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特許7588730メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法
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  • 特許-メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/377 20060101AFI20241115BHJP
   B01J 27/053 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 27/18 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 27/232 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 29/08 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 29/18 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 29/40 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 29/65 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 31/08 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 31/10 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 38/02 20060101ALI20241115BHJP
   B01J 38/12 20060101ALI20241115BHJP
   C07C 59/06 20060101ALI20241115BHJP
   C07C 67/317 20060101ALI20241115BHJP
   C07C 69/675 20060101ALI20241115BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241115BHJP
   C07C 27/00 20060101ALN20241115BHJP
【FI】
C07C51/377
B01J27/053 Z
B01J27/18 Z
B01J27/232 Z
B01J29/08 Z
B01J29/18 Z
B01J29/40 Z
B01J29/65 Z
B01J29/70 Z
B01J31/08 Z
B01J31/10 Z
B01J38/02
B01J38/12 B
C07C59/06
C07C67/317
C07C69/675
C07B61/00 300
C07C27/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023546202
(86)(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2021075023
(87)【国際公開番号】W WO2022165662
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】倪 友明
(72)【発明者】
【氏名】朱 文良
(72)【発明者】
【氏名】劉 中民
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107602388(CN,A)
【文献】特表2019-529422(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115181019(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C,B01J
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法であって、
メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸及び水が含まれている原料を触媒に接触させて、反応させ、グリコール酸及びグリコール酸メチルを得るステップを含み、
前記触媒は、固体酸触媒、液体酸触媒、固体塩基触媒、液体塩基触媒から選択されるいずれか1種である、ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記触媒は、固体酸触媒であり、
前記固体酸触媒は、酸性分子篩触媒、酸性樹脂触媒、アシッドアルミナ触媒から選択される少なくとも1種であり、
前記酸性分子篩触媒には酸性分子篩が含まれ、
前記酸性分子篩は、酸性MFI構造分子篩、酸性FAU構造分子篩、酸性FER構造分子篩、酸性BEA構造分子篩、酸性MOR構造分子篩、酸性MWW構造分子篩から選択される少なくとも1種であり、
或いは、前記酸性分子篩は、酸性ZSM-5分子篩、酸性Y分子篩、酸性ZSM-35分子篩、酸性β分子篩、酸性モルデナイト分子篩、酸性MCM-22分子篩から選択される少なくとも1種であり、
或いは、前記酸性分子篩は、水素型ZSM-5分子篩、水素型Y分子篩、水素型ZSM-35分子篩、水素型β分子篩、水素型モルデナイト分子篩、水素型MCM-22分子篩から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸性分子篩中のシリコン/アルミニウム原子比Si/Alが3~500であり、及び/又は、
前記酸性分子篩触媒中の前記酸性分子篩の含有量が50~100wt%である、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性分子篩触媒には成形剤がさらに含まれており、
前記成形剤は、酸化物であり、
前記酸化物は、アルミナ、酸化ケイ素から選択される1種であり、
記酸性分子篩触媒中の前記成形剤の含有量はmとし、mの値の範囲は0<m≦50wt%であり、
前記酸性分子篩触媒は、未使用の酸性分子篩触媒及び/又は再生酸性分子篩触媒であり、
前記未使用の酸性分子篩触媒は、使用されていない酸性分子篩触媒である、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記酸性分子篩触媒の再生方法は、
不活性化した酸性分子篩触媒を、酸素ガスを含む再生ガスにより、400~800℃で0.5~24h処理し、再生酸性分子篩触媒を得るステップを含み、
前記再生ガス中、酸素ガスは0.5~50体積%である、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
酸性樹脂触媒は、強酸性陽イオン交換樹脂から選択されるいずれか1種であり、
前記強酸性陽イオン交換樹脂中の骨格構造はスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体であり、
前記強酸性陽イオン交換樹脂中の酸性基はスルホン酸基であり、
前記アシッドアルミナ触媒はγ構造のアルミナである、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒は、液体酸触媒、固体塩基触媒であり、
前記液体酸触媒は、酸性を有する液体から選択されるいずれか1種であり、
前記液体酸触媒は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸から選択される少なくとも1種であり、
記液体酸触媒に含まれている水素イオンHの濃度が0.01~10mol/Lであり、
前記固体塩基触媒は、ハイドロタルサイト、陰イオン交換樹脂、ハイドロキシアパタイトから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒は、液体塩基触媒であり、
前記液体塩基触媒は、アルカリ性を有する液体から選択されるいずれか1種であり、
記液体塩基触媒は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液から選択されるいずれか1種であり、
前記液体塩基触媒に含まれている水酸化物イオンOHの濃度が0.01~10mol/Lである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応の条件は、
反応温度が60~260℃であり、
反応圧力が0.1~10MPaであり、
前記原料中、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の総モル数と水のモル数との比が、(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水=1:2~1:20であり、
記反応の条件は、
反応温度が130~200℃であり、
反応圧力が0.1~0.3MPaであり、
前記原料中、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の総モル数と水のモル数との比が、(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水=1:3~1:8であり、
前記メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸とのモル比が4:1~9:1であり、
前記反応は反応器内で行われ、
前記反応器は、固定層反応器、釜式反応器、接触精留反応器から選択されるいずれか1種であり、
前記反応器は、1つの固定層反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の固定層反応器を含み、又は、
前記反応器は、1つの釜式反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の釜式反応器を含み、又は、
前記反応器は、1つの接触精留反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の接触精留反応器を含み、
固定層反応器が使用される場合、
原料中のメトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度が0.1~3h-1であり、
釜式反応器が使用される場合、撹拌速度が250~350回転/分であり、反応時間が1~3日であり、
接触精留反応器が使用される場合、
反応時間が8~15hであり、
撹拌回転数が350~650回転/分であり、
還流比が1~3であり、
前記反応は、不活性雰囲気中で行われ、
前記不活性雰囲気は、窒素ガス、不活性ガスのうちのいずれか1種を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記原料中のメトキシ酢酸メチルは、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応のメトキシ酢酸メチルであり、及び/又は、
前記原料中のメトキシ酢酸は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応のメトキシ酢酸であり、及び/又は、
前記原料中の水は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応の水である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法に関し、化学製品を調製する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
グリコール酸(glycolic acid)は、ヒドロキシ酢酸(hydroxyacetic acid)としても知られており、最も簡単なα-ヒドロキシカルボン酸化合物である。グリコール酸メチル(Methyl glycolate)は水素化してエチレングリコールを製造するだけでなく、温和な条件で加水分解してグリコール酸を製造しやすい。グリコール酸の分子構造にはヒドロキシとカルボキシの両方が含まれているため、自ら重合してポリヒドロキシ酢酸(PGA)を生成することができる。ポリヒドロキシ酢酸は、良好な生体適合性を有するだけでなく、安全な生分解性を有する。そのため、医療用の手術縫合糸、薬物徐放材料、生分解性人体組織ステントなどに広く応用されるだけでなく、一般的なプラスチック製品の生産も可能である。現在、従来の非分解性プラスチック製品は深刻な環境汚染を引き起こしており、生分解性ポリグリコール酸系プラスチックはこの問題を解決することが期待されている。グリコール酸はまた、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸などのモノマーと共重合して、性能に優れた幅広い用途の高分子材料となり得る。また、グリコール酸は化学洗浄剤や化粧品原料としても優れている。
【0003】
グリコール酸の生産・製造方法は、主にクロロ酢酸加水分解法、ホルムアルデヒドのカルボニル化法、シュウ酸エステルの水素化・加水分解法等を含む。クロロ酢酸の加水分解法は、原料のクロロ酢酸の調製過程で汚染が深刻であるだけでなく、加水分解過程で大量の廃塩が発生し、汚染が深刻で、製品の品質が悪いため、現在はほぼ淘汰されている。ホルムアルデヒドのカルボニル化法は、原料が安価で入手しやすいにもかかわらず、高温、高圧、強酸性液体、有機溶媒条件下で行う必要があり、設備は腐食しやすく、製品の精製が難しいため、工業生産コストが高い。シュウ酸エステルの水素化・加水分解方法は、シュウ酸エステルを部分的に水素化してグリコール酸メチルとした後、グリコール酸メチルを加水分解してグリコール酸を製造するものである。しかし、シュウ酸エステル部分水素化触媒はまだ成熟しておらず、転化効率が低く、安定性が悪く、一方、シュウ酸エステルの生産プロセスが長く、コストが高く、これらの問題はシュウ酸エステルの水素化・加水分解法の発展を深刻に制限している。
【0004】
近年、メチラールのカルボニル化によるメトキシ酢酸メチルの製造が注目されている。この反応は、分子篩触媒に基づいて、比較的低い反応温度で実現でき、原子経済性が高い。原料のメチラールは生産効率が高く、工業化技術が非常に成熟しており、価格が安い。
【0005】
しかし、従来技術では、メチラールのカルボニル化生成物であるメトキシ酢酸メチルはグリコール酸、グリコール酸メチルの製造に応用されていない。また、メトキシ酢酸メチルのエステル結合を加水分解した後のメトキシ酢酸の用途は比較的少なく、原料の無駄が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一態様によれば、メチルメトキシ酢酸及びメチルメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びメチルグリコール酸の製造方法を提供し、本発明の方法は、特に、石炭化学生産によるメチラールを、カルボニル化反応してメトキシ酢酸メチルを生成し、次に加水分解してグリコール酸及びグリコール酸メチルを製造することに適している。この反応プロセスにより、メチラールのカルボニル化によるメトキシ酢酸メチルの製造反応と組み合わせ、石炭化学プラットフォーム生成物におけるメチラールを効率的で環境に優しく経済的にグリコール酸及びグリコール酸メチルに転化することができ、メトキシ酢酸エステル、メトキシ酢酸の用途を拡大し、有益な効果を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法であって、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸及び水が含まれている原料を触媒に接触させて、反応させ、グリコール酸及びグリコール酸メチルを得るステップを含み、
前記触媒は、固体酸触媒、液体酸触媒、固体塩基触媒、液体塩基触媒から選択されるいずれか1種である。
【0008】
近年、メチラールのカルボニル化によるメトキシ酢酸メチルの製造が注目されている。この反応は分子篩触媒に基づいて、比較的低い反応温度で実現でき、原子経済性が高い。原料のメチラールは、生産効率が高く、工業化技術が非常に成熟しており、価格が安い。本願では、グリコール酸、グリコール酸メチル、及びメトキシ酢酸等は、メチルメトキシ酢酸のエーテル結合及びエステル結合加水分解を利用して得ることができる。メトキシ酢酸の用途は比較的に少ないため、反応器に戻してメトキシ酢酸メチルと一緒に加水分解することができ、これは、グリコール酸及びグリコール酸メチルを環境にやさしく経済的に生産する経路となっている。
【0009】
任意選択的に、前記固体酸触媒は、酸性分子篩触媒、酸性樹脂触媒、アシッドアルミナ触媒から選択される少なくとも1種であり、
前記酸性分子篩触媒には酸性分子篩が含まれている。
【0010】
任意選択的に、前記酸性分子篩は、酸性MFI構造分子篩、酸性FAU構造分子篩、酸性FER構造分子篩、酸性BEA構造分子篩、酸性MOR構造分子篩、酸性MWW構造分子篩から選択される少なくとも1種である。
【0011】
好ましくは、前記酸性分子篩は、酸性MFI構造分子篩、酸性FER構造分子篩から選択されるいずれか1種である。
【0012】
任意選択的に、前記酸性分子篩は、酸性ZSM-5分子篩、酸性Y分子篩、酸性ZSM-35分子篩、酸性β分子篩、酸性モルデナイト分子篩、酸性MCM-22分子篩から選択される少なくとも1種である。
【0013】
好ましくは、前記酸性分子篩は、酸性ZSM-5分子篩、酸性ZSM-35分子篩のうちの少なくとも1種である。
【0014】
任意選択的に、前記酸性分子篩は、水素型ZSM-5分子篩、水素型Y分子篩、水素型ZSM-35分子篩、水素型β分子篩、水素型モルデナイト分子篩、水素型MCM-22分子篩から選択される少なくとも1種である。
【0015】
好ましくは、前記酸性分子篩は、水素型ZSM-5分子篩、水素型ZSM-35分子篩のうちの少なくとも1種である。
【0016】
任意選択的に、前記酸性分子篩中のシリコン/アルミニウム原子比Si/Alが3~500である。
【0017】
具体的には、前記酸性分子篩中のシリコン/アルミニウム原子比の上限は、20、10、50、100、500から選択され、前記酸性分子篩中のシリコン/アルミニウム原子比の下限は、3、10、20、50、100から選択される。
【0018】
好ましくは、前記酸性分子篩中のシリコン/アルミニウム原子比Si/Alが20~500である。
【0019】
任意選択的に、前記酸性分子篩触媒中の前記酸性分子篩の含有量が50~100wt%である。
【0020】
任意選択的に、前記酸性分子篩触媒には成形剤がさらに含まれており、前記成形剤は酸化物であり、前記酸化物は、アルミナ、酸化ケイ素から選択される1種である。
【0021】
任意選択的に、前記酸性分子篩触媒中の前記成形剤の含有量はmとし、mの値の範囲は0<m≦50wt%である。
【0022】
任意選択的に、前記酸性分子篩触媒は、未使用の酸性分子篩触媒及び/又は再生酸性分子篩触媒であり、前記未使用の酸性分子篩触媒は、使用されていない酸性分子篩触媒である。
【0023】
任意選択的に、前記酸性分子篩触媒の再生方法は、不活性化した酸性分子篩触媒を、酸素ガスが含まれている再生ガスにより、400~800℃で0.5~24h処理し、生酸性分子篩触媒を得るステップを含み、
前記再生ガス中、酸素ガスは0.5~50体積%である。
【0024】
任意選択的に、酸性樹脂触媒は、強酸性陽イオン交換樹脂から選択されるいずれか1種である。
【0025】
任意選択的に、前記強酸性陽イオン交換樹脂中の骨格構造は、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体であり、
前記強酸性陽イオン交換樹脂中の酸性基はスルホン酸基である。
【0026】
任意選択的に、前記アシッドアルミナ触媒はγ構造のアルミナである。
【0027】
任意選択的に、前記液体酸触媒は、酸性を有する液体から選択されるいずれか1種から選択される。
【0028】
任意選択的に、前記液体酸触媒は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸から選択される少なくとも1種である。
【0029】
任意選択的に、前記液体酸触媒に含まれている水素イオンHの濃度が0.01~10mol/Lである。
【0030】
任意選択的に、前記固体塩基触媒は、ハイドロタルサイト、陰イオン交換樹脂、ハイドロキシアパタイトから選択される少なくとも1種である。
【0031】
任意選択的に、前記液体塩基触媒は、アルカリ性を有する液体から選択されるいずれか1種である。
【0032】
任意選択的に、前記液体塩基触媒は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液から選択されるいずれか1種である。
【0033】
任意選択的に、前記液体塩基触媒に含まれている水酸化物イオンOHの濃度が0.01~10mol/Lである。
【0034】
任意選択的に、前記反応の条件は、
反応温度が60~260℃であり、
反応圧力が0.1~10MPaであり、
前記原料中、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸との総モル数と水のモル数との比が、
(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水=1:2~1:20であり、
メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の割合については限定しない。
【0035】
具体的には、反応温度の上限は、130℃、160℃、200℃、260℃から選択され、反応温度の下限は、60℃、130℃、160℃、200℃から選択される。
【0036】
反応圧力の上限は、0.3MPa、1MPa、5MPa、10MPaから選択され、反応圧力の下限は、0.1MPa、0.3MPa、1MPa、5MPaから選択される。
【0037】
メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸との総モル数と水のモル数との比の上限は、1:3、1:6、1:8、1:10、1:15、1:20から選択され、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸との総モル数と水のモル数との比の下限は、1:2、1:3、1:6、1:8、1:10、1:15から選択される。
【0038】
好ましくは、前記反応の条件は、
反応温度が130~200℃であり、
反応圧力が0.1~0.3MPaであり、
前記原料中、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸との総モル数と水のモル数との比が、
(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水=1:3~1:8であり、
前記メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸とのモル比が4:1~9:1である。
【0039】
具体的には、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸とのモル比の上限は、5:1、9:1から選択され、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸とのモル比の下限は、4:1、5:1から選択される。
【0040】
任意選択的に、前記反応は反応器中で行われ、
前記反応器は、固定層反応器、釜式反応器、接触精留反応器から選択されるいずれか1種である。
【0041】
任意選択的に、前記反応器は、1つの固定層反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の固定層反応器を含み、又は、
前記反応器は、1つの釜式反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の釜式反応器を含み、又は、
前記反応器は、1つの接触精留反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の接触精留反応器を含む。
【0042】
任意選択的に、固定層反応器が使用される場合、原料中のメトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度が0.1~3h-1である。
【0043】
具体的には、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度の上限は0.6h-1、1h-1、3h-1であり、メトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度の下限は0.1h-1、0.6h-1、1h-1である。
【0044】
任意選択的に、釜式反応器が使用される場合、撹拌速度は250~350回転/分であり、反応時間は1~3日である。
【0045】
任意選択的に、接触精留反応器が使用される場合、反応時間は8~15hであり、撹拌回転数は350~650回転/分であり、還流比は1~3である。
【0046】
任意選択的に、前記原料中のメトキシ酢酸メチルは、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応のメトキシ酢酸メチルであり、及び/又は、
前記原料中のメトキシ酢酸は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応のメトキシ酢酸であり、及び/又は、
前記原料中の水は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応の水である。
【0047】
具体的には、一例では、前記原料中のメトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸、及び水は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応の材料である。
【0048】
任意選択的に、前記反応は、不活性雰囲気中で行われ、
前記不活性雰囲気は、窒素ガス、不活性ガスのうちのいずれか1種を含む。
【0049】
本発明による有益な効果は以下を含む。
1)本発明のグリコール酸及びグリコール酸メチルの生産方法は、常圧下で従来の固定層反応器、釜式反応器又は接触精留反応器を用いて実現することができ、連続生産に非常に適している。
2)本発明の方法は、メタノールとホルムアルデヒドの縮合によりメチラールを製造する反応、及びメチラールのカルボニル化によりメトキシ酢酸メチルを製造する反応と組み合わせると、石炭化学プラットフォーム生成物であるメタノールを効率的で環境に優しく経済的にグリコール酸及びグリコール酸メチルに転化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本願の実施例1における液体クロマトグラフィー-質量分析反応生成物中のグリコール酸のマイナスイオン質量スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、実施例を参照して本願について詳細に説明するが、本願はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
以下、可能な実施方式について説明する。
【0053】
グリコール酸及びグリコール酸メチルの従来の生産技術に存在している問題に対して、本発明は、メトキシ酢酸エステル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法を開発している。さらに、本発明の方法は、特に、石炭化学生産によるメチラールを、カルボニル化反応してメトキシ酢酸メチルを生成し、次に加水分解してグリコール酸及びグリコール酸メチルを製造することに適している。
具体的には、本発明は、メトキシ酢酸エステル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造方法を提供し、原料のメトキシ酢酸エステル、メトキシ酢酸及び水を、触媒が担持された反応エリアに通して、一定の反応条件下で反応させて、グリコール酸及びグリコール酸メチルを製造し、
前記触媒は、固体酸触媒、液体酸触媒、固体塩基触媒、及び液体塩基触媒のうちのいずれか1種又は複数の組み合わせであり、
前記反応エリアには、1つの固定層反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の固定層反応器、又は1つの釜式反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の釜式反応器、又は1つの接触精留反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の接触精留反応器が含まれており、
前記反応の条件は、反応温度が60~260℃であり、原料のモル比(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水が1:20~1:2であり、原料のモル比であるメトキシ酢酸メチル:メトキシ酢酸が任意の割合であり、反応圧力が0.1~10MPaである。
【0054】
前記メトキシ酢酸メチルの加水分解の反応方程式は、以下の通りである。
CHOCHCOOCH+2HO=2CHOH+HOCHCOOH (1)
また、2つの部分加水分解反応も存在し、それぞれは以下のとおりである。
CHOCHCOOCH+HO=CHOH+HOCHCOOCH (2)
CHOCHCOOCH+HO=CHOH+CHOCHCOOH (3)
【0055】
反応(3)中のメトキシ酢酸をさらに同じ触媒及び反応条件下で加水分解してグリコール酸を生成する。
CHOCHCOOH+HO=CHOH+HOCHCOOH (4)
【0056】
上記の反応(1)~(4)はすべて可逆反応である。また、加水分解によるメタノールを部分的に脱水してジメチルエーテルを生成することもできる。
【0057】
前記固体酸触媒は、酸性分子篩触媒、酸性樹脂触媒又はアシッドアルミナ触媒のうちの1種又は複数種の組み合わせである。
【0058】
前記の酸性分子篩含有触媒には、0~50重量%の触媒成形剤も含まれており、前記触媒成形剤はアルミナ及び酸化ケイ素のうちの1種である。
【0059】
前記酸性分子篩含有触媒は、新しく調製された酸性分子篩触媒及び/又は再生酸性分子篩触媒である。
【0060】
前記再生酸性分子篩触媒の調製方法は以下のとおりであり、メトキシ酢酸エステル及びメトキシ酢酸を加水分解して不活性化した酸性分子篩触媒を、0.5~50体積%の酸素ガスが含まれているガスにより、400~800℃で0.5~24h処理する。
【0061】
前記酸性樹脂触媒は強酸性陽イオン交換樹脂である。
【0062】
前記強酸性陽イオン交換樹脂の骨格構造は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体であり、酸性基はスルホン酸基である。
【0063】
前記アシッドアルミナ触媒はγ構造のアルミナである。
【0064】
前記γ構造のアルミナは、400~800℃でSB粉末を焼成することにより調製される。
【0065】
前記液体酸触媒は、酸性を有する液体である。
【0066】
前記液体酸触媒は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸のうちの1種又は複数種である。
【0067】
前記液体酸触媒に含まれている水素イオンHの濃度が0.01~10mol/Lである。
【0068】
前記固体塩基触媒は、ハイドロタルサイト、陰イオン交換樹脂、ハイドロキシアパタイトのうちの1種又は複数種である。
【0069】
前記ハイドロタルサイトの構成は[Mg1-xAl(OH)x+[CO 2-x/2・nHOで表されてもよく、xの値は0.1~0.34であり、nの値は0~4の整数である。Mgは、Zn、Fe、Co、Ni、及びCuで同形置換されてもよく、Alは、Cr、Fe、Inで置換されてもよい。
【0070】
前記ハイドロキシアパタイトの構成は、Ca10-x(HPO(PO6-x(OH)2-xで表されてもよく、xの値は0~1である。
【0071】
前記液体塩基触媒は、アルカリ性を有する液体である。
【0072】
前記液体塩基触媒は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液のうちの1種又は複数種である。
【0073】
前記液体塩基触媒に含まれている水酸化物イオンOHの濃度が0.01~10mol/Lである。
【0074】
前記反応の条件は、反応温度が130~200℃であり、原料のモル比(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸):水が1:8~1:3であり、原料のモル比であるメトキシ酢酸メチル:メトキシ酢酸が4:1~9:1であり、反応圧力が0.1~0.3MPaである。
【0075】
前記反応エリアには1つの固定層反応器、又は直列及び/又は並列接続された複数の固定層反応器が含まれている場合、原料中のメトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度が0.1~3h-1である。
【0076】
前記原料のメトキシ酢酸エステル、メトキシ酢酸、及び水は、新しく添加される原料及び/又は生成物を分離した後に未反応の原料である。
【0077】
前記原料が、酸性分子篩触媒を担持した反応エリアを通す過程において、窒素ガス、アルゴン不活性キャリアガスのうちの1種が含まれている。
【0078】
特に断らない限り、本発明の実施例における原料はすべて市販品として入手する。
【0079】
実施例における分析方法、転化率、及び選択性は以下のように計算される。
【0080】
グリコール酸を除く生成物及び未反応の原料の分析には、FID検出器をDB-FFAPキャピラリカラムに接続し、TCD検出器をPorapakQ充填カラムに接続したAgilent7890Bガスクロマトグラフを使用した。グリコール酸の分析には、液体クロマトグラフィーにより行い、分離カラムはC18カラム、検出器は紫外線検出器を使用した。
【0081】
本発明の実施例では、転化率及び選択性は、いずれも炭素モル数に基づいて計算される。
メトキシ酢酸メチルの転化率=[(供給原料中のメトキシ酢酸メチル炭素モル数)-(排出生成物中のメトキシ酢酸メチル炭素モル数)]÷(供給原料中のメトキシ酢酸メチルの炭素モル数)×100%
メトキシ酢酸の転化率=[(供給原料中のメトキシ酢酸炭素モル数)-(排出生成物中のメトキシ酢酸炭素モル数)]÷(供給原料中のメトキシ酢酸炭素モル数)×100%
特定の生成物の選択性=(排出生成物中の特定の生成物の炭素モル数)÷(排出生成物中のすべての炭素含有生成物の総炭素モル数)×100%
以下、実施例によって本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】
触媒性能の試験
実施例1
中科触媒新技術(大連)股▲ふん▼有限公司の触媒工場で生産したシリカとアルミナの比Si/Al=20の酸性H-ZSM-5分子篩を選択し、それを粉砕して篩にかけて0.4~0.8mmの粒子にし、2gを取って内径8mmのステンレス鋼反応管内に入れて、50mL/min窒素ガスを用いて500℃で4h活性化し、反応の条件は以下の通りである。反応温度(T)=160℃、反応圧力(P)=0.1MPa、原料のモル比(メトキシ酢酸メチル+メトキシ酢酸)/水=1:6、モル比(メトキシ酢酸メチル/メトキシ酢酸)=5:1、原料のメトキシ酢酸メチルとメトキシ酢酸の質量空間速度(WHSV)=0.6h-1である。反応24h後、ガスクロマトグラフィーと液体クロマトグラフィーを用いて生成物を分析し、炭素数に基づく反応結果を表1に示す。このうち、液体クロマトグラフィー-質量分析生成物中のグリコール酸のマイナスイオンの質量分析結果を図1に示す。
【0083】
実施例2~8
触媒、反応条件、及び反応結果を表1に示す。残りの操作は実施例1と同様であった。
【表1-1】
【表1-2】
表1から明らかに、酸性分子篩は、メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造の反応において、優れた触媒性能を示し、目的の生成物の選択性が高い。
【0084】
実施例9
実施例1における各反応時間の反応結果を表2に示す。
【表2】
表2から明らかに、酸性分子篩触媒、特にH-ZSM-5分子篩触媒は、加水分解反応において、原料の転化率が高く、寿命が長い。
【0085】
実施例10
実施例1の触媒を丹東明珠社から市販品として入手する交換度3.2mmol/gのDB757型強酸性スルホン酸交換樹脂に変更し、50mL/min窒素ガスを用いて100℃で4h活性化した以外、残りの条件及び操作は変わらず、反応結果は表3に示される。
【0086】
実施例11
実施例10の触媒を、北京燕▲シン▼科技社から市販品として入手するアンモニアガス吸着能力0.29mmol/gのγ-アルミナに変更し、残りの操作条件は実施例10と同様であり、反応結果は表3に示される。
【0087】
実施例12
実施例10の触媒を、丹東明珠社から市販品として入手する交換度3.5mmol/gの202FC強塩基性第四級アンモニウム交換樹脂に変更し、残りの操作条件は実施例10と同様であり、反応結果は表3に示される。
【0088】
実施例13
実施例10の触媒を、構成が[Mg0.8Al0.2(OH)0.2+[CO 2-0.1・2HOのハイドロタルサイトに変更し、残りの操作条件は実施例10と同様であり、反応結果は表3に示される。
【0089】
実施例14
実施例10の触媒を、構成がCa10(PO(OH)ハイドロキシアパタイトに変更し、残りの操作条件は実施例10と同様であり、反応結果は表3に示される。
【表3】
表3から明らかに、強酸性樹脂、γ-アルミナ、アルカリ性樹脂、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイトなどの固体酸、塩基触媒も、メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造の反応を触媒することができる。
【0090】
実施例15
反応釜にメトキシ酢酸メチル86.7g、メトキシ酢酸15g、及び水108gを加えながら、0.1mol/Lの硫酸水溶液10mLを触媒として加えた。反応温度160℃、反応圧力0.2MPa、撹拌回転数300回転/分とした。反応24h後、反応結果を表4に示す。
【表4】
表4から明らかに、液体酸も、メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解によるグリコール酸及びグリコール酸メチルの製造の反応を触媒することができる。
【0091】
実施例16
間欠接触精留によりメトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸の加水分解反応を試験した。精留塔の塔体を直径30mmのガラスカラムにし、その内部に3.0mm×3.0mm規格の不活性環状パッキンを充填し、パッキンの高さを2.0mにした。精留釜を加熱ジャケットで加熱し、塔頂のコンデンサの温度を-15℃にした。
反応釜にメトキシ酢酸メチル86.7g、メトキシ酢酸15g、及び水108gを加えながら、実施例1のシリカ/アルミナ比Si/Al=20の酸性H-ZSM-5分子篩10gを触媒として加えた。反応温度を150℃、反応圧力を0.1MPa、マグネチックスターラの撹拌回転数を500回転/分、還流比を2とした。10h反応した結果、メトキシ酢酸メチル及びメトキシ酢酸のいずれの転化率も約100%、グリコール酸の選択性は43.5%、グリコール酸メチルの選択性は13.0%であった。
【0092】
実施例17
実施例1のシリカ/アルミナ比Si/Al=20の酸性H-ZSM-5分子篩を、それぞれアルミナ又は酸化ケイ素で押し出してストランド状に成形し、成形後の触媒中のアルミナ又は酸化ケイ素の含有量を20wt%にした以外、残りの条件及び操作は変わらず、反応結果は表5に示される。
【表5】
表5から明らかに、酸性分子篩触媒は、アルミナ又は酸化ケイ素を用いて成形した後、触媒活性がほぼ一定に保持される。
【0093】
実施例18
実施例9において8000時間反応させた触媒を、酸素ガス/窒素ガス(モル比)=5/95の混合ガス500mL min-1で、600℃で4時間処理した後、実施例9の条件で反応させ、反応結果を表6に示す。
【表6】
表6から明らかに、反応後の触媒は、酸素ガス/窒素ガスの混合雰囲気で焼成により再生されると、未使用の触媒と同等の反応性能を取り戻す。
【0094】
上記は、本願のいくつかの実施例にすぎず、本願を何ら制限するものではなく、本願は、より良い実施形態で上記のように開示されているが、これらは本願を制限するために使用されるものではなく、当業者が、本願の技術的解決手段から逸脱しない範囲内で、上記開示された技術的内容を利用して多少の変更又は変化を加えたものは、同等の実施例と同等であり、いずれも技術的解決手段の範囲内に属するものである。
図1