2側に真っ直ぐに延びた円筒状の収容部153Aを備えている。
【0094】
取付体90Aは、上下方向に延びた円柱状の多孔質体70Aと、その周りを取り囲む上下方向に延びた円筒状の取付枠部50Aとからなる。本実施形態の取付枠部50Aは、円筒状の筒状本体部51Aを備えている。多孔質体70A及び取付枠部50A(筒状本体部51A)は、同時焼成により、互いに固相接合されて一体化されている。また、多孔質体Aの気孔率は、実施形態1と同様、取付枠部50Aの気孔率よりも高くなっている。
【0095】
取付枠部50Aの第1表面SA1側の端部(端面)50Aa及び多孔質体70Aの第1表面SA1側の端部(端面)70Aaは、第1開口部(取付口)151Aから露出している。また、取付枠部50Aの端部(端面)50Aa及び多孔質体70Aの端部(端面)70Aaは、同じ高さ位置に設定されている。
【0096】
本実施形態の取付体90Aにおいて、多孔質体70Aの上下方向の長さは、取付枠部50A(筒状本体部51A)の上下方向の長さよりも長くなるように設定されている。そのため、多孔質体70Aの第2表面SA2側の端部(端面)70Abは、取付枠部50Aの第2表面SA2側の端部(端面)50Abよりも、下側(第2表面SA2側)に突出している。多孔質体70Aの端部70Abは、横ガス流路130Aの底横流路部131Aの底部131Aa上に載せられている。多孔質体70Aの端部70Abは、平面視で円形状をなした底横流路部131A(底部131Aa)の略中央に配されている。底横流路部131A内には、多孔質体70Aの端部70Abの周りを囲むように円環状の空間VAが形成されている。
【0097】
接着剤160Aは、第1表面SA1側から平面視した際に、実施形態1と同様、横ガス流路130Aの本体横流路部132Aと重ならないように、収容部153Aの内周面(第2周面)153Ab1と、取付枠部50Aの外周面51Aaとの間に設けられている。このように接着剤160Aを設けることで、実施形態1と同様、横ガス流路130Aの本体横流路部132A内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)が、接着剤160Aと接触することが抑制されている。
【0098】
また、底横流路部131Aは、実施形態1と同様、多孔質体70Aの第2表面SA2側において、第1表面SA1側から平面視した際に、多孔質体70Aの第2表面SA2側の端面70Abと重なりつつ、多孔質体70Aの第2表面SA2側の端面70Abよりも大きな輪郭RAを備えている。
【0099】
第1表面SA1側から平面視した際に、底横流路部131Aの輪郭RAの位置は、収容部153Aの内周面(第2周面)153Ab1と、取付枠部50Aの外周面51Aaとの間に介在された接着剤160Aの位置と重ならないように、接着剤160Aの位置よりも多孔質体70A側に配されている。つまり、接着剤160Aは、第1表面SA1側から平面視した際に、横ガス流路130Aの底横流路部131Aと重ならないように、配置されている。このように、接着剤160Aの位置を設定することで、接着剤160Aの真下に、底横流路部131A内の空間VAが配されず、底横流路部131A内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)と接着剤160Aとが接触することが抑制される。
【0100】
以上のように、本実施形態の接着剤160Aは、実施形態1と同様、横ガス流路130Aの底横流路部131A内を流れる不活性ガスと、本体横流路部132Aを流れる不活性ガスとの接触が抑制されている。そのため、保持装置の使用時に、保持基板10Aの基板側ガス流路12Aの内部で発生したアーキング(異常放電)により、接着剤160Aに劣化、損傷等の不具合が生ずることが抑制される。
【0101】
また、本実施形態の保持装置100Aは、実施形態1と同様、保持基板10Aの基板側ガス流路12A内の多孔質体70Aの修理が容易な構造を備えている。
【0102】
<実施形態3>
次いで、実施形態3に係る保持装置が備える保持基板10Bを、図9を参照しつつ説明する。図9は、実施形態3に係る保持基板10Bが備える取付体90B付近を拡大した断面図である。本実施形態の保持基板10Bの基本的な構成は、実施形態1と同じである。そのため、図9では、実施形態1と対応する部分について、実施形態1と同一の符号に更に符号「B」を追加した符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0103】
保持基板10Bは、円板状の板状部材11Bと、その内部に形成された基板側ガス流路12B(横ガス流路130B等)とを備える。板状部材11Bの上側の表面が、保持基板10Bの第1表面SB1となり、板状部材11Bの下側の表面が、保持基板10Bの第2表面SB2となる。
【0104】
板状部材11Bには、実施形態1と同様、複数の取付孔部150Bが設けられており、各取付孔部150Bに、取付体90Bが接着剤160Bを利用して固定されている。図9には、説明の便宜上、1つの取付孔部150Bと、それに固定される1つの取付体90Bとが示される。
【0105】
本実施形態の取付孔部150Bは、第1開口部(取付口)151B側から第2表面SB2側に真っ直ぐに延びた円筒状の収容部153Bを備えている。
【0106】
取付体90Bは、上下方向に延びた円柱状の多孔質体70Bと、その周りを取り囲む上下方向に延びた略円筒状の取付枠部50Bとからなる。本実施形態の取付枠部50Bは、実施形態2と同様、略円筒状の筒状本体部51Bを備えている。ただし、本実施形態の筒状本体部51Bは、第2表面SB2側に配される端部50Bbの一部が、多孔質体70Bの第2表面SB2側の端部(端面)70Bbよりも下方に延びた状態となっている。このような端部Bbの一部を、本明細書では、支持部50Bb1と称する。
【0107】
多孔質体70B及び取付枠部50B(筒状本体部51B)は、同時焼成により、互いに固相接合されて一体化されている。また、多孔質体Bの気孔率は、実施形態1と同様、取付枠部50Bの気孔率よりも高くなっている。
【0108】
取付枠部50Bの第1表面SB1側の端部(端面)50Ba及び多孔質体70Bの第1表面SB1側の端部(端面)70Baは、第1開口部(取付口)151Bから露出している。また、取付枠部50Bの端部(端面)50Ba及び多孔質体70Bの端部(端面)70Baは、同じ高さ位置に設定されている。
【0109】
本実施形態の取付体90Bにおいて、多孔質体70Bの第2表面SB2側の端部(端面)70Baは、横ガス流路130Bの底横流路部131B内の空間VBに入り込まないような高さ位置に設定されている。
【0110】
なお、本実施形態の場合、底横流路部131Bに隣接する形で、上述した取付枠部50B(筒状本体部51B)の支持部50Bb1を収容する空間が設けられている。支持部50Bb1は、底横流路部131Bの底部131Baに続く隣接底部231Ba上に、載せられた状態となっている。このように、支持部50Bb1が、底部131Baに続く隣接底部231Ba上に載せられることで、取付孔部150Bに対して、全体的に略円柱状をなした取付体90Bを位置決めし易くなっている。
【0111】
接着剤160Bは、第1表面SB1側から平面視した際に、横ガス流路130Bの本体横流路部132Bと重ならないように、収容部153Bの内周面(第2周面)153Bb1と、取付枠部50B(筒状本体部51B)の外周面51Baとの間に設けられている。このように接着剤160Bを設けることで、実施形態1と同様、横ガス流路130Bの本体横流路部132B内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)が、接着剤160Bと接触することが抑制されている。
【0112】
また、底横流路部131Bは、実施形態1と同様、多孔質体70Bの第2表面SB2側において、第1表面SB1側から平面視した際に、多孔質体70Bの第2表面SB2側の端面70Bbと重なりつつ、多孔質体70Bの第2表面SB2側の端面70Bbよりも大きな輪郭RBを備えている。
【0113】
第1表面SB1側から平面視した際に、底横流路部131Bの輪郭RBの位置は、収容部153Bの内周面(第2周面)153Bb1と、取付枠部50B(筒状本体部51B)の外周面51Baとの間に介在された接着剤160Bの位置と重ならないように、接着剤160Bの位置よりも多孔質体70B側に配されている。つまり、接着剤160Bは、第1表面SB1側から平面視した際に、横ガス流路130Bの底横流路部131Bと重ならないように、配置されている。このように、接着剤160Bの位置を設定することで、接着剤160Bの真下に、底横流路部131B内の空間VBが配されず、底横流路部131B内を流れる不活性ガス(ヘリウム等)と接着剤160Bとが接触することが抑制される。
【0114】
以上のように、本実施形態の接着剤160Bは、実施形態1と同様、横ガス流路130Bの底横流路部131B内を流れる不活性ガスと、本体横流路部132Bを流れる不活性ガスとの接触が抑制されている。そのため、保持装置の使用時に、保持基板10Bの基板側ガス流路12Bの内部で発生したアーキング(異常放電)により、接着剤160Bに劣化、損傷等の不具合が生ずることが抑制される。
【0115】
また、本実施形態の保持装置100Bは、実施形態1と同様、保持基板10Bの基板側ガス流路12B内の多孔質体70Bの修理が容易な構造を備えている。
【0116】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
(1)取付口の形状は、本発明の目的の目的を損なわない限り、円形状以外の形(多角形状等)であってもよい。また、取付体を平面視した際の形状についても、同様に、円形状以外の形であってもよい。
【0118】
(2)取付体を、取付孔部に取り付ける際に、接着剤を使用せずに、取付体に雄ネジ部を形成し、かつ取付孔部に雌ネジ部を形成して、雄ネジ部及び雌ネジ部を互いに螺合させてもよい。ただし、取付孔部に対する取付体の取り付け易さ等を考慮すると、上述した実施形態1等のように、接着剤を使用して、それらを取り付けることが好ましい。
【0119】
(3)不活性ガスを通すためのガス流路は、ベース部材に形成されなくてもよく、保持基板のみに形成されていてもよい。
【0120】
(4)上記実施形態で示した保持装置の製造方法は、一例であり、本発明の目的を損なわない限り、他の方法で製造されてもよい。
【符号の説明】
【0121】
100…保持装置、10…保持基板、11…板状部材、12…基板側ガス流路(ガス流路)、50…取付枠部、50a…取付枠部の端面、51…筒状本体部、51a…外周面、52…張出部、70…多孔質体、70a…多孔質体の端面、90…取付体、150…取付孔部、151…取付口(第1開口部)、153…収容部、S1…第1表面、S2…第2表面、S3…第3表面、S4…第4表面
【要約】
【課題】保持基板のガス流路内の多孔質体の修理が容易な構造を備えた保持装置及び前記保持装置の製造方法等の提供。
【解決手段】本発明の保持装置100は、対象物Wを保持する第1表面S1、及び第1表面S1の反対側に配される第2表面S2を含み、セラミックスを主成分とする板状部材11と、第1表面S1側に開口した取付口151と、取付口151側から第2表面S2側に延びた収容部153と、を含むように板状部材11に形成される取付孔部150と、セラミックスを主成分とし、収容部153に固定される取付枠部50と、セラミックスを主成分とし、取付枠部50の内側に配置され、第1表面S1側から第2表面S2側に延びた多孔質体70とを有する取付体90とを備える。多孔質体70の気孔率は、取付枠部50の気孔率よりも高く、取付枠部50の第1表面S1側の端部50a及び多孔質体70の第1表面S1側の端部70aが、取付口151から露出する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9