(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】いなり寿司の皮補給装置
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241118BHJP
【FI】
A23L7/10 G
(21)【出願番号】P 2021022558
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2023-11-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 博覧会名 第48回国際ホテル・レストランショー(HCJ2020) 開催日 令和2年2月18日から同年2月21日 開催場所 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-030761(JP,A)
【文献】特開2006-230301(JP,A)
【文献】特開2016-214136(JP,A)
【文献】特開2004-073129(JP,A)
【文献】特開2017-178466(JP,A)
【文献】特開2000-237053(JP,A)
【文献】特開2000-157189(JP,A)
【文献】特開平07-075511(JP,A)
【文献】特開2022-048434(JP,A)
【文献】特開2022-017672(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0076240(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得る皮収納部が筐体の間歇回転テーブル上に固定され、
上記皮収納部には、上記皮収納部と平行に設けられた底部材ガイド部と、上記底部材ガイド部に螺合して上記底部材ガイド部に沿って上下する昇降部と、上記昇降部と共に昇降し、上記皮収納部の最上部に位置している底部材と、上記底部材ガイド部に接続されたギアからなる皮補給機構が、上記間歇回転テーブル上に上記皮収納部に対応して設けられ、
上記皮補給機構の上記ギアに噛合し得る駆動ギアと、上記駆動ギアを駆動するギア駆動モータとからなる駆動機構が上記筐体の固定機枠上に設けられ、
上記皮収納部の上方には上記間歇回転テーブルの半径方向に直交する水平棒が上記筐体に固定され、
上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能であると共に、上記皮収納部の上方位置に位置決め可能な上下開口の皮補給ホッパが設けられ、該皮補給ホッパはいなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得るものであって、最下部に前後方向に移動可能なシャッタが設けられ、
上記皮収納部の直上の補給位置に上記皮補給ホッパを位置させた状態で、上記皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮が重ねて収納され、上記シャッタを手前に引くことで上記皮補給ホッパ内のいなり寿司の皮の積層体が、下方の上記皮収納部内の上記底部材上に落下供給され、
上記ギア駆動モータが駆動されることにより上記底部材ガイド部を介して上記底部材を上記皮収納部に沿って下降させることで、上記いなり寿司の皮の積層体を上記皮収納部内に補給する皮補給動作を行うことを可能としたいなり寿司の皮補給装置。
【請求項2】
上記皮補給ホッパは、上記水平棒に沿って左右方向に2台設けられ、一の上記皮補給ホッパが上記補給位置にあり直下の上記皮収納部に上記皮補給動作を行っている間に、他方の上記皮補給ホッパにいなり寿司の皮を積層状態で収納し得ることを可能とした請求項1記載のいなり寿司の皮補給装置。
【請求項3】
上記水平棒が上下方向に2本設けられ、上記皮補給ホッパには上の上記水平棒に沿って左右方向に移動可能であると共に、上の上記水平棒を支点として上記皮補給ホッパの下半部が手前方向に回動し得るように構成され、
下の上記水平棒に小径部が設けられ、
上記皮補給ホッパには下の上記水平棒の上記小径部に係合可能な係合孔を有する開口フックが設けられ、
上記皮補給ホッパは上記係合孔が上記小径部に係合しているときのみ鉛直状態となって、上記補給位置に位置決めされ、
上記皮補給ホッパは上記係合孔が上記小径部と係合していない状態においては、上の上記水平棒を支点として上記下半部を上記手前方向に回動して傾斜状態となり、当該傾斜状態においてのみ上の上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能に構成されたものである請求項1記載のいなり寿司の皮補給装置。
【請求項4】
上記水平棒が上下方向に2本設けられると共に、上記水平棒に上記皮補給ホッパを2台並設し、
上記2台の両皮補給ホッパは上の上記水平棒に沿って左右方向に移動可能であると共に、上の上記水平棒を支点として上記各皮補給ホッパの下半部が手前方向に回動し得るように構成され、
下の上記水平棒に小径部が設けられ、
上記両皮補給ホッパの各々に、下の上記水平棒の上記小径部に係合可能な係合孔を有する開口フックが設けられ、
何れか一方の上記皮補給ホッパは上記開口フックの上記係合孔が上記小径部に係合しているときのみ鉛直状態となって、上記補給位置に位置決めされ、
何れか他方の上記皮補給ホッパは、上記開口フックの上記係合孔が上記小径部と係合していない状態においては、上の上記水平棒を支点として上記下半部を上記手前方向に回動して傾斜状態となり、当該傾斜状態においてのみ上の上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能に構成されたものである請求項1記載のいなり寿司の皮補給装置。
【請求項5】
一方の上記皮補給ホッパの上記開口フックは、隣接する他方の上記皮補給ホッパとは反対側の面に設けられ、他方の上記皮補給ホッパの上記開口フックは隣接する一方の上記皮補給ホッパとは反対側の面に設けられ、
下の上記水平棒には、一方の上記皮補給ホッパの上記開口フックの上記係合孔が係合して一方の上記皮補給ホッパが上記補給位置に位置する第1小径部と、他方の上記皮補給ホッパの上記開口フックが係合して他方の上記皮補給ホッパが上記補給位置に位置する第2小径部とが2か所に設けられているものである請求項4に記載のいなり寿司の皮補給装置。
【請求項6】
一方の上記皮補給ホッパと他方の上記皮補給ホッパは、連結部材により連結されているものである請求項5記載のいなり寿司の皮補給装置。
【請求項7】
上記間歇回転テーブルは円形であり、上記皮収納部は間歇回転テーブルの90度毎に4か所に設けられ、
上記皮収納部に対応する上記皮補給機構は4か所の上記皮収納部に対応して各々4か所の上記間歇回転テーブル上に設けられ、
上記駆動機構は、上記皮収納部内の皮を移送手段に1枚ずつ移送する剥し移載機構が上記筐体に設けられた上記皮収納部の位置と、上記皮補給ホッパが設けられた上記皮収納部の位置と、上記剥し移載機構の直前の上記皮収納部の位置の3か所における上記固定機枠上に設けられているものである請求項1~6の何れかに記載のいなり寿司の皮補給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いなり寿司の皮を、皮収納部からコンベア上に1枚ずつ剥して自動的に移送することができる皮移送装置において、複数枚のいなり寿司の皮を皮収納部に自動的に補給し得るいなり寿司の皮補給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いなり寿司を製造するにあたり、いなり寿司の皮にシャリ玉を自動的に挿入する装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来装置は、テーブル上、或いは、コンベア上にいなり寿司の皮の複数枚を予め並べておく必要があり、順次、テーブル或いはコンベア等の移送手段が間歇駆動され、しゃり玉投入位置において、シャリ玉がいなり寿司の皮の中に自動的に投入される構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の装置によると、いなり寿司の皮の中にシャリ玉の投入動作は自動的に行うことができるが、上記皮を搬送するテーブル又はコンベア等の移送手段上にいなり寿司の皮の載置動作は、操作者(人間)が行っていた。
【0006】
そこで、発明者は、いなり寿司の皮が複数枚(例えば80枚)、縦に収納された皮収納部から、上記皮を1枚ずつ捲り剥がして、移送手段に自動的に供給するいなり寿司の皮移送装置を開発し(特願2020-120356号)、さらに、発明者は、いなり寿司の皮の移送装置にいなり寿司の皮を供給する装置であり、皮収納部内に皮が無くなったら、自動的に次の皮収納部をセットし得るいなり寿司の皮供給装置を開発した(特願2020-154251号)。
【0007】
上記後者の装置では、皮収納部にいなり寿司の皮の例えば80枚を予め補給しておく必要があるが、この作業は操作者(人間)が行う必要があり、人が行う作業としては、非効率的であった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、皮収納部にいなり寿司の皮(例えば80枚)を効率的に収納し得るいなり寿司の皮補給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、いなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得る皮収納部が筐体の間歇回転テーブル上に固定され、上記皮収納部には、上記皮収納部と平行に設けられた底部材ガイド部と、上記底部材ガイド部に螺合して上記底部材ガイド部に沿って上下する昇降部と、上記昇降部と共に昇降し、上記皮収納部の最上部に位置している底部材と、上記底部材ガイド部に接続されたギアからなる皮補給機構が、上記間歇回転テーブル上に上記皮収納部に対応して設けられ、上記皮補給機構の上記ギアに噛合し得る駆動ギアと、上記駆動ギアを駆動するギア駆動モータとからなる駆動機構が上記筐体の固定機枠上に設けられ、上記皮収納部の上方には上記間歇回転テーブルの半径方向に直交する水平棒が上記筐体に固定され、上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能であると共に、上記皮収納部の上方位置に位置決め可能な皮補給ホッパが設けられ、該皮補給ホッパはいなり寿司の皮を縦方向に重ねて収納し得るものであって、最下部に前後方向に移動可能なシャッタが設けられ、上記皮収納部の直上の補給位置に上記皮補給ホッパを位置させた状態で、上記皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮が重ねて収納され、上記シャッタを手前に引くことで上記皮補給ホッパ内のいなり寿司の皮の積層体が、下方の上記皮収納部内の上記底部材上に落下供給され、上記ギア駆動モータが駆動されることにより上記底部材ガイド部を介して上記底部材を上記皮収納部に沿って下降させることで、上記いなり寿司の皮の積層体を上記皮収納部内に補給する皮補給動作を行うことを可能としたいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0010】
上記皮収納部は例えば皮収納筒(2,2)により構成することができる。上記間歇回転テーブルは例えば回転円形テーブル(44)により構成することができる。上記底部材ガイド部は例えば雄螺子部(6,6)により構成することができる。上記底部材は例えば底板(5,5)により構成することができる。上記固定機枠は例えば固定円形テーブル(46)により構成することができる。ギア駆動モータは例えばモータ(M3,M4)により構成することができる。このように構成すると、空の皮収納部が到来したときに(底部材は最上部にある)、直上の皮補給ホッパにいなり寿司の皮を縦に積層状態で収納しておけば、操作者はシャッタを手前に引くだけで、皮補給ホッパ内の皮の積層体(例えば80枚のいなり寿司の皮の積層体)を下方の皮収納部内の底部材上に落下供給することができ、その後はギア駆動モータを駆動(逆転)することで底部材を皮収納部に沿って降下することで、皮の積層体を皮収納部内に補給することができる。よって、皮補給ホッパを使用することで、効率的に皮収納部にいなり寿司の皮の補給を行うことができる。
【0011】
第2に、上記皮補給ホッパは、上記水平棒に沿って左右方向に2台設けられ、一の上記皮補給ホッパが上記補給位置にあり直下の上記皮収納部に上記皮補給動作を行っている間に、他方の上記皮補給ホッパにいなり寿司の皮を積層状態で収納し得ることを可能とした上記第1記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0012】
このように構成すると、一の皮補給ホッパを補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮の積層体の皮収納部への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパにいなり寿司の皮の積層体を積層(収納)し得るため、より効率的に補給作業を行うことができる。
【0013】
第3に、上記水平棒が上下方向に2本設けられ、上記皮補給ホッパには上の上記水平棒に沿って左右方向に移動可能であると共に、上の上記水平棒を支点として上記皮補給ホッパの下半部が手前方向に回動し得るように構成され、下の上記水平棒に小径部が設けられ、上記皮補給ホッパには下の上記水平棒の上記小径部に係合可能な係合孔を有する開口フックが設けられ、上記皮補給ホッパは上記係合孔が上記小径部に係合しているときのみ鉛直状態となって、上記補給位置に位置決めされ、上記皮補給ホッパは上記係合孔が上記小径部と係合していない状態においては、上の上記水平棒を支点として上記下半部を上記手前方向に回動して傾斜状態となり、当該傾斜状態においてのみ上の上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能に構成されたものである上記第1記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0014】
小径部は例えば小径部(35a,35b)により構成することができる。このように構成すると、皮補給ホッパの下半部を手前方向に回動して傾斜した状態で、当該皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。また、上記皮補給ホッパは係合孔が小径部に係合した状態においては鉛直状態となり補給位置に位置決めされるため、操作者にとって補給位置が分かり易いとう利点があると共に、上記皮補給ホッパが上記係合孔が上記小径部に係合していない傾斜状態においは、水平棒に沿って左右方向にスライド可能としたので、水平棒に沿ってスライドして操作者にとって作業し易い場所において傾斜状態の皮補給ホッパに対していなり寿司の皮の収納操作を行うことができる、という利点がある。
【0015】
第4に、上記水平棒が上下方向に2本設けられると共に、上記水平棒に上記皮補給ホッパを2台並設し、上記2台の両皮補給ホッパは上の上記水平棒に沿って左右方向に移動可能であると共に、上の上記水平棒を支点として上記各皮補給ホッパの下半部が手前方向に回動し得るように構成され、下の上記水平棒に小径部が設けられ、上記両皮補給ホッパの各々に、下の上記水平棒の上記小径部に係合可能な係合孔を有する開口フックが設けられ、上記何れか一方の上記皮補給ホッパは上記開口フックの上記係合孔が上記小径部に係合しているときのみ鉛直状態となって、上記補給位置に位置決めされ、上記何れか他方の上記皮補給ホッパは、上記開口フックの上記係合孔が上記小径部と係合していない状態においては、上の上記水平棒を支点として上記下半部を上記手前方向に回動して傾斜状態となり、当該傾斜状態においてのみ上の上記水平棒に沿って左右方向にスライド可能に構成されたものである上記第1記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0016】
上記小径部は小径部(35a,35b)により構成することができる。このように構成すると、一の皮補給ホッパを鉛直状態として補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮の積層体の皮収納部への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパが傾斜状態となり、傾斜状態の当該他の皮補給ホッパにいなり寿司の皮の積層体を収納し得るため、より効率的に補給作業を行うことができるし、傾斜状態の皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。
【0017】
第5に、一方の上記皮補給ホッパの上記開口フックは、隣接する他方の上記皮補給ホッパとは反対側の面に設けられ、他方の上記皮補給ホッパの上記開口フックは隣接する一方の上記皮補給ホッパとは反対側の面に設けられ、下の上記水平棒には、一方の上記皮補給ホッパの上記開口フックの上記係合孔が係合して一方の上記皮補給ホッパが上記補給位置に位置する第1小径部と、他方の上記皮補給ホッパの上記開口フックが係合して他方の上記皮補給ホッパが上記補給位置に位置する第2小径部とが2か所に設けられているものである上記第4に記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0018】
上記第1小径部は小径部(35a)、上記第2小径部は小径部(35b)により構成することができる。このように構成すると、小径部を2か所設けることで、開口フックを2台の皮補給ホッパの対向面とは反対側の面に設けることができるので、2台の皮補給ホッパの上の水平棒上の移動をスムーズに行うことができる。
【0019】
第6に、一方の上記皮補給ホッパと他方の上記皮補給ホッパは、連結部材により連結されているものである上記第5記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0020】
上記連結部材は、例えば、一方の皮補給ホッパの主スライダ(34a)と、他方の皮補給ホッパの主スライダ(34b)とを連結する連結板(71)により構成することができる。このように構成すると、2台の皮補給ホッパを同時に上の水平棒に沿って左右方向に移動が可能なので、効率的に動作を行うことができる。
【0021】
第7に、上記間歇回転テーブルは円形であり、上記皮収納部は間歇回転テーブルの90度毎に4か所に設けられ、上記皮収納部に対応する上記皮補給機構は4か所の上記皮収納部に対応して各々4か所の上記間歇回転テーブル上に設けられ、上記駆動機構は、上記皮収納部内の皮を移送手段に1枚ずつ移送する剥し移載機構が上記筐体に設けられた上記皮収納部の位置と、上記皮補給ホッパが設けられた上記皮収納部の位置と、上記剥し移載機構の直前の上記皮収納部の位置の3か所における上記固定機枠上に設けられているものである上記第1~6の何れかに記載のいなり寿司の皮補給装置により構成される。
【0022】
このように構成すると、剥し移載機構によって皮収納部内のいなり寿司の皮を1枚ずつ移動手段(例えばコンベア4)に移送している間に、他の皮収納部内に皮補給ホッパからいなり寿司の皮の積層体(例えば80枚を縦に重ねたもの)を収納して、皮補給ホッパから皮収納部への皮の補給作業を行うことができ、より効率的に補給作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上述のように、空の皮収納部が到来したときに(底部材は最上部にある)、直上の皮補給ホッパにいなり寿司の皮を縦に積層状態で収納しておけば、操作者はシャッタを手前に引くだけで、皮補給ホッパ内の皮の積層体(例えば80枚のいなり寿司の皮の積層体)を下方の皮収納部内の底部材上に落下供給することができ、その後はギア駆動モータを駆動(逆転)することで底部材を皮収納部に沿って降下することで、皮の積層体を皮収納部内に補給することができる。よって、皮補給ホッパを使用することで、効率的に皮収納部にいなり寿司の皮の補給を行うことができる。
【0024】
また、一の皮補給ホッパを補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮の積層体の皮収納部への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパにいなり寿司の皮の積層体を積層し得るため、より効率的に補給作業を行うことができる。
【0025】
また、皮補給ホッパの下半部を手前方向に回動して傾斜した状態で、当該皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。また、上記皮補給ホッパは係合孔が小径部に係合した状態においては鉛直状態となり補給位置に位置決めされるため、操作者にとって補給位置が分かり易いとう利点があると共に、上記皮補給ホッパが、上記係合孔が上記小径部に係合していない傾斜状態においは、水平棒に沿って左右方向にスライド可能としたので、水平棒に沿ってスライドして操作者にとって作業し易い場所(位置)において傾斜状態の皮補給ホッパに対していなり寿司の皮の収納操作を行うことができる、という利点がある。
【0026】
また、一の皮補給ホッパを鉛直状態として補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮の積層体の皮収納部への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパを傾斜状態として、傾斜状態の当該他の皮補給ホッパにいなり寿司の皮の積層体を収納し得るため、より効率的に補給作業を行うことができるし、傾斜状態の皮補給ホッパ内にいなり寿司の皮の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。
【0027】
また、小径部を2か所設けることで、開口フックを2台の皮補給ホッパの対向面とは反対側の面に設けることができるので、2台の皮補給ホッパの上の水平棒上の移動をスムーズに行うことができる。
【0028】
また、2台の皮補給ホッパを同時に上の水平棒に沿って左右方向に移動が可能なので、効率的に動作を行うことができる。
【0029】
また、剥し移載機構によって皮収納部内のいなり寿司の皮を1枚ずつ移動手段に移送している間に、他の皮収納部内に皮補給ホッパからいなり寿司の皮の積層体(例えば80枚を縦に重ねたもの)を収納して、皮補給ホッパから皮収納部への皮の補給作業を行うことができ、より効率的に補給作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係るいなり寿司の皮補給装置の概略側面断面図である。
【
図3】同上装置の外部筐体を取り外し回転円形テーブルに関連する構成の斜視図である。
【
図4】同上装置の回転円形テーブルに関連する構成の横断面平面図である(尚、皮持上機構及び皮収納筒に関する構成はギアを除き省略している)。
【
図5】同上装置の皮補給機構に関連する構成の縦断面図である(
図1の前方から後方を見た場合の皮持上機構の概略断面図)。
【
図6】同上装置の駆動機構に関連する構成の縦断面図である(
図1の前方から後方を見た場合の駆動機構の概略断面図)。
【
図7】同上装置の回転円形テーブルの駆動関係を示す縦断面図である(
図1のK1-K1概略断面図)。
【
図8】同上装置の駆動機構と皮補給機構のギアの噛合関係を示す側面図である。
【
図9】同上装置の皮収納筒にいなり寿司の皮を補給する状況を示す概略側面図である。
【
図10】同上装置の剥し移載機構と押え部材の側面図である。
【
図11】同上装置の押え部材が皮の上面を抑えている動作を示す剥し移載機構近傍の側面図である。
【
図12】同上装置の剥し移載機構が下降位置にある動作を示す剥し移載機構近傍の側面図である。
【
図13】同上装置の剥し移載機構が皮をコンベアに載置する動作を示す剥し移載機構近傍の側面図である。
【
図14】同上装置の皮補給ホッパの位置を示す斜視図である。
【
図15】同上装置の皮補給ホッパを含む回転円形テーブルに関連する構成の横断面平面図である。
【
図16】同上装置の皮補給ホッパ近傍の斜視図である。
【
図17】同上装置の皮補給ホッパの構成を示す斜視図である。
【
図18】同上装置の皮補給ホッパの構成を示す斜視図である。
【
図19】同上装置の皮補給ホッパの主スライダと水平棒の関係を示す斜視図である。
【
図20】同上装置の皮補給ホッパと水平棒との関係を示す側面図である。
【
図21】同上同地の皮補給ホッパを中心軸側からみた概略図である。
【
図22】同上装置のいなり寿司の皮の斜視図である。
【
図23】同上装置の制御部の電気的構成を示すブロック図である。
【
図24】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図25】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るいなり寿司の皮補給装置について詳細に説明する。
【0032】
本発明に係る装置は、全体的には、
図1、
図2に示すように、下部に、いなり寿司の皮1(
図22参照)を、1枚ずつ縦に積み重ねた状態で収納し得る皮収納筒(皮収納部)2(1つの皮収納筒2に例えば80枚の皮1を積層状態で収納することができる)(実際には
図2に示すように左右方向に2列並設されている)が、回転円形テーブル44上に固定された下向コ字状基台47(
図5参照)上に固定されており、この皮収納筒2の最上部Sの皮1に対応して、皮1の剥し移載機構3及び押え部材23(
図10参照)が機枠としての外部筐体(筐体)60内に設けられ(何れも左右方向に2列並設されている、
図2参照)、剥し移載機構3により、上記皮収納筒2の最上部Sの上記皮1が、上記押え部材23が押えている間、1枚ずつ捲り剥され(
図11、
図12参照)、上記押え部材23が最上部Sの皮1から離間している間、隣接する直線状のコンベア4上に、上記皮1を1枚ずつ移送載置(移載)するように構成されている(
図2、
図13参照)。
【0033】
尚、上記並設された上記皮収納筒2,2に対応して上記剥し移載機構3,3、押え部材23,23も並設されているが、基本的には一方の皮収納筒2、一方の剥し移載機構3等について説明し、必要な場合について、皮収納筒2,2等の説明を行う。並設される両者は同一構成又は対称の構成であり、両剥し移載機構3,3等の動作は同期しており、上記皮収納筒2,2から各1枚ずつの皮1,1(合計2枚)が上記コンベア4に同時に移送される(
図2参照)。
【0034】
上記皮収納筒2の上部には、上記剥し移載機構3の駆動部10及び上記押え部材23の駆動部10が収納された筐体11が各々設けられており、上記筐体11の下側には、上記皮収納筒2の底板5,5の駆動部(皮補給機構)12(回転円形テーブル44上の下向コ字状基台47に設けられている、
図3、
図5参照)、及び、その駆動部としての駆動機構48(固定円形テーブル(固定機枠)46上に設けられている)が設けられている。尚、上記皮補給機構12、上記駆動機構48は、何れも機枠としての外部筐体(筐体)60内に設けられている。尚、装置全体の筐体は符号61で示す。
【0035】
また、
図1において、回転円形テーブル44の回転の中心軸Pを中心に、上記回転円形テーブル44の外周部方向を「前」、「前方」、「手前方向」、中心軸Pの方向を「後」、「後方」という。上記「前方」を「前進」、上記「後方」を「後退」とも表現する。また「前方」から「後方」を見た場合の左右を「左」、「右」と定義する(
図3、
図4、
図14、
図15における位置Y1~Y4において同じ)。
【0036】
上記皮補給機構12(上記回転円形テーブル44上に設けられている)は以下のように構成されている。
【0037】
上記皮収納筒2,2は、上下開口で後方が開口した平面視、コ字状の直方体状の筒状体であり(コ字状板2’、
図3参照)、上記下向コ字状基台47上に設けられ、最下部(下開口)に底板(底部材)5,5(金属製)が設けられている(
図1参照)。また、上記皮収納筒2,2と平行に、皮収納筒2,2の最下部から最上部まで設けられた雄螺子部(底部材ガイド部材)6,6が皮収納筒2,2の後方に立設され(
図5参照)、上記雄螺子部6,6には雌螺子部7a,7aを有する昇降部7,7が螺合され(
図1、
図5参照)、上記昇降部7,7に上記底板5,5が水平に固定されている。そして、上記底板5,5が上記皮収納筒2,2に後方から挿通され、上記皮1,1は上記底板5,5上(かつ皮収納筒2,2内)に重ねて載置されている。このような構成は、並列する皮収納筒2,2に共通である。
【0038】
また、上記雄螺子部6,6の最下部にはギア8,8(各皮収納筒2,2の雄螺子部6,6に対応したギア8a,8b)(
図5参照)が設けられており、当該ギア8,8に、以下説明する上記駆動機構48(固定円形テーブル46上に設けられている)のモータM3(M4)(
図6参照)のプーリ(駆動軸)52a,52bに設けられた駆動ギア9,9(上記2つのギア8a,8bに対応する2台の皮収納筒2,2に対応する駆動ギア9a,9b)が噛合することにより、上記雄螺子部6,6は回転駆動され、これにより螺合している昇降部7,7が雄螺子部6,6に沿って昇降し、従って上記底板5,5も上記皮収納筒2,2内において、最下部から上記最上部Sに上昇し、該最上部Sから最下部に下降し得るように構成されている(
図1参照)。
【0039】
よって、上記駆動機構48(
図1、
図8参照)の上記モータM3(M4)を回転(正転)することにより、上記ギア9,8を介して上記雄螺子部6,6を回転し、上記昇降部7,7即ち底板5,5を徐々に上昇させ、上記皮収納筒2,2の上開口の最上部Sの同一水準位置に、常時、上記皮1,1が位置し、上記底板5,5の最上部に位置から、上記モータM3(M4)を逆転することにより、上記底板5,5が降下するように構成されている。即ち、皮収納筒2,2の後方は開口しており、各皮収納筒2,2に対応して雄螺子部6,6が設けられ、上記雄螺子部6,6に昇降部7,7を介して螺合している底板5,5は、各々皮収納筒2,2の後方から皮収納筒2,2の内部に挿通されている。各底板5,5は、上記各皮収納筒2,2の各横断面積より若干小の面積を有しているため、上記各底板5,5は、上記雄螺子部6,6の回転により、上記各皮収納筒2,2内において、上記皮収納筒2,2の下方から上方(最上部S)まで移動可能に構成されている。そして、上記皮1,1は皮収納筒2,2内において、上記各底板5,5上に80枚ずつ(80枚×2)積層されている。
【0040】
また、
図1に示すように、上記皮収納筒2,2内には、上記底板5,5上にいなり寿司の皮1,1(各80枚)が重ねて収納載置されており、一番上の皮1,1は、最上部Sに位置しているものとする。そして、最上部Sの皮1,1の存否を検知する光電センサ42,42(例えば光反射センサ等、固定円筒62側に設けられている)が上記最上部の皮1,1に対応して設けられており、後述の制御部43(
図23参照)は、最上部Sの皮1,1の各1枚が、剥し移載機構3,3によって、コンベア4(矢印G方向に間歇駆動される。
図2参照)に移送されることにより、上記光電センサ42,42にて、最上部Sの皮1、1の検知が出来なくなった場合は、制御部43(
図23)は、位置X1において、上記モータM3(M4)を同時に駆動(正転)して、次の皮1,1を最上部Sの位置に位置するように(上記光電センサ42が最上部Sの位置に次の皮1,1が到来して該センサ42が検知するまで)上記底板5,5を上昇させるものである(
図24位置X1、P1~P5参照)。
【0041】
尚、
図2、
図3に示すように、上記皮収納筒2は左右に2台並設されており(皮1は、1つの皮収納筒2に80枚、従って、2つの皮収納筒2,2では80枚×2=160枚)、各皮収納筒2,2に対応して2つの剥し移載機構3,3、2つのセンサ42,42,2つの押圧部材23,23が設けられており、上記皮収納筒2,2には各々上記皮補給機構12,12(回転円形テーブル44側、従って皮収納筒2,2に対応して、雄螺子部6,6、底板5,5、ギア8a,8b)、駆動機構48,48(固定円形テーブル46側、従って、皮収納筒2,2に対応して、駆動ギア9a,9b、モータM3,M4)が設けられ、かつ、上記剥し移載機構3,3には各々上記駆動部10,10が各々設けられている。
【0042】
そして、上記2つの上記剥し移載機構3,3によって、上記コンベア4上には、2枚ずつの皮1,1が載置されるように構成されている(
図2参照)。
【0043】
(皮収納筒2の回転機構)
次に、皮収納筒2の回転機構について説明する(
図1、
図2、
図3等参照)。
外部筐体60内において、回転円形テーブル44(回転の中心軸P)が矢印H方向に水平に回転可能に設けられている(
図3、
図4参照)。この回転円形テーブル44は(
図7参照)、上記外部筐体60の底部筐体60aに立設された回転接続軸45の上記中心軸Pを中心に、モータM1(外部筐体60の底部筐体60aに固定されている)により矢印H方向に90度ずつの間歇回転可能に設けられており、その回転円形テーブル44上の中心軸Pを中心とする周方向の90度ずつの4か所の位置(位置Y1~Y4、
図4、
図15参照)に、上記皮収納筒2,2を含む上記皮補給機構12,12が設けられている(
図5参照)。尚、ここで、上記皮収納筒2,2(皮補給機構12,12)が設けられた4か所の位置の内、上記コンベア4が設けられた位置を位置Y1とし、位置Y1より右回りに、上記皮収納筒2,2(皮補給機構12,12)が設けられた90度ずつの位置を、位置Y2、位置Y3、位置Y4という(
図4、
図15参照)。この位置Y1~Y4は固定であり、上記回転円形テーブル44が回転しても変わらない。尚、上記皮補給機構12は、後述の下向コ字状基台47、皮収納筒2、雄螺子部6、底板5、ギア8(8a,8b)等により構成されている(
図5参照)。
【0044】
上記回転円形テーブル44(回転中心は中心軸P)は(
図7参照)、上記底部筐体60aに設けられた上記モータM1のプーリ(駆動軸)45a(回転中心は中心軸P)に接続された回転接続軸45(回転中心は中心軸P、プーリ45aと一体に回転する)の上端部に水平に接続固定されており、上記各位置Y1~Y4に(
図3、
図4、
図14、
図15参照)、上記回転円形テーブル44上に一対の上記皮収納筒2,2(4か所)が固定されている。上記回転接続軸45は(回転接続軸45は、上段の大径の円筒と下段の小径の円筒により構成されている)、下方の小径の円筒内(中心軸Pと同心)に上記プーリ(駆動軸)45aが嵌合され、上方の大径の円筒(中心軸Pと同心)の上端に上記回転円形テーブル44が水平に固定接続されることで、上記回転円形テーブル44は、上記モータM1により、中心軸Pを中心に、間歇回転されるものである。尚、上記回転円形テーブル44の中央は円形開口部44aが形成されており、後述の非回転軸46’が挿通される。また、上記回転接続軸45の中央部は中空部50が構成されている(
図7参照)。
【0045】
より具体的には、回転円形テーブル44の上面の上記位置Y1~Y4に対応する90度ずつの4か所の外周縁近傍に、下向コ字状基台47(4か所)(
図3、
図5、
図15参照)が、該下向コ字状基台47の長手方向が上記回転円形テーブル44の半径方向に直交する方向で各々固定され、これらの各下向コ字状基台47上面に、中心軸Pの方向に開口したコ字状板2’を各々立設固定し(
図3参照)、中央仕切板2”によってエリアを仕切って、直立状態の細長い直方体形状の2つの皮収納筒2,2が構成されている。従って、上記皮収納筒2,2は、上述のように、上方と下方が開口していると共に、上記底板5,5が上下に移動するために、中心軸P側も上下方向に開口している。よって、上述のように、上記皮収納筒2,2の後方の開口から、雄螺子部6,6に螺合された上記底板5,5が、各皮収納筒2,2内に挿通されている。
【0046】
そして、上記雄螺子部6,6は、上記各皮収納筒2,2に対応して、上記下向コ字状基台47の上面板47a上と、上端板68,68(上記上面板47a上の左右位置に、上記皮収納筒2,2に沿って、上下方向に設けられた両側フレーム47b,47bの上端部に水平に固定されている)(
図1、
図3参照)との間に自転可能に直立支持されており、上記雄螺子部6,6に対応して、上記昇降部7,7と上記底板5,5が昇降可能に各々設けられている。尚、上記両側フレーム47b,47bは上記コ字状板2’の左右の両側に各々設けられている(
図3参照)。
【0047】
上記雄螺子部6,6の下端は、上記下向コ字状基台47の上面板47aの開口を挿通して、下向コ字状基台47の内部に位置し、上記雄螺子部6,6の各下端部の上記下向コ字状基台47内には、上記ギア8(ギア8a,8b)(
図4、
図5参照)が、上記回転円形テーブル44上(上記下向コ字状基台47の上面板47aと回転円形テーブル44の上面との間)の上記雄螺子部6,6の各下端に接続されている。このギア8a,8bは、後述の大径の駆動ギア9a,9b(
図6参照)のスペース効率向上の観点から、上記ギア8aは下段、上記ギア8bは上段となるように段差を以って設けられている。尚、64a,64bは(
図5参照)、上記回転円形テーブル44上に設けられ、上記各ギア8a,8bを受けるスラスト軸受である。従って、上記テーブル駆動モータ(モータ)M1を90度ずつ間歇駆動することにより、上記位置Y1(コンベア4が存在する位置)に4つの上記皮収納筒2,2を順次到来させることができるように構成されている。尚、
図4において、説明の便宜上、各位置Y1~Y4には、上記ギア8a,8bのみ示し、皮収納筒2,2その他の構成は省略している。
【0048】
(駆動機構48について)
次に、上記皮補給機構12を駆動するための駆動機構48を説明する(
図1、
図4、
図6、
図8等参照)。上記回転円形テーブル44の上方には、固定円形テーブル(駆動機構48が設けられた固定機枠)46が固定配置されている(
図1、
図4、
図6、
図7参照)。この固定円形テーブル46は、上記回転円形テーブル44よりは小径で、中心軸Pを上記回転円形テーブル44と共通するように該回転円形テーブル44と同心に構成されている。具体的には、
図7に示すように、上記テーブル駆動モータM1の上記回転接続軸45の中心軸Pの周りに上記中空部50が形成されており、上記中空部50内において、上記プーリ(駆動軸)45a上にスラスト軸受(例えばスラスト玉軸受)64が設けられており、上記スラスト軸受64の下側のハウジング軌道盤64aは上記モータM1のプーリ(駆動軸)45a側に接続され、従って回転接続軸45と共に回転し、上側の軸軌道盤64bは上記固定支持軸46’と共に非回転となっている。
【0049】
即ち、上記中空部50内にスラスト軸受64の上側の軸軌道盤64b(非回転)上に上記固定円形テーブル46の中心の固定支持軸46’が立設固定されており、該固定支持軸46’の下端はスラスト軸受64の非回転の軸軌道盤64b上に固定されている。そして、上記固定支持軸46’に、上記固定円形テーブル46の中心部が、水平かつ上記中心軸Pを中心に、上記回転円形テーブル44の上方に、上記回転円形テーブル44と同心に固定されている(
図7参照)。
【0050】
上記固定円形テーブル46の上部の外周縁には、上記固定円形テーブル46と略同一直径の固定円筒62が固定されており(
図1、
図3参照)、上記固定円筒62の上面はアングル63,63にて上記外部筐体60の上部筐体60bに固定されている(
図1、
図3参照)。このように、上記固定円形テーブル46は上記固定円筒62を介して上部筐体60bに固定されており、固定円形テーブル46及び固定支持軸46’は非回転となるように構成されている(
図7参照)。
【0051】
上記固定円形テーブル(固定機枠)46上の外周縁近傍位置には、
図4、
図15に示すように、上記位置Y1に対応する位置X1、上記位置Y3に対応する位置X2(上記位置X1とは回転方向Hに180度離れた位置)、上記位置Y4に対応する位置X3(上記位置X1とは回転方向Hとは反回転方向に90度離れた位置)に各々上記各位置Y1,Y3,Y4における各ギア8a,8bと噛み合う駆動ギア9a,9b(固定円形テーブル46の下側に位置している)を各々有する上記皮補給機構12,12,12の駆動機構48,48,48が各々固定配置されている。
【0052】
上記各皮補給機構12の駆動機構48,48,48は同一構成なので、
図6、
図8を使用して、その1つ(位置X1の駆動機構48)について説明すると(
図4、
図6、
図8参照)、上記固定機枠としての固定円形テーブル46上に、両端支持レール55,55が上記固定円形テーブル46の半径方向に平行に固定され、これら両端支持レール55,55に沿って前後方向に(固定円形テーブル46の半径方向に沿って)移動可能に移動基台51が設けられ(移動基台51自体は、その長手方向が固定円形テーブル46の半径方向に直交する方向に設置されている)、この移動基台51上に2つのモータM3,M4が固定され、これらのモータM3,M4の各プーリ(駆動軸)52a,52bは上記固定円形テーブル46の前後方向の長孔46a,46bを介して、上記固定円形テーブル46の下方に突出し、各下端に駆動ギア9a,9bが高低差を以って各々固定されている。従って、上記駆動ギア9a,9bは、上記固定円形テーブル46の下側に設けられている。
【0053】
そして、上記ギア8aと上記駆動ギア9a、上記ギア8bと上記駆動ギア9bは各々同一高さに設けられているので、上記回転円形テーブル44が矢印H方向に90度間歇回転して、上記ギア8a,8bが上記位置Y1に至ると、上段の上記ギア8bは上段の上記駆動ギア9bに噛合し、上記下段の上記ギア8aは、上記下段の上記駆動ギア9aに噛合し得るように構成されている(
図4、
図8参照)。
【0054】
上記移動基台51は、
図1、
図4、
図8に示すように、上記固定円形テーブル(固定機枠)46上に固定された支持アングル54と上記移動基台51の後面の2か所の挿通孔にガイド棒53,53が挿入して設けられ、移動基台51自体は、上記ガイド棒53,53に沿って、固定円形テーブル(固定機枠)46に対して、前後方向に移動可能に設けられている。そして、上記移動基台51は、上記ガイド棒53,53の外周に設けられたスプリング56,56によって常時、前方(固定円形テーブル(固定機枠)46又は回転円形テーブル44の外周方向)に附勢されており、上記固定円形テーブル46の外周縁に設けられたストッパ57(
図8参照)により、前方への移動が規制されている(
図8二点鎖線参照)。従って、上記移動基台51上に固定された上記駆動ギア9a,9bも常時、上記スプリング56,56の附勢力により、固定円形テーブル(固定機枠)46に対して、前方に附勢されている。
【0055】
そして、上記回転円形テーブル44が矢印H方向に90度間歇回転し、上記回転円形テーブル44側の上記ギア8bと上記駆動ギア9bの噛合開始、上記回転円形テーブル44側のギア8aと上記駆動ギア9aが噛合開始すると、上記駆動ギア9a,9bが上記スプリング56,56の附勢力に抗して、上記長孔46a,46bの範囲内で、若干後方(固定円形テーブル46の中心軸P方向)に押され、上記回転円形テーブル44が上記位置Y1に停止して、最終的に噛合完了したときは、上記移動部材51は
図8の、上記長孔46a,46bの範囲内にて、実線位置に後退し、その結果、上記駆動ギア9a,9bが上記ギア8a,8bに対して上記スプリング56,56の前方向の附勢力を以って噛合することになる。よって、上記駆動ギア9(9a,9b)は、上記ギア8(8a,8b)に対して、上記スプリング56,56の前方側の附勢力を以って、確実に噛合させることができる。このように、上記駆動機構48は、上記移動部材51、支持レール55,55、モータM3,M4、駆動ギア9a,9b、スプリング56、支持アングル54、ガイド棒53等により構成されている。
【0056】
上記構成の駆動機構48は、上述のように、上記固定円形テーブル46上の上記位置X2、上記位置X3の位置にも同様の構成のものが各々設けられている(
図4参照)。上記位置X2において上記駆動機構48を設けたのは、操作者が、当該位置X2にて皮収納筒2,2に上部からいなり寿司の皮(80枚×2)を収納し、モータM3,M4を逆転しながら上記底板5,5を降下させることにより、上記皮収納筒2,2内にいなり寿司の皮を補給するためである。実際は、皮収納筒2,2と同様の筒形状(上下開口)の皮補給ホッパ25a(25b)
図9参照)(皮80枚×2が収納されている)を皮収納部2,2の上部に設置し(
図14参照)、シャッタ29を前方(
図9、矢印E方向)に引くことで、底板5,5(最上部に位置している)上に皮(80枚×2)を載置し、その後、操作者が動作スイッチ67(
図23参照)を押すことで、制御部43によって、上記モータM3,M4が逆転駆動され、上記雄螺子部6,6が逆回転することで上記底板5,5を徐々に低下させ、上記皮収納筒2,2内に皮1,1(80枚×2)を収納することができる(
図24、位置X2、P6~P9参照)。
【0057】
上記位置X3において上記駆動機構48を設けたのは、当該位置に到来した皮収納筒2,2内にいなり寿司の皮の収納作業を行う際(1つの皮収納筒2に80枚の皮が収納可能)、1つの皮収納筒2内に仮に皮1の収納枚数が足りなかった場合(例えば60枚等)、或いは、80枚収納されたとしても、いなり寿司の皮1は食品であり、水分等の状況によっては、最上部Sの位置にいなり寿司の皮1が位置していない場合等があり、そのような場合に、上記モータM3又はM4を駆動(正転)して底板5,5を上昇させ、皮収納筒2の上記最上部Sに皮1が存在するように設定するためである(
図24、位置X3、P10~P13参照)。このように構成すると、上記位置Y1に移行してきた皮収納筒2,2の最上部Sには、常時、いなり寿司の皮1が存在することになる。
【0058】
上記位置X2、位置X3の各駆動ギア9a,9bにおいても、位置X1と同様に、スプリング56,56によって常時固定円形テーブル(固定機枠)46の外周方向に附勢されているので、上記駆動ギア9a,9bが上記ギア8a,8bに対して上記スプリング56,56の前方向の附勢力を以って噛合することになる。よって、位置X2,X3に回転してきた皮補給機構12のギア8a,8bと上記駆動機構48の駆動ギア9a,9bとの噛合は同様に確実に行われることになる。
【0059】
図1において、符号58は皮収納筒2,2の上部に設置され(上記固定円筒62側に固定されている)、金属が接近したことを検知する近接センサであり、上記底板5,5(金属製)が最上部に位置したとき、制御部43がこれを検出し、上記制御部43がテーブル駆動モータM1を駆動して、上記回転円形テーブル44を90度矢印H方向に間歇的に回転駆動するものである(
図25P1~P4参照)。
図1において、符号59は皮収納部2,2の下部に設置され(上記固定円筒62側に固定されている)、金属が接近したことを検知する近接センサであり、位置X2において、上記底板5が最下部に位置したとき、制御部43がこれを検出し、上記制御部43が駆動モータM3(M4)の逆回転を停止するものである(
図24位置X2、P6~P9参照)。上記近接センサ58,59は、上記位置X1,X2,X3の各駆動機構48に各々設けられている。
【0060】
(剥し移載機構3、押え部材23の説明)
上記剥し移載機構3は、
図10に示すように、水平シャフト14の前端にコ字状部材13が固定され、該コ字状部材13内に縦部材15が上下移動(矢印A,A’方向)可能に配置され、コ字状部材13の腕13aと、縦部材(上下移動部材)15の腕15aとの間に、該腕15aに固定された支持棒16が上記腕13aの貫通孔に抜け止め状態に挿通され、上記支持棒16にはスプリング17が装着され、通常は上記スプリング17の附勢力により、上記腕13aと上記腕15a(従って縦部材15)は、所定の間隔T(
図10参照)を以って離間した状態を維持している。
【0061】
即ち、上記剥し移載機構3は、水平シャフト14と共に上昇と下降を行うコ字状部材13と、コ字状部材13に対して弾性部材の附勢力を以って下向きに附勢された縦部材15とから構成され、開閉チャック18は上記縦部材15に設けられており、上記剥し移載機構3は、下降した位置において、開閉チャック18が上記最上部Sの皮1に接触したとき(
図12参照)、上記縦部材15はコ字状部材13に対して、上記スプリング(弾性部材)17の附勢力に抗して上方に移動するクッション性を有している。
【0062】
上記縦部材15の下端には上記開閉チャック18の固定片18aが固定されている。この固定片18aには、可動片18bが上記固定片18aの軸19を以って回動可能に設けられており、可動片18bの延長片18cの先端には駆動ローラ20が回転自在に軸支されている。
【0063】
上記可動片18bは、上記固定片18aと共に、開閉チャック18が常時閉鎖するように、上記軸19内に設けられたバネ(図示せず)により附勢されており、上記駆動ローラ20には、上記縦部材15に固定されたエアシリンダ21の伸縮ロッド21a先端に設けられた押圧板22が当接している。よって、上記開閉チャック18は、常時閉状態で、上記駆動ローラ20が上記押圧板22を前方(
図12、E方向)に附勢しているが、エアシリンダ21の伸縮ロッド21aを縮小(
図11、E’方向)することにより、
図11に示すように、上記開閉チャック18を開状態に設定し得るように構成されている。
【0064】
上記剥し移載機構3は、初期位置にて、上記エアシリンダ21の伸縮ロッド21aを縮小し、上記チャック18を開いた後(
図11参照)、下降することで上記チャック18を最上部Sの皮1に当接し(このとき上記押え部材23は矢印B方向(
図11参照)に下降し下面23aで最上部Sの皮1を押さえている)、その後、シリンダ21の伸縮ロッド21aを伸長することで上記最上部Sの皮1の1枚を摘まんで(
図12参照)上昇し、その後、上記押え部材23が上昇して皮1から離間した状態において(
図10、矢印B’方向)、上記剥し移載機構3は、上記コンベア4まで前進し、下降することで上記皮1の1枚を上記コンベア4上に載置し(
図13参照)、再び
図11の上記初期位置に戻る、という動作を繰り返し行うことで、上記皮収納筒2,2上の最上部Sの皮1,1を1枚ずつ、上記コンベア4に移送するという動作を繰り返し行う(
図2参照)。尚、上述のように、最上部Sの位置には光電センサ42が設けられており、上記光電センサ42により最上部Sの皮1が検出できなくなった場合は、上記駆動機構48によって上記モータM3,M4が駆動されることで上記底板5を上昇し、常時、上記最上部Sの位置には皮1が存在するように構成されている。
【0065】
上記剥し移載機構3の動作は、前後退シリンダ、及び、上下動シリンダにより実現できるし、上記押え部材23の動作は、斜め45度の上下動シリンダにより実現することができる。また、剥し移載機構3用の専用の上下動用カム及び前後退用カム、上記押え部材23用の専用カムを設け、上記剥し移載機構3と上記上下動用カム、前後退用カムとをカムフォロア及びリンクで接続し、上記押え部材23と上記押え部材23用の専用カムのカムフォロア及びリンクで接続し、上記カムを単一の駆動モータにて回転させることで上記剥し移載機構3及び押え部材23の動きを実現することができる。
【0066】
(皮補給ホッパ25a,25bの説明)
次に、皮補給装置(皮補給ホッパ25、皮補給ホッパ25a,25bを合わせて言うときは符号25を使用する)について
図14にて説明する。
図14において、位置Y3のコ字状板2’の上部に皮補給ホッパ25a,25bが設けられている。左側の皮補給ホッパ25aは、コ次状板2’の直上の補給位置に設けられており、右側の皮補給ホッパ25bは上記コ字状板2’から右側にずれた位置に設けられている。これらの皮補給ホッパ25a,25bは両方とも略同一の構成である。
【0067】
この皮補給ホッパ25a,25bは、左右の上記筐体60,60の内側に接続固定された基端部25c,25d(
図15参照)間に設けられた上下2本の直線的な水平棒27a,27bに沿って左右方向に移動可能に設けられている。上記水平棒27a,27bは上記回転円形テーブル44の半径方向に直交して、上記位置Y3の上記コ字状板2’の上方に固定されている(
図15参照)。よって、上記皮補給ホッパ25a,25bは上記位置Y3(コンベア4の存在する上記位置Y1とは、中心軸Pから見て、回転円形テーブル44の180度反対側)にのみ設けられており、上記位置Y1,Y2,Y4には設けられていない(
図15参照)。
【0068】
上記皮補給ホッパ25a(尚、皮補給ホッパ25bも略同一構成なので、符号25aの後にかっこ書で符号25bを示す)は、
図17、
図18に示すように、上記コ字状板2’と略同様の大きさの直方体形状のコ字状板から構成されるが、上記コ字状板2’とは逆に、後方が後方板26aによって閉鎖され、左右板26b,26bが設けられることにより、前方が開放されており、中央仕切板26’によって左右の筒状の皮収納筒28,28(1つの皮収納筒28に、いなり寿司の皮1が80枚収納可能)が形成されている。
【0069】
上記皮収納筒28,28は上下も開放されており、上記コ字状板2’上の傾斜状態の上記皮補給ホッパ25a(25b)の上記皮収納筒28,28は、上記補給位置において、下方のコ字状板2’の皮収納筒2,2に各々対応して位置するように構成されている。
【0070】
上記皮補給ホッパ25a(25b)の下面には、前後方向にスライドするシャッタ29が設けられている。即ち、上記皮補給ホッパ25a(25b)の下面には左右にスライド溝30,30が設けられており、このスライド溝30,30に嵌合して前後にスライドし得る板状のシャッタ29が設けられている。尚、このシャッタ29の上面にはいなり寿司の皮1のくっつきを防止するための前後方向の凹凸溝29aが設けられており、かつ、手前には取っ手となる開口部29bが設けられている。従って、上記シャッタ29は後方に押し込んだ場合は、上記皮収納筒28,28の各底面を閉鎖し、その状態で皮収納筒28,28内のシャッタ29上に、80枚×2(=160枚)のいなり寿司の皮1を積層状態で収納し得るように構成されている。
【0071】
そして、上記シャッタ29を
図17に示すように、手前(前方)に引いた場合は、皮収納筒28,28内のいなり寿司の皮1,1(積層体)を、下側に位置するコ字状板2’の各皮収納筒2,2内に落下供給することができるように構成されている。尚、上記位置Y3において、到来したコ字状板2’の上記皮収納筒2,2内は空であって上記皮収納筒2,2内には、上記底板5,5が最上部まで移動している。よって、上記皮収納筒28,28内のいなり寿司の皮1,1(80枚の皮1の積層体×2)は、皮収納筒2,2の最上部に位置している底板5,5上に、t=約20mm程度(
図9参照)、落下することになる。
【0072】
また、上記左右板26b,26bの前縁には上下方向に係合突起31a,31bが上下に4か所設けられている。上記皮収納筒28,28内にいなり寿司の皮1(80枚×2)を積層して収納した後は、
図18に示すように、前面蓋32,32を皮補給ホッパ25a(25b)の前面側に装着する。上記前面蓋32は横断面コ字状の板状体であり、上記係合突起31a,31bの対応位置に係合孔32aが4か所に設けられている。そして、上記皮補給ホッパ25a(25b)の各前面側から、前面蓋32(32)の各係合孔32aを上記係合突起31a,31bに係合挿入して、上記皮補給ホッパ25a(25b)の前面(皮収納筒28,28)を閉鎖することができる(
図14参照)。
【0073】
図19は上記水平棒27a,27bを、
図16の反対側(中心軸P側)から見た図面であり、上記水平棒27a,27bの両方に係合した左右方向に移動自在のスライダ33a,33bが設けられている。これらのスライダ33a,33bの上部の係合部は上の上記水平棒27aに挿通された上記水平棒27aより径の太い短棒36,36(水平棒27aに沿ってスライド可能)に係合している。
【0074】
また、上記スライダ33a,33bの上記短棒36,36の左右を囲むように、上記上方の上記水平棒27aにのみに係合して挿通され、上記スライダ33a,33b及び上記短棒36,36と一体に左右方向に移動可能な主スライダ34a,34bが設けられている。尚、上記主スライダ34aには上記皮補給ホッパ25aが固定されており、上記主スライダ34bには上記皮補給ホッパ25bが固定されている。これらの主スライダ34a,34bは、上記水平棒27aに沿って左右方向に移動可能に設けられていると共に、水平棒27aを中心に矢印C,D方向に回動可能に設けられている(尚、スライダ33a,33bは傾斜しない)。
【0075】
尚、連結板71はスライダ33aと33bとを連結するもので、主スライダ34a,34b、従って皮補給ホッパ25a,25bを連結するものであるが、以下の説明は、上記連結板71がないものとして説明し(例えば、
図21参照。要は主スライダ34aと主スライダ34bは独立して上の水平棒27aを左右方向に移動可能)。最後に連結板71でスライダ33aとスライダ33bとを連結した状態(即ち、皮補給ホッパ25aと皮補給ホッパ25bとを連結した状態)の動作説明を行う。
【0076】
これらの上記主スライダ34a,34bは、
図19に示すように、上記主スライダ34aは左側の面に開口フック37aが設けられており、上記主スライダ34bは右側の面に開口フック37bが設けられている。また、上記主スライダ34aには上記皮補給ホッパ25aが装着され、上記主スライダ34bには上記皮補給ホッパ25bが装着された状態においては、一方の皮補給ホッパ25a(主スライダ34a)の上記開口フック37aは、隣接する上記他方の皮補給ホッパ25b(主スライダ34b)とは反対側の面(左側)に設けられ、上記他方の皮補給ホッパ25b(主スライダ34b)の上記開口フック37bは隣接する上記一方の皮補給ホッパ25a(主スライダ34a)とは反対側の面(右側)に設けられている。尚、これらの開口フック37a,37bは同一構成なので、
図20に示す上記開口フック37bにより具体的構成を説明し、主スライダ34a側の開閉フック37aについては対応部分をかっこ書にて示す。
【0077】
上記開口フック37b(37a)は、
図20に示すように、下側の水平棒27bの小径部35b(第2小径部35b)(開口フック37a側は小径部35a(第1小径部35a))にのみ係合可能な開口溝37c、及び、上記小径部35b(小径部35a)のみが係合可能であって、上記開口溝37cに続く係合孔37dを有している。従って、通常は、上記開口フック37b(37a)の開口溝37cが下の水平棒27bに当接している状態では、上記主スライダ34b(34a)は上の上記水平棒27aを支点として手前方向(矢印C方向)に回動傾斜し、下側(下半部)を前方に回動した傾斜状態(
図19、
図20の主スライダ34bの傾斜状態)となっており、この傾斜状態でのみ、上記主スライダ34a(34b)は、上記水平棒27aに対して左右方向にスライド可能に構成されている。
【0078】
そして、上記傾斜状態の上記主スライダ34b(34a)は、上記開口溝37cが上記小径部35b(小径部35a)に位置したときのみ、上の水平棒27aを支点として主スライダ34b(34a)の下側(下半部)を後方(矢印D方向)に押すことで、上記主スライダ34b(34a)が上記水平棒27aを支点として矢印D方向に回動し、上記小径部35b(小径部35a)が上記開口溝37cを介して係合孔37dに係合し、上記主スライダ34b(34a)は、水平棒27a,27bに対して垂直状態(鉛直状態)となるように構成されている(
図19の鉛直状態の主スライダ34a参照)。尚、
図19の上記主スライダ34aは上記小径部35a(第1小径部35a)に係合孔37dが係合し、鉛直状態になった状態、
図19の主スライダ34bは上記小径部35aとは異なる位置の小径部35b(第2小径部35b)とは別の下の水平棒27bに、上記開口溝37c(開口フック37b)が上記下の水平棒27bに当接し、上記傾斜した状態、を示している(
図21も参照)。
【0079】
また、上記主スライダ34b(34a)は、上記各係合孔37dが小径部35b(35a)に係合した状態においては、係合孔37dが小径部35b(小径部35a)に嵌合し、左右方向にスライドが不可能になるように構成されている。即ち、上記主スタイダ34b(34a)の開口フック37b(37a)の係合孔37dが小径部35b(35a)に係合している場合は、下の水平棒27bの通常の径部の段差が係合孔37dに当接し、上記主スライダ34b(34a)は上の水平棒27aに沿っての左右方向のスライドが不可能となる。
【0080】
そして、上記主スライダ34b(主スライダ34a)の両側板38,38の各外側面には、各々係合突起39,39が設けられており(
図21参照)、一方、上記皮補給ホッパ25a(25b)の各左右板26b,26bの各々の後縁には、下向きの係合部26c,26cが設けられると共に(
図17、
図21参照)、各皮補給ホッパ25a(25b)の各係合部26c,26cの上方を連結する連結板40,40が上記各係合部26c,26c間に固定されている。
【0081】
よって、上記皮補給ホッパ25a(25b)の後方の上記係合部26c,26cを各々上記主スライダ34a(34b)の上記係合突起39,39に上から係合し、
図14、
図15、
図16、
図21に示すように、位置Y3の上記コ字状板2’の上に皮補給ホッパ25aを鉛直状態で、その隣に上記皮補給ホッパ25bを傾斜状態で設置することができる。
【0082】
尚、
図19に示すナット41(41)は、主スライダ34a,34bから外しておき、上記皮補給ホッパ25a,25bを上記主スライダ34a,34bに係合した後、上記連結板40,40の上部から上記ナット41,41を主スライダ34a,34bに螺子込むことで、上記主スライダ34a,34bに上記皮補給ホッパ25a,25bを各々固定することができる。これにより、上記主スライダ34a,34bが鉛直状態となった場合は、上記皮補給ホッパ25a,25bが鉛直状態となり、上記主スライダ34a,34bが傾斜状態となった場合は、上記皮補給ホッパ25a,25bも傾斜状態となる。
【0083】
左側の上記皮補給ホッパ25aの係合部26c,26cを上記主スライダ34aの上記係合突起39,39に係合した状態において(主スライダ34aの係合孔37dが水平棒27bの小径部35aに係合している状態)、上記皮補給ホッパ25aは鉛直状態にあり、かつ、下方のコ字状板2’の上方に存在し、上記皮補給ホッパ25の皮収納筒28,28は、各々、下方のコ字状板2’の皮収納筒2,2の上方に位置した位置決め状態になっている(この位置を「補給位置」という)。上記係合孔37dが上記小径部35aに係合している状態では、上記係合孔37dが小径部35aの水平棒27bとの段差部に係合することにより、上記主スライダ34a、従って、皮補給ホッパ25aは左右方向のスライドは阻止され、上記補給位置に位置決めされた状態となる。
【0084】
上記皮補給ホッパ25aのシャッタ29を手前に引いて、皮収納筒28,28の皮1、1の積層体が下方の皮収納筒2,2の底板5(最上部位置にある)上に約20mm、落下供給され、操作者が動作スイッチ67をオンすることで、上記制御部43が、上記モータM3,M4を逆転駆動して雄螺子部6,6を介して上記底板5,5が下降し、上記底板5,5が上記皮収納筒2,2の最下部に移動した時点で、皮収納筒2,2内に皮1,1の積層体(80枚×2)を補給収納することができる。
【0085】
上記鉛直状態の上記皮補給ホッパ25aで、上記皮1,1の皮収納筒2,2への収納が終了したら(この時点で制御部43は近接センサ59にて底板5,5が最下部にきたことを検知し、上記モータM3,M4を停止する(
図24位置X2P6~P9参照)。操作者は、皮補給ホッパ25aを上記水平棒27aを支点として下側(下半部)を矢印C方向に回動させ、上記小径部35aと上記係合孔37dとの係合を解除し、上記皮補給ホッパ25aを傾斜状態とする。この皮補給ホッパ25aの傾斜状態では、上記主スライダ34aは上の上記水平棒27aを左右方向に移動自在なので、上記皮補給ホッパ25aを上記上の水平棒27aに沿って左側に移動することができる。
【0086】
傾斜状態の皮補給ホッパ25b(傾斜状態の皮補給ホッパ25aも同じ)においては、上記前面蓋32を取り外し、シャッタ29を後方に押して下開口を閉鎖した状態で、上記皮収納筒28,28上にいなり寿司の皮1を各々80枚ずつ収納することができる。この際、皮補給ホッパ25b(25a)の下方側が手前に傾斜しているので、上記皮収納筒28,28内にいなり寿司の皮1,1の80枚×2の積層体を収納し易いというメリットがある。
【0087】
上記皮補給ホッパ25b(25a)の上記皮収納筒28,28内の各々の後面の上下方向の全域には、皮後方押え板65,65が設けられており(
図17参照)、後方板26aに貫通された雄螺子部66,66に螺合したナットN,Nにより(
図15参照)、前後方向に位置調整が可能となっている。これは、そもそも上記皮収納筒28,28はその前縁の位置は上記皮収納筒2,2の前縁と同一の位置であるが、上記後方板26aの位置は、下方の皮収納筒2,2より後方に大きく形成されており、上記いなり寿司の皮1の大きさに合わせて、上記皮後方押え板65,65を上記ナットN,Nにより前後方向に位置調整できるように構成されている。尚、いなり寿司の皮1,1は、当然に上記皮収納筒2,2内に収納し得る大きさであり、上記皮収納筒28,28の皮1,1の前縁が下方の皮収納筒2,2の前縁に合うように位置調整されており、上記皮1,1の前縁が上記皮収納筒28,28の上記前縁に位置するように調整される。
【0088】
上記皮補給ホッパ25a内の皮1,1が下方の皮収納筒2,2内に収納された後は、操作者は上記皮補給ホッパ25aの下方(下半部)を手前方向(矢印C方向)に引いて傾斜状態とし、当該皮補給ホッパ25aを左側にスライド移動することができる。その後、他の皮補給ホッパ25bの傾斜状態において、当該皮補給ホッパ25bの皮収納筒28,28内にいなり寿司の皮1,1(80枚×2)を収納し、前面蓋32により前面を閉鎖した状態で、左側に移動して、上記開口フック37bを上記小径部35bまで移動する。
【0089】
このとき上記皮補給ホッパ25bの下方にコ字状板2’が位置することになるので、上記操作者は皮補給ホッパ25bの下方(下半部)を後方(矢印D方向)に押し込んで、上記開口フック37bの開口溝37cを介して上記小径部35bを係合孔37dに係合する。すると、上記皮補給ホッパ25bが鉛直状態となり、上記皮収納筒28,28の下方に皮補給ホッパ2,2が位置するように皮補給ホッパ25bが補給位置に位置決めされるので(回転円形テーブル44が90度回転して、位置Y3においては空の皮収納筒2,2が到来しているとする)、操作者はシャッタ29を手前に引いて皮収納筒28,28内の皮1,1の積層体を、下方の皮収納筒2,2内の最上部にある底板5上に約20mm落下供給することができる。
【0090】
その後は、動作スイッチ67をオンし、上記底板5,5が最下部まで移動している間に、隣接する皮補給ホッパ25a(傾斜状態)にいなり寿司の皮1,1(80枚×2)を収納する作業を行えばよい。以降は、同様の作業の繰り返しであり、回転円形テーブル44が90度回転して、皮補給ホッパ25b内の皮1,1の下方への空の皮収納筒2,2内への収納が終了したら、皮補給ホッパ25bの下方を手前に回動して傾斜状態とし、即ち、小径部35bと係合孔37dとの係合を解除し、傾斜状態の皮補給ホッパ25bを右側にスライド移動し、一方の皮補給ホッパ25aを右側にスライド移動し、上記開口フック37aを小径部35aに位置させ、皮補給ホッパ25aの下方(下半部)を押すことにより、小径部35aと係合孔37dを係合し、当該位置決め状態において、上記回転円形テーブル44が90度回転して空の皮収納筒2,2が到来する度に、上記シャッタ29を引くと、上記皮収納筒28,28内の皮1,1が下方の空の皮収納筒2,2の底板5上(最上部に存在している)に落下供給することができる。
【0091】
図23は、本発明に係るいなり寿司の皮供給装置に係る電気的構成を示すブロック図であり、
図24、
図25のフローチャートに示す動作手順に係るプログラムが記憶されたCPUを有する制御部43と、上記制御部43には上記テーブル駆動モータ(モータ)M1(回転円形テーブル44を駆動)、剥し移載機構3及び押さえ部材23の駆動部10、位置X1,X2,X3におけるモータM3,M4(位置X1~X3の各雄螺子部6,6を駆動)が接続されると共に、上記制御部43に上記エアシリンダ21、光電センサ42(位置X1~X3に各々存在する)、近接センサ58,59(位置X1~X3に各々存在する)、コンベア4のコンベア駆動部4’、位置X2における動作スイッチ67が接続されており(動作スイッチ67は位置X1,X3における駆動機構48にも設けられている)、
図24、
図25に示す動作手順に従って、各センサの検知に基づいて、上記各部を駆動させるものである。具体的な動作については、以下の動作説明にて説明する。
【0092】
本発明は上述のように構成されているものであるから、以下、
図24、
図25のフローチャートに従って動作を説明する。
【0093】
尚、
図2に示すように、皮収納筒2,2が並設されており、各皮収納筒2,2に対応して剥し移載機構3,3、押え部材23,23が設けられているが、2つの動作は同一なので、以下の説明では、説明の簡単のため、単一の剥し移載機構3、押え部材23について説明することにする。
【0094】
図3、
図14において、位置Y1,Y3,Y4における皮収納部2,2には、80枚×2のいなり寿司の皮1,1が収納されているものとする。また、位置Y2の皮収納部2,2内には皮1,1は収納されておらず、底板5が最上部位置にあるものとする(前段の位置Y1で皮収納筒2,2内の全ての皮1,1が、剥し移載機構3によってコンベア4に移送された後に、回転円形テーブル44が矢印H方向に90度回転した状態)。
【0095】
また、
図4、
図15に示すように、位置X1,X2,X3における駆動ギア9a,9bと位置Y1,Y3,Y4におけるギア8a,8bは噛合しており、ギア9a,9bの各スプリング56の附勢力(回転円形テーブル44の外周方向)によって各ギア8,9は確実に噛合しているものとする。
【0096】
また、位置Y1においては、光電センサ42は最上部の皮1を検出している状態とする。制御部43は剥し移載機構3及び押え部材23の駆動部10を駆動して、剥し移載機構3は初期位置から、押え部材23が最上部の皮1を押えている間にエアシリンダ21を縮小してチャック18を開いて(
図11参照)、最上部の皮1に下降して接触し、その後、エアシリンダ21を伸長して(
図11、矢印B方向)、チャック18を閉鎖して(
図12参照)、皮1の1枚を摘まんで上昇し、その後、押さえ部材23が最上部の皮1から離間しているタイミングで前進し、下降して、エアシリンダ21を縮小してチャック18を開いて皮1をコンベア4上に移送する(
図13参照)、という動作を繰り返し行う。
【0097】
上記制御部43はコンベア駆動部4’にて、上記コンベア4は間歇駆動されており、停止状態において、上記各1枚の皮1が移送され、移送が終了すると、矢印G方向(
図2参照)に間歇駆動されて、剥し移載機構3の後方に皮1の載置されていないコンベア4部分が到来し、このような動作を繰り返し行う。
【0098】
上記皮1がコンベア4上に移送されると、上記光電センサ42は、最上部の皮1を検出できないので、制御部43は、モータM3,M4を駆動して、ギア9,8を介して雄螺子部6を回転(正転)させ、上記光電センサ42が次の皮1を検知するまで底板5を上昇させる(
図24、位置X1,P1,P2,P3参照)。上記制御部43は上記光電センサ42にて最上部の皮1を検知すると、上記モータM3,M4を停止する(
図24、位置X1、P3,P4参照)。最上部Sに皮1が位置すると、制御部43は、剥し移載機構3のチャック18が皮1の1枚を摘まんで、上記押え部材23が最上部Sの皮1から離間している間に、上記コンベア4に移送する。
【0099】
上記動作の繰り返しにより、底板5が徐々に上昇することにより、皮収納部2内の最上部Sには常時皮1が位置していることになり、上記最上部Sの皮1は剥し移載機構3によって1枚ずつ上記コンベア4に移送され、上記制御部43は、上記光電センサ42により常に最上部Sの位置に皮1が検出されるように、上記モータM3,M4を駆動(正転)して上記底板5を上昇させる。
【0100】
そして、最後の皮1が上記剥し移載機構3によって上記コンベア4に移送されると、近接センサ58により底板5(金属製)が最上部位置に到来したことが検出され、制御部43はこれを検出し(
図25、P1参照)、モータM1を90度間歇回転して停止し(
図25、P2,P3参照)、位置Y4に位置する皮収納筒2,2(皮1が80枚×2収納されている)が位置Y1に到来する。位置Y1に位置していた皮収納筒2,2は底板5が最上部まで上昇して内部は空となっており、当該皮収納筒2は位置Y2に移動する。
【0101】
上記位置Y1に到来した皮収納筒2,2は、位置X1の駆動ギア9bにギア8bが噛合し、駆動ギア9aにギア8aが噛合し、上記駆動ギア9a,9bはスプリング56の附勢力(回転円形テーブル44の外周方向)を以ってギア8a,8bに噛合するため、上記各駆動ギア9a,9bと上記ギア8a,8bの噛合は確実に行われる。
【0102】
その後、位置Y1においては、光電センサ42は最上部の皮1を検出しているので、剥し移載機構3は、最上部の皮1をチャック18で摘まんでコンベア4に移送する動作を繰り返し行うと共に、制御部43は上記モータM3,M4を駆動(正転)して常に最上部Sに皮1が位置するように上記底板5を徐々に上昇させる(
図24位置X1、P1~P4参照)。そして、位置Y1においては、剥し移載機構3の皮1のコンベア4への移送動作が繰り返し行われる。
【0103】
ここで、最初の回転円形テーブル44の90度間歇回転において(
図25P1~P3参照)、もともと上記位置Y2に存在していた空の皮収納筒2,2は(底板5は最上部位置に存在する)、皮補給ホッパ25a,25bの存在する上記位置Y3に到来する(
図14参照)。このとき、位置Y3における皮持上機構12のギア8a,8bは、位置X2における駆動機構48の駆動ギア9a,9bにスプリング56の附勢力(回転円形テーブル44の外周方向)により確実に噛合する。
【0104】
ここで、上記皮補給ホッパ25aの下半部を手前に引いて該皮補給ホッパ25aの開口フック37aの係合孔37dから下の水平棒27bの小径部35aを外し、上記皮補給ホッパ25aを傾斜状態とし、上の水平棒27aに沿って左側にスライドさせる。その後、皮補給ホッパ25aの前面蓋32を外し、皮収納筒28,28内に、いなり寿司の皮1,1を80枚ずつ積層状態で収納する。皮補給ホッパ25a内には80枚×2=160枚のいなり寿司の皮が収納される。その後、上記前面蓋32を上記皮補給ホッパ25aの前面に被せて、上記前面を閉鎖する。
【0105】
その後、皮補給ホッパ25aを上の水平棒27aに沿って右方向にスライドし、開口フック37aが小径部35aに位置したところで右方向のスライドを止め(開口フック37aが当該小径部35aに位置したことは、皮補給ホッパ25aの傾斜角度が若干緩くなる(鉛直に近くなる)ので操作者は容易に小径部35aに位置したことがわかる)、この時点で、皮補給ホッパ25aの下半部を後方(矢印D方向)に押すことで、小径部35aに開口フック37aの係合孔37dを係合させて、皮補給ホッパ25aを鉛直状態とし、該5皮補給ホッパ25aが「補給位置」に位置決めされる。
【0106】
この時点で、上記皮補給ホッパ25aは上記補給位置に位置決めされ、当該ホッパ25aの皮収納筒28,28の下方に、皮収納筒2,2が位置しており、上記底板5は最上部に位置しているので、操作者が皮補給ホッパ25aのシャッタ29を手前(矢印E方向)に引くと、上記皮収納筒28,28内の皮1の積層体(80枚×2)は、各々下方の最上部の上記底板5,5上まで、約20mm落下し、上記皮収納筒2,2内の上記底板5,5上に載置される。
【0107】
その後、操作者は、動作スイッチ67をオンすることで、上記制御部43は位置X2において上記モータM3,M4を逆転駆動し、その結果、上記駆動ギア9a,9b、上記ギア8a,8bを介して雄螺子部6,6が逆転回転され、従って、上記底板5が徐々に低下していく(
図24位置X2、P6,P7参照)。よって、上記底板5が降下していくにつれて、上記皮1の積層体(80枚×2)は、徐々に皮収納筒2,2内に収納されていく。そして、上記底板5が最下部に低下した時点で、上記位置X2において、上記近接センサ59が、上記底板5が最下部に到来したことを検知し、これを検知した上記制御部43はモータM3,M4の逆転駆動を停止する(
図24位置X2、P8,P9参照)。この時点で、いなり寿司の皮1,1の80枚×2の積層体は、位置Y3の各々皮収納筒2,2内に収納された。
【0108】
このように、位置Y3において、補給位置にある皮補給ホッパ25aから皮収納筒2,2内に上記皮補給ホッパ25aからいなり寿司の皮1,1を補給することができる。尚、上記動作により皮補給ホッパ25aは空の状態となる。
【0109】
上記位置Y1での皮1の剥し移載機構3での全部で80枚の皮1の上記コンベア4への移送作業はある程度の時間を要するので、上記補給作業を行う時間は十分に存在する。
【0110】
また、この間、操作者は、傾斜状態の上記皮補給ホッパ25bにも皮1の補給を行うことができる。即ち、皮補給ホッパ25bの前面蓋32を取り外し、皮収納部28,28にいなり寿司の皮1,1の80枚×2の積層体(合計で160枚)を収納する。このとき、皮補給ホッパ25bは傾斜状態にあるので、容易に皮1,1の積層体を皮収納部28,28に収納することができる。操作者は皮補給ホッパ25bに前面蓋32を装着する。
【0111】
その後、操作者は、隣の空の皮補給ホッパ25aの下半部を手前に引いて、該ホッパ25aを傾斜状態とする。即ち、皮補給ホッパ25aを上の水平棒27aを中心に矢印C方向に回動し、小径部35aと開口フック37aの係合孔37dの係合を解除する。すると皮補給ホッパ25aは傾斜状態になるので、当該皮補給ホッパ25aを水平棒27aに沿って左側にスライドさせる。
【0112】
その後、上記皮補給ホッパ25bを上の水平棒27aに沿って左側にスライドし、小径部35bに開口フック37bが位置したところでスライドを止める(開口フック37bが小径部35bに位置したことは皮補給ホッパ25bの傾斜角度が若干緩くなる(鉛直に近くなる)ので、操作者は容易に小径部35bに位置したことがわかる)。よって、操作者は皮補給ホッパ25bの下半部を後方(矢印D方向)に押圧することで、小径部35bに開口フック37bの係合孔37dを係合させて(皮補給ホッパ25bは水平棒27aを中心に矢印D方向に回動する)、上記皮補給ホッパ25bを鉛直状態とする。
【0113】
この時点で、上記補給位置、即ち、下方の皮収納筒2,2(上記操作により皮1,1の80枚×2が収納されている)の直上に皮補給ホッパ25bの皮収納筒28,28が位置決めされていることになる。即ち、皮補給ホッパ25b内に皮1の80枚×2が補充された補給準備状態(補給位置)となる。
【0114】
その後、上記位置Y1での剥し移載機構3の皮収納筒2,2内の全部の皮1,1のコンベア4への移送が終了すると、位置X1での底板5が最上部に位置しているので、近接センサ58にて上記底板5が最上部に位置していることを検知し、上記制御部43はこれを検出してモータM1を駆動して回転円形テーブル44を90度回転させ、その後停止する(
図25P1~P3参照)。
【0115】
すると、位置Y1に位置していた皮収納筒2,2(内部は空で底板5が最上部に位置しているもの)が位置Y2に移動し、位置Y2に位置していた空の皮収納筒2,2(底板5,5最上部位置にある)は位置Y3に到来し、位置Y3に位置していた皮収納筒2,2(皮1,1がフルに補給されたもの、底板5,5は最下部にある)は位置Y4に到来し、位置Y4に位置していた皮収納筒2,2(前提として皮1,1がフルに入っているもの、底板5,5は最下部にある)が位置Y1に到来する。
【0116】
尚、上記ギア8と駆動ギア9は、位置Y1,Y3,Y4において、各駆動ギア9の回転円形テーブル44の外周方向の附勢力によって確実に噛合する。
【0117】
上記Y1では上記と同様に、剥し移載機構3による皮収納筒2,2内の皮1,1の1枚ずつの上記コンベア4への移送動作が繰り返し行われる。
位置Y3に到来した空の上記皮収納筒2,2の直上には、皮1(80枚×2)が収納された皮補給ホッパ25bが位置しているので、操作者は皮収納筒28,28のシャッタ29を手前に引いて、皮補給ホッパ25bの皮収納筒28,28内に収納した皮1,1(80枚×2)を、下方の皮収納筒2,2の最上部に位置している底板5,5上に約20mm落下供給することができる。
【0118】
その後、操作者は、動作スイッチ67をオンすることで、制御部43は位置X2において上記モータM3,M4を逆転駆動し、その結果、上記駆動ギア9a,9b、上記ギア8a,8bを介して雄螺子部6,6が逆転回転され、従って、上記底板5,5が徐々に低下していく(
図24位置X2、P6,P7参照)。よって、上記底板5が低下していくにつれて、上記皮1の積層体(80枚×2)は、徐々に皮収納筒2,2内に収納されていく。そして、上記底板5,5が最下部に低下した時点で、上記位置X2において、上記近接センサ59が、上記底板5,5が最下部に到来したことを検知し、これを検知した上記制御部43はモータM3,M4の逆転駆動を停止する(
図24位置X2,P8,P9参照)。この時点で、いなり寿司の皮1,1の80枚×2の積層体は、位置Y3において、各々皮収納筒2,2内に収納された。尚、上記皮補給ホッパ25bは空となる。
【0119】
上記位置Y1において、剥し移載機構3による皮1の上記コンベア4への移送動作が行われている間に、位置Y3において、傾斜状態の上記皮補給ホッパ25aの皮収納筒28,28への皮1(80枚×2)の補充を行うことができ、皮収納筒28,28の前面を前面蓋32で閉鎖する。
【0120】
その後、上記皮補給ホッパ25bの下半部を手前に引いて、開口フック37bの係合孔37dと小径部35bとの係合を解除して当該皮補給ホッパ25bを傾斜状態とし、上の水平棒27aに沿って右側にスライドし、隣の上記皮補給ホッパ25aを水平棒27aに沿って右側に移動して開口フック37aが小径部35aに位置したところで停止し、皮補給ホッパ25aの下半部を後方(矢印D方向)に押すことで、係合孔37dを小径部35aに係合して、当該皮補給ホッパ25aを鉛直位置として下方の皮収納筒2,2の上方に位置決めする(補給準備状態)。
【0121】
ここで、操作者は、傾斜状態の隣の上記皮補給ホッパ25bの皮収納筒28,28内に皮1の80枚×2を収納することができる。
【0122】
上記操作者は、位置Y1にて剥し移載機構3により、皮収納筒2内の皮1が上記コンベア4への移送が終了するまでの間に、2つの上記皮補給ホッパ25a,25bへの皮の補充を行うことができる。
【0123】
以降は、同様の動作の繰り返しであり、操作者は、上記位置Y1での全ての皮1,1(80枚×2)のコンベア4への移動が終了するまでの間に、2つの皮補給ホッパ25a,25bへのいなり寿司の皮1の収納動作を行うことができ、いずれか一方の皮補給ホッパ25a又は25bを上記補給位置に移行しておく。空の皮収納筒2,2が位置Y3に回転してきた場合は、皮収納筒2,2の直上には、皮補給ホッパ25a又は皮補給ホッパ25bの何れかが鉛直状態で補給位置に位置しているので、操作者は、補給位置の皮補給ホッパ25a又は25bのシャッタ29を引いて動作スイッチ67をオンするだけで、皮補給ホッパ25a又は25bの皮収納部28,28に収納されたいなり寿司の皮(80枚×2)を下方の皮収納筒2,2内に下降させることができる。
【0124】
また、皮補給ホッパ25a,25bは2個設けられているので、例えば皮補給ホッパ25aが「補給位置」にあり、下方の皮収納筒2,2にいなり寿司の皮1,1が下降している間に、他の皮補給ホッパ25bに皮の補充動作を行うことができ、何れかの皮補給ホッパ25a又は25bには常時皮がフルに補充されている状態とすることができ、効率的に皮の補充を行うことができる。
【0125】
位置X3(位置Y4)においては、位置Y3においてフルに補給された皮収納筒2,2が回転テーブル44の90度の間歇回転によって到来するので、光電センサ42が最上部Sの位置の皮1を検知した場合は、上記制御部43はモータM3(M4)を駆動することはない(
図24位置X3P10、P13参照)。ここで、前段の位置Y3において皮収納筒2,2内に補給された皮1が80枚に満たなかった場合、或いは、皮1は食品なので、水分等の影響により最上部に位置する皮1が位置Y4における光電センサ42にて検出できなかった場合は、制御部43は光電センサ42のオフを検知し、モータM3(M4)を駆動(正転)して光電センサ42がオンするまで底板5を上昇し、その後モータM3(M4)を停止する(
図24位置X3、P10~P13参照)。これにより、位置Y1に到来した皮収納筒2,2は、常に最上部Sに皮1が位置していることになる。
【0126】
従って、位置Y1において剥し移載機構3によって、皮1をコンベア4への移送を円滑に開始することができる。
【0127】
図19に示すように、連結部材としての連結板71でスライダ33a,33bを連結した場合は、皮補給ホッパ25aと皮補給ホッパ25bとが連結板71で接続されたことになり、皮補給ホッパ25aが補給位置にあるとき、シャッタ29を引いて下方の皮収納筒2,2に皮1,1を補給した後、皮補給ホッパ25aの下半部を矢印C方向に手前に引いて、下の水平棒27bの小径部35aと開口フック37aとの係合を解除して傾斜させた後(この状態では2つの皮補給ホッパ25a,25bが共に傾斜状態となる)、2つの皮補給ホッパ25a,25bを左方向に移動して、皮補給ホッパ25bの開口フック37bが小径部35bに位置したところで移動を停止する。このとき、傾斜している皮補給ホッパ25bに、皮1,1(80枚×2)の補給を行っておき、皮補給ホッパ25bの下半部を矢印D方向に回動して、開口フック37bの係合孔37dと小径部35bを係合させ、これにより皮補給ホッパ25bは鉛直状態となる。回転円形テーブル44が90度回転して、空の皮収納筒2,2が位置Y3に到来したとき、操作者は皮補給ホッパ25bのシャッタ29を手前に引いて、皮補給ホッパ25bの皮1,1を下方の皮収納筒2,2に補給することができる。この間、一方の皮補給ホッパ25aは傾斜状態になるため、当該皮補給ホッパ25aに皮1,1を補給すれば良い。このように連結板71で皮補給ホッパ25aと25bとを連結しても、動作は同様であり、以下、同様の動作の繰り返しとなる。このように、連結板71を設けることにより、2台の皮補給ホッパ25a,25bを同時に上の水平棒に沿って左右方向に移動が可能なので、効率的に動作を行うことができる。
【0128】
本発明は上述のように、空の皮収納部2,2が到来したときに(底部材5は最上部にある)、直上の皮補給ホッパ25a又は25bにいなり寿司の皮1,1を縦に積層状態で収納しておけば、操作者はシャッタ29を手前に引くだけで、皮補給ホッパ25a又は25b内の皮の積層体(例えば80枚のいなり寿司の皮の積層体)を下方の皮収納部2,2内の底部材5,5上に落下供給することができ、その後はギア駆動モータM3,M4を駆動(逆転)することで底部材5,5を皮収納部2,2に沿って降下することで、皮1,1の積層体を皮収納部2,2内に補給することができる。よって、皮補給ホッパ25a,25bを使用することで、効率的に皮収納部2,2にいなり寿司の皮の補給を行うことができる。
【0129】
また、一の皮補給ホッパ25aを補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮1,1の積層体の皮収納部2,2への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパ25bにいなり寿司の皮1,1の積層体を積層収納し得るため、より効率的に補給作業を行うことができる。
【0130】
また、皮補給ホッパ25a,26bの可半部を手前方向に回動して傾斜した状態で、当該皮補給ホッパ25a,25b内にいなり寿司の皮1,1の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。また、上記皮補給ホッパ25a,25bは係合孔37dが小径部35a,35bに係合した状態においては鉛直状態となり補給位置に位置決めされるため、操作者にとって補給位置が分かり易いとう利点があると共に、上記皮補給ホッパ25a,25bが、上記係合孔37dが上記小径部35a,35bに係合していない傾斜状態においは、水平棒27aに沿って左右方向にスライド可能としたので、水平棒27aに沿ってスライドして操作者にとって作業し易い場所において傾斜状態の皮補給ホッパ25a,25bに対していなり寿司の皮1,1の収納操作を行うことができる、という利点がある。
【0131】
また、一の皮補給ホッパ25aを鉛直状態として補給位置に位置決めし、いなり寿司の皮1,1の積層体の皮収納部2,2への補給動作を行っている間に、他の皮補給ホッパ25bを傾斜状態として、傾斜状態の当該他の皮補給ホッパ25bにいなり寿司の皮1,1の積層体を収納し得るため、より効率的に補給作業を行うことができるし、傾斜状態の皮補給ホッパ25b内にいなり寿司の皮1,1の収納動作を行うことができるので、皮収納動作がやり易いという利点がある。
【0132】
また、小径部35a,35bを2か所設けることで、開口フック37a,37bを2台の皮補給ホッパ25a,25bの対向面とは反対側の面に各々設けることができるので、2台の皮補給ホッパの上の水平棒上の移動をスムーズに行うことができる。
【0133】
また、連結部材(連結板71)を設けることにより、2台の皮補給ホッパ25a,25bを同時に上の水平棒に沿って左右方向に移動が可能なので、効率的に動作を行うことができる。
【0134】
また、剥し移載機構3によって皮収納部2,2内のいなり寿司の皮1,1を1枚ずつ移動手段4に移送している間に、他の皮収納部2,2内に皮補給ホッパ25a,25bからいなり寿司の皮1,1の積層体(例えば80枚を縦に重ねたもの)を収納して、皮補給ホッパ25a,25bから皮収納部2,2への皮1,1の補給作業を行うことができ、より効率的に補給作業を行うことができる。
【0135】
尚、下の水平棒27bの上記小径部は、小径部35a(第1小径部)と小径部35b(第2小径部)の2か所に設けたが、小径部を1箇所に設け、主スライダ34a(皮補給ホッパ25a)の右側の面(主スライダ34bに対向する面)に開口フック37a(1箇所の小径部に係合可能な係合孔37dを有する)を設け、主スライダ34b(皮補給ホッパ35b)の左側の面(主スライダ34aに対向する面)に開口フック37b(1箇所の小径部に係合可能な係合孔37dを有する)を設ける構成でも良い。
【0136】
また、
図3、
図14において、符号69は上記回転円形テーブル44の下面を支持するローラであり、該テーブル44の周方向の90度毎の4か所に設けられている。
図3、
図14において符号69’は上記ローラ69の支持柱である。
図3において符号70は上記底部筐体60aの四隅に設けられた支持柱である。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明に係るいなり寿司の皮補給装置によれば、大量のいなり寿司を製造する際、いなり寿司の皮の補給を効率的に行うことができるものである。
【符号の説明】
【0138】
1 皮
2 皮収納筒(皮収納部)
3 剥し移載機構
4 コンベア(移送手段)
5 底板(底部材)
6 雄螺子部(底部材ガイド部)
7 昇降部
8(8a,8b) ギア
9(9a,9b) 駆動ギア
12 皮補給機構
25a,25b 皮補給ホッパ
27a 上の水平棒
27b 下の水平棒
29 シャッタ
44 回転円形テーブル(間歇回転テーブル)
46 固定円形テーブル(固定機枠)
48 駆動機構
35a 小径部(第1小径部)
35b 小径部
37a,37b 開口フック
37d 係合孔
60 筐体
71 連結板(連結部材)
M3,M4 モータ(ギア駆動モータ)