(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】おにぎり製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241118BHJP
【FI】
A23L7/10 G
(21)【出願番号】P 2021071605
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2023-11-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 博覧会名 第49回国際ホテル・レストランショー 開催日 令和3年2月16日から同年2月19日 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1)
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-041492(JP,U)
【文献】特開2017-201940(JP,A)
【文献】特開2007-282566(JP,A)
【文献】特開2009-089619(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0110370(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に飯出口を有する飯供給機構部と、
上記飯出口の下方の飯落下供給位置と、後方の飯上昇位置との間の移動経路を、前後方向に移動可能な飯受容器と飯受容器駆動手段とが設けられ、上記移動経路の経路途中に上記飯受容器が一旦停止する具材投入位置が設けられ、
上記飯受容器は、上下開口の開口部と、上記開口部に沿って上下移動可能な底板とから構成され、上記底板は上記開口部の下開口から抜け止めされると共に、下部に車輪が設けられ、上記飯上昇位置に設けられた上昇スロープを上記車輪が登ることで上記開口部内を上記底板が上開口まで上昇されるように構成され、
上記具材投入位置の近傍には複数種の具材を予め入れておく具材投入部が設けられ、
上記飯上昇位置の後方にはターンテーブルとターンテーブル駆動手段、上記ターンテーブル上に成形型と成形型駆動手段、押圧板と押圧板駆動手段が設けられ、
上記ターンテーブル後方に取卸位置が設けられ、上記飯上昇位置から上記取卸位置まで移動可能な移動ハンドと移動ハンド駆動手段が設けられ、
上記飯供給機構部及び各部の上記駆動手段を制御する制御部が設けられ、
操作パネルからおにぎりの全体の重量を設定されると上記制御部は記憶部に上記全体の重量を記憶するものであり、
上記制御部は、
上記飯落下供給位置にて第1回目の飯の重量の上記底板上への落下供給を受けた上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記具材投入位置まで移動させ、上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の上記飯の上に上記具材投入部から具材が投入され、
上記具材が投入された上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記飯落下供給位置まで移動させ、第2回目の飯の重量の供給を受けて上記飯受容器内の上記飯は具材入り飯となり、上記飯受容器は上記飯受容器駆動手段により上記飯上昇位置まで移動され、上記底板が上記上開口まで上昇することにより上記具材入り飯が上記飯受容器の上記上開口まで上昇され、
上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量の合計は上記おにぎりの全体の重量となるように構成され、
上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドにより上記具材入り飯を上記ターンテーブル上に移動させ、
上記ターンテーブル駆動手段により上記ターンテーブルを回転させながら、上記成形型駆動手段及び上記押圧板駆動手段により、上記成形型と上記押圧板を以って上記具材入り飯がおにぎり形状に成形され、
成形後のおにぎりを上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドが上記取卸位置に移動させるように構成されたおにぎり製造装置。
【請求項2】
上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受け、上記飯受容器が上記飯落下供給位置に移動して第3回目の飯の重量の供給を受け、
上記第3回目の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎて上記飯上昇位置に移動するか、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った状態において、上記飯落下供給位置にて最後の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎ上記飯上昇位置に移動するか、の何れかの動作を行うように構成され、
上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの上記全体の重量となるように構成されたものである請求項1記載のおにぎり製造装置。
【請求項3】
上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記飯受容器の上記飯落下供給位置において、第1回目の飯の供給によりおにぎりの全体の飯の重量の供給を受けるものであり、
上記飯受容器は上記具材投入位置にて具材の供給を受けた状態において、上記第2回目の飯の供給を受けることなく、上記飯上昇位置に移行されるものである請求項1記載のおにぎり製造装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受けた状態において、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動するように構成されるか、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記具材投入位置にて最後の具材の投入を受けた状態において、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動するように構成されるか、の何れかの動作を行うように構成され、
上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの上記全体の重量となるように構成されたものである請求項1記載のおにぎり製造装置。
【請求項5】
上記具材投入位置の具材の投入は、客の注文に基づいて操作者が上記具材投入部から選択された具材を上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の飯の上に載置されるものである請求項1~4の何れかに記載のおにぎり製造装置。
【請求項6】
上記飯供給機構部は保温機能付の飯ホッパを有しており、上記飯ホッパから暖かい飯を上記飯受容器に供給するものである請求項1~5の何れかに記載のおにぎり製造装置。
【請求項7】
上記飯受容器に供給される飯の合計のおにぎりの重量と、おにぎりの硬さを各々操作パネルで選択することが可能であり、
上記おにぎりの上記全体の重量は、上記飯供給機構部に設けられた計量器にて飯の重量を計量することにより変更し得るように構成され、
上記おにぎりの硬さは、上記成形型内の飯を上記押圧板にて上方から押圧する高さを調整することにより変更し得るように構成されたものである請求項1~6の何れかに記載のおにぎり製造装置。
【請求項8】
上記飯落下供給位置において上記飯受容器に毎回供給される飯の重量を、上記操作パネルにて各々設定し得るように構成され、
上記制御部は上記毎回供給される飯の重量を上記記憶部に記憶するものである請求項7記載のおにぎり製造装置。
【請求項9】
上記具材投入位置にて具材の投入を受けた後の上記飯上昇位置に上記飯受容器が移動する状態において、
上記制御部は、上記押圧板駆動手段の上記押圧板による押圧動作を行わずに上記成形型の成形のみを行うことを特徴とする請求項3又は4記載のおにぎり製造装置。
【請求項10】
下方に飯出口を有する飯供給機構部と、
上記飯出口の下方の飯落下供給位置と、後方の飯上昇位置との間の移動経路を、前後方向に移動可能な飯受容器と飯受容器駆動手段とが設けられ、上記移動経路の経路途中に上記飯受容器が一旦停止する具材投入位置が設けられ、
上記飯受容器は、上下開口の開口部と、上記開口部に沿って上下移動可能な底板とから構成され、上記底板は上記開口部の下開口から抜け止めされると共に、下部に車輪が設けられ、上記飯上昇位置に設けられた上昇スロープを上記車輪が登ることで上記開口部内を上記底板が上開口まで上昇されるように構成され、
上記具材投入位置の近傍には複数種の具材を予め入れておく具材投入部が設けられ、
上記飯上昇位置の後方にはターンテーブルとターンテーブル駆動手段、上記ターンテーブル上に成形型と成形型駆動手段、押圧板と押圧板駆動手段が設けられ、
上記ターンテーブル後方に取卸位置が設けられ、上記飯上昇位置から上記取卸位置まで移動可能な移動ハンドと移動ハンド駆動手段が設けられ、
上記飯供給機構部及び各部の上記駆動手段を制御する制御部が設けられ、
操作パネルからおにぎりの全体の重量を設定されると上記制御部は記憶部に上記全体の重量を記憶するものであり、
上記制御部は、
上記飯落下供給位置にて第1回目の飯の重量の上記底板上への落下供給を受けた上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記具材投入位置まで移動して、上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の上記飯の上に上記具材投入部から具材を投入する工程と、
上記具材が投入された上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記飯落下供給位置まで移動して、第2回目の飯の重量の供給を受けて上記飯受容器内の上記飯は具材入り飯となり、上記飯受容器は上記飯受容器駆動手段により上記飯上昇位置まで移動して、上記底板が上記上開口まで上昇することにより上記具材入り飯が上記飯受容器の上記上開口まで上昇する工程と、
上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量の合計は上記おにぎりの全体の重量となるものであり、
上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドにより上記具材入り飯を上記ターンテーブル上に移動する工程と、
上記ターンテーブル駆動手段により上記ターンテーブルを回転させながら、上記成形型駆動手段及び上記押圧板駆動手段により、上記成形型と上記押圧板を以って上記具材入り飯をおにぎり形状に成形する工程と、
成形後のおにぎりを上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドが上記取卸位置に移動する工程とを行うものであることを特徴とするおにぎり製造方法。
【請求項11】
上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受け、上記飯受容器が上記飯落下供給位置に移動して第3回目の飯の重量の供給を受ける工程と、
上記第3回目の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎて上記飯上昇位置に移動する工程、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記飯落下供給位置にて最後の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎ上記飯上昇位置に移動する工程、の何れかの工程を行うものであり、
上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの全体の重量となるように構成されたものである請求項10記載のおにぎり製造方法。
【請求項12】
上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記飯受容器の上記飯落下供給位置において、第1回目の飯の供給によりおにぎりの全体の飯の重量の供給を受ける工程と、
上記飯受容器は上記具材投入位置にて具材の供給を受けた状態において、上記第2回目の飯の供給を受けることなく、上記飯上昇位置に移行される工程とを行うものであることを特徴とする請求項10記載のおにぎり製造方法。
【請求項13】
上記制御部は、上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、
上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受けた後、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動する工程か、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して上記再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記具材投入位置にて最後の具材の投入を受けた後、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動する工程の何れかの工程を行うものであり、
上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの全体の重量となるように構成されたものである請求項10記載のおにぎり製造方法。
【請求項14】
上記具材投入位置の具材の投入は、客の注文に基づいて操作者が上記具材投入部から選択された具材を上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の飯の上に載置されるものである請求項10~13の何れかに記載のおにぎり製造方法。
【請求項15】
上記飯供給機構部は保温機能付の飯ホッパを有しており、上記飯ホッパから暖かい飯を上記飯受容器に供給するものである請求項10~14の何れかに記載のおにぎり製造方法。
【請求項16】
上記飯受容器に供給される飯の合計のおにぎりの重量と、おにぎりの硬さを各々操作パネルで選択することが可能であり、
上記おにぎりの上記全体の重量は、上記飯供給機構部に設けられた計量器にて飯の重量を計量することにより変更し得るように構成され、
上記おにぎりの硬さは、上記成形型内の飯を上記押圧板にて上方から押圧する高さを調整することにより変更し得るように構成されたものである請求項10~15の何れかに記載のおにぎり製造方法。
【請求項17】
上記飯落下供給位置において上記飯受容器に毎回供給される飯の重量を、上記操作パネルにて各々設定し得るように構成され、
上記制御部は上記毎回供給される飯の重量を上記記憶部に記憶するものである請求項16記載のおにぎり製造方法。
【請求項18】
上記具材投入位置にて具材の投入を受けた後の上記飯上昇位置に上記飯受容器が移動する工程において、
上記制御部は、上記押圧板駆動手段の上記押圧板による押圧動作を行わずに上記成形型の成形のみを行うことを特徴とする請求項12又は13記載のおにぎり製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、客の注文に応じて、おにぎりの具材を選択し、例えば客の目の前で、その具材の入ったおにぎりを成形し得るおにぎり製造装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、おにぎり製造装置は、おにぎり製造工場の内部に設置され、平坦な状態の飯板の具材投入凹部内に、例えばシャケ、梅干し等の具材を、具材投入エリアで人間が投入し、その後、具材が内部に入るように飯板を二つ折りにし、おにぎりを成形する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の装置によると、あくまでも工場内でのおにぎりの製造であるから、工場内で製造されたおにぎりを、一般の客は、例えばコンビニエンスストアにて、包装されたおにぎりを購入することしかできなかった。
【0005】
また、上記コンビニエンスストアにて購入し得る包装されたおにぎりは、飯が冷えており、例えば、暖かいおにぎりは購入することができなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えばコンビニエンスストア等において、客の注文に応じて、具材を選択し、その場でおにぎりを製造することのできるおにぎり製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、客の注文に応じて、暖かいおにぎりを成形することができるおにぎり製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、下方に飯出口を有する飯供給機構部と、上記飯出口の下方の飯落下供給位置と、後方の飯上昇位置との間の移動経路を、前後方向に移動可能な飯受容器と飯受容器駆動手段とが設けられ、上記移動経路の経路途中に上記飯受容器が一旦停止する具材投入位置が設けられ、上記飯受容器は、上下開口の開口部と、上記開口部に沿って上下移動可能な底板とから構成され、上記底板は上記開口部の下開口から抜け止めされると共に、下部に車輪が設けられ、上記飯上昇位置に設けられた上昇スロープを上記車輪が登ることで上記開口部内を上記底板が上開口まで上昇されるように構成され、上記具材投入位置の近傍には複数種の具材を予め入れておく具材投入部が設けられ、上記飯上昇位置の後方にはターンテーブルとターンテーブル駆動手段、上記ターンテーブル上に成形型と成形型駆動手段、押圧板と押圧板駆動手段が設けられ、上記ターンテーブル後方に取卸位置が設けられ、上記飯上昇位置から上記取卸位置まで移動可能な移動ハンドと移動ハンド駆動手段が設けられ、上記飯供給機構及び各部の上記駆動手段を制御する制御部が設けられ、操作パネルからおにぎりの全体の重量を設定されると上記制御部は記憶部に上記全体の重量を記憶するものであり、上記制御部は、上記飯落下供給位置にて第1回目の飯の重量の上記底板上への落下供給を受けた上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記具材投入位置まで移動させ、上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の上記飯の上に上記具材投入部から具材が投入され、上記具材が投入された上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記飯落下供給位置まで移動させ、第2回目の飯の重量の供給を受けて上記飯受容器内の上記飯は具材入り飯となり、上記飯受容器は上記飯受容器駆動手段により上記飯上昇位置まで移動され、上記底板が上記上開口まで上昇することにより上記具材入り飯が上記飯受容器の上記上開口まで上昇され、上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量の合計は上記おにぎりの全体の重量となるように構成され、上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドにより上記具材入り飯を上記ターンテーブル上に移動させ、上記ターンテーブル駆動手段により上記ターンテーブルを回転させながら、上記成形型駆動手段及び上記押圧板駆動手段により、上記成形型と上記押圧板を以って上記具材入り飯がおにぎり形状に成形され、成形後のおにぎりを上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドが上記取卸位置に移動させるように構成されたおにぎり製造装置により構成される。
【0009】
上記飯受容器駆動手段はモータM2及びベルト(23)等で行うことができる。移動ハンド駆動手段はモータM4及びボール螺子機構により行うことができる。ターンテーブル駆動手段はモータM5等で行うことができる。成形型駆動手段はモータM6及びシャフト(39,39)、スライダ(40,41)等により行うことができる。上記押圧板駆動手段は駆動はモータM7、シャフト(49,49)、クランク(51)等で行うことができる。第1回目の飯の重量は、例えばおにぎりの重量が140g(「中」)であれば70g(半分の重量)であり、第2回目の飯の重量は70g(残り半分の重量)であり、或いは、第1回目を1/4の重量とし、第2回目を3/4の重量とすることもできる。上記記憶部は例えばメモリ(63)により構成することができる。このように構成すると、例えば客の好みの具材を、客の目の前で迅速におにぎりを製造し、直ぐに客におにぎりを渡すことができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。このおにぎりは、具材が飯の中に存在するノーマルなおにぎりとなる。
【0010】
第2に、上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受け、上記飯受容器が上記飯落下供給位置に移動して第3回目の飯の重量の供給を受け、上記第3回目の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎて上記飯上昇位置に移動するか、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った状態において、上記飯落下供給位置にて最後の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎ上記飯上昇位置に移動するか、の何れかの動作を行うように構成され、上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの全体の重量となるように構成されたものである上記第1記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0011】
このように構成すると、おにぎりは、第1回目の飯、具材、第2回目の飯、再度の具材、第3回目の飯の順で3回の飯が供給された状態で飯上昇位置に移動するか、或いは、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の基本的な状態の後、第2回目の飯の上への再度の具材の投入及び第3回目の飯の供給を、繰り返し行うこと(第3回目の飯の上への再度の具材の投入及び第4回目の飯の供給等)が行われ、飯上昇位置に移行するか、の何れかの動作が行われるので、3層構造のおにぎり、或いは、4層構造(或いはそれ以上の層)のおにぎりを製造することが可能となる。このように構成すると、客の好みの具材の入ったおにぎりを、客の目の前で迅速に製造することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【0012】
第3に、上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記飯受容器の上記飯落下供給位置において、第1回目の飯の供給によりおにぎりの全部の飯の重量の供給を受けるものであり、上記飯受容器は上記具材投入位置にて具材の投入を受けた状態において、上記第2回目の飯の供給を受けることなく、上記飯上昇位置に移行されるものである上記第1記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0013】
このように構成すると、飯の上に具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0014】
第4に、上記制御部は、上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受けた状態において、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動するように構成されるか、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記具材投入位置にて最後の具材の投入を受けた状態において、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動するように構成されるか、の何れかの動作を行うように構成されたものである上記第1記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0015】
このように構成すると、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の供給後、第2回目の飯の上に再度の具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、或いは、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の供給後、再度の具材、第3回目の飯の順で供給を受け、第3回目の飯の上に再度の具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、下層は具材がサイドイッチされ、最上部の飯の上に具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0016】
第5に、上記具材投入位置の具材の投入は、客の注文に基づいて操作者が上記具材投入部から選択された具材を上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の飯の上に載置されるものである上記第1~4の何れかに記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0017】
このように構成すると、客の好みの具材の入ったおにぎりを、客の目前で製造し、直ちに客に渡すことができる。
【0018】
第6に、上記飯供給機構部は保温機能付の飯ホッパを有しており、上記飯ホッパから暖かい飯を上記飯受容器に供給するものである上記第1~5の何れかに記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0019】
このように構成すると、暖かい飯のおにぎりを、製造後すぐに客に提供することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりは冷えているが、暖かい飯の出来立てのおにぎりを客に提供することができるものである。
【0020】
第7に、上記飯受容器に供給される飯の合計のおにぎりの重量と、おにぎりの硬さを各々操作パネルで選択することが可能であり、上記おにぎりの上記全体の重量は、上記飯供給機構に設けられた計量器にて飯の重量を計量することにより変更し得るように構成され、上記おにぎりの硬さは、上記成形型内の飯を上記押圧板にて上方から押圧する高さを調整することにより変更し得るように構成されたものである上記第1~6の何れかに記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0021】
上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量との合計のおにぎりの重量は、例えば「小」は130g、「中」は140g、「大」は170gであり、その他任意に決定することができる。上記計量器は例えばロードセル(13)である。上記高さは、例えばハード、ノーマル、ソフトに応じて押圧板の下降の高さを位置(a,b,c)と変更することができるように構成されている。このように構成すると、さらに、おにぎりの重量とおにぎりの硬さを、客の好みに応じて変更することができるため、より細かい客の好みに答えることが可能となる。
【0022】
第8に、上記飯落下供給位置において上記飯受容器に毎回供給される飯の重量を、上記操作パネルにて各々設定し得るように構成され、上記制御部は上記毎回供給される飯の重量を上記記憶部に記憶するものである上記第7記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0023】
例えばおにぎりの重量が「中」であり140gであるとすると、第1回目の飯の重量は1/4の35g、第2回目の飯の重量は3/4の105gと操作パネルにて定めることもできる。或いは1回で全体の重量の供給を受ける場合は、1回目の飯の重量を操作パネルで設定することができる。このように構成すると、例えば、おにぎり全体においての具材の位置(例えば下方寄りにするか、上方寄りにするか等)を決定することができ、より細かい種類のおにぎりを製造することができる。
【0024】
第9に、上記具材投入位置にて具材の投入を受けた後の上記飯上昇位置に上記飯受容器が移動する状態において、上記制御部は、上記押圧板駆動手段の上記押圧板による押圧動作を行わずに上記成形型の成形のみを行うことを特徴とする上記第3又は4記載のおにぎり製造装置により構成される。
【0025】
このように構成すると、おにぎりの最上部に具材が供給されるため、最上部の具材を押し潰すことを防止することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0026】
第10に、下方に飯出口を有する飯供給機構部と、上記飯出口の下方の飯落下供給位置と、後方の飯上昇位置との間の移動経路を、前後方向に移動可能な飯受容器と飯受容器駆動手段とが設けられ、上記移動経路の経路途中に上記飯受容器が一旦停止する具材投入位置が設けられ、上記飯受容器は、上下開口の開口部と、上記開口部に沿って上下移動可能な底板とから構成され、上記底板は上記開口部の下開口から抜け止めされると共に、下部に車輪が設けられ、上記飯上昇位置に設けられた上昇スロープを上記車輪が登ることで上記開口部内を上記底板が上開口まで上昇されるように構成され、上記具材投入位置の近傍には複数種の具材を予め入れておく具材投入部が設けられ、上記飯上昇位置の後方にはターンテーブルとターンテーブル駆動手段、上記ターンテーブル上に成形型と成形型駆動手段、押圧板と押圧板駆動手段が設けられ、上記ターンテーブル後方に取卸位置が設けられ、上記飯上昇位置から上記取卸位置まで移動可能な移動ハンドと移動ハンド駆動手段が設けられ、上記飯供給機構部及び各部の上記駆動手段を制御する制御部が設けられ、操作パネルからおにぎりの全体の重量を設定されると上記制御部は記憶部に上記全体の重量を記憶するものであり、上記制御部は、上記飯落下供給位置にて第1回目の飯の重量の上記底板上への落下供給を受けた上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記具材投入位置まで移動して、上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の上記飯の上に上記具材投入部から具材を投入する工程と、上記具材が投入された上記飯受容器を上記飯受容器駆動手段により上記飯落下供給位置まで移動して、第2回目の飯の重量の供給を受けて上記飯受容器内の上記飯は具材入り飯となり、上記飯受容器は上記飯受容器駆動手段により上記飯上昇位置まで移動して、上記底板が上記上開口まで上昇することにより上記具材入り飯が上記飯受容器の上記上開口まで上昇する工程と、上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量の合計は上記おにぎりの全体の重量となるものであり、上記移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドにより上記具材入り飯を上記ターンテーブル上に移動する工程と、上記ターンテーブル駆動手段により上記ターンテーブルを回転させながら、上記成形型駆動手段及び上記押圧板駆動手段により、上記成形型と上記押圧板を以って上記具材入り飯をおにぎり形状に成形する工程と、成形後のおにぎりを移動ハンド駆動手段を以って上記移動ハンドが上記取卸位置に移動する工程とを行うものであることを特徴とするおにぎり製造方法により構成される。
【0027】
第11に、上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受け、上記飯受容器が上記飯落下供給位置に移動して第3回目の飯の重量の供給を受ける工程と、上記第3回目の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎて上記飯上昇位置に移動する工程、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記飯落下供給位置にて最後の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器が上記具材投入位置を通り過ぎ上記飯上昇位置に移動する工程、の何れかの工程を行うものであり、上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの全体の重量となるように構成されたものである上記第10記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0028】
第12に、上記制御部は上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記飯受容器の上記飯落下供給位置において、第1回目の飯の供給によりおにぎりの全部の飯の重量の供給を受ける工程と、上記飯受容器は上記具材投入位置にて具材の供給を受けた状態において、上記第2回目の飯の供給を受けることなく、上記飯上昇位置に移行される工程とを行うものであることを特徴とする上記第10記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0029】
第13に、上記制御部は、上記飯供給機構部と上記飯受容器駆動手段を駆動することにより、上記第2回目の飯の供給動作が終了した上記飯受容器が、上記具材投入位置に停止して再度の具材の投入を受けた後、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動する工程か、或いは、上記飯受容器が上記具材投入位置に停止して上記再度の具材の投入及び上記飯落下供給位置への移動動作を繰り返し行った後に、上記具材投入位置にて最後の具材の投入を受けた後、上記飯受容器が上記飯上昇位置に移動する工程の何れかの工程を行うものであり、上記飯落下供給位置にて飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりの全体の重量となるように構成されたものである上記第10記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0030】
第14に、上記具材投入位置の具材の投入は、客の注文に基づいて操作者が上記具材投入部から選択された具材を上記具材投入位置に停止中の上記飯受容器内の飯の上に載置されるものである上記第10~13の何れかに記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0031】
第15に、上記飯供給機構部は保温機能付の飯ホッパを有しており、上記飯ホッパから暖かい飯を上記飯受容器に供給するものである上記第10~14の何れかに記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0032】
第16に、上記飯受容器に供給される飯の合計のおにぎりの重量と、おにぎりの硬さを各々操作パネルで選択することが可能であり、上記おにぎりの上記全体の重量は、上記飯供給機構部に設けられた計量器にて飯の重量を計量することにより変更し得るように構成され、上記おにぎりの硬さは、上記成形型内の飯を上記押圧板にて上方から押圧する高さを調整することにより変更し得るように構成されたものである上記第10~15の何れかに記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0033】
第17に、上記飯落下供給位置において上記飯受容器に毎回供給される飯の重量を、上記操作パネルにて各々設定し得るように構成され、上記制御部は上記毎回供給される飯の重量を上記記憶部に記憶するものである上記第16記載のおにぎり製造方法により構成される。
【0034】
第18に、上記具材投入位置にて具材の投入を受けた後の上記飯上昇位置に上記飯受容器が移動する工程において、上記制御部は、上記押圧板駆動手段の上記押圧板による押圧動作を行わずに上記成形型の成形のみを行うことを特徴とする上記第12又は13記載のおにぎり製造方法により構成される。
【発明の効果】
【0035】
本発明は上述のように、例えば客の好みの具材を、客の目の前で迅速におにぎりを製造し、直ぐに客におにぎりを渡すことができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【0036】
また、おにぎりは、第1回目の飯、具材、第2回目の飯、再度の具材、第3回目の飯の順で3回の飯が供給された状態で飯上昇位置に移行するか、或いは、例えば、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の基本的な状態の後、第2回目の飯の上への再度の具材の投入及び第3回目の飯の供給を、繰り返し行うこと(第3回目の飯の上への再度の具材の投入及び第4回目の飯の供給等)が行われ、飯上昇位置に移行するか、の何れかの動作が行われるので、具材が各層の内部に入った3層構造のおにぎり、或いは、例えば、4層構造のおにぎりを製造することが可能となる。このように構成すると、客の好みの具材の入ったおにぎりを、客の目の前で迅速に製造することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【0037】
また、飯の上に具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0038】
また、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の供給後、第2回目の飯の上に再度の具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、或いは、例えば、第1回目の飯、具材、第2回目の飯の供給後、再度の具材、第3回目の飯の順で供給を受け、第3回目の飯の上に再度の具材が乗った状態のおにぎり等を製造することができ、下層は具材がサイドイッチされ、最上部の飯の上に具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0039】
また、おにぎりの最上部に具材が供給されるため、最上部の具材を押圧板にて押し潰すことを防止することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0040】
また、客の好みの具材の入ったおにぎりを、客の目前で製造し、直ちに客に渡すことができる。
【0041】
また、暖かい飯のおにぎりを、製造後すぐに客に提供することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりは冷えているが、暖かい飯の出来立てのおにぎりを客に提供することができるものである。
【0042】
また、さらに、おにぎりの重量とおにぎりの硬さを、客の好みに応じて変更することができるため、より細かい客の好みに答えることが可能となる。
【0043】
また、おにぎり全体においての具材の位置(例えば下方寄りにするか、上方寄りにするか等)を決定することができ、より細かい種類のおにぎりを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明に係るおにぎり製造装置の全体の斜視図である。
【
図4】同上装置のシャッタの供給状況を示すものであり、(a)はシャッタ上に飯が供給された状態、(b)はシャッタが開いて飯受容器内に飯が供給された状態を示す。
【
図6】同上装置の移動経路の飯受容器の状態を示す縦断面側面図である。
【
図7】同上装置の飯受容器の駆動系を示す斜視図である。
【
図8】同上装置の飯受容器の移動経路を示すものであり、(a)は飯落下供給位置、(b)は具材投入位置、(c)は飯落下供給位置、(d)は飯上昇位置を示す。
【
図9】同上装置の移動ハンドの駆動系を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は左側を見た側面図である。
【
図10】同上装置のターンテーブルに関連する構成を示すものであり、(a)はターンテーブルの斜視図、(b)はターンテーブルの駆動系の斜視図である。
【
図11】同上装置の成形型を示すものであり、(a)は成形型の離間状態の駆動系を含む斜視図、(b)は前方側から見た成形型の正面図である。
【
図12】同上装置の成形型の閉鎖状態を示す平面図である。
【
図13】同上装置の押圧板と成形型の関係を示す斜視図である。
【
図14】同上装置の押圧板を示すものであり、(a)は押圧板の駆動系の斜視図、(b)は押圧板の駆動系の右側面図である。
【
図15】同上装置の押圧板の高さを示す説明図である。
【
図16】同上装置の制御部の電気的ブロック図を示す。
【
図18】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図19】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図20】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図21】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図22】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図24】同上装置の制御部のメモリのデータ内容の一例を示すものである。
【
図25】同上装置の操作パネルの他の画面を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明に係るおにぎり製造装置及びおにぎり製造方法ついて詳細に説明する。
【0046】
(第1の実施形態)
本発明に係るおにぎり製造装置1は、全体的には、
図1に示す構成からなるものである。即ち、2は飯供給機構であり、2aは保温機能付きの暖かい炊いた飯が収納される飯ホッパ、2bは飯供給機構部、2cは飯出口であり、飯ホッパ2a内の暖かい飯を、上記飯供給機構2bにより、一定重量、下方に供給し、飯出口2cから一定重量の飯を下方のシャッタ筐体3に落下供給するものである。
【0047】
尚、
図1において、上記飯供給機構2がある側を前方、後述のおにぎり成形機構28がある側を後方とし、後方側から前方側をみたときの左右方向を左右、上下と定義する。また、おにぎり製造装置1の全体の筐体を符号30とする。
【0048】
上記飯供給機構部2bは、各種の形状が考えられるが、例えば、回転する羽根により外周方向に飯を供給すると共に、固定円盤の外周部から下方に落下供給し、下方の回転体により飯出口2cから一定量の飯を落下供給するもの(例えば特開2018-14981号公報)、或いは、ローラコンベアにより前方に飯を供給すると共に、対向するローラ間に飯を供給し、上記飯出口2cから一定量の飯を落下供給するもの等(例えば特許第3620844号公報)、或いはスクリューコンベア等を利用したもの等が考えられる。尚、飯供給機構部2bの形式はどのような構造のものでも良い。
【0049】
上記飯出口2cの下方には、上記シャッタ筐体3が設けられている。このシャッタ筐体3には中央部に開口3aが上下貫通して設けられ(
図3参照)、上記開口3aの下部に左右方向に開閉自在のシャッタ4,4が設けられている(
図4参照)。このシャッタ4,4は、
図3に示すように、シャッタ4,4の前方に左右のフレーム14,14(上記筐体30に固定されている)が設けられ、各シャッタ4,4に前方側から固定されたスライダ5,5が設けられ、これらスライダ5,5が上記フレーム14に固定された左右方向のシャフト6,6に挿通され、上記シャフト6,6に沿って、左右方向に移動自在に設けられている。そして、上記シャフト6,6間の中心部に中心回転軸7が上記フレーム14に回転自在に設けられ、その中心回転軸7に楕円形状の楕円板8が固定され、この楕円板8の両端部に回転軸9,9が設けられ、上記各スライダ5,5に回転軸9’,9’が設けられ、上記回転軸9,9と上記回転軸9’,9’との間に腕10,10が設けられている。
【0050】
上記中心回転軸7の下端のプーリと、上記フレーム14の下方に固定されたモータM1の駆動軸11との間にはベルト12が掛け回されており、上記モータM1が正逆方向に回転駆動することで、上記中心回転軸7従って楕円板8が正逆方向に回転し、これにより、上記腕10,10を介して上記スライダ5,5が上記シャフト6,6に沿って左右方向に移動し、結果としてシャッタ4,4が開閉するものである。
【0051】
また、閉鎖した状態の上記シャッタ4,4上に落下した飯の重量は、上記シャッタ4,4に連結されたロードセル13によって計量され(
図5参照)、計量値は制御部55(
図16参照)に送信される。
【0052】
従って、
図4(a)に示すように、シャッタ4,4上に上記飯出口2cから所定重量の飯R1が落下供給され、ロードセル13にて計量され、計量値が設定値に達すると、その後シャッタ4,4が開いて、下方の飯受容器15に落下供給されるように構成されている(
図4(b)参照)。尚、飯R1の重量(おにぎりの全体の重量)は、「小」が130g、「中」が140g、「大」が175gであり、中に具を入れる関係上、例えば2回に分けて飯が供給されるので、第1回目は、小が65g、中が70g、大が87.5g、第2回目が、小が65g、中が70g、大が87.5gとなる。これらのデータは制御部55(
図16参照)がメモリ63内の記憶エリア63a(
図24参照)に予め設定している。また、「小」が130g、「中」が150g、「大」が175gも設定変更可能である。
【0053】
上記飯受容器15は、
図6、
図7に示すように前後方向のスライドレール16,16(移動経路)に沿って前後方向にスライド自在に設けられたものである。上記飯受容器15は、中央に方形の上下方向に開口する開口部15aが設けられており、開口部15a内には底板17が下開口から抜止状態で設置されている。尚、抜け止め状態とは、下開口外縁から内側方向に抜け止め板15b,15bが設けられており、上記底板17が上記抜け止め板15b,15b上に載置された状態となっている。
【0054】
また、上記底板17の下面には車軸17a、及び上記車軸17aの下端に車輪17bが前後方向に向けて回転自在に設けられている。上記底板17は、上記飯受容器15の開口部15aを上下方向に昇降自在に設けられており、上記スライドレール16(移動経路)の後端部には上昇スロープ18a及び上昇スロープ18aに引き続いての水平部18bが設けられており、上記飯受容器15が上記スライドレール16(移動経路)の最後部に移動したとき、上記車輪17bが上記上昇スロープ18を上昇して上記車輪17bが上記水平部18bに位置することにより、上記底板17が、上記飯受容器15の上記開口部15a内において上昇し(飯受容器15は同一水準位置を水平に移動する)、その上面17cが上記飯受容器15の上面(上開口)15cと同一水準位置となるように構成されている。
【0055】
上記飯受容器15の前後方向の駆動は、
図7に示すように、飯受容器15の左側の側面に固定接続された水平駆動板19が、上記スライドレール16の後方のフレーム21aと前方のフレーム21b間に固定された前後方向のシャフト20に沿って前後方向に移動可能となっており(上記フレーム21aと上記フレーム21bは何れも上記筐体30に固定されている)、上記水平駆動板19の左端部の下面は、上記フレーム21aに回転自在に軸支されたプーリ22aと、上記フレーム21bに回転自在に軸支されたプーリ22bとの間に掛け回されたベルト23の上面側に固定されている。尚、上記水平駆動板19の下面の上記シャフト20の対応位置には、上記シャフト20に挿通されたブロック(図示せず)が固定されている。
【0056】
上記前方のプーリ22bには傘歯車24を介してモータM2が上記フレーム21bに固定されている。よって、上記モータM2を正逆駆動することで、上記傘歯車24を介して上記ベルト23を前後方向に駆動し、その結果、上記飯受容器15を上記スライドレール16(移動経路)に沿って前後方向に移動することができるように構成されている(移動範囲は
図6の移動範囲T参照)。
【0057】
上記飯受容器15の移動範囲Tは、
図6に示すように、上記スライドレール16の最も前方の飯落下供給位置A1(上記飯出口2cの下方位置)と、上記スライドレール16の最も後方であって、上記底板17が上記上面15cと同一水準位置に上昇する飯上昇位置A3であり、上記飯落下供給位置A1と上記飯上昇位置A3との中間部の具材投入位置A2に停止し得るように構成されている(
図2参照)。
【0058】
そして、
図8に示すように、上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に来たことは光センサ57aにて検出され、上記飯受容器15が上記具投入位置A2に来たことは光センサ57bにて検出され、上記飯受容器15が上記飯上昇位置A3に来たことは光センサ57cにて検出され、各々のタイミングで検出信号が上記制御部55に送出されるように構成されている。
【0059】
上記飯供給機構2の飯供給機構部2bは上記飯ホッパ2a内の飯を下方に送り出し、所定重量の飯(おにぎりとしては例えば半分の飯の重量)を上記シャッタ4,4上に落下供給しておく。
【0060】
そして、上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に位置しているときに、駆動モータM1を駆動して上記シャッタ4,4が開き、所定重量の飯R1(おにぎりとしては例えば半分の飯の重量)が上記飯受容器15の底板17上に落下供給され(
図8(a)参照)、その後、モータM2が上記ベルト23を後方に駆動し、上記飯受容器15を上記具材投入位置A2まで移動して駆動モータM2が停止する(
図8(b)参照)。尚、上記飯受容器15が上記具供給位置A2に来たことは光センサ57bのからの信号により上記制御部55は把握している。
【0061】
尚、上記飯供給機構2の飯供給機構部2bは上記飯ホッパ2a内の飯を下方に送り出し、所定重量の飯(おにぎりとしては例えば残り半分の飯の重量)を上記シャッタ4,4上に落下供給しておく。
【0062】
上記具材投入位置A2において、
図1、
図2に示すように、上記スライドレール16の右側に具材投入部25設け、当該具材投入部25を長方形状の例えば15区画に区分けし、各区画内に具を15種類予め投入しておく。尚、具材は、例えば、梅、シャケ、昆布、ツナ、カルビ等である。そして、客が注文した具材G(ここでは梅干しとする)を、操作者が梅干しの区画内から梅干しをトングで取り出し、上記具材投入位置A2に停止した飯受容器15の開口部15a内の飯R1の上に投入する(
図8(b)参照)。
【0063】
その後、操作者は表示パネル26の戻りボタン26a(
図1、
図17参照)を押すと、上記モータM2は逆転駆動され、ベルト23を前方に駆動して、上記飯受容器15を再び上記飯落下供給位置A1に移動し、モータM2が停止する。尚、上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に到来したことは光センサ57aにより制御部55は検知している。その後、モータM1が駆動され、シャッタ4,4が開いて、おにぎりとしては残り半分の重量の飯R2が、直下に位置している飯受容器15内に落下供給される(
図8(c)参照)。これにより具材G(梅干し)は、前半で供給された飯R1と後半で供給された飯R2の中間部に埋設されることになる。尚、ここで、上記飯R1と飯R2による具材入り飯(梅干しが内部に埋設されている)を符号Rで示す。
【0064】
上記モータM2は、上記ベルト23を後方に駆動して、上記具材投入位置A2を通過して、上記飯受容器15を上記飯上昇位置A3まで移動して、モータM2が停止する。尚、上記飯受容器15が上記飯上昇位置A3に到来したことは光センサ57cからの信号により制御部55は把握している。これにより、上記飯受容器15は、その車輪17bが上記上昇スロープ18aを上昇して水平部18bまで位置し、その後、上記飯受容器15内で底板17が上昇し、上記飯上方位置A3に上記飯受容器15が停止した状態において、上記底板17が上記飯受容器15の上面(上開口)15cと同一水準位置まで上昇し、これにより上記具材入り飯Rは上記飯受容器15の上面15cと同一水準位置まで上昇する(
図8(d)参照)。
【0065】
上記飯受容器15の上記上面15cと同一水準位置の装置1の後方には、ターンテーブル27を有するおにぎり成形機構28が設けられている(
図1参照)。以下、おにぎり成形機構28について説明する。
【0066】
ところで、上記飯上昇位置A3において、上記上面15cと同一水準位置まで上昇した具材入り飯Rを上記ターンテーブル27まで後方にスライドさせる移動ハンド29が設けられている(
図1参照)。
【0067】
この移動ハンド29は、
図9(a)(b)に示すように、上記筐体30に固定された上下方向の2本のシャフト31,31に挿通され、上記シャフト31,31に沿って上下移動可能にフレーム32(上記フレーム32の前方フレーム32aと後方フレーム32bが各々上記シャフト31,31に挿通されている)が設けられており、上記移動ハンド29は上記フレーム32a,32bの前後方向に回転自在に設けられた雄螺子34に螺合する雌螺子部29dを以って、前後方向移動可能に設けられている(詳細は後述する)。上記移動ハンド29は、上記飯上昇位置A3に上昇してきた具材入り飯Rの前方の上方位置に位置している(
図1,
図2参照)。
【0068】
上記フレーム32は、このフレーム32に固定されたクランク33及びそれを回転駆動するモータM3が上記筐体30に設けられており、これにより上記モータM3を駆動することにより、上記クランク33を介して、上記シャフト31,31に沿って上記フレーム32が上記上方位置から下方位置A4に降下することができ(
図9(b)参照)、上記モータM3を同方向に駆動することにより、上記フレーム32を上記上方位置まで上昇させることができる。これにより、上記移動ハンド29を上記上方位置より、上記移動ハンド29の下端29aが上記飯受容器15(上記飯上昇位置A3に位置している)の上面15cに近接する上記下方位置A4まで下降することが可能となっている。
【0069】
さらに、移動ハンド29は、その接続部29bにおいて、上記フレーム32に設けられた前後方向のシャフト35に挿通するスライダ29cと、上記雄螺子34に螺合する上記雌螺子部29dが設けられており(
図9(b)参照)、上記モータM4の駆動軸が上記雌螺子34に接続されている。従って、上記モータM4を正逆駆動することにより、上記雄螺子34を回転し、雌螺子部29dを介して、上記雄螺子34に沿って上記移動ハンド29を前後方向に移動することができる(いわゆるボール螺子機構)。尚、上記移動ハンド29は、上記モータM3を駆動することにより、上記下方位置A4に下降して、その後、上記モータM4を正転することにより、上記移動ハンド29を後方に移動して、上記底板17上の具材入り飯Rを後方の上記ターンテーブル27上に移動させる。この位置をターンテーブル位置A5という(
図2、
図9(b)参照)。その後、上記モータM4を逆転することにより、元の上記下方位置A4に戻る。
【0070】
その後、上記ターンテーブル27上において、おにぎりR’の成形が終了した場合は、さらに上記モータM4を正転して上記移動ハンド29を、上記ターンテーブル27のさらに後方位置まで移動して、出来上がったおにぎりR’を取卸位置A6(
図2、
図9(b)参照)に移動させるように構成されている。
【0071】
その後、上記モータM4を逆転して上記移動ハンド29を上記下方位置A4に戻し、さらに上記モータM3を駆動することにより、上記移動ハンド29を上記上方位置に戻すように構成されている。上記下方位置A4、上記ターンテーブル位置A5、上記取卸位置A6に上記移動ハンド29が位置していることは、上記フレーム32上の光センサ59a,59b,59cにより検知して、各位置に位置していることを制御部55が把握し得るように構成されている。
【0072】
次の上記おにぎり成形機構28について説明する。
上記ターンテーブル27は、
図10(a)に示すように、上記上面15cと同一水準位置に、上記機枠30に固定された外枠板36と、当該外枠板36内の円形開口部36a内に、上記上面15cと同一水準位置に、上記ターンテーブル27が中心線Pを中心に回転自在に設けられている。上記ターンテーブル27の裏面には上記中心線Pを中心に、直線的な凹部(図示せず)が設けられている。一方、上記外枠板36の下面には、上記筐体30上に固定された直立軸25bが設けられ(
図10(b)参照)、当該直立軸25bの上端に、回転自在のプーリ25が設けられ、上記プーリ25の上面に直線凸部25aが設けられ、上記直線凸部25aが上記ターンテーブル27の裏面側の上記凹部に嵌合接続されている。
【0073】
一方、上記外枠板36の裏面にはモータM5が固定されており、上記モータM5の駆動軸と上記プーリ25間にベルト35が掛け回されており、上記モータM5を駆動することにより、上記ターンテーブル27を回転し得るように構成されている。
【0074】
上記外枠板36の上記ターンテーブル27の後方側は、前後方向に複数の溝が形成された取卸部36bが形成されている。出来上がったおにぎりR’は、上記移動ハンド29により、上記ターンテーブル27から上記取卸部36b上の取卸位置A6に移動される(
図1、
図2、
図10(a)参照)。
【0075】
上記ターンテーブル27の上面側には、左右方向におにぎりの成形型37,38が設けられている(
図1,
図11(a)(b)参照)。上記おにぎりの成形型37の内側は略三角形状の凹部37aが形成され、上記おにぎりの成形型38の内側は円弧形状の凹部38aが形成されており、対向する方向(矢印B,B’方向)に近接して対向面37b,38bを接することにより、
図12に示すように略三角形状に飯を成形することができるように構成されている。尚、成形後のおにぎりを符号R’にて示す。
【0076】
尚、おにぎりの形状は三角形状(上下方向が短く角の丸い三角柱形状、120度毎に角の丸い頂点を有する)に限らず、
図1、
図2に示す成形型37’,38’により円柱形状のおにぎりを形成することもできる。この場合、押圧板54’は円盤形状となる(
図1参照)。
【0077】
上記ターンテーブル27(外枠板36)の下側において、
図11(a)(b)に示すように、左右方向の2本のシャフト39,39が左右方向のフレーム56,56(上記筐体30に固定されている)に固定されており、上記2本のシャフト39,39に挿通されたスライダ40,41が設けられており、上記成形型37が上記スライダ40に固定され、上記成形型38が上記スライダ41に固定され、これにより上記おにぎり成形型37,38が上記シャフト39,39に沿って近接、離間方向(矢印B,B’方向、矢印C,C’方向)に移動可能に構成されている。
【0078】
また、上記シャフト39,39間の中央部に楕円形の楕円板61(中央部61a)が水平に設けられ、上記楕円板61の一端(右端)と上記スライダ40の上面との間に第1アーム42が両端の回動軸42a,42bを以って設けられ、上記楕円盤61の他端(左端)と上記スライダ41の上面との間に第2アーム43が両端の回動軸43a,43bを以って設けられ、かつ上記楕円盤61の中央部61aと上記第2アーム43の上記回動軸43bとの間(楕円盤61の左側の)回動軸44aとクランク45上の偏心端部の回動軸44bとの間に第3アーム44が設けられており、上記クランク45の中心回転部に設けられた回転軸46(回転軸46を支持するフレームは上記筐体30に固定されている)の下端のプーリ46aと、上記駆動モータM6の駆動軸との間にベルト47が掛け回されている。尚、上記モータM6は上記筐体30に固定されている。
【0079】
そして、上記モータM6を正転駆動することにより、上記回転軸46を回転することにより、上記クランク45が回転し、これにより上記第3アーム44が矢印D方向に移動し、これにより上記楕円盤61が中心部61aを中心に矢印E方向に回動し、これにより第1アーム42、第2アーム43により上記スライダ40,41がシャフト39,39に沿って対向方向に移動し、その結果、上記ターンテーブル27上において、上記おにぎりの成形型37と上記成形型38が近接方向(矢印B,B’方向)に移動し、対向面37b,38bを接するまで移動する(
図12参照)。これにより、ターンテーブル27上の上記具材入り飯Rは上記おにぎり型に成形され、おにぎりR’となる。
【0080】
また、上記モータM6が正転駆動されることにより、上記クランク45の作用により上記第3アーム44が矢印D’方向に移動し、これにより上記楕円盤61が中心部61aを中心に矢印E’方向に回動し、これにより第1アーム42、第2アーム43により上記スライダ40,41がシャフト39,39に沿って離間方向に移動し、その結果、上記ターンテーブル27上において、上記おにぎりの成形型37と上記成形型38が離間方向(矢印C,C’方向)に移動し、対向面37b,38bが離間するまで移動する(
図2参照)。このように上記モータM6の正転により、上記成形型37,38は近接方向と離間方向への移動をくり返すように構成されている。
【0081】
上記おにぎり成形機構28において、上記おにぎりの成形型37側に押圧機構62が設けられている(
図1、
図14(a)(b)参照)。上記押圧機構62は、上記筐体30上に固定された2つのガイド管48,48に沿って上下方向に移動可能なシャフト49,49が設けられ、上記シャフト49,49の下端には、上記シャフト49,49下端を前後方向に連結する連結板50が固定され、当該連結板50の中央部にはクランク51の一端の回動軸52が係合する係合孔50aが設けられている。
【0082】
上記シャフト49,49の上端部には、三角形状の水平方向アーム53が設けられ、上記水平方向アーム53の先端部の下端に押圧板54が設けられている。上記押圧板54は上記成形型37と上記成形型38が合体したときの略三角形状のおにぎり型の成形型と相似形状のおにぎり型から形成されており、上記成形型37,38が合体したときのおにぎり型の開口部60内に上から挿入され(
図13参照)、内部の具材入り飯Rを上方から押圧するように構成されている。
【0083】
上記クランク51の中央部は、上記筐体30に固定されたモータM7の駆動軸に連結されており、上記モータM7を駆動して、上記クランク51を回動することにより、上記シャフト49,49を上記ガイド管48,48に沿って上下方向に昇降させ、これにより上記押圧板54を、上記おにぎり成形型37,38を合体した状態のおにぎり成形型内に、上方から下方に入り込み(
図13参照)、内部の飯Rを上方から圧縮し、内部のおにぎりR’を所定の圧力で押圧し得るように構成されている。
【0084】
上記モータM7の駆動軸にはロータリーエンコーダ58が設けられており、制御部55は上記モータM7の回転角度を把握している。そして、上記制御部55により、
図15に示すように、制御部55は上記押圧板54の下方位置を3段階に把握しており、操作パネル26(
図17参照)にてハード(ボタン26f)が選択されると、上記押圧板54が最下位置(位置a)まで降下し、この場合、最もにぎりの硬さは硬くなり、操作パネル26によりノーマル(ボタン26g)が選択されると、上記押圧板54が中間位置(位置b)まで降下し、この場合にぎりの硬さは通常となり、操作パネル26によりソフト(ボタン26h)が選択されると、上記押圧板54が最上部位置(位置c)まで下降し、この場合、にぎりの硬さは通常よりソフトとなるように構成されている。また、制御部55はメモリ63内の記憶エリア63c(
図24参照)に、位置a,b,cを記憶している。
【0085】
また、おにぎりの上記成形型37,38の合体と、上記押圧板54の下方への押圧が行われた後は、上記成形型37,38が離間し、上記押圧板54が上方に移動し、その後、上記ターンテーブル27が120度回転し、再度、上記成形型37,38が合体、及び、上記押圧板54が下方に押圧し、再びおにぎりの成形が行われ、上記成形型37,38が離間、上記押圧板54が上昇した後、さらに上記ターンテーブル27が120度回転して、同様の動作が繰り返し行われる。そして、上記ターンテーブル27がさらに120度回転して、結果としてターンテーブル27は360度回転し、上記おにぎり成形型37,38と上記押圧板54の押圧が3回繰り返し行われることにより、最終的におにぎりR’が成形されるように構成されている。尚、符号64はおにぎりR’の収納部である。
【0086】
図16に示すものは本発明の制御部55に関連した電気的構成であり、上記制御部55にはCPUを具備しており、上記モータM1~M7が接続されると共に、上記ロードセル13、ロータリーエンコーダ58、及び光スイッチ57a~57c、光スイッチ59a~59c、及び、飯供給機構部2bが接続されている。上記制御部55にはメモリ63が設けられており、
図18~
図22に記載された動作プログラムが記憶されており、上記制御部55は上記動作プログラムに沿って動作を行うものである。また、上記メモリ63には操作パネル26から入力したデータを一時的に記憶する記憶エリアが設けられている(
図24参照)。
図23に示すものは、上記制御部55の機能ブロックであり、以下の動作説明と共に説明する。
【0087】
以下、第1実施形態の動作を説明する。
本発明に係るおにぎり製造装置1は、例えばコンビニエンスストアの店内に設置されているものとする。尚、上記飯ホッパ2a内には暖かい炊いた飯が供給されているものとする。客は、おにぎり製造装置1の左側から、該製造装置1の右側に存在する店員(以下、「操作者」という)におにぎりを注文し、その際、具材の種類、おにぎりの重量(大、中、小)、おにぎりの硬さ(ハード、ノーマル、ソフト)の何れかを選択して注文する。
【0088】
当該客は、具材Gは梅干し、おにぎりの重量は「中」(140g)、おにぎりの硬さは「ソフト」を選択したとする。上記操作者は、上記操作パネル26(
図17参照)において、おにぎりの重量は「中」のボタン26dを押し、おにぎりの硬さは「ソフト」のボタン26hを押し、その後、「動作開始」のホタン26bを押す(
図18P1参照)。尚、飯受容器15は、飯落下供給位置A1に位置しているものとする(
図8(a)参照)。
【0089】
すると、上記制御部55は、「中」(飯の重量は140g)、「ソフト」(高さは位置c)が選択されたことを認識し、メモリ63に記憶する(
図18P2~P4参照)。
【0090】
その後、制御部55(
図23、飯供給手段55a)は、飯供給機構部2aを駆動して、シャッタ4,4上に飯を供給し、ロードセル13の飯の重量(計量値)を検知しながら「中」の半分の飯の重量(第1回目、70g)(第1回目の飯の重量は、メモリ63(
図24参照)の記憶エリア63a内に記憶されている)を供給する(
図18P5、P6参照)。
【0091】
上記制御部55(
図23、飯供給手段55a)は、上記ロードセル13の計量値が70gに達した場合は、モータM1を駆動してシャッタ4,4を開いて、下方の飯受容器15内に70gの飯R1(第1回目の飯)を落下供給する(
図18P7,P8参照)。
【0092】
その後、制御部55(
図23、飯受容器駆動手段55b)は、モータM2を駆動して飯受容器15を具材投入位置A2に移動する。このとき、上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は、光センサ57bの受光部から反射波が受光したことを検知し、上記飯受容器15が上記具材投入位置A2に位置したことを認識し、上記モータM2の駆動を停止する(
図19P9-P12参照)。
【0093】
上記飯受容器15は上記具材投入位置A2に停止しているので(
図2参照)、操作者は、客のリクエストである梅干しを、具材投入部25からトングで選び、上記飯受容器15内の飯R1の上に載置する(
図19P13、
図8(b)参照)。そして、操作者は操作パネル26の戻りボタン26aを押圧する(
図19P14参照)。尚、操作者が戻りボタン26aを押すのではなく、上記具材投入位置A2に上記飯受容器15が一定時間(例えば30秒)停止した後、自動的に上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に戻るように設定しても良い。
【0094】
すると、上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は、上記モータM2を逆転駆動し、飯受容器15を上記飯落下供給位置A1に戻す(
図19P15参照)。このとき制御部55は上記光センサ57aからの反射波を受光したことを検知し、上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に位置したことを認識し、上記モータM2の駆動を停止する(
図19P15-P17参照)。
【0095】
その後、制御部55(飯供給手段55a)は、飯供給機構2を駆動して、シャッタ4,4上に飯を供給し、ロードセル13の飯の重量を検知しながら「中」の残りの半分の飯の重量(第2回目、70g)を供給する(
図19P18,P19参照)。
【0096】
上記制御部55(飯供給手段55a)は、飯供給機構部2bを駆動し、上記ロードセル13の計量値が70gに達した場合は(
図19P18、P19参照)、モータM1を駆動してシャッタ4,4を開いて、下方の飯受容器15内に70gの飯R2(第2回目の飯)を落下供給する(第2回目の飯の重量は、メモリ63(
図24参照)の記憶エリア63a内に記憶されている)(
図20、P20,P21参照)。従って、梅干しが乗った飯R1の上に残りの半分の飯R2が落下供給され、具材Gとしての梅干しは飯R1と飯R2の中間部に埋設された状態の具材入り飯Rとなる(
図8(c)参照)。
【0097】
次に、上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は、モータM2を正転駆動し、上記具材投入位置A2を通過して、飯受容器15を後方の飯上昇位置A3に移動させる。このとき、光センサ57cの受光部から反射波が受光したことを検知し、上記飯受容器15が飯上昇位置A3に位置したことを認識し、上記モータM2の駆動を停止する(
図20P22-P24参照)。このとき、飯受容器15の底板17の車輪17bが上昇スロープ18aを上昇し、上記底板17が上昇することにより、上記底板17の上面17cが上記上面15cと同一水準位置となり、上記具材入り飯Rが上記上面15cと同一水準位置まで上昇して上方に露出する(
図8(d)参照)。
【0098】
その後、制御部55(
図23、移動ハンド駆動手段55c)は、モータM3を駆動してクランク33を駆動して移動ハンド29を上方位置から下方位置A4に下降し(
図20P25参照)、さらにモータM4を駆動して雄螺子34を回転させ、移動ハンド29を後方のターンテーブル位置A5(
図2、
図9(b)参照)まで移動する。このとき制御部55は上記光センサ59bからの反射波を受光したことを検知し、上記移動ハンド29が上記ターンテーブル位置A5に位置したことを認識し、上記モータM4の駆動を停止する(
図20P26-P28参照)。これにより、上記具材入り飯Rがターンテーブル27の中央部に移動する(
図20P28参照)。その後、制御部55(
図23、移動ハンド駆動手段55c)は、モータM4を逆転駆動して、移動ハンド29をもとの上記下方位置A4に戻す(
図20P29参照)。このときも制御部55は上記光センサ59aからの反射波を受光したことを検知し、上記移動ハンド29が上記下方位置A4に位置したことを認識し、上記モータM4の逆転を停止する。
【0099】
次に、制御部55(
図23おにぎり成形手段55d)は、モータM6を駆動して、成形型37,38を合体し(
図21P30、P31参照)、かつ制御部55(おにぎり成形手段55d)は、モータM7を駆動して押圧板54を下降させ具材入り飯Rを上方から圧縮する(制御部55は、硬さはソフトであることをメモリ63内で認識しているので、押圧板54は
図15の位置cまで下降する)(
図21P32、P33参照)。具体的にはソフトの位置cまで下降したか否か判断し(
図21P34参照)、位置cまで停止した場合は、モータM7の駆動を停止し、上記制御部55は上記モータM7を逆転して上記押圧板54は上昇する(
図21P35~P37参照)。
【0100】
上記押圧板54が上昇すると(
図21P37参照)、その後、成形型37,38が離間され(
図21P38参照)、上記成形型37,38が離間したところで、モータM5を駆動してターンテーブル27を120度回転させ(
図21P39,P40参照)、その動作を3回繰り返す(
図21P41参照)。尚、上記3回繰り返すのは、設定で自由に変更でき、2回であっても良いし、3回中、上記押圧板54の押圧を1回とすることもでき、各種設定は自由である。
【0101】
その後、上記ターンテーブル27上には、客の好みの具材、硬さ、重量のおにぎりR’が完成しているので、制御部55(
図23、移動ハンド駆動手段55c)は、モータM4を正転駆動して移動ハンド29を取卸位置A6(
図2参照)まで後方に移動し、完成したおにぎりR’をターンテーブル27上から上記取卸位置A6まで後方に移動する(
図22P42、P43参照)。このときも制御部55は上記光センサ59cからの反射波を受光したことを検知し、上記移動ハンド29が上記取卸位置A6に位置したことを認識し、上記モータM4の駆動を停止する(
図22P42―P44参照)。
【0102】
上記動作により、完成した暖かいおにぎりR’がターンテーブル27から取卸部36bに位置するので、操作者は完成した暖かいおにぎりR’を客にその場で渡すことができる。また、客におにぎりR’を渡すとき、海苔を巻いても良い。
【0103】
上記制御部55(
図23、移動ハンド駆動手段55c)は上記モータM4を逆転駆動して移動ハンド29を上記下方位置A4に戻し(
図22P45参照)、上記モータM3を駆動して移動ハンド29を上記上方位置に戻し(
図22P46参照)、上記モータM2を逆転駆動して、上記飯受容器15を飯落下供給位置A1に戻して動作を終了する(
図22P47、P48参照)。尚、上記移動ハンド29の移動、及び飯受容器15の移動において、光センサ59a(
図9(b)参照),57a(
図8(a)参照)からの反射波を制御部55が受光して上記モータM3,M2を停止することは上記と同様である。
【0104】
上記実施形態では、おにぎりの重量について、客が「中」以外の「小」又は「大」のおにぎりを選択した場合、或いは、おにぎりの硬さについて、「ソフト」以外の「ハード」、「ノーマル」を選択したときは、操作者は操作パネル26にてその旨設定すれば良い。また、客が梅干し以外の他の具材を選択したときは、操作者は具材投入部25から客が選んだ具材Gを飯受容器15内に投入すれば良い。
【0105】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、飯R1と飯R2の間に具材Gが入っている一般的なおにぎりR’を製造したが、第2の実施形態では、飯の供給が3回、或いは、3回以上であり、各飯の層間に具材Gが入っているおにぎりを製造するものである。
【0106】
上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は上記飯受容器15のモータM2を駆動することにより、第2回目の飯R2の重量の供給動作が終了した上記飯受容器15が、上記具材投入位置A2に停止して再度(2度目)の具材Gの投入を受け、上記飯受容器15が上記飯落下供給位置A1に再び移動して第3回目の飯R3の重量の供給を受け、上記第3回目の飯R3の重量の供給を受けた上記飯受容器15が上記具材投入位置A2を通り過ぎて上記飯上昇位置A3に移動するか、或いは、上記再度(2度目)の具材Gの投入及び上記飯落下供給位置A1への飯受容器15の移動動作を繰り返し行った状態において、上記飯落下供給位置A1にて最後の飯の重量の供給を受けた上記飯受容器15が上記具材投入位置A2を通り過ぎ上記飯上昇位置A3に移動するか、の何れかの動作を行うように構成され、上記飯落下供給位置A1にて複数回の飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりR’の全体の重量となるように構成されたものである。
【0107】
具体的には、
図20のステップP21にて第2回目の飯の飯受容器15への供給が終わった後、再度
図19のステップP12に戻り、具材投入位置A2に飯受容器15を停止させる動作をおこなう(
図19P12参照)。そして操作者は2度目の具材Gを投入し(
図19、P13参照)、戻りボタン26aを押して(
図19、P14参照)、飯受容器15を再度飯落下供給位置A1に戻す(
図20P15~P17)。その後、第3回目の飯の供給を受け(
図20P21)、その後、飯受容器15を飯上昇位置A3に移動し(
図20P24参照)、その後の成形動作が行われる。
【0108】
即ち、例えば飯の飯受容器15への飯の供給が3回行われる場合、飯の重量が「中」の140gであった場合、操作者は予め操作パネル26にて、第1回目の飯の重量は47g、第2回目の飯の重量は47g、第3回目の飯の重量は46gとなるように設定が可能である。上記制御部55(飯供給手段55a)は、この場合、飯の供給が3回であること、及び第1回目の飯の重量が47g、第2回目の飯の重量が47g、第3回目の飯の重量が46gであることをメモリ63に記憶する。
【0109】
このように構成すると、飯R1、具材G、飯R2、具材G、飯R3の3層構造のおにぎりを成形することができ、或いは、飯R1、具材G、飯R2の基本形に、さらに、具材G、飯R3、具材G、飯R4を追加することができ、何れにしても飯の複層構造において、各飯の層毎に具材Gが投入されているおにぎりを成形することができる。
【0110】
(第3の実施形態)
上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は上記飯受容器15のモータM2を駆動することにより、上記飯受容器15の上記飯落下供給位置A1において、第1回目の飯R1の供給によりおにぎりの全部の飯の重量の供給を受けるものであり、上記飯受容器15は上記具材投入位置A2にて具材Gの投入を受けた状態において、上記第2回目の飯の供給を受けることなく、上記飯上昇位置A3に移行され、その後はおにぎりの成形工程が行われることになる。
【0111】
このように構成すると、全部の重量の飯の供給を受けた飯の上に具材Gが乗った状態のおにぎりR’を成形することができる。このように、飯の上に具材が乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0112】
この第3の実施形態では、飯受容器15の第2回目の飯の供給を行うことなく、第1回目において全部の飯の重量の供給を行うように構成されたものである。
【0113】
この場合、操作パネル26(
図17参照)において、操作者は、「第1回目のみ」のボタン26jを押圧する。すると、制御部55(飯供給手段55a)は、飯の供給は第1回目のみであることを認識し、メモリ63(
図24参照)の記憶エリア63dの状態であることを把握すると共に、制御部55(
図23、飯供給手段55a)は、第1回目の飯の供給、即ち、この場合、小であれば130gの飯の重量を飯受容器15に1回で供給し、中であれば140gの飯の重量を飯受容器15に1回で供給し、大であれば175gの飯の重量を飯受容器15に1回で供給するものである(
図18P8参照)。
【0114】
その後、制御部55(
図23、飯受容器駆動手段55b)は、飯受容器15を具材投入位置A2に停止し(
図19P12参照)、具材投入動作を受けてから(
図19P13参照)、操作者は戻りボタン26aではなく、成形ボタン26k(
図17参照)を押圧する(
図19ステップP14’参照)。
【0115】
すると、制御部55(
図23、飯受容器駆動手段55b)は、
図19のステップP14’から
図20のステップP22に飛び、モータM2を駆動して飯受容器15を飯上昇位置A3に移動する(
図20P22~P24参照)。
【0116】
その後、制御部55(
図23、移動ハンド駆動手段55c、おにぎり成形手段55d)は、
図20のステップP24以降のおにぎり成形動作が行われる。
【0117】
このように構成すると、第1回目の飯の供給により全ての飯の重量が供給されるので、例えば、おにぎりの上面側に具材Gが乗った状態のおにぎりを提供することができる。
【0118】
(第4の実施形態)
上記制御部55(飯受容器駆動手段55b)は、上記飯受容器15のモータM2を駆動することにより、上記第2回目の飯R2の供給動作が終了した上記飯受容器15が、上記具材投入位置A2に停止して再度の具材Gの投入を受けた状態において、上記飯受容器15が上記飯上昇位置A3に移動するように構成されるか、或いは、上記再度の具材Gの投入及び上記飯落下供給位置A1への移動動作を、繰り返し行った後に、上記具材投入位置A2にて最後の具材Gの投入を受けた状態において、上記飯受容器15が上記飯上昇位置A3に移動するように構成されるか、の何れかの動作を行うように構成され、上記飯落下供給位置A1にて複数回の飯の重量の供給の合計が、上記おにぎりR’の全体の重量となるように構成されたものである。
【0119】
具体的には、
図20のステップP21にて第2回目の飯の供給を受けた飯受容器15は、
図19のステップP9に戻り、飯受容器15が具材投入位置A2に停止され(
図19P9~P12参照)、再度(2度目)の具材Gの供給を受けた後、飯落下供給位置A1に戻ることなく、操作者が操作パネル26の成形ボタン26k(
図17参照)を押すことで(
図19P14’参照)、
図20のステップP22に飛び、飯受容器15が飯上昇位置A3に移動して、その後の成形工程が行われる。
【0120】
或いは、第2回目の飯の供給を受けた飯受容器15は、
図19のステップP9に戻り、飯受容器15が具材投入位置A2に停止され(
図19P9~P12参照)、再度(2度目)の具材Gの投入を受ける動作を繰り返した後、最後の具材Gの投入を受けた後、飯落下供給位置A1に戻ることなく、操作者が操作パネル26の成形ボタン26k(
図17参照)を押すことで(
図19P14’参照)、
図20のステップP22に飛び、飯受容器15が飯上昇位置A3に移動して、その後の成形工程が行われる。
【0121】
また、例えば飯の飯受容器15への飯の供給が3回行われる場合、飯の重量が「中」の140gであった場合、操作者は予め操作パネル26にて、第1回目の飯の重量は47g、第2回目の飯の重量は47g、第3回目の飯の重量は46gとなるように設定が可能である。上記制御部55(飯供給手段55a)は、この場合、飯の供給が3回であること、及び第1回目の飯の重量が47g、第2回目の飯の重量が47g、第3回目の飯の重量が46gであることをメモリ63に記憶する。
【0122】
このように構成すると、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2の供給後、第2回目の飯R2の上に再度の具材Gが乗った状態のおにぎりを製造することができ、或いは、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2の供給後、再度の具材G、第3回目の飯R3の順で供給を受け、第3回目の飯R3の上に再度の具材Gが乗った状態のおにぎりを製造することができ、下層は具材がサイドイッチされ、最上部の飯の上に具材Gが乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0123】
(第5の実施形態)
上記具材投入位置A2にて具材Gの投入を受けた後に、上記飯上昇位置A3に上記飯受容器15が移動する状態において(第3の実施形態と第4の実施形態の場合)、上記制御部55(
図23、おにぎり成形手段55d)は、上記押圧板54のモータM7の上記押圧板54による押圧動作を行わずに上記成形型37,38の成形のみを行うことを特徴とするおにぎり製造装置により構成される。具体的には、
図21のステップP32~ステップP37を停止し、
図21のステップP31からステップP38に飛ぶことになる。
【0124】
このように構成すると、飯の最上部に具材Gが供給されるため、最上部の具材Gを押し潰すことを防止することができ、上部に具材の乗った見栄えの良いおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0125】
(第6の実施形態)
上記飯受容器15に供給される飯の合計のおにぎりの重量(例えば「大」、「中」、「小」)と、おにぎりの硬さ(例えばハード、ノーマル、ソフト)を各々操作パネル26(
図17参照)で選択することが可能であり、上記合計のおにぎりの重量は、上記飯供給機構2に設けられたロードセル13にて飯の重量を計量することにより変更し得るように構成され、上記おにぎりの硬さは、上記成形型37,38内の飯を上記押圧板54にて上方から押圧する高さ(a,b,c)(
図15参照)を調整することにより変更し得るように構成されたものである。
【0126】
以下、飯の供給は2回の場合を例に説明する。上記第1回目の飯の重量と上記第2回目の飯の重量との合計のおにぎりの重量(おにぎりの全体の重量)は、例えば「小」は130g、「中」は140g、「大」は175gであり、その他任意に決定することができる。上記高さは、例えばハード、ノーマル、ソフトに応じて押圧板の下降の高さを位置(a,b,c)と変更することができるように構成されている(
図15参照)。このように構成すると、さらに、おにぎりの重量とおにぎりの硬さを、客の好みに応じて変更することができるため、より細かい客の好みに答えることが可能となる。
【0127】
第6の実施形態では、飯受容器15への第1回目の飯の重量と、具材Gを投入された後の第2回目の飯の重量を、操作パネル26のテンキー26r(
図25参照)から設定可能に構成されている。
【0128】
即ち、予め操作パネル26(
図17参照)の重量設定26iボタンを押すと、
図25の設定画面となり、第1回目の設定ボタン26mと設定値の表示部26n、第2回目の設定ボタン26pと表示部26q、及び、テンキー26rが表示され、第1回目と第2回目の飯の量を自由に設定することができる。尚、設定し得る範囲は、おにぎりの全体重量の範囲内である。
【0129】
ここでは、第1回目の飯の重量は、例えば、おにぎり全体の重量の1/4、第2回目の飯の重量は、おにぎり全体の重量の3/4とする。従って、予め操作者は、おにぎりが「小」(130g)の場合は、第1回目は32.5g(全体の重量の1/4)、第2回目は97.5g(全体の重量の3/4)等のテンキー26rから入力すると、第1回目の表示部26nと第2回目の表示部26qに上記重量が表示され、最後に記憶ボタン26sを押すことにより、メモリ63(
図24参照)の記憶エリア63bに、おにぎりの小、中、大に応じて重量が記憶される。
【0130】
このように設定した場合は(第1の実施形態と同様に、客はおにぎりの重量は「中」、硬さは「ソフト」を選択しているとする)、
図18のステップP8において、制御部55(飯供給手段55a)は、第1回目の飯の供給として、上記記憶エリア63b(
図24参照)から「中」(140g)の第1回目を読み出して、35g(全体の重量の1/4)の飯の重量が飯受容器15に供給され、具材投入位置A2において具材Gが供給された後、制御部55(飯供給手段55a)は、
図20のステップP21において、第2回目の飯の供給として、上記記憶エリア63b(
図24参照)から「中」の第2回目を読み出して、105g(全体の重量の3/4)の飯の重量が飯受容器15に供給されることになる。よって、この場合、具材Gとしての梅干しは、おにぎりの中央に位置するのではなく、比較的下側に近い位置に位置することになる。
【0131】
尚、第1回目と第2回目の飯の量の設定は自由であり、飯の重量について、第1回目を第2回目より多くすることも可能である。
【0132】
このように、第1回目と第2回目の飯の重量を設定することで、具材Gをおにぎりの中央に限らず、下方側或いは上方側に位置させることも可能である。尚、おにぎりの成形工程は第1の実施形態と同様である。
【0133】
尚、第1回目と第2回目の飯の重量の合計は、そのときに設定されていた飯の重量(小、中、大)の範囲内であるが、第1回目と第2回目の飯の重量の合計がおにぎり全体の飯の重量の合計を超える場合、或いは、上記合計がおにぎり全体の飯の重量より少ない場合であっても良い。
【0134】
上記第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態のように、飯の供給が3回以上行われる場合は、複数回のおにぎりの供給量は、全体のおにぎりの重量の均等割りでも良いし、各層毎に飯の量を操作パネル26から設定することができる。
【0135】
(第7の実施形態)
上記飯落下供給位置A1において上記飯受容器15に毎回供給される飯の重量を、上記操作パネル26にて各々設定し得るように構成され、上記制御部55(飯供給手段55a)は上記毎回供給される飯の重量を上記メモリ63に記憶するものであるおにぎり製造装置により構成される。
【0136】
例えば、おにぎりR’の重量が「中」であり140gであるとすると、第1回目の飯の重量は1/4の35g、第2回目の飯の重量は3/4の105gと操作パネル26にて定めることもできる。このように構成すると、おにぎり全体においての具材Gの位置(例えば下方寄りにするか、上方寄りにするか等)を決定することができ、より細かい種類のおにぎりを製造することができる。
【0137】
上記第1の実施形態は、飯受容器15への第1回目の飯の供給と、具材Gを供給されてからの第2回目の飯の供給は、全体の飯の重量の各々半分であり、第2回目の飯の供給を終了した状態で、大中小の飯の全体の重量が供給されるものであった。尚、この第1の実施形態が初期設定されているとする。
【0138】
また、おにぎりR’の全体の重量において、2回以上の複数回、飯が飯受容器15に供給される場合、2回以上の回数の飯の供給量は、全体のおにぎりの重量の均等割りでも良いし、各回毎に操作パネル26にて設定することも可能である。この場合、操作者は、操作パネル26の重量設定ボタン26iを押すと、
図25の操作パネル26となり、例えば、回数が4回であると、テンキー26rから4回を入力すると、
図25の操作パネル26には4回分の各回毎の重量の設定をテンキー26rを使用してすることができる。
【0139】
以上のように、本発明は上述のように、例えば客の好みの具材Gを、客の目の前で迅速におにぎりR’を製造し、直ぐに客におにぎりR’を渡すことができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【0140】
また、おにぎりR’は、例えば、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2、再度の具材G、第3回目の飯R3の順で3回の飯が供給された状態で飯上昇位置A3に移行するか、或いは、例えば、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2の基本的な状態の後、第2回目の飯R2の上への再度の具材Gの投入及び第3回目の飯R3の供給を、繰り返し行うこと(第3回目の飯R3の上への再度の具材Gの投入及び第4回目の飯R4の供給等)が行われ、飯上昇位置A3に移行するか、の何れかの動作が行われるので、具材Gが各層の内部に入った3層構造のおにぎり、或いは、4層構造のおにぎり等を製造することが可能となる。
【0141】
このように構成すると、客の好みの具材Gの入ったおにぎりを、客の目の前で迅速に製造することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【0142】
また、飯の上に具材Gが乗った状態のおにぎりを製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0143】
また、例えば、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2の供給後、第2回目の飯R2の上に再度の具材Gが乗った状態のおにぎりR’を製造することができ、或いは、例えば、第1回目の飯R1、具材G、第2回目の飯R2の供給後、再度の具材G、第3回目の飯R3の順で供給を受け、第3回目の飯R3の上に再度の具材Gが乗った状態のおにぎりR’等を製造することができ、下層は具材がサイドイッチされ、最上部の飯の上に具材Gが乗った状態のおにぎりR’を製造することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0144】
また、おにぎりR’の最上部に具材Gが供給されるため、最上部の具材Gを押圧板54にて押し潰すことを防止することができ、おにぎりのバリエーションを増加させることができる。
【0145】
また、客の好みの具材Gの入ったおにぎりを、客の目前で製造し、直ちに客に渡すことができる。
【0146】
また、暖かい飯のおにぎりR’を、製造後すぐに客に提供することができ、コンビニエンスストア等で購入するおにぎりは冷えているが、暖かい飯の出来立てのおにぎりR’を客に提供することができるものである。
【0147】
また、さらに、おにぎりR’の重量とおにぎりの硬さを、客の好みに応じて変更することができるため、より細かい客の好みに答えることが可能となる。
【0148】
また、おにぎり全体においての具材の位置(例えば下方寄りにするか、上方寄りにするか等)を決定することができ、より細かい種類のおにぎりを製造することができる。
【0149】
さらにおにぎりの重量とおにぎりの硬さを、客の好みに応じて変更することができるため、より細かい客の好みに答えることが可能となる。
【0150】
また、例えばおにぎりの重量が「中」であり140gであるとすると、第1回目の飯R1の重量は1/4の35g、第2回目の飯R2の重量は3/4の105gと操作パネル26にて定めることもできる。よって、おにぎり全体においての具材の位置(例えば下方寄りにするか、上方寄りにするか等)を決定することができ、より細かい種類のおにぎりを製造することができる。
【0151】
また、第1回目の飯R1の飯受容器15への供給において、おにぎりの全部の飯の重量を供給し、その後、具材投入位置A2において、上記飯R1の上に具材を供給し得て、その後、成形工程に移行し得るため、具材Gがおにぎりの飯の上面に乗った状態のおにぎりを成形することができ、おにぎりのバリエーションを増やすことができる。
【0152】
図1、
図2に成形型37,38の隣に他の成形型37’,38’を示しているが、他の成形型37’,38’は上下方向に短い円柱型のおにぎりR’を成形するための成形型であり、押圧板54’も円盤状となる。これは、略三角形状のおにぎりの上記成形型37,38と上記押圧板54を、円柱型のおにぎりを成形するための成形型37’,38’、押圧板54’に交換することが可能であることを示している。よって、上記成形型37’,38’及び押圧板54’は上記成形型37,38、上記押圧板54の隣に存在するわけではなく、便宜上示しているだけである。
【0153】
上記押圧型37’,38’が合体した状態は
図13にも便宜上示しており、
図14(a)においても円形の押圧板54’を示しているが、おにぎり型の上記押圧板54と交換が可能であることを示しているものである。このように、上記成形型及び押圧板を交換することにより、略三角形状のおにぎり型又は円柱型のおにぎりを製造することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明に係るおにぎりの製造装置及びその製造方法によれば、客の好みの具材を入れたおにぎりを、客の目の前で迅速に製造することができるため、例えばコンビニエンスストア等で購入するおにぎりの概念を根本的に変更することが可能となる。
【符号の説明】
【0155】
1 おにぎり製造装置
2 飯供給機構
2a 飯ホッパ
2b 飯供給機構部
2c 飯出口
13 ロードセル(計量器)
15 飯受容器
15a 開口部
16 スライドレール(移動経路)
17 底板
17b 車輪
18a 上昇スロープ
25 具材投入部
26 操作パネル
27 ターンテーブル
29 移動ハンド
37 成形型
38 成形型
54 押圧板
A1 飯落下供給位置
A2 具材投入位置
A3 飯上昇位置
A4 下方位置
A5 ターンテーブル位置
A6 取卸位置
a,b,c 高さ(位置)
G 具材
R 具材入り飯
R1,R2 飯
R’ おにぎり