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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】竿取出装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/08 20060101AFI20241118BHJP
   A22C 15/00 20060101ALI20241118BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
B65G47/08 C
A22C15/00
B65G47/14 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022070160
(22)【出願日】2022-04-21
(65)【公開番号】P2023160088
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-06-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 新規性喪失の例外適用申請有り
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390034201
【氏名又は名称】ハイテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124257
【弁理士】
【氏名又は名称】生井 和平
(72)【発明者】
【氏名】中村 達郎
(72)【発明者】
【氏名】田邉 勝也
(72)【発明者】
【氏名】原澤 広克
(72)【発明者】
【氏名】山田 慎也
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-175476(JP,A)
【文献】特開2002-126908(JP,A)
【文献】実開昭61-139914(JP,U)
【文献】特開平06-156639(JP,A)
【文献】特開2019-97539(JP,A)
【文献】特開2003-158991(JP,A)
【文献】米国特許第5082419(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 15/00
B65G 47/08
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を懸吊するための竿を1本ずつ取り出すための竿取出装置であって、該竿取出装置は、
竿がその短辺方向に移動するよう、下流に向かって低くなるように傾斜する竿受部を有し、湾曲した竿を含む複数の竿を蓄積可能な竿ストック部と、
前記竿ストック部の竿受部の下流側に設けられ、竿受部側に覆い被さる方向に傾斜する逆傾斜面を有する逆傾斜壁部と、
前記逆傾斜壁部の逆傾斜面側に設けられ、水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜する竿押上面を有し、竿押上面上の竿を1本ずつ逆傾斜壁部の逆傾斜面に沿って上方向に押し上げ、逆傾斜壁部を越えて下流へ竿を移動させるための押上部であって、該押上部は、竿の長手方向の両端又は両端近辺をそれぞれ押し上げることが可能なように2つの竿押上面を有し、湾曲した竿を押し上げる際には湾曲した竿が自重により回転し下側に撓んだ状態となるように回転可能に支持し押し上げることが可能な、押上部と、
を具備することを特徴とする竿取出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の竿取出装置において、前記逆傾斜壁部の頂部は、下流に向かって低くなるように傾斜することを特徴とする竿取出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の竿取出装置において、前記押上部の竿押上面は、逆傾斜壁部の頂部より高く押し上げられることを特徴とする竿取出装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の竿取出装置において、前記押上部の竿押上面の、逆傾斜壁部の逆傾斜面からの厚み方向の長さは、竿の直径よりも短く、半径よりも長いことを特徴とする竿取出装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の竿取出装置において、前記逆傾斜壁部の頂部は、竿ストック部の蓄積可能な高さよりも高いことを特徴とする竿取出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の竿取出装置において、
前記竿ストック部は、竿の長手方向の長さよりも狭い間隔で配置される2本の竿受部を有し、
前記押上部は、2本の竿受部の間を通れる幅を有する、
ことを特徴とする竿取出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は竿取出装置に関し、特に、食品を懸吊するための竿を1本ずつ取り出すための竿取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばソーセージの生産ラインにおいては、連鎖状のソーセージを懸吊するための竿が用いられている。竿は、円柱状又は円筒状の金属からなる棒状のものである。このような竿を1本ずつ取り出し、下流装置に供給するための装置も従来から知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の竿供給装置は、竿を1本ずつ供給するために2つの竿上げ体と竿受枠を有するものである。ホッパー内の底面は、竿が下流に向かって移動するような傾斜を有しており、後傾する竿受枠により竿が留まるように構成されている。そして、一方の竿上げ体を上昇させ、1本の竿を竿受枠の上端面に供給するものである。さらに、竿受枠の上端面に並んだ竿を他方の竿上げ体で上昇させることで、竿を1本ずつシュートに送るようにしている。
【0004】
また、特許文献2に開示の棒材供給装置は、棒材を1本ずつ供給するためにゲート板と押上部とを有するものである。集積部の底面は、棒材が下流に向かって移動するような傾斜を有しており、垂直壁により棒材が留まるように構成されている。そして、押上部により棒材を押し上げ、下流へ誘導する傾斜部に押し上げる。そして、ゲート板により傾斜部の上流側をせき止めておくことで、棒材が1本ずつ供給できるように制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-086726号公報
【文献】特開2016-150825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の竿供給装置では、2つの竿上げ体を用いて2段階で竿を押し上げることで、竿を1本ずつ供給しており、竿上げ体の駆動制御の難しさ、装置の複雑さ、さらに複数の竿を押し上げてしまうおそれ等、種々の課題があった。
【0007】
また、特許文献2の棒材供給装置でも、ゲート板と押上部の駆動制御の難しさ、装置の複雑さ等、種々の課題があった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、シンプルな構造で制御も容易で確実に1本ずつ竿を取り出すことが可能な竿取出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による竿取出装置は、竿がその短辺方向に移動するよう、下流に向かって低くなるように傾斜する竿受部を有し、複数の竿を蓄積可能な竿ストック部と、竿ストック部の竿受部の下流側に設けられ、竿受部側に覆い被さる方向に傾斜する逆傾斜面を有する逆傾斜壁部と、逆傾斜壁部の逆傾斜面側に設けられ、水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜する竿押上面を有し、竿押上面上の竿を1本ずつ逆傾斜壁部の逆傾斜面に沿って上方向に押し上げ、逆傾斜壁部を越えて下流へ竿を移動させるための押上部と、を具備するものである。
【0010】
ここで、逆傾斜壁部の頂部は、下流に向かって低くなるように傾斜するものであっても良い。
【0011】
また、押上部の竿押上面は、逆傾斜壁部の頂部より高く押し上げられるものであっても良い。
【0012】
また、押上部の竿押上面の、逆傾斜壁部の逆傾斜面からの厚み方向の長さは、竿の直径よりも短く、半径よりも長いものであれば良い。
【0013】
また、押上部は、竿の長手方向の両端又は両端近辺をそれぞれ押し上げることが可能なように、2つの竿押上面を有するものであっても良い。
【0014】
また、逆傾斜壁部の頂部は、竿ストック部の蓄積可能な高さよりも高いものであれば良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の竿取出装置には、シンプルな構造で制御も容易で確実に1本ずつ竿を取り出すことが可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の竿取出装置を説明するための概略側面図である。
図2図2は、本発明の竿取出装置の押上部により竿が押し上げられる様子を説明するための概略側面図である。
図3図3は、本発明の竿取出装置の逆傾斜壁部の頂部及び押上部の竿押上面の他の例を説明するための概略側面図である。
図4図4は、本発明の竿取出装置の押上部の詳細を説明するための概略斜視図である。
図5図5は、本発明の竿取出装置の押上部の他の例の詳細を説明するための概略斜視図である。
図6図6は、本発明の竿取出装置の押上部のさらに他の例の詳細を説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。竿取出装置は、食品を懸吊するための竿を1本ずつ取り出すために用いられるものである。竿取出装置は、下流装置、具体的には、例えば食品を竿に懸吊するための竿掛装置や、竿の湾曲を補正するための竿湾曲補正装置等へ1本ずつ竿を送るために用いられれば良い。
【0018】
図1は、本発明の竿取出装置を説明するための概略側面図である。図示の通り、本発明の竿取出装置は、竿ストック部10と、逆傾斜壁部20と、押上部30とから主に構成されている。
【0019】
竿ストック部10は、複数の竿1を蓄積可能なものである。竿ストック部10は、竿受部11を有している。竿受部11は、竿1がその短辺方向に移動するように、下流に向かって低くなるように傾斜している。即ち、複数の竿1が竿ストック部10に投入されると、複数の竿1は下流側に集まるように移動する。なお、図面上、右側が上流であり左側が下流である。
【0020】
逆傾斜壁部20は、竿ストック部10の竿受部11の下流側に設けられている。逆傾斜壁部20は、竿受部11側に覆い被さる方向に傾斜する逆傾斜面21を有している。即ち、逆傾斜壁部20は、垂直に立設されるものではなく、竿受部11側に傾斜するように配置されるものである。逆傾斜面21の傾斜角度θは、好ましくは垂直方向から3度から20度程度、より具体的には例えば5度程度であれば良い。なお、傾斜角度θは具体例には特に限定されない。また、逆傾斜壁部20の下流側には、例えばホッパー23等が適宜設けられ、取り出された竿1が下流の他の装置へ送られれば良い。なお、図示例では逆傾斜壁部20自体が竿受部11側に傾斜するように配置される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、逆傾斜壁部20自体は垂直に立設されるが、逆傾斜面21のみが竿受部11側に覆い被さる方向に傾斜するように構成されるものであっても良い。即ち、逆傾斜壁部20は、底部から頂部22に向かって厚みが増すように構成され、逆傾斜壁部20の下流側の面は垂直である一方、逆傾斜面21が竿受部11側に傾斜するように構成されても良い。さらに、逆傾斜壁部20の下流側の面が下流側に傾斜するように構成されるものであっても良い。
【0021】
押上部30は、逆傾斜壁部20の逆傾斜面21側に設けられている。押上部30は、竿押上面31を有している。竿押上面31により竿1が押し上げられるように構成されている。そして、竿押上面31は、水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜するように構成されている。即ち、竿押上面31は、水平よりも下流側が低くなるように傾斜する面である。竿押上面31の傾斜角度φは、好ましくは水平方向から10度から50度程度、より具体的には例えば35度程度であれば良い。なお、傾斜角度φは具体例には特に限定されない。傾斜角度θ及び傾斜角度φは、後述のように、竿押上面31の直上の竿1以外の竿1が逆傾斜壁部20の頂部22へ到達する前に竿受部11側に落下すると共に、竿押上面31の直上の1本の竿1のみが落下せずに残るように適宜調整されれば良い。また、竿押上面31は、図示例のように必ずしも平坦な傾斜面でなくても良い。竿押上面31は、下流に向かって低くなるように傾斜するものであれば、例えば複数の段差からなるものであったり、上流側に突起部を有するものであったり、曲面からなるものであっても良い。即ち、水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜する竿押上面31には、複数の段差からなるものや、上流側に突起部を有するもの、曲面からなるもの等も含まれ、竿1が下流へ移動するものであれば良い。押上部30は、竿押上面31上の竿1を1本ずつ逆傾斜壁部20の逆傾斜面21に沿って上方向に押し上げ、逆傾斜壁部20を越えて下流へ竿1を移動させる。具体的には、押上部30は、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等のアクチュエータ32と、アクチュエータ32に接続される押上体33とからなるものであり、押上体33の上面が竿押上面31として構成されれば良い。なお、押上部30は、竿押上面31により逆傾斜面21に沿って竿1が押し上げられるように構成されるものであれば、アクチュエータには限定されず、例えばラックピニオンギヤとモータを用いるものや、ボールねじ等を用いるもの等、如何なる構成であっても良い。さらに、押上部30は、竿押上面31により逆傾斜面21に沿って竿1が押し上げられるように構成されるものであれば、既存の又は今後開発されるべきあらゆる装置を適用可能である。
【0022】
図2を用いて押上部30により竿1が上方向に押し上げられる様子を説明する。図2は、本発明の竿取出装置の押上部により竿が押し上げられる様子を説明するための概略側面図であり、図2(a)が竿を上方向に押し上げている最中の状態を、図2(b)が逆傾斜壁部を越えて下流へ竿が移動する状態を表している。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。まず、図2(a)に示されるように、押上部30は、複数の竿1が竿押上面31上にあっても、そのまま逆傾斜面21に沿って上方向に押し上げる。すると、逆傾斜壁部20の逆傾斜面21が竿受部11側に傾斜するように構成されているため、竿押上面31の直上の1本の竿以外の竿1は、竿受部11側に自重で落下することになる。即ち、逆傾斜面21の傾斜により、竿押上面31の直上の竿1以外の竿1が逆傾斜壁部20の頂部22へ到達する前に竿受部11側に落下することになる。そして、竿押上面31が水平に対して下流に向かって低くなるように傾斜しているため、竿押上面31の直上の1本の竿1のみが落下せずに残ることになる。したがって、押上部30により、竿押上面31上の1本の竿1のみを逆傾斜壁部20の頂部22側に移動させることが可能となる。
【0023】
そして、図2(b)に示されるように、押上部30により逆傾斜面21に沿って竿1を逆傾斜壁部20の頂部22まで押し上げると、竿押上面31が水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜するように構成されているため、逆傾斜壁部20を越えて竿1が自重により下流へ移動する。これにより、竿1を1本ずつ取り出すことが可能となる。なお、図2(b)に示される例では、押上部30の竿押上面31は、逆傾斜壁部20の頂部22より高く押し上げられるように構成されているものを示した。これにより、確実に竿1を下流に移動させることが可能となる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、竿押上面31と頂部22が面一となる程度まで竿押上面31を押し上げれば足りる。竿1は、竿押上面31の傾斜により自重で確実に下流に移動する。
【0024】
このように、本発明の竿取出装置によれば、押上部により竿を上方向に押し上げるだけのシンプルな構造のため、制御も容易で確実に1本ずつ竿を取り出すことが可能となる。また、本発明の竿取出装置によれば、逆傾斜面に沿って押上部により竿を押し上げる動作のみで1本ずつ竿を取り出すことが可能となるため、稼働中に操作者が手を挟むような部分もない。したがって、カバー等の保護が不要でありながら安全性の高いものとなる。
【0025】
ここで、押上部30の竿押上面31は、竿1を1本ずつ押し上げるためのものである。したがって、図2に示される通り、竿押上面31の、逆傾斜壁部20の逆傾斜面21からの厚み方向の長さLは、竿1が1本のみ乗る程度であれば良い。即ち、竿1の直径の1.5倍よりも短く、半径よりも長ければ良い。しかしながら、押し上げる際に、逆傾斜面21に接していない竿1に干渉させないためには、長さLは竿1の直径よりも短く、半径よりも長いものが好ましい。
【0026】
また、図2の逆傾斜壁部20の頂部22は、水平方向に対して下流に向かって低くなるように傾斜している例を示した。このように構成することで、押上部30の竿押上面31の傾斜と相まって、竿押上面31により竿1が逆傾斜壁部20の頂部22まで押し上げられた際に、竿1が竿押上面31上に留まることを防止可能である。押上部30の竿押上面31の傾斜角度は、逆傾斜壁部20の頂部22の傾斜角度よりも急であれば、よりスムーズに竿1を下流に移動させることが可能となる。なお、竿押上面31の傾斜角度は、必ずしも頂部22よりも急である必要はなく、竿1が自重で下流に移動する程度であれば、頂部22よりも緩くても良い。
【0027】
ここで、再度図1を参照すると、逆傾斜壁部20の頂部22は、竿ストック部10の蓄積可能な高さよりも高いものである。これは、必ずしも高いものである必要はないが、竿1が蓄積可能な上限まで竿ストック部10に多数蓄積された場合に問題となり得る。即ち、押上部30により竿1を押し上げた際に、竿押上面31上の1本の竿1以外の竿が竿受部11側に落下するスペースがなくなるおそれがあるためである。したがって、竿ストック部10の蓄積可能な高さよりも高くなるように逆傾斜壁部20を構成することで、確実に竿押上面31上の1本の竿1以外の竿を落下させることが可能となる。
【0028】
次に、図3を用いて逆傾斜壁部20の頂部22及び押上部30の竿押上面31の他の例について説明する。図3は、本発明の竿取出装置の逆傾斜壁部の頂部及び押上部の竿押上面の他の例を説明するための概略側面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。上述の図示例では、逆傾斜壁部20の頂部22は、下流に向かって低くなるように傾斜しているものを示した。しかしながら、図3に示される例では、頂部22が水平面で構成されるものを示した。頂部22の厚みがある程度薄く、竿1がスムーズに下流に移動するように構成される場合には、頂部22は図示例のように水平面で構成されても良い。また、逆傾斜面21と押上部30の押上体33との間に間隙がある場合、逆傾斜面21から間隙を含めた厚み方向の長さLが竿1の直径よりも短く、半径よりも長いものであれば良い。さらに、竿押上面31は、水平よりも下流側が低くなるように傾斜する面からのみ構成されるものには限定されず、図示例のように、竿押上面31の先端部分が面取りされたような形状を有していても良い。即ち、押上体33の先端部の大部分が、下流側が低くなるような傾斜面を有する竿押上面からなるものであれば良い。
【0029】
次に、図4を用いて押上部30の詳細について説明する。図4は、本発明の竿取出装置の押上部の詳細を説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。図示の通り、押上部30は、アクチュエータ32と、押上体33とからなるものであれば良い。アクチュエータ32と押上体33は、T字状に配置されており、アクチュエータ32の駆動により押上体33が逆傾斜面21に沿って上下方向に移動可能に構成されている。上述の通り、押上体33の上面が竿押上面31として構成されている。押上体33は、竿1の長手方向に平行に配置され、竿1よりも短く、さらにいえば、2本の竿受部11の間を通れる程度の長さを有するものであれば良い。
【0030】
図4に示される例では、押上部30は、竿1の長手方向の所定の長さを面で押し上げるものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。図5は、発明の竿取出装置の押上部の他の例の詳細を説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。図示の通り、押上部30は、2つの竿押上面31a,31bを有するものであっても良い。即ち、押上体33が、竿1の長手方向の両端近辺を押し上げられるように構成されている。具体的には、竿1の中心付近には触れず、竿1の両端近辺のみを押し上げられるように構成されていれば良い。なお、両端近辺とは、両端からある程度内側の中心付近を避けた部分であれば良い。また、両端であっても良い。図示例では、押上体33が凹形状を有しており、両端の上方向に延在する部分の先端が竿押上面31a,31bを有するように構成されている。
【0031】
このように、竿1の長手方向の両端又は両端近辺を押し上げるように構成された押上部30を用いた竿取出装置の場合、以下のメリットがある。即ち、竿1が湾曲している場合でも、確実に押上部30により竿押上面31a,31b上の竿1を1本ずつ逆傾斜壁部20の逆傾斜面21に沿って上方向に押し上げることが可能となる。具体的には、竿1が弓状に湾曲している場合、竿1の長手方向の両端又は両端近辺を竿押上面31a,31bで押し上げると、自重により竿1の中心付近が下側に撓むように回転することになる。このとき、竿1が竿押上面31a,31bから落下することはない。したがって、竿1が湾曲している場合であっても確実に竿1を上方向に押し上げることが可能となる。なお、湾曲した竿に対応する場合には、竿1の中心付近が下側に撓むため、押上部30の竿押上面31a,31bは、逆傾斜壁部20の頂部22よりもより高く押し上げられれば良い。
【0032】
また、図6に示されるように、押上部30は複数のアクチュエータからなるものであっても良い。図6は、発明の竿取出装置の押上部のさらに他の例の詳細を説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。図示の通り、押上部30は、複数のアクチュエータ32a,32bを用いるものであっても良い。アクチュエータ32aには押上体33aが接続され、アクチュエータ32bには押上体33bが接続されている。アクチュエータ32aとアクチュエータ32bは、押上体33a、33bを連動させて逆傾斜面21に沿って上下方向に移動可能に構成されている。このように、複数のアクチュエータを用いて、竿1の長手方向の複数点を上方向に押し上げるように構成しても良い。このような構成の場合も、上述のように竿1が湾曲している場合でも確実に1本ずつ竿を取り出すことが可能となる。
【0033】
なお、本発明の竿取出装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
1 竿
10 竿ストック部
11 竿受部
20 逆傾斜壁部
21 逆傾斜面
22 頂部
23 ホッパー
30 押上部
31 竿押上面
32 アクチュエータ
33 押上体
図1
図2
図3
図4
図5
図6