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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】車両のセンサ構成
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20241115BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20241115BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G08C15/00 F
G01S15/931
G08C19/00 S
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023509706
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2021071949
(87)【国際公開番号】W WO2022033964
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】102020210158.2
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルラッハ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】クロッツ,アルブレヒト
(72)【発明者】
【氏名】ナギー,バリント
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】レンナー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】フェーリンガー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】トレプトー,トーマス
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241575(JP,A)
【文献】特開2019-50502(JP,A)
【文献】特開2020-61878(JP,A)
【文献】特開昭63-35096(JP,A)
【文献】特開2005-122530(JP,A)
【文献】特開2013-15883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G01S 15/931
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のセンサ構成であって、
制御装置(2)と、
各センサ(3)が個別のセンサ識別子を有する、複数のセンサ(3)と、
各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続するデータバス(4)と、
電圧供給のために各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続する給電ライン(5)と接地ライン(50)と、を含み、
各センサ(3)がシャント抵抗器(31)を有し、
全てのシャント抵抗器(31)が前記給電ライン(5)に直列に組み込まれており、
各センサ(3)が、それぞれのシャント抵抗器(31)での電圧降下を検出するように設計されており、
前記制御装置(2)が、
前記個別のセンサ識別子によって各センサ(3)を作動させ、
前記検出された電圧降下に基づいてセンサ(3)の位置を決定し、前記決定された位置に基づいて、前記給電ライン(5)に沿って各センサ(3)に個別の地理的アドレスを割り振る、
ように設計されている、センサ構成において、
全てのセンサ(3)が順次に作動され、全てのセンサ(3)の作動後に、前記データバス(4)上での前記センサ(3)の位置が、センサ(3)ごとの検出された電圧降下の数の降順に基づいて決定される、
センサ構成。
【請求項2】
車両のセンサ構成であって、
制御装置(2)と、
各センサ(3)が個別のセンサ識別子を有する、複数のセンサ(3)と、
各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続するデータバス(4)と、
電圧供給のために各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続する給電ライン(5)と接地ライン(50)と、を含み、
各センサ(3)がシャント抵抗器(31)を有し、
全てのシャント抵抗器(31)が前記給電ライン(5)に直列に組み込まれており、
各センサ(3)が、それぞれのシャント抵抗器(31)での電圧降下を検出するように設計されており、
前記制御装置(2)が、
前記個別のセンサ識別子によって各センサ(3)を作動させ、
前記検出された電圧降下に基づいてセンサ(3)の位置を決定し、前記決定された位置に基づいて、前記給電ライン(5)に沿って各センサ(3)に個別の地理的アドレスを割り振る、
ように設計されている、センサ構成において、
前記作動中のセンサ(3)の前記位置の決定が、前記給電ライン(5)に沿って、前記検出された電圧降下に基づいて行われ、
各センサ(3)が別個に作動され、個々のセンサ(3)の各作動後に、全てのセンサ(3)での電圧降下の総数が決定され、前記他のセンサ(3)に対する、前記作動中のセンサ(3)の前記位置が、電圧降下の前記総数に基づいて決定される、
センサ構成。
【請求項3】
前記センサ(3)の作動時に、前記センサ(3)が、特定の周波数シグネチャを有する電流信号を前記給電ライン(5)上で生成する、請求項1または2に記載のセンサ構成。
【請求項4】
各センサ(3)の電圧タップが、前記センサ(3)のセンサ構成要素(35)に電圧供給するために、前記給電ライン(5)上で前記それぞれのシャント抵抗器(31)の前または後に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項5】
前記シャント抵抗器(31)が、金属被膜抵抗器もしくは銅導体トラックである、または少なくとも1つのボンディングワイヤを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項6】
前記シャント抵抗器(31)が、最大で0.1Ωの電気抵抗を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項7】
前記シャント抵抗器(31)が、最大で0.01Ωの電気抵抗を有する、請求項6に記載のセンサ構成。
【請求項8】
前記シャント抵抗器(31)が少なくとも0.001Ωの電気抵抗を有する、請求項6に記載のセンサ構成。
【請求項9】
各センサ(3)が差動増幅器を有し、前記差動増幅器によって、前記それぞれのシャント抵抗器(31)の前記電圧降下が決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項10】
各センサ(3)が、フィルタを含み、前記フィルタが、前記差動増幅器によって生成された出力信号をフィルタリングするように設計されている、請求項9に記載のセンサ構成。
【請求項11】
前記フィルタがバンドパスフィルタまたは最適フィルタである、請求項10に記載のセンサ構成。
【請求項12】
前記接地ライン(50)および/または前記データバス(4)が、各センサ(3)を通してルーティングされている、請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項13】
前記接地ライン(50)および/または前記データバス(4)が、センサ(3)ごとにそれぞれ入力ピン(43、56)および出力ピン(44、57)によって、各センサ(3)を通してルーティングされている、請求項12に記載のセンサ構成。
【請求項14】
前記制御装置(2)および/または各センサ(3)が不揮発性メモリを有する、または前記制御装置(2)および/または各センサ(3)がメモリレスで構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項15】
前記センサ(3)が超音波センサである、請求項1~14のいずれか一項に記載のセンサ構成。
【請求項16】
センサ構成(1)のセンサ(3)をアドレス指定するための方法であって、前記センサ構成(1)が、制御装置(2)と、各センサ(3)が個別のセンサ識別子を有する、複数のセンサ(3)と、各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続するデータバス(4)と、電圧供給のために各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続する給電ライン(5)と接地ライン(50)と、を有し、各センサ(3)がシャント抵抗器(31)を有し、全てのシャント抵抗器(31)が前記給電ライン(5)に直列に組み込まれており、
前記方法が、センサ(3)ごとに、
前記センサ(3)の前記センサ識別子を識別するステップと、
前記センサ識別子に基づいて前記センサ(3)を作動させるステップと、
全てのセンサ(3)の前記シャント抵抗器(31)での電圧降下を決定するステップと、
他のセンサ(3)に対する前記作動中のセンサ(3)の位置を決定するステップと、
前記決定された位置に基づいて、前記センサ(3)に個別の地理的アドレスを割り振るステップと、
を含み、
前記作動中のセンサ(3)の前記位置の前記決定が、前記給電ライン(5)に沿って、前記検出された電圧降下に基づいて行われる、
方法において、
全てのセンサ(3)が順次に作動され、全てのセンサ(3)の作動後に、前記データバス(4)上での前記センサ(3)の位置が、センサ(3)ごとの検出された電圧降下の数の降順に基づいて決定される、
方法。
【請求項17】
センサ構成(1)のセンサ(3)をアドレス指定するための方法であって、前記センサ構成(1)が、制御装置(2)と、各センサ(3)が個別のセンサ識別子を有する、複数のセンサ(3)と、各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続するデータバス(4)と、電圧供給のために各センサ(3)を前記制御装置(2)と接続する給電ライン(5)と接地ライン(50)と、を有し、各センサ(3)がシャント抵抗器(31)を有し、全てのシャント抵抗器(31)が前記給電ライン(5)に直列に組み込まれており、
前記方法が、センサ(3)ごとに、
前記センサ(3)の前記センサ識別子を識別するステップと、
前記センサ識別子に基づいて前記センサ(3)を作動させるステップと、
全てのセンサ(3)の前記シャント抵抗器(31)での電圧降下を決定するステップと、
他のセンサ(3)に対する前記作動中のセンサ(3)の位置を決定するステップと、
前記決定された位置に基づいて、前記センサ(3)に個別の地理的アドレスを割り振るステップと、
を含み、
前記作動中のセンサ(3)の位置の決定が、前記給電ライン(5)に沿って、前記検出された電圧降下に基づいて行われる、
方法において、
各センサ(3)が別個に作動され、個々のセンサ(3)の各作動後に、全てのセンサ(3)での電圧降下の総数が決定され、前記他のセンサ(3)に対する、前記作動中のセンサ(3)の前記位置が、電圧降下の前記総数に基づいて決定される、
方法。
【請求項18】
前記シャント抵抗器(31)の両端間の前記電圧降下がそれぞれ差動増幅器によって増幅され、前記差動増幅器によって生成された出力信号が、それぞれ、前記周波数シグネチャに適合されたフィルタによってフィルタリングされ、前記フィルタの前記出力信号に基づいて、前記シャント抵抗器(31)での前記電圧降下のレベルが決定される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
各センサ(3)に、前記作動前に、前記センサ識別子に基づいて論理アドレスが割り振られ、前記センサ(3)の前記作動が、前記論理アドレスによって行われる、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
各地理的アドレスが、各センサ(3)の不揮発性メモリおよび/または前記制御装置(2)の不揮発性メモリに記憶される、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のセンサ構成、およびセンサ構成のセンサをアドレス指定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車支援システムなど車両の支援システム用のセンサ構成が知られており、そのようなセンサ構成は、通常は同一の多数の超音波センサを含む。支援システムを初期起動させる前、または個々のセンサを交換するとき、各センサのセンサデータを、他のセンサに対する正確な物理的位置に割り当てることができるように、センサを正確にアドレス指定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これには通常、高価なハードウェアおよび/または複雑な較正プロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それとは対照的に、請求項1の特徴を有する本発明によるセンサ構成は、特に簡単に、単純で安価なハードウェアを用いてセンサのアドレス指定が可能であることを特徴とする。これは、制御装置と、複数のセンサと、データ伝送のために各センサを制御装置に接続するデータバスと、電圧供給のために各センサを制御装置に接続する給電ラインとを含むセンサ構成によって達成される。ここで、好ましくは、センサへの電圧供給は、センサへの電圧供給を提供するための電気エネルギー源が制御装置に組み込まれるようなものと理解される。好ましくは、代替として、センサへの電圧供給を提供するための、制御装置とは別個の電気エネルギー源、例えば車両バッテリを設けることもできる。例えば、そのような別個のエネルギー源では、制御装置を介してセンサへの電圧供給を行うことができ、制御装置は、特に電圧供給を中断する、およびセンサに切り替えるように設計される。好ましくは、ここで、全てのセンサが、データバスによって制御装置に並列接続される。ここで、センサはそれぞれ、個別のシリアル番号などの個別のセンサ識別子を有し、これは特に制御装置によって読み出すことができる。
【0005】
各センサがシャント抵抗器を備える。ここで、センサの全てのシャント抵抗器は、給電ラインに直列に組み込まれ、すなわち特に互いに直列接続されている。各センサは、そのそれぞれのシャント抵抗器での電圧降下を検出するように設計される。ここで、制御装置は、個別のセンサ識別子によって、複数のセンサの各センサを特に別個に作動させるように設計される。ここで、制御装置は、好ましくは、全てのセンサを順次に、または代替として同時に作動させる。さらに、制御装置は、給電ラインに沿って、センサによって検出された電圧降下に基づいて、各センサに個別の地理的アドレスを割り振るように設計される。ここで、地理的アドレスとは、それによって制御装置がデータバス上でのセンサの順序を認識することができるアドレスを意味する。好ましくは、制御装置は、シャント抵抗器での検出された電圧降下の時間的順序および/または数を決定し、これに基づいて地理的アドレスをセンサに割り振るように設計される。ここで、電圧降下とは、特に、少なくとも1つのセンサの所定の作動によって引き起こされるシャント抵抗器の両端間の電圧の上昇または変化を意味する。すなわち、例えば静止電流および/またはシャント抵抗器での電圧オフセットによって引き起こされる一定の電圧は、そのような電圧降下とは見なされない。
【0006】
言い換えると、各センサがシャント抵抗器を備え、シャント抵抗器によって、それぞれのセンサを通って電流が流れる時を検出することができる。シャント抵抗器が直列に配置されることにより、電流は、特定のセンサの作動時、データバス上でその前に、すなわち制御装置のより近くに配置された全てのセンサおよびそれらのシャント抵抗器を通って流れる。したがって、作動中のセンサと制御装置との間に配置されたこれらのシャント抵抗器のそれぞれで電圧降下を記録することができる。好ましくは、センサの構成によっては、作動中のセンサ自体で電圧降下を記録することもでき、または代替として、作動中のセンサ自体では電圧降下を記録することができない。
【0007】
したがって、電圧降下の数によって、データバス上での作動中のセンサの位置を簡単に推測することができる。これにより、シャント抵抗器での電圧降下の検出に基づいて、異なるセンサを互いに区別することができる。特に、これによってセンサの順序を決定することができる。この情報に基づいて、各センサに個別の地理的アドレスを割り振ることができ、したがって、センサによって生成されたセンサデータを1つの場所に一意に割り当てることができる。ここで、センサの地理的アドレスは、制御装置によって集中型で割り与えることができる。代替としてまたは追加として、各センサが、それ自体または全てのセンサに地理的アドレスを割り振ることができる。
【0008】
したがって、センサ装置は、データバスを介して特定のセンサから伝送されるセンサデータを、データバス上での所定の場所に一意に割り振ることができる。好ましくは、制御装置は、例えばセンサ構成がパークパイロットシステムの一部であるとき、これにより、どのセンサが車両のバンパパネルのどの位置に配置されているかを認識することができ、それによって、例えば、車両の周囲環境内で検出された障害物の方向を判断することができる。例えば、これにより、制御装置によって、障害物の場所を視覚的に表示するための横方向解像度を備えた表示ディスプレイを制御することができる。
【0009】
特に、ここでは、データバスのトポロジーが既知であることが前提とされる。言い換えると、センサ構成は、複数のセンサマウントを備え、それらのセンサマウントに、特にデータバスの方向に沿ってそれぞれ1つのセンサが配置され、センサマウントは互いに対して所定の/既知の位置に配置される。
【0010】
好ましくは、センサ内、例えば各センサの回路板上で、全てのセンサのセンサ構成要素への電圧供給が、制御装置の電圧供給に対して本質的に並列に行われる。すなわち、センサ構成要素への電圧供給は、例えばセンサ内で、シャント抵抗器によってループされた給電ラインにより分岐することができる。ここで、センサ構成は、センサに地理的アドレスが一意に地理的に割り振られるとき、供給電圧に関して全てのセンサのセンサ構成要素に本質的に並列に電圧供給することができるという利点を提供する。このような構造により、全てのセンサ構成要素が最適な電圧供給を受けることができるようになる。したがって、特に、センサまたはセンサの構成部品の内部抵抗は、センサ構成要素の電圧供給に全く影響を及ぼさないか、わずかしか影響を及ぼさない。これにより、ほぼ任意に多数のセンサをデータバス上で相互につなぐことが可能になる。
【0011】
好ましくは、給電ラインとデータバスとは別個のケーブルとして提供することができる。代替として、給電ラインとデータバスとが共通のケーブルにまとめられてもよく、このケーブルは、好ましくは単一のピンでセンサに導かれる。
【0012】
データバスは、好ましくは、各センサが接続される単一のデータラインを備えることができる。代替として、データバスは、2本以上のデータラインを備えることもでき、各センサが各データラインに接続される。
【0013】
センサは、好ましくは同一に、すなわち同一構造で構成されるが、各センサは、個別のシリアル番号などの個別のセンサ識別子を備える。
したがって、データバスを介してセンサを制御装置に接続することにより、特に少ないハードウェア量で、特に別個のラインを介する各センサと制御装置との別個のケーブル配線を必要とせずに、各センサが適切に制御装置と通信することができる。これによって得られるさらなる利点は、同一構造のセンサの簡単な交換が可能にされ、交換されたセンサを自動的かつ簡単にアドレス指定することができることである。
【0014】
従属クレームは、その内容として、本発明の好ましい発展形態を有する。
好ましくは、制御装置による作動後、センサは、特定の周波数シグネチャを有する電流信号を給電ライン上で生成する。すなわち、制御装置によるセンサの作動によって、各センサが、特定の、好ましくは個別の周波数シグネチャを有する電流信号を給電ラインで生成し、それにより特にセンサが互いに区別される。
【0015】
好ましくは、電圧タップが、各センサのセンサ構成要素に電圧供給するために、給電ライン上でそれぞれのシャント抵抗器の前または後に行われる。ここで、シャント抵抗器の前の電圧タップは、センサ構成要素のそれ自体の給電がシャント抵抗器での電圧降下の測定に含まれないようにし、それにより、シャント抵抗器での電圧降下を、特に簡単な手段によって検出または推定することができる。代替として、シャント抵抗器の後でセンサ構成要素のへ給電を分岐することもできる。
【0016】
好ましくは、シャント抵抗器は、金属被膜抵抗器または銅導体トラックである。好ましくは、銅導体トラックは、センサのセンサ回路基板の一部であってもよい。これにより、シャント抵抗器は、特に簡単で費用対効果の高い方法で提供され得る。代替として、シャント抵抗器は、少なくとも1つのボンディングワイヤとして構成されていてもよく、またはボンディングワイヤを含んでもよい。この場合、とりわけ、構成において、それぞれのセンサ構成要素のASICの対応するボンディングによってシャント抵抗器を実現するために以下の2つの可能性がある。第1の選択肢は、給電ラインが、ASICのリードフレームでの接点、いわゆる「ピン」から、ボンディングワイヤによってシリコンのパッドにボンディングされるものであり、そこから、超音波センサの場合には、それに対応してASIC給電をさらにルーティングすることができる。さらに、このパッドから、同様にボンディングワイヤとして構成することができる低オーム接続が、隣接するパッドに生成され、この隣接するパッドから、対応するボンディングワイヤによってリードフレームに再びボンディングされる。ボンディングワイヤの抵抗値、および場合によってはシリコンのパッド間の接続の抵抗値の合計が、実際のシャント抵抗を表す。第2の選択肢は、給電ラインが、ボンディングワイヤによってリードフレームからシリコンのパッドにボンディングされるものである。さらに、リードフレームの接点(「ピン」)から、隣接するピンのためのリードフレームの接点へボンディングされ、この第2の選択肢では、このボンディング接続がシャント抵抗器となる。所要の抵抗値と電流容量に応じて、シャント抵抗器の設計は、二重のボンディングまたは三重のボンディングを含むこともできる。さらに、それぞれのボンディングワイヤの材料および厚さは、要件に応じて適合させることができる。ここで、少なくとも1つのボンディングワイヤによるシャント抵抗器の対応する設計の利点は、そのようなシャント抵抗器に関するコストが、従来のシャント抵抗器に関するコストよりも大幅に低いことである。それに対応して構成されたシャント抵抗器を使用できるのは、そのようなボンディングワイヤシャント抵抗器によって、特に超音波用途に適用される約50%の抵抗許容誤差と2A未満の最大電流容量との要件を引き続き維持することができるからである。
【0017】
特に好ましくは、シャント抵抗器は、最大で0.1Ω、好ましくは最大で0.01Ω、特に少なくとも0.001Ωの電気抵抗を有する。したがって、好ましくは、これは低オーム抵抗である。これにより、シャント抵抗器に起因して、すなわちデータバス上でのセンサの位置を決定するために、消費される電力ができるだけ少ないことが保証される。
【0018】
好ましくは、各センサは差動増幅器を有し、それによってそれぞれのシャント抵抗器の電圧降下が決定される。好ましくは、差動増幅器は、シャント抵抗器の両端間の電圧降下を増幅するように設計され、それにより、電圧降下の特に正確で高い信頼性の検出を可能にすることができる。
【0019】
特に好ましくは、各センサは、それぞれの差動増幅器によって生成された出力信号をフィルタリングするように設計されているフィルタをさらに含む。特に、フィルタは、バンドパスフィルタまたは最適フィルタである。好ましくは、フィルタは、直流電圧カップリングおよび/または交流電圧カップリングによって差動増幅器の出力信号をフィルタリングするように設計されていてもよい。直流電圧カップリングとは、差動増幅器の入力信号の全ての信号成分を検出することを意味する。これにより、センサ構成の特に単純で費用対効果の高い構造が得られる。対応するシャント抵抗器における電流の一意の検出は、好ましくは、所定の電圧閾値を用いて対応する電圧降下を比較することによって行うことができる。交流電圧カップリングとは、差動増幅器の入力信号の交流電圧成分のみを検出することを意味する。これにより、特定のセンサの作動を一意に確定することができるように、干渉をあまり受けずに電圧降下の特にロバストな決定を行うことができる。特に、特定のセンサの作動時に、電流パルスが特定の周波数シグネチャを有して生成されるとき、交流電圧カップリングによるフィルタによって、検出された電圧降下におけるこの周波数シグネチャを決定することができる。これにより、例えば静止電流消費または給電ラインでの電圧オフセットがフィルタ除去されるので、センサの意図された作動が生じているかどうかを正確に認識することができる。
【0020】
好ましくは、接地ラインおよび/またはデータバスは、好ましくはセンサごとにそれぞれ入力ピンおよび出力ピンによって、各センサを通してルーティングされている。特に、それにより、接地ラインおよび/またはデータバスは、複数の個々の区間に分割されている。好ましくは、データバスは、センサの並列接続と同様に引き続きデータ交換が行われるようにセンサを通してルーティングされている。すなわち、センサ内、例えば各センサの回路板上で、制御装置に対して並列にデータ交換が行われる。それにより、センサの全てのインターフェースはピンによって接続され得、それにより、追加の接続ラインおよびスプライスによる接地ラインおよび/またはデータバスへのセンサの接続は必要なくなる。これにより、センサ構成の構造に応じて、コスト面での利点をもたらすことができる。
【0021】
特に好ましくは、制御装置は、不揮発性メモリを有する。代替としてまたは追加として、各センサが不揮発性メモリを有する。そのような不揮発性メモリによって、割り振られた地理的アドレスを記憶することができ、それにより、地理的アドレスを後で不揮発性メモリから読み出すことができるので、割振り手順は一度だけ実行すればよい。代替として、制御装置および/または全てのセンサは、メモリレスで、すなわちメモリを有さずに構成されていてもよい。それにより、特に費用対効果の高いセンサ構成を提供することができる。この場合、センサ構成の各動作の前にアドレス指定が必要である。しかし、この場合、センサ構成の特別な構造により、特に高速で省リソースのアドレス指定を実行することができる。
【0022】
好ましくは、センサは超音波センサである。したがって、センサ構成は、特に、距離検出に使用することができる超音波システムである。例えば、センサ構成は、パークパイロットシステムまたは別の運転者支援システムに関する距離検出のために使用することができる。好ましくは、超音波センサは、車両のパネル部分の固定位置に固定されている。特に、ここで、超音波センサは車両のバンパに固定されており、バンパごとに、好ましくは、少なくとも2個、最大で12個の超音波センサが設けられている。
【0023】
さらに、本発明は、センサ構成のセンサをアドレス指定する方法に関する。好ましくは、センサ構成は、上述のセンサ構成である。
センサ構成は、制御装置と、各センサが個別のセンサ識別子を有する複数のセンサと、各センサを制御装置と接続するデータバスと、電圧供給のために各センサを制御装置と接続する給電ラインと、を有する。各センサはシャント抵抗器を有する。ここで、複数のセンサの全てのシャント抵抗器が給電ラインに直列に組み込まれており、すなわち給電ラインに直列接続で配置されている。ここで、この方法は、センサごとに、
-センサのセンサ識別子を識別するステップと、
-センサ識別子に基づいてセンサを作動させるステップと、
-全てのセンサのシャント抵抗器での電圧降下を決定するステップと、
-決定された位置に基づいて、作動中のセンサに個別の地理的アドレスを割り振るステップと、
を含む。
【0024】
ここで、作動中のセンサの位置の決定は、給電ラインに沿って、検出された電圧降下に基づいて行われる。好ましくは、作動中のセンサの位置の決定は、給電ラインに沿って、検出された電圧降下の時間的順序および/または数に基づいて行われる。シャント抵抗器での電圧降下の検出により、センサが互いにどのように配置されているか、すなわちセンサがどのような順序であるかが非常に簡単に決定され得る。シャント抵抗器が直列に配置されることにより、電流は、特定のセンサの作動時、データバス上でその前に、すなわち制御装置のより近くに配置された全てのシャント抵抗器を通って流れる。したがって、これらのシャント抵抗器のそれぞれで電圧降下を記録することができる。したがって、電圧降下の数によって、データバス上での作動中のセンサの位置は簡単に推測され得る。したがって、この方法は、センサをアドレス指定するための特に簡単な可能性を実現し、これは、特に費用対効果の高い、低い電気損失に関して最適化されたセンサ構成の構造で自動的に実施され得る。
【0025】
好ましくは、センサをアドレス指定するための方法は、特にセンサ構成の初期起動時に一度だけ実施される。代替として、この方法は、センサ構成の起動のたびに実施することができる。
【0026】
好ましくは、全てのセンサが順次に作動され、全てのセンサの作動後に、データバス上でのセンサの順序が、センサごとの検出された電圧降下の数の降順に基づいて決定される。その後、データバス上でのセンサの順序に基づいて、全てのセンサに、個別の地理的アドレスが割り振られ得る。好ましくは、ここで、各センサは別個に1回だけ作動される。代替として、全てのセンサを複数回作動させることもでき、しかし特に全てのセンサがそれぞれ同じ回数だけ作動される。言い換えると、センサは、制御装置から始めて、センサごとの検出された電圧降下の数の降順に従ってソートされる。すなわち、シャント抵抗器での決定された電圧降下が最も大きいセンサが、制御装置の方向からデータバス上での第1の位置にある。したがって、記録された電圧降下が最も少ないセンサは、データバスの最後にある。したがって、特に簡単に、少ない計算量で、データバス上のセンサの順序を決定することができ、それに基づいて地理的アドレスを一意に割り振ることもできる。
【0027】
好ましくは、各センサは別個に作動され、個々のセンサの各作動中に全てのセンサでの電圧降下の総数が決定される。ここで、他のセンサに対する、個々に作動されている各センサの位置は、全てのセンサでの検出された電圧降下の総数に基づいて決定される。すなわち、個々のセンサの作動時に検出される電圧降下の総数に基づいて、作動中のセンサと制御装置との間のデータバス上にあるセンサの数が決定され得る。例えば、作動中のセンサのセンサ構成要素への電圧供給が、シャント抵抗器の前に分岐されるとき、検出される電圧降下の数は、その前に配置されているセンサの数に対応する。それにより、データバス上での各センサの位置も、特に簡単に、小さい計算量で決定され得る。ここで、地理的アドレスの割振りは、それぞれ、作動中のセンサの位置の決定直後に、または代替として、全てのセンサの全ての位置が決定された後に行われ得る。
【0028】
代替として、各センサは、好ましくは同時に、特に同時並行で作動される。各センサの同時作動後、各センサで決定された電圧降下のレベルが決定される。したがって、チェーン内のそれぞれのセンサでのそれぞれ測定された総電圧降下のレベルが決定される。したがって、他のセンサに対する作動中のセンサの位置が、各センサで決定された電圧降下のレベルに基づいて決定される。それに対応して、データバスの方向で最も近くに位置するセンサは、列内でそのセンサの後に位置する全てのセンサの電圧降下を検出するので、最高の総電圧降下を示す。逆に、データバスの方向で最も遠くに位置するセンサは、最小の総電圧降下を示す。それに対応して、データバスでのセンサの順序は、それぞれのセンサでの電圧降下のレベルの降順に基づいて決定される。同時並行法の利点は、順次法に比べて処理が高速であること、および継続期間が、バス上のセンサの数に依存しないことである。この同時並行法では、各センサは、好ましくは、電圧降下のレベルを十分な精度で測定し、その後、制御装置に伝送するように構成されている。
【0029】
好ましくは、シャント抵抗器の両端間の電圧降下は、センサごとにそれぞれ差動増幅器を用いて増幅される。差動増幅器によって生成された出力信号は、センサごとにそれぞれフィルタによってフィルタリングされる。フィルタリングされた出力信号に基づいて、シャント抵抗器の電圧降下のレベルが決定される。好ましくは、フィルタは、バンドパスフィルタまたは最適フィルタによって、差動増幅器の出力信号をフィルタリングする。好ましくは、電圧信号の決定されたレベルに基づいて、対応するセンサの検出された作動が検証され得る。好ましくは、制御装置によって提供される、センサが作動される作動信号の周波数シグネチャに従ったフィルタパラメータの選択によって、実際の目標の作動が生じているかどうか、または干渉信号などが検出されたかどうかが一意に決定され得る。これにより、センサをアドレス指定するための方法において、特に高いロバスト性を可能にすることができる。
【0030】
特に好ましくは、各センサには、作動前に、センサ識別子に基づいて論理アドレスが割り振られる。ここで、センサの作動は、論理アドレスによって行われる。センサに論理アドレスを割り振ることによって、制御装置は、特に簡単にセンサを互いに区別し、別個に直接制御することができる。
【0031】
好ましくは、各割り振られた地理的アドレスは、それぞれのセンサの不揮発性メモリおよび/または制御装置の不揮発性メモリに記憶される。例えば、それにより、センサのアドレス指定は1回だけ必要である。センサ構成の再起動時、地理的アドレスは、制御装置によって不揮発性メモリから簡単に読み出すことができ、したがってセンサを再びアドレス指定する必要はない。
【0032】
好ましくは、不明のおよび/または変更された個別のセンサ識別子に基づいて、例えば修理時にセンサの1つが交換された時を認識することができる。好ましくは、このような認識に応答して、地理的の新たな割振りを開始することができる。
【0033】
以下、本発明を、図面に関連する例示的実施形態に基づいて述べる。図面中、機能的に同じ構成部分に、それぞれ同じ参照記号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の例示的実施形態によるセンサ構成の簡略化された概略図である。
図2】車両のパネル部分に取り付けられた状態での、図1のセンサ構成の簡略化された概略図である。
図3】本発明の第2の例示的実施形態によるセンサ構成の簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態による車両のセンサ構成1の簡略化された概略図を示す。センサ構成1は、制御装置2および複数のセンサ3を含む。例えば、センサ構成1は、図に示されるように、3つのセンサ3を含むことができる。代替として、任意の数のセンサ3が可能であり、好ましくは2つ、4つ、または6つのセンサ3である。センサ3は、構成が同じである、すなわち同一構造であるが、異なる個別のシリアル番号を有する。センサ3は超音波センサであり、超音波信号を発信および受信することにより、車両の近くの環境内の物体の認識を可能にする。
【0036】
センサ構成1は、図2に簡略化して概略的に示されているように、車両(図示せず)のパネル部分100に取り付けられていてもよい。ここで、センサ3はそれぞれ、パネル部分100の所定の位置に配置されている。センサ3によって生成されるセンサデータを空間的に割り当てることができるように、すなわち例えば特定のセンサデータが進行方向Aで左側のセンサ3によって生成されたのか右側のセンサ3によって生成されたのかを区別するために、センサ構成1による周囲環境検出が作動される前に、各センサ3の地理的アドレス指定が必要である。
【0037】
センサ構成1の構成上の構造およびセンサ3のアドレス指定の実施を以下に述べる。
センサ構成1は、給電ライン5と、接地ライン50と、2本の平行なデータライン41、42を有するデータバス4とを含む。
【0038】
接地ライン50および2つのデータライン41、42はそれぞれ、センサ3を制御装置2と接続する一部片のラインとして構成されている。センサ3と接続するために、ラインごとに、短いライン部分の形態での接続要素45、57が設けられている。さらに、各センサ3は、これらの接続要素45、57に接続するための出力ピン43、56を有する。
【0039】
給電ライン5は、いくつかの給電ライン部分59に分割されており、給電ライン部分59はそれぞれ、制御装置2を第1のセンサ3と接続し、順次に配置されたセンサ3を互いに接続する。ここで、給電ライン部分59は、入力ピン52または出力ピン53によって各センサ3と接続されている。
【0040】
個別のセンサ識別子によって、制御装置2は、センサ3を互いに区別することができる。ここで、制御装置2は、センサ3を別個に制御および区別できるようにするために、個別のセンサ識別子に基づいて各センサ3に論理アドレスを割り振ることができる。
【0041】
各センサ3は、シャント抵抗器31を有する。全てのセンサ3のシャント抵抗器31が、直列接続で給電ライン5に組み込まれている。したがって、シャント抵抗器31に関するケーブル配線は、「デイジーチェーン」と見なされ得る。
【0042】
シャント抵抗器31は、低オームに、特に最大で0.1Ωの電気抵抗で構成されており、したがってシャント抵抗器31ではわずかな電力しか降下しない。
さらに、各センサ3は、例えば超音波信号を発生および受信するように構成されたセンサ構成要素35を有する。ここで、センサ構成要素35への電圧供給は、センサ3のそれぞれのシャント抵抗器31の前の電圧タップによって行われる。シャント抵抗器31が低オームであることによって、センサ構成要素35は、本質的に、制御装置2による電圧供給に関して並列接続されていると見なされ得る。
【0043】
ここで、各センサ3は、そのシャント抵抗器31での電圧降下を検出するように設計されている。そのような電圧降下は、対応するシャント抵抗器31を通って電流が流れるときに検出され得る。これは、データバス4に沿ったセンサ3の列において、後続のセンサ3の1つが作動される場合である。
【0044】
ここで、シャント抵抗器31での電圧降下の検出および分析は、差動増幅器およびフィルタによって行われる。ここで、差動増幅器およびフィルタは、センサ構成要素35の一部であり、図中に別個には示されていない。差動増幅器は、シャント抵抗器31の両端間の電圧降下を増幅するように設計されている。フィルタは、バンドパスフィルタまたは最適フィルタを用いて差動増幅器の出力信号をフィルタリングするようにさらに設計されている。それにより、対応するセンサ3を通る電流を高い耐干渉性で確実に認識できるようにするために、シャント抵抗器31で降下する電圧信号での周波数が決定され得る。
【0045】
ここで、以下に述べるように、センサ3の地理的アドレス指定は、給電ライン5に沿った電圧降下の検出に基づいて行われ得る。
最初に、制御装置2によって全てのセンサ3の作動が行われる。ここで、各センサ3は別個に、すなわち順次に作動される。ここで、作動は、各センサ3が超音波信号を発信するように行われる。このために、各センサは、所定の周波数シグネチャを有する電流パルスで作動される。同時に、任意の1つのセンサ3の作動中、そのシャント抵抗器31で電圧が降下するかどうかを、全てのセンサ3が検出する。ここで、差動増幅器およびフィルタによって最適化されたシャント抵抗器31での電圧降下の分析により、対応するセンサ3が制御装置2によって適切に作動されたかどうか、または例えば干渉信号もしくは一定の電圧オフセットが生じているかどうかが明確に認識され得る。
【0046】
各センサ3が1回だけ作動された後、センサ3ごとの検出された電圧降下の数が決定される。次いで、データバスでのセンサ3の順序が、センサ3ごとの検出された電圧降下の数の降順に基づいて決定される。すなわち、最大の電圧降下を有するセンサ3が、データバス4上で、制御装置2から始めて第1の位置にある。
【0047】
次いで、決定された順序に従って、制御装置2によって、それぞれの地理的アドレスがセンサ3に割り振られる。
センサ構成1およびアドレス指定のための方法は、特に費用対効果の高い構造および簡単な実装可能性を特色とする。特別な利点は、全てのセンサ3がほぼ並列に電圧供給される場合でも、シャント抵抗器31によるセンサ3の一種の直列チェーンが存在することであり、これは、電圧降下を数えることにより、データバス4に沿って、全てのセンサ3の相対位置を決定することを可能にすることである。
【0048】
電圧供給がほぼ並列に行われることにより、全てのセンサ3は同じ動作電圧を供給され得る。したがって、任意の数のセンサ3を増やしてセンサ構成1を拡張することが可能であり、センサ構成1の単純であり費用対効果の高い装置構造で、全てのセンサ3は常に同じ電圧を供給され得る。
【0049】
アドレス指定の代替の実装形態を以下に述べる。
上述した事後のソートではなく、各センサ3に関して、データバス4上でのその位置は別個に容易に決定され得る。このために、各センサ3は別個に1回だけ作動される。
【0050】
個々のセンサ3の作動後、センサ構成1の全てのセンサ3での電圧降下の総数が決定される。次いで、他のセンサ3に対する個々の作動中のセンサ3の位置が、センサ構成1における電圧降下の総数に基づいて決定される。ここで、電圧降下の総数に基づいて、制御装置2は、データバス4上で、現在作動中のセンサ3の前に何個のセンサ3が配置されているかを認識することができ、そこから作動中のセンサ3の位置を認識することができる。
【0051】
特定のセンサ3の作動時、データバス4上でその前に配置されている全てのセンサ3を通って電流がそれぞれ流れるので、これらのセンサ3それぞれで電圧降下が検出される。例えば、図1に示されるセンサ構成1において中央のセンサ3が作動される場合、左側のセンサ3、すなわちデータバス4上での第1のセンサ3においてのみ、シャント抵抗器31で電流が生じる。これに基づいて、制御装置2は、作動中のセンサ3の前に1つのセンサ3のみが配置されており、したがって作動中のセンサ3がデータバス4上で第2の位置にあることを認識することができる。
【0052】
次いで、割り振られた地理的アドレスは、制御装置2の不揮発性メモリおよび/または作動中のセンサ3の不揮発性メモリに記憶され得る。代替として、メモリレスセンサ3およびメモリレス制御装置2が設けられていてもよく、その場合、アドレス指定は、センサ構成1が起動されるたびに実施される。
【0053】
さらなる代替形態では、全てのセンサ3が同時に、すなわち同期して電流パルスを生成する。各センサ3の同時作動後、各センサで決定される電圧降下のレベルが決定される。したがって、チェーン内のそれぞれのセンサ3でのそれぞれ測定された総電圧降下のレベルが決定される。したがって、他のセンサ3に対する作動中のセンサ3の位置が、各センサ3で決定された電圧降下のレベルに基づいて決定される。それに対応して、データバス4の方向で最も近くに位置する左側のセンサ3は、列内でそのセンサの後に位置する全てのセンサ3の電圧降下を検出するので、最高の総電圧降下を示す。逆に、データバス4の方向で最も遠くに位置する右側のセンサ3は、最小の総電圧降下を示す。それに対応して、データバス4でのセンサ3の順序は、それぞれのセンサ3での電圧降下のレベルの降順に基づいて決定される。
【0054】
図3は、本発明の第2の例示的実施形態によるセンサ構成1の簡略化された概略図を示す。第2の例示的実施形態は、本質的に図1の第1の例示的実施形態に対応するが、センサ3の代替のケーブル配線を備える。図3の第2の例示的実施形態では、給電ライン5、接地ライン50、およびデータバス4は、それぞれ各センサ3を通して実施されている。ここで、各センサ3は、ライン5、4、50ごとに入力ピン52、43、56および出力ピン53、44、57を有する。ここで、センサ3内、例えば各センサ3の回路板上で電圧タップが依然として行われ、電圧を供給され得る全てのセンサ3のセンサ構成要素35が、やはり本質的に制御装置2に関して並列接続されている。同様に、データ交換も、やはり制御装置2に関して並列に行われ得る。そのような構造によって、接続ラインと、ラインでの分岐位置、いわゆる「スプライス」とが省かれ得る。
図1
図2
図3