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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
G01R15/20 C
G01R15/20 B
G01R15/20 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023542202
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2022009898
(87)【国際公開番号】W WO2023021750
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2021134306
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】田村 学
(72)【発明者】
【氏名】中山 敬介
(72)【発明者】
【氏名】田岡 隆洋
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190087(WO,A1)
【文献】特開2017-153306(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0191835(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0132728(US,A1)
【文献】国際公開第2018/051575(WO,A1)
【文献】特開2020-106302(JP,A)
【文献】特開2000-174357(JP,A)
【文献】特開2016-001168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00-17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバと、前記バスバに対向して配置されたシールドと、前記シールドと前記バスバとの間に配置された磁気センサと、前記バスバの一部、前記シールドおよび前記磁気センサを一体に内包する筐体と、を備え、冷却装置により冷却される電流センサであって、
前記バスバは、前記バスバ、前記磁気センサおよび前記シールドが並ぶ第1方向において、前記バスバが配置された側を一方側としたときに、前記筐体の中心よりも前記一方側に配置されており、
前記筐体の少なくとも前記一方側が、前記冷却装置に対向配置され、
前記バスバは、前記第1方向に直交する第2方向の成分を有する方向に延びる第1電流路と、前記第1電流路の前記第2方向における一端および他端からそれぞれ、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向の成分を有する方向に延びる、第2電流路および第3電流路と、を有しており、
前記磁気センサは、前記第1電流路に対向して配置され、感度方向が前記第3方向であり、
前記バスバ、前記シールド、および前記磁気センサからなる測定ユニットが、前記第2方向に複数並べて配置され、
前記第1電流路の前記一端から延びる前記第2電流路と、前記他端から延びる前記第3電流路とは、前記第1方向における位置が異なっており、前記第1方向から見たときに、隣り合う前記バスバにおける、一方の前記バスバの前記第2電流路と他方の前記バスバの前記第3電流路とは、少なくとも一部が重なる位置に配置されている
ことを特徴とする電流センサ。
【請求項2】
前記第1電流路は、前記一端を有する第1平坦部と、前記他端を有する第2平坦部と、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを繋ぐ中間部と、を有しており、
前記中間部は、前記第3方向から見たとき、前記第1方向に対して斜め方向に延びている、
請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記磁気センサは、前記第1電流路における前記第1平坦部の前記第2平坦部側の面に対向して配置されている、
請求項2に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記第3方向から前記第1電流路を平面視した時に、前記第2方向における前記第1平坦部の長さは、前記第2平坦部の長さと前記中間部の長さとを足した長さよりも大きい、
請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
バスバと、前記バスバに対向して配置されたシールドと、前記シールドと前記バスバとの間に配置された磁気センサと、前記バスバの一部、前記シールドおよび前記磁気センサを一体に内包する筐体と、を備え、冷却装置により冷却される電流センサであって、
前記バスバは、前記バスバ、前記磁気センサおよび前記シールドが並ぶ第1方向において、前記バスバが配置された側を一方側としたときに、前記筐体の中心よりも前記一方側に配置されており、
前記筐体の少なくとも前記一方側が、前記冷却装置に対向配置され、
前記バスバは、前記第1方向に直交する第2方向の成分を有する方向に延びる第1電流路と、前記第1電流路の前記第2方向における一端および他端からそれぞれ、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向の成分を有する方向に延びる、第2電流路および第3電流路と、を有しており、
前記磁気センサは、前記第1電流路に対向して配置され、感度方向が前記第3方向であり、
前記バスバは、前記磁気センサに対向する部分に放熱部を有しており、
前記放熱部は、前記冷却装置に対向し、
前記放熱部は、前記第1方向に見たときに前記磁気センサに対向する被測定部の両側となる部分に前記被測定部よりも幅広の幅広放熱部を有し、
前記幅広放熱部は、先端側開口を持つ中空部を備えている
ことを特徴とする電流センサ。
【請求項6】
前記バスバは、前記第1方向における前記一方の面に前記筐体に覆われていない露出部を備えており、
前記露出部が、前記冷却装置に対向している、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【請求項7】
前記露出部は、前記筐体よりも熱伝導率が高く、絶縁性を有するシール部材により覆われている、
請求項6に記載の電流センサ。
【請求項8】
前記筐体の前記冷却装置に対向する側における、前記バスバと前記冷却装置との間にヒートシンクが配置されている、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【請求項9】
前記バスバの前記冷却装置に対向する側に締結部材が配置され、
前記締結部材が前記バスバと接触している、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【請求項10】
前記バスバは前記筐体と一体に形成されている、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【請求項11】
前記磁気センサが設けられた基板が、前記筐体のボス部を介して、前記筐体に接続している、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【請求項12】
前記冷却装置が、前記筐体の前記一方側に対向する部分に、磁気を遮蔽する機能を有するシールド部を備えている、
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバスバに流れる電流を磁界に基づいて測定する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素化への要求の高まりに伴い、自動車走行時のCO2排出量を抑制するためにエンジンからモータへのシフト、すなわち脱ガソリン車/電動化(EVシフト)が進んでいる。EVシフトがトラックやバスといった大型商用車両に波及するに伴い、ハイブリッド車や電気自動車におけるモータ容量も大きくなり、モータ制御に用いられる電流センサの測定電流も大きくなっている。測定電流の電流路であるバスバは、電流の大きさの2乗に比例する量の熱を発する。このため、モータ容量の増大により連続電流が大きくなることに伴って、バスバからの発熱量が大きくなる。発熱量の増大は、電流センサの精度を低下させたり、製品寿命を短くしたりといった問題を招く虞がある。しかし、発熱を抑えるためにバスバ断面を大きくすることは、電流センサの小型、軽量化の点で不利である。そこで、バスバの発熱への対応として冷却装置を設けて、冷却装置に対向した位置に電流センサを配置し、バスバを冷却可能な構成とすることが考えられる。
【0003】
特許文献1には、電流センサの温度上昇を抑制でき、かつバスバの電流値を正確に測定することを目的とする電流センサ付バスバーモジュールが記載されている。同文献に記載の電流センサ付きバスバーモジュールは、バスバおよび電流センサを厚さ方向から挟む位置に、磁界を遮蔽する少なくとも一対の遮蔽板が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-1168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電流センサ付きバスバーモジュールは、筐体の高さ方向の中央付近にバスバが配置されており、高さ方向において、バスバと筐体の外面との間に遮蔽板などの他部品が配置されている。このため、バスバに対向する冷却装置を設けて、効率よくバスバを冷却することは困難である。
本発明の目的は、冷却装置によってバスバを効率よく冷却できる電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述した課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
バスバと、前記バスバに対向して配置されたシールドと、前記シールドと前記バスバとの間に配置された磁気センサと、前記バスバの一部、前記シールドおよび前記磁気センサを一体に内包する筐体と、を備え、冷却装置により冷却される電流センサであって、前記バスバは、前記バスバ、前記磁気センサおよび前記シールドが並ぶ第1方向において、前記バスバが配置された側を一方側としたときに、前記筐体の中心よりも前記一方側に配置されており、前記筐体の少なくとも前記一方側が、前記冷却装置に対向配置されることを特徴とする電流センサ。
熱を発生するパスパと冷却装置との間にシールドが設けられておらず、バスバが冷却装置に近い位置に配置されているため、冷却装置によりバスバを効率よく冷却することができる。
【0007】
前記バスバは、前記第1方向に直交する第2方向の成分を有する方向に延びる第1電流路と、前記第1電流路の前記第2方向における一端および他端からそれぞれ、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向の成分を有する方向に延びる、第2電流路および第3電流路と、を有しており、前記磁気センサは、前記第1電流路に対向して配置され、感度方向が前記第3方向であってもよい。
磁気センサの感度方向を第3方向とすることで、磁気センサが第2方向に沿って複数相並べて配置された場合に、隣りの相からの磁界の影響が抑えられるため、電流センサの感度が向上する。なお、電流センサが備える磁気センサの数は、単数、複数の場合があるため、一つの測定電流に対応するバスバとシールドと磁気センサとの組を適宜「相」という。本発明は、一組の相を備えた単相の電流センサおよび複数組の相を備えた多相の電流センサのいずれにも適用することができる。
【0008】
前記バスバ、前記シールド、および前記磁気センサからなる測定ユニットが、前記第2方向に複数並べて配置されてもよい。
前記第1電流路の前記一端から延びる前記第2電流路と、前記他端から延びる前記第3電流路とは、前記第1方向における位置が異なっており、前記第1方向から見たときに、隣り合う前記バスバにおける、一方の前記バスバの前記第2電流路と他方の前記バスバの前記第3電流路とは、少なくとも一部が重なる位置に配置されてもよい。
この構成により、複数の測定ユニットを第2方向に沿って並べて配置する場合に、第1方向からの平面視において、隣り合う測定ユニットにおける一方のバスバの第2電流路と他方のバスバの第3電流路とを重ねて配置できる。したがって、複数の測定ユニットを第2方向に沿って並べて配置した場合、第2方向における電流センサのサイズを小さくすることができる。
【0009】
前記第1電流路は、前記一端を有する第1平坦部と、前記他端を有する第2平坦部と、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを繋ぐ中間部と、を有しており、前記中間部は、前記第3方向から見たとき、前記第1方向に対して斜め方向に延びていてもよい。
この構成により、第1方向から見たとき隣り合う磁気センサにおける一方の中間部に重なるように、他方の第2電流路を配置できるため、一方の相のバスバと他方の相のバスバとの重なる面積をより大きくすることができる。
【0010】
前記磁気センサは、前記第1電流路における前記第1平坦部の前記第2平坦部側の面に対向して配置されていてもよい。この構成により、第2方向から見たときに、中間部または第2平坦部と重なる位置に磁気センサを配置できるため、第1方向における電流センサのサイズを小さくすることができる。
【0011】
この場合、前記第3方向から前記第1電流路を平面視した時に、前記第2方向における前記第1平坦部の長さは、前記第2平坦部の長さと前記中間部の長さとを足した長さよりも大きくてもよい。第1平坦部の長さを長くとることで、第1平坦部において、ほぼ第2方向に流れる成分で構成された電流が流れる領域を広くとることができる。このため、第1平坦部の第2平坦部側の面に対向するように磁気センサを配置することで電流を精度よく測定できる。
【0012】
前記バスバは、前記第1方向における前記一方側の面に前記筐体に覆われていない露出部を備えており、前記露出部が、前記冷却装置に対向していてもよい。冷却装置に対向する領域に露出部を設けることにより、バスバの冷却効率が向上する。
前記露出部は、前記筐体よりも熱伝導率が高く、絶縁性を有するシール部材により覆われていてもよい。シール機能と放熱機能とを兼ね備えた材料で露出部を覆うことにより、冷却性を確保するとともにバスバのショートおよび腐食を抑制できる。
【0013】
前記バスバは、前記磁気センサに対向する部分に放熱部を有しており、前記放熱部は、前記冷却装置に対向していてもよい。前記放熱部は、前記第1方向に沿って見たときに前記磁気センサに対向する被測定部の両側となる部分に前記被測定部よりも幅広の幅広放熱部を有していてもよい。前記幅広放熱部は、先端側開口を持つ中空部を備えていてもよい。
放熱部を設けることにより、冷却装置によるバスバの冷却効率が向上する。また、幅広放熱部、中空部を設けることにより、表面積が大きくなるため、放熱効率が向上する。
【0014】
前記筐体の前記冷却装置に対向する側における、前記バスバと前記冷却装置との間にヒートシンクが配置されていてもよい。前記バスバの前記冷却装置に対向する側に締結部材が配置され、前記締結部材が前記バスバと接触していてもよい。前記バスバは前記筐体と一体に形成されていてもよい。
これらの構成により、ヒートシンク、ナット、筐体を介してバスバの熱を放出できるため、冷却効率が向上する。
【0015】
前記磁気センサが設けられた基板が、前記筐体のボス部を介して、前記筐体に接続していてもよい。
基板と筐体とを、広い面で面接触させるのではなく、ボス部を介して部分的に接続することで、基板に設けられた磁気センサに対して筐体の熱が伝わることが抑えられる。
【0016】
前記冷却装置が、前記筐体の前記一方側に対向する部分に、磁気を遮蔽する機能を有するシールド部を備えていてもよい。
電流センサを冷却装置に対向して配置したときに、シールドと同様の機能を有する冷却装置のシールド部によって、電流センサの一方側からの外乱ノイズが電流センサに対して与える影響を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
冷却装置により冷却される電流センサにおいて、バスバと冷却装置との間にシールドを設けないで、バスバを筐体の中心よりも冷却装置側に寄せて配置することにより、バスバから発生した熱を効率よく冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A図1Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した電流センサの断面図
図1B図1Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した、電流センサの断面図
図2】変形例に係る電流センサの断面図
図3】他の変形例に係る電流センサの断面図
図4】他の変形例に係る電流センサの断面図
図5】他の変形例に係る電流センサの断面図
図6A図6Bの直線Lzに沿ってXZ平面で切断した電流センサの断面図
図6B】電流センサの各部材の位置関係を示す平面図
図7A】電流センサの冷却装置への配置を示す斜視図
図7B】電流センサの冷却装置への配置を示す平面図
図7C図7Bに示す電流センサの変形例の平面図
図8A図8Bの直線Lzに沿ってXZ平面で切断した変形例の電流センサの断面図
図8B】変形例の電流センサの平面図
図9A図9Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した多相タイプの電流センサの断面図
図9B図9Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した多相タイプの電流センサの断面図
図9C】多相タイプの電流センサの平面図
図10A図10Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した変形例の多相タイプの電流センサの断面図
図10B図10Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した変形例の多相タイプの電流センサの断面図
図10C】変形例の多相タイプの電流センサの平面図
図11A図11Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した変形例の電流センサの断面図
図11B図11Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した変形例の電流センサの断面図
図11C】変形例の電流センサの平面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。各図面において同じ部材には同じ番号を付して、適宜、説明を省略する。各図には、基準座標として、X-Y-Z座標を示す。
図1Aは、図1Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した電流センサ20を模式的に示す断面図であり、図1Bは、図1Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した、電流センサ20を模式的に示す断面図である。
電流センサ20は、バスバ1と、シールド2と、磁気センサ3と、ケース4aおよびカバー4bからなる筐体4と、を備えており、使用の際、冷却装置30により冷却される。なお、電流センサ20は電流センサ付きバスバモジュールとして実施することができる。
【0020】
バスバ1は、磁気センサ3の検出対象である被測定電流が流れる導体であり、例えば、銅、真鍮、アルミなどで構成される。バスバ1の一部は、インサート成型により筐体4のケース4aに内包され、ケース4aと一体に形成されている。電流によってバスバ1に生じる熱は、内包されたケース4aを介してまたはバスバ1から直接放出(放熱)される。なお、電流センサ20における、バスバ1、シールド2、および磁気センサ3からなる測定ユニット10の数は、図1Bに示す3つに限られない。隣接する測定ユニット10のバスバ1間の距離、複数のバスバ1の形状は同じであっても、異なっていてもよい。
【0021】
シールド2は、インサート成型により筐体4のカバー4bに内包される。シールド2は、バスバ1に対向して配置され、バスバ1に起因する電磁干渉を抑制する機能を有しており、例えば、同一形状の金属製の板状体を複数枚重ねて構成することができる。
【0022】
磁気センサ3は、基板5に実装されており、シールド2とバスバ1との間に配置され、バスバ1に流れる被測定電流に起因して生じる磁界を検出する。例えば、外部磁場によって電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用したGMR素子やTMR素子などの磁気抵抗効果素子を磁気センサ3として用いることができる。
【0023】
筐体4は、バスバ1の一部、シールド2および磁気センサ3を一体として、内部に備えている。なお、筐体4は、バスバ1の一部を内包するケース4aと、シールド2を内包するカバー4bと、からなる。ケース4aは一方側(X1側)、カバー4bは他方側(X2側)に配置され、筐体4のX1側が冷却装置30に対向配置される。すなわち、バスバ1の一部を内包するケース4aが冷却装置30により冷却されるため、大電流が流れることで発熱したバスバ1も冷却される。また、ケース4aとカバー4bとが密着するように固定される。このため、ケース4aに内包されたバスバ1からの熱はカバー4bを介しても放熱され、バスバ1が冷却される。また、ケース4aとカバー4bとを固定することで、バスバ1、シールド2および磁気センサ3が所定の位置に固定される。
【0024】
バスバ1、磁気センサ3、シールド2が並ぶ第1方向(X軸方向)における、筐体4の幅D4の中心からX1側にずれた位置に、バスバ1が配置されている。すなわち、バスバ1は、筐体4のX軸方向の中心を通過する中心線Cよりも、冷却装置30に近い位置に配置されている。冷却装置30に対して、発熱するバスバ1をより近い位置に配置することによって、電流センサ20を効率的に冷却できる。また、特許文献1に記載の電流センサ付きバスバーモジュールとは異なり、バスバ1と冷却装置30との間にシールド2が設けられていない。このため、シールド2およびシールド2と一体に成型される樹脂によって、冷却装置30のバスバ1の冷却効率が低下しない。冷却装置30としては、外気の自然な対流や、空気や水の強制的は対流を利用した装置などが用いられる。
【0025】
図1Bに示すように、筐体4はボス部41を備えている。そして、磁気センサ3が実装された基板5は、このボス部41を介して筐体4に接続され固定されている。このように、筐体4の一部にボス部41を設けることで、基板5と筐体4とが広い面で面接触しないため、バスバ1に生じた熱が磁気センサ3へ伝わることを抑制できる。
【0026】
図2は、変形例に係る電流センサ20の断面図であり、図1Aに対応する部分を示している。なお、図3から図5に示す他の変形例に係る同電流センサ20も同様である。図2に示すように、バスバ1は、X軸方向における磁気センサ3とは反対側(X1側)の面に、筐体4のケース4aに覆われていない露出部14を有してもよい。
【0027】
本変形例では、筐体4のケース4aのX1側の外面に、内包されたバスバ1が見える位置まで凹んだ放熱(冷却)凹部42を設け、バスバ1におけるX1側の面の一部を露出させている。この放熱凹部42内に露出しているバスバ1の面が露出部14である。放熱凹部42に対抗する位置に設けられた冷却装置30により放熱凹部42を介して露出部14を冷却することで、ケース4aを介さずに冷却装置30によりバスバ1を効率よく冷却できる。
【0028】
図3は、他の変形例に係る電流センサ20の断面図である。同図に示すように、バスバ1の露出部14は、シール部材6によって覆われていてもよい。シール部材6は、筐体4のケース4aよりも熱伝導率が高く、かつ、絶縁性を有する材料で構成される。このため、バスバ1表面の露出部14をシール部材6により覆うことで、冷却性を確保しつつ、バスバ1を絶縁し腐食を抑制する対策となる。本発明において、「絶縁性を有する」とは破壊電圧が5~10kV/mm以上であることをいう。熱伝導性と絶縁性とは一般にトレードオフの関係にあるが、熱伝導率と絶縁性とのバランスを調整した市販品などを用いることができる。シール部材6として使用可能な市販品として、絶縁高熱伝導放熱シートFALTO-C、FEATHER-D6、Ramiel-LT、Ramiel-NEO、PT-SS、HITS-Y(製品名、いずれも積水ポリマテック(株)製)等が挙げられる。
【0029】
図4は、他の変形例に係る電流センサ20の断面図である。同図に示すように、バスバ1と冷却装置30との間にヒートシンク7を設けてもよい。ヒートシンク7は、筐体4のケース4aのX1側の面に設けられており、その表面に凹凸形状の放熱フィンを備え、冷却装置30に対向する位置に設けられている。ヒートシンク7の材料としては、熱伝導性の高い金属、アルミナ、セラミックなどが挙げられる。本変形例では、ケース4aの放熱凹部42内に露出部14を覆うようにヒートシンク7を設けている。なお、ケース4aに放熱凹部42を設けずに、ケース4aのX1側の面にヒートシンク7を密着させた構成としてもよい。また、ケース4aのX1側の面にヒートシンク7の放熱フィンと同様の凹凸形状を設けた構成としてもよい。
【0030】
図5は、他の変形例に係る電流センサ20の断面図である。同図に示すように、バスバ1の冷却装置30に対向する側にナット(締結部材)8が配置され、ナット8がバスバ1と接触した構成としてもよい。また、同図ではケース4aとナット8とは別々の部材として図示しているが、筐体4のケース4aにナット8が埋設された構造であってもよい。なお、バスバ1はナット8のネジ穴に連通する図示しない貫通孔を有する。バスバ1と同様の貫通孔を備えた図示しない外部端子を、その貫通孔がナット8のネジ穴およびバスバ1の貫通孔に連通するようにバスバ1のX2側に配置し、外部端子の貫通孔からボルト9を挿入し、ボルト9とナット8とを締結して、図示しない外部端子をバスバ1に固定できる。また、ナット8はバスバ1に接触しているため、ナット8との接触によってバスバ1の放熱面積が増大したのと同じ効果が得られ、バスバ1の冷却効率が向上する。
【0031】
図6A図6Bの直線Lzに沿ってXZ平面で切断した電流センサ40の断面図であり、図6Bは電流センサ40における各部材の位置関係を示すため、各部の輪郭を点線で示した平面図である。
【0032】
図6Bに示すように、平面視において、電流センサ40はバスバ1の一部に屈曲した部分を備えている点において、直線状に延びた形状のバスバ1を備えた電流センサ20と異なっている。また、電流センサ40が備える測定ユニット10が一つである点においても、測定ユニット10を複数備えた電流センサ20(図1B参照)と異なっている。
【0033】
電流センサ40のバスバ1は、X軸方向(第1方向)に直交するY軸方向(第2方向)の成分を有する方向に延びる第1電流路11と、第1電流路11のY軸方向におけるY1側の一端、およびY2側の他端からそれぞれ、X軸方向およびY軸方向に直交するZ軸方向(第3方向)の成分を有する方向に延びる、第2電流路12および第3電流路13と、を有している。そして、磁気センサ3は、第1電流路11に対向して配置され、その感度方向がZ軸方向である。これにより、Y軸方向に沿って電流センサ40が複数相分並んで配置された場合に、隣接する電流センサ40からの磁界による外乱の影響を受けにくくして、測定精度を良好にすることができる。
【0034】
「Z軸方向の成分を有する方向に延びる」とは、流路の伸長方向の両端を結んだ線分について、基準軸により成分を分解した場合、Z軸方向の成分が最も大きいことをいう。90%以上がZ軸方向の成分となることが好ましく、すべてがZ軸方向の成分すなわちZ軸方向に沿って流路が伸長することがより好ましい。また、「Y軸方向の成分を有する方向に延びる」も上述した「Z軸方向の成分を有する方向に延びる」の意義と同じである。
【0035】
図7Aは電流センサ40の冷却装置30への配置を模式的に示す斜視図であり、図7Bは、配置された電流センサ40における各部の輪郭を点線で示した平面図である。図7Cは、電流センサ40の変形例における各部の輪郭を点線で示した平面図である。電流センサ40は、それぞれ、バスバ1、シールド2および、磁気センサ3からなる測定ユニット10(図6A図6B参照)を一つの相として備えている。この場合、複数の電流センサ40を並べて配置することにより、複数の相を並べて配置することができる。
【0036】
磁気センサ3の感度軸SをZ軸方向にすることで、複数の電流センサ40をY軸方向に並べた場合における、隣接する電流センサ40からの磁界の影響小さくすることができる。ある電流センサ40のバスバ1に電流が流れたときに第1電流路11に発生する磁界は、第1電流路11を中心軸として同心円状に広がるため、隣接する電流センサ40の磁気センサ3には届かない。また、第2電流路12、第3電流路13に発生する磁界は、それぞれ第2電流路12、第3電流路13を中心軸として同心円状に広がるため、隣接する電流センサ40の磁気センサ3に達することもある。しかし、第2電流路12、第3電流路13に発生する磁界にはほとんどZ軸方向の成分は含まれていないため、隣接する電流センサ40の磁気センサ3ではほとんど検知されない。すなわち、感度軸SをZ軸方向とすることにより、電流センサ40をY軸方向に並べて配置することで、隣の電流センサ40のバスバ1の電流に起因する磁界の影響を受けない。このため、電流センサ40の測定精度が良好になる。なお、電流センサ40は、電流センサ40を備えたパワーカードとして、冷却装置30に配置してもよい。
【0037】
図7Aに示すように、冷却装置30は、水冷パイプ口30a、30bから導入・排出される冷却水を循環させて冷却する。例えば、アルミで構成された冷却装置30が用いられる。冷却装置30は、絶縁性を確保するために、電流センサ40と接触する面をセラミックで被覆してもよい。同図に示す冷却装置30では、X1側に加えてX2側においても、電流センサ40が冷却装置30と接触している。このため、電流センサ40は、X軸方向の両側から冷却装置30により冷却される。ただし、図6Aに示すように、バスバ1は筐体4の中心線CよりもX1側に設けられ、バスバ1のX1側にシールド2が設けられていないため、バスバ1の熱を冷却する効果はX1側の方がX2側よりも大きい。
【0038】
また、冷却装置30において、電流センサ40の筐体4の一方側(X1側)に対向する位置に、磁気を遮蔽可能なシールド部32(図2参照)を設けてもよい。シールド部32は、シールド2と同様の機能を有するため、冷却装置30のシールド部32によって、電流センサ20、40の一方側(X1側)からの外乱ノイズの侵入を防ぐことができる。なお、シールド部32を設ける場合には、後述する電流センサ40の露出部14の絶縁性が確保された状態であることが望ましい。
【0039】
図7Bおよび図7Cは、バスバ1の形状の例を示している。バスバ1は、例えば、図7Bに示す、第1電流路11を基準として第2電流路12と第3電流路13とが同じ側(Z1側)に延びた形状(コ字型)や、図7Cに示す、第2電流路12とおよび第3電流路13とが反対側に伸びた形状(クランク型)とすることができる。なお、これらは例示であり、バスバ1はこれらの形状のもの限られない。また、バスバ1の形状が異なる電流センサ40を並べて配置してもよい。
【0040】
図8A図8Bの直線Lzに沿ってXZ平面で切断した電流センサ40の断面図である。図8Bは電流センサ40における各部の位置関係を示すため、各部の輪郭を点線で示した平面図である。同図に示すようにバスバ1は、筐体4に覆われていない露出部14を備えていてもよい。冷却装置30に対向する領域に露出部14を設けることにより、バスバ1の冷却効率が向上する。
【0041】
図9A図9Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した多相タイプの電流センサ50の断面図であり、図9B図9Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した電流センサ50の断面図であり、図9Cは電流センサ50における各部の外郭を点線で示した平面図である。電流センサ50は、3相一体になっており、X軸方向に見た場合、隣接するバスバ1の一部が重なり合うように配置されている。バスバ1に段差を設けることで、電流センサ50のY軸方向の幅を小さくしている。
【0042】
電流センサ50の磁気センサ3は、Y軸方向(第2方向)に複数並べて配置されている。バスバ1における、第1電流路11の一端11aおよび一端11aから延びる第2電流路12と、他端11bおよび他端11bから延びる第3電流路13とは、X軸方向(第1方向)における位置が異なるように配置されている。第1電流路11は、一端11aを有する第1平坦部111と、他端11bを有する第2平坦部112と、第1平坦部111と第2平坦部112とを繋ぐ中間部113と、を有している。そして、中間部113は、Z1からZ2方向に見たとき、Y軸と交差するように伸びている。
【0043】
図9Aに示すように、バスバ1における第2電流路12と第3電流路13のX軸方向における位置が異なる場合、バスバ1が筐体4の中心よりもX1側に配置されているとは、第2電流路12と第3電流路13とのX軸方向における中間点Mが筐体4の中心線CよりもX1側に位置することをいう。
【0044】
図9A図9Bに示すように、電流センサ50のバスバ1は、X軸方向における第2電流路12の位置と第3電流路13の位置とが異なっている。より詳しく説明すると、バスバ1は、第1平坦部111と中間部113との接続部において、第2平坦部112側に屈曲し、第2平坦部112と中間部113との接続部において、第2平坦部112側に屈曲している。そして、各相の磁気センサ3は、第1電流路11の第1平坦部111における第2平坦部112側(X2側)の面111Sに対向するように配置されている。そして、図9Cに示すように、X軸方向から見た平面視において、隣り合う一方の相におけるバスバ1の第2電流路12と、他方の相におけるバスバ1の第3電流路13とは、少なくとも一部が重なっている。上述した構成により、隣り合う一方の相におけるバスバ1の第2電流路12と、他方の相におけるバスバ1の第3電流路13とが重なっている分だけ、Y軸方向における電流センサ50のサイズを小さくすることができる。
【0045】
図9Bに示すように、隣り合う相のバスバ1はX方向における第1平坦部111の位置は互いに同じ位置であり、かつ第2平坦部112の位置も互いに同じ位置である。この構成によりX軸方向における電流センサ50のサイズの増加を小さくすることができる。さらに、Y方向におけるシールド2と第3電流路13(第2平坦部112)の位置が同じ構成であり、X軸方向における電流センサ50のサイズの増加をさらに小さくすることができる。
【0046】
バスバ1に厚み方向(X軸方向)で高さが異なる部分を設け、隣り合う相の一方の相(Y2側の相)の第1平坦部111と、他方の相(Y1側の相)の第2平坦部112とが重なるようにバスバ1を配置する。この構成により、電流センサ50の隣接間ピッチを小さくすることができる。
【0047】
図9Bに示すように、Z軸方向から第1電流路11を平面視したときに、Y軸方向(第2方向)における第1平坦部111の長さD1は、第2平坦部112の長さD2と中間部113の長さD3とを足した長さよりも大きい(D1>D2+D3)。このように、長さD1を長くすることにより、第1平坦部111において、ほぼY軸方に流れる被測定電流が流れる領域が広くなるため、磁気センサ3により電流を精度よく測定することができる。
【0048】
図9Bには、中間部113がX軸方向(第1方向)に対して斜め方向に延びているが、X軸方向に平行な方向に延びた構成としてもよい。ただし、前述したように第1平坦部111の長さD1、第2平坦部112の長さD2および中間部113の長さD3がD1>D2+D3の関係にあり、かつ第1平坦部111に対向して磁気センサ3を配置するスペースを確保するためには、現実的には第2平坦部112の長さD2は第3電流路13のY方向の長さ寸法と同じ程度となる。したがって、中間部113がX軸方向に平行な方向に延びた構成とした場合には、バスバ1同士の絶縁を考慮すると、第2電流路12と第3電流路13とをX軸方向において重ねて配置できる寸法はあまり大きくできない。しかし、斜め方向に延びた構成とすることで、隣り合う電流センサ50における中間部113に重なるように、他方の第2電流路12を重ねて配置できるため、一方の相のバスバ1と他方の相のバスバ1との重なりを大きくして、電流センサ50を小型化することができる。また、重なりを大きくしなかった場合には、隣り合って配置されたバスバ1同士の絶縁をより確実に得ることができ、大電流にも対応しやすくなる。
【0049】
図9Aおよび図9Bに示すように、X軸方向(第1方向)における、第2電流路12と第3電流路13との距離が、第2電流路12と磁気センサ3との距離よりも大きくなる位置に配置されている。別の言い方をすると、第3電流路13は、磁気センサ3を挟んで第2電流路12の逆側に配置されている。さらに別の言い方をすると、第3電流路13は、磁気センサ3よりも筐体4の他方側(X2側)に配置されている。第3電流路13を筐体4の他方側に近づけて配置することで、第3電流路13に発生した熱を筐体4の他方側に放熱しやすくなる。
【0050】
第3電流路13および第2平坦部112は、シールド2とX方向において、すなわちX軸に沿ってみた場合に、重ならない位置に配置されている。このため、第3電流路13および第2平坦部112に発生した熱を、シールド2にさえぎられることなく、筐体4の他方側に効率よく放熱しやすくなる。
【0051】
さらに、第3電流路13および第2平坦部112と、シールド2とは、Y方向における位置が同じ、すなわちX軸に沿ってみた場合に、重なる位置に配置されている。このため、第3電流路13および第2平坦部112に発生した熱を、シールド2にさえぎられることなく、筐体4の他方側にさらに効率よく放熱しやすくなる。
【0052】
また、図7Aに示す冷却装置30で冷却される場合には、筐体4の他方側に配置された冷却装置30により第3電流路13および第2平坦部112が冷却されやすい。さらに、X軸方向における電流センサ50のサイズの増加をさらに小さくすることができる。
【0053】
図10A図10Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した電流センサ50の変形例の断面図であり、図10B図10Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した電流センサ50の断面図であり、図10Cは電流センサ50における各部の外郭を点線で示した平面図である。これらの図に示すように、電流センサ50は、第1電流路11の磁気センサ3と反対側(X1側)の面において、バスバ1が一部露出した露出部14を備える構成としてもよい。なお、筐体4に対してバスバ1が浮き上がるのを防止するために、バスバ1の露出した部分の外周端部に部分的に筐体4に埋設されるアンカー構造を設けてもよい。また、本変形例では第1電流路11の第1平坦部111のみが露出した構成を開示しているが、第2平坦部112も露出した構成でも良い。このような構造にすることで、放熱性・冷却性が向上する。
【0054】
図11A図11Bの直線Lxに沿ってXZ平面で切断した他の変形例の電流センサ60の断面図であり、図11B図11Aの直線Hに沿ってXY平面で切断した電流センサ60の断面図であり、図11Cは電流センサ60における各部の外郭を点線で示した平面図である。
【0055】
電流センサ60のバスバ1は、磁気センサ3に対向する部分に、冷却装置30に対向する放熱部15を有している。バスバ1に放熱部15を設けることにより、冷却装置30による冷却効率が向上する。
【0056】
放熱部15は、X軸方向から見たときに磁気センサ3に対向する被測定部151の両側となる部分に、Z軸方向の幅W2が被測定部151の幅W1よりも大きい幅広放熱部152を有している。幅広放熱部152には被測定部151側から延びるように、先端側開口152aを持つ中空部152bが形成されており、幅広放熱部152がヒートパイプとして機能する。この構成により、幅広放熱部152の表面積が大きくなり、バスバ1からの熱を冷却装置30に対して放出しやすくなるため、冷却効率がよくなる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上説明したように、本発明は、冷却装置によってバスバを効率よく冷却できるから、容量の大きなモータを備えた電気自動車やハイブリッド車に好適な電流センサとして有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 :バスバ
11 :第1電流路
11a :一端
11b :他端
111 :第1平坦部
111S :第2平坦部側の面
112 :第2平坦部
113 :中間部
12 :第2電流路
13 :第3電流路
14 :露出部
15 :放熱部
151 :被測定部
152 :幅広放熱部
152a :先端側開口
152b :中空部
2 :シールド
3 :磁気センサ
4 :筐体
4a :ケース
4b :カバー
41 :ボス部
42 :放熱凹部
5 :基板
6 :シール部材
7 :ヒートシンク
8 :ナット
9 :ボルト
10 :測定ユニット
20、40、50、60:電流センサ
30 :冷却装置
30a、30b:水冷パイプ口
32 :シールド部
C :中心線
M :中間点
H、Lx、Lz:断面の位置を示す線
S :感度軸
D1、D2、D3:Y軸方向の長さ
D4:筐体の幅
W1、W2:Z軸方向の幅
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C