(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20241115BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20241115BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2023194932
(22)【出願日】2023-11-16
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真司
(72)【発明者】
【氏名】道満 隆志
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204262(JP,A)
【文献】特開2022-132860(JP,A)
【文献】特開2017-033263(JP,A)
【文献】特開2022-029923(JP,A)
【文献】特許第7360222(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
第1の予約受付チャネルを介した予約に関する第1の予約情報と、前記第1の予約受付チャネルとは異なる第2の予約受付チャネルを介した予約に関する第2の予約情報とを含む統合予約情報を同一のデータフォーマットに格納する記憶部と
、
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
加盟店決済端末から受信した第1の通知に基づいて前記第1の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第1の通知は第1の決済情報を含む、ことと、
前記第2の予約受付チャネルを介して受信した第2の通知に基づいて前記第2の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第2の通知は第2の決済情報を含む、ことと、
前記記憶部から、予約日が過去日付の統合予約情報であって、
利用開始フラグに利用開始済の情報がセットされておらず、キャンセル料に値0がセットされていない統合予約情報を読み出すことと、
読み出された前記統合予約情報に関連付けられる信用照会結果が取引承認を示す前記統合予約情報に基づいてカード決済のための売上電文を生成することと
、
を実行するように構成されている
、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の予約受付チャネルは、前記加盟店決済端末を介して予約を受け付ける予約受付チャネルであり、前記第2の予約受付チャネルは、前記情報処理装置によって提供されるWeb予約機能を介して予約を受け付ける予約受付チャネルである、請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の予約受付チャネルは、前記加盟店決済端末を介して予約を受け付ける予約受付チャネルであり、前記第2の予約受付チャネルは、前記情報処理装置によって提供される電話予約機能を介して予約を受け付ける予約受付チャネルである、請求項1の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記加盟店決済端末から、前記第1の決済情報を含んでいない第1の予約情報を受信して前記記憶部に格納することをさらに実行するように構成されており、
前記第1の予約情報に含まれることになる前記第1の決済情報は、取引承認と判定された決済情報である、
請求項1の情報処理装置。
【請求項5】
読み出された前記統合予約情報に関連付けられる信用照会結果が取引非承認を示す前記統合予約情報に基づいて結果リストを生成して前記加盟店決済端末に送信し、
前記加盟店決済端末から、予約不可情報を受信して、今後の予約を制限するためのNGリストを前記記憶部に格納する、
請求項1の情報処理装置。
【請求項6】
前記加盟店決済端末から来訪情報を受信したことに応答して、前記来訪情報に含まれる加盟店識別情報及び予約者識別情報に基づいて前記記憶部から対応する前記統合予約情報を読み出して、読み出した前記統合予約情報に来訪済情報をセットすることと、
前記加盟店決済端末から予約者の利用開始を示すデータを受信したことに応答して、前記予約者に関連付けられる統合予約情報を読み出して、読み出した前記統合予約情報のキャンセル料に0をセットすることと
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項7】
制御部と、
第1の予約受付チャネルを介した予約に関する第1の予約情報と、前記第1の予約受付チャネルとは異なる第2の予約受付チャネルを介した予約に関する第2の予約情報とを含む統合予約情報を同一のデータフォーマットに格納する記憶部と
を備えた情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記制御部が、加盟店決済端末から受信した第1の通知に基づいて前記第1の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第1の通知は第1の決済情報を含む、ことと、
前記制御部が、前記第2の予約受付チャネルを介して受信した第2の通知に基づいて前記第2の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第2の通知は第2の決済情報を含む、ことと、
前記制御部が、前記記憶部から、予約日が過去日付の統合予約情報であって、
利用開始フラグに利用開始済の情報がセットされておらず、キャンセル料に値0がセットされていない統合予約情報を読み出すことと、
前記制御部が、読み出された前記統合予約情報に関連付けられる信用照会結果が取引承認を示す前記統合予約情報に基づいてカード決済のための売上電文を生成することと
、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の予約受付チャネルから取得した予約情報を統合して制御し、ノーショー予約者に対する課金処理を行う情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。さらに、本発明は、来訪した予約者の待ち情報処理及び利用開始処理を実行する情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスを購入あるいは利用する際に、商品やサービスの提供者に対して予約を行うことが知られている。例えば、飲食店や宿泊施設は、予約者がいつ、何人で来訪するのかなどの予約情報を受け付け、予約日当日に商品やサービスを提供する。予約の受付は、加盟店の業態によって、Webシステム、電話、店頭などのうち1つまたは複数の予約受付チャネルを介して行われている。
【0003】
近年、予約をしていたにも関わらず、予約日時になっても店に連絡をせず、あるいは店からの連絡を無視して来店しない、いわゆる「ノーショー(No Show)」が問題になっている。特許文献1には、ノーショー対策として予約者からクレジットカード番号を預かり、予約者が来店しない際にカード情報に基づいてキャンセル料を徴収する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カード決済を利用可能な加盟店は、自社または他社Webシステム、電話、店頭などの複数の予約受付チャネルを介して予約受付を行っていることが多い。しかしながら、加盟店の多くは、予約受付のためのデジタル手段と非デジタル手段を組み合わせて予約情報を管理することに問題を抱えている。店頭で予約受付する際には、非デジタル手段で行われることが多く、加盟店の店頭にある加盟店決済端末が予約情報管理のための手段として使用されることはなかった。複数の予約受付チャネルを介した予約情報管理は、人手がかかって非効率であり、予約を受けるための予約受付チャネルを限定している加盟店も多い。
【0006】
加盟店の数は増大しているが、加盟店が個々に予約のためのシステムを導入することは費用面からも技術面からも困難である。仮に、加盟店がノーショー対策のために特許文献1のようなシステムを導入したとしても、他の予約受付チャネルから予約を受け付けている場合には、ノーショー問題の根本的な解決にはならない。複数の予約受付チャネルからの予約を自動で受け付け、それらの情報を統合して制御するとともに、ノーショー予約者に対する課金処理を自動で行うことに対するニーズが増大してきている。
【0007】
加盟店によっては、同じ時間帯に複数の予約を受け付けている。予約者によっては、予約時間よりも早い時間帯に来店してしまい、店に申し出た上で近隣に出かけてしまうこともある。この場合、来訪した予約者の待ち順情報を管理し、座席や部屋への案内などのサービス提供開始時を来訪者に知らせるとともに、待ち順情報を更新する手段がなければ来訪者のスムーズな案内ができなくなる。予約を制御する機能と連携する来訪者管理機能に対するニーズも増大してきている。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数の予約受付チャネルから取得した予約情報を統合して制御し、ノーショー予約者に対する課金処理を行う情報処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、来訪した予約者の待ち情報処理及び利用開始処理を実行する情報処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である情報処理装置は、
制御部と、
第1の予約受付チャネルを介した予約に関する第1の予約情報と、前記第1の予約受付チャネルとは異なる第2の予約受付チャネルを介した予約に関する第2の予約情報とを含む統合予約情報を同一のデータフォーマットに格納する記憶部と
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
加盟店決済端末から受信した第1の通知に基づいて前記第1の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第1の通知は第1の決済情報を含む、ことと、
前記第2の予約受付チャネルを介して受信した第2の通知に基づいて前記第2の予約情報を前記記憶部に格納することであって、前記第2の通知は第2の決済情報を含む、ことと、
前記記憶部から、予約日が過去日付の統合予約情報であって、ノーショー予約者に関連付けられる統合予約情報を読み出すことと、
読み出された前記統合予約情報に関連付けられる信用照会結果が取引承認を示す前記統合予約情報に基づいてカード決済のための売上電文を生成することと
を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の予約受付チャネルから取得したそれぞれの予約情報を統合して制御し、ノーショー予約者に対する課金処理を自動で行い、さらに、来訪した予約者の待ち情報処理及び利用開始処理を実行できるようになる。そのため、加盟店は、予約情報管理及び来店者管理を、人手をかけずに効率的に実行でき、加盟店が利用する全ての予約受付チャネルに対してノーショー対策を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
【
図1】本発明に係る情報処理装置10を含むシステム全体の構成図である。
【
図2】本発明に係る情報処理装置10のシステム構成図である。
【
図3】予約者情報106のデータ構造の一例を説明する図である。
【
図4】予約対象物107のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】予約希望者が、加盟店に設置されている加盟店決済端末14を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。
【
図6】予約希望者が、ユーザ端末12を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。
【
図7】予約希望者が、携帯電話端末13を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。
【
図8】予約者が予約日時に間に合うように加盟店に到着し、実際に予約したサービスを利用開始するまでの処理の流れを説明する図である。
【
図9】ノーショー予約者に対してキャンセル料を課金するとともに、加盟店判断に基づくNGリスト生成処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(全体構成)
図1は、本発明に係る情報処理装置10を含むシステム全体の構成図である。情報処理装置10は、カード会社システム11、ユーザ端末12、携帯電話端末13、及び加盟店決済端末14と相互に通信可能に接続される。情報処理装置10は、アクワイアラーまたは決済代行会社によって使用され、カード会社システム11は、イシュアによって使用される。なお、カードによっては、イシュアとアクワイアラーが同一カード会社となる場合がある。
【0013】
情報処理装置10は、複数の予約受付チャネルから受信した予約情報、すなわち、ユーザ端末12、携帯電話端末13、及び加盟店決済端末14から受信した予約情報に基づいて予約保留(仮予約)処理を実行し、オーソリ処理の結果カード取引承認と判定された決済情報に基づいて予約確定処理を実行する。情報処理装置10は、予約保留処理及び予約確定処理に関連してユーザ端末12、携帯電話端末13、及び加盟店決済端末14との間で情報の通信を行う。なお、予約保留処理、すなわち仮予約処理は、予め定められた期間(例えば、30分から数日程度の期間)が経過すると自動的に解除され、解除後は、予約保留されていた時間帯を他の予約者が予約できるようになる。
【0014】
情報処理装置10は、ユーザ端末12、携帯電話端末13、及び加盟店決済端末14から受信した決済情報に基づいて信用照会電文を生成し、カード番号に対する有効性チェック(すなわち、オーソリ)をカード会社システム11に依頼することができる。情報処理装置10は、オーソリ処理の結果である信用照会結果をカード会社システム11から受信することができる。
【0015】
情報処理装置10は、クレジットカード番号の所定の桁数の情報に基づいて、信用照会電文及び売上電文を送信すべきカード会社システム11を識別する。当業者には周知なように、カード番号の所定の桁数の値は、イシュアとなるカード会社を識別するので、情報処理装置10は、イシュアとなるカード会社のカード会社システム11を識別することができる。信用照会電文は、オーソリ電文とも呼ばれており、加盟店ID、カード番号、及び金額の情報を含む。予約時にカード情報を登録するために生成される信用照会電文の金額は0円であってよい。
【0016】
情報処理装置10は、予約者の加盟店来訪情報に基づいて予約データを更新し、加盟店での実際のサービス提供開始情報に基づいてキャンセル料課金対象から除外する消込処理を行う。情報処理装置10は、ユーザ端末12または加盟店決済端末14からの問い合わせに対して、予約者の待ち順や予定案内時間などの情報を提供することができる。
【0017】
情報処理装置10は、ノーショー予約者の情報に基づいて売上電文を生成し、カード会社システム11に送信してキャンセル料を課金することができる。情報処理装置10は、加盟店決済端末14から予約不可情報を受信し、将来的に予約を受け付けない予約者及び/または決済情報を登録するNGリストを生成することができる。
【0018】
カード会社システム11は、カード番号及び金額情報を含む信用照会電文(オーソリゼーションリクエスト)を情報処理装置10または加盟店決済端末14から受信し、カードの有効性チェック(オーソリ処理)を実行する。オーソリ処理は、信用照会電文に含まれる情報を利用して、カード有効期限のチェック、利用限度額チェックなどを行うことによって、カード取引の承認/非承認を判定する処理である。カード会社システム11は、オーソリ処理の結果に基づいて信用照会結果を生成し、信用照会結果を信用照会電文の送信元に送信する。
【0019】
カード会社システム11は、売上電文を情報処理装置10から受信し、カード売上を計上してカード会員に対して請求書を発行するとともに、カード会員の所定の口座に対する口座引落処理を行う。
【0020】
ユーザ端末12は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、スマートフォン、PC、タブレット型端末など)とすることができるが、特定の装置やデバイスに限定されることはない。ユーザ端末12は、情報処理装置10によって提供されるWeb予約機能(Web予約受付チャネル)を利用することができる。
【0021】
携帯電話端末13は、情報処理装置10との間で電話通信を行うことができ、メッセージを受信可能な端末である。
図1では、ユーザ端末12と携帯電話端末13は、別々のデバイスとして示されているが、両者が同じデバイスであってもよい。携帯電話端末13は、情報処理装置10によって提供される電話予約機能(電話予約受付チャネル)を利用することができる。
【0022】
加盟店決済端末14は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、二次元コードなど様々なキャッシュレス決済に対応可能な決済端末であり、タッチパネル対応のディスプレイを有する決済端末である。加盟店決済端末14は、予約情報管理及び来店者管理のための業務アプリケーションを情報処理装置10からダウンロードして実行することができる。予約情報管理及び来店者管理用の業務アプリケーションは、決済情報を含む予約情報の入力機能、予約情報の照会/変更/キャンセル機能、顧客の提示したカード情報に基づく信用照会電文を生成する機能、情報処理装置10から受信した信用照会結果をディスプレイに出力する/加盟店決済端末14の印刷手段を介して印刷する機能、店頭/Web/電話という3つのチャネルを介して予約された情報を閲覧できる機能などを有している。加盟店決済端末14は、情報処理装置10によって提供される加盟店決済端末予約機能(加盟店決済端末予約受付チャネル)を利用することができる。
【0023】
本発明の一実施形態では、加盟店は、加盟店決済端末14と接続できるPC、タブレット型端末を介して予約情報管理及び来店者管理用の業務アプリケーションを利用することもできる。このため、加盟店は、PCなどからも店頭/Web/電話という3つの予約受付チャネルを介して予約された情報を閲覧することができるようになる。
【0024】
(システム構成)
図2は、本発明に係る情報処理装置10のシステム構成図である。情報処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、IF部104及び出力部105を備える。情報処理装置10は、補助記憶部103内にファイル/データベースなどの記憶手段の形式で、予約者情報106、予約対象物107及びNGリスト108を備える。
【0025】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、情報処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令及び当該命令による演算処理後のデータなどを記憶できる。補助記憶部103は、ハードディスクドライブ(HDD)及びソリッドステートドライブ(SDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0026】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を同一のコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、情報処理装置10は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、情報処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0027】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェース(IF)の役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0028】
制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、IF部104及び出力部105と同様な機能の構成要素は、カード会社システム11、ユーザ端末12、及び加盟店決済端末14にも存在するが、本明細書ではこれらについての説明を省略する。
【0029】
予約者情報106は、それぞれの加盟店に対して予約を行った予約者に関連付けられる情報、及び当該予約者のマスタ情報を格納する。予約者のマスタ情報は、任意の加盟店の予約時に共通して利用できる、予約者に関連する情報である。予約者のマスタ情報は、ある加盟店に予約した情報に基づいて登録することができる。予約者情報106は、任意の有効期間の情報を有しており、情報処理装置10は、例えば、最終利用日と現在日付を比較して一定期間が経過しているデータを削除する(あるいは、使用不可とする)ことができる。
図3は、予約者情報106のデータ構造の一例を説明する図である。予約者情報106は、加盟店ID301、予約者ID302、予約者情報303、及び決済情報304を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0030】
加盟店ID301は、加盟店を識別する識別子または予約者のマスタ情報を示す共通加盟店識別子を示す。共通加盟店識別子は、例えば、All「0」などの所定の値であってよい。予約者ID302は、予約者を識別する識別子である。予約者情報303は、予約者の名前、連絡先、最終利用日などの予約者に関する情報を示す。決済情報304は、予約者の決済手段の情報(例えば、カード番号、カード有効期限、及びセキュリティコード)を示す。
【0031】
図2に戻って説明を続けると、予約対象物107は、それぞれの加盟店が予約対象にしているものに関する情報を格納する。予約対象物107は、後述する、加盟店決済端末14、情報処理装置10のWeb予約機能、及び情報処理装置10の電話予約機能のそれぞれを介して受け付けた予約情報を統合予約情報として同一のデータフォーマットで格納する。
図4は、予約対象物107のデータ構造の一例を示す図である。予約対象物107は、加盟店ID301、予約者ID302、年月日401、予約対象時間帯402、予約人数403、予約者情報404、決済情報405、来訪フラグ406、来訪日時407、利用開始フラグ408、キャンセル料409、及びキャンセル料請求済フラグ410を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0032】
加盟店ID301は、加盟店を識別する識別子である。予約者ID302は、加盟店の予約対象物を予約した者の識別子である。年月日401は、加盟店の予約対象物の予約年月日を示す。予約対象時間帯402は、加盟店の予約対象物ごとに設定された予約対象時間帯を示す。加盟店の業態によって予約対象時間帯の時間長が異なる。客の回転が比較的早い業態では、30分単位の時間帯が設定され(例えば、18時~18時30分、など)、そうではない業態では、比較的長時間の時間帯が設定される(例えば、0時~12時、15時~24時、など)。予約人数403は、予約当日に加盟店を訪問する人数を示す。
【0033】
予約者情報404は、予約者の名前、連絡先などの予約者に関する情報を示す。決済情報405は、予約者の決済手段の情報(例えば、カード番号、カード有効期限、及びセキュリティコード)を示す。予約者がマスタ情報を利用して予約した場合、予約者情報303と予約者情報404の情報は一致し、決済情報304と決済情報405の情報は一致する。
【0034】
来訪フラグ406は、予約者が加盟店に来訪したかどうかを示すフラグである。来訪日時407は、予約者が加盟店に来訪した日時を示す。利用開始フラグ408は、予約者が加盟店において予約対象物の実際の利用(例えば、座席についた、部屋に案内された、など)を開始したかどうかを示すフラグである。キャンセル料409は、それぞれの加盟店によって定められた基準に従うキャンセル料を示す。予約者が加盟店のサービス等を実際に利用すると、キャンセル料が0となり、キャンセル料の課金対象ではなくなる。キャンセル料請求済フラグ410は、ノーショー予約者にキャンセル料を課金したかどうかを示すフラグである。
【0035】
図2に戻って説明を続けると、NGリスト108は、加盟店が今後予約を受け付けたくない者の情報を示すリストである。NGリスト108は、加盟店IDと予約者IDのセット、または決済情報(例えば、カード番号など)を含む。
【0036】
以下、店頭、Webシステム、電話の3つの予約受付チャネルを介した予約受付処理の動作を説明する。いずれの実施形態においても、それぞれの加盟店は、予約対象にしているものに関する情報を予約対象物107に登録済であるものとする。
【0037】
(加盟店の店頭での予約受付処理)
図5は、予約希望者が、加盟店に設置されている加盟店決済端末14を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。加盟店決済端末14は、それぞれの加盟店に設置されており、そのディスプレイ上で予約受付処理及び予約照会/変更/キャンセル処理を行えるメニューを提供する。
図5の処理フローは、予約希望者が当該メニューから予約受付処理を選択した際の動作を説明する。
【0038】
S501にて、加盟店決済端末14は、情報処理装置10から取得した当該加盟店の予約対象物の情報を、加盟店決済端末14のディスプレイに表示する。ディスプレイには、予約可能な日時、人数などの情報が表示される。予約希望者は、希望する日時及び人数などの予約情報を加盟店決済端末14上で入力する。予約希望者が本サービスを以前に利用した際に割り当てられた予約者IDを有している場合には、予約希望者は、予約者IDも入力することができる。
【0039】
S502にて、加盟店決済端末14は、入力された予約情報を情報処理装置10に送信する。予約情報は、加盟店ID、予約日時、人数の情報を含む。予約者IDの入力がなされている場合には、加盟店決済端末14は、予約情報とともに予約者IDも情報処理装置10に送信することができる。
【0040】
S503にて、情報処理装置10は、加盟店決済端末14から受信した情報を予約対象物107に格納する。情報処理装置10は、決済情報を予約対象物107に格納していないため、この段階では予約は仮予約状態(保留状態)である。
【0041】
S504にて、情報処理装置10は、カード情報登録依頼を加盟店決済端末14に送信する。カード情報登録依頼は、予約希望者の決済情報の新規登録または更新登録を依頼する通信である。情報処理装置10は、S503にて受信した情報に予約者IDが含まれている場合には、予約者情報106に問い合わせを行って予約者情報及び決済情報を取得して、予約者ID、取得した予約者情報及び決済情報をカード情報登録依頼に含めて送信してもよい。
【0042】
S505にて、加盟店決済端末14は、カード情報登録依頼を受信すると、カード情報を登録あるいは更新することを予約希望者に促すメッセージをディスプレイに表示する。
【0043】
カード情報登録依頼に予約者ID、予約者情報及び決済情報が含まれている場合、加盟店決済端末14は、それらの情報をディスプレイに表示し、変更するかどうかを予約希望者に確認するメッセージを表示する。変更を希望しない場合は、予約希望者は、表示されている予約者情報及び決済情報をディスプレイ上での所定の操作により承認する。変更する場合は、予約希望者は、決済情報を加盟店決済端末14に読み取らせ、及び/または予約者情報をディスプレイ上の入力欄に入力する。加盟店決済端末14による決済情報の読み取りは、加盟店決済端末14のカード情報読み取り手段(例えば、接触または非接触のICカードリーダー、磁気ストライプリーダー、などの任意の手段)から行われてよい。
【0044】
一方、カード情報登録依頼に予約者ID、予約者情報及び決済情報が含まれていない場合、加盟店決済端末14は、予め定められた方法で予約者情報及び決済情報を取得する。例えば、加盟店決済端末14は、予約者情報の入力画面をディスプレイ上に表示して、予約希望者に情報入力を促す。例えば、予約希望者は、上述したようなやり方でクレジットカードなどの決済情報を加盟店決済端末14に読み取らせることにより、決済情報を新規に登録する。代替として、予約希望者は、クレジットカードの番号などの決済情報をディスプレイ上で入力することもできる。このようにして、加盟店決済端末14は、予約者情報及び決済情報の入力を受け付け、取得する。
あるいは、S505にて、加盟店決済端末14は、カード情報登録依頼を受信すると、カード情報を登録あるいは更新するためのサイトにアクセスする情報を記載したレシートを予約希望者のために出力することもできる。予約希望者は、例えば、ユーザ端末12を使用してカード情報を登録あるいは更新するためのサイトにアクセスし、カード情報を登録または更新することもできる。
【0045】
S506にて、加盟店決済端末14は、予約希望者によって入力された、あるいは承認された決済情報に基づいて信用照会電文を生成し、カード会社システム11に送信する。
【0046】
S507にて、カード会社システム11は、受信した信用照会電文に基づいてオーソリ処理を実行し、カード取引の承認/非承認の情報を示す信用照会結果を生成する。S508にて、カード会社システム11は、信用照会結果を加盟店決済端末14に送信する。
【0047】
本発明の他の実施形態では、情報処理装置10がカード情報を加盟店決済端末14から受信して信用照会電文を生成してカード会社システム11に送信してもよい。その場合、情報処理装置10が信用照会結果をカード会社システム11から受信して、加盟店決済端末14に伝達してもよい。
【0048】
S509にて、加盟店決済端末14は、取引承認を示す信用照会結果を受信すると、S505で受信したカード情報登録依頼に予約者IDが含まれていない場合には新規に予約者IDを発行して、予約者ID、予約者情報、及び決済情報を含む予約確定通知を生成する。一方、加盟店決済端末14は、S505で受信したカード情報登録依頼に予約者IDが含まれている場合には、その予約者IDと、入力または承認された予約者情報及び決済情報を含む予約確定通知を生成する。
【0049】
本発明の一実施形態では、加盟店決済端末14は、予約者ID、予約者情報及び決済情報を他の加盟店での予約にも使える共通のマスタ情報として登録しておくかどうかを予約希望者に判断させることができ、予約希望者が希望した場合には、加盟店決済端末14は、これらの情報を予約者情報106に登録を希望する旨を予約確定通知に含めることができる。その場合、情報処理装置10は、受信した情報を予約者情報106に登録する。これにより、予約希望者は、他の加盟店で別の予約をする際に予約者IDを登録するだけで、予約者情報及び決済情報の再度の入力を省略することができるようになる。
【0050】
なお、信用照会結果が取引非承認を示す場合、加盟店決済端末14は、S505に処理を戻して決済情報の再度の入力を促すメッセージをディスプレイに表示してもよい。
【0051】
S510にて、加盟店決済端末14は、予約確定通知を情報処理装置10に送信する。S511にて、情報処理装置10は、受信した予約確定通知に基づいて予約対象物107の対応する情報を更新する。予約対象物107の決済情報405に、オーソリ処理により取引承認と判定されたカード番号などの決済情報が登録されたので、この予約データは予約確定状態となる。
【0052】
なお、情報処理装置10は、加盟店ごとに予め定められた基準に基づいて予約日が到来する前にそれぞれの予約情報に対するキャンセル料を算出してキャンセル料409に算出した金額をセットする処理を行う。
【0053】
S512にて、情報処理装置10は、予約確定処理が成功裏に完了したことを示す処理完了通知を生成して、加盟店決済端末14に送信する。S513にて、加盟店決済端末14は、処理完了通知に応答して予約内容をディスプレイ上に表示し、及び/またはレシートに出力する。レシートには、予約した加盟店の情報、予約者ID、予約者、予約日時及び内容、並びに予約内容を照会するための二次元コードが印字されていてよい。
【0054】
本実施形態によれば、加盟店は、店頭にて人手をかけることなく予約を受け付けることができるようになり、かつ予約者の決済情報を取得することができるためノーショー対策を取れるようになる。
【0055】
(Webシステムによる予約受付処理)
図6は、予約希望者が、ユーザ端末12を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。
図6の処理フローは、情報処理装置10によって提供されるWeb予約機能を介して予約を行う際の動作を説明する。
【0056】
S601にて、ユーザ端末12は、情報処理装置10が提供する所定のWeb予約サイトにアクセスして取得した加盟店の予約対象物の情報を、ユーザ端末12のディスプレイに表示する。ディスプレイには、予約可能な日時、人数などの情報が表示される。予約希望者は、希望する日時及び人数などの予約情報をユーザ端末12上で入力する。予約希望者が本サービスを以前に利用した際に割り当てられた予約者IDを有している場合には、予約希望者は、予約者IDも入力することができる。
【0057】
S602にて、ユーザ端末12は、入力された予約情報を情報処理装置10に送信する。予約情報は、加盟店ID、予約日時、人数の情報を含む。予約者IDの入力がなされている場合には、ユーザ端末12は、予約情報とともに予約者IDも情報処理装置10に送信することができる。
【0058】
S603にて、情報処理装置10は、受信した情報に予約者IDが含まれていない場合には新規に予約者IDを発行して、受信した情報と予約者IDを予約対象物107に格納する。情報処理装置10は、決済情報を予約対象物107に格納していないため、この段階では予約は仮予約状態(保留状態)である。
【0059】
S604にて、情報処理装置10は、カード情報登録依頼をユーザ端末12に送信する。カード情報登録依頼は、予約希望者の決済情報の新規登録または更新登録を依頼する通信である。情報処理装置10は、S603にて受信した情報に予約者IDが含まれている場合には、予約者情報106に問い合わせを行って予約者情報及び決済情報を取得して、予約者ID、取得した予約者情報及び決済情報をカード情報登録依頼に含めて送信してもよい。S603にて新規に予約者IDを発行した場合、情報処理装置10は、予約者IDを含むカード情報登録依頼をユーザ端末12に送信する。
【0060】
S605にて、ユーザ端末12は、カード情報登録依頼を受信すると、カード情報を登録あるいは更新することを予約希望者に促すメッセージをディスプレイに表示する。
【0061】
カード情報登録依頼に予約者情報及び決済情報が含まれている場合、ユーザ端末12は、それらの情報をディスプレイに表示し、変更するかどうかを予約希望者に確認するメッセージを表示する。変更を希望しない場合は、予約希望者は、表示されている予約者情報及び決済情報をディスプレイ上での所定の操作により承認する。変更する場合は、予約希望者は、予約者情報及び決済情報をディスプレイ上の入力欄に入力する。
【0062】
一方、カード情報登録依頼に予約者情報及び決済情報が含まれていない場合、ユーザ端末12は、予め定められた方法で予約者情報及び決済情報を取得する。例えば、ユーザ端末12は、予約者情報及び決済情報の入力画面をディスプレイ上に表示して、予約希望者に情報入力を促す。このようにして、ユーザ端末12は、予約者情報及び決済情報の入力を受け付け、取得する。
【0063】
S606にて、ユーザ端末12は、予約希望者によって入力あるいは承認された予約者情報及び決済情報を予約者IDとともにカード情報として情報処理装置10に送信する。
【0064】
S607にて、情報処理装置10は、カード情報に基づいて信用照会電文を生成し、S608にて、情報処理装置10は、信用照会電文をカード会社システム11に送信する。
【0065】
S609にて、カード会社システム11は、受信した信用照会電文に基づいてオーソリ処理を実行し、カード取引の承認/非承認の情報を示す信用照会結果を生成する。S610にて、カード会社システム11は、信用照会結果を情報処理装置10に送信する。
【0066】
S611にて、情報処理装置10は、取引承認を示す信用照会結果を受信すると、S607にて受信したカード情報に含まれる予約者IDに基づいて、予約対象物107に格納されているデータを識別し、カード情報に含まれる予約者情報及び決済情報を当該データに登録する。予約対象物107の決済情報405に、オーソリ処理により取引承認と判定されたカード番号などの決済情報が登録されたので、この予約データは予約確定状態となる。一方、情報処理装置10は、取引非承認を示す信用照会結果を受信すると、S605に処理を戻して予約者情報及び決済情報の再度の入力を促すメッセージをユーザ端末12に送信してもよい。
【0067】
なお、情報処理装置10は、加盟店ごとに予め定められた基準に基づいて予約日が到来する前にそれぞれの予約情報に対するキャンセル料を算出してキャンセル料409に算出した金額をセットする処理を行う。
【0068】
S612にて、情報処理装置10は、予約確定処理が成功裏に完了したことを示す通知を行って、予約内容をユーザ端末12に通知する。この通知には、予約した加盟店の情報(加盟店ID含む)、予約者ID、予約者、予約日時及び内容、並びに予約内容を照会するための二次元コードが含まれていてよい。
【0069】
本発明の一実施形態では、ユーザ端末12は、予約者ID、予約者情報及び決済情報を他の加盟店での予約にも使える共通のマスタ情報として登録しておくかどうかを予約希望者に判断させることができ、予約希望者が希望した場合には、ユーザ端末12は、これらの情報を予約者情報106に登録を希望する旨をカード情報に含めることができる。その場合、情報処理装置10は、受信した情報を予約者情報106に登録する。これにより、予約希望者は、他の加盟店で別の予約をする際に予約者IDを入力するだけで、予約者情報及び決済情報の再度の入力を省略することができるようになる。
【0070】
(電話による予約受付処理)
図7は、予約希望者が、携帯電話端末13を利用して予約申込を行う際の処理の流れを説明する図である。
図7の処理フローは、携帯電話端末13が加盟店の電話番号に対して架電し、情報処理装置10が音声案内提供機能及び音声認識機能を含む音声自動応答機能により予約を受け付ける処理を説明する。
【0071】
S701にて、携帯電話端末13が所望の加盟店の電話番号宛てに架電すると、情報処理装置10は、携帯電話端末13と通信状態になる。情報処理装置10は、機械音声により応答することができ、例えば、「予約する日付及び時間、メッセージサービスを利用可能な電話番号をお話し下さい」または「予約する日付及び時間、メッセージサービスを利用可能な電話番号をプッシュホンのボタンで押して下さい」と携帯電話端末13に伝えることができる。携帯電話端末13は、予約日時、予約希望者の電話番号を音声信号またはプッシュ信号で情報処理装置10に伝達する。情報処理装置10は、音声信号またはプッシュ信号を識別して、予約希望者の入力した予約情報をデータ化する。
【0072】
S702にて、情報処理装置10は、データ化した予約情報に基づいて当該加盟店の予約対象物の情報を検索し、予約可否を判定する。情報処理装置10は、予約可否の情報を携帯電話端末13に通信し、例えば、「仮予約する場合は、『予約します』とお話し下さい」または「仮予約する場合は、プッシュホンのボタンで〇〇を押して下さい」と伝えることができる。携帯電話端末13は、指定された言葉を音声信号で伝え、あるいは指定された番号などをプッシュ信号で伝えることにより予約を宣言することができる。また、予約希望者が予約者IDを有している場合は、携帯電話端末13から情報処理装置10に予約者IDを音声信号またはプッシュ信号で伝えることもできる。
【0073】
S703にて、情報処理装置10は、音声信号またはプッシュ信号を識別してデータ化した情報を予約対象物107に格納する。情報処理装置10は、識別した情報に予約者IDが含まれていない場合には新規に予約者IDを発行して、識別してデータ化した情報と予約者IDを予約対象物107に格納する。情報処理装置10は、決済情報を予約対象物107に格納していないため、この段階では予約は仮予約状態(保留状態)である。
【0074】
S704にて、情報処理装置10は、カード情報などの追加情報の登録を依頼する追加情報登録依頼を入力するためのURL情報を生成し、生成した情報を予約希望者の電話番号に対して任意のメッセージサービスで通知する。
【0075】
S705にて、携帯電話端末13は、受信したURL情報によってアクセスできるサイトの追加情報登録画面上で、追加の予約者情報、例えば、人数、予約者名、連絡先、決済情報などを入力することができる。S702にて予約希望者が予約者IDを伝達していた場合には、情報処理装置10は、予約者IDに基づいて予約者情報106に問い合わせを行って予約者情報及び決済情報を取得して追加情報登録画面に表示してもよい。
【0076】
予約希望者は、携帯電話端末13に表示されている予約者情報及び決済情報を承認し、あるいは追加の予約者情報及び決済情報を携帯電話端末13に入力する。このようにして、携帯電話端末13は、予約者情報及び決済情報の入力を受け付け、取得する。
【0077】
S706にて、携帯電話端末13は、取得した情報に基づいて追加情報を生成し、情報処理装置10に送信する。
【0078】
S707にて、情報処理装置10は、携帯電話端末13から受信した追加情報に含まれる決済情報に基づいて信用照会電文を生成し、S708にて、情報処理装置10は、信用照会電文をカード会社システム11に送信する。
【0079】
S709にて、カード会社システム11は、受信した信用照会電文に基づいてオーソリ処理を実行し、カード取引の承認/非承認の情報を示す信用照会結果を生成する。S710にて、カード会社システム11は、信用照会結果を情報処理装置10に送信する。
【0080】
S711にて、情報処理装置10は、取引承認を示す信用照会結果を受信すると、S707で受信した追加情報に含まれる予約者IDに基づいて、予約対象物107に格納されているデータを識別し、追加情報に含まれる予約者情報及び決済情報を当該データに登録する。予約対象物107の決済情報405に、オーソリ処理により取引承認と判定されたカード番号などの決済情報が登録されたので、この予約データは予約確定状態となる。一方、情報処理装置10は、取引非承認を示す信用照会結果を受信すると、S705に処理を戻して予約者情報及び決済情報の再度の入力を促すメッセージを携帯電話端末13に送信してもよい。
【0081】
なお、情報処理装置10は、加盟店ごとに予め定められた基準に基づいて予約日が到来する前にそれぞれの予約情報に対するキャンセル料を算出してキャンセル料409に算出した金額をセットする処理を行う。
【0082】
S712にて、情報処理装置10は、予約確定処理が成功裏に完了したことを示す通知を送信し、予約内容を携帯電話端末13に通知する。この通知には、予約した加盟店の情報、予約者ID、予約者、予約日時及び内容、並びに予約内容を照会するための二次元コードが含まれていてよい。
【0083】
本発明の一実施形態では、携帯電話端末13は、予約者ID、予約者情報及び決済情報を他の加盟店での予約にも使える共通のマスタ情報として登録しておくかどうかを予約希望者に判断させることができ、予約希望者が希望した場合には、携帯電話端末13は、これらの情報を予約者情報106に登録を希望する旨を追加情報に含めることができる。その場合、情報処理装置10は、受信した情報を予約者情報106に登録する。これにより、予約希望者は、他の加盟店で別の予約をする際に予約者IDを入力するだけで、予約者情報及び決済情報の再度の入力を省略することができるようになる。
【0084】
(来訪時処理)
図8は、予約者が予約日時に間に合うように加盟店に到着し、実際に予約したサービスを利用開始するまでの処理の流れを説明する図である。
【0085】
S801にて、予約者は、加盟店に到着した際、加盟店決済端末14の来訪情報入力画面にて予約者の識別情報(例えば、予約者ID、電話番号、予約時に通知された二次元コード、クレジットカード番号など)を入力する。加盟店決済端末14は、入力された識別情報を受信する。S802にて、加盟店決済端末14は、入力された識別情報と加盟店決済端末14に設定されている加盟店IDに基づいて来訪情報を生成して情報処理装置10に送信する。
【0086】
S803にて、情報処理装置10は、来訪情報に含まれる加盟店ID及び予約者の識別情報に基づいて予約対象物107に問い合わせを行って対象となる予約データを読み出し、読み出した予約データの来訪フラグ406に来訪済の情報をセットし、来訪日時407に来訪時間をセットしてデータ更新する。
【0087】
S804にて、情報処理装置10は、来訪処理が完了したことを示す通知を加盟店決済端末14に送信する。この通知には、予約対象物107の予約データのうち任意の情報、例えば、加盟店ID、予約者ID、予約日時、予約人数、予約者情報、待ち順などが含まれていてよい。待ち順は、同一時間帯に当該加盟店で予約をした人のうち、既に来訪処理済の人がいた場合に、その処理の順番が来訪日時の情報から算出される。
【0088】
S805にて、加盟店決済端末14は、受信した通知に含まれる情報をディスプレイに表示し、また、レシートにそれらの情報の全てまたは一部を出力することができる。レシートには、照会用二次元コードが印字されており、予約者はユーザ端末12などで照会用二次元コードを読み取ることで、情報処理装置10にアクセスして最新の待ち順の情報を取得することができる。なお、この段階で既に加盟店が入店準備できている場合にはS821の処理に進み、一方、予約時間までまだ時間があり、加盟店の準備ができていない場合には予約者は待ち状態となり、S811~S815の処理により待ち状況を照会することもできる。
【0089】
S811にて、加盟店決済端末14は、待ち状況照会画面を介して予約者の識別情報を受信する。S812にて、加盟店決済端末14は、入力された識別情報と加盟店決済端末14に設定されている加盟店IDに基づいて照会要求を生成して情報処理装置10に送信する。
【0090】
S813にて、情報処理装置10は、照会要求に含まれる情報に基づいて予約対象物107に問い合わせを行って同一時間帯に予約している者と、既に来訪処理が完了している者の数を導出し、待ち状況の情報を算出する。待ち状況の情報は、例えば、来訪時間の情報に基づいて何番目に案内される予定であることが示されてよい。S814にて、情報処理装置10は、待ち状況の情報を加盟店決済端末14に送信する。
【0091】
S815にて、加盟店決済端末14は、待ち状況の情報をディスプレイに表示する。待ち状況の情報は、待ち順だけでなく、入店予定時刻を含んでもよい。これにより、加盟店決済端末14は、当該時間帯の予約者の待ち状況をディスプレイに表示することができるようになる。
【0092】
S811~S815にて加盟店決済端末14を利用した照会処理を説明したが、同様の照会処理は、ユーザ端末12が照会用二次元コードを読み取ることで情報処理装置10にアクセスし、最新の待ち順の情報を取得することにより行われてもよい。また、情報処理装置10は、来訪処理済の予約者に対して架電し、あるいはメッセージを送信して案内可能な時間が近付いていることや更新された待ち順を知らせることができる。
【0093】
S821にて、加盟店が予約者を案内可能になったら(例えば、予約時間が到来したら)、加盟店決済端末14は、情報処理装置10から受信した予約データのリストをディスプレイに表示する。加盟店の店員は、表示されているリストのうち、案内する予約者の予約データをタップするなどして利用開始状態にする。または、予約者が予約時に受け取った二次元コードを加盟店決済端末14に読み込ませて当該予約者のデータを利用開始状態にする。
【0094】
S822にて、加盟店決済端末14は、利用開始状態となった予約データに基づいて利用開始データを生成して情報処理装置10に送信する。利用開始データは、加盟店ID、予約者ID、年月日、予約対象時間帯の情報などを含むことができる。
【0095】
S823にて、情報処理装置10は、利用開始データに含まれる情報に基づいて予約対象物107に問い合わせを行い、対象となる予約データを読み出し、読み出した予約データの利用開始フラグ408に利用開始済の情報をセットし、キャンセル料409に「0(ゼロ)」をセットしてデータ更新する。利用開始フラグ408に利用開始済の情報がセットされ、キャンセル料に0がセットされたことにより、予約者が実際に加盟店を訪れてサービスを利用したことを示す消込処理ができるようになる。消込処理がなされた予約データは、待ち順を算出する元となるデータから除外されるとともに、加盟店決済端末14に送信されることによりディスプレイに表示されている予約者のリストが更新される。一方、利用開始済の情報がセットされておらず、キャンセル料に値0がセットされていない予約者は、いわゆる、ノーショーであり、後述するようにキャンセル料を請求する対象となる。
【0096】
本発明の一実施形態では、加盟店のPOSシステムは、情報処理装置10と通信可能に接続されており、予約者のカード情報を予約対象物107から取得して、予約者が改めてカードを提示しなくても会計処理ができるように構成されていてもよい。
【0097】
(ノーショー課金処理)
図9は、ノーショー予約者に対してキャンセル料を課金するとともに、加盟店判断に基づくNGリスト生成処理を説明する図である。
【0098】
S901にて、情報処理装置10は、予約対象物107に問い合わせを行って年月日401が過去日付のデータであり、かつノーショー予約者に関連付けられるデータを抽出する。ノーショー予約者に関連付けられるデータは、利用開始フラグ408に利用開始済の情報がセットされていないデータ、及び/またはキャンセル料409に0以外の数値が格納されているデータである。情報処理装置10は、抽出したデータに基づいてノーショー予約者の売上ファイルを生成する。売上ファイルは、加盟店ID、予約者ID、年月日、決済情報、及びキャンセル料の情報を含むことができる。
【0099】
S902にて、情報処理装置10は、売上ファイルに含まれるそれぞれのデータに基づいて信用照会電文を生成し、S903にて、情報処理装置10は、信用照会電文をカード会社システム11に送信する。
【0100】
S904にて、カード会社システム11は、受信した信用照会電文に基づいてオーソリ処理を実行し、カード取引の承認/非承認の情報を示す信用照会結果を生成する。S905にて、カード会社システム11は、信用照会結果を情報処理装置10に送信する。
【0101】
S906にて、情報処理装置10は、信用照会結果に基づいて結果リストを生成する。結果リストは、加盟店ID、予約者ID、年月日、決済情報、カード取引の承認/非承認の情報、及びキャンセル料の情報を含むことができる。
【0102】
S907にて、情報処理装置10は、カード取引の承認を示す結果リストのデータに基づいて売上電文を生成する。売上電文は、ノーショー予約者のクレジットカードなどの決済手段に対して課金するための電文であり、当該予約者に対してキャンセル料を請求する売上電文である。
【0103】
S908にて、情報処理装置10は、売上電文のカード番号の所定の桁数の情報に基づいて、売上電文を送信すべきカード会社システム11を識別し、生成した売上電文を識別したカード会社システム11に送信する。情報処理装置10は、カード会社システム11に送信した売上電文に関連付けられる予約対象物107のデータのキャンセル料請求済フラグ410に所定の値をセットしてキャンセル料請求済であることを登録する。
【0104】
S909にて、カード会社システム11は、それぞれのカード番号に対する売上計上を実行し、その後、それぞれのカード番号に対して予め定められた決済手段(例えば、銀行口座)に対して請求処理を実行する。この処理により、加盟店はノーショー予約者に対する課金処理を自動的に行うことができるようになる。なお、加盟店判断でノーショー予約者に対する課金処理を行わない場合には、加盟店決済端末14が、自動課金処理された請求処理を相殺するためのマイナス金額の売上電文をカード会社システム11に送信する。あるいは、S901の処理が開始される前に、加盟店が加盟店決済端末14(または加盟店のPC)の予約情報管理及び来店者管理用の業務アプリケーションを操作して、任意のノーショー予約者の予約データのキャンセル料409に0をセットすることにより、自動課金を行わないようにすることも可能である。
【0105】
一方、情報処理装置10は、カード取引の非承認を示す結果リストを加盟店とやり取りすることで予約者のNGリストを生成することができる。S910にて、情報処理装置10は、カード取引の非承認を示す結果リストを加盟店決済端末14に送信する。結果リストは、当該加盟店に関連付けられるノーショー予約者の情報だけであってもいいし、追加で、他の加盟店におけるノーショー予約者の情報が含まれていてもよい。これにより、加盟店は、自社が経験したノーショー被害だけでなく、他の加盟店が経験したノーショー被害についても知ることができ、事前に対策を採れるようになる。
【0106】
S911にて、加盟店決済端末14は、受信した結果リストの内容をディスプレイに表示し、及び/または加盟店決済端末の印刷手段を介して印刷する。加盟店が結果リストの内容を確認し、今後予約を受けたくない者を加盟店決済端末14にて選択すると、加盟店決済端末14は、選択された情報に基づいて予約不可情報を生成する。その後、S912にて、加盟店決済端末14は、予約不可情報を情報処理装置10に送信する。予約不可情報は、加盟店ID、予約者ID、決済情報を含むことができる。
【0107】
S913にて、情報処理装置10は、予約不可情報に含まれる情報をNGリスト108に格納する。NGリスト108は、加盟店が予約したくない者(加盟店ID+予約者ID)及び/または決済情報(例えば、カード番号)の情報を格納する。
【0108】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成及び細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0109】
10 情報処理装置
11 カード会社システム
12 ユーザ端末
13 携帯電話端末
14 加盟店決済端末
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 IF部
105 出力部
106 予約者情報
107 予約対象物
108 NGリスト
【要約】
【課題】複数の予約受付チャネルから取得した予約情報を統合して制御し、ノーショー予約者に対する課金処理を行う
【解決手段】情報処理装置は、第1の予約受付チャネルを介した予約に関する第1の予約情報と、第2の予約受付チャネルを介した予約に関する第2の予約情報とを含む統合予約情報を同一のデータフォーマットに格納する。情報処理装置は、加盟店決済端末から受信した、第1の決済情報を含む第1の通知に基づいて第1の予約情報を格納することと、第2の予約受付チャネルを介して受信した、第2の決済情報を含む第2の通知に基づいて第2の予約情報を格納することと、予約日が過去日付のデータであって、キャンセル料に0以外の値がセットされている統合予約情報を読み出すことと、読み出された統合予約情報に関連付けられる信用照会結果が取引承認を示す統合予約情報に基づいてカード決済のための売上電文を生成することを実行する。
【選択図】
図9