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特許7588853実行可能なインテリジェンスに応答して通信を適合させるシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】実行可能なインテリジェンスに応答して通信を適合させるシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/302 20220101AFI20241118BHJP
   H04L 45/247 20220101ALI20241118BHJP
【FI】
H04L45/302
H04L45/247
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021504514
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CA2019051039
(87)【国際公開番号】W WO2020024046
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】62/711,989
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517351983
【氏名又は名称】デジェロ ラブス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フルシナ ボグダン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー トッド
(72)【発明者】
【氏名】スミス キャメロン ケニス
(72)【発明者】
【氏名】オベールホルツァー ジョナソン
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0347236(US,A1)
【文献】特開2004-023763(JP,A)
【文献】特開2015-154398(JP,A)
【文献】米国特許第08249546(US,B1)
【文献】米国特許第09752840(US,B1)
【文献】特開2011-114764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0271658(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/302
H04L 45/247
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するためのコンピュータシステムであって、
一つ又は複数のセンサと電子通信し、前記トリガイベントに関連付けられた一つ又は複数のデータセットを受信するように構成されたセンサ通信受信機と、
少なくともプロセッサを含み、前記トリガイベントに関連付けられた物理スイッチの作動に対応する生データを受信するために前記センサ通信受信機と通信するためのネットワーク通信コントローラデバイスであって、ターゲットデバイスの現在の通信パフォーマンスに対し、通信パフォーマンスに関して要求され少なくとも帯域幅の変化を含む変化を決定するように構成されたネットワーク通信コントローラデバイスとを備え、
前記ネットワーク通信コントローラデバイスは、前記ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定又は優先解除するために一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスに関する前記変化を提供するように構成され、
前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスに以前割り当てられたネットワークリンクを再割り当てし、前記再割り当てされたネットワークリンクを前記ターゲットデバイスと通信局との間のマルチパスルーティングのために使用することを含み、
前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記変化した通信パフォーマンスを提供すべく一つ又は複数のセルラー通信ベクトルを再割り当てするための電子命令を含むデータメッセージを一つ又は複数のセルラー基地局に送信することを含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記ターゲットデバイスと前記通信局と間のマルチパスルーティングは、二つ以上の通信チャンネルの結合を含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記一つ又は複数のネットワークリンクの誤り制御機能及びデータ送信機能の割当を変更することを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスは携帯セルラールータを含み、前記携帯セルラールータはローカルエリアネットワーク接続を介して前記ターゲットデバイスに電子的に結合され、
前記携帯セルラールータに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスは誤り制御機能が割り当てられる、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記一つ又は複数のセルラー通信ベクトルは、変調方式に応じた特定のセルラー通信チャンネルを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
通信パフォーマンスに関して前記要求される変化は、電子メモリに格納された車両のルートに基づく一つ又は複数の目標位置について指定され、前記ターゲットデバイスと前記通信局との間の通信を優先設定するための一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記車両が前記一つ又は複数の目標位置に移動している間に前記一つ又は複数の目標位置において先んじて実行される、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
通信パフォーマンスに関して前記要求される変化は、電子メモリに格納された車両又は人間のルートについて指定され、前記ターゲットデバイスと前記通信局との間の通信を優先設定するための一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記車両又は前記人間が前記ルートを進む間に前記車両又は前記人間に近い前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスのサブセットに対応する前記一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記一つ又は複数のセンサは武器固定デバイスセンサ又は非常用車両照明装置点灯センサの少なくとも一方を含み、前記ターゲットデバイスはボディカメラ、敵味方識別トランスポンダ又はダッシュボードカメラのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記ターゲットデバイスは、低帯域幅データストリーム及び高帯域幅データストリームの両方を記録するように適合され、前記低帯域幅データストリームは前記一つ又は複数のデータルーティングパスを介して送信され、前記高帯域幅データストリームはローカルデータストレージ又はローカルコンピュータメモリに格納される、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するためのコンピュータ方法であって、
前記トリガイベントに関連付けられた一つ又は複数のデータセットを受信することと、
ターゲットデバイスの現在の通信パフォーマンスに対し、通信パフォーマンスに関して要求され少なくとも帯域幅の変化を含む変化を決定することと、
前記ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定又は優先解除するために一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスに関する前記変化を提供することと、を含み、
前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスに以前割り当てられたネットワークリンクを再割り当てし、前記再割り当てされたネットワークリンクを前記ターゲットデバイスと通信局との間のマルチパスルーティングのために使用することを含み、
一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記変化した通信パフォーマンスを提供すべく一つ又は複数のセルラー通信ベクトルを再割り当てするための電子命令を含むデータメッセージを一つ又は複数のセルラー基地局に送信することを含む、コンピュータ方法。
【請求項11】
前記ターゲットデバイスと前記通信局と間のマルチパスルーティングは、二つ以上の通信チャンネルの結合を含む、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項12】
前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記一つ又は複数のネットワークリンクの誤り制御機能及びデータ送信機能の割当を変更することを含む、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項13】
前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスは携帯セルラールータを含み、前記携帯セルラールータはローカルエリアネットワーク接続を介して前記ターゲットデバイスに電子的に結合され、
前記携帯セルラールータに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスは誤り制御機能が割り当てられる、請求項12に記載のコンピュータ方法。
【請求項14】
前記一つ又は複数のセルラー通信ベクトルは、変調方式に応じた特定のセルラー通信チャンネルを含む、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項15】
通信パフォーマンスに関して前記要求される変化は、電子メモリに格納された車両のルートに基づく一つ又は複数の目標位置について指定され、前記ターゲットデバイスと前記通信局との間の通信を優先設定するための一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記車両が前記一つ又は複数の目標位置に移動している間に前記一つ又は複数の目標位置において先んじて実行される、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項16】
通信パフォーマンスに関し、前記要求される変化は、電子メモリに格納された車両又は人間のルートについて指定され、前記ターゲットデバイスと前記通信局との間の通信を優先設定するための一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記車両又は前記人間が前記ルートを進む間に前記車両又は前記人間に近い前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスのサブセットに対応する前記一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することを含む、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項17】
前記一つ又は複数のセンサは武器固定デバイスセンサ又は非常用車両照明装置点灯センサの少なくとも一方を含み、前記ターゲットデバイスはボディカメラ、敵味方識別トランスポンダ又はダッシュボードカメラのうちの少なくとも一つを含む、請求項10に記載のコンピュータ方法。
【請求項18】
実行されるとトリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更する方法をプロセッサに実行させる、機械解釈可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
前記トリガイベントに関連付けられた一つ又は複数のデータセットを受信することと、
ターゲットデバイスの現在の通信パフォーマンスに対し、通信パフォーマンスに関して要求され少なくとも帯域幅の変化を含む変化を決定することと、
前記ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定又は優先解除するために一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスに関する前記変化を提供することと、を含み、
前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスに以前割り当てられたネットワークリンクを再割り当てし、前記再割り当てされたネットワークリンクを前記ターゲットデバイスと通信局との間のマルチパスルーティングのために使用することを含み、
前記一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた前記一つ又は複数のデータルーティングパスの前記変更は、前記変化した通信パフォーマンスを提供すべく一つ又は複数のセルラー通信ベクトルを再割り当てするための電子命令を含むデータメッセージを一つ又は複数のセルラー基地局に送信することを含む、機械解釈可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「SYSTEM AND METHOD TO ADAPT COMMUNICATIONS RESPONSIVE TO ACTIONABLE INTELLIGENCE」との名称で2018年7月30日に出願された米国非仮出願第62/711,989号であり、また、「A SYSTEM AND METHOD FOR TRANSMISSION OF DATA FROM A WIRELESS MOBILE DEVICE OVER A MULTIPATH WIRELESS ROUTER」との名称で2018年6月29日に出願された米国特許出願第16/023406号の一部継続出願であり、これは2015年2月6日に出願された米国出願第14/616,060号の継続出願であり、これは2013年10月31日に出願された米国出願第14/114,984号の継続出願であり、これは2013年4月16日に出願された国際出願第PCT/IB2013/000690号の国内段階出願であり、これは2012年4月13日に出願された米国出願第13/446,825号の一部継続出願であり、これは2011年7月15日に出願された米国出願第13/183,652号の一部継続出願であり、これは2010年7月15日に出願された米国仮出願第61/364,598号の利益を主張するものである。これらの関連出願のそれぞれの内容は、参照によりここに組み込まれるものとする。
【0002】
本開示の実施形態は概してネットワークの接続性の分野に関するものであり、より具体的には実施形態は、イベント又は潜在イベントを構成する一つ又は複数のデータポイントに基づいて決定されるトリガに応答する通信を自動的に優先設定する又は優先解除するためのデバイス、システム、及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
緊急時、又は即時の状況認識を必要とする他の状況において、多様なインプットに基づき実行可能なインテリジェンスを保持する能力は、警察官/民間人のインタラクションについての調査が増加する時代において必要性が高まっている分野である。
【0004】
既存の解決策は、中央処理用の単一の接続を介し、比較的少量の単純なデータを送ることに依拠する。場合によっては、データフローは一方向であり、モノのインターネット(IoT)のエンドポイントデバイスの主たる作用は、中央サービスに状態に関する注意を喚起させる。双方向のデータフローの場合であっても、IoTエンドポイントデバイスは単純であり、当該のエンドポイントのみに関連する固定のルールのみに基づいており、より大きなインシデントに関連付けることができる他のエンドポイントの分析はない。
【0005】
実行可能なインテリジェンスは、電子通信能力を利用する。しかしながら、安定した信頼性の高い接続リンクは必ずしも常時得られるわけではなく、例えば、個人に割り当てられた他の低優先度通信を含む他のパーティーの使用により輻輳する。例えば、警察車両はビデオフィードを連続的に送信すること、又は令状請求データを送ること又は基地局からファームウェア更新を受信することもあり、警察官が容疑者を確保するときに帯域幅が得られないという結果になる。
【発明の概要】
【0006】
緊急時又は即時の状況認識を必要とする他の状況において、さまざまなインプット、例えばイベントやインシデントからのデータに基づき実行可能なインテリジェンスを用いるデバイス、システム及び方法が記載される。
【0007】
実行可能なインテリジェンスとは、人間にガイダンスや特定の情報を提供するシステムによるアウトプットを意味する場合もあり、人間はインシデントを解決するためにこのアウトプットにより提供される情報に沿って行動することができる。治安の維持が緊急の目的であれば、ここに開示される技術はさまざまな分野に応用可能であり、救急業務、健康管理、軍事、及び治安などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0008】
第1の態様においては、マルチパスルーティング通信経路をトリガイベントに応答して動的に変更するために提供される、実施形態に従うコンピュータシステムがある。対応のコンピュータプログラム(例えば、プロセッサによる実行のための機械解釈可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体)及び方法もまた考察される。システムは、典型的にはトリガイベントである検出されたイベントに関連付けられたデータセットを周期的に受信するように構成されたセンサを備える、電子通信のためのセンサ通信受信機を含む。データセットは、例えば、閾値を超える値、又は、まとめると閾値を超える総計となる値の組合せを有することによりトリガイベントを表示することができる。例えば、ホルスターは、武器を固定する折り返しの開閉状態を示す磁気センサを有してもよい。折り返しが開いているときに、トリガイベント(例えば、トグルが武器引き抜き範囲にある)に関連付けられたブール値が変更されてもよい。
【0009】
したがって、システムは感知されたデータセットをトリガイベントに関連付け、それによりイベントが発生したと決定し、警察官のボディカメラの通信を再ルーティングし且つ再優先設定するためにマルチパス通信経路の適応をトリガする。例えば、警察車両が特定の速度を超えた時又は急激な加速(例えば、恐らく警察車両が衝突されたことを表す)に見舞われたときには、別の種類のトリガイベントが可能である。
【0010】
他のセンサは、非常灯起動センサ、優先資源を要求することに直接に関連付けられたスイッチ(例えば、非常灯の起動が警察官の位置を明らかにする場合に有用)、個人モニタリングデバイス(例えば心拍センサ)、遭難信号(例えば非常ビーコン)、敵味方識別トランスポンダ、粒子検出器(例えばガイガーカウンタ)、ジャイロスコープ/加速度計、などを含み得る。
【0011】
データセットは、生データを含むことが可能であり、これは検出されたイベントが発生したことを決定するために処理できる。検出されたイベントは、例えば、武器ラック/ホルスターへの武器の装着又は取り外し、車両照明の点灯/消灯、優先通信の必要性を明示的に表示するスイッチの切換え、などであり得る。
【0012】
実行可能なインテリジェンスはトグル切換えメカニズムとして使用可能であり、さらに高優先度の又は非常に重要な一つ(又は複数)の通信チャンネルが要求されることを予想し、電子通信経路を確立するために利用できる。実行可能なインテリジェンスは本質的に時間的制約があり、データと、巧みに一体化された接続性を通じて十分な接続性資源を供給する一つ又は複数のプロセスに従って起動される論理機構との組合せにより実現される。
【0013】
システムは、プロセッサを有しセンサ通信受信機との通信に適合化されたネットワーク通信コントローラデバイスを含む。ネットワーク通信コントローラは、ターゲットデバイスについて現在の通信パフォーマンスを基準とし、要求される通信パフォーマンスの増強又は削減を決定し、一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスの増強又は削減を提供し、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定する。
【0014】
データルーティングパスの変更は、他のネットワークデバイスに既に割り当てられているネットワークリンクを再割り当てすること、及びターゲットデバイスと通信局との間のマルチパスルーティングのために再割り当てされたネットワークリンクを使用することを含み得る。データルーティングパスの変更は、例えば、ネットワークリンクの誤り制御機能及びデータ送信機能の割り当てを変更することを含み得る。
【0015】
他のネットワークデバイスは、ローカルエリアネットワーク接続を介してターゲットデバイスに電子的に接続される携帯セルラールータ(例えば、車両がセルラーホットスポットを有してもよい)を含むことが可能であり、セルラールータに関連付けられたデータルーティングパスに誤り制御機能を割り当て、例えば通信局への信号のターゲットデバイスへの/からの総スループットを改善し得る。
【0016】
他のネットワークデバイスに割り当てられたデータルーティングパスの変更は、更に、他のネットワークデバイスのサブセットの対応のネットワークリンクの全体をターゲットデバイスに再割り当てすることにより他のネットワークデバイスのサブセットからの通信を一時的に停止させることを含み得る。
【0017】
他のネットワークデバイスに割り当てられたデータルーティングパスの変更は、増強された通信パフォーマンスを提供するためにセルラー通信ベクトルを再割り当てするための電子命令を含むデータメッセージをセルラー基地局に送信することを含み得る。これは、例えばパレードに起因してセルラーネットワークが渋滞する可能性がある場合に有効である。
【0018】
要求される通信パフォーマンスの増強は、電子メモリに格納された車両のルートに基づいて目標位置について指定することが可能であり、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定するための他のネットワークデバイスに割り当てられたデータルーティングパスの変更は、車両が目標位置に移動している間に目標位置において先行して実行可能であり、車両がルートに沿って進行するにつれて通信パスを効果的にクリアすることが可能である。
【0019】
要求される通信パフォーマンスの増強は、電子メモリに格納された車両又は人間のルートについて指定することが可能であり、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定するための他のネットワークデバイスに割り当てられたデータルーティングパスの変更は、上記車両又は人間がルート上を移動している間に他のネットワークデバイスの上記車両又は人間に最も近いサブセットに対応するデータルーティングパスを変更することを含む。
【0020】
センサは、例えば、武器固定デバイスセンサ又は非常用車両照明装置点灯センサの少なくとも一方を含み、ターゲットデバイスはボディカメラ、又は敵味方識別トランスポンダ、又はダッシュボードカメラの少なくとも一つを含む。他の例としての実施形態は、例えば、システムがスポーツイベントとの関連で、コンサート、軍事、捜索、又は捜索及び救助などで使用される場合に可能である。
【0021】
センサは、一部の実施形態においては、カメラ、マイクロホン、又は他の記録デバイスであり得る。
【0022】
一部の実施形態において、ターゲットデバイスは低帯域幅データストリーム及び高帯域幅データストリームの両方を記録するように適応され、低帯域幅データストリームはターゲットデバイスによりデータルーティングパスを介して送信され、高帯域幅データストリームはローカルデータストレージ又はローカルコンピュータメモリに格納される。
【0023】
一部の実施形態においては、プロセッサは特定の位置又は一連の位置において既存の利用可能な通信リンクのマッピングを生成し、このマッピングをデータ構造内に格納するように構成されており、データ構造は例えばアレイ又は連結リストである。利用可能な通信リンクの特性は、例えば、信号強度、パケットロス、遅延、タイプ、期待スループット、周波数バンド/チャンネル、有効余剰、拡張性/制御性、キャリアなどである。特に、より多くの資源を要求し、信号を基地局に送ることにより帯域幅割当又は他の特性が変更可能となるように、特定のネットワークが制御可能であるとのフラグが立てられてもよい(例えば、フレンドリキャリアにより操作される)。これらのネットワークを介し、バルクデータ転送を優先してもよい。
【0024】
一方、通信リンクが疑わしい又は制御し難い場合、信号を盗聴する第三者が存在する可能性があり、データ転送の増加が緊急業務活動の増加についての望ましくない指標をもたらすことになるので、通信リンクに誤り制御機能のみを割り当てる(例えば、パリティビット、誤り訂正コードを送る)ことが可能である。しかしながら、特に、接続品質が他の利用可能な接続の中で劣っている場合には、通信リンクは一定の限定された機能性については依然有用であり得る。疑わしい接続は、例えば、一定の距離及び基準トラフィックレベル(例えば、「Stingray」)に予想されるものを超える、近くの携帯電話タワーからの極端に強い信号を介してのスヌーピングや盗聴の可能性が高い接続を含み得る。
【0025】
既存の通信経路を使用(再割り当て)することが可能であり、また、新たな経路(例えば、高額な衛星接続)を開くことも可能である。異なる優先度を確立することができる(輻輳管理の観点からチャンネルを最高の優先度を有すると指定することができる)。更に、誤り制御機能及び輻輳制御機能を変更し、スループット又は他の応答特性を改善することができる。
【0026】
緊急時や即時の状況認識を必要とする他の状況において、コンピュータが解釈可能なさまざまなインプットに基づき、実行可能なインテリジェンスを用いる能力を保持することが望ましい。実行可能なインテリジェンス及び状況認識は、例えば、センサ、GPSユニット、無線の使用、傍受された電子信号などから抽出されるモニタ情報を介して検出可能である。さまざまな実施形態に記載されているように、情報を取り込み実行することができるように、通信はイベント又は時にはイベントの近くにおいて、信頼性があり十分に強い必要がある。更に、イベントはしばしば無秩序であり、無計画であり、そして予測できないスペクトル環境にある。
【0027】
したがって、ここに記載の実施形態は、感知されたデータに基づき自動的にトリガされる。
【0028】
イベントの一例は、警察官と容疑者との予期しない遭遇である。この遭遇の間に、警察官は、この遭遇の詳細を取り込みながらデータを無線で送信するように構成されたボディカメラを身に着けることができる。
【0029】
ボディカメラは、制限されたストレージを有し、そして、記録されたデータを警察車両の近くに存在するストレージなどのデータ中継媒体又はオフサイトのストレージにおいて送信する必用があり得る。しかしながら、ボディカメラとデータを送信する必要のある場所との間の典型的シナリオにおいては、十分な資源がない場合もある。したがって、トレードオフが必要であり、ボディカメラにより送信されるビデオの品質を下げることができるが、例えば、法廷での手続きにおける更なる分析の際のビデオの妥当性に影響を及ぼすこととなる。また、情報を送信することなくローカルに格納することは、ストレージを改ざん、消去、又は破壊に晒すことになる。
【0030】
改良されたネットワーク通信コントローラデバイス及びネットワーク通信を改善する対応のコンピュータ実施方法が、実行可能なインテリジェンスを取り込むこと且つ実行することの両方を可能とする、信頼性が高くそして強い通信を確保するために用いられる実施形態として記載されている。イベント又は潜在的イベントの優先度及び/又は重大度に応じて、それは一つ又は複数のデータポイントに適用される一連のルールを介して自動的にあるいはマニュアル操作によりセットできるものであるが、改良されたネットワーク通信コントローラデバイスはデータ送信を再優先設定するために制御信号を既存の通信リンクに沿って送信することができる。一部の実施形態では、付加的通信資源を得ることが可能であり(例えば、高額な衛星接続の使用を要求する)、あるいは他の目的に使用されている既存の資源の取り込み又はスケジュールの組み直しが可能である。
【0031】
改良されたネットワーク通信コントローラデバイスは、トリガイベントに続くネットワーク通信において、改善された速度及び信頼性を自動的に提供するためにボンディング技術を使用するように適合されている。この改善された通信能力はトリガイベントに応答するように使用され、コストを最小にし、衛星信号などの資源を共有し且つリアルタイムの必要性に応じて優先設定する。
【0032】
例示的、非限定的な一例として、警察官が強盗からの電話に関係する場所に到着することがある。警察官が到着したことを警察官の車両又はスマートフォンGPSが検知すると、最初のトリガイベントが満たされる。ネットワーク通信コントローラデバイスは、ボディカメラ、スマートフォン、又は通信を要求する他のデバイスに加え、警察官の車両に搭載のコンピュータへの通信資源の割り当てを増すことを開始する。他の緊要ではない又は低重要度の通信機能は、抑制又は遅らせる(例えば、警察車両の燃料搭載量、タイヤ圧力、ルーチンメンテナンスの必要性を表す信号は遅らせてもよい)。衛星のような共有資源においては、集中コントローラが他の緊要でない他の場所からの通信を整理又は抑制し、資源を要求するこれらデバイスへの通信資源の割り当てを増加させてもよい。
【0033】
警察官は、現場で参考人の存在を確認し、そして彼の武器をインテリジェントホルスターから引き抜く。ホルスターは、武器がホルスターから引き抜かれたことを表す信号を自動的に送信し、ネットワーク通信コントローラデバイスはこの信号を受信し、例えば、インシデントの現場からのビデオ送信の品質を低フレームレート、低解像度プレビューから高解像度、フルフレームレートビデオストリームへと改善することにより通信資源の割り当てを更に増やす。警察官が容疑者に接近するときに、ボディカメラ(又は他の通信機器)は最大(又はより多くの)利用可能な通信資源(又は、少なくとも高められた閾値、フルフレームレート、又は一連のより高い通信基準を満たす)でサポートされる。他のトリガ、例えばサイレンの始動が可能である。ダッシュカメラビデオのフレームレート及び/又は解像度を改善してもよい。
【0034】
警察官が状況を収めることができる場合、警察官は武器をホルスターに戻す。したがって、通信資源を低レベルに縮小させてもよいその時点で信号を生成することが可能であり、そして例えば、警察官が車両に乗り込み現場を離れるときに車両のGPS位置が追跡され、ネットワーク通信コントローラデバイスは通信資源のレベルを通常レベルに戻す。
【0035】
他の状況及び用途、例えば、軍事用途、非緊急の状況、例えば警察官が予定されてはいるが潜在的に危険を伴う活動に従事する場合、犯罪者を移送する場合などが考察される。
【0036】
同様に、実装形態は第1のレスポンダの実装形態に限定されない。更に以下に記載するように、通信資源の短期間の増加が必要となる場合、他の可能な実装形態が存在する。
例えば、航空機が飛行経路から逸脱していると判定された場合、通信が維持可能であると確信することを支援するために、付加的通信資源を自動的に割り当てることができる。
【0037】
コントローラデバイスは、通信インタフェースを変更する制御信号を生成して送信する接続管理回路を提供するように適合された回路構成を含む。コントローラデバイスは、一部の実施形態においては、改良されたネットワークルータ、又はプロセッサ、コントローラ回路、コンピュータ可読メモリ及びデータストレージを含む特定用途計算デバイスである。コントローラデバイスは、一部の実施形態においては、宛先計算デバイスへ転送する又は宛先計算デバイスから受け取るデータパケットを受信し格納するための一つ又は複数の通信バッファを格納するコンピュータメモリを含む。多重同時データ接続のために一つ又は複数の通信リンケージを利用することが、参照によりここに組み込まれる本出願人の出願第14/360372号に記載されている。宛先計算デバイスへの転送(又はその逆)のためのパケットルーティング用に構成された通信バッファを利用することが、参照によりここに組み込まれる本出願人の出願第12/499151号及び第14/341057号に記載されている。
【0038】
通信インタフェースは、他の通信デバイスと連携し、異種のネットワーク通信特性を有し得る一つ又は複数の接続を提供する。接続管理回路は、インシデントに関連して受信したデータパケット(例えば、データを表すデータパケット、イベント、情報など)に応答し、再優先設定するために及び/又は情報を伝えるために一つ又は複数の接続の使われ方を変更すべく通信特性を変更する。
【0039】
一部の実施形態においては、一つ又は複数の接続は調整可能な又は変更可能な特性を有し、それらは遅延を短縮するなどのために例えば帯域幅を広げるためトリガ可能である。付加的チャンネルを追加することが可能であり、多重化/多重分離化に使用される技術を変更等することができる。
【0040】
本開示は、イベント又はインシデントからのデータに応答する改良されたネットワーク通信コントローラデバイスを内蔵するシステムに関するものであり、このシステムはルールエンジン及び接続マネージャを備える。接続マネージャ及びルールエンジンは単一体であり得るが、仮想的又は物理的位置で離れていてもよく、その状況又は固有の能力に応じて異なるパラメータの下で動作可能である。接続マネージャ及びルールエンジンは、別々に又は単一体としてローカルに、インシデントの現場に、中央に、あるいは遠隔に設置可能である。好ましい実施形態においては、システムは単一のデバイスとして提供される異なるハードウェア回路構成を含むデバイスである。他の実施形態においては、システムは、互いに電子的に結合しており必ずしも同じデバイス内には存在しないソフトウェアモジュールとハードウェアデバイスとの組合せである。
【0041】
イベントは一つ又は複数の同時に取り込まれるデータポイントを含む。インシデントは一つ又は複数のイベントからなり、一つのイベントは一つ又は複数のインシデントの一部を形成してもよい。本システムは、自動的なプロセス又はマニュアル操作の入力を経て、イベント又は一連のイベントがインシデントを構成していると宣言することができる。インシデントの重大度及び/又は優先度は、一つ又は複数のデータポイントに適用される一連のルールを介して自動的に、又はマニュアル操作で設定可能である。
【0042】
一つの態様においては、インシデントから収集され送信されるデータに基づいてインシデントタイムラインを生成することが可能である。インシデントタイムラインは、リアルタイムで又は事後に作られることが可能であり、編集され注釈が付けられてもよく、そのような編集又は注釈により追跡される。
【0043】
他の態様においては、インシデントに関連する異なる情報源、例えば、さまざまなセンサから収集され送信されるデータを融合することによりインシデントタイムラインを生成するために、顔認識、音声/意味分析、及び知的検索を含む人工知能分析を用いることが可能である。データの融合は、リアルタイムで又は事後に完了することができる。インシデントタイムラインは編集され注釈が付けられてもよく、そのような編集又は注釈により追跡される。
【0044】
他の態様においては、インシデントタイムライン内において又は特定の時点を考慮したときにギャップが確認できるかどうかを決定するために、インシデントタイムラインについて分析を行うべく顔認識、音声/意味分析、及び知的検索を含む人工知能分析エンジンを用いることができる。分析に基づき、人工知能分析エンジンにより確認されたギャップを既存の情報、他の調査手段により探索されるべき情報、又はインシデントの開始に先立って発生したイベントからの情報で埋めるために、インシデントの異なる情報源から収集され、送信されるデータを融合することが可能である。
【0045】
他の態様においては、システムは、リアルタイムで又はインシデント応答プロトコルの改善のための提案を呈示するデータを探り出すために、インシデントの可能な結果についてのコンピュータ支援予想を生成するように構成された人工知能エンジンに適用されるように構成される。システムは、インシデントタイムライン内のイベントが先行するインシデントにおいてどのように完了するかについての予測に基づき、特定の資源をインシデントに使用できるようにすることを推奨する及び/又は要求するために人工知能分析エンジンを使用することができる。
【0046】
例えば、人工知能分析エンジンは、インシデントの画像を提供するために、他に方法がない場合、特定の場所や予期されるインシデントの場所、例えばカーチェイスの予測された終点にドローンを送ることを推奨することができる。更なる例は、例えば、爆発性デバイスがインシデントに含まれる場合に爆発物探知犬や爆弾ロボットの必要性を予測し、又は容疑者が身に着けているものの評価に基づき特定の種類の非致死性武器の使用を推奨するなど、特定のインシデントへの応答に最も適した装備又は資源の種類を予測する人工知能分析エンジンであってもよい。特定の例においては、ドローンは、爆弾を仕掛けた容疑者がガスマスクを身に着けていると特定する(例えば、機械学習を使用して)。したがって、非致死性武器が自動的に選択され、ガスマスクの存在の故に制御システムは催涙ガスではなく電気矢発射銃を選択する。他の特定の例においては、容疑者が本物と思われる武器をインシデントのある時点において保持した可能性があることをカメラが検出し、そのため警察官は、たとえ現場で武器が見えなかったとしても細心の注意を払って容疑者と対峙することができる。
【0047】
他の態様においては、本システムはまた、データ内のギャップが特定のエリアに位置するインシデントのタイムライン内に存在するかどうかを決定するために人工知能分析エンジンを使用することが可能であり、通信ネットワークの切換えを推奨することが可能であり、また、監視カメラなどの追加の固定通信デバイスに適した場所を特定することが可能である。人工知能分析エンジンはまた、イベントを分析し標準のワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする統計データ及び識見を引き出すために使用できる。
【0048】
システムは、コマンドセンターなど、さまざまなエンドポイントで利用できるインシデントの一つ又は複数の画像を作ることができる。各インシデント画像の内容又は各インシデント画像に与えられる優先度はマニュアル操作で、又は一連のルールによりリアルタイムに決定できる。他の実施形態では、システムは、警察官のパトロールカーのモニタを、場合によっては携帯電話アプリケーションを使用することにより、警察官の携帯電話で見るためのインシデントの一つ又は複数の画像を作ることができる。コマンドセンターは更に、フィードバック又は制御信号を提供することが可能な複数のビューポート又はスクリーンを有する監視用バンを含むことができる。参照によりここに組み込まれる本出願人の米国出願第14/329112号は、表示及び制御メカニズムを提供する例としての実施形態を記載している。
【0049】
ここにおける実施形態の他の態様及び特徴は、添付の図面と共に以下の明確な実施形態の記載を検討することにより当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面において、実施形態が例として説明されている。明細書及び図面は、説明及び理解を助ける目的のためだけのものであることを明確に理解すべきである。
【0051】
添付された図面を参照し、実施形態を例としてのみ説明する。
【0052】
図1】警察関連の出来事の後に、ルールエンジン及び接続マネージャがイベント又はインシデントに応答する例としてのシナリオに関連する、一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図2】リモートルールエンジン及び接続マネージャがインシデントから受信したデータに応答するように構成されるプロセスを紹介する、一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図3】互いの近くで発生した複数のインシデントに応答し、接続選択に影響を及ぼすように構成されたルールエンジン及び接続マネージャの例としてのシナリオの一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図4】一部の例においてはリモートルールエンジン及び接続マネージャが、直接的にあるいはメッシュネットワークを介してのいずれかでデータを伝えるオプションを有することが可能であることを示す、一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図5】一部の例において、中央の接続マネージャ、コマンドセンター又はローカルルールエンジンが、データの優先設定の仕方を変更するように構成されることを示す、一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図6】警察車両から受信した情報に応答するように構成された中央のエンジン及び接続マネージャの例としてのシナリオの一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図7A】インシデントから収集され送信されるデータに基づいて構築可能なグラフィカルタイムライン(又は他の種類のタイムスタンプされた記録あるいはデータ構造)の種類の一部の実施形態に従う一つの例である。
図7B】インシデントから収集され送信されるデータに基づいて構築されたグラフィカルタイムライン(又は他の種類のタイムスタンプされた記録あるいはデータ構造)の種類の一部の実施形態に従う一つの例であり、ここではインシデントの全体的画像及び理解を提供するためにタイムラインを構成するイベントが生の音声/視覚/コンテキストソース素材にバックマップされている。
図8】人工知能分析エンジンがイベントをリアルタイム又は事後に分析し、インシデントからのデータを使用してイベントがどのように完了するかをリアルタイムで予測するプロセスを示す、一部の実施形態に従うブロック模式図である。
図9】コマンドセンターで見ることができるデータソースのいくつかの例としての一部の実施形態に従う画像である。
図10】アサートにされたルール階層のブレークダウンを管理するためにさまざまな技術が実施される四つの通信シナリオを示すブロック模式図である。
図11】トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの説明の一部の実施形態に従う一つの例である。
図12】トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの説明の一部の実施形態に従う第2の例である。
図13】トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの説明の一部の実施形態に従う第3の例である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本開示は、緊急の又は即時の状況認識を必要とする他の状況において、さまざまなインプットに基づき実行可能なインテリジェンスを用いるシステムに関する。実行可能なインテリジェンスとは、人間にガイダンス又は特定の情報を提供するシステムによるアウトプットを意味する場合もあり、この人間はインシデントを解決するためにこのアウトプットにより提供された情報に沿って行動することができる。
【0054】
コンピュータシステムは、実施形態に従い、トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するために設けられる。対応のコンピュータプログラム(例えば、プロセッサによる実行のための機械解釈可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体)及び方法もまた考察される。システムは、典型的にはトリガイベントである検出されたイベントに関連付けられたデータセットを周期的に受信するように構成されたセンサを備える電子通信のためのセンサ通信受信機を含む。データセットは、生データを含むことが可能であり、これは検出されたイベントが発生したことを決定するために処理できる。検出されたイベントは、例えば、武器ラック/ホルスターへの武器の装着又は取り外し、車両照明の点灯/消灯、優先通信の必要性を明示的に表示するスイッチの切換え、などであり得る。
【0055】
既存の解決策は、中央処理用の単一の接続を介し、比較的少量の単純なデータを送ることに依拠する。既存の解決策の現状の課題は、変化する信号及びスペクトル環境、信号タワー間の信頼できないハンドオフ、信号喪失、セルラー信号の制限された利用可能性、個々のネットワークパスの制限された容量、及び信頼できない可能性のあるネットワーク、を含む。
【0056】
本開示は、インシデントの現場近くで利用可能なさまざまの通信リンクをインテリジェントに且つ適応的に組み合わせるように構成されたシステムを提供する。利用可能なリンクは、インシデントから受信したデータの分析によって決定されるインシデントの重大度及び重要度の考慮に基づきインテリジェントに且つ適応的に割り当てることができる。一部の実施形態において、複数の通信リンクが同じデータを送信するために使用されるように、通信リンクは結合(統合)又は結合分離され、例えば、受信側のコンピューティングエンティティにおける再構築のためにパケットの一部又は個々のパケットに細分される。
【0057】
結合/統合技術は、単に送信のために全ての通信リンクを使用することに限定されるものではなく、全体的な送信を改善するために通信リンクが互いに協力するようにインテリジェントな結合/統合技術が使用可能である(例えば、最速の通信リンクを送信及び誤り制御パケット送信の両方に使用しながら5つの通信リンクを送信に使用する、又はインシデントの現場からのビデオ送信の品質を制御し、インシデントの重大度の評価に基づき場合によっては品質を低フレームレート、低解像度プレビューから高解像度、フルフレームレートビデオストリームに改善するために結合/統合技術を使用する)。
【0058】
実行可能なインテリジェンスはトグル切換えメカニズムとして使用可能であり、さらに高優先度の又は非常に重要な一つ(又は複数)の通信チャンネルが要求されることを予想し、電子通信経路を確立するために利用できる。実行可能なインテリジェンスは本質的に時間的制約があり、データと、巧みに一体化された接続性を通じて十分な接続性資源を供給する一つ又は複数のプロセスに従って起動される論理機構との組合せにより実現される。
【0059】
システムはルールと接続マネージャとからなり、それらは一つのエンティティであっても、仮想的又は物理的に離れている位置にあるエンティティであってもよい。ルール及び接続マネージャは、イベント又はインシデントに、及びリアルタイムのネットワーク状態に応答する。ルール及び接続マネージャは、一部の実施形態においては物理回路であり、プロセッサ、コンピュータ可読メモリ、及びさまざまなインタフェース接続を含むことができる。
【0060】
イベントは一つ又は複数の同時に取り込まれるデータポイントからなる。インシデントは一つ又は複数のイベントを含み、付加的データポイントを含んでもよい。イベントは一つ又は複数のインシデントの一部を構成することができる。イベント又は一連のイベントがインシデントを構成しているとの決定は、自動的なプロセスにかかわってもよく、あるいはインシデントの現場又はコマンドセンターなどの他の場所でマニュアル操作で宣言されてもよい。
【0061】
データポイントの例は、ダッシュカメラや警察官のボディカメラなど、カメラからの音声/又はビデオ記録、警察車両など、車両からのGPS情報、又は警察官の携帯電話あるいは他の位置特定デバイス、銃がホルスターから抜かれたことを示す情報などのセンサデータ、エンジンデータ、タイヤ圧、照明及びサイレンがオンであるかオフであるか、などの車両状態データ、及び警察官の健康状態、例えば、限定されるものではないが、脈拍、血圧、例えば音声分析などにより測定されるストレスレベル、などである。
【0062】
ここで用いられる用語「資源」はデータ資源を意味し、特に指定がない限り、少なくとも上記のデータポイントのソースを含む。
【0063】
データをどのように送信し受信するかに関する決定は、接続マネージャにより、それが格納しているロジックに基づいてなされる。接続マネージャは、さまざまなエンドポイント、システム及びデバイスへの、それらからの、又はそれらの間のどの通信パスを使用すべきかを決めることにかかわるプロセスを制御する。このような選択は、2又はそれ以上の通信リンクの結合、通信チャンネル又はリンクへの機能の動的割り当て、通信チャンネルの追加、再優先設定、又は再利用、などを含む。
【0064】
どのデータを要求すべきか、送信すべきか又は表示すべきかに関する決定は、ローカルで、インシデントの現場で、又はルールエンジンに基づく中央のコマンド又はクラウドでなど、さまざまな場所においてルールエンジンにより下すことができる。ルールエンジンは階層構造であってもよく、さまざまなエンジンの決定の範囲は一連のルールに基づく。例えば、ルールエンジンの間に競合が存在する場合、又はローカル接続マネージャ及びルールエンジンとリモート接続マネージャ及びルールエンジンとの間の通信が不通となった場合、このような競合又は不通は一連のルールにより又はマニュアル操作による介在により解決可能である。
【0065】
複数の警察パトロール車両及び移動コマンド車両がかかわる比較的大きな規模のインシデントなどの実施形態においては、ルールの階層に基づきローカル長距離WiFiネットワークが確立される。この例では、パトロール車両ルールエンジンが移動コマンド車両内のローカルルールエンジンにWiFiを介してデータを供給し、移動コマンド車両がリモートルールエンジンにデータを供給する、ローカルルールエンジンの階層があり得る。
【0066】
階層は、ルーティングテーブルとネットワーク特性及び優先度を確立する論理的状態とを格納するデータ構造として表現される。例えば、階層はフレキシブルであり、トリガ情報に基づいて把握される実行可能なインテリジェンスに基づく状況変化として動的に適用可能である。階層は更に、起動され/及び又は要求される通信資源の種類を決定することができる。対応の通信リンク及びチャンネルが提供されてもよく、場合によっては、必要とされる帯域幅及びスループット(又は他の望まれる通信特性)を得るために追加の資源が要求され、そして結合回路が利用される。
【0067】
他の実施形態においては、帯域幅が制限されている場合又は衛星コストを最小にするため、ルールエンジンはWiFiを介してライブ又は記録されたビデオを含むローカルデータを見ることを可能にするように適合される。これは、WiFiに利用可能な帯域幅及び中央又はリモートのルールエンジンの如何にかかわらず、ローカルの指揮官及び警察官が詳細なデータ及び高品質ビデオをローカルで見ることを可能にする。
【0068】
一つ又は複数の接続マネージャが一つ又は複数のルールエンジンと対話することが可能であり、それらが対話しているルールエンジンは、インシデントに関連した環境の変化に合わせてリアルタイムに変化することが可能である。環境の変化は、さまざまなエンジンの場所、さまざまなエンジンの容量、又はさまざまな接続リンクの可用性及び容量を含んでもよい。
【0069】
接続又はルールエンジンは、その状況又は固有の能力に応じた異なるパラメータの下で動作することができる。例えば、車両に搭載された接続又はルールエンジンは、車両又は当該車両に接続された警察官に関連付けられた特定の一連のデバイス又はエンドポイントについて決定を下すことに限定されてもよく、一方、リモート通信マネージャ又はルールエンジンは、はるかに多くの通信デバイスについての決断権を有し、デバイスの範囲内でリアルタイムで発生していることに基づき異なる決定を下すことが可能である。
【0070】
ルールエンジン及び通信マネージャは、ローカルに(インシデントの現場に)、中央に、又は遠隔に配置することができる。
【0071】
図1は、警察関連の出来事の後に、ローカル、中央又はリモートルールエンジン及び接続マネージャ26、10がイベント32又はインシデント36に応答することが可能な例としてのシナリオのブロック模式図である。
【0072】
接続マネージャは、プロセッサを有し、センサ通信受信機との通信に適合したネットワーク通信コントローラデバイスである。
【0073】
接続マネージャ26、10は、ターゲットデバイスについての現在の通信パフォーマンスを基準とした通信パフォーマンスに要求される増強又は削減を決定し、一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられた一つ又は複数のデータルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスの増強又は削減を提供し、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定する。例えば、通信経路は、それらの記録デバイス(デバイスがその接続を有する場合)、セルラータワー、又は利用可能な衛星/マイクロウェーブリンクとの間のものとして得られる。
【0074】
通信リンクは、トリガに応答してそれらのデータルーティングパスを変更し、データルーティングパスの変更は、前に他のネットワークデバイスに割り当てられていたネットワークリンクを再割り当てすること及びターゲットデバイスと通信局との間のマルチパスルーティングのために再割り当てされたネットワークリンクを使用することを含んでもよい。
【0075】
データルーティングパスの変更は、例えば、ネットワークリンクの誤り制御機能及びデータ送信機能の割当を変更することを含んでもよい。
【0076】
他のネットワークデバイスは、携帯セルラールータを含むことが可能であり(例えば、車両がセルラーホットスポットを有してもよい)(例えば、警察車両20に置かれた通信デバイス)、携帯セルラールータはローカルエリアネットワーク接続を通じてターゲットデバイスに電子的に結合され、例えば、ターゲットデバイスへの/からの信号の通信局への総スループットを改善するためにセルラールータに関連付けられたデータルーティングパスに誤り制御機能を割り当てることが可能である。欠落パケットの再送又は前方誤り訂正、又は第2のチャンネル(又は複数の他のチャンネル、二つのチャンネルに常に限定されるものではない)上のパケットのパディング/複製に関しては、通信は例えば、米国出願第14/360372号(US第9357427号として特許され、参照によりここに組み込まれる)に記載のアプローチに従いルート付けされることが可能である。音声情報及びリアルタイムのテレメトリデータ(受信端で適時に処理される必要があり、単に後の処理のために記録されない情報)は、同様にこのメカニズムを使用可能である。
【0077】
例えば、システムは、誤り制御(FECデータ)をパディングとして主チャンネルに送出することが可能であり、別のチャンネルにバックアップとしてiフレームを送出し、又は欠落しがちなパケットのトラック、種類を送出し、そして第2のチャンネル上で複製すべきパケット(又は生成して送るべきFECデータの量)の「スマートサンプリング」とそのチャンネルを誤り制御に有効なものにするために必要な速度とをそれから推測する。経路分化についてより積極的になる旨の決定は、インシデントの重大度に関連する(例えば、システムは、ホルスターからの引き抜きの際、FECデータを送るためにセルタワーの優先チャンネルを確保してもよいが、これは、以降のイベントからデータが失われないということが極めて重要になるからである)。他の実施形態においては、イベントがトリガするまでビデオがボディカメラを介し、セルを通して送られ、この時点でボディカメラが無線(例えば802.11x)に切り替わってパトロール車両通信デバイスに送られるが、そこでは(静止している場合)衛星アンテナ(例えばミニサテライト)を展開し、コアビデオを処理し、このときボディカメラは携帯電話を介しベストエフォートで不定期のiフレーム、又は他の複製パケットを送る。
【0078】
他のネットワークデバイスに関連付けられたデータルーティングパスの変更は更に、他のネットワークデバイスのサブセットの対応のネットワークリンクの全体をターゲットデバイスに再割り当てすることにより他のネットワークデバイスのサブセットからの通信を一時的に停止させることを含むことができる。これは、例えば、容疑者や他のユーザが対応のネットワークリンクを使用して通信する能力を減少させることを可能にする。
【0079】
他のネットワークデバイスに関連付けられたデータルーティングパスの変更は、増強された通信パフォーマンスを提供するために、セルラー通信ベクトルを再割り当てする電子命令を含むデータメッセージをセルラー基地局に送信することを含んでもよい。これは、例えばパレードに起因してセルラーネットワークが渋滞し得る場合に有効である。
セルラー通信ベクトルの再割り当ては、使用中の変調方式(例えば、CDMA、TDMA,FDMA)に応じた特定の通信チャンネルの提供をクリアすることを含んでもよい。
【0080】
通信パフォーマンスに要求される増強は、電子メモリに格納された車両のルートに基づき、目標位置について指定することが可能であり、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定するための他のネットワークデバイスに関連付けられたデータルーティングパスの変更は、車両が目標位置に移動している間に目標位置において先んじて実行することが可能であり、車両がルートに沿って進むにつれ通信パスを効果的にクリアする。
【0081】
図1の例としてのシナリオでは、複数の警察官12が警察関連の出来事の現場に到着できる。各警察官12は、関連データ30の複数のソースを携行することが可能であり、現場において彼ら又は他との間で又はコマンドセンター14との間でデータ30を共有し送信するための複数の手段を所持している。
【0082】
イベント32又は一連のイベントがインシデント36を構成するとの宣言は、警察官12が警告灯及びサイレンをオンにするなどの自動的プロセスがかかわってもよく、あるいは現場又は他の場所で警察官12により又はコマンドセンター14内の誰かによりマニュアル操作で宣言されてもよい。一部の実施形態において、イベント32又は一連のイベントからのデータを分析し、イベント32又は一連のイベントがインシデント36を構成するかどうかを自動的に宣言するために人工知能分析エンジン80を用いることができる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行される、漸次自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0083】
一旦インシデント36が宣言されると、警察車両20の場所の近く又は警察官が急派された場所の近くの固定監視カメラ24からの映像などの他のデータ30、又は警察官のボディカメラ又はダッシュカメラからのビデオデータがローカル26、中央、又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャにより要求される場合がある。このような要求はマニュアル操作でなされても、システムにより供給される指示に基づきマニュアル操作でなされても、又は一連のルールに基づき自動てきになされてもよい。一部の実施形態においては、イベントの重大度及び/又は優先度を分析し、自動的に資源の再割り当てを要求するために人工知能分析エンジン80を用いることが可能である。
【0084】
インシデント36は異なる重大度及び/又は優先度を有することができる。インシデント36の重大度及び/又は優先度は一つ又は複数のデータ30のポイントに適用される一連のルールを通じて自動的に、あるいは警察官の重大度及び又は優先度の宣言を介してなど、マニュアル操作で設定可能である。これらの重大度及び/又は優先度は、インシデント36又はイベント32の間に又は後に、追加のデータ30の分析に基づいて変化し得る。特定のインシデント36の優先度は、他のインシデント36の開始、終了、又は拡大によってリアルタイムに変化し得る。
【0085】
イベント32の優先度及び/又は重大度は、限定されるものではないが有線インターネット接続27、セルラータワー28、又は衛星及び他の非セルラーネットワーク接続29を含む接続のローカル26、中央、又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャを介する挙動及び管理の変化を引き起こし、また、インシデント36の解決を援助する計算パワー及び資源の場所及び/又は再割り当ての変化を引き起こす場合がある。一部の実施形態において、このような接続の挙動及び管理に対する調整の主たる要因はコストである。
【0086】
一部の実施形態において、イベント32の優先度及び/又は重大度はまた、イベント32の優先度及び/又は重大度に基づくデータ30の優先順位付けを引き起こす場合があり、これは接続がどのように割当され、再ルート付けされ、使用されるかを規定する。
【0087】
他の実施形態において、イベント32の優先度又は重大度は、インシデント36の場所へ又は場所から送られるデータ30の変化をきたす場合がある。例えば、システムは、インシデントの現場からのビデオ送信の品質を制御し、インシデント36の重大度の評価に基づき、場合によっては品質を低フレームレート、低解像度プレビューから高解像度、フルフレームレートビデオストリームに改善するために、結合/統合を使用することができる。
【0088】
例えば、進行中の強盗事件など優先度のより高いインシデント36は、既に発生した破壊行為のレポートなどの低優先度のインシデント36に比べ、関連するデータ及びデバイス30のためにより多くの通信及び計算資源を要求する場合がある。
【0089】
一つの実施形態において、警察官のチームなど、あるエリア内又は共通資源のグループの中の複数のインシデント36を認識しているローカル26、中央又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャは、より多くの資源を優先度の高いインシデント36に割り当てることを直接に要求するのではなく、優先度の最も高いインシデント36用の資源の利用可能性を確保するために低優先度のインシデント36の利用可能な共有資源(例えば衛星通信)の量を減少させることを直接に要求することができる。
【0090】
一部の実施形態において、ローカル26、中央又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャはコストを制御又は低減するために、低優先度のインシデント36に利用可能な非管理の資源(例えばセルラーネットワーク)の量を直接減少させることができる。
【0091】
他の実施形態においては、インシデント36の宣言は、ローカル26、中央又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャを介して更なるデータ30が収集され、格納され及び/又は送信されることにつながる場合がある。例えば、ダッシュカメラ16又はリアビューカメラなどからのバッファビデオデータはリアルタイムで送信されてもよく、一方、優先度のより高いビデオは、システムにより取り込まれたバッファビデオデータと共に後に送信するために記録されてもよく、またインシデントタイムスタンプが付加されてもよい。
【0092】
他の実施形態においては、あるイベント32又はインシデント36は、インシデント36に関連付けられたイベント32を他のストレージ手段に記録するようにシステムに対し命令できる。例えば、警察官の銃がそのホルスターから引き抜かれたことは、ブロックチェーン又は他の情報ストレージの改ざん防止手段に記録されてもよく、改ざんの恐れのない内容が保存される。
【0093】
通信パフォーマンスに要求される増強は、電子メモリに格納された車両又は人間のルートについて指定可能であり、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定するための他のネットワークデバイスに関連付けられたデータルーティングパスの変更は、上記車両又は人間がルートを進んでいる間に上記車両又は人間に最も近い他のネットワークデバイスのサブセットに対応するデータルーティングパスを変更することを含む。
【0094】
センサは、例えば、武器固定デバイスセンサ又は非常用車両照明装置点灯センサの少なくとも一方を含み、ターゲットデバイスはボディカメラ、敵味方識別トランスポンダ、又はダッシュボードカメラの少なくとも一つを含む。例えば、システムがスポーツイベントに関連して、コンサートにおいて、軍事で、捜索で、又は捜索及び救助活動などで使用されている場合、他の例としての実施形態が可能である。
【0095】
センサは、一部の実施形態においては、カメラ、マイクロホン、又は他の記録デバイスであり得る。
【0096】
他の実施形態においては、目撃者又は容疑者の音声データなどの情報34の処理により、ローカル26、中央又はリモート10のルールエンジン及び接続マネージャを介して異なる言語が検出され、全訳を要求される場合がある。データを翻訳するためにコンピュータ又は適切な人材がプロンプトされる。いくつかの例では外国語を検出し、それをリアルタイムで翻訳するために、人工知能分析エンジン80が用いられる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0097】
カメラやセンサなどのさまざまな資源により収集されるデータ30は、WiFi又は他のポイント・ツー・ポイント方式などを介し直接的に又はクラウドを介し間接的に一つ又は複数の場所に送ることが可能であり、そこではそれは放送される前に処理され、あるいはコマンドセンター14などの一つ又は複数のエンドポイントに送信される。
【0098】
図2は、ルールエンジン及び接続マネージャがインシデント36から受信したデータ30に応答するプロセスを紹介するブロック模式図である。
【0099】
インシデント36の現場でイベント32が発生し、データ30が生成されると、データ30及びイベント32について何の、及び/又はどのようにして情報34がコマンドセンター14などの関連するエンドポイントに送られるべきか、及び情報34が取るであろう形式に関し、インシデント36の優先度及び/又は重大度に基づき決定がなされる必要がある(例えば、低優先度のインシデントには低フレームレート、低解像度のビデオが好ましく、高優先度のインシデントには高解像度、フルフレームレートのビデオストリームが好ましい)。
【0100】
中央又はリモートの接続マネージャ10及びルールエンジンはローカルのルールエンジン及び接続マネージャ26に情報を送り返す場合があり、それは表示及び/又は通知の目的で情報をインシデント36の現場に送り返すことができる。中央又はリモートの接続マネージャ10及びルールエンジンはその時、ローカルの接続マネージャ26及びルールエンジンに、またその逆に追加のルールを伝えることができる。
【0101】
インシデント36とコマンドセンター14との間で情報を送るために、接続マネージャは、送信されているデータ30の性質又は通信リンク38の利用可能性に応じて通信リンク38を選択(又は再構成)又はリンクの組合せを選択(又はリンクの組合せの結合/統合の再構成)することができる。一部の実施形態において、接続マネージャは通信リンク38の結合/結合分離を選択的に制御し、追加の通信リンク38を一連の結合通信リンク38に付加することにより追加の資源を要求することができる。反対に、一連の結合通信リンク38から通信リンク38を取り除くことにより、縮小された資源をもたらすことも可能である。
【0102】
例えば、中央のルールエンジンは、追加の警察官が現場に近づいていること又はインシデント36のエリア内で追加的インシデント36が発生していることを表すデータセットに応答し、システムが管理するデバイス及びインシデントに関連付けられる他の予想されるトラフィック、例えば事故現場又はデモにおける携帯電話トラフィックなど、に起因してこのエリア内の通信リンク38に予想される追加の通信トラフィックを構成するために通信パスを変える。一つの実施形態において、通信パスを変えることは、関連のネットワークコントローラに信号を送ることにより、インシデントのエリア内の他の通信(例えば、非警察/緊急/火災通信)の優先を取り消す/低下させることを含む(これは例えば、悪意のある行為者の通信を中断させるのに役立つ)。それは、何かしらの私的ネットワーク上の警察関連の通信の優先度を変えることを超えて、システムによって制御されない通信を実行する(例えば、見物人が、同じインシデントの警察ビデオを犠牲にして彼ら自身の現場からのライブビデオでネットワークを渋滞させることを積極的に求めることである。場合によっては、システムはそういった現実に対応する(これらのネットワークに頼ることなく、高コストの保護されたネットワークを進んで使用する)必要があるが、システムの一部ではない全ての通信を停止するようネットワークプロバイダに指示し得る場合もある。)
【0103】
通信リンク38又はリンクの組合せは、低遅延、高スループット、又は高信頼性などの一連の特性を有することができる。一連の特性はリアルタイムで変化し得る。ローカル26、中央又はリモート10の接続マネージャ及びルールエンジンは、インシデント36の重大度及び/又は優先度の評価に基づき、データ30をインシデント36に又はインシデント36から送る媒体として望ましいであろう通信リンク38又はリンクの組合せを識別するために一連の特性にアクセスしてもよい。
【0104】
一部の実施形態において、インシデント36の重大度及び/又は優先度の評価に基づき、データ30をインシデント36に又はインシデント36から送る媒体として望ましいであろう通信リンク38又はリンクの組合せを識別するべく一連の特性にアクセスするために、人工知能分析エンジン80を用いてもよい。
【0105】
一つの実施形態において、ローカル26、中央又はリモート10の接続マネージャ及びルールエンジンは、ローカル計算容量、ネットワーク接続性、遅延ニーズ、及びコストにアクセスし、ビデオ、画像、又は音声の処理などの作業をエッジノードで行うべきかクラウドで行うべきかを決定し、リアルタイム状態又は計算要求の変化として、制御の転送の行き来を考慮することができる。
【0106】
リモート及びローカルの両方のルールエンジンは、インシデント36の現場及びそことは異なる場所の両方においてアプリケーションやデバイスの挙動の変化をトリガすることができる。例えば、ダッシュカメラビデオを送るために接続又は接続の組合せを変えることに加え、又はそれに代え、中央のルールエンジンは、ビデオの解像度、データレート、遅延時間又は送信に先立ちビデオが符号化される誤り訂正の範囲を下げる又は上げるよう、ローカルルールエンジンに指示することができる。
【0107】
中央の接続マネージャ及びルールエンジンは、一つ又は複数のインシデント36からの内容を収集してリモートのコマンドセンター14に送り返すことが可能であり、そしてそれ自身のルールに影響を及ぼしまたローカルルールエンジンに向けてルート付けされることが可能な当該のコマンドセンター14からの指示を受信することが可能である。
【0108】
中央の接続及びルールエンジンは、インシデント36からのデータ30の評価に基づき通信ネットワークの再ルーティングなどの特定の動作が必要であることを規定するイベントキューを含んでもよい。イベントキューは、イベント32及びデータ30をクラウド内の他のサービス、すなわちマイクロサービスに分配するために使用される。マイクロサービスはイベント32及びデータ30を処理し、場合によっては他のソースからのデータ30と統合し、場合によってはインシデント36又は追加のイベント32を生成する。
【0109】
例えば、システムはナンバープレートの読む込みに関連するイベント32を有する場合があり、このイベント32は、照合のためにナンバープレート情報を外部の一つ又は複数のデータベースに供給する。
【0110】
一部の実施形態においては、人工知能分析エンジン80は、予め設定されたルール又は人工知能分析エンジン80が漸次的に改善する(すなわち「学習」する)につれ自動的に適応するフレキシブルに決定されるルールに基づき、イベントキュー内のデータを評価し分析するために使用できる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。人工知能分析エンジン80はイベントキュー内のデータ30を分析し、イベント32及びデータ30をクラウド内の他のサービス、すなわちマイクロサービスに分配することができる。マイクロサービスはイベント32及びデータ30を処理し、場合によっては他のソースからのデータ30と統合し、場合によってはインシデント36又は追加のイベント32を生成する。
【0111】
図3は、互いの近くで発生した複数のインシデントに応答し、接続選択に影響を及ぼすルールエンジン及び接続マネージャの例としてのシナリオのブロック模式図である。
【0112】
一つの実施形態においては、一つのエリア内で起こっている又は起こりそうな他のイベント32及びインシデント36についての知識は、一連の行動を決定するために使用可能である。例えば、強盗事件が進行している場合、近くで発生しているイベント32及び他のイベント32についての知識は、強盗事件の現場近くの及び警察車両の利用可能性などを含む多数のファクターに基づき、どの警察車両が送られるべきかを知らせる。
【0113】
他の実施形態において、他のイベント32及びインシデント36についての知識は、例えば、衛星やセルラー接続などの共有の接続性資源、又は共有の計算又はクラウド資源を含む他の警察資源を管理する際に、例えば、資源プール30内のインシデント36には関与していない警察車両に対し無人ルートをパトロールするよう指示するなど、助けになる。無人ルートが特定され(場合によっては新ルートが決定される)、進行しているインシデントに巻き込まれたこのルートが通常資源に支えられる場合がある(例えば、要求される言語スキルを有する警察官が緊急事態に割り当て直され、彼の/彼女の本来のルートがアテンドされないままになるとシステムはこの本来のルートをパトロールするために予備の警察官を急派する)。
【0114】
警察官12が使用できる致死性武器など、特定の警察官12に配備される武器についての知識を持つことにより、システムは警察官12の一連の行動における次のステップを推奨することができる。例えば、システムは警察官12に対し、近くの車両内の催涙ガス又はビーンバッグ弾など、非致死性の代替物の使用可能性に関する情報を車両の位置データ30とともに提供することができる。一部の実施形態においては、人工知能分析エンジン80はイベントを分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする統計データ及び識見を引き出すために使用できる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0115】
図4は、一部の例においてリモート10のルールエンジン及び接続マネージャは、ネットワーク42を介して直接的に、あるいは通信リンク38のインテリジェント結合/統合を通じて形成されるメッシュネットワーク44を介して間接的に、のいずれかでデータ30を伝えるオプションを有することが可能であることを示すブロック模式図である。
【0116】
一部の実施形態においては、結合通信リンクはデータ送信目的の車両内の結合インターネットゲートウェイなどの単一のデバイス内に含まれてもよく、また他の実施形態においては、アドホックメッシュネットワーク44はデータを送信するために使用可能である。
【0117】
一部の実施形態においては、メッシュネットワーク44はいくつかのデバイスを接続して生成されるローカルネットワークであってもよく、この場合、一つ又は複数のこれらのデバイスはそれ自身のデータを送信し、また、他のデバイス(複数であってよい)のためのリレーとして働く。例えば、データ30の送信及び受信のためのメッシュネットワーク44を生成するために、信号範囲外の警察官の携帯電話を、第2の警察官の携帯電話及び当該警察官の車両のインターネットサービスに接続することが可能である。警察官の電話がセルの受信可能範囲外にある場合もあるが、代替のメカニズム(例えば、WiFi又はブルートゥース)を介して第2の電話に接続すること可能である。
【0118】
図4は、第1の警察官の携帯電話40内の又はこの警察官のボディカメラ18に組み込まれたアプリケーションは、セルラーネットワーク42を介して直接的に、又はローカルWiFiネットワークを介し、第2の警察官の携帯電話41で生成されたメッシュネットワーク44と組み合わせて、データ30をリモート10のルールエンジン及び接続マネージャに送るために使用可能であることを示している。この例では、システムは、インシデントの優先度及び/又は重大度の分析に基づき、警察車両内の通信リンク38を介してビデオデータ30を、例えば静止している車両48の衛星接続を通じて送る指示を受けることが可能である。
【0119】
図5は、一部の例において、中央の接続マネージャ、コマンドセンター14又はローカルルールエンジンが、インシデント36に関する情報34に基づき、どのデータ30が優先設定されるべきかを変えることが決定できることを示すブロック模式図である。
【0120】
例えば、カーチェイスの場合、時刻xにおいては第1の追跡車両50からダッシュカメラ16のビデオを送ることが適切であり、時刻x+yにおいては容疑者の車両54がフォーカスされ続ける可能性を最大にするためには第2の追跡車両52からビデオを送ることが適切である場合がある。各状況においてデータ30が優先設定される妥当性は、データ30の内容の性質に関連する場合があり、例えば、時刻x+yにおいては第2の車両52がインシデント36に対しより近くにあり、又は車両とネットワークとの間の通信リンク38の不十分な信号受信範囲の可能性を含む品質などの他のファクターに関連する場合もある。
【0121】
ルールエンジンはまた、もし不必要である場合、又は通信資源が不足しており、推奨される資源を優先設定することが望まれる場合には、一部の車両又は他の資源にビデオ又は他のデータ30を送らないように、あるいはそれを低解像度、異なる遅延時間、又は低コストで送るよう、指示することができる。低優先度供給のサービスは、例えば、解像度、フレームレートなどを低下させるものであり、又は、分配メカニズムを変更して帯域幅獲得の積極性を下げるものである(例えば、ローカルアプリケーションがそれにどのように対処するかについて決定することを許可する(解像度を落とすなど))。
【0122】
図6は、警察車両から受信した情報に応答する中央のルールエンジン及び接続マネージャの例としてのシナリオのブロック模式図である。
【0123】
この例では、ローカルのルールエンジン及び接続マネージャ26が設置されている警察車両は、情報34の特定のビットをローカルの現場から中央のルールエンジンに送る。ルールエンジン及び接続マネージャは、一つのエンティティであっても、仮想的又は物理的に離れている位置にあるエンティティであってもよい。
【0124】
ローカルの現場から送信される情報34は、容疑者の車両54及び中央の拠点で処理されるナンバープレート、又は車両で実行された画像処理により決定された実際のナンバープレートの番号の写真であり得る。中央のルールエンジンは次に情報34を処理し、車両が盗まれたかどうか、ドライバーが正当な権利を有するかどうか、又は容疑のあるドライバーの写真などのガイダンス又は特定の情報を提供するアウトプットを警察官に送る(すなわち「実行可能なインテリジェンス」)。
【0125】
図7Aは、インシデント36から収集され、送信されるデータ30に基づき構築可能なタイムライン70の種類の例である。
【0126】
さまざまなソースから収集され、送信される特定のインシデント36に関連付けられるデータ30により、インシデント36の詳細アウトラインを提供するタイムライン70を構築することができる。何のイベント32がインシデント36に関連付けられているかについての決定は、マニュアル操作により、又は一連のルールに基づき自動的に、又は人工知能分析エンジン80を用いることにより、行うことが可能である。
【0127】
一つの態様において、インシデントタイムライン70内において、又は特定の時点を考慮したときにギャップが確認できるかどうかを決定すべくインシデントタイムライン70について分析を実行するために、顔認識、音声/意味分析、及び知的検索を実行可能な人工知能分析エンジン80を用いることができる。分析に基づき、人工知能分析エンジン80により確認されたギャップを既存の情報、他の調査手段により探索されるべき情報、又はインシデントの開始に先立って発生したイベントからの情報で埋めるためにインシデント36の異なる情報源から収集され、送信されるデータ30を融合することが可能である。
【0128】
一部の例において、タイムライン70内において、又は特定の時点を考慮したときにギャップが確認できるかどうかを決定し、近くの警察官の車両からのダッシュカメラ16のビデオなどの既存の情報で、又は発砲インシデント36の近くの場所の特定などの他の調査手段により探索される情報で埋め、インシデント36についての異なる観点を提供する目撃者又は防犯カメラの映像を提供する可能性があるかどうかを決定するために人工知能分析エンジン80を用いることができる。例えば、システムが自動検出可能なものの一つは、最初のカメラのビデオフィード内の他の防犯カメラである(エリアを詳細に観察し、警察官がローカルの店舗などに取り付けられているカメラに気付くことを期待することに比べ、迅速に関連性のあるカメラを特定することを助ける)。
【0129】
人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0130】
インシデントタイムライン70はリアルタイム及び事後に生成可能である。リアルタイムでは、カーチェイス中に提供されるさまざまな位置情報34、走行方向、GPS位置、又は速度、及びナンバープレート認識により生成された容疑者に関する情報を含むタイムライン70内の現在の情報に基づき、タイムライン70は未来のイベントを予測することができる。システムは、容疑者が向かいそうな場所を予測することが可能であり、これは、警察官が追跡のルートを予測すること又は警察官を可能性の高い追跡の終点まで連れて行くことを可能にし、そして追跡ルートに沿った公共の安全を守るために追跡が早期に終了することを可能にする。
【0131】
インシデントタイムライン70を生成する際には、計算デューティが異なるデバイスの間を行き来する場合があるので、さまざまなデバイスとデータとの間の時間同期をインシデントの間及び後の両方で考慮する必要がある。例えば、追跡中にクラウドで何らかの画像処理が行われる場合に、もし接続が落ちると車両に戻る必要がある。
【0132】
一つの実施形態において、特定のインシデントに関連付けられた送信機及びセンサを含む全ての要素についての正確な時間同期は、記録された内容についての精密な時間プロトコル又は中央/クラウド時間同期を使用して生成される。
【0133】
インシデントタイムライン70は、編集又は注釈添付が可能であり、編集又は注釈は追跡される。
【0134】
上記の図7Aにおけるように、図7Bはインシデント36から収集され、送信されるデータ30に基づき構築可能なタイムライン70の種類の例である。
【0135】
図7Bは、インシデントの全体的画像及び理解を提供するために、タイムライン70を構成するイベントが生の音声/視覚/コンテキストソース素材にバックマップされる実施形態を表す。インシデント36の異なる情報源から収集され、送信されるデータを融合することによりインシデントタイムライン70を生成するために、顔認識分析、音声/意味分析、及び知的検索を実行可能な人工知能分析エンジン80を用いることができる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。データ30の融合はリアルタイムで又は事後に完了することができる。インシデントタイムライン70は、編集又は注釈添付が可能であり、編集又は注釈は追跡される。
【0136】
図8は、人工知能分析エンジン80が、インシデント36からのデータ30を使用してイベント32がどのように完了するかをリアルタイムで予測するプロセスを示すブロック模式図である。
【0137】
一つの実施形態において、人工知能分析エンジン80はイベント32を分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベント32と比較し、イベント32がどのように完了するかについての予測をリアルタイムで知らせることが可能な統計データ及び識見を引き出すために使用することができる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0138】
一つの実施形態において、人工知能分析エンジン80によって実行される分析は、インシデント36の正式なスタートに先立って発生し得るイベント32からの情報34に関連する可能性のある資源を提案することを可能にする。例えば、911電話は警察活動の観点からインシデント36をトリガするが、犯罪インシデント36がその前に始まっており、システムは潜在的犯罪行為の追跡調査を支援する他の資源、例えばダッシュカメラ16が追跡中の車両を取り込んだ時点からのトレースバック、他のカメラが追跡が始まる前にこの車両の他に何を見たかに関する他の車両の位置の知識に基づく決定、及び容疑者の車両の可能性の高い進路の予測、などを提供することが可能である。
【0139】
他の実施形態において、人工知能分析エンジン80は「タイムシフト」を行い、それによりシステムは、ループ記録するカメラに対して巻き戻しして例えばループの初めから記録することを要求するように指示され、インシデントの正式なスタートの前に記録されたビデオを取り込み、そしてインシデントに関連する可能性がある場合にはそれを保存する。実施形態は、人工知能分析エンジン80によるリアルタイムの決定を通じ、インシデント36の正式なスタートの前に発生したイベント32に関連するビデオカメラ映像など、事後にアクセス可能にされるべきインシデントに関連するデータ30のアビリティを提供する。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する(すなわち「学習する」)能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0140】
人工知能分析エンジン80に注目すると、インシデント36、警察官、容疑者及び他の要素について多数のデータ30のポイントが収集されると、イベント32がどのように完了するかをリアルタイムで予測すること、又は警察官の訓練、パトロールのルート、警察官のスケジューリングなどの改善の助言を提供するためのデータ30を見出すことが可能となる。人工知能分析エンジン80はまた、イベントを分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする統計データ及び識見を引き出すために使用できる。
【0141】
リアルタイムの例では、ある警察官はすぐに武器をそのホルスターから取り出し、争いを激化させがちであることを知ることができる場合がある。容疑者の不安定な精神状態も知られている現場にその警察官が接近していることを知ること、及びその警察官にその情報34を知らせることは、彼らの遭遇中に警察官が発砲する可能性を低くし、そしてその代わりに容疑者がより友好的に反応するような他のアプローチを選択することを可能にする。一つの実施形態において、人工知能分析エンジン80は、イベントを分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、イベントがどのように完了するかについての予測をリアルタイムで知らせることが可能な統計データ及び識見を引き出すために使用することできる。人工知能分析エンジン80は、感情分析又は音声ストレス分析を実行し、又は容疑者の履歴データを調査し分析するために用いることができる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0142】
他の実施形態において、特殊な状況で支援するために、システムは、インシデントタイムライン70内の現在のさまざまなイベント32がどのように完了するかについての予測に基づき、スワットチーム又は訓練された交渉人などの特殊な資源を推奨及び/又は要求することができる。人工知能分析エンジン80は、インシデント36にかかわる警察官に、データ30に基づき通知されるガイダンス、例えば警察官が交渉する又はインシデントを収めるのに役立つであろう感情分析又は音声ストレス分析、又は容疑者の履歴データの調査などを提供するために用いることができる。
【0143】
更に他の実施形態において、システムは、特定の場所からのデータ30にかかわるインシデントタイムライン70内にギャップが存在する傾向にあると判断し、例えば、その場所を走行する車両が特定のキャリアからの携帯電話を乗せていること又はセルラーネットワークに加えて衛星ネットワークへのアクセスを有することを保証すること、又は警察官が頼ることができる追加の固定監視カメラに適した場所を特定すること、など警察官12が利用可能な通信ネットワークについての変更を推奨する。
【0144】
更に他の実施形態においては、警察官の履歴及び/又は次の配置場所に基づき、システムは、警察官が彼又は彼女が直面するであろうシナリオにより適切に準備させるための訓練を推奨することができる。例えば、重度の薬物使用で知られるエリア内のルートに初めて配置される警察官は、訓練を受けること、又は特定の薬物の影響下にある人々に起こる挙動の種類を見分ける方法を知らせる、リアルタイムで彼らにプッシュされる情報を保有することができる。人工知能分析エンジン80は、イベントを分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする統計データ及び識見を引き出すために使用できる。人工知能分析エンジン80は、コンピュータ上で実行され、漸次的に自己改善する能力を有する、学習済みニューラルネットワークである。
【0145】
他の実施形態においては、人工知能分析エンジン80は、イベントを分析し、盗まれた物品についての報告書、及びインシデント36で取り戻した物品の目録などの標準的ワークフロー、又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする、窃盗インシデントの潜在的傾向に関する統計データ及び識見を引き出すために使用できる。
【0146】
図9は、コマンドセンター14で見ることができるいくつかのデータ30の全体的画像を表している。
【0147】
図9に示される一つ又は複数の画像90は、コマンドセンター14など、さまざまなエンドポイントで得られる。例えば、警察官は、警察官のパトロールカーのモニタ上又は警察官の携帯電話上で得られるインシデントの画像90を持つことができる。
【0148】
各インシデント画像90の内容又は各画像90に与えられる優先度は、マニュアル操作により、又は一連のルールによりリアルタイムで決定することができる。例えば、ホルスターから抜かれている銃を直ちに優先設定することが可能であり、コマンドセンター14に提供される複数の画像90は、インシデント36の画像をスクリーン92上の目立つ位置に置く。
【0149】
インシデント36の一つの画像90は、要求されるものではないが、特定の一連のデータ30のソース又は異なるフォームの類似するソースを含み、インシデント36の他の画像が他の場所に表示されてもよい。
【0150】
例えば、ローカルの警察官12が直近の現場からの生のビデオを持ち、それに対し、低ビットレートの転送を要求するネットワークの制約により、コマンドセンター14は視聴のため大幅に圧縮されたビデオのみを持つ場合がある。一方、低解像度のビデオが警察官12に提供される場合もあるが、彼らが見ているスクリーンは小さく高解像度は要求されないからである。
【0151】
誰が特定のデータ30のポイントを見ることができるか、又は誰が警察官に対しガイダンス又は特定の情報を提供する一定のアウトプットを受信できるか(すなわち、「実行可能なインテリジェンス」)についての制約はルールに基づいてもよい。例えば、警察の通信指令係は、彼らが目撃者として事件に巻き込まれないよう、一定のデータ30を見ることができないようにする場合もある。
【0152】
他のあらゆる画像は、あらゆるデータ30のソース及びあらゆる場所において可能である。
【0153】
図10は、アサートにされたルール階層のブレークダウンを管理するためにさまざまな技術が実施される四つの通信シナリオを示すブロック模式図である。
【0154】
単なる例であるが、図10に示される各シナリオは、三つのルールエンジン及び接続マネージャ、すなわち、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10、及び移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ103、を含む。三つ以上又は三つ以下のルールエンジン及び接続マネージャを、任意の一つのインシデント36に用いてもよい。
【0155】
図10における三つのルールエンジン及び接続マネージャは、一連の階層ルール(例えば、移動コマンドが他の全てのコマンドに勝ることを記述するルール)の下で動作し、それは多数のファクターにより決定可能である。例えば、インシデント36に関連するルールエンジン及び接続マネージャの場所が大きすぎる場合、インシデント36から要求されるほどにはリモートルールエンジン及び接続マネージャ10を利用することができず、インシデント36の要求範囲を満たすために移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ101が引き受ける場合がある。
【0156】
他の例では、どのルールエンジン及び接続マネージャがインシデント36の範囲を満たすかを、インシデント36の重大度が規定する場合がある。例えば、国家的事項にリンクされたインシデント36については、ルールの階層はリモートルールエンジン及び接続マネージャ10によって規定される場合がある。
【0157】
他の実施形態では、異なる階層が種類の異なるルールのために存在する場合がある。例えば、車両にローカルルールエンジン及び接続マネージャ26が装備されている場合、リモートクラウドルールエンジン及び接続マネージャが車両からクラウドに送られるビデオの品質を規定してもよい。
【0158】
図10におけるシナリオは、インシデント36の時点又はインシデント36の間の任意の時刻における状況を表している。環境が変化するにつれ、インシデント36が複数のシナリオを含み、複数の階層とルールエンジンとの間におけるシフトを引き起こす場合がある。
【0159】
図10は、移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ103が階層の最上部にある、四つのシナリオを示している。シナリオ1においては、データをインシデント36に及び/から送信及び受信するため、全ての三つのルールエンジン及び接続マネージャからの全ての通信リンク38が利用可能であり、そしてあらゆる階層のルールが適用可能である(例えば、移動コマンドはコマンドをどこにでも送れることを記述するルール)。
【0160】
シナリオ2においては、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101は、ローカルコマンドセンターへのダイレクト接続から切り離される。警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101は、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10にこの切り離しを知らせることが可能であり、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10は更に、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10を介してコマンドを中継している移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ103に知らせることが可能である。他の実施形態においては、この通信切断は移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ103によっても検出可能であり、これは通信リンク38の再ルーティングをトリガする場合がある。
【0161】
シナリオ3においては、二つの通信リンク38が故障し、唯一の利用可能な接続は、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101と、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10との間のものである。この時点において、システムの一方又は両方が、どの一連のルールが優位に立つかを決定する必要がある場合がある。選択肢は、リモートルールエンジン及び接続マネージャ10が通信リンク38を引き受け、ルール階層を二つのシステムの間で分割すること、あるいは各システムを互いに独立に動作させること、である。システムはまた、移動コマンドセンタールールエンジン及び接続マネージャ103から受信した「前回ルール」を同期させることができる。
【0162】
シナリオ4においては、全ての通信リンク38が故障し、各ルールエンジンはどのように進んでいくべきか決定しなければならない。一部の実施形態においては、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101は、階層内で最上位のルールエンジンから送られた「前回ルール」(すなわち、一つのルールエンジンから他に送られた最後のルール)に従って動作可能である。他の実施形態において、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101は直ちに制御をアサートにし、それ自身の決定に従って動作する。更に他の実施形態において、警察車両ルールエンジン及び接続マネージャ101が「前回ルール」をローカルルールと組み合わせることができる。更に他の実施形態においては、各ルールエンジンが、時間と共に低下する階層から前回ルールに与えられる重みで、最上位の階層のエンジンの決定をそれ自身のものと混合する「タイムフェード」があり得る。
【0163】
異なるルールは、優位のルールエンジンへの接続の喪失に対処するための異なる方法を要求することができる。例えば、上記の「タイムフェード」はビデオ符号化の決定に有益であり得るが、一方、サイレンのリモートトリガは制御の即時のシフトを要求する場合がある。接続が復帰したときに又は場合に、発見及び競合解消の類似のプロセスが要求される。
【0164】
他の実施形態において、ルールの階層は、データ30及びイベント32用のキャッシュの階層であってもよい。例えば、警察官の車両は、ローカル接続されたセンサ及びこの車両に関連付けられた警察官に接続されているセンサのキャッシュとして動作することができる。コマンド車両は、近くの全ての警察車両のキャッシュとして動作することができる。キャッシュは、「上流」のエンジンへの接続が失われたイベントにおいて、進行中の全てのインシデントのデータ30を、ローカルの警察官及び指揮官が見ることができるように保持する。
【0165】
ルールエンジンは、十分な帯域幅が得られる場合には全てのデータ30を上流に送ることができる。帯域幅が制限されている場合、例えば高優先度のデータのみを送り、低優先度のデータ30は後で送ることにより、ルールエンジンは上流に送られるデータ30を優先設定することができる。ルールエンジンはまた、上流のルールエンジンからのマイクロサービスのインスタンスを同期化し、上流接続が失われた場合にこのインスタンスを実行することができる。
【0166】
図11は、トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの例としての図である。
【0167】
図11に示すように、警察官は容疑者を追跡中であり、ホルスターから非致死性の武器を引き抜く。ホルスターは、ファスナーの開け/閉め(例えば、ボタン又はヒンジ)と同時に信号を通信連携システム1100に送信するセンサ1102を含む。この例では、通信連携システム1100は、警察官用のパーソナル通信バス/通信マネージャとして機能する携帯ネットワーク通信コントローラであってもよく、それは例えばスマートフォンなどの携帯デバイス上で操作されるアプリケーションであってもよい。
【0168】
通信連携システム1100は、ローカルレベルにおいて(例えば、ブルートゥース、ジグビー(商標)、無線周波数を介して)、及びより遠隔のデバイス(例えば、セルラー接続、衛星接続、又はマイクロウェーブ接続を介する基地局)を用いて、の両方での通信を提供する一つ又は複数のネットワークインタフェースを含むことが可能である。トリガイベントはまた、受動的に又は能動的に検出されるセンサ内の動き、例えば、ボディカメラ又はダッシュボードカメラの検出された動きフレーム、又は他の検知される動きなど、含むことができる。例えば、警察官のボディカメラは、武器のように見えるオブジェクトをフレーム単位で識別することに適合するソフトウェアを含んでもよく、そのようなオブジェクトの検出と同時に自動的に信号を通信連携システム1100に送り、強化された通信を要求してもよい。同様に、ダッシュボードカメラはまた、盗難車のナンバープレートなどの視覚的要素を追跡し、そしてまた、通信連携システム1100に信号を送り、強化された通信を要求することができる。
【0169】
通信連携システム1100は、警察官のデバイスがリアル又は準リアルタイムで接続することができるように(ローカルストレージのみに頼ることと対照的に)、警察官のデバイスと一つ又は複数の基地局との間の通信に利用されるネットワーク経路を制御すべくマルチパスルーティングを制御するように動作する。複数のネットワークリンクが存在し、それらの一部が間接的(例えば、警察官のパトロールカーに結合された他のより強力なネットワークを介するルーティング)であるか、又は直接的(例えば、そのセルラー又は衛星接続を介する)であってもよい。
【0170】
しかしながら、システム1100が利用されるシナリオは難しいスペクトル環境を呈し、ネットワーク輻輳及び遅延は情報を基地局に送り返す能力に影響を及ぼす。例えば、通信連携システム1100は、ボディカメラからのライブビデオフィードを記録し、武器ホルスターの状態を送信し、敵味方識別システム(例えば、GPS位置及び警察官としての識別を提供するビーコンとして動作するパーソナルトランスポンダ)などに従って情報を送信する場合がある。この情報を送信することは、かなりの帯域幅資源を要求するが、これは適応ルーティングを持たないネットワーク接続によって容易に得られるものではない。
【0171】
この例では、通信連携システム1100は、イベント(例えば、ホルスターバックルが外された)に反応して通信経路のマルチパスルーティングを動的に変更するように構成される。通信連携システム1100によってセンサ信号が受信されると同時に、ネットワーク通信がトリガされ、通信連携システム1100への経路を優先設定し、他の近くの通信を優先解除することが開始される。
【0172】
通信パフォーマンスに要求される変化は認識される(例えば、ボディカメラは少なくとも360pのビデオ又は静止画フレームを1秒ごとに送信する必要があり、警察官の端末は2MBである要求ファイルを送信することにより即時令状を得る必要があり、モバイルデバイスは少なくともDECT信号用の毎秒64kbitのビットレートを有するチャンネルをクリアする必要がある)。要求される変化の合計は、例えば2Mbpsの増加である。総体的な要求パフォーマンスは、増強されたパフォーマンスを要求するデバイス又はセンサ次第であり、例えばボディカメラは優先設定されているダッシュボードカメラよりもない帯域幅を要求するが、その逆の場合もある。
【0173】
イベントが収まった後に、例えば容疑者の逮捕の後に、警察官はデバイスをホルスターに戻し、システム1100にイベントが終了したとの信号を提供する。収まったことを示すトリガイベントを受信すると同時に、ネットワーク通信は優先解除され、システム1100は、激化の前の接続配列に戻るためにデータルーティングパスの変更を調整する。
【0174】
システム1100が他のネットワークを十分に制御しないばかりでなく特定のネットワーク上の特定の種類の通信を回避するように、又は帯域幅の獲得の積極性を減少させるように適合されている状況(例えば軍事)においては、制御性が重要なファクターになり得るが、それは、トラフィックの急増を見ているさまざまなネットワーク上で複数の手法を組み合わせることにより迅速に特定され得るエリア内では、何らかの重大なことが起こっている又は起ころうとしていることを、たとえ誰がネットワークを監視していようとも漏らす可能性があるからである。例えば、不正操作は、ネットワーク挙動の変化を検出し、彼らの活動を終了/混乱させることを試みることを可能にする。
【0175】
特に、基地局により多くの資源を要求する信号を送ることにより帯域幅や他の特性が特定の方法で変更可能となるように、制御可能であるとのフラグが特定のネットワークに立てられる(例えば、フレンドリキャリアにより操作される)可能性がある。これらのネットワーク上のバルクデータ転送が優先設定される可能性がある。
【0176】
反対に、通信リンクが疑わしい又は十分な制御が得られない場合、増加した緊急サービス活動に関する不要な開示を信号及びデータ転送の増加を盗聴している潜在的第3者が提供する可能性があるので、通信リンクに誤り訂正機能のみを割り当てる(例えばパリティビット、誤り訂正コードを送る)ことができる。しかしながら、特に他の利用可能な接続の中で接続品質などが不十分である場合には、通信リンクは限定された一連の機能性については依然有用である場合がある。疑わしい接続は、一定の距離及び基準トラフィックレベル(例えば、「Stingray」)に予想されるものを超える、近くの携帯電話タワーからの極端に強い信号を介してのスヌーピングや盗聴の可能性が高い接続を含み得る。
【0177】
全体的活動が帯域幅使用の段階的増加のように容易に明らかにならないように、追加の資源の提供は新たな能力の要求に対する漸次的な「ランプ」タイプのアプローチ(同時的「サージ」とは逆である)に組み込まれてもよい。例えば、帯域幅及び/又は他の通信特性が変更される場合、そのような増加は30分の時間をかけて生じてもよい。他の代替の実施形態においては、どの通信リンクが何の目的で使用されているかを分かり難くするため、追加の資源の提供は冗長又は不要なパケットによる「パディング」を含んでもよい。
例えば、「ダミー」パケットを生成し送信してもよい。
【0178】
システム1100は、データルーティングパスを変更することにより通信パフォーマンスに変化をもたらす。通信パフォーマンスにおける変化は、マルチパスルーティングを採用すること、例えば、複数の通信リンクを結合すること及び/又はより多くの帯域幅を要求する及び/又は獲得することのいずれかにより通信リンクのパフォーマンスを増強させること、又は、例えば誤り制御機能の割り当てを変更することによって結合通信リンクの総体的通信パフォーマンスを改善するために異なる役割を割り当てること、により実行される。
【0179】
例えば、システム1100は、低優先度通信が停止されるか又はそれらのチャンネル割り当てを変更することにより低下した通信能力を有するように、データルーティングを変更する。一部の実施形態においては、無料のチャンネルをより優先度の高い通信に割り当てることを可能にするため、より輻輳するチャンネル割り当てに低優先度通信が移動される。優先通信用の付加的信号分離を追加するために、更なる通信の移動が可能である。
【0180】
一部の実施形態においては、ルーティングパスの変更は、他のネットワークデバイスに前に割り当てられたネットワークリンクを再割り当てし、システム1100と通信局との間に再割り当てされたネットワークリンクを使用することを含む。例えば、一部の実施形態においては、システム1100は高優先度通信が要求されたことをセルラー基地局タワーに知らせることが可能であり、セルラー基地局タワーは、システム1100のための通信を優先設定するためにセルラー基地局タワーの他のユーザ用の能力を一時的に低下させることができる。一部の実施形態においては、全ての通信がシステム1100に割り当てられるように、システム1100は通信を独占する又はセルラー基地局タワーの他のユーザの通信を中断させる要求を表す信号を送信する。これは、容疑者など特定の個人による通信の遮断が望まれる場合に有益である。
【0181】
データルーティングパスの変更は、ネットワークリンクの誤り制御機能及びデータ送信機能の割り当てを変更することを含む。低帯域幅、低遅延又は高信頼性のネットワークリンクは、誤り制御機能が割り当てられるのに特に有用である。
【0182】
例えば、制限された帯域幅(例えば1Mbps)を有するパトロールカーの携帯通信デバイスに関連する高額ではあるが高信頼性の衛星接続に、他の低信頼性ではあるが高帯域幅の結合接続(例えば、システム1100のセルラー通信アンテナ及びパトロールカーの携帯デバイス通信アンテナに基づく低パフォーマンスセルラー接続の組合せ)を介する場合であっても起こり得るバルクデータ通信に関する誤り制御機能を再割り当てすることが可能である。
【0183】
この例では、高額ではあるが高信頼性の衛星接続は、パケットが到着したかどうかを追跡すること、パリティビットを送ること、フレーム同期及び/又は再配列のためにフレーム番号を送ること、喪失した疑いのあるパケットを再送信すること、巡回冗長検査パケットを送ること、などに適合可能である。
【0184】
システム1100は、特定の位置又は一連の位置における既存の利用可能な通信リンクのマッピングを生成し、そしてデータ構造内にマッピングを格納するように構成されており、例えばデータ構造はアレイ又は連結リストである。
【0185】
多次元アレイ又は関連のデータベースレコードにデータ入力可能である。例えば、信号強度、パケット損失、稼働時間、遅延時間、タイプ、期待スループット、周波数帯域/チャンネル、利用可能な余剰、拡張性/制御性、キャリアなどを含む、利用可能な通信リンクの特性をそこに格納できる。
【0186】
初期のマッピングは、スマートフォン1:LTE能力、150Mbpsダウンロード/50Mbpsアップロード キャリア1から追加資源が要求された場合には200Mbpsダウンロード/100Mbpsアップロードに拡張可能、15%キャパシティ、ファームウェアのアップデートのため現在使用中(低優先度); パトロールカーのGSMモデム:キャリア1、2、3、のそれぞれにおいて3xLTE能力、800Mbpsダウンロード/800Mbpsアップロード;パトロールカーの衛星通信1:バックアップ送信機、5Mbpsダウンロード/5Mbpsアップロード、セルタワーに依存せず、屋外ではほぼ100%の信頼性; 第2のパトロールカーのGSMモデム:キャリア1、2、3、のそれぞれにおいて3xLTE能力、800Mbpsダウンロード/800Mbpsアップロード、を含む。マッピングはまた、他(例えば、近くの民間人、店舗の防犯カメラ)により使用される接続を含んでもよい。
【0187】
警察官が第1のパトロールカーから出て容疑者の追跡を開始すると、ボディカメラが作動する又は武器が抜かれる場合があり、これは増強された通信サービスの要求を自動的に開始することを可能にする。システム1100は、警察官及び彼らの車両に関連付けられた全てのカメラのために総計で1200Mbpsを送信する必要性を認識する。近くの基地局タワーに関連する周波数スロット割り当てを増加させるために、帯域幅増加の要求をセルラーキャリアに送信することが信可能である。
【0188】
要求は一時的なものであってもよく、例えば100Mbpsの増加が一定の期間要求されていることを示すことが可能である。その最初の割り当て及び増加は、通信を要求するデバイスの種類及び/又は以前の緊急事態において追跡されたネットワーク使用状況からの履歴トレンドに基づいた所定の評価に基づいてもよい。一部の実施形態において、システム1100上にフラグが立てられた事故又はインシデントの種類又は重大度は優先要求を変更することに利用可能であり、例えば、非常に高い優先度は、大災害又は過負荷やさらなる輻輳が起こり得るイベントにおける通信に更に冗長性を追加する可能性のあるインシデントのイベント(例えば、ビル崩壊の後の生存者の捜索)において確立される。
【0189】
パフォーマンスの低下がネットワークの他のユーザに関連して起こることがあり、一部の実施形態では結合可能なさまざまなインタフェース及び通信リンクに通信がマップされる場合、システム1100は更新されたマッピングを用いて新たなルーティングテーブルを動的に更新することが可能である。結合は、誤り制御経路及びバルクデータ送信機能の特定のネットワーク及び通信リンクへの割り当てを含んでもよく、それはデータパケットがどのように、且つどの種類が送られるかについて、またいつであるかについて変更する。
【0190】
一部の実施形態において、制御することができない又は疑わしいとのフラグが立てられたネットワーク又は通信リンクの使用に先立ち、盗聴しているデバイスを回避するためにシステム1100は通信に暗号化又は難読化層を付加する。増加された優先度は、暗号化の要求に追加の時間が必要とされないとき、バルクデータ転送のために安全な又はよく知られているネットワークに割り当ててもよい。
【0191】
複数のパトロールカーが追跡中である、又は互いの近くで通信している場合、パトロールカーがメッシュネットワークを形成しそれにより優先資源がパトロールカーにより提供される資源のプールの共有資源を利用できるように、パトロールカーの間で信号を共有することができる。例えば、追跡では、資源を先頭の車両のダッシュカメラと全ての車両のIFFトランスポンダに優先設定し、他の全ての車両のダッシュカメラの通信能力を犠牲にしてもよい(例えば、それらの通信のビットレートを効果的に減少させる)。
【0192】
図12は、トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの説明の一部の実施形態に従う第2の例である。
【0193】
この例では、特定のエリア内又は地区1206においていつどこで通信を優先設定する必要があるかを決定するのにパトロールカー1204の経路を使用することができるように、通信連携システム1200はパトロールカー1204に結合されるように適合されている。
【0194】
この例では、通信パフォーマンスの変化は電子メモリ内に格納された車両のルートに基づく目標位置について指定され、ターゲットデバイスと通信局との間の通信を優先設定するための一つ又は複数の他のネットワークデバイスに関連付けられたデータルーティングパスの変更は、車両が一つ又は複数の目標位置に移動している間に目標位置において先んじて実行される。
【0195】
パトロールカーのナビゲーションシステムは、目的地に到達するのに必要な時間とともにパトロールカーが向かっている地区1206を確認することに利用される。一部の実施形態において、パトロールカーが目的地に到着するまでに通信が十分にクリアされ、マルチパスルーティングを利用することによりパフォーマンスの増強をもたらすように、通信連携システム1200は特定の地区1206のためにマルチパスルーティングを先んじて優先し、変更する。
【0196】
図13は、トリガイベントに応答してマルチパスルーティング通信経路を動的に変更するシナリオの説明の一部の実施形態に従う第3の例である。
【0197】
この例では、通信連携システム1300は、特定の経路1306においていつどこで通信が優先設定される必要があるかをパトロールカー1304が経路を進んでいる間に決定するのにパトロールカー1304の経路を使用することができるよう、パトロールカー1304に結合されるように適合されている。トリガイベントは、この実施形態においては、非常用車両照明装置の点灯を含んでもよく、これは通信連携システム1300に電子的に結合されており、優先通信が一定の期間要求されることを自動的に知らせる。この期間は、少なくとも非常用車両照明装置が点灯している間及びその後のタイムアウト時間(例えば30分)の間、優先通信が要求されるように決定される。
【0198】
パトロールカー1304が経路を進むとき、優先解除すること及び経路に沿ったさまざまなセルラー基地局からのチャンネル能力を追加することにより、強化された通信が提供される。セルラータワーとセルラーネットワークの対応のセルとの間の移動は前もって特定可能であり、先んずる変更はセル単位を基礎とし、その対応の基地局の通信により可能となる。
例えば、パトロールカー1304がセルA、B、C、の間を進むにつれ通信は順次クリアされ、そしてパトロールカー1304が対応のセルを出た後に優先解除される。
【0199】
パトロールカーのナビゲーションシステムの車載メモリは、パトロールカーが進む経路1306とともに経路1306に沿ったさまざまな位置での予定時刻を確認するために利用される。一部の実施形態では、パトロールカーが経路に沿った位置に到着するまでに通信が十分にクリアされ、マルチパスルーティングを利用することによりパフォーマンスの増強をもたらすように、通信連携システム1300は、特定の地区1306のためのマルチパスルーティングを先んじて優先し、そして変更する。この例では、優先設定された通信は、ターゲット送信デバイスが最終的には警察車両の追跡の映像を送信しているダッシュボードカメラである、又は交差点の信号灯をバイパスするために非常灯を使用している警察車両である場合に要求されてもよい。追加の警察車両が存在する場合、警察車両はマルチパス又は結合ネットワーク接続リンクを提供するために同時に利用可能なプールされた資源のメッシュネットワークを形成することができる。
【0200】
更なる実施形態において、経路に沿った又は近くの地区での信号の使用は、例えば一つ又は複数のセルラー基地局と通信する通信連携システム1300(又はバックエンドのデータセンター)によって観察可能である。これらの通信及び信号の使用は、リアルタイムで又はインシデント応答プロトコルの改善のための提案を呈示するデータを見つけるためインシデントの可能な結果についてのコンピュータ支援予想を生成するように構成された人工知能エンジンに提供可能である。
【0201】
例えば、インシデントタイムライン内のイベントが先行するインシデントにおいてどのように完了するかについてのそれらの履歴スペクトル及び信号使用に基づく予測に基づき、特定の資源をインシデントに使用できるようにすることを推奨する及び/又は要求するため、通信連携システム1300は人工知能分析エンジンを使用することができる。
【0202】
例えば、人工知能分析エンジンは、他に方法がない場合、インシデントの画像を提供するために特定の場所や予期されるインシデントの場所、例えばカーチェイスの予測された(又は逃走用の自動車又は人間が配置されている)終点にドローンを送ることを推奨することができる。
【0203】
更なる例は、特定のインシデントへの応答に最も適した装備又は資源の種類を予測する人工知能分析エンジンであってもよく、例えば、爆発性デバイスがインシデントに含まれる場合に爆発物探知犬や爆弾ロボットの必要性を予測し、又は容疑者が身に着けているものの評価に基づき特定の種類の非致死性武器の使用を推奨する。
【0204】
特定の例においては、ドローンは、(例えば、機械学習を使用して)爆弾を仕掛けた容疑者がガスマスクを身に着けていると特定する。したがって、非致死性武器が自動的に選択され、ガスマスクの存在の故に制御システムは催涙ガスではなく電気矢発射銃を選択する。
【0205】
他の態様においては、本システムはまた、データ内のギャップが特定のエリアに位置するインシデントのタイムライン内に存在するかどうかを決定するために人工知能分析エンジンを使用することが可能であり、通信ネットワークの切換えを推奨することが可能であり、また、監視カメラなどの追加の固定通信デバイスに適した場所を特定することが可能である。人工知能分析エンジンは、イベントを分析し、標準的ワークフロー又は過去の類似のイベントと比較し、ワークフローの改善及び現場スタッフのための訓練の改善の機会を推進することを可能にする統計データ及び識見を引き出すために使用できる。
【0206】
他の例も可能であり、上記の例は、改善された通信パフォーマンスを確立するため、通信が優先設定/優先解除される例としてのシナリオを示すために利用される。これは、特にネットワークに輻輳がある場合、一つの通信インタフェースがスペクトル干渉又は不十分な信号品質の影響を受ける田舎又は山がちの地区では特に重要である。
【0207】
そのようなスペクトル干渉又は不十分な信号品質にもかかわらず、強化された通信を提供する能力は、非常用レスポンダとの改善された通信連携を可能にする。例えば、改ざん又は偶発的喪失が減少するように、そのようなダッシュボード又はボディカメラ画像がリアル又は準リアルタイムで取り込まれる警察署の(又は、一部の実施形態においてはイベントに十分に近い)データセンターとの間で通信することが可能である。例えば、一部の実施形態においては、ダッシュボード又はボディカメラ画像はローカルストレージに格納可能である(例えば、より高い解像度で)が、ダッシュボード又はボディカメラ画像の裏付けバージョン(例えば、より低い解像度、ビットレート、フレームレート)は、例えば、活動が連携されている警察署にリアル又は準リアルタイムのインテリジェンスを中継するために基地局に送信される。たとえローカルストレージが壊れても、少なくとも裏付けバージョンは利用できる。
【0208】
実施形態は非常用レスポンダに限定されるものではなく、システムは、高齢者用の心拍センサ、スポーツイベント(例えば、ボールトラッキング及びトリガは検出されたゲーム内イベントに基づくことが可能)、コンサートなど他の種類のトリガイベントにも使用できる。
【0209】
用語「接続された」又は「に結合された」は、直接的結合(結合された二つの要素が互いに接触している)及び間接的結合(少なくとも一つの追加の要素がこの二つの要素の間に配置される)の両方を含む。
【0210】
実施形態を詳細に説明したが、さまざまな変更、置換及び修正が範囲を逸脱することなくここに可能であることが理解されるべきである。更に、本出願の範囲は、明細書に記載のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法及びステップに限定されることを意図していない。
【0211】
当業者は、開示から、ここに記載の対応の実施形態が利用される場合と実質的に同じ機能を実行し又は実質的に同じ結果を達成する、既存の又は将来開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを容易に理解することができる。したがって、添付のクレームは、それらの範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。
【0212】
理解可能であるように、上に記載され、図示された例は単なる例示である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13