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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】タオル生地裁断機
(51)【国際特許分類】
   D06H 7/02 20060101AFI20241115BHJP
   D06H 3/08 20060101ALI20241115BHJP
   B26D 1/18 20060101ALI20241115BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
D06H7/02
D06H3/08
B26D1/18
B26D5/34 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023520924
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016922
(87)【国際公開番号】W WO2022239577
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2021082781
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(72)【発明者】
【氏名】中井 健司
(72)【発明者】
【氏名】妻木 拓也
【審査官】緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-062985(JP,A)
【文献】特開平05-097281(JP,A)
【文献】特開2021-050438(JP,A)
【文献】特開平02-014070(JP,A)
【文献】特開平11-093064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/00- 1/24
B26D 5/00-11/00
D06B 1/00-23/30
D06C 3/00-29/00
D06G 1/00- 5/00
D06H 1/00- 7/24
D06J 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のタオル生地を長手方向に送りながら、予め定める裁断領域を裁断可能な位置で停止させ、裁断領域内で裁断するタオル生地裁断機において、
タオル生地の送り元側と送り先側との間を移動可能で、送り元側に移動して裁断されたタオル生地の先端部を把持してから、送り先側に移動することで、タオル生地の引出しを行うグリッパーと、
タオル生地の送り元側に設けられ、グリッパーによってタオル生地が引出される際にはタオル生地を解放し、裁断領域を含むと予測される範囲のタオル生地が裁断可能な位置に引出されるとタオル生地を保持するクランパーと、
タオル生地の裁断領域を認識し、認識に基づいて裁断領域内を通る裁断データを生成する認識生成手段と、
裁断データに従ってタオル生地を裁断するカッターとを含み、
グリッパーは、
長手方向に垂直な幅方向を複数の区間に分割するように設けられて、タオル生地の裁断後の先端部に続く領域を二以上の区間に分けて把持することが可能な、該複数の個別グリッパーと、
該複数の個別グリッパーを、長手方向に、送り元側と送り先側との間で移動させ、隣接する区間に設けられる個別グリッパーを、長手方向に相対移動させることが可能な移動機構と、
タオル生地の先端部の変形の量についての判定基準が予め設定され、今回の裁断のために該複数の個別グリッパーと移動機構とを制御して、タオル生地の先端部に続く領域を把持して送り元側から送り先側に引き出す際に、前回の裁断時に生成した裁断データに基づいて、隣接する区間での先端部の変形の量と方向とを判定し、
変形の量が判定基準よりも大きいと判定されると、各個別グリッパーがタオル生地を把持している状態で、該隣接する区間のうちのいずれか一方の区間に対する他方の区間での把持位置を、該一方の区間に対する該他方の区間の変形の方向と逆方向に移動するか、両方の区間での把持位置を、それぞれ一方の区間に対する他方の区間の変形の方向と逆方向に移動するように制御し、
変形の量が判定基準以下であると判定されると、各個別グリッパーがタオル生地を把持している状態で、該隣接する区間の一方を移動させないと他方も移動させず、一方を移動させると他方も把持位置が同じ位相で移動するように制御する、
グリッパー制御手段とを含む、
ことを特徴とするタオル生地裁断機。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記複数の個別グリッパーを、前記長手方向に、前記送り元側と前記送り先側との間で同時に移動させる共通移動機構と、
隣接する前記区間に設けられる個別グリッパーのうちの少なくとも一方を、長手方向に移動させることが可能な個別移動機構とを含む、
ことを特徴とする請求項1記載のタオル生地裁断機。
【請求項3】
前記個別移動機構は、前記個別グリッパーを、前記長手方向で前記送り先側に対して前進かまたは後退かの一方向のみへの移動を付加し、逆方向へ移動を戻すことが可能で、
前記グリッパー制御手段は、
個別グリッパーが把持する前記区間での前記変形の方向と、該個別グリッパーの移動を付加する方向とが同じであれば、該個別グリッパーを、前記タオル生地の前記先端部に続く領域を把持する前に移動させ、該領域の把持後に移動を逆方向に戻してから、該タオル生地を引き出すように制御し、
該変形の方向と、該個別グリッパーの移動を付加する方向とが異なれば、該個別グリッパーを相対移動させないで、他の個別グリッパーと同時に該タオル生地の該領域を把持させてから、該個別グリッパーの移動を付加し、該個別グリッパーが該他の個別グリッパーと該長手方向の把持位置が異なる状態で該タオル生地を引き出すように制御する、
ことを特徴とする請求項2記載のタオル生地裁断機。
【請求項4】
前記個別移動機構は、前記移動の付加を、前記判定基準の半分以下の一定のストロークだけ行わせる、
ことを特徴とする請求項3記載のタオル生地裁断機。
【請求項5】
前記複数の区間は、幅の広い区間と幅の狭い区間とを含み、
前記個別移動機構は、狭い区間を把持する個別グリッパーを、広い区間を把持する個別グリッパーに対して移動させる、
ことを特徴とする請求項2、3または4のいずれか一つに記載のタオル生地裁断機。
【請求項6】
前記区間は、
前記幅方向の中間の前記幅の広い区間と、
幅方向の両側の前記幅の狭い区間とで
三つに分けられ、
前記個別グリッパーは、三つの区間に対して設けられる、
ことを特徴とする請求項5記載のタオル生地裁断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺のタオル生地を幅方向に、予め定める裁断領域を裁断するタオル生地裁断機に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形のタオル製品を得るためのタオル生地は、パイル織りが可能な織機で、長尺材として製織される。この織機は、平織りも可能で、個々のタオル製品のために切り離す裁断領域を、緯糸が無く経糸のみ、または緯糸を少なくして、織り目が異なる平織り部分のいわゆるヒマ部として一定間隔毎に設けることができる。裁断領域の裁断は、中央を通る直線で行うことが目標とされ、裁断後にはタオル製品としての端部処理が予定される。ただし、裁断する製織後のタオル生地は、洗いなどの種々の後工程を経ると湾曲や歪みで変形し、直線で裁断すると裁断領域外を裁断してしまい、端部処理に支障が生じるおそれがある。変形した裁断領域は、たとえば手作業で変形に合わせて曲線で裁断するか、変形を矯正した直線で裁断する必要がある。タオル生地の変形を機械的に矯正して、裁断領域を直線で裁断する技術は、従来から知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1は、緯糸が少ない縦糸部分にクシ歯部材の先端を挿入しながら、裁断を直線で行えるように矯正し、クシ歯部材を除去して裁断する。少なくとも一部が湾曲する織目を有する生地を、湾曲状況をガイドで検出しながら、生地上を走行するカッターで織目に沿って切断する技術も知られている(たとえば特許文献2参照)。この技術をタオル生地の裁断に利用すれば、変形した裁断領域に合わせた曲線での裁断が可能と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-124875号公報
【文献】特開平2002-326192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タオル生地の裁断を、特許文献1のように矯正した直線で行おうとしても、変形が大きいとクシ歯部材の挿入で矯正することは困難になる。変形がクシ歯部材の挿入で矯正可能な程度よりも大きくなると、裁断を一旦停止して人手でセットし直す必要があり、生産性が悪くなる。特許文献2のように、変形した裁断領域に合わせて裁断することは、変形がガイドとカッターとを備えるカッターヘッドの走行可能な範囲に留まることを条件に可能となる。裁断の繰返しでタオル生地の変形が累積すると、変形が裁断可能な範囲を越えてしまい、裁断を停止してタオル生地をセットし直すなど、人手を要して生産性が悪くなる。
【0005】
本発明の目的は、タオル生地に設ける裁断領域での連続裁断を、タオル生地の変形が累積して増大しないように行うことが可能なタオル生地裁断機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長尺のタオル生地を、長手方向に送りながら、予め定める裁断領域を裁断可能な位置で停止させ、裁断領域内で裁断するタオル生地裁断機において、
タオル生地の送り元側と送り先側との間を移動可能で、送り元側に移動して裁断されたタオル生地の先端部を把持してから、送り先側に移動することで、タオル生地の引出しを行うグリッパーと、
タオル生地の送り元側に設けられ、グリッパーによってタオル生地が引出される際にはタオル生地を解放し、裁断領域を含むと予測される範囲のタオル生地が裁断可能な位置に引出されるとタオル生地を保持するクランパーと、
タオル生地の裁断領域を認識し、認識に基づいて裁断領域内を通る裁断データを生成する認識生成手段と、
裁断データに従ってタオル生地を裁断するカッターとを含み、
グリッパーは、
長手方向に垂直な幅方向を複数の区間に分割するように設けられて、タオル生地の裁断後の先端部に続く領域を二以上の区間に分けて把持することが可能な、該複数の個別グリッパーと、
該複数の個別グリッパーを、長手方向に、送り元側と送り先側との間で移動させ、隣接する区間に設けられる個別グリッパーを、長手方向に相対移動させることが可能な移動機構と、
タオル生地の先端部の変形の量についての判定基準が予め設定され、今回の裁断のために該複数の個別グリッパーと移動機構とを制御して、タオル生地の先端部に続く領域を把持して送り元側から送り先側に引き出す際に、前回の裁断時に生成した裁断データに基づいて、隣接する区間での先端部の変形の量と方向とを判定し、
変形の量が判定基準より大きいと判定されると、各個別グリッパーがタオル生地を把持している状態で、該隣接する区間のうちのいずれか一方の区間に対する他方の区間での把持位置を、該一方の区間に対する該他方の区間の変形の方向と逆方向に移動するか、両方の区間での把持位置を、それぞれ一方の区間に対する他方の区間の変形の方向と逆方項に移動するように制御し、
変形の量が判定基準以下であると判定されると、各個別グリッパーがタオル生地を把持している状態で、該隣接する区間の一方を移動させないと他方も移動させず、一方を移動させると他方も把持位置が同じ位相で移動するように制御する、
グリッパー制御手段とを含む、
ことを特徴とするタオル生地裁断機である。
【0007】
また本発明で、前記移動機構は、
前記複数の個別グリッパーを、前記長手方向に、前記送り元側と前記送り先側との間で同時に移動させる共通移動機構と、
隣接する前記区間に設けられる個別グリッパーのうちの少なくとも一方を、長手方向に移動させることが可能な個別移動機構とを含む、
ことを特徴とする。
【0008】
また本発明で、前記個別移動機構は、前記個別グリッパーを、前記長手方向で前記送り先側に対して前進かまたは後退かの一方向のみへの移動を付加し、付加した移動を逆方向に戻すことが可能で、
前記グリッパー制御手段は、
個別グリッパーが把持する前記区間での前記変形の方向と、該個別グリッパーの移動を付加する方向とが同じであれば、該個別グリッパーを、前記タオル生地の前記先端部に続く領域を把持する前に移動させ、該領域の把持後に移動を逆方向に戻してから、該タオル生地を引き出すように制御し、
該変形の方向と、該個別グリッパーの移動を付加する方向とが異なれば、該個別グリッパーを相対移動させないで、他の個別グリッパーと同時に該タオル生地の該領域を把持させてから、該個別グリッパーの移動を付加し、該個別グリッパーが該他の個別グリッパーと該長手方向の把持位置が異なる状態で該タオル生地を引き出すように制御する、
ことを特徴とする。
【0009】
また本発明で、前記個別移動機構は、前記移動の付加を、前記判定基準の半分以下の一定のストロークだけ行わせる、
ことを特徴とする。
【0010】
また本発明で、前記複数の区間は、幅の広い区間と幅の狭い区間とを含み、
前記個別移動機構は、狭い区間を把持する個別グリッパーを、広い区間を把持する個別グリッパーに対して移動させる、
ことを特徴とする。
【0011】
また本発明で、前記区間は、
前記幅方向の中間の前記幅の広い区間と、
幅方向の両側の前記幅の狭い区間とで
三つに分けられ、
前記個別グリッパーは、三つの区間に対して設けられる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、長尺のタオル生地をグリッパーで引出して長手方向に送りながら、認識生成手段は、裁断領域を認識し、認識に基づいて裁断領域内を通る裁断データを生成する。カッターは、裁断データに従ってタオル生地を裁断する。グリッパーは、長手方向に垂直な幅方向を複数の区間に分割するように、該複数の個別グリッパーに分けて設けられる。個別グリッパーは、裁断後のタオル生地の先端部に続く領域を区間に分けて把持して、移動機構で送り元側から送り先側に今回の裁断のために引出す際に、隣接する区間で長手方向に相対移動させることができる。グリッパー制御手段は、個別グリッパーが把持する隣接する区間での先端部の変形の量と方向とを、前回の裁断データに基づいて判定する。変形の量が予め設定されている判定基準よりも大きいと判定されると、個別グリッパーがタオル生地を把持している状態で、判定された隣接する区間での把持位置を変形の方向と逆方向に移動させることで、変形を打ち消すように補正することができる。裁断領域の認識で裁断を変形に合わせながら続けても、変形の量が判定基準よりも大きくなると、グリッパー制御手段による制御で、変形を打ち消すように補正するので、変形が累積して増大しないように、効率良い連続裁断を可能になる。
【0013】
また本発明によれば、共通移動機構による移動でタオル生地を送り元側から送り先側に引出し、個別移動機構による移動で隣接する区間での変形の補正を行うことができ、制御の簡略化を図ることができる。
【0014】
また本発明によれば、個別移動機構は、個別グリッパーを、長手方向の送り先側に前進かまたは後退かの一方向のみへの移動を付加し、付加した移動を逆方向に戻すことが可能であれば良いので、駆動源からの出力方向が特定の方向に限定され、機構を簡略化することができる。
【0015】
また本発明によれば、個別移動機構は、変形の補正のために付加する一定ストロークの移動を、エアシリンダーなどを駆動源として出力することができ、一定ストロークを判定基準の半分以下とすることで、補正で逆方向に大きく変形しないようにすることができる。
【0016】
また本発明によれば、個別移動機構の負荷を軽くして、幅の狭い区間を把持する個別グリッパーを効率良く相対移動させることができる。
【0017】
また本発明によれば、広い幅のタオル生地は、幅方向の中間と両側とを、三つの個別グリッパーで分けて把持し、中間に対して両側が前進または後退の一方向に変形する湾曲や、両側の変形の方向が異なる蛇行などが減少するように補正することができる。狭い幅のタオル生地は、幅方向の中間と片側とを、二つの個別グリッパーで分けて把持し、蛇行などが減少するように補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施例であるタオル生地裁断機1の簡略化した平面図である。
図2図2は、図1のタオル生地裁断機1の簡略化した正面図である。
図3図3は、図1のタオル生地裁断機1の動作を示す部分的な正面図である。
図4図4は、図1のタオル生地裁断機1の動作を示す部分的な正面図である。
図5図5は、図1のタオル生地裁断機1の動作を示す部分的な正面図である。
図6図6は、図1のタオル生地裁断機1の基本的な動作を示す模式的な平面図である。
図7図7は、図1のタオル生地裁断機1による変形の補正動作の一例を示す模式的な平面図である。
図8図8は、図1のタオル生地裁断機1による変形の補正動作の他の例を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1から図8は、本発明の一実施例であるタオル生地裁断機1の構成と動作に関する。各図で対応する部分は,同一の参照符を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。また説明の便宜上、説明対象の図には記載されていない部分について、他の図に記載される参照符を付して言及する場合がある。
【実施例
【0020】
図1は、本発明の一実施例であるタオル生地裁断機1の概略的な平面構成を示す。図2は、図1の主要部分の正面構成を示す。説明の便宜上、図1また図2の一方のみに記載し、他方への記載を省略している部分がある。タオル生地裁断機1は、長尺のタオル生地2を、図の横方向となる長手方向Lに送りながら、裁断領域2a内のたとえば中央を通るように設定される裁断線を、変形していても自動で認識しながら裁断する。ヒマ部である裁断領域2aは、変形がなければ矩形で、長手方向Lの幅が5~10mm程度である。タオル生地裁断機1は、グリッパー3とクランパー4とを含む。グリッパー3は、タオル生地2の送り元側と送り先側との間を移動可能で、タオル生地2の送り先側の先端部2bを、送り元側で把持してから送り先側に移動することで、タオル生地2の引出しを行う。クランパー4は、タオル生地2の送り元側に設けられ、グリッパー3によってタオル生地2が引出される際には開いてタオル生地2を解放するか、またはタオル生地2の通過時に抵抗を与える程度に緩く閉じる。裁断領域2aを含むと予測される範囲が裁断可能な位置7cに引出されると、クランパー4は閉じてタオル生地2を保持する。引出されたタオル生地2は、下方から支持材5で支持される。タオル生地裁断機1は、ラインセンサー6およびカッター7をさらに含む。タオル生地2の下方に設けるラインセンサー6を用いて、他の部分に比して光が透過し易い裁断領域2aの認識が行われ、認識に基づいて生成される裁断データに従ってカッター7による裁断領域2a内での裁断が行われる。
【0021】
タオル生地裁断機1の全体は、フレーム8で支持され、長手方向Lに垂直な幅方向Wが前後となるように、床面に設置される。幅方向Wの前後となる前側材9Fおよび後側材9Bは、フレーム8の上部に設けられる。グリッパー3は、前側材9Fおよび後側材9Bに沿って、タオル生地2の送り元側と送り先側との間を、共通移動機構10を駆動して移動させる。共通移動機構10は、たとえばモーターを駆動源として周回するタイミングベルトに幅方向Wの両側で接続され、リニアガイドやレールで支持される基台10aを長手方向Lに移動させる。グリッパー3は、幅方向Wについて三つの区間に分割される各区間に設けられる個別グリッパーとして、前側グリッパー3F、中間グリッパー3Cおよび後側グリッパー3Bが基台10aに搭載される。中間グリッパー3Cは、裁断可能な最大幅、たとえばバスタオル幅のタオル生地2の中間となる区間を把持する。前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bは、中間の区間に対し、幅方向Wの両側となる前側材9F側および後側材9B側の区間をそれぞれ把持する。前側および後側の区間は、中間の区間よりも幅が狭いようにしておく。狭い幅のタオル生地2を裁断する際には、中間グリッパー3Cと、前側グリッパー3Fまたは後側グリッパー3Bの一方との二つでタオル生地2を把持する。タオル生地2で把持を受けるのは、裁断された先端部2bに続く領域であり、この領域は、二以上の区間に分けてそれぞれ個別グリッパーで把持される。
【0022】
共通移動機構10と、前側グリッパー3F、中間グリッパー3Cおよび後側グリッパー3Bとに関する制御は、グリッパー制御手段13によって行う。前側グリッパー3F、中間グリッパー3Cおよび後側グリッパー3Bは、上把持材3a、下把持材3b、駆動部3cおよび開閉機構3dを有する。駆動部3cは、上把持材3aと下把持材3bとが開閉機構3dで開閉するように駆動し、上把持材3aと下把持材3bとの間が閉じるとタオル生地2を把持することができる。基台10aには、前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bを中間グリッパー3Cに対して、それぞれ送り先側から送り元側への方向に一定ストロークだけ後退させる移動の付加と、付加された移動を逆方向への前進で戻すことが可能な個別移動機構3eも搭載される。個別移動機構3eの制御も、グリッパー制御手段13によって行う。前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bは、把持する区間の幅が中間グリッパー3Cよりも狭いので、中間グリッパー3Cより軽量になる。個別移動機構3eは、中間グリッパー3Cは移動させず、前側グリッパー3Fと後側グリッパー3Bとを移動させるので、負荷が軽減され、中間グリッパー3Cに対する効率良い相対移動が可能になる。また、個別移動機構3eは、個別グリッパーの送り先側から送り元側の方向への移動のみを付加し、その戻しを可能にすれば良いので、駆動源からの出力方向が特定の方向に限定され、機構を簡略化することができる。また、個別移動機構3eは、移動の付加を一定ストロークだけ行わせることで、エアシリンダーなどを駆動源とすることができ、制御も簡略化が可能となる。個別移動機構3eに、ラックとピニオン、またはボールねじなどの機構を用いれば、相対移動を多段階や無段階で制御し、変形の補正の精度を向上させることができる。
【0023】
支持材5、ラインセンサー6およびカッター7は、前側材9Fおよび後側材9Bに支持されて長手方向Lに移動可能な架台11に搭載される。架台11は、送り元側カバー8aで覆われる。送り先側に固定される送り先側カバー8bは、送り先側に移動している状態のグリッパー3を覆うことができる。クランパー4は、送り元側に固定され、駆動機構4aによって、開閉するように駆動される。架台11は、受け部材14も搭載している。制御部15は、作業者による操作や予め設定されるプログラムなどに基づき、タオル生地2を裁断する際に必要なタオル生地裁断機1の制御を行う。この制御で、制御部15は、ラインセンサー6が架台11の移動による走査で認識した裁断領域2aに基づいて、裁断領域2a内、たとえば中央を通る裁断線で裁断するための裁断データを生成するので、認識生成手段として機能する。裁断領域2aが変形していると、認識生成手段は、変形した裁断線に対応する裁断データを生成する。
【0024】
カッター7によるタオル生地2に対する前回の裁断後、制御部15はタオル生地2の前回の裁断データをグリッパー制御手段13に出力する。グリッパー制御手段13は、タオル生地2の先端部2bの変形の量と方向とを前回の裁断データに基づいて隣接する区間毎に判定する。タオル生地2は、中間と前後のいずれかとの二つの区間、または中間と前後の両方の三つの区間に分けて、個別グリッパーで把持される。二つの区間で把持される場合は、その二つのみが隣接する区間となる。三つの区間で把持される場合は、前側と中間との二つの区間、または中間と後側との二つの区間がそれぞれ隣接する区間となって二つの組合せとなるように、隣接する区間の組合せの数は、区間の数よりも一だけ少なくなる。この補正は、隣接する区間での先端部2bの変形の量が判定基準よりも大きいと判定されると、その隣接する区間の少なくとも一方を把持している状態の個別グリッパーの把持位置が変形の方向とは逆方向に相対移動するように行われる。本実施例では、個別移動機構3eによって一定ストロークだけ移動させ、または戻して補正する。一定ストロークは、判定基準の半分よりも大きくなると、補正で逆方向に大きく変形し、また小さ過ぎると補正の効果も小さくなるおそれがある。判定基準は、変形の最大許容範囲よりも小さく、たとえば半分程度に設定する。最大許容範囲は、たとえば前述のように長手方向Lの幅が5~10mmとなる裁断領域2aを認識可能な走査幅に設定する。したがって、走査幅の最大値を60mmとすれば、判定基準は30mmとなり、一定ストロークは、10mmから判定基準の半分の15mm程度としておく。タオル生地2は、生地槽20に長尺を折り畳む状態などで収容される。カッター7で裁断されたタオル生地2は、送り元側から昇降テーブル21に落下し、グリッパー3の上把持材3aと下把持材3bとの間を開いて先端部2bを解放することで昇降テーブル21上に移動する。タオル生地2は、裁断を繰り返すことで、昇降テーブル21上に積層される。昇降テーブル21は、落差が適切となるように高さが初期設定され、タオル生地2の積層で沈降するように制御される。
【0025】
支持材5は、断面形状が大略的に図示のようなL字状となるように、幅方向Wに延びる板材を折り曲げて形成される。支持材5の先端は、グリッパー3によって引出されたタオル生地2の底面側を、ラインセンサー6が走査する範囲、従って認識される裁断領域2a内で生成される裁断線よりも送り先側で、接触しながら支持することができる。支持材5は、図示のような支持状態と、反時計回り方向に揺動した待避状態とを切替えることができる。支持材5の支持状態は、タオル生地2の支持を、クランパー4が保持している部分とで安定に行い、この間の中間ではタオル生地2を支持無しの状態に保つ。待避状態は、グリッパー3が通過する際に支持材5がタオル生地2から離れて待避することを可能にする。支持材5は、タオル生地2へ接触する部分が必要であって、形状は丸棒など他の形状でもよい。支持と待避との切替えは、揺動に限らず、昇降などでもよい。また、支持材5は、幅方向Wに一様な直線状でタオル生地2を支持するのではなく、クシ歯状に凹部を設けて、後述するグリッパー3の下把持材3bをクシ歯状にして、支持材5の凹部を通過可能にすれば、待避への切替えは不要で、固定することもできる。
【0026】
ラインセンサー6は、幅方向Wに受光センサー素子が並び、タオル生地2の裁断領域2aを線状の一次元で撮像し、架台11の移動による走査に伴って二次元の画像を得る。制御部15は、ラインセンサー6からの信号を画像処理し、裁断領域2aの中央を通る裁断線で裁断するための裁断データを生成する。カッター7は、回転する丸刃7aの外周でタオル生地2を裁断し、移動部7bで幅方向Wに移動することができ、同時に架台11を長手方向Lにも移動することで、二次元的な裁断を行うことができる。
【0027】
図3図4および図5は、タオル生地裁断機1の主要部分の動作を示す。図5(b)で示す裁断時を除いて、カッター7の図示は省略する場合がある。図3(a)は、最初の裁断のために、グリッパー3が上把持材3aと下把持材3bとの間を開いて、クランパー4に接近する状態を示す。上把持材3aは、上昇し、送り先側に後退する状態となる。下把持材3bは、下降する状態となる。クランパー4側では、タオル生地2の先端部2bが閉じた状態のクランパー4の先端から垂れ下がり、送り先側に突出する片状の受け部材14によって受けられている。なお、グリッパー3の下把持材3bには、受け部材14に対応する位置にスリットが設けられ、干渉を防止している。支持材5は、待避状態に切替えられる。図3(b)は、グリッパー3がクランパー4側からタオル生地2の先端部2bに続く領域を把持する位置まで接近している状態を示す。グリッパー3の下把持材3bが上昇することでタオル生地2の先端部2bに続く領域を受け部材14上から掬い上げることができる。上把持材3aが送り元側に前進して下降することで、上把持材3aと下把持材3bとの間が閉じてタオル生地2の先端部2bに続く領域を把持することができる。
【0028】
図4(a)は、クランパー4が開いて、タオル生地2の先端部2bに続く領域を把持するグリッパー3が送り先側に移動している状態を示す。タオル生地2の引出しは、次に裁断する裁断領域2aが含まれる範囲が、クランパー4を越えて、支持材5の先端が支持する裁断可能な位置7cに達するまで行われる。裁断領域2aの存在は、ラインセンサー6以前に設ける予備的なセンサーによる検出や長手方向Lについての間隔などから予測される。図4(b)は、タオル生地2の引出しが終了した状態を示す。クランパー4は閉じ、支持材5は先端でタオル生地2を支持する支持状態に切替えられる。支持材5の先端近傍には、受け部材14が通過する位置にスリットが設けられ、受け部材14が存在しても、支持と待避との切替えに支障がないようにされている。支持材5による支持を、図4(a)のようなタオル生地2の引出しの途中から行うと、底面への先端の接触で、タオル生地2を延ばすことができる。
【0029】
図5(a)は、架台11を送り先側に移動して、ラインセンサー6によって裁断領域2aを認識する状態を示す。ラインセンサー6は、たとえばタオル生地2の上方に設けられて幅方向Wに延びる線状の光源から出る光をタオル生地2の下方で検出し、架台11の送り先側への移動に伴う走査で、裁断領域2aの画像を撮像する。ラインセンサー6を上方、光源を下方にすれば、光の透過方向は上下逆にすることもできる。図5(b)は、走査の終了後、架台11を送り元側に移動して、撮像を裁断に切替え、カッター7の丸刃7aで裁断データに従って裁断する状態を示す。受け部材14は、丸刃7aと干渉しない位置に設けておく。移動部7bは、丸刃7aを架台11に対して幅方向Wに移動させる。丸刃7aによる裁断は、移動部7bが幅方向Wの一方に移動する間に、裁断データに従うように、架台11が長手方向Lに移動しながら行う。幅方向Wの一方に達した丸刃7aを他方に移動させる際に次の裁断を行うようにすることもできる。カッター7はタオル生地2の上方から裁断するようにしているけれども、下方から裁断するようにしてもよい。この場合、支持材5による支持は、タオル生地2の上方から行えばよい。また支持材5は、フレーム8に装着し、架台11とともに移動しないようにしてもよい。またタオル生地2をコンベア上に載せて、裁断領域2aをカッターと連動する光学センサーで認識しながら裁断しても良い。カッターは、回転する丸刃7aではなく、上下に往復動を繰り返すナイフや、レーザー光などを使用することもできる。
【0030】
図6は、タオル生地裁断機1の基本的な動作を模式的に示す。前回で裁断されたタオル生地2の先端部2bの変形を裁断データに基づいて判定し、変形が無いか、または変形の量が判定基準より小さいと判定される場合、図6(a)に示すタオル生地2の先端部2bは、今回の裁断のためにグリッパー3で引き出す際に変形の補正を行わない。図6(b)は、図3(b)に対応し、前側グリッパー3F、中間グリッパー3Cおよび後側グリッパー3Bはクランパー4付近の同じ位相でタオル生地2の先端部2bに続く領域を把持する状態を示す。図6(c)は、図4(a)、図4(b)および図5(a)に対応し、タオル生地2を引出す途中の状態を示す。図6(d)は、今回の裁断を図5(b)に示すように行った後、グリッパー3が、タオル生地2で前回裁断された先端部2bに続く領域の把持を解除し、送り先側の退避位置まで前進している状態を示す。
【0031】
図7は、タオル生地裁断機1による変形の補正動作の一例を模式的に示す。図7(a)では、中間と後側とで隣接する区間について、前回の裁断でタオル生地2の先端部2bに判定基準よりも大きい量の変形Δ2Bが生じている状態を示す。この変形の方向は、個別移動機構3eによる相対移動が行われない中間グリッパー3Cが把持する中間の区間を基準に、後側グリッパー3Bが把持する後側の区間が送り元側に後退する方向であると判定される。この場合、図7(b)に示すように、後側グリッパー3Bは、個別移動機構3eによって一定ストロークだけ送り元側に後退させる移動を付加させておく。前側と中間とで隣接する区間については、変形の量が判定基準よりも小さいので、前側グリッパー3Fと中間グリッパー3Cとを、同じ位相で移動させる。ただし、図7および図8は、長手方向Lの方向についての変形を誇張している。図7(c)は、相対的に後退した後側グリッパー3Bと、相対的に元の位置に留まる前側グリッパー3Fおよび中間グリッパー3Cとを、クランパー4付近まで移動させてタオル生地2の先端部2bに続く領域を把持した状態を示す。図7(d)は、タオル生地2を把持している後側グリッパー3Bへの個別移動機構3eによる後退を戻すように前進させ、後側グリッパー3Bが把持する部分を一定ストローク分だけ、変形の方向とは逆方向となる前進で引出して、タオル生地2の変形を補正した状態を示す。図7(e)および図7(f)は、図6(c)および図6(d)と、それぞれ同様に、今回の裁断に関して、その前と後との動作を示す。
【0032】
図8は、タオル生地裁断機1による変形の補正動作の他の例を模式的に示す。図8(a)では、前側と中間とで隣接する区間について、タオル生地2の先端部2bに判定基準よりも大きい量の変形Δ2Fが生じている状態を示す。この変形は、中間の区間を基準に、前側グリッパー3Fが把持する区間が送り先側に前進する方向であると判定される。この場合、図8(b)に示すように、グリッパー3がクランパー4付近まで後退して、タオル生地2の先端部2bに続く領域を把持するまでの動作は、図6(b)と同様に行う。図8(c)は、Δ2Fの変形が生じている前側の区間を把持する前側グリッパー3Fを一定ストローク分だけの移動の付加で、変形の方向とは逆方向に後退させた状態を示す。中間と後側とで隣接する区間については、変形の量が判定基準よりも小さいので、中間グリッパー3Cと後側グリッパー3Bとを、同じ位相で移動させる。変形が生じている前側と中間とで隣接する区間をそれぞれ把持している状態で、前側グリッパー3Fを変形と逆方向に押込むことで、前進している変形部分が後退し、タオル生地2の変形は低減するように補正される。図8(d)は、前側グリッパー3Fが中間グリッパー3Cおよび後側グリッパー3Bに対して送り元側に後退している状態で、タオル生地2を送り先側に引出すように、グリッパー3を移動させた状態を示す。図8(e)は、今回の裁断を図5(b)に示すように行った後、グリッパー3がタオル生地2の先端部2bの把持を解除し、送り元側の方向に後退している前側グリッパー3Fを戻し、図6(d)および図7(f)と同様に、退避位置まで前進している状態を示す。
【0033】
変形の補正は、三つの区間のうちの二組の隣接する区間に対し、グリッパー3の前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bの両方を使用して行うこともできる。たとえば、変形の方向が前側の区間と後側の区間とで同一な湾曲であれば、前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bの両方に対し、図7または図8のように制御すれば良い。たとえば、タオル生地2が側縁に解れ止めとして耳と呼ばれる部分が設けられると伸び難くなり、幅中央が伸びて凸になるように湾曲する変形の場合、前側グリッパー3Fおよび後側グリッパー3Bを図7のように後退させればよい。また、変形の方向が前側と後側とで異なる蛇行であれば、図7図8との制御を組合せれば良い。また、中間グリッパー3Cも相対移動させたり、分割数を多くしたりするようにすれば、より細かい補正が可能となる。以上のように、グリッパー制御手段13は、タオル生地2の先端部2bの変形の量と方向とを、前回の裁断データに基づいて、個別グリッパーが先端部2bに続く領域を把持する隣接する区間で判定する。変形の量が予め定める判定基準よりも大きいと判定されると、グリッパー制御手段13は、共通移動機構10を制御してタオル生地2を送り元側から送り先に引き出す際に、タオル生地2を把持している状態で把持位置が変形の方向と逆方向に移動するように、隣接する区間を把持する個別グリッパーおよび個別移動機構3eを制御する。なお、個別移動機構3eによる移動は、タオル生地2の引出し開始時だけではなく、共通移動機構10で三つの個別グリッパーを同時に移動させている引出し途中に行わせることもできる。このような個別グリッパーの制御は、変形を打ち消すように補正することができ、タオル生地2の裁断を変形に合わせながら続けても、変形が累積して増大しないように補正可能で、効率良い連続裁断を可能にする。
【0034】
本実施例は、個別グリッパー3F,3C,3Bの移動を、共通移動機構10と個別移動機構3eで行って、個別移動機構3eによる移動は一定ストロークとして簡略化しているけれども、たとえば個別移動機構3eの替わりに、送り元と送り先との間を移動させることができる共通移動機構10と同等なストロークを持たせ、さらに移動量も調整可能な移動機構を設けてもよい。そのような場合、個別グリッパー3F、3C,3Bを同じ位相で移動させれば、共通移動機構10による移動と同等になり、それぞれ異なる位相で移動させれば、個別移動機構3eによる移動と同等に制御可能になるけれども、相対移動の組合せによる制御の自由度を大きくすることもできる。たとえば図7(c)から図7(d)で後側グリッパー3Bのみを前進させる補正の方向は、中間の区間に対して後側の区間が後退する方向に変形していることに対応する。変形の方向は、後側の区間に対して中間の区間が前進しているとすることもでき、後側グリッパー3Bのみの前進で補正する替わりに、元の位置に留めて中間グリッパー3Cを後退させるか、後側グリッパー3Bの前進と中間グリッパー3Cの後退とを組合せるようにしても、同様な相対移動が可能となる。なお、前側グリッパー3Fは、後側グリッパー3Bと隣接していないけれども、隣接していても変形量が小さい中間グリッパー3Cと同じ位相となるように、停止させるか移動させる。また、図8(b)から図8(c)で前側グリッパー3Fのみを後退させる替わりに、元の位置に留めて中間グリッパー3Cを前進させるか、前側グリッパー3Fの後退と中間グリッパー3Cの前進とを組合せるようにしてもよい。なお、後側グリッパー3Bは、前側グリッパー3Fと隣接していないけれども、隣接していても変形量が小さい中間グリッパー3Cと同じ位相となるように、停止させるか移動させる。
【符号の説明】
【0035】
1 タオル生地裁断機
2 タオル生地
2a 裁断領域
2b 先端部
3 グリッパー
3F 前側グリッパー
3C 中間グリッパー
3B 後側グリッパー
3a 上把持材
3b 下把持材
3e 個別移動機構
4 クランパー
4a 駆動機構
5 支持材
6 ラインセンサー
7 カッター
10 共通移動機構
10a 基台
11 架台
13 グリッパー制御手段
14 受け部材
15 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8