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特許7588796ビューワ装置、管理装置、コンテンツ提供装置、コンテンツシステム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】ビューワ装置、管理装置、コンテンツ提供装置、コンテンツシステム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20241118BHJP
   G06F 40/166 20200101ALI20241118BHJP
   G06F 40/253 20200101ALI20241118BHJP
【FI】
G06T11/60 100B
G06F40/166
G06F40/253
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024160528
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2024066429の分割
【原出願日】2024-04-16
【審査請求日】2024-09-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523356008
【氏名又は名称】株式会社ユーツーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】皆川 大樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐貴
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-100020(JP,A)
【文献】特開2010-129068(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0071300(KR,A)
【文献】特開2023-117846(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2213350(KR,B1)
【文献】米国特許第8290206(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0248384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G06F 40/00 -40/58
G06Q 10/00 -10/30
G06Q 30/00 -30/08
G06Q 50/00 -50/20
G06Q 50/26 -99/00
G06T 1/00
G06T 11/60 -13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 -19/20
G16Z 99/00
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供装置からデジタルコンテンツの提供を受ける手段と、
前記コンテンツ提供装置から提供されたデジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集を提案可能な提案指示部と、を有する、ビューワ装置であって、
前記ビューワ装置は、編集の提案をすべき区分を選択したときに、
前記区分に紐づいた編集候補リストが存在する場合には、前記コンテンツ提供装置から受け付けた編集候補リストを表示する画面に遷移するよう構成されており、
前記区分に紐づいた編集候補リストが存在しない場合、任意の文字及び/又は記号を提案可能な画面に遷移するよう構成されている、ビューワ装置。
【請求項2】
サーバから提供された前記デジタルコンテンツを視認できる視認モードと、前記デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集を提案できる編集要求モードと、を切り替える切替手段を有する、請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項3】
前記デジタルコンテンツは、複数の文字及び/又は記号用の表示区分と、複数の前記表示区分のそれぞれに関連づいた文字及び/又は記号と、を有し、
前記提案指示部は、それぞれの前記表示区分ごとに、文字及び/又は記号の編集を要求できるよう構成されている、請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項4】
複数の前記表示区分のうちの少なくとも一部は、前記デジタルコンテンツ中の吹き出しに対応している、請求項3に記載のビューワ装置。
【請求項5】
前記提案指示部は、前記デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の原文と翻訳文を対比して表示するよう構成されている、請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項6】
前記デジタルコンテンツは、1つのページをいつくかの部分に区分けした領域によって規定される複数のコマを有し、
前記提案指示部は、それぞれの前記コマごとに、図形の編集を要求できるよう構成されている、請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項7】
前記デジタルコンテンツは、デジタルコミック又は電子書籍である、請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載されたビューワ装置から得られた、デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集候補リストを、コンテンツ提供装置をから取得する手段を有する、管理装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のビューワ装置から、前記デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集の提案を受け付ける提案受付部を有する、コンテンツ提供装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載のビューワ装置と、
前記ビューワ装置にコンテンツを提供するコンテンツ提供装置と、
管理装置と、を有し、
前記管理装置は、前記コンテンツ提供装置を介して前記ビューワ装置から得られた、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の要求のリストを、前記コンテンツ提供装置から取得する手段を有する、コンテンツシステム。
【請求項11】
ビューワ装置が、
コンテンツ提供装置からデジタルコンテンツの提供を受けるステップと、
前記デジタルコンテンツ中の編集の提案をすべき区分が選択されたときに、
前記区分に紐づいた編集候補リストが存在する場合には、前記コンテンツ提供装置から受け付けた編集候補リストを表示する画面に遷移し、
前記区分に紐づいた編集候補リストが存在しない場合には、任意の文字及び/又は記号を提案可能な画面に遷移する、ステップと、
前記デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集の提案をサーバに送信するステップと、
を実行することを含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビューワ装置、管理装置、コンテンツ提供装置、コンテンツシステム、方法及びプログラムに関する。
【0002】
近年、スマートフォンのような携帯端末やパソコンのような装置を介して、デジタルコミック(電子コミック)や電子書籍、及び動画のようなデジタルコンテンツを視聴することが増えている。
【0003】
以下の特許文献1及び特許文献2は、デジタルコミックを閲覧するためのコミック閲覧システムを開示している。当該コミック閲覧システムは、電子コミックを閲覧する電子書籍端末と、電子コミックを電子書籍端末に対し配信するサーバと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-168590号
【文献】特開2012-133661号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
制作者は、デジタルコンテンツの作成時に、デジタルコンテンツ中のミス、例えば誤字、誤植又は誤訳等をすべて無くしておくことは難しい。また、デジタルコンテンツ中のミスを校正するには、多大な時間や費用を要することがある。
【0006】
したがって、デジタルコンテンツ中のミスを校正するための新しい仕組みが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るビューワ装置は、サーバから提供されたデジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集を提案可能な提案指示部を有する。
【0008】
一態様に係る管理装置は、上記のビューワ装置から得られた、デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集候補リストを、サーバをから取得する手段を有する。
【0009】
一態様に係るコンテンツ提供装置は、記のビューワ装置から、前記デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集の提案を受け付ける提案受付部を有する。
【0010】
一態様に係るコンテンツシステムは、ビューワ装置と、前記ビューワ装置にコンテンツを提供するコンテンツ提供装置と、管理装置と、を有する。前記ビューワ装置は、前記コンテンツ提供装置から提供されたデジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集を提案可能な提案指示部を有する。前記管理装置は、前記コンテンツ提供装置を介して前記ビューワ装置から得られた、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の要求のリストを、前記コンテンツ提供装置から取得する手段を有する。
【0011】
一態様に係る方法は、ビューワ装置が、サーバからデジタルコンテンツの提供を受けるステップと、デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集の提案をサーバに送信するステップと、を実行することを含む。
【0012】
別の態様に係る方法は、管理装置が、デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集候補リストをサーバから取得するステップを実行することを含む。
【0013】
さらに別の態様に係る方法は、コンテンツ提供装置が、デジタルコンテンツを提供したビューワ装置から、前記デジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集の提案を受け付けるステップを実行することを含む。
【0014】
一態様に係るプログラムは、上記のいずれかの方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0015】
別の態様に係るビューワ装置は、複数のページを有するデジタルコンテンツを視認させるビューワ装置である。前記デジタルコンテンツ中の文字を自動で読み上げる読み上げ機能を有する。前記ビューワ装置は、前記デジタルコンテンツの表示中のページに存在する最後の文字を読み上げた後に、次のページを自動で表示するよう構成されている。
【0016】
別の態様に係る方法は、ビューワ装置が複数のページを有するデジタルコンテンツ中の文字を自動で読み上げるステップを実行することを含む。前記ステップは、前記デジタルコンテンツの表示中のページに存在する最後の文字を読み上げた後に、次のページを自動で前記ビューワ装置に表示することを含む。
【0017】
別の態様に係るプログラムは、前段落に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0018】
一態様に係るプログラムは、上記のいずれかの方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1実施形態に係るコンテンツシステムを示すブロック図である。
図2図2は、コンテンツ情報のデータの一例を示す図である。
図3図3は、ビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの一例を示している。
図4図4は、ビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの別の一例を示している。
図5図5は、コンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案及びその反映の動作を説明するためのシーケンス図である。
図6図6は、編集候補リストのデータの一例を示す図である。
図7図7は、ビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの一例を示す図である。
図8図8は、ビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの別の例を示す図である。
図9図9は、管理装置の表示部に表示された編集反映モードの一例を示す図である。
図10図10は、編集後のコンテンツ情報のデータの一例を示す図である。
図11図11は、ユーザ情報のデータの一例を示す図である。
図12図12は、自動読み上げのフローチャートを示す図である。
図13図13は、待機時間情報のデータの一例を示す図である。
図14図14は、第2実施形態に係るビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの一例を示している。
図15図15は、第2実施形態に係るビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコンテンツシステムを示すブロック図である。図2は、コンテンツ情報のデータの一例を示す図である。図3は、ビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの一例を示している。図4は、ビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの別の一例を示している。図5は、コンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案及びその反映の動作を説明するためのシーケンス図である。図6は、編集候補リストのデータの一例を示す図である。図7は、ビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの一例を示す図である。図8は、ビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの別の例を示す図である。図9は、管理装置の表示部に表示された編集反映モードの一例を示す図である。図10は、編集後のコンテンツ情報のデータの一例を示す図である。図11は、ユーザ情報のデータの一例を示す図である。
【0022】
コンテンツシステム10は、ビューワ装置100と、管理装置200と、コンテンツ提供装置300と、を有していてよい。
【0023】
ビューワ装置100及び管理装置200は、ネットワークに接続可能なコンピュータであれば特に制限されない。ビューワ装置100及び管理装置200は、スマートフォンのような携帯端末やパーソナルコンピュータなどであってよい。
【0024】
ビューワ装置100及び管理装置200は、ネットワークを介してコンテンツ提供装置300に接続可能である。コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100へコンテンツを提供するためのサーバである。
【0025】
コンテンツ提供装置300は、1つのコンピュータで構成されていてもよく、複数のコンピュータで構成されていてもよい。コンテンツ提供装置300は、例えば分散型のコンピュータシステムにより構成されていてもよい。
【0026】
管理装置200は、例えばオリジナルのコンテンツをコンテンツ提供装置300へアップロードしたり、当該コンテンツを管理したりするために用いられる。したがって、管理装置200は、コンテンツの管理者によって利用される。
【0027】
コンテンツ提供装置300とビューワ装置100は、ネットワーク経由で互いにデータを送信/受信できる。コンテンツ提供装置300と管理装置200は、ネットワーク経由で互いにデータを送信/受信できる。ネットワークは、インターネット、エクストラネット、又はイントラネットのように様々ネットワーク(以下、単に「ネットワーク」と称する。)であってよい。
【0028】
以下、デジタルコンテンツの配信者、すなわち管理装置200を操作するユーザを「配信ユーザ」と呼ぶことがある。配信されたデジタルコンテンツを視認するユーザ、すなわちビューワ装置100を操作するユーザを「視認ユーザ」と呼ぶことがある。これらのユーザを区別しない場合には単に「ユーザ」と呼ぶことがある。
【0029】
管理装置200を操作するユーザは、ビューワ装置100を操作するユーザにもなり得ることに留意されたい。配信ユーザは、自身がコンテンツを配信していない場合には、他の配信ユーザが配信するコンテンツを視認する視認ユーザにもなり得る。また、配信ユーザは、コンテンツを配信する期間中、そのコンテンツを自分の管理装置200にて視認(確認)することもできる。ビューワ装置100は、視認ユーザによる初期の利用時にユーザ登録を行うよう要求してもよく、初期の利用時にユーザ登録を行うことなく利用可能であってもよい。
【0030】
ビューワ装置100は、制御部110と、通信I/F120と、表示部130と、を備えていてよい。管理装置200は、制御部210と、通信I/F220と、表示部230と、を備えていてよい。コンテンツ提供装置300は、制御部310と、通信I/F320と、を備えていてよい。
【0031】
制御部110,210,310は、当該コンテンツシステムの各要素を制御する。また、制御部110,210,310は、各種データを処理・記憶する演算装置及び記憶装置を有していてよい。制御部110,210,310は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んでいてよい。CPUは、システムを制御する演算装置である。この制御の詳細は、以下で説明する各種の制御に相当していてよい。ROMは、CPUによる各種の処理を実現するプログラムなどを記憶する。そのようなプログラムは、例えば以下で説明する各種の制御を実行するためのプログラムであってよい。RAMは、CPUによる各種の処理に必要なデータを記憶する。
【0032】
図1においては、ビューワ装置100、管理装置200及びコンテンツ提供装置300は、単一のコンピュータとして図示されているが、物理的に別体の要素の集合によって構成されていてもよい。
【0033】
通信I/F120,220,320は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0034】
ビューワ装置100及び管理装置200は、それぞれ通信I/F120,220,320を介して、コンテンツ提供装置300とデータを送受信することができる。
【0035】
表示部130及び表示部230は、それぞれコンピュータと一体のディスプレイであってもよく、コンピュータと別体の着脱可能なディスプレイであってもよい。表示部130及び表示部230は、デジタルコンテンツを表示したり、デジタルコンテンツの管理等に必要な画面を表示したりする。
【0036】
管理装置200の制御部210は、アップロード手段212を含んでいてよい。アップロード手段212は、オリジナルのコンテンツをコンテンツ提供装置300(サーバ)へアップロードする手段である。したがって、オリジナルのコンテンツの管理者、すなわち配信ユーザは、管理装置200を用いて、コンテンツ提供装置300へコンテンツをアップロードすることができる。
【0037】
コンテンツは、文字、記号及び/又は図形を含むデジタルコンテンツであってよい。本明細書において、図形は、「絵」を含む概念であってよい。好ましくは、デジタルコンテンツは、図形と、文字及び/又は記号と、の両方を含んでいてよい。より好ましくは、デジタルコンテンツは、例えば、複数の吹き出しと、複数の吹き出しのそれぞれに関連づいた文字及び/又は記号と、を有していてよい。一例では、デジタルコンテンツは、デジタルコミック又は電子書籍である。デジタルコンテンツは、複数のページを有するコンテンツであってよい。
【0038】
コンテンツ提供装置300は、管理装置200からアップロードされたデジタルコンテンツのコンテンツ情報342を記憶部340に記憶する。好ましくは、コンテンツ提供装置300は、コンテンツ情報を配信ユーザと紐づけて記憶する。
【0039】
コンテンツ提供装置300の制御部310は、コンテンツ中の文字又は記号を自動で抽出してよい。アップロードされたオリジナルのコンテンツ中の文字又は記号がテキストデータではない場合、制御部310は、コンテンツ中の文字又は記号を自動で抽出する(OCR技術)。これにより、コンテンツ中の文字又は記号は、テキスト情報(テキストデータ)として記憶され得る。
【0040】
コンテンツ中の文字又は記号を自動で抽出された後に、抽出された文字又は記号をデジタルコンテンツから除去した画像データ、すなわち植字無しデータ(図形のみを含む画像データ)が、コンテンツ提供装置300の記憶部340に記憶されてもよい。
【0041】
コンテンツ提供装置300は、デジタルコンテンツ中の文字又は記号(テキスト情報)を、コンテンツ中の位置情報と関連付けて記憶する(図2も参照)。図2は、コンテンツ情報のデータの一例を示す図である。図2に示すように、コンテンツ中の位置情報は、例えば、コンテンツのページ番号、コマ番号、表示区分番号のうちの少なくとも1つ、好ましくは複数を含んでいてよい。
【0042】
ここで、コマ(図3及び図4の符号910も参照)は、コンテンツの1つのページをいつくかの部分に区分けした領域によって規定される。コマ番号は、区分けされた複数のコマに順番に付された番号である。
【0043】
吹き出し(図3及び図4の符号922も参照)は、コンテンツ中の文字及び/又は記号を付する領域に相当する。表示区分番号は、各コマ内の吹き出し922と吹き出しの無い領域924とに順番に付された番号である。ここで、「表示区分」については、後述する。
【0044】
図2に示すように、コンテンツ中の位置情報は、例えば、座標データを含んでいてよい。座標データは、少なくとも二次元軸上の座標(x,y)を含むことが好ましい。より好ましくは、座標データは、二次元軸上の座標(x,y)に加え、高さ及び幅(h,w)を含む。座標データは、コンテンツ中の文字又は記号の位置に関する情報を示していてよい。
【0045】
例えば、コンテンツ中の文字又は記号は、コンテンツ中の図形(例えば絵)のなかで様々な位置に配置されていることがある。コンテンツ中の同一ページに複数の文字又は記号が存在する場合、文字又は記号は、所望のまとまりに応じて、いくつかの区分(以下、「表示区分」と称する。)に分けられていてよい。
【0046】
一例では、図3に示すように、複数の文字及び/又は記号用の表示区分920のうちの少なくとも一部は、デジタルコンテンツ中の吹き出し922に対応していてよい。別の一例では、複数の表示区分920のうちの少なくとも一部は、吹き出し922の無い纏まった文字及び/又は記号の領域924に対応していてよい。図3において、表示部130に描かれた黒い四角形は、実際には何らかの文字を表していることに留意されたい。
【0047】
この場合、コンテンツ情報として記憶された座標データは、表示区分920の位置及び/又はサイズを表すものであってよい。座標データの(x,y)は、例えば、表示区分920の代表点(表示部130に表示される範囲の代表位置)を示すものであってよい。座標データの(h,w)は、例えば、表示区分920の高さと幅を示すものであってよい。
【0048】
図2に示す例では、コンテンツID、コンテンツ名、ストーリー名、ページ番号コマ番号、吹き出し番号及び座標データが、テキスト情報(コンテンツ中の文字及び/又は記号)とともに記憶されている。
【0049】
ここで、コマ番号及び/又は吹き出し番号は、デジタルコンテンツ中の表示区分920の順序、すなわち文字又は記号を読む順序を表す指標として利用できる。コマ番号及び/又は吹き出し番号は、学習済みのAIによって自動付与されてもよく、配信ユーザが管理装置200を通じて付与及び/又は修正可能であってもよい。
【0050】
コンテンツ提供装置300の制御部310は、デジタルコンテンツ中の文字又は記号を自動翻訳する機能を有していてよい。コンテンツ提供装置300は、管理装置200からの要求に応じてデジタルコンテンツ中の文字又は記号を、オリジナルの言語から他の言語へ自動翻訳する。自動翻訳は、例えば日本語から英語への翻訳、日本語から韓国語への翻訳、日本語から中国語への翻訳、又はそれらの逆であってよい。翻訳後の文字又は記号は、例えばコンテンツ情報342として記憶部340に記憶されればよい。
【0051】
図2に示す例では、コンテンツ情報は、オリジナルの言語の文字又は記号と、翻訳された言語の文字又は記号を保有する。コンテンツ情報は、オリジナルの言語の文字又は記号と、1つ又は複数の翻訳された言語の文字又は記号と、を保有していてよい。例えば、コンテンツ情報は、オリジナルの言語として日本語の文字又は記号を保有し、その翻訳として英語と中国語の両方の文字又は記号を保有していてもよい(図2参照)。翻訳される言語は、配信ユーザにより任意に選べる仕様になっていてよい。したがって、コンテンツ情報は、翻訳可能な複数の言語に対応するフィールドを有していてよい。
【0052】
図2に示されてはいないが、コンテンツ情報は、各々の言語の文字又は記号に関連付いた装飾情報を有していてよい。装飾情報は、例えば、各々の言語の文字又は記号に関するフォントの種類、サイズ及び/又は色などであってよい。
【0053】
管理装置200は、翻訳後の文字又は記号を確認可能であってよい。配信ユーザは、必要であれば、管理装置200を通じて翻訳後の文字又は記号を修正できるよう構成されていてよい。
【0054】
コンテンツ提供装置300は、デジタルコンテンツ中の文字又は記号の翻訳がされると、オリジナルの言語の文字又は記号を翻訳された文字又は記号に置き換えた画像データを生成し、記憶部340に記憶してもよい。オリジナルの言語の文字又は記号を翻訳された文字又は記号に置き換えた画像データは、例えば、前述した植字無しデータと、翻訳された文字又は記号と、を重ねて画像データにすることによって生成できる。好ましくは、植字無しデータと、翻訳された文字又は記号と、を重ねて画像データを生成する際に、翻訳された文字又は記号はこれに関連付けられた装飾情報(例えばフォントの種類、サイズ及び/又は色など)に基づいて、画像データ化される。
【0055】
コンテンツ提供装置300のコンテンツ配信部312は、ビューワ装置100からの要求に応じて、ビューワ装置100へデジタルコンテンツを提供する。
【0056】
ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300へのコンテンツの配信の要求に応じて、コンテンツ提供装置300からデジタルコンテンツの提供を受ける。ビューワ装置100の表示部130は、提供されたコンテンツを表示する(図3及び図4も参照)。コンテンツ中の文字、記号及び/又は図形は、ビューワ装置100の表示部130に表示されている。
【0057】
ビューワ装置100は、コンテンツ中の文字又は記号の言語を切り替える言語切替手段111を有していてよい。これにより、視認ユーザは、コンテンツ中の文字又は記号を、好みの言語に変えることができる。具体的には、コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100からの要求に応じて、要求に応じた言語の文字及び/又は記号を含むデジタルコンテンツをビューワ装置100へ表示させることができる。
【0058】
例えば、ビューワ装置100に表示させるデジタルコンテンツ中の文字又は記号の言語が、配信ユーザがアップロードしたデジタルコンテンツ中の文字又は記号の言語と同じである場合、コンテンツ提供装置300は、デジタルコンテンツのオリジナルの画像データをビューワ装置100に送信すればよい。
【0059】
この代わりに、コンテンツ提供装置300は、前述した植字無しデータ(画像データ)と、オリジナルの言語の文字又は記号の情報(テキストデータ)を含むコンテンツ情報(図2参照)と、をビューワ装置100に送信してもよい。好ましくは、コンテンツ提供装置300は、前述した植字無しデータ(画像データ)と、オリジナルの言語の文字又は記号の情報(テキストデータ)と、これらの文字又は記号に関連づいた装飾情報(例えばフォントの種類、サイズ及び/又は色など)と、をビューワ装置100に送信してもよい。この場合、ビューワ装置100は、受信した植字無しデータ(画像データ)と文字又は記号の情報とを組み合わせて表示すればよい。ビューワ装置100は、表示区分920に対応付けられた文字又は記号とともに、座標データも受信するため、表示区分920を適切な位置に表示することができる。
【0060】
ビューワ装置100に表示させるデジタルコンテンツ中の文字又は記号の言語が、オリジナルの言語から翻訳された別の言語である場合、コンテンツ提供装置300は、オリジナルの言語の文字又は記号を翻訳された文字又は記号に置き換えた画像データをビューワ装置100へ送信すればよい。
【0061】
この代わりに、コンテンツ提供装置300は、前述した植字無しデータ(画像データ)と、翻訳された言語の文字又は記号の情報(テキストデータ)を含むコンテンツ情報(図2参照)と、をビューワ装置100に送信してもよい。この場合、ビューワ装置100は、受信した植字無しデータ(画像データ)と文字又は記号の情報とを組み合わせて表示すればよい。
【0062】
図3及び図4では、言語切替手段111としてプルダウン940のような選択手段が示されている。言語の切り替え、例えば日本語と英語の切り替えにより図3に示す状態と図4に示す状態とを相互に変更することができる。
【0063】
ここで、言語の切り替えによって、翻訳後の言語が、オリジナルの吹き出しの範囲内に収まらない可能性がある。この場合、コンテンツ提供装置300は、自動翻訳後のコンテンツ中の文字及び/又は記号の長さに応じて、自動的に、コンテンツ中のコマや吹き出しのサイズや形の変更を行ってもよい。このようなコマや吹き出しのサイズや形の変更は、例えば特許文献2に記載された技術により実現できる。この代わりに又はこれに加えて、コンテンツ提供装置300は、自動翻訳後のコンテンツ中の文字及び/又は記号の長さに応じて、自動的に、文字及び/又は記号のサイズの変更を行ってもよい。
【0064】
ここで、コンテンツ提供装置300がビューワ装置100へ最初にコンテンツを提供する際、ビューワ装置100の視認ユーザが所属する国の情報に基づいて、コンテンツ提供装置300はコンテンツ中の文字又は記号の言語を自動的に選択して配信してもよい。この場合、コンテンツのオリジナルの言語が日本語であったとしても、ビューワ装置100の視認ユーザが米国所属であれば、初めに提供されたコンテンツ中の文字及び/又は記号は英語として提供される。なお、視認ユーザが所属する国の情報は、初期のユーザ登録の時点、使用する端末に紐づいた国情報、使用する端末のネットのアクセス元の国情報、及び/又は使用している端末自体の言語設定等から判定可能である。端末自体の言語設定は、ビューワ装置100のCookieやブラウザストレージに保存された情報から利用可能である。
【0065】
(文字及び/又は記号の編集の提案機能)
ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300から提供されたデジタルコンテンツを視認できる視認モードと、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集を提案できる編集要求モードと、を切り替える切替手段114を有していてよい。
【0066】
図3及び図4に示す例では、ビューワ装置100の表示部130に、視認モードと編集要求モードとを切り替えるためのボタン950が表示されている。ビューワ装置100を操作する視認ユーザは、ボタン950を選択、例えばクリック又はタップすることにより、視認モードと編集要求モードとを切り替えることができる。
【0067】
視認モードは、ビューワ装置100に提供されたコンテンツの視認、例えば視聴が可能なモードである(図3及び図4参照)。ビューワ装置100を操作する視認ユーザは、視認モードでコンテンツを楽しむことができる。
【0068】
視認ユーザは、視認モードにおいて、例えば表示部130を所定の方向にスワイプしたり、表示部130上でポインタをドラッグ移動したりすることによって、現在表示されているコンテンツのページを変えることができる。
【0069】
前述したように、切替手段114により、視認モードから編集要求モードに切り替えられる。図に示す態様では、ビューワ装置100を操作する視認ユーザは、ボタン950を選択、例えばクリック又はタップすることにより、視認モードから編集要求モードに切り替えられる。
【0070】
第1実施形態では、ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300から提供されたデジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集を提案可能な提案指示部112を有する。これにより、視認ユーザはビューワ装置100を介してコンテンツ提供装置300へ、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集を提案できる。デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案は、例えば表示区分920中のセリフの変更、誤記の訂正、及び/又は誤訳の訂正等であってよい。例えば、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案は、吹き出し922又は吹き出し922の無い領域924中の文字及び/又は記号の変更、誤記の訂正、及び/又は誤訳の訂正等であってよい。
【0071】
ビューワ装置100は、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案の際に、提案すべき文字及び/又は記号の情報とともに、提案したユーザ情報もコンテンツ提供装置300に送信することが好ましい。この際に、ビューワ装置100は、提案すべき文字及び/又は記号の情報とともに、当該文字及び/又は記号に関連づいた装飾情報(例えばフォントの種類、サイズ及び/又は色など)をコンテンツ提供装置300に送信してもよい。
【0072】
具体的一例では、視認ユーザは、編集要求モードにおいて、編集すべき、デジタルコンテンツ中の文字又は記号の選択を行うことができる。例えば、視認ユーザは、ビューワ装置100の表示部130に表示されているコンテンツ中の文字又は記号を選択、例えばタップ又はクリックすることによって、編集の提案をすべき文字又は記号を選択可能であってよい。
【0073】
一例では、表示部130に表示されているコンテンツのコマ910ごと又は表示区分920ごとに、文字又は記号の編集の提案を行えるよう構成されていてよい。この場合、視認ユーザが、表示部130に表示されているコンテンツ中の特定のコマ910及び/又は特定の表示区分920を選択、例えばタップ又はクリックすることによって、編集可能なウインドウが出現してもよい。図7に示す例は、視認ユーザが、図4に示す最も右上の表示区分920、すなわち吹き出し922をタップすることによって、ウインドウ930が出現した様子を示している。
【0074】
提案指示部112は、コンテンツ提供装置300から取得した編集候補リストから少なくとも1つの編集の提案を選択可能に構成されていてよい。図6に示す例では、ウインドウ930に、選択された表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号が表示されている。
【0075】
より具体的には、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号のオリジナルの言語(原文)810と、翻訳後の言語(翻訳文)820とが、ウインドウ930中に対比して表示されている。なお、オリジナルの言語810と、自動翻訳後の言語820は、コンテンツ提供装置300から提供される。
【0076】
ここで、コンテンツ提供装置300は、コンテンツ情報(図2)として、各々の表示区分920の座標データ(x,y,h,w)を保有している。したがって、視認ユーザが編集要求モードにおいてビューワ装置100の表示部130上で選択した位置の情報に基づいて、コンテンツ提供装置300は、視認ユーザにより選択された位置に対応する表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号(オリジナルの言語と翻訳された言語)を特定し、ビューワ装置100に送信することができる。
【0077】
また、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号の編集の提案を過去に他の視認ユーザから受けている場合、コンテンツ提供装置300は、当該文字及び/又は記号の編集の提案のリスト(編集候補リスト)を記憶及び保有していてよい(図6参照)。
【0078】
図6に示すように、編集候補リストは、編集すべき文字及び/又は図形の単位、すなわちコマや表示区分を特定する情報と、編集候補の文字及び/又は図形の情報と、を紐づけて管理されていてよい。好ましくは、編集候補の文字及び/又は図形は、それを支持する視認ユーザの数、及び/又は支持しない視認ユーザの数に紐づけて記憶されていてもよい。
【0079】
編集の候補として選択されたコマ910及び/又は表示区分920に紐づいた編集候補リストが存在する場合、コンテンツ提供装置300は、当該文字及び/又は記号の編集候補リストをビューワ装置100に提供してよい。
【0080】
図7に示す例では、視認ユーザは、ビューワ装置100から、選択した文字及び/又は記号の編集候補リスト830のうちから、少なくとも1つの編集候補を選択可能に構成されている。例えば、視認ユーザは、ビューワ装置100のウインドウ930に表示された投票ボタン840を選択することによって、望ましい提案に投票することができる。
【0081】
提案指示部112は、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号について、任意の文字及び/又は記号を提案できるよう構成されていてよい。文字及び/又は記号の編集の提案を過去に他の視認ユーザから受けていない場合、又は編集候補リストに望ましい候補がない場合、ビューワ装置100は、任意の文字及び/又は記号を提案できるよう構成されていることが好ましい。
【0082】
図7に示す例では、ビューワ装置100のウインドウ930に、新規候補を提案するためのボタン860が表示されている。本例では、視認ユーザがボタン860を選択することによって、ウインドウ930中の表示が図8に示す状態に遷移する。この代わりに、他の視認ユーザが未だ編集の提案を行っていない場合、すなわち編集候補リストがない場合には、ビューワ装置100は、図4に示すボタン950の選択によって、図7に示す状態に遷移することなく、図8に示す状態に直接遷移してもよい。
【0083】
図8に示す例では、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号のオリジナルの言語(原文)810と、自動翻訳後の言語(翻訳文)820とが、ウインドウ930中に対比して表示されている。
【0084】
図8に示す例では、視認ユーザは、ビューワ装置100から、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号について、任意の文字及び/又は記号を提案できる。具体的には、ビューワ装置100は、ウインドウ930に表示された入力部870に、任意に文字及び/又は記号を入力可能に構成されている。
【0085】
入力部870に文字及び/又は記号を入力した状態で、視認ユーザが、ウインドウ930に表示されたボタン890を選択すると、入力部870に入力した情報がコンテンツ提供装置300へ送信される。これにより、ビューワ装置100の提案指示部112は、コンテンツ中の文字又は記号について、編集の提案を行うことができる。図7及び図8に示す例では、提案指示部112は、視認ユーザに正しい翻訳文を提案するよう促すよう構成されている。
【0086】
コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100から、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案を受け付ける提案受付部318を有する。文字及び/又は記号の編集の提案は、編集候補リストとして記憶部340に記憶して管理される(図6参照)。
【0087】
配信ユーザは、管理装置200を通じて、コンテンツ提供装置300から、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集候補リストを要求することができる。この要求に応じて、コンテンツ提供装置300から管理装置200へ、編集候補リストの情報が送られる。
【0088】
図9は、編集候補リストの情報を表示部230に表示した状態の管理装置200の一例を示している。配信ユーザは、管理装置200により、コンテンツ中の文字及び/又は記号の編集候補リストの情報を確認することができる。この際に、編集候補リストの情報は、視認ユーザにより投票された数が多い順又は少ない順にソートされて表示部230に表示されることが好ましい。より好ましくは、編集の提案のリストは、視認ユーザにより投票された数が多い順に表示される。
【0089】
第1実施形態では、管理装置200は、コンテンツ提供装置300を介してビューワ装置100から得られた、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の要求を反映するかどうか選択する選択手段216を有する。これにより、配信ユーザは、文字及び/又は記号の編集を行うかどうか、及び/又はどのように編集するかを選択することができる。
【0090】
図9に示す例では、管理装置200の表示部230に、選択されたコマ910及び/又は特定の表示区分920に紐づいた文字及び/又は記号のオリジナルの言語(原文)710と、自動翻訳後の言語(翻訳文)720と、視認ユーザから得られた編集候補リストの情報730とが、対比して表示されている。
【0091】
配信ユーザは、編集候補リストの情報730のうちの1つを採用することができる。図9に示す例では、配信ユーザは、編集候補リストの情報730のうちの1つに紐づいたボタン750を選択することによって、コンテンツ中の文字又は記号を、どの候補に置き換えるかを決定することができる。配信ユーザが、管理装置200を通じて、編集候補リストの情報730のうちの1つを選択すると、コンテンツ提供装置300は、コンテンツ情報中の対応する文字又は記号を編集(修正)してコンテンツ情報として記憶する。これにより、図10に示すように、コンテンツ情報中の文字又は記号、例えば翻訳された文字又は記号の修正を行うことができる。
【0092】
また、コンテンツ提供装置300は、コンテンツ情報の編集とともに、編集された文字又は記号を含むコンテンツのページの画像データを再生成してもよい。画像データの再生成は、前述した植字無しデータと、編集された文字又は記号と、編集された文字又は記号と同一のページにおける編集されていない文字又は記号と、を重ねて画像データにすることによって生成可能である。
【0093】
これにより、コンテンツ情報中の文字又は記号が編集された後に、ビューワ装置100から、コンテンツの配信の要求があった場合、ビューワ装置100の表示部130には、編集された文字及び/又は記号を含むコンテンツが表示される。
【0094】
好ましくは、編集候補リストの情報730に紐づいて、提案の候補について視認ユーザにより投票された数740も管理装置200に表示されてよい。投票された数740は、図7を用いて説明したように、複数の視認ユーザからの投票により決められる。配信ユーザは、投票された数740を参考にして、編集候補リストのなかから適切なものを選択することができる。
【0095】
上記態様によれば、配信者は、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の翻訳の精度を予め高めておく必要がない。配信者は、視認ユーザからの提案に基づいて、適宜、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の翻訳を編集することができる。したがって、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の翻訳のミスを校正するためにかかる手間を削減させることが可能である。
【0096】
上記態様では、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の翻訳の訂正について例を挙げて説明した。しかしながら、本発明は、翻訳の訂正に制限されない。例えば、ビューワ装置100は、例えばデジタルコンテンツ中の任意の文字又は記号の変更や誤記の訂正の提案を行うよう構成されていてもよい。この場合、配信者は、管理装置200を通じて、視認ユーザからの提案を反映するかどうか選択することができる。このように公開されたデジタルコンテンツを見た任意の視認ユーザがデジタルコンテンツ中のミスを指摘可能であるため、デジタルコンテンツが視認されるほど、ミスを校正することができるようになる。
【0097】
コンテンツ提供装置300は、ユーザ情報、例えば視認ユーザの情報を記憶部340に記憶していても良い(図11参照)。図11に示すように、ユーザ情報344は、ユーザIDと、ユーザ名と、スコアと、を紐づけて記憶していてよい。
【0098】
スコアは、例えば、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案のうち配信者により反映された提案を表す指標であってよい。例えば、スコアは、文字及び/又は記号の編集の提案が反映された回数に応じて増えてよい。したがって、配信者が管理装置200を通じて視認ユーザからの編集の提案を反映した場合、当該提案をした視認ユーザに紐づいたスコアを増加させる。コンテンツ提供装置300は、管理装置200からの編集の提案の反映の情報に基づいて、視認ユーザのユーザ名に紐づいた増加させたスコアを増加させて記憶部340に記憶する。
【0099】
スコアは、編集反映モードにおいて、管理装置200の表示部230に表示されてよい。具体的には、視認ユーザ名とスコアが、視認ユーザからの文字及び/又は記号に紐づいて、表示されている(図9参照)。
【0100】
スコアは、視認ユーザによる文字及び/又は記号の編集の提案が優れているかどうかを表す指標になり得る。したがって、配信ユーザは、編集反映モードにおいて、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案を反映する際に、視認ユーザに紐づいたスコアを参考にすることができる。
【0101】
コンテンツ提供装置300は、ユーザ情報、例えば視認ユーザの情報を記憶部340に記憶していても良い(図11参照)。図11に示すように、ユーザ情報344は、ユーザIDと、ユーザ名と、ポイントと、を紐づけて記憶していてよい。
【0102】
ポイントは、例えば金銭、仮想通貨、又はそれらに類するポイントなどであってよい。そのようなポイントは、例えば金銭又は仮想通貨から課金することによって得られるものであってよい。
【0103】
ポイントは、コンテンツ提供装置300が提供するサービス内で、金銭の代わりに使用することが可能であってよい。例えば、ポイントは、視認ユーザにより、コンテンツ提供装置300で提供されているサービスに利用されることができる。そのようなサービスは、例えば、コンテンツ提供装置300に記憶されている有料のデジタルコンテンツの購入、有料のレンタルサービス、又は配信ユーザへのポイントの付与(例えば投げ銭)等であってよい。
【0104】
コンテンツ提供装置300は、配信ユーザがコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集を反映したときに、当該文字及び/又は記号の編集を提案した視認ユーザに対して、ポイントを付与する処理を行っても良い。これにより、コンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案を行うインセンティブが視認ユーザに与えられる。
【0105】
(自動読み上げ機能)
ビューワ装置100による自動読み上げ機能について主に図12及び図13を参照しつつ説明する。図12は、自動読み上げのフローチャートを示す図である。図13は、待機時間情報のデータの一例を示す図である。
【0106】
ビューワ装置100は、視認モードにおいて、コンテンツ中の文字を自動で読み上げる読み上げ機能116を有していてよい。ビューワ装置100の表示部130には、コンテンツ中の文字を読み上げるための読み上げボタン980が表示されていてよい。読み上げボタン980が、選択、例えばクリック又はタップされると、コンテンツ中の文字が自動で読み上げられる。コンテンツ中の文字に対応する音声は、ビューワ装置100に備えられたマイクから発せられる。ここで、コンテンツ中の文字及びその翻訳に関する音声データは、例えば学習済みのアプリケーション(AI)により生成されたものであっても良い。
【0107】
コンテンツ中の文字は、その位置情報に基づいて、順番付けされている。コンテンツ中の文字の順番は、例えば、コンテンツのページ番号、コマ番号、吹き出し番号のうちの少なくとも1つ、好ましくはすべてにより規定されていてよい。この順番付けに基づいて、コンテンツ中の文字が自動で読み上げられればよい。
【0108】
好ましくは、デジタルコンテンツ中の一ページ中の複数のコマ910及び/又は表示区分920が順序付けされていてよい。コマ910の順序付けは、前述したコンテンツ情報のコマ番号によって規定される。表示区分920の順序付けは、前述した表示区分番号によって規定される(図2も参照)。ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300から図2に示すようなコンテンツ情報を取得することにより、コマ910の順序付けにしたがって、コマ中の文字を順番に読み上げることができる。
【0109】
視認ユーザは、自動読み上げ機能116による自動読み上げを一時停止することができる。つまり、ビューワ装置100は、自動読み上げの一時停止手段を有していてよい。さらに、視認ユーザは、自動読み上げの一時停止を解除(すなわち再生)することができる。つまり、ビューワ装置100は、自動読み上げの一時停止を解除する手段を有していてよい。
【0110】
図12を参照して自動読み上げのフローについて、より詳細に説明する。まず、読み上げボタン980が選択されると、ビューワ装置100の読み上げ機能116は、読み上げる対象のコマを、表示中のページの最初のコマに設定する(ステップS1)。
【0111】
次に、読み上げ機能116は、読み上げる対象のコマ910に文字が含まれているかどうか判定する(ステップS2)。読み上げる対象のコマ910に文字が含まれていれば、読み上げ機能116は、当該コマ910中の文字を自動で読み上げる(ステップS3)。
【0112】
ここで、同一のコマ910が複数の表示区分920を含む場合、読み上げ機能116は、複数の表示区分920の順序付けにしたがって、表示区分920内の文字を順番に読み上げればよい。
【0113】
読み上げ機能116は、ステップS3においてコマ910中の文字を自動で読み上げた後に、必要であれば何も読み上げることなく第2の規定の時間待機する(ステップS4)。読み上げ機能116が第2の規定の時間待機することで、視認ユーザが自動で読み上げられたコマを見ている間に、読み上げ機能116が次のコマの文字を読み上げ始める可能性を低くすることができる。ステップS4は、不要であれば行われなくてよい。
【0114】
ステップS2において、読み上げる対象のコマ910に文字が含まれていなければ、何も読み上げることなく第1の規定の時間待機する(ステップS5)。これにより、視認ユーザが文字を含まないコマを見ている最中に、読み上げ機能116が次のコマに含まれる文字を読み上げ始める可能性を低くすることができる。
【0115】
ステップS3からステップS5が終えると、読み上げ機能116は、現在読み上げる対象として設定されているコマ910が、表示部130に表示中のページの最後のコマであるかどうか判定する(ステップS6)。
【0116】
読み上げる対象として設定されているコマ910が表示中のページの最後のコマではない場合、読み上げ機能116は、読み上げる対象であるコマを、次のコマに設定する(ステップS7)。それから、読み上げ機能116は、新しく読み上げる対象であると設定されたコマ910に文字が含まれているかどうか判定する(ステップS2)。ビューワ装置100は、設定されたコマ910に文字が含まれているかどうかを、コンテンツ提供装置300から取得したコンテンツ情報(図2参照)から判定することができる。
【0117】
ステップS2~ステップS7を繰り返すことにより、読み上げ機能116は、前述したような複数のコマの順序付けにしたがって、読み上げる対象であるコマを順番に設定することができる。したがって、読み上げ機能116は、複数のコマの順序付けにしたがって、表示中のページのすべてのコマに含まれる文字を自動で読み上げることができる。
【0118】
上記ステップS6において、現在読み上げる対象として設定されているコマ910が、表示部130に表示中のページの最後のコマであると判定された場合、読み上げ機能116は、何も読み上げることなく第3の規定の時間待機する(ステップS8)。ビューワ装置100は、設定されたコマ910が表示中のページの最後のコマであるかどうかを、コンテンツ提供装置300から取得したコンテンツ情報(図2参照)から判定することができる。ビューワ装置100は、第3の規定の時間が経過した後に、デジタルコンテンツの次のページを表示部130に自動で表示する(ステップS9)。
【0119】
次のページが表示部130に自動で表示されると、読み上げ機能116は、表示されたページに関して再び図12に示すようなフローに従って文字の読み上げを自動で開始すればよい。
【0120】
このように、ビューワ装置100は、デジタルコンテンツの表示中のページに存在する最後の文字を読み上げた後に、次のページを自動で表示するよう構成されている。これにより、視認ユーザは、いったん読み上げ機能116による自動読み上げを開始すると、ビューワ装置100を操作することなくデジタルコンテンツを楽しむことができる。
【0121】
上記のステップS5が設けられていることにより、読み上げ機能116は、読み上げる対象であるコマに文字が含まれていなければ第1の規定の時間経過した後に、読み上げる対象であるコマを次のコマに設定する。これにより、視認ユーザが文字を含まないコマを見ている最中に、次のコマに含まれる文字が読み上げ機能116により読まれ始める可能性を低下することができる。
【0122】
上記のステップS8が設けられていることにより、ビューワ装置100は、ページの最後のコマの処理(ステップS3からステップS5)が終わった後に、次のページに遷移する前に第3の規定の時間待機することになる。これにより、視認ユーザがデジタルコンテンツのあるページの全体を見終わる前に、次のページに遷移する可能性を低下することができる。
【0123】
すなわち、デジタルコンテンツの一ページの最後のコマに文字が含まれている場合、ビューワ装置100は、読み上げ機能116が最後のコマ中の文字を読み上げたら、第3の規定の時間経過した後に、次のページを自動で表示する。
【0124】
また、デジタルコンテンツの一ページの最後のコマに文字が含まれていない場合、ビューワ装置100は、第1の規定の時間を待機(ステップS5)した後に、さらに第3の規定の時間経過した後に、次のページを自動で表示すればよい。
【0125】
なお、ステップS8は任意であり、不要であれば設けられていなくてもよい。
【0126】
前述の第1の規定の時間、前述の第2の規定の時間及び/又は前述の第3の規定の時間は、例えばコンテンツ提供装置300及び/又はビューワ装置100に記憶されていてよい。好ましくは、前述の第1の規定の時間、前述の第2の規定の時間及び/又は前述の第3の規定の時間は、コンテンツ提供装置300の記憶部340に記憶されている(図13)。具体的には、図13に示すように、待機時間情報が、視認ユーザのユーザ名に紐づいて記憶されている。
【0127】
待機時間情報は、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間に関する情報を保持していてよい。第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間は、例えば時間(秒の値)により規定されていてもよい。この代わりに、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間は、早い、標準、遅いなどの定性的な値により規定されていてもよい。図13では、一例として、第2の規定の時間及び第3の規定が秒の値により規定されている。図13では、一例として、第1の規定の時間は、定性的な値により規定されている。
【0128】
ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300から受信した待機時間情報、すなわち第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間に関する情報に基づいて、前述したステップS4、ステップS5及びステップS8を実行することができる。
【0129】
コンテンツ提供装置300が待機時間情報を保持する場合、視認ユーザは、どの端末を利用してコンテンツを視認しても、同一の設定(第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間)でコンテンツを楽しむことができる。
【0130】
コンテンツ提供装置300が待機時間情報を保持する場合、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間に関する情報は、視認ユーザがビューワ装置100を通じて変更可能であることが好ましい。この場合、ビューワ装置100は、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間を設定するための入力部等を有していてよい。
【0131】
(第1の規定の時間の別の決定方法)
前述の第1の規定の時間は、基準時間と相対時間の両方により決定されてもよい。基準時間は、デジタルコンテンツごとに決められた時間である。基準時間は、視認ユーザに依らなくてよい。例えば、基準時間は、図2に示すコンテンツ情報として、文字又は記号のないコマに対して設定されていてよい。基準時間は、例えば時間(秒の値)により規定されていてよい。基準時間の決定の方法については、後述する。
【0132】
相対時間は、視認ユーザごとに決められた時間である。相対時間は、コンテンツの種類に依らなくても良いし、コンテンツの種類に依っても良い。相対時間は、例えば図13に示すように、視認ユーザに紐づいて記憶されていてよい(図13の「第1の規定の時間」に相当)。すなわち、相対時間は、例えば早い、標準、遅いなどの定性的な値により規定されていてよい。
【0133】
この場合、相対時間は、基準時間を補整するための時間に相当する。例えば、基準時間が2秒であり、相対時間が「早い」であれば、第1の規定の時間は、「2秒-1秒」のような計算式によって決められてよい。また、例えば、基準時間が2秒であり、相対時間が「遅い」であれば、第1の規定の時間は、「2秒+1秒」のような計算式によって決められてよい。
【0134】
このように、第1の規定の時間は、デジタルコンテンツごとに決められた基準時間を、ユーザごとに決められた相対時間によって補正された値によって決められてよい。
【0135】
この場合、相対時間は、ユーザにより設定可能であってよい。すなわち、相対時間は、ユーザによる設定値であってよい。基準時間は、例えば、少なくとも、デジタルコンテンツのページのサイズに対するコマのサイズの割合と、ユーザによる前記読み上げ機能の一時停止の情報とに基づいて決定されてもよい。言い換えると、前述の第1の規定の時間は、デジタルコンテンツのページのサイズに対するコマのサイズの割合と、ユーザによる前記読み上げ機能の一時停止の情報と、ユーザによる設定値の少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。
【0136】
第1の規定の時間の基準時間は、デジタルコンテンツのページのサイズに対するコマのサイズの割合に基づいて決定されてもよい。より好ましくは、第1の規定の時間は、ページのサイズに対するコマのサイズが大きいほど、大きい値に設定されていてよい。これにより、サイズの大きいコマに対する待機時間が長くなるため、視認ユーザが文字を含まないコマを見ている最中に、次のコマに含まれる文字が読まれ始める可能性をより低下することができる。
【0137】
上記の第1の規定の時間の基準時間は、視認ユーザによる自動読み上げの一時停止の情報に基づいて決定及び/又は変更されてもよい。具体的には、視認ユーザが自動読み上げ機能を停止した場合、ビューワ装置100は、読み上げ機能の停止した情報と、停止したタイミングに相当するコマ910の位置情報と、をコンテンツ提供装置300に送信する。コンテンツ提供装置300は、読み上げ機能の停止した情報と、停止したタイミングに相当するコマ910の位置情報と、を紐づけて記録する。
【0138】
コンテンツ提供装置300は、もし同じタイミングで読み上げ機能を停止する視認ユーザが多い場合、停止したタイミングに相当するコマ910(読み上げる対象のコマ)に関する第1の規定の時間の基準時間を大きく変更すればよい。
【0139】
このような第1の規定の時間の基準時間の変更は、例えば、読み上げ機能の停止した情報と、停止したタイミングに相当するコマ910の位置情報と、を機械学習することによって、AIにより実現することができる。
【0140】
第1の規定の時間の基準時間は、デジタルコンテンツのページのサイズに対するコマのサイズの割合と、ユーザによる読み上げ機能の一時停止の情報と、の両方に基づいて決定されることが好ましい。
【0141】
(第3の規定の時間の別の決定方法)
第3の規定の時間は、視認ユーザの手動によるページの変更の情報に基づいて決定及び/又は変更されてもよい。具体的には、視認ユーザがビューワ装置100において手動で自らデジタルコンテンツのページを進めた場合、ビューワ装置100は、自動ですすめられたページの情報をコンテンツ提供装置300に送信する。コンテンツ提供装置300は、自動ですすめられたページの情報を記録する。
【0142】
もし多くの視認ユーザが同じページを自動ですすめていれば、コンテンツ提供装置300は、そのページの最後のコマ910に関連する第3の規定の時間を小さく変更すればよい。このような設定の変更は、例えば、機械学習によってAIにより実現することができる。
【0143】
さらに、ビューワ装置100は、読み上げられるスピードを調整するスピード調整手段を有していてもよい。ビューワ装置100を操作するユーザは、スピード調整手段により、自動で読み上げられるスピードを自己に適切なスピードに設定することができる。
【0144】
(第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値)
第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値は、例えば配信ユーザによって設定された設定値であってよい。この代わりに、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値は、少なくともコンテンツ情報に基づいて、コンテンツ提供装置300により自動的に設定されてもよい。
【0145】
また、視認ユーザがコンテンツ提供サービスを初めて使用する場合、及び/又は視認ユーザがあるコンテンツを初めて視認する場合、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値は、他のユーザによる当該コンテンツの視認のスピードに基づき、コンテンツ提供装置300により自動的に設定されてもよい。
【0146】
コンテンツ提供装置300は、視認ユーザごと、かつコンテンツごとに、視認するスピードを記憶していてよい。具体的には、コンテンツ提供装置300は、視認ユーザごと、かつコンテンツごとに、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間を、視認ユーザに紐づけて記憶していてよい。この場合、コンテンツ提供装置300は、同一のコンテンツに関して、異なる視認ユーザに対して設定された第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間を比較することができる。これにより、コンテンツ提供装置300は、各々の視認ユーザの視認のスピードの推定値を算出することができる。
【0147】
この場合、コンテンツ提供装置300は、視認ユーザが初めて視認するコンテンツであっても、視認のスピードの推定値と、他の視認ユーザに紐づいた第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間と、に基づいて、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値を設定することができる。
【0148】
例えば、第1の視認ユーザの視認のスピードの推定値が、別の第2の視認ユーザの視認のスピードの推定値の2倍である場合、第1の視認ユーザに紐づいた第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値は、第2の視認ユーザに紐づいて記憶されている第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の1/2に自動的に設定されてよい。これにより、視認ユーザが初めて視認するコンテンツであっても、第1の規定の時間、第2の規定の時間及び/又は第3の規定の時間の初期値が、比較的適切に設定される。
【0149】
(自動読み上げの編集の提案)
ビューワ装置100の提案指示部112は、読み上げ機能116による自動読み上げのミスを指摘可能に可能性に構成されていてもよい。これは、後述する第2実施形態に係る提案指示部112と同様に実現できる。すなわち、視認ユーザは、ビューワ装置100の編集提案モードにおいて、ウインドウ930に表示された入力部870(図15も参照)に、任意に文字及び/又は記号を入力することによって、自動読み上げのミスを指摘することができる。自動読み上げのミスは、例えばコマを読み上げる順序の誤り、文字の発音や読み方の誤り、等があげられる。
【0150】
コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100の提案指示部112から受けた提案を提案候補リストとして記憶部340に記憶する。管理装置200は、コンテンツ提供装置300から、提案候補リストを受信することができる。配信ユーザは、管理装置200により提案候補リストを見ることができる。これにより、配信ユーザは、必要であれば、デジタルコンテンツの修正を行うことができる。
【0151】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るビューワ装置100、管理装置200、コンテンツ提供装置300、及びコンテンツシステムについて説明する。図14は、第2実施形態に係るビューワ装置の表示部に表示されたデジタルコンテンツの一例を示している。図15は、第2実施形態に係るビューワ装置の表示部に表示された編集提案モードの一例を示す図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成について同じ符号が付されていることに留意されたい。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略することがある。
【0152】
第2実施形態におけるコンテンツシステムの基本的な構成は、第1実施形態とほぼ同様である(図1も参照)。第1実施形態では、ビューワ装置100は、デジタルコンテンツ中の文字及び/又は記号の編集の提案をできるよう構成されていた。この代わりに、第2実施形態では、ビューワ装置100は、デジタルコンテンツ中の図形(絵)の編集の提案をできるよう構成されている。
【0153】
第2実施形態に係るビューワ装置100を操作する視認ユーザは、第1実施形態と同様に、ボタン950を選択、例えばクリック又はタップすることにより、視認モードと編集要求モードとを切り替えることができる。
【0154】
第2実施形態では、ビューワ装置100は、コンテンツ提供装置300から提供されたデジタルコンテンツ中の図形の編集を提案可能な提案指示部112を有する。これにより、視認ユーザはビューワ装置100を介してコンテンツ提供装置300へ、デジタルコンテンツ中の図形の編集を提案できる。デジタルコンテンツ中の図形の編集の提案は、例えばコマ910中の図形の訂正等であってよい。
【0155】
具体的一例では、視認ユーザは、編集要求モードにおいて、編集すべき、デジタルコンテンツ中の図形の選択を行うことができる。例えば、視認ユーザは、ビューワ装置100の表示部130に表示されているコンテンツ中の図形を選択、例えばタップ又はクリックすることによって、編集の提案をすべき図形を選択可能であってよい。
【0156】
一例では、表示部130に表示されているコンテンツのコマ910ごとに、図形の編集の提案を行えるよう構成されていてよい。この場合、視認ユーザが、表示部130に表示されているコンテンツ中の特定のコマ910を選択、例えばタップ又はクリックすることによって、編集可能なウインドウが出現してもよい。図15に示す例は、視認ユーザが、図14に示す最も左上のコマ910をタップすることによって、ウインドウ930が出現した様子を示している。
【0157】
図15に示す例では、視認ユーザは、ビューワ装置100から、選択されたコマ910に関して、図形の編集に関する任意の情報を提案できる。具体的には、ビューワ装置100は、ウインドウ930に表示された入力部870に、任意に文字及び/又は記号を入力可能に構成されている。
【0158】
入力部870に図形の編集に関する情報を入力した状態で、視認ユーザが、ウインドウ930に表示されたボタン890を選択すると、入力部870に入力した情報がコンテンツ提供装置300へ送信される。これにより、ビューワ装置100の提案指示部112は、コンテンツ中の図形について、編集の提案を行うことができる。
【0159】
コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100から、デジタルコンテンツ中の図形の編集の提案を受け付ける提案受付部318を有する。図形の編集の提案は、編集候補リストとして記憶部340に記憶して管理されてよい(図6参照)。
【0160】
図示していないが、コンテンツ提供装置300は、第1実施形態と同様に、コマ910に紐づいた編集候補リストをビューワ装置100に送信し、ビューワ装置100を通じて視認ユーザに編集候補リストから適切な編集候補を選択させるよう構成されていてもよい。
【0161】
コンテンツ提供装置300は、ビューワ装置100から、デジタルコンテンツ中の図形の編集の提案を受け付ける提案受付部318を有する。図形の編集の提案は、編集候補リストとして記憶部340に記憶して管理される(図6参照)。
【0162】
配信ユーザは、管理装置200を通じて、コンテンツ提供装置300から、デジタルコンテンツ中の図形の編集候補リストを要求することができる。この要求に応じて、コンテンツ提供装置300から管理装置200へ、編集候補リストの情報が送られる。
【0163】
配信ユーザは、編集候補リストの情報に基づき、必要ならデジタルコンテンツ中の図形を自ら修正し、修正したデジタルコンテンツを管理装置200を通じて、コンテンツ提供装置300へ再度アップロードすればよい。
【0164】
その他の構成については第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0165】
第1実施形態及び第2実施形態で説明した情報処理をコンピュータが行う方法も本発明の範囲に含まれることに留意されたい。具体的には、前述のビューワ装置100により行われる情報処理をコンピュータが行う方法も本発明の範囲に含まれる。同様に、前述の管理装置200により行われる情報処理をコンピュータが行う方法も本発明の範囲に含まれる。同様に、前述のコンテンツ提供装置300により行われる情報処理をコンピュータが行う方法も本発明の範囲に含まれる。さらに、そのような方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0166】
このようなコンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)に格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。
【0167】
非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0168】
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0169】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0170】
10 コンテンツシステム
100 ビューワ装置
200 管理装置
300 コンテンツ提供装置
【要約】
【課題】デジタルコンテンツ中のミスを校正するための新しい仕組みを提供する。
【解決手段】ビューワ装置100は、サーバ300から提供されたデジタルコンテンツ中の文字、記号及び/又は図形の編集を提案可能な提案指示部112を有する。
【選択図】図1

図1
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