(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 25/14 20060101AFI20241118BHJP
B65B 63/02 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
B65B25/14 A
B65B63/02
(21)【出願番号】P 2021169918
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯酒盃 真
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 駿人
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 充
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-182435(JP,A)
【文献】特開2010-254376(JP,A)
【文献】特開昭57-114419(JP,A)
【文献】特開平08-282625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 25/14
B65B 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケットの両側の側部及び上部が開放されるとともに搬送方向に直交する横溝が前記バケットの底に形成された前記バケットを、前記搬送方向に移動させることによって、前記横溝を跨ぐように前記バケットの底に載置された製品を供給位置に搬送するバケットコンベヤと、
前記供給位置において前記バケットコンベヤの横に設けられ、プッシャーを前記バケットの底の上を横切らせることによって、前記プッシャーにより前記製品を前記バケットの底の上から前記供給位置の横へ押し出して供給する押出機と、
前記押出機よりも前記搬送方向の上流の方に設けられ、プレス盤を前記バケットの上方から下降させることによって、前記製品を前記プレス盤により圧縮し、その後前記プレス盤を上昇させるプレス機と、
前記押出機よりも前記搬送方向の上流の方において前記バケットコンベヤの横に設けられ、前記プレス機の圧縮動作に同期して、前記バケットの横から前記横溝に挿入した支持部を前記横溝から上に突き出すことによって、前記プレス盤により圧縮される前記製品を前記支持部により下から支持し、その後前記支持部を前記バケットの横に引き抜く支持機と、
を備える供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケット中の製品をそのバケットの横に供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を箱に詰め込む箱詰め装置が広く知られている(例えば、特許文献1,2参照)。従来の箱詰め装置においては、製品を搬送するバケットコンベヤと、箱を搬送する搬送装置とが並列に配置されている。バケットコンベヤの下流部では、バケットコンベヤに関して搬送装置との反対側に押出機が設けられている。この押出機は、プッシャーをバケットの底の上を搬送装置の方へ横切らせることによって、プッシャーにより製品をバケットの底の上から箱へ押し出す。
【0003】
製品が布或いは紙等を積み重ねたものである場合、下層部分の布又は紙がプッシャーによって押されずにバケットの底に残留してしまう虞がある。その問題を解消すべく、バケットの底には横溝が形成され、プッシャーの一部がその横溝に入り込んだ状態でプッシャーがバケットの底の上を横切るようになっている。これにより、下層部分の布又は紙もプッシャーによって押し出せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-182435号公報
【文献】特許4137761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、製品の重みにより製品が撓んで、製品の一部がバケットの横溝に入り込むことがある。そのように撓んだ製品がプッシャーによって押されると、バケットの横溝に入り込んだ製品の一部が箱に引っ掛かってしまい、製品が箱に詰められない。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的はバケットの底に載置された製品が横溝に入り込まないようすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、供給装置は、バケットの両側の側部及び上部が開放されるとともに搬送方向に直交する横溝が前記バケットの底に形成された前記バケットを、前記搬送方向に移動させることによって、前記横溝を跨ぐように前記バケットの底に載置された製品を供給位置に搬送するバケットコンベヤと、前記供給位置において前記バケットコンベヤの横に設けられ、プッシャーを前記バケットの底の上を横切らせることによって、前記プッシャーにより前記製品を前記バケットの底の上から前記供給位置の横へ押し出して供給する押出機と、前記押出機よりも前記搬送方向の上流の方に設けられ、プレス盤を前記バケットの上方から下降させることによって、前記製品を前記プレス盤により圧縮し、その後前記プレス盤を上昇させるプレス機と、前記押出機よりも前記搬送方向の上流の方において前記バケットコンベヤの横に設けられ、前記プレス機の圧縮動作に同期して、前記バケットの横から前記横溝に挿入した支持部を前記横溝から上に突き出すことによって、前記プレス盤により圧縮される前記製品を前記支持部により下から支持し、その後前記支持部を前記バケットの横に引き抜く支持機と、を備える。
【0008】
以上によれば、押出機よりも搬送方向の上流の方において、製品が上からプレス盤によって圧縮されるとともに、製品が下から支持部によって突き上げられる。これにより、プレス盤による圧縮癖が製品に付き、支持部による凹状の撓み癖が製品の下部に付く。そのため、製品の下部が横溝を入り込まない。よって、押出機がプッシャーにより製品をバケットの底の上から押し出して移載する際に、製品は供給位置の横にある物に引っ掛からない。
【発明の効果】
【0009】
横溝への製品の下部の入り込みが防止される。そのため、製品が供給位置の横にある物に引っ掛かることなく、製品がプッシャーにより供給位置の横に移載される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】III-IIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【
図4】III-IIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【
図5】第1プレス機及び第1支持機の斜視図である。
【
図6】VII-VIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【
図7】VII-VIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【
図8】VII-VIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【
図9】VII-VIIに沿った面を矢印方向に見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されているところ、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
1. 供給装置、製品及び箱
図1は、供給装置1の側面図であり、
図2は、供給装置1の平面図である。
図3及び
図4は、
図2に示すIII-III線に沿った面を矢印方向に見て示す断面図である。
【0013】
供給装置1は、柔軟な製品90を箱95の側方から箱95に周期的に詰め込む箱詰め装置である。
製品90は、織布製、不織布製又はポリウレタン製の複数枚のマスクを積み重ねたスタックである。なお、製品90は、ティッシュペーパー、ウェットティッシュペーパー、布巾又はタオルを積み重ねたスタックであってもよい。
箱95は、その側面が開口している。
【0014】
供給装置1は、バケットコンベヤ10、搬送機20、第1プレス機30、1対の第1支持機40、第2プレス機50、一対の第2支持機60及びクランプ機構付き押出機70を備える。
【0015】
2. バケットコンベヤ
バケットコンベヤ10は、水平な搬送方向Xに直列に配列された柔軟な製品90を搬送方向Xに間欠的に搬送することによって、供給位置としての詰め込み位置Pにこれら製品90を順次送る。以下では、搬送方向Xにおける上流の向きを後方とし、搬送方向Xにおける下流の向きを前方とする。また、搬送方向Xに対して垂直な水平方向はバケットコンベヤ10の幅方向であって、左右方向である。
【0016】
バケットコンベヤ10は、テールプーリー11、ヘッドプーリー12、一対のエンドレスベルト13、ドライブモータ14及び複数のバケット15を備える。
【0017】
テールプーリー11は、詰め込み位置Pよりも搬送方向Xの上流の方に配置され、ヘッドプーリー12は、詰め込み位置Pよりも搬送方向Xの下流の方に配置されている。テールプーリー11は、その回転軸が左右方向に延在するように、機枠2(
図3参照)に回転可能に取り付けられている。ヘッドプーリー12は、テールプーリー11から、搬送方向Xの下流の方へ離れて配置されている。ヘッドプーリー12は、その回転軸が左右方向に延在するように、機枠2に回転可能に取り付けられている。一対のエンドレスベルト13は、左右方向に並列された状態で、テールプーリー11及びヘッドプーリー12に巻き掛けられている。なお、テールプーリー11、ヘッドプーリー12及びエンドレスベルト13は歯付きであってもよいし、そうでなくてもよい。また、テールプーリー11及びヘッドプーリー12がスプロケットに代えられ、エンドレスベルト13がエンドレスチェーンに代えられてもよい。
【0018】
バケット15は、一定ピッチでエンドレスベルト13の周に沿って搬送方向Xに配列されて、エンドレスベルト13に取り付けられている。バケット15はその上部及び左右側部が開放されている。搬送方向Xに直交する横溝15gがバケット15の底に形成されており、バケット15が横溝15gによって前後に分割されている。複数枚のマスクがバケット15の底の上に積み重ねられて、製品90が横溝15gを跨いでバケット15の底の上に載置される。
【0019】
各バケット15は、前部底板15a、前部仕切り15b、後部底板15c及び後部仕切り15dを有する。
【0020】
前部底板15aは、エンドレスベルト13の外周面に取り付けられている。後部底板15cは、前部底板15aから上流の方、つまり後方に離れて、エンドレスベルト13の外周面に取り付けられている。前部底板15a及び後部底板15cはバケット15の底を構成し、前部底板15aと後部底板15cの間の隙間が横溝15gとなる。複数のバケット15が一定ピッチでエンドレスベルト13の周に沿って配列されているため、前部底板15aと後部底板15cが交互にエンドレスベルト13の周に沿って配列されている。
【0021】
前部仕切り15bは、前部底板15a上に立てた状態に設けられている。後部仕切り15dは、後部底板15c上に立てた状態に設けられている。製品90は、前部仕切り15bと後部仕切り15dとの間に挟まれた状態で、横溝15gを跨いで前部底板15a及び後部底板15c上に載置される。
【0022】
ドライブモータ14は、ヘッドプーリー12に連結されている。ドライブモータ14がヘッドプーリー12を間欠的に駆動することによって、エンドレスベルト13が間欠的に走行し、バケット15が搬送方向Xに間欠的に移動する。これにより、製品90が間欠的に搬送される。なお、ドライブモータ14がテールプーリー11を駆動してもよい。
【0023】
バケット15の移動経路の左右両側にはサイドガイド板19が設けられており、バケット15がこれらのサイドガイド板19の間において搬送方向Xに移動する。
図1及び
図2においてバケット15及び製品90を見えやすくするために、サイドガイド板19の図示を省略する。
【0024】
3. 搬送機
搬送機20は、少なくとも詰め込み位置Pの横において、バケットコンベヤ10と並列に配置されている。搬送機20は、少なくとも詰め込み位置Pの横において、バケットコンベヤ10によって搬送される製品90に箱95を並走させるように箱95を搬送方向Xに間欠的に搬送して、箱95を詰め込み位置Pの横に順次送る。また、搬送機20は、箱95の側面の開口をバケットコンベヤ10の方に向けた状態で箱95を搬送する。搬送機20は、例えばベルトコンベヤ又は押送コンベヤである。なお、搬送機20は、後述の押出機70によって製品90が詰め込まれた箱95を包装装置(例えば、ピロー包装装置)に供給する供給コンベヤであってもよい。
【0025】
4. 第1プレス機及び第1支持機
図5は、第1プレス機30及び左右一対の第1支持機40の斜視図である。
図1~
図4に加えて
図5も参照して、第1プレス機30及び第1支持機40について詳細に説明する。
【0026】
第1プレス機30及び左右一対の第1支持機40は、詰め込み位置Pよりも搬送方向Xの上流の方に設けられている。具体的には、第1プレス機30はバケットコンベヤ10の前端と後端の間の中間部に設けられ、一方の第1支持機40はバケットコンベヤ10の前端と後端の間の中間部の左側部に設けられ、他方の第1支持機40はバケットコンベヤ10の前端と後端の間の中間部の右側部に設けられている。左の第1支持機40と右の第1支持機40は互いに対称に設けられている。
【0027】
第1プレス機30は、バケットコンベヤ10の周期的な一時停止に同期して、バケットコンベヤ10の中間部に位置する2つのバケット15内の製品90をその上方からプレス盤33により圧縮する。これにより、圧縮癖が製品90に付く。各第1支持機40は、第1プレス機30の圧縮動作に同期して、第1プレス機30によって圧縮される製品90が載置されるバケット15の横溝15gの側方から横溝15gに後述の支持部44を挿入した後、支持部44を横溝15gから上に突き出す。これにより、第1プレス機30のプレス盤33によって圧縮される製品90がその下から支持部44によって支持されて、その製品90の下部が支持部44によって凹状に撓んで、その凹状の撓み癖が製品90に付く。よって、製品90の下部が横溝15gへ入り込まない。
【0028】
第1プレス機30について詳細に説明する。
第1プレス機30は、圧縮用アクチュエータ31、アーム32及び一対のプレス盤33を有する。
【0029】
圧縮用アクチュエータ31は、バケットコンベヤ10の側方において機枠2に取り付けられている。圧縮用アクチュエータ31は、エアシリンダ、油圧シリンダ又は電磁ソレノイドである。圧縮用アクチュエータ31は、ロッド31aと、ロッド31aを空気圧、油圧又磁界により上方に進出させるとともに下方に引き込ませる本体31bと、を有する。圧縮用アクチュエータ31は、ロッド31aの進出・引き込みによりアーム32及び一対のプレス盤33を昇降させる。
【0030】
アーム32は、圧縮用アクチュエータ31のロッド31aに連結されている。アーム32は、圧縮用アクチュエータ31のロッド31aから前後に二股に分岐する。更にアーム32は、その分岐した先からバケットコンベヤ10の反対側の側部の方に延び出て、サイドガイド板19の上を乗り越える。更にアーム32は、その延び出た先から下方に垂下する。その垂下した先はアーム32の先端である。
【0031】
プレス盤33は、バケット15の移動経路の上方においてアーム32の先端に取り付けられている。プレス盤33が圧縮用アクチュエータ31によって昇降される。
【0032】
第1プレス機30の動作タイミングについて説明する。
バケットコンベヤ10のバケット15の移動中、プレス盤33が上昇した状態にある。
圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を下降させるタイミングは、バケットコンベヤ10が一時的に停止する時である。その時(バケットコンベヤ10が一時的に停止した時)には、製品90がプレス盤33の下方に位置する。そのため、プレス盤33が圧縮用アクチュエータ31によって下降すると、プレス盤33が製品90を押し潰し、これにより圧縮癖が製品90に付く。その後、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を上昇させたら、バケットコンベヤ10の搬送動作が再開される。なお、第1プレス機30の1サイクルの動作の周期は、バケットコンベヤ10の間欠的な搬送の1サイクルの周期に等しい。
【0033】
左右一対の第1支持機40について説明する。
各第1支持機40は、昇降用アクチュエータ41、昇降台42、前後一対の挿抜用アクチュエータ43及び前後一対の支持部44を有する。
【0034】
昇降用アクチュエータ41は、バケットコンベヤ10の側方において機枠2に取り付けられている。昇降用アクチュエータ41は、エアシリンダ、油圧シリンダ又は電磁ソレノイドである。昇降用アクチュエータ41は、ロッド41aと、ロッド41aを空気圧、油圧又磁界により上方に進出させるとともに下方に引き込ませる本体41bと、を有する。昇降用アクチュエータ41は、ロッド41aの進出・引き込みにより昇降台42、一対の挿抜用アクチュエータ43及び一対の支持部44を昇降させる。
【0035】
昇降台42は、昇降用アクチュエータ41のロッド41aに連結されている。昇降台42は、前後に長尺となるよう板状に設けられている。
【0036】
前後一対の挿抜用アクチュエータ43のうち前の挿抜用アクチュエータ43は、昇降台42の前部上に取り付けられ、後ろの挿抜用アクチュエータ43は、昇降台42の後部上に取り付けられている。これら挿抜用アクチュエータ43は、エアシリンダ、油圧シリンダ又は電磁ソレノイドである。各挿抜用アクチュエータ43は、ロッド43aと、ロッド43aを空気圧、油圧又磁界によりバケットコンベヤ10の幅方向中央の方に進出させるとともにバケットコンベヤ10の側方に引き込ませる本体43bと、を有する。挿抜用アクチュエータ43は、ロッド43aの進出・引き込みにより支持部44をバケットコンベヤ10の幅方向に移動させる。
【0037】
支持部44は、プレス盤33の下方において、挿抜用アクチュエータ43のロッド43aにそれぞれ取り付けられている。支持部44は、左右に長尺となるよう薄板状に設けられている。
【0038】
支持部44が挿抜用アクチュエータ43によってバケットコンベヤ10の幅方向中央の方へ移動すると、支持部44がバケット15の横からバケット15の横溝15gに挿入される。支持部44が挿抜用アクチュエータ43によってバケットコンベヤ10の側方へ移動すると、支持部44がバケット15の横溝15gからバケット15の横に抜ける。支持部44が昇降用アクチュエータ41によって上昇すると、
図4に示すように、支持部44がバケット15の底よりも上に位置する。支持部44が昇降用アクチュエータ41によって下降すると、
図3に示すように、支持部44がバケット15の底よりも下に位置する。なお、上述のように、バケット15の底には製品90が載置される。
【0039】
第1支持機40の動作タイミングについて説明する。
バケットコンベヤ10のバケット15の移動中、支持部44が横溝15gから横に抜けて下降した状態にある。
挿抜用アクチュエータ43が支持部44をバケットコンベヤ10の幅方向中央に移動させるタイミングは、バケットコンベヤ10が一時的に停止する時である。その時(バケットコンベヤ10が一時的に停止した時)には、バケット15の横溝15gが左右の支持部44の間に位置する。
【0040】
挿抜用アクチュエータ43が支持部44をバケットコンベヤ10の幅方向中央に移動させるタイミングは、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を下降させるタイミングの前である。そのため、支持部44がバケット15の横から横溝15gに挿入された後、製品90がプレス盤33によって押し潰される。
【0041】
昇降用アクチュエータ41が支持部44を上昇させるタイミングは、挿抜用アクチュエータ43が支持部44をバケットコンベヤ10の幅方向中央に移動させるタイミングの後である。そのため、支持部44がバケット15の横溝15gに挿入された後、支持部44がバケット15の横溝15gから上に突き出て、製品90が支持部44によってバケット15の底から持ち上げられる(
図4参照)。
【0042】
昇降用アクチュエータ41が支持部44を上昇させるタイミングは、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を下降させるタイミングの前若しくは後又はそれと同時である。そのため、製品90が支持部44によってバケット15の底から持ち上げられ、その前、その後又はそれと同時に、製品90がプレス盤33によって押し潰される(
図4参照)。ここで、昇降用アクチュエータ41が支持部44を上昇させるタイミングが、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を下降させるタイミングの前又はそれと同時であれば、製品90がプレス盤33によって押し潰される際に、製品90がバケット15の横溝15gへ撓み込むことが効率よく防止される。昇降用アクチュエータ41が支持部44を上昇させるタイミングが、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を下降させるタイミングの後であっても、製品90が支持部44によって持ち上げられることによって、横溝15gへの製品90の撓み込みが解消される。
【0043】
昇降用アクチュエータ41が支持部44を下降させるタイミングは、圧縮用アクチュエータ31がプレス盤33を上昇させるタイミングの後又はそれと同時である。そのため、プレス盤33による製品90の圧縮が解除された後、又はそれと同時に、支持部44がバケット15の横溝15gに引き込む。
【0044】
挿抜用アクチュエータ43が支持部44をバケットコンベヤ10の側方に移動させるタイミングは、昇降用アクチュエータ41が支持部44を下降させるタイミングの後である。そのため、支持部44がバケット15の横溝15gに下降した後、支持部44が横溝15gから側方へ抜ける。その後、バケットコンベヤ10の搬送動作が再開される。なお、第1支持機40の1サイクルの動作の周期は、第1プレス機30の1サイクルの動作の周期に等しい。
【0045】
5. 第2プレス機及び第2支持機
第2プレス機50及び左右一対の第2支持機60は、第1プレス機30及び第1支持機40よりも下流の方に設けられている。また、第2プレス機50及び左右一対の第2支持機60は、詰め込み位置Pよりも下流の方に設けられている。第2プレス機50は第1プレス機30と同様の構成であるため、第2プレス機50の詳細な説明を省略する。なお、第2プレス機50の動作タイミングは第1プレス機30の動作タイミングに同期する。
【0046】
一方の第2支持機60はバケットコンベヤ10の左側部に設けられ、他方の第2支持機60はバケットコンベヤ10の右側部に設けられている。左の第2支持機60と右の第2支持機60は互いに対称に設けられている。第2支持機60は第1支持機40と同様の構成であるため、第2支持機60の詳細な説明を省略する。なお、第2支持機60の動作タイミングは第1支持機40の動作タイミングに同期する。
【0047】
6. 押出機
図6~
図9は、
図2に示すVII-VII線に沿った面を矢印方向に見て示す断面図である。
押出機70は、詰め込み位置Pにおいて、搬送機20とは反対側のバケットコンベヤ10の側方に設けられている。押出機70は、バケットコンベヤ10の周期的な一時停止に同期して、詰め込み位置Pにあるバケット15内の製品90を後述のクランプ機構80によって上下に挟み込んで圧縮する。また、押出機70は、バケットコンベヤ10の周期的な一時停止に同期して、後述のプッシャー73をバケット15の底の上を搬送機20に向かって横切らせることによって、圧縮された製品90をプッシャー73によりバケット15の底の上から押し出して、箱95に供給するものである。
【0048】
押出機70は、第1駆動機構71、第2駆動機構72、プッシャー73及びクランプ機構80を備える。
【0049】
プッシャー73は、第1リニアガイド(図示略)を介して機枠2(
図3参照)に取り付けられている。プッシャー73は、搬送機20とは反対側のバケットコンベヤ10の側部から、バケットコンベヤ10の側の搬送機20の側部までの範囲で、第1リニアガイドによってバケットコンベヤ10の幅方向に案内される。
【0050】
クランプ機構80は、第2リニアガイド(図示略)を介してプッシャー73の基部、機枠2又は第1リニアガイドに取り付けられている。クランプ機構80は、プッシャー73に対して相対的に第2リニアガイドによってバケットコンベヤ10の幅方向に案内される。
【0051】
クランプ機構80は、製品90を上下に挟み込んで、製品90を圧縮するものである。ここで、クランプ機構80は、可動台81、下部アクチュエータ82、連結部材83、上部アクチュエータ84、連結部材85、下クランパ86及び上クランパ87を有する。
【0052】
可動台81は、第2リニアガイドを介してプッシャー73の基部、機枠2又は第1リニアガイドに取り付けられている。可動台81は、プッシャー73に対して相対的に第2リニアガイドによってバケットコンベヤ10の幅方向に案内される。
【0053】
下部アクチュエータ82は、可動台81に取り付けられている。下部アクチュエータ82は、エアシリンダ、油圧シリンダ又は電磁ソレノイドである。下部アクチュエータ82は、ロッド82aと、ロッド82aを空気圧、油圧又磁界により上方に進出させるとともに下方に引き込ませる本体82bと、を有する。下部アクチュエータ82は、ロッド82aの進出・引き込みにより連結部材83及び下クランパ86を昇降させる。
【0054】
下クランパ86は、連結部材83を介して下部アクチュエータ82のロッド82aに取り付けられている。下クランパ86は、左右方向に長尺となるよう薄板状に設けられている。下クランパ86が下部アクチュエータ82によって上昇すると、下クランパ86がバケット15の底よりも上に位置する。下クランパ86が下部アクチュエータ82によって下降すると、下クランパ86がバケット15の底よりも下に位置する。なお、上述のように、バケット15の底には製品90が載置される。
【0055】
上部アクチュエータ84は、可動台81に取り付けられている。上部アクチュエータ84は、エアシリンダ、油圧シリンダ又は電磁ソレノイドである。上部アクチュエータ84は、ロッド84aと、ロッド84aを空気圧、油圧又磁界により上方に進出させるとともに下方に引き込ませる本体84bと、を有する。上部アクチュエータ84は、ロッド84aの進出・引き込みにより連結部材85及び上クランパ87を昇降させる。
【0056】
上クランパ87は、連結部材85を介して上部アクチュエータ84のロッド84aに取り付けられている。上クランパ87は、左右方向に長尺となるよう薄板状に設けられている。上クランパ87は下クランパ86から上方に離間している。
【0057】
第1駆動機構71は、プッシャー73、第2駆動機構72及びクランプ機構80を一体的にバケットコンベヤ10の幅方向に往復移動させるようプッシャー73、第2駆動機構72及びクランプ機構80を駆動する。第1駆動機構71は、モーターと、そのモーターの回転運動をプッシャー73、第2駆動機構72及びクランプ機構80の直線運動に変換する直動伝動機構とを有する。その直動伝動機構は例えば巻き掛け伝動機構、ラックアンドピニオン機構又はボールネジ伝動機構である。
【0058】
第2駆動機構72は、プッシャー73に対して相対的にクランプ機構80をバケットコンベヤ10の幅方向に往復移動させるようクランプ機構80を駆動する。第2駆動機構72は、モーターと、そのモーターの回転運動をプッシャー73の直線運動に変換する直動伝動機構とを有する。その直動伝動機構は例えば巻き掛け伝動機構、ラックアンドピニオン機構又はボールネジ伝動機構である。
【0059】
なお、第1駆動機構71と第2駆動機構72は、例えばクラッチ機構を利用して、共通のモーターを動力源としてもよい。クラッチ機構は、共通のモーターを第1駆動機構71の直動伝動機構に接続した時には共通のモーターを第2駆動機構72の直動伝動機構から遮断し、共通のモーターを第2駆動機構72の直動伝動機構に接続した時には共通のモーターを第1駆動機構71の直動伝動機構から遮断する。
【0060】
押出機70の動作について説明する。
バケットコンベヤ10及び搬送機20の一時停止前には、
図6に示すようにプッシャー73は搬送機20とは反対側となるバケットコンベヤ10の側部に位置している。クランプ機構80、下クランパ86及び上クランパ87は搬送機20とは反対側となるバケットコンベヤ10の側方に位置している。また、下クランパ86がバケット15の底よりも下に位置し、上クランパ87が製品90の上面よりも上に位置している。このような押出機70の状態を初期状態という。
【0061】
バケットコンベヤ10が一時的に停止した時、製品90がプッシャー73の横に位置し、バケット15の横溝15gが下クランパ86の先端の先方に位置し、箱95が製品90の横に位置する。
【0062】
バケットコンベヤ10及び搬送機20が一時的に停止したら、
図7に示すように、第2駆動機構72がプッシャー73に対して相対的にクランプ機構80をバケットコンベヤ10の方へ移動させる。そうすると、下クランパ86がバケット15の横から横溝15gに挿入され、上クランパ87が詰め込み位置Pの製品90の上方に位置する。ここで、上述のように圧縮癖が第1プレス機30、第1支持機40、第2プレス機50及び第2支持機60によって製品90に付けられ、製品90が横溝15gに撓み込んでいないので、下クランパ86が製品90に引っ掛からない。
【0063】
その後、
図8に示すように、下部アクチュエータ82が下クランパ86を上昇させるとともに、上部アクチュエータ84が上クランパ87を下降させる。そうすると、詰め込み位置Pの製品90が下クランパ86及び上クランパ87によって挟み込まれて、圧縮される。
【0064】
その後、
図9に示すように、第1駆動機構71がプッシャー73、第2駆動機構72及びクランプ機構80を一体的にバケットコンベヤ10の方へ移動させる。そうすると、下クランパ86及び上クランパ87が製品90を挟み込んだ状態で搬送機20の方へ移動し、プッシャー73がバケット15の底の上を搬送機20の方へ横切る。そのため、製品90がプッシャー73によってバケット15の底の上から搬送機20の方へ押し出される。そして、製品90が箱95に詰め込まれ、上クランパ87及び下クランパ86が箱95に挿入される。この際、製品90が下クランパ86及び上クランパ87によって挟み込まれているため、製品90が箱95に引っ掛かることなく箱95に詰められる。
【0065】
その後、第2駆動機構72がプッシャー73に対して相対的にクランプ機構80を搬送機20からバケットコンベヤ10の方へ移動させる。そのため、上クランパ87及び下クランパ86が箱95から抜け、下クランパ86が横溝15gに挿入される。製品90がプッシャー73によって抑えられているため、製品90が上クランパ87及び下クランパ86に追従しない。
【0066】
その後、第1駆動機構71がプッシャー73、第2駆動機構72及びクランプ機構80を一体的にバケットコンベヤ10の側方へ移動させると、下クランパ86が横溝15gからバケット15の横に抜ける。また、下部アクチュエータ82が下クランパ86を下降させるとともに、上部アクチュエータ84が上クランパ87を上昇させる。これにより、押出機70が初期状態に戻る。
【0067】
その後、バケットコンベヤ10及び搬送機20の搬送動作が再開される。
【0068】
7. 有利な効果
(1) 箱詰めの前に圧縮癖が第1プレス機30、第1支持機40、第2プレス機50及び第2支持機60によって製品90に付けられ、製品90が横溝15gに撓み込んでいないため、プッシャー73によって押される製品90は箱95に引っ掛からずに箱95に詰め込まれる。
【0069】
(2) 箱詰めの前に圧縮癖が第1プレス機30、第1支持機40、第2プレス機50及び第2支持機60によって製品90に付けられ、製品90が横溝15gに撓み込んでいないため、下クランパ86が横溝15gに挿入される際に、下クランパ86が製品90に引っ掛からない。
【0070】
8. 変形例
(1) 上記押出機70はクランプ機構付きであったが、そうでなくてもよい。つまり、第2駆動機構72及びクランプ機構80が押出機70に設けられていなくてもよい。この場合、製品90が圧縮されないため、箱95の高さは高く設定される。上述のように圧縮癖が第1プレス機30、第1支持機40、第2プレス機50及び第2支持機60によって製品90に付けられ、製品90が横溝15gに撓み込んでいないので、製品90をクランプ機構80によって圧縮しなくても、プッシャー73によって押される製品90は箱95に引っ掛からずに箱95に詰め込まれる。また、製品90の下層のマスクがバケット15の底に残らないように、プッシャー73の一部がバケット15の横溝15gに入り込んだ状態で、プッシャー73がバケット15の底の上を箱95の方へ横切る。
【0071】
(2) 上記実施形態では、搬送機20が箱95を搬送するものであったが、箱95を搬送しないものでもよい。この場合、製品90は、押出機70によってバケット15の底から詰め込み位置Pの横の搬送機20上に供給される。その製品90は、搬送機20によって搬送される。
【0072】
(3) 上記実施形態では、横溝15gがバケット20の底に形成されることによって、バケット20の底が前部底板15aと後部底板15cに分割されている。それに対して、横溝15gがバケット20の底に形成されても、バケット20の底が分割されていなくてもよい。この場合でも、横溝15gは、上方のみならず、側方にも開放されている。
【0073】
(4) 上記実施形態では、搬送機20がバケットコンベヤ10と並列に配置されているが、ピロー包装機又は袋詰め包装機といった包装機がバケットコンベヤ10の横に設けられていてもよい。
ピロー包装機の場合、押出機70が、プッシャー73によって製品90を詰め込み位置Pのバケット15の底から押し出して、ピロー包装機の製袋器によって製袋された筒状フィルム内に製品90を供給する。押出機70が、プッシャー73によって製品90を詰め込み位置Pのバケット15の底から押し出して、袋詰め包装機によって送られる袋内に製品90を供給する。包装機によって搬送される筒状フィルム又は袋の送り方向は、搬送方向Xと平行であってもよいし、鉛直方向であってもよいし、搬送方向Xに対して垂直な水平方向であってもよい。
【0074】
(5) (1)~(4)において挙げた変更を組み合わせて適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…供給装置
10…バケットコンベヤ
15…バケット
20…搬送機
30,50…プレス機
33…プレス盤
40,60…支持機
44…支持部
70…押出機
73…プッシャー
90…製品