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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0662 20160101AFI20241115BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H01M8/0662
B01D53/22
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024557890
(86)(22)【出願日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2024019152
【審査請求日】2024-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】篠木 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】川本 誠
(72)【発明者】
【氏名】吉瀬 万希子
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0254383(US,A1)
【文献】国際公開第2024/089867(WO,A1)
【文献】特開2019-139858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
B01D 53/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードおよびカソードを有する燃料電池と、
前記アノードから排出されたアノードオフガスを、分岐ガスとリサイクルガスとに分岐させる分岐部と、
前記分岐ガスから特定のガス成分を分離する複数の分離ユニットを有する分離装置と、
前記分岐ガスを昇圧する圧縮機と、
前記分離装置に導入される前記分岐ガスの圧力を計測する圧力計と、
前記分岐ガスの圧力を調整する圧力調整器と、
前記分岐ガスの組成および流量を取得するガス情報取得部と、
前記複数の分離ユニットに前記分岐ガスを分配する分配機構と、備える、燃料電池システム。
【請求項2】
前記分配機構を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記圧力計および前記ガス情報取得部からの情報に基づき前記分配機構を制御し、前記分岐ガスを前記複数の分離ユニットに分配させる、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記複数の分離ユニットは、並列配置され,
前記分配機構には分配遮断弁が含まれ、
前記制御装置は、前記分配遮断弁を開閉させることで、前記分離ユニットに前記分岐ガスを分配する、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記分離ユニットに含まれる少なくとも2つの分離ユニットは直列配置される、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記分配機構は、
前記ガス情報取得部によって取得された前記分岐ガスの流量が閾値以上である場合は前記複数の分離ユニットのすべてに前記分岐ガスを分配し、
前記ガス情報取得部によって取得された前記分岐ガスの流量が閾値を下回る場合は、前記複数の分離ユニットの一部に前記分岐ガスを分配する、請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記複数の分離ユニットの動作時間を取得する動作時間取得部をさらに備え、
前記分配機構を制御する制御装置は、前記動作時間取得部によって取得された前記複数の分離ユニットの動作時間に基づき、前記複数の分離ユニットの動作時間が均一になるように前記分配機構を制御する、請求項1からのいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記圧力調整器を制御して前記分岐ガスの圧力を変更することで、前記分配遮断弁の開閉状態が変更される際の前記分離ユニットの動作圧力を調整する、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
炭化水素系燃料から水素を生成する改質器と、
前記改質器と熱的に接続された燃焼器と、を有し,
前記分離装置から排出される前記分岐ガスと比較して水素濃度が高い再生燃料ガスを前記燃焼器に供給し,前記燃焼器に設けた温度検出機構からの情報に基づいて,前記分配機構もしくは前記圧力調整器を制御する、請求項1から4、および7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
二酸化炭素から合成燃料を生成する燃料合成反応機構と,
前記分離装置によって前記分岐ガスから分離された二酸化炭素リッチガスを前記燃料合成反応機構に供給する二酸化炭素回収系統と、をさらに備える、請求項1から4、および7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記二酸化炭素回収系統と、前記燃料合成反応機構との間に、水素および一酸化炭素を含む合成ガスを生成する共電解セルを、さらに備える、請求項9に記載の、燃料電池システム。
【請求項11】
前記分岐部と、前記分離装置に供給される前記分岐ガスを昇圧させる圧縮機と、の間に一酸化炭素を二酸化炭素に変成するシフト反応部と,前記シフト反応部の熱と水蒸気との間での熱交換を行うシフト反応熱交換部とを備え、
前記熱交換に利用する前記水蒸気は、炭化水素系燃料から水素を生成する改質器に供給される水蒸気である、請求項1から4、および7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記分離装置から排出される二酸化炭素リッチガスを吸引する真空ポンプを有する、請求項1から4、および7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスから、二酸化炭素を分離する技術が開示されている。具体的には、アノードオフガスは分離膜を有する分離部へと導入される。特許文献1における分離膜は、二酸化炭素および水を透過しやすく、他の成分を透過しにくい性質を有している。このため、分離膜を透過したガスの二酸化炭素濃度は、アノードオフガスよりも高くなる。アノードオフガスのうち、分離膜を透過せず残留したガスには、水素等の可燃成分が含まれる。このガスは、再生燃料ガスとして再利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-139858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば燃料電池が部分負荷運転となった場合には、定格負荷運転である場合と比較して、分離部に導入されるアノードオフガスの流量が減少する。他の要因によっても、分離部に導入されるアノードオフガスの流量が減少する場合がある。アノードオフガスの流量が減少すると、単位流量あたりのアノードオフガスに対する分離膜の面積が、相対的に増大する。このため、二酸化炭素よりも分離膜を透過しにくい成分、例えば水素の透過量も増大する。その結果、回収されるガスに含まれる二酸化炭素の濃度が低下するという課題が生じる。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みて、分離膜に導入されるガスの流量が変化した場合に、分離したガスの二酸化炭素濃度が減少することを抑制可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る燃料電池システムの一つの態様は、アノードおよびカソードを有する燃料電池と、前記アノードから排出されたアノードオフガスを、分岐ガスとリサイクルガスとに分岐させる分岐部と、前記分岐ガスから特定のガス成分を分離する複数の分離ユニットを有する分離装置と、前記分岐ガスを昇圧する圧縮機と、前記分離装置に導入される前記分岐ガスの圧力を計測する圧力計と、前記分岐ガスの圧力を調整する圧力調整器と、前記分岐ガスの組成および流量を取得するガス情報取得部と、前記複数の分離ユニットに前記分岐ガスを分配する分配機構と、備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の燃料電池システムによれば、分離膜に導入されるガスの流量が変化した場合に、分離したガスの二酸化炭素濃度が減少することを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
図2図1に示す燃料電池システムの分離装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係る分離装置の構成の変形例を示す図である。
図4】実施の形態2に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
図5】実施の形態3に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
図6】実施の形態4に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の模式図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、供給経路1と、原料流量計1aと、混合器2と、改質器3と、燃料電池4と、水蒸気発生器7と、凝縮タンク9と、分岐部10と、圧縮機12と、温度調整器13と、制御装置19と、圧力計20と、調整弁21と、温度計22と、ガス分離装置Dと、を備える。
【0011】
詳細は後述するが、ガス分離装置D(以下、単に分離装置Dと呼ぶ)は、二酸化炭素を含むプロセスガスを、二酸化炭素濃度の高い二酸化炭素リッチガスG11と、二酸化炭素濃度の低い再生燃料ガスG12と、に分離させる機能を有する。本実施の形態におけるプロセスガスは、燃料電池4のアノード4Aから排出されるアノードオフガスである。ただし、アノードオフガスではないプロセスガスに対して、本開示を適用してもよい。つまり、燃料電池システム100は燃料電池4から排出されるプロセスガス以外に適用されてもよい。
【0012】
二酸化炭素を含むプロセスガスのその他の例としては、例えば、工場の排気ガス、発電所の排気ガス、等が挙げられる。また、改質器3等の、炭化水素系燃料から水素を生成する改質反応システムからの排ガスを、プロセスガスとして用いてもよい。本実施の形態において、以下ではプロセスガスの例示として「アノードオフガスG」を挙げて説明する。
【0013】
供給経路1は、原料を混合器2に供給する。原料としては、炭化水素などの炭素含有物を採用できる。炭化水素としては、メタンが挙げられる。以下では、原料がメタンである場合について説明するが、原料はメタンに限られない。供給経路1には原料流量計1aが設けられている。原料流量計1aは、混合器2に供給される原料の流量を計測する。原料流量計1aの計測結果は、例えば運転状態取得部18および制御装置19に入力されてもよい。混合器2には原料供給系統2aが接続されている。原料は、混合器2において後述するリサイクルガスG2および水蒸気と混合され、原料供給系統2aを介して改質器3に導入される。
【0014】
改質器3は、水蒸気改質反応または二酸化炭素改質反応によって、改質ガスを生成する。改質ガスには、水素が含まれる。水蒸気改質反応は、例えば、以下に示す式(I)および式(II)に従う。
CH+HO→CO+3H ・・・(I)
CO+HO→CO+H ・・・(II)
二酸化炭素改質反応は、例えば、以下に示す式(III)および式(IV)に従う。
CH+CO→2CO+2H ・・・(III)
2CO+2HO→2CO+2H ・・・(IV)
【0015】
改質器3は、水蒸気改質触媒および二酸化炭素改質触媒の少なくとも一方を有することが好ましい。また、改質器3は、水蒸気改質触媒および二酸化炭素改質触媒の両方を有することが、より好ましい。水蒸気改質触媒は、水蒸気改質反応を促進する。二酸化炭素改質触媒は、二酸化炭素改質反応を促進する。水蒸気改質触媒としては、Ni担持アルミナ、Ru担持アルミナなどが挙げられる。二酸化炭素改質触媒としては、Ni担持イットリア、Pt担持イットリア等が挙げられる。
【0016】
水蒸気改質触媒と二酸化炭素改質触媒は、混合されて、改質器3内に充填されてもよい。水蒸気改質触媒と二酸化炭素改質触媒は、互いに異なる層を形成して、改質器3内に充填されてもよい。水蒸気改質触媒と二酸化炭素改質触媒は、例えば、それぞれの触媒が機能するために適切な温度帯に位置するように、改質器3内に充填されてもよい。
【0017】
改質器3の内部の温度は、水蒸気改質反応および二酸化炭素改質反応の少なくとも一方が進行するように設定される。水蒸気改質反応および二酸化炭素改質反応の両方が進行するように、それぞれの反応に適した温度分布が、改質器3内に設定されてもよい。改質器3には、燃焼器3aが熱的に接続されている。燃焼器3aは、燃料を燃焼させることで、改質器3内が適切な温度帯となるように熱を発生させる。燃焼器3aの燃料としては、カソード4Bから排出されたカソードオフガス、分離装置Dから排出された再生燃料ガスG12、等を利用できる。再生燃料ガスG12については後述する。
【0018】
空気供給系統5は、空気を燃料電池4に供給する。空気供給系統5から供給される空気は酸素含有ガスである。酸素含有ガスは、酸化剤としての酸素(O)を含む。空気供給系統5には、空気を燃料電池4に向けて流動させるための空気供給ブロワ5aが設けられている。また、空気供給系統5には、熱交換器17が配置されている。熱交換器17は、空気供給系統5内を流動する空気と、燃焼器3aから排出された燃焼オフガスと、の間で熱交換を行う。これにより、燃焼器3aの排熱を利用して、カソード4Bに導入される空気を加熱することができる。
【0019】
燃料電池4は、アノード4Aおよびカソード4Bを有している。改質器3で得られた改質ガスは、燃料電池4のアノード4Aに供給される。空気供給系統5から供給された空気は、燃料電池4のカソード4Bに供給される。燃料電池4は、水素(H)を含む改質ガスと、空気(酸化剤)との反応により発電を行い、電気エネルギーを発生させる。燃料電池4を含む燃料電池システム100は、発電システムと称することもできる。
【0020】
燃料電池4は、例えば固体酸化物型燃料電池であってもよい。固体酸化物型燃料電池の場合、アノード4Aにおける反応は以下の式(V)に従い、カソード4Bにおける反応は以下の式(VI)に従う。
+O2-→HO+2e ・・・(V)
1/2O+2e→O2- ・・・(VI)
【0021】
燃料電池4のアノード4Aからは、アノードオフガスGが排出される。アノードオフガスGは、例えば、水素(H)、二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)、一酸化炭素(CO)、およびメタン(CH)を含む。アノードオフガス系統6は、アノードオフガスGを燃料電池4のアノード4Aから取り出し、分岐部10に導く。アノードオフガス系統6における、燃料電池4と分岐部10の間の部分には、水蒸気発生器7、熱回収器6a、および凝縮タンク9が配置されている。
【0022】
凝縮タンク9は、アノードオフガスGに含まれる水蒸気の一部を凝縮させることができる。凝縮タンク9において得られた水は、ポンプ23aおよび流量制御器23を経由して、水蒸気発生器7に供給される。ポンプ23aは、水を凝縮タンク9から水蒸気発生器7に向けて流動させるための動力を発生させる。流量制御器23は、水蒸気発生器7に供給される水の流量を制御する。流量制御器23の計測結果は、例えば運転状態取得部18および制御装置19に入力されてもよい。
【0023】
水蒸気発生器7は、凝縮タンク9から供給された水を、アノードオフガスGとの熱交換により加熱する。これにより、水蒸気発生器7は水蒸気を得る。水蒸気発生器7は、補助加熱器7aを有している。補助加熱器7aは、例えばヒータである。アノードオフガスGとの熱交換だけでは、水を蒸発させるための熱量が不足する場合、補助加熱器7aを用いて水を加熱してもよい。水蒸気発生器7で得られた水蒸気は、水蒸気供給系統8から、混合器2へと導入される。
【0024】
熱回収器6aは、凝縮タンク9の上流に位置し、アノードオフガスGから熱を回収することができる。これにより、例えば、アノードオフガスGを後述するリサイクルガスブロワ16aの耐熱温度以下に設定できる。凝縮タンク9の下流側には、分岐部10が配置されている。分岐部10において、アノードオフガス系統6は、分岐ガス系統11およびリサイクルガス系統16に分岐する。リサイクルガス系統16は、アノードオフガスGの少なくとも一部を、リサイクルガスG2として混合器2に供給する。
【0025】
分岐部10は、分岐ガス系統11およびリサイクルガス系統16への、アノードオフガスGの分配比率を変更することができる。分岐部10は、例えば、分配比率を変更するための制御弁を有してもよい。より具体的に、制御弁は、分岐部10における分岐ガス系統11への流路断面積と、リサイクルガス系統16への流路断面積と、の比率を変更してもよい。また、凝縮タンク9の内部に熱電対を設けて、凝縮温度を計測することにより、ガス中の水蒸気量を知ることができる。また計測結果は、例えば制御装置19に入力されてもよい。ただし、分岐部10において分配比率を変更するための構造は上記に限定されず、適宜変更可能である。
【0026】
リサイクルガス系統16には、リサイクルガスブロワ16aおよびリサイクルガス流量計16bが設けられている。リサイクルガスブロワ16aは、分岐部10から混合器2に向けて、リサイクルガスG2を流動させる動力を発生させる。リサイクルガス流量計16bは、混合器2に供給されるリサイクルガスG2の流量を計測する。このようにして、リサイクルガス系統16はリサイクルガスG2を原料供給系統2aに循環させる。
また、混合器2はエジェクタであってもよい。この場合、水蒸気を駆動流体に、リサイクルガスG2を吸引することができることから、リサイクルガスブロワ16aが不要になり、補機動力の低減が図れる。
【0027】
分岐ガス系統11は、アノードオフガスGの少なくとも一部を、分岐ガスG1として、分離装置Dに供給する。分岐ガス系統11には、ガス情報取得部11a、圧縮機12、および温度調整器13が設けられている。ガス情報取得部11aは、分岐ガスG1の情報を取得する。「分岐ガスG1の情報」は、例えば組成、流量、圧力、温度などである。組成に関する分岐ガスG1の情報には、例えば二酸化炭素の分圧が含まれてもよい。分岐ガスG1は、アノードオフガスGの一部であるため、ガス情報取得部11aはアノードオフガスGに関する情報を取得するとも言える。
【0028】
ガス情報取得部11aは、取得する情報の種類に応じたセンサ等を有している。例えば組成を取得する場合、ガス情報取得部11aは、近赤外分光センサを有してもよい。例えば流量、圧力、温度などを取得する場合、ガス情報取得部11aは流量計、圧力計、温度計などを有してもよい。ガス情報取得部11aは、上記した複数の種類のセンサを有してもよい。ただし、ガス情報取得部11aは、運転状態取得部18が取得する燃料電池4の運転状態と、原料流量計1aが取得する原料の流量と、凝縮タンク9における凝縮温度と、分岐部10におけるアノードオフガスGの分配比率と、に基づき、分岐ガスG1の組成および流量を計算によって求めてもよい。
【0029】
圧縮機12は、分離装置Dに供給される分岐ガスG1を昇圧させることができる。圧縮機12は、例えばブロワであってもよい。圧縮機12の出力を調整することで、分離装置D内の分岐ガスG1の圧力を変化させることができる。したがって、圧縮機12は、分離装置D内の分岐ガスG1の圧力を調整する、圧力調整器Cpとして機能することができる。温度調整器13は、分離装置Dに供給される分岐ガスG1の温度を調整することができる。
【0030】
温度調整器13は、図1の例において、ポンプ13aおよび熱交換器13bを有している。熱交換器13bでは、冷媒と分岐ガスG1との間で熱交換が行われる。ポンプ13aは、熱交換器13b内に冷媒が流れるための動力を発生させる。ポンプ13aの出力を変更することで、熱交換器13b内を流動する冷媒の流速等が変化する。したがって、ポンプ13aの出力を調節することで、熱交換器13bにおいて冷媒と分岐ガスG1との間で交換される熱量を調整できる。これにより、温度調整器13は分岐ガスG1の温度を調整できる。ただし、温度調整器13の構成は上記に限定されず、分岐ガスG1の温度を調整できれば、適宜変更可能である。
【0031】
本実施の形態において、分離装置Dは、複数の二酸化炭素分離ユニット14(以下、単に分離ユニット14と呼ぶ。)を有している。
図2に示すように、本実施の態様では、4つの分離ユニット14を有している。4つの分離ユニット14を、それぞれ、第1分離ユニット141、第2分離ユニット142、第3分離ユニット143、第4分離ユニット144と呼ぶ。
複数の分離ユニット14は、並列に配列されている。すなわち、複数の分離ユニット14に、分岐ガスG1がそれぞれ導入された場合には、導入された分岐ガスG1の分離処理が同時に行われる。
各分離ユニット14は、二酸化炭素を選択的に透過させる分離膜Sを有している。また、分離ユニット14は、分離膜Sによって区画された導入室R1および回収室R2を有している。分離膜Sは、例えば高分子によって形成されている。
なお、分離装置Dに含まれる分離ユニット14の数は4つに限定されず、2以上であればよい。
【0032】
図2に示すように、分岐部10から分岐ガス系統11を流動した分岐ガスG1は、分配機構DMにより、複数の分離ユニット14に分配される。
分配機構DMは制御装置19により制御される。制御装置19は、圧力計20およびガス情報取得部11aからの情報に基づき分配機構DMを制御し、分岐ガスG1を複数の分離ユニット14に分配させる。
分配機構DMには複数の遮断弁が含まれ、制御装置19は、遮断弁を開閉させることで、分離ユニット14に分岐ガスG1を分配する。
より詳しくは、分配機構DMは、分岐ガスG1を分離ユニット14へ導入するラインにそれぞれ設けられた分配遮断弁Viと、分離ユニット14の導入室R1から気体を導出するラインにそれぞれ設けられた回収遮断弁Voと、と備える。
以下の説明では、第1~第4分離ユニット141、142、143、144へ導入するラインにそれぞれ設けられた分配遮断弁Viを、第1~第4分配遮断弁V1i、V2i、V3i、V4iと呼び、第1~第4分離ユニット141、142、143、144の導入室R1から気体を導出するラインにそれぞれ設けられた回収遮断弁Voを、第1~第4回収遮断弁V1o、V2o、V3o、V4oと呼ぶ。
第1~第4分配遮断弁V1i、V2i、V3i、V4iから各分離ユニット14へ導入される分配ガスGDを、それぞれ第1~第4分配ガスGD1、GD2、GD3、GD4と呼ぶ。
【0033】
次に、各分離ユニット14における二酸化炭素の分離方法について説明する。
まず、すべての分配遮断弁Viおよびすべての回収遮断弁Voが開けられ、分岐ガスG1が、4つの分配遮断弁Viで均等に分配されている場合における第1分離ユニット141における二酸化炭素の分離方法を説明する。つまり、この場合には分岐ガスG1の1/4の量のガスがそれぞれの分離ユニット14に分配される。
分岐ガスG1は、まず第1分離ユニット141の導入室R1に導入される。導入室R1の内部で、分岐ガスG1は分離膜Sに接する。分岐ガスG1が圧力調整器Cpによって調整された圧力で、分離膜Sに接する。これにより、分岐ガスG1に含まれる二酸化炭素が、分離膜Sを透過し、回収室R2に移動する。分離膜Sの種類および圧力などの条件に応じて、二酸化炭素以外の成分が分離膜Sを透過する場合もある。
【0034】
第1分離ユニット141において、導入室R1から分離膜Sを透過して回収室R2に移動したガスを、第1二酸化炭素リッチガスGD11と称する。また、分離膜Sを透過せず残留したガスを、第1再生燃料ガスGD12と称する。すなわち第1分離ユニット141は、分離膜Sを用いて、第1分配ガスGD1を第1二酸化炭素リッチガスGD11と第1再生燃料ガスGD12とに分離する。
第2~4分離ユニット142、143、144においても同様に、分離膜Sを用いて、分岐ガスG1を第2~4二酸化炭素リッチガスGD21、GD31、GD41と、第2~4再生燃料ガスGD22、GD32、GD42と、に分離する。
【0035】
本明細書では、第1~第4分離ユニット141、142、143、144の導入室R1から分離膜Sを透過して回収室R2に移動したガスを、二酸化炭素リッチガスG11と称する。また、第1~第4分離ユニット141、142、143、144において、分離膜Sを透過せず残留したガスのうち、回収遮断弁Voを通過するガスを、再生燃料ガスG12と称する。すなわち分離ユニット14は、分離膜Sを用いて、分岐ガスG1を二酸化炭素リッチガスG11と再生燃料ガスG12とに分離する。
【0036】
二酸化炭素リッチガスG11は、分離ユニット14によって分離される前の分岐ガスG1と比較して、二酸化炭素の濃度が高い。再生燃料ガスG12は、分離ユニット14によって分離される前の分岐ガスG1と比較して、二酸化炭素の濃度が低い。また、再生燃料ガスG12には、可燃成分である水素、一酸化炭素、メタン等が含まれている。したがって、再生燃料ガスG12は燃料として利用することができる。
図1および図2に示すように、本実施の形態では、再生燃料ガスG12を、改質器3の燃焼器3aにおける燃料として利用する。各分離ユニット141~144の導入室R1には、再生燃料ガス系統14bが接続されている。各分離ユニット141~144から排出される第1~4再生燃料ガスGD12、GD22、GD32、GD42は、導入室R1から回収遮断弁Voを通過し、再生燃料ガス系統14bへと排出される。再生燃料ガス系統14bの下流側には、燃焼器3aが接続されている。この構成により、再生燃料ガスG12は、導入室R1から燃焼器3aに供給され、燃料として再利用される。
【0037】
図1および図2に示すように、各分離ユニット141~144の回収室R2には、二酸化炭素回収系統14aが接続されている。各分離ユニット141~144から排出される第1~4二酸化炭素リッチガスGD11、GD21、GD31、GD41は、回収室R2から二酸化炭素回収系統14aへと排出される。二酸化炭素回収系統14aには、真空ポンプ15が配置されている。真空ポンプ15は、二酸化炭素回収系統14aを通じて、回収室R2内の二酸化炭素リッチガスG11を吸引する。このようにして回収された二酸化炭素リッチガスG11は、他の用途に再利用されてもよい。なお、真空ポンプ15は設けられていなくてもよい。
【0038】
圧力計20は、再生燃料ガス系統14bにおける分離ユニット14と調整弁21との間の部分の再生燃料ガスG12の圧力を測定する。圧力計20の測定結果によれば、分離ユニット14に供給される分岐ガスG1の圧力を間接的に知ることができる。なお、分離ユニット14に供給される分岐ガスG1の圧力が直接的または間接的に測定可能であれば、圧力計20の位置は、適宜変更可能である。
【0039】
温度計22は、分岐ガス系統11における温度調整器13と分離ユニット14との間の部分の分岐ガスG1の温度を測定する。温度計22の位置は、分離ユニット14に供給される分岐ガスG1の温度を測定できれば、適宜変更可能である。
【0040】
調整弁21は、再生燃料ガス系統14bに設けられている。調整弁21を開閉することで、導入室R1内の圧力を調整することができる。例えば、調整弁21の開度を上げた場合、導入室R1から燃焼器3aへと再生燃料ガスG12が流れやすくなる。その結果、導入室R1内の圧力は下がる。逆に、調整弁21の開度を下げた場合、導入室R1内の圧力が上がる。したがって、調整弁21は、導入室R1内の分岐ガスG1の圧力を調整する、圧力調整器Cpとして機能することができる。
【0041】
図1に示すように、燃料電池システム100は、運転状態取得部18および制御装置19を備えている。運転状態取得部18は、燃料電池4の運転状態を取得する。運転状態とは、例えば、定格出力に対する燃料電池4の出力の状態である。運転状態取得部18は、例えば、燃料電池4の出力を測定するための電流計および電圧計等を有してもよい。運転状態取得部18は、燃料電池4の運転状態を制御装置19に入力する。
【0042】
制御装置19には、圧力計20、温度計22、リサイクルガス流量計16b、運転状態取得部18、および後述の動作時間取得部24等から、各種の情報が入力される。制御装置19は、これらの情報に基づき、温度調整器13、圧力調整器Cp、および分配機構DM等と、を制御する。制御装置19は、分岐部10における、分岐ガスG1およびリサイクルガスG2の分配比率を制御してもよい。
【0043】
ここで、燃料電池4が部分負荷運転になった場合は、アノードオフガスGの流量が低下する。その結果、分離ユニット14に供給される分岐ガスG1の流量が減少する場合がある。分岐ガスG1の流量が低下すると、分離ユニット14において、分岐ガスG1の単位流量あたりの分離膜Sの面積が増大する。その結果、二酸化炭素よりも透過係数が小さい水素なども、分離膜Sを透過しやすくなり、二酸化炭素リッチガスG11における二酸化炭素濃度が低下する。さらに、再生燃料ガスG12に含まれる水素等の可燃成分が減少し、システム全体での発電効率が低下するという課題も生じる。
そこで、本実施の形態では、分離ユニット14に供給される分岐ガスG1の流量が減少した場合に、流量に応じて複数の分配遮断弁Viのうちの一部の分配遮断弁Viを閉じて、分離ユニット14の使用数の調整を行う。
【0044】
以下、本実施の形態において、制御装置19が、燃料電池4の出力が変動した場合に分離ユニット14の分離性能が低下しないように分離ユニット14の使用数を制御する方法を具体的に説明する。
圧力計20が取得する圧力、およびガス情報取得部11aからの分岐ガスG1の流量の情報に応じて、分岐ガスG1を複数の分離ユニット14のうちのすべてまたは一部の分離ユニット14に分配する。具体的には、制御装置19は、分配機構DMで分配遮断弁Viおよび回収遮断弁Voの開閉状態を制御する。この制御は、さらに、温度計22が取得する温度、リサイクルガス流量計16bが取得するリサイクルガスG2の流量、および運転状態取得部18が取得する燃料電池4の運転状態、等に基づいて行われてもよい。
【0045】
例えば、制御装置19は、分離ユニット14によって得られる二酸化炭素リッチガスG11の、二酸化炭素の濃度あるいは流量を目標値として保持する。これらの目標値を満たすように、制御装置19は、分配機構DMの分配遮断弁Viおよび回収遮断弁Voの開閉状態を制御してもよい。
一例として、まず、分岐ガスG1の流量が第1閾値以上である場合には、複数の分離ユニット14のすべてに分岐ガスG1が導入されるよう、すべての分配遮断弁Viが開状態となっている。分岐ガスG1の流量が第1閾値以上である場合は、例えば燃料電池が定格出力の状態の時の分岐ガスG1の流量を含む。
燃料電池4の出力が下がった場合は、分岐ガスG1の流量が減少する。この減少を補うように、制御装置19は、以下の制御を実行してもよい。
【0046】
分岐ガスG1の流量が第1閾値未満となった場合には、複数の分配遮断弁Viのうちの1つの分配遮断弁Viを閉じ、閉じた分配遮断弁Viに接続される1つの分離ユニット14におけるガス分離が行われないようにする。例えば、第1閾値は、二酸化炭素リッチガスG11の二酸化炭素の濃度あるいは流量を目標値に基づき決定され、例えば、定格出力時の分岐ガスG1の流量の3/4の流量であってもよい。
【0047】
ガスの流量が第1閾値未満となった場合、例えば、第4分配遮断弁V4iが閉じられ、第1~第3分離ユニット141~143に分岐ガスG1が導入される。よって、第1~第3分離ユニット141~143における単位流量あたりの分岐ガスG1に対する分離膜Sの面積が過度に増大することを防ぐことが可能となる。これにより、二酸化炭素よりも分離膜Sを透過しにくい成分、例えば水素の透過量が増大することを防ぎ、二酸化炭素リッチガスG11に含まれる二酸化炭素の濃度の低下を防ぐことができる。
【0048】
このように、第1閾値未満となった場合に、複数の分離ユニット14のうち、1つの分離ユニット14を遮断する。さらに分岐ガスG1の流量が減った場合には、分岐ガスG1が導入される分離ユニット14の数を減らす。複数の分離ユニット14のうち、2つの分離ユニット14を遮断する場合の分岐ガスG1の流量の閾値を第2閾値とし、3つの分離ユニット14を遮断する場合の分岐ガスG1の流量の閾値を第3閾値とした場合、これらの閾値は、第1閾値>第2閾値>第3閾値の関係を満たす。
例えば、第2閾値は、定格出力時の分岐ガスG1の2/4の流量であり、第3閾値は定格出力時の分岐ガスG1の1/4の流量であってもよい。なお、第2~第3閾値は、二酸化炭素リッチガスG11の、二酸化炭素の濃度あるいは流量を目標値に基づき、決定されてもよい。
【0049】
これらの第1~第3閾値に基づき、分岐ガスG1の流量が当該閾値未満となった場合に、閾値に応じた個数の分離ユニット14に接続される分配遮断弁Viを閉じる。また、分岐ガスG1の流量が閾値以上となった場合に、各閾値に応じた個数の分離ユニット14に接続される分配遮断弁Viを開ける。
回収遮断弁Voの開閉状態は、対応する分配遮断弁Viの開閉に合わせて、制御装置19により制御されてもよい。
【0050】
なお、制御装置19は、各分離ユニット14内における分配ガスGDの圧力を変化させるため場合に、以下のような制御を行ってもよい。
圧力調整器Cpとしての調整弁21の開度を上げることで、分離ユニット14から燃焼器3aへと再生燃料ガスG12が流れやすくする。あるいは、圧力調整器Cpとしての圧縮機12の回転数を下げることで、分岐ガス系統11において分岐ガスG1に印加される圧力を低下させる。
その結果、分離ユニット14内の分岐ガスG1の圧力(分配ガスGDの合計の圧力)を変化することができる。
【0051】
このように、制御装置19は、分離ユニット14によって得られる二酸化炭素リッチガスG11の、二酸化炭素の濃度あるいは流量を目標値として分配機構DMおよび圧力調整器Cpを制御する。
【0052】
<動作時間取得部24による分離ユニット14の動作時間の均一化>
上述の例では、分岐ガスG1の流量が第1閾値以下となった場合に、第4分離ユニット144を遮断する例を説明した。しかしながら、第1閾値以下となった場合に、常に第4分離ユニット144を遮断した場合には、第1~第3分離ユニット141~143の運転時間が第4分離ユニット144の運転時間と比較して長くなる。分離膜Sは規定の使用時間を超えると交換が必要になる場合があり、運転時間の長い第1~第3分離ユニット141~143の分離膜Sのみ交換が必要になる場合がある。
そこで、本実施の形態では、複数の分離ユニット14の動作時間を取得する動作時間取得部24(図2を参照)を備える。分岐ガスG1の流量が閾値を下回る場合に、動作時間取得部24の情報に基づき、遮断される分離ユニット14を切り替えて、各分離ユニット14の運転時間が同等になるように制御する。
なお、動作時間取得部24は制御装置19の内部に設けられていてもよく、動作時間取得部24と制御装置19とが同じハードウェアで実現されていてもよい。
【0053】
例えば、第4分離ユニット144を遮断して一定時間が経過すると、第4分離ユニット144の分配遮断弁V4iを開けるとともに、積算動作時間が長い分離ユニット14の分配遮断弁Viが閉じられる。以降、一定時間が経過するごとに、遮断されていた分離ユニット14の分配遮断弁Viが開けられるとともに、積算動作時間が長い分離ユニット14の分配遮断弁Viが閉じられる。
遮断される分離ユニット14が複数となる条件の場合も、同様に、動作時間取得部24によって取得された複数の分離ユニット14の動作時間に基づき、分岐ガスG1が導入される分離ユニット14の分配遮断弁Viの開閉状態を切り替えて、各分離ユニット14の運転時間が均等になるように、制御装置19により制御される。
具体的には、制御装置19が、動作時間取得部24によって取得された複数の分離ユニット14の動作時間に基づき、複数の分離ユニット14のそれぞれの動作時間が均一になるように分配機構DMを制御することにより、上述の分配遮断弁Viの開閉の制御がされる。
【0054】
<分配遮断弁Viの開閉時の分離ユニットの動作圧力の調整>
分岐ガスG1の流量が第1閾値未満となり、分配遮断弁V4iを閉じた場合、第4分離ユニット144を流れるガスの流量は、例えば分岐ガスG1の1/4の流量から、ゼロへと変化する。分配遮断弁V4iを開状態および閉状態の2パターンで制御した場合には、第4分離ユニット144では、流量の急激な減少が起こる場合がある。また、第4分離ユニット144以外の第1~第3分離ユニット141~143では、流量の急激な増加が起こる場合がある。
以下、このような急激な流量の変化が起こり、分離ユニット14の動作圧力が急激に変化する条件を不連続条件という。不連続条件では、分離ユニット14の分離能力が下がる場合があるため、本実施の形態では、圧力調整器Cpを制御し、分離ユニット14における流量の変化が緩やかになるよう、制御装置19によって分配機構DMの制御を行う。
例えば、第1~第3分離ユニット141~143が動作中に、ガス情報取得部11aで測定された分岐ガスG1の流量が第1閾値を超えたことを制御装置19が検知し、第4分離ユニット144への分岐ガスG1の導入を開始する場合において、制御装置19により、以下の第1例または第2例の制御が行われてもよい。
【0055】
第1例において、まず、第4分配遮断弁V4iを開く前に、第1~第3分離ユニット141~143における動作圧力を、圧力調整器Cpを制御し増加させる。その後、第4分配遮断弁V4iの弁の開度を徐々に増加させる。第4分配遮断弁V4iの開度は、一定時間内に0%から100%となるように連続的に増加させてもよいし、数%ずつステップ状に増加させてもよい。第4分配遮断弁V4iの開度が増加し第4分離ユニット144における動作圧力が増加するのに従って、第1~第3分離ユニット141~143へ向かうガスが減るため、第1~第3分離ユニット141~143における動作圧力は一定の圧力まで減少する。4つの分離ユニット14の動作圧力が等しくなった後に、必要に応じて圧力調整器Cpを制御し分岐ガスG1の圧力を減少させてもよい。
【0056】
第2例では、第4分配遮断弁V4iを開くと同時に、第1~第3分離ユニット141~143における動作圧力を、圧力調整器Cpを制御し減少させる。その後、第1~第4分離ユニット141~144の動作圧力を一定の圧力まで増加させる。4つの分離ユニット14の動作圧力が等しくなった後に、必要に応じて圧力調整器Cpを制御し分岐ガスG1の圧力を増加させてもよい。
【0057】
第1例および第2例では、圧力調整器Cpにより分離ユニット14の動作圧力を制御することで、分離ユニット14における動作圧力の急激な変化による分離能力の低下を抑えつつ、閾値に応じた分岐ガスG1の複数の分離ユニット14への分配を行うことが可能となる。
なお、分配遮断弁Viのうちの一つを閉じる場合においても、第1例又は第2例を踏まえ圧力調整器Cpを制御し、不連続状態となることを防ぐことができる。
【0058】
<分離ユニット14の直列配置>
分離装置Dにおいて、1つの分離ユニット14から導出されるガスを他の分離ユニット14に導入する機構が設けられており、これにより、複数の分離ユニット14が直列に設けられる。本実施の形態では、導入室R1から導出されるガスを他の分離ユニット14に導入する逆止弁NVが設けられている。これにより、分岐ガスG1の一部では、複数の分離ユニット14により、順次、ガス分離処理が行われる。このように、図2に示す例では、複数の分離ユニット14が並列に設けられていることに加え、複数の分離ユニット14が直列に設けられている。
図2に示すように、1つの分離ユニット14の導入室R1から、他の分離ユニット14の導入室R1へ向かう分配ガスGDのラインに向かって接続された逆止弁NVが設けられている。よって、逆止弁NVから、導入室R1内のガスが他の分離ユニット14の導入室R1へ導入される。
【0059】
より具体的には、図2に示す例では、第1分離ユニット141の導入室R1から、第2分離ユニット142に導入される分配ガスGD2のラインへと接続される第1逆止弁NV1と、第2分離ユニット142の導入室R1から、第3分離ユニット143に導入される分配ガスGD3のラインへと接続される第2逆止弁NV2と、第3分離ユニット143の導入室R1から、第4分離ユニット144に導入される分配ガスGD4のラインへと接続される第3逆止弁NV3と、が備えられている。
【0060】
例えば、第1分配遮断弁V1iを開とし、第2~第4分配遮断弁V2i、V3i、V4iを閉じ、第1~第3回収遮断弁V1o、V2o、V3oを閉じ、第4回収遮断弁V4oを開けた場合を説明する。第1分離ユニット141の第1逆止弁NV1から導出された第1再生燃料ガスGD12の一部は、第2~第4分離ユニット142~144でさらにガス分離され、第4回収遮断弁V4oまたは二酸化炭素リッチガスG11の導入ラインへ向けて排出される。
【0061】
このように、複数の分離ユニット14が直列に配置された場合、第1~第3再生燃料ガスGD12~GD32の一部は、再び分離膜Sによるガス分離処理がされる。よって、分離装置Dから排出される二酸化炭素リッチガスG11に含まれる二酸化炭素濃度をより高くし、かつ、再生燃料ガスG12に含まれる水素等の濃度をより高くすることが可能となる。
【0062】
なお、逆止弁NVを設けることは必須ではなく、図3に示すように、逆止弁NVを省略し、複数の分離ユニット14が、直列に接続されておらず、並列にのみ配置されていてもよい。また、複数の分離ユニット14のうち、少なくとも2以上の分離ユニット14が逆止弁NVで接続されていてもよい。
【0063】
本実施の形態における分離装置Dは、プロセスガス(アノードオフガスG)を、二酸化炭素リッチガスG11と再生燃料ガスG12とに分離する。しかしながら、分離装置Dによる分離の対象となるプロセスガスには、水素などの可燃成分が含まれていなくてもよい。したがって、プロセスガスから二酸化炭素リッチガスG11が分離された後の残留ガスに、可燃成分が含まれていなくてもよい。言い換えると、分離装置Dは、プロセスガスを、二酸化炭素濃度が高められた二酸化炭素リッチガスG11と、二酸化炭素濃度が低減され水素濃度が増加した再生燃料ガスG12と、に分離してもよい。
【0064】
以上説明したように、本開示の燃料電池システム100は、アノード4Aおよびカソード4Bを有する燃料電池4と、アノード4Aから排出されたアノードオフガスGを、分岐ガスG1とリサイクルガスG2とに分岐させる分岐部10と、分岐ガスG1から特定のガス成分を分離する複数の分離ユニット14を有する分離装置Dと、分岐ガスG1を昇圧する圧縮機12と、分離装置Dに導入される分岐ガスG1の圧力を計測する圧力計20と、分岐ガスG1の圧力を調整する圧力調整器Cpと、分岐ガスG1の組成および流量を取得するガス情報取得部11aと、複数の分離ユニット14にG1分岐ガスを分配する分配機構DMと、備える。
【0065】
このような構成の燃料電池システム100によれば、分離装置Dに供給されるプロセスガスの流量が変化した場合、二酸化炭素リッチガスG11の二酸化炭素濃度が低下しないように、分配機構DMによって各分離ユニット14に分配されるプロセスガスの流量を調整することが可能である。よって、分離ユニット14におけるガス分離処理の動作圧力を調整することが可能である。
流量および圧力による制御は時定数が小さく、すなわち、流量および圧力による制御は応答速度が大きい。よって、本実施の形態のような分岐ガスG1を複数の分離ユニット14に分けてガス分離処理を行う制御により、好適に二酸化炭素の濃度あるいは回収量を目標値に近づけることが可能となる。
【0066】
また、分配機構DMを制御する制御装置19をさらに備え、制御装置19は、圧力計20およびガス情報取得部11aからの情報に基づき分配機構DMを制御し、分岐ガスG1を複数の分離ユニット14に分配させる。
これにより、分岐ガスG1を複数の分離ユニット14に分配して導入することができるため、各分離ユニット14において適切な分岐ガスG1の流量および圧力でのガス分離処理が可能となる。
【0067】
また、複数の分離ユニット14は、並列配置され、分配機構DMには分配遮断弁Viが含まれ、制御装置19は、分配遮断弁Viを開閉させることで、分離ユニット14に分岐ガスG1を分配する。
複数の分離ユニット14が並列に配置されているため、複数の分離ユニット14において同時にガス分離処理を行うことが可能となる。また、分岐ガスG1の流量に応じて、分配遮断弁Viの開閉を行うことで、各分離ユニット14において適切な分岐ガスG1の流量および圧力でのガス分離処理が可能となる。
【0068】
また、分離ユニット14に含まれる少なくとも2つの分離ユニット14は直列配置される。
これにより、分岐ガスG1の一部を、複数回、分離膜Sにより処理することが可能となるため、二酸化炭素リッチガスG11および再生燃料ガスG12における、回収目標とするガスの濃度をより高くすることができる。
【0069】
また、分配機構DMは、ガス情報取得部11aによって取得された分岐ガスG1の流量が閾値以上である場合は複数の分離ユニット14のすべてに分岐ガスG1を分配し、ガス情報取得部11aによって取得された分岐ガスG1の流量が閾値を下回る場合は、複数の分離ユニット14の一部に分岐ガスG1を分配する。
これにより、閾値により分岐ガスG1を導入する分離ユニット14の数を調整するができる。よって、分離ユニット14における単位流量あたりの分岐ガスG1に対する分離膜Sの面積が過度に増大することを防ぐことが可能となる。これにより、二酸化炭素よりも分離膜Sを透過しにくい成分、例えば水素の透過量が増大することを防ぎ、二酸化炭素リッチガスG11に含まれる二酸化炭素の濃度の低下を防ぐことができる。
【0070】
また、複数の分離ユニット14の動作時間を取得する動作時間取得部24をさらに備え、分配機構DMを制御する制御装置19は、動作時間取得部24によって取得された複数の分離ユニット14の動作時間に基づき、複数の分離ユニット14の動作時間が均一になるように分配機構DMを制御する。
これにより、複数の分離ユニット14にそれぞれ含まれる分離膜Sの使用時間を同等にすることができる。よって、分離膜Sの積算使用時間に基づく分離膜Sの交換またはメンテナンスのタイミングを同じ時期にすることができる。
【0071】
また、圧力調整器Cpを制御して分岐ガスG1の圧力を変更することで、分配遮断弁Viの開閉状態が変更される際の分離ユニット14の動作圧力を調整する。
これにより、分配遮断弁Viの開閉時に、分離ユニット14の動作圧力が急激に変化することを防ぐことができる。これにより、分離ユニット14の急激な動作圧力の変化によるガス分離能力の低下を防ぐことができる。
【0072】
また、分離装置Dから排出される二酸化炭素リッチガスG11を吸引する真空ポンプを有する。
この構成によれば、導入室R1と回収室R2の圧力比を大きくすることでき、分離膜Sの性能を高めることができる。さらに、回収室R2に二酸化炭素リッチガスG11が滞留することを抑制できる。したがって、回収室R2の二酸化炭素濃度が高いために分離膜Sにおいて二酸化炭素の透過が停滞する現象を抑制できる。
【0073】
実施の形態2.
次に、図4を用いて、実施の形態2に係る燃料電池システム100Aについて説明する。燃料電池システム100Aは、基本的な構成は実施の形態1の燃料電池システム100と同様であるため、異なる点を中心に説明する。
【0074】
図4に示すように、本実施の形態に係る燃料電池システム100Aは、燃焼器3aに設けた温度検出機構30をさらに有する。温度検出機構30は、燃焼器3aの温度を測定する。温度検出機構30の温度情報は、制御装置19に入力される。
【0075】
燃焼器3aは、燃料を燃焼させることで、改質器3内が適切な温度帯となるように熱を発生させる。上述のように、燃焼器3aの燃料としては、分離装置Dから排出された再生燃料ガスG12を利用されている。
本実施の形態では、温度検出機構30によって燃焼器3aの燃焼温度を測定し、温度検出機構30からの温度情報により、制御装置19は分離装置Dにおけるガス分離量(再生燃料ガスG12の量)を推定する。そして、推定したガス分離量に応じて、分離装置Dにおけるガス分離量の制御を実施する。分離装置Dにおけるガス分離量は、分配機構DMまたは圧力調整器21によって制御される。
例えば、燃焼温度が目標値よりも低い場合には、再生燃料ガスG12の量が増えるよう制御装置19により分配機構DMまたは圧力調整器21を制御し、分離装置Dにおけるガス分離量を増やしてもよい。燃焼温度が目標値よりも高い場合には、再生燃料ガスG12の量が減るよう制御装置19により分配機構DMまたは圧力調整器21を制御し、分離装置Dにおけるガス分離量を減らしてもよい。
【0076】
本実施の態様における燃料電池システム100Aでは、炭化水素系燃料から水素を生成する改質器3と、前記改質器と熱的に接続された燃焼器3aと、を有し,分離装置Dから排出される、分岐ガスG1と比較して水素濃度が高い再生燃料ガスG12を燃焼器3aに供給する。燃焼器3aに設けた温度検出機構30からの情報に基づいて,分配機構DMもしくは圧力調整器21を制御する。
この構成によれば、プロセスガスよりも二酸化炭素の濃度が低く、かつ、水素の濃度が高い再生燃料ガスG12を、燃焼器3aの燃料として効率よく再利用できる。したがって、システム全体の発電効率を、より高めることができる。
【0077】
実施の形態3.
次に、図5を用いて、実施の形態3に係る燃料電池システム100Bについて説明する。燃料電池システム100Bは、基本的な構成は実施の形態1の燃料電池システム100と同様であるため、異なる点を中心に説明する。
【0078】
図5に示すように、燃料電池システム100Bは、二酸化炭素から合成燃料を生成する燃料合成反応機構40をさらに備える。
分離装置Dによって分岐ガスG1から分離され、二酸化炭素回収系統14aに導入された二酸化炭素リッチガスG11が、外部から供給された水素ガスとともに、燃料合成反応機構40に供給される。外部から供給される水素ガスは、別途水電解から生成された水素、またはその他の生成方法により貯蔵・輸送された水素等である。
二酸化炭素リッチガスG11の炭素と水素とが反応し、炭化水素系燃料である合成燃料(例えばメタン)が生成される。
【0079】
本実施の態様における燃料電池システム100Bでは、二酸化炭素から合成燃料を生成する燃料合成反応機構40と、分離装置Dによって分岐ガスG1から分離された二酸化炭素リッチガスG11を燃料合成反応機構40に供給する二酸化炭素回収系統14aと、をさらに備える。
これによれば、分離装置Dから排出された二酸化炭素リッチガスG11を利用して合成燃料が合成できる。
【0080】
実施の形態4.
次に、図6を用いて、実施の形態3に係る燃料電池システム100Cについて説明する。燃料電池システム100Cは、基本的な構成は実施の形態3の燃料電池システム100Bと同様であるため、異なる点を中心に説明する。
【0081】
図6に示すように、燃料電池システム100Cは、二酸化炭素回収系統14aと燃料合成反応機構40との間に、共電解セル50をさらに備える。
共電解セル50には、分離装置Dによって分岐ガスG1から分離され、二酸化炭素回収系統14aに導入された二酸化炭素リッチガスG11が導入される。
共電解セル50では、二酸化炭素リッチガスG11から水素および一酸化炭素を含む合成ガスを生成する。当該合成ガスは燃料合成反応機構40へ導入され、水素および一酸化炭素を含む合成ガスから、合成燃料(例えばメタンや高次炭化水素)が生成される。
【0082】
本実施の態様によれば、二酸化炭素回収系統14aと、燃料合成反応機構40との間に、水素および一酸化炭素を含む合成ガスを生成する共電解セル50を、さらに備える。
これにより、燃料合成反応機構40において、実施の形態3で外部から供給される水素に代わって、共電解セル50において生成された水素を用いることができる。
【0083】
原料として使用した炭素成分を、合成燃料にすることで、カーボンリサイクルが実現できる。
【0084】
なお、本開示の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0085】
例えば、分岐部10と、分離装置Dに供給される前記分岐ガスG1を昇圧させる圧縮機12と、の間に一酸化炭素を二酸化炭素に変成するシフト反応部61と,シフト反応部の熱と水蒸気との間での熱交換を行うシフト反応熱交換部62とを設けてもよい。熱交換に利用する水蒸気は、改質器3に供給される水蒸気を利用してもよい。
シフト反応部61およびシフト反応熱交換部62では、シフト反応により分岐ガスG1の各ガスの濃度変化が起こる。このため、シフト反応部61およびシフト反応熱交換部62は、ガス情報取得部11aよりも上流に配置されることが好ましい。さらに、シフト反応部61では、水蒸気分圧が高い方が、二酸化炭素が生成する方向に反応が進むことから、水蒸気発生器7と凝縮タンク9の間の適切な温度領域に設けることがより好ましい。
シフト反応により、分離装置Dに導入される前の分岐ガスG1において、一酸化炭素の濃度を下げ、二酸化炭素および水素の濃度を上げることが可能となる。よって、分離装置Dから導出される二酸化炭素リッチガスG11および再生燃料ガスG12において、二酸化炭素または水素の濃度をより高めることが可能となる。
【0086】
また、実施の形態1では、圧縮機12および調整弁21が、圧力調整器Cpとして機能した。しかしながら、圧力調整器Cpの機能は、圧縮機12および調整弁21のどちらか一方によってのみ実現されてもよい。また、燃料電池システム100は、分岐部10を備えず、アノードオフガスGの全量をそのまま分離装置Dに供給してもよい。
【0087】
また、前記実施の形態では、制御装置19が、温度調整器13および圧力調整器Cp等を制御した。制御装置19の機能は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、プログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。これらの機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。また、制御装置19の機能は、1つのハードウェアによって実現されてもよい。あるいは、温度調整器13を制御するハードウェアと、圧力調整器Cpを制御するハードウェアとが異なっていてもよい。
【0088】
その他、上記した実施の形態あるいは変形例を、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0089】
3…改質器 3a…燃焼器 4…燃料電池 4A…アノード 4B…カソード 10…分岐部 11…分岐ガス系統 11a…ガス情報取得部 13…温度調整器 14…分離ユニット 14a…二酸化炭素回収系統 15…真空ポンプ 18…運転状態取得部 19…制御装置 22…温度計 24…動作時間取得部 30…温度検出機構 40…燃料合成反応機構 50…共電解セル 61…シフト反応部 62…シフト反応熱交換部 100、100A、100B、100C…燃料電池システム Cp…圧力調整器 D…分離装置 DM…分配機構 G…アノードオフガス(プロセスガス) G1…分岐ガス G2…リサイクルガス G11…二酸化炭素リッチガス G12…再生燃料ガス(残留ガス) Vi…分配遮断弁 NV…逆止弁
【要約】
本開示に係る燃料電池システムは、アノードおよびカソードを有する燃料電池と、前記アノードから排出されたアノードオフガスを、分岐ガスとリサイクルガスとに分岐させる分岐部と、前記分岐ガスから特定のガス成分を分離する複数の分離ユニットを有する分離装置と、前記分岐ガスを昇圧する圧縮機と、前記分離装置に導入される前記分岐ガスの圧力を計測する圧力計と、前記分岐ガスの圧力を調整する圧力調整器と、前記分岐ガスの組成および流量を取得するガス情報取得部と、前記複数の分離ユニットに前記分岐ガスを分配する分配機構と、備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6