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特許7588694山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 25/04 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
E01B25/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023158412
(22)【出願日】2023-09-22
(65)【公開番号】P2024048376
(43)【公開日】2024-04-08
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0122471
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514247908
【氏名又は名称】コリア レイルロード リサーチ インスティテュート
【住所又は居所原語表記】176, Cheoldobangmulgwan-ro, Uiwang-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】イム キ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジャエン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョボム
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-044803(JP,U)
【文献】特開平03-295903(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2258340(KR,B1)
【文献】中国実用新案第208023330(CN,U)
【文献】特開昭59-020766(JP,A)
【文献】特開平11-036203(JP,A)
【文献】特開2017-100837(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0037858(KR,A)
【文献】中国実用新案第213571350(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 25/00-25/34
E01B 5/00- 5/18
B61B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山岳鉄道ラック軌道でラック(Rack)が設置されていない非ラック区間(Non-Rack Area)の進出地点または進入地点に設置されて、山岳鉄道ラック軌道のラックギアと山岳列車のピニオンギアとの円滑な噛み合いがなされるように案内するラック噛み合い案内装置であって、
山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)に対応して非ラック区間の始点部または終点部に設置されるベースプレート(110);
前記ラック(330)に形成されたラックギア(331)のピッチ間隔と同一のピッチ間隔で前記ベースプレート(110)上に前記ラック(330)の縦方向に沿って形成されて前記山岳列車(400)のピニオンギア(431)と前記ラックギア(331)の噛み合いを案内する補助ラックギア(120);
前記ベースプレート(110)の前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車(400)の下部に設置されたピニオン(430)により前記ベースプレート(110)に印加される下方圧力を吸収するクッショニング部材(130);および
前記山岳列車(400)の進入により前記山岳列車(400)のピニオンギア(431)が接触するように前記補助ラックギア(120)の前端部に設置される接触部材(150);を含み、
前記ベースプレート(110)の一側は前記ラック(330)に密着し、前記ベースプレート(110)の他側には前記接触部材(150)が形成されて前記山岳列車(400)の進入または進出を感知し、
前記ベースプレート(110)は山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され、
前記補助ラックギア(120)の横方向の幅は前記ラックギア(331)の横方向の幅より狭く形成され、前記ピニオンギア(431)が前記ラックギア(331)と噛み合うことに比べて前記ピニオンギア(431)が前記補助ラックギア(120)と容易な噛み合いがなされ、
前記クッショニング部材(130)の下端部を枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に固定するクッショニング部材締結装置(140)をさらに含み、
前記クッショニング部材締結装置(140)はベース板とアンカーボルトからなり、前記ベース板に前記クッショニング部材(130)の下部が固定され、前記アンカーボルトはベース板に形成されたアンカーホールを通じて前記枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に前記クッショニング部材(130)を固定することを特徴とする、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置。
【請求項2】
前記クッショニング部材(130)はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート(110)の下部に少なくとも4つ以上設置されることを特徴とする、請求項1に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置。
【請求項3】
前記接触部材(150)の一側に設置されて前記山岳列車(400)のピニオン(430)が前記補助ラックギア(120)に沿って進入することを感知する接触感知センサ(160)をさらに含む、請求項1に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置。
【請求項4】
a)ベースプレート(110)、補助ラックギア(120)、クッショニング部材(130)および接触部材(150)からなるラック噛み合い案内装置(100)を山岳鉄道ラック軌道(200)の非ラック区間終点部に設置する段階;
b)下部にピニオン(430)が設置された山岳列車(400)が非ラック区間からラック区間に進入運行する段階;
c)前記山岳列車(400)の下部のピニオン(430)に形成されたピニオンギア(431)が前記ラック噛み合い案内装置(100)の接触部材(150)に接触する段階;
d)前記ラック噛み合い案内装置(100)の補助ラックギア(120)に沿って前記山岳列車(400)の進入を案内する段階;
e)前記ラック噛み合い案内装置(100)のクッショニング部材(130)が前記ベースプレート(110)の前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車(400)のピニオン(430)を通じて印加される下方圧力を吸収する段階;
f)前記山岳列車(400)のピニオン(430)に形成されたピニオンギア(431)のラック進入角度が調整された状態で、前記ピニオンギア(431)が前記山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)に形成されたラックギア(331)と噛み合いがなされる段階;および
g)前記ピニオンギア(431)とラックギア(331)の噛み合いがなされた状態で前記山岳列車(400)がラック区間を運行する段階;を含み、
前記a)段階のベースプレート(110)の一側は前記ラック(330)に密着し、前記ベースプレート(110)の他側には前記接触部材(150)が形成されて前記山岳列車(400)の進入を感知し、
前記ベースプレート(110)は山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され、
前記a)段階で補助ラックギア(120)の横方向の幅は前記ラックギア(331)の横方向の幅より狭く形成され、前記ピニオンギア(431)が前記ラックギア(331)と噛み合うことに比べて前記ピニオンギア(431)が前記補助ラックギア(120)と容易な噛み合いがなされ、
前記クッショニング部材(130)の下端部を枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に固定するクッショニング部材締結装置(140)をさらに含み、
前記クッショニング部材締結装置(140)はベース板とアンカーボルトからなり、前記ベース板に前記クッショニング部材(130)の下部が固定され、前記アンカーボルトはベース板に形成されたアンカーホールを通じて前記枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に前記クッショニング部材(130)を固定することを特徴とする、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【請求項5】
前記クッショニング部材(130)はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート(110)の下部に少なくとも4つ以上設置されることを特徴とする、請求項に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【請求項6】
前記ラック噛み合い案内装置(100)は、前記クッショニング部材(130)の下端部を枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に固定するクッショニング部材締結装置(140)をさらに含む、請求項に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【請求項7】
前記ラック噛み合い案内装置(100)は、前記接触部材(150)の一側に設置されて前記山岳列車(400)のピニオン(430)が前記補助ラックギア(120)に沿って進入することを感知する接触感知センサ(160)をさらに含む、請求項に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【請求項8】
a)ベースプレート(110)、補助ラックギア(120)、クッショニング部材(130)および接触部材(150)からなるラック噛み合い案内装置(100)を山岳鉄道ラック軌道(200)の非ラック区間始点部に設置する段階;
b)下部にピニオン(430)が設置された山岳列車(400)がラック区間から非ラック区間に進出するように運行する段階;
c)山岳列車(400)の下部ピニオン(430)が山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)から離脱時、前記ラック噛み合い案内装置(100)の補助ラックギア(120)に沿って山岳列車(400)の進出を案内する段階;
d)前記ラック噛み合い案内装置(100)のクッショニング部材(130)が前記ベースプレート(110)の前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車(400)のピニオン(430)を通じて印加される下方圧力を吸収する段階;
e)前記山岳列車(400)のピニオン(430)に形成されたピニオンギア(431)が前記山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)に形成されたラックギア(331)から噛み合いを解除する段階;および
f)前記ピニオンギア(431)とラックギア(331)の噛み合いが解除された状態で、前記ラック噛み合い案内装置(100)から離脱して前記山岳列車(400)が非ラック区間に沿って運行する段階;を含み、
前記a)段階のベースプレート(110)の一側は前記ラック(330)に密着し、前記ベースプレート(110)の他側には前記接触部材(150)が形成されて前記山岳列車(400)の進出を感知し、
前記ベースプレート(110)は山岳鉄道ラック軌道(200)のラック(330)の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され、
前記a)段階で補助ラックギア(120)の横方向の幅は前記ラックギア(331)の横方向の幅より狭く形成され、
前記クッショニング部材(130)の下端部を枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に固定するクッショニング部材締結装置(140)をさらに含み、
前記クッショニング部材締結装置(140)はベース板とアンカーボルトからなり、前記ベース板に前記クッショニング部材(130)の下部が固定され、前記アンカーボルトはベース板に形成されたアンカーホールを通じて前記枕木(210)またはコンクリートパネル(220)に前記クッショニング部材(130)を固定することを特徴とする、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【請求項9】
前記クッショニング部材(130)はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート(110)の下部に少なくとも4つ以上設置されることを特徴とする、請求項に記載の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置に関し、より具体的には、山岳鉄道ラック軌道でラック(Rack)が設置されていない非ラック区間(Non-Rack Area)の始点部または終点部に設置されるラック噛み合い案内装置であって、ラック軌道のラックギアと山岳列車のピニオンギアとの円滑な噛み合い(Mesh)がなされるように案内する、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鉄道車両(または列車)は自動車が通行する一般的な道路ではない特殊な通路、すなわち、線路であるレールの上を運行するように作られたため、鉄道車両の種類が違ってもその基本構造はすべて同一であり、このような鉄道車両は車輪部、シャシ部、車体部および付属装置からなる。
【0003】
鉄道車両は平坦な地域に付設された線路を走行しているが、比較的傾斜が急な山岳地帯に付設された線路を走行することもあり、傾斜が急な山岳地帯を走行する鉄道車両および線路を山岳鉄道(Mountain Railway)という。
【0004】
図1aは通常の山岳鉄道を例示する写真であり、図1bは山岳鉄道駆動装置を含む山岳鉄道走行システムを例示する図面である。
【0005】
山岳列車の車輪とレールはいずれも金属材からなるため、粘着力が一般の道路走行車両よりは落ちることになり、山岳鉄道のように傾斜が急な地域を運行する場合、図1aに図示された通り、山岳列車11がレール12の下部に滑る場合が多くて運行が容易でないため、山岳列車11が滑ることを防止するためにレール12の中央部にレールの長さ方向に沿ってラック13が設置される。
【0006】
また、図1bに図示された通り、ラック軌道のラック13に対応するように山岳列車11の下部にピニオン(Pinion:14)を設置することによって山岳列車11が下部に滑ることを防止することができる。
【0007】
すなわち、山岳鉄道走行システムで、傾斜が急な地域に設置された線路には鋸歯状レールであるラック13を設置し、山岳列車の下部には歯車であるピニオン14を設置して山岳列車11が下部に押されることを防止することによって、山岳列車11は安定的に山岳の傾斜地域を走行することができる。
【0008】
一方、図2aは一般道路併用山岳鉄道のラック軌道を具体的に例示する図面であり、図2bは図2aに図示された一般道路併用山岳鉄道のラック軌道でラックとピニオンの動作を説明するための図面である。
【0009】
図2aを参照すると、一般道路併用山岳鉄道のラック軌道は、プレキャストコンクリートパネル(PCパネル)、レール、ラック、ラック締結アンカー、弾性充填材および排水管を含んで構成され得るが、これに限定されるものではない。
【0010】
この時、図2bに図示された通り、ラックに対応するように山岳列車にピニオンが設置される。
【0011】
換言すると、山岳鉄道走行システムはラックアンドピニオン(Rack andPinion)方式の走行システムであり、山岳鉄道ラック軌道の中央にレールの長さ方向に沿ってラックを設置し、山岳列車には車輪以外にピニオンを利用して山岳地形の勾配区間でレールの摩擦走行時に山岳列車のスリップ現象を防止し、推進力を加えることができる。
【0012】
一方、図3aは従来の技術に係る山岳鉄道ラック軌道に設置されるラックアセンブリの組立図であり、図3bは山岳列車の下部に設置されるピニオンの概念を説明するための図面である。
【0013】
図3aおよび図3bを参照すると、従来の技術に係る山岳鉄道ラック軌道に設置されるラックアセンブリは、基層砂利、枕木およびレールで構成される急傾斜鉄道区間において、左側レールと右側レールの間にラック20がラック締結装置によって締結固定されて、山岳列車と下部に設置されたピニオンと噛み合って山岳列車の急傾斜区間走行時に山岳列車が滑ることを防止することができる。
【0014】
具体的には、ラック20は長さ方向に離脱防止枠22と挿入溝23が形成されて延長され得、幅方向の両側に多数個のアンカーホール21が形成され、ラック20は側面に多数個のラック締結装置24が設置されてアンカーボルト26で固定される。
【0015】
この時、ラック締結装置24はアンカーホール25が形成されてアンカーホール25を通じてアンカーボルト26が締結されることによって、ラック20が枕木に固定される。
【0016】
また、図3bを参照すると、図3bは山岳列車の下部に設置されるピニオン30は連結ピン35によって山岳列車に固定された列車固定具31の連結台32に結合され、列車固定具31の連結台32には上部に突出したジャック連結具に高さ調整ジャッキ34が設置され、また、列車固定具31は連結台32の前方に「⊂」の形態の溝33が形成され、「⊂」の形態の溝33にピニオン30が挿入されて連結ピン35で締結される。
【0017】
一方、レール埋込型軌道は軽量鉄道で一般的に使われており、一部は道路との踏切で使われている。このようなレール埋込型軌道はレール頭頂面、すなわち、車輪との接触面を除いたすべての部分が舗装されて覆われた軌道構造を意味し、一般的に枕木と締結具は使われない。
【0018】
このようなレール埋込型軌道の特徴として、軌間を確保する追加的ないかなる材料もなく、連続弾性支持され、レールの浮き現象がなく、レールの表面が囲まれていてサビの発生がなく、寿命が長く、レールの底部と腹部で支持するのでレール支持物の応力が少なく、寿命が長く、垂直方向と横方向の弾性が維持されるなどの多くの長所がある。
【0019】
このようなレール埋込型軌道の場合、鋳型を製作した後、その上部でコンクリートモルタルを注入した後、一定時間の間養生させた後に鋳型を解体してレール埋込型コンクリートパネルを製造している。
【0020】
一方、レール埋込型軌道に関連した先行技術として、大韓民国公開特許第2016-17296号には「海中鉄道軌道の踏切構造」という名称の発明が開示されているが、図4aおよび図4bを参照して説明する。
【0021】
図4aは従来の技術に係る海中鉄道軌道の踏切構造を示した斜視図であり、図4bは断面図である。
【0022】
図4aおよび図4bに図示された通り、従来の技術に係る海中鉄道軌道の踏切構造40は、レール溝41に設置される一対のレール42、および一対のレール42の間に設置されるラック43からなる海中鉄道軌道において、海中鉄道軌道を横切って一般車両が通過できるようにする踏切に位置したラック43の下部には設置溝44が形成され、ラック43を昇下降させる昇下降手段46からなる。
【0023】
より具体的には、ラック昇下降手段46はラック43の下部に一定間隔で形成される昇下降用ラックギア46aおよび昇下降用ラックギア46aの外側に対応するように設置溝45の外側に設置される昇下降用ピニオンギア46bからなる。
【0024】
すなわち、昇下降用ピニオンギア46bはモータの回転によってラック43の上下方向に回転するように設置溝45の外側面に平行に設置され、昇下降用ラックギア46aは昇下降用ピニオンギア46bに噛み合うように鋸歯が形成されて昇下降用ピニオンギア46bの駆動によって上下に昇降または下降することになる。
【0025】
従来の技術に係る海中鉄道軌道の踏切構構によると、埋込型レールとラックからなる鉄道軌道において、ラックが上下に昇下降作動するようにする昇下降手段を具備して、山岳列車以外の一般車両が鉄道軌道を渡ろうとする時、ラックが下降するようにして一般車両の通行を妨害しなくなる。
【0026】
すなわち、車両感知センサを通じて踏切で車両を感知することになると、昇下降手段を通じてラックギアを下降させて昇下降手段の作動を制御することによって、車両が通行できる道路と山岳鉄道が運行できる山岳鉄道の線路に併用することができる。
【0027】
一方、山岳鉄道のラック軌道に関連した先行技術として、大韓民国登録特許第10-2258340号には「山岳鉄道用軌道」という名称の発明が開示されているが、図5aおよび図5bを参照して説明する。
【0028】
図5aは従来の技術に係る山岳鉄道用軌道構造の概念を示す側面図であり、図5bは平面図である。
【0029】
図5aおよび図5bを参照すると、従来の技術に係る山岳鉄道用軌道構造の場合、山岳鉄道軌道の傾斜面が始まる地点に設置される第1ラックレール52;および傾斜面に設置される第2ラックレール53からなる。
【0030】
ここで、傾斜面が始まる地点に設置される第1ラックレール52の前方には、平地に埋込設置される平地ラックレール51が設置される。
【0031】
また、平地ラックレール51、第1ラックレール52および第2ラックレール53は山岳列車の下部に備えられるピニオンギアに対応するように設置されて、山岳列車が傾斜が急な区間を走行する時、ピニオンギアと平地ラックレール51、第1ラックレール52および第2ラックレール53の噛み合いによって山岳列車が傾斜した下部に滑ることを防止することによって、山岳列車は安定的に走行することができる。
【0032】
具体的には、第1ラックレール52は下部に空間部52aが形成され、第1ラックレール52の下部には弾性部材54が備えられて第1ラックレール52を弾性支持することになる。この時、弾性部材54により第1ラックレール52と第2ラックレール53は上部面が一直線上に位置して連結された状態を維持することになる。
【0033】
また、第1ラックレール52は平地ラックレール51および第2ラックレール53と接する前端部および後端部が山岳列車の進入方向に向かって下向きの傾きを有するように傾斜面52b、52cが形成されて、山岳列車の進入または進出時に山岳列車の自重によって第1ラックレール52が加圧されて平地ラックレール51側にスライド移動することになる。
【0034】
この時、図5bに図示された通り、第1ラックレール52の前方および後方にはガイド部52d、52eが形成され、平地ラックレール51の後端部および第2ラックレール53の前端部にはガイド溝51a、53aがそれぞれ形成される。
【0035】
従来の技術に係る山岳鉄道用軌道構造によると、山岳鉄道軌道の傾斜面に設置されるラックレールを傾斜面が始まる地点に設置される第1ラックレールと傾斜面に設置される第2ラックレールに分離構成し、第1ラックレールの下部に弾性部材を設置して山岳鉄道が傾斜面に進入する時、第1ラックレールが下部に加圧されながら山岳列車のピニオンギアが第2ラックレールと容易に噛み合いがなされる。
【0036】
一方、他の先行技術として、大韓民国登録特許第10-1654889号には「山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造」という名称の発明が開示されているが、図6aおよび図6bを参照して説明する。
【0037】
図6aは従来の技術に係る山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造の概念を説明するための図面であり、図6bは山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造の弾性部材が備えられた概念を説明するための図面である。
【0038】
図6aに図示された通り、山岳列車が走行する線路に設置されるラック60またはラックギアはギア山61とギア谷62で形成され、ギア山61の間に形成されるギア谷62の下部に第1緩衝部材63aが備えられる。
【0039】
ここで、第1緩衝部材63aはゴムまたは合成ゴムのような弾性力の良い材質からなり、ラック60のギア山61と山岳列車の下部に備えられるピニオン70に形成されたギア山71が噛み合う時に発生する振動および騒音を減殺することができる。
【0040】
従来の技術に係る山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造の場合、山岳鉄道用線路に設置されるラック60のギア谷62の内側に弾性力が良い第1緩衝部材63aを具備することによって、ピニオン70のギア山71がラック60のギア谷62に挿入される時、ピニオン70のギア山71の端部と接触時にピニオン70の荷重を緩衝させ、それにより、ラック60とピニオン70が噛み合う時に発生する振動も相当量減殺させることによって、山岳列車はより安定的に走行することができる。
【0041】
この時、第1緩衝部材63aが設置されるラック16の中心部には排水孔64を設置して雨または雪による水が容易に排水される。
【0042】
また、図6bに図示された通り、山岳鉄道を形成する線路に備えられるラック60はギア山61とギア谷62からなるが、ギア谷62の内側には第2緩衝部材63bが備えられてピニオン70とラック60が噛み合う時に発生する振動および騒音を減殺させることができる。
【0043】
ここで、第2緩衝部材63bは銅またはアルミニウムのような非鉄金属からなり、金属からなるピニオン70と接する時に発生する摩擦を減らして、騒音を低減させることができる。
【0044】
また、ラック60を形成するギア谷62の下部には挿入孔62aが形成され、挿入孔62aの内側には弾性部材62cが挿入設置されるが、弾性部材62cは挿入孔62aの上部に突出するように設置されることによって、ラック60のギア谷62に設置される緩衝部材73bを上部に弾性支持することになる。
【0045】
また、ラック60の下部に形成される挿入孔62aの下部には排水孔62bがさらに形成されるが、排水孔62bはラック60の上部と下部が互いに連通するように形成されることによって、雨が降ったり積もった雪が溶けてできた水を下部に排出するようにしてラック60のギア谷62に水が溜まることを防止することになる。
【0046】
従来の技術に係る山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造によると、山岳鉄道で線路に設置されるラックはギア山とギア谷からなり、ギア谷にはゴムや合成ゴムのような弾性力が良い緩衝部材を具備することによって、ラックとピニオンが噛み合う時に発生する振動および騒音を減殺させて乗車感を向上させ、鉄道車両が安定的に走行できるようにする。
【0047】
また、山岳鉄道の線路に設置されるラックのギア谷に緩衝部材を具備するものの、第1緩衝部材をアルミニウムや銅のような非鉄金属で形成してピニオンギアのギア山と接触する時の摩擦を減らして騒音を減殺させるだけでなく、第1緩衝部材の下部に弾性部材を具備して、接触時にピニオンギアとぶつかる力を減殺させることによって振動も減殺させ、また、第2緩衝部材を非鉄金属で形成することによってゴムや合成ゴムより耐久性がよいので、より長時間使用できるため維持費用を節減することができる。
【0048】
一方、さらに他の先行技術として、大韓民国公開特許第2018-69196号には「山岳列車用ラックレール間隔調節装置およびこれを利用した間隔調節方法」という名称の発明が開示されているが、図7aおよび図7bを参照して説明する。
【0049】
図7aは従来の技術に係る山岳列車用ラックレール間隔調節装置が設置された第1および第2ラックレールの端部を調節することを示す斜視図であり、図7bは山岳列車用ラックレール間隔調節装置の正面図である。
【0050】
図7aおよび図7bに図示された通り、従来の技術に係る山岳列車用ラックレール間隔調節装置90は、山岳列車が移動する線路上に連続的に設置される第1および第2ラックレール81、82の端部に第1および第2支持柱91、92により固定され、第1および第2連結フレーム93、94にねじ山が形成されて第1および第2連結柱95、96に連結され、この時、第1および第2連結柱95、96の端部が共にねじ結合されるターンバックル97を調整することによって、微細に第1および第2ラックレール81、82の鋸歯81a、82a間の間隔を調整することができる。
【0051】
この時、第1および第2連結フレーム93、94は第1および第2支持柱91、92により第1および第2ラックレール81、82の端部の側面に一体に固定される。
【0052】
従来の技術に係る山岳列車用ラックレール間隔調節装置によると、山岳鉄道システムに使われる第1および第2ラックレールの設置位置を簡単な構成で調整できるため、第1および第2ラックレール上に形成される第1および第2ラックギアのピッチ間隔RPをターンバックルの回転だけで容易に調節することができる。
【0053】
また、第1および第2ラックレール上に形成される第1および第2ラックギアのピッチ間隔を微細間隔調節することが可能であるのでラックレールのピッチ間隔を正確に一致させることができるため、山岳列車の走行安定性を向上させるとともに脱線の危険も減らすことができる。
【0054】
しかし、従来の技術に係る山岳列車用ラックレール間隔調節装置の場合、ターンバックルの回転だけでピッチを調節した後、後続の施工時にターンバックルが緩むことによりピッチが変わる可能性が高いという問題点がある。
【0055】
一方、従来の技術によると、非ラック区間連結装置を設置することはできるが、予め構成されたラックギアの高さと非常に同一に別途に設置することが難しいという問題点があり、また、埋め込まれたラックの上昇および下降の構成を活用することはできるが、ただし下降および上昇を制御する構成を開示している。
【0056】
換言すると、山岳鉄道ラック軌道において、ラック区間と非ラック区間に区分される区間であるか、またはラック軌道の分岐器においてラック構造が断絶する非ラック区間が発生することになるが、この時、ラックが断絶した非ラック区間でラックの代わりの役割をすることによってピニオンギアとラックギアの噛み合いが円滑になされるようにする装置が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【文献】大韓民国登録特許第10-2258340号(登録日:2021年5月25日)、発明の名称:「山岳鉄道用軌道」
【文献】大韓民国登録特許第10-1654889号(登録日:2016年8月31日)、発明の名称:「山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造」
【文献】大韓民国登録特許第10-1545967号(登録日:2015年8月13日)、発明の名称:「山岳鉄道用ピニオンギア昇下降構造」
【文献】大韓民国公開特許第2016-127280号(公開日:2016年11月3日)、発明の名称:「山岳鉄道用軌道構造」
【文献】大韓民国公開特許第2018-69196号(公開日:2018年6月25日)、発明の名称:「山岳列車用ラックレール間隔調節装置およびこれを利用した間隔調節方法」
【文献】大韓民国公開特許第2016-17296号(公開日:2016年2月16日)、発明の名称:「海中鉄道軌道の踏切構造」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0058】
前述した問題点を解決するための本発明が達成しようとする技術的課題は、山岳列車の下部の車軸に設置されたピニオンに形成されたピニオンギアとの上下の噛み合いがなされるように非ラック区間に設置されたラック噛み合い案内装置が、ラックが断絶した非ラック区間でラックの代わりの役割をすることができる、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法を提供するためのものである。
【0059】
本発明が達成しようとする他の技術的課題は、山岳鉄道ラック軌道に沿って走行中の山岳列車が、ラック区間と非ラック区間が混ざる状況が発生したり、分岐器の区間でラックが断絶する非ラック区間が発生する場合、ラック区間と非ラック区間の間を連結することによって、山岳列車の連続的な運行に支障が発生しないようにする、山岳鉄道レックェドヨンラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法を提供するためのものである。
【0060】
本発明が達成しようとするさらに他の技術的課題は、ピニオンギアがラックギアと噛み合うように山岳列車の進入時、スプリングや弾性力のある部材などからなるクッショニング部材がラック噛み合い案内装置の下方圧力を所定量吸収できる、山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置およびこれを利用したラック噛み合い方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0061】
前述した技術的課題を達成するための手段として、本発明に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置は、山岳鉄道ラック軌道でラックが設置されていない非ラック区間の進出地点または進入地点に設置されて、山岳鉄道ラック軌道のラックギアと山岳列車のピニオンギアとの円滑な噛み合いがなされるように案内するラック噛み合い案内装置であって、山岳鉄道ラック軌道のラックに対応して非ラック区間の始点部または終点部に設置されるベースプレート;前記ラックに形成されたラックギアのピッチ間隔と同一のピッチ間隔で前記ベースプレート上に前記ラックの縦方向に沿って形成されて前記山岳列車のピニオンギアと前記ラックギアの噛み合いを案内する補助ラックギア;前記ベースプレートの前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車の下部に設置されたピニオンにより前記ベースプレート印加される下方圧力を吸収するクッショニング部材;および前記山岳列車の進入により前記山岳列車のピニオンギアが接触するように前記補助ラックギアの前端部に設置される接触部材を含んで構成される。
【0062】
ここで、前記ベースプレートの一側は前記ラックに密着し、前記ベースプレートの他側には前記接触部材が形成されて前記山岳列車の進入または進出を感知することができる。
【0063】
前記ベースプレートは山岳鉄道ラック軌道のラックの幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され得る。
【0064】
ここで、前記補助ラックギアの横方向の幅は前記ラックギアの横方向の幅より狭く形成され、前記ピニオンギアが前記ラックギアと噛み合うことに比べて前記ピニオンギアが前記補助ラックギアと容易な噛み合いがなされ得る。
【0065】
ここで、前記クッショニング部材はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレートの下部に少なくとも4つ以上設置され得る。
【0066】
本発明に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置は、前記クッショニング部材の下端部を枕木またはコンクリートパネルに固定するクッショニング部材締結装置を追加で含むことができる。
【0067】
ここで、前記クッショニング部材締結装置はベース板とアンカーボルトからなり、前記ベース板に前記クッショニング部材の下部が固定され、前記アンカーボルトはベース板に形成されたアンカーホールを通じて前記枕木またはコンクリートパネルに前記クッショニング部材を固定することができる。
【0068】
本発明に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置は、前記接触部材の一側に設置されて前記山岳列車のピニオンが前記補助ラックギアに沿って進入することを感知する接触感知センサを追加で含むことができる。
【0069】
一方、前述した技術的課題を達成するための他の手段として、本発明に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法は、a)ベースプレート、補助ラックギア、クッショニング部材および接触部材からなるラック噛み合い案内装置を山岳鉄道ラック軌道の非ラック区間終点部に設置する段階;b)下部にピニオンが設置された山岳列車が非ラック区間からラック区間に進入運行する段階;c)前記山岳列車の下部のピニオンに形成されたピニオンギアが前記ラック噛み合い案内装置の接触部材に接触する段階;d)前記ラック噛み合い案内装置の補助ラックギアに沿って前記山岳列車の進入を案内する段階;e)前記ラック噛み合い案内装置のクッショニング部材が前記ベースプレートの前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車のピニオンを通じて印加される下方圧力を吸収する段階;f)前記山岳列車のピニオンに形成されたピニオンギアのラック進入角度が調整された状態で、前記ピニオンギアが前記山岳鉄道ラック軌道のラックに形成されたラックギアと噛み合いがなされる段階;およびg)前記ピニオンギアとラックギアの噛み合いがなされた状態で前記山岳列車がラック区間を運行する段階を含んでなり、前記a)段階のベースプレートの一側は前記ラックに密着し、前記ベースプレートの他側には前記接触部材が形成されて前記山岳列車の進入を感知することができる。
【0070】
一方、前述した技術的課題を達成するための他の手段として、本発明に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法は、a)ベースプレート、補助ラックギア、クッショニング部材および接触部材からなるラック噛み合い案内装置を山岳鉄道ラック軌道の非ラック区間始点部に設置する段階;b)下部にピニオンが設置された山岳列車がラック区間から非ラック区間に進出するように運行する段階;c)山岳列車の下部ピニオンが山岳鉄道ラック軌道のラックから離脱時、前記ラック噛み合い案内装置の補助ラックギアに沿って山岳列車の進出を案内する段階;d)前記ラック噛み合い案内装置のクッショニング部材が前記ベースプレートの前端部及び後端部のそれぞれの左側及び右側の下部で、かつ左外側及び右外側に突出するようにそれぞれ設置されて前記山岳列車のピニオンを通じて印加される下方圧力を吸収する段階;e)前記山岳列車のピニオンに形成されたピニオンギアが前記山岳鉄道ラック軌道のラックに形成されたラックギアから噛み合いを解除する段階;およびf)前記ピニオンギアとラックギアの噛み合いが解除された状態で、前記ラック噛み合い案内装置から離脱して前記山岳列車が非ラック区間に沿って運行する段階を含んでなり、前記a)段階のベースプレートの一側は前記ラックに密着し、前記ベースプレートの他側には前記接触部材が形成されて前記山岳列車の進入を感知することができる。
【発明の効果】
【0071】
本発明によると、山岳列車の下部の車軸に設置されたピニオンに形成されたピニオンギアとの上下の噛み合いがなされるように非ラック区間に設置されたラック噛み合い案内装置が、ラックが断絶した非ラック区間でラックの代わりの役割をすることによってピニオンギアとラックギアの噛み合いが円滑になされ得る。
【0072】
本発明によると、山岳鉄道ラック軌道に沿って走行中の山岳列車がラック区間と非ラック区間が混ざる状況が発生したり、分岐器の区間でラックが断絶する非ラック区間が発生する場合、ラック区間と非ラック区間の間を連結することによって、山岳列車の連続的な運行に支障が発生しないようにする。
【0073】
本発明によると、ピニオンギアがラックギアと噛み合うように山岳列車の進入時、スプリングや弾性力のある部材などからなるクッショニング部材がラック噛み合い案内装置の下方圧力を所定量吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1a】通常の山岳鉄道を例示する写真である。
図1b】山岳鉄道駆動装置を含む山岳鉄道走行システムを例示する図面である。
図2a】従来の技術に係る山岳鉄道用線路を示す斜視図である。
図2b】埋込型鋸歯軌道を例示する図面である。
図3a】従来の技術に係る山岳鉄道ラック軌道に設置されるラックアセンブリの組立図である。
図3b】山岳列車の下部に設置されるピニオンの概念を説明するための図面である。
図4a】従来の技術に係る海中鉄道軌道の踏切構造を示した斜視図である。
図4b】従来の技術に係る海中鉄道軌道の踏切構造を示した断面図である。
図5a】従来の技術に係る山岳鉄道用軌道構造の概念を示す側面図である。
図5b】従来の技術に係る山岳鉄道用軌道構造の概念を示す平面図である。
図6a】従来の技術に係る山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造の概念を説明するための図面である。
図6b】山岳鉄道軌道のラックギア振動減殺構造の弾性部材が備えられた概念を説明するための図面である。
図7a】従来の技術に係る山岳列車用ラックレール間隔調節装置が設置された第1および第2ラックレールの端部を調節することを示す斜視図である。
図7b】山岳列車用ラックレール間隔調節装置の正面図である。
図8】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を示す平面図である。
図9】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を示す側面図である。
図10】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が設置される分岐器の非ラック区間を例示する図面である。
図11】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が適用され得るコンクリートパネル埋込式ラック軌道を示す図面である。
図12】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が設置されたことを例示する写真である。
図13】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法を示す動作フローチャートである。
図14】本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い解除方法を示す動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下では、添付した図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分については類似する図面符号を付した。
【0076】
明細書全体で、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものでなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0077】
[山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100]
【0078】
図8は本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を示す平面図であり、図9は本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を示す側面図であり、図10は本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が設置されたことを例示する写真である。
【0079】
図8および図9を参照すると、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100は、ベースプレート110、補助ラックギア120、クッショニング部材130、クッショニング部材締結装置140、接触部材150および接触感知センサ160を含んで構成され、この時、山岳鉄道ラック軌道が枕木据え置き式ラック軌道であるものとして説明するが、後述するように、コンクリートパネル埋込式ラック軌道であってもよい。
【0080】
ベースプレート110は山岳鉄道ラック軌道200のラック330に対応して非ラック区間(Non-Rack Area)の始点部または終点部に設置される。
【0081】
この時、前記ベースプレート110の一側は前記ラック330に密着し、前記ベースプレート110の他側には接触部材150が形成されて山岳列車400の進入または進出を感知することになる。また、前記ベースプレート110は山岳鉄道ラック軌道200のラック330の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成される。
【0082】
補助ラックギア120は前記ラック330に形成されたラックギア331のピッチ間隔と同一のピッチ間隔で前記ベースプレート110上に縦方向に形成されて前記山岳列車400のピニオンギア431とラックギア331の噛み合いを案内する。
【0083】
この時、補助ラックギア120の数は前記山岳列車400のピニオン430に形成されたピニオンギア431の数より多く形成され、これに伴い、前記ピニオン430は前記ベースプレート110上で少なくとも1回転以上回転することになる。
【0084】
この時、前記補助ラックギア120の横方向の幅は前記ラックギア331の横方向の幅より狭く形成され、前記ピニオンギア431が前記ラックギア331と噛み合うことに比べて前記補助ラックギア120とより容易に噛み合いがなされる。
【0085】
すなわち、前記補助ラックギア120は前記山岳列車400が滑ることを防止するためのものではなく、ラックの締結を案内するためのものであるため、前記ラックギア331の横方向の幅より狭く形成されることが好ましい。
【0086】
クッショニング部材130は前記ベースプレート110の両端部両側の下部にそれぞれ設置されて山岳列車400の下部に設置されたピニオン430により前記ベースプレート110に印加される下方圧力を吸収する。
【0087】
例えば、前記クッショニング部材130は前記ベースプレート110の下部に少なくとも4つ以上設置され得、スプリングや弾性部材で形成され得る。
【0088】
また、前記クッショニング部材130が山岳列車400の進入時に山岳列車400の自重によって下方に印加される圧力を吸収することによって、前記ベースプレート110の位置が上下に微細調整され、前記山岳列車400のピニオン430に形成されたピニオンギア431と前記ラック330のラックギア331間のラック進入角度が調整され、これに伴い、前記ピニオンギア431とラックギア331の噛み合いが円滑になされ得る。
【0089】
クッショニング部材締結装置140は前記クッショニング部材130の下端部を枕木210またはコンクリートパネル220に固定する。
【0090】
例えば、前記クッショニング部材締結装置140はベース板とアンカーボルトからなり、前記ベース板に前記クッショニング部材130の下部が固定され、前記アンカーボルトはベース板に形成されたアンカーホールを通じて前記枕木210またはコンクリートパネル220に固定する。
【0091】
この時、前記クッショニング部材130の上端部は前記ベースプレート110に固定される。ここで、前記山岳鉄道ラック軌道200は、図9および図10に図示された枕木据え置き式ラック軌道200aであるかまたは後述する図12に図示されたコンクリートパネル埋込式ラック軌道200bであり得る。
【0092】
接触部材150は前記山岳列車400の進入により前記山岳列車400のピニオンギア431が接触するように前記補助ラックギア120の前端部に設置される。
【0093】
接触感知センサ160は、前記接触部材150の一側に設置されて前記山岳列車400のピニオン430が前記補助ラックギア120に沿って進入することを感知する。この時、前記接触感知センサ160により生成された接触感知信号は、無線通信を通じて前記山岳列車400の統制室に伝送されて山岳列車運転者は山岳列車400が山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100に進入することを把握することができる。
【0094】
換言すると、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100の場合、図10に図示された通り、山岳鉄道ラック軌道200のラック区間と非ラック区間の間に補助ラックギア120が形成されたベースプレート110が設置され、前記ベースプレート110の下部にスプリングや弾性部材からなるクッショニング部材が設置される。
【0095】
これに伴い、山岳列車400が前記非ラック区間の山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100を通過する時、山岳列車の下部のピニオンギア431が下方に前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100に印加する圧力を前記クッショニング部材130が吸収することによって、前記ピニオンギア431と前記ラックギア331が良好に噛み合うことができ、その結果、前記ラック区間だけでなく非ラック区間でも山岳列車400が円滑に運行され得る。
【0096】
一方、図11は本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が設置される分岐器の非ラック区間を例示する図面である。
【0097】
本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100の場合、図11に図示された通り、例えば、分岐器の非ラック区間に設置され得る。
【0098】
具体的には、山岳鉄道のラック軌道用分岐器は、主レール、分岐レール、ラック、枕木および埋込型線路切り換え器を含んで構成される。
【0099】
主レールはポイント部、リード部およびクロッシング部に区分されるラック軌道用分岐器の主方向に設置され、基本レール、タングレール、リードレールおよびガードレールを含むことができる。
【0100】
分岐レールは前記ラック軌道用分岐器の分期方向に設置され、基本レール、タングレール、リードレールおよびガードレールを含むことができる。
【0101】
ラックは前記分岐器の非ラック区間に設置されず、前記分岐器のラック区間にのみ設置される。ここで、非ラック区間は前記ラックが設置されない区間であり、前記ラック区間は前記ラックが設置された区間をいい、例えば、前記非ラック区間は山岳鉄道のラック軌道用分岐器でラックと分岐レール間の干渉が発生しないように設置され得る。
【0102】
枕木はその上部に主レール、分岐レールおよびラックが設置される。ここで、前記枕木はラック軌道の類型により施工されない場合もあり、例えば、ラック軌道がコンクリートパネル上に埋め込まれる形態である場合、前記枕木は設置されなくてもよい。
【0103】
これに伴い、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置の場合、山岳鉄道ラック軌道に沿って走行中の山岳列車がラック区間(Rack Area)と非ラック区間(Non-Rack Area)が混在する状況が発生したり、分岐器の区間でラックが断絶する非ラック区間が発生する場合、ラック区間と非ラック区間の間を連結することによって、山岳列車の連続的な運行に支障がないようにする。
【0104】
一方、図12は本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が適用され得るコンクリートパネル埋込式ラック軌道を示す図面である。
【0105】
本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100は、前述した枕木据え置き式ラック軌道200aに適用されたり、またはコンクリートパネル埋込式ラック軌道200bに適用されてもよい。
【0106】
具体的には、図12に図示された通り、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置が適用され得るコンクリートパネル埋込式ラック軌道200bの場合、山岳列車400は駆動軸である車軸410の両側に走行輪である車輪420が設置され、車軸410の中央にピニオン430が設置され、前記車輪420は右側レール320に沿って走行し、前記ピニオン430はピニオンギア431とラックギア331が噛み合いがなされた状態で前記ラック330のラックギア331に沿って走行することになる。
【0107】
この時、コンクリートパネルには左側レール310、右側レール320およびラック330が埋め込まれ、前記ラック330はラック締結装置350を通じて埋込式コンクリートパネル上に埋込設置され、具体的には、前記ラック締結装置350はラック固定用アンカー351、ラック連結板352およびラック締結ボルト353を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0108】
つまり、本発明の実施例によると、山岳鉄道ラック軌道のラック区間と非ラック区間の間にラック噛み合い案内装置のベースプレートを設置し、前記ベースプレート上に形成された補助ラックギアに沿って前記山岳列車の下部のピニオンギアが案内される時、前記ラック噛み合い案内装置に印加される下方圧力を吸収できるように前記ベースプレートの下部にスプリングまたは弾性部材などのクッショニング部材を設置することによって、前記非ラック区間でも山岳列車が円滑に運行することができる。
【0109】
[山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法]
【0110】
図13は、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法を示す動作フローチャートである。
【0111】
図13を参照すると、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い方法は、まず、ベースプレート110、補助ラックギア120、クッショニング部材130および接触部材150からなる山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100を山岳鉄道ラック軌道200の非ラック区間終点部に設置する(S110)。
【0112】
ここで、前記山岳鉄道ラック軌道200は枕木据え置き式ラック軌道200aであるかコンクリートパネル埋込式ラック軌道200bであり得る。また、前記非ラック区間終点部は山岳列車400が山岳鉄道ラック軌道200に進入する地点をいう。
【0113】
具体的には、前記ベースプレート110の一側は前記ラック330に密着し、前記ベースプレート110の他側には前記接触部材150が形成されて前記山岳列車400の進入を感知し、この時、前記ベースプレート110は山岳鉄道ラック軌道200のラック330の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され得る。また、前記補助ラックギア120の横方向の幅は前記ラックギア331の横方向の幅より狭く形成される。
【0114】
次に、下部にピニオン430が設置された山岳列車400が非ラック区間からラック区間に進入運行する(S120)。
【0115】
次に、前記山岳列車400の下部のピニオン430に形成されたピニオンギア431が前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100の接触部材150に接触する(S130)。
【0116】
次に、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100の補助ラックギア120に沿って前記山岳列車400の進入を案内する(S140)。
【0117】
次に、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100のクッショニング部材130が前記山岳列車400のピニオン430を通じて印加される下方圧力を吸収する(S150)。
【0118】
この時、前記クッショニング部材130はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート110の下部に少なくとも4つ以上設置される。
【0119】
次に、前記山岳列車400のピニオン430に形成されたピニオンギア431のラック進入角度が調整された状態で、前記ピニオンギア431が前記山岳鉄道ラック軌道200のラック330に形成されたラックギア331と噛み合いが円滑になされる(S160)。
【0120】
すなわち、前述した通り、前記クッショニング部材130が山岳列車400の進入時に山岳列車400の自重によって下方に印加される圧力を吸収することにより、前記ベースプレート110の位置が上下に微細調整され、前記山岳列車400のピニオン430に形成されたピニオンギア431と前記ラック330のラックギア331間のラック進入角度が調整され、これに伴い、前記ピニオンギア431とラックギア331の噛み合いが円滑になされ得る。
【0121】
次に、前記ピニオンギア431とラックギア331の噛み合いがなされた状態で、前記山岳列車400がラック区間を運行することができる(S170)。
【0122】
換言すると、山岳鉄道ラック軌道200のラック区間と非ラック区間の間、すなわち、非ラック区間の始点部または終点部に山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100が設置されることによって、山岳列車400が山岳鉄道ラック軌道200上で円滑に運行することができる。
【0123】
この時、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100はベースプレート110、補助ラックギア120およびクッショニング部材130からなり、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100は山岳鉄道ラック軌道のラック区間と非ラック区間の間に設置される。
【0124】
また、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100で、クッショニング部材130はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート110の下部に設置されて前記ピニオン430に形成されたピニオンギア431により下方に前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100に印加される圧力を吸収する。
【0125】
また、前記ベースプレート110の下部にスプリングや弾性部材からなるクッショニング部材130が設置されることによって、山岳列車400が山岳鉄道ラック軌道200の非ラック区間の前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100を通過して案内される時、山岳列車400の下部のピニオン430に形成されたピニオンギア431が下方に前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100に印加される圧力を前記クッショニング部材130が吸収することによって、前記ピニオンギア431と前記ラックギア331が円滑に噛み合うことができ、これに伴い、山岳鉄道ラック軌道200の非ラック区間でも山岳列車400が円滑に運行することができる。
【0126】
[山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い解除方法]
【0127】
図14は、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い解除方法を示す動作フローチャートである。
【0128】
図14を参照すると、本発明の実施例に係る山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置を利用したラック噛み合い解除方法は、まず、ベースプレート110、補助ラックギア120、クッショニング部材130および接触部材150からなる山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100を山岳鉄道ラック軌道200の非ラック区間の始点部に設置する(S210)。
【0129】
ここで、前記山岳鉄道ラック軌道200は枕木据え置き式ラック軌道200aであるかコンクリートパネル埋込式ラック軌道200bであり得る。
【0130】
また、前記非ラック区間始点部は山岳列車400が山岳鉄道ラック軌道200から進出する地点をいう。
【0131】
具体的には、前記ベースプレート110の一側は前記ラック330に密着し、前記ベースプレート110の他側には前記接触部材150が形成されて前記山岳列車400の進出を感知し、この時、前記ベースプレート110は山岳鉄道ラック軌道200のラック330の幅より広い幅で形成され、鋼材材質で形成され得る。また、前記補助ラックギア120の横方向の幅は前記ラックギア331の横方向の幅より狭く形成される。
【0132】
次に、下部にピニオン430が設置された山岳列車400がラック区間から非ラック区間に進出するように運行する(S220)。
【0133】
次に、山岳列車400のピニオン430が山岳鉄道ラック軌道200のラック330から離脱時、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100の補助ラックギア120に沿って山岳列車400の進出を案内する(S230)。
【0134】
次に、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100のクッショニング部材130が前記山岳列車400のピニオン430を通じて印加される下方圧力を吸収する(S240)。
【0135】
この時、前記クッショニング部材130はスプリングや弾性部材で形成され、前記ベースプレート110の下部に少なくとも4つ以上設置される。
【0136】
次に、前記山岳列車400のピニオン430に形成されたピニオンギア431が前記山岳鉄道ラック軌道200のラック330に形成されたラックギア331から噛み合いを解除する(S250)。
【0137】
次に、前記ピニオンギア431とラックギア331の噛み合いが解除された状態で、前記山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置100から容易に離脱して前記山岳列車400が非ラック区間に沿って安定的に運行することができる(S260)。
【0138】
つまり、本発明の実施例によると、山岳列車の下部の車軸に設置されたピニオンに形成されたピニオンギアとの上下の噛み合いがなされるように非ラック区間に設置されたラック噛み合い案内装置が、ラックが断絶した非ラック区間でラックの代わりの役割をすることによってピニオンギアとラックギアの噛み合いが円滑になされ得る。
【0139】
また、山岳鉄道ラック軌道に沿って走行中の山岳列車がラック区間と非ラック区間が混ざる状況が発生したり、分岐器の区間でラックが断絶する非ラック区間が発生する場合、ラック区間と非ラック区間の間を連結することによって、山岳列車の連続的な運行に支障が発生しないようにする。
【0140】
また、ピニオンギアがラックギアと噛み合うように山岳列車の進入時、スプリングや弾性力のある部材などからなるクッショニング部材がラック噛み合い案内装置の下方圧力を所定量吸収することができる。
【0141】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散されて実施されてもよく、同様に分散されたものとして説明されている構成要素も結合された形態で実施され得る。
【0142】
本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0143】
100:山岳鉄道ラック軌道用ラック噛み合い案内装置
110:ベースプレート
120:補助ラックギア
130:クッショニング部材
140:クッショニング部材締結装置
150:接触部材
160:接触感知センサ
200:山岳鉄道ラック軌道
200a:枕木据え置き式ラック軌道
200b:コンクリートパネル埋込式ラック軌道
210:枕木
220:コンクリートパネル
310:左側レール
320:右側レール
330:ラック
331:ラックギア
340:レール締結装置
350:ラック締結装置
400:山岳列車
410:車軸(駆動軸)
420:車輪(走行輪)
430:ピニオン
431:ピニオンギア
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14