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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】位相追跡挿入のための参照信号
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04L27/26 313
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023114811
(22)【出願日】2023-07-13
(62)【分割の表示】P 2021209075の分割
【原出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2023134633
(43)【公開日】2023-09-27
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】17305320.8
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】チョチーナ-ドゥチェスネ、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 文大
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】平 明徳
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511194(JP,A)
【文献】Ericsson,On phase tracking in DFT-S-OFDM waveform[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1612338,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/tsgr1_87/Docs/R1-1612338.zip>,2016年11月05日
【文献】Mitsubishi Electric,On phase and frequency tracking for DFTsOFDM[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703215,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703215.zip>,2017年02月06日
【文献】Qualcomm Incorporated,Phase and frequency tracking reference signal considetations[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702617,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702617.zip>,2017年02月07日
【文献】Ericsson,On PTRS performance[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703221,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703221.zip>,2017年02月07日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-2
3GPP TSG CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相追従用参照信号を挿入するために、通信エンティティのコンピューター手段によって実施される方法であって、前記通信エンティティは、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器を使用し、
前記方法は、
通信条件の所定の基準に対してあらかじめ定義されたパターンの中から選択された少なくとも1つの挿入パターンに従って、一連のデータサンプル内に前記位相追従用参照信号を挿入することによって、一連の信号サンプルを取得することと、
前記位相追従用参照信号の挿入後に離散フーリエ変換を適用するために、前記一連の信号サンプルから取得された一連の信号ブロックを離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器に送り込むこと、
とを含み、
選択されたパターンは、複数の位相追従用参照信号のグループから構成され、各グループは、少なくとも2つの位相追従用参照信号を有し、前記複数の位相追従用参照信号のグループのうちの隣接する2つのグループは、データサンプルによって分離される、方法。
【請求項2】
前記通信条件の所定の基準のうちの1つは、
指定帯域幅、
変調、
符号化レート、
キャリア周波数、
物理リソースブロックバンドリング、又は
他の参照信号密度のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一連の信号ブロックに前記離散フーリエ変換を適用することから少なくとも生じる、変換済みの一連の信号ブロック内に復調用参照信号が更に挿入され、前記復調用参照信号は、前記変換済みの一連の信号ブロックの指定位置に挿入され、前記選択されるパターンは前記指定位置に基づいている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記一連の信号ブロックに前記離散フーリエ変換を適用することから少なくとも生じる、変換済みの一連の信号ブロックは、Ndata個の変換済み信号ブロックを含み、各変換済み信号ブロックはM個のアクティブキャリアにマッピングされ、前記選択されるパターンは、
【数1】
のような、D個のデータサンプルによって分離されるK個の位相追従用参照信号のN個のグループによって構成され、ただし、Dは、iが0及びNとは異なるときに、0を除く正の整数である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
【数2】
である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
【数3】
である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
【数4】
である、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
【数5】
である、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
0~N-2の間の各kについて、
【数6】
である、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
0~N-1の間の各kについて、
【数7】
である、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
0~N-2の間の各kについて、
【数8】
であり、ただし、
Δ=M、又は、
Δ<M、又は、
Δ>M、
のいずれかである、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記離散フーリエ変換後に前記離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器によって実行される逆離散フーリエ変換後に、0でないサイクリックプレフィックスCPが逆離散フーリエ変換された信号ブロックに挿入され、ただし、D、i=1...N-1は、2つの値:
が2つの信号ブロックにわたって広がらない場合には、選択された整数D’、又は、
が2つの信号ブロックにわたって広がる場合には、D’’=D’-E(NCP M/N)、
のうちの1つをとることができ、ただし、NCPは、前記逆離散フーリエ変換後に付加されるCPサンプルの数に対応し、E(x)は、xに最も近い整数を示し、Nは、前記逆離散フーリエ変換に関連するサブキャリアの数に対応する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
は、復調用参照信号位置に関する、又は位相追従を可能にする他の参照信号に関する指定位置を有する信号ブロック内に位相追従用参照信号が挿入されるのを回避するように選択される、請求項4~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器を使用する電気通信デバイスであって、前記電気通信デバイスは、位相追従用参照信号を挿入するコンピューター回路であって、
通信条件の所定の基準に対してあらかじめ定義されたパターンの中から選択された少なくとも1つの挿入パターンに従って、一連のデータサンプル内に前記位相追従用参照信号を挿入することによって、一連の信号サンプルを取得し、
前記位相追従用参照信号の挿入後に離散フーリエ変換を適用するために、前記一連の信号サンプルから取得された一連の信号ブロックを前記離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器に送り込む、コンピューター回路を備え、
選択されたパターンは、複数の位相追従用参照信号のグループから構成され、各グループは、少なくとも2つの位相追従用参照信号を有し、前記複数の位相追従用参照信号のグループのうちの隣接する2つのグループは、データサンプルによって分離される、電気通信デバイス。
【請求項15】
プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信に関し、より具体的には、時間領域位相変動の補償を支援する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時間領域における位相変動は種々の現象によって引き起こされる可能性がある。例えば、位相雑音の存在、ドップラーシフトに起因する周波数ドリフト、又は不十分な周波数同期が、時間領域における位相変動を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムは、位相雑音に極めて影響を受けやすいように思われる。例えば、OFDMシステムは、シングルキャリアシステムより位相雑音の影響を受けやすいことに注目することができる。それが、顕著な位相雑音がある環境にさらされるシステムにおいて、OFDM波形を使用するのを避ける理由の1つである。衛星システムは、厄介な位相雑音環境に特にさらされるシステムの一例である。
【0004】
時間領域の影響は、周波数領域より、時間領域において監視及び補償する方が容易であるように思われる。時間領域トレーニング系列は、位相雑音補償及びキャリアオフセット補償に関して特に有効であると認識されている。
【0005】
離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFTsOFDM:Discrete Fourier Transformation spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing)波形は、離散フーリエ変換(DFT)によってプリコーディングされる、ビットインターリーブ及びコーディング済み変調シンボルのブロックに対応する。ブロック内の変調シンボルの数は、DFTサイズ及びアクティブサブキャリアの数に対応する。その後、逆離散フーリエ変換(IDFT)も実行できるように、サブキャリアマッピングが実行される。例えば、M個のビットインターリーブ及びコーディング済み変調シンボルからなるブロックは、MサイズのDFTによってプリコーディングされ、N個のサブキャリアのうちのM個のサブキャリアにマッピングされ、その後、NサイズのIDFTに通される。IDFT後に、任意選択で、サイクリックプレフィックス(CP)を付加することができる。その場合、それは、サイクリックプレフィックス離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(CP DFTsOFDM)と呼ばれる。CP DFTsOFDMは、ロングタームエボリューション/ロングタームエボリューションアドバンスト(LTE/LTE-A)システムにおいてアップリンク(UL)波形として使用されてきた。CP DFTsOFDMは、5G新無線(5G NR)システムにおいてUL波形のうちの1つとして使用されることになる。その基本特性のうちの1つが低いピーク対平均電力比(PAPR:peak to average power ratio)であり、それにより、ユーザー機器(UE)が、その内部にある高出力増幅器(HPA:high power amplifier)をその飽和点付近においてエネルギー効率良く使用できるようになる。
【0006】
単一の符号語から得られた変調シンボルが、一般に1つのスケジューリング単位内に含まれる、いくつかのDFTsOFDMブロックを拡散することができる。例えば、スロット、NR 5Gのミニスロット又はLTE/LTE-Aのサブフレームとすることができるスケジューリング単位は、復調用参照信号を含むブロックと、復調用参照信号を含まないブロックとによって形成される。
【0007】
相対的に顕著な位相雑音がある環境にさらされるミリメートル(mm)波システムに関して、時間領域における位相変動を補償するために、支援する役割を果たす系列が必要とされている。そのような系列は、残存するキャリア周波数オフセット(CFO)、又はドップラーシフトに起因する影響を補償するためにも使用することができる。例えば、そのような系列は、分散性が低いチャネルにおいて高い速度を補償することができる。OFDMシステムの場合、サブキャリアレベル(周波数領域内)において或る系列を挿入することが知られている。周波数領域において挿入されるそのような系列の利点は、受信機側における周波数領域処理中に、位相変動を比較的簡単に推定するための支援を与えることである。しかしながら、時間領域の影響を周波数領域において観測することは、1OFDMシンボルより細かい粒度で実行できないという不都合がある。
【0008】
DFTsOFDMに関して、位相追従用参照信号を周波数領域においてサブキャリアレベルで挿入することもできる。そのような場合、位相追従用参照信号は、データによって占有されないキャリア上に挿入することができるか、又は占有されたサブキャリアをパンクチャリングすることができる。周波数領域における、DFTsOFDMのための位相追従用参照信号のいずれの挿入タイプも、結果としてPAPRの劣化につながる。データによって占有されないキャリア上で周波数領域において位相追従用参照信号を挿入する別の欠点は、異なるサイズのDFTが実施される必要があることである。占有されるサブキャリアをパンクチャリングすることによって周波数領域において位相追従用参照信号を挿入する別の欠点は、復調性能の低下につながる可能性があることである。
【0009】
結果として、DFTsOFDMのための更なる位相追従用参照信号挿入を検討する必要がある。
【0010】
本発明は、この状況を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、位相追従用参照信号を挿入するために、通信エンティティのコンピューター手段によって実施される方法であって、前記通信エンティティは、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器を使用する、方法に関する。特に、本方法は、
通信条件の所定の基準に対してあらかじめ定義されたパターンの中から選択された少なくとも1つの挿入パターンに従って、一連のデータサンプル内に上記位相追従用参照信号を挿入することによって、一連の信号サンプルを取得することと、
位相追従用参照信号の挿入後に離散フーリエ変換を適用するために、上記一連の信号サンプルから取得された一連の信号ブロックを上記変調器に送り込むこととを含み、
選択されたパターンは、複数の位相追従用参照信号のグループから構成され、各グループは、少なくとも2つの位相追従用参照信号を有し、2つのグループは、データサンプルによって分離されることを特徴とする。
【0012】
ここで、上記の「パターン」は、上記の一連の信号サンプルにおいて位相追従用参照信号によって占有されることを意図した位置の所定の組み合わせを意味し、その際、位相追従用参照信号の挿入は、DFTを適用する前に、時間領域において実行される。
【0013】
「データサンプル」は、送信中に転送されることになるビットインターリーブ及びコーディング済み変調シンボルを含む、時間領域内の一連のサンプルを意味する。簡単にするために、ここで、構成されるときに、DFT前に含まれる場合には、位相追従用参照信号以外の任意の他の参照信号サンプル(例えば、移動性参照信号、チャネルの精細な時間/周波数追従用の参照信号、付加的な復調参照シンボル等)も含まれる。「信号サンプル」は、依然として時間領域において、一連のデータサンプル内に位相追従用参照信号を挿入した後に得られる。その後、その一連の信号サンプルから一連の「信号ブロック」が得られ、DFTsOFDM変調器に適用される。一般に、DFTsOFDM変調器は周波数領域において実現され、少なくとも離散フーリエ変換を実施し、その後、マッピングを実施し、その後、逆離散フーリエ変換を実施する。DFTsOFDM変調の同等の時間領域の実施態様も存在するが、融通性に欠けること、及びより複雑になることに起因して、一般に実用的な実施態様では使用されない。
【0014】
それゆえ、時間領域における位相誤差補償のための支援が、挿入パターンに従って、位相追従用参照信号を挿入する結果として与えられる。さらに、有利には、所定のパターンの中からパターンを選択することは、通信条件に関する所定の基準に従って実行される。したがって、通信条件に最も適したパターンを選択することができる。
【0015】
一実施形態において、通信条件の所定の基準のうちの1つは、
指定帯域幅、
変調、
符号化レート、
キャリア周波数、
物理リソースブロックバンドリング、又は、
他の参照信号密度、
のうちの少なくとも1つである。
それゆえ、暗黙のパターン挿入選択、又は少ないシグナリングによるパターン挿入選択を実行することができる。
【0016】
一実施形態において、変換済みの一連の信号ブロック内に復調用参照信号が更に挿入され、それは、周波数領域において、少なくとも、一連の信号ブロックに離散フーリエ変換を適用することから生じる。この復調用参照信号は、変換済みの一連の信号ブロック内の指定位置に挿入されるが、しかしながら、位相追従用参照信号を挿入するために適用されるパターンは、これらの指定位置を考慮に入れる。
【0017】
それゆえ、復調用参照信号は位相誤差補償のための支援としての役割を果たすことができるので、復調用参照信号の位置を考慮に入れることによって、位相追従用参照信号を復調用参照信号に接近して挿入できないようにし、それにより、達成可能な最大スループットの低下が抑制する。
【0018】
一実施形態において、変換済みの一連の信号ブロックは、Ndata個の変換済み信号ブロックを含み、各変換済み信号ブロックはM個のアクティブサブキャリアにマッピングされる。それゆえ、選択されるパターンは、
【数1】
のような、D個のデータサンプルによって分離されるK個の位相追従用参照信号のN個のグループによって定義することができ、ただし、Dは、iが0及びNとは異なるときに、0を除く正の整数である。
【0019】
そのような実施形態において、Kの値を制御することによって、受信機側において、K個の位相追従用参照信号のグループに基づいて位相誤差推定の精度を制御できるようになる。Dの値を制御することによって更に、受信機側において、位相追従用参照信号のグループ間の補間の精度を制御できるようになる。
【0020】
一実施形態において、
【数2】
である。
一実施形態において、
【数3】
である。
それゆえ、位相追従用参照信号の2つのグループ間の時間領域距離は等しく、所与の位相雑音変動度に従って設定することができる。
【0021】
一実施形態において、
【数4】
である。それゆえ、位相追従用参照信号の各グループにおける推定は同等に信頼性がある。
【0022】
代替的な実施形態において、
【数5】
である。
【0023】
一実施形態において、0~N-2の間の各kについて、
【数6】
である。この実施形態において、位相追従用参照信号グループは、その系列が存在する各信号ブロック内の信号ブロックの先頭に対して同じ相対位置において開始し、それにより、より容易にデマッピングを実施できるようにする。
【0024】
一実施形態において、0~N-1の間の各kについて、
【数7】
である。
それゆえ、位相追従用参照信号グループは、より容易なデマッピングを実施するために、信号ブロックの先頭に対して同じ相対位置において終了する。
【0025】
一実施形態において、0~N-2の間の各kについて、
【数8】
であり、ただし、
Δ=M、又は、
Δ<M、又は、
Δ>M、
のいずれかである。
この実施形態において、Δ<Mである場合には、頻繁に挿入することによって、位相追従用参照信号グループ間の補間の信頼性を高めることができるようになる。Δ>Mである場合には、位相追従用参照信号グループの挿入頻度を下げることによって、位相追従用参照信号オーバーヘッドKtot/MNdataを削減することができる。ただし、
【数9】
である。最後に、Δ=Mである場合には、各信号ブロックにおいて、同等に信頼性がある位相推定を実行することができる。
【0026】
一実施形態において、離散フーリエ変換後に変調器によって実行される逆離散フーリエ変換後に、0でないサイクリックプレフィックスCPが挿入され、ここで、D(ただし、i=1...N-1)は、2つの値:
が2つの信号ブロックにわたって広がらない場合には、選択された整数D’、又は、
が2つの信号ブロックにわたって広がる場合には、D’’=D’-E(NCP M/N)、
のうちの1つをとることができる(ただし、NCPは、逆離散フーリエ変換後に付加されるCPサンプルの数に対応し、E(x)は、xに最も近い整数を示し、Nは、逆離散フーリエ変換に関連するサブキャリアの数に対応する)。
一変形形態において、E(x)は、xより小さい最も近い整数を示す。別の変形形態では、E(x)は、xより大きい最も近い整数を示す。
それゆえ、CP挿入後に規則的な挿入が得られ、それにより、受信機側において、離散フーリエ変換前に時間領域において処理できるようになる。
【0027】
一実施形態において、Dは、復調用参照信号、又は位相追従を可能にする他の参照信号(周波数領域内、又は本発明によれば場合によっては時間領域内)に関する指定位置を有する信号ブロック内に位相追従用参照信号が挿入されるのを回避するように選択することができる。
【0028】
本発明の別の態様はまた、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割変調器を使用する電気通信デバイスであって、前記デバイスは、位相追従用参照信号を挿入するコンピューター回路であって、更に詳細には、
通信条件の所定の基準に対してあらかじめ定義されたパターンの中から選択された少なくとも1つの挿入パターンに従って、一連のデータサンプル内に上記位相追従用参照信号を挿入することによって、一連の信号サンプルを取得し、
位相追従用参照信号の挿入後に離散フーリエ変換を適用するために、上記一連の信号サンプルから取得された一連の信号ブロックを上記変調器に送り込む、
コンピューター回路を備える、電気通信デバイスに関する。
【0029】
本発明の第3の態様は、プロセッサによって実行されると、前述した方法を実行する命令を含むコンピュータープログラム製品に関する。
【0030】
本明細書に開示される方法及びデバイスの他の特徴及び利点は、添付図面に関する非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0031】
本発明は、添付図面の図に、限定としてではなく例として示される。添付図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】位相追従用参照信号挿入方法の種々のステップを示すフローチャートである。
図2】位相追従用参照信号挿入の一例を表す図である。
図3】挿入パターンの一例を示す図である。
図4】挿入パターンの一例を示す図である。
図5】挿入パターンの一例を示す図である。
図6】挿入パターンの一例を示す図である。
図7】挿入パターンの一例を示す図である。
図8】挿入パターンの一例を示す図である。
図9】挿入パターンの一例を示す図である。
図10】本発明の方法を可能にするデバイスに関する取り得る実施形態を示す図である。
図11】パターン系列を記述するために設定される代替のパラメーターの例を示す図である。
図12】アップリンク通信との関連において、基地局によってパターン挿入が選択され、一方、端末UEによって位相追従用参照信号の挿入が実行される、種々の実施形態を示す図である。
図13】アップリンク通信との関連において、基地局によってパターン挿入が選択され、一方、端末UEによって位相追従用参照信号の挿入が実行される、種々の実施形態を示す図である。
図14】アップリンク通信との関連において、基地局によってパターン挿入が選択され、一方、端末UEによって位相追従用参照信号の挿入が実行される、種々の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の取り得る実施形態による、位相追従用参照信号挿入方法の種々のステップを示すフローチャートである。
【0034】
位相追従用参照信号をその中に挿入することによって、1組のデータを表す一連のデータサンプルDATA_S101を変更することができる。その挿入は、パターンの集合の中から選択される選択パターンに従う(パターン及びパターンの組み合わせは後に提示される)。特定のパターンの選択は、通信基準COM_CRIT102に従って実行することができる。したがって、通信基準COM_CRIT102によって、位相追従用参照信号のための挿入パターンINS_PAT103を選択できるようになる場合がある。それゆえ、選択された挿入パターンPATに従って位相追従用参照信号が挿入されるとき、データサンプルを信号サンプルSIG_S104に変更することができる。離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重変調器FEED_MOD105に信号ブロックを送り込むために、信号サンプル104から上記信号ブロックを取得することができ、その変調は離散フーリエ変換DFT106から開始する。
【0035】
挿入パターンPATの選択は、割当てサイズM(又は同じく、指定電気通信帯域幅)、変調タイプ、符号化レート、キャリア周波数、PRB(物理リソースブロック)バンドリング、及び/又は他の参照信号密度等の通信基準COM_CRIT102に基づく。さらに、既存のパターンの組み合わせも選択することができる。
【0036】
図2は、本発明の取り得る実施形態による、位相追従用参照信号挿入の一例を表す。より詳細には、図2は、位相追従用参照信号を搬送する1つの離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重シンボル内に、K個の位相追従用参照信号シンボルを挿入することを表す。
【0037】
図2において、位相追従用参照信号RS_Phase Track201及びデータサンプルData202が、位相追従用参照信号挿入モジュールRS_Phase Track PAT203に送り込まれ、位相追従用参照信号挿入モジュールは、少なくとも1つの挿入パターンに従って、一連のデータサンプル内に前記位相追従用参照信号を挿入している。
【0038】
ミニスロット、スロット又は他の単位等のスケジューリング単位が考えられる。スケジューリング単位はNsym個のブロックを含み、その中のNdata個の信号ブロックは、いかなる復調用参照信号も含まない。Ndata個の信号ブロックはそれぞれ、M個のアクティブキャリアにマッピングされることになる。モジュール204において、M個の信号サンプルからなるNdata個の信号ブロックを作成することができる。それゆえ、各ブロックは、これ以降、Mサイズである。その後、モジュール205が、M個の信号サンプルからなるNdata個の信号ブロックに離散フーリエ変換を適用することができる。逆離散フーリエ変換IDFT207を適用する前に、モジュール206において、Ndata個及びNRS_Demod個のブロックのサブキャリアマッピングを実行することができる。NRS_Demod個のブロックは、復調用参照信号を含むブロックに対応する。
【0039】
図2において、復調用参照信号RS_Demod位置は、モジュール206においてフルパイロット(full pilot)によって表される。しかしながら、ハイブリッドデータ/パイロットシンボルが別の取り得る代替形態であり、離散フーリエ変換205(DFT)を適用する前又は後に復調用参照信号が挿入される。逆離散フーリエ変換207後にサイクリックプレフィックス(CP)を付加することができる。
【0040】
位相追従用参照信号挿入は、時間領域位相誤差補償のための支援を与えることができる。しかしながら、位相追従用参照信号を挿入することにより、達成可能な最大スループットの低下がもたらされる場合がある。
【0041】
このため、位相追従用参照信号密度は、性能目標を達成するために必要な最小密度を超えるべきではない。構成されるときに、復調用参照信号又は他の参照信号(例えば、移動性参照信号、チャネルの精細な時間/周波数追従用の参照信号、付加的な復調基準シンボル等)等の他の参照信号を位相誤差補償のために支援として使用することができるので、必ずしも、位相追従用参照信号を挿入する必要があるとは限らない場合がある。
【0042】
図3は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。そのパターンは、
【数10】
のような、D個のデータサンプルによって分離されるK個の位相追従用参照信号のN個のグループから構成される。ただし、iが0及びNとは異なるとき、Dは0を除く正の整数である。
【0043】
挿入される位相追従用参照信号の数は、位相追従用参照信号の全オーバーヘッドがKtot/MNdataである場合に、
【数11】
である。
【0044】
離散フーリエ変換を適用するとき、データサンプル及び位相追従用参照信号が一緒に拡散する。マルチパスチャネルに起因して、受信機側において、データサンプルと位相追従用参照信号との間に干渉が存在する場合がある。
【0045】
位相追従用参照信号の所与のオーバーヘッドの場合に、小さいK値によって、位相追従用参照信号挿入の粒度を細かくできる場合があり(小さいD)、受信機側において、位相追従用参照信号グループ間を補間するのに有用である。
【0046】
しかしながら、各位相追従用参照信号グループにおける位相推定は、データサンプルとの干渉に起因して劣化する場合がある。その場合、Kの最小値が、信頼性がある平均化が可能であるような閾値より高い場合がある。
【0047】
大きい位相追従用参照信号グループによって、雑音/干渉を抑制して、グループ内の位相推定の信頼性を高められるようになる場合がある。しかしながら、位相追従用参照信号オーバーヘッドの妥当性が確保される場合には、位相追従用参照信号のグループはかなりの間隔を置いて配置される場合があり、結果として、D値が大きくなる場合がある。その場合、位相追従用参照信号グループ間の補間の信頼性は低下する場合がある。
【0048】
オーバーヘッドKtot/MNdataの制約下で、最小値Kと最大値Dとの間の妥協を図ることができる。ただし、iは0~N-1である。
【0049】
例えば、
【数12】
を用いて他の挿入パターンを定義することができる。このパターンによれば、位相追従用参照信号の各グループにおいて同等の信頼性で推定できるようになる場合がある。
【0050】
【数13】
及び
【数14】
を用いて、別の取り得る挿入パターンを定義することができる。挿入パターンの1つの変形が、上記の挿入パターンの循環シフト(cyclic shift)である。
【0051】
別の取り得る挿入パターンは、以下の式
【数15】
を用いて定義することができるか、又はこのパターンの任意の循環シフトとすることができる。ただし、kは0~N-2である。それゆえ、位相追従用参照信号グループは、位相追従用参照信号が存在する各信号ブロックにおいて信号ブロックの先頭に対して同じ相対位置において開始する。したがって、より容易なデマッピングを実施できるようになる。このパターンは、例えば、他の特徴と組み合わせることができる:
=Ndata、それゆえ、データブロックごとに1つの位相追従用参照信号グループが存在することができる。
は、位相推定のために使用することができる他の参照信号を含む最も近い位置への距離によって決めることができる。
【数16】
又は
【数17】
【0052】
【数18】
が別の取り得る挿入パターンを定義することができる。ただし、kは0~N-1である。このパターンの任意の循環シフトも取り得る挿入パターンである。それゆえ、位相追従用参照信号グループは、より容易なデマッピングを実施するために、信号ブロックの先頭に対して同じ相対位置において終了する。このパターンは、例えば、他の特徴と組み合わせることができる:
=Ndata、データブロックごとに1つの位相追従用参照信号グループが存在することができる。
は、位相推定のための役割を果たすことができる他の参照信号を含む最も近い位置への距離によって決めることができる。
【数19】
又は
【数20】
【0053】
以下の式
【数21】
を用いて、等間隔に配置される挿入パターンを定義することができる。この挿入パターンの任意の循環シフトも実現可能な場合がある。それゆえ、2つの位相追従用参照信号グループ間の時間領域距離は等しくすることができ、位相雑音強度に応じて設定することができる。
【0054】
以下の式
【数22】
を用いて規則的な挿入パターンを定義することができる。ただし、kは0~N-2である。このパターンの1つの変形を、
【数23】
を用いて求めることができる。Δの値に応じて、異なる事例を区別することができる。図4は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。図4において、Δ=Mであり、それゆえ、各データシンボル内で、同等に信頼性がある位相推定を実行することができる。
【0055】
図6は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。図6において、Δ<Mであり、頻繁に挿入することによって、位相追従用参照信号グループ間の補間の信頼性が高められる場合がある。
【0056】
図8は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。図8において、Δ>Mであり、位相追従用参照信号オーバーヘッドを削減することができる。
【0057】
逆離散フーリエ変換後に、0でないサイクリックプレフィックスが挿入されることになるとき、同じく不規則な挿入パターンを実現することができる。その挿入パターンは、その事例にも適合させることができ、D、i=1...N-1は、2つの値のうちの1つをとることができる。
が2つの信号ブロックにわたって広がらない場合には、選択された整数D’、又は、
が2つの信号ブロックにわたって広がる場合には、D’’=D’-E(NCP M/N)。ただし、NCPは、逆離散フーリエ変換後に付加されるCPサンプルの数であり、E(x)はxに最も近い整数を示し、Nは逆離散フーリエ変換に関連するサブキャリアの数に対応する。一変形形態において、E(x)は、xより小さい最も近い整数を示す。別の変形形態では、E(x)は、xより大きい最も近い整数を示す。
【0058】
図7は、位相追従用参照信号が、ここでは各Mサイズ信号ブロック内に含まれないので不規則である挿入パターンの一例を示す。したがって、オーバーヘッドが削減される。
【0059】
図5は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。図5において見られる場合があるのと同様に、復調用参照信号位置付近に位相追従用参照信号が挿入されるのを回避するようにDが選択される場合に、同じく不規則な挿入パターンを定義することができる。それゆえ、以下のような他の手段によって、小さい誤差を有する位相誤差を補正できる場合に挿入を回避することによって、位相追従用参照信号密度を下げることができる。
復調用参照信号位置付近の信号ブロックは位相追従用参照信号を搬送できない。
復調用参照信号位置付近のX個の信号ブロックは位相追従用参照信号を搬送できない。
復調用参照信号位置に後続するX個の信号ブロックは位相追従用参照信号を搬送できない。
復調用参照信号位置に隣接するY個のサンプル(Y<M)は、位相追従用参照信号を搬送できない。
規則的なパターンから位相追従用参照信号位置を除去することによって、不規則なパターンを取得することができる。
は、位相推定のための役割を果たすことができる他の参照信号を含む最も近い位置への距離によって決めることができる。
は、位相推定のための役割を果たすことができる他の参照信号を含む最も近い位置への距離によって決めることができる。
位相推定の役割を果たすことができる他の参照信号を含む位置に隣接するY個のサンプル(Y<M)は、位相追従用参照信号を搬送できない。
位相推定の役割を果たすことができる他の参照信号を含む信号ブロックは、位相追従用参照信号を搬送できない。
位相推定の役割を果たすことができる他の参照信号を含む信号ブロックに隣接するX個の信号ブロックは、位相追従用参照信号を搬送できない。
【0060】
或る特定の信号ブロック内に位相追従用参照信号が挿入されるのを回避するようにDが選択される場合に、同じく不規則な挿入パターンを取得することができる。したがって、位相追従用参照信号オーバーヘッドを削減することができる。例えば、位相追従用参照信号は、1つおきの信号ブロックにのみ挿入することができる。例えば、位相追従用参照信号は、Z(例えば、3つ、4つ)ごとの信号ブロックにのみ挿入することができる。
【0061】
言及されたように、挿入パターンの組み合わせを使用することもできる。上記で言及された挿入パターンは、1つのマザー挿入パターン(mother insertion pattern)に基づくことができ、従属挿入パターンは、異なるパラメーターによって特徴付けられる。
【0062】
図9は、本発明の取り得る実施形態による、挿入パターンの一例である。より詳細には、図9は、可変オフセットLを有するマザーパターンを表し、そのパターンは定義された上記のパターンのいずれかに導入することができる。
【0063】
図11は、同様に使用することができるパターンの他の取り得る組み合わせを示す。それらのパターンは、1つの汎用マザーパターンに基づくことができ、従属挿入パターンは、周期性、位相追従用参照信号のグループ間の分離、汎用マザーパターンに対するオフセット、DFTsOFDMシンボル内のパターンの反復、及び/又は他のパラメーター等の異なるパラメーターによって特徴付けられる。
【0064】
その系列を記述する1組のパラメーターの一例は以下の通りであり、図11に示される事例に結び付けられる。ただし、i=0...N-1の場合に、K=K=2である。
反復回数(rep_time)は、そのスロット内の何個の信号ブロックが位相追従用参照信号を含むかを示すことができる。
「td_interv」で示されるパラメーターは、位相追従用参照信号を含むスロット内の信号ブロックが、何信号ブロック離れているかを示す。
値は、Dが信号ブロック境界を越えて広がるときに:
=[remainder(M/(K+td_interv_inter_symbol))]+td_interv_inter_symbol+Mtd_intervである。
シンボル内のパラメーターTD間隔(td_interv_inter_symbolで示される)は、Dが信号ブロック境界を越えて広がらないときのD値を示す。
【0065】
上記で解説された図7に示されるパターン例の実施形態は、値K=2及びシフトL=0が、あらかじめ決定され、及び/又は、送信側及び受信側の双方によって既知であると想定されるときに、以下の値を有するパラメーターに対応する。
-rep_time=4
-td_interv=1
-td_interv_inter_symbol=4
【0066】
選択可能なパターンは、位相追従用参照信号密度:低、中又は高によって識別されるいくつかのモードを有することができる。選択される変調及びコーディング方式(MCS)に応じて、選択されたMCSに、上記のモードのうちの1つを関連付けることができる。例えば、低密度モードにQPSKを関連付けることができ、一方、中密度モードに16QAMを関連付けることができる。16より高い任意の変調次数は高密度モードに関連付けることができる。
【0067】
図10は、本発明を可能にするデバイスの可能な実施形態である。
【0068】
この実施形態において、デバイス10は、回路の中にロード可能なコンピュータープログラム命令を記憶するメモリ13を備えることができ、コンピュータープログラム命令は、回路12によって実行されるときに、回路12に本発明のステップを実行させるように構成される。また、メモリ13は、一時データと、上記のような本発明のステップを実行するのに有用な更なる情報とを記憶することができる。
【0069】
回路12は、例えば、以下のものとすることができる。
-コンピューター言語による命令を解釈するように適合されたプロセッサ若しくは処理ユニットとすることができる。このプロセッサ若しくは処理ユニットは、命令を含むメモリを備えることもできるし、このようなメモリに関連付けることもできるし、このようなメモリに取り付けることもできる。
-或いは、プロセッサ/処理ユニットとメモリとを関連付けたものとすることができる。このプロセッサ若しくは処理ユニットは、コンピューター言語による命令を解釈するように適合され、メモリは上記命令を含む。
-或いは、本発明のステップがシリコン内に記載された電子カードとすることができる。
-或いは、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイを意味する)チップ等のプログラマブル電子チップとすることができる。
【0070】
上記のデバイス10は、基地局に対するアップリンク通信との関連において本発明を実施する、端末(セルラー電話端末等)、又は単にその端末の一部とすることができるか、又はデバイス10は、基地局(又はその一部)とすることもできる。
【0071】
アップリンク(端末UE(「ユーザー機器」)から基地局への)送信の例において、時間領域位相変動の補償は、受信機側において(基地局によって)実行されることになる。そのため、基地局は、端末UEによってどの挿入パターン系列が使用されたかを知らなければならない。図12図14に示される実施形態において、端末UEは、基地局に通信条件についての情報(例えば、端末UEの移動性及び/又は能力等)を送信し、基地局は、端末UEから受信された情報から導出された通信条件の上記の基準に基づいて、挿入パターンを選択する。図12図14において、参照記号L1、L2、L3は、制御情報がそれを通して送信される異なるレイヤを示す。L1は物理レイヤに対応し、L2は媒体アクセス制御(MAC)レイヤに対応し、L3は無線リソース制御(RRC)レイヤに対応する。基地局が適切なパターン(又はパターン系列)を選択すると、基地局は、端末UEに、端末UEにおいて位相追従用参照信号挿入を適用するための選択されたパターンをUEが特定できるようにする情報を送信する。例えば、その情報は、上記で定義されたパラメーター:rep_time、td_interv及びtd_interv_inter_symbolのそれぞれの値とすることができる。例えば、その情報は、或るパターンのオン/オフ構成とすることができるか、又は変調及び符号化レート及び/又は指定帯域幅等の他の転送情報に基づいて端末UEが特定することができる1組のパターンの密度とすることができる。代替的には、それは、例えば、パターン辞書内のパターンインデックスを符号化する一連のビットとすることもできる。図11の実施形態において、位相追従用参照信号の1回限りの挿入がシグナリングを通してトリガーされる。端末UEは、要求に応じて、位相追従用参照信号を一度挿入する。位相追従用参照信号を搬送するスロットは、送信間隔によって与えられる時間情報(あらかじめ決定されるか、又はシグナリングされる)に基づいて決定される。
【0072】
それゆえ、この実施形態では、基地局に対するアップリンク送信の場合に、位相追従用参照信号の挿入は端末(UE)によって実行される:
端末が基地局に通信条件についての情報を送信する。
基地局が上記情報から、上記通信条件の所定の基準を導出する。
通信条件の所定の基準に従って、基地局が挿入パターンを選択する。
基地局が端末(UE)に、端末において位相追従用参照信号の挿入を実行するために使用されるべき選択されたパターンを表す情報を送信する。
したがって、本発明はまた、本発明による方法を実行するようにいずれも構成される端末及び基地局を備えるシステムを目的とする。
【0073】
図12に示される例において、端末UEは、基地局が必要であると見なすたびに、選択されたパターンに従って位相追従用参照信号の挿入を実行することができる。図13に示される代替の実施形態では、端末UEは、所定の回数だけ(それは同じく基地局によって符号化され、端末UEに送信することができる)、選択されたパターンに従って繰り返し(例えば、定期的に)挿入を実行することができる。図14に示される別の代替の実施形態では、位相追従用参照信号の挿入は、基地局が不要であると見なすまで、端末によって繰り返し実行することができる。その後、基地局は、端末に、位相追従用参照信号を挿入するのを中止するように要求することができるか、代替的には、例えば、別の挿入パターンを適用するように要求することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14